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市立病院・地域医療検討特別委員会 平成30年11月22日(木)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年3月29日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(清水君):ただいまより、市立病院・地域医療検討特別委員会を開会いたします。(13:00)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり理事者質疑を行いたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、傍聴希望者がおり、入室を許可いたしましたので報告いたします。
また、北海道放送からテレビカメラによる撮影の要請があり、これを許可いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。(異議なし)
御異議なしと認め、そのように確認いたします。
暫時休憩いたします。(13:00)

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(13:01)
これより、市立病院の役割と経営健全化について理事者質疑を行います。
(1)市立病院の役割と経営健全化について、岡村委員より質疑願います。

岡村君:年頭の定例記者会見での市長の発言、その後の当特別委員会での質疑の中で何度も出てきた市長の方針として、企業会計の原則があります。
企業会計の原則については、端的に、公営企業の原則、独立採算制のことを言っていると思っておりますので、一般論としては十分承知しているつもりです。とりわけ、市立病院の場合、公営企業として病院事業に努力していただいております。ただこの間、収入に見合った支出の経営を行う原則が少しないがしろにされていると感じたことによる市長の御発言だったと思っております。
私が心配して何度もお聞きしているのは、その市長の発言が市立病院の役割である市民医療の確保の主体となる市民にどう伝わったのか、そのことを検証させていただきましたら、残念ながら、必ずしも、市長からお話しいただいたことがきちんと伝わっているとは思えない状況にあります。それが何に起因しているかといったら、そういった考え方をもとに、市民の皆さんと向き合ってお話しする機会が欠けていたのだろうとつくづく感じています。
後段で、その話をさせていただきますけれども、今回は市民の皆さんに市長の考えがわかるように、もう少し具体的にお話しいただきたいという視点でお聞きいたしますので、お願いいたします。
まず、もうこの時期ですから、来年度予算の編成作業に入っていると思います。とりわけ、病院事務局の皆さんは、前年度決算があのような結果ですから、本当に頭を悩ませていると思います。市長がおっしゃる原則を守りながら、どうやって予算を組んでいくのか、これから見届けたいと思いますが、そのことについて、少しお話をお聞かせいただきたいと思います。
収入に見合った支出の考え方をもとに収入をどうやって見込むかについては、市立病院として診療したことによって得られる診療収益が主体になりますし、あわせて、不採算と言われている部門を補うため、一般会計からの繰出金も収入として組み込むことができると思います。市長は、それら全ての収入を見込み、その中で経費をきちんと算出してくださいということだと思います。
まず、診療収益を見込むための考え方として、この間、とにかく医師さえいれば患者が市立病院を求めるニーズはたくさんあり、これからの高齢者の状況、さらには、そうした皆さんを支える家族のことを考えると、市立病院の役割はますます大きくなると言われています。今は医師の確保が最大の課題ですから、収入をふやすことは、病院事務局を初め、市長の課題認識として一致していると思います。ですから、現在の医療スタッフで診療収益の増を見込むのか、今後の医師数の見込みを含めた予算計上を指示しているのか、お聞きいたします。

市長:予算を計上するに当たっての診療収益の見込み方に関する質疑だと思います。
これまでの市立病院に関連するさまざまな予算計上は、従前から、現在の診療収益、さらには現年度から来年度に向けての診療収益の見込みのほか、来年度はどのような医療体制をとるかといった医療体制や医師の確保を含めた診療形態など、全てを包含して、そこで得られる診療収益を見込み、それを収入として計上します。さらには、必要な救急医療や小児医療、産科医療などの不採算部門がございますので、その分を一般会計から繰り入れた総額で、予定されている医療が提供できるかどうかを判断した上で、予算を計上しております。
これまでもそのような形で実施しておりますので、来年度も引き続き、そのような形で計上すべきではないかと考えております。

岡村君:私も、そのような理解をしています。ただ、市長は、今までのやり方ではだめだと強く言っています。
今まで、市立病院の予算の組み方を見ていると、歳出である費用を先に見込んで、そこに足りるだけの収入をつくっています。私も、企業会計の原則について、いろいろ調べてみると、法令ではありませんが、七つの原則があると言われていて、その最初に真実性の原則とあります。企業の財務及び経営成績に関しては、真実を報告するものでなければなりません。ですから、簡単に言いますと、従前は費用から予算をつくっているものですから、それに見合う収入をつくらなければならないということで、不確実な医師数の見通しでつくっていないか、そのような意味であえて企業会計の原則を持ち出して、何度も説明をしたのだと推測しております。私は、公営企業であっても、両方を見比べながら、市民の医療を提供していくためには最低限こういった経費が必要だというところから入っても全然構わないし、ここから着手しなければならないということはないと思っております。
江別市立病院新公立病院改革プランに5カ年の収支計画書が示されています。そして、単年度ごとに予算を議会に提案していただいています。それを見ますと、結果としてどの年度も残念ながら収支差し引きで言うと最初から赤字で、平成30年度は、やっと1億円を切って9,700万円ほどに絞り込んでいますが、どの年度を見ても赤字です。これを見たときに、端的に今の企業会計の原則の話を振り返りますと、市長の言っている論理と合わないため、そこまでは求めていないように感じます。
収支計画書は、それでも全然構わないので、収入に見合った支出で経営するということと、マイナスで計上してはいけない、できれば水道事業会計のようにプラスになるように予算をつくるというのが市長の言っている企業会計の原則なのかと理解しています。この収支計画書は、予算との関連でどのように考えていますか。

委員長(清水君):暫時休憩いたします。(13:16)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(13:17)

市長:毎年度、収益的収支のマイナス分を予算計上するのはいかがなものかということだと思います。
この赤字については、例年の不良債務が累積でたまっておりますので、それを解消できなければ、常にマイナスの表示になります。したがって、私どもは、単年度で見て、そのときの収入と、かかる経費、支出を整合させて予算を計上しています。その際には、不良債務で支払う分、毎年度、返済する分も計上しております。その計上している分を入れて支出を見込むこととしています。そのためには、関連する部門が一般会計から必要な関連経費として受けることも、年度によってはあり得ると思います。

岡村君:今の話を聞いて収支計画書を見ると、確かにそのとおりです。毎年度、5億円程度を償却費として見込んでいますから、多分このことを指しているのだと思います。ただ、私は、市長が言っている企業会計の原則というのは、公営企業のことだけを言っているのではなくて、いわゆる民間企業の原点に立ちなさいと何度も教えられているような気がしています。
それでは、民間企業が仮に不良債務を関係なしに経営して、健全な経営を維持できるのかと問われたら、なかなかそのようなことにはならないと思います。不良債務を何年間で返済するという資金計画を立てて、不足する部分は借りるというのは、当然、民間企業でも公営企業でも行います。しかし、それはしっかり返すという約束のもとで、心配されている資金ショートにならないように資金計画を立てるのが市長の言っている企業会計の原則なのだと理解しておりました。
しかし、今の答弁を聞くと、そのような厳格性を求めているわけではないということでした。それで構わないのだったら、このことについては、これ以上、聞きません。ですから、私からすると、余り収入に見合った支出ということを強調する必要はないだろう、それを強調するから市民の不安感が大きくなっているのだと思います。
そこで、年頭の定例記者会見の発言に対する質疑に戻ります。新聞報道ですから、もしそんな発言をしていないというのであれば、答弁の中で訂正していただきたいと思います。
年頭の定例記者会見で、江別市立病院新公立病院改革プランは思いどおりに進んでいない、今の収入の中で経営していたらどういう診療体制になるのか、これまでとは全く違う考え方になり、収入増を追求した経営路線に見直す可能性を示したと書かれています。これまでとは全く違う考え方になるということは、多分、具体的なことを念頭に置きながら発言されたと推測いたしますが、ぜひ、市民の皆さんにもわかりやすく、市長の言わんとすることを説明してください。

市長:ことし1月の定例記者会見での発言でありますが、当時、このままでは大きな赤字になる、市立病院の経営そのものが大変な状況になるという情勢でございました。
例年、その時期は予算計上が始まっていて、予算計上をしなければならない時期でした。その際に、市立病院は公営企業ですので、収入として診療収益等がございますが、市立病院として市民の医療確保のためにやっていただかなければならない不採算部門の経費もあり、毎年度、13億円から14億円の一般会計繰入金が計上されております。これは、診療収益と、さらには一般会計からお願いする経費で賄うように予算計上されて、この範囲の中で市立病院を運営するという約束の上で予算が認められている以上は、経営がなかなかうまくいかなくて赤字が出るようであれば、当然、収入を上げてもらうことも市民との約束の範疇であろうと思っております。あわせて、経費の削減についても、何を削減できるかは市立病院の中でさまざまな論議があろうかと思います。どのように節約し、かかる経費を削減できるのかを真剣に検討していただきたいと思います。そのようにして市民と約束した経費の中で運営していただきたい、そのような思いのもとに発言をいたしました。
したがいまして、救急医療や小児医療、産科医療、健診など、不採算医療の提供について市民に約束していますから、予算の範疇でできないとしたら、診療収益を上げるか、経費を削減するかということを検討しなければならない、その約束を守っていただきたいという思いで発言したところでございます。

岡村君:どうして、今のお話の趣旨と全く違う考え方の発言になったのでしょうか。今、市長がお話しした内容は、企業会計に限らず、一般会計だって、不要不急のものはきちんと精査するように指示しているはずです。そして、それをやっていないのだったら、重ねて指示する必要があるのでしょうけれども、市立病院と何度もこのような質疑をさせていただいていますが、こんなに費用を切り詰めて本当に大丈夫なのかという状況にあると思っています。
ただ、新聞報道を見た市民の皆さんにすれば、全くそのような範疇ではなくて、江別市立病院新公立病院改革プランに書かれているような大胆な経営形態の変更や診療科目の縮減なのか、それとも、先月、補正予算で出していただいたような病棟休止を想定した話なのか、情報が不足していますからわかりません。今は、市立病院の職員の皆様が努力して情報を発信していただいていますので、市民の皆さんに少しずつ伝わってきていると思いますが、今後どうなるのかという情報はまだ不足していると思います。
公営企業が経営改善を図る方向としては、一つ目に、経営の合理化、いわゆるコストカット。二つ目には、収入を上げるための利用者の拡大。そして、最後の三つ目に、価格設定の変更です。私から市長に注意というのもおこがましいのですけれども、前段で企業会計のお話をさせていただきましたが、企業会計の原則と公営企業の市立病院を混同するような情報発信は市民が混乱すると思います。
もちろん公営企業は、企業会計の側面があります。独立採算制が基本であるという考え方と同時に、公営ですから公の責任もあわせ持った事業を行うということです。それがまさに市長の首長としての政策で、市長は、過去の市長が市民医療の確保のために設置した市立病院を引き継いでいるわけです。
ですから、きょうの質疑のタイトルである市立病院の役割と経営健全化というのは、公営企業の責務と一体です。ところが、今、経営の健全化ばかりがひとり歩きして、市長から抽象的な表現で発信されています。私は、ここに大きな問題があると思います。ぜひそのような視点で、これからほかのことについても、お聞きしたいと思います。
その前に、この間の質疑の中でも、不採算医療については、市立病院の役割として今後も担っていきたいというお話をされています。例えば、このことも、そのようには伝わっているのですが、具体的に担保されていませんので、安心感につながっていません。それは、国から交付税措置をされている経過からすると、多分、そこには精神科も入っているはずです。ところが、以前の当委員会では、今後も精神科を担っていくことについて触れられていないので心配されていた市民がいたという質疑がありました。そのときの答弁では、市立病院が担わなければならない責務は不採算でも行うと言っているけれども、今言った部門を全部担うと言っているわけではありません。精神科のことを具体的に聞かれても直接答えていません。ということは、先ほど、年頭の定例記者会見で市長が述べた考え方の中に、今のままの収入であったり、これ以上落ち込むようなことがあったら、どこかで手を打たなければならないということで、まだ、どうなるかわからない状況を心配されているのだと思います。
改めて聞きます。
この間の質疑の中でありましたとおり、市立病院の役割として不採算医療を確保していくということは、精神科も含まれているという認識でよろしいでしょうか。

市長:不採算医療の中で、市が対応すべき医療の内容と項目についての質疑だと思います。
不採算医療にはさまざまな診療科目があります。その診療科目または診療体制については、その時代にさまざまな形の論議が必要だと思います。
小児医療などにつきましても、今は非常に不採算でございますが、過去には不採算ではない時期があったと思います。そのような時期を類推して、今まで、救急医療、さらには健診等も加えてきたと思います。それは、まさしく政策医療でございます。政策医療については、半永久に続くものではございませんので、当然、その時点で市民の皆さんや議会等の意見を聞きながら判断すべきものと考えております。

岡村君:そうだとすると、状況が変わらなければ、残念ながら次にこのようなことを考えざるを得ず、ここまで赤字がふえたらこのようなことも考えなければなりませんという市長の考えについて、市民の皆さんと一緒に議論できるような場を提供すべきだと思います。私が冒頭に言ったように、この間、議会も、行政の皆さんも、市立病院の危機的な状況を何とかしようと悩んで苦しんでいます。しかし、市民は置いてけぼりできょうまで来ておりまして、すごく残念だと思います。
先ほどから言うように、企業会計の原則と公営企業の市立病院を一緒にするのが一番混乱を招いていて、言い方は乱暴ですが、フェアではないと思います。例えば、水道事業は企業会計ですが、市立病院を企業会計と言いたくありません。なぜフェアではないかというと、残念ながら、先ほど言った経営改善の三つの課題の中で、市立病院は価格設定をできないからです。民間企業にしても、公営企業である水道事業にしても、自分で価格を設定することができます。市民の皆さんに水道水を提供するためにはこれだけの経費がかかります、安全・安心な水を提供するための経費の確保が残念ながら厳しい状況になりましたので、ぜひ市民の皆さんに理解していただいて、これだけの値上げを御理解いただきたいと、過去にもこのようなことをやってきました。それは、まさに企業会計で、一般の商店でもそうだと思います。ところが、市立病院は、残念ながら自分で価格設定ができない、全国一律で国が定めた診療報酬単価でやらざるを得ません。
最後にしますけれども、市民医療を守るためにはこのような診療体制をつくらなければならないが、そのために必要な経費はこれだけかかる、ところが、現状の医師の体制だとこれしか収入を見込めないとすると、私は、その差は行政の政策予算を使ってもいいと思います。先ほど言った不採算医療を含め、市民の医療を守るための対応をした上で、企業会計だから独立採算で頑張って、間違っても赤字が出るような結果にならないようにするということを考えていかなければならないと思います。
なぜかというと、市長の話を聞いていると、残念ながら、きょうの質疑項目の市立病院の役割はどんどん果たせなくなってきます。収入の中で経営するということであれば、収入が足りないなら費用も基本的にその範囲で考えなければなりません。それでもできなければ、どこかの経費をカットしなければなりません。不採算医療は民間ではできないから担っているのに、先ほど言ったように診療科目を半分にするのかということになります。
民間企業ではサービスを提供できなかったり不足している部分は公営企業がやらなければならない、それは行政が賄う、私はこれが公の役割だと思います。周りを見たら、たくさんの民間の開業医も市民医療を頑張っています。高度な医療は隣の札幌市内の医療機関で十分に対応できます。そのように考えると、本当に公で担わなければならないのはどこまでで、今のままでいいのかという問いかけだと理解しております。
これまで質疑した結果、市立病院の今の医療行為、診療体制を維持していきたいということでした。この後、医師確保の話がありますけれども、市立病院を維持していきたいというのであれば、その手当ても必要ではないかと思いますが、診療行為に対する適正な診療報酬の考え方についてはいかがですか。

市長:医療機関の診療報酬のあり方と収入の見方ですが、診療報酬単価は全国共通で決まっており、土地代と人件費が非常に高い東京都におきましても、人件費、土地代、固定資産税等が安い地域におきましても、同じ診療報酬単価で、同じ医療を提供した場合には同じ診療報酬になっております。
私どもは、その診療収益の中で、どう運営していくかということを問われるわけであります。しかしながら、その中で、どうしても市民への医療として市にやっていただきたいけれども、収入を見たらどう見ても赤字になるものは、毎年度、一般会計からの繰出金を出して市立病院に医療の提供をお願いしております。
救急医療は、地域によっては非常に赤字だと思っておりますけれども、都市部においては黒字のところがあります。もちろん、産婦人科も小児科も黒字のところがあります。しかしながら、江別市は、これまで、産婦人科、小児科は診療収益の中で運営するのは非常に厳しいということで、一般会計から病院事業会計に繰り入れて運営をお願いしております。
今後におきましても、必要な医療については、かかる経費を計上して市立病院にお願いする予定でございます。そういう意味では、別枠という話もございましたが、私は、繰り入れの議論をした上で、その分は含んでいるのではないかと思っており、その考え方のもとに市立病院を運営すべきではないかと思っているところでございます。

岡村君:私は、市長が言うように、収支にこれだけ乖離があるから言っております。乖離がある理由として、費用の積み上げを余りにも乱暴にやっているのなら、確かにそのような考え方でもいいでしょう。しかし、これ以上絞ったら役割を果たせなくなるのではないかというぐらい費用の削減を頑張っています。ところが、残念ながら、それでも収入が予定どおり見込めないからこのような結果になっています。そうだとしたら、病院事務局に収入に見合った支出についての話をするのはどうなのかと思います。市長の責務でできることがもっとないのかということで、今、指摘をさせていただいておりましたが、これ以上は聞きません。
この間の質疑の中で浮き彫りになってきた最大の課題は医師の確保です。このことについては、市立病院に質疑をさせていただきましたし、市長にも随分質疑しましたから、考え方についてはおおむね受けとめて、あとは一日も早い結果を期待したいと思っています。そして、市長にぜひ求めたいこと、もっと言うと、全体を通して言いたいことは、市立病院が担う部分と市長が行政側で担う部分の議論をもう少ししていただきたいと思います。そして、市立病院の職員は市立病院の中のことに集中していただけるようにすることです。それでなくても、前病院長も、新病院長も、患者の診療行為に当たりながら病院長としての責務を果たそうとしています。その中で、さらに医師の確保という大きな課題を背負いながらやらなければならない状況です。そういうことからすると、これ以上、スタッフがいなくならないようなことを含めて、今の診療体制をこれ以上落ち込ませない、できたらもっと働きやすい環境をつくることに専念していただきたいと考えております。
その一方で、もっと市長に求めたい、期待したいと思っていることの一つが病診連携です。この間、今できること、やらなければならないことということで、私からも、他の委員からも、病診連携について質疑をさせていただいております。市立病院に新しく立ち上げた地域医療連携室の皆さんが本当に頑張っている実態は私も見ています。ただ、それだけでは解決しません。医師を確保することはもとより、今、病診連携で一番難しいのは、開業医の皆さんそれぞれが、患者との関係においても、同じ大学や同門でという歴史的な経過があって、現在の開業医の経営にはそのことが欠かせないために、その課題をなかなか解決できません。市長や病院長が江別医師会の皆さんにお話をしても、そこを解決できません。以前、江別医師会の事務長が、我々は開業医を束ねる組織だが、申しわけないけれども、我々がその課題を開業医に言ってもどうにもなりませんと言っていました。背景にそのような状況がありますから、そう言っているのでしょう。
しかし、市長は、行政の長であり、市立病院の設置者でもあります。そして、市民医療を守るのは、言うまでもなく、市立病院だけでなく、開業医の皆さんとの連携の中で市民の皆さんに安心して毎日過ごしていただくことに尽きるわけです。そのような意味で、私は、ぜひ市長が音頭をとって、例えば、開業医との懇談会を定期的に主催し、開催する、あわせて、市民の皆さんとも定期的に懇談をする機会をつくるなど、そうした中から病診連携の厳しい課題を何とか解決するための糸口を市長に期待したいと思っていますので、市長の認識と今後の考え方についてお聞きいたします。

市長:病診連携についてでございますが、私も、医療機関との連携は、市民医療を確保する上で非常に重要なものと認識しております。
行政がやるべき病診連携というのは、仕組みをつくることであると思っております。その仕組みは、開業医と市立病院の受け皿づくりということになりますので、地域医療連携室を設置して、各診療所、クリニックからの患者の受け入れ、さらには、医療機関同士の患者のやりとりの体制がとれている状況でございます。
問題は、そこから具体的に活用される動きがあるかということでございますが、市立病院との連携からいきますと、現在、24のクリニック、診療所とさまざまな協定、委託契約を結んで実施しています。それは、先ほど申し上げたクリニックの場合は、CT、MRI等の利用をしていただく対応をしているところでございます。
さらには、医師間の連携がとれるかということが一番大きな核でございますので、そのために地域医療連携室を中心としまして、市立病院の場合は、病院長を含め、医師同士の多様な交流ができるような取り組みを進めております。その際には、病院長も一緒に訪問しており、ことしは11件ほど訪問しているところでございます。
しかしながら、今ほど、岡村委員からもお話がありましたとおり、例えば、整形外科や泌尿器科などにつきましては、大学や同門と連携がとれておりますが、市立病院における一番大きな問題点であります内科については、なかなか難しい状況でございます。内科の連携につきましては、やはり個別の医師同士の連携が重要だと認識しておりますので、これに関連しましては、病院長、副院長と綿密な連携をする必要があると思っております。
先般、江別医師会と関係する江別市地域医療懇談会がございました。その際には、江別医師会の理事の皆様方に、この連携に関連しての要請をしたところでございます。今後、どのような形で対応できるのか、当然、市立病院の体制の問題でもございますので、市立病院の病院長、副院長とも十分相談して対応してまいりたいと考えております。

岡村君:難しい課題があることは共有していると思っております。ただ、そこを何とかしないことには、今の状況のまま月日だけがたってしまいます。その結果、収支に見合った経営を追求すればするほど、市立病院の役割を果たせなくなる可能性が出てきます。そこは、市民の皆さんにも問いかけて最終判断をするのだと思います。
どちらにしろ、改めてお願いしておきたいのは、どんなツールでも結構ですから、まず、開業医の皆さんと向き合っていただきたいと思います。それは、市立病院のためだけに言っているのではありません。これは共存共栄ですから、この間の質疑にありましたように、市立病院の経営が苦しいから助けてほしいということではなくて、まずはかかりつけ医で診ていただいて、それ以上の医療行為が必要なときに、ぜひ市立病院を紹介してください、そして、一定の治療が終わったら、また、かかりつけ医にお戻ししますという循環をつくるための病診連携という課題です。
そこを何とかしない限り、医師の確保ができても抜本的な収支の改善は余り期待できないのではないかと思います。確かに医師を確保できれば、収支は少し改善するのでしょうけれども、役割を果たすためには、この病診連携がきちんと回っていくこと、それに尽きると思っています。やはり今言ったように、市長は、地域全体の先頭に立つ立場で、どんな形でも結構ですから、ぜひ市民と向き合えるような場を早くつくっていただきたいと思います。
あわせて、過去から言われているように、優秀な医師が市内でたくさん開業されて頑張っています。この市立病院のOBの皆さんとの関係を構築することからでも結構です。とにかく向き合ってお話をしていただく、そのことで市立病院が果たす役割の課題、さらには、開業医の皆さんが市立病院に求める課題がそれぞれあると思っていますので、早く取り組んでいただくように期待したいと思います。
最後に、医師の確保です。
もうこれ以上聞いても、なかなか前に進まないのだろうと思います。市長も、医師の確保については、結果が出なければ全く意味はないと思っていると発言していまして、私は、これは相当な決意だと受けとめています。ですから、今まさに結果が求められています。
そこで、この間の質疑でも、総合内科医の課題について、いろいろな方から随分質疑がありました。その答弁では、病院事務局からも、市長からも、大学病院では総合的に患者を診るシステムになっていないから、市立病院が求めている総合内科医は、今の時代背景やさまざまな課題に合致し、大学病院との関係においても期待されていると話されており、そのような期待を持って回っているのかと思いました。
その辺については、見守りたいと思っていますけれども、このまま黙って見守っていくのは、市民の皆さんに失礼だと考えております。ましてや、市長は、次期市長選に出馬する決意を既にされておりますから、スケジュール感や、先ほど来、お話をしてきた経営健全化の具体的なプランを含め、しっかりこの機会に示すべきだと思います。
新聞記事を見ますと、具体的なことにはほとんど触れられていませんでしたから、これから示していただけるのかと思っています。それを示す予定があるのかどうか、その辺について、医師の確保を含めてお聞きいたします。

市長:内科医の確保の見通しでございます。
これまでの研修医制度の導入、さらには、今般、大きな問題になっていますのは専門医制度で、総合内科医も専門医制度に登録されましたので、その問題等により医師の確保は非常に難しい状況が続いております。
これは従前から同様でございますけれども、ことし4月に就任した新病院長の考え方に基づきまして、医師の確保に努めているところでございます。これまでの対応からいきましても、総合内科医と専門医の連携がこれから私どもが求めるべき医療の体制だと考えております。そのためには、臓器別専門医の関連で大学医局との連携が必要だということで、現在、病院長を中心に大学医局との連携を進めております。その結果、外科医を1名招聘いたしました。さらには、臓器別専門医につきましても、非常勤ではありますが、ことしの4月から確保されております。現在、常勤化できるよう、引き続き、病院長ともども努力をしているところでございます。
あわせて、総合内科医の関連でございますが、新専門医制度が始まったこともありまして、指導的立場の医師が不足しております。その医師の確保が重要なポイントになっておりますが、なかなか難しい状況でございます。
市立病院は、大学病院でできないような患者の全身を診ることができる医療機関であると思います。さらには、専門医と総合内科医が連携をとれる医療機関を目指しておりますので、市立病院は、総合内科医が関連する対応をしやすい医療機関ではないかと思っております。そのようなことから、これらの魅力、付加価値をアピールしまして、総合内科医のための指導医をぜひ確保したいと考えており、そのために、今、努力しているところでございます。
その取り組みにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、道内の医療機関に内科医の派遣を要請するなどして努めているところでございます。先般、内科医の診療を軽減するため、今までおりませんでした人間ドック担当の非常勤医師を2名ほど配置し、さらに、明確にお答えできませんが、現在、後期研修医の関連について、常勤医の招聘を交渉中でございます。
そのようなことで、病院長ともども、必要に応じて私も大学医局に行きまして、医師の確保に努めていきたいと思っております。

委員長(清水君):それでは、他の委員からの関連質疑をお受けいたします。
質疑ございませんか。

内山君:私からは、具体的なことを聞かずに、大きな流れの中での市長の認識や課題について、お聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、現在の厳しい市立病院を取り巻く問題、課題の中で、市長が4期目の市長選の出馬表明をされたことに敬意を表したいと思います。
そこで、過去を振り返ると、市長は、平成18年の内科医を初めとする医師の大量退職、そして、それに伴う不良債務の発生という状況の中、平成19年から1期目の任期をスタートされたわけであります。
そこで、その1期目の就任当初の状況を思い返していただきたいのですが、そのときの状況と現在の市立病院が置かれている状況で、内科医が少なくなり、不良債務が増加している状況が似ていると見る向きがあると思います。
市長は、その当時と現在の状況をどのように見ているのか、お伺いします。

市長:今から約11年前の平成18年10月でございますけれども、内科医がゼロ名となりまして、私が就任した平成19年4月には内科医が4名でございました。当時、市立病院のあり方を検討するという議論がされまして、その中で、これからの医療は総合医療と専門医療の連携をするべきであるという提案を受けて、さまざまな事業展開をしている最中でございました。その関係で、医師が4名集まって対応を始めたと思っております。
当時から、在宅医療、地域医療、全体医療は総合内科医が診る医療、さらに、専門医が診る医療は専門医が診る医療、つまり、専門医が全てを診ることにはならないということで、これは今後、江別市が目指すべき医療の体系であると認識し、その思いで今まで取り組んできました。
平成28年8月には、内科医は、総合内科を含めて27名でございました。そのような状況からいきますと、やはり医師の体制が整えば、非常に魅力のある医療機関になり得るのではないかと思っております。その実績がございますので、アピールできるものを早くつくることが重要ではないかと思います。
したがいまして、医療の内容的なもの、体制的なものが大きく変わっている情勢を踏まえて、必要なものと連携できるような仕組みが必要ではないかと思っております。私どもは、総合内科医と専門医の連携がこれからの医療だと思っております。

内山君:これまでの市長のさまざまな努力により、平成28年には一定程度の医療体制が確保されたという状況でした。改めてその当時を振り返ると、やはり目標を持って進められてきたと思うのですが、逆に、反省点というか、その当時考えていたことと、実際にやってみて結果が伴わなかったことがあればお伺いします。
もう1点は、江別市立病院経営健全化計画を立てて、進行管理をしながら進めてきたわけですが、江別市立病院経営健全化計画のこれまでの評価と反省点があれば、お伺いします。

市長:医療体制の整備と経営についての質疑だと思いますが、必ずしも一致しないものだと思います。
診療収益を得るには、患者を診療するために必要な医師数が重要だと思います。したがいまして、その診療報酬と医師の数は必ずしも一致するものではないと思っております。そこは先ほど申し上げたとおり、総合内科医と専門医の問題があったのではないかと思います。そのような意味からすると、臓器別専門医の確保は極めて重要ではないかと思っております。これは、総合内科医の研修のためにも重要でございますので、ある意味では、そのような取り組みをできなかったことが問題ではないかと思っております。

内山君:ただいま御答弁をいただいて、一定程度の医療体制を確保したけれども、収支状況とは必ずしも一致しない部分があって、その原因として、総合内科医の人数は確保できていましたが、専門医の確保が十分ではなかったという認識があります。
そのような反省を踏まえて、これからどう対処しようとしているのか、それはこれまでの延長線上で行っていくのか、それとも、今後は何らかの抜本的な改善が必要なのか、また、就任当初と比べて、現在置かれている市立病院の危機感についての認識をお伺いします。

市長:今後の経営を考えた市立病院としての総体的なあり方についての質疑ではないかと思います。
地域医療を守ること、必要な医療を確保しなければならないこと、さらには、それにあわせて経営が順調でなければ必要な医療を提供できなくなる可能性がありますので、そのバランスを保つのが非常に難しいと思っております。先ほど申し上げたとおり、専門医と総合内科医の連携ができて、地域医療と専門医療などの必要な医療の提供ができるわけです。最初にその形をつくることが重要だと思っております。
現在も、病院長が大学医局と連携しながら臓器別専門医を招聘するための交渉をしておりますので、その推移を見守らなければならないと思っております。基本は何かと言いますと、全体を見た経営問題であり、さらには必要な医療を守るということでございますので、市議会の皆様からのさまざまな御意見を頂戴しながら、今後の体制をつくっていきたいと思っております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

島田君:江別市立病院新公立病院改革プランについてお聞きします。
きょうの質疑項目は市立病院の役割と経営健全化についてですが、私は、今まで市立病院の経営健全化に重きを置いていろいろ考え、一般質問をしてきました。
危機的状況は、市立病院だけではなくて、市、議員、市民が同じ情報を共有することが一番大事だと思っています。市立病院の問題に関しては、ここ最近、新聞等で取り上げられ、やっと市民の方々が市立病院は危機的状況であると理解しました。そのような意味では、情報がだんだん伝わってきたと思います。
今までに市立病院に関連した陳情や提言書が出されたと思います。ことし1月に出された提言書は、外部の諮問機関を設置して、市立病院のあり方と経営について、しっかりと審議してほしいという内容だったと思います。それに対して、市からは、病院事務局ではなくて庁内で検討するという回答でしたが、庁内の協議はなされたのかどうか、お聞きします。

市長:経営に関連するさまざまな議論にどう対応しているかという質疑だと思います。
これまでも議会等から質疑をいただいておりますけれども、現在、病院長と理事者、さらには江別市立病院経営健全化評価委員会が設置されておりますので、その委員と市民を含め、市立病院の経営のあり方等を議論するシンポジウムを開催するための準備を進めております。できれば、来年度の予算要求前に開催したいと考えており、現在、関連する委員の日程調整をしております。

島田君:新たな組織をつくるという考え方でいいですか。

市長:病院経営、運営に関連する江別市立病院経営健全化評価委員会が既にありますので、そこを活用してシンポジウム等を開催したいと思います。

島田君:それを聞いて安心しました。専門性を持った方々に集まってもらって検討することは大変いいことだと思います。それを我々にも、市民にも情報公開していただきたいと思います。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

宮本君:ことしの予算特別委員会での理事者質疑のときに、赤坂委員から第三者委員会の設置について、市長に求めた経緯があります。それに対しまして、市長は、江別市立病院経営健全化評価委員会と同じような目的になるので、そちらの委員とよく相談して検討したいという趣旨の発言がございました。その経過について、説明いただきたいと思います。

市長:島田委員の御質疑と重なるかと思いますけれども、ダブルスタンダードになるだろうということで、江別市立病院経営健全化評価委員と協議して、いろいろな意見を聞くシンポジウムが適当ではないかという考えのもと、その委員も加わったシンポジウムを開催する準備を進めております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

齊藤君:病診連携については、先ほど非常に重要だという答弁をされておりましたし、当特別委員会としても、重要であるとの意見が出ております。
病診連携がこれまでなかなか進んでいない大きな理由が気になるところです。地域の医療と市立病院の役割を担った形で市民の医療環境を整えることは非常に重要だと思っておりますから、先ほどシステムをつくるというお話をされていたので、もう少し詳しくお聞きできればと思います。

市長:病診連携の仕組みとして、どこにチャンネルを持って、何と連携するかという体制は全てでき上がっております。今は、それをいかに利用していただけるかということが課題でございます。
大学医局間の連携ですと、例えば、市立病院では、整形外科や泌尿器科では既に連携ができ上がりまして、患者のやりとり、または入退院ができるような関係になっております。大学医局とのつながりがない診療科目は非常に難しいということで、そのようなところは、これまで、病院長が行ってじかにお話をして連携するという形をとっています。ことしも11回ほど医療機関にお邪魔しまして、連携の手続をとっております。
さらにどういう形がとれるのか、病院長、副院長と相談しながら、より実効性の高いものにしたいと思います。

齊藤君:次に、これまで進めてきた大学派遣制度との関係ですが、市立病院の経営にどう影響しているのか、お聞きします。

市長:市立病院の医療体制、医師確保の体制は、内科医の場合は総合内科医と専門医との連携でございます。一時期は内科医が27名ほどおり、そのうち、総合内科医は23名でした。そのときには、大学医局との連携を意識する必要は余りありませんでしたが、総合内科医も専門医制度に登録されるようになりました。したがいまして、総合内科医が専門医になるための研修を受ける形になりまして、市立病院にいました指導的立場の医師がほかの大学等から要請を受けて退職した経過がございます。そのような経過から、総合内科医の体制が弱小化したと思っております。今回は、私どもにとって、新専門医制度が大きな影響を受けたために、このような状況になったのではないかと思っております。これは一端であり、全てではございませんが、そのような考え方を持っております。
したがいまして、そこをカバーできる指導医をいかに確保するかということが重要でございます。当院に勤務したことのある医師を含めて、もう一度、協力を求めるような努力をしているところであり、医師の体制をぜひ強化していきたいと思っております。

齊藤君:さまざまな理由があって、なかなか簡単にはいかないと思いますが、市民の医療環境整備のために、ぜひよろしくお願いいたします。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

本間君:総合内科のあり方についてお伺いしたいと思います。
私は、そもそも、今の市立病院の規模自体に疑問を持っているところです。
仮に、いわゆる不採算部門と言われている救急、小児科、産婦人科、精神科以外の診療科目をなくした場合、困る市民の皆さんは具体的にどのような方々になるのか、教えてください。

市長:産婦人科、小児科等の不採算部門と言われている医療を市立病院として維持するためには、単科のクリニックの場合は別かもしれませんが、市立病院は入院施設を持っておりまして、例えば、出産の場合は、産後ケアの問題などが出てまいります。そうなりますと、産婦人科だけを整備すればいいということではございません。出産前後に循環器科、耳鼻科、さらには泌尿器科などの症状が出た場合、当然対応できる体制をとらなければならないと思っております。
総合的な病院の一番の役割は、単科のクリニックで診る医療と全体を診られるような医療、例えば、消化器内科で入院したかもしれませんが、それだけではなく、眼科での治療も必要、泌尿器科での治療も必要、さらには、循環器科での治療が必要な場合に診療できるのが総合的な病院だと思っております。
したがいまして、整形外科や泌尿器科だけを担っているという医療機能とは違いますので、市民から求められる質に我々は対応していかなければなりません。そのため、市立病院の役割として、診療科目を減らすことにはならないものと考えております。

本間君:今の規模から縮小しないということがよくわかりました。
次に、総合内科医についてですけれども、先ほど齊藤委員への答弁にありましたが、やはり指導医が大事です。残念ながらその指導医が退職されまして、それに連なって退職された医師もそれなりにいたということです。総合内科医を守っていくためには、指導医が絶対必要だと思うのですけれども、総合内科を開設してしばらくたちますが、この間、市立病院で総合内科医として育った医師の定着率について、どのように思われますか。

市長:感覚的なお話で恐縮ですが、総合内科を選ぶ医師は、年齢が若くて、新たな分野を希望されて研修を受けられております。もう一つは、今まで専門医をやっていたけれども、総合内科医の勉強をしたいということで来られます。
若い医師は、ある一定の研修を受けると、次のステップに進むために別の医療機関に行かれて、別のフィールドで頑張っていらっしゃいます。さらに、総合内科を学んだけれども、専門医を選ぶ方もいらっしゃいます。もう一つは、先ほど申し上げた専門医が総合内科を勉強したいということでいらっしゃっていました。これらの方は、全て2年、3年の研修になっております。
したがいまして、若い医師を指導できる中堅医師の養成と確保が課題だと思っております。

本間君:指導医は絶対必要だと思いますが、今お話がありましたとおり、どちらかというと、若い医師が研修をスタートされて、ある程度経験を積むと出ていってしまうわけです。専門医の登録もできるというお話がありましたけれども、指導医がいたとしても不安定で、2年、3年で出ていかれます。今の状況のように、指導医がいなければ、医師がやめるのも当然で、新たな研修医も入ってきません。総合内科医の仕組みというのは、病院の経営としては不安定な要素がかなりあると思います。
そういった意味で、2年、3年で育って市立病院をやめてしまう医師に対して、市民の税金を投入していいものなのか、これが果たして公立病院の役割なのか、こう考えてしまうのですけれども、そこはいかがお考えでしょうか。

市長:総合内科医の養成、確保というのは、ここ数年で始まったばかりでございます。先ほど申し上げましたとおり、一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会や、日本総合診療医学会、特定非営利活動法人日本家庭医療学会とばらばらであったものが統一されまして、やっと一つの学会ができました。したがいまして、これからの診療科目だと思います。
しかしながら、高齢化により在宅医療が必要な状況になってまいりますと、江別市のような地域であればこそ、総合内科医の活躍する場がこれからどんどんふえてくると思っております。クリニックの医師も夜は忙しいことがありまして、家庭で療養されている方の登録をして、そこに総合内科医が行く、さらには、何かあったときには受診するといった循環の対応をできるのが全体を診る総合内科医だと思っております。
したがいまして、早くにその体制をとれることが市民の在宅医療、高齢者医療のニーズに応える、これからふえるであろう認知症対策にも全て対応できる、そんな仕組みではないかと思っております。ある意味、不採算的なものもあるかもしれませんが、そのような対応をしております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

宮本君:現実問題として、もう12月になろうとしています。11月には、本年度の市立病院の各数値が具体的に想定できる状況になりました。市長がことし1月に定例記者会見をしてから、1年近くたっています。そのような状況の中で、将来的なことといいますか、中長期的なことはいろいろな考え方があると思いますが、短期的、緊急的な考え方を持たなければならないと思います。
病院事務局にいろいろ聞いて、答えられることは一生懸命答えていただきましたが、市立病院の設置者の立場として、これから一体どうするのか、次年度の予算編成時期ですから、市長は想定していると思います。その辺のお考えを説明していただければと思います。

市長:経営問題、来年度の予算要求でございますが、これまでも、市立病院の経営改善のために、さまざまな努力をしてまいりました。DPC制度の導入、地域包括ケア病棟の設置、さらには、江別市立病院新公立病院改革プランにつきましても、そのような対応のために進めてきました。しかしながら、なかなか予定どおりの結果が得られていないという実態でございます。その関係もありまして、この10月には1病棟を休止し、さらには、看護師に教育部等で勤務していただくような対応をしてまいりました。
これが今後の運営でどのような結果になるかということを参考にしなければならないと思っております。多分それだけでは経営判断をできるものではないと思いますけれども、判断の一つの要素になると思っております。
その判断ができるまで、やはりあと2カ月ぐらいかかると思いますので、12月ぐらいには少し方向性が見えるのではないかと思っております。それをもとに、来年度の予算編成をしていかなければならないと考えております。しかしながら、非常に厳しい情勢でございますので、経営のための何らかの対応が必要だと思っております。
現実問題として、現時点では抜本的な経営改善策を持ち合わせておりません。したがいまして、来年度に向けてどう改善していくかということなりますと、新たな考え方になるのであれば、今の時点で、来年度はこれをやりますと言い切れませんので、その辺は御容赦いただきたいと思います。しかしながら、これまでの状況から、病棟のあり方、そして、それに伴う診療科目や体制の問題など、これまでも議論をしておりますので、それをもとにスケジュール感も含めて、お示ししていかなければならないと思っております。

宮本君:恐らくそういうことになるだろうと思います。
ただ、医師の確保がなかなかうまくいかないということで、努力はしているけれども、どんどん時間が過ぎております。
以前の病院事務局からの説明では、北海道における決まりがありまして、多少の猶予期間があるかもしれませんが、病棟休止が1年以上経過すると再開できなくなる可能性があるということを聞いています。その辺のことを見ますと、病棟休止などを含めて、経営的、資金的に非常に難しいと思います。
今年度内の取り組みがなかなか難しいという説明ですが、一時借入金の40億円の枠のうち、20億円ぐらいで何とか済ませるのでしょうけれども、次年度に向けて本当にどうなるのか、非常に心配しております。今から準備しておかないと大変なことになるのではないかと思いますが、その辺について検討されていますか。
お手上げ状態というのは病院事務局からしょっちゅう聞いています。

市長:抜本的に経営を改善できる道筋または計画があるかと言われますと、現在は非常に難しい情勢であります。
病院経営そのものが非常に長期的なもので、自分の医療機関で診療報酬単価を上げられるものではございませんので、収支差を合わせることはなかなか難しいというのが実態であります。
その観点から、短期間で経営を改善できるものではございませんので、長期的なスケジュールでどう改善していくかという道筋を徐々に立てまして、市民または議会に御理解をいただくことが必要だと思います。そのときには、江別市立病院新公立病院改革プランはなかなか順調に進まない計画であると御指摘をいただいておりますので、その辺を十分踏まえて検証した上で、実効性が高いものを出さなければ全く意味をなさないと思っております。そういう意味では、非常に緊張感を持って計画をお示しして、皆様に御審議をいただきたいと考えております。

宮本君:今はそれ以上の答弁はできないということで受けとめさせていただきます。
この特別委員会も、そろそろまとめなければならない時期に来ていますので、もう少し現実的な対応策を聞けると思ったのですが、残念ながら聞けませんでした。ただ、以前に、市議会の意見も聞きながら進めていきたいという市長の発言がありましたので、失礼なお話もいたしました。それでは、我々として何を提案するかということになりますが、非常に難しい状況だと受けとめさせていただきました。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

赤坂君:市長は改善策を持ち合わせていないと答弁されました。
公営企業は収支で不良債務を出さないこと、それを回収していくことが筋だと言ってきました。ただ、それは理念です。もっと言うと、収入に合わせた支出を組むということをことし1月の定例記者会見でおっしゃいましたが、これも理念だと思わざるを得ません。
今、13億8,000万円ぐらいの繰出金を一般会計から出していまして、約9億円が収益的収支に入っています。5億円近くが資本的収支から出ています。資本的収支の大部分が不良債務になっています。収益的収支の赤字額が多ければ多いほど、不良債務が多くなるということです。
今、約10億円の不良債務を背負った状態で、不良債務を出さないようにすることだと言っても現実的ではありません。まず、そのことについて答弁してください。

市長:毎年度の予算編成のときには、不良債務の返済額を含めて計上しますので、それはおっしゃるとおりではないかと思います。
しかしながら、予算編成時にはそれを含めて約束していますので、市立病院にはそれを守ってもらう、できなければ、何がどういう形でできないのかという議論をしなければならないと思います。そのような議論が不足しているかもしれませんが、従前からその考え方のもとに実施しておりました。
今の赤坂委員の話は十分承知をしておりますので、予算編成については、それらを含めた議論をしていきたいと思っております。

赤坂君:それは極めて現実的ではありません。現に、約10億円の不良債務があります。ましてや、一般会計から借り入れた7億5,000万円のうち、毎年度、約1億2,500万円ずつ払っていかなければなりません。それを病院事務局に考えなさいと言っても無理です。まず、それを棚上げするなどしないと、収支バランスは近づいていきません。それでも近づくのは難しいですから、もちろん一般会計から繰り出して不採算医療を担う必要があると思っております。
今、予算編成の前段ですけれども、そのようなことをこの場で示唆する責任があると思います。私たちも、この約10億円の不良債務をどうしたらいいのか考えています。やはり、一般会計ほか、オール江別市で、棚上げするなどしないと、市立病院は再生に近づいていかないと思います。
ましてや、医師の確保は、今となっては、たらればの話です。ある程度、この場で示唆すれば、少なくとも私は理解しようとします。それをまず説明してください。

市長:今のお話の対応につきましては、平成18年にも同じ議論をさせていただきまして、一旦、棚上げした上で再スタートしようということで、スタートさせていただきました。
今回も、当然そういう議論が出るのではないかと思いますけれども、今の時点で、これをこうしますということは、この場では言い切れないと思います。市立病院との今後の進め方は、これからの議論でありますので、今のお話の点を含めて議論していきたいと思っています。

赤坂君:平成22年と平成23年に4億円の補助金を出しましたが、それは完全に市立病院を助けるという補助金です。あのときは一般会計に資金があったからだと思いますが、今は一般会計もなかなか厳しい状況です。そんな状況の中で、少なくとも、先ほど言った不良債務を出させない、あるいは、解消する方策といったら、もう限られたことしかありません。それも、予算編成の中で考える、今は答弁できないということです。
次に、シンポジウムで何を聞くのですか。少なくとも市長はこのように考えている、ぜひ皆さんから意見を聞きたい、あるいは、これをたたき台にいろいろな意見を聞きたいというものがないとシンポジウムをやっても意味がないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
そのような意味からすると、シンポジウムに適する課題が幾つかあると思います。だから、11月か12月にやるのであれば、この場である程度の問題提起をしてしかるべきだと思います。少なくとも、江別市立病院経営健全化評価委員会を拡大するなり、江別市立病院あり方検討委員会をつくるべきだと言ってきましたが、その質疑に対して明確に答えていません。中期財政計画もいつ出るのか、全く答えていません。全部、予算編成に合わせて先送りです。明確に答えてください。
それから、もう一つ、総合内科医なり研修医が定着しなかった理由は、いろいろあると思います。やはり、その反省から進めるべきだと思います。私はいろいろなことを決算特別委員会で言いましたけれども、やはり、定着しないとすれば、勤務条件や時間外勤務などに問題がなかったのか、もう少し行政がバックアップすることも必要ではないか、これは仮定の話ですけれども、私はそういうことも議論していいと思います。だから、たらればの話ではなく、反省の上に立ってこれをやるのだと明確に言ってほしいと思います。
時間がないので、3点ほどかいつまんで言いましたけれども、ぜひ方向性を示唆するような答弁をいただきたいと思います。

市長:まず、シンポジウムの項目でございますが、今、病院長とどのような内容、流れで進めていくのか、また、市民の皆さんや、江別市立病院経営健全化評価委員もいらっしゃいますので、内容を詰めているところでございます。どのような項目で議論するかは、まだ決まっておりません。
私としましては、今後の病院運営にかかわる非常に重要なことであり、総合内科医や専門医の連携は経営にかかわる問題ですから、江別市立病院経営健全化評価委員、さらには、病院長、医療関係者の皆さんと議論したいと考えております。そして、方向性について、市民の皆さんからも発言をいただけるのではないかと思っております。
もう一つは、やはり経営の関連ですが、先ほど申し上げましたとおり、現在、市立病院と予算の議論を進めておりますので、赤坂委員がおっしゃったことを含めて検討していきたいと思っております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、理事者質疑を終結いたします。
暫時休憩いたします。(14:51)

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(14:52)
最後に、2その他について、各委員からございませんか。(なし)
事務局からございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(14:52)