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令和2年第1回江別市議会定例会会議録(第2号)令和2年3月5日

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年6月11日更新

1 出席議員

25名

議長 角田 一 君 副議長 相馬 芳佳 君 
議員 高橋 典子 君 議員 佐藤 美佐子 君
議員 吉本 和子 君 議員 島田 泰美 君
議員 芳賀 理己 君 議員 石田 武史 君
議員 本間 憲一 君 議員 鈴木 誠 君
議員 猪股 美香 君 議員 岡 英彦 君
議員 三角 芳明 君 議員 宮本 忠明 君
議員 高間 専逸 君 議員 清水 直幸 君
議員 佐々木 聖子 君 議員 稲守 耕司 君
議員 内山 祥弘 君 議員 諏訪部 容子 君
議員 干場 芳子 君 議員 齊藤 佐知子 君
議員 奥野 妙子 君 議員 徳田 哲 君
議員 裏 君子 君    

2 欠席議員

0名

3 説明のため出席した者の職氏名

市長 三好 昇 君 副市長 佐々木 雄二 君
水道事業管理者 佐藤 哲司 君 総務部長 後藤 好人 君
生活環境部長 川上 誠一 君 経済部長兼
総合特区推進監
渡部 丈司 君
健康福祉部長 佐藤  貴史  君 病院事務長 白石  陽一郎  君
消防長 西原  信一  君 総務部次長 福島  和幸  君
財務室長 野口  貴行  君 教育委員会教育長 月田  健二  君
教育部長 萬  直樹  君    

4 事務に従事した事務局員

事務局長 土屋 健 君 次長 錦戸  康成  君
庶務係長 土谷  晶子  君 議事係長 水口  武  君
主査 坪松  隆  君 主任 岡村  英治  君
主任 海谷  祐二朗  君 書記 渡辺  輝  君
事務補助員 浅沼  知子  君    

5 議事日程

日程第 1 会議録署名議員の指名
日程第 2 諸般の報告
日程第 3 議案第22号 令和元年度江別市一般会計補正予算(第4号)
日程第 4 議案第24号 令和元年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)
日程第 5 議案第27号 令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)
日程第 6 意見書案第1号 新型コロナウイルス感染症の早期終息に向けた対策を求める意見書
日程第 7 一般質問

発言者及び発言趣旨

鈴木  誠 君 (一問一答方式)

  1. 市立病院の経営財政問題について
    (1)江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申に対する見解と評価について
    (2)集中改革期間における具体的な事業計画について
    (3)長期貸付金の償還計画について
    (4)経営健全化計画の策定について
  2. アイヌ施策推進地域計画の策定について
    (1)アイヌ施策推進地域計画の策定に係る検討状況について
    (2)江別アイヌ協会等との協議・検討状況について
    (3)アイヌ施策推進地域計画の策定の見通しについて

高橋 典子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 指定管理者制度について
    (1)指定管理者制度の導入状況に関する評価について
    (2)今後の制度運用について
  2. 環境に配慮したまちづくりについて
    (1)再生可能エネルギー関連施設の設置と地域住民の意思の反映について
    (2)第5世代移動通信システム(5G)のサービス開始に伴う懸念事項と市の対応について
  3. 教員の働き方にかかわる問題について
    (1)教員の労働実態の把握について
    (2)公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部改正に伴う問題に対する認識について
    (3)江別市における対応について

干場  芳子 君 (一問一答方式)

  1. 校務支援システムの導入について
    (1)校務支援システムの導入による効率化について
    (2)江別市個人情報保護条例との関係性について
    (3)学校保健に係る個人情報の保護について
    (4)導入に向けた保護者への説明等について
  2. 放課後児童クラブについて
    (1)環境整備に必要な支援等について
    (2)障がい児加算の考え方について
    (3)安全対策について

裏  君子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 東京2020オリンピックの競技種目が札幌市で開催される機会を生かすことについて
    (1)イベント民泊の実施について
    (2)江別市のお土産商品をつくることについて
  2. 誰もが暮らしやすいまちづくりについて
    (1)災害時の現場対応におけるピクトグラムの導入について
    (2)ピクトグラムの普及促進について
  3. 食品ロス削減について
    (1)食品ロス削減の取り組み状況について
    (2)食品ロス削減推進計画の策定について
    (3)食品ロス削減月間における啓発の取り組みについて

 6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(角田 一君)

これより令和2年第1回江別市議会定例会第9日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(角田 一君)

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(角田 一君)

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
石田議員
芳賀議員
を指名いたします。

◎ 諸般の報告

議長(角田 一君)

日程第2 諸般の報告を事務局長に報告させます。

事務局長(土屋 健君)

御報告申し上げます。
本日までに、議会提出案件1件を受理いたしております。
また、監査委員から報告のありました例月出納検査結果報告1月分につきましては、お手元に配付のとおりでございます。
以上でございます。

◎ 議案第22号、議案第24号及び議案第27号

議長(角田 一君)

日程第3ないし第5 議案第22号 令和元年度江別市一般会計補正予算(第4号)、議案第24号 令和元年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)及び議案第27号 令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)、以上3件を一括議題といたします。
予算決算常任委員長の報告を求めます。

予算決算常任委員長(三角芳明君)

ただいま上程されました議案3件につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
初めに、議案第22号 令和元年度一般会計補正予算(第4号)について申し上げます。
今回、審査を行いました補正予算は、市内小・中学校25校に無線の校内LANや電源キャビネットを整備する経費として6億7,887万5,000円を追加するもののほか、ラグビーワールドカップ2019日本大会に出場したオーストラリア代表チームの公認チームキャンプ地として仮設設備の設置等に要した経費の確定に伴い、1,870万3,000円を減額するもの、さらに、市立病院の収益悪化による資金不足に対処するため、一般会計から病院事業会計に長期貸付金として13億円を繰り出すものであります。
主な質疑の状況について申し上げますと、初めに、校内LAN整備事業では、工事の発注方法と施工時期についての質疑に対して、無線アクセスポイントなどを設置するネットワーク系の工事と、電源キャビネット用の電源コンセントを設置する電源工事の二つに分けて発注する予定であり、施工は、夏休みや冬休み期間中に行うほか、工事の種類によって、土曜日や日曜日に行うなど、さまざまな工夫を重ねながら、令和2年度中に完了できるよう、効率的に進めていきたいと答弁されております。
また、情報教育の指導力向上に向けた取り組みについての質疑があり、答弁では、新学習指導要領では、令和2年度から小学生を対象としたプログラミング教育が導入されることに伴い、今後さらに情報教育の重要性が高まることから、教職員のための校内研修の開催や、北海道教育委員会が主催する研修への参加を促すほか、大学連携の取り組みなども活用しながら、教職員の指導力向上に努めていきたいと述べられております。
次に、ラグビーワールドカップ公認チームキャンプ地受入事業では、仮設設備を設置せずに既存の施設で対応した経緯についての質疑に対して、公認チームキャンプ地ガイドラインでは、受け入れに当たって、仮設設備の設置により対応することが基本とされていたが、当市には、北海道立野幌総合運動公園総合体育館などの活用可能な施設があったことから、北海道と連携しながらラグビーワールドカップ2019組織委員会と交渉を重ねた結果、事業の質を低下させることなく、既存施設での対応が可能であると判断されたと答弁されております。
次に、病院事業会計繰出金では、市立病院に貸し付けを行う時期についての質疑があり、答弁では、病院事業会計の27億円に及ぶ一時借入金は、短期資金であるため、速やかに金融機関に返済することが望ましいと認識していることに加え、市立病院では、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申に基づき、令和2年度からの3年間を集中改革期間と位置づけて、抜本的な改善を図ることとしていることから、令和元年度の一時借入金が令和2年度に影響を与えることなく、具体的な取り組みを進めることができるよう、支援を行うこととしたと述べられております。
また、市立病院の返済能力が不透明な令和10年度以降に償還を先送りにすることについての質疑に対して、今回の貸し付けを検討するに当たり、平成27年度と平成30年度の貸付金の残りの償還額や期間などを確認しながら、市立病院との協議を進めてきたところであり、最終的には、他の企業債の償還予定額の推移などを見きわめた、より実効性の高い償還計画にしたと答弁されております。
次に、討論の概要を申し上げますと、初めに、反対の立場の委員からは、今後の事業計画や収支計画を策定していない市立病院に対して、13億円を貸し付けることは適切ではないと考えており、さらに、この貸し付けにより、正確な財政状況をあらわす資金不足比率にならないことについては、地方財政健全化法の趣旨に反していると考えるほか、予定されている償還が8年据え置かれ、令和10年度から開始されることは、問題の先送りであり、無責任な対応であると考えることから、反対すると述べられております。
一方、賛成の立場の委員からは、初めに、校内LAN整備事業では、ネットワーク系の工事と電源コンセントを設置する電源工事の二つに分けるほか、市内を四つのエリアに区分して行うことにより、効率的な工事を行うことができる。また、Wi-Fi環境は、普通教室と特別教室に加えて、職員室や保健室、体育館にも整備されるとのことであり、児童生徒のICT教育環境が飛躍的に向上することが期待される。
次に、ラグビーワールドカップ公認チームキャンプ地受入事業では、オーストラリア代表チームのキャンプ受け入れによって、市内児童へのタグラグビーの普及啓発が進んだほか、オーストラリア出身のラグビー選手などとの交流が図られたことなどの成果を上げていることから、今回の経験を生かした、さらなる合宿誘致につながる取り組みを期待する。
次に、病院事業会計繰出金では、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申に基づき、令和2年度からの3年間を集中改革期間と位置づけ、令和5年度での収支均衡を図るための取り組みが開始されることとなるが、基金の取り崩しにも限界があることから、常に緊張感を持って、経営健全化に向けた努力を望むものであり、提案された補正予算については適切なものであると判断することから、賛成すると述べられております。
以上の討論の後、採決を行いました結果、議案第22号については、多数により、原案のとおり可決すべきものと決しております。
次に、議案第24号 令和元年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)について申し上げます。
今回の補正内容は、決算見込みにより道営農業農村整備事業負担金への充当分を300万円減額するほか、一般会計から病院事業会計への貸付金の財源となる3億円を含めた一般会計繰出金の追加により、補正額全体として2億9,700万円を追加するものであります。
主な質疑の状況について申し上げますと、今後における運用償還の見通しについての質疑では、新たな運用を行わなかった場合の見込みとして、令和2年度には、元金ベースで約1億1,900万円、令和3年度には、約1億1,200万円となり、令和5年度には、償還猶予を予定している市立病院への貸し付け分の償還が再開される予定であると答弁されております。
次に、討論の概要を申し上げますと、初めに、反対の立場の委員からは、江別市基金条例では、基本財産基金の設置目的は、財産を活用し、これから生ずる利益によって本市財政に寄与することと規定されているものの、今回の補正予算は、基本財産基金の残高を2億3,075万6,000円まで減少させることとなり、本市の財政調整に重要な役割を果たしてきた基金の機能を著しく低下させ、今後の市政運営全体に重大な影響を及ぼすと考えることから、反対すると述べられております。
一方、賛成の立場の委員からは、基金残高は年々減少する一方で、市内の公共施設は軒並み老朽化しているほか、大きな費用負担を伴う本庁舎や市民会館を建てかえるための検討が開始されるなど、基金の需要は、ますます高まっていくことが予想される。江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申において、令和2年度からの3年間を集中改革期間とされているが、当市の財政状況に鑑みて、経営状況が改善しない場合には、経営健全化団体への移行も辞さない不退転の決意を持って再建計画を実行することを期待し、賛成すると述べられております。
以上の討論の後、採決を行いました結果、議案第24号については、多数により、原案のとおり可決すべきものと決しております。
次に、議案第27号 江別市病院事業会計補正予算(第2号)について申し上げます。
今回、審査を行いました補正予算は、市立病院の収益悪化による資金不足に対処するため、一般会計から長期借入金として13億円を繰り入れるものであります。
予算決算常任委員会では、担当部局への質疑を行った後、理事者に対する質疑を行っておりますので、その概要を申し上げます。
初めに、経営健全化団体への移行についての質疑があり、答弁では、国の指導を受けて、その管理下で再建することは、必要とされる医療の提供に制限を受けるほか、起債の制限により市全体の事業の執行にも影響を及ぼすおそれがあることから、外部委員会による評価や進捗管理などのチェック体制を構築した上で、今後も地域に必要な医療を提供しながら自主再建を進めていきたいと述べられております。
次に、不採算医療に対する一般会計からの繰り入れについての質疑に対し、全ての不採算医療を一般会計で負担しているのではなく、国からの交付税に加え、地域に必要な医療を個々に判断した上で、運営に必要な経費を一定の基準で算出していると答弁されております。
また、長期借入金の償還についての質疑があり、答弁では、診療報酬改定や法改正など、医療制度や情勢の変化に対応するため、返済時期の平準化を図り、安定的な病院経営を行う必要がある。本年4月には、医師1名の増員を予定しており、診療収益の増加が見込まれることから、経費の削減をあわせて行い、資金収支を改善しながら着実な返済に努めていきたいと述べられております。
さらに、市立病院の現状と今後の取り組みに関する周知についての質疑に対し、3月に開催予定の江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会において、市民に対する情報提供の手法や内容について協議いただき、その結果に基づき、適切な情報を発信していきたいと答弁されております。
次に、討論の概要を申し上げますと、初めに、反対の立場の委員からは、平成18年の経営危機以降、専門家などの意見を伺いながら、自主再建を進めてきたが、事態はより深刻化しており、これまで経営危機を克服できたのは、昭和56年に準用財政再建団体となったときのみであることから、より再建の可能性が高い経営健全化団体への移行について検討すべきである。
また、経営再建を目指すとした上で昨年度末に6億円を借り入れたが、経営状況は昨年度以上に悪化しているほか、今回の借入金の償還に当たっては、8年間の据置期間が設定されており、制度や法改正などにより大きく情勢が変化する中において、余りにも無責任な対応と言わざるを得ないことから、反対すると述べられております。
一方、賛成の立場の委員からは、平成29年には、江別市立病院新公立病院改革プランを策定し、経営改革に取り組んできたが、医師の退職等が重なり、極めて厳しい経営状態が続いている。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申を踏まえ、来年度から3年間の集中改革期間が始まる段階において経営健全化団体に移行することは、答申に沿った経営再建の取り組みに影響が出るおそれがあり、一般会計からの13億円の借り入れは最善の策であると考えることから、賛成すると述べられております。
同じく賛成の立場の別の委員からは、病院事業会計の収支悪化は、市の財政運営に大きな影響を与えるため、市立病院の経営再建は市政運営にとって喫緊の課題であり、地域医療の安定的な確保には、適切な支援のもとでの自主再建が必要である。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申の中で、過去に生じた資金不足については経営再建を条件として、一般会計が適切に支援を行うべきとされていることを踏まえ、本補正予算は、答申に沿った必要な支援であると考えることから、賛成すると述べられております。
以上の討論の後、採決を行いました結果、議案第27号については、多数により、原案のとおり可決すべきものと決しております。
当委員会に付託されました議案第22号、議案第24号及び議案第27号の審査の経過と結果については、以上のとおりであります。
よろしく御決定賜りますようお願い申し上げます。

議長(角田 一君)

これより予算決算常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上で、予算決算常任委員長報告を終結いたします。
これより議案第22号 令和元年度江別市一般会計補正予算(第4号)に対する討論に入ります。
討論ありませんか。

鈴木 誠君

議案第22号 令和元年度江別市一般会計補正予算(第4号)について、反対の立場で討論いたします。
反対の理由は、一般会計から病院事業会計への長期貸付金の13億円について、極めて問題があると考えるためです。
まず、今後の事業計画や収支計画がない中で、病院事業会計への13億円の貸し付けは適切ではないこと、次に、年度末での13億円の貸し付けにより、資金不足比率が地方公共団体の財政の健全化に関する法律の経営健全化の基準を下回ることになり、市民に対して正確な財務情報をお知らせするという法の趣旨に反すること、さらには、13億円の償還予定が8年間の据え置きで令和10年度からの返済となっていることは問題の先送りであり、無責任な対応であることです。
議員は、任期の中で課題を解決していく立場で議会に臨んでいるわけで、理事者も同じ姿勢でいてほしいということです。市の貯金である財政調整基金は、市立病院への貸し付けにより減少の一途をたどっており、来年度または再来年度での枯渇も想定されています。財政調整基金の減少は、既に令和2年度予算の編成に影響を与えており、財政調整基金だけに頼らない手法を模索すべきであると考えます。
以上の理由により、本補正予算について反対の討論といたします。

議長(角田 一君)

ほかに討論ありませんか。

奥野妙子君

議案第22号 令和元年度江別市一般会計補正予算(第4号)について、賛成の立場で討論いたします。
今回の補正予算は、国等の予算動向による変更、歳入・歳出の決算見込み、その他緊急を要するものへの措置であり、予算規模としては22億4,649万3,000円の追加、補正後の歳入歳出予算総額は486億3,620万9,000円となるものであります。
初めに、校内LAN整備事業についてでありますが、国のGIGAスクール構想に基づく公立学校情報通信ネットワーク環境施設整備費補助金を活用しての事業であり、補助率は2分の1、残り2分の1は全額起債で、元利償還金のうち60%が普通交付税により措置される事業となります。
今回の補助金の要件として、江別市内の公立小・中学校25校全てにおいて、令和2年度中の事業の完了を目指すものと説明がありました。予算決算常任委員会では、工事完了に対する懸念についての質疑がなされましたが、これについては入札を校内LANと電源工事の二つに分けることや、近隣の小・中学校をまとめ、市内を四つのエリアに分けて発注を行うなどの配慮がなされていることが確認されたところであります。この事業によって、江別市における児童生徒のICT教育環境が飛躍的に向上することが期待されます。
次に、ラグビーワールドカップ公認チームキャンプ地受入事業に関する補正でありますが、契約段階では仮設を必要としていた設備があったものの、江別市として北海道と連携し、ラグビーワールドカップ2019組織委員会との交渉を重ねた結果、多くを既存の施設で対応することとなり、今次補正では、特に仮設設備等設置費及び施設警備費について、1,779万5,000円の減額となったことは評価するものであります。
今回のキャンプ受け入れによって、市内の児童へタグラグビーの普及啓発、オーストラリアの大学生やオーストラリア出身のラグビー選手との交流が図られたことも大きな成果であったと考えます。今後は、今回の経験を生かし、さらなる合宿誘致につながる取り組みがなされることを期待するものであります。
そのほか、病院事業会計繰出金は、市立病院の資金不足への対応のため、長期貸付金として13億円を追加しようとするものであります。
市立病院の経営状況については、医師不足等による収益の悪化から運転資金の不足を一時借入金で対応している状況にあり、今年度末には一時借入金の残高が27億円に達する見込みとなっています。この一時借入金については、年度末に一度借りかえを行った後、新年度当初には返済しなければならないもので、現状では、その支払いの原資を一般会計からの繰入金によらなければならない厳しい経営状況となっております。このため、新年度予算として提案される予定の病院事業会計繰出金である約14億円との差額の13億円を、令和元年度の資金不足への対応として年度内に措置する必要があるため、今次補正により対応しようとするものであります。財源は、繰越金が2億5,000万円、財政調整基金からの繰入金が7億5,000万円、基本財産基金からの繰入金が3億円となっております。
市立病院の厳しい経営状況が続いている中、先般、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からは、経営再建を果たすため、来年度からの3年間を集中改革期間として、令和5年度における収支均衡を実現すべきであるとの答申がなされたところであります。財政調整基金の取り崩しにも限界があることから、市立病院においては、この答申を重く受けとめ、経営再建に向けあらゆる対策を講じ、全力で対応に当たっていだだくことを望むものであります。
以上、主なものについて述べたほか、今回提案された補正予算についても、適切なものであると判断いたしますことから、議案第22号 令和元年度江別市一般会計補正予算(第4号)について、賛成の立場での討論といたします。

議長(角田 一君)

ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第22号を起立により採決いたします。
議案第22号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第24号 令和元年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)に対する討論に入ります。
討論ありませんか。

鈴木 誠君

議案第24号 令和元年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)について、反対の立場で討論いたします。
反対の理由は、本補正予算による繰出金3億円が一般会計から病院事業会計への長期貸付金13億円の原資となっているからです。本補正予算により、基本財産基金の残高は2億3,075万6,000円まで減少する見込みとなり、これまで江別市の財政調整に重要な役割を果たしてきた本基金の機能を著しく低下させ、毀損させることになるのでないかと考えるもので、今後の市政運営全体に重大な影響を生じさせることとなります。
以上の理由により、本補正予算について反対の討論といたします。

議長(角田 一君)

ほかに討論ありませんか。

内山祥弘君

議案第24号 令和元年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)について、賛成の立場で討論いたします。
本補正予算は、病院事業会計における令和元年度中の一時借入金が総額27億円となり、その返済に当たって、当年度内での返済を行うために、一般会計から13億円の貸し付けを行ううちの3億円を基本財産基金から充てようとするものが主なものであります。27億円のうち、残りの14億円は、年度内に借りかえの後、令和2年度の一般会計からの繰入金をもって返済するとのことです。また、13億円の貸付金は、8年間の返済猶予の後、病院事業会計から5年間にわたり約2億6,000万円ずつ返済される計画となっております。
病院事業会計に対しては一般会計から、平成27年度に7億5,000万円、平成30年度にも6億円の貸し付けを行っており、単年度の資金不足に係る補正予算での貸し付けは2年連続となるところであります。加えて、平成27年度の貸付金は返済中であり、平成30年度の貸付金に関しては、まだその返済が始まっていないにもかかわらず、再び貸し付けを行うということは、ある意味多重債務とも言える状態であり、とても健全な貸し付けとは言いがたいものであります。
また、市の一般会計の財政も決して豊かなものではなく、基本財産基金残高は年々減少している一方、道路、橋梁を初め、公共施設は軒並み老朽化し、庁舎や市民会館の建てかえが検討されるなど、病院事業会計へのたび重なる貸し出しが、市の財政運営の将来に向かっての安定性、持続可能性を脅かしかねない状況となっております。
今回の補正予算の審査では、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)の資料が示されましたが、その実現可能性については不確定な要素もあること、また、償還計画の資料では、今回の13億円の貸付金の返済は8年後からということもあり、本貸付金の確実な返済という意味では、十分に納得できるような状態にまで至っていないというのも事実であります。
しかしながら、1点目に、今回資料として示された市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)が、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会での真摯な議論のもとで提言された答申書を受けて策定されたものであるということ、また、2点目に、この補正予算、つまり病院事業会計に対する今年度の貸し付けが否決されたとすると、病院事業会計の資金不足比率が30%を超え、経営健全化団体入りとなり、さきの市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)が白紙となり、より厳しい再建策が国から示されるなど、経営健全化団体入りした場合、小児科や産婦人科など不採算医療の維持などにより、市民医療への影響が見定められないということがあります。3点目に、今回の13億円の貸し付けは、年度内に一時借入金を返済するためのものであり、その結果として、資金不足比率の悪化を免れることになります。確かに資金不足比率だけを見た場合には、病院事業会計について実際よりもよく見せてしまうということがありますが、まず法律的には自治体の判断であり必ずしも違法ではないということ、また、丁寧かつわかりやすい情報開示により、病院事業会計の実際の厳しい状況については内外に対してオープンにできますし、オープンにすべきということがあります。
いずれにしても、この13億円は、仮に年度をまたいだとしても必ず返済しなければならないものであり、また、経営健全化団体入りした場合の影響について、現状では見定められないということ、加えて、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を尊重するという立場で、市民の医療を守るという見地での苦渋の判断となりますが、本補正予算に同意する判断に至ったところであります。
ただし、令和2年度から令和4年度までの3年間を集中改革期間とされていますが、市の財政への影響等を考えると、各年度における収支の改善状況や市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)の進捗状況が芳しくない場合、経営健全化団体入りも含めて、今後検討の余地があるということを申し添えて、今回が最後のチャンスとも言うべき病院再建について、市立病院のみならず市長を先頭として市一丸となって取り組んでいただくことを要望して、賛成の討論といたします。
以上です。

議長(角田 一君)

ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第24号を起立により採決いたします。
議案第24号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第27号 令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)に対する討論に入ります。
討論ありませんか。

鈴木 誠君

議案第27号 令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)について、反対の立場で討論いたします。
本補正予算は、令和元年度の病院事業会計の純損失が約12億5,410万円と2年連続で10億円を超える巨額の赤字の見込みとなり、資金繰りのために借り入れている一時借入金27億円の年度末の返済の原資として13億円を一般会計から長期で借り入れるなどとするものです。
昨年度末に借り入れた6億円と同様の形で今年度も借り入れを行うことは、以下の理由により適切ではないと考えます。
まず、現時点で、今後の事業計画も、収支計画も、返済までの資金繰りの見通しも、計画どおりいかない場合の対応方法も示されておらず、長期貸し付けを受ける基本的な条件を満たしておりません。
昨年度末の6億円の借り入れ時には、これで最後にしたい、全力を挙げて収支改善を図る、昨年度のみの対応であるとのことで令和元年度からの経営再建をお約束いただきましたが、残念ながら経営状況は昨年度以上に悪化しており、同じ失敗を繰り返すことはできません。
次に、地方公共団体の財政の健全化に関する法律における資金不足比率は、平成29年度が4.3%、平成30年度が10.0%、令和元年度は本補正予算による借り入れを行った場合に3.0%となる見込みですが、平成30年度末に6億円を借り入れなかった場合は21.6%、本補正予算により13億円を借り入れない場合は30.9%となることが示されました。
実態としての資金不足比率は、既に2年連続して経営健全化基準である20%を超えており、13億円を借り入れることで年度末の資金不足を少なく見せることは不正とも受け取られかねない行為であり、市民にわかりやすく正確な財政情報を開示するという法の趣旨に反しており認められません。
さらに、資金不足比率が経営健全化基準を超えている現状は、本来、市は経営健全化団体となり、国と北海道の指導のもと経営健全化計画を策定しなければいけない状況になっています。
平成18年の経営危機以降、専門家の外部委員からの意見を伺いながら自主再建の道を進んできましたが、残念ながら危機をより深刻化させる結果となりました。過去の市立病院の歴史をひもとくと、経営危機を克服できたのは昭和56年に準用再建団体となり国と北海道の指導を受けたときのみです。これまでの経緯を振り返っても、自主再建という手法がいかに甘いものであるかを物語っているものであり、過去の知見が受け継がれている議会として今こそ、より再建の可能性が高い経営健全化団体の道を選ぶという厳しい対応を行うことが求められているのではないでしょうか。
最後に、今回の13億円の借り入れは8年間の据え置きで令和10年度から返済を行う予定となっておりますが、借入金を8年間も据え置きすることはあまりに無責任な対応と言わざるを得ません。返済までの資金繰りの見通しも全く示されておらず、また、これまでの病院経営を振り返ると、これから10年の中でどのような危機が新たに発生するかなど全く予想できず、令和10年度以降の償還繰り延べはどんな根拠のもとで計画したのか疑問に思うところです。私たち議員は自分たちが責任を持てる任期の中で道筋を示すべきであり、将来世代に負担を先送りすることは厳に慎まなければなりません。
以上の理由により、令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)について反対の討論といたします。

議長(角田 一君)

ほかに討論ありませんか。

清水直幸君

議案第27号 令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)について、賛成の立場で討論いたします。
本議案は、市立病院の決算見込み等による業務の予定量並びに、収益的収入及び支出、資本的収入及び支出の増減調整を行うものであり、令和元年度の純損失が約12億5,410万円となったほか、純損失による資金不足が13億円となり、その13億円を一般会計より借り入れ、8年間据え置きの13年間で償還しようとするものであります。
これまでも、平成27年度には7億5,000万円、平成30年度には6億円を一般会計から借り入れたところであります。平成29年には、江別市立病院新公立病院改革プランを策定し、経営改革に取り組んできたところでありますが、医師の退職等も重なり、極めて厳しい経営状況が続き、プランどおりには進展できずにいます。
議会においては、平成29年6月に市立病院・地域医療検討特別委員会を立ち上げ、1年数カ月にわたり取り組み、調査を重ね、課題をまとめてきました。その結果、市立病院の再建に向けた経営改革を進めるには、幾つかの課題と、専門的知識や豊富な経験を有する方々に助言などを求める場の設置について検討することを提言するに至りました。それを受け、昨年8月に江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会が設置されました。江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からは、来年度以降、経営再建に向け、組織体制の見直しと経営の改善策が示され、それを受け、理事者からは、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)と集中改革期間である3年間が示され、来年度から取り組みが始まろうとしています。
まずは、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から出された提言を速やかに取り組み達成することが、自主再建の最後の道と考えます。
よって、病院経営は日々の変化に対応し、進捗状況をしっかり分析し、議会としても今後の対応を綿密に把握することが必要と考えるものであります。
病院事業会計の起債償還につきましては、先延ばしであるとの意見もありますが、現状に鑑みると、とらざるを得ない策であると考えるものです。また、資金不足比率の問題については、理事者質疑の中で述べられていたましたけれども、資金不足比率を偽るものではないが、そのように見えることについて、しっかりとわかりやすく市民の皆さんに丁寧な情報発信することを強く要望いたします。
また、同じく質疑された経営健全化団体になることについては、答申に沿った再建計画の進捗に影響が出るものであると考え、今回の資金不足13億円の貸し付けに賛同するものであります。
公の病院は社会資本であり、市民の健康と命を守るためのとりでであります。しかし、市立病院の経営が市の財政に際限なく依存し、一般会計を圧迫し続けることは、獅子身中の虫が時を刻むごとに大きくなるのと同様です。江別市の財政に余力がなくなっていることを考えると、まさに今が崖っ縁であります。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申を確実に、しかも早急に実行できなければ、経営の健全化という次の段階へ進むことができないことを申し上げ、議案第27号 令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)に賛成の討論といたします。

議長(角田 一君)

ほかに討論ありませんか。

高橋典子君

議案第27号 令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)について、賛成の立場から討論いたします。
このたびの補正予算は、今年度内に見込まれる一時借入金27億円の返済について、新年度予算で病院事業会計繰出金約14億円を充当し、さらに不足する資金13億円を令和元年度の補正予算で対応しようとするものです。その財源を、繰越金の2億5,000万円、財政調整基金の7億5,000万円、基本財産基金の3億円で措置するという内容です。病院事業会計は、この間、医師の退職などによる収益悪化が続き、運転資金の不足を一時借入金で対応する事態となってきました。一時借入金の年度末累計は27億円に達する見込みで、新年度当初には返済が求められます。しかし、現状では、その返済の原資を一般会計からの繰入金に頼らなければならない厳しい状況にあります。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申に示される市立病院の経営再建の実効性を確保するための方策では、令和2年度から令和4年度までの3年間を集中改革期間、令和5年度での収支均衡を実現すべきとし、このために、一般会計からも適切な支援が必要であると述べられています。委員会審査の中でも説明されたように、貸付金の償還が集中改革期間における資金不足に影響することがないよう考慮するとともに、他の企業債も含め、既存貸付金の元金償還時期の延伸と新規貸し付けの元金償還時期を設定するとされています。
また、令和元年度の一般会計借入金である13億円の償還は、8年間据え置きの後、令和10年度から令和14年度としています。また、令和5年度以降の病院事業会計の起債償還額は約8億円を上限とし、令和10年度以降、病院改築起債の償還終了後は約6億円から約5億円へ、さらに2億円台へと推移し、実現性の高い償還額が見込まれています。
市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)は、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申項目に沿ってつくられており、おおむね理解できる内容です。市立病院の努力のみでの解決が難しい課題もありますし、丁寧な対応が求められる課題もありますが、経営改善に向けて努力される方向性が示されています。
なお、委員会審査の中で、資金不足比率とのかかわりで経営健全化団体の指定に関する議論もありました。
かつての法律のもとにおいては、病院事業経営健全化措置として、1974年の第1次から2008年終了の第5次にわたって特別交付税措置などが行われてきましたが、地方公共団体の財政の健全化に関する法律のもとでは、経営健全化措置は基本的に廃止されたと、自治体問題の研究者等からも説明されております。さらに当市では、かつての準用再建団体を知る方たちから、その際の不自由さを聞くこともでき、可能な限り経営健全化団体となることは避けるべきものと理解できます。
理事者質疑でも説明されたように、一般会計からの支援を受けながら自主再建を進めることは、周産期医療や小児医療などの不採算部門も含め市民の医療を守るためにも、合理的な判断と考えるものです。
集中改革期間の3年間の設定については答申の中に示されているものであり、長期にわたる償還の見通しについても、現時点で考えられる妥当な範囲と考えます。責任の持てる期間で行うというのであれば、市長も私たち議員も、現任期は残すところ3年ほどしかなく、その期間で問題を解決するのは現実的とは思えません。
行政はその後も継続されるものであり、その中で計画的に実現させていこうとすることは、決して問題の先送りと表現されるようなものではありません。
一部に、財政再建団体の指定を受けた北海道内の自治体と同様になるのではないかと危惧する声もありますが、当該自治体の例は性質の違うものであり、当市においては逐一、議会への説明がなされてきています。不安を持つ市民に対し、市として丁寧に説明することは当然求められますが、これは議員としても市民目線から、機会があるごとにさまざまな場で理解が進むよう努力するものであると考えます。
答申の終わりにでは、市立病院という医療資源を失う事態に至ることは、市民が地域で安心して暮らし続けていくことにとって非常に大きな損失であるとされています。病院経営について、それぞれ専門の立場から御参加いただいた江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から出された答申をもとに、財政面から適切に市立病院を支援していくことは必要な措置であることを申し上げ、議案第27号について、賛成の立場からの討論といたします。

議長(角田 一君)

ほかに討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより議案第27号を起立により採決いたします。
議案第27号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、原案のとおり決しました。

◎ 意見書案第1号

議長(角田 一君)

日程第6 意見書案第1号 新型コロナウイルス感染症の早期終息に向けた対策を求める意見書を議題といたします。
提案理由の説明を求めます。

三角芳明君

ただいま上程になりました意見書案第1号 新型コロナウイルス感染症の早期終息に向けた対策を求める意見書につきましては、地方自治法第99条に基づき、江別市議会会議規則第13条第1項の規定により提出したものでございます。
提出者は、石田議員、岡議員、齊藤議員、干場議員、吉本議員そして私、三角でございます。
以下、案文の朗読をもって提案理由の説明とさせていただきます。
新型コロナウイルス感染症の早期終息に向けた対策を求める意見書
昨年、中国で確認された新型コロナウイルスによる感染症は、今や世界各国へと拡大し、死者数も数千人を超えている状況であります。
北海道においても、連日感染者数がふえている状況であり、緊急事態宣言を行い、感染拡大防止に向けてさまざまな対策に取り組んでいるところであります。
本市においても、複数の感染者が確認されていることを受け、市民の不安は増大し、感染拡大を大変危惧しております。
こうした中、国においては、新型コロナウイルス感染症対策の基本方針を策定したところでありますが、国民の暮らしにも深刻な影響が出ており、早急かつ強力にこの方針に沿った対応を推進していくことが求められています。
よって、国におかれましては、感染症の早期終息と国民の安心・安全を確保するため、引き続き、地方自治体や医療機関等と十分な連携を図り、下記の事項に全力で取り組むことを強く求めます。

1 国内における感染拡大の防止に向けて、マスク等の必要な物資の円滑な供給体制の整備と支援の強化の実施を図ること。
2 患者の増加に備えた入院、治療体制の整備のための支援と感染制御に必要な物品の確保を図ること。
3 感染症の早期終息に向けて国際機関と連携協力のもと、ワクチン等の早期の研究開発の促進を図ること。
4 感染症対策により子供の教育等に生じた諸問題に、早急に具体的な対策を示すとともに、関係する団体へ
の速やかな財政措置を行うこと。
5 風評被害に万全の対策を講ずるとともに、中小企業への経済的影響を十分考慮し、緊急の資金融資等のき
め細かな経済対策を実施すること。
6 国際的な感染動向や国内の感染症に対する情報を正確かつ迅速に収集し、国民や地方自治体へ必要な情報
を的確に発信すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
令和2年3月5日、北海道江別市議会。
提出先は、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、国土交通大臣宛てであります。
よろしく御決定くださいますようお願い申し上げます。

議長(角田 一君)

これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
本件については、委員会付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
これより意見書案第1号 新型コロナウイルス感染症の早期終息に向けた対策を求める意見書に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、意見書案第1号を採決いたします。
意見書案第1号は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。

◎ 一般質問

議長(角田 一君)

日程第7 一般質問を順次行います。
鈴木誠議員の市立病院の経営財政問題についてほか1件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

鈴木 誠君

マスクをしていると、声がこもってしまうので、外させていただきます。
前段に意見書案の採決がありましたが、昨日、市民からのメールで、江別市における新型コロナウイルスへの対策について、御意見をいただきました。議員の皆さんにも届いていると思いますが、市民は心配すると同時に、早く終息することを願う方も多いと思います。意見書案が可決されたということで、一歩前に進むかと思います。議員と理事者の皆さんが精いっぱい対応することにより、市民の健康と命を守る取り組みをすべきと考えますので、皆さんの意思統一をしたいと思います。
議長の許可をいただきましたので、本題に入ります。
市立病院の経営財政問題についてほか1件について順次質問してまいります。
件名1、市立病院の経営財政問題についてです。
項目1、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申に対する見解と評価についてです。
令和2年2月5日に同委員会から提出された答申の内容についてですが、1点目は市立病院が担う医療の重点化として、精神科は縮小、皮膚科は縮小または廃止、一般病床は縮小、精神科病床は段階的に廃止するものです。2点目は、診療体制の確立として、必要な医療従事者を確保し、市立病院が担うべき医療に基づき内科診療体制を構築、医師の招聘体制の強化、看護体制の抜本的見直しです。3点目は、経営体制の構築として、ガバナンス強化、収益増加策及び経費削減策の実施です。4点目は、一般会計による公費負担の適正化等を経営再建に向けた中期戦略と位置づけ、集中改革期間である3年間で経営を再建し、令和5年度での収支均衡を実現するとの答申となっています。
この答申に対する市長の見解と評価についてお伺いします。
市政執行方針では、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申に基づき、組織を立ち上げて令和2年度からの集中改革期間内に対応したいと表明されていますが、どのような組織と取り組みを考えているのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
また、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申内容の実現性についてでありますが、一つ目の内科系医師の13名体制、二つ目の病床削減、三つ目の令和5年度までに収支均衡することは、実現可能でしょうか。これらについて具体的な計画が全く示されない中で、令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)及び令和2年度江別市病院事業会計予算が提示されたことに対して、極めて問題があると指摘せざるを得ません。
今後、予算決算常任委員会による審査において、十分議論していただきたいと思います。
項目2、集中改革期間における具体的な事業計画についてです。
本来であれば、令和2年度江別市病院事業会計予算と一緒に提出されるべきと考えるところですが、いつになれば事業計画は示されるのでしょうか。市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)が示されましたが、これが事業計画なのでしょうか。
集中改革期間における具体的な計画がない中で、長期貸付金として令和元年度江別市病院事業会計補正予算(第2号)で13億円、令和2年度江別市病院事業会計予算で2億6,000万円を提案することは、無責任極まりないことです。
いま一度、立ちどまり、集中改革期間内の事業計画と収支計画を策定して、市民議論を深めることが必要ではないかと指摘させていただきます。
令和元年度末に一時借入金を返済しなければならないという事情はあるにせよ、先の財政見通しが見えない中では、市民の理解を得るのは困難です。
項目3、長期貸付金の償還計画についてお伺いします。
平成27年度の長期貸付金における貸し付け残額約3億7,000万円は、令和5年度に償還を再開し、平成30年度の長期貸付金6億円は、令和8年度に償還を再開する。さらに、令和元年度の長期貸付金13億円は、令和10年度に償還を開始し、令和2年度の長期貸付金2億6,000万円は、令和11年度に償還を開始する計画であります。長期貸付金の合計額は25億円を超える額であり、その返済の多くを令和10年度以降に先送りすることは、経営責任者である市長として極めて無責任な対応ではないでしょうか。ましてや、償還猶予の財源として、病院改築の企業債償還を終えたときにできる資金を当てにしていることは極めて問題と感じます。医療機器の更新や建物の経年劣化による維持修繕費など、今後、多額の費用が必要となることから、企業債償還終了後の財源を当てにした償還計画について、市長はどのような判断をされたのか、御見解を明快にお答えください。
項目4、経営健全化計画の策定についてお伺いします。
地方公共団体の財政の健全化に関する法律では、公営企業の経営の健全化に関して経営健全化計画を策定し、監査委員の審査や議会への報告、住民への公表等を義務づけて情報開示を徹底することとされています。今年度末の資金繰りに関して、現在の借り入れ限度額を一時的に増額して6月までに経営再建化計画を策定し、市民への説明と議会での議論をすべきと思いますが、市長の考えをお伺いします。このことは、令和2年2月22日に新聞報道された市職員及び理事者の給与削減提案についても、再建計画の中では極めて重要な課題であります。
一般会計から病院事業会計への長期貸し付けを続けることは、本来の資金不足を根本から議論せずに一時しのぎをしていることから、経営内容を開示することにより市民への理解を深めることが重要です。今、拙速に判断することなく、3月から5月までに経営健全化計画を策定することが必要ではないでしょうか。
長期貸付金については、現在の一般会計の財政状況に鑑みても無理があり、経営健全化計画が示されない中で、今議会による短期間での審査では極めて危険であると指摘せざるを得ません。一番大切なのは市立病院の経営実態を周知し、将来にわたる経営健全化計画を市民の総意で策定することが必要と考えます。そのためにも、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく公営企業の経営に関して、経営健全化計画を策定することについて、市長の見解をお伺いします。
次に、件名2、江別市アイヌ施策推進地域計画の策定についてお伺いします。
項目1、アイヌ施策推進地域計画の策定に係る検討状況についてお伺いします。
令和元年第3回定例会にて一般質問した課題でありますが、江別市でのアイヌの歴史文化を継承・発展させるため、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律に基づきアイヌ施策推進地域計画を策定すべきではないかと質問させていただきました。まず、市役所内部での検討状況をお伺いします。
項目2、江別アイヌ協会等との協議・検討状況についてお伺いします。
令和元年第3回定例会の答弁では、北海道及び江別アイヌ協会等地域在住のアイヌの方々と相談して今後の進め方を検討していくとの答弁をいただきましたが、6カ月を経過して北海道アイヌ協会、樺太アイヌ協会とどのように相談し、検討してきたのかを御答弁いただきたいと思います。
項目3、アイヌ施策推進地域計画の策定の見通しについてお伺いします。
令和元年度のアイヌ政策推進交付金では、令和元年9月末現在で札幌市を初め、道内12市町と三重県松坂市に約6億6,000万円が交付されています。アイヌ政策推進交付金事業実施要綱では、アイヌの歴史調査及び周辺環境整備事業も対象とされ、対雁墓苑内にある対雁の碑の周辺整備を図ることも可能と考え、ぜひとも早期に関係団体と協議を進めていただきたいと思います。アイヌ政策推進交付金は、市町村においてアイヌ施策推進地域計画を策定することが条件となることから、早期の策定を求めます。
江別市としてアイヌ施策推進地域計画を策定する意向があるのかについて、明確に答弁されるようお願いいたします。
令和元年第3回定例会の答弁では、北海道、江別アイヌ協会及び樺太アイヌ協会関係者と相談してアイヌ施策推進地域計画を含めて検討していくとされていますが、今一歩、積極的な取り組みが必要ではないかと思うところであります。
以上、1回目の質問といたします。

議長(角田 一君)

鈴木議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

鈴木議員の一般質問にお答え申し上げます。
市立病院の経営財政問題に関しまして、まず、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申に対する見解と評価についてでありますが、市では、市議会に設置された市立病院・地域医療検討特別委員会や、江別市立病院シンポジウムにおける、専門家の助言を得る場が必要との意見を受けて、昨年8月、市民、学識者、医療関係者、市民団体代表者で構成する江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置したところであります。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会では、医療や公共政策等の専門家や市民の立場から、地域医療の中で市立病院が果たすべき役割、人口動向を見据えての将来的に必要な診療科の体制、さらには、これまで市立病院が経営不振と再建を繰り返してきた経過を踏まえての経営安定化策など、あらゆる観点から、計10回にわたり、市立病院のあり方に関する御議論をいただいたところであります。
本年2月5日にいただいた江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申では、市立病院が重点化すべき医療や診療科の再編、人員配置の適正化、さらには、医師招聘に向けた体制の構築、ガバナンス強化の必要性や外部委員会による点検・評価など、これまで踏み込んだ対応が難しかった、構造的・抜本的な課題にまで及ぶ内容となっており、私としましては、市立病院が自主再建による経営改善を果すための貴重な提言をいただいたものと、重く受けとめております。
また、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申における、医師招聘に向けた体制強化に関する提言につきましては、経営問題に関する最重要課題への対応と受けとめ、医師等の医療従事者の招聘に向けた専門組織の設置に向け、現在、検討を進めているところであります。
次に、長期貸付金の償還計画についてでありますが、市立病院では、病院建設や高額医療機器購入費用の起債償還とともに、一般会計から病院事業会計に対する長期貸付金をあわせて、年次の償還計画を作成し、償還することとしております。
本市議会定例会で補正予算案として提案しております新たな長期貸付金13億円につきましては、本年2月5日に江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から提出いただいた答申において、市立病院の経営再建を条件として、一般会計からの適切な支援が必要との提言をいただいておりましたことから、答申を踏まえた経営改善策を着実に実行し、収支均衡を図るため、平成27年度及び平成30年度の長期貸付金とともに一定期間の償還を猶予することで、後年次の償還額を平準化する償還計画としたところであります。
マスクを取って、答弁いたします。
償還計画における、令和10年度の起債償還や一般会計長期貸付金の返済見込み額は、病院改築費等の償還費が減額となることで、合計約7億6,000万円となっております。
一方で、病院改築費等の償還分に係る一般会計繰出金を差し引きして必要となる自主財源は、約5億3,000万円となる見込みでありますが、答申を踏まえて実施した経営改善の効果として、減価償却費などにより留保財源約5億4,000万円が生まれることから、これにより返済することができるものと考えております。
いずれにいたしましても、今後、市立病院が経営再建を果たすためには、集中改革期間である令和2年度から令和4年度までの3年間が非常に重要であると考えており、私といたしましては、市立病院が自主再建を果たすための支援として、現状の財政運営上、最善の償還計画であると判断したところであります。
次に、経営健全化計画の策定についてでありますが、市立病院の経営問題につきましては、昭和55年度には、準用再建団体の指定を受け、国の管理下で、職員数の削減や、診療材料・光熱水費の節減合理化、さらには一般会計からの繰入金の増額などを行い、昭和61年度までに経営再建を実現しております。
その後の経営問題への対応につきましては、市民に必要な医療を確保する観点から、一般会計からの繰出金や長期貸付金の支援等を行い、自主再建による改善策を行ってきたところであります。
平成28年度に生じた総合内科の指導的立場の医師退職を契機とする、現在の経営問題につきましては、市議会の市立病院・地域医療検討特別委員会においても御議論いただいたところでありますが、審査報告の中では、医師招聘や民間医療機関との連携強化、経営形態の見直し、病院職員のプロパー化、積極的情報発信などの御提言をいただいたところでありますが、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく経営再建に関する御意見はございませんでした。
また、市立病院の経営問題に対する市民や議会からの意見を受けて設置した、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から提出いただいた答申では、市立病院が集中改革期間中に、答申に基づく収支均衡に向けた取り組みを進め、経営再建を果たすことを条件として、市は適切な支援を行うべきとされております。
私としましては、議会の市立病院・地域医療検討特別委員会からの審査報告、また、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申の趣旨は、市立病院が自主再建による経営改善を果すための提言であると受けとめております。
このようなことから、地域にとって必要な医療体制を提供し、市民の健康を守るため、国の管理下ではなく、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申に基づく経営改善策を着実に進めることで、提言の趣旨を踏まえた自主再建による経営再建を目指してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、病院事務長ほかをもってお答え申し上げます。

病院事務長(白石陽一郎君)

私からは、市立病院の経営財政問題についてのうち、集中改革期間における具体的な事業計画について御答弁申し上げます。
市立病院では、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から2月5日に提出いただいた答申を受けまして、令和5年度の収支均衡実現に向けて、集中改革期間と位置づけされた、令和2年度からの3年間における、年度ごとの収益達成のための目標患者数や診療単価、人員配置の適正化を初めとする具体的な経費削減の取り組み項目、収支改善額を取りまとめた、いわゆる実施計画となる、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)を作成し、議会にもお示ししたところであります。
この市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)では、3年間の集中改革期間において、年度ごとに、診療科の再編や病床規模の縮小、診療科ごとの患者受け入れ数の目標管理による収益確保、医師招聘体制の構築による内科医の確保、人員配置の適正化、看護体制の見直し、委託費等の費用削減などに取り組むことで、令和5年度で約13億円の収支改善を果たし、収支均衡を図る計画となっております。
市立病院といたしましては、市立病院の資金不足への対応等の支援を受け、集中改革期間において、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)に基づく取り組みを着実に進めることで、経営再建に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、アイヌ施策推進地域計画の策定について御答弁申し上げます。
初めに、アイヌ施策推進地域計画の策定に係る検討状況についてでありますが、平成31年4月19日に成立しましたアイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律、いわゆるアイヌ新法に基づき、北海道では、令和元年10月29日に北海道におけるアイヌ施策を推進するための方針を定めたところであります。
この方針の中では、アイヌ施策の推進に当たっては、アイヌの人たちの課題やニーズなど、実態の把握に努め、アイヌの人たちの意見を十分踏まえることと定められておりますことから、健康福祉部管理課が窓口となり、昨年6月から3回にわたり、地元の江別アイヌ協会とアイヌ施策推進地域計画の内容に関する協議を行っているところであります。
そこで、御質問の市役所内部での検討状況でありますが、江別アイヌ協会からは検討する時間をいただきたいと伺っており、また今後、江別にゆかりのある樺太アイヌ協会とも協議を進める予定としておりますことから、具体的な御提案を受けた後、関係部局と検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、江別アイヌ協会などとの協議・検討状況についてでありますが、江別アイヌ協会との協議では、今後どのような事業を行いたいかを中心に御意見を伺い、国から交付金を受けて事業を実施することの賛否も含め、さまざまな御意見があることを伺ったところであります。
また、ことしの2月4日の協議では、他の自治体におけるアイヌ施策推進地域計画の策定状況や、国へ交付金を申請する場合のスケジュールについて、市から情報提供したところであります。
いずれにいたしましても、先ほど御答弁申し上げましたとおり、江別アイヌ協会からは、国の交付金に基づく事業の実施について、内部でもう少し検討する時間をいただきたいと伺っているほか、今後、樺太アイヌ協会とも協議を進めてまいりたいと考えております。
次に、アイヌ施策推進地域計画の策定の見通しについてでありますが、アイヌ施策推進地域計画の策定に当たりましては、既にアイヌ施策推進地域計画を策定した自治体の状況によりますと、地元のアイヌ協会との協議に多くの時間を要しているところであります。
市としましては、江別アイヌ協会及び樺太アイヌ協会の双方から事業内容等の御提案を受け、庁内で計画策定に向けた検討を行った後、北海道や国と計画内容に関する事前協議を行いながら計画の策定を進める必要があり、江別アイヌ協会の意見集約には、一定の時間を要するものと考えております。
いずれにいたしましても、まずは江別アイヌ協会や樺太アイヌ協会と十分に協議を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

鈴木 誠君

順次再質問させていただきます。
まず、1点目の市立病院の経営財政問題でございますが、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の見解と評価につきまして、私は、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を評価して、具体的にどのように進めていくのか、また、答申に基づいて将来にわたる市立病院の姿を市民の皆さんと共有しながら進めていく必要性があると思います。先ほどの質問でもお聞きしましたが、答申内容の実現性についてでありますが、具体的な3カ年の事業計画や収支計画が提示されない中で、私には判断できません。市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)は、行程表であることは理解できますが、これに加えて3カ年の収支計画を策定すべきではないかと思います。行程表の最下段に記載されています、単年度で約7億円の収支改善をできる理由がわかりません。それを具体的に提示するのは収支計画であると思っています。現在予算書を作成しておりますので、それに類似した形の診療科別の数値を出しながら、毎年検証していく取り組みが必要であると思っておりますので、その点についてお伺いします。

市長(三好 昇君)

再質問にお答え申し上げます。
まず、3年間の収支計画につきまして、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申を受けて作成した、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)において、まず収益では、集中改革期間の診療科ごとの診療収益の見込みについて1日平均の患者数と診療単価により、実現可能な目標を設定して算定しております。その達成状況を進捗管理することで、実効性を高める内容としております。
また、費用においては、職員配置体制の適正化による給与費削減、材料費や委託料の縮減などによる年度ごとの削減額を算定し、計画的に費用削減を進める内容としております。
このように、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)では、令和2年度からの集中改革期間において、各年度の収支計画を見込み、その計算のもとに、令和5年度において、13億円の収支を改善する見通しを示したところであります。
以上でございます。

鈴木 誠君

1回目の質問に対する答弁と全く同じ内容ですが、令和5年度において13億円の収支を改善する見通しの裏づけとなる具体的な数値が出てきていないことに問題点があると思います。私が調べたところによりますと、長野県や兵庫県にあります経営健全化団体は、4年間の計画を策定し、単年度ごとの収支決算書を作成し、診療科別の数値も含めて目標数値や削減できる部門についての具体的な姿が示されています。その点について改めてお伺いします。

市長(三好 昇君)

収支計画の具体的な数値ということでございますが、今ほども申し上げましたとおり、3年間にわたりまして、年度ごとの入院と外来の収益や職員給与の問題及び経費等を含めた具体的な計算をしております。それを集約したものが、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)でございますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
以上でございます。

鈴木 誠君

今、市長がおっしゃったとおり、計算しているということであれば、今後の予算決算常任委員会で提示していただいて、それをもとにして計画どおり進むのかどうか、令和2年度の約7億円の収支改善を図ることの実現性について議論させていただきたいと思っておりますが、提示していただけるということでよろしいでしょうか。

市長(三好 昇君)

予算決算常任委員会で御指摘がございましたら、数値をお示ししたいと思います。
以上でございます。

鈴木 誠君

ぜひお願いします。
次に、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申が、自主再建による経営改善を果たすための貴重な提言と答弁されておりましたが、私が答申書を読む限り、再建することは書いてありますけれども、自主再建という手法については、理事者の判断によると市長は思っているのでしょうか。私はそう思っていないのですが、市長はそのように受けとめているのでしょうか。

市長(三好 昇君)

再建の考え方ということでございますが、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申では、自主再建による経営再建を目指すことに触れていないのではないかという点でございますけれども、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申では、過去に生じた病院事業会計の資金不足については、市立病院の経営再建を条件として、一般会計から適切に支援を行うべきとされております。また、経営再建の実効性を確保するため、外部委員会による評価・点検が必要とする提言をいただいております。
私といたしましては、答申の内容を踏まえて、一般会計の適切な支援のもとに、市立病院が地域にとって必要な医療を確保しつつ、自主再建による経営改善を果たすべきとの提言として受けとめているところであります。
以上でございます。

鈴木 誠君

その部分をお聞きしても、明快にお答えいただけないと思いますので、次の課題について質問したいと思います。
1点目でも質問しましたが、3カ年の事業計画と収支計画は、私自身や当会派としても疑問視するところであります。市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)というのは、あくまで行程表でありまして、3年間で何をするのかが示されているという理解です。しかし、これが事業計画書であるということに対して、疑問視するところであります。1点目の質問で、予算決算常任委員会で要求があれば資料を提出すると、市長からのお答えをいただきましたので、予算決算常任委員会で議論を深めて、市民への情報開示を含めて進めていただければと思います。
2点目としては、令和5年度で約13億円の収支改善を図るとしていますが、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)で示された各年度の収支改善額を足していくと約13億円という数値が出てくるのですが、何をもって約13億円の積み上げにされたのか理解できません。その点をお伺いします。集中改革期間における具体的な事業計画の中で、約13億円の収支改善が図られるということですが、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)のどの部分を読み取れば、約13億円の収支改善となるのでしょうか。

市長(三好 昇君)

3年間における収支状況につきまして、令和5年度までに約13億円の収支改善が図られる根拠でございますが、先ほどお答え申し上げましたとおり、市立病院では、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を受けまして、令和2年度から3年間における診療収益と費用の改善額を見込み、具体的な取り組み項目であります、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)を議会にお示ししたところでございます。そこで令和2年度では、消化器内科医の確保によります診療収益の増加、病床規模の縮小によります病床利用率の向上のほか、委託料の削減や材料費の増加抑制等に取り組むこととしております。こうした収益確保と費用削減を令和3年度以降も計画的に進めることが、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)に記載されております。それを積み上げた数値が令和5年度までに約13億円の収支改善として、見込んだということです。いずれにいたしましても、年度ごとに収支計画を立て、その収支計画をもとに出している数値です。その合計が約13億円ということですので、御理解いただきたいと思います。
以上でございます。

鈴木 誠君

毎年度の診療科目別の積み上げをして、各部門別の経費の数値を出して、節減をしていく方向性を示しているのであれば、なぜそれを数値として当初から出さなかったのかを逆に問われると思います。そのあたりについてはいかがでしょうか。

市長(三好 昇君)

市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)の作成に伴う基礎的な資料の考え方でございますが、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から答申をいただきまして、その項目に基づき、年度ごとに計算いたしました。令和2年度は、予算要求に基づき計算しております。令和3年度と令和4年度については、答申に基づき、何人をどういった形で整理するかといった職員の問題、さらには、医師を何人ふやして診療収入をどれだけ上げるかという具体的な数値を積み上げて整理しております。令和2年度予算につきましては、お示ししたとおりでございます。令和3年度と令和4年度につきましては、計算して金額と計画はお示ししておりますが、予算書のような形では整理しておりませんので、今後の対応となります。
以上でございます。

鈴木 誠君

再三お聞きしていますけれども、市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)の、3年間で収支改善を図っていくという姿勢はわかりますが、その裏づけを出してくださいということです。市立病院の経営再建に向けたロードマップ(案)に書いてありますという答弁では理解できませんし、のみ込むことができません。私の理解が不十分なのかもしれませんが、見えてきませんし、疑問が湧いてきます。
次に、長期貸付金の償還計画についてお伺いします。
答弁では、現状の財政運営上、最善の償還計画であると判断したとされておりますが、具体的に何をもって最善の償還計画なのか、お伺いします。

市長(三好 昇君)

償還計画についてでありますが、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を踏まえ、経営改善策を着実に実行し、市民に必要な医療を提供しながら収支均衡を図っていくためには、集中改革期間中の償還を猶予する必要があり、また、その償還の実行性を高めるには、企業債の償還額などを含め、後年次の償還額を平準化する必要があることに配慮した償還計画としたものであります。償還する際に凹凸があって、年度ごとに事業計画が変わることにはなりませんので、平準化した償還計画を立て、さまざまな事業に影響のない形で作成することが一般的であると考えております。
以上でございます。

鈴木 誠君

それが最善であるということで、後年次にわたって平準化を図っていくことは、後年次に負担をしていくことになります。後年次には、市立病院の建築費の起債の償還も終わることになるので、年間5億円ぐらいの枠が出てきます。令和9年度か令和10年度に償還が終わることになります。その時点を見越しての話かと思いますが、そのころになると建物の維持修繕費などが莫大に出てくると思います。その財源を当てにしてよいのかということです。償還が具体的にされるのは8年、9年先の話です。後代の市民や職員に先送りすることを問題視しておりますが、御見解はいかがでしょうか。

市長(三好 昇君)

先送りすることに対しての考えということですけれども、市立病院の維持管理費が出てくると思いますが、通常の中で、資金を貯めながら対応していくことになります。計画を先送りすることの考え方ですが、自治体は3年間、5年間、10年間などのさまざまな計画があります。その計画に基づいて対応してまいります。今回は、病院の再建ということで、令和10年度以降の償還計画を立てました。その計画については、市町村にとって、全体の予算の中でその時期に償還計画を立て、市立病院において償還することで、経営はできるということから、それはベターな償還計画であろうと思います。
以上でございます。

鈴木 誠君

現在約14億円を毎年度、一般会計から繰り出しています。準用再建団体のときは、6億円から7億円でした。新しい建物を建てたことにより、償還額がふえました。私は繰出金を否定するものではありません。市民にとって必要な救急医療や産科医療、小児医療など不採算部門に対する支出は当然であると思っています。場合によって、それを上回る繰り出しをすることは、議会の中での議論が終わって、議決されれば十分繰り出していけると思います。実際には約14億円の繰り出しのうち、約5割が起債の償還財源として一般会計から支出されています。結果的に約14億円は4月初めに支出されます。その後、一時金の短期借入金の償還の財源として約14億円を使ってしまうことになります。また、年度末で資金不足となり、13億円の貸し付けをするときに、当初の14億円の資金の使途、一度、病院事業会計という財布の中にお金が入ってしまったときには、お金に名前がついているわけではないので、本来、医療設備の費用に使うべきところを、資金不足による返済の財源に使われていると言えます。どこかで悪循環を断ち切らなくてはいけません。そのために経営改善をしていると思いますが、繰出金のルールからすると、変則的な繰出金の使い方になっていると危惧しますが、それに対する御見解をお伺いいたします。

議長(角田 一君)

一般質問の途中でありますが、暫時休憩いたします。
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午前11時46分 休憩
午前11時47分 再開
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議長(角田 一君)

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。

市長(三好 昇君)

一般会計からの繰り出しの目的でありますが、地方公営企業法において、小児、周産期医療など採算性が低い医療や病院改築時の起債償還などに対して、一定の基準に基づき、一般会計から繰り出しをしております。
令和元年度の例では、一般会計から4月に繰り出した約14億円を、市立病院の資金運用上、前年度末に借り入れた一時借入金の償還に充てたところであります。
繰出金の使途といたしましては、その年度の業務執行に必要な資金として繰り出すものであり、市民に必要な医療を提供するための資金運用として、やむを得ない措置であると認識しております。
以上でございます。

鈴木 誠君

この問題につきましては、予算決算常任委員会でしっかりと議論をしていただいて、市民にわかりやすく説明していただければと思います。
次に、4点目の経営健全化計画の策定について、再度お伺いします。
市長がお答えしやすいように、項目を四つに分けて質問してしまいましたが、一括して質問するということで、大変申しわけございませんでした。
1点目として、過去の準用再建団体時、国による厳しい管理をされてきました。当時、私も市職員として市立病院の再建を目の当たりにしてきました。ただ、結果として、非常に厳しい賃金の合理化と職場の配置転換をしました。一方で、緊張感があり、財政規律を組み立てたことにより、当初の予定年数よりも早期に財政再建されたと、私はプラス思考で認識していました。今回の問題では、果たして自主再建により本当に収支改善が可能なのか危惧いたしまして、私は経営健全化団体の指定を受けることが、待ったなしの、退路を断つ取り組みとなるのではないかと考えますが、市長の答弁をお願いします。
次に、市立病院・地域医療検討特別委員会の議論では、経営健全化団体にするという意見はないとの答弁でしたが、当時は6億円の貸付金であり、今年度は13億円の貸付金であります。そして令和2年度予算は2億6,000万円の貸付金となり、合計が15億6,000万円であり、2.6倍となります。市立病院・地域医療検討特別委員会では、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく経営再建に関する意見はなかったとの主張には無理があるのではないでしょうか。再度答弁をお願いします。
また、市立病院・地域医療検討特別委員会からの報告と江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申の趣旨を今の組み立てから見て、私はいかがなものかと思っております。その点を説明しないと、市民はわからないと思いますので、明快にお答え願います。

市長(三好 昇君)

鈴木議員の再質問に御答弁申し上げます。
まず、経営健全化団体となって取り組むべきではないかとの再質問でございますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、議会の市立病院・地域医療検討特別委員会や江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会における御議論や御提言は、自主再建による経営再建を果たすべきとの趣旨であると受けとめております。
私としましては、地域にとって必要な医療を提供し、市民の健康を守るため、国の管理下ではなく、自主再建による経営再建を果たしてまいりたいと考えております。
次に、地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく、経営再建に関する市立病院・地域医療検討特別委員会における議論についてでありますが、平成30年度に一般会計から市立病院に対して6億円を貸し付ける補正予算案を御提案した際には、市立病院・地域医療検討特別委員会において、貸し付け前と貸し付け後の資金不足比率の具体的な数値や資金不足比率が経営健全化基準の20%を超えて経営健全化団体となった場合の取り扱いについてもお示ししながら、御議論をいただいたところであります。
貸付金額の違いはありますが、こうした御議論の中では、経営健全化団体として国の管理下で経営再建を進めるべきといった御意見はなかったものと承知しております。
次に、市立病院・地域医療検討特別委員会や江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申の趣旨についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、市立病院・地域医療検討特別委員会においては、資金不足比率の具体的な数値や経営健全化団体の取り扱いなどをお示ししながら御議論をいただいた結果であると認識しております。
また、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会では、外部委員による点検・評価や、着手可能な経営改善への早急な取り組みの必要性、経営再建を果たすことを条件として、市が適切な支援を行うべきといった御意見をいただいており、私としましては、こうした御意見の趣旨は、自主再建による経営再建であると受けとめているところであります。
以上でございます。

鈴木 誠君

市長とのやりとりは平行線のままでありますが、全国の自治体病院で経営健全化団体となっている事例を調べてみました。長野県大町市にあります市立大町総合病院は、平成30年度から4年間の経営健全化計画を現在進行中でございます。平成30年度では、資金不足比率の計画値が20.6%であり、実績値が18.1%へと2.5%改善されております。兵庫県川西市にあります市立川西病院は、平成27年度から平成30年度の計画となっており、令和元年度に経営健全化団体の指定が終わった段階で、指定管理者制度に移行しました。それにより、兵庫県や大阪府を中心とする医療法人の傘下に入って指定管理者制度に取り組んでいます。これらの事例を見ると、市立川西病院では、約12億2,000万円の純利益を出しています。当市の条件とは違うかもしれませんが、市立大町総合病院も病床数では同じような規模となっています。今後これらについて調査をして、これらの病院では、地域医療や救急医療に取り組んでいます。予算決算常任委員会で市長より、経営健全化団体に指定されることによって、地域医療ができない可能性があるという発言がありましたが、私はそんなことはないと思います。全国の病院の吸収や廃止はありますが、国が地域の医療を崩壊させようというわけではなく、議論をして、市立病院の現状から一日も早く脱却するために何が得策なのかという議論をしていただきたいと思います。先ほど来、質問していますが、地域医療に影響する周産期医療、小児医療といった不採算部門が切り捨てられるという発言を市長がされると、自主再建のままがよいという流れになります。国がメニューをつくって、財政支援はないけれども、経営健全化団体の指定を受けることによって、市民に情報を開示して、市民とともに市立病院を再建するというスタンスになれると思いますし、そのように進めていただきたいと思います。市立大町総合病院と市立川西病院は長年、自主再建を進めてきましたが、資金不足比率が20%を超えて、経営健全化団体となって、改善されつつある自治体病院です。
この3年間の集中改革期間にかかわらず、初年度の動向、また、経営内容を見据えた上で今後の議論がなされると思いますが、この3年後の姿で結果を見るのではなくて、例えば、半年で経営内容が確定した段階で、経営状況を見て来年度以降どうするかという考えを示していただきたいと思いますが、そのあたりについて、いかがですか。

市長(三好 昇君)

今後の病院運営に関連しての取り組みということですが、先ほどもお答え申し上げましたけれども、3年間で収支均衡を図ろうということで、3年間で集中的に改革に取り組むということです。その取り組み状況につきましては、今後、外部委員会を設置して、評価と指導を受ける形になります。その時点で必要なものがあれば、見直しをしながら、経営健全化に向けた取り組みを進めていく仕組みをつくっていきたいと思います。
以上でございます。

鈴木 誠君

総論としては、わかります。先ほどの補正予算の討論の場で各会派から発言がありました、3年間を単年度で実効性、経営状況、将来の見通しを見定めて、令和3年度になったときに、今年度と同じように資金収支不足になったという場合、経営健全化団体入りをするということを選択肢の一つとして残しておかなければ、3年間は自主再建するということに対して、各会派の討論の内容は異なってくると思いますので、今後、取り組んでいただきたいと思います。
次に、アイヌの問題についてです。
要望といたしますが、昨年9月に質問した、江別アイヌ協会や樺太アイヌ協会の御意見も含めて、取り組む課題でした。樺太アイヌ協会からは、ぜひとも樺太移住殉難者墓前祭に市長にも参加していただきたいという話があります。毎年、担当部長が来ていただいて、市長のお言葉を表明しておりますが、今年度にアイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律が制定され、アイヌ民族の歴史と文化を将来にわたって後世につなげていくというスタートの年度ですので、先ほどの答弁の内容を受けとめて、これからのアイヌ施策に取り組んでいただきたいと要望します。ぜひとも市長においては、そのことも含めてことしの樺太移住殉難者墓前祭には市長みずから参加していただきたいと要望し、私の一般質問を終了します。

議長(角田 一君)

以上をもって、鈴木議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午後 0時02分 休憩
午後 0時59分 再開
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副議長(相馬芳佳君)

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
高橋典子議員の指定管理者制度についてほか2件の質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

高橋典子君

マスクの着用についてですが、目の前で議会事務局の職員が座って仕事をしています。可能性は非常に低いですけれども、万が一、不顕性感染をしていて、飛沫により事務局職員に迷惑がかかることがあってはなりませんので、会長会議の合意に基づき、可能な限りマスクをして、質問させていただきますので、よろしくお願いします。
それでは、質問に入りますが、今期定例会は、第1回定例会ということで、来週には新年度予算の委員会審査もあります。予算に関係する事務事業には触れないように、今回の一般質問を組み立てましたので、物足りなく感じられるかもしれませんが、御理解のほどお願いします。
それでは、件名1の指定管理者制度についてです。
項目1の指定管理者制度の導入状況に関する評価についてお伺いします。
公共施設はもともと、自治体自身が管理するものとされていましたが、地方自治法の改正により管理委託制度が導入され、さらにその委託先の範囲が広げられてきました。そして、ついに2003年には、公の施設の管理主体の制限を撤廃し、民間の事業者も含め、自治体が指定する法人その他の団体に管理運営を行わせる指定管理者制度が導入されました。
指定管理者制度は、行政のスリム化とか民間にできることは民間にと、公共サービスを市場開放し、民間に参入の機会を与えるとして進められました。しかし、全国各地でさまざまな問題が起こったことも知られており、また、当市においても幾つかの施設でトラブルが発生し、市としてその都度対応しながら現在に至っている状況です。
指定管理者制度を導入した施設については、それぞれ外部評価を受けており、一定の評価を得ているところではありますが、一方で、当初説明されていたような、民間のノウハウを生かした民間らしいサービスの向上がどれほど実現しているかという点については、疑問も感じます。そもそも公共施設は、住民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供するための施設としてスタートしたものであり、利益を上げることを想定した施設ではありません。安定的に、継続的に、そして平等に、市民誰もが利用できる施設でなければならず、利益を計上することを目的とする民間事業者のノウハウとは相入れないところもあるのではないでしょうか。
そのような中、指定管理者制度を進めていくことについて、疑問を感じるところもあります。過去には事務事業評価表の成果指標に指定管理者制度導入割合という項目があり、80%台後半まで進められてきたと記憶しています。未実施施設について、さらに広げる意図をもって制度が運用されているのではないかということも、気がかりなところです。
そこでお伺いしますが、指定管理者制度について、現時点では公の施設全体に占める割合はどの程度であり、導入状況についてどのような評価をお持ちなのか、お聞かせください。
2点目に、今後の制度運用についてです。
次に、今後、指定管理者制度をどのように運用されるお考えなのか、お伺いします。申し上げたように、当市における指定管理者制度も、幾つかのトラブルを経験しています。市民会館は、一時、市の直営となったこともありますし、江別市都市公園については応募があったものの指定管理者として選定されず、新年度から直営で運営することになっています。また、本当に指定管理者制度になじむのか、疑問のある施設もあります。
指定管理者制度が開始されてから15年ほどが経過しており、この際、一度しっかりと制度を検証して、今後、どのようにしていくか、方向性を考えることも必要ではないでしょうか。指定管理者制度が効果的な施設もあれば、それほどの効果を発揮するのは難しい施設もあるでしょうし、この際、直営を基本に据えながら一部民間の力もおかりするなど、それぞれの施設にあった管理運営のあり方を見出し、判断していくことも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお伺いします。
2件目に、環境に配慮したまちづくりについてお伺いします。
日本共産党は、さきの日本共産党大会で党綱領の一部を改定し、原子力発電所は廃止して、核燃料サイクルから撤退し、原発ゼロの日本をつくる。気候変動から人類の未来を守るため早期に温室効果ガス排出量実質ゼロを実現する。環境とエネルギー自給率の引き上げを重視し、再生可能エネルギーへの抜本的転換を図ると定めました。
しかし、一方で、持続可能な発展を目指すための一環であるはずの再生可能エネルギーの取り組みも、環境規制の弱い日本では、きちんとしたルールや規制が未整備のままであり、利益追求を優先した乱開発が起こり、環境保全や住民の健康・安全にかかわる問題を引き起こしていることも、政策の中で指摘しているところです。
事業の立案及び計画の段階から情報を公開し、事業者、自治体、地域住民、自然保護関係者、専門家など広く関係者を交え、その地域の環境保全と地域経済への貢献にふさわしいものとなるよう、本来であれば国がコントロールをかけられるような制度をつくるべきと考えるところです。残念ながらこうした取り組みが十分行われない中で、全国各地の自治体において、それぞれ独自の取り組みをし、また、それぞれの事情を反映させた条例化の例もあるところです。
当市においてもこの間、ソーラーパネルの設置をめぐって、地域住民から景観への不満の声や、健康への影響はないのかなどといった不安の声が聞こえるところです。
いずれにしても、現状において設置自体は法的な問題がないことから、結果的には進められることになってしまいますが、少なくとも、住民の不安への対応は丁寧にされるべきと考えます。
さらにいえば、当市の魅力の一つに、田園の風景ということが挙げられると思います。人口約12万人の都市でありながら牧歌的な景色がすぐ身近にあるということが、例えば子育てするまちを選ぶ際のポイントの一つになっているのではないかと思いますし、長く住まわれている方たちにとっても、自宅からの景観を守ることが安心感につながるという気持ちは十分に理解できるものです。
以上のことから、当市として、こうした再生可能エネルギー関連施設の設置に関して、住民の不安の声に対応したり、事業者との調整に当たったりするなど、市民の意思を反映させるようなことについて、きめ細かな対応がなされているのか確認させていただくとともに、市としての対応方針を持ち、条例等に反映させて市民にも関係事業者にも見えるようにするなどといった取り組みも検討されてはいかがか、お考えをお聞かせください。
次に、第5世代移動通信システム、いわゆる5Gに関することについて、お伺いします。
国の政策のもと、この春から5Gが開始され、通信速度の超高速化、超多数同時接続によるIoTの普及などといったメリットが説明されています。その一方で、幾つもの懸念が指摘されているところでもあります。
これまでよりはるかにエネルギーの強い電磁波が使われることから、人間はもとより、昆虫や動植物、バクテリアなど、生態系への深刻な影響を懸念する指摘があります。電磁波過敏症と言われる症状を呈する方が携帯電話の普及とともにふえてきていて、健康への影響を心配する声もあります。5Gの開始により、さらに被害が広がることが心配されています。
総務省は、現在の指針値以下なら問題はないという姿勢ですが、5Gの電磁波に長期間被曝した場合の影響は、まだわかっていないとのことです。10年、20年経ってからわかっても、取り返しがつかないと、予防原則にのっとった対応が求められています。
世界各国でも、わが国の基準よりも厳しい規制を行っている国もあるとのことで、本来であれば国において慎重な対応が求められるところです。
残念ながら、そのようなことにはなっていないことから、計画どおりに進められるのではないかと思いますが、そのときに、各地に新たな基地局が設置されて初めて住民が知ることになるのではないでしょうか。
新聞報道によりますと、アメリカ合衆国では幾つかの自治体が、住宅地に5Gの基地局を設置することを禁止する条例を制定している例もあるとのことです。
こうしたことなども踏まえて、江別市としても市民の不安に応える対応が求められるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。お考えをお伺いします。
3件目の質問に入ります。
この件は、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部改正が行われたことに関する問題です。例えば、月末は忙しく月初めは比較的余裕があるなど、繁忙期と閑散期のある職場で、その状況に合わせて労働日や労働時間を設定し、1週間当たりの平均労働時間を40時間以下とするのが変形労働時間制で、変形期間を1カ月以内とする場合、1カ月単位の変形労働時間制と呼び、そうした期間で実施することが多いともお聞きするところです。このたびの法改正は、学校現場に1年単位での変形労働時間制を導入しようとするものですので、一般的には1年単位の変形労働時間制とも呼ばれています。正式に述べると長くなってしまいますので、以下、変形労働時間制と表現させていただきます。
国会の審議において、現場の教員、労働事件に取り組む弁護士、過労死遺族を初め多くの参考人から反対の声が上がり、野党が問題を指摘する中、自由民主党、公明党、日本維新の会などの賛成多数で昨年の臨時国会で法案を通してしまい、改悪とも言われるこの法改正は、公立学校の現場に大きな不安を与えています。
教員の過労による休職や過労死が大きな問題になり、教員の健康を守るとともに子供たちに豊かな教育を保証するためにも、教員の働き方の改善が求められていることは、多くの方の認識が一致するところだと思います。公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法は、4%の教職調整額の支給と引きかえに労働基準法第37条の割り増し賃金の規定を適用除外し、残業代を支給しないとしています。それが時間外労働を規制する手段を奪い、際限のない長時間勤務を引き起こしてきたと指摘され、本来であれば、この枠組み自体の見直しがされるべきであったと指摘されています。しかし、今回の法改正は、こうしたところへは手をつけず、1年単位の変形労働時間制を導入してしまいました。
この制度導入については、恒常的な時間外労働のないことが前提ですが、文部科学省の2016年の勤務実態調査では、公立学校の教員の時間外勤務は小学校で月59時間、中学校で月81時間に及び、恒常的な時間外労働が蔓延しているとのことです。タイムカードを導入した学校現場では、目標達成ができなくなるので5時半にはタイムカードを打刻してほしいと管理職に言われ、勤務時間の把握が実態と違っているといった声も報告されているとのことです。また、制度導入により校長、教頭など管理職の負担増も懸念されているところです。
この制度は、学校では年度初めが忙しいので、その間は頑張って働いてもらって、夏休みにまとめて休みをとることが想定されているようです。ここで心配なのは、忙しい年度末に引き続き、年度初めから夏休みまでの長期にわたって長時間労働をすることが、健康上の問題を引き起こさないかということです。1カ月単位の変形労働時間制と異なり、1年単位の変形労働時間制では、何カ月にもわたって長時間労働を続けることになってしまうという問題が指摘されています。
また、本当に夏休みにまとまった休みがとれるのかということも心配されています。現状では、夏休み中も連日のように業務があり、年次有給休暇の取得さえ難しいとも聞くところです。政府が説明してきたことについて、実際に制度が実施されたときにどのようになるのか、大きな不安の声があるところです。
ところで、この制度は、教員の労働時間の縮減を前提として導入することとされています。また、変形労働時間制を適用する教員は、残業時間が月45時間、年間360時間以下とするガイドライン以下でなければならないとされており、そのガイドラインが守れないとわかった場合は、年度途中でも制度の活用の指定を取りやめるとされています。さらに、そのためには、勤務時間の管理が正確に行われなければならないということになっています。
幾つもの課題や問題を抱えながら、法改正が行われてしまいました。今後、都道府県や政令市で条例改正を行った後、それぞれの自治体で制度の導入をどうするか、検討していくことになります。
制度が大きく変わることから、少々説明が長くなってしまいましたが、以下、三つの点についてお伺いします。
まず、教員の労働実態の把握についてです。述べてきましたように、この制度の導入には勤務時間が正確に把握されることが前提となります。国が示すガイドラインが守られなければ、制度を適用することはできないこともあり、労働実態が正確に把握される必要があります。
当市では、教員の労働実態の把握について、どのように行われているのか、正しく実態が把握されているのか、現状についてお聞かせください。
次に、2点目として、変形労働時間制において懸念される問題を述べさせていただきましたが、これらの点も含め、この制度に対しどのような認識をお持ちなのか、お考えをお伺いします。
そして、3点目として、当市の対応についてです。
この制度の導入は、自治体ごと、学校ごとに行われるものと伺いますが、当市ではどのように対応していくお考えなのか、北海道における条例改正が、まだこれからではありますけれども、北海道議会の令和2年第2回定例会で改正条例が提案されるのではないかとも伺うところですので、現時点でのお考えをお聞かせください。
以上で、1回目の質問といたします。

副議長(相馬芳佳君)

高橋議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

高橋議員の一般質問にお答え申し上げます。
指定管理者制度に関しまして、指定管理者制度の導入状況に関する評価についてでありますが、指定管理者制度は、公の施設の管理運営に関し、民間事業者が持つノウハウなどを活用することにより、サービスの質の向上を図り、施設の設置目的を効果的に達成することなどを目的としており、当市においては、平成18年度から制度の導入を進めてきております。
制度の導入に当たっては、平成16年度に指定管理者制度導入の適否や制度導入後の運用などに関する基準を整理したところであります。
具体的には、サービス内容の充実や民間事業者等のノウハウの活用が期待できるかなどの効果性、民間事業者等の管理により、経費の効率化を図れる可能性があるかなどの経済性、市民利用の平等性などを確保できる施設であるかなどの公平性など、七つの判断基準を定め、外部有識者による江別市指定管理者選定委員会に御意見をいただきながら導入すべき施設を決定したものであり、現在、公の施設300施設中281施設をその対象としているものであります。
御質問の指定管理者制度の導入状況については、現在のところ266施設に導入済みであり、公の施設全体に占める割合は約89%となっております。
また、導入済みの施設に関しては、江別市指定管理者選定委員会からもおおむね良好な評価が得られており、制度の導入目的に沿った適切な管理運営がなされているものと考えております。
次に、環境に配慮したまちづくりに関しまして、再生可能エネルギー関連施設の設置と地域住民の意思の反映についてでありますが、国では、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、いわゆるFIT法が創設され、再生可能エネルギー発電設備の導入が拡大してきております。
市としましても、これまでに、低炭素型社会の実現に向けた取り組みとして、新栄団地建てかえに合わせた太陽光パネルの設置や、本庁舎、小・中学校への太陽光発電設備の導入を実施してきたほか、江別ノーザンフロンティア発電所が竣工し、その後、一般家庭にも普及してきております。
一方、地域の環境保全の観点から、経済産業省は、再生可能エネルギー発電事業者に向けて、事業計画策定ガイドラインを策定し、地域住民に対して、一方的な説明だけに終わらず、適切なコミュニケーションを図るとともに、地域住民に十分配慮して事業を実施するよう努めることを求めております。
この取り組みの一つとして、同省が設置しているインターネット上に不適切案件に関する情報を誰もが書き込めるサイトを開設しております。
近年は、市内においても、住宅地に隣接してソーラーパネル等が設置される事例も見受けられ、一部で、市民から市への問い合わせや相談を受けております。
こうしたことから、市といたしましては、事業者からソーラーパネル等の設置に関する計画や土地利用に関する規制の確認等があった場合は、庁内連携により、相互に情報共有を図っているほか、市民からの問い合わせがあった場合は、事業者から事業計画の聞き取りや市民説明の実施要請、さらには、市民へ経済産業省のホームページをお知らせするなどの対応を行っており、引き続き、市民の不安の声に応えられるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
また、条例の制定につきましては、景観や防災の観点から、太陽光や風力発電等を対象として条例を制定している自治体がありますが、事業者に対して地域住民の理解を求める制度とされているものが多いと承知しており、当市において、条例の制定も含めどのようなあり方がふさわしいのか研究してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもってお答え申し上げます。

総務部長(後藤好人君)

私から、指定管理者制度についての御質問のうち、今後の制度運用について御答弁申し上げます。
指定管理者制度導入済みの施設に関しては、指定管理者の選定を原則として公募で行い、市民の平等利用や施設の効用発揮などの選定基準に従って、江別市指定管理者選定委員会の意見などを踏まえ、指定管理者を選定しております。
また、指定管理者制度導入の効果を測定するため、指定管理者が行うセルフモニタリングや、施設所管課等による定期的な評価や点検のほか、平成20年度からは、外部評価制度を導入し、より客観性を高めた評価にも努めてきたところであります。
こうした取り組みなどにより、民間のノウハウを生かした事例や市民意見を踏まえた対応として、公民館の月曜臨時開館やトイレの洋式化、市民体育館トレーニング室の早朝開放などがあり、市民の利便性やサービスの向上などにつながっているほか、江別市花き・野菜栽培技術指導センターにおいては優良苗などを地域に供給することで経済性を発揮しており、導入済みの施設に関しては、外部評価委員会からもおおむね良好な評価が得られております。
いずれにいたしましても、これまでも指定管理者制度の導入や指定期間・申し込み資格・非公募の条件などの変更に当たっては、江別市指定管理者選定委員会に御意見をいただく中で進めてきた経過がありますので、議員御質問の今後の制度運用につきましても、同様に江別市指定管理者選定委員会に相談してまいりたいと考えております。
以上であります。

生活環境部長(川上誠一君)

私から、環境に配慮したまちづくりについてのうち、第5世代移動通信システム、5Gのサービス開始に伴う懸念事項と市の対応について御答弁申し上げます。
5Gは、日本においては、本年中にサービスの提供開始が予定されている、次世代の移動通信システムであり、この通信方式に切りかわることで、2時間の映画が3秒でダウンロードできるようになるほか、自動運転や在宅医療、テレワークやICT教育など、幅広い分野に貢献することが期待されております。
一方で、5Gは生活の利便性の向上に寄与することが期待される反面、新たな基地局がふえることによる環境への影響が懸念されているところであります。
国においては、電波利用の普及や高度化に伴い、電波が人体に与える影響に対する懸念の増大に関して、科学的検証を積み重ねる必要があるとしているほか、WHOでは、電波が与える健康への影響に関する研究を継続的に実施していく予定とされております。
市といたしましては、従前から、事業者から基地局の新設に関する協議を受けた場合、電磁波過敏症と言われる症状のある方や、基地局の新設に不安を抱く市民への配慮から、事業者に対して、なるべく広い範囲での住民周知と自治会への周知について要請し、協力的に実施していただいていることから、5Gの基地局につきましても同様の要請をしてまいります。
いずれにいたしましても、今後、5Gの普及が進むことを踏まえ、基地局設置の際は、事業者へ住民周知の要請を行うとともに、国の動向を十分注視し、必要に応じて速やかに市民への情報提供を行うよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

教育部長(萬 直樹君)

私からは、教員の働き方にかかわる問題についての御質問のうち、教員の労働実態の把握について御答弁申し上げます。
北海道の市町村立学校の教職員の勤務時間については、任命権者である北海道の学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例に基づき定められており、具体的な勤務時間の割り振り等は、市町村が定める学校管理規則により、校長に委ねられております。
各学校においては、出勤簿や教職員からの事前・事後の申し出などによって現認を行い、学校として労働実態を把握しているところであります。
私からは、以上でございます。

教育長(月田健二君)

私からは、教職員の働き方にかかわる問題についての御質問のうち、2件について御答弁申し上げます。
初めに、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与に関する特別措置法の一部改正に伴う問題に対する認識についてでありますが、1年単位の変形労働時間制については、令和元年12月に公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律が成立し、令和3年4月1日から地方公共団体の判断により、適用することが可能になりました。
現在は、年度当初や学校行事等で業務量が特に多い時期に、所定労働時間を超えて勤務している場合においても、その分を振りかえて休日とすることができませんでした。
この制度を導入することにより、所定労働時間が延長でき、その延長した分の時間を、勤務を要する夏休み等の期間中に振りかえることができるようになり、その結果、休日がふえ、年間を通した総労働時間の縮減につながるものと認識しております。
一方、議員御指摘のとおり、変形労働時間制の導入に当たっては、1日当たりの勤務時間が一時的に延びることや、勤務管理を行う管理職の負担がふえることなどが懸念されていることについても承知しております。
次に、江別市における対応についてでありますが、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律の成立を受け、北海道では、令和2年度中に条例を制定することと伺っております。
市町村において本制度を導入する場合は、必要な規則等の整備を行った上で、令和3年度から運用を開始するよう北海道から通知されており、詳細については今後示される予定となっております。
教育委員会といたしましては、本市において導入する場合には、北海道教育委員会の動向に注視しながら、校長会や教職員の意見を聞くなど、円滑に導入できるよう対応してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。

高橋典子君

それでは、2回目の質問をさせていただきます。
指定管理者制度については、現在の導入状況を伺いましたので、そのとおりの数値として理解いたします。
しかし、今後の指定管理者制度の運用について疑問がありますので、再度質問いたします。答弁では、江別市指定管理者選定委員会に御相談されるとの答弁でした。お伺いしたいのは、その前に市としてどう考えるか、どんな方針を持つかということです。
江別市指定管理者選定委員会は、個別の施設の指定管理者制度導入及び指定管理者の選定に関する意見を市長に具申することが所管事項とされています。
個別の施設に指定管理者制度を導入するかどうかについては、これまで施設ごとに検討されてきたことと思います。
しかし、今問いかけたいのは、指定管理者制度自体に対する考え方にもかかわることです。
指定管理者制度を未導入の施設については、これまで毎年、所管課に対して問いかけをしてきていて、それでもなお未導入ということは、指定管理者制度の導入になじまない、あるいは相当困難な事情があると考えるのが当然ではないでしょうか。
そのあたりのことを整理した上で、今後の検討については、指定管理者制度の導入に至らない事情が解消された時点で、あるいは総合計画等、基本的な市の計画見直しの機会などに、政策的な位置づけについても検討する中で、指定管理者制度の導入がふさわしいのかどうか検討するなど、大もとのところから考える必要があるのではないでしょうか。
江別市指定管理者選定委員会にも、その旨を説明すれば、理解していただけるのではないでしょうか。
つまり、江別市指定管理者選定委員会に相談する以前に、まず、市として検討し、方針を持った上で、江別市指定管理者選定委員会に説明していく、そういった姿勢で臨むべきだと考えますが、いかがでしょうか。
再度、考え方をお聞かせください。
なお、指定管理者制度から直営に戻った江別市都市公園については、所管常任委員会でも報告を受けた際に申し上げましたが、公開ヒアリングの状況から選定結果は妥当なものであり、江別市指定管理者選定委員会においてよく判断していただいたと感じるところです。
江別市都市公園は、これまでにもいろいろな経過をたどってきていますから、今後、また指定管理者制度の対象にするのかどうか、慎重に再検討する必要があるのではないかと思われます。この点については個別の答弁は求めませんが、よろしく御検討ください。
次に、環境に配慮したまちづくりに関してです。
これまで、地域住民から問い合わせがあった際に、状況を伺い、事業者に話をする中で住民の不安を軽減するための対応はされてきたと理解しました。
その方法として、地域の方々が本当に理解されているのかどうか、実際の問題としてありますし、個別説明で終わっていて、説明会を開いていただいて、いろいろな人の意見を聞きながら理解を深める方法をとってほしかったという御意見もいただくところです。地域の人たちの意思を反映できるような方法も検討していただければと思います。
5Gにつきましては、国やWHOとしてもさらに研究・研修を続けていくということですので、情報を捉えながら対応していただきたいと思います。ソーラーパネルも同様ですが、住民の不安を払拭できるのかどうか、江別市のまちづくりとして、豊かな環境が守られるようなまちづくりができるのかどうかが重要であると思いますので、御配慮をお願いします。
3件目の教員の働き方にかかわる問題についてです。
この件につきましても再質問はいたしませんけれども、本当に1年単位の変形労働時間制で教職員の負担が減るのかどうか、ここが問われてくると思います。答弁では、円滑に導入できるように対応されたということですが、労働時間が正確に把握されることが必要だと思いますし、本当に軽減につながるのか慎重に検討していただきたいと思います。一度家庭に帰っていただき、御飯支度などをした後に仕事をするという時代もありました。その後、働き方を把握し、健康を守らなくてはいけないということで、勤務実態を把握されるようになってきて、必要な仕事をこなすことは大変であるという話も聞いております。結局は、教員が抱えている仕事が多過ぎるということだと思います。その点にも教育行政の立場から負担軽減につながる検討も同時に進めていく必要がありますので、御検討ください。
以上で、2回目の質問といたします。

総務部長(後藤好人君)

指定管理者制度に関する、今後の制度の運用についての再質問に御答弁申し上げます。
個別の施設への指定管理者制度導入の適否などに関しては、平成16年度に江別市指定管理者選定委員会からも御意見をいただく中で、市の方針と制度運用基準を定めたところであり、これまでもこの方針と基準に従い、施設ごとの制度の導入を判断してきております。また、導入すべき施設であると決定し、未導入となっている施設については、導入に向けた課題整理や状況把握に努め、必要に応じて、江別市指定管理者選定委員会に説明し、御意見をいただいております。
いずれにいたしましても、先ほど御答弁申し上げましたとおり、今後の制度運用や個別施設への指定管理者制度の導入などに関しては、これまで同様、江別市指定管理者選定委員会に相談してまいりたいと考えております。
以上です。

高橋典子君

再々質問はいたしませんけれども、導入するかどうかを毎年聴取するだけでも、所管課の負担になっていると感じます。大きな変化がないにもかかわらず、同じ答弁をしなければならないというのはどうかと思いますので、そのあたりの作業を丁寧にしていただきたいですし、所管課の負担にならないように、指定管理者制度で、どんなことを実現しようとしているのかということと照らして判断していただければと思います。公の施設は市が責任を持って直営で管理する。その中の個別の業務は民間の力をかしていただくことが、江別市全体の利益につながるのではないだろうかと感じます。以前に、江別市都市公園では、悲しい事故もありました。そのとき、指定管理者に問題があって、指定管理者が外れ市の直営でした。市が直接責任を負うことができる重要性を実感しました。そのことも考えて、今後の指定管理者制度の運営については慎重な検討をしていただきたいことを申し上げ、今回の一般質問を終えます。

副議長(相馬芳佳君)

以上をもって、高橋議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
干場芳子議員の校務支援システムの導入についてほか1件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

干場芳子君

通告に基づき、質問いたします。
1件目、校務支援システムについてです。
校務支援システムについて、平成24年年第1回定例会において、児童生徒の大量の個人情報をデータベース化し、インターネット上で一元管理するべきではないという考えから質問をいたしました。校務支援システム導入に当たり、改めて何点か質問をいたします。
北海道教育委員会は、2012年に教職員の校務負担軽減と児童生徒の成長を教職員全体で見守るきめ細やかな指導の充実を図るとして、北海道校務支援システムを北海道立校に導入しました。札幌市も2013年度より独自の校務支援システムを導入しています。2011年に文部科学省が出した教育の情報化ビジョン施策の一環で、2020年度までに全ての学校にこの校務支援システムを普及するとしています。当市におきましても、来年度からの導入となれば、かかる経費として1校につき1カ月3万円で年間36万円、市内25校で年間900万円もの予算が見込まれています。
既に導入された学校からは、本来の目的とされていた教職員の校務負担軽減、超過勤務・多忙化解消とはなっていない現状が報告されています。個人情報保護の問題が懸念される中、国はマイナンバ―制度を2016年に導入し、個人情報を収集、一元管理を強める方向です。セキュリティーは万全と言っているものの、情報化に前のめりになるばかりで、信用できるものではありません。2015年に起こった日本年金機構サイバー攻撃事件では、大量の個人情報が流出しました。また、2016年には佐賀県の教育システムに17歳の少年が侵入し、延べ1万5,000人分の成績や家庭環境調査などの個人情報が流出しました。同様に学校内でのネットワークLANも安全という保証はありません。行政と企業が取り組む学校健康診断の記録をビッグデータとして活用する事業も始まっています。さらに、文部科学省において児童生徒等の健康診断情報の利活用として教務系、保健系、学籍系、学校事務系などを統合した統合型校務支援システムの導入に向けた具体的な検討が進められています。校務支援システムで扱うのは児童生徒の個人情報です。個人情報は本来、児童生徒のものであって、国のものでも自治体のものでもありません。つまり、校務支援システム導入で直接利益を受けるべきは、学校でも教育委員会でも開発を推進する人でもなく、子供たちと保護者でなければなりません。日々、成長・変化する子供たちの情報が児童生徒のためという名目のもとに集められ、本来の意図とは違う目的外で使用されないように、個人情報の取り扱いを明確にしていく必要があります。校務支援システムを導入することで個人情報の漏えいや誤入力等が危惧されることから導入は見送るべきと考えます。
そこで1点目の質問です。
校務支援システム導入について、市長の市政執行方針及び教育長の教育行政執行方針では、教職員の長時間勤務解消に向けて、全小・中学校に整備し、校務の効率化による教職員の働き方改革の取り組みを進めていくとのことですが、誰にとっての、何のための効率化なのか、改めて認識をお伺いします。
2点目に、江別市個人情報保護条例との関係性についてです。
校務支援システムは、学校外に児童生徒の重要情報を持ち出すシステムです。こうしたことから導入に係るオンライン結合について、江別市個人情報保護審査会に諮問すべきと考えますが、見解をお伺いします。
3点目は、学校保健に係る個人情報の保護についてです。
子供の健康に関する個人情報量は膨大です。体のデータは究極の個人情報と言えます。校務支援システム導入におけるこれらの個人情報の保護について、どのようにお考えか、お伺いします。
4点目に、導入に向けた保護者への説明等についてです。
導入に当たっては、保護者への説明と同意は不可欠ですが、見解をお伺いします。
続いて、2件目、放課後児童クラブについてです。
今年度は、えべつ未来づくりビジョンにおける後期5年間の2年次となります。基本理念は、協働のまちづくりの考え方を踏まえ、四つのまちづくりの基本理念としています。その一つが子育て応援のまちであり、予算編成のポイントには、子育てに関する事業の取り組みが掲げられています。宅地造成や住みかえ、女性就労の増加等により子育て世代の人口がふえていることから、保育園や幼稚園児の増加とともに、放課後児童クラブへの入会児童数も増加しています。市は児童クラブ待機児童を発生させないため、今年度初めて、新規に開設するための費用補助にも取り組んでいます。来年度予算においても待機が見込まれる小学校区での開設に係る費用も見込んでいます。市内のクラブは、市開設が3カ所、民間開設が18カ所となっていますが、増加する児童への対応に当たっては、新小学1年生を優先することが求められ、継続的に利用したい小学4年生以上の要望に応え切れない状況となっていることが課題ともなっています。国が示している放課後児童クラブの運営指針は、多岐にわたっており、子供に責任を負っている支援員の役割は大変重要です。指針の内容は、子供の発達や育成支援、障がいのあるなしにかかわらず特に配慮を必要とする子供への対応、放課後児童クラブの運営や人員体制、そして地域や学校との連携、保護者対応などであり、現行の基準額では不十分と言っても過言ではありません。実際の保育現場に行っている仕事や事務作業、子供一人一人に対する保護者との連絡・相談や支援員との打ち合わせなど、年間勤務時間は2,000時間ほど働いているのが現状です。さらに運営費は、子供たちが安全に安心して過ごせる施設及び設備環境においても求められます。とりわけ民間施設では、これまで開設に係る費用や経年による修理費等、安全対策など限りある運営費の中で捻出しているのが実態です。
1点目に、環境整備に必要な支援についてです。
国の運営指針では、子供が安全に安心して過ごすための生活の場としての機能等を備えることとしています。面積のみならず室内や採光にも配慮し、心地よく過ごせるように工夫することも求めています。衛生及び安全が確保された設備を備え、子供たちの備品や遊具や図書など年齢に応じた遊びや活動ができる空間などを示しています。特に、民間では老朽化する環境の整備に経費が膨らむことが予想されますが、こうした状況に対する市としての見解をお伺いします。
2点目に、障がい児加算についてです。
国では、障害児受入強化推進事業による職員1名の加配に加え、1支援の単位当たり年額179万6,000円補助していますが、利用しなかった日数については返還しなければなりません。返還が予測される中、実質的には運営費として使える経費とはなっていない状況です。
しかし、人員配置や登録している児童のための会議、保護者や学校等との相談及び連携などの仕事を行っています。このような現状についての市の認識をお伺いします。
3点目は、安全対策についてです。
近年発生する自然災害に対する防災や減災に向けた取り組みや防犯、突然の事故などに対応できるAEDの設置など体制の整備が必要と考えますが、公設民設にかかわらず、市として、どのような対応を行っているのか、実態の把握状況等も含めお伺いします。
以上で、1回目の質問といたします。

副議長(相馬芳佳君)

干場議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

干場議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、放課後児童クラブについてお答え申し上げます。
まず、環境整備に必要な支援等についてでありますが、現在、市内には放課後児童クラブが21カ所あり、内訳といたしましては、市が開設する放課後児童クラブが3カ所、民間が開設する放課後児童クラブが18カ所となっております。
民間放課後児童クラブに対する環境整備支援といたしましては、今年度より、待機児童の発生が見込まれる小学校区において新たに放課後児童クラブを開設する事業者に対し、施設の改修等に要する費用の一部を補助しております。
また、公設を含め一部の放課後児童クラブにおいては、施設の老朽化等による修繕・改修等の必要性が高まってきていると認識しております。
このことから、今年度、当市の提案により、北海道市長会を通じ、国に対し、施設の老朽化等に伴う改修や修繕が行えるよう、財政措置の拡充を図ることを要望したほか、全国市長会におきましても、施設整備や運営に係る補助基準額等の見直しの提言がなされているところです。
いずれにいたしましても、子供が安心して安全に過ごすための環境を整備することは重要でありますので、引き続き、国に支援策の拡充を求めるとともに、他自治体の先進事例等を参考にするなどして検討してまいりたいと考えております。
次に、障がい児加算の考え方についてでありますが、放課後児童クラブ運営費補助金における障がい児受入加算については、国の補助金交付要綱に準じ、江別市民間放課後児童クラブ運営費補助金交付要綱により交付しているところです。
補助金の交付に当たっては、障がい児受入加算の対象となる、身体障害者手帳や療育手帳の交付を受けた児童、特別児童扶養手当の支給対象となっている児童、公的機関または医師から特別な配慮が必要と認められた児童等の受け入れを行う放課後児童クラブ開設者に対し、当該児童の受け入れ日数に応じ算定しているところであります。
放課後児童クラブが、障がい等により配慮を必要とする児童の受け入れを行うことは、放課後児童クラブの重要な役割の一つであり、補助金交付や精算事務の手法等については、さまざまな御意見があります。そのため、今後とも民間放課後児童クラブの意向を伺いながら、各放課後児童クラブの事情に合わせて対応してまいりたいと考えております。
次に、安全対策についてでありますが、各放課後児童クラブにおいては、日常の安全対策として、厚生労働省が作成した放課後児童クラブ等への児童の来所・帰宅時における安全点検リストに基づき、小学校から放課後児童クラブへの経路の安全確認や学校や保護者との連絡体制の構築、緊急時における保護者や保護者以外の連絡先の把握などを行っております。
また、自然災害に対する防災や減災の取り組みとして、指定緊急避難場所・指定避難所の確認や避難訓練などを実施しているところであります。
御質問にあります、AEDの設置につきましては、今後、各放課後児童クラブのAED設置状況を確認し、未設置の放課後児童クラブに対しては、市が作成している市内AEDマップによりAED設置施設等の情報を提供するとともに、最寄りのAED設置施設との連携を進めてまいります。
いずれにいたしましても、児童の安全・安心は最優先事項でありますので、民間放課後児童クラブと緊密に連携し、安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育長ほかをもってお答え申し上げます。

教育長(月田健二君)

私からは、校務支援システムの導入についてのうち、校務支援システムの導入による効率化について御答弁申し上げます。
平成31年1月に出された中央教育審議会の答申において、統合型校務支援システムの導入は、教員の業務効率化を図ることができ、長時間勤務を解消する具体的な解決策の一つとされております。
校務支援システムの導入により、データの転記作業を初め、学籍管理や指導要録等、これまで手作業または個別にパソコンで作業していた業務が、校務支援システム上で行えるようになるものであります。
北海道教育委員会では、教員の勤務地にかかわらず統一されたシステムを導入することで、校務の効率化を図るため、道内市町村に校務支援システムの導入を進めてきたところであり、現在、石狩管内では、江別市以外は全ての公立小・中学校で導入されております。
教育委員会といたしましては、校務支援システムは、校務の効率化によって、教職員が児童生徒と向き合う時間が確保されるとともに、児童生徒の健全な育成に必要な、きめ細やかな指導の充実等が図られ、教育の質的向上につながるものと認識しております。
私からは以上でございます。

教育部長(萬 直樹君)

私からは、校務支援システムの導入についての御質問のうち、江別市個人情報保護条例との関係性についてほか2件について御答弁申し上げます。
まず、江別市個人情報保護条例との関係性についてでありますが、校務支援システムで取り扱う情報には、児童生徒の個人情報が含まれておりますことから、教育委員会といたしましては、導入に当たり、江別市個人情報保護審査会に諮問した上で進めてまいりたいと考えております。
次に、学校保健に係る個人情報の保護についてでありますが、校務支援システム導入済みの石狩管内他市では、学校保健に関する情報の機能を含まないシステムを導入している例もありますので、教育委員会といたしましては、今後、校長会や関係教職員の意見を聞いた上で、校務支援システムにおける学校保健に関する情報の取り扱いについて、検討してまいりたいと考えております。
次に、導入に向けた保護者への説明等でありますが、校務支援システムについては、平成30年10月に策定した江別市立学校における働き方改革推進計画において、導入及び活用を促進することとしており、ホームページ等で周知しています。
教育委員会といたしましては、全児童生徒にかかわるものであるため、校務支援システムを導入するに当たっては、保護者への説明などについて、江別市PTA連合会や校長会と相談しながら対応してまいりたいと考えております。
以上であります。

干場芳子君

再質問として、2点お伺いします。
まず、1点目ですが、校務支援システムの4項目めについてです。
校務支援システムには、さまざまな情報が書き込まれていると思いますが、導入に向けた保護者への説明等において、保護者から開示を求められた際に、その対応について情報が全て開示されるのか、また、非開示の部分もあるかと思いますが、教育委員会としてこの点についてどのように考えているのか、お伺いします。

教育部長(萬 直樹君)

干場議員の再質問に御答弁申し上げます。
保護者から開示を求められた際、その対応についての教育委員会としての考えについてでありますが、保護者への個人情報の開示につきましては、システムの導入後もこれまでの取り扱いと同様であり、教育委員会といたしましては、開示、非開示の判断も含め、江別市個人情報保護条例に基づき、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上であります。

干場芳子君

江別市個人情報保護審査会にも諮問していただけるということですので、慎重に検討していただきたいと思います。
次に、放課後児童クラブの1項目めについて、2回目の質問をいたします。
以前にも同じ趣旨の質問をさせていただいたと記憶しています。近年は、保育所や幼稚園の待機者が出ないように放課後児童クラブも市として取り組んでいますが、放課後児童クラブを運営されている方が、安定的に取り組みをしていくためには、障がい児加算を含めて、使いにくい実態になっているとお聞きしています。国に要望することはもちろんですけれども、待ったなしといいますか、実情に合わせて安定的に運営することで、実効性のあるものが求められていると思います。早急に取り組んでいただきたいという思いがありますので、その点についてお伺いします。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

再質問に御答弁申し上げます。
民間放課後児童クラブに対する環境整備支援についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、市では今年度、国の補助制度を活用し、放課後児童クラブの新設に合わせ環境整備に対する補助を行ったところであります。
一方、御質問の老朽化に伴う修繕や改修等の環境整備の必要性につきましては、全国共通の課題であり、全国市長会及び北海道市長会が、国に対し補助基準額等の見直しや施設整備に係る財政措置の拡充を要請しているところであります。
市といたしましては、引き続き市長会を通じて、環境整備に必要な財政支援について、国に要望してまいりたいと考えております。
以上でございます。

干場芳子君

先ほども申し上げましたが、国等への要望も行うとともに、公設と民設ではいろいろなことが違います。放課後児童クラブで子供と向き合い、運営に携わっている方々は一生懸命ですので、期間をあけずに何らかの具体的な対策を議論していただければと思いますので、よろしくお願いします。
以上で質問を終わります。

副議長(相馬芳佳君)

以上をもって、干場議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
裏君子議員の東京2020オリンピックの競技種目が札幌市で開催される機会を生かすことについてほか2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

裏 君子君

ただいま議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問いたします。
初めに、東京2020オリンピックの競技種目が札幌市で開催される機会を生かすことについてお伺いします。
本年、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることになりました。
東京2020オリンピックは7月24日から8月9日まで、また、パラリンピックは8月25日から9月6日までの日程で開催されます。
東京2020オリンピックは、名前のとおり東京都が中心となって開催されますが、会場の準備で注目されていたのが、マラソンと競歩といった、競技の間、常に外で活動している種目での暑さ対策で、熱中症のリスクが懸念されていました。
昨年10月16日に国際オリンピック委員会が、東京2020オリンピックのマラソンと競歩を札幌市で開催すると発表いたしました。高温多湿のカタールで行われた陸上の世界選手権で、マラソンと競歩の選手が次々とリタイアしたことが、札幌市での開催を決めた理由だと言われています。
札幌市では、東京2020オリンピックのサッカーが札幌ドームで、陸上競技のマラソンと競歩が大通公園及び札幌市内中心部で行われる予定です。
予期せぬ展開で、世界から来る観戦客の目線が北海道にも向けられることになりました。私にも、この機会を市としてどのように生かすのかとの市民からの声をいただいています。東京都や札幌市だけではなく、周辺地域である本市も観戦客やインバウンド誘客の取り組みが必要と考えますことから、市長の見解をお伺いします。
1点目として、イベント民泊についてお伺いします。
観光庁と厚生労働省は、昨年12月にイベント民泊のガイドラインを改訂しました。イベント民泊とは、自治体の要請により自宅を提供するなど一定の要件を満たすものについて、旅館業法に基づく営業許可なく宿泊サービスができるシステムをいいます。
行政が実施主体となることで、イベント開催時の宿泊施設不足を防ぐだけではなく、地域の消費活動の増加にもつながります。さらに、その地域の方々と旅行者の交流を通じた、地域の活性化も期待されています。ガイドラインに従い、自治体が必要と判断すれば実施が可能です。イベント期間中であれば、地域の住宅での宿泊を提供できることが最大のメリットです。また、対象も公的なイベントのみにとどまらず、国際会議や展示会等のビジネスイベント、スポーツイベント、コンサートといった催事でも、イベント民泊ガイドラインに従った調整を行った上で、基本的には自治体の判断のもとで住宅提供の要請が行われます。
マラソンと競歩は、スポーツ種目の中でも人気の高い競技で、マスコミの注目度も高く、国際大会や歴史ある駅伝では沿道にずらりと観客が集まる様子が見受けられます。昨年9月に行われたマラソングランドチャンピオンシップは、東京2020オリンピックの出場枠をかけた大会ということもあり、注目度が非常に高かったようです。主催者の発表によれば、レースの沿道観客数は52万人を超えていました。東京2020オリンピックの本番となれば、これ以上の人数が応援するために集まる可能性は十分に考えられ、世界中から外国人が訪れて観光などをするため、経済効果が期待できます。
先日の新聞記事には、札幌市民の意見として、大会中に見込まれる利点として経済効果が70.2%で、宿泊施設の容量に課題があるに51.7%の指摘がありました。このことからも、近隣市として宿泊施設のニーズはあると考えますことから、本市も主体となりイベント民泊を行ってはいかがか、見解をお伺いします。
2点目として、前段述べました交流人口が期待できる中で、江別市の特産品や地域資源を活用したお土産商品をつくることについてお伺いします。
仕事や旅行でほかの町に行きますと、駅の構内にある売店施設と、お土産の充実ぶりには目を見張るものがあります。また、道の駅や高速道路のサービスエリアも多くの立ち寄り客でにぎわいを見せており、その土地ならではの、そこでしか買えない食のお土産が主役になっています。
今日では、パソコンやスマートフォンが普及し、全国各地の食べ物を自宅で簡単に取り寄せできるようになりました。それにもかかわらず、旅行あるいは出張に行った際に人々がお土産を買い求める習慣は、今も昔も変わりません。
むしろ、ほかの人が買っていないものや話題性のあるものを求めて、以前よりもその土地ならではのプレミアム感を重視してお土産を買う傾向が一層強くなっている気がします。チョコレート菓子やスナック菓子などを製造する大手製菓メーカーも、こぞって御当地限定のお土産を開発し、商戦を繰り広げています。
お土産の言葉の由来は諸説あるようですが、漢字表記のお土産については、文字どおりその土地の産物という意味になります。食の観点から見れば、その地域の土からできた農作物を使い、商品を製造するわけで、お土産は地域性をアピールするためにうってつけのツールと言えます。そのようにして見てみると、まちなかでたくさん見かけるようになった食のお土産から、地域創生にかけるそのまちの意気込みが伝わってきます。
例えば、静岡県袋井市では、地域のみんなでつくる新しい袋井お土産として、新しい袋井お土産の製造販売を推進し、地域ブランド力を高めるため、アイデアを市民から募集することで、市民や市内生徒、地域事業者と共同で販売を目的とした袋井お土産の製作事業を行い、成果を上げています。静岡県袋井市には、クラウンメロンやお茶など全国に誇れる特産品がありましたが、特産品や地域資源を活用したお土産商品が少なかったということでした。
ほかに、地域特産品の発掘・PR手法について、神奈川県小田原市の取り組みでは、小田原セレクションがあります。それは、神奈川県小田原市に長く根づいてきた名産品・特産品はもちろんのこと、地元で愛されている商品の中で、神奈川県小田原市を連想させるお勧め品を、市民に選考してもらい、地域内外に広くPRして、地域産業の活性化を図っていくことを目的とした事業です。
市民が選考委員であり、基本的にオープン方式である点が特徴で、この方式により、市民の地場産品への関心を高め、誇りを持っていただき、市民に率先して土産用に購入してもらうこと、さらには営業マンとしての役割も果たしてもらうといった効果が期待できるとしています。
土産品の購入者の7割から8割は女性であり、女性の感性が、どの産品をお土産として選択するかが左右するということで、女性が選んだという点で工夫を重ねています。この手法は、一見、派手で大がかりに思える仕組みのようですが、とてもシンプルで経費もそれほどかからないとのことです。こういう手法も大いに参考になると思います。
手法によっては、ことしの東京2020オリンピックには間に合わないこともあるかと思いますが、例えば、えべチュンなどのセット商品なども考えてはいかがでしょうか。
札幌市での東京2020オリンピック・パラリンピックの競技種目であるマラソンと競歩の実施は、本市にとっても千載一遇のチャンスと捉え、江別市の特産品や地域資源を活用したお土産商品をつくることについて、見解をお伺いします。
次に、誰もが暮らしやすいまちづくりについてお伺いします。
昨年11月に、議会の主催で市民と議会の集いが行われ、参加者の中には、聴覚の不自由な方が初めて参加されました。
その中で、議会活動や江別市のことなど、とても勉強になり参加してよかった。議会だよりを、もっとしっかり読みたいと思った。江別市手話言語条例が制定され、手話通訳者がいることで、耳の不自由な人に参加の機会があり本当によかったと言っていただき、私も嬉しく、感慨深いものがありました。
さらに、災害時の情報について、耳が不自由だと手話同士なら会話できるが、健常者の中に入ると大変なので、見てわかる避難所にしてほしい。ピクトグラムなど見えるものを利用してほしいとの御意見をいただきました。
ピクトグラムとは、言葉によらない、目で見るだけで案内を可能とする図記号のことをいいます。絵文字や絵単語などと呼ばれることもあり、公共の施設等で広く使用されています。言語と違い、小さな子供や外国の方でも簡単に理解できるため、平成14年にJIS規格で標準化され、平成29年には東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、変更・追加が決定し、平成30年度末では150種類が規定されているとのことです。
そこで質問ですが、1点目に、災害時の現場対応におけるピクトグラムの導入についてお伺いします。
言うまでもなく、災害はいつ発生するかわかりません。日本各地では毎年のように地震や台風を初めとする自然災害や二次災害による被害が起こっています。本市においても防災・減災対策を初め、自然災害の対応など、市民の安心・安全を第一に、さまざまな施策を講じていますが、この数年、多くの自治体で導入されている災害対応ピクトグラムを本市でも取り入れてはいかがかと提案いたします。
この災害対応ピクトグラムは、川崎医療福祉大学が数年前より、災害時において文字が読めない子供や日本語がわからない外国人、耳の不自由な方たちにも情報が伝えられるよう、絵文字を用いたピクトグラムを岡山県岡山市消防局と共同開発しています。
内閣府が主催する2018年度防災教育チャレンジプランにも採択されているそうです。その内容は、例えば、歩行可能者の誘導に、歩いてこちらへや、脱衣管理には洋服を袋へ入れてくださいや、ポンチョを着てくださいとか、トリアージタグ取りつけなどという表示があります。
実際に平成30年12月には、岡山県岡山市の大型商業施設でぼやが発生した際に、歩いてこちらへのピクトグラムが用いられ、大型商業施設内にいた1万人以上の客や従業員を短時間で避難誘導し、トラブルも一切なく、全員無事避難することができたとのことです。
火災だけでなく、先ほど述べました、あらゆる災害発生時においても、遠くから見て確認することが可能であり、また、声の伝わらない状況下であっても、このようなピクトグラムの活用は極めて有効であると考えます。余り費用をかけずに大きな効果が期待できるピクトグラムは、災害時の現場対応において有効なツールであり、本市においても導入する価値が十分にあると思います。あらゆる災害にいち早く出動していただいている消防車などの積載や避難所でのピクトグラムの活用が必要と考えますが、これらの対応も含めて、災害時の現場対応におけるピクトグラムの導入について、見解をお伺いします。
2点目に、ピクトグラムの普及を積極的に図ることについてですが、愛知県豊橋市では、このピクトグラムを災害時に限らず、市の施設で広く使用しており、ピクトグラムに関するJIS規格の改正に合わせて、ピクトグラムの表示板を順次更新するとともに、周知チラシを作成したり、ホームページなどでピクトグラムの案内を市民や事業者へ行っています。
本市は、江別市手話言語条例も制定され、具体的な事業も行われているところですが、日常生活の取り組みとして、市の公共施設などで、聴覚の不自由な方などが目で見て伝わる表示があるとわかりやすいと考えます。
まずは福祉の視点から、ピクトグラムの普及促進に向けた取り組みが必要であると思いますが、見解をお伺いします。
次に、食品ロス削減の取り組みについてお伺いします。
日本の食品廃棄物等は年間2,759万トンで、そのうち、食べ残し、売れ残りや期限が近いなどさまざまな理由で、食べられるのに捨てられた食品である食品ロスの量は年間643万トンと推計されています。毎日、10トン車の大型トラックが、約1,700台分の食品を廃棄しています。
日本の人口1人当たりの食品ロス量は年間約51キログラムで、家計における食費は消費支出の中で4分の1を占めています。食料自給率は38%で、食料の多くを海外からの輸入に依存しています。また、世界の食料廃棄量は年間約13億トンで、人の消費のために生産された食料のおおよそ3分の1を廃棄していると言われています。
このように、食料を大量に生産、輸入しているのに、その多くを捨てている現実があり、大量の食品ロスが発生することにより、さまざまな影響や問題があります。
食品ロスを含めた多くのごみを廃棄するため、ごみ処理に多額のコストがかかっています。また、可燃ごみとして燃やすことで、CO2排出や焼却後の灰の埋め立て等による環境負荷が考えられます。経済の観点では、食料を輸入に頼る一方で、多くの食料を食べずに廃棄している状況は無駄があります。人や社会への観点では、多くの食品ロスを発生させている一方で、7人に1人の子供が貧困で食事に困っている状況です。
食品ロスは食品関連事業者だけでなく、家庭からも発生しています。
日本の食品ロス量年間約643万トンのうち、事業系は約352万トンで、主に規格外品、返品、売れ残り、食べ残しなど、家庭系からは約291万トンで、主に食べ残し、手つかずの食品、皮のむき過ぎなどが発生要因です。家庭系の食品ロスについて、消費者庁が平成29年に徳島県で実施した食品ロス削減に関する実証事業の結果では、まだ食べられるのに捨てた理由として、食べ残しが57%、傷んでいたが23%、期限切れが11%の順で多いことがわかりました。食品ロスを減らすためには、事業者や私たち一人一人が意識して、国民全体で食品ロスの削減を目指すことが大切です。
公明党は、全国各地の食品の生産・製造・流通・小売り、そしてフードバンクなど多様な関係者から現場の声を聞き、2016年5月に、食品ロス削減に向け国を挙げて取り組むよう政府に提言し、食品ロス削減を一貫してリードしてまいりました。2017年に法案骨子をまとめて約2年、食品ロスの削減の推進に関する法律が議員立法として全会派一致で可決し、成立しました。
食品ロスの削減の推進に関する法律では、食品ロス削減を国や自治体、事業者、消費者が連携して取り組む国民運動と定めているのがポイントです。食品ロスの削減の推進に関する法律に基づき、10月は食品ロス削減月間、10月30日が食品ロス削減の日と設定されました。
消費者庁や農林水産省、環境省は、国民の理解と関心を深めるためのチラシやポスターを作成し、イベントの開催や、削減に努める企業の取り組み事例の公表など、普及啓発に向けた事業も予定しています。
政府は施行に伴い、2019年度中に食品ロス削減に向けた基本方針を策定し、これを踏まえて都道府県や市町村も削減推進計画をつくり、対策を実施することとしています。消費者には、必要量に応じた食品の購入や食品を無駄にしないなど自主的な取り組みを促し、事業者には国や自治体の施策に協力を求めます。
また、賞味期限が近づいた食品を引き取り、貧困世帯に食料を無償提供するフードバンク活動への支援も盛り込まれました。
食品ロスの削減の推進に関する法律は日本が世界に先駆けて、国民運動として取り組むための基本的な法律で、日本の取り組みが世界に影響を与えていく重要な布石を打ったものと考えます。現在は、地方公共団体や事業者等の取り組みとして、食べきり運動やフードシェアリングなどさまざまな取り組みが全国で展開されています。
地方公共団体と地域の飲食店が連携し、食べ残しを減らす取り組みを行っています。地方公共団体が把握している食べ残しを減らす取り組みを実施している飲食店舗数は、2018年度で1万3,650店舗でした。広く全国で食べきり運動等を推進し、食品ロスを削減することを目的とした自治体間でネットワークが構築されるなど、地域からもったいないを見直す取り組みも広がっています。
本市においても教育現場で、栄養教諭による食に関する指導や、生ごみ減量化の推進を通して食品ロスの削減に向けた取り組みを行っていることは承知しています。また、江別消費者協会においては、消費者ひろばなどでアンケート調査を行っており、その報告書も読ませていただきました。
食品ロス削減推進計画の策定を機に、本市も官民一体となって、さらに、市民一人一人に働きかけ、大きな市民運動としていくことが重要だと考えます。
以上述べまして、質問いたします。
1点目は、本市における食品ロス削減の取り組みの状況をお伺いします。
2点目は、食品ロス削減推進計画の策定について見解をお伺いします。
3点目として、食品ロス削減月間にイベントなどで啓発の取り組みを行ってはいかがかお伺いします。
以上で、質問を終わります。

副議長(相馬芳佳君)

裏議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

裏議員の一般質問にお答え申し上げます。
東京2020オリンピックの競技種目が札幌市で開催される機会を生かすことに関連しまして、イベント民泊の実施についてでありますが、イベント民泊は、年数回程度のイベントの開催に当たり、宿泊施設の不足が見込まれる場合や、民泊での宿泊体験を通して、地域の人々と旅行者の交流を創出する地方創生の観点から、開催自治体の要請等により、自宅を提供するような公共性の高いものについて、旅館業法に基づく営業の許可を得ることなく、宿泊サービスのみを提供することができる制度であります。
これまでの国内の実績では、ラグビーワールドカップ2019において、熊本県がイベント民泊を実施しており、アンケートの結果では、受け入れ側の約8割が、またイベント民泊に参加したいと回答するなど、好評であったと聞いております。
ことし7月から8月にかけて開催される東京2020オリンピックでは、札幌市において、マラソンなどの競技が実施されることに伴い、国内外から多くの観客が北海道を訪れることから、こうした機会を通じて、当市を知っていただき、関心を持ってもらうことが重要であると考えております。
現在、当市においては、ホテル、旅館、ペンション及びゲストハウスといった宿泊施設で、最大250人程度の宿泊が可能な環境にありますが、札幌市からの交通アクセスがよいことから、イベント民泊を実施した場合の潜在的な需要はあるものと認識しております。東京2020オリンピック競技の観戦に訪れた国内外の方々が、当市を訪れていただくことで、市民との交流機会の創出を期待しているところであり、イベント民泊の実施によって、より多くの誘客につながるものと考えております。
いずれにいたしましても、イベント民泊の実施に当たっては、北海道などの関係機関とも協議の上、対応してまいりたいと考えております。
次に、食品ロス削減に関しまして、食品ロス削減の取り組み状況についてでありますが、市では、平成27年度から食材を使い切る調理方法等に関する講習会の開催のほか、北海道情報大学と連携して、ホームページに動画を掲載するなど、幅広い年代に食品ロスの削減に向けた啓発を進めております。
また、小・中学校においても、栄養教諭による食育を通じた指導を行っているところであります。
このほか、食品ロスに関する自治体ネットワーク全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会に、平成28年度の設立当初から参加し、宴会時の食べ残しを削減する全国キャンペーンであります3010運動の啓発に、いち早く取り組んでおります。
さらには、昨年末に市内事業者と連携して、宴会時の配膳方法を工夫するなど、料理の食べ残しを減らす市独自の取り組みも実施しているところです。
一方、国においては、食品ロスの削減の推進に関する法律が昨年10月に施行されたところであり、現在、関係省庁等が連携して基本方針の策定が進められております。今後におきましても、こうした国の動向を注視しながら、引き続き食品ロスの削減に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、食品ロス削減推進計画の策定についてでありますが、食品ロスの削減を総合的に推進することを目的として制定された食品ロスの削減の推進に関する法律では、国、地方公共団体等の責務などを明らかにするとともに、都道府県及び市町村は、食品ロス削減推進計画の策定に努めることとされております。
また、計画の策定に当たっては、各自治体等が策定する一般廃棄物処理基本計画との整合性が必要とされているところであります。
市といたしましては、令和3年3月の策定に向け作業を進めております次期江別市一般廃棄物処理基本計画の中で、食品ロスの削減に係る施策等を踏まえ、今後の国の動向や、北海道の推進計画の策定状況等を注視しながら、食品ロス削減推進計画の策定に向けて、関係部局と協議の上、検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、経済部長ほかをもってお答え申し上げます。

経済部長(渡部丈司君)

私からは、東京2020オリンピックの競技種目が札幌市で開催される機会を生かすことに関連し、江別市のお土産商品をつくることについて御答弁申し上げます。
地域資源をいかした魅力あるお土産品を開発し、販売することは、地域ブランドの振興につながるものであり、お土産品を通じて地域の魅力を伝え、地域をまた訪れたいというリピーターの発掘や、新たな観光客の呼び込みに効果があるものと考えております。
現在、当市では、江別産農産物等を加工したスイーツ、小麦麺、トマトジュースなどのほか、ミニチュアれんがや地元の陶芸家の作品等が、江別アンテナショップGET’Sや江別河川防災ステーションの売店、市内各店舗で販売されております。
市では、江別市観光振興計画に基づき、食と農の魅力を詰め込んだ新商品の開発を支援する補助制度を設けており、現在、その商品化が検討されているところであります。
また、過去に、民間の有志により、江別ブランドの食品を詰め合わせたセット商品として、えべつつみを販売し、好評を得ていたことから、本年1月に、新しいえべつつみを検討するための観光ワークショップを、市民を対象に開催しているところであります。
市といたしましても、お土産品の開発を通して、新たな観光資源を創出し、市の魅力をPRしていくことは重要であると認識しておりますことから、今後も地域資源を活用したお土産品などの開発について、他自治体の事例等を参考にしながら、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

消防長(西原信一君)

私からは、誰もが暮らしやすいまちづくりについての御質問のうち、災害時の現場対応におけるピクトグラムの導入について御答弁申し上げます。
初めに、ピクトグラムは、一般的に絵文字、絵単語などと呼ばれ、何らかの情報や注意を促すために表示される視覚記号であり、言語にとらわれることなく直感的に内容が伝わってくるため、耳が不自由な人や外国人だけでなく子供から大人まで年齢に関係なく理解しやすいのが特徴です。
この考え方を取り入れた災害対応ピクトグラムは、混乱した災害現場において、消防隊の指示などの伝達に有効であると認識しておりますことから、議員の御質問にありました、消防車などへの積載につきましては、今後も国や道の動向を注視しつつ、調査研究してまいりたいと考えております。
次に、避難所でのピクトグラムの活用につきましては、今年度、福祉関係団体と市で実施した避難所運営訓練の中で、受付や誘導、立入禁止などの表示に国内で標準化されているJIS規格のピクトグラムを活用しております。
今後におきましては、避難所運営で用いるピクトグラムの種類や使用方法など、具体的な活用について、関係団体と連携しながら、検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、ピクトグラムの普及促進について御答弁申し上げます。
まず、公共施設等へのピクトグラム導入の背景といたしまして、平成10年に北海道福祉のまちづくり条例が、また、平成18年には高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、通称バリアフリー法が施行されたことに伴い、バリアフリー化の推進とユニバーサルデザインに基づく案内標示の規定が盛り込まれたところであります。
これを受け、市におきましても、公共施設の非常口や避難所、エレベーターの表示のほか、トイレや駐車場などに障がいのある方が使える設備をあらわすマークを表示するなど、施設の状況に応じたピクトグラムの設置を進めてきたところであります。
また、ピクトグラムについて、広く市民に理解いただくため、ホームページや広報などにより、周知に努めてきたところであり、今後におきましても、公共施設等の整備や改修の際には、誰もがわかりやすい表示に配慮するなど、引き続き普及に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

生活環境部長(川上誠一君)

私から、食品ロス削減月間における啓発の取り組みについて御答弁申し上げます。
食品ロスの削減の推進に関する法律では、国民に広く食品ロス削減に関する理解と関心を深めてもらうため、食品ロスの削減月間を10月の1カ月間とし、特に同月30日を食品ロス削減の日と定められたところであります。
市といたしましては、先ほども御答弁申し上げたとおり、これまで食品ロスの削減に関する講習会の開催、広報えべつやホームページ等による啓発のほか、特に年末年始の宴会シーズンに合わせて、3010運動の推進として、自治会回覧や飲食店でのポスター掲示による啓発を行っているところであります。
今後におきましては、こうした取り組みを充実させながら、食品ロス削減月間において、市が主催するえべつ健康フェスタなどのイベントの機会を捉えて、広く市民に周知・啓発してまいりたいと考えております。
以上でございます。

副議長(相馬芳佳君)

以上をもって、裏議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

副議長(相馬芳佳君)

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 2時47分 散会