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予算決算常任委員会 令和2年3月2日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年9月23日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(三角君):ただいまより、予算決算常任委員会を開会いたします。(9:58)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり理事者質疑を行いたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、傍聴希望者がおり、入室を許可いたしましたので、報告いたします。
理事者及び傍聴者入室のため、暫時休憩いたします。(9:59)

委員長(三角君):委員会を再開いたします。(10:00)
1付託案件の審査、(1)議案第27号 令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)を議題といたします。
これより、理事者質疑を行います。
初めに、アの市立病院の経営健全化団体への移行について、岡委員より質疑願います。

岡君:今回の補正予算ですが、今年度は一般会計から13億円を借り入れることとなっております。昨年度は補正予算で6億円を借り入れることになりまして、その際にも理事者質疑があったと思いますが、経営再建を頑張るということをお約束いただいた上で、6億円を借り入れたと思います。
ただ、結果としては、今年度、また13億円を借り入れることとなりまして、議員から見ると、市立病院については、もう市長がお話しされている頑張るということについて、信頼を持って受けとめられない、もしくは、今後の市立病院の経営についても大変不安を感じざるを得ない状況になっていると思うのですが、市長、その点はいかがお考えになりますでしょうか。

市長:市立病院の再建に向けての私の姿勢といいましょうか、これまでの取り組みについての質疑でございます。
市立病院の再建に向けましては、江別市立病院経営改革プラン、さらには、江別市立病院新公立病院改革プランなどを進めてまいりました。
これまで進めてきた事業は、医師の確保の問題等もございまして、改善がなかなか進まないという実態がございました。
また、議会におきましては、この江別市立病院新公立病院改革プランの進行管理の関連で、市立病院・地域医療検討特別委員会を設置されまして、1年以上をかけて議論していただきました。その議論の中でさまざまな御意見を頂戴しております。
さらに、市民の皆さんからも、専門委員会等を設置して検討すべきではないかという御意見をいただいたところでございます。
議会におきましても、市立病院・地域医療検討特別委員会から御意見を頂戴いたしまして、これまで計画を立てても実行できなかったさまざまな項目を江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会でも専門的な御議論をいただき、今、これまで改善できなかったことを改善するための取り組みを進めております。
これまで、私どもが検討している中で、なかなか改善に至らなかったことはまことに申しわけないと思っております。今回、専門の先生から御意見いただいたものを着実に進めることで改善につながると確信しているところでございます。

岡君:我々も、当然、改善が進むようにぜひ頑張っていただきたいと思っているところです。
質疑の趣旨ですが、市長は、今までさんざんそのようなことを言われています。今の段階でその言葉をそのまま受け取ってほしいと言われても、議員としては不安があるといいますか、非常に心配してしまうといいますか、その言葉をそのまま受け取れないという思いをどのようにお考えになられるかということを伺います。

市長:議会と岡委員の思いは重々承知してございます。
今回、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会に御議論をお願いした経過は、これまでの流れをどうにかして変えようという思いでございます。江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の委員からは、これまで我々が考えている改革とは違う、構造的、根本的なところにかなりメスを入れていただきました。これまでできなかったこと、または、進まなかったことも含めて対応できるのではないかと期待し、また、我々もやらなければならないという思いがあります。

岡君:私の考えている不安などは御理解いただいていると理解いたしました。
その上で、今回の13億円の借り入れですが、やはりその不安を払拭させるためには、市長の言葉だけではなく、具体的な事業計画や収支計画、返済までの資金繰りの見通し、もしくは、計画どおりに行かない場合はどういった対応をするのかというところまで含めてお示しいただいて、初めて借り入れができると考えます。現段階でそういったものは示されていないと私は理解しておりますが、どのようにお考えでしょうか。

市長:長期借入金を返済できるかどうかの見通しについての質疑でございます。
今回、一般会計からの長期借り入れとして、現在提案中の補正予算13億円のほかに、平成27年度には7億5,000万円、平成30年度には6億円の借り入れ、さらには、病院建築債や医療機器分を含め、起債も合わせますと、年次によってさまざまな償還が出てきます。
そこで、10年の起債に関連した償還の見通しでございますが、現在のところ、その償還の見通しにつきましては、平準化を図ろうということで進めております。その計画は、前回、資料でお示ししたところでございますけれども、この返済の見通しにつきましては、市立病院の償還分に係る一般会計からの繰入金を差し引き、約5億3,000万円の市立病院の自主財源が必要になります。その自主財源につきましては、これまでは市立病院そのものが赤字だったために、キャッシュ・フローで資金がありませんでしたが、これが単年度収支で改善できますと、約5億4,000万円のキャッシュ・フローが出ますので、それで返済できると考えております。
もう一つは、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)についての質疑だと思いますが、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)につきましては、この資料の中でお示ししておりますので、これをぜひ御議論いただければと思っております。

岡君:単年度収支の黒字化を図っていきたいというお気持ちはわかりますし、私もそうなってほしいと思っていますが、私の質疑としては、言葉ではなくて、13億円を借り入れる段階でしっかりとした計画を示してほしいということです。つまり、事業計画、収支計画、それから、今言われていたような資金繰りの見通しをしっかりと数値で我々に示していただかないと、とてもではありませんが、今の御答弁で13億円を貸してくださいと言われましても、無理であると思いますがいかがでしょうか。

市長:当委員会に提出しております資料は、市立病院の新年度予算になっており、経営再建に向けた必要な項目への対応は、3年間の集中改革期間でお示ししております。ぜひ、その中で審査いただければと思っております。

岡君:今の補正予算は、まず13億円を貸し付けてくださいということで、13億円を借りるときに、来年度の予算は来年度予算の審査のときに審査しますが、これは令和10年度以降まで返済が続くという見通しですから、今、それを数値で示してもらわないと判断は無理です。当委員会は、一般会計の来年度予算を審査する前に結審しなければなりません。今、その全体像が示されていない中で、どうやったら、できる、できないを判断できると思いますか。

市長:今回の13億円の借り入れにつきましては、新年度予算とリンクして議論しなければ、一体化した審査ができないと思っております。
そこで、資料の中で、これは新年度にかかわることでございますけれども、令和2年度から令和5年度までを抽出しまして、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から提言をいただきました市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)で御説明しております。それに基づきまして、令和16年度まで推計した起債の償還計画の推移をお示ししております。その中で、具体的な数値というお話がございましたら、御説明させていただきたいと思います。

岡君:我々は、まだ新年度予算を審査しておりませんし、この市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)についても、新年度予算以降に関連するものということで、この補正予算の審査では、そこまでしっかりと数値を見ているわけではございません。
今の市長の御発言から考えて、当委員会としては、現段階では補正予算を審査せず、新年度の予算と一緒に審査させていただくということでよろしいのでしょうか。

市長:今回、13億円の補正予算を出させていただきましたけれども、同時に新年度予算も計上しております。この補正予算は、先ほども申し上げたとおり、新年度予算とのリンクが必要でございますので、それは議会の中で御協力いただきたいと思っております。

岡君:当委員会の予定としては、先に補正予算だけを審査、結審して、一般質問の初日に議決する流れと理解していますが、市長としては、そうではなくて、市立病院の補正予算については新年度予算と一緒に審査を続けて、議会として最終的な結論を結審で出させていただくことでよろしいということでしょうか。

委員長(三角君):暫時休憩いたします。(10:13)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(三角君):委員会を再開いたします。(10:17)

市長:審査日程になろうかと思いますが、国への起債申請の絡みがありまして、現在の日程からいきますと、3月12日までに補正予算の議決をいただければ、国への起債申請ができますので、それまでの審査をいただければと思います。

岡君:それは市立病院と関係のない補正予算の話だと思います。
市長がおっしゃったのは、今回の市立病院の補正予算13億円については、令和2年度の市立病院の当初予算と一体のものであるので、そのような形で審査してもらいたいという意向かと思います。そうであれば、新年度予算の審査は3月11日以降だと思いますので、令和2年度またはそれ以降の事業計画は何も審査されない、もしくは、そういったものが示されないまま、とりあえず13億円の補正予算だけは結審してくださいと聞こえたのですが、それはできないと思います。その点の考え方についてはいかがですか。

委員長(三角君):暫時休憩いたします。(10:19)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(三角君):委員会を再開いたします。(10:20)

市長:今ほど申し上げました3月12日の起債の申請期限でございますけれども、これは市立病院以外の起債も全部入っておりますので、これは審査がなければ、それ以外のところにも影響が出ることとなります。
そこで、先ほどの質疑にも関係しますが、新年度予算に関連する市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)につきましては、補正予算の審査に関係するため、提出させていただきましたので、3月12日までに議決をいただきたいと思ってございます。
改めて御協力をお願い申し上げます。

岡君:市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)も今回の補正予算の審査で示されておりますけれども、細かいことは令和2年度当初予算での審査ということで、現段階でそこまで細かく審査していません。
先ほどのお話だと、令和2年度当初予算と一緒に考えてくださいということでしたが、市長としては、我々に3月12日までにもう1回審査してほしいのか、令和2年度当初予算とは切り離して市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)に基づいて審査してほしいとおっしゃりたいのか、我々にどうしてほしいと考えているのか、伺います。

市長:先ほど申し上げましたのは、補正予算を審査する上で、返済の見通しが立つのかどうかわからないので、審査できないというお話でございました。
今回の13億円の補正予算をどのように返済できるかについては、先ほど申し上げました江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの提言に基づいて、それが着実に実行できるかどうかにかかっております。それを説明しなければ、返済の見通しについての御議論ができないということだと思いますので、そのために、今回、補正予算の中で市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)を出させていただいて、審査いただいていると思っております。そこで、期間がなくて、または、新年度予算だから審査していないということであれば、改めて審査をお願いしなければならないと思っております。
私は、先ほど申し上げたとおり、関係資料を提出させていただきましたけれども、補正予算を審査する上で必要なものは、新年度予算にかかわるかもしれませんが、出させていただいたつもりでございます。

岡君:先ほどの説明の内容は、新年度の予算と一体で補正予算13億円を審査するというよりは、今回の補正予算の審査で市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)を出しているので、その中で実現の可能性における説明というものだと受けとめたいと思います。
ただ、この市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)は、これは、これでいいと思いますし、頑張ってほしいと思っていますが、13億円を貸し付けるときの事業計画や収支計画、返済までの資金繰りの見通し、計画どおりに行かない場合の対応など、普通、銀行がお金を貸すときは、こういったものをしっかりと書類で出してもらってから貸すと思います。昨年度ならまだ単年度だけ6億円の借り入れで頑張るということでわからなくもなかったですし、今年度も6億円が減っているならわからなくもありません。しかし、6億円だった資金不足が年度末にいきなり13億円になった今の状態は、最初に申し上げたように、我々として、信頼感がなく、不安がある状態だということを市長も御理解いただいているところかと思います。
そのような中では、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)は、いわゆるお金を借り入れるときに見せる計画とはかなり違うと思いますが、その辺はどうお考えになりますか。

市長:今回の補正予算で市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)を審査するためのデータの提供かと思いますが、私どもは、去る2月5日に江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から答申をいただきまして、それに基づいて、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)をつくったところでございます。これから実行するに当たって、具体的な対応については一部不安な点もあろうかと思いますが、私どもが現状でできる最大のものを出させていただいたと思っております。それが信頼できるものに該当するかということもございますが、ぜひこの詳細について御質疑いただいて、中身をチェックしていただきたいと思っております。

岡君:市長として、現段階で最大限のものを出していただいたということは理解しました。
ただ、私の質疑は、一般的に13億円もの金額を借り入れる場合に、本来であれば、かなり詳細な計画があるべきではないでしょうか。社会通念上、さすがにこの市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)だけで13億円を借り入れることはないと思いますが、その点はいかがお考えになりますか。

市長:これは地方自治体の予算編成、または、資金繰りという形になろうかと思います。常に最良の時点で公表して、市民に御理解いただきながら進めるということでございますので、民間との比較においてはさまざまな御意見があろうかと思いますけれども、その辺は信頼していただきたいと思っております。

岡君:やはり信頼してほしいという言葉になります。気持ちはわかりますが、過去の経緯を見ますと、我々も言葉だけでは信頼しにくいというのが、最初に市長の御理解をいただいたとおりかと思います。
次に、資金不足比率の話ですが、実質的に昨年度から資金不足が急速に膨らんでいる状況になっています。資金不足比率が示されていて、平成29年度は4.3%、平成30年度は10.0%、今回の補正予算案で示していただいている令和元年度は、13億円を借り入れて3.0%ということです。
細かいところで申しわけありませんが、昨年度は6億円、今年度は13億円を借り入れるという前提ですので、仮に、昨年度の6億円を借り入れず、さらに、今年度の13億円も借り入れなかったとしたら、それぞれどのような数値になっていたかをまずはお示しいただければと思います。

市長:御指摘の平成30年度に6億円の借り入れがなかった場合は21.6%、今回の令和元年度に13億円の借り入れがない場合には30.9%の資金不足比率になります。

岡君:我々としては、4.3%、21.6%、30.9%と急激に悪くなっている実態であると理解してよろしいですか。

市長:そのとおりだと認識しております。

岡君:決算カード等にこの情報が出てくるわけですが、例えば13億円の借り入れがあった場合、結果として、昨年度10.0%だったものが3.0%となり大幅に改善しているように見えてしまうわけです。決算上、一般会計から長期借り入れをしたのが見えにくく、我々議員でも、ずっと見ている人でないと、10.0%が3.0%になって、これはよくなったのではないか、今年度は頑張って経営が改善したのだと思うことになります。
やはり13億円を借り入れることで10.0%が3.0%になるというのは、うそをついているとは言いませんが、数字をつくっていると見られてもいたし方ないのではないかと思いますけれども、その点はいかがお考えになりますか。

市長:資金不足比率が20%を超えますと経営健全化団体になりますが、そのことを意識しているわけでは全くございません。
私どもは、これまで、市立病院の自主再建に向けた取り組みを進めてまいりました。江別市は、昭和56年に、当時は準用再建団体と言っておりましたが、経営健全化団体の指定を受けた経緯がございます。そのときの反省を踏まえまして、それ以降、市民医療の確保の観点または必要な不採算医療の観点から自主再建を進めてまいりました。自主再建をすることになりますと、一般会計からの繰り入れという形になります。そうなりますと、資金不足比率のパーセンテージが低くなるという結果が出てまいります。
私どもは、先ほど委員から指摘がありました資金不足比率をよくするために対応しているわけではございません。もしそのような誤解があるようでしたら、借り入れがない場合の資金不足比率を別枠で公表することは全く問題なく、いつでも公表できると考えておりますので、そのような意味でも努力させていただきたいと思っております。
また、これまで、市立病院・地域医療検討特別委員会の中では、経営健全化団体入りについての議論はなく、一般会計からの貸付金額の論議が続いてございましたので、議会におきましても、そのような意味での御理解をいただいているものと思っておりました。
また、今回、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会がございましたが、その中でも経営健全化団体に向けた取り組みを進めるべきという御意見をいただいておりません。ですから、私どもは、今、国の管理下で経営健全化を図るのではなく、自主的に市民に必要な医療を確保しながら経営健全化を図る道を進める必要があるということで対応してきたところでございます。
そのために、先ほど申し上げた一時借入金でいきますと、資金不足比率は機械的にそのような数値になってしまうということでございます。

岡君:地方公共団体の財政の健全化に関する法律の趣旨は、市民にも、当然、議会にもわかりやすい数値で財政情報をお知らせするというもので、情報開示も法律の大きな趣旨の一つだと思います。そのような観点から言いますと、市長としては、やはりしっかりと悪い数値も示さなければいけないという思いは同じと理解してよろしいですか。

市長:申しわけありませんが、今まで、資金不足比率について、そこまで意識しておりませんでした。そのような意味で、資金不足比率を見せかけとして経営がよくなっているように見えることは作為的であると捉えられるという認識をしておらず、機械的にそのような比率になるということでございました。今、御不満であるとの指摘をいただきましたので、私としても、市民の皆さん、さらには、議会にも本来の一般会計から借り入れた場合の計算上の比率と、実態の比率をお示しすることができるのではないか、また、できる限りそのようなことを表示して、理解していただくように努力してまいりたいと考えています。

岡君:次に、経営健全化団体入りについてですが、昨年度も年度末に急遽6億円を借り入れて、しかも、それは6億円だけで何とか頑張るという考えのもとに借り入れたものでございました。昨年度は、単年度で済んで、その後、改善していくということをしっかりと示していただいたと思います。単年度だけであれば、あえて経営健全化団体にならなくてもいいということもあって、市立病院・地域医療検討特別委員会の中でもそこまで議論してこなかったのではないかと思います。
今年度の補正予算13億円は今出てきた話なので、議会としても、今まさに経営健全化団体入りについて議論しなければならないと考えているところでございます。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から答申等が出されておりますが、別に、自主再建であろうが、経営健全化団体入りしようが、しっかりと経営再建を果たしていくことは変わらないと思います。経営健全化団体になると、個別の外部監査が必要だったり、経営健全化計画を策定して議会の議決を得ることが必要です。これをつくったところで国から何らかの金銭的な支援もないので、無理につくらなくてもいいという思いはわからなくもないですが、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の趣旨からいうと、これだけ悪い状況になっているわけですから、しっかりとそのような流れに乗っていただくことも必要ではないかと思っております。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会では、一般会計から病院事業会計への支援は必要であると言っておりますが、令和元年度末に13億円を借り入れて支援してほしいと、そこまで細かい話をしているわけではありません。今の市立病院の経営状況もしくは地方公共団体の財政の健全化に関する法律の趣旨からいっても、経営健全化団体に入るのが適切ではないかと思いますが、その点はいかがお考えでしょうか。

市長:経営健全化団体は、国が各地方自治体の一部を制限した上で、その財政に介入して、非常手段という形で経営再建を図るものでございます。医療については、地域によって必要な医療、不採算でも行わなければならない医療がございます。そのような医療を経営健全化団体という物差しだけで国の介入を受けて、国の管理下で経営再建することは、地域の意見を集約して医療の提供に反映することができなくなると思っており、今回も自主再建の取り組みを提案させていただきました。
また、岡委員からさまざまな懸念が指摘されております。これまでの計画が着実に進むかどうかでございますが、今回、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からかなり構造改革にかかわるような御議論をいただいております。その御意見を着実に実行するためには、経営健全化団体と同じような形になるかもしれませんが、そのための進行管理をする外部委員会、さらには、次々と報告するような仕組みづくりをぜひ進めていきたいと思っております。そのような管理のもとで、今回、地域に必要な医療を提供しながら自主的に経営再建をしていくための取り組みを進めるところでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
そして、もう一つ大きなことは、やはり起債の関係でございます。経営健全化団体になりますと、総額全体と病院事業の起債もありますが、それ以外の起債の制限を受けます。そうなりますと、市全体の事業の執行にも影響いたしますので、ぜひ避けたいと思っております。
また、今ほども委員から話がありましたとおり、経営健全化団体になりましても、国からの支援策がほとんどございませんので、そのような意味からも自主再建を考えたところでございます。

岡君:1点だけ確認させていただきます。
今のお話だと、市全体の起債が制限を受けると聞こえましたけれども、あくまで病院事業の起債が制限を受けるという話ですので事実と違うと思うのですが、私の理解が間違っていたら確認させてください。

市長:病院事業の起債ももちろん制限を受けます。一般会計からの貸し付けもかなりの金額が義務づけられますので、それも国から指示を受けます。それにより、市全体の事業が制限を受けることになります。そのような観点から、具体的に制限されるわけではございませんが、一般会計からの支援の中に市立病院に関する起債も出てくることは、他の事業にも影響することから、心配しなければなりません。

岡君:全国の公立病院で、現在、経営健全化団体入りしているところがございます。私も全てをチェックできたわけではありませんが、必ずしも、市長がお話しされた状況になっているわけではないと認識しております。
自主再建について、外部からの進捗のチェックなどは経営健全化団体でも求められていることで、まさに経営健全化団体になることで、そのようなチェックがより進むと思われます。過去13年間、自主再建に取り組んだ結果、今の状況になっています。まさに市長が言ったとおり、昭和56年に準用再建団体になってから経営再建が進みました。ですから、ここは、今まで宿題をやってこなくて、これから頑張るということよりも、いつ何をやるかチェックする仕組みがしっかりあるから、その中でやってくださいと言われても、だだをこねてそれは嫌だと言っているように聞こえるのですが、これまでの経緯を見れば、やはり経営健全化団体になるほうがより経営再建が進むと考えられませんか。

市長:経営健全化団体になって経営再建すべきということでございますが、先ほど申し上げましたとおり、医療の特殊性がございます。今回、過去のさまざまな問題点を反省しまして、議会や市民からも御意見をいただき、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置しました。江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からは、構造的なものも含めて、詳細にわたって答申をいただいておりますので、この答申に基づいて経営再建できれば、我々が考えている今までの流れを変えることができると思ってございます。
先ほど、経営健全化団体になるべきだというお話がありましたが、市民にとって必要な医療を提供しながら、いかに経営再建するかということですので、私としては、自主再建をする考えのもとに、その実態や状況を見ながら経営再建すべきだということで、その道を選んで提案させていただいております。

岡君:今の答弁は医療に関してはなじまないのではないかという理解をしましたけれども、病院事業に関しては、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の趣旨はそぐわないと御答弁されたと理解してよろしいですか。

市長:採算が合う医療を提供できる地域におきましては、そのような考え方もあろうかと思いますが、私どもは、これまで産婦人科や小児科などの不採算医療を提供してきております。さらには、これから高齢化が進んでまいりますと、在宅医療も含めまして、本来行わなければならない医療が数多く出てまいります。その医療を提供していくためには、自主再建が適切であろうと思っています。
したがいまして、地域によって医療提供の仕方や考え方が違いますので、一概に同じような考え方になるべきだということではございません。少なくとも、江別市においては、今後の高齢化、さらには、子供たちがふえていることを含めて、産婦人科や小児科の対応に注目して、重点的に取り組んでいくことを考えますと、私は、自主的な考え方のもとに市立病院を経営しながら再建を図ることが必要ではないかと思っております。

岡君:不採算部門の医療に関しては、既に一般会計の約14億円を充てているわけで、当市は基準以上に貸し付けていると思っています。そこまで行っても、やはり経営状態が非常に悪く、数値が悪くなっているのが現状であって、今の市長のお話とは異なっていると思います。
夕張市の事例があって施行された地方公共団体の財政の健全化に関する法律は、全国一律でアラートをしっかり出してチェックするという趣旨です。先ほどの御答弁のとおり、実態としては既に経営健全化団体となる基準を超えているわけですが、それでも、あくまで経営健全化団体入りを拒むというのは、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の趣旨からするといかがなものかと思います。
要するに、議会は、医療に関しては約14億円の一般会計からの繰り入れでしっかり対応していると思っています。今、それを超えて悪くなっているのですから、経営健全化団体入りするのはおかしくないのではないかという考えですが、いかがでしょうか。

市長:現在、必要な医療を行うために一般会計から繰り入れているということでございます。
私どもは、経営健全化団体になった場合に、不採算医療を制限されるのではないかということを懸念しております。例えば、医師や患者数の問題のほか、産婦人科の対応などの必要な医療は、やはり収益につながらないことから中止または制限されることを我々は非常に懸念しております。
それ以外の診療科目もございます。先ほどお話がありました在宅医療でいいますと、100床以上の医療機関がそれに対応しますと診療収益が大幅にダウンし、100床以下の医療機関ですと診療収益が上がります。したがって、市立病院のような100床以上の医療機関はやめるべきではないかと言われます。必要な医療を提供できなくなりますので、それを懸念して、私どもは自主再建という道を選んでいるところでございます。

岡君:そのような懸念に対してもしっかりと応えられるように、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会をつくって、今後の医療に必要な病床数や診療科目などについて、あれだけしっかりとした議論のもとに答申をいただいているわけで、しかも、不採算部門に関しては、一般会計から繰り入れています。国から、何でもかんでもやめるようにと言われる懸念はあるでしょう。だからといって、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の趣旨に反して経営健全化団体入りをある意味逃れるような形で一般会計から資金を借り入れるのはいかがなものでしょうか。堂々めぐりになりますが、最後にもう1回だけお答えいただければと思います。
要するに、懸念があったとしても、国との調整の中で、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会をつくって、専門家の意見を聞いて、この診療科目は必要だということで、国と議論できるのではないですか。

市長:市といたしましては、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からいただいた答申に基づいて着実に改善策を実施することで、経営健全化団体にならなくても同じような形でチェックができるわけであります。したがいまして、これまで、さまざまな懸念のお話をさせていただきましたが、自主再建で進めていきたいと思っております。

委員長(三角君):それでは、他の委員からの関連質疑をお受けいたします。
質疑ございませんか。

吉本君:ただいまの質疑の関連で、何点か確認させていただきます。
1点目は、一般会計から借り入れた場合の資金不足比率の数値の変化についてです。
市長からは、一般会計から病院事業会計に借り入れて数値が変化しても、それは数値のみの変化だという御答弁でした。ただ、その後に、一般会計から借り入れない場合には、このような数値で経営健全化団体の比率の基準に該当するということを説明されるなら、その辺はぜひ誤解のないようにしていただきたいと思います。私も数値だけだと思っておりますし、この地方公共団体の財政の健全化に関する法律もいかがなものかと思っていますから、そのあたりは本当に誤解のないようにして、もし記載されるとすれば、その辺はぜひ慎重な対応をしていただきたいと思います。
もう一つは、先ほどの一般会計からの繰り入れ約14億円について、不採算医療を全て見ているのかという質疑に対して、そんなことはないという答弁がなかったと思います。計算の仕方は、例えば、精神科でしたら、病床数や運営費用の何分の1という計算をしていると思いますし、地方交付税措置も半分程度あると思いますので、江別市が約14億円の全てを負担しているわけではないと思います。これで不採算医療を全て見ているのだという理解をしてよろしいですか。

市長:一般的に不採算医療にはさまざまございまして、特に不採算と言われている救急や精神科につきましては、国の地方交付税措置の対象になっております。したがいまして、国から資金の支援を受けながら、それに市の考え方をプラスして、一般会計から繰り入れています。
また、産婦人科や小児科などの不採算医療は、市にとって必要な医療ということで、市独自で個別に一般会計から繰り入れているものでございます。したがいまして、さまざまな形態がございまして、市が一般会計から不採算部門の費用を全て充てているということではございませんので、そのような意味での御理解をいただきたいと思っております。

委員長(三角君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、イの一般会計からの借入金の償還についてを岡委員より質疑願います。

岡君:起債の償還額の資料を御提示いただいて、この補正予算で出ている13億円の借り入れに対する償還については、8年間の据え置きということで、本格的な償還は令和10年度以降になると思いますが、私は、まさかこういったものが出てくるとは思っていませんでした。単に問題を先送りにしているといいますか、単純に金額だけを当てはめれば、確かに市立病院設立当初の起債がなくなるので、その後に持っていけば償還できるという絵を描くことはできます。ただ、そこまでの資金繰りの見通しが出ているわけではなく、単に問題を先送りにするのは余りに無責任ではないでしょうか。しかも、市長は、恐らく令和10年度には市長をやられていないと思います。いろいろな考え方があるのはわかりますけれども、そこまでこの13億円の償還を先送りするのは無責任だと捉えられてもいたし方ない面があると思いますが、その点はいかがお考えになりますか。

市長:御質疑は、今回の令和10年度からの起債償還が先送りではないかということでございます。
市立病院の建築や整備を含めまして、長期計画を立てて進めてまいります。そのような意味からいきますと、収益が出てくる時期、さらには、体制を組める時期は、さまざまな要素がございますので、どうしても期間を長期に分けて資金繰りの計画を立てていかなければならないということがございます。
一方で、市立病院の場合は、その時々の対応により情勢が大きく変わる可能性がございます。それはこれまでも議論されておりましたけれども、診療報酬の改定と法律の問題がどうしても出てまいります。医療関連法案、さらには、介護関連法案など、その時々で大幅に変わってまいりますので、その準備をしながらという形になろうかと思います。
そこで、常に安定的な経営をしていかなければならないということです。一時期に山をつくって、そこで一括償還という形は非常に難しいわけでございますので、当然、平準化を図って安定しながら償還し、そして、運営していくことが必要です。
令和10年度には、市立病院の改築に関係する償還額が少なくなってまいりますので、その時期を捉えて、今回、平準化を図ったところでございます。
私どもは、極力、資金に関連して山をつくることなく平準化した上で進めていきたいという思いから、このような計画になったところでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。

岡君:技術論としてはわからなくもありません。そうでもしないと絵を示せないという意味ではわからなくもありません。まさに市長がおっしゃったように、病院経営は時々で情勢が変わります。法律も変わります。令和10年度のことは、さすがに私もわかりません。ただ、そこまで延ばしてしまうことに対して、責任感がないと思われてもいたし方ないのではないかと思います。令和10年度には、今ここにいる人の中で、誰かはいるかもしれませんが、病院事務局職員は誰もいないと思います。市長の言っていることはわかりますが、結局は単に先送りですから、議会も無責任だと言われます。議会も、ただ単にそれを認めたのか、責任がないのではないのかと言われてもいたし方ないと思いますが、その点のお考えはいかがですか。

市長:繰り返しになりますが、私どもは、やはり病院経営の安定化を図って、必要な医療を提供していくという考え方に立たなければならないと思っております。そのためには、やはり資金繰りの平準化を図ることが必要ですが、先ほども申し上げましたとおり、その時々で医療制度や仕組みも変わる可能性が十分にあります。それらに対応するためにも平準化を図っていく必要があるのではないかということから、今回、提案させていただいたところです。

岡君:令和10年代にさらに悪化しているかどうか誰にもわからない状況の中で、やはり単に8年間の据え置きだけでは、なかなか理解が得られないと思います。一般会計を含めて、どのような自助努力をされるのか、具体的にどれぐらい削減できるのかというものを合わせて提出していただいて、そこまでおっしゃるのであれば、理解できると思います。新聞報道等では市職員の給与削減という話も出ているようです。ただ、審査の段階では何ら決まっていないということでございました。仮に償還が令和10年度以降まで続くとしても、25億円ぐらいは、こういった努力をしますというものがないと、余りに無責任だと思われませんか。

市長:江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から経営健全化に向けての答申をいただきまして、答申の項目に取り組むということでございます。今回、大きく変わっておりますのは、以前から申し上げておりました収入に見合った予算編成ということで、今回はそれを基本に新年度予算を計上しております。現状で月額3億9,000円ほどの診療収益がありますが、昨年12月に医師を確保できまして、その医師により診療収益がふえてまいりました。これまでは、初めに経費があって診療収益を見込んでおりましたが、これからは、想定できる診療収益を上げて、経費を削減していこうという努力を進める予定です。さらに4月から医師が1人ふえる予定でございますので、そのような観点からいきますと、私は診療収益がふえるのではないかと思っております。その努力をすることによって、さらに診療収益がふえますので、この3年間で診療収益を上げられるような対応を期待しております。
その期待といいますのは、今回の市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)に基づく履行だと思っております。これを履行することにより、さまざまな資金繰り、利用資金も出てまいりますので、そのようなところで期待しながら、先ほど申し上げた繰り上げ償還につきましても検討していけるのではないかと思っております。

岡君:議会も、来年度以降の予算や江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申に基づく市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)がうまくいくことを本当に期待しています。ただ、過去の経験上、うまくいくかどうか全くわからないというのが議会が思っていることです。それは、前段の質疑のとおり、今までの経緯を踏まえると、そんな簡単に言葉だけで、わかりましたとはならないということをまず御理解いただいた上で、改めて質疑します。
単に先送りして令和10年度以降に償還というのは、わからなくもありません。でも、そうであるなら、同時に一定程度の自助努力を示していただかないと、我々としても認めようがないといいますか、単に先送りしただけの議会と言われてしまいます。そこはどのようにお考えですか。

市長:何度も同じ答弁になって恐縮でございますが、先ほど申し上げましたとおり、これまでの市立病院の予算編成は、現在の費用に対して診療収益を見込むという方法でした。そこで、今回の診療収益の見込みは、現状の診療収益を起点に、これから伸びるであろう数値を入れて、確実に伸びるという数値を出した上で、今度は経費について努力しようというものです。努力するということは、今回、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申の中で、人数につきましても非常に細かく指示をいただいてございます。これをぜひ履行するということでございます。その履行につきましても、先ほど申し上げたように、専門委員会の関連で外部委員会を設置いたしまして、チェックをしながら進めていただこうということでございます。より確実に履行できる方法で実施していきたいと思っております。
また、履行が非常に難しかった医療従事者の確保につきましても、専門部署を立ち上げて進めるということです。これは医師だけではなく、若い看護職員が必要でございますので、看護職員の確保についても、専門部署を立ち上げまして、チェックしていただきながら進めていきたいと思います。これも江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から御意見をいただいた点でございます。
また、医療従事者の確保や診療収益と経費の節減の両方をチェックしていただくことによって、これまでとは違う病院経営、経営健全化ができるのではないかと思ってございます。

岡君:来年度以降の取り組みについては、来年度予算の審査で質疑いたします。
また、特別職の給与削減を考えているとの報道がありました。少なくとも私は聞いておりませんが、その点についてどうお考えになられているのか、お伺いします。

市長:今回、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申を踏まえて、市職員を挙げて市立病院を応援しようということで、ことしの2月19日に職員組合に提案させていただきました。これは市立病院だけの問題ではなく、市職員を挙げた全体の問題としてお願いしたところでございます。その中で、私どももまだ数値を含めて決めているわけではございませんが、対応していきたいということです。
また、この対応につきましては、正式ではなく、申し入れをした段階でございます。数値につきましても、これからの交渉でございますので、どのような対応になるのかわかりません。したがいまして、さまざまな報道がありますが、正式な形で申し上げているところではございません。

岡君:私が伺っているのは、一般職ではなく、特別職の市長を含めた理事者の給与削減の報道についてのお考えです。

市長:私ども特別職に関連した対応につきましても、今後、検討していきたいと思っております。

岡君:そこが無責任ではないですか。特別職に関しては、別に職員組合と話さなくても、この補正予算と一緒に給与の削減をできると思います。13億円の一般会計からの借入金や27億円の一時借入金に全く対応するものにはなりませんが、13億円の補正予算を提案する段階で、みずからの姿勢として同時に示していただくのが筋だと思いませんか。

市長:さまざまな考え方があろうかと思いますが、私どもとしましては、市職員を挙げて一緒に進めていこうということでございます。その時点で、私も含めて対応していきたいと思っております。

委員長(三角君):それでは、他の委員からの関連質疑をお受けいたします。
質疑ございませんか。

本間君:前段の岡委員と市長のやりとりをお伺いしまして、答弁の中で出てきたお話に関連して質疑させていただきます。
このような時期ですので、簡潔に質疑したいと思います。
市長の決意の一端を一定程度お伺いしまして、理解したところであります。
それで、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申が出され、それに基づいて、3年間の集中改革期間がスタートし、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)もでき上がりました。また、先ほどの答弁の中で資金不足比率の話が出て、市長から別枠で公表するのもやぶさかでないというお話がございましたので、私はちょうどいいタイミングだと思います。一度、市民の皆さんに対して、現状と今後について強い意志表明をするべきではないかと思っておりますが、市長はいかがお考えでしょうか。

市長:江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の中でも、ガバナンスを発揮すべきだと言われており、私もそのとおりだと思います。市民の皆さんに今の市立病院の現状、改革の取り組みをお知らせするのは、さまざまな形があると思います。そして、先ほどの資金不足比率の問題もございますので、今月開催される江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会で、市民向けにどのような方法でお知らせするのか、また、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会についての進め方などを相談させていただきたいと思っております。

本間君:新型コロナウイルス感染症の問題もありますから、今すぐにというわけにもいかないでしょうが、やはりそうした意志表明が必要ですし、いいタイミングだと思っていますので、状況が整い次第、お願いします。
また、そのような機運が高まってしまってから説明を行っても、どうもつけ足しのような印象を受けてしまいますので、市民の皆さんから要望が出る前に市民説明会のようなものの開催をどうぞよろしくお願いいたします。

委員長(三角君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、理事者質疑を終結いたします。
理事者退室のため、暫時休憩いたします。(11:16)

※ 休憩中に、議案第27号の今後の審査方法等について協議

委員長(三角君):委員会を再開いたします。(11:27)
休憩中に確認いたしましたとおり、議案第27号に関して、資金不足比率と借入金の関係について自由討議を実施いたします。
初めに、岡委員からお願いいたします。

岡君:理事者質疑の中で、資金不足比率の数値について、借り入れた場合と借り入れなかった場合の数値が出てきました。私としては、13億円を借り入れてしまうことで、結果として資金不足比率を低く見せることになってしまうというのは、実態を見えにくくするということでも問題ですし、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の趣旨から見てもおかしいのではないかという思いを持っていますが、皆さんはどのようにお考えなのか、お伺いします。

委員長(三角君):ほかの委員から御意見ございませんか。

徳田君:今、岡委員がおっしゃることも十分理解します。
しかしながら、理事者質疑を聞きながら確認いたしましたけれども、この13億円は決して資金不足比率を低く見せようという思いではないということであり、それは市長の答弁から明らかになりました。13億円の貸し付けを受けることによって、自動的にこうした数値になるということでございます。
結局のところ、どのような道のりで経営再建をしていくのかですけれども、市長もおっしゃっておりましたが、やはりさまざまな制限を受ける懸念があることと、単純に収支の均衡、経営再建を図っていくのではなく、それにプラスして、地域の医療をどう守り、そして、今後、江別市民の健康と安心をどう増進していくかを考えていけば、この江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置して、細部にわたるさまざまな御意見をいただいた上で、3年間の集中改革期間に経営改善を図ろうという具体的なものが出てきておりますので、これは今までの経営再建の議論とは大きく違うと私としては思っております。
もちろん、このままできるのか、未来予想図をつくることができませんので、そういった意味では、確実にできる道を示すことは難しいわけです。ただ、今までと違う取り組みをしていくという決意もありましたし、本間委員の質疑の中で、実は、13億円を充てなければ、資金不足比率がこれだけの数値になるということも含めて市民に説明するというお話もありました。これまでは求められて行ってきた部分が見られましたが、そこを先んじて江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会に議論していただきながら、それを市民に開示して、市民の医療を守るために目指す市立病院の姿をしっかりとこの3年間で行っていただくということで、できる限りの資料を示していただいたと思います。
そういった意味で、今回の提案に基づいて頑張っていただきたいと思っております。

委員長(三角君):ほかの委員から御意見ございませんか。

高間君:今回の13億円の借り入れについては、まず、議会で市立病院・地域医療検討特別委員会を設置して、約2年という期間をかけて四つの答申を出して、それに沿って第三者委員会を設置して答申が出されました。それを受けて、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)が出てきましたので、補正予算で13億円を借り入れるかについては、これからスタートすることになりますので、今回は13億円を借りるのは仕方がないと思います。
しかしながら、徳田委員が言いましたように、3年間の猶予はないと考えております。1年でも状況が悪くなれば、次の段階ではもう貸す必要はなく、経営健全化団体になってもらう必要があると思います。
私は、トップがいくら発言しても、それは無理だと思っています。一つの組織の中で変わろうとするには、今のラグビーではありませんが、ワンチームで全ての人が同じ方向を向いて進まなければならないのは民間も同じことです。いくら優秀な社長がいても、その企業はトップ企業にはなれません。そういった意味で、私はここが正念場だと思っていますし、今回それができないのであれば、やはり、岡委員からの発言のとおり、経営健全化団体になるのは仕方がないと考えております。
私は、資金不足比率の問題については、いろいろお話がありましたように、今回は市民への情報発信をしっかりと行っていただき、3年間ではなく、1年間で新しい市立病院のスタートが切れるかをしっかり見て、来年度以降の課題にしたいと考えております。

委員長(三角君):ほかの委員から御意見ございませんか。

諏訪部君:徳田委員と高間委員がほとんど言い尽くされましたけれども、私も同じような考えです。
やはり、13億円を借り入れないまま年度末を過ぎて令和2年度になり、4月になって何らかの理由で一般会計から病院事業会計に借り入れて、今までの借金を返済しましょうとしたところで、経営健全化団体から戻せないことを考えますと、私たちはこの補正予算で決意しなければならないと思っています。
その決意は、高間委員など、ほかの委員から再三御発言がありました、経営健全化団体になるかならないかの瀬戸際ですので、3年間の猶予はなく、令和2年度でどのような状況になるかをしっかりとチェックしながら、今回の13億円の借り入れに関しては、経営健全化団体を避けるという意味でいたし方ないと個人的に思います。

委員長(三角君):ほかの委員から御意見ございませんか。

吉本君:資金不足比率の考え方については、先ほど確認させていただきました。
経営健全化団体への移行については、今、皆さんのお話を伺っていると、うがった見方をしているかもしれませんが、努力しないから仕方ないという感じかと思いましたけれども、決してそのようなことではないと思います。市立病院の経営がこのようになってきたのは、やはり医師がどんどんやめていったということがあります。五十何人いた医師が、今は三十五、六人で、少しふえてはいますけれども、医師が1人で約1億5,000万円を稼ぐと言われていまして、この間の当委員会の説明でも、医師が1人ふえてこれぐらいの診療収益になるとおっしゃっていました。やはり一番は医師がいなくなっているというところだと思います。
また、言い方は悪いですが、どんなに努力したとしても、医師がいなければ、外来も入院も患者を受け入れられないし、救急ももちろん受け入れられません。患者が少ないのにスタッフがこんなにいていいのだろうかと言い始めている人もいますから、スタッフは本当にジレンマを抱えていると思います。やはり医師を招聘できないことを念頭に置いておかなくてはならないと思います。ですから、私は専門の組織にすごく期待しています。
そのようなところで、もし仮に経営健全化団体に移行したとしても、国からのいろいろな制限があるけれども、昭和56年のときのように、もしかしたら医師が余りにも少ないからと派遣してくれるかもしれません。ですが、今はそうではないと市長がおっしゃっていましたので、経営健全化団体になったとして、収支はよくなるかもしれませんが、本質的なところの問題解決にならないのではないかと思います。
それと、借入金の償還については、私はすごく上手に計画したと思います。この資料を見てもらうと、ピークのときは10億円程度の返済をしていますが、どんどん下がって、最後は2億円程度になっています。江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会でも、数値だけを書いても、実施できなければ何の意味もありませんとおっしゃっていましたが、きちんと実現可能な手法を選んでくださったのだと受けとめております。

委員長(三角君):ほかの委員から御意見ございませんか。

本間君:まず、この資金不足比率の考え方について、岡委員から再三お話がありましたが、今回の場合に限っていえば、資金不足比率を下げるための13億円の借り入れではなく、やはり経営健全化団体への移行を避けるための13億円の借り入れだと考えています。
今、吉本委員からもお話がありましたが、経営健全化団体への移行を避けることについては、市長の答弁にもありましたとおり、一定程度理解できると考えております。それを踏まえながら、実態についてはそうではないのだということです。このことは、市民の皆さんにも広く公表するという市長の話でございますから、今回に限っては、市民の皆さんにしっかりと実態を明らかにしてくれることを信じて理解したいと思っております。
その上で、この際、ぜひ委員の皆さんと共通の認識を持たせていただきたいと思っているのは、高間委員がおっしゃったように、やはり3年間という長いスパンではなく、計画どおりに進んでいないという状況になれば、我々も強い意思で早い判断が必要と言うべきであるということを申し上げて、終わります。

委員長(三角君):ほかの委員から御意見ございませんか。

岡君:皆さんからいろいろな御意見をいただき、ありがとうございます。
皆さんの御意見は、今の補正予算の審査の段階で、今後の事業計画について一定程度の理解をされていると思います。ただ、私としては、事業計画、収支計画、資金繰りの見通し、計画どおりにいかない場合の対応について、十分示されていないと考えております。ですから、私は、今の資料で十分に説明いただき、理解できたとは思っていないということをお伝えします。

委員長(三角君):ほかの委員から御意見ございませんか。(なし)
以上で、自由討議を終了いたします。
それでは、議案第27号については、次回結審を行うこととしてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、次回の委員会についてでありますが、3月3日火曜日の午後1時30分より開催したいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次に、2その他について、各委員からございませんか。(なし)
事務局からございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(11:45)