ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 江別市議会会議録 > 委 員 会 会 議 録 の 閲 覧 > 平成30年分の目次 > 決算特別委員会 令和元年9月19日(木)

決算特別委員会 令和元年9月19日(木)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年5月11日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(徳田君):ただいまより、決算特別委員会を開会いたします。(10:00)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり理事者質疑を行いたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、傍聴希望者がおり、入室を許可いたしましたので、報告いたします。
理事者及び傍聴者入室のため、暫時休憩いたします。(10:00)

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(10:01)
これより、付託案件の審査、理事者質疑を行います。
市立病院に対する市長の経営責任についての質疑を行います。
初めに、岡委員より質疑願います。

岡君:まずは、私から質疑させていただきます。
今回、平成30年度の決算でございますけれども、非常に巨額の純損失を出す結果となってしまっております。当初予算審査の理事者質疑の中で、市長みずから努力されるとお約束いただいた内容から大きく異なった結果となってしまっております。
改めて金額を確認させていただければと思います。純損失額と、市民の皆様にはインパクトのある数値になってしまっている累積損失額、現実的な問題としては不良債務の額といったところが大きな問題かと思いますけれども、この三つについて、改めて金額をお伺いします。

市長:平成30年度病院事業会計の厳しい状況における決算に関連しての認識ということでございます。
具体的な金額につきましては、病院事務長からお答え申し上げたいと思います。

病院事務長:平成30年度の決算数値でありますが、病院事業収益全体では58億751万8,000円、病院事業費用全体では69億4,663万9,000円と、収支差では約11億円のマイナスとなっております。
この結果、平成30年度決算における純損失額は、11億4,133万9,000円の損失を計上することとなりました。
また、当年度未処理欠損金、いわゆる累積欠損金につきましては101億1,024万1,000円、不良債務残高は14億1,654万8,000円となったものであります。

岡君:巨額な赤字になっているということかと思います。
これまでの委員会の議事録等を拝見させていただきましたけれども、市長は、公立病院の経営原則について、何度か御答弁されていると思いますが、改めてこの場で公立病院の経営原則をどのように考えられているのか、お伺いします。

市長:公立病院の経営原則でございますが、公立病院は、地方公営企業法によりまして、経済性の発揮と公共の福祉の増進を経営の基本原則としておりまして、経営に要する経費は、これに伴います収入をもって充てる独立採算制により運営されることが原則とされております。
この原則に照らしますと、市立病院は、医療提供によって得られる診療収入と、救急、小児、周産期などの採算性の低い分野の医療を担うことに対しまして、地方公営企業法でも認められている一般会計からの貸付金によりまして運営するのが基本であると考えております。

岡君:過去にも御答弁いただいたとおり、地方公営企業法の経費負担の原則は、第17条の2に規定されている内容かと思います。
それでは、公立病院の経営の原則に照らし合わせた場合、平成30年度決算の結果をどのように評価されているのか、お伺いします。

市長:平成30年度の事業執行に当たりまして、市立病院では、平成28年度以降の入院、外来ともに、患者の減少が続いている状況を踏まえまして、収益の回復を図る、さらには、経費の削減を一層進めるといった収益に見合った経費を見込んでの予算編成を行いまして、議会で議決をいただき、予算をもとに月額の診療目標を定め、患者の受け入れに努めたものの、内科系の診療科の受け入れ患者数が計画等を下回る、さらには、医師招聘が進まなかった影響などから、当初予算の目標を達成することができず、一般会計からの長期貸付金6億円を含む補正予算を計上するに至ったところでございます。こうした経過、仕組みにつきましては、地方公営企業法に基づいて運営されている結果であると考えております。
病院事業会計の予算には、患者数、診療体制など、市立病院が提供しようとする医療の方針に基づき、診療収益や必要な人員を初めとする費用を見込みまして、さらには、救急、周産期などの採算性の低い医療の提供を行うために一般会計からの貸し付けを含めております。
しかしながら、決算では、患者数の減少によりまして、見込んでいた収益が予定を大きく下回ったことから、平成30年度予算につきましては、計画どおりに執行することができなかったところでございます。
公立病院の経営は、診療報酬や大学からの医師派遣といった外部要因と医療従事者の確保等を含めた内部要因によって、経営に大きく影響してまいります。毎年度、診療収入に見合った形での体制を組むことができるかと言われますと、当該年度で赤字が出て、来年度にその診療体制を組むかということになりまして、非常に難しい状況でございます。そうなりますと、どうしても長期的な展望に立って決算を見込み、そして、対応を進めていくということが必要になるのではないかと思っております。
このことは、公立病院のある意味での宿命的なところもございまして、それをいかに克服して経営の改善を図っていくかということが問われているのではないかと思っております。その計画を進めていくことが、お約束する地方公営企業法に基づいた原則により経営できるかどうかということではないかと思っております。

岡君:種々、お話をいただきましたが、よくわからなかった点は、まず、前段の質疑でお答えいただいた公立病院の経営の原則があるという点です。平成30年度の決算については、先ほどお答えいただいた経営の原則に基づいていたとお答えになったのか、そうではなかったとお答えになったのか、私には理解しかねるところだったので、改めて、その部分をお答えいただければと思います。

市長:決算につきましては、結果として赤字が出まして、6億円の長期貸付金を含む補正予算を計上させていただきました。その流れにつきましては、地方公営企業法に基づいての手続をさせていただいたということでございます。
しかしながら、決算上で収益を上げられなかったわけでございますので、そのことにつきましては、当初予算でお約束したことができなかったことになろうかと思います。そういう意味でございます。

岡君:当然、平成30年度の手続は、地方公営企業法に基づいて、一般会計からの長期貸し付けを行っていることかと思います。
予算を達成できなかった結果というのも、そのとおりではございますけれども、質疑の意図は、前段にお答えいただいた公立病院の経営の原則、経営に伴う収入額と一般会計からの不採算部門に充てる貸し付けをもって経営するという原則から見ると、平成30年度の決算というのは、予算はおいておきまして、残念ながら、過去に比べても、大きく逸脱していると言わざるを得ない結果になっていると思いますけれども、その点はどのようにお考えか、改めてお伺いします。

市長:先ほども病院事務長からお答え申し上げましたとおり、平成18年度時点と比べましても、当時は12億円ぐらいの赤字を計上しましたが、今回は11億円ぐらいということでございます。その意味では、非常に厳しい状況であったと認識しております。
そういう状況ではございますけれども、先ほど申し上げましたように、当該年度で対応できるものとできないものがございまして、公立病院は年度途中で体制を大きく変えるということは、現実問題として不可能でございます。そういう意味では、公立病院の経営の原則である、経営に要する経費は収入をもって充てる独立採算制という形では運営できなかったということでございます。

岡君:過去からもそうでしたが、残念ながら、昨年度は、市長が常日ごろから言っている公立病院の経営の原則での運営ができなかった度合いが非常に大きいということも今お認めいただいたということになるかと思います。
いみじくも、今、平成18年度のお話を市長にもしていただきましたし、ことしの1月の江別市立病院シンポジウムでも、市長はそのような話をされていたかと思うのですけれども、残念ながら、市長就任は平成19年ですが、今の決算数値を見ますと、当時の状況に戻ってしまった、振り出しに戻ったという言い方を江別市立病院シンポジウムでしていたように私は記憶しております。決算数値を見ると、残念ながら、市長就任当初の平成19年度の状況に戻ってしまったと認識しておりますけれども、市長のお考えはいかがでしょうか。

市長:平成18年度当時と比較してどうかということでございます。
平成18年度当時と現状では、体制が大幅に違っております。当時、内科医がゼロ人になるということでスタートいたしましたけれども、当時から比べますと、人件費ですとか、さまざまな経費が上がっております。消費税の問題もあります。したがいまして、総額赤字だけで比較することはできないのではないかと私は思っております。
ランニングコスト、電子カルテの問題も含めて、さまざまな形で経費がかさんでおりますので、そういう意味からいきますと、経費分の収益の確保も含めた比較をすることが難しいと思います。しかしながら、全体として見たら、運営上の大きな課題には、やはり内科系の問題がございます。そういう意味からいきますと、この期間としては全く同じ思いで対応していかなければならないと思っております。

岡君:内科の医師の状況などが違うというのは私も十分理解しておりますけれども、残念ながら、事実上、危機的な状況という意味で、当時とまた同じような状況になってしまったというのは同じ認識だと理解をいたしました。
現時点では、そういうことを考慮しますと、市立病院再建について、正直、うまくいっているとは言いがたい状況であると認めざるを得ないと思うのですけれども、こういう理解をしてよろしいのかどうか、市長のお考えをお伺いします。

市長:現状の経営状況または運営状況から見て、計画どおりに進んでいるかということだと思います。
現状で見ますと、やはり病棟の休止をせざるを得ない状況や、救急等の受け入れの問題等もございます。さらには、内科系の受け入れ態勢、対応上の問題がございます。そういう意味からいきますと、私どもが当初掲げていた総合内科医と専門医の体制ということでの江別市内における地域医療の確保は、道半ばという形になろうかと思います。
以前から少しお話ししておりますが、総合内科で経営がうまくいくのかという問題もあります。現実問題として、総合内科医が23人まで確保された時期がありました。しかし、その中でも経営は非常に厳しい状況が続いております。したがいまして、総合内科の医師が確保されれば経営がうまくいくかということになりますと、それだけではない過去がございます。そこは、専門医等と総合内科医の診療体制を確立していかなければならないという形になります。そういう意味では、経営改善、市立病院の運営は予定どおり進んでいないということが言えると思います。
しかしながら、そのほかの診療科目につきましては、産婦人科につきましても、小児科につきましても、整形外科につきましても、私は、市民の医療に応えているのではないかと思っております。産婦人科にしても、小児科にしても、市民の希望がまだ多いわけですし、そのほかの診療科目を整備していないと思っております。そういう意味からいきますと、やはり総合内科、専門内科の専門医の確保に尽きると思っておりますので、計画どおり進んでいないということが言えるかと思います。

岡君:総合内科医の確保及び専門医の確保が計画どおりできておらず、道半ばだというお答えかと思います。
総合内科については、一時期、本当に病院再建のモデルとまで言われまして、全国的にも非常に注目を集めました。なぜ江別市にだけ医師が集まるのだと言われるぐらい、うらやましがられた時期もあったことを考えますと、隔世の感があるといいますか、私も総合内科で市立病院の経営を立て直せると思っていたものですから、今の状況になっているのは非常に残念に思うところがございます。
一方、専門医の確保については、市長の就任以来、ずっと御努力をされてきたと理解しておりますけれども、結果として、現時点においても、大学医局から内科の専門医を正職員として派遣されていない状況で、医師確保は全国的に大変厳しい状況というのは理解しているところですが、この平成30年度の決算を見ると、これまで行ってきた方向性は、それでよかったのかというのが問われる状況になっているのではないかと思うところがあります。
今、市長は、道半ばとおっしゃいましたけれども、現時点の総合内科の医師の退職状況及び専門医の確保ができていない状況を見ると、私には、その道がどこに行くのかが非常に見えない、道半ばというか、その道がどこにあるのかが本当にわからない状況であると思っております。
そこで、市長は、12年前、市立病院再建を託されて市長に御就任いただいて、ある意味、12年間という時間が市長にあったわけでございます。ただ、残念ながら、結果としては、今、市長もお認めになっているように、市立病院再建は必ずしもうまくいっていない、道半ばの状況になっているということでございます。現時点で、12年間、御努力されたけれども、結果が出ていない状況について、市民の皆様に対して、市長は経営者としての率直な反省というか、そういった思いを述べていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

市長:私の市立病院に対する考えということかと思います。
初めに、平成18年に江別市立病院あり方検討委員会を設置いたしまして、答申をいただいております。その際には、これからの地域医療を担う医療は総合内科であり、総合内科を充実させ、それこそ、専門医との連携を進めることが地域医療を守ることになるという考え方のもとに進めてまいりました。
当時は、市立病院で総合内科の医療を提供する、また、その指導医を集めて研修体制を組むということは、全国的には非常に難しい状況でございましたので、大学医局からも派遣され、そして、その医師によって準備が始まり、体制の整備が進みました。全国PRをしたこともございまして、全国から医師が集まり、先ほども申し上げたように、一時期は23人の総合内科医が集まった状況でございます。
そういう状況ではありますけれども、その後、総合内科とプライマリー・ケア、家庭医というばらばらであった診療、専門医体制が統合されまして、平成29年からスタートしております。平成27年ぐらいから各大学で準備が始まりまして、その準備に基づいて、各地域で活躍されている総合内科の医師が大学の教授に迎えられるということがございました。私どもでは、その見きわめがなかなかできなかったのでございます。そういう動きがあることは十分承知しておりましたけれども、その体制にどのように向き合って、形をつくっていけば今の市立病院の総合内科医を守ることができるか、維持することができるのかといったことの準備をなかなかできなかったところが私の大きな反省点でございます。
結果としましては、何度も答弁させていただいておりますけれども、指導医が退職するという状況になりました。それでは、次の指導医が生まれるかということになりますと、残念ながら、次の指導医が不在ということもございまして、今回のような形になってまいりました。
12年間というお話でございますけれども、そういう意味でいきますと、私は、その時期、タイミングを失ったといいましょうか、見落としたことが大きな原因かと思っております。
しかしながら、先ほども、そのほかの診療科目のお話をさせていただきましたけれども、産婦人科につきましては、全て引き揚げられましたが、病院長以下、大変な努力をしていただきまして、産婦人科を再開できたというのは、多分、近郊では江別市立病院だけであると思います。逆に、そのほかは衰退しております。
さらに、小児科につきましても、体制を組むことができまして、ほかの診療圏からも受診される、または、こちらからも応援に行くといったようなことができております。
そういう意味でいきますと、私は、12年間の中で、産婦人科と小児科の体制は充実させることができたのではないかと思っております。
もう一つは、やはり挑戦してみましたけれども、道半ばになってしまったのは、医療圏の関連です。市立病院の医療圏は大体五、六万人だと想定しておりますが、南幌町ですとか長沼町を応援することによって医療圏を広げ、そして、外来、入院患者をふやそうといった経営努力の取り組みとして医師を派遣することができました。これは、ほかの市立病院ではなかなかできないことを現実にできましたので、そういう意味でいきますと、市立病院の存在感を近隣の市町村に示せたのではないかと思っております。一度トライして形ができましたが、今は衰退しております。一度できたものでございますので、もう一度、再開できるのではないかと思っております。
そういう意味でいきますと、先ほど道半ばという言葉を使わせてもらいましたけれども、充実した反面、反省をして次の体制に生かしていきたい、二度とこういう形にならないものをつくっていかなければならないと思っております。

岡君:12年間の取り組みをお話しいただいた上で、反省点についても述べていただいたと思います。
後段で言っていただいた産婦人科医、小児科医、医療圏の医師派遣については、今の状況になる直前の段階でも非常に評価が高かったところで、私自身も大変評価をしていた部分でございます。問題は、前段にお話しいただいた部分がやはり今日の結果を招いてしまっていると思います。
総合内科の指導医が退職し、その後、総合内科の医師が一斉に退職する状況を見きわめることができなかった、その後、総合内科を整えることができなかったところが反省点というふうにお伺いしました。私も、まさにそのポイントが現在の市立病院が危機的状況に陥っているターニングポイントだったと理解しております。
病院事務局への質疑にもありましたけれども、外部の我々が拝見している限りでは、あれだけ頑張って、総合内科の医師に集まっていただけるように盛り立ててきた経緯もあって、実際に医師も集まって、そして、他の病院にも派遣するような一自治体病院というよりは、北海道全体にとっても非常に重要な拠点になっているような状況であったと思っているのです。
それがお一人の指導医の退職だけでここまでの状況になってしまうのでしょうか。仮に、退職されるのはいたし方ないにしても、それだけの拠点になっている状況の中で、当時、平成18年度からずっと再建にかかわっていただいた総合内科の副院長がまだいらっしゃった時代でございますから、何とかほかの指導医を確保するような道がなかったのかというのは、外部から見ると非常に不自然に一斉退職したように見えるところかと思います。
反省点についてはお伺いしましたが、改めて市長自身が経営者として取り組んできたところでどういった部分が問題だったと考えられているのかについて、お伺いします。

市長:医師確保、それから、市立病院の診療体制は、行政としてどこまでかかわりを持つべきかというのは非常に難しい状況でございます。人事権も含めて、どういう人を選ぶかということになりますと、それはやはり市立病院の管理監督権になります。何が問題かといいますと、その判断は現在もついてないという状況であります。いろいろな形で人事にまで介入することで、市立病院の診療体制を維持できるかどうかということは、今、私もその回答を持ち合わせておりません。
ただ、市立病院の管理者と連携をとりながら、何を求められ、経営者として何を提供すべきかということを常に打ち合わせながら進めていくということは、これまでもしているつもりでおりますけれども、さらに詰めていかなければならないと思っております。
さらには、勤めやすい環境づくり、モチベーションが上がる環境づくりといったことも、これまで議会の中でさまざまな御議論をいただいております。それに対して、私も経営者として何ができるのか、何を求められているのか、それを見きわめて対応していくということが私どもに課せられている大きな課題かと思っております。
個別の人事の対応が非常に難しいということは、この数年間で、今回の総合内科医の関連も含めて、さらに認識させられたという状況でございます。

岡君:改めて、現実の行政運営と市立病院との関係においては、今、市長が言われたようにいろいろ難しい点があることは理解しているところです。
ただ、今、病院管理者という言葉を使われましたけれども、地方公営企業法上の管理者という意味ではありません。市立病院は地方公営企業法の一部適用ですので、いわゆる水道事業管理者のような管理者は存在しておりません。地方公営企業法上、管理者に当たるのは市長でございます。また、これは法的な解釈ではございますが、管理者の権限は市長がお持ちなので、予算及び人事の権限も全て市長が持たれています。もちろん人事に関していろいろと難しいものがあると思いますが、当然、市長も、法的に公立病院の経営者であることを認識されて、経営者としての最終的な責任も市長みずからがお持ちだと理解されているということでよろしいでしょうか、改めてお伺いします。

市長:当然、病院長を含めた人事権は私にございますので、そういう意味では、お話のとおりでございます。

岡君:その上で、問題点として、医師の確保、スタッフの増員と、行政としてどこまでかかわるのかが大変難しいといったお話だったかと思います。お話自体は、私もわからなくはないですし、市長が就任1年目、2年目の平成19年度、平成20年度当時であれば、そういうお話で、まだこれから頑張っていただきたいということだったと思うのです。
市長は、北海道において、医療福祉分野で大変豊富な経験をお持ちで、医療業界に対しても十分な人的コネクションを持って、さまざまな病院の経営に通じているという期待を持って就任いただき、12年間の時間が過去にあったわけでございます。なので、今の時点で、行政としてどこまでかかわるのかは難しいというような、非常に基本的なことをお答えいただいても、それはいかがなものなのかと思わざるを得ない点がございます。
病院経営者である御自身の問題がもっとあったのではないかと思うところですけれども、市長みずからは、どういった点が問題だったとお考えになられているかをお伺いします。

市長:市立病院の経営問題の一番の柱は何かといいますと、先ほど申し上げた総合内科を含めた内科系医師の確保が最大の課題でありました。平成19年から始まりました総合内科の体制は、先ほど申し上げたとおり、平成27年度、平成28年度当初までは潤沢に医師の確保ができたという状況でございます。それ以降、先ほど申し上げた指導的立場の医師の退職によってさま変わりしたということでございます。
私は、先ほども申し上げましたけれども、そのときの見きわめが非常に難しかったことが一番大きな課題だったと思っております。病院内の各診療科または医師の体制、さらには、退職というのでしょうか、市立病院の施設管理者等を含めて、そういうことをどこまで把握して対応できるかということになりますと、先ほど申し上げたとおり、非常に難しいということがございます。それは医療の内容ということもございまして、人数だけの問題ではございませんので、そういう意味では、非常に難しいという言葉を使わせてもらいました。
さらには、大学医局との連携がございます。これは、大学医局の対応を否定するわけではありませんが、ほとんどが大学医局との対応になりますと、各診療科の医師と各大学医局との対話になります。そこに行政がどこまで絡むことができるかということで、何度か大学の教授等とお会いしながら話をさせてもらいましたけれども、要請はできても、実際の話になりますと、それは大学医局の所属医師と大学医局との関係があるということで、対応の難しさがわかったというか、認識させられたということでございます。その点は常に難しいということでございます。
全体を見て対応できるものと、それから、個別に対応しなければならないものがございまして、先ほども申し上げた医師確保というのは、まさしく個別の診療内容と個別の医師の関連でございます。さらには、大学医局との関連もございますので、そこまで行政の長が関与することはいいことなのか。大局的なお話はできても、個別の医師のことがあって対応が非常に難しかったというのが今回の反省点でございます。
この対応はこうすべきだという答えは、まだ、私自身にも出ていません。これまでは、大局的に見て協力要請をすれば、対応ができたつもりでおりましたけれども、それだけでは非常に難しいことがわかったというのが先ほどの発言でございます。

岡君:内科系の医師の確保に関しまして、大学医局とのお話し合いについて、要請はできても、なかなか対応が難しいといった点や、個別の医師派遣の部分に関して、行政としてどこまでかかわっていくかというのも非常に難しいということかと思います。難しいというのは、私も、12年拝見しているので、十分理解をしているところでございますけれども、当然、その難しいというのは、市長であれば、御理解いただいた上で、現在、経営者として御対応いただいているということかと思います。
医師確保が最大の課題ということで、医師招聘を続け、大学医局への要請もずっと続けてきたわけですけれども、結果として、現在の状況になっているわけでございます。今年度においては、監査委員からの江別市公営企業会計決算審査意見書においても、抜本的な取り組みを求めるといったような指摘をされるまでになっております。
医師確保に努めるのは当然で、それは、それで全然誰も否定はしていないのですが、医師確保については、結果として非常に難しいということは、今の時点でわかり切っていることだと思います。ですので、抜本的な改革が必要だという指摘をされていると思います。
これまで、議会や市民からさまざまな問題点が指摘されていたと思いますけれども、単に医師確保、医師招聘に力を注ぐだけではなくて、より抜本的な改革に取り組むチャンスもあったと思います。私は、これまで、市立病院が抜本的な改革に取り組むというようなことはなかったと認識しておりますけれども、その点はどのようにお考えか、お伺いします。

市長:市立病院の経営改善に向けて、改善する時期といいましょうか、見通しということでございます。
これまで、国の公立病院改革、新公立病院改革との関連で、診療報酬改定によって収益が下がるまたは改善するといったときに、国から改善策を求められ、全国の公立病院が改善に向けて取り組みました。取り組める公立病院と取り組むことが難しい公立病院がありましたけれども、市立病院ではDPCや地域包括ケア病棟という取り組みを進めてまいりました。そういう意味での改善はあります。もう一つは、平成30年になりますけれども、病棟を休止した時点での改善という時期もあったと思います。さらに、先ほどのDPCの問題は平成28年度でございましたが、平成25年度は単年度収支で黒字になりました。これは、平成24年度の診療報酬で、ある意味では全国の市町村立病院が黒字に変わるといった時期で、平成25年度はそういう結果になりました。
しかしながら、平成26年度の診療報酬改定で大幅に変わりまして、これが大きな原因になり、先ほど申し上げた新公立病院改革プランが策定されるような流れになったわけでありますが、その時期に経営改善を図る一つのきっかけがあったのかと思います。そのときに、なぜそういう形にならなかったのかといいますと、やはり、先ほど申し上げた総合内科医が右肩上がりでどんどん集まり始め、そして、経営的には非常に厳しい状況が続いておりましたけれども、それで経営改善ができるのではないかという期待がございました。そういう意味では、その時点では改革の形には至らなかったということでございます。
また、平成28年度も、診療報酬改定で先ほどのDPCや地域包括ケア病棟などさまざまな対応が進められまして、私も、外科系も含めてDPCによって診療収益が上がるのではないかと大きな期待をしておりましたが、総合内科系の診療単価が上がらなかったということでございました。現在は、外科系の診療単価が少し上がりつつありまして収益には結びついておりますが、そういう期待がありまして改革に至らなかったわけでございます。そして、平成30年度は、先ほど申し上げたように大きな反省をしなければなりませんが、議会においても市立病院・地域医療検討特別委員会が設置され、さまざまな議論がなされるという形になりましたので、その推移を見た状況でございます。
そういう意味からいきますと、過去には見直しをする時期があったものと考えておりますが、先ほど申し上げたような状況から、そこに至らなかったところでございます。

岡君:非常に重要な御答弁をいただいたと思いますし、時期の認識についても、部局への質疑で、私も、総合内科医が非常に充足した平成二十五、六年度、指導医が退職して総合内科医が一斉に退職した平成28年度がポイントだと指摘をさせていただきました。いみじくも、今、市長と御認識が一致していたということかと思います。
今、きっかけがあったとお答えになられたのですけれども、そのときに考えられていた抜本的な取り組みというのは、いろいろなものがあると思いますが、どういった抜本的な取り組みをされようと考えられていたのか、お伺いします。

市長:公立病院の本筋の経営の原則というものがございますが、その原則に基づいた経済が非常に難しかった状況でございます。しかしながら、単年度黒字になり、収益が上がりつつあるということ、医師が確保されて、これからは医師派遣のような形もでき、さらには、患者の集積も可能になるといった状況が少し見えた段階で、地域の中核病院としてこれから進めなければならないものは何かといいますと、在宅医療、それから、もう一つは、大規模の病院で手術を実施した術後の患者の対応であろうと思っておりました。在宅医療の関連につきましては、総合内科との連携がありましたので、事業を実施していますけれども、そういう意味での体制固めをするための受け入れ態勢としてどういう態勢が必要なのか、診療体制もございますので、それを検討しなければならないと思っておりました。
もう一つは、それに対する経費の問題でございます。当時、人材の問題も含めて、どういう人材と体制で進めるべきなのかといった議論をする必要性があったのではないかと思っております。

岡君:今、答弁のあった在宅医療や、大規模の病院からの受け入れでございますが、当時、総合内科医もいらっしゃいましたから、総合内科の枠内での取り組みをさらに進めるという意味合いで、抜本的な改革なりに取り組むという意味合いとは違うようなお話だったかと思います。
平成25年度、平成26年度や、平成28年度当時に、例えば、指定管理者制度ですとか、民間病院との大きな連携、もしくは、当時においても、病床利用率で言うと病床はなかなか埋まっていませんでしたので、病床休止でございますとか、人数だけで言うと、看護職、スタッフが多目というような統計データもありますので、切り込むという話ではなかったということなのか、その辺について改めてお伺いします。

市長:経営主体の問題につきましては、江別市立病院新公立病院改革プランの中で、個別に論議をしておりますので、それはある意味では抜本的な議論ということにはなりません。通常的な議論の中に入っております。
先ほど申し上げましたのは、在宅医療が必要な医療とした場合、そのためにはどういう体制を組むか、その体制を組むときに組織の形を変えなければならない、その場合には組織運営の問題ですから抜本的な問題も出てくる可能性があります。抜本的な改革をするためにやるのではなくて、必要な医療は何か、提供する医療は何か、そのためには体制整備をどう進めていくかというのが今後の議論だと思いまして、そういう考え方のもとに、これまでも進めております。
まずは、市民にとって必要な医療は何なのか、提供すべき医療は何なのか、確保すべきことは何なのか、今、民間病院ができることを市立病院が運営することはどうなのかといったようなことが出て、そのためには組織がどう変わるべきなのかということを検討すべきということを考えておりました。その結果、抜本的な体制の整備が必要ということであれば、そこで抜本的なものを議論しなければならない、そのような思いのもとに進めてまいりました。

岡君:在宅医療について、平成25年度、平成26年度当時は、より必要な医療だと考えられ、その方向で体制を整えるにはどうしたらいいかといったことを考えると、当然、既存の市立病院の体制も変えなければいけないので、そういう意味での抜本的な改革をやる必要性、きっかけもあったのではないかというようなことは、理解いたしました。監査委員からも言われている抜本的な取り組みと、市長からお話しいただいたことは、今求められている根本的な取り組みとは違った観点と認識させていただきました。
やはり、平成30年度の決算を踏まえますと、病院事務局への質疑でもお認めいただきましたが、経営責任というものが発生していると言わざるを得ない状況になっているかと思います。
端的にお伺いしますけれども、市立病院の経営者として、市長は、今回の結果に対してどのように経営責任をとられるのか、お伺いします。

市長:市立病院の経営責任ということでございますが、私は、いかに経営改善を図るかということに尽きると思っております。
これまで、医師招聘を含めて診療体制の充実を図り、さらには、DPCや地域包括ケア病棟などの導入もしたりして、経営改善に努めてまいりました。これは、江別市立病院新公立病院改革プランに基づいて進めてまいりました。
しかし、先ほど申し上げたとおり、総合内科の指導的な立場の医師が退職したということがございまして、非常に厳しい状況が続いてございます。この状況につきましては、ことし2月の当初予算の説明の中でも、私は、市民合意のもとということでございますが、あらゆる角度から論議を進めていく必要があるという考え方を示させてもらいました。
また、今回は、ことしの3月でございますけれども、市立病院・地域医療検討特別委員会から、審査報告としまして、全部で5項目の提案をいただいております。優秀な指導医を確保し、各種研修体制の受け入れ態勢を整備する、さらには、病診連携強化に向けた取り組みを行い、医療提供体制の構築を図る、経営の専門業務に特化した市立病院職員のプロパー化の検討を進める、公費負担のあり方について検証する必要がある、専門的な知識や豊富な経験を持つ方から助言を得る場を検討する必要があるといった御意見などを頂戴いたしました。
市といたしましては、議会の御意見を重く受けとめまして、ことしの8月に、市民、医療関係者、学識経験者、市民団体代表者で構成します江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置いたしました。当委員会には、私から、市立病院が担うべき医療に関する事項、市立病院の診療体制に関する事項、市立病院の経営改善に関する事項の諮問をさせていただいたところでございます。
今後、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの論議の中では、地域における過去からの経営改善に係る取り組みの経過を踏まえた上で、市立病院が本来担うべき役割を検討いただきまして、経営改善につながるような答申がいただけるものと期待しております。
私としましては、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からいただく答申内容を着実に具現化し、長期的に安定した経営を確立することで責任を果たさなければならないものと考えております。

岡君:経営改善を図る方向で努力されるという御答弁でした。そのための一つの場として江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会をつくられて答申を出していただき、長期的に安定した市立病院の経営を確立していきたいということかと思います。経営改善を図る、御努力されるということについては、もうこの数年来、また、市立病院・地域医療検討特別委員会が2年前にできて以降、何度も理事者質疑が行われているかと思います。そういった中でも、もう同じようなことを何度も議会としてお約束いただいています。平成30年度の予算においても、御努力されるとお約束いただいた上で、このような結果が出ているということかと思います。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の設置についても、議会からもそういった提案があったというので、それ自体は、私も否定するものではありませんし、この委員会の答申に私も大変期待をしているところでございます。いかんせん、平成30年度の決算が悪過ぎることと、今年度も非常に経営状況が悪過ぎて、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を待っていては市立病院の存続すら危ぶまれる状況になっているというのが私の認識でございます。
経営再建に向けて経営改善を図る、そのために努力されるというのは、もう当たり前過ぎることでございますけれども、質疑といたしましては、一般の民間の企業もしくは民間の病院であれば、このような決算数値が出れば、オーナー社長は別にしましても、市長としてはどのような責任をとられるのが一般的とお考えになられるか、お伺いします。

市長:公立病院の経営と民間病院を置きかえて、民間病院の場合ならどうするかという御質疑でございますが、その関連につきましては、私からはお答えしかねます。民間病院がどういう経営で、どういう考え方で、どうするかということになりますと、それはさまざまな意見がございますので、それを一概に私の立場から言うことは難しいと思います。
しかしながら、公立病院の場合は、先ほど公立病院経営の中でも申し上げましたけれども、収入と支出ということが出てまいります。当該年度において、その収入と支出の中で一つの大きな変化があった場合、直ちにそれを改善できる手段があるかということになりますと、公立病院の場合は非常に難しい、これは公営企業全体に同じようなことが言えるわけでございます。体制を即時に、その時点で変更できるという状況ではございません。これは、先ほど申し上げた、公営企業である公立病院の宿命とよく言われております。
多分、これを何年間かで計画を立てて、どう進めていくかということが、これから問われると思います。それをお示しして履行することが経営責任を果たすことになるのではないかと思います。
また、責任のとり方はいろいろあると思いますけれども、公立病院、さらには、市民医療の関連からいきますと、まずは医療を守り、そして、経営を安定させる、そのための仕組みづくりを提案して了承いただき、それを着実に進めるといったことが責任を果たすことになるのではないかと思っています。

岡君:民間との比較については、あえてこれ以上お伺いしないでおこうと思います。
直ちに改善するのは、こういう状況になった場合に、公立病院の場合は大変難しいので、改めて計画を立てて中長期で改善していく必要があるというお話かと思います。
平成18年度から平成19年度の段階で新たに就任された市長、12年前の市長であれば、私も、そういう御答弁で十分に納得できるところかと思います。ただ、今回の状況は、何度も申し上げますけれども、市長が12年間市立病院の経営者として経営されていた中で、このような事態が発生しているわけでございます。天変地異のように発生したわけではなくて、最終的な経営の責任というのは市長にあるということかと思います。
少なくとも、まずは、平成30年度の決算を受けて市民に向けて陳謝されるとか、記者会見の中で改めてみずからの責任について説明されるなどもお考えになってはどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。

市長:市立病院の経営状況を市民にお知らせする、そのときに説明をすべきではないかということでございます。
これまでも、記者会見等の場を持ちまして、公立病院の経営の考え方、さらには、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置する経緯等の話をさせていただきました。平成30年度に6億円の補正予算を出させていただいたときにも、私から、経過説明の中で、市民に御理解をお願いしたところでございます。
今後におきましても、機会をつくりまして、今お話ししたような形のものを市民に説明してまいりたいと考えております。

岡君:さまざまな説明をされてきたというのは、間違いではないと認識しているところでございます。
私が先ほど質疑させていただいたのは、一連の質疑の中で、反省点といったお話が出てきましたけれども、やはり平成30年度の決算は数値として余りに悪過ぎる、そして、これは市長が12年取り組まれた結果、現在こういう結果になってしまっているということに対して、説明ではなくて、陳謝されてはいかがですかという質疑でございます。いかがでしょうか。

市長:今の岡委員の御指摘につきましては、今後の対応の中で考えてまいりたいと考えております。

岡君:また、経営改善をいかに図るかに尽きる、そのために努力するというのは当然のことで、私も、努力していただきたいと思っていますし、本当の意味での経営責任を果たせる、法的にも実際の権限を持っている人というのは、今の江別市には市長以外におりませんので、本当に市長には頑張っていただきたいと私としては思っているところでございます。
しかしながら、やはり、単に言葉だけで頑張るというのでは、経営再建の本気度と経営者の責任を市民及び職員に示すことにはならないかと私は思います。改めて、経営責任のとり方として、経営改善を図るためにいろいろなことをやられるということは実際に報道されるでしょうが、それ以外の形で責任をとることはございませんかという点を改めてお伺いします。

市長:経営責任の考え方ということでございますが、これも先ほど申し上げましたとおり、市民とお約束したことを具現化し、経営改善を図ること、さらには、具体的な対応につきましては、一番の課題は何かと言いますと医師確保でございますので、病院長と連携して、大学や関係機関・団体等も含めて、引き続き、要請して、逐一、市民に御報告できるような体制にしていきたいと思います。

岡君:残念ながら端的にお伺いせざるを得ませんけれども、経営責任のとり方というのはいろいろあるかと思いますが、市長にやめていただくわけにはいきませんので、辞職されるというような経営責任のとり方はできませんし、私も、現時点において、そうすべきではないと思っております。
それでは、それ以外の形で経営責任をとるにはどうするか、もちろん、経営再建に向けて努力するというのは大前提というか、当たり前の話でありますけれども、経営再建の本気度と、経営者の責任を市民と職員に示すためには、一般的にはみずからの給与を削減されるというのが非常にわかりやすい経営責任のとり方だと思いますけれども、この点について、お考えがあるか、ないか、お伺いします。

市長:私の経営責任のとり方でございますが、先ほど申し上げましたとおり、現在は、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会で、さまざまな形で検討される予定でございまして、そこでは、あらゆる角度から議論されると思っております。
また、議会等におきましても、この決算特別委員会等を含めて、さまざまな形で議論されるかと思います。それらの議論を含めまして、総合的に判断していきたいと思っています。

委員長(徳田君):それでは、他の委員から関連質疑をお受けいたします。
質疑ございませんか。

裏君:これまでの御答弁をお伺いしておりまして、岡委員のお話でも、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を待っていては遅くならないかといった質疑もあったわけでございますが、私としまして、市長の御答弁を伺うにつけ、理解するところもあります。
その上で、重ねて伺うようで申しわけございませんが、その江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申については、最終的な改革の方向性を受けたならば、本当に着実に実行させる気持ちがあると理解いたしましたが、それについて確認させていただきます。

市長:この問題は、先ほど申し上げたとおり、議会における市立病院・地域医療検討特別委員会の意見でもございます。さらに、私が申し上げた経営に関連しましても、これは市立病院の経営改善に関する事項、診療体制に関する事項ということで、具体的に検討をお願い申し上げております。
実施時期の問題は残るかと思います。できる時期とできない時期があるかと思いますけれども、やる方向については、これは重く受けとめまして、最善の努力をしなければならないと思っております。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの答申内容について、実施する方向で対応してまいりたいと考えております。

裏君:断行していただくというお気持ちだということで、ぜひ市民が安心できる医療環境を守るために、着実に実行されることを強く求めて、終わります。

委員長(徳田君):ほかに質疑ございませんか。

宮本君:岡委員の質疑は多岐にわたっておりましたので、大分重なる部分がありますけれども、御容赦いただきたいと思います。
それで、私からは、先ほど出ていました監査委員からの江別市公営企業会計決算審査意見書について質疑いたします。
監査委員の審査意見を付して、議会の認定を求めているところでございます。私どもとしましても、この監査委員の審査意見を大きなよりどころとしまして、決算審査に当たっております。そういうことから、多少、平成30年度以降のことも関連しますので、御容赦いただきたいと思います。
それで、監査委員の審査意見の結びの中から何点か、考え方を聞かせていただきたいと思います。
収支のバランスが大きく悪化したことから市立病院経営は極めて厳しい状況に直面している、これはそのとおりだと思います。
まず、収支のバランスということが大変大事なことだと思いますけれども、さきの決算特別委員会でも病院事業について、経費の問題についての質疑がありました。それで、資料もお示しいただいた中で、人件費の問題ということで、端的に言いますが、医師の人件費については、大きく見て、多少の上限はありますが、大体そういう状況かと受けとめさせていただきます。
看護師の配置について、言葉は確かではないかもしれませんが、行政側と職員組合との協定があって、過去にも江別市職員労働組合側にはいろいろなお願いをしてきているということで、例えば、看護師の夜勤の問題、人数の体制の問題についてお話がありました。やはり、看護師の人件費の比率が、類似都市と比べて高いということです。それについては、いろいろな説明がありましたが、その辺について、市長の立場からどのように判断していますか。

市長:平成30年度の決算から見まして、類似の病院と比べて、看護師1人当たりの収入、支出等を含めたら、多分、高いと思います。それは、先ほど申し上げましたけれども、収益と看護師の数との比較でもございますので、収益が下がれば経費の割合が高くなります。当初、見込んでいた診療収入を得るべく、外来・入院患者を見込んで医療体制を組んでおりますので、それを下回りますと、当然、職員1人当たりの経費がかさむという形になります。しかし、これは先ほど岡委員の質疑でもお話し申し上げましたが、収益が下がったときの体制で即対応できるかということになりますと、非常に難しい問題があります。やはり、長期的にこういう入院、外来の患者があるという計画のもとに、それでは、体制をどう組んでいくかということを進めていかなければならないと思っています。
したがって、断片的に見て、人件費が高いまたは低いと判断することは非常に難しい、判断すべきではないと思っております。長期的に見て、この外来患者数に対して必要な看護職員がいるのか、いないのか、いるとした場合には、この人数を確保して、そのときに単価が安いのか、高いのかという論議があるかもしれませんが、入院患者数が大幅に落ち込んでいて、診療収入が低いときに比較するという形にはならないのではないかと私は思っております。もし比較しようとしたら、計画の患者数を見込んで、それに対して低いか、高いかという議論をしなければならないと思っています。
現実問題としては、患者数が減っていますので、宮本委員が御指摘のとおり、どうしても看護師の人件費の単価は高くなってしまう状況です。

宮本君:そういうお考えは、それで受けとめますけれども、現実問題として、今、長期的な体制を視野に入れたときに、急に患者の受け入れ要請があった場合、やはり体制が整っていないと応需できないということだと思います。
市長は、去年の末、おととしぐらいから、記者会見等でも、収入に見合った支出というお話しをされていました。収益に見合った支出という言い方もされていますが、現実問題として、平成30年度の決算や医師の確保等も含めて、これからの予想も見ますと、そう簡単には収益が上がってこないのではないかと考えます。ですから、新年度の予算編成のときに、今おっしゃったような考え方をそのまま持ってくるとなると、また同じようなことが起こるのではないか、こういうふうに私は思います。
現に、昨年10月から、市長は、市立病院の病床を50床休止ということで、簡単には行きませんけれども、まず、そこに手をつけました。それで、その後、どういう経過をたどるか、様子を見られたと思います。効果はありましたが、思ったより、なかなか経費が削減されませんでした。そういうようなことを現実的な問題として見ますと、1年、2年後にどのように体制が整うかといったら、収益が上がるという意味では、そういうことにはならないと思います。ですから、その辺について、どういう考え方をお持ちですか。それは市立病院経営と管理の問題もあると思いますが、市長の立場としてどうお考えでしょうか。

市長:例年、過去3年程度の患者数を見込んで、次年度の予算を立てております。平成30年度は、見込んだ以上に患者数が減少してしまったということでございます。令和2年度の予算も、3年間ぐらいの実績を踏まえて予算計上することになります。医師の確保が見込めるかどうかという問題も一つあります。それもきちんと見きわめなければなりません。
これは平成19年度の状況でございますけれども、医師はわずかしかいませんでしたが、その後ふえてまいりました。看護師が足りなくて、大変な苦労をいたしました。その当時は、看護体制によって診療報酬が高くなるということもありまして、看護師の確保に非常に苦労したことがございます。
このたびも、残念ながら、医師の確保が十分ではございませんので、申しわけありませんが、そういう対応は今のところお話しできませんけれども、現在、努力しています医師の確保と看護師のスタッフの確保ということはペアになりますので、その辺を見きわめて進めていかなければならないと思います。
しかしながら、先ほど申し上げたとおり、経費の問題も出てきますので、過去3年間の実績を踏まえた形での入院の状況、外来の状況なども見きわめて予算計上をしていきたいと思っております。その対応ができましたら、職員の問題、体制も検討していかなければならないと思っております。

宮本君:状況を見きわめて予算計上していきたいと、その体制はどうなのか、最後のほうをもう一度お願いします。

市長:これまでの予算計上の仕方として、過去の入院、外来の患者の数字を出して、それを想定して、来年度の予算計上をしております。その患者数を見込んで、スタッフを確保していかなければなりません。まず、それをしていかなければならないと思っています。
患者数が減って、看護師の数に議論が及べば、それは先ほど申し上げた職員体制の問題もありますので、その中で議論させていただきたいと思っております。それは申し上げた職員組合の問題、さらには、組織の問題がありますので、入院患者数だけで看護師の数を議論するというよりは、全体の中で議論していきたいと思っています。

宮本君:簡単に言いますと、今の段階では、そういうことも含めて、現体制を維持するということでしょうか。

市長:先ほど、岡委員にもお話し申し上げましたけれども、現状としましては、公立病院の職員体制といいますのは、1年、2年ではなかなか解決するものではないと思っております。長期といいましても、中期的な形で見込みを立てまして、それで人員の配置を検討していかなければならないと思っております。

宮本君:それでは、監査委員からの審査意見について質疑いたします。
一時借入金等の流動負債が増加したため、短期の支払い能力を見る流動比率及び現金比率等の債務比率はさらに悪くなったということで、現状では単年度資金収支の黒字化には相当な困難が見込まれることから、運転資金の確保については、慎重な配慮が必要と考えると記載されております。読むとすっと行ってしまうのですけれども、何回か読んでいるうちにすごく気になるのです。当然ですが、相当考えて書いていると思います。
市長として、運転資金の確保について、これはどのように捉えられているのでしょうか。

市長:平成30年度も同じでしたけれども、今年度も、先ほどの質疑のとおり、今、非常に厳しい状況が続いております。このまま行きますと、資金繰りに支障が出てくると思っております。どこかの時点で、今年度の対応を検討していかなければならないと思っています。そのためには、具体的な数値を出して、見込みを出して、それで推計して、次の考え方を示していかなければならないと思っておりますが、現状でいきますと、12月ごろには、そういう見通しを立てる時期が来るのではないかと想定して、今、準備を進めているところでございます。

宮本君:私は、そういう面もあるでしょうけれども、借り入れるということは、返済も大変厳しいと思います。運転資金ですから、1年から2年を猶予して、次に繰り延べするというやり方をされている状況で、今、7億5,000万円も返済中です。ですから、どこかの時点で検討しなければならないぐらい、さらに大変厳しい状況ということでしょう。ですから、私は、逆に言うと、運転資金の確保についても、もう限界ではないかという考え方で捉えていたのですが、そのようにはとれませんか。

市長:宮本委員が御指摘のとおりでございますけれども、現状としましては、まだ、実績といいましょうか、推計も含めて、診療報酬の確定は、まだ半年もたっていない状況でございますので、その辺をぜひ見きわめさせていただきたいと思っています。今は具体的な数値をもって相談しなければならないと思っておりますので、そのときにはその数値をもって御相談させていただきたいと思っています。

宮本君:さきの決算特別委員会の中で、一時借り入れについて、平成31年度に入りましてから、14億7,000万円という数値を言われていました。それは9月の時点だったか、10月の時点の予想で言われています。やはり、今、市長がおっしゃったように、どこかの時点で、そういう言葉を使っていませんけれども、財政も含めて、庁内で、今後のあり方について打ち合わせをしているというお話がありましたので、私は、大変厳しい状況だと受けとめました。
今、市長は今年度が半年ぐらいたって、もう少し見きわめたいということをおっしゃいましたけれども、私は、市立病院・地域医療検討特別委員会の委員でしたので、前年度もそういうようなお話を聞いたような記憶があるのです。それは、それで仕方ありませんけれども、何かまた繰り返すというようなイメージを持っています。市長の慎重さは大変大事なことだと思いますので、それで受けとめました。印象を言わせていただきまして、次の質疑に入りたいと思います。
次に、先ほど岡委員から、抜本的な取り組みについてのお話がありました。ここも江別市公営企業会計決算審査意見書を読ませていただきます。
継続的な医療を提供できる体制を確保していくためには、病院の実績を踏まえた抜本的な取り組みが求められるところであり、必要な検討を迅速かつ着実に進めていくことを望むものである。継続的な医療を提供できる体制を確立していくためということですけれども、ここも非常に意味があると思います。
それで、これは総務省が出すのでしょうか、地方公営企業の抜本的な改革等の取り組み状況ということで、平成30年3月31日時点の実施状況という表があるのです。その中で、まさにこれは、経営形態に、事業廃止、民営化、民間譲渡、広域化、民間活用、独立行政法人への移行と何項目か書いてありまして、現行の経営体制を継続するというところに丸印をつけられています。現行の経営体制手法を継続する理由、今後の方向性ということで、抜本的な改革の方向性について、検討の前段階にあるためということです。今後の経営改革の方向性等というところでは、経営形態の見直しの具体的検討に入る前に、事業規模と病床数や病床機能の見直しについて検討が必要である、全部埋めているわけではないですけれども、こういうことが記載されています。
これが平成30年3月31日時点です。平成31年3月31日時点では、この内容はどのようになっていますか。これは市立病院が出しているのです。そこを確認させていただきたいと思います。

委員長(徳田君):暫時休憩いたします。(11:31)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(11:33)

市長:経過があるようでございますので、病院事務長から答弁させていただきます。

病院事務長:地方公営企業の抜本的な改革の取り組み状況ということで、平成30年3月31日時点に書いた内容ということで、今、御指摘をいただきました。
毎年、江別市立病院新公立病院改革プランに基づいて調査が来ている状況ということで、恐らく、平成31年3月にも同じような回答をしておりますが、現時点で手元に詳細な資料がなく、どういう回答をしたかというのは、今時点で御答弁を申し上げられませんので、御了承いただきたいと思います。

市長:補足で説明させていただきます。
新公立病院改革ガイドラインが国から示されまして、各市町村立病院で、その対応を求められており、経営全般の話、さらには、導入できる、導入すべき、診療収入や診療体制の問題を全て国に出して、毎年度、進行管理されております。そのときに、現在、江別市立病院の経営形態はどうなのか、さらには、全部適用に進むべきなのかという問題、さらには、DPCを導入してどのような結果になっているのか、地域包括ケア病棟は導入されているのかを報告しております。お示しいただいた資料につきましては、平成30年の市の状況をお話し申し上げており、そのときには具体的に民営化ですとか事業廃止というところまでは、まだ行っておりませんでしたので、今の時点では現状維持をしますということで報告させていただいたところだと思います。

宮本君:ホームページでは平成30年だったものですから、平成31年はどうなっているかということで、再度、開いたのですが、なかったのです。
それで、抜本的な改革ということは、やはり経営形態のことを言っているという捉え方をしたものですから、先ほど、岡委員の質疑の関連でもありますが、それぞれの捉え方でしょうから、言葉の定義はそれぞれあるのかもしれません。それは調べて勉強させていただきます。
今の段階では、現状維持ということで捉えてよろしいということです。
それで、監査委員の審査意見ですけれども、必要な検討を迅速かつ着実に進めていくことを望むということですから、これについて、再度、お願いします。

市長:平成30年度の江別市公営企業会計決算審査意見書におきまして、抜本的な取り組みを求めると指摘されたことに対する対応でございます。
私も、その意見につきましては、非常に重く受けとめております。このような指摘は、これまでの議会の中での御論議を踏まえて出されたものと考えております。今回も、市立病院・地域医療検討特別委員会からの御意見がございました。さらには、それを受けとめまして、先ほど申し上げましたけれども、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置して進めるということがあり、そういう論議を踏まえて出されたものと認識しております。
抜本的な取り組みということでございますけれども、私どもとしましては、先ほど申し上げました議会での御論議をいただいて、先般、8月でございますが、市民、医療関係者、学識者などで構成されます江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置しております。その中では、経営改善に向けたさまざまな検討をされると思っておりまして、私どもは、この委員会でいただいた答申を踏まえて、将来を見据えて再建計画を立案し、そして、進めることが今回の経営改善に向けて、抜本的な経営改善の議論につながるのではないかと思っております。先ほど申し上げました江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を受けて、対応してまいりたいと考えております。

宮本君:江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会のお話がありましたので、それについて質疑させていただきます。
江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の協議の進め方ということで、大まかなスケジュールがあります。これに書かれているとおり、来年1月には答申書を取りまとめる、それで、2月には答申されるという工程になっております。
大体の内容については、1月から2月に把握できるかと思います。そして、それをもとに今後は着実に具現化して責任を果たしたいということで、できることから順番に、いろいろ実行計画を立てると思います。私は、成果が出てくるものは、計画を立てて、すぐに取り組んでもその後1年ぐらいは様子を見て、やはり、早くても令和3年の初めでないとなかなか見えてこないのかと思います。
簡単に言いますと、それまで、市立病院として経営的にもつのか、そこが一番心配で気になるところです。我々議会が意見を示すにも時間がかかりましたが、それを捉えてこういう形で進めているのは、もちろん大賛成です。江別市立病院経営健全化評価委員会のいろいろな御意見ですとか、市民団体の御意見、江別市立病院シンポジウム等を経て、今ここまで来ているわけです。今、私がお話ししたとおり、時期的な話で、そういうふうにやってきたときに、本当に1年、2年後まで、市立病院の経営が続けられるのか、それを心配しているわけです。
決算特別委員会の中で、資金的なことも含めて庁内で検討されているということを初めて聞きまして、もうそういう流れになっているのかということで、びっくりしたのです。この辺について、私もそうですけれども、他の議員も心配しているのですが、どういう考えをお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。

市長:病院経営に関連する今後の進め方でございます。
平成30年度の決算は、先ほどの御指摘のとおりでございまして、非常に厳しい状況が続いております。この状況がさらに令和2年度に続くようなことがございましたら、これまで以上の課題が出てくると思っております。そうならないような対応を進めていかなければならないと思っております。そのために、先ほど御答弁申し上げましたが、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置しました。現在、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会で御論議をいただいておりますけれども、経営改善につながる意見といいますのは、時期を待たずしていただけるような仕組みで、来年度の予算で対応するために検討を急いでいただけるよう、お願い申し上げておりますので、反映していきたいと思います。
時期が遅かったのではないかという御意見もございます。確かに、来年度予算のことを考えますと、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の設置、さらには、進め方といいますのは、ことしが選挙の年であったこともございまして、そういう意味では、予定どおりに進まなかった、設置できなかったということもございます。その点も踏まえまして、早急に検討結果をいただけるように、要請してまいりたいと考えております。

宮本君:新聞記事の切り抜きを持ってきていまして、全てを表現しておりませんでしょうけれども、市長が6億円の返済について、2年間の据え置き、次の5年間は分割払いにすることについて説明されたときに、市立病院には、返済を猶予する2年間で経営を再建してもらうというような意気込みも含めてお話しされました。
それで、総合内科医と専門医の連携による医療も今後続けるということで、専門家のアドバイスを踏まえて、市民が希望する医療を提供できる経営改善のあり方を考えたいという答弁がありました。こういう経緯の中で、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置しまして、今、スタートしております。9月下旬から実質的な中身の協議に入ると思いますけれども、途中で、いろいろな提案といいますか、参考になるお話を察知したとき、市立病院側から説明を受けて、やはり取り組めるものはどんどん取り組む必要があります。申しわけないことを言いますけれども、私の印象では、常に市長は、様子を見る、もう少し経過を見たいという待ちの姿勢でございます。それは、市立病院の経営にまだ余裕があるという思いがあったのかという印象もありますが、今はもう待ったなしの状態ではないかと思います。答申は大事ですから、それは、それで受けとめてやっていただきたいと思います。
ただ、途中で、これはどうしても早く取り組むというように、設置者として、病院長、管理者の立場の方としっかりと連携をとってほしいと思います。病院長は忙しいでしょうから、経営は病院事務長が代理としてやっていくと思いますので、綿密な連携をとって取り組んでいただきたいということでございます。
それで、最後に、1点お伺いします。
答申を受けるか、受けないというか、時期的なこともあるでしょうけれども、今の江別市立病院新公立病院改革プランが間もなく3年目を迎えますが、現在、経営計画というのはこれしかないのです。これについては、取り組めるところは取り組んでいると思いますけれども、答申を受けるか、受けないかというときに、新しい市立病院の本当の経営の指針といいますか、職員の皆さんがそれを見て頑張ろうという認識を持てるような計画案の作成は視野に入っていますでしょうか。

市長:今後の経営指針ということでございますけれども、先ほど申し上げました江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の設置の際に、私から三つの項目をお願い申し上げて諮問させていただいております。
担うべき医療に関する事項、診療体制に関する事項、あわせまして、経営改善に向けた事項ということでお願いしております。その諮問をする際に、私からは、順次、できるものからやっていきたい、答申を早くいただけるようなことができたら、それに基づいて取り組んでまいりたいというお話を申し上げて、提案をお願い申し上げております。再度、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会に、今お話があったことも含めまして、相談してまいりたいと考えております。

委員長(徳田君):ほかに質疑ございませんか。

三角君:今までいろいろな話がありましたけれども、せっかく市立病院に来ていただいても、医師にはなかなか長く在籍していただけないような現状だということでございます。平成30年においても、3月のスタート段階から4名がいなかったということと、その後、計画を立てて進められている中でも、8月に3名の医師が退職されてしまう状況の中で、市立病院の環境整備がきちんとされているのかどうか、私は疑問に思うところがあるのです。その辺について、市長はどのようにお考えになられていますか。

市長:医師の勤務環境ということでございます。
これまでも、診療科目ごとに体制を組んでおりますので、内科は内科、総合内科は総合内科、心療内科は心療内科で組み、そして、そこには、病院長、副院長等が関与しての体制を組んでおります。先般も、病院長からは、病院長みずから内科の応援をして外来に出て対応していることも聞いておりますので、そういう意味からいきますと、連携できているのではないかと思っております。
状況を聞きますと、やはり、医師が少なくなれば、その分だけ労働過重になるということもあって、これがどうも循環を悪くしていることにつながるという話がございました。やはり、一日も早く、医師を確保して、環境を改善してあげることが重要だと思っています。

三角君:確かに、医師が少なくなれば、それだけ負担がふえて、大変になると思います。そういった段階で、これまでも江別市で研修されて、あちこちに行かれていると思いますけれども、江別市を離れて新たなところで一生懸命頑張っている医師もおられるようなことが新聞で報道されています。
逆に、江別市に来て、本当にこういう面でいい病院だと思ってもらって、それから、さらに、この病院にいたらこういう魅力のあることが学べるという、魅力ある病院、医師が集まるような環境づくりを何か考えられているのでしょうか。

市長:内科の具体的なお話になりますと、私に手持ちの対応策はございませんが、医師全体の話から申し上げますと、学会または研修会に行く者への配慮、さらには、連携に対する調整といった組織、そういう対応はできていると思っております。
それぞれの診療科目がございますので、そういう意味からいきますと、私どもが個別の医師の連携体制または勤務環境の体制を全て把握しているところではございませんが、御心配の件は病院長、副院長に伝えておきたいと思います。

委員長(徳田君):ほかに質疑ございませんか。

吉本君:1点だけ、お聞きしたいのですが、先ほど、行政の市立病院への関与というところで、いろいろと複雑であるというお話でした。平成18年度のときもそうでしたけれども、やはり、市立病院のスタッフが一丸となって、市立病院を何とかしようというモチベーションが上がってこなければ、なかなかうまくいかないです。やはり、そこでやめていく人たちが出て、ずるずるとやめていくということが、看護部の中にもあったと聞いています。
今の時点では、看護師の数が多いではないかという意見も出ていましたけれども、そういう危険が常に表裏一体であるという状況だと思います。そうならないように、例えば、かつて、病院長が直接スタッフの前で、今の状況はこうです、みんなで頑張りましょうという声かけを何度もされたとお聞きいたしました。やはり、一番大変なのは患者だと私は思いますけれども、次に大変なのは矢面に立って市立病院で働いている人たちだと思います。行政がするとすれば、やはりそういう人たちを江別市としてしっかりとバックアップすることであると考えます。
先ほど、市長は、現状では市立病院の今の機能を維持するお考えだとおっしゃっていました。私たちは、そういう体制自体もしっかりとバックアップしますという表明みたいなものがあると、今、頑張っていらっしゃる職員の方々には随分と力になるのではないかと思います。そういうことも時々されていらっしゃるのかどうか、その辺をお聞きしたいと思います。そうすれば、みんな苦しいけれども、頑張ろうという力が湧くのではないでしょうか。私は、以前の市立病院の人たちからそういう話も聞きましたので、その点はどうお考えか、お聞きいたします。

市長:職員のモチベーションを上げるための対応であろうと思います。
これまで、現病院長が病院長になったときに、病院長、副院長体制が変わりましたので、その時点で、私も、市立病院にお邪魔いたしまして、職員と現体制の医師の前で現体制の医師、経営が非常に厳しい状況でありますので、一丸となって病院長を先頭に診療し、地域医療を守っていただいて、その上で、経営改善を図るように要請させていただきました。
また、今回、江別市立病院シンポジウムのときにも、職員の方が随分いらっしゃいましたので、その方にもお話し申し上げました。それは、江別市立病院シンポジウムを行う前の時点でも、職員、病院長、副院長を集めまして、市立病院に関連するお話をさせていただきました。
また、個別の話になりますけれども、病院長とは、随時、打ち合わせをしておりまして、病院長みずからも病院内で会議を開いて、そして、今の診療体制の問題、さらには、市立病院としての方向性の考え方をお示しして、市立病院職員が一丸となって対応しているというお話を報告いただいております。
今後におきましても、機会がありましたら、そういうことを踏まえて発言してまいりたいと考えております。

委員長(徳田君):ほかに質疑ございませんか。

岡君:先ほどの宮本委員のさまざまな質疑の中から、若干、関連でお伺いします。
市長がお答えになっている話に若干そごがあるのではないかという観点からのお話なのですけれども、医療スタッフの体制の問題で、予算やプランがあり、それに基づいて体制を整備していたところだということです。結果として、予算ベースまでは収益が見込めなかったので、収支としてはマイナスになっているというような御説明かと思います。
今後については、その予算の立て方について、今まで実績ベースで予算を立てたことが全くなかったと私は思っています。実績を踏まえた予算をつくっていくというお話をされたと私は理解したのですけれども、例えば、来年度の予算は、過去3年間の実績ベースでつくると、これまでの予算とは全く違った、収益としては激減する予算になります。それに見合った体制を支出としてつくると、先ほどの答弁になると思うのです。
一方、何度も御答弁されているとおり、そういった体制の変更には時間がかかると、一、二年なり、中期の形だということです。それでは、我々が平成30年度なり令和元年度の予算で、もう少し実績に合った予算を立てていたら、その分の体制をつくれたということをおっしゃっているのか、機動的にその予算に合わせてつくられるのかどうかといった点についてお伺いします。

市長:先ほど、宮本委員にお答えした内容といいますのは、予算を計上するときには、過去3年間の入院、外来の患者数を参考にして、それで収益が出てきます。そして、それにかかる経費が出てきます。次の収益を見込むために、入院、外来の患者数を受け入れる努力をしていただくというのがこれまでやっている流れでございます。
今後におきましても、先ほど申し上げたとおり、単年度で今年度はこういう決算でしたので、こういう形の対応ができるということには非常に厳しい状況でございますが、当然、これまでの実績をもとに、今度は来年度のかかる経費を計算し、患者数の増を見込んで、それで収益を計上する流れでございます。これからは、それをより厳しくしていきたいということを、先ほど宮本委員にお答えしたところでございます。

岡君:病院事務局からも、これまでの決算を踏まえて、来年度以降の予算については、やはりこれまでの立て方ではいけないだろうといった御答弁をいただいております。
理解できなかったところがありますけれども、今までよりは、より実績に近づくような予算が立てられたとしたら、それに応じた体制の支出の変更というのは機動的に、来年度予算であれば今年度末までなのか、一、二年かかるのか。やはり、一、二年かかるというふうにおっしゃっているという理解でよろしいのかどうか、改めてお伺いできればと思います。

市長:導入できるものは直ちに導入してまいりますけれども、先ほども申し上げました公立病院のある意味で宿命的なところがございまして、翌年度にすぐ反映できるということではございません。何年かかるというのは今の時点で言い切れませんが、来年度にはできるということではなくて、数年かかることになるのではないかと思います。

岡君:なので、その部分の収支のバランスが崩れたままということかと思います。
もう1点、これも、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会のさまざまな答申について、答申なり、答申の前の提言についても、早急に対応していきたいというお話をいただいたかと思います。
私は、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からは、抜本的な経営形態の変更といったような答申が出る可能性も十二分にあり得ると認識しておりますし、外部の委員には専門家の方に入っていただいておりますので、専門家の目で普通に見れば、そういう答申が出てもおかしくない市立病院の状況だと思っております。
一方、今おっしゃっていただいたように、早急に対応すると言って、仮に、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から抜本的な答申が出たとしても、宮本委員も先ほどおっしゃっていましたが、令和2年度からすぐ対応するなどというのは、できることはやるでしょうけれども、体制の変更なり、診療規模の大幅な縮小みたいなところは、やはりそんな簡単にはできないと見込んでいるという理解でよろしいでしょうか。

市長:江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの対応でございますが、多分、さまざまな形の提言をいただけるものと考えております。先ほども申し上げたとおり、直ちに対応できるものは対応しますが、やはり、経営主体の問題とか、さまざまな議論をしなければならない組織の問題、市としての対応の問題などがございます。それはタイムスケジュールをお示しした上で、議論、対応を進めてまいりたいと思います。

岡君:やはり、その期間、当面の間は収支のバランスが崩れる状況が現時点では想定されるということです。仮に、今後、抜本的な改革を行うにしても、現実の数値としては、先日の決算特別委員会でもお示しいただきましたが、もう今年度の資金繰りが本当にどうすればいいのかわからないような状況になっている事態だと私としては認識しておりますということを申し上げて、終わりにします。

委員長(徳田君):ほかに質疑ございませんか。

佐々木君:大変厳しい、市立病院の経営が瀕死の状態の中で、本当に最大のピンチです。そして、ラストチャンスかと思っているところです。
今、根本的なあり方を検討する第三者委員会がスタートしましたので、その議論に現在の経営や運営状態に影響され、経営面だけの議論にならないように、一方では、医療圏における政策医療面からもしっかり議論できるような環境づくりをぜひしていただきたいと思っています。できることは途中からでもスピード感を持って対応していただけるということでしたので、それはぜひお願いしたいところです。
また、一方で、人員体制は、先ほど市長も風評被害とおっしゃっていましたが、本当に大変なことであり、一回休止してしまったら、再開が大変難しい状況なので、本当に困難なことだと思います。
確認ですけれども、そういったことも含めて、今後、労働条件にかかわることは、職員組合と真摯に協議していただくということでよろしいでしょうか。

市長:さまざまな改革といいましょうか、経営改善に伴ったさまざまな事業展開につきましては、それぞれのお約束ごとに基づいて、協議しながら進めてまいりたいと考えております。

委員長(徳田君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
これをもって、理事者質疑を終結いたします。
理事者退室のため、暫時休憩いたします。(12:04)

※ 休憩中に、認定第3号の今後の審査方法について協議
※ 休憩中に、自由討議の実施の有無について協議
※ 休憩中に、自由討議を実施

委員長(徳田君):委員会を再開いたします。(12:49)
本日、理事者質疑を終結いたしましたが、次回結審することとしてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次回委員会についてでありますが、9月20日金曜日の午前9時より開催したいと思いますがよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
以上をもって、本日の決算特別委員会を散会いたします。(12:50)