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令和元年第3回江別市議会定例会会議録(第3号)令和元年9月12日

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年11月27日更新

1 出席議員

25名

議長 角田 一 君 副議長 相馬 芳佳 君 
議員 高橋 典子 君 議員 佐藤 美佐子 君
議員 吉本 和子 君 議員 島田 泰美 君
議員 芳賀 理己 君 議員 石田 武史 君
議員 本間 憲一 君 議員 鈴木 誠 君
議員 猪股 美香 君 議員 岡 英彦 君
議員 三角 芳明 君 議員 宮本 忠明 君
議員 高間 専逸 君 議員 清水 直幸 君
議員 佐々木 聖子 君 議員 稲守 耕司 君
議員 内山 祥弘 君 議員 諏訪部 容子 君
議員 干場 芳子 君 議員 齊藤 佐知子 君
議員 奥野 妙子 君 議員 徳田 哲 君
議員 裏 君子 君    

2 欠席議員

0名

3 説明のため出席した者の職氏名

市長 三好 昇 君 副市長 佐々木 雄二 君
水道事業管理者 佐藤 哲司 君 総務部長 後藤 好人 君
総務部調整監 高橋 孝也 君 企画政策部長 北川 裕治 君
生活環境部長 川上 誠一 君 経済部長兼
総合特区推進監
渡部 丈司 君
健康福祉部長 佐藤 貴史 君 建設部長 中田 正士 君
病院事務長 白石 陽一郎 君 消防長 西原 信一 君
水道部長 菊谷 英俊 君 会計管理者 永嶋 満 君
総務部次長 福島 和幸 君 財務室長 野口 貴行 君
教育委員会教育長 月田 健二 君 教育部長 萬 直樹 君
監査委員 中村 秀春 君 監査委員事務局長 湯藤 維之 君
農業委員会会長 萩原 俊裕 君 農業委員会事務局長 川上 誠一 君
選挙管理委員会
委員長
中井 悦子 君 選挙管理委員会
事務局長
金内 隆浩 君

4 事務に従事した事務局員

事務局長 土屋 健 君 次長 錦戸 康成 君
庶務係長 土谷 晶子 君 議事係長 水口 武 君
主査 坪松 隆 君 主任 岡村 英治 君
主任 海谷 祐二朗 君 書記 渡辺 輝 君
事務補助員 堀川 久乃 君    

5 議事日程

日程第 1 会議録署名議員の指名
日程第 2 一般質問

発言者及び発言趣旨

猪股 美香 君 (一問一答方式)

  1. 不登校児童生徒の教育機会を確保するための支援事業について
    (1)すぽっとケア事業の成果指標で掲げる再登校率について
    (2)義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律に基づく不登校対策事業の見直しについて
    (3)不登校児童生徒の教育機会を確保するための取り組みについて
  2. 老朽化したマンション等のバリアフリー化について
    (1)市内のバリアフリー化が必要な老朽化したマンション等の棟数について
    (2)国が実施する支援策を活用したバリアフリー改修補助制度について

諏訪部 容子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 読書環境の整備について
    (1)セカンドブック事業について
    (2)読み聞かせ講座について
    (3)バリアフリー図書製作ボランティアの養成について
    (4)読書補助具の充実について

奥野 妙子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 心のケアと支援について
    (1)心の健康づくり講演会や研修会の開催について
    (2)相談先窓口一覧カードについて
    (3)心の病の相談窓口のあり方について
    (4)精神保健福祉の手引の作成について
    (5)緊急時の相談体制について

干場 芳子 君 (一問一答方式)

  1. 行財政運営について
    (1)歳出削減の取り組みについて
    (2)事務事業及び補助金の見直しについて
    (3)補助金のあり方について
    (4)補助金のあり方に関するガイドラインの策定について
  2. 学校給食事業について
    (1)食材費の高騰等による影響と今後の対応について
    (2)残食率について
    (3)残食率低減に向けた取り組みについて
    (4)栄養教諭との連携について
  3. 除草剤に含まれるグリホサートについて
    (1)グリホサートを含む除草剤の認識について
    (2)学校及び公共施設における除草剤の利用実態について
    (3)有害な物質から市民を守る対策について

 6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(角田 一君)

これより令和元年第3回江別市議会定例会第10日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(角田 一君)

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(角田 一君)

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
内山 議員
徳田 議員
を指名いたします。

◎ 一般質問

議長(角田 一君)

日程第2 一般質問を順次行います。
猪股美香議員の不登校児童生徒の教育機会を確保するための支援事業についてほか1件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

猪股美香君

議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問いたします。
最初に、不登校児童生徒の教育機会を確保するための支援事業についてお伺いいたします。
昨今の日本全体で見た不登校児童生徒は、平成30年10月の文部科学省からの報告によりますと、平成29年度の小・中学校における不登校児童生徒数は14万4,031人、平成28年度は13万3,683人であり、1年で1万348人増加しており、不登校児童生徒の割合は、平成28年度の1.35%から1.47%に増加しております。このように、全国的に不登校児童生徒の数はふえており、各地方公共団体で対策を行っている現状がございます。
平成30年に文部科学省が公表しました、平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について見ていきますと、不登校の要因としまして、小学校における本人に係る要因としては、不安の傾向があるが最も多く、不安の傾向の学校、家庭に係る要因としては、進路に係る不安が59.7%とトップとなっております。次いで、本人に係る要因として多かったのは、無気力の傾向があるであり、無気力の学校、家庭に係る要因としては、学業の不振が39.7%でトップでした。
中学校においても、本人に係る要因と学校、家庭に係る要因の相関関係は同様であり、不安の傾向があるが最も多く、不安の傾向の学校、家庭に係る要因としては、進路に係る不安であり、次いで、無気力の傾向があるが多く、学校、家庭に係る要因としては、学業の不振がトップとなりました。
学業の不振が要因となる割合は、小学校に比べて中学校のほうが高く、学年が上がるほど学業の不振が要因となっていることがわかります。また、不登校児童生徒の数も学年別で見ると、学年が上がるほど増加しており、実際に石狩管内の学校で働く心の相談員の方から体験談として聞いた、小学校の高学年や中学校の学年が上がるほど、学校の授業についていけなくなることがきっかけで不登校につながっているケースが多いという実情と一致していることもわかります。
江別市で見ると、平成30年度において江別市で把握している不登校児童生徒数は小学校で32人、中学校で136人の合計168人であり、平成29年度における不登校児童生徒数は小学校で22人、中学校で97人の合計119人であったのに比べ、49人増加しています。
不登校児童生徒の割合は、平成29年度の1.36%から平成30年度には1.93%に増加しており、江別市全体の児童生徒数が平成29年度には8,726人、平成30年度には8,668人と減少しているにもかかわらず、不登校児童生徒の割合がこのように増加していることは、市としても認識しなければならない課題です。
いじめ・不登校対策事業として現在市が行っている、すぽっとケア事業の登録者数は平成30年度全体で70人と不登校児童生徒全体の約4割で、また、すぽっとケア事業の利用者の9割が中学生であると伺っています。このすぽっとケア事業の成果指標として、現在は再登校率が用いられています。
そこで1点目の質問です。
いじめ・不登校対策事業として、現在市が行っているすぽっとケア事業の成果指標は、再登校率とされていますが、成果指標を再登校率としている点について、市の考え方をお伺いします。
2点目に、平成28年に文部科学省より、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が施行されました。
この法律の中では、不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等として、学校以外の場における不登校児童生徒の学習活動、その心身の状況等の継続的な把握に必要な措置を、国及び地方公共団体は講じ、または講ずるよう努めることを、概要の中で明記しています。そして、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の第三章、不登校児童生徒等に対する教育機会の確保等の第13条には、学校以外の場における学習活動等を行う不登校児童生徒に対する支援として、国及び地方公共団体は、不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ、当該不登校児童生徒の状況に応じた学習活動が行われることとなるよう、当該不登校児童生徒及びその保護者に対する必要な情報の提供、助言その他の支援を行うために必要な措置を講ずるものとすると明記されています。
義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の概要の中で、学校以外の場における不登校児童生徒の学習活動、その心身の状況等の継続的な把握に必要な措置を、国及び地方公共団体は講じ、または講ずるよう努めると明記されている以上、江別市は学校以外の場における不登校児童生徒の学習活動を認める理解を踏まえた態度として、不登校児童生徒の社会復帰の目標は、学校への再登校以外にもあってしかるべきであり、現在、いじめ・不登校対策事業として行っているすぽっとケア事業の、特に成果指標の再登校率について見直すべきであると考えますが、いかがかお伺いします。
3点目、さきに申し上げました義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律に基づき、2019年2月に、不登校の子供を受け入れる全国でも珍しい公設民営の支援施設が東京都世田谷区に開設されるなど、フリースクールが公設される事例も出ております。
さきに文部科学省による調査結果で見てきたとおり、不登校の要因として、家庭と学校に係る要因の多くが、進路に係る不安と学業の不振であることがわかっています。さらに、学年が上がるほど学業の不振が要因としてふえていることから、不登校対策として、学習支援の必要性が非常に重要であることがわかります。
平成28年に文部科学省が通知した、不登校児童生徒への支援の在り方についての中で、不登校児童生徒への支援に対する基本的な考え方として、(1)支援の視点、不登校児童生徒への支援は、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、児童生徒がみずからの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要があること。また、児童生徒によっては、不登校の時期が休養や自分を見詰め直すなどの積極的な意味を持つことがある一方で、学業のおくれや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意することと明記されています。
江別市としても、これまで見てきた、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、そして、不登校児童生徒への支援の在り方についての考え方に則し、適応指導教室であるすぽっとケア事業以外にも、民間で設営し、民間で運営する施設や団体に対する支援メニューを創設するなど、不登校児童生徒の教育機会を確保するための取り組みについて、支援事業を検討するべきだと考えますが、いかがかお伺いします。
次に、老朽化したマンション等のバリアフリー化についてお伺いいたします。
昨年度は、江別市への転入者数から転出者数を引いた社会増減数が、3年連続で社会増となりました。江別市が展開する子育て世帯向けの住宅取得支援事業などが利用されていることや、札幌市の住宅価格高騰により江別市に注目が集まっていることなどで、子育て世帯を中心に新築、中古を含めた住宅取得が社会増に貢献している旨の記事が、北海道新聞にも掲載されました。また、現在も市内各地で新しい住宅分譲地が開発されており、今年度も社会増に向けて期待ができることと思います。
過去に江別市で大きく人口の転入があった年は、1960年代から1970年代の大麻団地の造成と、1980年代後半から1990年代の見晴台地区を初めとした大規模土地区画整理事業であり、特に、1980年代後半から1990年代の人口転入者数は過去最大であったことが、江別市で発行している人口ビジョンにも明記されています。人口転入のピークは1994年であり、このときの江別市の総人口は11万1,099人、その11年後の2005年の総人口ピーク時には12万5,601人でした。
今年度も順調に江別市の総人口の社会増は進んでおり、ピーク時の総人口に近い12万人を超えるのも視野に入ってきました。今の江別市が、こうして北海道内で7番目の人口を維持しているのも、1980年代後半から1990年代の最も人口転入者数の多かった時代に江別市を選ばれた皆様が支えてくださっていることが、大きく寄与していると考えられます。
江別市内で大型マンションが多く建設されたのは、平成初期である1990年からの5年前後であり、札幌市の地価が上がり、マンション事業者の開発ニーズによってJR野幌駅前を中心としたエリアに建設され、分譲された背景があったと思われます。この時期に分譲されたマンションは、建築から20年から30年近く経過しており、マンション居住者の年齢も高齢化しています。大麻地区住環境活性化事業でも、冬場の雪かきや、戸建て住居の維持に係る労力から、高齢者がマンションを購入し移り住むことを希望する声が多く聞かれたと伺っています。そうした背景も、マンション居住者の年齢が高齢化している一因と考えられます。
江別市では、江別市住生活基本計画の策定に際して行ったアンケートでも、分譲マンションに居住している方の88.4%が、このまま住み続ける予定であると回答しています。既存の老朽化したマンション等のバリアフリー化を推し進めることは、高齢の居住者が安心して暮らせる環境づくりという点で重要であると言えるでしょう。
しかしながら、当時施工されたマンションの多くが、1階の部屋までに4から5段の階段があるなど、共用部分においてのバリアフリーの配慮がなされていない現状が見られました。日本の住宅でバリアフリーが標準的になったのは、1996年、住宅金融公庫、現在の住宅金融支援機構が、床の段差をなくすなどの工夫がされた家、いわゆるバリアフリー住宅について、融資額を200万円ほど上乗せする制度をスタートしたのがきっかけと考えられています。それ以前の住宅建設において、バリアフリーの配慮がなされていないことがわかります。
そこで、1点目の質問です。
江別市では、現在、江別市内のバリアフリー化が必要な老朽化したマンション等の棟数について把握しているかどうか、お伺いいたします。
続きまして、2点目の質問です。
国が実施する支援策を活用したバリアフリー改修補助制度についてお伺いいたします。
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、通称バリアフリー新法が、2006年12月20日に施行されたことにより、それ以前に建設された老朽マンション等既存の建築ストックについて再生する優良建築物等整備事業などが創設されています。また、公益財団法人マンション管理センターによりますと、分譲マンション共用部分の改良工事等に対する助成制度を地方公共団体独自で設けている例も、東京都や神奈川県川崎市など首都圏を中心に幾つか見受けられます。
江別市内の老朽化したマンションにおいても、マンションの経過年数とともにお年を召した居住者の中には、車椅子利用者を家族に抱えたり、ショッピングカートで日々の買い物に向かう単身の高齢者の方がいらっしゃいます。
退職後に江別市内の分譲マンションを購入された80歳代後半の女性は、膝と腰に持病を抱え、2週間に1回通院しているそうです。近くに家族はおらず、日々の買い物は手押しのショッピングカートで向かいますが、近くのスーパーマーケットで実施している配達サービスには料金がかかるようになり、買い物後のショッピングカートは重くなるため、1階にあるエレベーターまでの5段の階段が登れず、買い物をした中身を小分けにして、何回かに分けて5段の階段を登っている現状を教えてくださいました。
また、80歳代後半の車椅子で生活するお母様と一緒に暮らす50歳代の女性と、がんで闘病する奥様を持つ70歳代の男性も、車椅子での移動にたくさんの人手をかりるなどして通院されているとのことで、バリアフリーに対応されていない共用部分のリフォームを希望しているが、階段の段数が少ないためスロープでは対応できず、管理組合の負担のみでは昇降機等の設置が難しい状況である現状を教えていただきました。
さきに申し上げましたように、首都圏では東京都文京区のマンション共用部分改修費助成、神奈川県川崎市の川崎市マンション段差解消工事等費用助成制度など、地方公共団体で独自の助成を行っている例が見られます。また、国でも老朽マンション等既存の建築ストックについて再生する優良建築物等整備事業など、地方公共団体で制度を創設すれば、国が3分の1負担、地方公共団体が3分の1負担、残り3分の1が民間の負担で活用できるような支援メニューがございます。
国がバリアフリー改修事業の制度として各種支援策を設ける中で、江別市内の老朽マンション等のバリアフリー化への取り組みについて、江別市としてはどのようにお考えか、お伺いさせていただき、1回目の質問といたします。

議長(角田 一君)

猪股議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

猪股議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、老朽化したマンション等のバリアフリー化についてお答え申し上げます。
まず、市内のバリアフリー化が必要な老朽化したマンション等の棟数について御答弁申し上げます。
市では、市内の建築物について、建築基準法に基づき、一定規模・用途の建物管理者等に対して、定期的に建物の構造や、建築設備等の調査結果の報告を求めているところであります。このうち、マンションを含めた共同住宅につきましては、3階以上かつ1,000平方メートルを超える規模を報告対象としており、現在、約140棟について、所在地や建築年、構造等のほか、建物の劣化状況を把握している状況であります。
御質問の共用部分のバリアフリー化が必要な棟数についてでありますが、調査結果の報告書において、エレベーターの設置台数などは把握しておりますが、段差やスロープ・手すりの有無等は、報告対象ではないことから、把握することは困難であります。
しかしながら、平成10年度以降に建築されたマンションについては、北海道福祉のまちづくり条例に基づく届け出により、共用部分の段差やスロープ・手すり等のバリアフリーの状況についても、把握しているところであります。
次に、国が実施する支援策を活用したバリアフリー改修補助制度についてでありますが、現在、国では、大規模地震の発生や既存建築ストックの余剰、高齢化社会のさらなる進展等の社会的な背景から、民間建築物における耐震化や省エネルギー化、バリアフリー化に対する支援を実施しているところであります。
これらの状況を踏まえ、市では、民間住宅の耐震改修や中古住宅を含めた住宅取得・リフォームへの支援のほか、介護保険や障がい福祉のサービスにおける住宅改修費の一部支給などを実施しているところであります。
御質問の、国の支援策を活用した共用部分のバリアフリー改修補助制度についてでありますが、国の支援制度が、バリアフリー化や耐震化、省エネルギー化などを複合的に実施することや、まちづくりとしての地区の位置づけ等が要件となっており、活用に当たっては、計画策定など相応の準備が必要であることから、直ちに活用できる状況にはないと考えております。
しかしながら、高齢者や障がいのある方が安心して暮らせる住宅整備の推進は、持続可能なまちづくりを進めていく上では必要であると認識しておりますことから、今後、国や北海道が実施する支援策の動向を注視するとともに、市が関係団体と連携して実施しているマンション管理講習会などにおいて、共用部分のバリアフリー化の状況や、区分所有者で構成される管理組合の意向等の把握に努めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育長からお答え申し上げます。

教育長(月田健二君)

私から、不登校児童生徒の教育機会を確保するための支援事業について御答弁申し上げます。
まず、すぽっとケア事業の成果指標で掲げる再登校率についてでありますが、いじめ・不登校対策事業における事務事業評価表の成果指標として再登校率を設定しております。不登校対策については、すぽっとケア事業が始まった平成16年当時、国においては学校復帰を施策の目的の一つとして掲げており、現在においても、集団生活への適応を図り、学校への復帰を目指して支援を行うという基本的な方向性は変わっておりません。
教育委員会としても同様に考え、学校への復帰支援を基本として、不登校児童生徒の個々の意向に留意しつつ事業を進めてきたところであり、学校への復帰状況をあらわす再登校率を成果指標としてきたところであります。
国においては、平成28年9月の不登校児童生徒への支援の在り方についての通知の中で、不登校は、多様な要因・背景の結果で誰にでも起こり得るものであり、その行為を問題行動と捉えたり、学校への復帰のみを目標としたりしてはならないとしております。
さらに、平成29年2月の義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会確保等に関する法律の施行等に伴い、個々の児童生徒の状況に応じて、適応指導教室や民間のフリースクールなど、多様で適切な教育機会を通じ、社会的な自立を支援する考え方が、より重視されてきております。
教育委員会といたしましては、今後、こうした国の動向を踏まえ、再登校率とあわせて事業効果をはかる成果指標について検討してまいりたいと考えております。
次に、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律に基づく不登校対策事業の見直しについてでありますが、これまで教育委員会においては、すぽっとケア事業を中心とした教育機会の提供や、集団生活への適応に向けた支援のほか、専任指導員やスクールソーシャルワーカー等による教育相談や訪問支援等を通して、児童生徒の状況に合わせた個別の支援を行ってきております。
いじめ・不登校対策事業を評価するに当たっては、生活習慣の改善等により学校への復帰を目指すことは重要であり、再登校率は適切な成果指標だと考えております。
さらに、学校復帰までには至らなくても、児童生徒が社会性や人間性を伸ばし、社会的自立につなげるという事業の成果をはかる指標として、どのような成果指標が適切かにつきましても、先ほどの答弁の中で申し上げました国の動向を踏まえ、今後検討してまいりたいと考えております。
次に、不登校児童生徒の教育機会を確保するための取り組みについてでありますが、文部科学省が平成29年3月に策定した義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針においては、教育委員会・学校と多様な教育機会を提供している民間の団体とが連携し、相互に協力・補完し合いながら、不登校児童生徒に対する支援を行う取り組みを推進するとしております。
現状においては、不登校児童生徒を受け入れるフリースクールなどの民間施設は市内にありませんが、教育委員会において、すぽっとケア事業を中心とした学校以外の教育機会の提供や、教育相談及び訪問支援等の不登校対策事業を実施しております。
文部科学省に設置された、不登校に関する調査研究協力者会議において、多様な教育機会の確保のために必要な方策等について検討が行われ、その議論の結果が、本年6月に公表されております。国においては、この議論の結果において示された方向性をもとに、今後、不登校児童生徒への支援に係る施策を検討することとしております。
教育委員会としましては、今後国から示される方策など国の動向を注視し、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
以上でございます。

猪股美香君

御答弁ありがとうございました。
順次、質問と要望を述べさせていただきます。
まずは、件名1、不登校児童生徒の教育機会を確保するための支援事業につきまして、1点目のすぽっとケア事業の成果指標を再登校率としている点についての市の考え方は、学校への復帰を目指して支援を行うという国の基本的な方向性に基づいた結果であり、そのため、現在も再登校率を成果指標としていると理解いたしました。
しかしながら、あわせて、平成28年9月の不登校児童生徒への支援の在り方についての通知により、不登校は、その行為を問題行動と捉えたり、学校への復帰のみを目標としたりしてはならないとしている国の姿勢を認識していらっしゃると理解いたしました。
国の動向としては、基本的には学校への復帰を目指しているが、学校への復帰のみを目標としてはならないというのが近年の姿勢である点を共通認識として確認した上で、2点目の再登校率について見直すべきではないかという質問に対して、再度質問させていただきます。
2点目の答弁の中で、いじめ・不登校対策事業を評価するに当たっては、生活習慣の改善等により学校への復帰を目指すことは重要であり、再登校率は、適切な成果指標だと考えている旨の御答弁をいただきましたが、1点目の答弁の中で、学校への復帰のみを目標としてはならないとしている国の姿勢を理解している以上、1点目と2点目の答弁の間に、少し矛盾が生じているように思いましたので、もう一度確認させてください。
不登校児童生徒を持つ親の会で出会った不登校の子供たちには、学校に行かなければならないのに行くことができない自分を責めてしまう子供もいます。また、行こうと思っても、体に拒否反応が出てしまい、おなかを壊したり、頭が痛くなったりしてしまう子供もいます。学校内でトラブルを経験した子供は、学校内に居場所がなくなっています。そういった子供たちに対して、いじめ・不登校対策事業の成果指標が再登校率であるのは、不可抗力な理由で登校できない子供たちの存在を認めていないと捉えることができます。
いただいた御答弁の中で、不登校は、その行為を問題行動と捉えたり、学校への復帰のみを目標としたりしてはならないという国の動向を共通認識として確認することができ、むしろ再登校率について見直すべきではないかという思いを強くしたのですが、いかがかお伺いします。

教育長(月田健二君)

再質問に御答弁申し上げます。
成果指標の再登校率を見直すことについてでありますが、先ほども答弁いたしましたように、教育委員会においては、国と同様の考え方で、学校への復帰のみを目標とするのではなく、個別の意向に留意しつつ、不登校児童生徒に対する支援を行ってきたところであります。
教育委員会といたしましては、今後、再登校率とあわせて事業効果をはかる成果指標について検討してまいりたいと考えております。

猪股美香君

御答弁ありがとうございました。理解いたしました。
再登校率を含めて、事業効果をはかる成果指標について検討していただけるという答弁をいただきましたので、ぜひそのようにお願いしたいと思います。
ほかの地方公共団体では、不登校児童生徒の数の増減を指標にする、学校が楽しいと感じる児童生徒の数を指標にするなど、全体を俯瞰するような指標にしている事例もございます。不登校児童生徒の課題は多様ではありますが、本質的にはどんな状況でも子供たちが自己肯定感を育み、今後幸せな生活を送ることができるよう支援することが、不登校児童生徒への支援の目的であると思います。成果指標の検討内容について、随時御報告いただきますようお願いします。
3点目の質問、現状においては、不登校児童生徒を受け入れるフリースクールなどの民間施設は、市内にはないとの答弁をいただきましたが、この点に課題を感じております。
過去には、江別市内にも民間のNPO法人が運営するフリースクールがありましたが、資金面の課題からやむを得ず閉鎖した経緯を経営者の方から伺っています。
さきに申し上げましたとおり、不登校の要因の多くが、進路に係る不安、学業の不振であることがわかっており、これに対して教育機会の確保という対策を講じていかなければならないことは明確です。また、すぽっとケア事業の利用者数は不登校児童生徒全体の4割であり、そのほとんどが中学生であることを見ますと、小学生の不登校児童生徒の教育機会が市内にない現状がわかります。
不登校児童生徒を持つ、特に小学生の母親は、日中居場所のない子供のために仕事をやめることを検討したり、実際にやめたという経験も聞きます。スクールソーシャルワーカー等の相談支援については、利用者の方からも非常によかったという声を聞いており評価しておりますが、基本的には学校内で行う相談支援であり、学校と接点を持つことができない状況の子供たちには届かない支援です。
このところ、市内でも、民間の不登校児童生徒の居場所づくり事業が新しく立ち上がるなど動きを見せてきています。ただ、こうした事業の運営が経営的に大変であることは、過去にフリースクールを運営していた方の話からも明らかであります。一時的に学校から距離を置いた民間施設と連携することで、学校と接点を持つことができない不登校児童生徒との接点を設けることができます。こうした民間の事業に対して積極的な支援を行うべきであると考えますが、いかがかお伺いします。

教育長(月田健二君)

再質問にお答え申し上げます。
民間の事業に対する支援についてでありますが、教育委員会においては、不登校の小・中学生を対象としたすぽっとケア事業のほか、教育相談及び訪問支援等のいじめ・不登校対策事業を実施しております。
まずは、これからの事業の充実を図るとともに、民間の事業に対する支援につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、今後、国から示される方策等を注視し、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
以上であります。

猪股美香君

御答弁ありがとうございました。
続きまして、2件目の質問につきまして要望を述べさせていただきます。
1点目の、江別市内の老朽化したマンション等のバリアフリー化が必要な棟数についての把握は、現状では困難であるが、2点目でマンション管理講習会などにおいて、共用部分のバリアフリー化の状況把握に努めていくとの御答弁をいただきましたので、ぜひそのように取り組んでいただくことを要望いたします。
2点目の、国が実施する支援策を活用したバリアフリー改修補助制度につきまして、バリアフリー改修に係る国の支援策の多くが、計画策定などが必要であり、直ちに活用できる状況にないことは理解いたしました。しかしながら、江別市では、2019年3月に策定した江別市住生活基本計画の中で、基本理念として子育て世帯や高齢者世帯など、誰もが安心して住み続けられる江別市の住まいづくりを目指すとしています。江別市住生活基本計画策定に際して行ったアンケートでも、分譲マンションに居住している方の88.4%が、このまま住み続ける予定であると回答しています。
質問に対しては、管理組合の意向等の把握に努めていく旨の御答弁をいただきましたので、今後、老朽化したマンション等の共用部分のバリアフリー化に対する補助の要望があった際には、誰もが安心して住み続けられる江別市の住まいづくりの理念に基づき、どのようにしたら対応できるかという視点に立った前向きな対応を要望し、以上で私の質問を終えさせていただきます。

議長(角田 一君)

以上をもって、猪股議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
諏訪部容子議員の読書環境の整備についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

諏訪部容子君

ただいま発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問いたします。
私は昨年の第4回定例会で高齢者と図書館に関して一般質問を行い、幾つかの質問と提案をさせていただきました。その中で、図書館職員に対して認知症研修を行っていただきたい旨を述べさせていただきました。
先月、バーチャルリアリティーを用いた認知症の理解を深める研修が行われ、私も参加させていただきましたが、図書館職員を含む多くの市職員が参加していたことを大変うれしく思いました。認知症の方への理解が深まり、今後の窓口対応等に研修が生かされることを望みますし、今後とも研修に力を入れていただきたいと思います。また、同時に高齢者を対象とする読み聞かせについても提案させていただきましたが、これもやはり、7月から8月にかけて開催された情報図書館の30周年記念事業の中で、大人のおはなし会を実施していただき、大変好評であったと伺っています。今後ともぜひ続けていただきたい事業だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回の質問では、子供の読書環境についてお聞きしたいと思います。
当たり前のことですが、人間はおぎゃあと生まれ落ちたときには、何の言語も習得していません。周囲から繰り返し話しかけられることにより言葉を覚え、言い間違いなどを訂正されながら言語を獲得していくと言われています。まだ発語らしい発語もできないうちから話しかけられることで、物や概念と単語が結びつき、一般的には1歳3カ月くらいから単語を発することができるようになり、2歳ころには2語文、3語文と扱える語彙がふえ、子供にもよりますが、3歳くらいには他人との会話が成り立つようになるそうです。
繰り返しになりますけれども、生まれてから子供が言語を獲得できるようになるためには、周囲からの語りかけや周囲が会話していることを聞くことが重要と言われていますが、昨今、そのことに関して、少し気になることがあります。
核家族化が進んでいることは時代の流れでもありますし、そのことを否定するわけではありませんが、どうしても家族を構成する人数が少なくなると、家族の人数が多かったころと比較して、乳幼児に話しかける大人の数が少なくなるのではないでしょうか。そして、多様な年代・世代の大人からの話しかけが期待できなくなることにより、語彙の幅が広がらないのではないかとも思います。
実際に、私が会社員時代に、10歳程度離れた同僚と会話をしていると、詳細は省きますが、同年代の同僚とは通じ合う言葉が全く理解されなかったという経験が何度かありました。もちろん、本を読む、映画やテレビ、ラジオなどを見聞きすることにより語彙の幅が広がっていくもので、言葉に触れる手段の多様性で補えるものでもあります。
もう一つ懸念していることとして、昨今では、スマホ育児と言われるように、乳幼児にスマートフォンを触らせている姿を見かけることが多くなったように思います。例えば、電車の中や病院の待合室など、周囲に迷惑をかけないように、静かにしていてもらいたいときに、やむなくスマートフォンの画像を見せているのだということは理解していますが、例えば、お気に入りの絵本や縫いぐるみ、折り紙など、周囲に迷惑とならない程度の会話をしながら、静かに待つようにすることもできると思います。何より、子供にとってシャワーを浴びるかのようにたくさんの言葉を聞かせることが、言語習得の第一歩であることを考えると、スマートフォンやゲーム機などに頼ることを少し控えて、たくさん話しかけていただきたいものです。
余談ですが、先日、あるテレビ番組で、個人差はありますが、例えば、2歳くらいのときの記憶がないことに関して、2歳児は起こったことを言葉で記憶することができないので、後々言葉で思い出すことができないと解説されていました。言葉を獲得すると、例えば、田舎のおばあちゃんの家に遊びに行ったときに、近所の池に落ちたなどと、出来事を記憶として言葉で固定化し、後々も想起することができるとのことです。やはり言語の獲得というのは、乳幼児の発達にとって重要なことであると言えます。
今までも多くの議員がさまざまな視点から取り上げていますが、子供にたくさんの言葉をかけるための一つの手段として、絵本の読み聞かせがあります。
江別市でも平成20年4月より、親と子の絵本事業とこんにちは赤ちゃん事業を一体化させ、主任児童委員や民生委員が乳児のいる全家庭を訪問し、生まれた全ての赤ちゃんと保護者に絵本を手渡し、心が触れ合うひとときを持つきっかけをつくるというブックスタート事業を行っていることは理解しています。さらには、保健センターでは、4カ月健診時などに、絵本読み聞かせボランティアねんねの会の方々に、配付した絵本を含めたいろいろな絵本を読んでいただき、読み聞かせのよさを感じていただけているのではないかと思います。
しかし、実際には、特に初めての子育てであるならば、赤ちゃんの世話だけで精いっぱいになり、なかなか絵本の読み聞かせまでは手が回らないのではないかということも考えられます。しかも、言葉がわからないからと、赤ちゃんに読み聞かせをすることに意味がないように思っているという親もいるということを聞いたことがあります。
しかしながら、読み聞かせの活動をしていると、幼児だけではなく、乳児も絵本を注視している様子をよく見かけます。そういった意味で、このブックスタート事業は大変すばらしい事業であると評価しています。そして、この事業がより意味のある事業となるためには、絵本の読み聞かせを通じた親と子の触れ合いが、赤ちゃんの時代から幼児期、小学生になっても続けられ、一生を通じて本に親しむという習慣が子供たちに定着することが望ましいと考えます。特に、さきに述べたように、語彙の幅を広げるためにも、ぜひ子供たちに読書の習慣を持たせたいものです。
2018年に、ある教育サービスに携わる企業が、36万人もの小学生を対象とした調査で、読書が算数の学力アップに一定の影響があると報告していたり、平成21年に静岡大学が文部科学省から委託を受け実施した研究結果にも、読書好きな児童生徒ほど教科の学力が高い。科目、学力層、領域、設問形式によらず、この傾向が確認できるという意味で、これは非常に強固な傾向であると言える。この強固さが確認できたことは、今回の調査研究における重要な知見の一つと考えられると報告されています。これらの研究結果を見ると、読書と学力の相関関係は明らかと言えるでしょう。
そして、一般的に乳児期に引き続き、幼児期での読み聞かせが、その後の読書習慣に大きくかかわるとも言われることから、主に3歳児を対象として、ブックスタート事業と同様に、絵本をプレゼントするセカンドブック事業に取り組む自治体がふえていると聞いています。
そこで、一つ目の質問です。
昨年の第3回定例会で齊藤議員もセカンドブック事業について質問されていますが、江別市の親と子のふれあいを促進し、子供たちに読書の習慣を定着させるためにも、江別市でも3歳児健診などの際に、再度絵本をプレゼントするセカンドブック事業に取り組むべきと考えますが、いかがか伺います。
私が所属するボランティア団体の子ども文化ネットワーク・江別、通称こねっととして知られていますが、こねっとでは、毎年、各小学校の読み聞かせの会の活動状況をアンケート調査し、その結果を小冊子で報告しています。さらには、1年に一度ですが、読み聞かせの会の交流会を実施しています。その交流会の中で読み聞かせの会として、現在、困っていることを尋ねていますが、毎回、参加メンバーを集めるのに苦労しているというお話をお聞きします。その理由として、PTA活動そのものに疑問を持つ保護者がふえている、働いているために難しいと言われる、大勢の子供たちの前で読み聞かせをするのは少し勇気がいることなので、誘っても自分には無理であると断られてしまうなどが挙げられ、なかなか読み手がふえず、朝の読み聞かせの時間に全ての学年に入りたいが、人数の関係から低学年中心になってしまうとか、現役の保護者のみでは成り立たたず、子供が卒業しても残ってくれる方や近隣の自治会にお願いして回覧などで募集し、読み手を何とか確保しているという小学校がほとんどのようです。
また、ある小学校では、PTA活動がメニュー化されていて、最低一つのメニューに取り組むことが義務化されているので、メンバーは一定数集まるけれども、みずから進んで参加している人と義務で参加している人の意識の差を埋めるのが大変であるというお話もお聞きしました。ほかに異口同音にその他の悩みとして挙げられたのは、自己流の読み聞かせに自信が持てないので、読み聞かせを学んでみたい、絵本の選び方などを教えてもらいたいとのことでした。
読み聞かせは誰でもできるように思われますが、調べてみますと、一般社団法人JAPAN絵本読み聞かせ協会が認定する絵本読み聞かせマイスターという民間資格もありますし、一般財団法人出版文化産業振興財団が読み聞かせサポーター講習会を1年に10回、全国各地で開催しています。
それらの団体が実施している講座の内容を確認しますと、やはり何事も基本を学んで取り組むべきではないかと改めて認識した次第です。そのことについて、江別で何十年にもわたって読み聞かせを実践しているマイスターのような方に伺うと、読み聞かせにおいても本の選び方、持ち方、大勢を対象とした読み方などの基本を学ぶことは大切ですので、ぜひ江別でも読み聞かせ講座を実施して、1人でも多くの読み手を育てていただきたいとお話しされていました。そして、読み聞かせ講座を実施することにより、先ほど来、御紹介している小学校の読み聞かせの会のメンバーをふやす一つのきっかけとすることが期待できるのではないでしょうか。
そこで、二つ目の質問です。
読み聞かせに興味を持っていただいたり、読み聞かせに取り組みたいと考えている人のきっかけとしていただいたり、読み聞かせを実施している人のスキルアップを図り、より一層読み聞かせを楽しめるよう、読み聞かせ講座を実施していただきたいと考えますが、いかがか伺います。
2019年6月28日、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律、いわゆる読書バリアフリー法が衆議院本会議において可決され、成立しました。
厚生労働省から発表されているこの法律の概要によりますと、第1条の目的には、視覚障がい者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進、障がいの有無にかかわらず全ての国民がひとしく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与と記されています。そして、視覚障がい者等という言葉の意味として、視覚障がい、発達障がい、肢体不自由などの障がいにより、書籍について、視覚による表現の認識が困難な者と示されています。つまりは、現在、さまざまな障がいにより、なかなか読書に親しむことができない視覚障がい、発達障がい、学習障がい、身体障がいなどがある方を対象として読書環境を整備すべきとしています。
そして、第4条、第5条には、国、地方公共団体の責務として、国は、視覚障がい者等の読書環境の整備の推進に関する施策を総合的に策定・実施、地方公共団体は、国との連携を図りつつ、地域の実情を踏まえ、施策を策定・実施と示されています。
さらには、基本的施策として、第9条から第17条まで定められていますが、特に第9条では、視覚障がい者等の図書館利用に係る体制整備等として、アクセシブルな書籍・電子書籍等の充実、円滑な利用のための支援の充実、点字図書館における取り組みの促進などが挙げられています。
それでは、一つ目に挙げられたアクセシブルな書籍とはどのような書籍をイメージするとよいのでしょうか。
お隣の札幌市には、障がいのある方が本に親しめるよう布の本や拡大写本、大型絵本をそろえた、公益財団法人ふきのとう文庫が運営している図書館があります。その創設者の方は、障がいがある妹が本に親しめるようにと、1970年に、大麻に私設のふきのとう文庫を創設されたそうです。そのままずっと大麻に開設しておいていただきたかったと思いますが、残念ながら、その後、札幌市に移転されたそうです。そのふきのとう文庫を訪れて見ますと、アクセシブルな書籍という法律の条文が少し理解できるように思います。
ふきのとう文庫にそろえられている布の本は、聴覚・触覚・手足の運動・情緒などさまざまな障がいを持つ子供たちのためにつくられているとのことで、ふきのとう文庫による布の本の紹介文を引用しますと、単に布地に絵を描いたり、刺しゅうを施したりしたものでなく、布地やフェルト、ひも、スナップ、ファスナー、マジックテープ、ボタンなどを用い、遊びの中で、外す、はめる、引っ張る、押しつける、ちぎる、合わせる、ほどく、結ぶなどの機能訓練を行う、絵本と教具・遊具の働きを兼ね備えた本とのことです。絵本を読むという概念を少し拡大し、障がいがあるお子さんでも親しめるものとなっているようです。
ふきのとう文庫では、布の本がつくれるキット、組み立て材料一式を販売していたり、ボランティアが製作した布の本が並んでいましたが、さまざまな部品を縫い合わせて製作するもので、かなり手間がかかるため、大量につくれるものではないと感じました。
また、拡大写本は、弱視の方でも読書を楽しむことができるものだそうで、既存の本を読みやすい大きな文字に書き直してつくられた本のことだそうです。そして、読みやすさ、使いやすさも考慮しつつ、原本のイメージを損なわないように作成することが必要とのことです。
札幌市では、拡大写本製作ボランティアを募集していますが、完成までに1年ほどかかることもあるそうで、やはり大量生産には向かないものでしょう。しかしながら、さまざまな障がいを持つ、特に子供たちに、布の本や拡大写本などに、ぜひ触れてもらいたいものであります。
そこで、三つ目の質問です。
江別市でも、布の本や拡大写本などのバリアフリー図書の製作ボランティアの養成に取り組んではいかがか伺います。
活字離れが進んでいると言われていても、毎年多くの本が出版されています。昨年の第4回定例会での一般質問に対する答弁でも、情報図書館では、大活字本を計画的に購入しているということでしたが、経費がかかることでもあり、大活字本を劇的にふやすことは難しいと考えます。また、先ほど御紹介した布の本や拡大写本などのバリアフリー図書の製作ボランティアの養成に取り組んでいただき、仮に多くのボランティアを養成することができたとしても、その製作過程から考えると、布の本や拡大写本を情報図書館にたくさん並べることは、やはり難しいものと考えます。
しかしながら、読書バリアフリー法にも示されているように、視覚障がい者等の読書環境の整備の推進は国と地方自治体の責務ですし、障がいのあるなしにかかわらず、全ての方が読書に親しめるようにすべきです。
繰り返しになりますけれども、障がいがある方に布の本や拡大写本を提供できることが最も望ましいと考えますが、先ほど申し上げましたように、一気にふやすことは難しいでしょう。そこで、次善の策として、読書補助具を用意することが考えられます。発達障がいの一種で、読みに困難が生じるディスレクシアの方たちや視覚障がい、特に視野狭窄や黄斑変性のある人などに有効な読書補助具として、リーディングトラッカー、リーディングルーペ、拡大機能つきのリーディングトラッカーなどが国際的に知られています。
そこで、四つ目の質問です。
視覚障がい者等の読書環境の整備推進の一環として、まずは情報図書館にこれらの読書補助具、リーディングトラッカー、リーディングルーペ、拡大機能つきのリーディングトラッカーなどを常備してはいかがか伺います。
以上、1回目の質問といたします。

議長(角田 一君)

諏訪部議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

諏訪部議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、読書環境の整備についてのうち、セカンドブック事業についてお答え申し上げます。
当市では、子育て支援の観点から、市内外の企業からいただいた御寄附を財源の一部として、平成20年度から主任児童委員及び民生委員が、乳児がいる全ての家庭を訪問するこんにちは赤ちゃん事業と、親と子の絵本事業を一体的に実施しているところでございます。平成30年度は、655人のお子様に絵本2冊をお届けいたしました。親と子の絵本事業は、アンケート結果などからも、大変御好評いただいているところであります。
また、乳幼児に対する読書に関する取り組みといたしましては、保健センターで4カ月児及び1歳6カ月児健診の際に絵本ボランティアによる読み聞かせやお勧め絵本の紹介、情報図書館、子育て支援センター及びあそびのひろばでの読み聞かせ、児童センターの図書コーナーの設置などを行っております。
そこで、御質問のセカンドブック事業についてでありますが、現在、当市では、令和2年度からの5年間を計画期間とする第2期江別市子ども・子育て支援事業計画の策定を進めており、昨年度は、基礎資料となる江別市子ども・子育て支援に関するニーズ調査のほか、江別市子どもの生活実態調査を実施したところであります。
今後は、両調査で寄せられた保護者の皆様からの御意見を踏まえまして、えべつ未来戦略の安心して子供を生み育てられるまちづくりを実現するために、多様なニーズの中から優先的に取り組むべき子育て支援策について検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育部長からお答え申し上げます。

教育部長(萬 直樹君)

私から、読書環境の整備に関しまして、読み聞かせ講座についてほか2件について御答弁申し上げます。
まず、読み聞かせ講座についてでありますが、子供の読書活動は、子供の心身の成長に大切な役割を果たすものであり、市では、江別市子どもの読書活動推進計画を策定し、子供が自主的に読書活動を行うことができる環境づくりを進めております。
読み聞かせについては、子供の読書活動を定着させる取り組みとして、情報図書館や子育て支援センターにおいて子供が本に親しむ機会を提供しているほか、学校でもボランティアの協力を得ながら読み聞かせを行っております。
情報図書館では、子育てをサポートするファミリーサポートセンターの依頼に基づき、昨年度、司書が講師となり、会員向けの読み聞かせに関する研修会を行ったところであります。
教育委員会といたしましては、読み聞かせには、担い手としてボランティアが欠かせないものであり、継続的な活動を支えていくために、ボランティアの人材確保や育成の取り組みが必要と考えております。
読み聞かせ講座については、ニーズの把握や効果的な実施方法について、読み聞かせの担い手であるボランティア団体と相談するなど、開催に向け検討してまいりたいと考えております。
次に、バリアフリー図書製作ボランティアの養成についてでありますが、令和元年6月28日に公布、施行された視覚障害者等の読書環境の整備に関する法律、通称、読書バリアフリー法は、視覚障がいや発達障がい、肢体不自由、その他の障がいがある方の読書環境の整備を推進することを目的とした法律であります。
この法律では、市など地方公共団体の実施する施策として、視覚障がい者等が利用しやすい書籍等の充実や、視覚障がい者等が利用しやすい書籍等の円滑な利用のための支援の充実などが求められております。
教育委員会といたしましては、障がいのある方が利用しやすい読書環境整備を進めることが必要であると認識しており、これまでも、情報図書館では、点字図書や朗読CD、カセットテープなどの音声資料の整備を、障がい者を支援するボランティアの協力を得て進めてきております。
布の本や拡大写本などのバリアフリー図書製作ボランティアの養成につきましては、そのようなボランティア団体の市内の状況を調査するとともに、先進事例を情報収集しながら、研究してまいりたいと考えております。
教育委員会といたしましては、今後におきましても、障がいのある方が利用しやすい書籍等の整備について、利用者の要望に応じて充実に努めてまいります。
次に、読書補助具の充実についてでありますが、情報図書館では、現在、視覚障がいのある方への読書補助具としまして、拡大鏡、老眼鏡を各館のカウンターに配置し、館内での貸し出しを行っております。また、拡大読書器を本館のレファレンスルームに設置し、利用できることを案内しております。
読書バリアフリー法においては、視覚障がい者等の利用しやすい読書環境整備が求められておりますので、教育委員会といたしましては、読書補助具のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。
御質問のリーディングトラッカーなどにつきましては、ニーズを把握した上で、必要に応じて配置してまいりたいと考えております。
以上であります。

議長(角田 一君)

以上をもって、諏訪部議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
奥野妙子議員の心のケアと支援についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

奥野妙子君

ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。
心のケアと支援についてお伺いいたします。
心のケアとは、精神疾患を正しく理解することから始まります。精神疾患は誰もがかかる可能性のある病気であり、誰もが自分自身の問題として捉えることが重要です。心の病は、本人が苦しんでいても、周囲からはわかりにくいという特徴があります。また、ストレス社会と言われる現代、日本人のおよそ40人に1人は心の病気を抱えており、生涯を通じて5人に1人が心の病気にかかるとも言われています。
厚生労働省が3年ごとにまとめる患者調査によると、2014年の精神疾患患者は約392万人、前回調査時の2011年は約320万人、3年間で約70万人ふえております。ちなみに、1999年の調査では約204万人で、2014年時点の過去15年で患者数はほぼ倍になっています。この数字でもわかるように、精神疾患は誰でもかかる可能性がある病気です。しかし、適切な治療の継続により、その症状は相当程度安定化し、軽快または治癒する病気でもあります。
精神疾患に関する基本的な認識は、日本全体においても、いまだ十分ではありません。例えば、同じ精神疾患でも認知症に関しては、自分もいつなるかわからないという認識を多くの人が持っている一方、統合失調症や気分障がいなどの精神疾患に関しては、多くの人が自分は無縁だと考えているのが実情であります。また、残念なことに、一部の国民の間には、精神障がい者は危険であるという漠然とした認識があります。平成29年度犯罪白書によると、実際には、刑法犯の全検挙者に対して精神障がい者が占める割合はわずか1.5%にすぎません。
心の病といってもさまざまあります。心身症、神経症、統合失調症、躁鬱病、認知症などがあり、アルコールや薬物依存症、摂食障がいなども挙げられます。身体の病気が基礎にあるときに、精神疾患が併発することもあります。精神疾患で比較的多い二つの病についてお話しさせていただきます。
一つ目は鬱病についてです。
現代では、以前よりも知られるようになった鬱病ですが、世界的にもふえています。世界保健機関WHOは、世界で鬱病に苦しむ人が、2015年に、推計3億2,200万人に上ったと発表しました。全人口の約4%に当たり、2005年から約18%増加しました。世界的に一般的な精神疾患になりつつあり、若年層の自殺増にもつながっているとして、早急な対策が必要との指摘もあります。
2013年に厚生労働省が行った調査では、鬱病の有病率は6.7%であり、15人に1人が生涯に一度は鬱病にかかる可能性があると報告されています。
鬱病罹患者は年々増加しており、2008年には鬱病と躁鬱病を合わせて100万人以上になったと言われています。しかし、鬱病罹患者の5人に3人はきちんと医療機関を受診していないことから、実際には、さらに多くの罹患者がいると考えられます。このように鬱病は誰でもなり得る病気です。心の風邪とも言われております。
二つ目は統合失調症です。
疾病に対する研究が進んだことで、早期に適切な治療を行えば、回復が十分に見込める精神疾患の一つとなっています。
2014年の厚生労働省の調査によれば、統合失調症またはそれに近い診断名で医療機関を受診している人は77万3,000人と推計されます。その発症の頻度はおよそ100人から120人に1人と決してまれな病気ではありません。小児期あるいは中年期以降の発症は珍しく、10歳代後半から30歳ごろの思春期・青年期と言われる期間に発症が多く、20歳代前半が発症のピークとなっています。女性に比べ男性のほうが、発症年齢が若いという傾向もあります。
さきに述べた二つの病気に限らず、心の病全般は決して安直な病気ではありません。長期化し、今、社会問題になっている引きこもり状態に陥ったり、自殺につながるケースも少なくありません。早期発見、早期に専門病院での治療が非常に大事になります。
以上を述べまして、質問をさせていただきます。
1点目に、心の健康づくり講演会や研修会の開催についてお伺いいたします。
冒頭に申し上げましたが、心のケアとは、まずは精神疾患を正しく理解することから始まります。この正しい理解が、当事者、当事者家族ですらできていないのが現状です。ましてや近隣地域住民の方など、どう接してよいか戸惑っているという声もあります。行政として、精神疾患、精神障がい者に対しての正しい理解を広げるため、市民への啓発や、心の病を抱える御本人や当事者家族が一歩踏み出せるための取り組みが必要です。
当市では、こころの健康づくり講演会が年1回開かれており、約150人の方が参加し、関心の高さが見受けられます。今年度は健康づくり推進事業の一つである、自殺予防ゲートキーパー養成研修の拡大もあります。年1回だった研修が、今年度からは、民生委員、市民向け、中堅クラスの市職員向けと年3回予定されております。徐々に推進されてはいますが、当事者やその家族はもちろん、身近な地域の方々の理解を広めるためには、まだ講演会や研修会の回数不足を感じます。
山口県萩市の事例を紹介します。
こころの健康づくり見守り隊養成事業を平成22年度から始めております。山口県萩市は、自殺死亡率が高く、対策が急務となっていました。心の悩みを持つ方やその家族を身近な人が地域で支えることを目指して、こころの健康づくり見守り隊養成に取り組んだ背景があります。地域レベルの集まり等でもゲートキーパー研修を開催しやすくするため、萩健康福祉センターとも連携し、萩市版の養成マニュアル等の作成に取り組みました。幅広い層の住民が自殺予防の知識を得られるように工夫し、講義のみではなくグループワークも取り入れ、参加型の研修となっています。結果、平成22年度、130人の見守り隊養成者が年々ふえ、平成26年度には1,138人に、10倍近く増加しました。養成研修を受講した人の中には、講義を聞いて、鬱病の治療を始めたとの声もあったそうです。このゲートキーパー研修は、一般的には自殺予防となっておりますが、心の悩みを持つ方への声かけや、聞き上手になることを目的としているため、心のケアの取り組みとしても有効的であると考えます。
当市の現場で対応している保健師の方に、心のケアの取り組みとして何が重要かを伺うと、広く浅く、心の病について周知すること、情報をまいておくことがハイリスク化を防ぐ。また、一方通行の講義より、グループワークなど参加型、実践的なものがよいと思うとの御意見でした。江別市として、今後、こころの健康づくり講演会や研修会の開催についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
2点目に、相談先窓口一覧カードについてお伺いいたします。
現在、保健センターでは相談窓口として、こころと体の健康相談を行っており、平日の午前9時から午後5時まで対応されております。心の病のみに特化はできませんが、年間100件から200件の相談が来ていると伺いました。江別保健所でも江別市民からの相談件数を伺ったところ、精神疾患に関連した相談だけでも、年間300件から多いときでは400件近くになるとのことです。両機関の件数を単純に足すと、多いときでは年間600件もの相談案件があります。また、江別保健所では、市の相談窓口件数から比較しても約2倍の件数の相談を受けております。
このことから、さまざまなケースがあり単純な比較や判断は難しいところではありますが、市内の精神的な相談件数は、決して少なくないということがわかります。別な見方をすると、市民にとって市の相談窓口が余り認知されていない可能性もあります。
さきに述べましたとおり、早期発見、早期にさまざまな関係機関へつなげることが重要という観点からも、悩んだ家族がすぐに相談できるよう、まずは相談窓口があることを市民に広く周知していく必要があります。
先日、保健センターに、ホームページでの相談窓口の周知拡充を提案いたしましたところ、早速、8月15日付で更新をしていただきました。心の健康についてや、ストレスチェック、相談することが解決の第一歩など、以前より具体的な掲載となりました。また、紙媒体として、相談先窓口一覧カードの作成が進んでいることも承知しております。これは、第2次えべつ市民健康づくりプラン21に基づく新規事業の一つとして作成中のものです。
10月ごろから配布予定とのことですが、配布先や配置する場所の配慮が必要と考えます。例えば、DV対策のカードは、大型ショッピングセンターの女子トイレに置いたり、窓口付近では、ほかの配布物と並列して何気なく手に取っていただけるよう工夫した例もあります。相談先窓口一覧カードについてどのようにお考えか、お伺いいたします。
3点目に、心の病の相談窓口のあり方についてお伺いいたします。
本年6月28日の北海道新聞に、函館市のひきこもり支援に関する記事があり、相談窓口について、市には専門の相談窓口はなく、相談先がわからないとの声が上がっていると記載されていました。この記事を読み感じたのは、どこに相談していいかわからないという問題点であります。函館市も職場の人間関係、親の介護、精神障がいなど、引きこもりのきっかけや背景事情に応じて相談先を分類していることから、窓口がばらばらの点も指摘されています。
当市の保健センターでは、こころと体の健康相談窓口として、一つにまとまってはおりますが、相談内容は産後の育児に関しての悩みのほか、身体面での健康相談など多岐にわたり対応されています。このことから、心のケアという点で、専門的に相談できる相談室の設置などの検討も必要かと思います。
奈良県香芝市では、心の健康づくりや心の支援という点で、幅広い世代については必ずしも確立されていませんでした。若年層や職場でメンタルヘルスを受けることができない働き盛り世代、高齢世代までのそれぞれのライフステージに対応した心の支援を行うことを目的とし、平成25年4月より保健センターにおいて、心の健康相談室を実施しています。具体的な事業内容としては、子供から成人までの個別相談を中心としたカウンセリングを行っています。月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで、完全予約制の臨床心理士によるカウンセリングで、専門的な心理的支援の体制構築を図っています。事業の工夫点として、平日に相談できない人のために、年に2回、日曜日に休日相談を、年に3回夜間相談を行っています。
山口県萩市でも、メンタル面での支援を要する人に対して、個別相談事業として対面相談を週2回実施し、うち月1回は市内精神科病院の臨床心理士による相談を実施しています。
江別保健所では、月に1回、市内の精神科医師による相談がありますが、当市として、心の病の相談窓口の体制について、どのようにお考えか、市長の見解をお伺いいたします。
4点目に、精神保健福祉の手引の作成についてお伺いいたします。
先日、兵庫県尼崎市へ、心のケアと支援について視察に行ってまいりました。
兵庫県尼崎市では、南北にある保健福祉センター内に地域保健課と、疾病対策課があり、それぞれ連携しながら心のケアに関する業務を行っています。兵庫県尼崎市に、地域で生活する精神障がい者の状態像という分析があります。特に、支援が届いておらず、重症化してしまう状態に着目すると、未治療、受療中断、家族、近隣とトラブルが発生しがち、自傷、他害のおそれ、食事など生命維持行為にさえ支障があるとされています。この状態に関して、行政が主体となって直接対象者と家族を支援することが必要と記載してあります。
この支援が届いていない方へのハイリスク化を防ぐためにも取り組みが重要と考えます。精神障害者保健福祉手帳の所持により制度を利用できる状態までに至らない、その手前で悩み苦しんでいる方々に対しての対応が必須であります。表立って相談できる内容でもないことから、なかなか相談することに踏み込めず、ほかの方を寄せつけなくなり、孤立する傾向があります。当市でも実態の把握が難しいとは思いますが、潜在的に悩んでおられる当事者、当事者家族は実際に多くおります。当会派の先輩議員の方々も、これまで多くの精神疾患が伴う市民相談を受けており、奔走し関係機関へつなげてまいりました。
支援が届かない状態になっている原因の一つに、精神障がい者福祉に関するさまざまな制度があるという情報が届いていないことが考えられます。
兵庫県尼崎市では、精神保健福祉の手引を独自で作成しています。精神障がいのある方が、その障がいの種類・程度により、対象となる制度にはどのようなものがあるかを知ってもらうための手引です。相談できずに悩んでいる方がこの手引を読み、制度の支援があることを知るだけでも、安心感が生まれ、相談窓口へ連絡したり、関係機関へ足を運ぶきっかけとなるかもしれません。
当市においても、このような手引を作成し、ホームページへの掲載や冊子として配布することが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
5点目に、緊急時の相談体制についてお伺いいたします。
心の病の相談の中でも、緊急を要する切迫した状態の内容があった場合、市の窓口での対応として、関係機関にすぐにつなげる体制づくりが必要と考えます。
連携体制について、えべつ市民健康づくりプラン21の後期行動計画を参照しますと、江別市自殺対策計画の中に、江別保健所や市が設置する江別市自立支援協議会などの各関係組織と情報を共有し、自殺対策の推進をされていることは明記してあります。自殺の大きな要因として、心の健康が関係していることから、一部心の健康に関する相談先への連携の記載はあるものの、数行にとどまっております。本来であれば、えべつ市民健康づくりプラン21の計画の一つに、心の病に特化した対策もあるべきではないかと考えます。
心の病の相談が、ときにいかに切迫した状態であるかを、江別市の一つの事例で申し上げます。
ある精神疾患が疑われる当事者がおり、普段の生活にさほど支障もなく、受療も中断していたときに緊急を要する事態になりました。当事者家族は江別保健所へすぐに連絡し、当事者を医療機関へつなげたかったのですが、その日は金曜日の夜でした。土曜日、日曜日、祝日が重なり3日間連絡がとれないものと思い込み、休み明けに対応を依頼したそうです。非常に緊迫した状態であったケースです。
江別保健所に、緊急時の体制についてお聞きすると、保健所の担当者間で緊急当番があり、当事者もしくは家族が夜間や休日に連絡してきたとき、委託している警備会社に電話が転送され、警備会社から緊急当番の方へ連絡するようになっています。緊急当番の方はすぐに折り返し当事者や家族に連絡し、内容によっては関係機関へつなげるという流れです。緊急を要する事態の相談があった場合の保健所や医療機関、ときには警察署との連携体制の現状と今後の見解をお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終了いたします。

議長(角田 一君)

奥野議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

奥野議員の一般質問にお答え申し上げます。
心のケアと支援に関しまして、まず、こころの健康づくり講演会や研修会の開催についてでありますが、市ではこれまでも、えべつ市民健康づくりプラン21に基づき、心の健康づくりに取り組んできたところであり、講演会などで広く心の健康に関する知識の普及に努めるとともに、悩んでいる人に気づき、必要な支援につなげるゲートキーパーの養成研修を実施してきたところであります。
昨年度におきましては、こころの健康づくり講演会では、大学から外部講師を招き、うつと認知行動療法、ストレスと上手に向き合おうというテーマで開催したほか、ゲートキーパー養成研修では、当市における自殺の現状の説明や講義のほか、グループ分けをして、つらそうな方への声のかけ方や、話の聞き方などのロールプレイを行ったところでございます。
また、地域に出向いて行う出前健康教育では、気づいて知って対処する心の健康というテーマで、鬱病などの心の病気についての知識や、身近な方の気づきの大切さなどについて講話を行ったところでございます。
市では、本年3月に江別市自殺対策計画を策定し、ゲートキーパーのさらなる養成を盛り込んだところであり、この計画に基づき、こころの健康づくり講演会などで、より一層の普及啓発に努めるほか、今年度におきましてはゲートキーパー養成研修を、昨年度の1回から3回にふやすこととしております。
今後におきましても、参加状況などを踏まえ、対応を検討してまいりたいと考えております。
次に、精神保健福祉の手引の作成についてでありますが、市では、精神障害者保健福祉手帳の申請手続や、手帳を交付された方が利用できる福祉助成制度などをまとめた、精神障害者保健福祉手帳のしおりを作成し、障がい福祉課の窓口で配布しております。
また、障がい福祉に関する相談窓口やサービス事業所などをまとめた江別市福祉事業所ガイドブックえべっつなびを作成し、相談支援事業所などに配布しているほか、市のホームページにも掲載しております。
御質問の市で作成・配布している精神障害者保健福祉手帳のしおりに相談窓口等の記載を追加することにつきましては、心のケアと支援に向けたきめ細かな相談対応などの効果が期待できますことから、今後の改訂の際に、見直しをしてまいりたいと考えております。
次に、緊急時の相談体制についてでありますが、市では、日ごろから、心と体の健康に関する相談に応じており、医療機関を受診する必要性があると判断した場合には、受診を促しているところであります。
また、北海道では、各保健所において、心の病気に関する悩み事や家庭での療養生活などについての相談に応じております。さらに、精神障がい、または、その疑いがあり緊急に医療機関での診察を要する場合は、精神保健福祉法に基づき、各保健所において24時間態勢で対応しているところであります。
家族等から市に相談があり、緊急に医療機関への受診を要する事案につきましては、平日の日中は、保健所や警察、医療機関に連絡するなどの対応を行っているところであり、夜間、休日につきましては、保健所や警察への通報を促しているところであります。
今後におきましても、より一層、保健所や警察、医療機関との連携に努め、緊急時の対応を図ってまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長からお答え申し上げます。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、相談先窓口一覧カードについてほか1件について御答弁申し上げます。
初めに、相談先窓口一覧カードについてでありますが、現在、市では、心の相談窓口・相談機関などを掲載したリーフレットを作成し、公共機関などで配布しているところであります。
また、現在、各種相談窓口などを記載した名刺サイズのカードを作成しており、このカードには、心の悩みのほか、育児、不登校やいじめ、生活の不安、高齢者の総合相談などの連絡先を掲載する予定であります。
このカードは本年10月から、多くの方に手に取っていただけるよう、公共施設やスーパーマーケット、調剤薬局などで配布する予定であり、配布場所を工夫するとともに、市民周知に努めてまいりたいと考えております。
次に、心の病の相談窓口のあり方についてでありますが、市では、本人や御家族の方も気軽に相談できる取り組みとして、こころと体の健康相談を平日、毎日実施しており、電話や来所での相談対応を保健師や看護師が行っているところであります。
平成30年度につきましては、125人の方の相談対応を行っておりますが、お話を聞く中で、不安感が強かったり、精神障がいの疑いがある方などに対しては、専門性の高い江別保健所や北海道立精神保健福祉センターなどへの相談を勧めているところであり、さらに、治療が必要と判断した場合は、医療機関の受診を促しているところであります。
心の相談支援につきましては、これまでも関係機関において、さまざまな相談対応を行ってきているところであり、市といたしましては、これらの相談窓口を広く周知していくとともに、相談者の状況に応じて、早い段階で保健所や専門機関、または医療機関の受診へつないでまいりたいと考えております。
以上でございます。

奥野妙子君

それでは、再質問をさせていただきます。
件名1の心のケアと支援についてのうち、5項目めの緊急時の相談体制について再質問をさせていただきます。
緊急時の相談体制について、市では、日ごろから、こころと体の健康相談窓口において、保健師や看護師の方が相談に応じていること、また、家族等から相談があり、緊急に医療機関への受診を要する事案については、平日の日中は、保健所や警察、医療機関に連絡し対応されており、夜間、休日については保健所や警察への通報を促していることは理解いたしました。
これまでの市民の相談状況から見ますと、市として相談窓口があり対応されていることや、緊急時については保健所等への連絡が可能なことなど、結果的に広く認知されていないため、どこに相談してよいかわからないという問題点があります。一度でも窓口へ相談に来た方は、緊急時の連絡先を知り得ますが、相談をしたことがない方が緊急の対応を要する場合、相談先がわからず困惑される状況を招かないためにも、相談窓口があることを周知していく必要があります。緊急時の連絡先を事前に知っていれば、後のハイリスク化を防ぎ、日ごろの安心感にもつながります。
市民への周知の一つとして、10月から配布予定の相談先窓口一覧カードの作成についても、まずは悩んだらここへ連絡すればよいと、すぐにわかるような掲載の工夫が重要と考えます。
また、緊急時の連携体制とあわせて、情報を提供し、周知していくことも重要と考えます。今後、より一層、関係機関との連携に努め、緊急時の対応を図っていくとの御答弁をいただきましたが、再度御見解をお伺いいたします。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、緊急時の相談体制についての再質問に御答弁申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたとおり、今後におきましても、より一層、保健所や警察、医療機関との連携に努め、緊急時の対応を図ってまいりますほか、10月から配布する予定の相談先窓口一覧カードに、相談先や緊急時の連絡先を記載するなど、市民の皆様へのわかりやすい情報提供に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

議長(角田 一君)

以上をもって、奥野議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
干場芳子議員の行財政運営についてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

干場芳子君

早速、質問に入らせていただきます。
最初に、行財政運営についてです。
毎年公表される江別市財政の現状と課題の初めには、一部省略いたしますが、次のように書かれています。長引く景気低迷や少子高齢化の進展などにより、国の借金は増加が著しく、財政健全化のための地方交付税や国庫補助金の見直しなどによって地方財政は大きな影響を受けており、自主・自立の行政運営のためには、地方は、みずからの権限と責任において、健全な財政運営と的確な行政サービスの両立を図っていかなくてはならない。江別市自治基本条例では、市は、政策立案、実施及び評価の各段階における市民参加を推進し、市民の意見が適切に反映されるように努めなければならないものとし、市民と行政が一体となったまちづくりの重要性を強調している。この冊子は、江別市の財政に関する情報を市民と共有することを目的に作成し、これからの江別のまちづくりのためには、現在の市の姿を御理解いただき、今後、何をどうすべきか、一緒に考えていくことが大切だと考えていると書かれています。
将来世代に過度な負担を残すことのない安定した財政運営を確保していくため、限られた財源の中で、財政の健全性を保ちながら計画的かつ効率的な財政運営を行っていくことが大切です。これを担保するためには、情報公開の徹底と説明責任の貫徹により、江別市財政の現状と課題を行政と市民が共有していくことが、今後ますます重要です。
さて、平成30年度の財政の現状と課題における今後の財政見通しは、平成31年度の歳入歳出の収支差が13億6,000万円、令和2年度は11億5,000万円、令和3年度は14億6,000万円のマイナスとなる財源不足となっています。財政調整基金、減債基金は、収支不足の解消のために全て取り崩していくと、令和3年度には残高がなくなることとなり、財政は悪化します。歳出の今後の見通しは、社会保障の見直し等による扶助費の増加、投資的経費では、江別の顔づくり事業は令和元年度でおおむね終了しますが、新栄団地や保育園整備、大麻駅跨線人道橋、江別市環境クリーンセンター長寿命化、さらには市役所建てかえなどの建設事業が見込まれています。
病院事業会計では、平成29年度の資金不足率が4.3%、平成30年度には10%と悪化しました。
こうした中、今年度の予算編成の基本方針の一般財源所要額の5%削減要求に対し3%減にとどまり、今後、会計年度任用職員制度に伴う経費増、消費税率の引き上げに伴う対応、さらに厳しさを増す病院事業会計への繰り出し等、これまで以上に効果的・効率的かつ適正な執行がなされるよう不断の見直しが求められます。
今後の江別市財政運営においては、さらなる歳出削減に取り組むとともに、江別市行政改革推進計画に基づいた財源の確保、廃止も含めた事業の見直しや行政評価外部評価制度の充実など、これまで以上に大胆な行財政改革を進めていく必要があります。
そこで1点目の質問です。
今後、人口減少による市税や地方交付税等の減収に加え、多様化する市民ニーズや財源不足等が生じることが予測され、厳しい状況が続くものと考えられますが、歳出削減に向けた取り組みをどのように進めてこられたのか伺います。
2点目に、事務事業及び補助金の見直しについてです。
三好市長が就任されて以来、事務事業及び補助金事業をどのように見直しをされてきたのか、具体的な事業数の実績を含めどのようになっているのか、また、この間に休止や廃止などを行った事業数について伺います。
3点目は、補助金のあり方についてです。
補助金による効果は、市民団体の育成発展に寄与することや市民によるまちづくりの促進、行政需要の多様化への対応や行政の補完的な役割などがある一方で、財政の硬直化、補助金の目的が達成され効果が薄れても、その廃止が困難であること、支出の明確な原則や基準がない場合、画一的、総花的になりやすく、また、本来、行政の責任においてなされるべき事業が、補助金の支出という形で安易になされやすいなどの問題点もあると考えられます。
江別市には現在、事務事業評価表による事業が404事業、そのうち補助事業が121事業あり、補助金交付規則や補助金交付要綱などにより交付されていますが、補助事業に対する明確なルールがありません。補助金のあり方について、市の見解を伺います。
4点目に、補助金のあり方に関するガイドラインの策定についてです。
補助金の交付については、交付基準の明確化、補助金による成果、あるいは効果等の客観的な評価などの説明責任や第三者による補助金の見直しが必要です。これまでの財政面の視点からの一律削減や、個別の補助金の廃止という方向だけでなく、新しい公共の視点からの検討も必要です。統一した基準による補助金の見直しを図るため、ガイドラインを策定すべきと考えますが、いかがか伺います。
2件目に、学校給食事業についてです。
家庭における食を取り巻く状況を背景として、学校教育においても、子供たちの生活面や学習面を支える食に関する指導の充実が求められています。
学習指導要領では、小学校及び中学校の学習指導要領の総則に、学校における食育の推進が位置づけられています。教育課程編成の一般方針の3、体育、健康に関する指導において、学校における食育の推進及び安全に関する指導が位置づけられ、発達の段階を考慮して、体育科の時間はもとより、家庭科、特別活動においてもそれぞれの特質に応じて適切に行うなど、学校教育活動全体として取り組むことが必要であると強調しています。
これらのことからも、学校における食育は、各学校で定めている食に関する指導の全体計画に基づき各学校が自立的に考え、各教科と連携して進めています。小学校5校に5名の栄養教諭が配置されており、配置校だけではなく、市内小・中学校において、さまざまなテーマで食に関する指導を行っています。
さらに、学校給食では、食と地元農家を結び、新鮮で安全安心を基本とした食材の活用を積極的に行っています。新鮮でおいしい野菜を通して体に大切なことや感謝の心を育む等、食育の一環としても大切な役割を果たしています。なお、地場産野菜使用量は全体野菜使用量の37.0%となりました。また、地場産メロン、トウモロコシ、ヤーコンなど新たな地場産品の使用拡大に努めています。給食センターだよりによれば、給食費は、消費税率が5%から8%となった2014年4月に改定して以来、据え置いていますが、主食の原材料費や加工賃、牛乳等が値上がりしており、副食費を切り詰めることで据え置いているとのことです。江別市学校給食会理事会においても道内の給食費の値上げを行った市の状況等の報告がされています。また、2017年7月に開催された江別市総合教育会議では栄養教諭から、学校での栄養指導を実施する際、受け入れ側の学校の状況によって温度差があるが、極めて限られた中で工夫を加えながら指導に取り組んでいることが理解できました。健康都市宣言を行った江別市らしい、特性を生かした学校給食のさらなる食育の取り組みが大切です。
まず、2014年の改定から約5年半が経過しますが、江別市学校給食会理事会の会議録では限られた経費の中での会計の工夫が見受けられます。これまでの食材費高騰等による影響と今後の見通しについて伺います。
2点目は、残食率についてです。
2012年に食育についての一般質問が公明党の裏議員からあり、給食の食べ残しについての指摘がありましたが、その後の残食率の状況について伺います。
また、給食は食べてこそ摂取できる必要な栄養、熱量が計算されて提供されているわけですから、残食が少ないほうが望ましいと考えます。給食を食べる児童生徒の意見を聞き、実態を把握することも重要です。給食時間が短いとの保護者の声も聞かれますが、残食率低減に向けた取り組みについて、どのように取り組んでこられたのか伺います。
4点目に、栄養教諭との連携についてです。
2017年の江別市総合教育会議で、栄養教諭から受け入れ側の学校現場にかなりの温度差があると指摘されていました。学習指導要領の関係から、限られた時間の中で効果的な指導ができる環境を整えるためには学校側の協力がなければ進まないと考えます。会議では、学校への協力の求めに、月田教育長からわかりましたとの答弁でしたが、栄養教諭との連携について改めてお伺いいたします。
最後に、除草剤グリホサートについてです。
グリホサートは、世界で最も売れている除草剤と言われています。日本におけるグリホサート系除草剤の出荷量は、この10年で1.4倍、15年前との比較では2倍以上にふえています。なぜこのように売れているかと言えば、あらゆる雑草に効くからです。
1970年代にアメリカの農薬メーカーのモンサント社が特許を取得し、販売を始めた除草剤です。2000年に特許有効期限が切れたため、ジェネリック製品が次々と登場しています。
2015年3月20日、WHOの専門機関である国際がん研究機関は、除草剤グリホサートを、人に対して恐らく発がん性物質という2Aのカテゴリーに指定しました。カテゴリー1は、発がん性があるの次に当たるものです。
2018年には、アメリカカリフォルニア州の男性が、除草剤ラウンドアップの有効成分のグリホサートが原因でがんを発症したとモンサント社を訴え勝訴しました。発がん性以外の健康被害も露呈し始めています。
大量のグリホサートが使用されているアルゼンチンの一部地域では、調査の結果、皮膚障がいや腎障がい、呼吸器系疾患、出産時の障がいの多発が明らかになっています。
国際農薬監視行動ネットワークが、グリホサートに関する世界中の論文をもとにまとめ、2016年に公表された報告書には、マウスの実験において0.5PPMで男性ホルモンの働きを阻害した研究論文が紹介されています。以前からグリホサートには内分泌かく乱物質の疑いがあり、その可能性は高いと言えるでしょう。
日本における大豆のグリホサート残留基準は20PPM、小麦は30PPMであり、男性ホルモンの働きを阻害した量の40倍から60倍です。日本では、逆に、2017年にグリホサートの残留農薬基準を最大で400倍緩和しました。2015年に発がん物質にランクしたことから、その後、各国で禁止や規制に向けた動きが次々と始まり、アメリカカリフォルニア州が州政府として初めて発がん性物質に指定し、さらに禁止など規制が実現した国は、フランス、イタリア、オーストラリア、スウェーデン、ドイツ、ベルギーとなっています。
フランスでは、2020年までに完全に禁止すると発表。ドイツでも環境省がグリホサートを含む有害な農薬の段階的禁止を明らかにしました。アジアでは、インドのパンシャバ州が州内での販売を禁止。中国政府は、2019年末までに、残留基準値を0.2PPMに引き下げることを決定しました。日本での大豆の残留基準値は20PPMですから、100倍厳しくなります。世界各国で進む規制に比較して、日本政府の無策が目立ちます。
グリホサートがプレハーベスト、収穫前農薬として使われていることも問題です。アメリカやカナダでは、収穫前の小麦に散布し、除草の手間を省き収穫しやすいようにすることが目的です。当然、小麦には残留します。
日本政府が小麦を初め、多くの作物の残留基準値を緩和した背景には、プレハーベストの実態があることは否めません。グリホサートの危険性や海外における規制の動きが報道される中、日本でも販売中止や使用禁止の声が上がっています。
1点目に、安心、安全な農業、環境、まちづくりを目指す江別市として、グリホサートについての認識を伺います。
2点目に、学校及び公共施設における除草剤グリホサートの利用実態の状況について伺います。
3点目の質問です。
昨年、北海道内の農家へ農業協同組合から、大豆収穫前処理の注意事項についてのチラシが配布されました。使用すれば残留は避けられません。除草剤グリホサートは、ホームセンターや園芸店だけではなく、ドラッグストア、100円ショップでも販売され、誰でも手軽に購入でき、使用していますけれども、健康被害や環境への影響が強く懸念されるグリホサートから市民を守る対策が必要と考えますが、見解を伺います。
これで1回目の質問を終わります。

議長(角田 一君)

一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午後 0時00分 休憩
午後 1時00分 再開
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議長(角田 一君)

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
干場議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

干場議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、行財政運営についてお答え申し上げます。
まず、歳出削減の取り組みについてでありますが、市の財政は非常に厳しい状況にあるものと認識しており、次年度の予算編成に向けた具体的な対応を検討するための基礎資料として、毎年8月をめどに中期財政見通しを作成しております。
中期財政見通しは、歳出削減等の具体的な対策をとらなかった場合に見込まれる収支の状況を試算したもので、本年8月に開催の総務文教常任委員会に報告した直近の数字では、令和2年度以降の3年間で、各年度10億円を超える収支不足が見込まれる状況となっております。このため、PDCAサイクルにおける事務事業の日ごろからの評価や見直しに加え、新年度予算編成に向けた庁内ヒアリング等を通じての事務事業の見直し指示のほか、厳しい財政状況を踏まえた対応として、直近の2年間では、予算編成方針において、義務的経費を除く管理可能経費を対象に、具体的な削減目標を設定したところであります。これらの事務事業の見直しにより、平成30年度では約2億1,000万円、令和元年度では約3億5,000万円の歳出削減を図ったところであります。
次に、事務事業及び補助金の見直しについてでありますが、事務事業等の見直しに関しては、これまでも各部各課における不断の見直しのほか、事務事業評価や施策の外部評価などを踏まえた対応に加え、先ほど御答弁申し上げた予算編成過程における削減率の設定などにより、対応を図ってきたところであります。
御質問の見直し事業数などの具体的な数字につきましては、当初予算編成時に取りまとめたもので、軽微な見直しなどを含んだものとなりますが、私が市長に就任し、最初に当初予算を編成した平成20年度からの累計では、見直し事業数は505事業で、うち補助金は110事業、休廃止事業数は30事業で、うち補助金は4事業となっております。
次に、補助金のあり方についてでありますが、補助金とは、地方自治法第232条の2において、公益上必要がある場合において認められるものとされており、一般的には、特定の事業や研究等を育成、助長するために、対価なくして支出するものとされております。
また、公益上必要があるかどうかの判断は、自治体の長及び議会が個々の事例に即して認定することとなりますが、全くの自由裁量行為ではないことから、客観性が求められなければならないものとされております。
補助金による効果や問題点については、議員御指摘のとおりであると認識しており、一般的に補助金は、行政を補完し、公共の福祉を増進させる上で有効な役割を果たすものである一方、既得権化、恒常化しがちであるなどの問題点があるものと認識いたしております。
いずれにいたしましても、補助金には公益性が求められることから、事務事業評価や予算編成過程などを通じ、補助の必要性や公平性、透明性などを常に点検、評価するとともに、各種補助金の交付規則や要綱に基づき、適切に執行されなければならないものと考えております。
次に、補助金のあり方に関するガイドラインの策定についてでありますが、補助金に関する基準については、その公益性を担保するために、補助金ごとに規則や要綱等を定め、適切に執行しているところでございます。また、平成15年度からの事務事業評価制度の本格実施に当たっての前段の整理として、平成13年度には、補助金の全体的な見直しを実施し、その際には、補助金等見直し要領を策定して、対応したところであります。
補助金等見直し要領では、公益性の明確化や公平性の確保、最小の経費で最大の効果を上げることを見直しの視点とし、住民満足度など効果を測定する客観的尺度を設定した上で、補助金の性格による類型ごとに基準を定め、見直しを行ったところであります。
また、見直し後は、PDCAサイクルの中で、事務事業評価表とは別に補助金調書を作成し、事業効果の測定や評価を行い、その公表により透明性の確保を図ってきたところでありますが、現在は、他事業と同様に、事務事業評価表による効果測定等に一元化を図っております。
いずれにいたしましても、補助金に関しては、他の事業と同様に、事務事業評価制度の中で、事務事業評価表の作成や予算編成過程などを通じ、その必要性や公平性などを点検、評価した上で、規則や要綱に基づいた適切な執行に努めておりますので、今後におきましても、そのように進めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育部長ほかをもってお答え申し上げます。

教育部長(萬 直樹君)

私から、学校給食事業について御答弁申し上げます。
まず、食材費の高騰等による影響と今後の対応についてでありますが、学校給食に係る経費につきましては、学校給食法の規定により、食材費については、保護者が負担し、学校給食の調理などに従事する職員の人件費や施設費、設備費などは、市が負担しております。
学校給食費は、毎年度、江別市学校給食会の審議を経て決定するものであり、直近の改定は平成26年度で、今年度まで5年間、据え置いてきたところであります。
学校給食費は、主食費、牛乳費、副食費で構成されるもので、米及びパンなどの主食費は、北海道学校給食会と関係団体との契約に基づき決められており、改定当時から約7.1%上昇しております。また、牛乳費は、北海道農政部の入札により決められており、改定当時から約10.9%上昇しております。これらの上昇分は、副食費を切り詰めることで対応しておりますが、文部科学省が定める学校給食摂取基準の栄養量を確保するための献立の工夫も限界に達しつつあります。
北海道内他市の学校給食費の改定状況としましては、平成30年度に、札幌市、旭川市、釧路市、北見市、小樽市などが、今年度は、恵庭市、苫小牧市、滝川市などが改定を行っているところであります。
食材費は、消費税率改定の影響などにより、さらに上昇が見込まれる中で、当市においては、学校給食摂取基準の栄養量を確保しながら、食文化に触れ、食の楽しさを感じる給食を継続することが課題となっております。このようなことから、来年度以降の学校給食費につきましては、現在、改定も含めて、さまざまな角度から、江別市学校給食会において議論されているところであります。
次に、残食率についてでありますが、残食率とは、センター調理場、対雁調理場の各担当校から、月ごとに小学校1校、中学校1校の調査対象校を選び、毎日、測定した残食量をもとに、算定したものであります。
過去5年間の残食率の推移でありますが、平成26年度は19.60%、平成27年度は19.70%、平成28年度は18.46%、平成29年度は18.64%、平成30年度は19.54%となっており、ほぼ横ばいで推移しております。
次に、残食率低減に向けた取り組みについてでありますが、先ほど御答弁申し上げたとおり、残食率は、平成26年度からの5年間、19%前後となっており、ほぼ横ばいで推移しておりますが、文部科学省が定める学校給食摂取基準は、給食を完食することによって満たされることから、残食率低減は重要であると認識しているところであります。
残食率低減に向けた取り組みといたしましては、栄養教諭、調理員、小・中学校の給食指導担当教諭による学校給食献立会議において、残食となる原因の分析を行い、献立の検討を重ねているほか、味つけなど調理方法にも工夫を凝らしているところであります。
また、栄養バランスのとれた食生活について、児童生徒に対しては、栄養教諭による食に関する指導や校内放送などにより、保護者の方々に対しては、給食だよりなどにより、啓発に努めております。各学校では、配膳下膳の工夫などにより、給食時間の確保に努めております。
教育委員会といたしましては、残食率低減に向けた取り組みをさらに充実させる必要があると考えておりますので、児童生徒を対象に毎年実施している、給食の量や献立などに関するアンケートの項目に、給食時間に関する項目をつけ加えるなど、さらに原因を分析しながら、残食率低減に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、栄養教諭との連携についてでありますが、江別市には5名の栄養教諭が配置されており、小・中学校において、学級担任などと連携して、食生活の重要性や発達段階に応じた食習慣などを内容とする食に関する指導を行っているほか、給食センターにおいては、学校給食の栄養管理、衛生管理などに当たっているところであります。
江別市は、平成29年4月に江別市健康都市宣言をしたところであり、健康都市えべつの実現に向けた取り組みを行っております。
このことを踏まえ、教育委員会では、小・中学校における健康づくりに関する施策の推進のため、食育の専門的知識を有する栄養教諭による食に関する指導の全小・中学校全学級での実施に向け、平成29年10月の校長会において、働きかけたところであります。
その結果、平成30年度の小・中学校における栄養教諭による食に関する指導は、小学校は学級ごとに、中学校は学年ごとに、全小・中学校で実施しております。
教育委員会といたしましては、今後におきましても、栄養教諭による食に関する指導を全小・中学校で継続的に実施してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

経済部長(渡部丈司君)

私からは、除草剤に含まれるグリホサートに関しまして、グリホサートを含む除草剤の認識について御答弁申し上げます。
グリホサートは、世界中で使用されている農薬の一つで、農業生産者や一般家庭において、広く除草剤として使用されております。
国は、食生活を取り巻く環境変化に対応するため、食品安全基本法を平成15年に制定し、これに伴い、科学的知見に基づき、客観的かつ中立公正にリスク評価を行う機関として、食品安全委員会を設置しました。
このグリホサートの安全性に関しては、IARC、国際がん研究機関が、平成27年7月に、人に対して恐らく発がん性があるとしたことを受け、平成28年7月、食品安全委員会では、発がん性試験及び遺伝毒性試験の結果から、発がん性及び遺伝毒性は認められなかったとの判断が示されたところであります。
国内で使用される農薬は、農林水産省所管の農薬取締法に基づき、安全性を審査し、登録されたものについて、製造や販売、使用が認められており、使用の時期及び方法などの基準も定められております。
こうしたことから、農薬に関しては、営農に関する指導機関である石狩農業改良普及センターから、使用時期、使用量、使用回数等の指導を受ける中で、JA道央を通じて生産者へ周知されており、グリホサートを含む除草剤についても、秋まき小麦の播種前の雑草処理や大豆の収穫期に合わせて、必要に応じて適正に使用されていると伺っているところであります。
市としましては、グリホサートを含む除草剤については、国が定めた基準に基づき、適正に使用されていると認識しております。

総務部長(後藤好人君)

引き続き、除草剤に含まれるグリホサートについて御答弁申し上げます。
学校及び公共施設における除草剤の利用実態についてでありますけれども、学校及び公共施設では、草刈り機等による除草を基本としておりますが、学校では、農村地域にある小学校1校で、雑草の繁茂により、雑草の種子が、周辺農地に影響を及ぼす可能性があるため、また、公共施設では、13施設において、れんが舗道の継ぎ目、建物周辺、屋上など草刈りによる除草ができない場所にグリホサートが含有される除草剤を散布しております。
以上であります。

生活環境部長(川上誠一君)

私からは、除草剤に含まれるグリホサートに関する御質問のうち、有害な物質から市民を守る対策について御答弁申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたとおり、グリホサートは、世界中の農業生産者、一般家庭で除草剤として広く使用されているものであります。住宅地等におきましては、市民の皆さんが注意事項を遵守し、適正に除草剤を使用しているものと認識しているところでありますが、環境省や農林水産省、北海道では、除草剤の適正な使用を周知するため、印刷して掲示できるリーフレットをホームページで公開しております。
市といたしましては、国や北海道の取り組みを参考にしながら、改めて市民の皆さんに除草剤の適正使用に留意いただけるよう、除草剤の使用が始まる時期を捉えて、広報えべつやホームページ等により周知してまいりたいと考えております。

干場芳子君

幾つかの要望と質問をさせていただきたいと思います。
まず、1件目の行財政運営についてですけれども、御答弁のありましたとおり、毎年中期的な財政見通しを示していただいております。また、市民の皆さんにも、江別市財政の現状と課題を毎年12月ごろに公表していただいていると思っております。
2019年度から2023年度の江別市行政改革推進計画では、基本目標3、健全な財政と行政サービスの向上を両立させた行財政運営として六つの項目を立てて、財源の確保として、未利用市有地の計画的売却等、ふるさと納税の推進など財源確保に向けた取り組み、また、業務分析による業務等の簡素化で、事務事業評価表を用いた事業の見直し・簡素化等を進め、より優先度と実効性の高い事業へ集中できる状態にすると示されております。
市の財政運営は、市が公表しているさまざまな数値からも、現状の市立病院の経営状況からも、今後ますます市の財政運営全体に影響を及ぼす可能性が高いものと認識しています。市長が諮問した江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の議論経過等を注視していきたいと思っております。
事務事業と補助金の見直しについては、御答弁のとおり理解いたしました。補助金については、平成13年度に全体的な見直しを実施し、補助金等の見直し要領を策定し対応を図ったとのことですが、年数にしますと18年も前のことであり、市の財政を取り巻く環境は大きく変化していると思っております。事務事業評価表も若干形骸化しているところがあるかと思います。
行政外部の専門家及び市民の視点での評価を行う江別市行政評価外部評価委員会などもこれまで傍聴してまいりましたが、厳しい意見もいただいていたと認識しています。平成21年には、江別市自治基本条例も制定されており、持続可能な行財政運営としていくためには条例に基づく市民への理解を進め、補助金のみならず事業全体を改めて見直していくことが必要だと考えております。
近年、多くの自治体で補助金を含む事業全体の見直しがルールづくりとともに進められていることは、厳しい財政状況と人口減少が避けられない中で、かなり先を見通した取り組みと推測しております。こうしたときこそ、市政への市民理解、協力につなげていくチャンスと捉え、さらなる事業の見直しを図っていただくことを強く要望いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
次に、給食事業についてですけれども、保護者の皆さんから、この数年で、手続を含めて非常にわかりやすいホームページになったという声を聞いております。今、江別市学校給食会でも給食費について議論されているということですので、この辺については、その検討経過を見きわめていきたいと思っております。
アンケートの項目の中に、時間のことについても盛り込んでいただけるということです。既にそういうことが聞かれているかと思ったのですが、今回、改めて盛り込んでくださるということですから、その結果を踏まえて、今はアクティブラーニングや英語など、学校の授業そのものが非常にタイトになってきているので、実際にアンケート結果が出たとしてもどこまでできるかというのもありますけれども、ぜひ可能なところで、栄養教諭や調理師、そして学校現場の皆さんの努力がこれまで以上に反映されるような形で取り組んでいただきたいと思います。
3件目の除草剤に含まれるグリホサートについて再質問をさせていただきたいと思います。
まず、1項目めのグリホサートを含む除草剤の認識についてですけれども、農薬については、農林水産省所管の農薬取締法に基づき基準が定められていることは承知いたしております。ですが、質問文でも触れたように、残留農薬基準の緩和とともに、今では三十数カ国で使用禁止となっている状況等であることから、人への健康影響を消費者として食の安全面から大変懸念しているところです。
国会では、昨年11月21日の消費者特別委員会、さらには、ことし3月20日の農林水産委員会でも質疑されております。農薬の使用基準は農林水産省、農薬の残留基準は厚生労働省ということですが、一番大切な私たちの健康、そして、子供たちの未来を考えたときに、農林水産省と厚生労働省の両省がしっかりと議論すべきではないかという委員会での委員の質疑に対して、農林水産大臣は、重要なことだと思っているので、両省が連携をとりながらこの農薬等の課題について議論していかなければならないと答弁しているところです。改めて、こういった経過も含めて、市の見解を伺いたいと思います。

経済部長(渡部丈司君)

干場議員の再質問に御答弁申し上げます。
グリホサートを含む除草剤の認識についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、国内で使用される農薬は、農林水産省所管の農薬取締法に基づき、安全性を審査し、登録されたものについて、製造や販売、使用が認められており、使用の時期及び方法などの基準も定められております。
国では、農林水産省と厚生労働省がしっかり連携をとりながら、この農薬等の課題について議論をしていくとのことであり、市としましても、引き続き、農薬の安全性や適正使用に関する国の動向を注視してまいりたいと考えております。

干場芳子君

国の動向をぜひとも注視していただきたいと思います。
次に、2項目めの学校及び公共施設における除草剤の利用実態についてですけれども、御答弁では、小学校1校、また、公共施設では13施設で散布しているとのことですが、学校ではもちろんのこと、ほかの公共施設も子供たちだけではなく、多くの市民が利用する施設だと思っております。私としては、こういった施設だけでも使用すべきではないと考えておりますけれども、いかがかお伺いいたします。

総務部長(後藤好人君)

再質問に御答弁申し上げます。
学校や公共施設における除草剤の使用についての御質問でありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、小学校においては、雑草の種子が周辺農地に影響を及ぼす可能性があるため、また、公共施設においては、れんが舗道の継ぎ目、建物周辺、屋上など草刈りによる除草ができない場所があるため、使用量や使用方法など、使用上の注意事項を遵守し、適正に使用しているところであります。
今後におきましては、散布場所、効果、持続期間、周辺環境などを考慮し、どういった対応が可能か、他市の事例を参考にしながら、検討してまいりたいと考えております。
以上です。

干場芳子君

市内の公園では、グリホサートに限らず、農薬は一切使用せずに指定管理者が管理をしてくださっております。私は、やはり公共施設だけでも、こうしたものを使用することは控える、もしくはそれにかわるものを行政として考えるというのが、市民の安心、安全を守る上で重要だと思っております。今、検討すると言われた項目について、先ほどの質問では、すぐに中止してほしいという意図でしたが、いつごろまでにそういったことを検討して、進めていくつもりか、再度質問させていただきます。

総務部長(後藤好人君)

再々質問に御答弁申し上げます。
いつをめどに検討するのかとの御質問でありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、今後におきましては、散布場所、効果、持続期間、周辺環境などを考慮し、どういった対応が可能か、他市の事例を参考にしながら、次年度の使用時期までに検討してまいりたいと考えております。
以上であります。

干場芳子君

次年度までに検討するという御答弁でしたけれども、私は、行政としては市民の安心、安全が最優先であるという視点に立ったときに、次年度までという対応はどうなのかと思いますが、検討をしていただけるということですので、ぜひ早急にそのあたりの検討を進めていただきたいということを申し上げたいと思います。
次に、3項目めの有害な物質から市民を守る対策についてです。
国の方針から申し上げますと、使用を中止するというのは現状ではなかなか難しいと思っております。先ほど、質問の前段でも申し上げましたけれども、日本は余りにも世界の流れに逆行していると思っております。
自治体として公共施設では使用しない、そして、予防原則に基づいて、江別のより一層の安心、安全な農業、まちづくりに取り組んでいくために、自粛などを求めていくべきではないかと思いますが、その点についてのお考えをお伺いいたします。

生活環境部長(川上誠一君)

再質問に御答弁申し上げます。
グリホサートを含む除草剤の使用の自粛などを求めていくべきとのことでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、グリホサートは、世界中の農業生産者、一般家庭で除草剤として広く使用されております。
市としましては、国や北海道の取り組みを参考にしながら、市民の皆さんに除草剤の適正使用に留意いただけるよう、広報えべつやホームページ等により周知してまいりたいと考えております。
以上であります。

干場芳子君

今、国が進めている、17の目標と169のターゲットを定めたSDGsでは、目標3、健康な生活というところで、その中のターゲット9に、有害化学物質による大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させるということを目指しています。環境と人体への影響を考えて、こうした懸念されるものについては、やはり削減するという努力をしていくべきだと思っておりますので、自治体として、国の基準によらずに進めていくことはなかなか難しい面もあるかと思いますけれども、そういったいろいろな流れを踏まえながら、これからの安心、安全なまちづくりとして、化学物質の削減に向けて取り組んでいただきたいと思っております。
以上で、私の質問を終わります。

議長(角田 一君)

以上をもって、干場議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

議長(角田 一君)

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後1時33分 散会