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決算特別委員会 令和元年9月17日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年7月15日更新

(開会前)

※ 日程確認
※ 審査要領の説明及び効率的な審査の協力依頼

(開 会)

委員長(徳田君):ただいまより、決算特別委員会を開会いたします。(10:01)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり進めてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、さきの委員会において、要求資料について御確認いただいたところですが、病院別救急搬送先人数につきましては、資料として提出することが困難なことから、取り下げることとしてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、傍聴希望者がおり、入室を許可したので、報告いたします。
市立病院及び傍聴者入室のため、暫時休憩いたします。(10:01)

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(10:02)
部局並びに各委員にあらかじめ申し上げます。
効率的に審査を進めるため、説明、質疑、答弁に当たりましては、簡潔明瞭になされるよう御協力をお願い申し上げます。
それでは、認定第3号 平成30年度江別市病院事業会計決算を認定に付することについてを議題といたします。
本件に対する説明を求めます。

管理課長:それでは、私から、平成30年度病院事業会計について御説明申し上げます。
平成30年度病院事業会計の決算につきましては、地方公営企業法第30条第4項の規定により、本定例会初日に認定に付したものでございます。
それでは、お手元に配付の決算書に基づき、御説明申し上げます。
まず、決算書の18ページをお開き願います。
病院事業の概況についてでございますが、平成30年度は、国の診療報酬改定により、病院事業収益の柱である入院基本料の体系的な見直しを含む制度改正が行われたことにより、7対1入院基本料から急性期一般入院基本料1への移行を初めとする制度改正への対応や、抗菌薬適正使用支援加算などの新たな加算の算定に取り組み、収益の確保改善を図りました。
また、患者支援室を組織して、入院患者支援体制の強化を図るとともに、施設改修を行い、患者相談や入退院支援の相談等を一体的に行う患者支援センターを設置したほか、在宅医療の提供体制を強化するため、訪問看護室の看護師を増員しました。
しかしながら、喫緊の課題である診療体制の整備については、内科系診療科の医師が前年度に比べて4名少ない体制でスタートしたことに加え、8月以降、総合内科の医師がさらに3名退職したことから、内科系診療科の入院応需に支障が生じる状況となったところであります。
このような状況に対応するため、民間病院からの医師派遣や人材派遣会社の活用などにより、医師招聘をさらに積極的に推し進めたほか、10月からは、1病棟50床の休床を含む病棟再編を行い、適正な人員配置による効率的な病床運営を図るとともに、材料費等のさらなる縮減を推進することで、収益の確保と経営資源の最適化による収支改善を図りました。
しかしながら、患者数、診療収益ともに計画を大きく下回り、経費削減の効果は減収分を補うには至らず、営業運転資金として一般会計から6億円を借り入れることで、年度内の一時借入金返済の一部に充てたところであります。
経営面においては、診療単価が入院及び外来ともに前年度を上回ったものの、患者数が前年度を大幅に下回ったことなどから、病院事業収益全体では、前年度より約7億1,120万円、10.9%の減少となりました。
一方、費用では、給与費は、主に医師を初めとする職員数の減少により、前年度に比べ、約8,590万円減少しました。
また、重油価格上昇に伴う燃料費や建物設備及び医療器械等の経年劣化による修繕費が増加したものの、前年度から継続して後発医薬品への切りかえ、診療材料の切りかえや価格交渉に取り組んできたことで、材料費は約1億2,690万円減少し、病院事業費用全体では、対前年度比で、約2億6,520万円、3.7%の減少となりました。
この結果、平成30年度は、約11億4,130万円の純損失を計上する結果となり、年度末の繰越欠損金は約101億1,020万円となっております。
また、単年度資金収支が約14億1,650万円の赤字となったものでございます。
それでは、決算内容について、引き続き御説明申し上げます。
決算書の19ページをごらん願います。
アの診療科別患者数ですが、入院患者数は6万6,584人、1日平均では182.4人、外来患者数は14万9,033人、1日平均では610.8人となっております。
次に、決算書の20ページをお開き願います。
イの決算の概要でございますが、まず、上段の収益的収入では診療収益が前年度に比べて大幅に減少し、予算額に達することができず、収入合計は58億751万8,332円となっております。予算額との比較では、4億6,071万2,668円下回る92.7%の執行率となっております。
続いて、収益的支出では、前年度に比べて経費が減少したことなどにより、支出合計は69億4,663万9,092円となり、また、9,278万9,908円が不用額となり、98.7%の執行率となりました。
この結果、収支差し引きでは、予算額による収支より約3億6,792万3,000円悪化しておりまして、11億3,912万760円の収支不足となったものであります。
また、中段の資本的収入は、医療器械器具等整備に係る企業債及び一般会計からの出資金など、合わせて6億5,022万円の収入となったことに対し、資本的支出では、企業債の償還元金及び医療器械器具購入費など、合わせて11億470万3,520円となり、この結果、収支差し引きでは、4億5,448万3,520円の収支不足となったものであります。
次に、決算書の4ページ及び5ページにお戻り願います。
平成30年度江別市病院事業決算報告書でございますが、ただいま御説明いたしました収益的収入及び支出について、医業、医業外などの項別に区分し、当初予算額及び決算額などを記載したものとなっております。
続いて、決算書の6ページ及び7ページをお開き願います。
こちらは、資本的収入及び支出について記載したものであり、同じく、それぞれ項別に区分し、当初予算額、決算額などを記載しておりますので、後ほど御参照いただきたいと存じます。
少し飛びまして、決算書の11ページをお開き願います。
平成30年度の損益計算書でございますが、1医業収益から2医業費用を差し引いた医業収支は、14億2,890万3,214円の損失となり、これに3及び4医業外収支差を加えた経常収支は、11億3,356万7,158円の損失となったものであります。
さらに、経常損失に、5特別損失を差し引いた当年度純損益は11億4,133万9,122円の損失となっております。
この結果、当年度純損失に前年度繰越欠損金を増減した当年度未処理欠損金は、101億1,024万867円となったものでございます。
続いて、決算書の12ページ及び13ページをお開き願います。
まず、上段の平成30年度の剰余金計算書でございますが、資本金は、前年度末残高から一般会計からの出資により、記載のとおり増加しております。
次に、資本剰余金は、前年度と同額となっており、欠損金については、先ほど御説明いたしました当年度純損失により増加しております。
また、下段の欠損金処理計算書に記載のとおり、当年度未処理欠損金と同額を翌年度に繰り越すものでございます。
続いて、決算書の14ページ及び15ページをお開き願います。
平成30年度の貸借対照表でありますが、まず、14ページの資産の部では、1固定資産、2流動資産、続く、15ページの負債の部では、3固定負債、4流動負債、5繰延収益、また、資本の部では、6資本金及び7剰余金について、いずれも記載のとおりとなっているものでございます。
続いて、決算書の21ページをごらん願います。
(2)議会議決事項でございますが、病院事業会計に関係する議案8件につきまして、それぞれ可決または認定をいただいております。
なお、次の(3)行政官庁認可事項につきましては、該当事項はないものでございます。
続いて、決算書の22ページをお開き願います。
こちらのアの部門別職員数につきましては、それぞれ年度末における職員数を前年度と比較したものとなっております。
続いて、決算書の23ページをごらん願います。
正規職員による職員給与に関する経費でございますが、職員給与費合計では、昨年度より256万2,070円減少しており、こちらについては、医師や看護師等の年度途中の退職があったことなどが主な理由となっております。
続いて、決算書の24ページをお開き願います。
2資産取得の概況でございますが、まず、(1)建設改良工事の概況については、本館交流無停電電源装置更新工事のほか2件で、金額等については記載のとおりとなっております。
その下の(2)資産取得の概況でございますが、高度医療を提供するため、計画的に医療機器を整備しており、核医学診断システムを初め、手術、検査等に使用する機器の整備を行うこととして、全体で17品目、計18件を取得しております。
続いて、決算書の25ページをごらん願います。
3業務の(1)業務量についてでございますが、こちらの25ページには、患者数と病床利用率、手術件数、処方枚数について記載しております。
上段の表、入院患者数については、前年度より1万3,629人減少し、病床利用率は、一般及び精神合計で58.5%であり、前年度より6.7ポイントの減となっております。
また、外来患者数については、前年度より1万5,450人減少しております。
続いて、その下のイの手術件数でございますが、一部の診療科を除き、全体的には前年度より減少しており、続く、ウの処方枚数については、入院及び外来患者数の減に伴い、院内処方枚数は前年度より減少しており、院外処方枚数についても、同様に前年度より減少しているものであります。
続いて、決算書の26ページをお開き願います。
こちらについては、放射線、検査及び理学療法の業務件数をそれぞれ前年度と比較して記載しているものでございます。
詳細については、後ほど御参照いただきたいと存じます。
次に、決算書の27ページをごらん願います。
(2)事業収入に関する事項についてでありますが、それぞれ前年度と比較して説明いたしますと、まず、診療収益は、診療単価が入院及び外来ともに増加したものの、入院及び外来患者数が減少したことにより、診療収益合計では12.8%の減少となっております。
これらの結果、医業収益合計では、12.2%、約7億1,600万5,000円の減となっております。
また、その下の医業外収益合計ですが、他会計補助金が増加したことなどにより、0.8%増加し、収益合計では、57億9,332万9,595円となり、前年度との比較では、10.9%、約7億1,117万6,000円減少したものでございます。
続いて、決算書の28ページをお開き願います。
(3)事業費用に関する事項でございますが、それぞれ前年度と比較して説明いたしますと、まず、医業費用は、上段、給与費が医師数の減員等により2.2%減少いたしました。
また、中段の後発医薬品への切りかえ、診療材料の切りかえや価格交渉により医療材料費が大幅に減少したことから、材料費は11.5%減少しております。
このほかに、その他の費用の中の燃料費については、重油価格上昇により12.4%増加しておりますが、医業費用合計では3.4%の減少となりました。
その下の医業外費用については、7.0%減少し、さらに、その下の特別損失を加えた費用合計では69億3,466万8,717円となり、3.7%減少したものでございます。
続いて、決算書の29ページをごらん願います。
4会計の(1)重要契約の要旨でございますが、業務委託や医療器械器具の購入など、主なもの計37件をこちらに記載しておりますので、後ほど御参照いただきたいと存じます。
次に、決算書の30ページをお開き願います。
(2)企業債及び一時借入金の概況ですが、上段、アの企業債については、平成30年度は、医療器械器具の整備等に充てる建設改良企業債について、北海道信用金庫及び北央信用組合から借り入れており、この結果、年度末の企業債残高は記載のとおりとなっております。
次に、ウの一時借入金は、資金収支で不足状態にあるため、記載のとおり、北海道信用金庫、北央信用組合及び北海道銀行から、それぞれ借り入れており、年度末の現在高は14億円となっております。
次に、エの他会計借入金は、平成27年度末に一般会計から7億5,000万円を借り入れている分の償還のほか、平成30年度末に一般会計から新たに6億円を借り入れたことから、本年度借入高は6億円、本年度償還額は1億2,481万2,506円となり、本年度末残高については、11億49万9,708円となっております。
次に、決算書の31ページをごらん願います。
5その他につきましては、消費税法の関係規定により、補助金や一般会計負担金などの使途について、決算関係書類で明らかにすることとなっていることから、該当する収入の使途について記載しているものでございます。こちらについても、後ほど御参照いただきたいと存じます。
次の決算書の32ページについては、キャッシュ・フロー計算書、33ページから36ページまでは、収益費用明細書となっておりまして、予算科目ごとに、税抜きの決算額を記載しておりまして、先ほど11ページで御説明いたしました損益計算書の内訳説明書となっております。
続いて、決算書の37ページをお開き願います。
こちらは、資本的収支明細書となっております。こちらも予算科目ごとに税抜きの決算額を記載しており、決算書の14ページ及び15ページの貸借対照表の該当勘定科目の増減と関係する資料となっております。
こちらについても、詳細については、後ほど御参照いただきたいと思います。
続いて、決算書の38ページをお開き願います。
こちらの固定資産明細書、上の(1)有形固定資産明細書でございますが、平成30年度の減価償却累計額の増加額は5億2,384万3,434円で、処分による減少額は1億197万1,567円となっております。
続いて、中段の(2)無形固定資産明細書ですが、記載のとおり、平成30年度の増減はございませんでした。
次に、下段の(3)投資その他資産明細書でございますが、まず、長期貸付金については、修学資金貸付金の貸し付けにより、平成30年度は当年度中に増減した結果、27万円減少したものであり、その下の長期前払い消費税は、新会計制度への移行に伴い、平成10年度の病院施設改築時の控除対象外消費税を計上するものでございまして、平成30年度末残高はございません。
続いて、決算書の39ページをごらん願います。
上段、企業債明細書でございますが、こちらについては、発行年月日ごとに内訳を記載している資料となっております。
また、その下の他会計借入金明細書でございますが、平成27年度に一般会計から借り入れた7億5,000万円のほか、平成30年度に新たに借り入れた6億円の明細書となっており、年度末残高は11億49万9,708円となっております。
以上が決算書の主な御説明となります。
引き続き、本日お配りしております資料全6ページの決算特別委員会資料と書かれた資料を御準備願います。
こちらの資料の1ページをお開き願います。
1平成30年度江別市病院事業会計決算概要でございますが、収益的収入及び支出、資本的収入及び支出並びに下段に患者数等の状況について、これまで御説明いたしました決算書の事項の概略をまとめたものとなっております。
なお、欠損金及び不良債務等の表の欄外の米印に記載のとおり、平成30年度での不良債務残高につきましては、地方財政法等の算入猶予規定が適用されておりませんので、こちらについては、記載のとおりとなっております。
次に、資料の2ページをお開き願います。
2平成30年度一般会計繰入金内訳調書でございますが、地方公営企業法第17条の2及び第17条の3の規定による一般会計繰り出し基準を基本とした項目別の繰入金の決算額となっております。
まず、上段の収益的収入のうち、負担金につきましては、企業債償還利子経費、救急医療業務経費、精神病院運営経費など合わせて6億722万8,000円、中段の補助金については、医師等研究研修経費、産科医療経費などを合わせまして、2億8,754万9,000円、この合計では8億9,477万7,000円となっております。
また、下段の資本的収入では、建設改良費、企業債償還元金に係る出資金といたしまして4億9,122万円で、病院事業会計全体では、13億8,599万7,000円を繰り入れたものでございます。
なお、下段に、参考までに、地方交付税措置額について記載しておりますが、普通・特別交付税を合わせ、7億4,009万円で、繰入金額の53.4%になっているものでございます。
続いて、資料の3ページをごらん願います。
平成30年度医療器械器具取得調書でございます。
これは、先ほど決算書の24ページの資産取得の概況で御説明いたしました医療器械器具の取得調書となっております。全体で17品目、合計取得金額は、税込みで6,867万3,960円となっております。
次に、資料の4ページをお開き願います。
4平成30年度未収金内訳書でございます。
まず、左側の現年度分についてでございますが、団体未収金が主に社保及び国保の2月分及び3月分の未収金など、合わせて6億7,510万5,017円、その下の個人未収金については、1,918万9,817円、さらに、その下段の医業外未収金については、437万7,517円となりまして、現年度合計では、6億9,867万9,451円でございます。
また、右の列の過年度分については、上段の団体未収金はなく、下段の個人未収金についてでございます。金額は、2,826万5,923円、さらに、その下の医業外未収金については、91万5,293円となり、過年度分合計では2,918万5,536円となります。
以上、現年度分、過年度分の全体合計額は、右下に記載のとおり、7億2,786万4,987円となっております。
次に、資料の5ページをごらん願います。
こちらについては、平成30年度各科診療状況の詳細をあらわしたもので、入院・外来について、診療科別及び診療行為別の診療収益などの状況を一覧にしたものでございます。詳細については、後ほど御参照いただきたいと存じます。
次に、資料の6ページ、A3判の資料をごらん願います。
こちらにつきましては、北海道公立病院連盟加盟の道内21市における平成30年度地方公営企業決算状況調査による比較一覧表となっております。
こちらの表の下になりますが、3経常利益が出ております市については、函館市、旭川市、釧路市、赤平市、士別市、千歳市の計6市となっております。
また、その下の4経常損失を生じておりますのは、当市を含め、15市という結果となっております。
次に、下に参りまして、11未処分利益剰余金(△欠損)は、いわゆる累積欠損金となりますが、こちらにある市については、資料の記載のとおり、21市中、釧路市以外の20市となっておりまして、最下段の12不良債務が生じておりますのは、当市を含む10市となっております。
こちらの資料の説明は以上でございます。
引き続き、本委員会から要求のございました資料計12項目のうち、私からは、該当する6項目につきまして御説明申し上げます。
お手元の決算特別委員会要求資料の2ページをお開き願います。
2年度別医師看護師1人1日当たり診療収益等でございます。
この資料については、平成26年度から平成30年度までの過去5年間の医師及び看護師の1人1日当たりの診療収益を年度比較した資料となっております。
このうち、常勤換算医師数についてでございますが、まず、考え方として、正職員については、実際に勤務していない日を含めて計算するものとなっており、1年間勤務した正職員は365人として積算しております。
これに対しまして、非常勤職員については、実際に勤務した日数で積算し、短時間勤務の場合には、日数に換算して積算します。
これらを合わせて年の延べ医師数を積算し、これを1日当たりに置きかえるために、入院営業日数、資料に記載の365日ないし366日で割り返したものが常勤換算医師数となっております。
その下の常勤換算看護職員数についても、同様の方法で積算し、このような資料となっております。
また、医師数及び看護職員数での類似平均につきましては、総務省自治財政局で調査しております地方公営企業決算状況調査に基づく資料で、病院経営分析比較表といった資料から抜粋したものであります。
なお、平成30年度決算については、まだ調査中のため、公表されていないことから、空欄とさせていただいておりますので、御了承いただきたいと存じます。
この資料の常勤換算医師数から積算した1人1日当たりの診療収益でございますが、ここ数年で最も常勤医師の在籍数が多かった中段の平成28年度は常勤換算医師数が最大の60.0人となっており、類似平均と比べると、収益については、4万5,075円の診療収益が少なくなっておりますけれども、平成29年度については、医師数が前年度比で10.7人分減少したこともあり、結果として、類似平均との差は縮まり、4,568円となっております。
続いて、下段の常勤換算看護職員数から積算した1人1日当たりの診療収益でございますが、年々看護職員数が増加傾向となっていることに加え、診療収益全体も減少傾向となっていることから、ここ数年で最も職員数が多かった平成29年度は、常勤換算看護職員数が最大の367.8人となっており、こちらの収益について、類似平均と比べると1万9,306円診療収益が少ない結果となっております。
続いて、要求資料の3ページをごらん願います。
3年度別各費用の対医業収益比率でございます。
この資料は、平成26年度から平成30年度の過去5年間の各項目別費用を医業収益で割り返した率を、それぞれ比較したものとなっております。
なお、先ほど御説明いたしましたとおり、こちらの類似平均の数値については、総務省自治財政局の病院経営分析比較表から抜粋したものとなっており、同様に、平成30年度決算については、空欄とさせていただいておりますので、御了承いただきたいと存じます。
こちらの資料の類似平均との比較では、過去4年間とも、中段の材料費については、後発医薬品への移行及び診療材料の価格交渉等について、積極的に進めた結果もあり、類似平均の率を下回っており、その下の項目の減価償却費についても、ここ数年、設備投資をできる限り抑えていることによりまして、こちらも結果として類似平均の率を下回っていると考えております。
これに対しまして、その他の費用の中で最も割合の高い職員給与費については、類似平均とおおむね同じくらいの率になっておりますけれども、この4年間の中で、医業収益の落ち込みが最も激しかった平成29年度については、類似平均を2.8ポイント上回っている結果となっております。
また、その他の経費及び委託料についても、常に類似平均を上回る結果となっております。
続いて、要求資料の6ページをお開き願います。
6一時借入金の借り入れ・返済額でございます。
こちらの資料は、平成28年度から平成30年度の過去3年間の一時借り入れ金の借入額と返済額を、それぞれ年度別にあらわしたものとなっております。
この一時借入金と申しますのは、一般的に、地方公共団体が、1会計年度内において、歳計資金が不足した場合に、その不足を補うために借り入れる金銭のことを言いまして、地方自治法の規定により、歳入歳出予算の財源となることはなく、こちらについては、その会計年度内に償還しなければならないものとされております。
資料に戻りますが、上段の平成28年度の表をごらんいただきたいと存じます。
表の1行目の4月5日に、3億円返済しております。こちらについては、前年度末の営業日に新たに借り入れた一時借入金3億円の返済分となっております。
次に、2行目以降でございますが、平成28年度は、10月以降に計3回、合計で9億5,000万円を新たに年度内に借り入れております。
この分につきましては、年度末の3月31日に、預金残高のほか、おおむね不足する分として新たに借り入れた7億3,000万円を合わせて返済金額に記載のとおり返済を行っております。
次に、中段の平成29年度の表をごらんいただきたいと思います。
前年度と同様に、まず、1行目の4月5日に、前年度に借り入れました7億3,000万円を返済しております。
次に、2行目以降についてですが、平成29年度は、9月以降に計5回、合計で12億円を新たに年度内に借り入れております。
この分につきましては、年度末の3月30日に、返済金額に記載のとおり、全額12億円を新たに借り入れることにより返済しております。
次に、下段の平成30年度の表をごらんいただきたいと思います。
こちらも前年度と同様に、1行目の4月5日に、12億円を返済しております。これは、平成29年度末に新たに借り入れた一時借入金12億円の返済分であります。
続いて、2行目以降でございますが、平成30年度は、6月以降に計6回、合計で20億円を新たに年度内に借り入れております。
この分につきましては、一般会計から長期借り入れとして6億円を借り入れたほか、年度末の3月29日に、新たに借り入れた14億円を合わせて返済しております。このことにより、平成30年度末時点での一時借入金残高は14億円となるものでございます。
続いて、要求資料の7ページをごらん願います。
7平成30年度一般会計繰入金内訳調書(基準額あり)でございます。
これは、先ほど御説明した一般会計繰入金内訳調書について、地方公営企業法に基づく基準内のものと基準外のものを分けて積算した表となっております。
上段の収益的収入のうち、負担金につきましては、基本的に資料に記載のとおり、全て基準内となっておりますが、1行目の企業債償還利子経費につきましては、精神病棟を建てかえたときに借り入れた企業債償還金利子のうち、基準は3分の2までとなっておりますが、残りの3分の1については、基準外として350万1,000円を繰入金として受けているものでございます。
次に、中段の補助金の項目でございますが、一時借入金利子補給経費、産科医療経費、在宅診療経費、地域医療連携経費、総合内科養成経費の5項目が基準外となっておりまして、補助金2億8,754万9,000円のうち、9,541万円が基準外とされております。
次に、下段の資本的収入でございますが、企業債償還元金の一部が基準外となっておりますが、これは、上段の負担金のところで御説明した企業債償還利子経費と同様に、精神病棟を建てかえたときに借り入れた企業債償還金元金のうち、基準は3分の2までとなっておりますが、残りの3分の1について、基準外として1,449万4,000円を繰入金として受けているものでございます。
なお、最下段に、参考までに、普通・特別交付税を合わせた地方交付税措置額を記載しており、金額については、7億4,009万円で、繰入金額の53.4%に相当するものであります。
続いて、要求資料の8ページをお開き願います。
8平成30年度一般会計長期借入金返済計画でございます。
これは、平成30年度に運転資金不足のために借り入れた一時借入金の償還不足分に充てるために一般会計から借り入れた6億円の返済計画をあらわしたものとなっております。
この返済につきましては、借り入れ期間が令和元年から令和7年までの7年間となっており、そのうち、初めの2年間を据置期間とさせていただいております。
利息につきましては、既に令和元年度から返済するものとなっており、元金につきましては、令和3年度から毎年度約1億2,000万円を5回に分けて返済する計画となっております。
次に、要求資料の13ページをお開き願います。
12消費税の影響についてでございます。
平成25年度以降、6年間の消費税の影響額を算出した資料となっております。
なお、平成9年4月から平成26年3月までは、消費税等の率は5%でありましたが、平成26年度以降は8%となっております。
右側の列、平成30年度決算額を御説明申し上げます。
まず、消費税等に関する負担でございますが、1年間の総収入である売上高については、一般会計からの繰入金や国・道補助金などの不課税の分を除きますと、項目Aの行に記載のとおり約48億3,335万1,000円となっております。
このうち、健診や予防接種などの課税の売り上げについては、次のBの行に記載のとおりであり、これに係る消費税及び地方消費税額については、その下のCの行の約1,445万8,000円となっております。
このことから、総売上高のうち、課税対象となる売り上げの割合については、その下のDの行に記載のとおり3.66%となります。
一方、市立病院が薬品や診療材料の購入、各種業務の委託、また、医療器械器具の購入で支出した消費税等の額については、Eの行のとおり、約1億8,521万6,000円となっております。
この結果、受け取った消費税等Cから控除できる仕入れ控除税額についてでございますが、課税売り上げBに対応する部分となりますことから、先ほど御説明したEの支出した消費税等のうち、Dの割合となる、その結果から導き出された少し下になりますG控除対象消費税等額の約679万2,000円と導き出されます。
受け取った消費税等のCからGの額を控除いたしまして、766万5,000円について、消費税及び地方消費税として申告、納付しているものです。
この支払った消費税等Eの項目のうち、控除できるDの割合を超える分となる、下段のF控除対象外消費税等推計額約1億7,842万4,000円について、控除対象から外れて、消費税等として市立病院の負担となっているものと考えております。
なお、Fの控除対象外消費税等推計額は、取引ごとの消費税等の計算や、課税売り上げと非課税売り上げに共通する仕入れなどがあることによりまして、経理上、調整や端数処理があるため、資料の合計数値の計算結果とは若干異なっております。こちらについては、御了承願います。
以上です。

医事課長:次に、本委員会から要求のありました12項目の資料のうち、残りの6項目につきまして、私から御説明いたします。
初めに、要求資料1ページをお開き願います。
年度別入院外来患者数等当初予算・決算比較表でございます。
こちらの表は、平成26年度から平成30年度までの入院・外来それぞれの患者数、1人当たり診療収益、診療収益と入院・外来を合わせた診療収益の合計、一般会計繰入額、純損益について、当初予算値と決算値及び実積率により整理したものでございます。
まず、入院の患者数でございますが、決算ベースでは、平成26年度から平成28年度まで、年間約9万人で推移しておりましたけれども、平成29年度は8万213人、平成30年度は6万6,584人まで減少し、実積率は73.3%となっております。
次に、1人当たりの診療収益、いわゆる診療単価につきましては、決算ベースでは、平成27年度から4万円を超え、平成30年度まで毎年度増加しており、平成30年度は4万3,910円となっております。
次に、入院の診療収益は、決算ベースでは、平成26年度から平成28年度までは増加しておりましたが、患者数の減少にあわせて、平成29年度、平成30年度と減少し、平成30年度は29億2,372万6,000円となり、実積率も71.0%となっております。
次に、外来の患者数でございますが、決算ベースでは、平成26年度が最も多く18万人を超えており、そこから毎年度減少し、平成30年度は14万9,033人となっております。
次に、外来の診療単価につきましては、わずかに増加傾向にあるものの、ほぼ横ばいで推移しております。
次に、外来の診療収益は、決算ベースでは平成26年度が最も多く、その後は減少傾向にあり、平成30年度は18億1,244万円、実積率は88.1%となっております。
次に、下段の表の診療収益合計は、決算ベースでは平成26年度から平成28年度までは増加しますが、平成29年度、平成30年度と減少し、平成30年度は、47億3,616万6,000円まで減少し、実績率は76.7%となっております。
次に、一般会計繰入額ですが、平成26年度が最も多く、14億7,605万4,000円であり、以降は毎年度少しずつ減少して、平成30年度は13億8,599万7,000円となっております。
実績率は、毎年度ほぼ100%となります。
最後に、一番下の純損益でございますが、平成29年度から平成30年度にかけて損失額が大きくふえて、平成30年度は11億4,133万9,000円の純損失となったものであります。
続いて、要求資料の4ページをお開き願います。
地域包括ケア病棟病床利用率等の推移でございます。
市立病院では、一般病棟の入院基本料7対1の基準であります看護必要度を維持すること、また、急性期の治療を一定程度終え、在宅復帰に向けた患者の支援を行い、急性期病棟と連動した効果的な病床運用により収益確保を図ることを目的として、平成28年5月に地域包括ケア病棟を開設しました。
初めに、資料の上段でございますが、こちらは平成28年度から平成30年度までの病床利用率、在宅復帰率、診療科別実患者数となっております。
まず、一番左の病床利用率でございますが、地域包括ケア病棟は44床で運用しており、平成28年度の利用率が66.4%、平成29年度は65.6%、平成30年度は56.8%となっており、平成30年度は過去2年に比べて利用率が下がっている状況でございます。
続いて、在宅復帰率でありますが、これは地域包括ケア病棟から退院される患者のうち、御自宅または老人ホームなどの在宅とみなされる施設に行かれた方の割合で、施設基準において70%以上を維持することが求められております。
こちらは、いずれの年度も80%を超えており、基準をクリアしている状況でございます。
次に、診療科別実患者数でありますが、平成30年度は、合計で376人となり、平成29年度から200人減少しております。これは、最も人数の多かった内科の患者数が減少したことが要因であります。
続いて、下段に記載しておりますのは、年代別の実患者数であり、平成30年度では、80歳代が最も多く、70歳代以上で全体の8割を占めている状況でございます。
続いて、要求資料の5ページをお開き願います。
病棟に配置する看護職員の計算方法についてでございます。
保険診療費は、国が定める全国統一の基準によって定められており、医療機関は、施設基準と呼ばれる人員や設備に関するさまざまな要件を満たし、これを届け出ることで、一定の診療報酬を請求することができます。
病棟についても、病床数や設備に関するさまざまな要件がありますが、こちらの表は、このうち、看護職員の配置に関する基準について、市立病院の平成30年10月時点での病床数、患者数をもとに取りまとめたものでございます。
上段の表に記載のとおり、市立病院には、一般病棟、地域包括ケア病棟、精神病棟の3区分がございます。
初めに、一般病棟における病床数は、届け出上は5病棟234床でございますが、平成30年10月からは1病棟休止しており、現在は4病棟184床でございます。地域包括ケア病棟は1病棟44床、精神病棟は1病棟59床となっております。
次に、その下、A欄でございますが、看護職員配置数計算の基礎となる直近1年間の区分ごとの1日平均患者数であり、それぞれ158人、29人、27人となっております。それでは、2段目の表をごらんください。
こちらは区分ごとの施設基準でございます。
一般病棟及び地域包括ケア病棟につきましては、平成30年度の診療報酬改定で入院基本料に係る大きな変更がありましたが、市立病院においては、改定以前と同水準の入院基本料で届け出を行っており、一般病棟は、急性期一般入院料1の7対1、地域包括ケア病棟は、入院料2、13対1、精神病棟は、入院基本料、13対1でございます。
一般病棟、7対1の看護職員配置基準B欄をごらんください。
7対1とは、患者7人に対して看護職員を1人配置するという基準でありまして、A欄の158人を基準に計算すると、一般病棟の区分では、68人の看護職員が必要という計算結果になります。
同様に、地域包括ケア病棟及び精神病棟につきましては、看護職員の配置基準は13対1なので、必要人数が7人となります。
次に、C欄の夜勤配置をごらんください。
施設基準においては、夜勤時間帯に1病棟当たり2人以上の看護職員を配置すること、1回の夜勤における勤務時間の上限が16時間であること、1カ月の夜勤の総勤務時間数が1人72時間までとすることなどが決められております。
この前提に基づき、一般病棟の5病棟で計算いたしますと、1カ月に最低でも67人が必要という計算結果になります。同じように、4病棟では54人、1病棟では14人が必要になります。
続いて、D欄をごらんください。
ただいま御説明いたしました患者数を基準にした必要配置人数B欄と、夜勤配置の必要配置人数C欄を比較するとB欄のほうが大きいため、一般病棟における必要配置人数は68人となり、地域包括ケア病棟と精神病棟では、C欄のほうが大きいため、必要配置人数が14人となります。
以上が、施設基準に基づく看護職員配置の計算結果であります。
ただし、市立病院においては、全ての病棟を3人夜勤体制で運用しておりますので、下段のE欄に記載のとおり、3人夜勤で計算いたしますと、5病棟では100人、4病棟では80人、1病棟では20人が必要となります。
計算の考え方については、C欄と同じでございます。
この結果、いずれもE欄が最も大きくなりますので、現在の看護職員の必要配置人数は、E欄の数字が基準となっております。
ただし、実際の配置に当たっては、職員の欠勤や休暇を考慮し、実配置人数を決めております。
最後に、最下段に記載しております夜間配置加算につきましては、診療報酬における3人夜勤に対する評価の有無でございますが、対象は一般病棟と地域包括ケア病棟となっております。
続いて、要求資料の9ページをお開き願います。
診療科別患者数等の推移でございます。
こちらの資料は、平成28年度から平成30年度の延べ患者数、単価、収益について、上段は入院患者、中段は外来患者、下段にはその合計について、診療科ごとに記載したものでございます。
まず、資料上段の入院の小計欄をごらんください。
各年度の延べ患者数は、平成28年度は9万369人、平成29年度は8万213人、平成30年度は6万6,584人と減少しており、平成28年度と平成30年度を比べた減少率は26.32%となっております。
同じく、各年度の収益でございますが、平成28年度は37億2,967万9,569円、平成29年度は34億4,175万1,760円、平成30年度は29億2,378万2,229円となり、平成28年度と平成30年度を比べた減少率は21.61%となっております。
次に、資料中段の外来の小計欄をごらんください。
各年度の延べ患者数は、平成28年度は17万725人、平成29年度は16万4,483人、平成30年度は14万9,033人と毎年度減少しており、平成28年度と平成30年度を比べた減少率は12.71%でございます。
同じく、各年度の収益でございますが、平成28年度は20億7,223万6,688円、平成29年度は19億9,832万7,443円、平成30年度は18億1,919万5,700円となり、平成28年度と平成30年度を比べた減少率は12.21%となっております。
最後に、資料最下段の合計欄をごらんください。
入院・外来を合わせた各年度の収益は、平成28年度は58億191万6,257円、平成29年度は54億4,700万9,203円、平成30年度は47億4,297万7,929円となり、平成28年度と平成30年度を比べた減少率は18.25%となっております。
続いて、要求資料の10ページをお開き願います。
救急受け入れ患者数の推移でございます。
こちらの表は、平成28年度から平成30年度における救急車によって市立病院に搬送された患者数を診療科別に記載したものでございます。
各年度の合計欄をごらんください。
平成28年度は、1,985人を受け入れ、そのうち1,256人が入院となり、平成29年度は、1,579人を受け入れ、そのうち977人が入院、平成30年度は、880人を受け入れ、そのうち544人が入院となっております。いずれの年度におきましても、受け入れた人数の約6割が入院となっている状況でございます。
続いて、要求資料の11ページ及び12ページをお開き願います。
平成30年度診療報酬改定による影響でございます。
診療報酬は、2年に1度、国の中央社会保険医療協議会における検討に基づき、改定が行われ、診療や検査など個別の医療行為に係る点数の増減や、新たな薬や診療材料の追加または個々の価格の変更など、改定される項目は広範囲に及びます。
平成30年度は、改定の年度に当たります。
要求資料の11ページは、市立病院におけるこの改定の影響として、入院基本料を初めとする北海道厚生局に施設基準の届け出を行う項目について、改定の影響額を取りまとめたものでございます。
初めに、1入院基本料についてでございますが、平成30年度診療報酬改定では、入院医療に関する大きな改定が行われ、市立病院の経営にも大きな影響を与えるものでございました。特に、一般病棟入院料につきましては、それまでの5段階の仕組みから7段階へと再編され、以前と同じ7対1の最も高い入院料を維持できるかどうか、看護必要度など求められる基準を精査し、病院内で十分に協議検討を行った上で、急性期一般入院料1として届け出を行ったものであります。これにより、点数に変更はなく、DPC係数に若干の減少はありましたが、他の係数の変更により、実質的に大きな影響はございませんでした。
また、地域包括ケア病棟の入院料につきましても、名称は変更されましたが、改定前と同じ点数の地域包括ケア病棟入院料2によって届け出をしたものであります。
次に、2入院基本料加算についてでございますが、こちらの加算は、それぞれの施設基準に決められた医師や看護師等を適正に配置することや、一定の活動を実施する体制を整備しておくことにより、入院基本料に加算される形で評価される仕組みになっております。
一番上の医療安全対策地域連携加算から五つ目の看護職員夜間配置加算までは、平成30年度改定の新規項目として新たに届け出を行った施設基準であり、六つ目の医師事務作業補助体制加算2から要求資料の12ページ上段の二つの項目までが届け出を行っている項目のうち、改定により点数や係数が変更になったものでございます。
そして、最後の3その他にある四つの項目につきましては、入院基本料に関連するものではなく、特定の行為等を行ったときにだけ算定できるものであります。
平成30年度の診療報酬改定のうち、こちらに記載しております施設基準に係る影響額といたしましては、改定にあわせて病院内の体制整備を進めたこともありまして、結果として、合計で約4,300万円のプラスとなっている状況です。
以上です。

委員長(徳田君):説明を受けましたので、これより質疑に入ります。
質疑ございませんか。

佐々木君:いろいろと努力はされているものの、残念ながら、報われない状況が続いています。平成30年度は、病棟の再編、1病棟の休止、市長事務部局への看護師の配置転換や2交代制導入の試行、診療報酬改定での加算、算定の対応、さらなる薬のジェネリック化など、そして、また、医師確保では、民間人材派遣会社、道内3医育大学などへの働きかけなどとあります。
まず、1点目には、医師確保の取り組みについてです。どんなところに、どんな頻度で、どんなことをしているのか、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。
次に、患者が減ると、どうしても支出に占める人件費の割合が高くなりますが、自然減はやむなしとしても、病棟再開時など、急に医療従事者を集めることは困難です。病棟休止から1年が経過して病棟再開のめどが立たない状況だと思いますけれども、私は病床の確保をすごく危惧しています。
国は、病床の削減策を出していますが、その効果は全国的に言っても微減、廃止するとなると、もろ手を挙げて喜ばれることだと思います。でも、廃止すると、今度は、患者がふえたからといって、国の政策上、増床することは絶対できないことなのです。今、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会であり方をゼロから議論いただいておりますので、その方向性も含めて、2次医療圏域の中で考えていけるのか、その猶予があるのか、心配していますし、その環境をきちんと整えてほしいと思っています。それに関して、市長事務部局への10名の看護師の配置転換による費用効果についてお伺いします。

委員長(徳田君):佐々木委員、質疑は一項目ずつでよろしいでしょうか。
まず、医師確保の取り組みについて答弁を求めたいと思います。

管理課長:平成30年度の医師の招聘活動でございます。
平成30年度については、ちょうど病院長が新たに就任した年度でございまして、当然、その病院長を中心に、派遣をいただいております道内の医育大学、特に当院につきましては、北海道大学、札幌医科大学から、それぞれの診療科に派遣をいただいておりますので、こちらに改めて医局員等について、お願いに上がっているところでございます。
また、そのほかに、民間の医療機関といたしましては、幾つかの病院に、特に不足している内科系について、お願いに上がっているところであり、その結果として、特に循環器もしくは消化器系の内視鏡について、今、外来の医師の派遣を受けております。
なお、外来につきましては、病院長就任後に、北海道大学の内科の教室から医師の派遣を受けています。これは今までなかったのですけれども、新たに受けた部分でございます。
年度の前半ではそちらを進めていたのですが、やはりなかなか実績が上がらないほか、私の説明でもありましたとおり、総合内科系の医師が年度途中でおやめになっておりまして、特に入院応需について困難になってきたことから、年度の後半から、費用がかかるのですけれども、幾つかの民間の人材派遣会社にお声をかけさせていただきました。
実績としては、常勤配置については、新年度に入ってからお一人、消化器内科の医師を招聘できたということでございます。
ただ、残念ながら、年度中については、外来、特に健診系で今まで多くの総合内科の医師に担っていただいた部分で応需ができなくなりました。逆に言うと、いろいろなところで医師不足が鮮明になってきたということで、そちらについて、個々に活動をしてきたというのがおおむね平成30年度の医師招聘の活動でございます。

佐々木君:例えば、私の知っている自治体では、江別市なら江別市出身の医者一人一人に面会に行って話をするとか、いろいろなつてを聞いてくるなど、そういう行動を起こしたと聞いています。どの範囲までできるか、わかりませんけれども、そんなこともしていただければと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。
暫時休憩いたします。(11:13)

※ 休憩中に、審査の進め方について協議を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(11:18)
初めに、要求資料の1項目めについて質疑ございませんか。

岡君:まず、1番目の資料に基づいて、にわかに信じがたい赤字額、純損失の額になっておりまして、この表にも入り切らなくてポイントが変わっている感じがします。
改めて、平成30年度の決算での赤字額、純損失の額を再確認させていただきたいと思います。

管理課長:平成30年度決算の純損益という表がありますが、実際には純損失で、11億4,133万9,000円となっております。

岡君:この純損失については、昨年、ブラックアウトもありましたけれども、自然災害や医療訴訟などのいわゆる特別損失に当たるような一時的な損失ではなくて、通常の病院運営の中での赤字額だったという理解でよろしいのか、改めて確認させてください。

管理課長:若干、今までの市立病院・地域医療検討特別委員会でも御報告を申し上げましたが、9月の来院患者数について分析は進んでいませんけれども、台風、地震が連続で来たことにより、多少は影響があったにせよ、実際の全体の流れとしては委員が御指摘のとおりかと考えております。

岡君:そうだと思います。
この10億円を超えるような純損失の額というのはいつ以来かということなのですけれども、13年前の内科医が総退職した平成18年度と、その後に続く、平成19年度以来、金額で言うと平成18年度以来、過去2番目の純損失額という理解でよろしいでしょうか。

管理課長:平成18年度決算の純損失については、12億7,100万円ほど、平成19年度については、10億1,900万円ほどですので、委員が御指摘のとおりかと考えております。

岡君:平成18年度、平成19年度当時は、一般会計からの繰入額がまだ10億円に満たなかったということもありますが、平成30年度は13億9,000万円程度でございます。この繰り入れを考えると、事実上、過去最大の赤字額だったと認識せざるを得ないかと思うのですが、そういう理解でよろしいのかどうかをお伺いしたいと思います。

事務局次長:平成18年度当時も、内科の医師がいなくなったことによって、収益が非常に悪化して経営状況も悪くなりました。現在も同じような状況ですし、数字を見ても、大変厳しい状況だと認識しております。
どちらがより深刻かというところを比較するのは非常に難しいですが、平成18年度当時に匹敵する非常に厳しい状況にあると認識しております。

岡君:これもまたにわかに信じがたい額が出ているのですけれども、当初予算からの比較で、純損失の額、赤字額が非常に膨らんでいます。これも信じがたい数字なので、当初予算から幾ら膨らんでいるのか、改めてお答えいただければと思います。

管理課長:資料に比較はないので、申しわけないのですけれども、差分としては、単純に決算額から当初予算額を引いた10億1,960万円になるものと思います。

岡君:当初予算から10億円以上赤字額が膨らんでいる、これもにわかに信じがたいような金額になっているかと思います。
平成30年度の予算審査の段階でも、当初からこの予算の数値というのは、ある意味、努力目標だといったようなお話があったと議事録で確認させていただいております。私も、平成26年度ぐらいまでは数値をしっかりチェックできていましたけれども、その当時も、かなり努力目標的な数字であると認識しておりました。今、こうやって見返しますと、私は、平成26年度当時も大分盛っていたと思っていましたが、それでも、当初予算と決算との比較で、平成28年度までは診療収益で90%以上の数字を何とか出せていたことから見ると、結果として、平成30年度については、当初予算で議会とお約束した数字とは余りにもかけ離れてしまったということが言えるかと思うのですけれども、その辺の認識はいかがでしょうか。

事務局次長:当初予算は、何とか内科医を確保して収益を確保するという考えのもとで編成した予算ですので、議会の審議でも、今ほど申し上げた努力をする必要を多分に含んでいる予算であると説明申し上げました。
この決算の数値のとおり、申し上げた努力、あるいは、収益を獲得することができなかったということですので、議会との約束を守ることができなかったという御指摘はごもっともかと思っております。

岡君:決算審査ですので、この結果を踏まえますと、やはり、過去にも言われていたことですけれども、今後、予算を立てるときに、病院事務局としては、単に頑張るとか努力するという言葉だけを言って予算をつくるのではなく、我々としては、そういった頑張る、努力するという言葉をうのみにしないことが大事だと改めて認識するところございます。その点についての御認識はいかがですか。

事務局次長:平成30年度の予算は、それ以前からそうですけれども、診療収益に関しては、前年度からの流れをもとに、診療単価と患者数を見込んで全体の診療収益を見込むという作業をしております。
この資料にも記載しておりますが、診療単価については、目標には達しておりませんけれども、平成26年度以降、病院内のいろいろな取り組みを含めて診療単価を上げることができました。ただ、患者数は目標に遠く及んでいないというのが正直なところでございますが、医師を確保することとあわせて、かつ、患者数も一定程度見込んで、この予算編成を行ったということでございます。そういう意味では、診療単価は当初の目標に少しは近づくことができたのかと思いますが、患者数は目標にはなかなか達しておりませんので、こういう状態になったというところでございます。
この結果を踏まえて、次年度の予算編成をどのような形でやっていくか、十分反省して考えてまいりたいと思います。

岡君:十分反省して考えるという答弁をいただきましたので、ぜひそのように御対応いただければと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

吉本君:ただいまの御答弁で、病院事業会計は診療単価と患者数の実績で、見込みに遠く及ばなかったと御説明されました。
患者数の見込みは、先ほど、3年ほど前は約9万人だったのが約6万人という具体的な数字がありました。ただ、こういうふうに患者数が見込みに遠く及ばなかった背景については、何といっても内科の医師が不足してきて、特に入院応需ができなかったとありましたけれども、外来診療自体も、外来診療日が制限されていくということもあって、市民の方からも心配の声をたくさん聞きました。
根本的に十分ではなかったという言い方は語弊があるかもしれませんが、患者数が見込みに及ばなかったのは、早い話、思ったような医師の招聘に至らなかったことによる医師不足が一番大きな原因ではないかと思っていたのですが、その辺についてはいかがかをお聞きしておきたいと思います。

管理課長:決算書の説明でも私から申し上げたとおり、当然、予算の段階で、特に内科についてはある程度の人数を見込んでいた部分があります。ただ、私自身も一番困ったというか、年度途中で変更があったこととして、8月から10月ぐらいだったかと思うのですけれども、計3人の総合内科医が途中でやめられております。当院の年度の傾向として、やはり秋から冬にかけて患者が一番ふえるのですが、その時期のスタート時点で、地震が起こって、医師がいなくなったという部分で、やはり、病棟再編でこれからという時点での医師の退職というのは、正直、病院的には相当厳しいと考えております。ですから、本来であれば診療体制を充実させなければいけないところが、年度途中で逆行して減ってしまいました。
また、後ほどの資料でも出ますけれども、平成28年度は救急を応需していたいわゆる後期研修医が9人と割と充実しており、盤石だったのですが、平成29年度に入りまして6人減って3人、そして、平成30年度が明けたら誰もいなくなってしまいました。当院としては、入院や新患を受け入れる一番の方法が救急の応需でしたので、平成29年度中に平成30年度の予算を策定する段階では、内科系の診療科を充実させるために、このぐらいの人数で、こういう形でやろうと予算を組みましたけれども、その予算編成後に3人がやめていなくなってしまって、その後も後期研修医の受け入れもできない中での平成30年度のスタートだったのです。
結果として、特に平成29年度から平成30年度の大きな理由としては、本来であれば診療体制として充実させなければいけない部分で逆行して年度途中で医師が減っていること、また、新患を受け入れる部分では救急患者の応需が結構重要だったのですが、それができなくなりました。当院の場合は、患者の数では内科が一番多いので、吉本委員が御指摘のとおり、やはり医師が当初の見込みと年度途中で減ったことの影響は当然あるものと考えております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

岡君:平成30年度当初から医師が不足することは、平成30年度の予算特別委員会で既に危惧されて、質疑されていたことでございます。それも含めて、市立病院側は、頑張る、努力するということで、平成30年度の予算は決められたと理解しております。今の話は、状況としてはそうだというのは理解いたしますけれども、かといって、今後の予算編成等に関して、同じような形で対応することが認められるということとは違うと思います。
先ほど、事務局次長に答えていただきましたけれども、今後の考えについて改めてお答えをいただきたいと思います。

事務局次長:先ほど御指摘をいただいたとおり、予算と決算の乖離が実態としてございます。患者数の見込みといいますか、予測に達しなかったことが大きな原因ですので、今年度の反省を踏まえて、次年度予算を考えてまいりたいと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

三角君:関連質疑ですけれども、医師について、計画段階ではきちんと確保されているのが途中で急遽退職されるという、その根本的な要因はどのようなことが考えられるのか、その点をわかる範囲でお聞かせいただきたいと思います。
要するに、市立病院になかなかとどまっていただけない根本的な要因があるからこそ、計画を立てても途中で抜けられるのだと思うのですが、その辺は我々にとって全然わからないのです。気づかれていることがあれば教えてください。

管理課長:これは、多分、公立病院に共通した問題かと思います。
先ほど、佐々木委員の御質疑でお答えいたしましたとおり、基本的に、当院については、特に道内の医育大学からの常勤医の派遣をもとに医師の体制を整えております。
ただ、歴史的な背景を申し上げますと、先ほど岡委員が御指摘したとおり、平成18年度当初に12人いた内科系の医師が全員退職しました。その内科系医師はどこから来ていたかというと、基本的には医育大学から派遣されていました。13年前までは、基本的に全ての医師は、民間の人材派遣会社などではなく、医育大学にお願いして来ていただく、そして、病院長についても、医育大学出身の方がなるという診療体制でずっと来ていましたが、残念ながら、先ほど申し上げたように、内科だけが平成18年度にその機能を棄損してしまったのです。その後、過去の委員会でも何度も申し上げたとおり、医育大学との関係が事実上なくなってしまった中で、新たに医師の招聘活動をするといってもなかなかうまくいかないということなのです。逆に言うと、内科以外は、今かなりの人数をそれぞれ派遣していただいているし、よその病院でもないのがほとんどなのですけれども、幸いなことに、小児科も、産婦人科もあって、周産期の応需をしております。
民間の医療機関では、それなりの金銭等を用意すれば医師を招聘できる場合があると思います。実際に、当院も人材派遣会社にお願いしています。ただ、これは全国的にも同じような構造かと思いますが、特に道内の公立病院は、基本的に、地域の医育大学から派遣いただいて成り立っているという構造があることを御認識いただければと思います。
当院は、残念ながら、過去の経緯から内科医の招聘機能を失ってしまったこと、そして、いわゆる臨床研修医制度の変更もありまして、平成16年以降、自分の出身大学から派遣命令を受けて行くという仕組みにはなっておりません。どうなったかというと、自分で研修先を受けられる、大学以外の民間の病院でも研修メニューのプログラムを行うことができるという仕組みに大きく変わっているのです。その流れを受けて、逆に、当院は、一度失った内科の機能を平成22年度から北海道総合内科医教育研究センターとして、教育施設というか、研修施設も備えていますということで、何とか集めて内科医の確保にこぎつけたということです。
当院の場合は、内科を総合内科という形で前面に出して、研修しながら診療に携わっていただく、経験値を積んでいただく、そして、道内の過疎で医師確保に困っている医療機関に派遣する機能が比較的充実していたのが平成25年度から平成26年度までだったと考えております。残念ながら、これも過去の委員会で何度も申し上げたとおり、平成28年度途中で北海道総合内科医教育研究センター長の任にあった医師が諸般の事情によってやめられました。我々は、これはその医師個人の理由だと思っております。
なので、基本的には、大学にお願いして、医局員がいればそこから派遣していただくのですが、今は、医学生から選ばれなければ、研修先もしくはその先の勤め先として選ばれないという部分があったので、北海道総合内科医教育研究センターをつくったのですけれども、選ばれる理由は施設的な機能もあるのですが、学ぶという視点も当然あります。医師としては、医師免許を取ったらすぐ現場に出られるというのではなくて、まず、2年間の初期研修医の研修、そして、一般的には3年から長くて10年の後期研修、ざっと約10年たたないと一人前の医師に育たないという仕組みを、旧来は大学で全て行っていたのですが、今ほど申し上げた研修制度が変わって、自分が学びたい場所に行って学ぶという仕組みになったものですから、私自身も、医師招聘の中でいろいろお話を聞くと、最終的にはその医師がどういった場所で、どういった診療科を望んで学び、実際に診療を続けるかという思考があるかと思います。
やはり、後期研修医が徐々に少なくなってきたというのは、教えを乞う医師がいなくなったのが非常に大きいと私たちも考えております。結局、学ぶ機能と修行する場所がなくなったのであれば、新しい修行ができる場所、そして、症例が多くて教える医師が多いところ、つまり、何を言うかというと、やはり道外の特に人口が多い東京都や大阪府などのいわゆる主要都市にどうしても集まるという傾向は、道内の病院の医師に聞いても言われるのです。自分のスキルを上げるためには、当然、症例、対象の患者がいっぱいいて、それを学ぶ医師がいて、施設が充実しているところに研修医が集まるというふうになっています。
当院は、地方病院の中でも北海道総合内科医教育研究センターをつくって、そういったノウハウを蓄積したのですが、核となる医師がいなくなったので、おやめになったというのがまず一つだと思います。あとは、それぞれ個人の判断で、公立病院ではなくて、従来ですと開業したい、あとは民間医局に移って実際に症例を体験するためにやめる方もいらっしゃいました。または、本当に個人的な御家族の理由とか、当然、労働者ですから、働く上での条件を見たときに、御家族の環境を考えたら、やはり次の道に行く、逆に、過疎の地域で学びたいからということで、あえて過疎の地域の診療所に移る方もいます。やはり、人としては、さまざまな理由によって成り立っていると思うのですけれども、今、内科は、大学からの命令がきかない部分が多いので、やめる理由もさまざまだと考えております。

三角君:過去にも、今のお話をされたことを思い出しております。
しからば、これから選ばれる病院として、また、医師に来ていただける市立病院として、これまで大変な苦労をされながらも、次の年度の予算を立てる段階でも、医師を確保しなければならないとの思いから、選ばれる市立病院として、皆様方はどのように医師と協議をしながら1年を通して取り組んでいるのか、決算ですから聞かせていただきたいと思います。

事務局次長:医師の体制については、今ほど管理課長から答弁したとおり、これまでの経過があって、特に、内科系の医局から医師を安定して招聘していただくすべがなかったものですから、これをどうにか立て直したいという思いで、平成30年度、今の病院長になってから、その方針で医師の招聘を考えてまいりました。
現病院長は北海道大学の外科の医局の出身ですので、北海道大学の内科系の医局との関係性を再構築して、そこから医師を派遣していただくという考えのもと、医局にいろいろお願いをしてきた経過がございます。
ですから、内科の基本的な方針としては、医局との関係で医師を派遣してもらう考えで進めてきたのですが、今、大学の医局側に、特に内科系は医局員が集まらないという現状がございます。市立病院の窮状といいますか、こういった状況は御理解していただけていると思うのですけれども、人がいないので、派遣は非常に難しいというお話も何度かやりとりしてきています。
こういった中で、大学との関係構築を続けながら、そうはいっても、診療に当たる医師が現実にいないということがございますので、人材派遣会社といったさまざまな方向もあわせて使いながら、何とか診療体制を確保したい、そういう思いで進めてきているところでございます。
基本としては、先ほど申したとおり、大学との関係性を再度構築したいという思いで、診療体制の構築を進める考え方でございます。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

宮本君:現実的な問題として、今後のことになりますが、この平成30年度決算を見て、やはり当初の医業収益の数値が高過ぎるのではないかと感じるのです。簡単に言いますと、収支のバランスが悪いです。結果的にもそうですし、最初からそういう状況になっているのではないかと思います。
生活福祉常任委員会の中で、月ごとの収益のグラフを出していただいています。それを見てもわかるとおり、常に差があるのです。それも、去年ぐらいからずっとそうです。これは過去に江別市立病院経営健全化評価委員会でも御指摘があったと思います。やはり希望的観測といったら失礼ですけれども、確保できる医師の人数、招聘できる人数について、こうあったらいいという感覚は、確定した裏づけがはっきりしない中で、希望的な数字もかなり入っているのではないかと思っています。
それで、平成30年1月ぐらいに、市長から、収入に見合った支出を意識して考えていくということで、記者会見等で大々的に発表したわけです。それについて、去年の予算特別委員会等でも、委員からいろいろ質疑がありました。その考え方は、まだ変わっていないのかどうか。そこまではいいですけれども、支出と収入のバランス、現実的な計画ではないのではないかといつも感じていますけれども、その辺は病院内で話し合われていますか。

管理課長:今ほどの収支バランスのお話ですけれども、当然、収支ですから、収入は、先ほど申し上げたとおり、過去の例で、医師配置は置いておいて、診療単価と患者数で診療科別に組み立てるという仕組みです。逆に、費用について言うと、収入に見合った経費ですから、相当絞っている形です。決算書の説明でも御説明いたしましたとおり、材料費や薬剤費は相当絞っていると思います。今、切り込んでいるのは経費の部分で、やはり高上がりな委託料などについても、必要な部分についてのみで、それ以外は、逆に言うと、保守経費を減らして委託料を減らしたりとか、本当に現場の職員は細かいものを削ってということで、今、経費率は、人に絡むもの以外はやれるところは相当やっているというふうに言って予算を一応つくっております。なので、概念上は、多分、以前と変わっていないと考えております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の2項目めについて質疑ございませんか。

岡君:医師が足りないというのが今までの基本的な認識でございまして、それによって、十分な収益を確保できないということであったかと思います。
まず、医師からですが、常勤換算の医師を見ると、1人当たりで診療収益を割り返すと、そこまで落ち込んでいないといいますか、平成26年度、平成27年度よりも決して減っていません。
その前に、類似平均の意味ですけれども、総務省の区分で300床以上401床未満というふうに御説明いただきましたが、これは基本的には公立病院の平均であるという理解でよろしいでしょうか。

委員長(徳田君):暫時休憩いたします。(11:50)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(11:51)

管理課長:手元に正確な資料がないのですけれども、基本的には、委員がおっしゃるとおり、公立病院もしくは団体に調査した結果をあらわしているものというふうに聞いております。

岡君:民間の病院は入っていないということだと思います。だから、仮に類似平均を出したとしても、収益上プラスになるとは限らないといったような意味合いもあると思います。
医師1人当たりの診療収益ですけれども、医師が減っているほどは減っていないといいますか、過去と比べても決して悪い数字ではないと思います。類似平均と比較すると、確かに低い状況ではありますが、それでも、1割も離れていないなど、極端に低いわけではないということです。医師1人当たりで見ると、一定程度、期待されている収益を上げていただいているというふうに認識していいかと思うのですけれども、その点についての御認識はいかがでしょうか。

管理課長:委員が御指摘のとおり、1人当たりの診療単価が上がっている部分と、私の説明が足りない部分がありまして、内科は確かに少なくなっているのですが、内科以外の診療科については、相当頑張っていただいていますので、やはり人数と診療科によっても診療単価が違うかと思うのです。ですから、一概に内科の人数が少ないということだけではないのです。
ただ、当院の患者の応需といいますか、実際に今まで受けている傾向としては、たしか以前も医事課長が御答弁したのですけれども、やはり全体の4割から5割は内科の入院・外来の分で診療収益が成り立っていました。逆に、外科系については、ぐあいが悪いということで病院へ行く最初のきっかけとして、いきなり外科に行く例は少ないと思います。一旦、内科にかかってから、こういった部分が悪いのではないかということで外科を紹介されるというのが一定程度ありまして、次に外科や整形外科となるかと思います。それぞれの診療科によって、診療内容が異なりますから、このようになるのですけれども、それを合わせて全体の診療収益が成り立つという形になると思います。
今、結果として、内科で相当減っている部分について、内科以外の医師たちに相当頑張っていただいておりまして、診療収益が平成18年度当時のように4億円台まで落ちているわけではないものですから、その辺については我々も評価しております。

岡君:まさに、平成18年度のときは、内科の医師が一斉にいなくなったことによって、ほかの診療科にも影響が出て、大きな収益減となったのですけれども、平成30年度だけを見れば、確かに医師が減りましたが、平成18年度のようなほかの診療科にも全体的に影響が出ていなかったと捉えることができると思うのです。今のお答えからでも、そういう理解をしてよろしいのかどうか、改めてお伺いできればと思います。

管理課長:病院事業収益だけで見ても、当時と今では10億円以上収益が多いので、そのように認識していいと思います。

岡君:次に、看護職員部門なのですけれども、こちらは、常勤換算の看護職員の1日1人当たりの診療収益というのが、平成26年度とか平成27年度の段階でも、類似平均と比較して2割ほど低く、さらに、平成28年度、平成29年度になると3割ほど低いです。平成30年度は、類似平均は出ていませんけれども、さらに大きく下がるということで、こちらについては、大分、類似平均との差が出ているのですが、これについてはどういうことなのかを御説明いただければと思います。

管理課長:この点については、私は当時いなかったものですから、看護部長等に聞き取りをしてきました。
総数自体については、診療報酬にあわせて、後ほど、資料が出てくるのですが、人数は配置しなければいけないのですけれども、要素として考えられるのはということで聞いた中身としては、看護職員はやはり女性が圧倒的に多く、年齢的に30歳代、40歳代の方が多いので、結果として、御結婚をされて、お子さんが生まれる、それによって、産休、出産後に育児休業などを取得する数があるのですけれども、中身を聞くと、平成28年度以降については、どうも大きくふえています。正確な数は申し上げられませんが、以前に比べてそういう制度をきちんと利用した上で一旦職場を離れたり、復帰してもフルタイムで働けない、お子様のために早く帰ったりとか時間調整があります。結果、何が生まれるかと言いますと、当院は入院が基本ですが、夜勤の対象となる看護師を確保するのが非常に厳しい状況です。最低人数を配置しなければいけないのですけれども、今言ったように、所属はしているが、特に病棟の夜勤ができないとなると、入院患者を診るために夜間帯を維持する職員をどうしてもふやさざるを得ないというのが、特に平成28年度以降顕著になっております。
その結果、平成28年度、平成29年度については、この常勤換算の人数でも、コンマ3ポイントぐらい上回っているのは、今は病棟の診療収益の一番上をとっていますけれども、それを維持して収益を下支えするには、やはり夜勤者を積極的に採用して労働部門の職員を確保しなければいけないということがあって、そのようにふやしていくというふうに聞いております。それが一因と考えております。

岡君:多分、育児休業は、この数字に入ってこないと認識しておりますけれども、今、確認できますか。

管理課長:先ほど常勤換算看護数のところで申し上げたとおりなのですけれども、いわゆる職員定数には育児休業や病気休業は確かに入ってこないのですが、それ以外でも、換算をする場合、特に非常勤職員についてはそれに入れております。実数として実際には入っていないのですけれども、逆に、かわりの職員をふやしているということなので、そのように御理解いただければと思います。

岡君:内容としては理解できるのですけれども、それは別に江別市に限った話ではないというのと、あくまで公立病院の類似平均ですから、ほかの公立病院であれば十分育児休業等をとっている看護職員は、多分、民間に比べると多いのではないかということが類推されるかと思います。
資料要求はできなかったのですが、同じく、総務省の経営分析比較表において、100床当たりの職員数が出ておりまして、看護職員部門に関しても、100床当たりの人数が出ていると思うのです。それぞれ、江別市の数と類似平均の数、平成30年度は出ないかと思いますけれども、平成26年度から平成29年度まで、お答えをいただいてよろしいでしょうか。

管理課長:まず、平成26年度ですけれども、当院の100床当たりの職員数は、換算としては、決算書にあるとおり、年度末の人数を積算して、それを病床数で割ったという仕組みとなっております。
看護部門については、平成26年度は97.6人、全国平均が77.9人、類似平均が78.1人です。
続いて、平成27年度は、同様ですけれども、看護部門は、当院は100.8人、全国平均78.9人、類似平均は80.7人です。
続いて、平成28年度は、当院が105.5人、全国平均が80.2人、類似平均が82人です。
最後に、平成29年度は、当院が101.4人、全国平均が81.0人、類似平均が83.5人です。

岡君:やはり平成26年度の時点の100床当たりで見たとしても、20人ぐらい類似平均が下がると、当院は337床ですから、類似平均とは60人以上看護職員数に差が出ているということです。
先ほどの説明はわかりましたが、それは別に、全国の公立病院とそれほど状況は違わないかと思うのですけれども、江別市立病院が類似平均と比較して、これだけ看護職員数が多い理由を改めてお伺いします。

管理課長:この話は、後ほどの要求資料の5の2項目めにもかかわる部分があるのですけれども、当院は、昨年10月に制度改正するまでは急性期病院ということになりますので、基本的に夜間帯の看護職員は全ての病棟で3人を配置するということで、今までずっと運用を行っております。
一時期、平成18年度の医師が退職した時期は、実は看護職員も相当数いなくなったので、いっときだけ、事情上、2人で夜勤をせざるを得なかった病棟もあったと聞いておりますが、そういった背景もありながら、夜間帯は必ず3人置く、交代についても、3交代、8時間ごとに勤務を行うという仕組みをつくっておりました。それは後ほどまた御説明いたしますけれども、診療報酬上の人数でいくと、多分、最低人数としては相当膨らむものと思います。
ただ、逆に、他院については、医事課長が説明で申したとおり、基準上は2人以上ですから、2人で運用している病院ももしかしたらあるかもしれません。それについて、類似平均の出し方までは示されていないので、何とも言えませんけれども、当院は、逆に言うと、その部分については、医療体制としては割と手厚く配置されています。
あくまでも、労働者が休んだりするといったものを全部排除した数字がこれでして、実際には、公務員ですから、有給休暇なり夏季休暇を取得した場合も含んだ外来の人数となります。診療報酬のベースとなる入院基本料を取得するには、1カ月のうち、1日でも夜勤者が2人になった時点でもう減算となりますから、そういったリスクを負わないためにも、ぎりぎりの運用ではなくて、比較的に多目に在籍させなければ、病棟運営はなかなか難しいです。そこに来て、先ほど言った、非常にうれしいことなのですけれども、個人の都合でお休みになったりする部分も考えると、現場の看護部長に言わせると、病棟運営は相当厳しいと現在も申しております。そのような状況から、多いものと考えております。

岡君:お話としては理解できるところですけれども、何度も言うように、類似平均というのは公立病院との比較であり、公立病院でも7対1看護を行っているところは山のように多くありますので、そこと比較しても数字上は多いというのが明らかに出ているのがこの資料かと思います。
もちろん、いろいろな考え方はあるかと思いますし、100床当たり100人以上の看護師配置でも十分な収益を上げている公立病院も全国を見ればあります。今時点というか、ここ数年の収益なり、医師の招聘条件を見ると、今まで市立病院の問題というのは、医師の招聘が最優先課題ということで病院事務局が説明し、我々もそのように伺っていました。ただ、この数字を見ると、必ずしも医師の招聘が一番の問題だったわけではなくて、病棟をもう少ししっかりと管理するとか、看護職の人事配置を適正にするといったことが実は経営上本質的な問題だったと言えるかと思うのですけれども、その点はどのようにお考えでしょうか。

事務局次長:看護師については、今ほど管理課長から答弁したとおり、当院としては平成18年度に医師がやめまして、看護師も含めて医療スタッフもこのときかなり多く退職しました。休止した病棟を再開するために、一時期は看護師の確保にかなり苦慮していた時期がございます。近年は、病棟を運営するために一定の基準がございますので、その基準を満たすだけの人員体制は確保できている状況でございます。
北海道内の公立病院などに聞きますと、看護師の確保に非常に苦慮していて、確保できないので、病棟を休止するということです。その結果、病床利用率が高くなっているというお話も聞きますので、それから見ると、当院としては恵まれた環境にあると思っています。
一方、診療収益は、医師の配置と非常に大きく連動しますので、だんだん落ちてきている状況にあると思います。類似平均と比べても、常勤医師の1人当たり診療収益よりずっと少ない状況にあります。看護師の配置は、地理的に有利な状況もあって、一定程度必要な人員を確保できていますが、残念ながら、それに見合う患者数がなかなか確保できていません。その結果が類似平均と比べても看護師1人当たりの診療収益が大きく下回っている状況にあるのだろうと思っています。
やはり、大きな要因としては、医師は別にしても、十分な体制を維持しながら、患者数を確保できていませんので、こちらの収益減が数字に大きく影響しているのかと考えるところでございます。

岡君:平成26年度、平成27年度は、過去13年間の中では比較的うまくいっていた時期と捉えることができると思うのです。ただ、その時点でも病床利用率が75%程度だったということと、先ほどもお答えいただいているように、13年間、努力はしてきたと思うのですが、結局、結果として、医局からの医師の招聘はできてこなかったことを考えますと、やはり、収益を上げる取り組みがより重要で、本来であれば、医師の招聘を経営方針として考えるのではなくて、コントロールできる病棟なり看護職員の数を検討すべきだったのではないかというのが私の先ほどの質疑なのです。その辺を改めて伺いたいと思います。

事務局次長:病院経営、あるいは、公立病院として期待される役割を考えますと、やはり1人でも多くの患者を受け入れて、そのことによって、経営を安定させていくことが基本なのかと思っています。
病院ですので、やはり病床機能として一定の職員を確保して、患者を受け入れられる体制を用意して、そこをできるだけ高回転で回して収益を得ていく、これが病院経営の王道といいますか、基本だろうというふうに思っております。そのために、医師を確保して、病床も可能な限り患者の受け入れが可能な体制を用意して、多くの収益を得ることで経営を安定していく、これがこれまでの方針でございますし、やはり、この方向性で経営を安定させていくというのが基本的な方針になるのだろうと考えて、次の目標に向けて少しでも近づけるように努力したい、そのように現在も考えているところでございます。

岡君:また、要求資料の5項目めで質疑しますが、今の答弁の内容は、日本語としては理解いたしました。
ただ、平成20年度ぐらいの答弁ならば、それで全然何の問題もなかったわけですけれども、もう13年間やり続けて、医師の招聘に関して今の結果が出ているということです。その点は、やはり、はい、そうですかという話にはならないのではないかと思っております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

佐々木君:看護師の数ですが、昨年、市長事務部局へ異動した人件費の費用対効果を教えてください。

管理課長:今、正確な数字はないですけれども、昨年10月から本年3月まで、6カ月間となりますが、総体で約3,200万円が削減になったものと考えております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
昼食休憩のため、暫時休憩いたします。(12:15)

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(13:15)
次に、要求資料の3項目めについて質疑ございませんか。

岡君:医業収益に対する各費用の比率と類似平均を出していただきました。
まず、要求している費用というのが医業費用の全体ではないので、医業営業費用の全体を見るには、資産減耗と研究研修費が必要なのですけれども、それは大きな金額ではないので、今回の要求資料としては、職員給与費、材料費、減価償却費、経費のうち、委託料を要求させていただきましたことを申し伝えておきたいと思います。
全体的に見ますと、費用のうち、平成26年度から材料費を非常に節約していただいているというか、平成30年度に至っては、これだけ医業収益は減ったのに、材料費もそれに合わせて随分抑えていただいて、診療に影響があるのではないかと心配してしまうような御努力かと思いますというのが1点です。
あとは、いわゆる公立病院というのは、減価償却費というのが民間に比べて非常に高いと言われがちなのですけれども、多分、これも本来の病院機能から見ると、もう少し投資しなければいけないかと思うのです。投資を抑えていることによって、平成30年度は10%を超える値になっておりますが、それでも、公立病院としては随分と抑えた結果になっていると思います。
まず、材料費と減価償却について、私は、そういう理解をしているのですけれども、病院事務局としてはどうお考えか、お伺いしたいと思います。

管理課長:先ほど御説明しましたとおり、材料費の節減については、基本的には材料費の中で医薬品と診療材料が一番大きなものだと考えております。医薬品については、今はいわゆるジェネリック、後発医薬品への転換を病院内全体でかなり進めています。これは診療報酬改定の影響もありますけれども、結果としてそれが医薬品費の購入費用の節減につながっていて、今も、割合としては、大体85%の後発医薬品化を行っております。それについては、他院の状況を聞いても、当院は相当高く移行できているのではないかと思っております。
もう一つ、診療材料費については、いわゆる価格交渉で、今、品目は一品一品の全国比較ができる仕組みを取り入れておりまして、基本的には全国比較で事業者と交渉、さらには、それの上乗せということで、枠というわけではなくて、本当に一品一品、医師もしくは現場に確認した上で、品質が担保される中で、そちらへの切りかえをずっと進めている部分が大きいと思います。
もう一つの要因としては、今の新しい病院ができた平成10年当時は、病院内に在庫して現場に供給するという体制をとっていたのですけれども、今、契約している事業者は札幌市に物流センターを構えておりまして、基本的に病院内で使用する際に費用が発生するという仕組みに変えました。一般的に死蔵品と言うのですけれども、貯蔵する上で期限が来てしまって使えなくなるというロスの部分を今は相当削減できているので、あわせて材料費について落ちていると考えております。
減価償却費については、これは委員が御指摘のとおり、本来は、比較的、収支がいい状態で内部留保があるのであれば、当然、建物や設備を維持する上では、最低限の投資が必要かと思います。ただ、残念ながら、当院の場合については、先ほども議論になりましたが、平成18年度の時点で収支バランスの悪化を受けまして、従前から議会で申し上げているとおり、今、建物にかける設備費を相当抑えているといいますか、修繕対応のみで、全く投資をしていないという状況でございます。
減価償却費のもとになる部分については、建設当初の部分もあるにせよ、5年から7年ぐらいで年限が来てしまう医療機器を更新すると減価償却費が若干ふえるというような仕組みになっております。逆に言うと、本来はもっと交渉して、計画的に減価償却費を執行すべきなのでしょうけれども、結果としては、一時的な対応のみで投資をほとんどしていないので、推移としては若干上がっておりますが、そのように抑えているということで御理解いただければと思います。

岡君:材料費、減価償却費については、非常に御努力されて費用を抑えているということを改めて認識させていただきました。
まず、経費についてなのですけれども、経費の中の委託料について、類似平均と比較すると、高目に数字が出ています。私は、これ自体は決して悪いことではないと思っているのですが、委託料が高目に出ているのはどういう原因なのか、お答えください。

管理課長:まず、こちらの委託料については、これはあくまでも正確な数字をすり合わせたわけではないのですが、他院の担当者と話した中では、当院の業務の中で委託できるものについては、ある程度、委託を進めてきた経過が過去からございます。まずは、先ほど話題になった材料費については、物流の業者に委託して、薬品と診療材料の基本的な交渉や在庫管理、その他については、全て委託業務ということで、自前の職員でやっている部分は少ないのではないかと思います。
あとは、基本的な清掃などは除いたとしても、過去の経過等で大きかったのは、医療材料の滅菌や洗浄業務で、こちらについては、従来は自前の看護師等にやっていただいていたのですけれども、たしか平成18年度以降だと思いますが、今は民間業者に委託して病院内で作業してもらっています。
また、それと同時に、給食業務についても、自前の職員でなくて、全て委託業者にお願いしております。
あとは、通常の清掃や受付業務分についても委託しておりますので、ベースとしては、本来、当院の在職職員で賄うべきところを一般的なアウトソーシングでできる部分はしてきています。
金額だけの部分で言うと、当院の委託料については、若干御説明が必要なのですけれども、一般的に機器は購入後1年ぐらいは保守料が無料なのですが、平成27年度以前に投資をした電子カルテの導入によって、平成27年度から新規に保守料がかかっております。平成26年度と平成27年度を比較すると、約4,300万円から4,400万円かと思うのですけれども、そのうちの3,300万円程度は電子カルテの保守が新たにふえたことによって、前年度と比べると委託料が上がっております。
平成27年度、平成28年度については、差分が約5,000万円あるのですけれども、こちらは本当に当院特有のもので、平成10年に建ててから実は一度も自家発電機の保守をしていなかったのですが、建ててからもう20年近くになるものですから、さすがに危ないということで、予算をとって、この年度に5,500万円ほどの委託料をかけて自家発電機のオーバーホールをしております。これは、本当に単年度のものなので、その要因によって金額が上がっております。
あとは、平成28年度から平成29年度ですけれども、上がっているのは700万円ほどなのですが、大きかったのは、これも医療器械の更新に伴って、MRIをこの前に1回導入しているのですけれども、いわゆる無料の保守期間が切れまして、MRIの保守一本の契約で1,100万円ふえております。このほかにも、その他の業務等で増減がありまして、結果としてふえています。
ベースは先ほど申し上げたとおりで、あとは特殊な要因によって年度ごとに差が出ているものと考えております。

岡君:例えば、平成26年度で見ますと、委託料は52.1%になっておりまして、その分、人件費を削減できていることで、職員給与費も類似平均に比べると若干低いような委託の効果があらわれているのかと理解いたしました。
また、平成27年度以降を見ると、残念ながら期待されるほどには職員給与費は下がっていないということも言えるかと思うのですが、認識はいかがでしょうか。

管理課長:委員が御案内のとおり、数字としてはそのようにあらわれておりまして、こちらについては、先ほど御質疑いただきました看護職員配置についても、当然、頭数がふえておりますので、それらによって、結果として、このような割合になっているものと考えております。

岡君:あとは、経費のうち、委託料以外ですけれども、委託料の差分を除くと、一、二ポイント、類似平均よりも多目に出ています。平成29年度ですと、4ポイントぐらい多いということが言えるかと思います。
この経費の内訳になるのですが、損益計算上に出ている職員給与費との間には若干の差異があります。こちらの要求資料の3項目めに出ている職員給与費は、平成30年度で4億8,000万円ぐらいと少なくなっております。その分の費用が経費に行っていると理解をしているのですけれども、その辺は御説明をいただければと思います。

管理課長:今回、資料の要求があった時点で、総務省の病院経営分析比較表の数字との比較となりました。この病院経営分析比較表の中では、これはあくまでも統計の指標値の考え方なのですけれども、決算上は給与費に含まれているのですが、除かれている部分がございます。まず、給与費上でいく児童手当、あと報酬、退職手当負担金、この三つの項目については、この病院経営分析比較表の中では経費に含めるとされておりますので、その差分が約4億8,000万円ほどありまして、そちらは経費に振りかえられている状況です。
また、経費ですけれども、これは医業費用ですが、長期前払い消費税というものがあります。こちらは新棟を建てたときの消費税の費用執行について、分割して負担するものなのですけれども、こちらについても、医業外と医業の分けは、統計上の整理としては決算上は医業外費用に含まれている長期前払い消費税も経費に含まれるように計算して類似平均と比較するということで、内訳としては、長期前払い消費税が平成30年度決算では2,400万円ほどで、こちらは、逆に言うと、経費が膨らんでいる理由と考えております。

岡君:類似平均との比較で、ほかの団体も同じような計算で出しているかと思いますので、その点については同じことだと思います。
職員給与費の金額は、決算書上の正職員から出てくる職員に関する経費と同じではないけれども、ほぼ一致しているということで、先ほど御答弁いただいた経費の中の報酬額というのが正規職員ではない決算書上のその他と書かれている職員の方に対する報酬というか、給与という考えでよろしいのかどうかをお伺いしたいと思います。

委員長(徳田君):暫時休憩いたします。(13:28)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(13:29)

管理課長:先ほど除かれるといった報酬ですけれども、これは大きな部分については、非常勤職員というよりも、出張医で当院に来ていただいている医師に報酬として払っている部分があります。こちらについては、経費に振り分けられていまして、一般的な非常勤職員がもらう報酬については、逆に言うと、この給与費の中に入っている形です。

岡君:いずれにせよ、少なくとも平成30年度に至ってしまった現段階においては、当然、収益が足りていないので、職員給与費の占める割合のバランスが非常に悪くなっていると思います。収益が足りないという言い方もできますし、逆に言うと、先ほど申し上げたように、医師1人当たりは収益を上げていますので、少なくとも平成30年度については、職員給与は職員数の部分が多いという状態になってしまっているということが数字からは言える、そういう認識ができると思います。そういうことで、病院事務局としてもよろしいのか、お伺いしたいと思います。

管理課長:繰り返しの御答弁になりますけれども、委員が御指摘の部分もありますし、やはり医業収益の部分が相当落ち込んでいるので、割合が相当高くなっている、このように考えております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の4項目めについて質疑ございませんか。

岡君:私以外の方も資料要求をされていたのですが、私も資料要求をさせていただいておりましたので、お伺いしたいと思います。
この地域包括ケア病棟導入の経緯のところからして、余りよくわかっていないところがあります。当初、特に経営上のメリットの観点から、どういう理由で地域包括ケア病棟を導入されたのかについてお答えをいただきたいと思います。

医事課長:地域包括ケア病棟ですけれども、平成28年5月に導入いたしました。
そのときの目的といたしましては、まず、一般病棟7対1の施設基準というのがございまして、その中で看護必要度というものがございます。簡単に申し上げますと、急性期の治療というか、看護が必要な患者の割合を一定以上確保しておかなければならない、これが看護必要度であります。この数字を維持するために、ある程度、急性期の病棟で治療を終えて退院に向けた準備をする段階となった患者については、看護必要度が下がってまいりますので、地域包括ケア病棟に転棟していただいて、この7対1の施設基準の看護必要度の維持を一つの目的としておりました。
もう1点、収益上のお話にもなるのですけれども、初めに、DPCの一般病棟に入られて、その場合に、DPCですと、病名が決まれば、大体、日当点というのが決まってまいります。具体的に例を申し上げますと、例えば、大腿骨を骨折された患者が手術を受けられたというケースで想定しますと、入院された初日から8日目まで、これは大体4,209点、1点当たり10円ですので、4万2,000円ぐらいの診療報酬が受け取れる、日当点が与えられます。これが8日が過ぎて9日目に入りますと一気に2,400点まで下がります。地域包括ケア病棟の日当点というのは、約3,000点になりますので、このDPCの期間を過ぎて、地域包括ケア病棟の点数と逆転するような単位、DPCに置いておくと安い単価になってしまう患者については、地域包括ケア病棟のほうに移っていただいて、およそ1日3,000点という点数をとっていって、それで、経営上、一般病棟と地域包括ケア病棟について効率的に病床運用を果たしていこうという目的で導入したものでございます。

岡君:現段階の56.8%の病床利用率もそうですけれども、恐らく、地域包括ケア病棟としては全く成り立たない病床利用率になってしまっていると認識しております。
当初の計画では、どの程度の病床利用率を見込んでいて、どの程度の病床利用率であれば、収支のバランスがとれると考えられたのか、お伺いしたいと思います。

医事課長:今ほどの御質疑の地域包括ケア病棟の目標とする病床利用率でございますが、我々としては、地域包括ケア病棟単独での毎年度の病床利用率の目標を設定しておりません。これは、あくまで、一般病棟と合わせて行うという形になるのですけれども、いずれも当初予算で、こちらの表で言いますと、平成28年度が82.7%、平成29年度が80.9%、平成30年度が78.8%、これは地域包括ケア病棟と一般病棟を全て合わせた、精神病棟を除く、各年度の目標としている当初予算時での病床利用率でございます。

岡君:地域包括ケア病棟だけで収支がバランスする病床利用率も出されていませんか。

医事課長:今ほど申し上げましたとおり、地域包括ケア病棟単独での数字は持ち合わせておりません。

岡君:また、そもそもの話ですけれども、平成28年度の地域包括ケア病棟の導入当初は、総合内科医が十分にいらっしゃって、恐らく地域包括ケア病棟としても総合内科医がメーンになるという形での考え方だったと理解しております。
当時は、退職された指導医もいらっしゃったでしょうし、平成19年度以降、病院再建をずっと見ていただいていた総合内科医の副院長も当時はいらっしゃったと思います。そういった総合内科医とも十分に協議をした上で、この地域包括ケア病棟が立ち上げられたと認識しているのですけれども、そういう理解でよろしいのかどうかを改めてお伺いしたいと思います。

医事課長:そのとおり、総合内科医とも十分お話を重ねた上で導入したということでございます。

岡君:そうだと思うのです。平成28年度にDPC制度も地域包括ケア病棟も導入しまして、当然、総合内科の役割というのが求められるという矢先に、指導医が平成28年8月に退職をされました。平成29年度当初には、総合内科の研修医がたくさんいなくなって、トータル23人が13人になり、結局、平成28年度の地域包括ケア病棟を導入した1年間で、そういうことが起こってしまったということだと思うのです。外から見ると、そういうふうになっています。
1月の江別市立病院シンポジウムでも出ましたけれども、我々は、病院内部のこと、特に医師の話についてはわからないのです。ただ、あくまでも会計的な外側から見れば、せっかく地域包括ケア病棟を導入したのに、その年度で総合内科医が一斉にいなくなってしまっているというのは、やはり非常に理解に苦しむというか、何でこうなってしまうのかと、外から見る限り、思わざるを得ないのです。その点について、外部から見るとやはりおかしいのではないかということと、何かコメントがありましたらお答えをいただければと思います。

事務局次長:地域包括ケア病棟ですが、急性期の病棟のDPC制度への移行と同時に、平成28年度に導入したものです。
趣旨としては、今ほど医事課長から申し上げたとおりで、平成28年度は診療報酬が改定される年度でしたので、ここで主に急性期病棟の要件になるのですが、看護必要度の要件が変わって、厳しくなったという状況がありました。当時の試算ですけれども、これに対応しなければ、7対1という当時の基準が恐らくとれなくなるということで、そうすると、何もしないと、たしか年間1億円の減収になるという試算であったと思います。これに対応するために、DPC制度を入れ、地域包括ケア病棟を設置し、双方の運用によって、一定の収益を確保する、これが主眼でございました。
地域包括ケア病棟をスタートするときに、今ほど岡委員から御指摘のありました当時の内科の副院長も病院内の会議に入りまして、病床利用率あるいは急性期病棟の看護必要度をどのように維持していくかという議論をしながら進めたところでございます。
これも、また、その当時の試算で、当時の委員会にも御報告した記憶がございますが、仮に地域包括ケア病棟を導入しなければ、看護必要度という一定の基準をクリアできなくて、急性期の入院基本料が落ちるという試算になっていました。そういう意味では、平成28年度に、この地域包括ケア病棟を導入して運用したことは、病院内では、これの導入あるいは運用に向けて、いろいろと議論を重ねてスタートしたところでございますし、それに対する一定の成果があった、そういう認識は共有できていたのかと思います。
現在も、仮に地域包括ケア病棟がなければ、恐らく急性期側の看護必要度はクリアできないというふうに思いますので、この病棟は確かに病床利用率が非常に低い水準にとどまっているのですが、一定の機能といいますか、必要性は病院内でも認識されているのだろうと思っております。
また、平成28年度は、確かに委員が御指摘のとおり、地域包括ケア病棟を主に担う総合内科の医師が導入の同一年度に退職しましたが、必ずしも、この地域包括ケア病棟と連動した動きではなくて、総合内科の指導的立場にあった医師が御自身の考えだと思いますけれども、当院を離れることになって、今のこういう状態になったということでございます。そういう意味では、地域包括ケア病棟の導入と、医師の体制がうまくリンクして機能できなかったというのは非常に残念だと私も思っておりますが、直接の関連性については、ないと思っているところでございます。

岡君:改めて、お伺いをしますけれども、結果から見ると、地域包括ケア病棟そのものという意味ではないのですが、平成28年8月に総合内科の指導医が退職されて、平成28年度いっぱいで23人の医師が13人になったということです。でも、総合内科医をメーンにするはずだった地域包括ケア病棟を設置した年度にそういうことが起こってしまったというのは、あくまでも我々は内部のことはわかりませんが、外部から見ていると、やはり非常におかしいのではないかと思われてもいたし方ないかと思うのですけれども、その点についてのコメントはありますか。

事務局次長:地域包括ケア病棟の導入なり運用の経過については、ただいま御説明したとおりで、地域包括ケア病棟は、確かに総合内科の患者が主に利用される機能でしたので、御指摘されるようなことはごもっともかと思うところです。
ただ、実際の病院内の運用としては、もう一つ、整形外科の患者も、骨折等の治療が終わった後、こちらの病床を利用されていますので、そういう意味では、当初の見込んだ機能の全てではありませんが、一定程度発揮しているのかと思います。
総合内科医の退職と地域包括ケア病棟の設置の趣旨が損なわれるといった御指摘については、私の感想になりますが、病院内では余りそのような認識はないと思っているところでございます。

岡君:これは繰り返しになってしまいますから、よろしいことにしておきます。
今、現時点でも地域包括ケア病棟の意味があるという御発言がありました。要求資料の5項目めでも質疑しますが、平成30年度の時点で看護師の配置数が変わらないということであれば、地域包括ケア病棟自体の診療報酬は決して高くないと思いますので、経営全体を見れば、この病床利用率だとデメリットしかないというふうに考えるのです。市立病院は、政策医療をやるために市民の皆様の医療を守るということをよくおっしゃっていただいていますけれども、地域包括ケア病棟に関しては、必ずしも、この政策医療的なものとして、市立病院が絶対担わなければいけないものという位置づけではないと思うのです。そういう意味から、平成30年度の現時点の状況で言いますと、やればやるだけ収支のバランスが崩れるといいますか、経営上はデメリットのほうが大きいのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。

事務局次長:先ほど地域包括ケア病棟はDPC制度とセットで導入と申し上げましたし、診療報酬単価のことも医事課長から若干説明させていただいたかと思います。実は、地域包括ケア病棟の診療報酬は、恐らく国の方針だと思いますけれども、かなり高い基準で設定されております。
なおかつ、一定の期間、60日までこの病床を利用することができますので、この病床利用率を高めることで、かなり高額な診療報酬が確保できます。これをうまく利用すれば、経営にはプラスになるという病棟でございます。
その病床利用率がなかなか高まっていないという理由がございますけれども、こちらは診療単価的には非常に有利ですので、優先的にというわけではござませんが、患者にこちらの病棟に入院していただければ、経営上のメリットにはなります。ただ、地域包括ケア病棟を維持するために、在宅比率という言葉で書いていますが、守らなければならない要件がございまして、急性期側の病棟の要件と地域包括ケア病棟の要件の両方を満たしていかないと、それぞれの入院基本料が算定できない事情がございます。毎週、院内で地域包括ケア病棟に転棟する患者の協議を行っておりまして、その協議の中でも、ストレートにこちらに入れることも難しいことから、試行錯誤しながら双方の要件を満たす形で運営しているところでございます。
ですから、必ずしも地域包括ケア病棟を設置することが経営のマイナスになるかというと、そういうことではなくて、病床利用率を高めてうまく運用すれば、間違いなく経営にプラスになります。実際に、ほかの病院でも、高い運用率で活用している事例がございますので、ぜひそういうものを見倣って経営の改善につなげていきたい、そのように考えて運用しているところでございます。

岡君:病床利用率が高まれば収支バランスがよくなるのは重々理解しています。それは市立病院全てに関してそうです。なおかつ、平成30年度に関して、この56.8%というのは、一般の病床利用率から見ると、私は、全体の病床利用率が随分低いので、頑張って入れていただいている、特に整形外科は非常に頑張って地域包括ケア病棟に送っていただけると思います。
ただ、ここでの質疑は平成30年度に限りますけれども、結果としてこの病床利用率だったという結果から見ると、地域包括ケア病棟44床が全くなくて、そこに配置されている職員もその分いなかったほうが収支上はプラスだったという部分に関してはいかがですか。

事務局次長:1病棟を休止して、そこに配置する職員の人件費相当分がなければ、収支としてはプラスになったのではないかという御指摘かと思います。
先ほども御答弁したとおり、仮に地域包括ケア病棟がないとすると、一般病棟の入院基本料の基準が落ちる、あるいは、DPCの期間で3期に入ったような患者が急性期の病棟にいることになりますので、そうすると、急性期病棟側の収益が下がってくることになるのだと思うのです。どちらの収支状況が有利になるかどうか、その差分は検討してみる必要があるかと思います。
そして、そういった検討をしたかというと、実際にやっておりませんので、どちらがプラスになったかというのは、今の段階ではなかなかお答えできないということになります。

岡君:それでは、さらに質疑を限定して、それが本当に患者にとっていいかどうかというのはいろいろな議論があるかと思いますけれども、仮に地域包括ケア病棟がない、なおかつ、一般・急性期病棟に関しては、DPCのベッドコントロールを非常に厳格にやるという条件であれば、確実に地域包括ケア病棟がなかったほうがプラスになっていたという点はいかがでしょうか。

事務局次長:仮定の話ですので、なかなか難しいと思うのですけれども、収益性だけを考えると、急性期で入院されている患者に、1期ないし2期で退院していただくということになるのだと思うのです。仮に、1期、2期で退院されて、その分、急性期側の病床の回転率が上がりますので、かわりの患者が入ってくるということであれば、収益としては確実にプラスになると思います。
ただ、3期分は必ずしも入院料がゼロになるわけでありませんので、3期で退院していただいて、その後、かわりになる患者が入ってこなければ、それは必ずしもプラスになるかというと、そうではないと思います。ですので、これも繰り返しのお答えになるかと思いますけれども、確実にベッドコントロールを行って、所定の時期に退院していただくということです。それで、必ずしも収益が間違いなく上がるかというと、それも間違いなくそうですとはお答えしにくい、そういう収支上のバランスから言えば、収益の決算上から言えば、そういう可能性は高いだろうというお答えになるかと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

吉本君:地域包括ケア病棟の利用のところでお伺いいたします。
診療科別実患者数で、ただいまの質疑の中では、主に内科系の患者が利用されている比率が高いということがわかりました。
いただいた資料の中では、例えば、小児科の患者が数名いらっしゃいます。年代別の実患者数のところで見ますと、10歳代が数名いらっしゃいまして、小児科とリンクするのかと想像しました。一般病棟からの利用ということで、小児科の患者がこちらの病棟を利用されているという実績があるのかどうか、この辺の現状についてお伺いしたいと思います。

医事課長:まず、平成30年度の小児科の実患者数が2名ということで、こちらに数字を計上しております。これについては、お一人の患者が平成30年度中に2回入られたということでございます。
地域包括ケア病棟に入ってこられた目的といたしましては、レスパイト入院、つまり、御家族の方の看護のお疲れを緩和するために入ってこられた状況でございます。ですから、一般病棟からというわけではなくて、病院外から入ってこられたということでございます。

吉本君:この地域包括ケア病棟を採用するというか、これを使っていくというふうになったときに、江別市立病院新公立病院改革プランの中にも書かれていましたけれども、ポストアキュート、サブアキュートという言葉で、欄外に注釈があったのです。そのときに、ずっと議論になっていたことが多分この急性期を経過した後に引き続き入院治療が必要な患者たちが入院される病棟ということと、もう一つは、在宅や介護施設という病院内ではないところから、市内全域を含めた利用も考える、そういう方たちが急性増悪をした場合に、この地域包括ケア病棟も転用できるという御説明があったと記憶しているのです。
今回いただいた資料の中では、これはあくまでも病院内での御利用ということで、今、レスパイト入院が1件報告がありましたけれども、例えば、実際に3年になりますが、それ以外に広く地域全体から利用されているのか、そのあたりの利用状況はどうなのか。この間は余りなかったよう記憶しているのですけれども、その辺の認知度も含めて利用はどういう状況かお伺いしたいと思います。

医事課長:先ほど来、御答弁を申し上げているのですけれども、まず、地域包括ケア病棟を導入した一番大きな目的としては、一般病棟もあわせて、病床の有効利用を図って経営を向上させることがございました。
もう1点、このサブアキュートというか、病院外から受け入れるという目的なのですけれども、基本的には、今後も一般病棟からの受け入れを中心にしていくべきだと思うのですが、実際、このような空き状況となってきておりますので、病院外からの患者の受け入れも課題の一つと思っております。
平成30年度につきましては、全体で200件、平成29年度より患者数が落ちているのですけれども、そういった中で、病院外からの患者数については、平成29年度に比べて30人ぐらいふえております。この中には、先ほどの小児科のレスパイト入院もございますけれども、内科、つまり、成人の方のレスパイト入院もあります。当院の部署で地域医療連携室というところがありますので、そちらで、ある程度、病院外からの件ついて、対応していただいて、平成29年度より病院外からの入院の件数がふえたという状況になっております。

吉本君:市内にたくさんの介護施設ができていますけれども、なかなか病院と直結して連携がとれないというお話もよく伺うのです。こういう言い方は非常によくないかもしれませんが、この地域包括ケア病棟をつくるときにも、やはり高齢化の問題もかなり議論されましたけれども、私は、多分、これから必要とされる病棟だと思います。
ただ、1日当たり3,000点がどうなのか、そういう経済的、財政的な問題を考えれば、いろいろあるのかもしれません。でも、間違いなく必要とされる病棟であるということで、必要度はもっと増してきているのではないかと思います。
それで、もう一つ、お伺いしたいのは、直接病院とは関係ないのですけれども、地域包括ケアシステムを構築するということがずっと言われていまして、そういう中で、この地域包括ケア病棟は核になるものだと思うのです。今、江別市も、こういう地域包括ケアシステムの構想を、江別市医療介護連携推進協議会などで議論されていると思うのですが、そのあたりでは具体的にこの地域包括ケア病棟をどう利用するか、その辺のことも議論になっているのでしょうか。
あとは、札幌圏域地域医療構想調整会議の中で、地域包括ケア病棟の役割について、その辺のことが議論になっているのかどうなのかというあたり、この病棟をこれからどうしていくのかと考えるときに、すごく大事なことだと思うのです。その辺の情報をもしお伺いしていれば、お聞きしたいと思います。

医事課長:今ほど御質疑がございました札幌圏域地域医療構想調整会議、それから、江別市医療介護連携推進協議会の中で、この地域包括ケア病棟についてどういった議論がされているのかについては、申しわけないですけれども、こちらとしても把握しておりません。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

佐々木君:吉本委員の質疑と関連すると思うのですが、私も、地域包括ケアシステムの中で、こういった病棟は、これからの高齢社会では必要だと思いますし、60日間で在宅へ戻るまでの間、使えるという市民にとってとてもいいところだと思うのです。
今回、患者の推移で、整形外科は頑張っているのですが、内科が少なくなっています。この利用率を上げるための改善策というか、今、吉本委員が言ったような使い方もいろいろあると思うのですけれども、こういうことをやってみようという改善策があれば教えてください。

医事課長:一部繰り返しになってしまうのですけれども、地域包括ケア病棟の運営に関しましては、毎週水曜日に、看護部、地域医療連携室、リハビリテーション科、そして、私たち医事課の事務の担当も入りまして、病院内の一般病棟から転棟される患者の抽出、あるいは、病院外からお受けする議論といったものを行っております。現状としては、その会議を充実させて、基本的には一般病棟から適切なタイミングで地域包括ケア病棟に転棟いただく、これを中心に議論を進めていくというのは今後も変わらないと思います。
一方、病院外からの受け入れに関してですけれども、先ほど、昨年度より30件ぐらいふえましたという御答弁を申し上げました。実際に、地域医療連携室の方とお話をしますと、受け入れに関して、特に総合内科の医師が減っておりますので、積極的に営業というと変なのですけれども、病院外にこういったものをPRしていくことがなかなか難しい現状がありまして、そこは、今、積極的にはできていないという状況でございます。
またこの話かと思われますが、やはり内科医を確保して、一般病棟ももちろんですけれども、こちらの地域包括ケア病棟の受け入れに関しても数をふやしていきたい、このように考えているところです。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

裏君:私も、この地域包括ケア病棟は、これから高齢者を抱える家族にとっても、大変重要だと思うところです。
江別市の役割という中で、近隣市を合わせて、16万人ぐらいの医療を支えるというお話も伺っておりましたけれども、この地域包括ケア病棟は、近隣の江別市以外の方はどのぐらいの割合で利用されているのか、わかればお伺いしたいと思います。

医事課長:申しわけございません。患者の居住地については、資料を持ち合わせておりません。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

岡君:先ほども伺った点ですけれども、地域包括ケア病棟に関しては、現時点で病院事務局として、政策医療とは捉えていないという理解でよろしいのかどうか、お伺いしたいと思います。

事務局次長:地域包括ケア病棟の設置目的としては、今ほど吉本委員からの御質疑にあったとおり、地域包括ケア病棟の一翼を担う機能が期待されておりますレスパイト入院等があるということは十分承知をしております。ただ、市立病院としてこの病棟を導入したのは、急性期の病棟というものの連携で収益を確保していく、一定の水準の入院基本料を確保していく、これが主目的で、その考えについては、今も変わっていないところでございます。

岡君:政策医療とみなしてないということでよろしいですか。

事務局次長:失礼しました。
政策医療というふうに捉えておりません。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の5項目めについて質疑ございませんか。

岡君:まず、現状の患者数から計算していくと、基本的に3人夜勤体制の配置数によって配置が決まってくるということかと思います。急性期の一般病棟については、3人配置というのは、普通のことだと認識しておりますが、地域包括ケア病棟と精神病棟に関しては、もちろん3人を配置しているような病院もあるかと思いますけれども、必ずしも、夜間に3人配置するというのは一般的ではないというのが私の理解なのですが、その理解が正しいかどうかはいかがでしょうか。

医事課長:こちらの資料でも御説明申し上げた内容についてです。
夜勤の配置については、施設基準では2人以上が条件となっております。なので、最低2人は置かないといけない状況になっています。
当院については、以前から全病棟3人夜勤ですので、現状は3人で配置しています。
今の一般病棟でも、3人夜勤が必要というよりは、加算をとれる状況なので、極端に言うと、一般病棟においても、基準上は最低2人、3人は絶対条件というわけでございません。地域包括ケア病棟と精神病棟に関しましても、3人夜勤は絶対条件ではなくて最低2人いればいいという状況になっています。
他の病院で、地域包括ケア病棟や精神病棟に2人あるいは3人、どちらの配置がトレンドになっているかということについては把握しておりませんので、当院と他院の状況を比べるところまで至ってございません。

岡君:収益を十分とれていれば、それは、それで当然いいと思うのですけれども、現状の市立病院の状況から言えば、もう少し経営的な判断をしていく余地もあるかと思います。少なくとも、他の病院でどうやっているかみたいなことは調べた上で、当病院としてもどうするのか、やはり医療上必要だというのであれば、それは、それでいいのです。ただ、私が少し調べたぐらいですけれども、地域包括ケア病棟と精神病棟に関しては、必ずしも、夜勤3人ということではないと思うのです。
それから、当院に関しては、病床利用率が低いので、なおかつ、その状態でも、こういう配置が必要なのかというのは経営的に当然考えなければいけないと思うのですけれども、この点は今までどのように考えられていたのか、お伺いできればと思います。

医事課長:大変失礼いたしました。
今、手元に、昨年の病棟再編のときに、ほかの公立病院の状況を調べた資料がございます。こちらは病棟の区分と一般病棟と精神病棟だけですので、地域包括ケア病棟という単独での数字にはなっていないのですが、少なくとも精神病棟におきましては、3人で配置されている病院があります。幾つか、2人配置のところもございますけれども、全体的には公立病院の中では3人配置のほうが過半数を超えているというのが昨年10月時点の状況で、そういった数字を押さえております。

岡君:私は、急性期の患者を受け入れる精神病棟であれば3人配置というケースが多いという理解をしているのですけれども、その点までは把握されているでしょうか。

委員長(徳田君):暫時休憩いたします。(14:13)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(14:13)

管理課長:経営上、2人夜勤にならないかということは看護職場でよく議論させていただいております。特に、これは社会的な福祉の部分も若干絡んでくるのですけれども、特に精神患者、認知症をお持ちの方が比較的地域包括ケア病棟や精神病院に入る率が高いです。高齢化に伴って、そういった患者の層もふえているのですけれども、今の国の考え方としては、地域で見守るという前提があります。その中で、医療が必要な場合については、急迫状況の患者は当院に来ていただくという形ですし、恐らくほかの病院も、精神病棟の中で急性期か急性期ではないかというのは、正直、わかりかねる部分があります。
残念ながら、2人夜勤を精神病棟でやっていることについて、どのようにしているかという問題はわかりかねるのですけれども、これは医療的な診療の方針として、当院の精神科医が言っているのは、歴史的な背景から言うと、精神患者について、やはり不穏な動きをするとか、消灯後に歩き回ったりすることがあるので、悲しい歴史で好ましいことではないですけれども、いわゆる拘束といったことで患者を縛りつけて動かないようにする治療が昭和の時代は主流だったと聞いています。
ただ、今の医療としては、より患者の人権を尊重した形で見守ることになりますから、そういうことは一切しておりません。当院の方針としても、そういうことはしていないのですけれども、先ほど言ったとおり、暗くなっても動く患者がいる部分について、看護師の一定程度の配置、あとは、消灯までで一番困るのがトイレの介助で、高齢になればなるほど転倒のリスクが上がりますから、その分、どうしても人手が必要だという形になっておりまして、結果として、当院は3人配置をしております。
なおかつ、以前にも別の議論で申し上げましたけれども、特に精神患者については、入院期間が長い患者、比較的病状が落ちついた患者については、地域に帰っていただいて、より急迫した医療が必要な患者も積極的に受け入れると。ただ、残念ながら、回帰率が悪いものですから、患者が退院した後に新しい患者を受け入れるところまで行っていないような状況かと思います。
恐らく、他院についても、今のこの世の中で精神病棟を維持するのはかなり難しいと思いますから、その中でいろいろと御苦労されているかと思いますけれども、当院についてはそのような形で3人夜勤をしております。
地域包括ケア病棟での収益ももらいますが、やはり困っているのは、比較的ケアが必要な患者が以前よりも圧倒的にふえているため、その部分について、人手がいないと、特に夜間は2人であれば、ナースコールが鳴ってもう1人が患者のケアに行っていたら、事実上、あとは誰もできないという状況があるので、A班、B班の2人を主眼として1人をフリーにさせていると聞いております。そのフリーの人が不穏な患者を見ている、もしくは、必要に応じてベッドサイドにいて見守っているという話も聞いておりますので、現状としてはそのように運営していると考えております。

岡君:話としてはわかるのですけれども、昨年度の病床利用率で、精神病棟は39.6%、地域包括ケア病棟は56.8%、これが仮に80%、90%になったとしても人員配置が変わらないわけで、やはりそこは経営的な検討をもう少し進めていく必要があったのではないかと思います。
ここの資料は、あくまで計算上の配置数ですけれども、手元にある数字で構いませんので、今の病棟に配置されている職員数について、それぞれお答えいただければと思います。

管理課長:まず、地域包括ケア病棟ですけれども、9月1日現在で、正職員が21人、非常勤職員が5人、人員としては計26人が配置されております。
続いて、精神病棟の人数ですけれども、正職員が21人、非常勤職員が2人、計23人を配置しております。
一般病棟は、今、東3病棟が休止しているので、西3病棟、東4病棟、西4病棟、西5病棟の4病棟です。人数としては、正職員が99人、非常勤職員が17人です。

岡君:今言った人数は、非常勤職員と常勤職員を全部足すと165人になるかと思います。令和元年9月1日現在の数なので、先ほどの平成30年度の常勤換算数とは違ってくるかと思うのですけれども、それでも平成30年度の常勤換算では350人と出ておりますので、随分差があるように思えるのですが、そこの人数の差についての御説明をいただければと思います。

委員長(徳田君):暫時休憩いたします。(14:20)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(14:22)

管理課長:先ほどの答弁で、それぞれの病棟で、非常勤職員と申し上げたのですけれども、実際には、地域包括ケア病棟の東5病棟は、9月現在で、正職員21人は変わらないのですが、非常勤職員5人と申し上げた部分については、全員看護助手ということで、看護師ではございません。
同様に、精神病棟の南1病棟ですけれども、看護師21人は変わらず、こちらも非常勤職員2人については看護助手となっております。
一般病棟4病棟ですけれども、正職員99人で、非常勤職員のうち、看護師は5人、看護助手は12人という内訳でございます。
ですので、正職員は、正確に言うと141人、看護師の非常勤職員が5人、看護助手が19人、全病棟で165人でございます。
それから、常勤換算の看護職員数ですけれども、これは病棟だけの話をしていますが、全体については、外来の部分がありまして、外来は、逆に言うと、非常勤職員の看護師が非常に多いので、こちらはその総数になっております。

岡君:それはわかっています。平成30年度で350.4人、もちろん今はもう少し減っていると思います。
今、正職員と非常勤職員を合わせても165人ですから、やはりここに随分と差があるわけです。多分、全病棟で165人というのは決して多くない数字だと思います。その差分が単純計算でも平成30年度との間で190人ぐらいあって、全員が外来にいらっしゃるわけではないと思いますが、どう考えても、単純計算でも職員数が多いということが言えるかと思うのですけれども、その点はどのように考えられているのか、お伺いします。

委員長(徳田君):暫時休憩いたします。(14:26)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(14:28)

管理課長:9月時点の看護師数は、外来部門の看護師等では約80人です。そのうち正職員は、27人です。そのほかに、例えば精神科の外来部門になりますが、精神リハビリテーション室に看護師を配置しております。あとは、オペ室、人工透析、救急診療室、訪問看護室、医療安全上に必要な医療安全管理室、地域医療連携室、患者支援室などの各部門に配置しております。資料を見ると、看護職員数は多いと思いますが、実際に他院と行う仕事に対する看護師の職員がどのくらいかという比較をしたことがありませんので、わかりかねます。

岡君:すべて足すと165人と約80人という理解でよろしいでしょうか。

管理課長:外来部門では約80人であり、その他部門の職員は60人程度おります。全体では300人弱の看護師がおりますことから、その約半分が病棟におり、約80人が外来で、残りはそれ以外という捉えでよろしいと思います。

委員長(徳田君):暫時休憩いたします。(14:31)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(14:44)

管理課長:常勤換算についてですけれども、平成30年度の350.4人については、10月で10人が配置転換をかけて市長事務部局に異動しております。その関係の計算上の部分で、結局、1日当たりということで、365日を掛けて配置人数で計算をするものですから、結果としては割合がふえます。計算上の話ですけれども、あくまでも月ごとの人数で正職員、非常勤職員で、他部門の看護職で賄っている部分も全部ひっくるめて、看護助手も入りまして、その部分で計算すると数値としてはこのようになると思います。

岡君:先ほどの資料の類似平均でも出ていましたが、やはり看護職員が多目だということは言えると思います。比較すると明らかに多いことがこの観点からも言えると思いますけれども、いかがお考えか、改めてお伺いしたいと思います。

事務局次長:これは職員の配置が過剰だということではないのですが、昨年度、診療報酬改定がございまして、この診療報酬改定の絵姿が直前までわからなかったということがございます。入院基本料に係る部分で大きな改定があるだろうということを想定しておりまして、それは何かというと、この資料に書いてある7対1や13対1という基準がもしかしたら変わるのではないかということを想定しておりました。
これを想定する中で、この資料に書いてあります全病棟3人夜勤で体制を組んでいるのですが、これは急性期医療の現場を守るという考えからこういう方針を持って運営しているところですけれども、かねてから夜勤の体制については、これは市立病院としては労使協議の対象として、職員組合と3人夜勤を配置していくという約束といいますか、労使間の合意をもって体制を維持しているところでございます。
今ほど申し上げたとおり、診療報酬で大きな見直しが何かあるだろうということが想定されましたので、3人夜勤で人を配置することについては、見直しを含めて話し合いをしたいと事前に職員団体に持ちかけてきた経緯があります。
結果的に、診療報酬の改定については、7対1あるいは13対1という基準が変わりませんでした。夜勤の体制も変わらなかったのですが、こういう事情があったということではないのですけれども、夜勤の3人から2人の体制の見直しという話し合いでは、合意まで至らなかった経緯がございます。
市立病院としては、患者数がどうしてもとれていない、病棟も1病棟休止せざるを得なかったという状況がございましたので、夜勤の体制も含めて職員組合と協議して、一定程度、合意に至った部分もございますが、合意まで至っていない部分もございますので、引き続き、適切な職員の体制、配置のレベルは、病院内でも検討してまいりたいと思っていますし、職員組合とも協議を進めてまいりたいと考えているところでございます。

岡君:もともと類似比較で看護職員数は多目で、平成28年度以降は、さらに先ほどのお話のように多く採ったというようなこともあったと思うのです。少なくとも、平成30年度現在、50床減って287床の病院としては、現在の看護職員数は過剰であるという判断が数字上から言えると思うのです。改めて、この問題意識は、平成30年度決算の病床利用率や入院の患者数等を見ると、そういうことが言えると思うのですけれども、その点についてのお考えを伺いたいと思います。

事務局次長:病棟の配置につきましては、要求資料の5ページに書いてありますとおり、一定程度、診療報酬の基準をクリアする必要がございます。ここに書いてある数字は、計算上の数字ですから、例えば、1病棟当たり20人とか14人を置くと診療報酬がすぐにとれないという結果になりますので、一定程度の余裕といいますか、実際に運用できる配置としなければならないという基準で置いています。病棟に関しては、決して過剰な人数を配置していることはないと思っています。
ただ、類似団体との比較では、今ほど御指摘いただきましたとおり、やはり数字が多いことは事実でございます。今の収益の状態を考えて適正な人員配置がどのようなレベルにあるのかは引き続き検討していまいりたいと思っておりますし、対応も進めていかなければならないと思っているところでございます。

岡君:ですから、平成30年度の時点においては、職員配置が若干アンバランスだということは御理解いただいているかと思います。
先ほども質疑させていただきましたけれども、やはり過去からの経緯を見て、そして、毎年度努力いただいて、医師確保、医師招聘に13年間ずっと頑張っていただいて、今の結果になっています。マックスの病床利用率で80%に到達したときもありましたが、75%程度、平成25年度、平成26年度でもそうだったということを考えますと、改めて先ほどの質疑と同じようになるのですが、医師招聘が一番大事だと我々は思ってきて、確かにもちろん収益を上げるためには医師が必要なのは事実です。ただし、13年間やった結果として、これだけ努力しても医師の招聘を簡単にはできないというのは、もう結果として我々も十分認識しているわけです。そうであれば、やはり収益ではなくて、費用の部分、特に看護職員の配置数に関しては、類似との比較で多目という数字で出ています。昨年度は確かに病棟を一つ休止しましたけれども、病棟数、病床数の管理をもっと早い段階で手を打つなり、もしくは、看護職員の人事管理をもっと早い段階で手を打っていくことが経営上のより重要な問題点だったと、私は、平成30年度の決算が終わった今の時点から見れば、過去にさかのぼってそういうことを考えることができると思うのですが、その点、いかがお考えか、お伺いしたいと思います。

事務局次長:平成30年度の決算は、当初見込んでいた患者数、収益を得ることができず、結果的に人件費あるいは経費が過大な状態になっているという御指摘は、重く受けとめなければならないと思っています。
ただ、市立病院は病院ですから、やはり病床を機能させて患者を受け入れていくのが求められている役割でしょうし、それを果たしていかなければならないと思っています。患者を受け入れるには、一定の体制をとる必要がありますので、これまで繰り返し御答弁を申し上げているとおり、患者を診ていただく医師を確保して、一定の患者あるいは収益を確保していかなければならないというふうに思っています。
結果としては、それが達成できませんでしたので、うまくいかなかったということは事実として受けとめたいと思いますが、やはり医師を確保して医療提供を行っていくという考えに基づいて、何とか市立病院を運営していきたいと考えているところでございます。

岡君:それは理解しているところでございます。
だから、残念ながら、頑張った平成30年度の結果が過去13年間の結果だと認識しています。
病院事務長は、今年度から市立病院に来られたので、また違った目でこういった数字を見られるかと思うのですが、改めてお伺いしたいと思います。
経営上の観点からいって、医師の招聘を頑張るのは当然で、それを期待していたわけでございます。13年間やり続けて、残念ながら、医局からの派遣は、昨年度までで、内科医に関しては1人も達成できていない結果が出ているわけです。そういった数字を見る限りにおいて、やはり医師の招聘以外においても、病棟数の管理なり看護職員の人事管理についても、経営上の大きな問題だった、今になるとそういうことも言えると思うのですが、その点はいかがお考えか、お伺いしたいと思います。

病院事務長:市立病院といたしましては、平成18年度の医師の大量退職以降、さまざまな形で努力してきまして、医師確保以外にもDPC制度の対応や地域包括ケア病棟の対応など、できるだけ収益性の高い部門、事業に人的資源、財源を投資して、経営効率を高めていこうという考えで取り組んできたところであります。
今の市立病院は20年たちますけれども、まだ結構な起債償還が残っている状況もありまして、やはり、ある程度の売り上げがなければ、償還も進んでいかない、経営が進んでいかない状況があります。
また、市民という部分では、内科医が不足しているということで、救急や入院応需が正直ままならない状態、収益が確保できないという現状においては、やはり医師確保が最も大きな課題であると考えております。その解決のためにも、さまざまな手法を講じて取り組む基本方針は変わりません。
一方で、成果が出ていない部分に関しては、確かに御指摘のとおりでありまして、さらにあらゆる手段を講じて取り組んでいかなければいけないと考えています。昨年10月、この医師確保の状況、経営状況を踏まえた中で、適正な職員配置による効率的な病院病床運営を行うため、1病棟の休止を行ったという事実もございます。先ほど来、類似団体との比較の中で、看護体制の違いなどを御指摘いただいておりますけれども、現時点での手元の資料だけでは一概に比較できないところがありますので、今後、他院の状況も収集しながら検討を進めてまいりたいと考えております。

岡君:もう1点、違う観点から、昨年10月から、50床休止がスタートしたのですけれども、本当にアイデアベースの検討でいいのですが、50床休止の検討に着手した時期はいつだったのか、お伺いしたいと思います。

事務局次長:昨年10月に1病棟を休止いたしまして、この検討については、平成30年4月に診療報酬が改定されるというスケジュールがございましたので、それを踏まえて、市立病院の中では10月とか11月からアイデアベースとして検討いたしまして、具体的に1病棟休止するという検討に入ったのは、新年度に入ってから診療報酬の改定の姿が見えた4月、5月から具体的な検討を進めたというスケジュールでございます。

岡君:市長は、常日ごろ、一般質問や委員会の質疑等で、公立病院が民間病院と違う問題は何なのかという質疑に対して、公立病院というのは、いわゆる診療報酬改定等の動きに対して機動的に対応できないといったようなことをおっしゃっていたという意味でお話をさせていただいております。機動力が乏しくて、なかなか一気に改善することができないのが公立病院の問題で、難しいところだということを何度か答弁でお話しいただいております。ですので、年次をもって少しずつ改善することが重要ということなのです。
ただ、今のお話を伺うと、少なくとも1年間ぐらい、実質、検討を始めたのは4月に入ってからですので、半年間ぐらいの検討で1病棟休止を決めるぐらいの機動力はあると、それぐらいの対応は十分できるという結果になっているかと思うですけれども、そういう理解でよろしいですか。

事務局次長:病棟休止に関しましては、これは以前も休止した経過がございますので、そういう意味では、半年間の対応で進めることができたのかと思います。感想めいた話になりますが、そのように感じているところでございます。
市長の言う公立病院は民間病院に比べると機動力が乏しいという部分では、例えば、診療報酬の改定、施設基準は人の配置に非常に大きくかかわる部分がございます。診療報酬改定で、今、看護師を配置することでこういう加算がとれるというものを、リハビリのスタッフを確保することで別の加算がとれるとなったときに、これは公立病院として職員定数という問題もございますし、現在の職員を退職させることもできませんので、そういう部分についての公立病院の機動力の低さと思っております。
昨年10月の病棟の休止については、江別市全体の中で、看護師の配置をするというようなこともございましたし、そこの部分では半年間で何とか対応を終えることができたと思います。この件に関しては、そういう経過だったのかと考えております。

岡君:お話を伺っていると、病棟休止は経験があったということで、今まで2病棟休止した経験がありますので、それぐらいであれば、半年ぐらいで対応できるというふうに御答弁いただいたと認識いたしました。もし違っていたら、お答えをいただければと思いますが、特になければこれで構いません。

事務局次長:病棟休止自体は、患者数が減っている状況の中で、1病棟を休止しても、残りの病棟で、例えば、9月時点で患者を受け入れることが可能だという状況もありましたので、半年間の中で対応ができたという要素はあったと補足させていただきたいと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

宮本君:病棟休止の話が出ましたので、一つだけ確認させてください。
病棟休止が1年以上続いた場合には、もとに戻す、病棟再開はなかなか難しいというお話を聞いています。北海道保健福祉部地域医療推進局での見解は、特に今のところありませんか。

事務局次長:1年間、全く使用していない病棟に関しては、国の通知で、都道府県が廃止を命令できるというようになっております。当院の病棟休止は、間もなく1年たちますので、この辺の取り扱いについて、先日、北海道に確認してまいりました。国の通知としては、都道府県が所管する地域医療構想調整会議の中で議題にした上で廃止という手続に進むのですが、北海道としては、地域の事情を踏まえて、そういうような取り扱いはしない、する予定はない、地域医療構想調整会議の中で情報共有を図る、現時点ではそのように考えているという回答をいただいておりますので、1年たった時点で即廃止ということはないものと認識しているところでございます。

宮本君:1年ではそういうことでしょうけれども、今後、現実問題として、今いろいろなお話が出ていますが、病院経営が大変厳しいということで、一、二年ですぐ再開できることを想定した場合に、私自身は非常に難しいのではないかと考えております。
それで、その辺の先行きといいますか、2年ならどうだという話まで行ってしまいますけれども、2年、3年後はどうか、その辺のやりとりはなかったのですか。例えば、現状の市立病院の経営が困難で、先行きがどうだという話までは行っていないということですか。

事務局次長:北海道には、当院の現状等もいろいろと御説明した上で、都道府県としてどういうような対応をとるおつもりか、どういう予定ですかとお伺いしたのですけれども、結果としては、現時点では廃止という取り扱いはしない、その先についても、特に予定しているものはないというお答えでございました。

宮本君:経過を見守るといいますか、当面は見守りたいという受け答えだったのかと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
暫時休憩いたします。(15:07)

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(15:15)
次に、要求資料の6項目めについて質疑ございませんか。

岡君:資料の見方といいますか、どう捉えるかというところなのですけれども、平成28年度は年度またぎで借りている資金というのが3億円ありまして、返済しました。それが年度末になると、7億3,000万円までになって、また借りかえて、平成29年4月に返済しました。だから、平成28年度では4億3,000万円ふえています。平成29年度は、7億3,000万円から始まって、最後に12億円になって、借りかえで平成30年4月に12億円を返しました。ですから、7億3,000万円が12億円になったので、4億7,000万円がプラスされました。平成30年度に対しては、12億円スタートで、何もやらなければ20億円になっていたのですけれども、6億円を一般会計から貸し付けたので、その分マイナスで14億円になって、この14億円を今年度の当初に返済しているという理解でよろしいでしょうか。

管理課長:委員が御案内のとおりでございます。

岡君:なので、平成30年度は12億円が20億円になったという理解ですから、実質、6億円の貸し付けがなかったらプラス8億円です。
平成29年度までは一時借入金のリミットが予算上30億円なので、24億円でぎりぎり足りていたと思います。平成30年度は、予算上で40億円に変更しました。ですから、40億円に変更していなかったら、リミットを上回ってしまっていたということです。補正を組めばいいのでしょうけれども、何といいますか、収益上はいろいろ膨らんだ数字を見込んでいたが、この借入金額については、非常にシビアに計算して予算の段階で40億円、当初予算案を議会に提出されたという理解でよろしいですか。

管理課長:考え方はそうですけれども、若干違うのが現金のフローと調定額、要は、月の収益、お金の入り方が違いまして、実際に当初資料の保険料の未収の中で出てきた団体と個人のうちの団体の話なのですが、主に国民健康保険と社会保険ということで、保険から宛てがわれる部分があります。その部分については、診療した日にすぐもらえるのではなくて、例えば、今月、受診をしたとすると、市立病院に現金としてお金が入るのが2カ月後になります。どうしても、ずれがあるので、予算上の月の収益とキャッシュ・フローは、収入の7割程度だと思うのですけれども、その部分については2カ月ずれている計算になります。経費の計算は別ですが、その部分と費用については、ダイレクトに、毎月の執行が基本的には重なります。それらを合わせて、精査して、このように見込んで、結果として6億円を返したということでございます。

岡君:何といいますか、平成30年度を見ますと、少なくとも、月々の支払いをするのに一時借入金に頼らなければいけない状況が続いておりまして、ここ数年は、どんどん一時借入金が膨らんでいます。要するに、日々の診療をするのに一時借入金を膨らましていかざるを得ない状況に陥っているという認識でよろしいでしょうか。

管理課長:平成28年度以前と今との傾向の違いは、恐らく、今は、委員が御指摘のとおりかと思うのですけれども、平成27年度、平成28年度当時については、時期が秋、平成28年は10月からでした。基本的に、市立病院の支払いで、どうしても毎月の部分の執行と、その月特有の執行がございます。代表的なのが6月と12月に支払われる、いわゆる期末・勤勉手当で、それは給与費のほかに、その月にまた支払われる分もありますから、単純に支払う額としては、その月は給与費が膨らみます。
それから、9月と3月については、企業債の償還月となっておりますので、また通常の営業以外で償還しなければいけないものがございます。平成28年度は、それを目途に、9月末に実際に償還をした後、現金が足りないということで、10月から借り始めています。
平成29年度についても、9月5日に借りたのは、償還月の9月上旬と下旬に、それぞれ支払うものが通常月以外のものであるので、9月上旬に現金が足りないから借り始めたということです。
平成30年度は、スタートが6月だったのは、大体、日付を見てわかるかと思うのですが、期末・勤勉手当の資金手当てができないので、ここからスタートしたということです。
通常営業以外の部分プラス費用を現金で支払わなければいけないとか、償還しなければいけない、その月にどうしても多額の現金が必要となることから、一時借入金を借り入れるという状況です。

岡君:平成30年度の予算審査においては、資金ショートを非常に危惧されておりまして、資金ショートをさせないように頑張っていきたいといったようなお答えでございました。
ただ、民間企業と違いますので、そもそも、この市立病院における資金ショートの定義はどういうふうに考えられているのか、お伺いしたいと思います。

管理課長:市立病院といっても、基本的に公営企業ですから、企業会計に基づいて行われております。
皆さん、多分、不渡りという言葉を聞いたことがあるかと思います。通常は、現金取引ではなくて手形を切って換金して支払いに充てます。一般的な民間企業の不渡りというは、こちらの手形を切っても換金できないのが2回起こった状態で倒産と一般に言われています。
では、これを市立病院に置きかえたとすると、当院も、現金の支払いについては、実際上、小切手を切っていますから、手形を切っている形になります。概念上は、一つとしては、会社単位で考えると全く同じ部分ですけれども、我々が資金ショートと言っているは、あくまでも現金残高に着目して、当日、入ってくる窓口部分の収入が代表的なのですが、それと、支払いの期日があって、その時点で支払いのほうが上回って現金残高がなくなるのを防がなければいけないということで、あくまでも、これは内部の考え方ですけれども、経理上、その事由を起こさないようにするために、あらかじめ一時借入金で現金を借ります。
単純に、通常使っている預金残高でお支払い、引き落としができないことを防ぐために、当然、資金の計画を立てますし、先日の鈴木議員の一般質問でお答えしましたとおり、最悪、それでも、金融の手続上、入金については、どうしてもおくれる場合もあります。それを防ぐために、当座貸し越しというものもして、今は2億円で契約して、瞬間的に預金残高が足りない部分についても、そのフォローをするという押さえをしております。
結論としては、非常にわかりやすいのは、多分、預金残高がなくなることが、資金ショートと言えるものかと考えております。

岡君:ということは、ことし3月29日の時点で、一般会計からの6億円の貸し付けがなければ、20億円を返済できずに、今の定義で言う資金ショートになっていたという理解でよろしいですか。

管理課長:この部分については、要素がもう一つあります。なぜ6億円を借りたかというと、あくまでも一時借入金の限度額が40億円なので、今となってはという話ですが、14億円に6億円を足して20億円だとすると、年度計でいけば、もしかしたら、ぎりぎり足りたかもしれないのです。
ただ、6億円を借りた一番大きな理由は、議会にも御報告しています資金不足比率が20%を超えるおそれがあったからです。なおかつ、先ほど言った短期的な現金の残高が不足する見込みも当然あったので、その要素が二つあって、結果としてこのような措置を一般会計にお願いし、借り入れたという経過です。

岡君:最初から見ますと、要素は、それは、それで理解をしていますけれども、結果として、6億円がなければ、明らかに現金が足りなかったと言えると思うのですが、そうでもないということですか。

管理課長:ただ、今となって振り返れば、当然、現金は不足していたと考えます。幾らかというのは無理でしょうけれども、逆に言うと、6億円あって、年度を超えて、4月に入った段階での残高が少なからずプラスに働きました。恐らく、6億円を自前で借りることはできたのかもしれませんが、結果としては、不足が生じていた可能性もないとは言い切れないと考えています。

岡君:資金ショートの定義にもよるので、なかなか難しいところだと思いますけれども、事実上の資金ショートであったということが言えるのではないかと思っております。
当然、昨年度の予算審査でも、この点は皆さん非常に気にされておりまして、理事者質疑においても、資金ショートさせないために頑張ってまいりたい、早く結果を出せるような努力をしていきたいといったような御答弁をされております。
残念ながら、平成30年度については、結果が出なかったと認識せざるを得ない数字だと思いますけれども、いかがお考えか、お伺いしたいと思います。
資金ショートをさせないための努力を理事者質疑でおっしゃいましたが、結果としては、努力の結果は出ていなかったという意味の質疑です。

事務局次長:補正予算に係る理事者質疑においては、当然、当初予算の中で資金ショートをしないように最大限努力したい、これは部局に対する審査の中でもそういうやりとりがあったかと記憶しています。補正予算を組んでいただいて、一定の貸付金をいただいて、それで平成30年度を乗り切るということになりましたので、そういう意味では、当初予算のときに、資金ショートしないようにやっていきたいということについては、結局、約束を守ることができなかったと認識しております。

岡君:6億円を出していただくことで、資金ショートをさせない努力をした、病院事務局としてはそう理解しているということでしょうか。

事務局次長:これまで、ずっと御答弁を申し上げている医師確保、あるいは、収益確保というところは、補正予算を組む段階で当初の見込みを達しておりませんので、そういう意味では、一般会計から一定の資金貸し付けを行っていただいて、何とかその年度を乗り切ったと認識しているところでございます。

岡君:あくまで、参考のためですけれども、今年度14億円を返済して現時点までで何億円を借りているのか、お答えいただければと思います。

管理課長:本日、9月17日現在ですけれども、今年度、新規に借り入れた実績額は11億7,000万円となっております。
これはもう市中金融機関に照会をかけているので、申し上げますが、先ほど御答弁したとおり、また、9月下旬に企業債等の償還がございまして、今その必要資源が不足していることから、現在の予定としては、さらに4億2,000万円をお借りしなければならないと思っております。
なので、9月末の時点では、恐らく15億9,000万円に達するものと今のところ見込んでおります。

岡君:決算なので、あくまで参考にお伺いするだけですけれども、平成30年度決算の数値を見ると、10月以降も、同じぐらい借りていかないといけないと認識してよろしいでしょうか。

管理課長:時期的な部分と金額的なものを考えると、現状ではそのように考えております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の7項目めについて質疑ございませんか。

岡君:毎年度の決算では、この繰入金について、内訳証書という形で出していただいているものに基準額というのを入れて、改めて作成をいただきました。
改めて、この基準額というのは一体何を言っているかについて、お答えいただければと思います。

管理課長:この基準額と言われるのは繰入金の概念ですけれども、あくまでも、経費の負担分として繰り出していただけるのが、その性質上、企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費です。これは総務省等の資料を見ると、公共の消防のための消火栓に要する経費などと書いてあります。そのほかに、恐らく、等に該当するのが、その公営企業の性質上、能率的な経営を行っても、なお、その経営に伴う収入をもって充てることが客観的に困難であると認められた経費で、これも、国の例を見ますと、僻地における医療の確保を図るために設置された病院に要する経費、これがいわゆる採算性が低い医療に充てられる理由と考えております。これがそもそも繰入金をいただいている理由となっています。
繰り出し、繰り入れ基準と呼んでいるのですけれども、こちらについては、総務省から、毎年度、各地方公共団体に通知がございます。その中で、年度に繰り出しの基準というものが、病院以外にも、交通や水道など、各企業会計上の中で細かく基準が定められております。それを一般的に基準と呼んでいるもので、平成30年度についても、総務省の通知から、該当の病院事業分について積算して基準内、それ以外、市の政策的な目的で独自に繰り出しているものを一般的に基準外と呼んでいます。

岡君:今まで、この基準について、委員会でいろいろと議論になったことは承知しておりますけれども、今回のように平成30年度で12億7,000万円といったような明確な数字を示していただいたことがあったでしょうか。私が正確に全部の資料を読み込めているわけではないので、あやふやなところがあるのですけれども、なかったような記憶があるのですが、どうでしょうか。

管理課長:たしか、以前の市立病院・地域医療検討特別委員会の議論の中で、この繰入金について、年度末に精算すればよろしいのではないかという意見が出た記憶がございます。ただ、そのときに、基準が幾らという議論をしなくて、総体の金額だけお話ししていたので、ここまで、基準の積算根拠はいつでもお出ししていたのですけれども、金額の差分まで出したのは恐らく初めてではないかと思います。

岡君:今までの議論で、一般会計からの繰り入れはおよそ14億円という数字がひとり歩きしていたと思うところがありまして、14億円の絶対額が多いか、少ないかの議論になってしまっていたと思います。14億円と聞けば、確かに多い、そのうち、交付税措置は7億4,000万円なので、けしからんみたいな議論があったかと思います。
また、病院事務局も、減らせばいいとまでは言っていないかもしれませんけれども、なるべく減らしていきたいという発言があったかと思うのです。
少なくとも、基準額の範囲内においては、一定程度、正当な基準に基づいて、市立病院の機能を維持するために必要な経費だと、収益では賄い切れない公立病院上の経費だということを、しっかりとこの数字を出して説明できたのではないかと思いますけれども、その点はいかがお考えになりますでしょうか。

管理課長:先ほど御案内した市立病院・地域医療検討特別委員会の議論の中で、たしか記憶では14億円ですけれども、本来の基準額をもらったとすると15億円ないし16億円という議論をした経過を記憶しております。
この資料の中で、基準内において、基本的に積算根拠が運営収支不足額というふうに記載されていて、例えば、小児医療については3,000万円と非常にきれいな数字になっております。この辺については、結論としては、財政課と協議した上で、この部分について、このぐらいの金額ということで査定をいただいているという話になります。
市立病院だけの考えを申し上げると、必要な部分について、基準内であれば、いただければいいという考えは経理担当者としては当然考える部分でございます。ただ、これは以前も病院事務長が御答弁を申し上げていたと思いますが、市立病院を順調に経営する上での繰入金の規模としては10億円という議論を以前の議会の中でも結構していたと思います。本来であれば、できる限り、一般会計で負担をせずに自前で経営しながら、一部、どうしても採算性の低い部分について、当院が担っていることに対応していただける部分はいただくというのが完全に望ましいと思うのですが、残念ながら、理想は10億円ですけれども、結果として、運営収支が不足している部分もありますので、所要額としてこのようになっているということです。
ただ、それはあくまでも、当院については、独立した企業ではなくて、江別市の法適用を受けた一部適用の企業ということもありますから、一般会計の財源を無視して、当院だけの理由で、基準があるからほしいという話にはならないとも思っております。

岡君:御答弁は理解をいたしますが、病院事務長の10億円も、ざっくりといいますか、別に基準のある数字ではないわけであって、何らかの基準があるとすれば、この総務省基準の平成30年度だと12億7,000万円というのが一つのオーソライズされた基準であるといった考え方をしてもいいのではいいかと思っております。
今となっては、市立病院が期待する機能を発揮する限りにおいては、基準に沿った繰り入れというのは全くおかしくないということを、いま一度、市民にもきっちりと御理解いただくようなことは必要ではなかったかという言い方をせざるを得ません。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

吉本君:確認ですけれども、この一般会計繰り入れの約14億円のうちの交付税のところで、普通交付税、特別交付税の割合があります。この割合も、総務省で一定の基準があるわけではなくて、あくまでも、行政、一般会計の中でどれだけ入れるかということで、一般会計側の判断でこの比率になっているということでしょうか。

管理課長:この交付税は、あくまでも仮の算定数値でございまして、査定を受けてこの金額になっているものではございません。考え方として、交付税の対象になる事業を当院がやっていますから、それについて、おおむねこのぐらいだろうという予測値になります。総務部が査定して7億4,000万円になったわけでもありませんし、私たちがあくまでも普通交付税と特別交付税の要素から推測したものと捉えていただければと思います。

吉本君:今までと理解が違っていたかと思いました。
それと、もう一つ確認ですが、この表に平成30年度決算額があるのですけれども、これは、例えば、先ほど小児医療のところが出ましたが、小児医療経費3,000万円は、あくまでも市立病院が計算をした結果が3,000万円であって、地方公営企業法に基づいて、3,000万円が繰り入れの基準になると理解をしてよろしいでしょうか。

管理課長:これは、中身としては先ほどの御答弁と一緒ですけれども、運営収支不足は、当然、小児医療を維持するために必要な人件費やその他材料費等を含めて積算し、結果として、市長事務部局と、基本的には財政課と協議の上で、各項目を精査していきます。当然、決算を積算した上で、所要額を出していくうちに、どうしても調整額が必要となってくる部分がありますので、その調整をした結果と御理解いただければと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の8項目めについて質疑ございませんか。

岡君:6億円を一般会計から借りたときの返済計画は、これは、これで承知をしているところでございますが、その返済を担保するような事業計画も当然あるのではないかと思ったので、資料要求をしたのですけれども、それはないということでよろしいですか。

管理課長:事業計画を何とするという概念は、いろいろ考え方があるのでしょうけれども、この資料要求をされた際に、私どももいろいろ考えたのですが、基本的には二つだと思います。
一つは、補正予算を組みますが、ある種、民間企業であれば予算という概念は余り立てないでキャッシュ・フローで動かしている企業が多いですから、それが事業計画に近いものと考えております。
もう一つは、これは策定時点が平成28年度ですから、少し前になりますけれども、江別市立病院新公立病院改革プランの一番後ろに収支計画を立てております。平成32年度までの数値になりますから、一方では、江別市立病院新公立病院改革プランを立てた時点での事業計画の数値はあちらの数値となります。直近の部分については、事業計画と銘打ったものはないのですけれども、恐らく予算がそれに近いものと考えております。

岡君:予算については、毎年度の予算でございますから、お金を借りる場合の返済の計画としては、それが計画になっているというのはいかがなものかと思います。
あとは、令和7年度までの5年間で返すということですが、江別市立病院新公立病院改革プランの事業計画は来年度までですので、来年度以後の予算は現段階ではないですし、令和7年度までのプランというのは、現時点では何らないということを改めて確認させてください。

管理課長:委員が御指摘の意味合いでいくと、恐らくそれに近いものは、今、存在しないと考えております。

岡君:先ほどの要求資料の6項目めの話と絡みますけれども、6億円を一般会計から貸し付けずに、一時借入金を20億円にしていれば、本来、経営健全化団体になっていた、先日、生活福祉常任委員会に報告された資金不足比率の数値からも、そのように理解しておりますが、そういう理解でよろしいのか、まず、御確認させてください。

管理課長:決算整理をする中で、あくまでも仮に平成30年度の資金不足比率6億円がもしなかった場合を積算いたしますと、約21%ということで、委員の御案内のとおり、20%を超えていたと思います。

岡君:経営健全化団体になった場合に、個別外部監査の実施と経営健全化計画の策定が必要になっていたと理解していますけれども、こういう認識で正しいでしょうか。経営健全化計画というのは、計画年度を策定して、その間の事業計画が求められるようなものであるというふうに認識していますが、この認識は正しいでしょうか。

管理課長:認識としては、委員の御案内のとおりだと思います。

岡君:結果として、借り入れを行う段階で、当然、返済を担保するだけの事業計画があってしかるべきだったと思っております。民間で考えれば、当たり前過ぎますけれども、返す当てのないお金を借りたということで、非常に問題のある借り入れだったということが言えると思います。
今、御答弁いただいたように、経営健全化団体になって経営健全化計画をつくれば、あくまで紙の上の計画だとしても、少なくとも、年度当初に6億円を借りなければいけなかったので、その6億円の返済について、それ以外の不良債務解消についての事業計画を立てざるを得なかったと思います。今の状態を見ていますと、経営健全化団体となっていたほうが適切な管理ができたのではないかと思いますけれども、その点、いかがお考えになりますでしょうか。

管理課長:今回の資金を借り入れる段階で、当然、財政課と協議しまして、また、議会からも、江別市立病院新公立病院改革プランの改編といいますか、その事業計画の変更をしてはどうかという議論もあったと記憶しています。
ただ、当院といたしましては、実際に補正を申し上げたのが本当に年度ぎりぎりだというのもありますし、その時点で、いわゆる収益のもとになる部分について、特に年度末については、医師の異動も絡んでいるものですから、事実上、予算を組んではいるのですけれども、資金計画としてきっちりとしたものを短期でつくることがかなり難しかったというのが本当のところです。
ですので、本来であれば、計画があって、それに向かって事業を進めるべきという議論は確かだと思うのですけれども、事実上、仮にですけれども、経営健全化団体になったスケジュール感というのも、こちらとしては、今、一応いろいろ探っております。計算をまとめて仮決算を4月にするのですが、本来であれば、議会の承認をいただくのは9月ですけれども、その前の手続として、企業債を借りる場合には北海道のヒアリングが4月にあります。本当に仮の決算が出た瞬間にすぐ行って、今の経営状況と実際の企業債を貸してほしいというスケジュールはそのようになっております。
平成30年度は、本当にその時点で20%を超えていたら経営健全化団体になるか北海道に確認したところ、その瞬間からすぐ計画をつくってくださいということを実は事前に言われておりました。それは、当然、かなり実効性の高いものでないと認められないですし、市民の代表である議会にお諮りした上で承認を得て国に出して、国の承認を得て、それからようやくということになります。それでは、時間的ないとまもないのと、実際にその後も事業がどんどん動いていくものですから、あくまでも6億円を借りる時点の判断としては、そこまで精緻なものを組み上げ、実際に収益改編は難しいと判断して、結果としてつくっていない状況でございます。

岡君:結果論ですけれども、平成30年度10月は、医師が見込みよりもさらに退職した時点で、そこまでの計画を立てていたほうが、今段階において、より適切な管理ができていたと思われます。要するに、6億円を借りる判断が3月というのは遅かったのではないかという指摘についてですが、これについてはいかがでしょうか。

管理課長:もともと、この病棟再開については、結果として費用削減にも影響がありますけれども、どちらかというと、当初の目的は医師数が少ない中、より内科医に効率的に動いてもらうことを主眼に、病棟の位置も含めて計画を立てた部分が大きいです。その副次的な部分として、実際に職員の異動も行われていて、当初はそういう考えで進んでおりました。
ただ、先ほど申し上げたとおり、医師がその過程でやめるとは思っていなかった部分も若干あります。今となっては、それがわかっていれば、逆に言うと、そういう考えがあったほうがその後の11月、12月と進む中で、ある程度、リカバリーといいますか、それに向けた収支バランスを改善する案をつくれたかもしれません。それは、今振り返ると、確かに経過としてはそうだったかもしれないですけれども、事業が動いていく中で、そこまでの判断はできなかったというのが本当のところかと思います。

岡君:ただ、決算を受けて、今年度も既に先ほどのような一時借入金の状況ということで、昨年度の反省を踏まえて、当然、今年度はさまざまことを考えて動かれているのか、参考のために伺いたいと思います。

事務局次長:今年度は、平成30年度と比較しても、収益は非常に厳しい状況で推移しています。このことを踏まえて、一般会計から長期借り入れをするかどうかということも含めて、対応を検討しなければならないと思っています。現に、総務部等に経営状況を報告して、協議しているところでございます。
その中で、今の御質疑にありました、例えば、あえて経営健全化団体になる道を選んで市立病院の再建、国の管理を受けての再建という言い方になるかと思いますけれども、そういう手法をとるかということは、現時点では考えてございません。どうしても、国の管理を受けますと、先ほど診療報酬改定の中で御指摘のあったとおり、市立病院としては独自の裁量権がなくなりますので、動きが今以上に悪くなることが想定されます。きちんとした計画をつくって、それに基づいて進めることになるのかもしれませんけれども、計画策定のために非常に時間を要することも想定されますので、経営健全化団体にならないように、何とか市立病院の運営を行える道を探っていきたいと思っています。
現時点で、積極的に国の管理に基づいて再建する、あるいは、貸し付けを受けるに当たって事業計画を策定することまでは考えていないところでございます。

岡君:今年度のことは伺いませんが、若干、管理課長の答弁とそごがあったように思うので、改めて、昨年度のお話をお伺いしたいと思います。
昨年度9月ないし10月時点の段階で、仮に医師がさらに退職するということがわかっていれば、その時点で、経営健全化団体になる方向でさまざまな取り組みをしていったほうがリカバリーできたというのが管理課長の先ほどの答弁だったと思います。改めて、昨年度9月または10月の時点で、仮に今年度の決算の数字が見えていたとしたら、経営健全化団体になるという判断をしたほうがよかったと思われているのかどうか、お伺いいたします。

管理課長:言葉足らずな部分があって誤解を招いたことをおわびいたします。
私が申し上げているのは、そのリカバリーというのは、あくまでも、市ではないところ、今回では国に委ねるというわけではなくて、収入が少なくなったことに対して、ほかの部分、端的に言うと、費用側の部分について、まだ調整する余地があったということです。それによって、結果としてバランスを整えて、その後の診療体制を維持しつつ、業務をするというようなイメージで申し上げたものです。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の9項目めについて質疑ございませんか。

裏君:これまで、経営状況について、とてもわかりやすい質疑を聞かせていただきまして理解したのですが、資料を出していただいたので、改めて確認させていただきたいと思います。
この患者数の推移ということで、入院で、内科の患者数が平成28年度から平成29年度、平成30年度と大幅に減っていることは、これも内科医がいなくなったことが理由であると思われますが、それでいいのか、また、何かそれ以外の状況があるのであれば、お伺いしたいと思います。

医事課長:平成28年度から平成29年度、平成30年度にかけての内科の患者の減少に関しましては、今、委員がおっしゃられましたとおり、医師の減少によるものと考えております。

裏君:先ほどから説明をいただいているわけですけれども、ほかのところで、循環器科では、平成28年度から平成29年度では入院患者数がふえているのですが、これについては、どういった要因なのか、お伺いいたします。

医事課長:循環器科に関しましては、確かに、入院の延べ患者数が平成28年度から平成29年度でふえております。逆に、診療単価は、平成28年度は、入院が8万2,174円、平成29年度は、5万5,730円ということで下がっております。こういったところから考えますと、総合内科の医師数が減少しまして、それまで総合内科の医師が診ていた患者を循環器科の医師がかわりにといいますか、そちらでカバーして診ていただいたということなので、循環器科の医師が診た患者の数はふえましたけれども、循環器科よりも診療単価構成の低い総合内科の患者を診たことによって診療単価が減少したと考えております。

裏君:その後、入院に比べて外来の落ち込みは大きくないようですが、その辺の要因についてはいかがでしょうか。

医事課長:確かに、今、御指摘いただきましたとおり、平成28年度から平成29年度について、入院は落ち込んでおりまして、例えば、収益で申し上げますと、入院収益は、平成29年度から平成30年度にかけまして45.9%落ち込んでおります。
同じように、外来につきましては、平成29年度から平成30年度の収益が18.3%の減少となっておりまして、やはり入院のほうが影響は大きいです。
この要因といたしましては、外来については、出張の医師を派遣いただくことで診療の枠を確保し、減少はしているのですけれども、ある程度のカバーはしていていただいております。逆に、入院に関しては、常勤の医師でないと入院管理ができませんので、特に内科の常勤医師の確保ができなかったことによって、入院の収益の落ち込みが激しかったと考えております。

裏君:平成30年度に取り組んだ中で、人工透析の専門医を招聘されたと報告書にあったと思うのです。人工透析患者の受け入れ態勢の強化を図ったということですが、資料にあらわれているところがあれば、その状況をお伺いしたいと思います。

医事課長:人工透析の収益に関しましては、この統計上は内科に含まれておりますので、数字として表に出ているものはございません。
実際、平成30年度に入って、人工透析専門の内科医を4月から確保できましたので、その医師のもとで人工透析を精力的に行っていただいたのですけれども、結果だけを申し上げますと、人工透析の収益としては、平成29年度と比べまして、収益ベースは、3,000万円のマイナス、患者数については、1,118人のマイナスとなっております。平成29年度から比べると、収益、患者数ともに減少したという状況でございます。
この要因といたしましては、人工透析の医師1人だけで人工透析の管理を行うことにはなりませんので、それ以前と同様に、総合内科の医師のサポートを受ける形で行ってきたところですけれども、昨年度も年度途中に総合内科の医師の退職が続きましたことから、結果としては、平成29年度より収益、患者数ともに減少してしまったと考えております。

裏君:人工透析の専門医だけでは、総合内科の医師のサポートがないとできないと理解しました。
今回、人工透析の専門医が積極的に人工透析をしてくださっているということでしたけれども、やはり課題があって人工透析の専門医を招聘したと思うのです。内科医がいなくなったこともあって収益は下がったのですけれども、専門医が招聘されたことにより、それ以外に何か効果があったのかどうか。私も、患者から、夜でも人工透析できる場所が1カ所でも多く欲しいという相談を受けたことがあったのですが、そういったことについて、何か状況があればお伺いします。

管理課長:補足させていただきます。
もともと、人工透析については、基本的には2日に一度は必要な患者がほとんどだと思います。ですので、大体は、月曜日、水曜日、金曜日ないしは、火曜日、木曜日、土曜日それを午前と午後に分けて患者を受け入れています。たしか現状では、20名程度の患者を一回に受け入れるという態勢で組んでおります。
この部分について、従前は、内科については、外来や病棟のほかに、副院長がメーンで当たっていたのですが、先ほど言ったとおり、火曜日、木曜日、土曜日ということで、実は土曜日もあります。基本的には医師の指示で人工透析をするので、当然、物理的には臨床工学士や看護師が患者の対応をするのですけれども、処置や指示の有無については、医師がいないとできないものになります。ただ、そうなると、医師自身が土曜日も含めて平日6日間フルで出るのは事実上不可能ですので、そのかわりに入る医師が平成30年度当初はまだ少なからずいたのですけれども、入院が応需できないほどフォローもできなくなって、かわりに人工透析に入る医師もすごく少なくなってしまったのです。そのことによって、今は、残念ながら受け入れ態勢を縮小せざるを得ないということで、現状では、午後の受け入れについては一部縮小しています。内科の受け入れ態勢については、そういった部分についても影響があると考えております。
ですので、あくまでも人工透析専門医がきちんと来たことによって、処置としては、より患者に適切な医療が提供できるという部分は非常にメリットがありますし、人口透析の体制としても、その医師が来たことによって、非常に充実しているのは事実です。ただ、残念ながら、その医師がフル稼働できるかというと、人間ですから、それは無理です。そのフォローをきちんとできる医師が1人ないし2人いると、より効率的に回りますし、逆に言うと、専門医から総合内科の医師がその技術を承れるというプラスメリットはあるのですが、残念ながら、今はフォローに入る医師がいないので、縮小せざるを得ないという状況です。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の10項目めについて質疑ございませんか。

裏君:これも、先ほど、根本的、抜本的な課題が浮き彫りになりましたので、改めて理解するところです。
内科については、平成29年度から平成30年度にかけて救急受け入れ患者数が3分の1程度と大変少なくなっております。これについて、状況をお伺いいたします。

医事課長:救急の受け入れ患者の減少でございますが、特に内科のところで、平成29年度から平成30年度にかけて落ち込みが激しくなっております。
その要因といたしましては、平成29年度末まで、具体的には平成30年3月中旬までですけれども、時間外の救急車の受け入れを365日全て市立病院で対応させていただいておりました。これは、特に平成28年度は後期研修の総合内科の医師たちの御尽力で受けていただきました。平成29年度についても、医師の数が減ったのですけれども、残った医師たちで受けていただいていた状況が続いていました。
ただ、平成29年度末にまた退職ということになりましたので、そのタイミングで、毎日受けるのは難しいという判断に至りまして、それ以降は、毎週火曜日と金曜日、第3土曜日、日曜日だけに時間外の救急応需の対応を縮小したということでございます。それまでは月30日やっていたのを10日前後という形になりますので、3分の1程度に減ってしまって、これが受け入れ患者数の減少に直接影響していると考えております。

裏君:この括弧の数字は、救急受け入れ後に入院となった患者数ということですが、先ほど、どの年度も6割ぐらいということでした。この括弧内の数値について、入院とならなかった患者についての状況をお伺いしたいと思います。

医事課長:平成30年度におきましては、880名を受け入れて、544名の方がその後入院されております。
残りの336名の方につきましては、ほとんどが帰宅をされていらっしゃる患者で、数字としては320名の方がそのままお帰りになっております。
そのほか、他院に搬送になられた患者が7名おられました。
あとは、死亡された方が9名という内訳になるのですけれども、死亡の方につきましては、市立病院に来られてからお亡くなりになったというよりは、搬送のときにもう既にお亡くなりになっているのですが、市立病院において死亡確認されるケースがほとんどだと聞いております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

岡君:昨年度まで消防本部から提出されていた救急の搬送人員と受け入れ人員に若干の差異があるのですが、どんなことが考えられるのか、お伺いできればと思います。

医事課長:まず、消防本部で提出している数字というのは年単位の数字でありますが、こちらは年度単位で集計しているということがずれている要因かと考えております。

岡君:次に、救急医療というのは、市立病院というか、公立病院の役割の中では、初めに言及される政策医療の一つでもあると認識しております。当然、救急医療の対応を期待して一般会計からも先ほどのような繰入金が入っていると思います。
それは当たり前ですけれども、例年どおりの受け入れや医療を提供してくれることを期待して、一般会計からも同じ額を平成30年度も繰り入れていたということかと思うのです。結果としては、その期待された役割を平成30年度については、残念ながら果たせなかったという結果になってしまっていると言わざるを得ないと思いますけれども、御認識はいかがでしょうか。

管理課長:当然、年度当初で、先ほど申し上げた財政課との話の中で、このぐらいという話で予定を組んでいて、結果として、必要な経費について、見ていただいている形です。残念ながら、応需の体制が大きく崩れてしまっているので、言葉の表現としては難しいかもしれないですけれども、今まで市内の2次救急においては、外科系は当番でやっていましたので、必要な部分は見ていたのですが、実は今の江別市において内科の救急体制が輪番制になっていないということが従前から問題としてありました。それを一旦いなくなった内科医のかわりといいますか、体制として総合内科の特に後期研修医が率先して救急に当たってくれていたこともあり、今回の資料のとおり平成28年度は救急の受け入れ人数としては一番多かった年度でありました。それは、本当に、とにもかくにも、途中から北海道総合内科医教育研究センター長を担っていただいた医師が、特に救急診療について、積極的に受けていただいた結果、応需ができたという形です。
ただ、残念ながら、その医師たちにも去られてしまったので、平成30年度については、数が相当少なくなっているし、体制として応需ができていないので、計画で期待されている部分について、確かに結果が出ていない部分もあるかと思います。

岡君:理事者質疑でも、市長は、市民の医療を守る、そのために市立病院を守るとおっしゃっていただいていて、それは、それで全然いいと思うのですけれども、残念ながら、平成30年度の救急医療については、その役割を必ずしも十分に果たせたとは言えないという認識を私はしていますけれども、いかがお考えか、お伺いしたいと思います。

事務局次長:救急患者の受け入れについては、内科の体制がどうしても弱体、脆弱になったということを受けて、救急応需できていません。これまでの市内の救急応需の体制を考えても、市立病院はかなり大きな部分を担っていたと考えています。そういう意味では、残念ながら、現状は一般会計繰出金をもらっている根拠といいますか、求められている役割や期待を全うできていない、その御指摘はそのとおりかと考えるところでございます。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

吉本君:一つ確認ですけれども、従前は、後期研修の医師が一手に引き受けて、内科系の救急対応をしていただいていたというのは委員会でも何度かお伺いしておりました。こういう事態になって、平成30年度は、内科系の救急患者の受け入れは随分減っていますが、それでも、入院をされる方が半分近くいらっしゃいますから、当然、内科の医師の医療行為がふえてくるようになっていると思うのです。
結局、この内科の救急の受け入れ患者は、その後、診察をされる医師たちのすごく負担になっているというようなことがあったのかどうなのか。先ほどの御説明では、320人の方が帰宅されていますけれども、544人のうちの半分は内科の患者として入院されていますので、そのあたりでは、医師が減っていく中で、内科の救急の体制はどうだったのか、お聞きしておきたいと思います。

管理課長:平成28年度と、それ以降で、実際の診療体制として、医師はどうやっていたのかというのを簡単に御説明します。
平成29年度には若い後期研修医が9人いました。それで、毎日、夜間の内科の2次救急の受け付けを交代するのですけれども、実は、総合内科になってから、チーム制ということで、1人の患者について、主治医を決めずに3人程度を決めて交代でやっていました。逆に言うと、1人当たりの医師の負担としては、急変があったとしても、日によってかわりの医師がやる、夜間については、この医師がかわりにやるということで、相当少なかったと思います。
ただ、平成29年度、そして、今、平成31年度に入ってしまうと、実は途中から回すだけの人数がいなくて、結果としては1人の患者に主治医を決めてやるという、一般的な病院でやっているような体制に移行せざるを得なくなったのです。今、基本的には火曜日と金曜日に内科の医師が当番を決めて、その日だけは必ず2次救急を応需できるようにということで、内科系の医師が配置されるようになっています。
なので、平成30年度は、内科の救急患者で、容体が安定した方にはお帰りになっていただいているのですが、逆に、容体が安定しない方がこれだけいますので、それについては、少なからずいる医師の中で何とか回している状況です。
ただ、現状としては、総数がどんどん少なくなっているのですけれども、7日間あるうちの週2回、誰が出るのかという問題が出てくるものですから、その辺については、今、病院内でいろいろと、特に医師の中で協議している状況です。ですので、やはり1人の医師に対する負担感は、ここ2年の間で相当悪化していると認識しています。

吉本君:平成18年度の話がたびたび出ますけれども、やはり、医師の疲弊感がそのときからすごく問題になったと思うのです。それは、今も本当に変わっていなくて、医師の働き方改革などと言われていますが、実態はなかなか厳しいものがあるだろうと思うのです。
ですから、心配だったのは、救急応需が少なくなったとはいえ、やはり、今どんどん減ってきている内科の医師の中で、それが非常に負担感にならないのかというと、それがまた結果的に市立病院から離れざるを得なくなってしまうということが決してないように、対応に気をつけていただきたいと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の11項目めについて質疑ございませんか。

吉本君:平成30年度の診療報酬改定による影響ということで、先ほど、年間4,300万円ほどの増になるのではないかというようなことも御説明にあったかと思うのです。そのとき、特に心配だったところは、入院基本料のところで、点数は変わらないのですけれども、急性期一般入院料1となった経緯とか、地域包括ケア病棟入院料が2というふうな新しい区分の仕方になっているところで、これは何かしら将来的に意図があるのかというふうなところが気になったのです。
一番基本になるところなので、そのあたりについては、平成30年度時点では増になるということで、ほっとしたのですが、もしその辺の意図が見え隠れしていて、平成31年度、今現在ですけれども、何かしら注意しなければいけないことがもしあるのであれば、その辺の情報をお聞きしたいと思います。
まず、入院基本料をお願いします。

医事課長:まず、当院は、急性期の7対1入院基本料から急性期一般入院料1に、平成30年度の診療報酬改定で変わりましたけれども、点数は変わらずに名称が変わりました。
平成30年度の一般病棟における入院基本料の大きな変更ですけれども、従前は、7対1と10対1の全部で5段階の仕組みになっておりました。一番上の1,591点だけ7対1で、それ以降は、10対1が4段階ということで、1番目と2番目の間に大きな差がある仕組みになっておりました。
国としては、この7対1の病院から、なるべく多くの病院を10対1に落として医療資源の投入量を減らしたいという思惑がございましたので、平成30年度の改定においては、この一つ目と二つ目の大きな差を埋めるために、2段階の新しい基準を設定して、全部で7段階に再編しました。
当院がとっている入院料1については、引き続き、7対1の1,591点で変わらないのですけれども、その下に入院料2というのがございまして、こちらは10対1になるのですが、以前よりも点数差を少なくして、7対1から10対1への移行を促すというような大きな目的によって改定が行われたということでございます。
もう1点、看護必要度というものがございますけれども、こちらについては、それまで、看護必要度1ということで、看護師がモニタリングなりスコアリングしてつけていた看護必要度のとり方があるのですが、平成30年度になってから、診療データをもって、看護必要度をはかるという必要度2という新しいものができました。こちらの基準で、看護必要度25%以上という数字になるのですが、こういった数字をキープしていけるかどうかが今後の大きな課題になるだろうと考えております。
次回の診療報酬改定については、これからですけれども、入ってきている情報でいろいろと想定しますと、今の看護必要度の基準の25%という数字を幾つか上げて基準を難しくして、より入院料の低いところに病院を促していきたいという流れになるのではないかと思っているところです。
一方、地域包括ケア病棟については、従前、二つの基準があったのが新しく4段階の基準に再編されました。当院においては、以前の地域包括ケア病棟1が今度は2になったのですけれども、点数自体は変わっておりません。1をとれる条件というのは、許可病床200床未満の病院ということで限られていますので、当院ではこの基準はとれません。自動的に、その下の2という段階に落ちたわけでございます。
こちらについては、今後どういった流れになるか、引き続き、診療報酬改定の行方を情報収集して見きわめていきたいと考えております。

吉本君:加算のところで、今までとっていなかった新しい加算もありますけれども、特にお聞きしたいところは、3その他の退院支援加算2で、改定後が入退院支援加算1ということで、かなり点数が高くなっているのです。これは当院が平成30年度につくった患者支援センターとの関係で、十分に使えるポイントとして有利なところだったと理解したのですけれども、そのような理解でよろしいのかどうか、お聞きしたいと思います。

医事課長:ただいま委員から御指摘がございましたとおり、当院は、昨年5月に患者支援センターを開設いたしまして、患者支援室という組織も設けて取り組んできております。
今回の診療報酬改定において、退院支援加算2から入退院支援加算ということで変更がございましたが、こちらにつきましては、入院前の早い段階から患者の退院後の不安であるとか、抱えているいろいろな問題についてお話を聞いて、介入させていただくといった取り組みを評価して、入院前から入院中、そして、退院に向けて、切れ目のない支援を行うことを評価して、この入退院支援加算1の点数がアップしたという状況でございます。
先ほど申し上げましたとおり、患者支援センターをつくって、入院前からの患者へのかかわりをさせていただくことになった結果、こういったところの増点につながったと考えております。

吉本君:最後に、もう一つ、加算のところで、その上のところにある救急・在宅等支援病床初期加算は、改定後は在宅患者支援病床初期加算(地域包括)になっているのですが、これは地域包括ケア病棟を対象にした加算なのかどうなのかということをお聞きしておきたいと思います。

医事課長:要求資料の12ページの上の囲みの二つ目の在宅患者支援病床初期加算(地域包括)におきましては、今、御指摘がありましたとおり、地域包括ケア病棟にかかわる加算でございます。
こちらは、平成30年度に新たに設定された項目でございまして、自宅または介護施設等から地域包括ケア病棟へ直接入院した患者に対する評価でございます。地域包括ケア病棟の入院期を起算として14日まで算定が可能となっており、点数も、それまでの150点から300点に150点プラスという状況になっております。

吉本君:先ほど来、財政的な問題がいろいろ話されていましたけれども、私も、やはり今持っている病院資源をいかに有効に使うかということが大事なことだと思っています。
地域包括ケア病棟も、内科の医師がいないことによって、いろいろな不利益、不都合があると聞いていますけれども、今回の診療報酬改定は心配したほどではなかったということで安心いたしました。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

岡君:入院基本料で、これまでは、7対1入院基本料だったのが、今回の改定で急性期一般入院料1になりました。これまでもそうだったと思うのですけれども、急性期一般入院料1というのは、いわゆる3次救急をやっているような大病院も、この急性期一般入院料1に含まれるようなくくりになっています。我々も頑張ってここをとりに行っているのですけれども、本当の急性期の病院と我々がやっている診療は、その内容に若干違いがあると認識をしているのですが、その点はいかがでしょうか。

医事課長:例えば、大学病院や3次救急まで受け持っている医療機関と比べますと、当院の診療は、それほど濃密というか、高度なものではないというのは事実かと思います。ただ、この急性期の7対1というのは、それにふさわしいかどうかというのは看護必要度ではかる仕組みになっておりまして、当院は、現在、入院料1の必要度2というデータでとる必要度ですが、こちらの25%以上をクリアしておりますので、ほかの病院と比べるということではございませんけれども、施設基準で定められている7対1の医療機関としての要件を満たしていると考えております。

岡君:よくわかりましたが、結局、人員の配置にしろ、病棟の配置にしろ、基準は満たしているのでしょうけれども、その分のコストもかかっていると認識をしていますが、いかがですか。

事務局次長:平成30年度の診療報酬改定においては、この入院基本料の構造が大きく変わりました。これは、平成30年度改定、3年に1度の介護保険の報酬の改定と、2年に1度の診療報酬の改定が同時改定の年度ということで、国もかなり意を込めたといいますか、考え抜かれた改定が行われたと今は受けとめています。
私も、国の説明会に出席しましたが、大きく入院基本料の構造が変わって、大きな区分が細かく分けられたという構造でした。その中で、国の説明としては、限られた医療資源、資源というのは、国が持っている予算としての医療費ですし、もう一つは、医師、看護師の医療職ですが、それらをそれぞれの病院が適正な水準をはかって、どういう医療を提供していくか、どういう病院のスタイルとするかを考えてくださいという説明がなされていました。平成30年度の改定で大きく構造が変わりましたので、令和2年度、次回以降の改定においては、その区分ごとの要件がいろいろと変わってくるのだろうと思っています。
当院は、入院基本料は一番高い7対1、入院料1をキープしております。7対1をキープするに当たっては、当然、必要な人員を確保しなければなりません。そういう意味では、これまで、コストをかけて7対1を維持してきたということでございます。7対1を維持して、急性期の医療を提供してきたという医療の体制を組んでいますので、急性期の医療から、もう少し急性期の度合いを低くした医療への転換というのは、収益が先行して下がることになりますので、経営問題を考えても非常に難しいと思っています。医師を初め、市立病院の職員も、レベルの高い急性期の医療を提供していくというところにプライドを持って仕事をしていますし、そういった思いを受けとめて、医療の提供体制を市立病院として組んでいかなければならないと思っています。
また、ほかの病院の状況を見ましても、国のいう収益と人の配置のバランスを考えて、7対1から転換するというのは非常に難しい、収益が下がることになりますから経営判断としてもやはり難しいと思います。市立病院としても、今は7対1、急性期の体制を維持してございますので、高い入院料といいますか、急性期の医療を提供して、それに見合った収益を確保していくという方針で、今、市立病院を運営していきたいと思っているところでございます。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

諏訪部君:初歩的なことになるかもしれないのですけれども、確認です。
影響を見ていますと、三角がついているところがすごく少ないのですが、平成30年度に関しては、患者数が少なかったので、結果的に収益としては非常に厳しかったということは今さら申し上げるまでもないと思います。
この診療報酬改定が行われて、仮に平成26年度、平成27年度、平成28年度ごろの患者数を確保できたとしたら、診療報酬としてはかなり増収することができるという理解でよろしいのでしょうか。それとも、これ以外に影響するものはないといいますか、マイナスになる要素がないという理解でよろしいでしょうか。

医事課長:まず、今、委員から御指摘のありましたとおり、患者数が落ちて、ベースの金額が落ちてしまったことは事実でございます。もしそれが仮に平成26年度のような患者数があって入院料がとれていれば、さらに増収効果があったかと言われれば、そうだっただろうと思います。
今回、11ページで御用意した資料には、北海道厚生局に届け出を行っております施設基準に係る部分の影響額を記載しております。実際の診療報酬改定の影響というのは、例えば、個々の医療行為に係る点数です。算定に用いる点数の増減というものもございますし、あるいは、医薬品の追加や価格の変更といったことも非常に多岐にわたって数も多くございます。そういったところの増減も含めて、全体の影響がどうであったかというのは、申しわけありませんが、こちらの資料は、施設基準の項目だけで御説明しておりますので、一部分だということで御理解をいただければと思います。

諏訪部君:そうすると、仮定の話で恐縮なのですけれども、いろいろなことを加味しても、平成26年度でも平成27年度でも構わないのですが、その程度の患者の数があったら、今回の診療報酬改定全体を考えると増収だったのだろうか、それとも、やはりそんなに変わらないのでしょうか。

医事課長:具体的に、どの程度ということは申し上げられないのですけれども、増収になっていただろうと考えております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料の12項目めについて質疑ございませんか。

吉本君:消費税の影響についてお聞きしたいと思います。
平成25年度からの資料を出していただいて、5%と8%の変わり目でふえているというのも見せていただきました。
それで、平成30年度についてお伺いしたいのですけれども、平成30年度の控除対象外消費税、いわゆる損税と言われていますが、先ほどの御説明でありましたように、市立病院が負担する消費税額ということでした。平成30年度は約1億8,000万円で、平成29年度が約1億9,500万円ですから、若干下がっているのですけれども、これは市立病院の経営状況全体が下がっているということでの影響なのかどうなのかということを確認させてください。

管理課長:こちらについては、この資料の一番上の総売上高に尽きるかと思います。あくまでも、収入が平成29年度に比べるとかなり下がっておりますので、これから仮受消費税が積算されます。
支出額についても、当然、前年度に比べると落ちていますので、その差し引きの部分で、平成29年度の控除対象外消費税が約1億9,500万円ということなのですけれども、平成30年度は約1億7,800万円で、やはり収支の金額が下がると、それに伴う市立病院へのいわゆる消費税の控除対象の影響額は減ったものと考えております。

吉本君:それにしても、約1億8,000万円を市立病院が負担することになるということです。
確認したいのですけれども、先ほど来、話の中に出てきました当年度の純損失が11億円を超えているのですが、例えば、この11億4,000万円の中に、この1億7,800万円が含まれているのでしょうか。つまり、もし控除対象外消費税額がなければ、さらにこれは減ることになったのだという、そういう単純な理解をしてよろしいのかどうか、その辺をどう考えたらいいのかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

管理課長:実際のところ、キャッシュとは違いますが、経理上の経費の負担として、当然、これだけかかっておりますから、逆に、収入が消費税の非課税がかかっていたとすると、当院が負担する分は当然減りますから、逆説的ですけれども、純損失が減ったという仮定もできるかと思います。

吉本君:私立、公立にかかわらず、医療機関の損税ということがずっと問題になっているかと思うのです。まずは、この診療報酬の税率をゼロ%にして課税するという考え方があるのだということを、いろいろな医療関係団体のホームページを見ていても出てくるのです。
国が診療報酬の中にこの分を上乗せしているのだと言っているということをこの間ずっと聞いてきましたが、医療機関の消費税率、消費税の控除対象外消費税の考え方について、国が今回の平成30年度の中で新たに触れているようなこと、または少し進歩したかという考え方を表明されたという情報があれば教えていただきたいと思います。

管理課長:今の委員の御案内ですけれども、残念ながら、考え方は変わっていないという情報を入手しております。
当然、全国の病院協会・団体などからは、従前からこの問題がずっと出ておりまして、収入のほうで売り上げがあったとすると、当然、損税の分は、通常の企業と一緒で通過ですから、最終消費者にならなければ負担する必要がないということの改善の要望をずっと上げていました。現状の国の動きとしては、今回も10月に迎える消費税率の改定に合わせて、いわゆる診療報酬の改定も予定されておりまして、この中に、消費税のアップ分を含んだ点数に改定するという考えで改定するというふうに聞いております。
ただ、これは5%から8%や、その後の各団体の話をずっと聞いていても、いわゆる診療所と病院でもまた若干違いますけれども、診療所は、逆に言うと、経営を維持するために投資する額が相当低いと思います。当院みたいな一般的な病院と呼ばれるところでは、診断器械で単価が高いものが結構ありますから、当然、それを買うときに消費税を負担しなければいけません。なので、売り上げの分にその分も全部見てくれているかというと、恐らく見てくれていないからこのような計算結果になると思います。この考え方については、私個人の考えですけれども、全く変わっていないという認識です。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、要求資料全体を通して質疑ございませんか。

裏君:取り組みの中で、在宅医療を提供する体制の強化をされたということでございます。内科医が減っている中で、訪問数をふやすことはなかなか困難だと思うのですけれども、これについて状況をお伺いしたいと思います。

医事課長:在宅診療に関してでございますが、訪問診療と訪問看護ということで、分けて考えられるかと思います。
訪問診療に関しましては、平成29年度から平成30年度は、件数も減少してしまいまして、収益としても落ちている傾向にございます。
当院の訪問診療ですが、実際に対象となる患者は、当院の入院患者ですとか、当院にかかった患者ということになりますので、その部分で、患者の数が減ってしまったということと、訪問診療に関しては、総合内科の医師の数の減少によって、実質的に現在は1名の医師が対応されているということになります。こういったことで、対応するマンパワーも落ちてしまったことによって、平成30年度は訪問診療の件数が減少してしまったという結果になっております。
一方、訪問看護でございますが、年間の件数については、過去4年間とほぼ変わらずに、平成30年度も年間で3,900件ほど対応させていただいております。平成30年度に関しては、訪問看護師の職員1名を10月に増員して、また、執務室を病院内に移動して、勤務環境も整備したという取り組みを行いました。そういったこともございまして、当院からの新規の適用となる患者自体は減ったのですけれども、他の医療機関等からの患者の受け入れについて努めた結果、前年度並みの件数を維持することができた状況でございます。

裏君:今、聞き取れなかったのですけれども、訪問看護は4年間余り変わらなかったということですが、件数をもう一度確認させてください。

医事課長:年間3,900件程度でございます。

裏君:年間3,900件ということで、訪問看護については、今後、他の医院からの受け入れも考えているということでございました。
今後、高齢化社会になったときに、訪問診療については、ニーズがあるのだろうと思っているところですが、今、医師が減っている中で、看護のほうを整備してきたと思うのです。内科医が少なくなっている中で、訪問診療をふやすことが難しくなってきており、ことし、お一人の医師が対応しているということですけれども、訪問診療は十分提供されたのかどうか、人数が減っているので、できたのかとも推察するのですが、そのことについてはいかがでしょうか。

医事課長:実質的に、訪問診療につきましては、平成29年度から平成30年度にかけて、平成29年度が967件だったのですけれども、平成30年度は644件となりまして、件数としては323件減少しております。当院の患者減がこれに影響したということと、もう1点、自主的にメーンで担当していただける総合内科の医師がお一人になって、できる範囲のことはやっていただいているという状況だと認識しているところです。

裏君:私も何か混同していることもあるのですけれども、この訪問看護については、変わらない件数をやっているということなので、これについては、内科医が減っても今後も期待していける、また、持続していけるという理解でよろしいでしょうか。

管理課長:訪問看護の体制の中で、一つ新しい動きを御紹介させていただきたいと思います。
一般の看護師では医師の指示がなければ当然できないのですけれども、特定行為に係る看護師ということで、一部認められている看護師を養成しておりまして、実は、今、1人配置しております。
恐らく、今の医療の考え方とは、タスクシフトということで、医師の負担をどれだけ減らすか、かわりにその部分について、看護師や技師がそれを担うという形でございます。その看護師について、今、制度として検討されているのは、一部の医療行為について、認めるという資格を持った看護師を養成しようという流れに移行しております。逆に言うと、今、ニーズがどんどんふえているのですが、医師はそれに追いつくだけふえていないという現状の中で、今いる看護師をよりスキルアップさせて、その部分について担わせるという動きで、今、当院も1人配置しております。
今後についても、そういった特定行為ができる看護師資格の取得について、今、国と看護団体も検討していると聞いておりますので、その部分で、また資格取得者がふえてくれば、医師が少なくても体制を維持しながらニーズに応えられると考えております。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

佐々木君:訪問看護のほかに、リハビリのほうでも1人増員して収益の増収を見越したと思うのですが、結果的にやはりこれも患者の数が減って期待することができなかったと思うのです。技師1人に対して、どのぐらいの患者がいるとプラスになるかというリハビリの単位や人数の基準みたいなものを教えていただければと思います。

管理課長:今、資料を持ち合わせていないので、正確には申し上げられないのですけれども、たしか1人の患者に2単位必要だと現場の者は言っています。平成28年度の地域包括ケア病棟ができたときに、議会でもいろいろと議題に上がりましたけれども、リハビリスタッフが少なくて、特に回復に必要なリハビリを行えるスタッフがいないという現状がありました。
なので、在籍数でいくと、平成28年4月1日のまだ病棟ができる前の段階では、リハビリテーション科のスタッフが全員で8人いました。そのような状況を受けて、平成29年4月1日には増員して計11人となっております。
職種としては、主にリハビリにかかわるのが理学療法士、作業療法士で、それ以外に言語聴覚士もおりますけれども、そういったスタッフをふやすことによって、対象となるリハビリの患者も診るという体制は今もまだ充足していないと考えております。以前も、なかなか足りない中で、実際にはやっておりませんけれども、土曜日とかの平日以外もリハビリをしないと単位がとれないというような危惧もされておりました。結果として、今は何とかそれが維持できているので、今後は、他の病院の部分についても、リハビリ機能を充実させて、国の政策としての地域包括ケア病棟の回復期の病床をよりふやす意向は変わっておりません。今、リハビリテーションのスタッフが必要なのですけれども、ほかの病院でも絶対数が必要なものですから、募集をかけてもなかなか得られないという状況でございます。
ただ、いずれにしても、今後もこの部分については必要なものと考えております。

佐々木君:加算がとれるものは積極的にとるということで、頑張っていただきたいと思います。
あと1点は、先ほど途中だったのですけれども、お話の中で宮本委員に確認していただいた病床再開に向けて、1年たつので、ひょっとしたら病床確保ができないのではないかという心配があったのですが、北海道としては、今のところ、そういうことは考えていないとお答えをいただきました。江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会でもゼロから議論することになっておりますので、その中においても、2次医療圏の中で病床数も考えていけるように、その環境をきちんと整えていってほしいと思っています。
質疑ではないのですけれども、先ほど回答をいただいたので、つけ足します。
市立病院は、本当に大変なのですけれども、それでも、今、医師はいないといえども、四、五百人の外来の患者、入院も100人から200人ぐらいいますし、年間で言うと22万人ぐらいの患者が利用されているということなので、江別市において、自治体病院は必要だと思うのです。今、この患者を解き放すということになると、とんでもないことになると思います。できることは知恵と工夫を出しながら、市民にはもちろんですけれども、職員の皆さんと情報を共有しながら、みんなで病院づくり、再建に向けて頑張ってもらいたいと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
次に、市立病院提出資料について質疑ございませんか。(なし)
次に、全体を通して質疑ございませんか。

岡君:何点か、大きくあるのですけれども、まず、1点目、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会についてお伺いしたいと思います。
平成30年3月の予算特別委員会でも指摘されておりましたが、有識者と市民を集めた検討委員会の設置の必要性の判断は、現時点ではどのように考えられているか、お伺いしたいと思います。

事務局次長:有識者等を集めた附属機関は、既に設置しているところでございまして、これについては、当然、必要なものとして設置したと考えているところでございます。

岡君:当然そうだと思います。
ただ、平成30年3月の予算特別委員会の理事者質疑においては、既存の江別市経営健全化評価委員会と重なるということで、検討事項にされたと思います。委員からのそういうものを設置してはどうかという質疑に対して、そのようにお答えをされております。結果としては、設置は今年度に入ってからということで、平成30年3月の時点では検討だったということですけれども、今時点で必要性はあったということです。
今時点から、結果として見れば、検討が遅くて1年間時間を無駄にしたと思いますが、その点、いかがお考えになりますか。

事務局次長:平成29年度に市立病院・地域医療検討特別委員会が設置されまして、今ほどの予算特別委員会の議論のほかに、市立病院・地域医療検討特別委員会の中でも、理事者質疑が何度か、2度ほどだったと記憶していますけれども、あったと思います。
その中で、専門家あるいは市民の意見を聞くべきだというような意見がございまして、それを受けて、平成30年1月に市立病院の中で、市民の方を招いて、あるいは、江別市経営健全化評価委員会の委員の方にも御協力いただきまして、江別市立病院シンポジウムを行いました。この中で、やはり市立病院の経営あるいは運営に対して、専門家等から意見を聞く場を設けるべきという意見がございました。こういう意見を受けてということと、その市立病院・地域医療検討特別委員会の中でも、ことし3月の委員長報告の中で、同じように専門家の方から意見を聞く場を設けるべきという意見がございましたので、この経過を受けて設置することにしております。
平成30年度の予算特別委員会の理事者質疑の中では、確かに、江別市経営健全化評価委員会がありますので、その仕組みを活用してというような答弁があったと思うのですが、その後の議会からの意見等を踏まえて、設置が必要だという判断に至って設置したという経過だというふうに今は認識しております。

岡君:プロセスは十分に了解しております。
ただ、結果として経営状態が昨年度と今年度はもう悪化し過ぎていて、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会で中長期の議論をしてもらう意味が余りなくなってしまっているぐらい、足元が悪過ぎるという状況になっていると私としては認識しております。
私の質疑は、プロセスがいろいろあったのは十分に理解をしているのですけれども、現時点から見た結果論として、平成30年度中に委員会の設置にかじを切るべきだったのではないかということですけれども、いかがでしょうか。

事務局次長:平成30年度の予算特別委員会の議論の時点では、専門家の意見を聞く附属機関等を設けるべきではないというふうに考えておりました。判断の時期としては、最終的にはことし3月だったのですけれども、決してその判断が遅かったというふうには、部局としては認識しておりません。
御指摘のとおり、その間、経営の状況が悪化してございますので、今これから検討を進めていく中では、非常に難しい局面になったことは重々承知しておりますが、判断の時期の問題については、決して遅かったとは捉えておりません。

岡君:部局としてというお答えでありましたけれども、市立病院の経営者としても今の御答弁と同じ理解であるというふうに認識していいのかどうか、改めてお伺いしたいと思います。

事務局次長:時期については、病院長あるいは市長とも十分協議した上で判断して決定しております。当然、市立病院の経営者は設置者である市長だと思いますけれども、認識としては同じだと考えております。

岡君:御認識としては、おくれたと思っていないということで理解いたしました。
ただ、結果としては、足元の経営状態が悪くなり過ぎておりまして、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の議論はこれからですけれども、少なくとも1年前に議論をスタートしていれば、もう少し違った形の議論ができたのではないか、もしくは、違った形の対応ができていた可能性はあったということはお認めいただいてもよろしいですか。

事務局次長:さかのぼってということになると想像になるのかと思いますが、仮に1年前に設置していれば、当然、検討の進みぐあい、あるいは、出てきた結果は、それは変わったものになったと想像いたします。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

宮本君:今、岡委員から出ましたし、私も市立病院・地域医療検討特別委員会の委員でしたから、正確ではないかもしれませんけれども、受けとめ方が違います。
1月の市長の定例記者会見の関係を聞きますが、やはり非常に大変な状況だということで、私は、平成30年の初めの委員会の冒頭に申し上げました。市長が記者会見した中で、収入に見合った支出という経営をしなければならない時期だ、大変な時期だということで、診療体制の見直しについて言及されました。
省きますけれども、それから、いろいろ経過がありまして、10月の病棟の50床廃止、市長のほうでは、その後、数カ月様子を見たいということでしたが、あっという間に1年過ぎたわけです。ですから、やはり第三者委員会を設けて、専門家の意見を聞きなさいという市民提言もありまして、新聞記事にも載ったと思います。私どもとしては、そういう経過を見ながら、委員会でも並行していろいろなやりとりがありましたが、やはり、おくれたのではないか、もう1年ぐらい早かったらという印象は、私も岡委員と同じ思いでございます。ここで、はっきり申し上げておきます。
それは、それでいいのですけれども、今、決算の数字はずっとお話しされましたから、それは受けとめまして、今後についての関連で質疑させていただきます。
今、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会が設置されまして、その中で、確認の意味でお尋ねします。
江別市経営健全化評価委員会の委員長が江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の委員長になられました。それはいいです。その中で、これは議事録を早急にホームページに出していただいたので、このとおり読みますと、市立病院を将来どうするかではなくて、この地域の将来の医療提供体制をどうするのかという議論が一番大事な問題だと思いますので、関連する資料をそろえてもらうことを期待しますということで、ほかの委員は、それに対して質疑はなしということでございました。
この辺の捉え方で随分違うと思うのです。市立病院をどうするかということではなくてということですから、もちろん先に言う場合と後に言う場合で言葉は違うかもしれませんが、これについて、市立病院側としてはどういう認識ですか、確認したいと思います。

事務局次長:第1回の江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会では、委員の方から、こういうような進め方をしてほしいという意見が幾つか上がりました。その中で、今ほど西澤委員長からお話しになった部分については、その方の意見としては、市立病院の問題以前というニュアンスだったと思いますけれども、地域医療を提供する中で、市立病院がどういう役割を担っていくか、江別市もそうですし、札幌医療圏もそうなのだと思うのです。まずは、その中でどういう医療が必要とされて、その医療を提供する中で、市立病院の役割はどうかということから議論をすべきという意見がありました。それを受けて、市立病院ではなくてという発言にはなっていますけれども、まずは、地域医療のことを議論していこうという流れになったと認識しております。
当然、次回以降、その委員の意見を受けて、地域医療の提供体制は北海道で策定している北海道地域医療構想がベースになると思いますけれども、そういう医療動向や将来の需要動向を資料として御用意して議論を進めていただく流れになると認識しております。

宮本君:それで、協議の進め方も出ていますけれども、9月下旬に第2回地域医療の現状として会議を開きまして、10月、11月、12月にも開催するということで、最終的には次年の2月の答申と、1月には答申書の検討まとめとなっております。
それで、途中は、今言った内容も含めて経費の削減策と収益の増加策、診療体制の確立、経営形態の方向性等が出ています。それで、最終的に1月、2月に大体見えてくるとなると、またかなりおくれます。私は、その間どうするのかと思うのです。これは出てくるでしょうけれども、その間はどうするのですかというところを、先ほどの答弁の中で参考になるお話もされていましたし、含みもあったのですが、単純にそこをお聞かせ願いたいと思います。いろいろ努力されていまして、大変だと思いますけれども、市立病院としてどういう考えなのか、それについてお話しいただきたいと思います。

事務局次長:8月に設置した江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会について、どういう形で進んでいくかは、議論の進行によりまして、最終的に委員の方に委ねることになろうかと思います。病院事務局としては、1月、2月までに一定の結論を見出してほしいというお願いをしているところでございます。当然、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会に委ねて経営改善のいろいろな御意見をいただけると思いますので、最終的な答申等を受けて動き出すものもございますし、個別の意見について、取り入れるものがあれば、それは随時取り入れて経営改善につなげたいと思っています。
一方で、市立病院の収益の状況は、残念ながら4月から昨年度を下回る状況が続いておりますので、この対応については、当然、経営を担う市立病院として改善の対応、あるいは、収益状況を一般会計とも協議しておりますので、市立病院としても自助努力をしてまいりますし、あるいは、一般会計に何がしかの支援を仰がなければならないという状況もございますので、どういった対応をとっていただけるのかということになりますけれども、市立病院と総務部で十分協議していくことになります。平成30年度では、自助努力ではなかなか結論が出なかった医師確保ももちろん含んでおりますが、医師確保、あるいは、経営改善、経費の削減などは継続的に対応できるところでございますので、そういったことを全て結集して、何とか経営の改善につなげたい、つなげるべく努力しているところでございます。

委員長(徳田君):宮本委員、当委員会は平成30年度決算を審査する場でございます。

宮本君:平成30年度決算を基本としながら将来を見据えて検討するということです。ただ、決算の数字だけ、いい、悪いの話ではないと思います。

委員長(徳田君):あくまでも、平成30年度の結果をもっての将来予測という範囲の中で質疑をお願いいたします。

宮本君:それで、今、一般会計からというお話がありました。そういうものも可能性としてはあるのかと思います。
先ほど、一時借入金の説明がありました。その中で、このまま行くと、今年度に入ってから4億2,000万円で、9月17日ぐらいになると11億7,000万円になると聞きますと、一時借り入れの限度額が40億円で、これもまた大変なことになっていることを思い出します。
それで、今年度の江別市公営企業会計決算審査意見書が出されています。監査委員は、7月ぐらいから書類を見ているのでしょうか。その中をよく読ませていただきますと、過去の平成29年度、あるいは、平成28年度の意見から見ますと、かなり厳しい意見が書かれています。
部分的にとりますと、収支のバランスが大きく悪化したことから、病院経営は極めて厳しい状況に直面しているということで、一般会計からの運転資金として長期借入金として、6億円の借り入れを行った。現状では、単年度資金収支の黒字化には相当な困難が見込まれることから、運転資金の確保については、慎重な対応が必要と考えられる。そして、最後のほうですけれども、病院の実情を踏まえた抜本的な取り組みが求められているところであり、必要な検討を迅速かつ着実に進めていくことを望むものであるというふうに書かれております。
それで、2点ほどお尋ねします。
相当な困難が見込まれていることから、運転資金の確保については、慎重な対応が必要と考えるということで、この運転資金については、先ほど言いました一時借り入れあるいは長期借り入れも含めて、財政全体を含めた中で、先ほど、市当局とも相談しながらという話もありましたけれども、これを見てどういうふうに受けとめていますか。
市長は、監査委員の意見を付して決算特別委員会に報告し、認定を求めているわけです。我々は、その辺をしっかりと聞かないと議決の判断がなかなかできないということもありますので、市立病院、経営者はどう考えているのか、お聞かせいただきたいと思います。

管理課長:今ほどの宮本委員の御指摘の監査委員からの報告の文案の中で、当然、今回、決算で御報告いたしました純損失、繰り越しを行わず、特に6億円の借り入れに関して、単年度資金収支の黒字化には相当な困難が見込まれる、この辺の部分と最後の運転資金の確保についての慎重な対応は、御指摘のとおり、今までこういう発言がなかったので、当然、市立病院としては重く受けとめるような状況でございます。
特に、先ほどの議論の中でも資金ショートというお話もありましたとおり、この部分については、先ほど御答弁を申し上げたように、日々の中で払うもの、入ってくる予定のものを非常に厳しく見ながら、今、毎日進めています。
ただ、そのリスクも分散する中で、一応、最低限のリスク回避をしつつ、逆に言うと、収入が少ないとなると、できる限り費用の執行を抑えるということで、支払いの部分についても、当然ですけれども、購入を控えるとか、節減できるものは節減を進めながら金額を算定して、慎重な対応に応えられるかどうか、わからないけれども、短期的な資金ショートはあってはならないと私も経営担当者として思っておりますので、その部分については、日々、今も進めています。
今、我々ができる部分として、収入については、医師確保を引き続き進めていますけれども、直接的な部分は、費用の執行管理をより厳しく精査をしている中で、そういった不足が起こらないように進めている状況でございます。
いずれにいたしましても、議会の御議論でもいろいろいただきましたが、実質的に今回の平成30年度決算においては、資金不足から6億円を借りているのは事実でございますので、当然、今年度についても、そういった事態を招かないように進めなければいけないと思っております。ただ、7月までの収益は、御報告しておりますように、残念ながら改善しない状況というのも事実でございます。その辺については、先ほど事務局次長からも御答弁を申し上げましたとおり、市立病院だけではなく、市全体で検討を進めている状況と御認識いただければと思います。

宮本君:私は、これを読みまして、先ほども言いましたけれども、以前はこういう言葉がなかったものですから、やはり今までの運転資金の確保の仕方ではだめとまでは言いませんが、より慎重にやっていただきたい、厳しく言えば続けてはいけませんという意味も入っていると思います。
あとは、抜本的な取り組み、必要な検討を迅速に進めてくださいということで、先ほど言いましたが、経営形態を含めて、もう少し早くやっていれば答えは出ていたと思います。そういう印象を持っていますので、これは非常に意味のある監査委員の御意見だと思っています。重く受けとめて、取り組んでいただきたいと思います。
病院事務長、何かあれば御発言をお願いします。

病院事務長:今ほどの宮本委員の御指摘に関しまして、確かに江別市公営企業会計決算審査意見書の中で、非常に厳しい御意見をいただいたことにつきましては、病院事務長としましても、非常に重く受けとめているところでございます。
実際問題として、一時借入金を続けながら資金繰りにも慎重に対応している状況ですけれども、結果として医師確保についてもなかなか成果を上げていない状況においては、さらに努力が必要だと考えております。
抜本的な対策という部分では、現時点でこうすべきということのプランがありませんけれども、先ほど御指摘のあった江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会での御議論の中で取り組めるところは速やかに取り組んでいきたいと思っておりますし、今年度に入りましてから、6月ぐらいになりますが、総務部、健康福祉部等と関係職員による庁内連絡会議を設置しまして、その中でさまざまな可能性について検討しているところでございます。こういった検討状況を踏まえながら、対応について、速やかに考えていきたいと思っております。

宮本君:去年8月か9月ごろも、これに近いようなやりとりが市立病院・地域医療検討特別委員会でありました。今の状況を見ていますと、江別市立病院新公立病院改革プランについても、できてからもう2年半ぐらいたちます。それについて、現状と違うので、新しい計画を立てるべきではないか、病院経営についての羅針盤、方向性がないわけです。やれるところから取り組んでいくという説明をずっと繰り返していましたけれども、途中からやれるところも含めて少し見直しも検討しているところだが、病院の財政については、その検討する時間ぐらい喫緊の課題だと、今どうするかが問題ですという話をされていました。ですから、何かもう同じようなお話をされているという感覚を持っています。
今、事務長がおっしゃったことも含めて、やはり今までのやり方をまた繰り返すようなことがないように、そして、先延ばしするのが経営にとっては一番間違いのもとになりますので、慎重に抜本的な取り組みを期待します。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

三角君:きょうも、さまざまな質疑を聞きながら、平成30年度決算書は非常に大変な状況だということで、私も重く受けとめています。
そういった中で、累積欠損金が100億円を超えたということですが、江別市の一般会計の税収が120億円強です。それがこの市立病院の企業会計でここまで膨らんでしまったことについて、皆さんはどういうふうにお考えなのか、市民の方は特に100億円という数字を見たときにびっくりすると思うのです。
また、私の思いですけれども、最悪、もしこの累積欠損金を処分できない場合、市立病院が経営破綻したときに、ここに従事される医師、看護師の数字が先ほど出ていましたが、この方々の働く場がなくなるということになると考えるのです。そういうことにならないために、今、それぞれの立場で何をしなければならないかを、本当に緊張感を持って、自分の職場を守るのなら守るで、きちんとした対応をする必要があるのではないかということを、特にこの平成30年度決算を見ながら感じております。この点について、医療関係者、また、事務関係者の方々はどういうふうに認識を持たれているのか。いつも緊張感を持って、よく認識しているというお話を聞きますけれども、もしこの市立病院がなくなってしまったら市民も大変です。また、働く方々も大変だということを踏まえて、最悪の場合を考えたときに、病院事務長はどういう思いを持っていますか。

病院事務長:先ほどの答弁の繰り返しになるかもしれませんけれども、累積欠損金が100億円を超えている、市民医療の提供、あるいは、職員の働く場としての危機的な状況については、御指摘のとおりであります。なかなか結果、成果が出ていないということで、市民の方にも不安、職員の皆さんにも不安を与えていることに関しては、非常に責任を感じております。
今、市立病院は、再建という形で努力を進めているところでありますので、そういった中で、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を立ち上げたり、庁内連絡会議を設置して、今までにない取り組みをしているところであります。そういった状況というのを市民の方、職員にも周知といいますか、きちんと情報を提供していく中で、少しでも不安を取り除きながら、また、一方で、先ほど言った抜本的な負のお話もありましたので、そこの部分については、できる限り早く検討を進めていきたいと思っております。

三角君:御答弁いただきましたけれども、本当にそれだけ今は大変だという認識を、改めて市立病院、医療関係者と、庁内の各職員も共有しながら、そして、また、この状況を設置者としての市長がどういうふうに思っているのか、再度、病院事務長からも伝えていただきながら、いい方向性に行けるように努力をいただきたいと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。

裏君:素朴な疑問ですけれども、きょうの決算特別委員会でもいろいろな御答弁をいただきましたし、根本的に制度が変わったということも今まで何度もお伺いしておりまして、本当に医師を招聘するのは構造的に難しいのだろうと思っております。皆様が本当につらい思いをなさって努力すると幾ら言っても、人口構造が変わっている中ですから、昔の公立病院の使命とか、今は何が必要かとか、地域医療の役割を精査してというお話も伺っても、本当に構造的に無理があるということを改めて認識いたしました。そういうことを考えますと、時代的に、労働人口も減り、医療費もふえている中で、変わらなければならないときなのだろうとしみじみと感じたわけでございます。
そういった意味では、ここで答えられることなのかどうか、私はわかりませんけれども、構造的にどうにもならないことに対して、国は地方の病院をどうしていきたいと考えているのか、感じているところがあればお伺いしたいと思います。

事務局次長:私も、国の考え方を完全に理解しているわけではございませんので、御答弁を申し上げるのは非常に難しいところですが、地方の医療提供体制というのは、国の方針に基づいて都道府県が地域医療構想というものをつくって、これに基づいて進めていくということになっております。
この地域医療構想の中では、医療資源、人材と、提供する医療の適正化みたいなことがうたわれておりますので、それぞれの地域ごとに必要とされる医療にふさわしいだけの人材を投入して医療機関を展開していくという考え方なのかと思っています。ただ、北海道においては、医師を初めとして人材の確保が非常に難しいということがございまして、国が進める考え方あるいは都道府県が考えるとおり進んでおりません。
こういう厳しい中で、個々の医療機関を見れば、民間の医療機関で必要な人材を確保して、自分の考える医療を展開している医療機関もございますので、必ずしもできないということではないと思います。正直、公立病院はなかなか苦戦している状況がございますけれども、与えられた条件は同じですから、その中で何とか市立病院独自の努力でできることは進めていかなければなりません。国としては、それぞれの医療機関で活路を見出していくべきだ、このように考えているのではないかと推測するところです。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。

岡君:何点か、しつこいようで申しわけないですけれども、質疑させていただければと思います。
まず、平成30年度までにやるべきことをやらなかったのではないかという観点からです。
先ほどは否定されましたけれども、宮本委員もおっしゃっていましたように、私は、やはり江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の設置がおくれたと考えております。
改めて、病院事務長に市立病院の経営者としてお伺いをいたしますけれども、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の設置は現時点の結果から見ても適切な判断だったと考えられているという理解でよろしいですか。

病院事務長:当時、平成30年10月ころの話に戻りますけれども、このような状況になって、病棟再編を行った経過があります。そのときに関しましては、医師が退職していって運営が非常に厳しいという状況もありましたけれども、逆に、効率的な病棟運営をすることで、病床利用率を高めて、そこで経営を回復しようというような考えでいたように認識しております。
その時点におきましては、おっしゃっていたような検討委員会のようなものは設置することなく、そういう形で経営改善を進めていこうという形でいたところ、冬になって、やはり思うように病床利用が進まなくて、また、さらに医師の退職も見込まれる中で経営状況がさらに悪化していったという状況がございます。
その中で、平成30年1月には、それまでもずっと市立病院・地域医療検討特別委員会の中でさまざまな御議論や意見をいただいておりましたし、1月には、市民に対する江別市立病院シンポジウムを実施しまして、そこでそういった検討の場が必要ではないかという御意見、3月には、市立病院・地域医療検討特別委員会からも設置が必要だという提言を受けて、そこで環境が変わってきたといいますか、そういうことを踏まえたことを契機として、外部委員会を設置しようということで変わっておりますので、平成30年度の年度途中の段階で検討委員会を設置すべきだったというような考え方はなかったと考えております。

岡君:次に、自助努力が不足していたのではないかという点を御指摘させていただきたいと思います。
人員削減の努力についてですけれども、50床の病床を削減した以外に、人員削減の努力について何か対応されていることはありますでしょうか。

事務局次長:昨年10月の病棟休止あるいは4月の診療報酬改定にあわせて、先ほど資料に2人夜勤、3人夜勤の看護師配置の基準を示させていただきましたが、加算がとれていない病棟、一部、3人夜勤体制に対する評価のない病棟がございますので、そこについては、先ほど御答弁したとおり、職員組合との協議を行って、適正化を図れないかという検討を行った経過がございます。協議については、なかなか決着するところまで至りませんでしたので、実現には至りませんでした。人員の適正配置については、そういう検討を行ったという経過がございます。

岡君:結果としては、できなかったというお答えだと思います。
次に、給与削減の努力ですけれども、特に、期末手当、勤勉手当の削減については、どのような努力をされたか、お答えいただければと思います。

事務局次長:給与の削減については、特に病院独自の取り組みというのはやってきてございません。

岡君:一般会計から6億円、本来であれば経営健全化団体に陥るという状況においても、給与削減について、何ら病院事務局としても検討なり交渉はされなかったと確認させていただいてよろしいですか。

事務局次長:給与削減に対する独自の取り組みとしては、病院事務局としてはやってこなかったというのは事実でございます。

岡君:それをもって、やはり自助努力が足りているとはなかなか言いにくいと私としては考えているところです。
この項目の最後に、やはり抜本的な経営改革をおくらせ続けたという問題があると思います。
大きく3点ほど、1点目は、ほかの病院から見ると総合内科の医師が充足していた時期、平成25年度、平成26年度あたりにおいても、残念ながら病床利用率はマックスからはほど遠いというか、1病棟を休止しても、病床利用率だけで考えれば足りている状況でございました。この時点での改革はなかなか難しいかもしれませんけれども、今から見ると、経営改革に手をつけるべき時点の一つだったということが言えると思います。
また、2点目の時期としては、平成28年に指導医が退職し、総合内科医が激減することがわかった平成29年初頭、平成29年度予算審査の段階では、まだデータが出ていなかったので、当時の議員も危機意識を今ほどは持たれていなかったと思いますが、病院事務局は、十分に危機的な状況を理解していたと思いますので、その時点で、抜本的な対策に手をつけるべきだったということが言えるのではないかと思います。
もう一つの最後の時点は、平成30年、病院長がかわられた時点で、私が伝え聞いているところによりますと、内科出身の病院長を招聘することで、内科の医師を招聘しようということは非常に理にかなった考えだと思いますけれども、なかなか難しかったということでございます。
病院事務局としては、外科出身の病院長で、関連のある内科の医師を招聘したいということですけれども、私の理解している医療業界の常識からすると、それは非常に難しいということが言えるかと思います。したがいまして、先ほどの検討委員会の話ではないですけれども、平成30年度に内科の医師を十分に招聘できなかった時点で、方針転換をすべきだったと思います。結果として、目標期限を定めていない、結果も出ていない医師招聘に固執し過ぎておりまして、赤字額を膨らませる結果になってしまっていると言えるかと思います。
もちろん、後づけで、平成30年度の決算が出ているから、私もこのようなことを言うことができますけれども、そうはいっても、経営者サイドとしては、過去に抜本的な経営改革をとるタイミングがあったと思いますが、その点はいかがお考えでしょうか。

委員長(徳田君):暫時休憩いたします。(17:45)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(17:49)

事務局次長:平成26年度以降の市立病院の運営、あるいは、経営の改善に向けた対応という御質疑です。
まず、平成26年度当時、特に総合内科医の体制が充実していました。平成25年度については、単年度の収支も黒字になりまして、この年度が近年では経営状況としては一番安定していた年度です。
平成26年度は、これは当時の総合内科の診療体制というのは、総合内科医の教育施設という機能を期待して医師がたくさん集まってくれたという状況がございますので、どちらかというと、その診療の中身よりは、研修、学習の場という側面が強かったという経過がございます。ですので、患者数は一定程度確保しておりましたが、診療単価としては、もう少し改善する余地があったという状況だったと思うのです。
当時、ここでDPC制度を導入するというような選択肢も当然あったかと思うのですけれども、この当時はまだ紙カルテでして、診療データがそろっていないとDPC制度への移行が非常に難しいという事情がございました。当然、診療の中身を向上するという意味もございますが、これとあわせて、平成27年度に電子カルテを導入して、平成28年度にはDPC制度、あるいは、地域包括ケア病棟の導入に移行しました。診療単価の収益性を向上する取り組みがようやく平成28年度に実現したというところでございます。
実現はしたのですけれども、平成28年度に、先ほど来、申し上げていますとおり、総合内科医の核となっている指導医が退職することになりましたので、内科医の体制後退というのは、残念ながら、この時期から始まってしまいました。
平成28年度に、北海道総合内科医教育研究センター長に、退職した指導医の後任で人事を行って、体制の再構築といいますか、立て直しを図ろうということもいたしましたし、あるいは、個別に退職される医師に関しては、慰留の説得も、当時の病院長が先頭に立ってやっておりました。
平成29年度については、内科統括部長という新たな職を置きまして、そこに循環器科の医師についていただいて、内科医の体制の立て直しといいますか、再構築を図ったのですが、これは残念ながら、成果といいますか、退職する医師を引きとめるというところまでは至らなかったという結果になったと思います。
平成30年度は、病院長の交代となりまして、病院長は外科医ですけれども、病院長の出身医局と関連の強い内科の医局を通じて関係を強化して、医師の招聘につなげようという方針をとったのが平成30年度、あるいは、新病院長の体制のもとでの医師招聘でございます。
平成30年度は、診療報酬改定の年度ですので、それにあわせて、この時点では医師の数がかなり少なくなっていましたので、1病棟の休止ということの具体的な検討も進めてきたという経過でございます。
結果から見れば、平成26年度以降、収益については悪化していますので、いろいろな対応は市立病院としてとってきたつもりでございますが、それがなかなか結果に結びつかず、こういう事態になっています。対応が後手に回ったという御指摘はそのとおりかと思っておりますが、対応自体はその時点で考えられる最善の策としていろいろな対策を講じて、それを進めてきたつもりでございます。

岡君:いろいろやってきたのはわかってはおりますけれども、求められているのは結果ですので、対応をとってきたが、結果に結びつかなかったというのは、まさにそのとおりの御認識ということかと思います。
もう1点は、経営者と経営責任ということで最後に御指摘させていただきます。
先週の一般質問で、市長がお答えになっていますけれども、江別市立病院の経営責任者は市長、最終的な責任は市長という理解でよろしいですか。

事務局次長:先日の一般質問で、市長からそのようにお答えしていますので、そのとおりと認識しております。

岡君:残念ながら、平成30年度の決算数字については、経営責任が問われる数字だというふうに私としては思っていますけれども、病院事務局としても、数字を見れば、当然、経営責任が問われる内容であるという理解になると思いますが、その点はいかがでしょうか。

事務局次長:一般質問の中で、最終的な経営責任は市長であるという答弁がございましたし、そのとおりと受けとめておりますが、実質的に市立病院の運営あるいは経営を任されているのは病院職員ということになります。
診療報酬への対応もそうですし、収益の確保に向けたさまざまな対応、あるいは、人員の確保というところも、実質的には市立病院で必要な人員を定めて採用の決定をさせてもらっています。もちろん、任命権者は市長ですけれども、当然そういう運営、経営を実際に担当していますので、今回の平成30年度の決算の経営責任は病院職員にある、そのように考えております。

岡君:その心意気は非常にいいですけれども、私は、病院事務局の皆さんは、非常に頑張っていただいていると思っていますし、昨年度までの市立病院・地域医療検討特別委員会でも、我々議員からの求めに応じていろいろな資料を御用意いただいて、非常に御苦労されていると思います。
または、市立病院のスタッフだって、当然、日々御努力されていて、私は、あくまで経営上の判断から人員の過剰というのを言っているだけで、個々人の職員の御努力を否定するわけでは全くないものでございます。
もちろん、全職員が経営責任を感じられるというのは悪い話ではないのですけれども、経営の責任者は市長であって、最終的な責任は市長にあると、市長みずからがお答えになっているということだと思います。
病院事務長はお答えできないと思いますけれども、今回、平成30年度の決算について、経営責任をどのようにとられるのか、何かあれば、一言いただければと思います。

病院事務長:先ほどの事務局次長の答弁の繰り返しになるかもしれませんが、結果として、さまざまな努力してきた中でも、医療を提供する体制が後退し、市民に不安を与えている状況、また、資金繰りにも苦慮するような経営状況になっていることに、病院事務局としましても、非常に深く責任を感じているところであります。
その結果につきまして、責任を問われるべき立場にあることに関しましては、病院事務長として答弁しかねる状況にございますので、御理解いただきたいと思います。

委員長(徳田君):関連で質疑ございませんか。(なし)
ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
市立病院退室のため、暫時休憩いたします。(18:00)

※ 休憩中に、理事者質疑項目の有無を協議

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(18:08)
休憩中に確認いたしましたとおり、病院事業会計について、理事者質疑を行うことと確認してよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、理事者質疑項目については、市立病院に対する市長の経営責任について、発議者は岡委員と確認してよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次回の委員会は、あす18日水曜日の午前10時より開催いたします。
以上をもって、本日の決算特別委員会を散会いたします。(18:09)