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生活福祉常任委員会 平成29年3月9日(木)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年2月22日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(尾田君):ただいまより、生活福祉常任委員会を開会いたします。(9:59)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、傍聴希望者がおり、入室を許可いたしましたので報告いたします。
傍聴者入室のため、暫時休憩いたします。(9:59)

委員長(尾田君):委員会を再開いたします。(10:00)
1付託案件の審査、(1)陳情第1号 江別市立病院の経営健全化についてを議題といたします。
これより、陳情第1号の結審を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。(異議なし)
御異議なしと認め、直ちに、討論、採決を行います。
これより、陳情第1号に対する討論に入ります。
討論ありませんか。

齊藤佐知子君:陳情第1号 江別市立病院の経営健全化について、趣旨採択の立場で討論に参加いたします。
公立病院の現状は、地域における基幹的な公的医療機関として、地域医療確保のため重要な役割を果たしているものの、依然として厳しい経営状況の中、人口減少、少子高齢化が急速に進む中で、医療需要は大きく変化することが見込まれており、地域ごとに適切な医療提供体制の再構築に取り組んでいくことがますます重要となっております。
国においては、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、地域医療構想の策定、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律、いわゆる医療介護総合確保推進法が施行され、今後の公立病院の改革のあり方は、こうした医療制度改革と密接な関連があり、十分に連携をとって進めていかなければなりません。
このようなことから、北海道では地域医療構想の策定が進められおり、これを受けて江別市立病院においても新公立病院改革プランの策定をしているところです。
北海道地域医療構想では、札幌医療圏で今後、超高齢化社会が進行する中、急性期医療から在宅復帰につなげる回復期機能を担う医療機関が求められることになり、回復期機能を担う医療機関の必要性が今後高まることを想定し、江別市立病院としても一定のニーズを満たすことも考えていかなければなりません。
札幌医療圏にある江別市立病院は、地域の基幹的医療機関として、同時に、急性期医療を提供する一般病棟と、急性期の治療に一定のめどがついた後、在宅復帰に向けた調整を行うための地域包括ケア病棟の機能を有して、今後求められる医療機関としての役割を満たしていくこととしています。
江別市立病院の経営健全化に向けて、これまでも議会として議論してきたと認識しております。本陳情に示された趣旨に関しては十分理解するとともに、今後の国や北海道の医療環境の動向を踏まえて、江別市立病院の経営健全化に向けた議会議論については必要と考えることから、陳情第1号 江別市立病院の経営健全化について、趣旨採択の立場での討論といたします。

委員長(尾田君):ほかに討論ありませんか。

角田君:陳情第1号 江別市立病院の経営健全化について、採択すべきとの立場での討論を行います。
本陳情は、江別市立病院の経営が極めて深刻な状況にあり、市の財政健全化の視点から考えて次世代に多大なる禍根を残すとの思いで、二元代表制の一翼を担う江別市議会に市立病院経営の早期健全化に向けて、4項目についての事例を示し、審査を行うことを求める陳情であります。
江別市立病院の経営状況は、これまでの決算状況や、結果として生じた累積欠損金、昨年度実施された7億5,000万円の一般会計からの借り入れなど、実に厳しい状況下にあることは、共通の認識であると考えるところであります。
加え、国においては医療介護総合確保推進法の公布により、各都道府県が二次医療圏ごとに将来の医療提供体制を描く地域医療構想の策定に向けた取り組みをスタートし、先ごろ北海道より示されたところであり、これに基づき江別市立病院においても新公立病院改革プランの策定を進めているところであります。
さらに、平成30年度には介護報酬・診療報酬の同時改定のみならず、第7次医療計画、第7期介護保険事業(支援)計画、第3期医療費適正化計画のスタートとなり、医療介護総合確保促進会議での検討結果が踏まえられた地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針での方向性では、二次医療圏の医療機能の必要量に応じた医療提供体制を推進するとした病床機能の分化・連携、在宅医療の推進、介護との連携等、抜本的な医療制度改革が予測されています。
現在検討中の総務省による地域医療の確保と公立病院改革の推進に関する調査研究会では、民間病院とのネットワーク化を含めた医療圏域内での公立病院の役割の明確化、医師確保・偏在是正の取り組みなどの医療施策や地方財政措置の効果、持続可能性のある病院経営の検討が論点として示されております。
このような医療制度改革の方向性は、公立病院、とりわけ札幌医療圏に位置する江別市立病院は、圏内における医療提供体制を考慮すると、今後さらに厳しい環境下で経営再建に対応していかなければなりません。
陳情者が示された市立病院の早期健全化に向けての4項目への認識は、それぞれの委員、議員により異なっていることは理解するところであります。
しかし、今般の陳情が、市民からの市立病院経営への危機感、危惧の表明であり、認識の違いがあったとしても、示された4項目を含め、現在進められているさまざまな経営改善・改革の計画に対しても、その時々の医療制度改革や市立病院が置かれている環境の変化に合わせ調査・検討を進める中で、改めて審査を重ねる必要性があること、また、その審査を通じ、市民との情報と認識の共有を図る必要性があると考えるところであり、加え、市立病院に対し、より集中的に、かつ専門的に審査や検討・研究を行うことは、市民にとって安定した持続性のある医療環境を維持するために、議会が果たすべき役割と責務であると考えますことから、本陳情を採択すべきものであるとの討論といたします。

委員長(尾田君):ほかに討論ありませんか。

赤坂君:陳情第1号 江別市立病院の経営健全化について、趣旨採択の立場で討論いたします。
趣旨採択の理由は、第1に陳情書の前文には、尋常な手法での真の経営健全化は不可能であり、経営形態の抜本的見直しのプラン化が必要不可欠であるとしています。
既に、市は新公立病院改革プラン素案を作成し、パブリックコメントを求め、年度内に成案を得る運びとなっています。経営形態については国は5例を示し、市も同様の姿勢であり、これがスタート地点と思料いたします。よって、今後さまざまな角度から真摯に議論すべきであり、現時点で必要不可欠の段階には立てないことであります。
第2に、陳情の記書きの1にあります、公立病院として果たすべき使命・機能に関する基本理念が希薄であり、それを確立されたいとする点についてであります。参考人質疑で多くの時間をかけ、消防や救急業務を具体例に、経費イコールコスト論として、民間の医療機関に診療科のないものは経費として市立病院で、民間の医療機関にあるものは民間の医療機関へと説明されています。市立病院の救急の受け入れは、入院対応も含め、日中はほぼ全科の診療にわたりますが、他方、市内の民間の医療機関では、小児科、産科、精神科は窓口がないと思われます。これら民間の医療機関では診察してくれない診療部門は、一般論として経費との説明をいただきました。
また、この経営理念はイコール憲法との説明をいただきましたが、この説明には飛躍があり無理があると考えます。一つに、仮に民間の医療機関でも内科を受け持っていますが、市立病院も内科は窓口であり、他科との相互連携部門となっています。これを経費論で民間の医療機関にもあるから委ねるとすれば、市立病院の壊滅を意味するものと考えます。
さらに、国は不採算部門の支援として繰出基準を定め、自治体への交付税措置を定めていますが、これすら否定することになりかねず、以上2点から、無理があると考えます。
しかし、市は江別市立病院経営健全化計画を立て、平成23年度と25年度に収益を計上したものの、毎年度交付税措置を含め14億円の支援にもかかわらず、平成27年度末累積欠損金が78億円にも及び、さらに、平成21年度、平成22年度と過去2回の不良債務解消に向けた支援のほか、平成27年度に7億5,000万円の貸し付けを余儀なくされ、尋常の域を超えていることも事実であり、一般会計への影響も大きいと言えます。
医療は、言うまでもなく包括払い制度による診療報酬制度で成り立ち、昨年、江別市立病院もDPC方式を導入しましたが、複雑な制約の中にあるほか、2018年の診療報酬改定を見据えると、とりわけ地域包括ケア病棟における病床利用率の向上は不可避であり、収益増に向けた条件整備とその克服が喫緊の課題であります。
他方、入院・外来の患者増の医療収益の根幹となる医師の確保について、研修医制度の導入により、その確保・定着化は厳しさを増し、この公的病院の使命を確立するため、一般会計からの支援を余儀なくされてきました。
平成25年度に繰出金を充てながらも純益を計上したことは、1日平均の入院・外来患者数増と80%を超える病床利用率を確保できたことの証左であり、関係者の努力の結果です。このため、病院の再生には何よりも専門医の確保、医師の固定化が不可欠であり、その道筋と行程が明確にされなければならず、その延長線上にさまざまな論議があると考えます。
2018年には、2025年を想定した診療報酬と介護報酬の同時改定も予定されます。
社会保障と税の一体改革の中で、課題と問題点もありますが、国は医療費抑制政策を柱として医療・介護連携を一層推進するとのことであります。札幌圏の地域医療構想では、回復期の病床が不足し、急性期からの転換が必要とあります。これが2018年の診療報酬・介護報酬改定を見据えてどう連動するか、大きな転換期となります。これらの動向をしっかりと見きわめる必要があります。
最後に、陳情の記書きの4についてです。今、即実行されなければならないことは何か。陳情者が述べられているように、情報の開示と共有は不可欠の課題です。
まず、市立病院の経営危機について、第1に現場の職員はもとより、全庁的に経営状態を熟知すべきであり、当然に広報誌はもとより、インターネットでも市民にわかりやすく開示すべきであります。
会派としても、これまで求めてまいりましたが、これを怠ってきた市長、病院関係者に猛省を求め、速やかに開示することを求めます。
最後に、次世代に責任を持てる市政懇談会の高田代表を初め、会員の皆様にお礼を申し上げます。
皆様が、江別市の将来、財政が危ういと思い、さまざまな角度から情報を収集され、議論の上、経費論と経営形態論を構築され、やむに止まれぬ思いで本陳情を提出されたことは、深く相通じるものがあり、改めて感謝申し上げる次第です。
その思いを反すうし、高齢化が急激に進行する中、良質な医療を提供するためには、医師の安定確保と診療科の充実が市立病院に不可欠です。
経営の健全化に向け、今後、専属的な場で議論ができるよう努力していくことを申し上げ、趣旨採択とすべき立場での討論といたします。

委員長(尾田君):ほかに討論ありませんか。(なし)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、陳情第1号を挙手により採決いたします。
ただいまの討論中、趣旨採択とすべきとの御意見と、採択すべきとの御意見がありますので、初めに、陳情第1号を趣旨採択とすることについて、採決いたします。
陳情第1号は、趣旨採択とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
挙手多数であります。(島田委員、清水委員、角田委員以外挙手)
よって、陳情第1号は、趣旨採択とすべきものと決しました。
本日結審を行いました陳情第1号及び先日結審いたしました議案第9号に係る審査結果報告につきましては、委員会での審査経過や結審内容を踏まえ、正副委員長で協議の上、作成いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次に、2の閉会中の所管事務調査(案)についてでありますが、記載の4項目について、議長に申し出いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
最後に、3のその他について、各委員からございませんか。(なし)
事務局からございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(10:16)