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市立病院・地域医療検討特別委員会 平成29年7月24日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年2月22日更新

(開会前)

※ 日程確認
※ 配付資料の確認

(開 会)

委員長(清水君):ただいまより、市立病院・地域医療検討特別委員会を開会いたします。(10:00)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり進めてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、傍聴希望者がおり、入室を許可いたしましたので報告いたします。
市立病院及び傍聴者入室のため、暫時休憩いたします。(10:00)

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(10:01)
1市立病院所管事項、(1)報告事項、アの一般会計繰入金の推移(平成17年度~平成29年度)についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。

管理課長:それでは、私から資料の御説明に入る前に、去る7月12日に開催されました当委員会に提出した資料において、数値の一部に誤りがありましたことから、おわび申し上げ、資料の差しかえにつきましてお願いいたしたく、御説明申し上げます。
7月12日の当委員会に提出した資料6ページの病院事業の運営経過(平成17年度~平成28年度)についての項目の2一般会計繰入金の推移の平成27年度決算額のうち、収益的収入、医業収益、医業外収益、資本的収入の欄の金額及び平成28年度決算額のうち収益的収入、医業外収益、資本的収入の欄の金額について、誤りがありましたことから、おわび申し上げ、数値を訂正した差しかえ資料につきまして、事前に配付させていただいたものでございます。まことに申しわけございませんでした。
それでは、引き続き、本日提出した資料のうち、アの一般会計繰入金の推移(平成17年度~平成29年度)について御説明いたします。
資料の1ページをお開き願います。
この資料は、内科系医師が全員退職した前の年度である平成17年度から平成29年度までの一般会計繰入金の推移について、各収入の内訳と参考数値として交付税措置額等を各年度別にまとめたものであります。
まず、1ページの平成17年度決算額は、下から5行目の合計欄に記載のとおり、8億9,260万円で、主な一般会計繰入金の内訳といたしましては、企業債償還元金及び利子に係る経費や救急医療業務に係る経費などの繰入金となっております。
また、一般会計繰入金に対する交付税割合は、表の最下段に記載のとおり、63.2%でございます。
その後、平成18年度以降の急速な収支状況の悪化などにより、新たな一般会計繰入金の項目が設けられております。単年度での措置など特徴的なものといたしましては、まず、平成19年度決算額では、収益的収入のうち補助金の欄の上から5行目、医師確保経費として4,901万1,000円、続いて、平成20年度決算額からは、収益的収入のうち上段の負担金の欄の下から2行目、院内保育所運営経費として563万円、そして、収益的収入のうち補助金の欄の上から8行目、基礎年金拠出金公的負担経費として4,053万7,000円、続いて、平成21年度決算額からは、収益的収入のうち補助金の欄の上から6行目、産科医療経費として5,724万2,000円、その下の3行目、公立病院特例債償還利子経費として924万6,000円、その下の2行目、不良債務解消補助金として2億5,000万円などが一般会計繰入金の項目としてふえたことにより、平成21年度決算額の一般会計繰入金合計額は、表の下から5行目の合計欄に記載のとおり、13億4,884万3,000円となり、一般会計繰入金に対する交付税割合は、最下段に記載のとおり、45.0%と割合が減少しております。
翌年度の平成22年度決算額からは、収益的収入のうち補助金の欄の下から7行目、公立病院特例債償還元金経費として6,794万9,000円が新たな項目として追加されております。
次に、資料2ページをお開き願います。
その後、平成26年度決算額からは、収益的収入のうち補助金の欄の下から4行目、在宅診療経費として2,492万5,000円、その下の行の地域医療連携経費として1,406万2,000円、その下の行の総合内科養成経費として6,082万円がそれぞれ新たな項目として追加され、平成26年度決算額の一般会計繰入金合計額は、表の下から5行目の合計欄に記載のとおり、14億7,605万4,000円となり、一般会計繰入金に対する交付税割合は、最下段に記載のとおり、46.0%となっております。
その後、公立病院特例債の償還が平成27年度決算で終わったことにより、元金及び利子に係る経費の一般会計繰入金はなくなり、平成29年度予算額の一般会計繰入金合計額は、表の下から5行目の合計欄に記載のとおり、13億9,479万円となり、一般会計繰入金に対する交付税割合は、最下段に記載のとおり、53.0%となっております。
なお、資料の3ページには、参考までに、総務省の通知をもとに算出した平成28年度の交付税措置額の内訳を掲載しておりますので、後ほど御参照願います。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの報告に対し、質疑ございませんか。

岡村君:忙しい中、資料を提出いただきましてありがとうございます。
基本的なことを確認させていただきたいと思います。
一般会計からの繰入金の内訳として、負担金、補助金の項目がありますけれども、これは公立病院への一般会計からの繰り出し基準に基づいてそれぞれの区分項目が設定されていると理解しています。特に、補助金の欄の中に国が示す一般会計からの繰り出し基準外の項目も入っていると理解していますが、その基準外の項目を教えていただければと思います。

管理課長:資料1ページをごらんいただきたいのですが、一般会計からの繰り出し基準外に該当するものは、補助金の区分の上から4行目の一時借入金利子補給経費と、その2行下の産科医療経費と、下から6行目の不良債務解消補助金、その2行下の在宅診療経費、その下の行の地域医療連携経費、その下の総合内科養成経費です。

岡村君:表の区分の欄の隣に、積算根拠等の欄があり、それぞれの積算根拠が示されています。公立病院への一般会計からの繰り出し基準では、区分は示していますけれども、それぞれの額にかかわることについては示していないと思います。これらについて、私の認識では条例や規則などでは見当たらないのですが、どのような根拠に基づいてやってきたのか、説明いただけますか。

管理課長:一般会計からの繰り出し基準については、総務省の通知に基づいてそれぞれ積算をしております。
例を幾つか申し上げますと、病院の建設改良の部分では、一番上の企業債償還利子経費や、資本的収入の欄にも建設改良費と企業債償還元金があります。
こちらの趣旨としては、病院の建設改良費について一般会計が負担するための経費ということで、一般会計からの繰り出しの基準は、病院の建設改良費及び企業債元利償還金のうち、その経営に伴う収入をもって充てることができないと認められることに相当する額として、建設改良費及び企業債元利償還金の2分の1にするとなっています。ただ、その後のただし書きを見ると、年数が分かれるのですが、平成14年度までに着手した事業に係る企業債の元利償還金にあっては3分の2を基準にするという記載があります。基本的には、総務省の通知にある項目にそれぞれ割り振っております。
そして、この後の資料の説明のときに議論になるかと思いますが、診療の部分では、例えば精神医療に係る経費の一般会計からの繰り出し基準を申し上げますと、医療法第7条第2項第1号に規定する精神病院の確保に要する経費のうち、これに伴う収入をもって充てることができないと認められるものに相当する額にするということで、診療科別の収益と費用を積算した上で、収支を差し引きした際に、充てることができない金額を算出して、それを一般会計繰入金としていただいております。
このような形で算出しており、それぞれの基準については、先ほど言ったように割合が示されたものがございまして、それに基づいて行っているところでございます。

岡村君:交付税とのかかわりについて伺います。
資料に一般会計繰入金に対する交付税の割合が示されていまして、年度によって多少異なりますが、半分より少し多いという状況です。
先ほど、理解をするために一般会計からの繰り出し基準内と基準外の項目を分けて質疑させていただきましたけれども、ざっと見ると、交付税として入ってきた財源を一般会計からの繰出金として病院事業会計に出すという流れの中で、一般会計から公立病院への繰り出し基準に基づくものは、基本的に交付税で措置されるべきものなのだと思います。とりわけ、負担金の区分の経費については全て一般会計からの繰り出し基準内の項目になっていますから、不採算医療と言われる分野に対する手だてと理解できます。一般会計からの繰り出し基準内と基準外との関係で言いますと、基準内の項目全体を合計すると、交付税として入ってきている額を超えていると思います。年度によって多少違いますけれども、1億円近くを一般会計繰出金として市が出していると理解しますが、その理解で間違っていないでしょうか。
要するに、交付税で措置されても足りない部分と、市独自で一般会計からの繰り出し基準外の項目として補助金項目の中に6項目加えているものが一般会計の財源から出されているという理解でよろしいのかどうか、確認いたします。

管理課長:今の点については、委員がおっしゃるとおり、交付税の措置がされておりませんので、一般会計から措置されている結果になっていると認識しております。

岡村君:今、資料を見ながら説明を聞いてそう理解したのですが、そういう考え方を原則とすることに違和感を持ちますし、交付税措置が足りないと思います。国が示している一般会計から公立病院への繰り出し基準に基づいて出している区分、さらに、その根拠となる金額も総務省通知に基づいて出しているということですが、その出している金額が交付税を超えた一般会計繰入金の額になっているというふうに見えます。今、その点は認められましたが、そういうことが果たしていいのかどうか。
もっと言うと、交付税の額と一般会計からの繰り出し基準に基づく一般会計繰入金の額はイコールで考えるべきではないか。その辺を理解できるように説明していただけますか。

病院事務長:委員御指摘のとおり、当院の場合は、おおよそ一般会計からの繰り出し基準外の項目を足し上げても2億円にいくかいかないかです。2億5,000万円、1億5,000万円の不良債務解消補助金をいただいたときは全く別枠でありますが、それ以外における一般会計からの繰り出し基準外、国の項目にない江別市独自の一般会計からの繰り出し項目を足し上げても一億数千万円のレベルです。
逆に言いますと、一般会計から繰り入れても差し支えないであろうという基準が示されている項目の積算額を足し上げても、資料3ページにある交付税措置額7億4,051万8,000円には及んでいない現実にあります。
それでよいのかと言われますと、公営企業として独立採算制の基本を考えたときに、当然のごとく一般会計から繰り入れるという考えは問題があると言わざるを得ません。
しかしながら、当院の場合は、十三億何がしの一般会計繰入金をいただいて予算を立て、診療収益を上げ、所要の経費を支払って運営していた結果、平成28年度において、なお不良債務を生じさせているという結果になっております。現状においては、この水準の一般会計繰入金がないと結果として不良債務は増加することになります。よって、一般会計から一定程度の御支援をいただかないと運営ができない、そういう現状にあると認識せざるを得ないと思っております。

岡村君:この件の質疑はこれで終わろうと思っていますけれども、今の答弁を聞いていても、一般会計からの繰り出し基準に基づく金額の幅も総務省通知の枠内で制度設計し、それにプラスして、市独自の政策判断として一般会計からの繰り出し基準外の項目として出されているということですが、少なくとも国が示した一般会計からの繰り出し基準内の繰出金についてはきちんと交付税措置すべきだと考えて質疑させていただきました。これについては、私自身の課題にしていきたいと思います。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

宮本君:今の岡村委員の質疑に関連してお尋ねします。
一般会計からの繰り出し基準以外のプラス部分を6項目挙げていますが、積算根拠等のところで、それぞれの所要額や運営収支不足額について、3分の1、3分の2、4分の1などいろいろ記載がありますが、これらはどういう考え方のもとで決めているのでしょうか。

管理課長:これらの項目の積算根拠につきましては、市の財政当局と調整の上、このようにしたという結果でございます。

宮本君:市の財政当局と調整の上、このようにしたということですが、それ以上の説明はできませんか。そこを知りたいのです。数字の経過は以前にも表が出てきていますし、所管委員会の中でも資料が出ていると思います。
この中の積算根拠について、市の財政当局とどういう調整をしてこられたのか、その辺の説明をお願いします。

病院事務長:市独自の一般会計からの繰り出し基準の項目につきましては、ベースとして、当院の経営が厳しいということから、新たな項目をお願いして、市の財政当局の査定で認めていただいたということです。逆説的に言えば、当院の経営が順調であれば、こういう独自項目は必要なかったと思っております。
ただ、これらの項目につきましては、見ていただくとある程度御理解いただけると思いますが、当院が主に公的病院として地域医療における機能を維持するための項目としてつくったものが多いと認識しております。
個別的に申し上げますと、一時借入金利子補給経費につきましては、不良債務が生じて期中に現金不足となり、この期中に銀行から一時的に借りた利子を補給するためにいただいております。ですから、比較的小さい額ですが、一時借り入れの状況に応じて増減しております。これは実額です。
そのほかの項目ですが、御承知のとおり、当院の産科については、平成18年に内科の撤退とともに集約化されて、一時、完全に応需できなくなった経緯がございます。北海道内の当院規模の病院で産科が完全撤退をして復活した例として、複数の医師が派遣されて出産機能がほぼ戻ったのは当院だけだと感じております。
もともと産科自体が赤字構造というわけではなかったのですが、出産を応需する医師の処遇、助産師の確保等、いろいろと経費がかかることから、産科医療経費につきましては、出産機能を担保するという意義のもとに創設したところでございます。
その他、当院の特徴の一つである在宅医療経費についても、同じようなことです。また、地域医療経費については、その下の総合内科養成経費とともに非常に連動しているものですけれども、特に総合内科養成経費につきましては、研修医の研修に係る経費は、一部、北海道からの補助もあります。これは、零細な補助金でございまして、本来、大学等が担う総合内科医の養成の役割の一部を当院が担って、総合内科医を養成し、そのことによって総合内科を確保していくということでございます。
ですから、この経費については、本業である医業の中から捻出することがなかなか難しく、その割合については経費の3分1が妥当だろうということで、市の財政当局といろいろな調整をしながら決め、いわゆる一時繰入金の独自項目としていただいているというふうに認識しているところであります。

宮本君:今後、この6項目については、次年度以降も含めて長いスパンで残っていきそうですか。

事務局次長:一般会計からの繰り出し基準外の項目ですが、先ほど申し上げたとおり、市の財政当局と協議してルールを決めてきた経過がございますので、当面、診療体制や当院の病院運営の方針が変わらない限り、このルールで運用していきたいと考えているところです。

宮本君:総務省から各自治体に対して年度ごとに一般会計からの繰り出し基準についての通知があって、基本的にはそれに従っていると思いますが、一般会計からの繰り出し基準以外の市の独自政策について、今、おっしゃられたのだと思います。これは一般会計を所管する部局に聞かなければならないのかもしれませんが、これらを含めた江別市独自の一般会計からの繰り出し基準を作成されているのですか。あくまでも総務省が示す基準に従って、毎年その都度、政策判断をしていくというやり方なのでしょうか。
他市町村では、自治体独自の一般会計からの繰り出し基準を決めて、それを冊子にして住民に説明しているところもあるのですが、当市はその辺が見えてきません。当市では基本的な考え方を決めているのですか。

事務局次長:一般会計からの繰り出し基準については、今、宮本委員がおっしゃられた市独自のルールを別途定めているものではありませんので、総務省が示す基準をもとに運用し、各年度において市の財政当局と協議をして決めております。その根本的なルールを見直そうという考えは、当面、持っておりませんので、今の考えで運用していきたいと思っております。

宮本君:そういうやり方をしているのでしたら、それを江別市独自の基準ということで我々に説明いただくために文章化したらどうですか。そのほうがわかりやすいと思います。その基準自体は、毎年変わってもいいと思います。

事務局次長:市の財政当局との協議が必要だと思いますけれども、ルールを明文化できるように、何がしかの検討をしていきたいと思います。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

吉本君:一般会計からの繰り出し基準のルール化の検討というお話でしたが、先ほど説明があった総合内科養成経費とか在宅診療経費というあたりは、江別市立病院が地域の中でどういう役割を果たしていくのかということで、非常に重要な部分だと思います。
数字についてですが、総合内科養成経費は、北海道から総合診療医養成研修センターの指定を受けているということもあるのでしょうけれども、実際に市が補助金を出すときに、当初、平成26年度は約6,000万円で、平成28年度は約4,000万円、そして、新年度予算では3,000万円程度になっています。また、在宅診療経費も、平成26年度は2,500万円くらいあったものが平成28年度には約2,000万円になり、平成29年度予算では約716万円になっています。
一般会計の中でいろいろな検討をしていると思うのですが、一般会計からの繰り出し基準のルール化をする上で、市立病院は何を目指すのか、地域の中でどんな役割を果たすのか、一般会計からどこに財源を補填しなければいけないのかということを前提に検討されていて、この数字に減ってきているのだと思っています。
平成28年度までの数字の経緯について、御説明できるのであればお聞きしたいと思います。

委員長(清水君):暫時休憩いたします。(10:38)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(10:39)

管理課長:在宅診療経費、総合内科養成経費についてですが、積算根拠等の欄には運営収支不足額と所要額がそれぞれ記載されており、基本的に費用で必要となるものは医師の人件費になります。
まず、在宅診療経費については、平成29年度はそれまで在宅診療を主に担っていた医師が3月で退職したことにより人件費が減ったため、金額が下がっております。
次に、総合内科養成経費については、総合内科の養成研修を受ける研修医の人数によって変わります。平成29年度の研修医が従前より減っているため、費用がかからなくなっており、最終的に一般会計繰入金の額が減っているということでございます。
地域医療連携経費については、基本的に運営収支不足額になりますので、その年度の診療費に影響されますけれども、診療収益自体の増減が少ないため、平成27年度から余り振れ幅がなく、このような形で金額を算出しております。

吉本君:決算や予算のときに伺っていたかもしれませんが、改めて確認させていただきました。
先ほど申し上げましたが、市立病院が何を目指して、地域のどういう病院になるのか、また、地域の人たちがどういうことを望んでいるのかというあたりを中心に考えると、政策的な判断はもちろんありますけれども、予算措置を確実にしていただかないと、本来、市立病院はどうしなければいけないのかという部分が希薄になり、立ち位置が危うくなってしまうような心配がありますので、市立病院の立ち位置を考えた一般会計からの繰り出し基準のルールにしていただきたいと思います。
要望です。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

島田君:特別交付税の中に基礎年金拠出金という欄があります。これは、国から交付されるものですけれども、収益的収入の補助金の中にも基礎年金拠出金公的負担経費とあります。交付税を受けているのに、一般会計からも繰り入れているというあたりがよくわからないので、教えていただきたいと思います。

委員長(清水君):暫時休憩いたします。(10:43)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(10:48)

病院事務長:御案内の基礎年金拠出金公的負担経費につきましては、お手元の資料3ページの2特別交付税の表の下から4行目、(4)基礎年金拠出金の欄にお示ししたとおり、職員1人当たり22万9,200円の単価に0.5及び職員数を乗じた4,228万8,000円を基準額とし、国から江別市に特別交付税措置されているところであります。
一方、一般会計から同一の項目により一般会計繰入金としていただいている金額につきましては、対応いたします平成28年度決算額におきましては、8,114万4,000円となっておりまして、これには項目に係る所要実額を計上しているところであり、当該項目における国の交付税の財源の内訳としては約半分となっているところであります。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

内山君:3ページの算定式に関係して、基本的なことをお伺いしたいと思います。
国の新公立病院改革ガイドラインの中で、普通交付税の算定の見直しということで、今後、許可病床数から稼働病床数に見直すと書いているのですが、その意味を教えていただきたいと思います。
また、それに伴って、今後の交付税の算定に影響があるのかについて、お伺いしたいと思います。

病院事務長:実は、平成28年度の交付税算定から既に稼働病床数になっております。
稼働病床数というのは、年度において一回も使用したことがないベッドは減算するというものです。つまり、4階の何号室のAというベッドには1年間に一回も患者が入らなかったらそのベッドは減算するというものです。
市立病院の一般病棟の病床利用率は、75%から80%程度で推移しておりますが、同じ病棟に患者を繰り返し入れているわけではなくて、ローテーションして入れております。ローテーションというのは変な意味ではありません。退院と入院のタイミングがずれますので、ベッドの準備や、病態に応じて別の病棟に収容しなければならないケースなどがたくさんあります。一つのベッドがあいたらすぐに入れるということは、満床だったらあると思いますが、そういうことではないので、平成28年度の決算におきましては、1年間に一回も使ったことがないベッドはなく、満床措置となっております。
今後の見通しにつきまして、昨今、総務省のさまざまな会議の説明を聞いておりますと、かつて、第1回目の公立病院改革プランの前後で総務省が示しました一般病床利用率70%未満の病院が、全国でまだ200以上あるということで、これらについては、数年のうちに抜本的な交付税の減額措置をするというニュアンスで言われております。国の交付税措置に関しては、もちろん病院に限らず、全般的に経済財政諮問会議を中心に交付税の見直しが行われているようでございますので、少なからず影響があるのではないかと考えているところであります。

内山君:もう一点、同じく新公立病院改革ガイドラインの中で、特別交付税についても、病床数に単価を乗じて算定する方式から、これと一般会計からの繰出額とを比較する方式への見直しを検討するという記載があります。これは検討するという記載ですが、この意味と影響について改めて伺いたいと思います。

病院事務長:基本的な流れは同じです。今、不採算病床、政策医療と言われるもので、例示的には精神病床、小児病床があります。これらは単価方式で、不採算病床を持っている部分については、一般病床割にさらにプラスして特別交付税で上乗せ措置をするという考え方ですが、先ほどからこの場で御議論いただいているとおり、いわゆる不採算医療への補填の意味合いが強いものにつきましては、各自治体の実情に応じて判断すべきものという議論が行われており、いわゆる単価一括方式の計上は非常に厳しくなるのではないかと考えております。例えば、前年の病床利用率などを基礎数値として交付税の補填額が見直される公算は非常に高いです。だからといって、一般会計から繰り出してはだめとは聞いておりませんけれども、先ほど来御議論があるとおり、いわゆる交付税の措置額が切り下げられる方向に議論されているのは間違いのないところだと認識しております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
次に、イの救急・小児・精神医療に係る経費の内訳と繰入金算出基準についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。

管理課長:それでは、私から、救急・小児・精神医療に係る経費の内訳と繰入金算出基準について御説明いたします。
資料4ページをお開き願います。
この資料は、平成27年度から平成29年度までの予算における一般会計繰入金のうち、一般的に不採算部門とされ、国の地方公営企業繰出金の基準に基づいて一般会計からの繰り入れを受けている救急、小児、精神医療に係る経費の内訳を記載したものであります。
まず、1救急医療の収入につきましては、過去の救急外来実績件数と診療収益を基礎にそれぞれの計画数値を積算しております。
次に、費用のうち、医師ほか医療従事者の人件費に当たる宿日直・拘束手当及び給与費については、手当の単価等から費用を積算し、材料費及び経費については、病院全体のそれぞれの費目の費用から案分して積算しております。
費用の下段の空床確保経費については、救急患者のために確保しておくベッドに係る経費として、内科系が3床、外科系が3床、小児科で2床の計8床分のベッドに診療科別の収益単価と日数を乗じて積算しており、これらの収支差について一般会計から繰り入れを受けております。
続いて、資料の5ページをごらん願います。
2小児医療及び3精神医療についてですが、収入については、どちらも診療科別の収益等をもとにそれぞれの計画数値を積算しております。
次に、費用のうち給与費については、どちらもそれぞれの医療に従事する医師ほか医療従事者の給与費を積算したもので、小児科医療分については、入院病棟は、他の診療科のベッドもあることから、ベッド数の割合などを用いて積算しております。
次に、材料費及び経費については、救急医療と同様に、病院全体のそれぞれの費目の費用から案分して積算しており、これらの収支差について一般会計から繰り入れを受けております。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの報告に対し、質疑ございませんか。

岡村君:4ページの救急患者のために確保しておくベッド数に対する経費ということで、内科系、外科系、小児科で合計8床ですが、3ページを見ますと、国から普通交付税措置されるものについては救急病院の関係で病床数が3床、特別交付税で小児病床は24床となっています。こういう形で交付税が算定されているのですが、救急病院3床と内科系、外科系、小児科の合計8床の差の5床は市独自の一般会計で手当てしていると理解してよろしいのでしょうか。

管理課長:資料3ページにある普通交付税の(3)救急病院に書いている病床数については、先ほど御説明した4ページの空床確保経費のうち、外科系の3床をもとにして、基礎額を掛けて積算しますので、普通交付税でいただいているものは外科系のみとなっております。ですから、それ以外の内科系3床及び小児科2床の分については、委員御指摘のとおり、市独自基準の一般会計繰り入れを受けております。

岡村君:救急医療については、2ページに書かれているとおり、運営収支の不足額を一般会計から繰り入れるということで、平成27年度の決算で言うと約3億4,000万円です。
平成28年度もそうですけれども、金額の違いというのは、あくまでも予算と決算の違いと理解していいのですか。
たまさか、5ページの部分については同額になっています。

管理課長:委員御指摘のとおり、1ページ及び2ページの積算は、平成29年度を除き、全て決算額となっておりまして、今回、4ページ、5ページでお出ししたものは全て予算額になっておりますので、その差ということになります。

岡村君:3ページですが、特別交付税の項目で公立病院改革プランとして200万円措置されています。この考え方ですが、新公立病院改革プランの計画年次内は毎年交付税化されているということなのか、新公立病院改革プランをつくったときの年度だけの交付税なのか、お伺いします。

管理課長:こちらについては、特別交付税の交付要綱の中に、平成27年度及び平成28年度のみと書いておりますので、この2年度のみが対象となります。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

宮本君:数値を確認させてください。
3ページの特別交付税の下の小計(財政力補正後)の備考欄に、(1)と(2)の合計に0.98を乗じるとありますが、これは(1)から(5)までの合計ではありませんか。

委員長(清水君):暫時休憩いたします。(11:06)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(11:07)

管理課長:これは、最終的に財政力補正後の小計を算出する際、(1)と(2)については合計に0.98を乗じますが、(3)から(5)までは100%の額です。その部分が抜け落ちておりますが、意味合いとしては、そのままの合計は上段に小計として出ていますが、最終的な算出をするときには、(1)と(2)に0.98を乗じた金額に、(3)から(5)の100%の金額を足して、最終的な1億6,501万9,000円を算出しています。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

吉本君:普通交付税の説明のところでは、救急病床数の基礎となるのは外科系の3床という御説明でしたけれども、4ページの救急外来における診療収益が平成27年度の約3,000万円、平成28年度の約3,500万円というのは、外科系なのか、それとも内科系も含むのでしょうか。空床確保のためには小児科のベッドも含まれていますけれども、外来診療ではない救急患者も含めた全ての患者が対象の診療収益なのかどうか、確認します。

管理課長:委員御指摘のとおり、空床確保経費については、外科系のみではなく、内科系、外科系、小児科を全て合わせた金額で積算しております。

吉本君:収入欄の救急外来における診療収益について、救急外来というと、一般的には週何回かの外科系救急ということですが、内科系の救急もやっているというお話を伺っています。そういう通常の外来診療ではない救急の受診をされた方たちも全て含むのかどうか、確認いたします。

管理課長:全て含んで積算しています。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

齊藤佐知子君:念のための数値の確認です。
予算と決算の違いということもあると思いますが、2ページと4ページ、5ページの関係です。
まず、4ページの救急医療の部分で、平成27年度から平成29年度までの一般会計繰入金の額の関係ですが、2ページでは平成27年度は3億4,068万1,000円となっていますが、4ページは3億3,522万9,000円となっています。また、平成28年度、平成29年度を見たときには全く同数になっています。これでいいのかどうかという数字の確認です。
また、5ページの精神医療の一般会計繰入金の額もそうですが、平成27年度、平成29年度は2ページと同額の数字が掲載されていますが、平成28年度の数字が違うので、その辺の違いを確認したいと思います。

委員長(清水君):暫時休憩いたします。(11:11)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(11:12)

管理課長:金額の差についてですが、4ページと5ページに記載したとおり、当初予算は、市の財政当局と調整して最終的にこのような形の査定を受けるということになりますので、金額についてはそれぞれの年次で記載したとおりとなっております。
実際にその年度で運営した結果、一般会計繰入金の決算内訳は、児童手当とか、先ほど議論になりました基礎年金拠出金などです。なお、この拠出金は職員が実際に在籍した人数に応じて幾らかかったかという額が明確になりますので、決算数値としてはその額となります。それ以外については、増減がありますので、ほかの項目と調整し、総額としては当初予算と変わらない額を一般会計から繰入金としていただいている格好になりますので、その差分が決算額と予算額の違いとしてあらわれております。
わかりやすいのは、小児医療と精神医療です。5ページですが、平成28年度の一般会計繰入金の額の予算はそれぞれ3,000万円、1億円というきれいな数字になっています。これは、本来的に収支差はそれより多く出ているのですが、予算の査定といいますか、市の財政当局との調整の中で、ほかの項目と合わせて全体の一般会計繰入金の額は大体このくらいということから内訳を見ていきますので、結果として予算額のままでいく場合もあり得る積算方式となっているところでございます。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

内山君:救急医療に関する一般会計からの繰り出し基準に基づいて、毎年3億5,000万円ほどの大きな数字が一般会計から繰り出されているということです。3ページにあるように、救急告示病院ということで、一般会計を通してですが、国からも交付金を受けている状況です。
そこで、基本的な質疑です。
不採算部門として救急医療は大きな費用がかかるということですが、市内には民間においても救急告示病院があると思います。そういうところに対しては、補助金のようなものはあるのか、どういうふうに成り立っているのか、もしわかれば教えていただきたいと思います。

病院事務長:さまざまなケースがありますので、一概にこうだというものはありません。一般的に、郡部に行くほど救急の確保は難しくなることから、特に僻地医療に関しては、自治体が独自に救急医療に対して補助金をつくり、民間病院に交付している例は聞いたことがあります。
一方、診療報酬的には、個別の項目は手元にありませんが、救急告示病院に対して、幾つかの項目において診療報酬点数の優遇策があります。また、救急医療に関しては、赤字ばかりだとやるところがなくなってしまうので、最近、国も診療報酬改定において、仮にDPC制度を導入していなくても包括で算定できるとか、外来においても救急の包括点数で算定できるといった確保策を講じているところです。
公立病院、特に市町村立病院、北海道立病院等と民間病院の財政的なギャップがあるため、このような財政措置については優遇策が議論になるケースがあると認識しているところです。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

赤坂君:4ページの空床確保についてですが、まず、精神科を入れて8床ということでしょうか。
年間365日、空床は8床です。そして、今の病床利用率は70%台に落ちていますが、この8床も入れて病床利用率を計算されていると理解していいのですか。

管理課長:そのように算定しております。

赤坂君:つまり、患者が入っても入らなくても8床はカウントされるということですか。

管理課長:考え方としては、別枠で病床利用率を算定するものではないので、利用した場合の病床のカウントの仕方は一緒です。要は、その別枠を使っているという形で病床利用率を算定しているわけではなくて、あくまでも準備として8床の空床確保をしているということです。その8床を使えば、当然、病床利用率に反映しますし、その日に救急が入らなければ、その日の病床利用率に反映しないということです。積算の中の全体の病床には当然入ります。

赤坂君:病床利用率は、実際に入院したときにカウントするということです。しかし、入院患者がいなくても収入としてはカウントするということです。365日、入院していることになります。事実上は、入院していなくても病床利用率にカウントしていいような状態だと思いますが、実際に入院していないからやむを得ないと思います。
病床利用率70%とすると、80床くらいの空きが出ます。病床利用率80%とすると、一般病棟で54床くらいの空きが出ます。常時50床以上があいている状態です。ただ、小児科、産科などの救急患者が来たときにあいていないことがある。そのために確保するということですが、何か変だと思います。民間であれば、ベッドに空きがないとなったら、どこかほかへ行ってくださいということになります。しかし、市立病院は、ベッドがあいていても、ほかへ行ってくださいと言う場合があります。それは、対応できない場合です。医師が手術中とか、いろいろな理由で受け入れができないということはあり得ます。
私も実際に救急車に乗って、あいているところがなくて、最終的に札幌市まで行ったことがあります。そういう状態になれば最高です。それは、ベッドの利用状況についてであって、患者をたらい回しにすることが最高だという意味ではありません。
初めからこれだけ保証しますと言って、病床利用率にはカウントしないけれども、収入としては確実に100%カウントされているのです。これはおかしいと思います。誰が見てもそう思います。それは、病院を支援するのだということを前提にしている以外の何ものでもないからです。そこからもう一回考え直してみる必要があるような気がします。いかがでしょうか。

病院事務長:かつて、市立病院の病床利用率は98%から100%でした。それは、私が以前に市立病院にいたときですので、間違いのない事実です。
委員御案内のとおり、救急病床の確保というのは、医療レベル的に受け入れられる救急患者のための病床数を公立病院として確保しなければまずいだろうという概念からきております。その基本から申し上げますと、現状はそういう状態ではありません。少なくとも、さまざまなスタッフの関係で、ベッドがあいているから100%入れられるかどうかということについてはいろいろありますが、ベッドの物理的確保という意味においては、救急医療の確保経費における空床確保の考え方は、実情とは相当変わってきていると思っております。
一般会計繰入金については、先ほど申し上げたとおり、何だかんだと言っても、いただかなければやっていけない状態です。これを見直して、救急告示病院として普通交付税で3,300万円ほどの補填の措置がありますので、この範囲にするべきだというのが一番わかりやすいのかもしれませんが、仮に3,300万円にしますと、ここは今までの10分の1の規模になってしまいますので、現実的には相当苦しくなります。
一般会計繰入金の積算根拠の考え方については、今後、議論し、見直していくべき項目の一つであるということは言えると思います。

赤坂君:委員の皆様は、一般会計からの繰り出し基準のあり方や根拠は、しっかりとしたものを残していく必要があると言っています。そして、予算の段階、あるいは決算の段階でもう一回フィルターにかけて進めていく必要があると思います。それは病床利用率も含めてです。
つまり、これは予算で決まっているからそのとおりやるという意味ではなくて、もう一回、ゼロから積み上げていく、そして、規程でもいいし、要綱でもいいし、きちんとルールをつくっていく手続が必要ではないかと思います。
今の話は例であり、ほかの委員からも根拠等々についての考えが出されていますので、考え方を整理する必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。

事務局次長:先ほども一般会計からの繰出金に関するルールの明確化について御質疑がありましたけれども、当然、一般会計から繰り出していただく市の財政当局側と十分協議しなければならないと思っていますので、その協議のもとでルールの明確化について検討したいと思っております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
次に、ウの地区別・診療科別患者数の推移についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。

病院情報システム課長:私から、ウの地区別・診療科別患者数の推移について御報告いたします。
平成24年度から平成28年度までの各年度の入院、外来の患者数を各診療科別に集計したものでございます。
6ページをごらんいただきたいのですが、資料の上段が入院、下段が外来の集計表となっております。10ページまで、各年度とも同様の構成でございます。
各表は、左側が市内、右側が市外から来院している患者であり、市内は左から江別地区、野幌地区、大麻地区、市外は当別町、新篠津村、南幌町、札幌市、その他の順で集計しております。
なお、この患者数につきましては、複数科の受診など、重複分を含んでいることを御承知おきいただきたいと思います。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの報告に対し、質疑ございませんか。

本間君:この間の所管委員会でも質疑がなされたかと思いますが、特別委員会が設置されましたので、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
市立病院の立地場所からして、市内3地区の入院、外来ともにこのような数字になるのは仕方がないと思っていますが、それにしても、直近の平成28年度で言うと、江別地区に比べて、大麻地区は3分の1程度です。外来についても、特に内科については、江別地区、野幌地区で9割近く、大麻地区は1割強という状況です。
市立病院の立地場所からして、また、市内各所に優秀な民間病院もありますから、こういう形になるのは仕方がないと思いますけれども、この件について、今までどのように捉えて考えてこられたのか、また、対策等をされたことがあれば、いつごろにどのような対策をとってこられたのか、お伺いいたします。

管理課長:委員御指摘のとおり、当然、市内には他の診療科またはベッドを持っている病院がございます。御指摘のとおり、特に各年度押しなべても、当院は江別地区にございますが、やはり大麻地区が一番少ないという結果で、入院も外来もそのまま数にあらわれていると認識しております。
それに対して、従前、地区からの要望がありまして、特に、大麻地区については、基本的には毎年4回、健康セミナーということで、こちらから医師や医療従事者がお邪魔して、各診療科の診療内容や、コメディカルでやっていること、最近では、MRIを設置しましたので、その御紹介をして、できれば受診していただくというような対策を講じております。ただ、それ以外に、大麻地区の患者をもっと引っ張るための対策を講じるところまでは至っていないのが現状です。

本間君:地元、地域からの要望に応えて、健康セミナー等を開いていただいている努力は大変ありがたいと思いますが、そのような健康セミナーを開きながらも、外来の患者数の減少傾向はとまらないという状況であります。
それを含めて、市立病院は、市民の皆さんの病院ですので、各地域からなるべく多くの皆さんが来て利用していただくことが望ましいと考えます。そこで、今までは十分な対策が見当たらない状況でしたけれども、今後、この難しい問題に対して、隔たりなく、少しでも多くの市民の皆さんに使っていただけるような方策や考えがあるのであれば、お聞かせいただきたいと思います。

事務局次長:市立病院の患者の地区別の動向ですが、江別地区の方が多いということです。また、市外からの来院については、当別町、新篠津村が多く、南幌町には医師を派遣していますので、やはり、病院の近くに住んでいて通いやすい患者さんが受診されているのだろうと思っております。
市立病院では、特に入院患者を集めなければならないということで、市内の診療機関と連携をとりながら取り組みを進めているところですが、大麻地区や札幌市から患者を集めるのはなかなか難しい現状にございます。
これまで続けてきた診療体制の充実、市民へのPR、医療機関との連携などを続けながら、患者に利用してもらえる病院をつくり上げたいと思っておりますが、地域の特性を超えて、大麻地区や野幌地区から患者を集める具体の方策は思い当たっていないのが現状です。

本間君:方策は思い当たっていないということですので、最後に要望いたします。
なかなか難しいと思いますけれども、何かよい方策を見出していただけるよう、引き続き御検討いただきたいと思います。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

岡村君:たくさんの細かい資料を出していただいていますが、総じて言うと、患者数は減ってきて、いまだにその歯どめがかからないということです。どんな要因でこういった事態になっているのでしょうか。
私なりに要因は幾つかあると思っていますし、今までも委員会等で当局から御答弁をいただいておりますが、一つには、地域によって差があるのは、距離的な問題なのかどうか。もう一つ、よく言われていますが、この間を振り返ってみると、開業医がふえてきているということ、さらには、体制の問題として医師確保ということがその要因になっているのかどうかです。それぞれ複合していると思いますけれども、そこをもう少し浮き彫りにしなければ、効果的な対策を打てないと思いますので、そうした視点で幾つかお聞きしたいと思います。
きょうの資料にある状況を見て、人口比から言うと、大麻地区が24%程度、野幌地区が36%程度、江別地区が40%程度と言われています。一方、入院と外来の患者数の割合から言うと、大麻地域は24%の人口に対して入院、外来とも十四、五%です。野幌地区は36%の人口に対して患者数は二十四、五%ですから、江別地区を除くと、市立病院の位置の関係があると思います。開業医との関連から言うと、江別地区は、市立病院がかかりつけ医的な機能も果たして、こういう患者数になっているのだと読み取っています。
ただ、年度別の傾向で言うと、そういう状況にあっても、大麻地区は、他の地区では減少しているのに対し、市立病院を多く利用されていると読み取っています。
どちらにしても、年々、とりわけ外来の落ち込みは大きくなっています。このことについて質疑はいたしません。
次に、開業医の関係について伺います。
私なりに、江別医師会のホームページから各地域の開業医数を拾ってみたところ、江別地区には市立病院を除いて20から21、野幌地区には26、大麻地区には17ということで、今、六十三、四カ所が開業されています。そうしたことの影響が年度別に見たときの患者数の減少にあらわれているのだと思います。
以前もそうですが、患者に大変人気のある医師が市立病院をやめて開業すると、その後の市立病院の患者数が減少傾向になるというのは、いまだにあると思っております。
一方で、開業医がふえるのが悪いのかということですが、市立病院の機能を考えると、2次医療をしっかり担っていくということから、かかりつけ医からの紹介患者にしっかり対応できれば、こんなに落ち込むことはないのだろうと思っております。
紹介率のことについては、また別の機会に質疑させていただきます。
医師の数についてですが、この間で一番多かったのは平成26年度で、正職員医師45人を含めて合計57人です。そして、現在は、先日の当委員会で示されたものでは、正職員医師40人を含めて合計55人ですから、そんなに変わりはないと思うのです。もちろん、専門医の課題などいろいろありますけれども、医師数の減少が患者数の減少につながっているかというと、それは反映されていないのだろうと思います。
そうだとすると、前段の部分の要因、また、最近、皆さんの答弁の中によく出てくる負担感による治療行為の自粛、こういうことが大きく起因しているのかと思います。
総じてお話しさせていただきましたけれども、皆さんは、今言った課題も含めたこの間の患者数の減少傾向について、どのように分析しているのか、お示しいただきたいと思います。

事務局次長:ここ数年の市立病院の患者数の動向は、残念ながら減少傾向にありまして、その実態は十分承知しております。
その理由はどこにあるのかということですが、岡村委員が御指摘のとおり、必ずしも医師の数そのものに連動しているものではございません。ただ、個別の診療科で、例えば眼科医が1人体制になったとか、整形外科の医師の配置が3人から2人になったとか、そういうことが生じた年次は患者数が減る傾向にございます。
ただ、総合内科については、医師数自体は充実しておりまして、チームで診療体制を組んでいるため、そこでの増減が患者数の動向に直接的に影響しているという傾向はつかめていません。個別の診療科の状況や、市内の開業医と患者の連携が十分でないというところもあるのかもしれませんが、完全に原因はここにあるというところまでは分析し切れていないのが実情です。
開業医と市立病院との関係ですが、これも岡村委員の御指摘のとおり、基本的に、外来の患者は、1次診療ということで市内のクリニックを受診されて、そこから紹介を受けて入院患者として市立病院が2次医療を受け持ちます。この機能分化が十分に進めば、市内の開業医と市立病院どちらも良質な医療の提供、病院の経営がうまくいくのだろうと思いますが、正直に言いまして、そこまで至っていないというのが実情でございます。
市立病院から独立して開業された医療機関の影響を受けて患者数が減っているとは言い切れないと思っております。患者数の減少が続いているという事態は十分認識しておりますが、残念ながら、これが原因だというところまではつかみ切れていません。

岡村君:私は、可能な限りの現状分析をすることなくして次の対策を立てるということにはつながらないという認識のもとで質疑させていただいております。
もう一回言いますけれども、平成28年度の入院、外来を含めた診療科別の患者数は、7割近くの診療科で過去7年のうち最低の患者数です。診療科で言うと、外科は平成23年の半分近くまで落ち込んでいまして、最低です。耳鼻咽喉科、眼科、泌尿器科、麻酔科、精神科、これらの診療科も過去7年の中で最低の患者数です。
市立病院には、今後の地域の医療ニーズに応えるためにセンター病院としての機能を発揮するという大きな命題があるのですから、改めてきちんと分析をしなければだめだろうと思います。
ですから、今言った患者数の減少、その要因として考えられる医師数、減った分の患者はみんなほかの地域に行っているのでしょうから、江別トータルとして地域医療は整っているという実態なのかどうかの検証は必要だと思います。数字を通して見えてくるものが全てだとは思っていませんが、一つのファクターとしてそこはきちんと検証すべきだと思っています。
今言った過去7年の患者数から言うと、平成28年度は最低で、半分近くになっているところも幾つかあります。その要因はいろいろあるのだと思いますが、とにかく原因を浮き彫りにして、きちんとした対応が必要なものについては今後の課題として対応するということです。これだけ患者数が減ったら、江別市立病院にこの診療科は要らないという分析結果になるかもしれません。そういう判断材料の物差しとして、特別委員会、議会も理解できるような説明を求めたいと思うのですけれども、今の答弁から言うと、それはなかなか分析し切れないものなのでしょうか。
これ以上細かい話はしませんけれども、基本的な分析の必要性を中心にお話しいただきたいと思います。

病院事務長:患者数総体では、17万725人ですから、御案内のとおり、ここ10年くらいで最低でございます。ちなみに、平成17年度は29万1,636人ですから、約6割になっているという実態にございます。
ただ、先ほど委員も言われていましたが、例えば、平成17年度当時で、外来は、1年で約29万人来ていまして、1日で1,100人以上来ていたということです。昨年度においては、1年で約17万人ですから、1日で約700人です。しからば診療単価はと言いますと、平成17年度は約8,000円に対し、平成28年度は1万2,000円を超えています。入院も同じで、平成17年度は約11万4,000人の延べ人数で、1日当たり313人です。これは精神病棟が130床ありましたので、比較にならないのですが、このときの診療単価は一般病床で約3万5,000円、今は約4万5,000円です。一般病床でいくと、平成17年度は約8万8,000人で、平成28年度は約7万8,000人です。この辺をどう見るかということがあると思います。
また、今、外来診療にある程度頼らないと診療収益全体が上がっていきませんので、外来に頼らざるを得ませんが、本来、市立病院として、かかりつけ医機能を担保すべきものなのかどうか、この辺も含めて当院のあり方については相当考えていかなければいけないと思いますし、それは医師確保にもつながる話だと思っております。
一方で、当院の大きな特徴として、医療法に総合病院という定義はもうないのですが、いわゆる総合病院のメリットは明らかにあると思っております。それは、病院内に複数の診療科があり、相互に協力し合い、患者の複合的な疾患にある程度迅速に対応でき、全身管理ができるということに尽きると思っております。
今、盛んに議論になる各診療科ごとの収支、あるいは各診療科ごとの患者数のみをもって軽々に各診療科の存廃を議論することについては、医師の確保に重大な懸念を及ぼすものと私は認識しております。確かに、経営の数値として客観的に押さえ、事務的に分析していく必要性については論を待たないところでありますが、一方で、総合病院のメリットを棄損するような議論に行ってしまえば、そもそも当院に対して大学等からの医師派遣が枯渇するのみでなく、さまざまな議論の前に当院の存在が危うくなると考えます。それは、医師の派遣が中止となり、医師が来ないことを原因として当院の経営存続が根本的に危うくなる事態を惹起するのではないかと考えております。分析の必要はないとか、分析をすることが無駄だとか、分析をすることでかえって害悪を招くとは毛頭思っておりませんが、その方向性の取り扱いについては、各診療科単位ということも大事ではございますけれども、総体的な機能の維持ということに着目しなければならないと思います。
また、冒頭に申し上げましたように、これからも市立病院は残すべきだという考えが揺るぎないのであれば、その機能として、外来と入院の収益比のバランスがどうなのか、マンパワーのかけ方はどうなのか、もっと言えば、市内の開業医あるいは札幌市内のさまざまな超急性期病院との紹介、逆紹介の仕組みをどうしていくかということを考えなければいけないと思いますが、今まさに病院内でその議論をしております。そういったことを中心に議論していくことが最も肝要ではないかと考えております。
そのような議論をすることによって、結果的に、仮に278床が適正規模ではないという議論に行くのかもしれませんけれども、そのような分析を経た後にそういった体制を変更していくという議論の順番になるのではないかと考えております。

岡村君:今の答弁にあったとおり、地域のセンター病院として、総合病院機能をしっかり果たしていくという前提のもとで考えていくことについては私も同感です。
ただ、いろいろ厳しい状況があり、とりわけ医師確保の問題は、皆さんが努力をしてもベストな状況をつくり得ないということは、市立病院に限らず大きな課題です。よって、江別市立病院が目指す基本方針に沿って重点化していくということが必要な時期に来ていると思いますので、診療科ごとの分析をして、その方向づけのために使っていくべきなのだろうと思います。
市立病院の機能からすると、ベッド数の議論もありますが、平成17年までさかのぼって言うつもりはありませんけれども、病床利用率を80%台に乗せられれば、地域のセンター病院としての機能と、地域医療を担う病院の責務を果たせると思っています。
全体としては、診療科ごとに見ると大きく落ち込んでいる実態にある一方、この間、内科が全体の患者数を圧倒的に押し上げていて、トータルでは何とか減っている率を押しとどめております。内科で言いますと、平成28年度の患者数は過去最高になっていますし、ここ三、四年を見ても、内科総体で入院患者は4万人を超えているということは、過去から見ても特筆すべき実態になっていると思います。
そういうことから、全体で言うと、総合内科機能の重点化ということが経営改善と市立病院に求められている期待に応えることと一致するのかどうか私もわかりませんが、診療科ごとの動向と、今後の江別市の進むべき医療体制についてお話をいただければと思います。

病院事務長:今、岡村委員から総合内科のお話が出ましたが、当院は平成18年度に臓器別内科医がゼロになりました。大学からの派遣が望めない中で、当時はまだ先進的なものであった総合的な医療を担う総合内科医、今回の専門医の名称変更で総合診療医という名前が出てきていますけれども、いわゆる総合内科医を中心に招聘、あるいは教育、養成をする中で内科のマンパワーを確保したということでございます。
これが非常に機能したという結果が患者数にもあらわれておりますけれども、御高齢の患者、特に75歳以上の患者には、さまざまな慢性疾患を抱えた方が多いです。具体的には、糖尿病もあり、高血圧もあり、肝硬変もあるという患者が多く、その中で糖尿病が急激に悪化したという場合があります。壮年期の比較的若い患者ですと、専門の代謝領域の専門医が診ることになりますが、加齢により全身状態が悪化し、ほかの疾病も相当程度慢性的になっている患者は、専門医では十分に診ていただけないという現実がある中で、当院においては、総合内科を中心に人を確保してきたので、そういう疾患に幅広く対応できています。その中で、高齢者を中心に入院患者の確保ができており、これはメリットであると考えております。
一方で、当院は、7対1入院基本料をとっておりまして、現状の看護体制の入院基本料の中では最も高い水準です。
また、所管委員会で御説明したとおり、昨年から、DPC制度を本格的に導入し、診療単価の底上げを図っているところですが、DPC制度導入かつ7対1入院基本料をとっている病院で一般病棟の診療単価が4万5,000円というのは非常に低い水準です。
先ほど、外科の話が若干出ましたけれども、現在の総合病院における外科というのは、直接的に患者を受け入れるケースは余りありません。乳がんは受け入れますが、一般的には、内科で病気を発見して、その手術対応を外科に依頼するというのが一番多い診療内容であると認識しております。ただ、総合内科を中心に集患できる患者は、高齢ということもあり、手術適用が非常に難しい方が多いため、壮年期の患者を扱っている一般的なDPC制度を導入している病院において内科と外科が良好な関係を構築しづらいということがあります。これは、内科の大宗を総合内科医が占めるということにも一定の原因があると考えております。今後の超高齢社会で御高齢の方が急速にふえるわけですから、今の私どものメリットを生かしつつ、いわゆる急性期のセンター病院の役割を継続するためには、やはり、かつてのような臓器別の内科医の確保が必要になってきます。例えば、消化器科医や呼吸器科医です。呼吸器科については、今、私どもは北海道大学病院からの週1回の出張医に頼っている状況ですので、こういう臓器別の専門医を大学病院あるいはほかのルートから招聘し、内科についても両方の面で対応できるようにしていかないと、病院の規模の固定費を賄っていけないのではないかと考えております。
今、何とか医師の頭数はそろっていますが、医師の専門性というところにおいては、今後とも招聘活動を続けていかなければならない要素が多分にあるものと考えています。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

島田君:ここに出されたデータは平成24年度から平成28年度までの推移ですが、単年度で純損益が黒字になったのは平成25年度です。ここにはデータがないですが、平成23年度もそうだと思います。
ここの患者数を見ますと、はっきりしているのは、入院も外来もほかの年度より多いということです。単純に患者数が多ければ診療収益も上がるということですが、どの程度の患者数になれば黒字になるかという分析をしたことはありますか。

事務局次長:各年度の予算計上をする時点では、一定の患者数あるいは病床利用率を想定した上で収益計算をし、予算を計上しております。予算編成時に目標として掲げている患者数は、黒字で予算を計上していますので、そこから若干下がるところが損益の分岐点になります。
なお、平成29年度の病床利用率は80.9%で設定していますので、そこに達すれば収益が黒字になるということです。

島田君:病床利用率を高めるための方策として、結局は努力をしているということです。先ほどから患者数の問題などが出ていますけれども、どこに原因があるのかということを含めた分析が足りないのではないかと思います。今まで委員の皆さんがおっしゃっていますので、そういうことを含めて要望としますが、もう少し細かい分析をしたほうがいいと思います。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

吉本君:先ほど、病院経営と市立病院の役割をどうするかというお話が出ましたが、私は、患者数だけではなく、江別市の中で市立病院をどう位置づけるのかということが一番大事だと思います。
岡村委員が個人的に分析をされていましたが、私は市立病院で働いていた経験があり、そのころを思い出してみると、外来患者に関して言えば、昔は1カ月に一度は必ず受診しなければいけませんでした。それが2カ月になり、3カ月になり、さらに6カ月に一度でいいというところもあると聞いております。単純にそれだけで外来患者数は大きく減り、薬も院外処方になりましたから、病院の中で処方する必要がなくなった分、収益も減ります。また、先ほど岡村委員がおっしゃったように、個人病院との関係もあるだろうと思います。
そういうことで、単純に言うと、患者数が減ったので、どうやって市立病院に患者を集めるかだと思います。集客という言い方は市民に非常に申しわけありませんけれども、そういうことだけが目的になると思います。
所管委員会の中でも何度かお聞きしましたけれども、今、国が医療制度を大きく変えようとしており、北海道全体、地域全体、札幌医療圏の中における江別市も大きく変わろうとしています。また、地域包括ケアシステムと言われている中で、介護との連携という問題もあります。そういう中で、市立病院がどういう役割を担わなければならないかというあたりは、政策的にきちんとしなければいけないことで、市立病院だけでどうやって患者を集めるかという議論ではないという気がします。
今、市長部局では、平成30年度を想定して検討しております。そういう将来的なことも見込んで、市立病院の経営をどうしていくのか、市立病院をどういうふうにしていくのか。診療科の問題もそうですし、患者数をふやすか、ふやさないかという現実的な問題もありますけれども、将来的なビジョンをどうするのかというあたりの議論をされているのかどうか。市長部局からの提案もあるのでしょうけれども、そのときには市立病院のスタッフも議論の中に入っているのかどうかというあたりをお聞きしたいと思います。

病院事務長:私見も含めて答弁いたします。
私は、市立病院の経験が長く、十四、五年かかわっていますが、市町村は医療行政に対して非常にかかわりづらいと感じております。介護保険、福祉、国民健康保険の施策は、市町村に権限があり、計画を策定することについても権限が付与されておりますので、結構ハンドリングができるのですが、医療はそもそも北海道レベルでの地域医療計画があり、市町村レベルが参画する機会はほとんどありません。また、現実問題として、医療スタッフと直接かかわるのはほぼ病院の現場スタッフのみです。当然、健康福祉部におきましても医師会等とさまざまな折衝をしており、また、夜間急病センターもありますが、医療の現場で対峙するのは非常に限られております。
そういう中で、今、吉本委員から御案内のありました地域の医療ビジョンを市がどう描くのかというところは、なかなか難しいことであると感じています。
これから人口が減少しますので、患者数は絶対に減ります。日本の人口全体が減少しますので、各地域の単位においては、患者の絶対数はどこかをピークにして絶対に減ると言われています。一方で、集患ということで患者の奪い合いをしていたら共倒れになるということは国がはっきり言っておりまして、ここに出てくるのが、北海道地域医療構想であったり、地域包括ケアシステムであったり、さらに言えば地域医療連携推進法人制度であったりするのですが、国は今、公立、公的、民間を問わず、統合、再編を考えるという方向に急速にかじを切っています。
その中で、当市における急性期、回復期、慢性期、維持期という機能分担を人口12万人都市の医療機能として誰がどのように担っていくのかということは、本来、市立病院だけで考える話ではなくて、市全体、もしくは北海道、医師会、その他関係する職能団体も入れた中で、介護・福祉担当者と一緒に考えなければならない時代です。
そこへの対処ということで、市長部局が江別市医療介護連携推進協議会を昨年設置し、やっと動き出したところではありますけれども、医療機能を市内で誰がどう担っていくのかという議論には至っていません。開業医や一定規模の病院、あるいは札幌市内の高度医療機能とどう折り合いをつけていくのかということについて、残念ながら、今の時点では、市立病院の中でどこに持っていって相談するのかということは何もできていない状況です。
しかし、それは考えなくていいということではなく、この委員会で最も問題になっている財政負担と市立病院のありようとどうバランスをとっていくかというところは、最終的に一番考えていかなければならない問題だと思っております。
私個人としては、所管委員会で再三申し上げましたけれども、約14億円の一般会計からの繰り入れが果たして適正かと言われたときに、適正ですと言うつもりは毛頭ございません。やはり、交付税の流れや当院の自助努力の余地等を考えますと、ある程度減少させていく方向で考えなければ、当然、市全体の財政も立ちいかなくなりますし、もっと言えば、市内の地域医療の機能自体が一定期間失われる事態になりかねないと考えております。
結論といたしましては、そのような場をどのように設定していくかも含めて、本来は病院側から積極的に働きかけなければならないという意識はあるのですが、やはり、目の前にあるのは経営の問題です。御批判の中心もやはり財政問題です。ましてや、平成18年の医師の一斉退職の傷は全然癒えていないと私は思っておりますし、看護師の年齢構成の問題、先ほど申し上げました臓器別の専門医を確保できない問題、あるいは、市内開業医との連携がいまいちうまくいっていない問題等、全ての原因の一端は平成18年のことにあり、それがいまだに影響しているものと考えております。それを理由にできないと言うつもりは全くありませんけれども、そういうことを前提に総合的に考えていかなければならないと思っております。
私どもの役割としては、市長部局にも積極的に働きかけるということだと思います。市長部局が意識を持っていないということはないと思いますが、市町村行政が医療というものにかかわっていく難しさはいまだにあると考えております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

内山君:市立病院には総合内科を設置していますが、平成25年から町立南幌病院に総合内科医を派遣しています。患者数が減少している中で、このデータを見ると、平成24年から平成25年にかけては南幌町の患者数は少しふえているようですが、それ以降は横ばいという気がします。町立南幌病院に総合内科医を派遣している効果として、市立病院はどのような評価をしているのか伺います。

管理課長:委員御指摘のとおり、事実上、当院から2人プラスアルファという形で診療応援をしております。
その効果といたしましては、こちらからは総合内科の医師しか行っておりませんので、最初に町立南幌病院を受診された患者の中で、専門的な治療、診療科別の治療が必要な方については、こちらに御紹介いただくことにより患者確保につながっていると思います。
逆に、在住している地域によりますけれども、市立病院の入院患者が多くて受け入れができないときに、町立南幌病院で受け入れていただく余地もあるという意味で、相互に効果があると思っております。それによって、患者数の増減が少ないという認識でおります。

内山君:メリットの大枠はわかったのですが、数値的に、当初想定していた効果は実際に発揮されているという認識でいいですか。

病院事務長:今、一番わかりやすい例として、患者のやりとりの話をしました。これは、病院のみで判断することではないという意味で政策的な判断だと思っていますけれども、直近の課題として、町立南幌病院の医師がいなくなったということが一番大きいだろうと思っております。
もう一つは、今後どうなるかわかりませんが、当初は総合内科の研修拠点として確保したかったという事実がございます。研修医は、300床規模の病院で行うプログラムと小規模の病院で行うプログラムの両方をやらなければならないので、そういった現場の確保という意味ではかなり役に立っています。ただ、今、研修医が減ってしまったので、少し効果が発揮されていない状況です。
町立南幌病院は、当院とは患者層がかなり違いまして、特に慢性疾患の繰り返し受診の多いところだと認識しておりますので、まさに地域医療の現場の拠点ということで、総合内科を目指す医師にとってはいい現場だと思っています。
今後は、当院の医師の総数の問題もありまして、町立南幌病院への派遣についてはさまざまな検討を加えていかなければならないと思っておりますけれども、今、町立南幌病院へ医師を派遣しているのは当院のみですが、親病院の経営の問題も当然あり、その辺を総合的に判断して今後の方向性を決めていかなければならないと考えております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
暫時休憩いたします。(12:27)

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(12:35)
次に、エの平成29年度給与費予算の内訳についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。

管理課長:それでは、私から、平成29年度給与費予算の内訳について御説明いたします。
資料11ページをお開き願います。
この資料は、平成29年度の予算における給与費のうち、医師職、医療技術職、看護職、行政職の職種別に区分し、医師職については、正職員・非常勤職員・出張医等の3区分別、その他の職種については、正職員・非常勤職員別にそれぞれの費目を記載したものとなっております。
まず、上段の正職員の表についてですが、給料、手当、法定福利費の3項目に分けまして、手当についても内訳を職種別に記載したものとなっております。
次に、非常勤職員については給料、予算の区分でいくと賃金に当たるものですが、給料と法定福利費に分けて記載しております。
次に、出張医等でございますが、医師職以外のその他については、病院内の委員会で外部の方の委員が参画した場合の報酬分としてこちらに予算計上しております。
次に、人件費全体では、正職員は30億8,499万1,000円、非常勤職員は4億6,336万1,000円、出張医等は1億3,022万6,000円、総額で36億7,857万8,000円という予算額になっております。
なお、資料の一番下段ですが、平成29年4月1日現在の正職員1人当たりの平均給料月額、平均給与月額、平均年齢を参考までに記載しておりますので、後ほど御参照願います。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの報告に対し、質疑ございませんか。

相馬君:資料11ページと5ページについて質疑させていただきたいと思います。
今回、給与予算の内訳ということで金額が公表されましたが、小児医療について、単純に収入と費用に分けて、平成27年度の診療収益に対する給与費の割合は63%であるのに対して、平成29年度は診療収益が下がっていながら給与費の割合は72%くらいで10%くらいふえております。さらに、精神医療では、同様に平成27年度は76%くらいの割合だったものが平成29年度には86%となっております。ここに出ている数字だけを単純に割り当ててみたのですが、それは人件費がほとんどであるという説明を毎回受けている気がするのですけれども、特に補填が必要な小児医療や精神医療に対する人件費の適正な割合のようなものが存在するのかどうかについて、お伺いいたします。

委員長(清水君):暫時休憩いたします。(12:40)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(12:42)

管理課長:国の新公立病院改革ガイドラインの中に、全国の平均値の状況ということで、医業収益に対する職員給与費の割合を病床数に応じて積算している資料があります。こちらは、平成25年度における経営指標として出しておりますが、公立病院のいわゆる黒字病院と呼ばれるところは、医業収益に対する職員給与費の割合は51.4%です。一般病院全体では、300床以上400床未満の規模で53.7%と示されておりますので、おおむね医業収益の約半分くらいが給与費の占める割合だと言われております。

相馬君:そうしますと、市立病院は、診療収益が下がったら給与費を削減するような措置をしなければいけないものなのですか。病院経営の観点から再度御質疑させていただきます。

事務局次長:医業収益全体に占める人件費をどうするかという御質疑かと思います。
公立病院ですので、職員を直ちに解雇するということは難しいです。一方で、病院の職員の採用については、民間病院とライバル関係にありますので、一方的に条件を悪くすると、離反を招き、医療スタッフを確保できなくなります。診療収益から考えれば、約50%の割合ですので、人件費をどうにかしなければならないという問題はあるのですが、病院の運営や医療スタッフの確保ということを考えると、現実的には難しいというのが実態です。

相馬君:今は単純に小児医療とか精神医療について聞いていますが、市立病院だけが医師を招聘しているわけではないと考えると、全体的に見たときに、不足となる金額については、一般会計から繰り入れをしてくるとか、補助金をいただくということは市立病院として必要だと考えていると理解してよろしいですか。

事務局次長:一般会計からの繰出金は市民の税金ですので、市立病院としては、経営を安定化させる努力はしなければならないと思っておりますけれども、各診療科ごとには収益構造を黒字化するのが難しいところもありますし、そこの部分を市内の医療機関として担っているという役目を自覚しておりますので、そこに係る人件費について一定程度いただく根拠はあると考えております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

岡村君:過去の委員会資料の中には、北海道内21市の公立病院のさまざまな統計の資料があり、職員の給与にかかわる項目もありました。問題は、それぞれの自治体病院で、医師や看護師の数など、環境が大分違うと思うので、基礎的なことをお聞きします。
例えば、江別市立病院の一般病棟の278床を一つの物差しにして、類似する自治体で言うと留萌市とか名寄市とか滝川市などになると思いますが、そういうところと江別市の人件費の比較です。今言った類似自治体との比較でも江別市立病院の職員給与費は高いのか、また、医師を含めた職員の平均年齢はどうなのか。江別市立病院の平均年齢については、事務職は41歳、医師は47歳、看護職は40歳ということですが、類似の自治体と比べて江別市立病院の人件費は高いのか、平均なのか、低いのか、その辺を見えるようにしていただきたいのです。きょうの質疑の結果によっては、資料要求を検討しなければならないと思っています。
過去に人口10万人当たりの医師数が示されたと思いますが、その中でも江別市は最下位に近い状況にあると聞いたことがあります。
そういうことで、人件費がびっくりするほど高いのか、逆にもっと出してあげなければならない状況にあるのか、その辺についてお話をいただきたいと思います。

病院事務長:概括的な話になります。
基本的に、当市の医療職の給与については、医師職以外は国に準拠しておりまして、医療技術職については医療職給料表(二)、看護職については医療職給料表(三)、行政職は行政職給料表ということで、基本給において大きな差はありませんし、今申し上げた医師以外の3職については、突出した特殊な手当を払っているという実績はないと認識しております。仮に総体給与費が高いとすれば、看護職は同規模病院に比較して人数が多いということくらいしか考えられません。
行政職については、この表では28人となっていますが、ここには行政職給料表を使っている医療職が入っていますので、実際の行政職は25人ということで、規模に対して非常に少ない人数です。
医療技術職についても、当院はリハビリテーションスタッフの整備が若干おくれているので、60人前後が適正規模だと思っております。
繰り返しになりますが、医師以外の部分において大きな差はないと思っております。
医師職については、国の医療職給料表(一)とは若干違う運用をしておりまして、若干高目の格付にしております。各病院で一番差が出るのは特殊勤務手当でございまして、出動、手術、特殊な行為に対する手当が全部ここに入っております。一般的な公立病院ですと、基本給は国の医療職給料表(一)と大きく差がつくところが余りありませんので、管理職手当と特殊勤務手当で一定程度の手当てをしている実情にあります。
ちなみに、当院の職員の平均年齢は他の公立病院の中では若干低目かと思います。もう少し高い病院が結構あります。当院は研修医を除くともっと高くなると思いますが、それで大体均衡するかと思います。
下の表の平均給料月額はほぼこの程度ですが、問題は平均給与月額という総支給額ベースです。これは、横並びのデータを出してみなければわからないですが、先ほど委員からあったように、決して高くもなければ低くもないという状況で、むしろ、平成18年の事件以来底上げをしておりますので、1人当たりの支払い額としては北海道内の中位より少し高いという認識です。
もう一つ、江別市の医師の人口当たりの数ですが、江別市だけをとってみるとお話のとおりですけれども、北海道が医師の配置を考えるときは、市町村単位ではなく第2次医療圏単位で考えます。それで考えた場合、北海道の中では旭川医療圏と札幌第2次医療圏の二つが圧倒的に多く、それ以外の地域は基準数値に全く至っていないという二重格差の状態にあります。よって、札幌第2次医療圏の中にある江別市の医師は十分に足りていると国、北海道から見られているということです。

岡村君:答弁の中にあった管理職手当と特殊勤務手当ですが、他の公立病院はこの手当を採用していないということなのか、金額的に少し手厚くしているということなのか、伺います。

病院事務長:手当の名前はわかりませんが、同種の手当で医師の手取り額を確保するということは、押しなべて、どの病院も行っております。また、僻地に行けば行くほど、医療職給料表(一)を度外視した独自の給与体系により、年俸契約に近い形で超高額な年俸を約束した上で医師を招聘している自治体はたくさんあります。
ただ、私どもと比較になるような北海道内の一定規模の公立病院では、特に道央圏の空知、石狩、胆振、後志、道南圏というあたりでは大きな差はないかと思います。
その中で、当院で言うと、特殊勤務手当の中に緊急診療業務拘束手当というものがあります。これは、当番に当たったらお金が充てられるとか、外科系の救急指定日の診療を1回やったら日額で幾らという手当があるのですが、これはそのまちの事情によって相当、額に開きがあると思っております。例えば、外科系の診療が少ないまちで指定日に当たってしまったら、寝る暇もないような数の患者が来る市もありますので、そういうところについてはある程度の額の手当にしているのではないかと思います。
これは、今、資料が手元にないので推測で言っておりますけれども、委員御指摘のとおり、各市で診療状況が全く違いますので、医師の負担の軽重を考えて、こういった手当で金銭的な補填をしてあげないと、医師の招聘あるいは安定的な就労につながっていかないという実態にあると考えているところです。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

赤坂君:医師の給与についてですが、民間はどうなっているのですか。
新公立病院改革プランの中には民間志向ということを書いています。そういう意味からすると、民間の病院職員の給与体系を分析してみる必要があると思いますが、それについて知っていることをお伺いしたいと思います。
また、管理職手当についてですが、ほとんどの医師が管理職になっています。これは、時間外手当を出さないための手段だと思います。あなた方が新公立病院改革プランの中で求めようとしているところに行き着いたら、そんなことはできないはずです。労働基準監督署に指摘されます。あえて、それをやっているのです。しかし、ある程度、しっかり働いた人には見返りを支払うという成果主義の考え方がいずれ出てくると私は思います。そのことを意識して求めていく必要があると思います。もう北海道内の他市がどうだからという時代ではないような気がします。事務方の皆さんがそういう決意を持って進めないと、これはなかなか進んでいきません。
今言っていることは新公立病院改革プランの前の段階で、ほとんど勉強会のようなものですが、やはり、そこに迫っていく必要があると思うのです。基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。

病院事務長:民間志向ということは、最終的には独立行政法人化を前提として給与構造を柔軟にするということがあると思いますし、事実、国立病院機構はそうなったと聞いております。基本給を切り下げ、実働成果給の割合を引き上げたということです。ですから、一生懸命診療に従事したと認定された医師にはそれなりの給与が支払われているものと認識しております。
翻って、当院の場合は、あくまでも地方公務員法における給与体系の中でやっております。今、管理職の話や、労働基準監督署の話が出ましたが、全国的に医師の管理職処遇については見直しが進んでおりまして、いずれ当院も一律管理職にして特殊勤務手当のみで時間外の手当てをすることについては是正を図らなければならないときが来るだろうと認識しているところです。
また、成果給のことですが、御案内のとおりだと思いますけれども、複数の医師が同一診療科にいる場合おいては、同一大学病院の教室から一定の条件のもとに派遣をされています。
こういった状況の中で、抜本的な出来高手当化については検討しなければいけないことがさまざまあると認識しております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
これをもって、市立病院所管事項を終結いたします。
市立病院退室のため、暫時休憩いたします。(13:06)

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(13:07)
最後に、2その他について、私から皆様にお諮りいたします。
次回の委員会の議事について、協議させていただきたいと思います。
次回は、手術、分娩、検査等の収益に貢献できる件数の実態、医療機器の今後の更新計画、道内の公立病院における経営形態の見直し状況一覧、道内の類似公立病院の経営状況一覧を資料要求することとし、これについて市立病院から報告を受け、質疑することでよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
本日の時点で、新たな資料要求があればお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。(なし)
次に、次回の委員会の開催予定について協議させていただきたいと思います。
日程は、他のスケジュール等との兼ね合いから、8月9日水曜日の午前10時から開催いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
そのほか、各委員から何かございませんか。(なし)
事務局から何かございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(13:09)