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総務文教常任委員会 平成29年9月11日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年2月22日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(島田君):ただいまより、総務文教常任委員会を開会いたします。(10:00)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり進めてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、傍聴希望者がおり、入室を許可いたしましたので報告いたします。
傍聴者入室のため、暫時休憩いたします。(10:00)

委員長(島田君):委員会を再開いたします。(10:00)
1付託案件の審査、(1)議案第60号 江別市企業立地促進のための固定資産税の課税免除に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
これより、議案第60号の結審を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。(異議なし)
御異議なしと認め、直ちに、討論、採決を行います。
これより、議案第60号に対する討論に入ります。
討論ありませんか。(なし)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第60号を挙手により採決いたします。
議案第60号は、原案のとおり可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
挙手全員であります。
よって、議案第60号は、原案のとおり可決すべきものと決しました。
次に、(2)請願第1号 「改正組織的犯罪処罰法」(共謀罪法)廃止の意見書提出を求めることについてを議題といたします。
これより、請願第1号の結審を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。(異議なし)
御異議なしと認め、直ちに、討論、採決を行います。
これより、請願第1号に対する討論に入ります。
討論ありませんか。

相馬君:請願第1号 「改正組織的犯罪処罰法」(共謀罪法)廃止の意見書提出を求めることについて、不採択の立場で討論に参加します。
最初に、この法律は、テロなど組織的な重大犯罪を防ぐため、それを計画・準備した段階で処罰できるようにするテロ等準備罪新設のための改正組織的犯罪処罰法(テロ等準備罪法)で、共謀罪法ではありません。
2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、テロ対策は喫緊の課題です。国際的なテロ集団が、多くの事件を各国で引き起こし、市民がその犠牲になっています。テロの未然防止には、国際的な情報交換や捜査協力が不可欠ですが、そのためにはTOC条約への加盟が必要となります。この条約は加盟の条件として、重大犯罪の合意段階で処罰する国内法の整備を求めており、テロ等準備罪法は、その要請に沿って制定されました。
テロ等準備罪法は、テロ組織など組織的犯罪集団の構成員が2人以上で組織的な重大犯罪を具体的・現実的に計画し、さらに計画実行のための下見や凶器購入といった具体的な実行準備行為があって初めて処罰するということです。テロ等準備罪を、計画を共謀しただけで処罰する共謀罪であるかのような報道や一部野党の主張もありますが、全く異なります。
10年前に廃案となった共謀罪は、犯罪をする合意があれば処罰できるとしていましたが、テロ等準備罪は合意に当たる計画をしただけでは処罰できず、犯罪を実行するための下見など実行準備行為が必要とされます。あくまでも行為に重点が置かれ、内心の思想や良心を処罰することはできません。
テロ等準備罪の犯罪主体は、テロ組織や暴力団、薬物密売組織など重大な犯罪を目的とする組織的犯罪集団に限定されました。また、この法律によって、常時から警察が一般人へのインターネット監視や、盗聴が可能となることはありません。捜査機関が犯罪の嫌疑があると認めた場合でなければ、捜査を開始することはできません。
一般人は当然として、民間団体や労働組合が対象になることはあり得ません。
さらに、テロ等準備罪の捜査は通信傍受法の対象犯罪ではないため、政府は電話やメールが傍受されることもないと明言しています。逮捕など強制捜査には普通の犯罪と同様に、裁判所の令状が必要で、警察が嫌疑もなしに令状を請求しても裁判所は絶対に認めません。
今回、共謀罪とは異なるテロ等準備罪となったことで、公明党が中心になって、対象となる犯罪を絞り込みました。
組織的犯罪集団として法文上で定義をはっきりとさせ、この明確な定義に沿って、組織的犯罪集団が計画して進めることが現実的にあり得ないような犯罪を、676の対象犯罪から除くことができるようになりました。こうした検討の結果、対象犯罪が676から277に減ったのです。
こうして、テロ等準備罪は、対象犯罪をできるだけ減らしました。また、合意だけでは犯罪とはならず、実際の準備行為までを必要としました。
同法が、組織的犯罪集団、計画、実行準備行為を処罰の条件にしたことについては、中央大学大学院法務研究科の井田良教授は、衆議院法務委員会の参考人質疑で三重の限定と評価しています。
テロ対策として必要だと国連も認めるTOC条約を、世界のほとんどの国が締結する中、日本はまだ締結できていませんでした。2014年6月には、テロ資金供与対策を協議する政府間会合の金融活動作業部会(FATF)で日本が名指しで、TOC条約締結に必要な国内法の整備を行うよう勧告されました。全くの、異例の勧告でした。
このTOC条約の締結によって、テロ対策のため、各国の警察や捜査機関同士の協力が進みます。日常的に情報交換も進み、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、世界と協力してテロ対策を行っていくことが、国際社会からも強く求められています。
以上のように、本陳情は、既に国会で可決したこと。また、政府の丁寧な説明は必要であると考えますが、陳情理由のかなめとなる重要な部分で誤解を生じていることから、請願第1号 「改正組織的犯罪処罰法」(共謀罪法)廃止の意見書提出を求めることについて、不採択の立場での討論といたします。

委員長(島田君):ほかに討論ありませんか。

干場君:請願第1号 「改正組織的犯罪処罰法」(共謀罪法)廃止の意見書提出を求めることについて、採択すべき立場で討論いたします。
犯罪を計画段階から処罰できるようにする共謀罪の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法が6月15日、参議院本会議で自民・公明・日本維新の会などの賛成多数で可決、成立しました。同法は、共謀の文言は使っていませんが、専門家も認めるとおり過去3度国会に提出されながら国民の大きな反対によって廃案となったいわゆる共謀罪法案そのものです。共謀罪は相談や合意だけでなく、準備行為を加えて処罰条件を限定するとしていますが、どのような相談や準備が犯罪になるかは捜査機関の裁量に委ねられ、憲法が保障する思想・信条の自由や言論の自由を奪う違憲立法であると同時に、刑法の土台を根底から覆すものです。
政府は、国際組織犯罪防止条約(TOC条約)批准のために必要だとしていますが、そもそもこの国際条約はアメリカ同時多発テロ以前につくられたものであり、マフィア等の組織的な犯罪を対象としたものでした。日本弁護士連合会が指摘しているように、条約批准は共謀罪法がなくても十分可能です。実際に条約を批准した187カ国のうち、法整備をした国は2カ国で、ノルウェーとブルガリアだけです。しかも、日本はテロ防止のための13の国際条約を締結しています。さらに政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを開催できない可能性があるとして世論の同意を誘導し説明しましたが、組織的な犯罪が行われた場合でも現行の国内法で十分に対応可能です。
共謀罪について、政府は、当初676とされていた対象犯罪を277に絞り込んだこと、あくまでも犯罪主体は組織的犯罪集団に限定していること、計画が存在し準備行為がなされることを処罰条件とすることを挙げて、人権侵害などにつながるものではないと主張しています。
しかし、277でも多過ぎ、なぜ277に絞り込んだのかの線引きの説明は曖昧なままであり、中には一般市民も関与し得る犯罪もあります。また、法の目的にテロの文言がないにもかかわらず、条文には組織的犯罪集団にテロリズム集団その他のという文言が記載されており、その他の部分は捜査機関により幾らでも恣意的に解釈される危険性があります。
国会答弁で、いわゆる普通の団体でも性質が変わったと認められた場合は処罰対象であると明言されています。性質の変化も捜査機関が決めるのです。原発や米軍基地の問題に取り組んだり、巨大開発に反対する環境保護の活動団体も威力業務妨害で処罰対象団体とされかねません。そして、計画や準備行為について、金田法務大臣はメールやラインLINEでも犯罪の合意が成立することはあり得る。合意と準備行為の判断は捜査機関がすると国会で明言しているのです。実際の犯罪には至らなくとも、内心の合意だけで処罰につなげる、そのためには市民生活のあらゆる局面での徹底した監視が不可欠となります。日本弁護士連合会など法曹関係者が主張し続けている刑法体系の変容はもとより、息苦しい監視社会の強化により、憲法で保障された思想信条と表現の自由、主権者としての人権が権力者の思惑で圧殺されかねないことを強く懸念します。
このような問題、矛盾を抱えているにもかかわらず国民への説明が不十分なまま、禁じ手とも呼ばれる中間報告によって強引に成立させたことは断じて認めることはできません。共謀罪の狙いは、広く市民や団体を監視下に置き、さまざまな口実をつけて取り締まることであり、現代版治安維持法ともいうべきものと言わざるを得ず、戦前、治安維持法を根拠にして多くの市民や団体が弾圧され、国民を戦争へと駆り立てていった歴史を繰り返すことにほかなりません。監視社会に道を開く、違憲立法である共謀罪法は廃止すべきです。
以上のことから、請願第1号 「改正組織的犯罪処罰法」(共謀罪法)廃止の意見書提出を求めることについて、採択の立場での討論といたします。

委員長(島田君):ほかに討論ありませんか。

本間君:請願第1号 「改正組織的犯罪処罰法」(共謀罪法)廃止の意見書提出を求めることについて、不採択の立場で討論に参加いたします。
2000年の国連総会で、国境を越える組織犯罪への対応として国際組織犯罪防止条約が採択され、2003年に発効しました。
その上で、今回の改正組織的犯罪処罰法(テロ等準備罪)は、テロを含む組織的な重大犯罪を未然に防ぎ、国民の生命、安全の確保に万全を期すとともに、国際社会との連携を強化することが目的で、既に187の国や地域が加盟している国際組織犯罪防止条約(TOC条約)の締結に必要な国内法の整備であります。
この条約は、加盟条件に犯罪を合意段階で処罰する国内法の整備を求めており、G7の中で、唯一条約を締結していない我が国は、国際社会から繰り返し、早期の条約締結を促されてきました。
この条約の締結により、捜査、司法当局との直接のやり取りが可能となり、捜査共助の迅速化と充実、日常的なこれまで以上の情報交換の促進、逃亡犯罪人引渡し等の実効性が高まることとなります。
このテロ等準備罪が成立するためには、三つの要件があります。
かつての共謀罪と少し比較しますと、その対象が団体となっていましたが、今回の法律では、テロ組織や暴力団、薬物密売組織といった組織的犯罪集団と対象を限定し、一般の会社や市民団体、労働組合、サークルなどの正当な活動を行っている団体は、当然、犯罪を行うことを目的としておらず、捜査対象にならないように要件が厳格化されております。
また、構成員が2人以上で重大犯罪を計画した場合、共謀罪では共謀となっていたものを、この法律では計画と位置づけ、共謀罪では規定のなかった準備行為という客観的な事実がある場合に処罰対象としました。
こうしたことから、以前の共謀罪よりも犯罪成立の条件がかなり厳しくなり、市民団体などが捜査対象になる懸念は払拭されております。
そして対象となる犯罪は死刑、無期懲役、または4年以上の懲役、禁固の罪で、摘発の対象となるのは組織的犯罪集団のみ、新設の証人等買収罪のほか277の罪に限定されました。
さらに捜査には裁判所の令状も必要となることから、警察権の濫用とまではいかないと考えます。
政府は犯罪の計画だけでは処罰せず、実行準備行為があって初めて処罰対象とし、内心を処罰するものではなく、処罰範囲も限定し、かつての共謀罪とは大きく異なると明言しております。
治安維持法との比較においては、当時は日ソ基本条約や太平洋戦争直前などの時代背景があったことを加味しなければなりません。さらには、現在は団結の自由を制限されているわけでもありません。
世界では、日本で考えにくい大きな犯罪が蔓延しています。日本においてもテロ等の犯罪がいつ、どこで起きても不思議ではなく、組織犯罪のテロは規模が大きいため、発生すると多くの人が犠牲になります。
最後になりますが、以前の共謀罪と比較して、犯罪成立の要件が明確化してはまいりましたが、取り締まる側がきちんと精査できるのかなど、まだまだ政府の説明に不十分な部分があることは一定の理解をいたします。今後、政府には、引き続き国民への丁寧なわかりやすい説明に期待をし、請願第1号への不採択の討論といたします。

委員長(島田君):ほかに討論ありませんか。

齋藤一君:請願第1号 「改正組織的犯罪処罰法」(共謀罪法)廃止の意見書提出を求めることについて、採択すべき立場から討論します。
改正組織的犯罪処罰法、いわゆる共謀罪法は、請願で述べられているように、委員会での審議・採決を省略し、ことしの6月15日に参議院本会議にて強行成立されました。
国はテロ等準備罪の成立要件を示しています。委員会提出資料によると、一つ、組織的犯罪集団が関与すること、二つ、犯罪の実行を2人以上で計画すること、三つ、計画に基づき実行準備行為が行われること、以上3要件を全て満たした場合としています。
この中で、一つ目について、組織的犯罪集団かどうかを判断するのは警察もしくは捜査機関であるということは、それらの機関が組織的犯罪集団とみなせばどんな組織であれ、その対象となり得るということです。
また、市民団体やそれらに付随する組織に対する日常的な監視につながりかねず、憲法第21条で保障された結社の自由などへの侵害となる可能性があるということが、自由法曹団の共謀罪に反対する意見書の中でも指摘されています。
また、同意見書では、これら三つの要件が全て満たされた場合についても、違法行為がその時点で既に行われている場合を除き、犯罪が行われていない状況で法の適用ができるということは、思想や内心を罰しないという刑法の原則に反するものとなり、具現化していない計画、すなわち内心を罰することは、思想及び良心の自由は、これを侵してはならないとする憲法第19条に違反するものと指摘しています。審査における自由討議で、違憲立法であれば憲法審査会や法務委員会で意見や指摘があるはずという発言もありましたが、冒頭に述べたとおり、委員会の審議は打ち切られ、また、参議院憲法審査会も中止になっており、実質的な討議は行われていないと新聞等で報道されています。
自由討議では、テロ等準備罪と国際組織犯罪防止条約(TOC条約)について、議論があり、提出資料の中で、テロ等準備罪は同条約を締結するために設けられたものと説明があります。政府の説明でも、TOC条約を結ぶためにテロ等準備罪が必要だとしてきましたが、そもそもTOC条約ではテロリズムは対象となっておらず、同条約をめぐっては、2000年7月に行われた国連の起草委員会において当時の日本政府は、他の主要国とともにテロリズムは対象とすべきでないと主張しています。
また、国連特別報告者が内閣に対し、共謀罪法案は他の法律と組み合わせて幅広い適用が行われる可能性があり、プライバシーの権利やその他の基本的な国民の自由の行使に深刻な影響を及ぼすと指摘しました。特に、共謀罪の成立要件とされる計画と準備行為の定義が漠然としていることや、対象となる犯罪に明らかにテロや組織犯罪とは無関係な犯罪が含まれているといった問題点を挙げ、どんな行為が処罰の対象になるか非常に幅広く解釈されるおそれがあり、刑法の原則として求められる明確性に適合していないと懸念を表明しましたが、回答書が国連人権高等弁務官事務所に提出されたのは懸念表明から約3カ月たった8月21日でした。国会閉会後に回答を提出するという政府のやり方は、国際社会に対しても真摯さを欠くものだと言えます。
請願者は陳述において、この共謀罪法は、戦前の治安維持法が成立したときと状況が似ており、このままでは治安維持法のときと同様に多くの市民が冤罪等によって被害に遭ってしまうのではないかと懸念を示していました。自由討議ではこの点について、時代や情勢の背景が治安維持法が成立した当時とは違うとの意見がありましたが、さきに述べたように警察もしくは捜査機関が、適用者を決められる仕組みとなっているこの共謀罪で、治安維持法と同様に実際の犯罪とは無関係の市民が犯罪者とされてしまう危険性は否定できないものと言えます。以上のことからも改正組織的犯罪処罰法(共謀罪法)は廃止すべきだと考えます。
以上、請願第1号 「改正組織的犯罪処罰法」(共謀罪法)廃止の意見書提出を求めることについて、採決すべき立場からの討論といたします。

委員長(島田君):ほかに討論ありませんか。(なし)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、請願第1号を挙手により採決いたします。
請願第1号は、採択することに賛成の委員の挙手を求めます。
挙手少数であります。(岡村委員、齋藤一委員及び干場委員挙手)
念のためお諮りいたします。
請願第1号は、不採択とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
挙手多数であります。(岡村委員、齋藤一委員及び干場委員以外挙手)
よって、請願第1号は、不採択とすべきものと決しました。
次に、(3)陳情第3号 日本政府に「核兵器禁止条約に参加することを求める」意見書の提出を求めることについてを議題といたします。
これより、陳情第3号の結審を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。(異議なし)
御異議なしと認め、直ちに、討論、採決を行います。
これより、陳情第3号に対する討論に入ります。
討論ありませんか。

角田君:陳情第3号 日本政府に「核兵器禁止条約に参加することを求める」意見書の提出を求めることについて、不採択の立場で討論を行います。
まず、日本政府は、核兵器のない世界に近づけるためには、核兵器使用の非人道性に対する正しい認識と厳しい安全保障環境に対する冷静な認識という二つの認識を踏まえた上で、核兵器国と非核兵器国双方を巻き込んだ現実的かつ実践的な措置を積み重ねることが重要であり、これが最も効果的であることを一貫して主張し、国際社会の場においてこれまでも積極的に取り組んできております。
具体的には、核兵器不拡散条約(NPT)の強化に向けて、非核兵器国12カ国からなる軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)を主導し、具体的な提案によるNPT運用検討プロセスに貢献するほか、日本は、核兵器国に対し数値情報を伴う定期的報告を要求しています。
国連総会において、核廃絶決議を23年連続で提出し、全てではないが核保有国も共同提案や賛同しています。
182カ国が署名し、157カ国が批准しているが、核兵器保有国を含む44カ国の発効要件国での批准が完了していないため未発効である包括的核実験禁止条約(CTBT)に対しては、早期発効に向けた20年にわたる外交努力に加え、技術面、財政面の積極的貢献をしております。また、核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始においても、二国間協議や専門家会合の開催等実現のために尽力しております。
さらに、核軍縮検証のための国際パートナーシップ(IPNDV)の活動に貢献するなど、これまでも核兵器国の関与を得たアプローチを進めてきており、広島県広島市で開催されたG7外相会議においても、核兵器国と非核兵器国が共同で、核兵器の削減に関する永続的で積極的な指示や、個別の核軍縮措置への政治的コミットメントを確認しているなど、核廃絶に対し積極的な関与と行動を現在においても実践しています。
一方で、NPTは、核廃絶を目指すものではなく、核兵器国に義務を課していない、あるいは、核軍縮と核廃絶へは不十分で進度も低調であるとの批判は理解できるものであり、今般の核兵器禁止条約が提案される要因となったことも否定するものではないが、NPTは条約第6条の規定に基づき、核兵器国に核軍縮の法的義務を課し、その実施方法を5年ごとに開催される運用検討会議で検討し、その決定した内容の履行を繰り返すことで核廃絶の実現の道を開くというプロセスを整備しており、NPTの枠内においては、核兵器国も核軍縮と核兵器廃絶に法的に合意しているものと考えられるものであります。
今般の核兵器禁止条約は、条約構想段階より核兵器国の不参加が明言されており、また核兵器国や核兵器保有国の同意が条約発効条件になっていません。
これは核兵器国やその安全保障に依存する国などの状況は顧みられることがなく、核廃絶が絶対化され、これに同意せよと核兵器国に迫ることにもつながります。
これが現実に核廃絶につながるかは、朝鮮半島非核化の理想と安全保障上で核兵器が必要と考える北朝鮮の動向に鑑みると、疑問が生じるところであります。
核抑止論を自国の安全保障の柱としている国が存在する現状においては、核兵器禁止条約における核廃絶の絶対化は、日本政府が懸念するように、核兵器による安全保障上の意義を受容する国とそれ以外とに国際社会を二分する結果につながり、結果として、核廃絶に向けた意識、規範の醸成や共有を困難とし、その両者の対話や交渉を通じての歩み寄りが困難となるおそれを生じさせます。このことは、これまで進めてきたNPTの影響をさらに低下させ、核軍縮、核廃絶の現状ある手段をも停滞・喪失させかねません。
今回の核兵器禁止条約は、その理想とするものは是とするものの、日本政府としては、条約に参加するのではなく、これまで進めてきた現実的かつ実践的な行動をもって、核兵器国と非核兵器国の双方を含む国際社会に、核廃絶に向けた意識・規範の醸成や共有、対話と協力を促す役割を継続することが、早期の核軍縮・核廃絶につながると判断するものであり、政府の条約に対する態度に賛同するものであります。
よって、本陳情について不採択とすべき立場での討論といたします。

委員長(島田君):ほかに討論ありませんか。

齋藤一君:陳情第3号 日本政府に「核兵器禁止条約に参加することを求める」意見書の提出を求めることについて、採択すべき立場から討論いたします。
核兵器禁止条約は陳情書にもあるように、ことし7月7日、ニューヨークの国連本部で開かれていた交渉会議で、122カ国の圧倒的多数の賛成で採択されました。
委員会に提出された核兵器禁止条約の和訳文では、核兵器の使用がもたらす破滅的な人道的結果を深く憂慮し、核兵器完全廃棄は、核兵器が二度と使用されないことを保障する唯一の方法だということ、また、法的拘束力を持つ核兵器の禁止は、核兵器のない世界の実現と維持への重要な貢献となることを認識し、その目的のために行動することを決意すること、核兵器完全廃絶を進める市民的良心の役割を強調し、そのための国連、非政府組織、ヒバクシャなどの取り組みを認識することが記載されています。
また、第1条の禁止事項では、核兵器の開発、実験、生産、製造、取得、保有、貯蔵。核兵器の移転の禁止。核兵器の受領の禁止。核兵器の使用、使用の威嚇の禁止。条約で禁止された活動の援助、奨励、勧誘。条約で禁止された活動についての援助の要請、受け取り。自国領域・管理地域での核兵器の配置、設置、配備の許可の禁止、以上の行為が挙げられています。
日本政府は核兵器禁止条約交渉第1会議において、禁止条約が作成されたとしても、北朝鮮の脅威といった現実の安全保障問題の解決に結びつくとも思えないとし、国連総会の決議に対して反対票を投じました。委員会における自由討議の中で、核保有国も参加した形で、具体的な方法で取り組むべきだとの意見がありましたが、その一方で、戦争被爆国として日本も参加するべきだという意見もありました。
また、当市の三好市長も参加している平和首長会議で採択されたナガサキアピールでも、NPTを遵守するとともに核兵器禁止条約は核兵器廃絶実現のための将来の包括的核兵器禁止条約に向けた重要な一歩であるとし、参加することを強く求めています。
唯一の戦争被爆国である日本だからこそ、核兵器の廃絶のためにも、国際社会の先頭に立って、積極的にこの核兵器禁止条約に参加するべきだと考えます。
以上、陳情第3号 日本政府に「核兵器禁止条約に参加することを求める」意見書の提出を求めることについて、採択すべき立場からの討論といたします。

委員長(島田君):ほかに討論ありませんか。

岡村君:陳情第3号 日本政府に「核兵器禁止条約に参加することを求める」意見書の提出を求めることについて、全面的に賛同する立場から討論いたします。
地球上に核兵器が誕生してから初めて、その核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約が国連加盟国122カ国が賛成し採択されました。
これまで、核軍縮は、NPT、核不拡散条約のもとで、核保有国には核兵器の削減を求める一方、そのほかの国々には核兵器の保有や拡散を禁止してきました。しかし、40年以上がたっても核軍縮が進まない現状に不満を抱く国々から、従来の枠組みでの核軍縮には限界があるとして、NPTを補完する位置づけで、核兵器の非人道性を根拠に法的に禁止すべきだとの議論から核兵器禁止条約制定作業に入っております。
核なき世界に向け、100を超える非核保有国や市民団体が参加し、条約制定を目指す交渉会議が開かれ、3月には、日本政府代表と被爆者の演説が世界から注目されております。
先に演説した日本政府代表からは、交渉会議不参加が表明され、被爆者からは、日本政府の発言を強く非難し、経験したこの苦しみを再び誰にも経験させてはならないと訴え、この条約は世界を変えることができ、必ず変えると確信していると発言されております。
国連の各国政府代表団の前で、演説を聞いた世界の人たちにはどのように写ったのでしょうか。
参加国からは、日本は原爆の惨禍に苦しんだ唯一の国であり、だからこそ日本と一緒に核兵器の禁止に取り組みたいと述べられ、戦争被爆国としての役割を果たすことに期待されていましたが、交渉にも参加せず、条約の採択にも加わりませんでした。
被爆地広島・長崎の市長は、国連で採択された核兵器禁止条約を高く評価し、被爆者の努力が形になった条約である。いかに生かすか人類に問われていると条約の意義や課題に取り組んでいく決意を表明されております。
交渉にも参加しない政府の姿勢を被爆地は到底理解できないと厳しく批判し、参加を迫りました。また、被爆者団体と安倍首相との面会では、被爆者から、条約不参加に強く抗議があり、あなたは、私たちの苦しみを感じていますか、私たちを見捨てるのですか、あなたはどこの国の総理ですかと問いただされたそうです。高齢化が進む被爆者の切迫した願いは届かなかったと言われています。
核保有国やその同盟国は、条約は現実を無視していると非難しています。実質的な核軍縮につなげるには、核保有国にも条約入りを求めていく役割を真っ先に担うのが、被爆国の日本であるはずです。
核兵器の廃絶を求める国際世論に背を向ける日本政府の態度は、どんな理由を語ろうが、道理も道義もありません。日本が核廃絶の先頭に立って行動しない限り、北朝鮮等の脅威を理由に核保有国と一緒になって、何を言っても説得力はないし世界は協調してくれません。
国連の交渉会議をボイコットした日本政府代表の空席となったテーブルには、大きな灰色の折り鶴が置かれていたと言われています。左の翼には、核禁止、右の翼には、あなたにここにいてほしかったと書かれていたそうです。
世界唯一の被爆国である日本は、核のない世界を目指す姿勢を積極的に発信し、核兵器禁止条約に参加することを求めている陳情第3号に賛同し、採択すべき立場での討論といたします。

委員長(島田君):ほかに討論ありませんか。(なし)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、陳情第3号を挙手により採決いたします。
陳情第3号は、採択することに賛成の委員の挙手を求めます。
挙手4名であります。(岡村委員、齋藤一委員、干場委員、本間委員挙手)
念のためお諮りいたします。
陳情第3号は、不採択とすることに賛成の委員の挙手を求めます。
挙手4名であります。(徳田委員、相馬委員、角田委員、宮本委員挙手)
採択・不採択は同数であります。
採択・不採択同数のため、委員会条例第15条の規定により、委員長において本件を決します。
陳情第3号について、委員長は、不採択とすべきものと決します。
本日結審を行いました議案、請願及び陳情の審査結果報告につきましては、委員会での審査経過や結審内容を踏まえて、正副委員長で協議の上、作成いたしたいと思いますが、御一任いただけますでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次に、2の閉会中の所管事務調査(案)については、行財政運営について、及び教育行政についての2件について、議長に申し出いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
最後に、3のその他について、各委員からございませんか。(なし)
事務局からございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(10:40)