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令和元年第3回江別市議会定例会会議録(第4号)令和元年9月13日

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年11月27日更新

1 出席議員

25名

議長 角田 一 君 副議長 相馬 芳佳 君 
議員 高橋 典子 君 議員 佐藤 美佐子 君
議員 吉本 和子 君 議員 島田 泰美 君
議員 芳賀 理己 君 議員 石田 武史 君
議員 本間 憲一 君 議員 鈴木 誠 君
議員 猪股 美香 君 議員 岡 英彦 君
議員 三角 芳明 君 議員 宮本 忠明 君
議員 高間 専逸 君 議員 清水 直幸 君
議員 佐々木 聖子 君 議員 稲守 耕司 君
議員 内山 祥弘 君 議員 諏訪部 容子 君
議員 干場 芳子 君 議員 齊藤 佐知子 君
議員 奥野 妙子 君 議員 徳田 哲 君
議員 裏 君子 君    

2 欠席議員

0名

3 説明のため出席した者の職氏名

市長 三好 昇 君 副市長 佐々木 雄二 君
水道事業管理者 佐藤 哲司 君 総務部長 後藤 好人 君
総務部調整監 高橋 孝也 君 企画政策部長 北川 裕治 君
生活環境部長 川上 誠一 君 経済部長兼
総合特区推進監
渡部 丈司 君
健康福祉部長 佐藤 貴史 君 建設部長 中田 正士 君
病院事務長 白石 陽一郎 君 消防長 西原 信一 君
水道部長 菊谷 英俊 君 会計管理者 永嶋 満 君
総務部次長 福島 和幸 君 財務室長 野口 貴行 君
教育委員会教育長 月田 健二 君 教育部長 萬 直樹 君
監査委員 中村 秀春 君 監査委員事務局長 湯藤 維之 君
農業委員会会長 萩原 俊裕 君 農業委員会事務局長 川上 誠一 君
選挙管理委員会
委員長
中井 悦子 君 選挙管理委員会
事務局長
金内 隆浩 君

4 事務に従事した事務局員

事務局長 土屋 健 君 次長 錦戸 康成 君
庶務係長 土谷 晶子 君 議事係長 水口 武 君
主査 坪松 隆 君 主任 岡村 英治 君
主任 海谷 祐二朗 君 書記 渡辺 輝 君
事務補助員 堀川 久乃 君    

5 議事日程

日程第 1 会議録署名議員の指名
日程第 2 一般質問

発言者及び発言趣旨

徳田 哲 君 (一問一答方式)

  1. 人口減少社会における江別市の姿について
    (1)将来にわたって持続可能な江別市の姿について
    (2)江別市における経済の地域内循環について
  2. 道路整備について
    (1)道路整備の優先順位を設定する手順について
    (2)道路整備の優先順位評価基準の策定について
  3. すぽっとケア事業について
    (1)すぽっとケア事業の目的について
    (2)すぽっとケア事業の実施場所について
    (3)すぽっとケア事業における定期テストの受験と成績への反映について
    (4)保護者連絡会の開催について

鈴木 誠 君 (一問一答方式)

  1. 市立病院の経営財政問題について
    (1)診療収益が計画より大幅な減少となっている要因について
    (2)単月資金がショートした場合の対策について
    (3)今年度中のさらなる補正予算の必要性について
    (4)病院事業会計への追加支援等の予定について
  2. JR江別駅周辺の活性化について
    (1)株式会社SPCみらいの財務内容について
    (2)えべつみらいビルから生鮮食料品店が退去した後の対応について
    (3)江別駅周辺地区土地利用検討委員会から提出された報告書の検討状況について
    (4)JR江別駅周辺の活性化に向けた今後の取り組みについて
  3. アイヌ新法に基づくアイヌ施策推進地域計画の策定について
    (1)市がこれまで行ってきた施策について
    (2)アイヌ新法に基づきアイヌ施策推進地域計画を策定することについて
    (3)アイヌ施策推進地域計画に対雁の碑周辺の整備等を盛り込むことについて
    (4)旧対雁墓苑から発掘されたアイヌの方の遺骨返還に対する考え方について

高橋 典子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 江別版生涯活躍のまち構想に関連する課題について
    (1)兵村12丁目通りの拡幅について
    (2)旧札幌盲学校跡地の面積と誘致する高等養護学校の施設整備の考え方について
  2. 北海道新幹線の札幌延伸におけるトンネル掘削時に発生する要対策土問題につい

    (1)札幌市におけるトンネル残土の搬出先の検討状況について
    (2)札幌市に対し情報提供・情報公開を求めることについて
  3. 生活保護制度の正しい理解と市民周知について
    (1)生活保護制度の市民周知について
    (2)生活保護のしおりの改善について

 6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(角田 一君)

これより令和元年第3回江別市議会定例会第11日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(角田 一君)

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(角田 一君)

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
清水 議員
吉本 議員
を指名いたします。

◎ 一般質問

議長(角田 一君)

日程第2 一般質問を順次行います。
徳田哲議員の人口減少社会における江別市の姿についてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

徳田 哲君

ただいま議長に発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。
初めに、人口減少社会における江別市の姿についてお伺いいたします。
三好市長はこれまで、昨年度見直された第6次江別市総合計画えべつ未来づくりビジョン、そして、平成27年に策定されました江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づいた政策を着実に進めてこられました。危機的な経営状況にある江別市立病院の経営再建など、まだまだ課題は山積しておりますが、9月1日現在で人口が11万9,431人、対前年同月比で470人の増加となっており、事実として、近年減少傾向にあった人口に歯どめがかかる兆候が見られております。これは市内各所において宅地造成が進んだこともありますが、それだけではなく、三好市長が推進してきたさまざまな施策が効果を上げているものであると思いますし、それらを応援してまいりました私たち江別市議会公明党としても、大変うれしく思うところであります。
しかしながら、日本全体を見渡すと、長期的に人口減少が進んでいくことは、御承知のとおりだと思います。これは、今後出生率が大きく改善し、それが一定の年数にわたって持続しない限り、避けることができない大きな流れでありますし、特にこの江別市がある北海道は、人口減少が顕著なわけであります。そうした状況にある中で、江別市の将来像を考えていかなければなりません。
三好市長は、ことしの第2回定例会の市政執行方針の中において、将来にわたって持続可能な人口規模を確保するための対策を最優先に取り組んできたことを強調されました。さらに、具体的な方針の中でも数カ所、選ばれるまち江別を訴えられておりました。これをそのまま受けとめると、さまざまな施策を打って、多くの方に江別を選んでいただいて転入を促進し、今の人口規模をなるべく維持することが、将来にわたって持続可能な江別市をつくることになるということなのだろうと思います。私は、まちの魅力を高めていく施策を展開していくことに何ら異論はありませんし、その結果として、多くの方に江別を選んでいただければ、こんなにうれしいことはありません。
しかしながら、江別市という一地方都市が、いつまでも人口減少にあらがい続けることができるかと言えば、非常に難しいと思っています。人口減少を緩やかにしながら、本格的な人口減少社会を迎える準備を整える。私は、第2次ベビーブーム世代が高齢者となるこの約20年の間に、そうした時代を見据えた手を打っていく、まさに持続可能な江別市をこの期間に創造していかなければならないと考えております。
これまでの経済成長拡大路線を超え、維持から適正な規模へ。人口減少社会を希望あるものにするためには、未来に向けていかにソフトランディングしていくのかを考える時期に来ていると私は思います。そうした中にあって、将来にわたって持続可能な江別市とはどのような姿なのか。初めに、この点について市長の御見解をお伺いいたします。
次に、経済の地域内循環についてお伺いいたします。
人口減少社会にあっても希望ある地域づくりをしていくためには、経済の活性化が不可欠であると考えます。その経済の活性化といっても、成長拡大を主とする今までの概念における活性化だけではなく、私は、ローカル経済をいかに充実させていくかを今後考えていく必要があると思っております。
この先、人口減少に加えて重要な構造変化は、高齢化の進行であります。高齢者は会社などの組織から引退されている方が多く、圧倒的に地域で過ごす時間が増加いたします。また、その身体的な特徴という部分から見ても、比較的身近な場所での行動が多くなると考えます。すなわち、地域との関連が強くなり、消費行動も身近な場所を志向するようになる。高齢化が進むということは、確実に消費や経済のローカル化が進行していくわけであります。
加えて、近年はローカル志向の若者の増加、さらにはワーカーズコープのように、地域の課題に対してみずからが出資し、協同して事業を営む形態も発展するなど、地域に根差した労働の形もふえてきています。こうした流れの中にあって、ローカル経済の充実を図るためにはどうすればいいのか。これにはさまざまな視点があるとは思いますが、私は大きな一つの柱として、経済の地域内循環をより強くしていく必要があるのではないかと思っております。これは人・物・金が地域内で循環するような経済を志向するということです。こうした経済を築いていくことが、地域活性化やコミュニティーの再生にもつながるものと考えますが、2点目として、江別市における経済の地域内循環についてどのようにお考えか、市長の御見解をお聞かせください。
2件目として、道路整備についてお伺いいたします。
1期4年間、市議会議員を務めさせていただきまして、この間ありがたいことに市民の皆様からさまざまな御意見・御要望を頂戴してまいりました。その中で一定数、お話をいただくのが、道路整備に関する問題であります。
一口に道路整備と言っても、さまざまなパターンがございます。少しだけ穴埋めをすれば済むような軽微な補修等については、所管の皆さんの御努力で、おおむね迅速に対応していただいておりますが、ある程度の規模になってくると、予算の関係もあってなかなか簡単に整備できないのが現状です。特に、自治会や各種団体等から受ける道路整備に関する要望は規模が大きいものが多く、なかなか進んでいないというのが実情ではないでしょうか。
前段の質問でも述べたところでありますが、人口減少社会、少子高齢化時代を迎え、今後ますます、行政サービスと同じように、道路に対するニーズも多様化していくものと考えます。その一方で、厳しさを増す市の財政状況を考えたとき、こうした課題について十分に対応することが難しくなってまいります。
限られた財源の中、いかにして質の高い行政サービスを実現していくのか。そのためには、必要性や緊急性、事業の効果を誰の目にも明らかな、明快な基準で評価し、その上で事業の重点実施やコストの縮減などを図って、効率的に事業を実施することが必要です。それとともに重要となるのが、市民に対する説明責任を果たすことです。なぜこの道路が整備される道路に選ばれたのか、公平で透明性の高い方法でその過程を明らかにすることが、行政の信頼性を高めることにもつながると考えます。
そこで、以下の2点についてお伺いいたします。
1点目として、道路整備の優先順位を設定する評価について、江別市ではどのような項目や基準のもと、どのような手順で決定されているのでしょうか。
2点目として、道路整備についての透明性を高め、市民に対する説明責任を果たしていくということを考えると、統一した優先順位評価基準を策定し、結果について市民に公開していく必要があると考えますが、この点についての御見解をお伺いいたします。
3件目として、すぽっとケア事業についてお伺いいたします。
教育委員会では、学校に行きたくても行けない子供たちの悩みや不安の解消と心の居場所づくり、さらには学校復帰を支援することを目的としてすぽっとケア事業、適応指導教室と、学習支援・体験活動等を行うケア事業を実施しております。設置当初は週1回の実施でありましたが、不登校児童・生徒のニーズに応えるべく、現在は週3回にまで拡大し、青年センターを会場として事業が行われております。
たとえ学校に行けなくなったとしても、この場所で子供たちが心理面のケアや学習支援を受け、無理のない、緩やかなつながりの中で集団生活と協調性を育み、学校復帰もしくは卒業後の進路を見据えることで未来に向けて希望を持つことができます。全国的、そしてこの江別市においても増加傾向にある不登校児童生徒のためにも、このすぽっとケアの充実は、今後欠かすことができないものであると私は考えています。そのためには乗り越えていかなければならない課題が多く存在していると感じますので、今回そのうちの幾つかについて、質問をさせていただきたいと思います。
あくまでも適応指導教室である以上、学校復帰が目的であると考えますが、この点は昨日の猪股議員の一般質問と重なる部分もありますけれども、御容赦いただきたいと思います。児童生徒の状況を踏まえていきますと、必ずしも学校復帰を目的とするのではなく、卒業後の進路を見据えた社会的適応、社会的自立を目指していく方向性も必要ではないでしょうか。どこまでも子供たち個々の状況に合わせて、柔軟な指導を行っていく。実際のところ、現場では、そうした対応もなされているわけでありますが、この点を明確にした指導と、何より籍を置いている学校の理解、そして連携が必要であると考えます。
そこで1点目として、すぽっとケア事業の目的について、改めてどのような認識をお持ちか、お伺いいたします。
次に、施設面についてです。
すぽっとケア事業は青年センターを利用して実施されているわけですが、使える場所が限られている関係から、今後、これ以上児童生徒数が増加した場合、それにたえることができるのかどうか。また、本来であれば小学生と中学生は別の教室で指導を受けることが望ましいと考えますが、今の施設では難しいと考えられること。さらに、青年センターという施設の特性上、一般の方がスポーツ等で利用しておりますので、静かで落ち着いた環境とは言えないこと。加えて、市内の位置関係で考えますと、場所として偏りがあることなどが挙げられるかと思います。そうした現状を踏まえると、会場の変更や増設など、抜本的な改善策を考えていく必要性を感じます。
そこで、2点目として、すぽっとケア事業の実施場所について、現状における課題と今後の方向性をお聞かせください。
すぽっとケアに通級した日は在籍する学校の出席日数に反映されますが、授業への出席として認められるわけではなく、定期テストについても、すぽっとケアにおいて正式な形で受けることができません。すなわち現状では、すぽっとケアに通級しても、在籍している学校における評価にはつながらないということになります。
卒業後の進路、特に中学生は高校への進学に向けて、学校に行けないながらも自主的に勉強に励む生徒も存在します。そうした子供たちの努力を少しでも形にしてあげることはできないものでしょうか。
3点目として、すぽっとケア事業における定期テストの受験と成績への反映についてお伺いいたします。
不登校対策は、すぽっとケアにおける指導と学校、そして保護者が連携しながら、時間をかけて一歩ずつ進めていかなくてはなりません。学校に行けないことに対して、誰よりもまず子供たちが悩んで、つらい思いをするわけですが、保護者においても、その思いは大変大きいものがあります。そうしたときに、率直な意見交換を行える場、そして同じ悩みを持つ者同士が交流できるような場所があれば、保護者の精神的な負担も大きく軽減されるのではないでしょうか。
4点目として、すぽっとケアを利用している児童生徒の保護者を対象に、定期的に保護者連絡会のような場を設けることについて、御見解をお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わらせていただきます。

議長(角田 一君)

徳田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

徳田議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、人口減少社会における江別市の姿についてお答え申し上げます。
まず、将来にわたって持続可能な江別市の姿についてでございますが、第6次江別市総合計画では、人口が緩やかに減少していくと推計されたことから、成長を前提とした拡大型のまちづくりではなく、暮らしやすさや豊かさが実感できる集約型のまちづくりによりまして、持続可能なまちを目指すこととしたところでございます。
また、生産年齢人口や年少人口が減少し、産業を支える人口や将来を担う子供たちが減ることは、まちの活力にとって大きな影響がございます。
このため、これまで第6次江別市総合計画策定時の人口規模を維持することを目標に、子育て環境や教育の充実、シティプロモートなどの施策を積極的に展開しまして、子育て世代の転入促進に取り組んできたところでございます。
また、今年度からスタートいたしました第6次江別市総合計画の後期においても、引き続き、市民、団体、企業などと協力しながら、子育て支援や住みかえ支援、地域経済の活性化などの取り組みを進めているところでございます。
いずれにいたしましても、第6次江別市総合計画に基づきまして、多様な主体が未来に向かって協力し、まちづくりを進めていくことが、将来の江別市の姿であると認識しておりますことから、今後とも、計画で掲げた将来都市像である、みんなでつくる未来のまちえべつの実現に向け、協働のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、江別市における経済の地域内循環についてでありますが、産業構造や人口動態などに関するビッグデータを活用した地域経済分析システム、リーサスによりますと、当市は、地域経済の自立度を示す地域経済循環率が、2013年時点で65.9%と、道内他市と比較しても低い水準にございまして、これは、大都市札幌市に隣接しているため、雇用所得などを市外からの流入に依存しているほか、民間消費や投資が市外へ流出していることによるものと分析されたところでございます。
こうした結果を受けまして、第6次江別市総合計画の後期では、市内経済の持続的発展に向けて、地域資源や立地環境などの地域特性を踏まえた産業振興策を展開していくこととしたところでございます。
そこで、地域内におけます経済循環の促進のための取り組みとしまして、公共工事の発注に際しましては、市内事業者への発注率の増加を促進するといたしまして、新栄団地建てかえ工事におきましては、市内事業者に限定して入札を実施し、資材発注の際にも地元企業を活用するよう協力をお願いしているところでございます。このことから地元調達率が3割程度まで上昇しているところでございます。
また、市内への移住や定住を促進する江別市住宅取得支援事業では、リフォーム工事の際には市内業者によることを要件としているほか、新築時には市内業者を利用した際に補助額の加算を行うなど、地域内への経済波及効果を高める取り組みを進めているところです。
また、市外から人を呼び込み、市内で消費を促すことも重要と考えているところであり、観光誘客の拠点となりますEBRIを初め、近年出店が続く大型商業施設、さらには新鮮な野菜の直売所、市外からの利用も多い、江別市子育てひろばぽこあぽこなど、さまざまな地域資源を活用しまして、市内を周遊しながら買い物や食事ができる仕組みをつくることで、食と農のまち江別をPRしながら、地域経済の活性化に努めているところでございます。
市といたしましては、今後もこのような取り組みを進めながら、地域の経済循環を活発化しまして、えべつ未来づくりビジョンにおける基本理念の一つである、活力のあるまちづくりを実現してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、建設部長ほかをもってお答え申し上げます。

建設部長(中田正士君)

私から、道路整備について御答弁申し上げます。
初めに、道路整備の優先順位を設定する手順についてでありますが、現在、市が認定している道路は、延長約835キロメートルでありますが、その中で全体の約4割に当たる生活道路を整備する優先順位の設定については、道路パトロールによる路面状況調査に基づき、通行の安全性を最優先とし、路面の破損状況、人口の密集度合い、排水の状況等の評価基準により、点数化して評価を行っております。
その評価に加えて、毎年、実施している通学路安全点検の結果や自治会からの緊急的な要望、道路設置からの経過年数等、総合的に判断し整備を進めております。
次に、道路整備の優先順位評価基準の策定についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、既に策定された評価基準に基づき、点数化し評価しております。
御質問の評価基準や評価結果の公開については、通学路安全点検や自治会の緊急的要望、道路の設置経過年数等、総合的な判断部分について、どのように評価して数値化するかを含め、公開の内容について、他市の状況等を踏まえ研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。

教育長(月田健二君)

私から、すぽっとケア事業について御答弁申し上げます。
まず、すぽっとケア事業の目的についてでありますが、文部科学省の不登校児童生徒への支援策の一つである適応指導教室を、江別市では、すぽっとケアという名称で実施しております。
文部科学省においては、適応指導教室の目的として、不登校児童生徒の集団生活への適応、情緒の安定、基礎学力の補充、基本的生活習慣の改善等のための相談・適応指導を行うことにより、その学校復帰を支援し、もって不登校児童生徒の社会的自立に資することを基本とするとしております。
それを踏まえ、教育委員会では、すぽっとケア事業において、不登校児童生徒に対し、集団生活への適応や学校への復帰を目指し支援を行っておりますが、登校という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒がみずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目的として、個々の状況に応じて必要な支援を行っております。
すぽっとケア事業の内容として、まず、すぽっとケアは、青年センターにおいて週3回、基本的生活習慣の改善、基礎学力の補充等のための教室を行っており、また、ケア事業では、集団生活への適応等を図るため、料理や陶芸などの体験活動を年8回程度実施しております。
教育委員会といたしましては、今後におきましても、個々の不登校児童生徒の状況に応じて支援を充実してまいりたいと考えております。
次に、すぽっとケア事業の実施場所についてでありますが、現在、すぽっとケア事業は、青年センターにおいて実施しております。
昨年度末のすぽっとケア事業の在籍人数は、小学生5人、中学生65人の計70人であり、実際の通級人数は一日平均15人でありました。
また、本年度の在籍人数は、8月末で小学生3人、中学生50人の計53人であり、一日平均の通級人数は12人であります。
昨年度において、一日の通級人数は最も多い日で31人であったことから、指定管理者と相談し、今年度から曜日により、広い部屋を使用するなど工夫してきたところであります。
青年センターには、研修室や調理室、音楽室、体育館があることから、すぽっとケア事業における学習や幅広い体験活動の実施に適していると考えております。
教育委員会といたしましては、今後、通級する児童生徒がさらに増加する場合には、青年センター内の施設の利用についてさらに工夫するなどして対応してまいりたいと考えております。
次に、すぽっとケア事業における定期テストの受験と成績への反映についてでありますが、定期テストの受験場所につきましては、すぽっとケアに通級している生徒には、毎日ではないものの在籍校に出席できている生徒もおり、定期テストが学校復帰のきっかけになる場合もあることから、在籍校で受験することを勧めております。
それが難しい生徒につきましては、個々の状況に応じ、在籍校と調整の上、すぽっとケアの会場で受験できることとしております。
学校における生徒の評価は、定期テストの結果のほか、日常の学習課題の提出状況、授業での小テスト、課題発表及び授業態度等を総合的に判断した上で行っております。
また、すぽっとケアに通級している生徒の定期テスト結果の評価への反映につきましては、在籍校で定期テストを受験した場合には、その結果を通常登校している生徒と同様に評価に反映しておりますが、すぽっとケアで受験した場合の評価への反映については、各学校の判断によるものとなっております。
今後におきましては、すぽっとケアで受験した定期テスト結果の評価への反映について、校長会と協議してまいりたいと考えております。
次に、保護者連絡会の開催についてでありますが、教育委員会では、これまでも入級時の個人面談や教育相談などにおいて、保護者や児童生徒の悩みや不安の解消につながるよう支援を行ってきたところであります。
御質問の保護者連絡会の開催につきましては、これまで、保護者等から教育委員会に要望等はありませんでしたが、教育委員会といたしましては、今後、保護者の意向を確認した上で、必要な対応を講じてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

徳田 哲君

ありがとうございました。
それでは、項目に従いまして、再質問と要望を述べさせていただきます。
初めに、件名1の項目1将来にわたって持続可能な江別市の姿について、こちらは再質問させていただきます。
いただいた答弁は、本年度から後半5年の計画がスタートしました、第6次江別市総合計画のお話になっておりました。今回はもう少し先の時代を見据えた上で、持続可能な江別市の姿をどのように描いていくのか、また、今からできることは何だろうかということを皆さんと一緒に考えていきたいとの思いで質問させていただいたのですが、まずは、御答弁のとおりで現在の総合計画を確実に実施していくという理解をさせていただきましたので、それに基づいて少しお伺いしたいと思います。
将来にわたって持続可能な江別市の姿を考えたとき、これは先ほどの答弁にもあったように、現総合計画にもうたわれているところですが、多様な主体が、互いにその役割と責任を理解し、尊重し合いながら協力して地域課題に取り組む協働のまちづくりを、より一層推し進めていかなければなりません。では、そのために何が必要なのか。もちろんさまざまな要素があるわけですけれども、協働は、さまざまなニーズを捉えながら、まずは人と人をつないでいかなければならないわけですから、今後、行政としては、そうした役割を担っていく、人と人をつないでいく分野を手厚くしていく、すなわち、より多くの職員を配置していかなければならないものと考えますが、その点についてどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。

市長(三好 昇君)

再質問にお答え申し上げます。
将来にわたってどういう人員配置でこれから進めていくかということでございますが、人口減少下におきまして、まちの活力を生み出していくためには、各施策や事業は協働を基盤に進めていかなくてはならないものと考えております。
また、協働のまちづくりを進めていくに当たり、江別市自治基本条例では、市の役割としまして、その環境づくりに努めなければならないとされております。
そのことからも、人と人をつないでいくことは、職員に求められる重要な役割であると考えております。
市では、これまでも限られた人的資源で最大の効果を出すことを進めてまいりました。今後の社会の変化に見合った行政需要に対応できるように、適切な職員配置や行政システムの導入に取り組んできたところであり、これからも取り組んでいかなくてはならないものと考えております。
したがいまして、今後の需要の変化を見据えて協働のまちづくりを推進していくための人や組織体制を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

徳田 哲君

ありがとうございました。
今ほどの答弁にもございましたけれども、今後大きく変わっていくであろう行政需要の変化にどのように対応していくかが、持続可能な江別市の姿を考える上で大変重要であろうと思います。
しかしながら、人員は限られておりますので、仮に今の行政システムを維持していくという方向性であれば、人の配置を変えることはできません。そうした課題を克服していくためには、今後AI、人工知能やRPA、ロボットによる業務の自動化等を用いて、業務の自動化・省力化を図っていく。さらに先を言えば、そもそも市役所に来る必要がないくらい、あらゆる手続や証明の発行がインターネットを通じてできるようになればいいのですが、そこまでの話はさておくとして、こうして人から機械へ、可能な限り人手に頼らない業務の自動処理、すなわちスマート自治体へシフトしていく必要性が高くなっていくと考えます。
そのためには、窓口業務や庶務業務をBPR、業務プロセスの再設計の手法を活用しながら、ICT化、オープン化、場合によってはアウトソーシングしていくというような業務改革を進めていかなければなりませんし、当然予算の面を考えれば江別市単独で進めていくことは厳しいと考えますので、自治体間連携を進めていく必要もあると考えます。
以上のことも含めて、今後、スマート自治体を目指していくことについてのお考えをお伺いいたします。

市長(三好 昇君)

限られた人材で、これからスマート自治体をどう進めていくかということでございますが、まちづくりを進めていくためには、業務の省力化を進めていくことも重要であると考えております。市ではこれまでも、コンビニエンスストアでの証明書の交付や市税の収納など、業務の省力化に努めてまいりました。
御質問のスマート自治体についてでございますけれども、現在、国におきましてはAIやRPAを活用したモデル事業を全国の自治体で実施しております。現在、その研究がされておりますので、その進捗状況や取り組み状況を参考にしながら、市といたしましては、国や他の自治体の動向を見据えて、取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。

徳田 哲君

これは要望とさせていただきますけれども、人口減少と高齢化が進む中において、市民生活を守り、地域課題を解決していくためには、市としてのサービスの提供だけではなく、自治会や企業、NPOなどさまざまな主体との協働が必要不可欠であります。このことは第6次江別市総合計画にうたわれているところであります。
先のことをネガティブに考えていけば、自治体は経営資源の制約によってサービス機能が低下する恐れがありますし、自治会等の地縁組織も扶助機能が低下していくと思います。人口減少によるマーケットの縮小で市場サービスも失われていく可能性がありますので、非常に見通しは暗いわけです。しかしながら、公・共・私のそれぞれの主体が協力関係を強めることで、相互扶助機能を維持していくことは可能であると私は思っています。
この公と共と私をもう一度組み直していくということ。そして、その上で人と人をつないでいくということ。さまざまな知恵を出し合いながら、私自身もともどもに頑張ってまいりたいと思います。
引き続き、件名1の項目2江別市における経済の地域内循環について、こちらは再質問とはいたしませんが、今回の質問は、高齢化を初めとするさまざまな状況の変化によって、今後経済がローカル化していくであろうということを踏まえての地域内循環という話だったのですが、答弁では、幅広く地域の経済循環ということで、さまざまな取り組みを御紹介いただきました。大切なことは、今後は何を目標にして、こうした取り組みを進めていくのか、目指すべきところを明確にしていくことが必要ではないでしょうか。
一例ですが、長野県飯田市では、安定した暮らしと心豊かで元気な地域づくりということで、また、少子高齢化による人口減少を迎える将来において地域が持続するためには、地域における産業経済の活性化とともに、経済的な自立が求められるという考え方のもと、地域産業の分析と経済自立度という指標を立てることで産業振興の方向性を確認しています。
大きな目的は産業構造を分析し、地域産業の所得を明らかにすることにあります。地域産業がもたらす波及所得額と、地域が必要とする所得額を比較することにより、経済自立度を計算します。この経済自立度を計算する過程で波及分析を行っています。地域産業から稼ぎ出した生産額等がどのように配分され、地域にどれだけの所得をもたらしているかを明らかにしていきます。
担当部局では地域における経済波及分析のために、実際に対象となる域内の企業、約100社に直接足を運んで詳細な調査を実施しております。第1次から第5次波及までの調査を行っています。地域経済活性化に向けたさまざまな取り組みの結果、実際に数字としてどうだったのかを確認していくそうです。そして、毎年しっかりPDCAサイクルを回しながら、必要であれば計画を見直していくというのが、この地域経済活性化プログラムです。
私は、江別市としても、地域経済の分析や共通目標としての指標の設定などを行うことで、地域経済の活性化を図るべきであると考えております。大事なのは足元でございますので、そこをしっかりとしたものにしていく取り組みを進めていただくことを要望させていただきます。
続いて道路整備に関して、項目1道路整備の優先順位を設定する手順については答弁で承知いたしました。その上で、道路整備についての項目2道路整備の優先順位評価基準の設定についてでございますけれども、こちらも要望とさせていただきます。既に評価基準が設けられており、それらを点数化して評価を実施しているわけでありますので、あとは課題さえ整理できれば、すぐに市民の皆さんに公開できるのではないかと思うところでございます。
項目1での答弁もあわせて考えますと、課題は総合的に判断しなければならない部分にあるようです。よもやこの総合的という部分が、例えば人情とか、何かの力関係とか、そういった非科学的なものではないと思っております。実際にかなり細かい評価基準を設定して道路整備の優先順位を決定し、その結果を全て市民の皆さんに公開している自治体もありますので、そうした事例を参考にしていただいて、当市においても一日も早く、評価基準の設定を進めていただきたいと思います。こちらは答弁の中で研究されるということでありますので、また別の機会に、研究の経過と結果についてお尋ねしたいと思います。
続いて、すぽっとケア事業についてであります。
項目1のすぽっとケア事業の目的については承知いたしました。また、昨日の一般質問においても確認させていただきましたので、こちらは再質問をいたしません。
項目2すぽっとケア事業の実施場所について、こちらは再質問とさせていただきます。
青年センターを使用することについて、施設としての利点は理解いたしました。ただ、やはり気になるのは、在籍数と実際の通級人数の関係、在籍者に比べて通級している人数が少ないということについてでございます。
もちろん通級されている児童生徒の皆さんは、個々にさまざまな事情を抱えておりますので、一概に言えない部分があるのは十分承知しておりますけれども、少なからず青年センターの地理的な要素、市全体で考えたときの場所の偏りであったり、公共交通機関を利用する場合の利便性であったり、そうした要素が関係しているのではないでしょうか。
事業の目的からすれば、より多くの子供たちが通級しやすい環境についても考えていかなければならないと思います。そうであるならば、例えば在籍している児童生徒が住んでいる地域別の通級状況について統計をとってみるなり、通級する上で課題となっていることについての聞き取り調査を実施するなどの対応も必要ではないかと考えるところであります。
この間、そうした対応を行ってきたかどうかも含めて、すぽっとケア事業を実施する場所についてどのような認識をお持ちか、再度お伺いさせていただきます。

教育長(月田健二君)

再質問に御答弁申し上げます。
すぽっとケア事業の実施場所の認識についてでありますが、教育委員会では、家庭訪問など個別の相談支援を行う中で、すぽっとケアに通級できない理由を把握しており、その理由は、場所が遠いからではなく、集団になじめないなど個別の事情によるものが多い状況であります。
先ほども御答弁申し上げましたとおり、青年センターは、多様な教育機会の提供や幅広い体験活動ができることから、すぽっとケアの実施場所に適しており、市内には、このような施設は、ほかに見当たらないところであります。教育委員会といたしましては、当面は、青年センターにおいて、利用方法を工夫しながら、すぽっとケア事業を実施してまいりたいと考えております。
以上であります。

徳田 哲君

現状の認識については確認させていただきました。多くは位置的な問題ではないということであれば、あとは個別の事情に合わせた、個々に寄り添う多様な支援が必要であるということでありますので、このテーマについては、また別の機会に取り上げさせていただきたいと思います。
続いて、項目3すぽっとケア事業における定期テストの受験と成績への反映についてでありますが、こちらは要望ということで述べさせていただきます。
この問題については、答弁にもありましたように各学校の判断に委ねられていること、そして、その判断が学校によって違うということが、大きな課題となっているわけであります。
大きく不登校と定期テストの問題ということで過去の事例を一つお話しさせていただきますが、頑張って何とか学校には登校できるものの、どうしても教室に入ることができない。また、教室に長くいることができない。そういったお子さんが、実は結構いらっしゃいます。その子供たちが定期テストを迎えたとき、ある学校では教室ではない別室で受験させるという対応を行っている。しかしながら、別の学校では、そもそも別室における受験を認めていないので、結局その子供は定期テストを受けることができなかったということがありました。
もちろん別室受験ということは、そのための教室を用意しなければなりませんし、担当する先生を配置しなければなりませんので、学校の規模や状況によっては大変厳しいという実情があるのも理解いたします。これは、すぽっとケアで定期テストを受験できる環境を整える場合においても同じようなことが言えるわけでありますが、一方で、環境によってそうした差が生じている状態が果たして適正な姿であるのかどうかについては、今後十分な検討が必要であると考えるところであります。
誰よりも当事者である子供たちのために何が一番よいことなのか、ぜひともそうした視点を持って、すぽっとケアにおける定期テストの受験、さらには、今ほど申し上げました学校における別室での受験等の環境整備についても、校長会と前向きな協議を進めていただくことを強く要望させていただきます。
校長会においてどのような協議が行われ、その結果としてどうなったのか、また別の機会に確認させていただきたいと思います。こちらは要望で終わらせていただきます。
最後に、項目4の保護者連絡会の開催についても要望させていただきます。
すぽっとケアには通常の学校でいうところのPTA組織がありませんし、定期的な保護者との面談の機会も少ないのが現状であろうと思います。そうした意味では保護者の意向を確認する場面が少ないものと考えますので、そのあたりを丁寧に進めていただくことを要望させていただきます。
以上で、私からの一般質問を終わらせていただきます。

議長(角田 一君)

以上をもって、徳田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。鈴木誠議員の市立病院の経営財政問題についてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

鈴木 誠君

えべつ黎明の会の鈴木誠でございます。初めての質問でございますので、ふなれな点も多いと思いますが、お許し願いたいと思います。議長より発言の許可をいただきましたので、順次通告に基づき江別市立病院の経営財政問題についてほか2件について質問いたします。
件名1の江別市立病院の経営財政問題について質問します。
ことし4月から7月の診療報酬の実績は、計画に対して5億4,072万円マイナス、月平均で3億6,583万円となります。
平成30年度実績額では、47億4,297万円、月平均で3億9,524万円となっております。4月から7月までの実績から年間この傾向が続くと、月額マイナス1億3,518万円となります。年間では43億9,000万円台となりまして、実に3億5,297万円もの収入減となるのではないかと懸念するところであります。
このまま推移すると、昨年度の不良債務を大幅に上回ることとなるのではないかと危惧するところであります。
昭和56年度に始まった準用再建計画がございました。不良債務18億5,578万円を7年間で解消する計画で、一つ目には、経営努力による自己解消額10億円余り、一般会計繰り出しが約6億円、そして、一般会計からの長期貸付金2億2,600万円と計画され、そのうち一般会計繰出金とその利子の半額程度が特別交付税として国から措置されることとなっていました。
当時、定期昇給の延伸1年6カ月、そしてまた、初任給2号俸切り下げ、職員数の削減、手当の国公平準化等にすることで職員給与や労働条件等に大きな影響を与えながらも、昭和61年度で準用再建計画を終えることができ、地域医療と公的医療を継続することができたところでございます。
平成30年度末の不良債務は14億1,654万円となり、昭和56年の準用再建時の約18億円に近づこうとしています。
当時の診療収入との比較でいうと現在のほうがもっと危機的な状態であるということでございます。準用再建時の病床利用率は80%から90%で推移しておりました。現在は57%から60%程度ということで、当時から比べると、20%以上病床利用率が下がっており、雲泥の差と言わざるを得ません。
質問の第1は、診療収入計画が大幅な減額となった要因をどのように分析しているのかということです。
第2には、4カ月の診療収入が平均1億3,518万円マイナスの状況から早期に対策を講じなければ単月資金ショートを招くことも推測されますが、対策をいかに考えているのか質問いたします。
第3に、今後開催される江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会において議論されることは承知しておりますが、早期に現実的な補正予算とすること、そして、具体的な再建対策を計画することと経営責任を明確にすることが必要と思いますので、御答弁をお願いいたします。
第4に、平成31年度予算では一般会計補助金2億6,000万円余り、同じく一般会計補助金救急医療として3億4,000万円余り、一般会計負担金として約3億1,000万円、資本的収支で一般会計出資金約4億9,000万円の合計で約14億円を予算計上しています。昨年度のように追加の補助、交付金、貸付金等の予定はあるのかお伺いします。
私は、過去の市立病院準用再建時に市職員としてかかわっていました。当時は市立病院を守るために全職員が苦渋の決断をして給与合理化、職員配置転換等を受け入れてきた経緯がございます。
私は、再び市民の皆さんが医療に対する不安、職員の皆さんに合理化等が及ばないことを願うとともに理事者・職員の皆さんが市立病院の経営財政問題の共有化を図り、早期の対応を求めてまいりたいと思います。その意味では経営責任者である市長の責任を明確にして対応されるよう求めます。
次に、件名2のJR江別駅周辺の活性化について質問いたします。
JR江別駅周辺の活性化に向けて平成18年に株式会社SPCみらいが設立され、平成19年にえべつみらいビルが竣工し、平成19年から平成39年にわたって20年間で3・4階の賃貸借契約が締結され、年額1億2,000万円、20年間24億円の債務負担行為で、12年目を迎えております。また、同ビル建設時には、約3億5,000万円の建設資金として株式会社SPCみらいに支出されております。
同ビルの3・4階には、コールセンターが入居していました。平成27年に1社が退去しJR野幌駅前に移転しました。令和元年8月末に1階の生鮮食料品店が退去し、現在の入居率は59%となっているところであります。
退去した生鮮食料品店では、3階のコールセンター退去後、売り上げが大幅な減額となり大変苦労されたとの話を伺っております。
同ビルは、土地代も減免され、かつ年額1億2,000万円が債務負担行為により20年間安定収入となっています。
このことから、契約上は3・4階の賃借料の債務負担行為の議決を経て毎年度支出されているところですが、同社の財務内容、江別地区活性化のために巨額な公的資金を投入しているところでございます。
質問の第1点として、株式会社SPCみらいの財務内容について毎年度の決算状況、財務資料の報告及びチェックはされているのでしょうか。
第2に、8月末で1階の生鮮食料品店が退去しました。同店は条丁目に住む市民の皆さんにとって唯一の買い物先であったことから大変不便されているとお聞きしております。過去に同店が入居した際には経済建設常任委員会にて報告があったことを記憶しています。今回の退去に対して市としてどのような対応をされ、市民の皆さんの買い物対策を講じてきたのか、さらに株式会社SPCみらいから報告を受けていたのかお伺いいたします。
次に、江別駅周辺地区土地利用検討委員会による報告書の検討状況についてお伺いいたします。平成26年11月から1年4カ月にわたり江別駅周辺地区土地利用検討委員会による報告書が平成28年3月に取りまとめられております。報告書では、現在のJR江別駅周辺の土地利用の状況と江別小学校跡地の土地活用を一体的に捉え、隣接する市有地に商業系、業務系、住居系、福祉系などの機能を複合的に配置、共存させることが、JR江別駅周辺の活性化につながる有効な土地利用である、民間事業者等からの需要や評価を把握するとともに、幅広く事業提案を受ける必要がある、さらに江別小学校跡地を積極的に活用していくことこそが、JR江別駅周辺地区のにぎわいや経済活動を高め、さらには、定住・交流人口を増加させることができるものであり、長期的なJR江別駅周辺地区の活性化につながるものと確信すると記載されております。
第1に、この報告書が提出されてから既に3年6カ月を経ていますが、現在、報告書を受けてどのように検討されているのか時系列的にお答えください。
第2に、市長は4月の市長選の際に、今後はJR江別駅周辺地区の活性化に取り組むと訴えておりましたが、4月以降一度も議会の場では具体的に説明をされていません。大麻地区のCCRC構想を優先することにより対応がおくれているのか、お答えいただきたいと思います。
件名3のアイヌ新法に基づく江別市アイヌ施策推進地域計画策定について質問いたします。
北海道はアイヌ施策推進法の施行を受けて、道内におけるアイヌ施策の推進方針案を取りまとめております。内容は、国の基本方針とほぼ同様となっております。アイヌ施策の目標を達成するためには、本道におけるアイヌ施策の一層の推進を図るため、新たな交付金制度の十分な周知を図るとともに、市町村との情報交換や協議の場を確保し、アイヌの人たちや地域が抱える課題などに対して必要な助言や協力を行う等、市町村の取り組みを支援するとされています。
江別市史、昭和45年3月発行によれば、1780年に上ツイシカリアイヌ10戸31人、下ツイシカリアイヌ8戸35人と記され、石狩川及び千歳川の交通の要衝として旭川方面及び勇払方面との交流と文化の興隆を極めていたと記されています。
その後、1875年、明治8年に日本とロシアが結んだ樺太千島交換条約により樺太南部に住んでいた108戸841人のアイヌの方々を対雁に強制的に移住させた歴史がある。なれない土地にて懸命に生活の礎を築こうとしたが、明治19年に天然痘やコレラが大流行し、石狩の漁場に通いながら集団生活していたアイヌの方々にも伝染し、319名が犠牲となったとされています。
その慰霊碑である対雁の碑にて、毎年6月にアイヌの方々、江別市、関係者の皆さんが参加し、追悼墓前祭が行われております。江別市長の追悼文を毎年読み上げられているところでございます。
江別の開拓時代からのアイヌの活動、また、樺太アイヌの苦難の歴史を市民に知らせ、後世に伝えていくことが重要と考えるところです。
第1の質問は、これまで江別市においてアイヌの方々にどのような施策をとられてきたのか、お答えください。
第2は、江別市のアイヌの歴史、文化を継承発展させるため、アイヌ新法に基づく江別市アイヌ施策推進地域計画を策定すべきと考えますが、市長の見解をお聞きいたします。
第3に、江別市アイヌ施策推進地域計画による交付金により、対雁墓苑内の対雁の碑を含めた周辺整備、アイヌの歴史と文化を市民に広めていくことも可能であります。アイヌの方々の意向を確認して対応されるべきと考えますが、市長の見解をお聞きいたします。
第4に、対雁アイヌ研究会編対雁の碑によれば、昭和36年から翌年にかけて北海道電力火力発電所建設工事のために坊主山を崩したとき大量の人骨が出土し、さらに、昭和39年8月に大雨が続き、対雁共同墓地の一部で土砂が流出しました。樺太移住先祖の墓付近の表土が剥げて大量の人骨があらわれたとされています。
当時の対雁共同墓地からアイヌの皆さんの御遺骨71体が発掘され北海道大学ほかで保管されております。文部科学省が発表しております出土地域が特定された御遺骨に関する情報として文部科学省アイヌ遺骨等地域返還連絡室が公表しているところでございます。
御遺骨の返還をめぐってはアイヌの皆さんにも大変難しい問題となっているところですが、御遺骨の発掘から大学での保管の経過の中で、当時の江別市がかかわり出土、保管に至っていることから、アイヌの御遺族の皆さんの意向を最も大事にした対応が求められています。
市長はいかなる御見解をお持ちなのか、お答えいただきたいと思います。
以上、1回目の質問を終わります。

議長(角田 一君)

鈴木議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

鈴木議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、市立病院の経営財政問題に関しまして、診療収益が計画より大幅な減少となっている要因についてでございますが、市立病院では、前年度の実績をもとに、診療科ごとに診療単価と患者数の目標を定め、年間収益計画を作成し、収支の管理を行っております。
平成31年4月から令和元年7月までの診療収益の実績は、入院・外来ともに患者数が減少したことで、月平均約3億6,600万円にとどまっており、同年同時期の計画に比べて、月平均1億3,500万円の不足となっております。また、前年度実績との比較では、月平均5,500万円減少しております。
診療科別に見ますと、産婦人科や小児科など、患者数・収益ともに前年度より増加している診療科がある一方、総合内科医を初めとする医師の招聘が進んでいない内科系診療科では、患者数・収益ともに減少幅が大きく、本年4月から4カ月間における計画値との乖離、約5億4,000万円に占める割合は、5割以上となっております。
また、前年度実績との比較によります減少額は約2億2,000万円であり、この内9割以上を内科系診療科が占めております。
このため、診療収益が計画を大きく下回っている要因は、内科系医師の招聘が進まないことで診療体制が後退し、患者の受け入れに影響していることにあるものと考えております。
私といたしましては、経営改善のため、引き続き病院長とともに、あらゆる方策を講じて、内科系医師の招聘に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、今年度中のさらなる補正予算の必要性についてでございますが、市では、市議会の市立病院・地域医療検討特別委員会から、1年9カ月に及ぶ審査を経て提出されました、病院再建に向けた改革を進めるため専門家等に助言などを求める場の設置が必要とする意見を受けまして、本年8月、地域医療において市立病院が担うべき役割や経営安定化に向けた検討を行うため、市民、医療関係者、学識者などで構成されます江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会を設置したところでございます。
当該委員会には、市立病院が担うべき医療に関する事項や診療体制に関する事項のほか、経営改善に関する事項の審議を諮問申し上げ、市立病院の経営悪化の原因や抜本的改善策について、御議論・御検討を進めていただく予定となっております。
市としましては、今後、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会から答申いただく提言を踏まえまして、再建計画等を立案することはもとより、江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会での議論・意見のうち、直ちに取り入れることが可能なものは、速やかに実施するなど、経営改善に向けた取り組みを進めていかなければならないものと考えております。
また、市立病院の経営状況は、診療収益が計画を大きく下回る状況となっている一方で、一部の診療科には収益増が見込まれることや、昨年10月に行いました病棟再編によります職員配置見直しなど、費用の縮減に努めているところでございます。現在、市立病院と関係部局の間で情報を共有しまして、年間収支動向の見きわめを行っているところでありますことから、この結果や、8月に設置したしました江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の御議論を踏まえながら、補正予算の必要性について判断してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、市議会からの御意見等をもとに、新たに設置をいたしました江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会からの提言を具現化しまして、病院経営の改善につなげていくことが経営責任を果たすことと考えております。
このこととあわせて、病院運営における喫緊の課題である内科系医師の招聘を病院長とともに進めることで、診療体制の充実に全力を挙げてまいりたいと考えております。
次に、江別駅周辺地区土地利用検討委員会から提出された報告書の検討状況についてでございますが、一昨日、三角議員に御答弁申し上げましたとおり、市では、平成26年11月、江別小学校の跡地等をJR江別駅周辺地区の活性化につなげるための目指すべき方向性などを検討する目的で、江別駅周辺地区土地利用検討委員会を設置したところでございます。同委員会においては、JR江別駅周辺の状況分析や市民アンケート、民間事業者から事業化可能性についての御意見の聴取などを行いまして、平成28年3月に土地活用の方針と、その実現に向けて必要となる事項について、報告書として取りまとめ、提出されたところでございます。
その後、埋蔵文化財包蔵地調査や土壌汚染調査を実施した上で提出されました報告書を踏まえまして、江別小学校跡地の有効活用に向けまして、平成29年10月から翌年1月までの間、活用意向やアイデアのある民間事業者との対話、いわゆるサウンディング型市場調査を実施したところでございます。
この間の調査では、開発事業者と金融機関の2事業者から申し込みがあり、対話を行ったところでありますが、公募に至るような提案がなかったところでございます。その後も期間を定めず、サウンディング型市場調査を継続していくこととしておりまして、このことは議会にも報告したところでございます。
その後のサウンディング型市場調査においては、昨年10月からことし5月までの間に複数の事業者から活用の意向が示され、相手方との守秘義務の関係上、具体的には申し上げられませんが、現在、事業者から、業務系、住居系など、具体的な提案をいただいておりますことから、市としては、引き続き、提案事業者との対話を行ってまいりたいと考えております。
次に、JR江別駅周辺の活性化に向けた今後の取り組みについてでございますが、JR江別駅周辺地区につきましては、これまで長年にわたり、地元と行政が一体となり、活性化に取り組んできており、江別小学校跡地につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、サウンディング型市場調査によりまして、複数の具体的な提案があり、提案事業者との対話を継続しているところでございます。
また、JR江別駅周辺地区の活性化につきましては、江別小学校跡地の利活用のほか、江別市観光振興計画を踏まえた条丁目地区の活性化や河川の堤防改修、道路整備のあり方など、複数の課題に対して慎重に検討する必要がありますことから、昨年11月以降、関係部署による庁内会議を適宜開催しまして、それぞれ事業の進捗状況などにつきまして、情報共有を図り、課題の整理を行っているところでございます。
いずれにいたしましても、JR江別駅周辺地区の活性化につきましては、今後のまちづくりを行う上で、大変重要な課題であると認識しており、そのためには、江別小学校跡地の利活用を核としまして、将来を見据えて、慎重に検討していくとともに、適切な時期を逸することなく対応していく必要があるものと考えております。
今後も引き続き、サウンディング型市場調査を進める中で、活性化に向けた方向性や考え方について、まとまり次第、議会や関係団体と相談してまいりたいと考えております。
なお、御指摘の大麻地区の生涯活躍のまち構想を優先しているのではないかとのことでございますが、市ではこれまでも、各施策の推進に当たっては、第6次江別市総合計画に基づき、実施に向けた環境が整い次第、順次、具体に進めているところでございます。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、病院事務長ほかをもってお答え申し上げます。

病院事務長(白石陽一郎君)

私からは、経営財政問題についてのうち、単月資金がショートした場合の対策についてほか1件について御答弁申し上げます。
初めに、単月資金がショートした場合の対策についてでありますが、市立病院では、病院事業の運営に当たり、短期的に手元の現金がなくなり運転資金が不足する、いわゆる資金ショートの発生を防ぐため、診療収益を初めとする収入と費用の執行状況を把握することで、逐次、資金管理に努めております。
また、病院建設費等の償還等により、一時的に資金の不足が見込まれる際には、金融機関から一時借り入れを行うなど、地方公営企業法に基づき、適正な資金管理に努めているところであります。
さらに、振り込み手続等の遅延による入金予定日のおくれなど、不測の事態によって生じる資金不足に備え、総括出納取扱金融機関と、定期預金を担保として、自動的に借り入れを行う当座貸越契約を締結し、資金不足への対策を行っているところであります。
次に、病院事業会計への追加支援等の予定についてでありますが、市立病院では、地方公営企業法の規定に基づき、病院建設費の償還費用や、救急、小児、産科医療等の採算性の低い医療を担うことなどに対し、平成31年度予算において、一般会計から14億685万7,000円の繰り入れを受けております。
市立病院は、公営企業に求められる独立採算制の原則に基づき、一般会計からの繰り入れを含む病院事業収益により運営されることが基本でありますことから、医師確保に努めることで収益の確保を目指すとともに、引き続き、材料費を初めとする一層の費用の削減を進め、収支の改善に努めてまいりたいと考えております。
また、本年6月には、病院経営の現状等を踏まえ、総務部が事務局となり、市立病院と関係部局による市立病院の経営問題に関する庁内連絡会議が設置され、市全体で情報共有を図り、対応策の検討が進められているところであります。
御質問の病院事業会計への追加支援等につきましては、4月から7月の診療収益の実績が計画を大きく下回っている状況を踏まえ、病院事業会計の収支の見きわめを行うとともに、市立病院の経営問題に関する庁内連絡会議の検討結果を踏まえて、対応を進めてまいります。
私からは以上であります。

経済部長(渡部丈司君)

私からは、JR江別駅周辺の活性化に関しまして、株式会社SPCみらいの財務ほか1件について御答弁申し上げます。
初めに、株式会社SPCみらいの財務内容についてでありますが、同社は江別市スポーツ振興財団や株式会社フラワーテクニカえべつ等とは異なり、市からの出資はないため、事業計画や収支決算等について、法的には市に報告する義務はありません。しかしながら、株式会社SPCみらいと市との間では、えべつみらいビルの敷地や、3階から4階部分の賃貸借契約を継続していることから、1階と2階部分のテナントの動向についても、随時、お聞きしているところであります。
市では、これまでも3階に入居していた企業の事業拡大のため、2階部分への増床を支援してきたほか、各企業からの物件の問い合わせについても、随時、株式会社SPCみらいに情報提供するなど、対応してきたところであります。
市といたしましては、引き続き、株式会社SPCみらいとさまざまな情報の共有を図るとともに、入居企業の動向や同社の財務内容の把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、えべつみらいビルから生鮮食料品店が退去した後の対応についてでありますが、えべつみらいビルの入居企業の動向については、株式会社SPCみらいと市との間でさまざまな情報を共有してきたところであります。
御質問にありました生鮮食料品店につきましては、7月下旬に、株式会社SPCみらい側から、生鮮食料品店が退去する意向で、新しい移転先も決まっているとの報告があり、後日、生鮮食料品店側からも同様の報告を受けたところであります。
この報告を受けまして、市では、周辺住民の生活上の不便が一日も早く解消されるよう、新たな食料品店の入居について、株式会社SPCみらいに対し、速やかな対応をお願いしたところであります。
いずれにいたしましても、えべつみらいビルは、JR江別駅周辺の再開発に当たり、地元と行政が一体となって取り組んできた経過の中で設置されたビルであり、今後も、同ビルの活用について、相談に応じてまいりたいと考えております。
以上であります。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、アイヌ新法に基づくアイヌ施策推進地域計画の策定について御答弁申し上げます。
初めに、市がこれまで行ってきた施策についてでありますが、市では、居住環境の整備・改善を図るため、昭和60年度から、江別市アイヌ住宅新築資金等貸付要綱に基づき、アイヌの人々が居住する住宅の新築や改修、住宅用土地の取得に対して資金の貸し付けを実施しており、9月1日現在、1名の方が御利用されております。
また、北海道で実施しているアイヌ子弟高等学校等進学奨励補助制度や大学等修学資金等貸付制度の申請につきまして、市から江別アイヌ協会に対し御案内しておりますほか、毎年、小・中学生に対してアイヌ民族に関する教材の配布や市民を対象とした講演会の開催、郷土資料館における展示など、アイヌ民族の歴史や文化を広く市民に伝える取り組みを進めております。
このほか、毎年6月の第3土曜日に樺太アイヌの人々を追悼する墓前祭では、祭壇の準備やテントの設営などに協力しているところでございます。
次に、アイヌ新法に基づきアイヌ施策推進地域計画を策定することについてでありますが、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律、いわゆるアイヌ新法によりますと、市町村がアイヌ施策推進地域計画を策定する場合は、当該市町村を包括する都道府県の知事が方針を定めているとき、この方針に基づいて作成することができるとされております。
このことから、現在、国におきましては、アイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針の策定作業を進めており、これを受け、今後、北海道でも方針が策定される予定と伺っております。
市におきましては、北海道の方針を踏まえ、北海道及び江別アイヌ協会など地域在住のアイヌの人々と相談し、計画を含め今後の進め方について検討してまいりたいと考えております。
次に、アイヌ施策推進地域計画に対雁の碑周辺の整備等を盛り込むことについてでありますが、国が現在策定を進めているアイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針の案によりますと、市町村がアイヌ施策推進地域計画を策定する際には、アイヌの人々の要望等を反映するよう努めることとされておりますことから、御提案の対雁の碑周辺の整備等につきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、今後、北海道の方針を踏まえ、北海道及び江別アイヌ協会など地域在住のアイヌの人々と相談してまいりたいと考えております。
次に、旧対雁墓苑から発掘されたアイヌの方の遺骨返還に対する考え方についてでありますが、昭和40年8月に北海道、江別市、北海道大学の合同により行われた樺太アイヌ共同墓地の学術調査などにより、発掘されました人骨71体につきましては、現在、北海道大学に60体、札幌医科大学に9体、東京大学に2体あることが、文部科学省の平成31年4月26日付、出土地域が特定された御遺骨に関する情報の資料で判明したところでございます。
これを受け、本年5月14日付で、北海道から各市町村に対して、出土地域に居住するアイヌの人々を中心に構成された団体が、御遺骨の返還を希望する場合には、文部科学省のアイヌ遺骨等地域返還連絡室へお問い合わせいただきたいとの通知があったところでございます。
市としましては、こうした手続について、今後、市のホームページや広報等に掲載し、周知するとともに、江別在住のアイヌの人々の御意向等を踏まえ、返還に向けた手続などに関して協力してまいりたいと考えております。
以上でございます。

鈴木 誠君

御答弁ありがとうございます。順次、再質問をさせていただきます。
まず、1点目、市立病院の経営財政問題についてですが、収入の大幅な減額となった要因は、内科医不足によるものであることは、これまでも再三聞いておりますが、あらゆる方法を講じて内科系医師の招聘に取り組んでまいりたいでは、具体性が見られません。数値目標をしっかり立て、いつまでに何人の医師を補充し、診療収益をどの程度増加させるのかなどの方向性を示してもらわなければならないと思っております。ぜひとも具体的な方針を示していただくよう、答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

再質問にお答え申し上げます。
医師確保に目標と期限を決めて具体的に進めるべきではないかということでございますが、市立病院の医師招聘につきましては、従前より、医育大学から継続的に派遣を受けることで、各科の診療体制を維持してきたところでございます。特に平成16年に始まりました新臨床研修制度の影響によりまして大学医局に集まらず、医師確保に苦慮する状況がございまして、このような状況を踏まえて、これまでも可能な範囲で医師派遣を継続してもらうことで、専門診療科の体制を維持しているところであります。
また、市の問題で申し上げますと、平成18年に内科医が大量に退職いたしました。その後に総合内科医教育センターを市立病院に設置いたしまして、総合内科医の教育機関としての特色を打ち出すことで、最大で23名の総合内科医を確保するに至りました。しかし、平成28年に指導的立場の医師が退職したことにより、現在の非常に厳しい状況になっているところでございます。
こうした、これまでの医師招聘の取り組みにおいて、専門診療科、総合内科ともに医師が充足したことはございません。現状でも総合内科だけではなく、外科、産婦人科、整形外科にしましても医師が十分ということではございません。そのことを考えますと、目標や期限を定めることは非常に難しいものと考えております。
いずれにいたしましても、市立病院では、収益確保に向けた喫緊の課題である内科系医師の招聘について、道内医育大学へ継続的に医師派遣を要請するとともに、札幌市内の民間医療機関に対しても派遣要請を行い、さらには、人材派遣会社の積極的な活用を進めまして、一日でも早く、一人でも多くの内科系医師を確保できるよう、引き続き全力で医師招聘に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。

鈴木 誠君

今御答弁いただきましたけれども、あらゆる方策を通じて一日でも早く多くの内科系医師を確保できるようにということでした。私は精神論の質問をしているのではありません。現実的にどういう手順で医師確保をしていくのかを聞いております。一般の事業計画では、事務事業の執行に当たっては計画があり、数値目標があります。それに対して事業評価をしていくというのが市役所における業務の進め方であると思っております。私も市職員の経験がございますので、その中で単なる精神論でお答えいただいても私としては納得いく問題ではないということで、再度答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

再々質問にお答え申し上げます。
医師の確保には具体的に日にちを決めて、確保するべきではないかということでございますけれども、先ほどもお答え申し上げましたとおり、医師の確保といいますのは、ほかの事業と違っておりまして、医育大学、さらには関係医療機関等に要請して協力をいただけるかどうかということが現実問題としては大きな課題でございます。
そのためには、具体的に日程または数字を決めて、実施できることではないということをぜひ御理解いただきたいと思います。
この考え方は、これまで医師確保を進めてきた市立病院、さらにはほかの医療機関等におきましても同様の考え方ではないかと思っております。そして、この状況につきましては、市立病院からも同じような報告を受けております。私としましては、先ほど申し上げましたとおり、病院長とともにあらゆる方策を講じまして、一日も早く一人でも多くの内科医を確保して、診療体制をまたは経営改善を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

鈴木 誠君

何回質問しても同じ答えが返ってきますので、次の質問にいきたいと思います。
2点目は病院事務長から御答弁いただきましたが、単月の資金ショートは大変御苦労されていると思っております。そういう面では当座貸し越しにより資金手当てしていることは、緊急的な対応としては理解するものですが、簡単にいうと自転車操業のような状態であり、大変危惧するところでございます。金融機関からの信用取引にも大きく影響することとなります。江別市の経営だから資金手当てできているのであり、民間であれば持ちこたえられない状況であることを指摘させていただきます。これは私の意見とさせていただきます。
次に、3点目の経営責任について、平成31年2月28日の市立病院・地域医療検討特別委員会の議事録では、当時の岡村委員から経営責任の質疑に対して、市長は、医療機関の運営責任のトップは病院長でございます。
私は市立病院の設置者ですから、それに対する責任はあると思いますとの答弁でありました。私は今回の質問で経営責任者は一体誰なのかということを明示してもらいたいということを質問の趣旨にしてございます。
当時の質問ときょうの私の質問に対する答弁というのは、2月28日の答弁とほぼ変わらないかと思います。設置者としての責任はあるが、運営責任は病院長にあるとのことであれば、きょう病院長は診療のために欠席されておりますけれども、そこまでの責任者であれば議会に出席してお答えいただくのが本来のルールであると思っております。手術があるということでやむを得ないことといたしますが、病院経営の改善につなげていくことが、経営責任を果たすことと考えておりますというだけでは、責任の所在がどこにあるのかよくわかりません。それでは市民の皆さん方も本当に安心して地域医療と市立病院を維持していけるのか疑問に思うところでございます。
私は、市立病院の設置者であり行政の長である市長が全ての最高責任者であること、これは法律的にも明解になっていると思うところですが、再度市長の見解を求めたいと思います。

市長(三好 昇君)

経営責任者に関連しての御質問でありますが、市立病院は、地方公営企業法の適用でございまして、経営の基本原則や財務など、一部の規定が適用される、いわゆる一部適用の公営企業であります。責任者は、医療法に基づきましても設置者である市長にあります。
しかしながら、病院の管理運営といいますのは病院長が行います。病院は医療を提供するところでございます。市民に医療を提供する場所でございます。病院においては医療従事者に指示をして、どういう医療でどういう方向で進めるかということは、病院の管理者の責任において進められるべきだと考えます。私は市立病院を運営する上で、必要な権限、これは医師確保にしましても、医療体制の整備にしましても、権限を病院長に付与してお願いしております。これは医療法の中でも病院管理者として位置づけられております。平成31年2月28日の市立病院・地域医療検討特別委員会の話がございましたけれども、そのときも同じ考え方でお話を申し上げたところでございます。病院の経営責任と設置責任は市長である私にあると思っております。
以上でございます。

鈴木 誠君

私が当時の議事録を読む限り、必ずしも一致していません。ほかの議員に聞いても驚いているようで、私の認識不足かどうかわかりませんが、市長がおっしゃいましたように病院の経営責任は私にあると言い切っていただいたと理解しておりますが、そのような理解でよろしいか確認させてください。

市長(三好 昇君)

一貫して申し上げておりますけれども、診療体制の構築における病院の管理、そして運営等につきましては病院長にありますけれども、開設者であり病院長の発令権限は私にございますので、そういう意味では全ての責任は私にあります。

鈴木 誠君

次の項目に移ります。
追加支援についてでありますが、さきの総務文教常任委員会にて中期財政見通しが示されました。その中で、財政調整基金、減債基金とも、収支不足の解消のために全て取り崩していくと令和3年で残高がなくなるとの説明がありました。江別市の硬直化した財政の中で、これ以上の追加支援などはあり得ないと思うところですが、いかがお考えでしょうか。再質問といたします。

市長(三好 昇君)

病院事業会計への追加支援についての再質問でございますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、市立病院の経営問題に関する庁内連絡会議を開催しておりまして、市立病院事務局のほか、総務部、企画政策部、健康福祉部の部長、部次長職等により構成されております。そこにおきましては、市立病院の収支の動向や運転資金の見通しのほか、一般会計の決算状況や基金残高、中期的な市財政の見通しなどにつきまして、協議を行い、情報共有を行っているところであります。
御質問の病院事業会計への追加支援につきましては、市全体の財政状況を踏まえた上で、病院としてどのような経営改善が可能なのか、また、市全体としましてどのような対応が可能なのか、あらゆる可能性を模索し、支援の妥当性を含め、市全体で、検討をしてまいりたいと考えております。
以上であります。

鈴木 誠君

御答弁いただきましたが、私は庁内における手続の手法を聞いているわけではありません。経営責任者として市長の考え方として、現時点で追加支援についての考え方を聞いております。明快にお答え願います。

市長(三好 昇君)

再々質問にお答え申し上げます。
病院事業会計に対する追加支援の基本的な考え方でありますが、まずは現在の市の財政状況が一番の問題でございます。さらには、市立病院の経営改善の問題もあります。それらを具体的に計算し、その見通しを立てた上で、どう対応していくかを検討すべきと思っております。そのためには、先ほど申し上げました市立病院の経営問題に関する庁内連絡会議におきまして、毎月経営は変わりますので、状況変化、経営の体制、診療体制など含めまして情報を集めて総合的に判断をしていきたいと思っております。その上で、先ほど申し上げました追加支援の可能性についても判断していかなければならないものと考えております。
市立病院の支援につきましては経営ばかりではございません。市民の医療を守るということも考えていかなければなりませんので、そういったことを含めた全体的な考え方の中で対応してまいりたいと考えております。

鈴木 誠君

市立病院の問題は、何回やりとりをしても進展がないというか明快な答えがございません。今は4カ月分の経営状況が明らかになりました。おそらく第4回定例会のときには10月までの上期の状態がわかるかと思います。ただ、一番心配するのは、今江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会で検討しており、来年2月くらいに答申をもらう予定です。補正予算を組む直前になります。恐らく大規模な補正予算を組み、年度末の市立病院の借金を返すための資金づくりをしなくてはいけません。そうなると来年2月に答申をもらって、その後に計画を立てて方向性を示すことが本当に可能なのかどうか疑問に思います。ですから、答申をもらうにしても、内部では現場や市民の声を聞きながら対応していく迅速な対応が必要であると思います。この問題については、第4回定例会の中で十分質問をさせていただきます。
次に、JR江別駅周辺活性化についてであります。
1点目の株式会社SPCみらいの財務内容については、公社等とは違い財政支援団体ではないことは承知しています。20年間で約27億5,000万円の公費をつぎ込み、JR江別駅周辺の活性化の拠点として整備した施設であります。財務内容について、法的に提出させるかどうかは別として、チェックしていないことは極めて無責任と指摘せざるを得ません。約27億5,000万円の税金を使っているということですが、市民の皆さんが理解されるのかどうかということを問いたいと思います。公社や財団とは違うと認識した上で、私は質問しております。
JR江別駅周辺の活性化を民間と協調して進めることが、えべつみらいビルの役割でありまして、その目的のために、株式会社SPCみらいの財務内容を把握して、家賃設定などの見直しを要請することにより、新たな1・2階の入居者確保にもつながるのではないかと思うところですが、改めて市長の見解をお伺いします。

経済部長(渡部丈司君)

鈴木議員の再質問にお答え申し上げます。
株式会社SPCみらいの財務内容を把握することにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、法的な義務づけはないことから、株式会社SPCみらいに対し、財務内容の報告は求めていないところであります。
市がマスター契約をしております3階・4階部分につきましては、市と株式会社SPCみらいが、市場の相場感を踏まえた金額で契約を締結し、その賃料の一部を市が負担して、企業に貸し出しており、その取り扱いについては、議会でも承認いただいたところであります。
また、平成29年には、新たな企業の誘致を進めるため、改めて市場価格を調査し、さらに賃料の一部を市が負担してきた経緯があり、この件につきましても所管の委員会に報告しております。
なお、1階と2階部分の賃料につきましては、株式会社SPCみらいと入居企業との間で契約しているものであり、当事者ではない市は関与できませんが、契約条件等に関する相談があれば、その都度、親身に対応してまいりたいと考えております。
以上であります。

鈴木 誠君

初めに言ったとおり資金援助団体ではありませんので、財務資料の提出は義務づけられていないことは十分承知した上で質問しております。そのことを踏まえて御答弁をお願いします。
公的資金が入っているビルでありますので、そのことを踏まえてしっかりと株式会社SPCみらいと連携しながら対応していただきたいと、現時点ではそのことをお願いしたいと思います。
次に、2点目のJR江別駅周辺の活性化についてに移りたいと思います。
えべつみらいビルは、JR江別駅前の再開発に当たり地元と行政が一体となって取り組んできた経過の中で設置されたビルであり、今後も活用について相談に応じてまいりたいとの答弁でした。条丁目の皆さんにおきましては貴重な生鮮食料品店が退去されたことで、大変困っております。
早期に新たな店舗が入居されるよう商工会議所等関係機関との連携の中で取り組まれることを要望いたします。
次に、3点目の江別駅周辺地区土地利用検討委員会から提出された報告書の検討状況についてであります。初日の三角議員の質問に対する答弁においてほとんど同じ答弁をされました。これについては3年以上報告書が出されて経過しております。時期を失することのないよう、きちんとした対応をすることを要望いたします。
次に、4点目のJR江別駅周辺の活性化に向けた今後の取り組みについてでありますが、市長は4月の市長選時に、今後はJR江別駅周辺の活性化に取り組むと訴えて当選されました。JR江別駅周辺にお住まいの皆さんに対して江別地区を元気できる政策を早期に示されるよう要望いたします。なお、この問題につきましては、一昨日、私の手元に弥生町にお住いの80歳代の市民の方からお手紙をいただきました。江別小学校跡地に関して市の方針は売却ありきだと。江別小学校跡地は、江別市の生い立ちから考えて一部残すべきものは残す。そしてそこに江別市の歴史がわかるような形で残してほしいというものでした。私も同感でありまして、全て民間に売却してお金にすればいいということではありません。江別の歴史文化を大事にした対応を検討してもらいたいという市民の声をお伝えして要望としたいと思います。
次に、アイヌ新法に基づくアイヌ施策推進地域計画の策定について移ります。
1点目の市がこれまでに行ってきた施策については、江別において、答弁にありました内容に取り組まれていることは承知しておりますし、私も毎年ではありませんけれども、墓前祭に参加させていただいております。市の職員がテントを立てたり、雨の中でも傘を用意されたり、段取りよく準備されている姿を見ております。今後とも、江別アイヌ協会が作成している副読本などもありますので、現在もその対応をされていると思いますが、ぜひとも江別の未来を担う子供たちに歴史と文化を継承する取り組みを強化していただきたいことを特に要望したいと思います。
2点目のアイヌ新法に基づきアイヌ施策推進地域計画を策定することについてですけれども、アイヌの皆さんと相談して今後の進め方を検討したいとの答弁でございました。策定の意思があって当事者の皆さんと検討するのか策定すること自体を検討するのか。極めて重要な問題ですので、この部分を明確にしていただくことを再質問といたします。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

再質問に御答弁申し上げます。
アイヌ新法に基づきアイヌ施策推進地域計画を策定することについてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、国のアイヌ施策の総合的かつ効果的な推進を図るための基本的な方針案では、市町村がアイヌ施策推進地域計画を策定する前提として、北海道の方針を踏まえ、アイヌの人々の要望等を反映するよう努めることとされておりますことから、今後、北海道及び樺太アイヌ協会、江別アイヌ協会など地域在住のアイヌの人々と相談し、計画策定を含めた進め方について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

鈴木 誠君

十分御相談されて、その計画及び基本方針をつくっていただきたいと思います。
3点目のアイヌ施策推進地域計画に対雁の碑周辺の整備についてでございます。
長年の風雨で相当な改善が必要がと思います。私としては、市としてこの計画をしっかりとつくっていただいて、国の交付金による修復、整備の可能性について、ぜひとも事業計画の中で取り組んでいただければと思います。この碑の最大の関係者というのは樺太アイヌ協会だと私は認識しております。また、墓前祭を行うときには北海道アイヌ協会の皆さんも多く参加しております。ぜひともそのことについて取り組んでいただきたいと思います。余計な話かもしれませんが、毎年担当部局の部長が市長の弔慰文を代読されております。ぜひとも来年は市長が直接その場に来ていただいて、アイヌの皆さんとの交流を深めていただくと、より一層、江別市におけるアイヌの施策展開に市長の思いが伝わると思っておりますので、要望とさせていただきます。
次に、4点目の旧対雁墓苑から発掘されたアイヌの方の遺骨返還に対する考え方についてでございますが、遺骨返還につきましては、基本的な答弁は了とします。御遺骨は、必ずしも江別在住のアイヌの方々のみならず、当事者団体である樺太アイヌ協会の御意向が重要なポイントとなるものと考えております。このままであれば、誰もこの問題に手をつけなければ、全部白老町に建設される国立施設に一括集約されてしまうと、江別としては寂しい話になるのではないかと思います。
元々は今の浄化センターのところまで共同墓地がありましたので、そこの斜面から大量の人骨が出土したということです。あの一帯を含め碑のあるところがまさにアイヌの皆さんの御遺骨が埋葬されていた場所であります。それについて樺太アイヌ協会の皆さん方がどう発言するか私はわかりません。ただ、やはりそういう意識を持って市として対応していただきたいという思いでございます。
この遺骨の発掘に当たっては江別市教育委員会が窓口なって、北海道教育委員会に連絡をして、北海道教育委員会から北海道大学や札幌医科大学に連絡されたと聞いております。そういった歴史的な経過も含めまして、ぜひとも御遺族の御意向が反映されるべきだと私は考えておりますので、最後に市長の見解をお示しいただきたいと思います。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

再質問に御答弁申し上げます。
旧対雁墓苑から発掘されたアイヌの方の遺骨返還に対する考え方についての再質問でありますが、先ほど御答弁申し上げましたとおり、国の通知によりますと、御遺骨の返還を希望する場合には、出土地域に居住するアイヌの人々を中心に構成された団体から国に対して申請することとされております。
こうしたことから、市といたしましては、樺太アイヌ協会、江別アイヌ協会など地域在住のアイヌの人々の御意向などを踏まえ、協力してまいりたいと考えております。
以上でございます。

鈴木 誠君

地域在住のアイヌの方々の御意向踏まえてとなるとすごく範囲が狭くなります。江別で育ってお亡くなりになった方、その御遺族の皆さんは全道、全国に散っているわけです。私も先日、札幌市で行われた集会に参加してまいりましたけれども、誰が江別出身者なのか、手を挙げてもらうわけにもいきません。そのあたりは北海道及び樺太アイヌ協会、江別アイヌ協会との連携を密にして、必ずしも江別在住の皆さんだけでは済まないということを北海道及び樺太アイヌ協会、江別アイヌ協会も含めてしっかりと調査をして、江別市側から団体に対してしっかり声かけをして対応していただきたいと思います。そうしなければ、北海道大学や札幌医科大学のほか東京大学にも2体置いてあるそうですが、これらについては、白老町に建設される国立施設に全部集約されてしまうということが、アイヌの皆さん方にとっては懸念するところです。
先日も日高管内のほうでは特定した遺族の方が申請して1体を持っていったということです。その地域の墓地に埋葬したということが新聞等に載っておりました。それだけ極めてデリケートな問題であるとともに、当時の御遺骨の発掘に江別市がかかわっていたということをしっかり受けとめて対応してもらいたい。そのことを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。

議長(角田 一君)

以上をもって、鈴木議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午前11時57分 休憩
午後 0時59分 再開
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副議長(相馬芳佳君)

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
高橋典子議員の江別版生涯活躍のまち構想に関連する課題についてほか2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

高橋典子君

議長の許可を得ましたので、通告に従い順次質問してまいります。
まず、1件目の江別版生涯活躍のまち構想に関連する課題についてです。
まず、1点目の兵村12丁目通りの拡幅についてお伺いします。
江別版生涯活躍のまち構想において大麻元町地区がモデル地区に位置づけられ、現在、江別市生涯活躍のまち整備事業地域再生協議会が設置され、生涯活躍のまち形成事業計画の策定に向けた動きが開始されています。江別版生涯活躍のまち構想に基づく計画の実施を予定し、当該地域に地区計画が設定されようとしています。この地区計画についての原案説明会の中で、参加した市民から、兵村12丁目通りの3番通りから4番通りにかけての道路整備について質問が出され、それに対し地元自治会からの要望もあり、市としても拡幅の必要性を認識しており、担当部局からは検討していると聞いていますと、回答しています。
この場所は、すぐ近くにある大麻東中学校の通学路でもあり、片側にしか歩道がないことから、以前より地元自治会から整備の要望も出されていた場所です。
既に江別市生涯活躍のまち整備事業の整備事業予定者が選定され、事業計画書も提出されています。仮に、説明会で示されたように、道路整備の考えを持ち合わせておられるなら、一般的にはこの事業の進捗に合わせて隣接する兵村12丁目通りの道路幅を拡幅し、両側に歩道を設けるなどの整備をすることになるかと思いますが、これまで議会にはそういった説明はされておりません。
今後、工事関係の車両も出入りするでしょうし、高齢者施設等が整備されれば施設職員の通行、利用者の送迎車両や歩行者の行き来も想定されます。片側にしか歩道がないため、これまで中学生の通学は西側の歩道しか使えず、近隣住民の皆さんも不便を強いられてきた経過があります。
そこでお伺いしますが、兵村12丁目通りの3番通りから4番通りにかけての道路整備についてどのような検討がなされているのか、実際にそうした計画をお持ちなのか、明らかにしていただきたいと思います。
2点目として、旧札幌盲学校跡地の面積と誘致する高等養護学校の施設整備の考え方についてお伺いします。
改めて江別市生涯活躍のまち整備事業に関する資料を見てみますと、この事業用地として旧札幌盲学校跡地の半分以上、約3万1,000平方メートルが整備事業予定者に売却されています。当市が市民とともに全力を挙げて誘致活動を続けている高等養護学校に使える用地は、地区計画の説明会によりますと、北海道として2万8,000平方メートル程度を残しておきたいとされたというように説明されています。
ただ、地図上で見たところでは、近隣自治体に設置されている既存の高等養護学校に比べ、敷地面積が狭いのではないかと危惧するところです。
近年、特別支援教育において、一般の教室や実習等を行う特別教室の確保が十分ではない事例が各地で指摘されており、障がいを持つ子たちの教育環境が心配されるところです。旧盲学校跡地に誘致しようとしている高等養護学校について、残された土地で普通教室や特別教室、体力づくりに欠かせない体育館やグラウンドなどの施設が確実に整備できるだけの面積が確保されているのか気がかりなところです。
この間、北海道教育委員会と何度も交渉を重ねてこられていると思いますが、その中で、この残された面積で十分な施設建設が可能なのか、どのような学校施設整備を前提としているのかなど、確認されているでしょうか。当市の考え方と北海道教育委員会の間に温度差はないのか気にかかるところでもあります。この間の北海道教育委員会との協議の中で、どのような感触を持っておられるか、お伺いします。
2件目として、北海道新幹線の札幌延伸におけるトンネル掘削時に発生する要対策土問題についてお伺いします。
1点目に、札幌市におけるトンネル残土の搬出先の検討状況についてです。
北海道新幹線のトンネル掘削時の残土処理について、重金属を含む要対策土の受け入れ先の選定について、札幌市と建設主体の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、いわゆる鉄道・運輸機構が候補地で住民説明を行い、厳しい意見が続出したと報道されています。説明会は、当該地域の住民だけが対象とされたと伺っているところです。また、機構側から重金属は摂取量によって健康被害を招く可能性もあるが、人体に必要な物質とも考えられているなどと説明されたことで、さらに参加者の不信感が増したとの声も伺うところです。
実際、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が示している資料には、重金属の特徴として、重金属の多くは人体に必要な元素となっているが、摂取量によっては健康被害が生じることもあるため、慎重に対応する必要があると記載されているものの、その前段で、自然由来重金属等についてとして、ひじきや魚介類などが紹介されており、自然由来重金属等とは、自然界に存在するカドミウム、六価クロム、水銀、セレン、鉛、ヒ素、フッ素、ホウ素で、温泉成分や食品等にも多く含まれているものですと説明されており、さらに、重金属等は人工物ではなく、通常の環境では人間も含めて全ての動植物に微量は存在している物質であり、その存在自体が危険というわけではありませんとも書かれています。これでは、心配な気持ちを抱えて参加された方たちの気持ちを逆なですると言われても仕方のないことかと感じます。
説明会が行われた地区の一つは札幌市厚別区の山本地区で、秋から冬、春にかけて江別市から見ると風上に当たる場所になります。特に、大麻地域にお住まいの方にとっては目と鼻の先でもあり、札幌市での要対策土への対応に不安を感じているとの声が聞かれます。通勤等で札幌市厚別区の山本地区を通る市民も少なくなく、札幌市のことではありますが、気にせずにはいられない問題です。
まず1つ目に、札幌市の検討状況はどのような段階にあって、いつごろまでに結論を出そうとしているのか、行政的にも連携をとっている札幌市から、何らかの情報は得ておられるでしょうか。江別市として把握している内容についてお伺いします。
2点目に、札幌市に情報提供・情報公開を求めることについてお伺いします。
この問題については、新聞やテレビ報道で住民説明会の様子は何度も見る機会はあったものの、その内容自体についてはなかなか情報が得られない状態にあるのではないでしょうか。インターネットで検索して、鉄道・運輸機構のホームページのほか、北海道議会と札幌市議会の会議録等で何とか見つけられる程度です。これらの議会の記録についても、ある程度わかっていなければ探すことは難しいようなものであり、あくまでも議会の記録であることから、この問題の全体について十分理解できるように整理されているものではありません。
北海道新幹線の札幌延伸自体が大きな話題であるとともに、要対策土については誰もが不安を感じるものであるだけに、より丁寧な情報提供が望まれるのではないでしょうか。江別市民にとっては、札幌市での要対策土の受け入れ場所の選定と、その後の管理がどうなるのかということは、気がかりなことであります。
札幌市手稲区金山での説明会でも、多くの疑問の声が出されたようであります。江別市に隣接する札幌市厚別区の山本地区については、地盤への不安もあり、地下水への影響も心配されるところです。当市への影響を心配する市民の声は、もっともなことだと思います。
他の自治体のことですので、賛成や反対の判断ができるものではありませんが、せめて連携の関係を持っている札幌市に対し、開示が可能な情報の提供や、誰もがアクセスしやすい方法で情報を公開することを求めてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
3件目として、生活保護制度の正しい理解と市民周知についてお伺いします。
1点目に、生活保護制度の市民周知についてです。
生活保護制度については、昨年の第2回定例会で当会派の吉本議員から、生活保護のしおりを通じて生活保護制度を広く周知することについてなど、質問しているところです。来月から消費税率が10%に増税されようとしており、政府がさまざまな対策をとっても、ぎりぎりのところで生活をされている方にとっては厳しい状況が予想されます。このようなもとで生活に困窮し、追いつめられるような市民が出ないように、行政としては各種の社会保障制度が十分に利用されるよう対応するとともに、それでもなお困窮する世帯においては、確実に生活保護制度が利用できるよう、対応することが求められます。
生活保護制度は、憲法に基づき、生活に困窮されている方に対し、健康で文化的な最低限度の生活を保障する制度として運営されています。
しかしながら、いまだにこの制度への誤解も多く、本来、この制度を利用する必要のある方が利用できていないという捕捉率の低さの問題や、スティグマと呼ばれる、世間から押しつけられた恥や負い目の烙印を解消する課題などが、重要な問題として指摘されています。
吉本議員の一般質問の後、生活保護制度について市民にお知らせする印刷物が、本庁舎西棟1階の廊下のパンフレット置き場に置かれるようになりました。担当課ではリーフレットと呼んでいるようですが、A4サイズの紙の一面のみを使い、黒いインクでの印刷、文字のみで説明されていることから、市民が手に取って読むことは少ないのではないかと残念に思います。
さまざまな御相談をお受けしますが、生活に困っていることを人に話すのは相当な勇気がいることだと感じます。困ったときに、このリーフレットを見つけていただけるようなデザインにすることが、まず求められるのではないでしょうか。また、書かれている内容も、正しく制度を理解できるものでなくてはなりません。
江別市が作成したリーフレットには、病気やけがなどのさまざまな事情により収入や預貯金がなくなり、あらゆる手段を尽くしてもと書かれています。
一時期、生活保護制度に関し大きな話題となった神奈川県小田原市は、その後、ホームページや生活保護のしおりを大きく見直しています。そこには年金や給与などの収入が世帯ごとに決められる最低生活費を下回る方、世帯で自分の資産や能力、さまざまな制度を活用しても生活を維持することができない方や世帯に対して、国が、健康で文化的な最低限度の生活を保障する日本国憲法第25条や生活保護法で定められた制度ですと書かれ、申請については、意思があれば誰でも、と見出しに併記されています。
厚生労働省のホームページでは、いろいろと懸念される表現はあるものの、制度の趣旨として生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としていますと端的に表現されています。
江別市が作成したものには、収入や預貯金がなくなりと、誤った理解をさせるような書き方になっています。
また、その他の説明の仕方も表現が固く、漢字も多く、困って相談しようとしている方に、二の足を踏ませることになりかねないものとなっています。早急に見直し、憲法や法に基づき生活を保障する制度であることや、生活に困窮している方は誰もが申請できる制度であることを伝え、収入や預貯金がなくならなければ対象とはならないような、誤解を招きかねない表現は改めることなど、正しく制度が理解されるように改めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
さらに、できることならリーフレットはきれいな紙を使い、親しみの持てるイラストなどを添えるなどして、市民が目をとめるようなデザインにしていただきたいと思います。より多くの市民に正しく制度を理解していただき、制度への誤解も払拭していくようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。
次に、2点目として、生活保護のしおりの改善についてお伺いします。
生活保護のしおりについては、昨年の答弁によると、生活保護を受給している方に守っていただくこと等についてまとめたものと説明した上で、表現を見直している自治体があることも認識しているので、今後、他市の事例などを研究していきたいとされています。この間、見直しもされているようですが、改善すべき点もまだ残されています。
一つには、いまだに保護を受けているという表現が使われていることです。
扶養義務者への調査に関し、家庭内暴力や虐待など特別な事情がある場合について照会を見合わせることも書かれていなければ、申請をためらわせることになりかねません。また、やはり全体的に否定的な表現や、市役所と制度利用者との間に上下関係があるかのように感じさせるような表現が多用されており、生活保護制度を利用されている方を委縮させかねないと感じます。
昨年の、生活保護のしおりの見直しを求める吉本議員の質問への答弁では、生活保護のしおりは、支援内容や守っていただくことなどについてまとめたものであり、生活保護の適正受給のためには、ルールなどについて正しく認識していただくことが極めて重要であると考えておりますと、再三、答弁されています。しかし、その点について言えば、例えば、通院移送費について、通院の交通費が必要な場合は担当者に相談してくださいとしか書いておらず、わかりにくい表現ではないでしょうか。病院等を受診したときに、必要と認められる交通費が支給されることがわかるように記載されるべきです。また、届け出の義務について、収入の届け出に関し、高校生のアルバイトなども対象としか書かれておらず、修学旅行費や部活動に使う場合は収入認定しないことがわかるようにはなっていません。このような内容で、ルールを正しく認識していただけるでしょうか。
幾つかの例を挙げましたが、特に若い方には将来への希望と意欲を持って生活していけるよう、正しくわかりやすい記載が必要です。
改めてお伺いしますが、正しく制度を理解し、制度を十分に活用できるよう、そして、生活保護制度の利用者をサポートできるよう、生活保護のしおりを改善すべきと考えますがいかがでしょうか。お考えをお伺いします。
以上で、1回目の質問といたします。

副議長(相馬芳佳君)

高橋議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

高橋議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、江別版生涯活躍のまち構想に関連する課題についてお答え申し上げます。
まず、兵村12丁目通りの拡幅についてでございますが、市ではこれまで、安全で快適な市民生活を確保し、機能的な都市活動を支える良好な市街地環境を形成するため、市内における道路の整備を計画的に進めてきたところであります。
また、道路に接続するなどした周辺の大規模な土地利用方針に大きな変化があった場合には、情報を収集しまして、開発計画と道路整備計画との整合を図りながら、整備に努めてきたところでございます。
お尋ねの兵村12丁目通りにおきましても、隣接する旧札幌盲学校の敷地で、江別版生涯活躍のまち構想を推進するなど、周辺地域の環境が変わってきており、変則交差点や片歩道などの交通環境に支障が出始めていることについて、認識しているところであります。
兵村12丁目通りの拡幅につきまして、現在、その土地所有者と協議を行っているところであり、道路交通の安全性の確保の観点から、早期の整備が必要と考えており、道路整備に向けて、計画的に進めてまいりたいと考えております。
次に、高等養護学校の敷地面積と施設整備の考え方についてでありますが、市ではこれまで、平成23年11月に設立されました江別市への道立高等養護学校誘致期成会とともに、旧札幌盲学校跡地に高等養護学校の誘致を進めており、北海道議会においては、平成27年3月に学校設置に関する請願が採択されたところであります。
このような中で、市は、平成29年3月に旧札幌盲学校跡地において、誘致している高等養護学校と連携した拠点を整備し、共生のまちの実現を目指すため、江別版生涯活躍のまち構想を策定したところでございます。
そこで、生涯活躍のまち整備事業の用地につきましては、北海道教育委員会より、道内に設置されている学校面積を踏まえ、旧北海道札幌盲学校の敷地約5(・)万(・)9(・),000(・・・)平方(・・)メートル(・・・・)のうち、高等養護学校の設置に必要な面積を除いた約3万平方メートルについて、平成30年1月に、利用意向確認の照会があったものであります。
市といたしましては、同年3月に、当該用地の活用について検討する旨、回答し、その後、北海道教育委員会において、既存施設との境界を確定させるなど必要な面積を整理した結果、3万1,588平方メートルを購入した後、事業者に売却したものであります。
したがいまして、高等養護学校設置に当たり、施設整備に必要となる敷地面積は確保されているものと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、生活環境部長ほかをもってお答え申し上げます。
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生活環境部長(川上誠一君)

私からは、北海道新幹線の札幌延伸におけるトンネル掘削時に発生する要対策土問題について御答弁申し上げます。
初めに、札幌市におけるトンネル残土の搬出先の検討状況についてでありますが、北海道新幹線の札幌延伸につきましては、JR北海道が2030年度末に開業を予定しており、去る8月29日には、札幌市内を通る札樽トンネルのうち、札幌工区の工事に着手しております。
トンネル工事の事業主体である独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構によれば、2021年夏から本坑の掘削が始まる予定であり、この掘削によって、札幌工区では約130万立方メートルの残土が発生し、その中に要対策土が含まれると見込まれております。
札幌市の担当部局に確認しましたところ、具体的な要対策土の量や、受け入れ工程等に関する詳細な情報は公表されておりませんが、現在、札幌市内の2地区を受け入れ候補地として検討を進めており、必要な事前調査の実施に向けて、住民説明会をこれまで計3回開催するなど、地域住民と協議を進めているとお聞きしております。
次に、札幌市に対して情報提供・情報公開を求めることについて、御答弁申し上げます。
御質問の要対策土につきましては、札幌市厚別区の山本地区が受け入れ候補地の一つであり、隣接する本市が、その動向を把握する必要があるものと考えております。
今後におきましても、市民の安全を第一に考え、北海道や札幌市の担当部局等と情報の共有を図るなど、必要な情報の収集に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、生活保護制度の正しい理解と市民周知について御答弁申し上げます。
初めに、生活保護制度の市民周知についてでありますが、市では、広く市民の皆様に、生活保護制度のあらましや基本的な仕組みなどの概要を知っていただくとともに、相談につなげていくことを目的として、昨年度から試行的に生活保護についてというリーフレットを作成し、現在、本庁舎西棟1階に設置しているところであります。
そこで、リーフレットの表現の見直しや、イラストなどを入れて見やすくしてはいかがかとの御質問でございますが、リーフレットの作成に際しましては、法律の用語や厚生労働省のホームページの表現などを参考にしたところでありますけれども、今後におきましては、他市の事例などを参考に、表現を工夫するなど、内容の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、生活保護のしおりの改善についてでありますが、このしおりは、生活保護制度による支援内容とともに、生活保護を受給している方に守っていただくことなどについてまとめたものであり、毎年、ケースワーカーが、生活保護を受給している全世帯にお渡ししております。
昨年の第2回定例会で吉本議員の一般質問に御答弁申し上げましたとおり、市といたしましては、生活保護を受給する際のルールについて正しく認識していただくことが極めて重要であると考えております。こうしたことから、これまでも、制度の改正内容や受給者の視点に立った表現となるよう、適宜見直しを行ってきたところでありますが、今後も他市の状況などを研究しながら、わかりやすい記載方法などについて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

高橋典子君

それでは、再質問をさせていただきます。
まず、1件目の江別版生涯活躍のまち構想に関連する課題について、1点目の兵村12丁目通りの拡幅について、思っていた以上に明確な御答弁がされたと受けとめました。
ただ、午前中の質問にもありましたように、市内には老朽化した道路も多くありますので、兵村12丁目通りの整備は御答弁にあったように、全体的な見通しを持った中で計画的に進めていただければと思います。
この道路整備に当たっては、いずれ関連する議案が議会に提出されると思いますので、詳細についてはそのときに改めてチェックさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
2点目の旧札幌盲学校跡地の面積と誘致する高等養護学校の施設整備の考え方についてです。
御答弁の中で、必要な面積は確保されているというお考えでした。実際のところ、どのような施設が建つかという以前の段階にありますので、その点は理解いたします。いずれにいたしましても、誘致実現の際には、その内容をしっかりと見させていただきたいと思いますので、その際にはよろしくお願いいたします。
ただ、気になる点として申し上げておきたいのですが、この間、北海道教育委員会が発表している知的障がい特別支援学校高等部の配置について発表されている内容を見た範囲では、既設校での学級増による対応や道央圏では既存施設等の活用による対応を検討する必要があるとされているのみです。学校の新設という考えがあるのかどうか、不安を感じるところです。
高等養護学校の誘致は、対象となる生徒や保護者の希望というだけではなく、地域ぐるみで運動してきた経過もあるものです。市長におかれましては、引き続き力を入れてこの実現に取り組んでいただけるよう、よろしくお願い申し上げます。
次に、2件目の北海道新幹線の札幌延伸におけるトンネル掘削時に発生する要対策土問題についてです。
1項目めについても、2項目めについても答弁は受けとめました。そのとおりに受けとめておりますが、いずれにしても本来であれば札幌市がもっと積極的に情報を出していただきたいというのが率直な感想です。
そもそも、受け入れ候補地について、なぜあのような場所を選定したのかというのも本当に疑問に思います。
答弁では、受け入れ候補地について動向を把握する必要があるとの認識が示されていることから、その点はしっかりと受けとめた上で、何よりも市民の安全を第一に考えて、必要な情報の収集に努めるとの答弁でしたので、その点を踏まえてしっかりと対応をお願いしたいと思います。そして、何よりもきちんと市民に見える形で示していただきたいと思います。
それにしても、先ほど申し上げたように、なぜ今のような候補地を札幌市は選んでいるのかということです。
札幌市厚別区の山本地区は、誰もが知っているとおり軟弱な地盤であり、地下水への影響も本当に心配されるところです。こうした場所を受け入れ候補地と考えていること自体が、不思議でなりません。
今回この質問を準備している中で思い出したことがあります。私が生まれ育ったまちは山間部にありまして、鉱山もあるような地域でした。稲作を中心とする農業のまちでもありましたけれども、カドミウム汚染という言葉を子供のうちに覚えるという環境のまちで育ちました。今回のことについても本当に近隣の方たちの健康を守ること、それと江別にとっては隣接する場所が農業を行っている地域でもありますので、安全を第一にということを基本に据えて、札幌市との対応をお願いしたいと思います。新幹線に関することでもありますし、他の自治体との関係ということで企画政策部長が答弁するかと思っておりましたが、御答弁は生活環境部長からいただきました。ぜひそれぞれの持っているノウハウがあると思いますので、協力し合いながら、江別市民のために全力で当たっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、3件目の生活保護制度の正しい理解と市民周知についてです。
御答弁をお聞きしましたが、果たして質問の趣旨を理解していただけているかどうか、少々不安に感じましたので、この件につきましては再質問させていただきます。
まず、1点目の生活保護制度の市民周知についてです。
御答弁にあったようにリーフレットの表現の見直しやイラストの利用などで見やすくすることはもちろんです。ただ、質問の目的はそこではないのです。それは手法としてしっかりやっていただかなくてはならないのですけれども、最も大事なこと、目的とするところは、制度を市民に正しく理解していただき必要な方に確実に制度を利用していただくことであり、そこを基本に据えて、それを実現するために必要な対応をしていくというところにあります。
1回目の質問で述べたように、現状では正しく制度を理解できるような内容ではないと言わざるを得ません。そこが重要な問題と捉えております。
市役所内に置く制度紹介のリーフレットについて、正しく制度を理解できるような内容に改善し、対象となる方に確実にその制度が届くようにすることを基本に据えて見直すことを求めて質問していますが、その点は理解していただけているでしょうか、再度お伺いいたします。
次に、2項目めの生活保護のしおりの改善についてです。
御答弁では、昨年の一般質問で、生活保護を受給する際のルールについて正しく認識していただくことが極めて重要と考えていると答弁していることを述べられ、これまでも適宜見直しを行ってきたと答弁されました。
それでは、ことしの4月に改定された生活保護のしおりは、見直しをした上でつくられたものなのかということです。
1回目の質問で指摘したように、誤解を招きかねない表現がされていたり、高校生のアルバイトについては控除されることや目的によっては収入認定をしないことなどが書かれていなかったりと、制度を正しく利用する上で必要なことが十分説明されているとは言えません。
これらのことは生活保護のしおりで表現されていなくても、本来であればケースワーカーが生活保護利用者と日ごろからコミュニケーションをよくとれていたら、その時々でケースワーカーのほうからアドバイスできる内容だと思います。ただ、それがされていない以上、やはり生活保護のしおりに明記しておいて生活保護制度を利用している方が、自分はここに該当すると御自身で判断してケースワーカーに申し出ていただける、そのためにも正しく記載がされる必要がありますし、十分制度が理解される内容でなくてはならないと思います。
この生活保護のしおりですけれども、制度を利用されている方に対し守っていただくことをしっかりと書き込むことはもちろん必要ですが、同時に利用できる制度上の運営についても、わかりやすく書き込むことが必要です。なぜそれが本当に必要かといいますと、それは理解不足から不正受給などとされる状態をつくり出すことがないようにということもあるのです。制度を知っていれば不正受給などと言われないで済んだというようなケースもお伺いするところです。そのためにも生活保護のしおりを正確につくり上げていく、書き込んでいくということが欠かせないことだということを申し上げたいと思います。
今後も他市の状況などを研究しながら、わかりやすい記載方法などについて検討していきたいと答弁されていますが、これは昨年の吉本議員への答弁でも同じような内容となっています。今回、改めてこういう答弁でしたけれども、何を目的に検討するかによって、他市の研究の仕方も違ってくるのではないかと思います。
その点について、どのような考え方のもとで検討されようとしているのか、お考えをお伺いします。
以上で、2回目の質問といたします。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、生活保護制度の正しい理解と市民周知についての再質問に御答弁申し上げます。
まず、生活保護制度の市民周知についてでありますが、市民周知用のリーフレットにつきましては、広く市民の皆様に、生活保護制度のあらましや基本的な仕組みなどの概要を知っていただくとともに、相談につなげていくことを目的として作成したものであります。
しかしながら、議員御指摘のとおり、正しく制度を理解していただけるような内容とするため、表現の仕方や盛り込むべき内容などについて、さらなる工夫の必要があるものと認識しております。こうしたことから、今後、他市の事例などを参考にし、生活に困った場合などに、より相談につながりやすいものとなるよう、内容の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、生活保護のしおりの改善についてでありますが、先ほどお答えいたしましたとおり、このしおりは、現在、生活保護を受給している方々に守っていただかなければならないルールなどについて、正しく認識していただくことを主な目的として作成しているもので、これまで、制度改正の内容を記載したり、文言を改めるなど、適宜見直しを行ってきたところであります。
今後の見直しに当たりましては、御指摘のありました、生活保護受給世帯における高校生のアルバイト収入の取り扱いなども含め、制度を正しく理解していただくとともに、受給している方々の視点に立った表現となるよう、他市のしおりなども参考にしながら検討してまいります。
以上でございます。

高橋典子君

御答弁を伺いました。
どのような内容に変わっていくのかについては、今後しっかりと拝見していきたいと思います。何より重要なのは憲法と法に基づくものであることと、例えば、答弁の中で相談につなげていくということもおっしゃられていますが、申請することができることも明確にしなければ、窓口に相談には行ったけれども諦めて帰ってきたということになりかねません。そうしたことも含めて、どういう姿勢をもって見直すかということが大事になってきます。
2点目の生活保護のしおりについてもそうですけれども、正しく理解していただくというのは、その言葉をそのまま解釈したいとは思いますけれども、同時に正しく利用できるようにということです。生活保護制度を困窮された市民が、正しく制度を利用できるようにするという視点も大事だということをぜひ忘れないで、見直しをしていただきたいと思います。引き続き、仕事の様子は拝見していきたいと思います。
江別のまちの中で市民が、本当に暮らしに困って先行きに見通しが持てなくなると、今後の自分の生活はどうにもならないと諦めてしまうようなことがないように、特に生活保護制度というのはぎりぎりのところに置かれている方に対する制度ですので、一つの間違いもあってはならないことを申し上げて、質問を終わります。

副議長(相馬芳佳君)

以上をもって、高橋議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

副議長(相馬芳佳君)

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 1時42分 散会