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市立病院・地域医療検討特別委員会 平成30年9月11日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年1月25日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(清水君):ただいまより、市立病院・地域医療検討特別委員会を開会いたします。(10:00)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり進めてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
市立病院入室のため、暫時休憩いたします。(10:00)

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(10:01)
1付託案件の審査、(1)議案第57号 江別市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
本件に対する説明を求めます。

管理課長:議案第57号 江別市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例の制定について御説明申し上げます。
資料の1ページをお開き願います。
こちらは、昨日の本会議にて御説明いたしました提案理由説明書の写しでございますので、後ほど御参照願います。
次に、資料の2ページをお開き願います。
まず、1改正理由についてでございますが、市立病院の病棟勤務の助産師、看護師及び准看護師について、柔軟な勤務体制を可能とするため、医療業務手当を追加するものであります。
次に、2改正内容でありますが、特殊勤務手当が支給される職員のうち、正規の勤務時間による勤務の全部または一部が深夜において行われる看護または助産の業務に従事した職員に対する手当の額をこの条例の別表に規定しております。
市立病院の病棟勤務の助産師、看護師及び准看護師について、現行の勤務体制は3交代制をとっており、勤務の時間帯により、日勤、準夜勤務、深夜勤務があります。この勤務体制に新たに2交代制を加えまして、準・深夜勤務を新設し、別表の医療業務手当に準・深夜勤務手当を追加するものでございます。
なお、準・深夜勤務手当の額については、人事院規則に準拠しており、準・深夜勤務手当の額を1回につき6,800円とするものであります。
また、準・深夜勤務の時間帯については、午後4時30分から翌日の午前9時までとするものであります。
次に、3施行期日でありますが、平成30年10月1日とするものであります。
なお、資料の3ページ及び4ページに新旧対照表を添付しておりますので、あわせて御参照願います。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの説明に対し、質疑ございませんか。

内山君:今回の特殊勤務手当の改正は、看護職員に影響を与えますが、条例の改正を検討するに当たり、看護職員からどのように意見等を聴取したのでしょうか。

管理課長:今回の条例改正に当たりまして、従来より、ワーク・ライフ・バランスに関する検討を看護部において重ねてまいりました。その中で、平成27年7月から8月にかけまして、ワーク・ライフ・バランスに関するアンケート調査を行いました。このアンケート調査では、今後希望する勤務体制として、当院にはない2交代制で、勤務の時間帯は16時間30分の夜勤と日勤の導入を希望しますかという項目を設け、回答者の28%がこの勤務帯を希望するという結果でした。このような経過を踏まえ、今回の条例改正に至ったところでございます。

内山君:確認ですけれども、平成27年度にアンケート調査を実施したとのことですが、今回の条例改正の内容について、看護職員や江別市職員労働組合から意見を聞いていないのでしょうか。

管理課長:2交代制の導入に当たっては、江別市職員労働組合に申し入れ、協議を重ねてまいりました。
それ以外に、病院内での説明会はまだ行っておりませんが、看護部内では、2交代制の実施が可能かどうかの聞き取りを行っております。

内山君:まず、江別市職員労働組合との協議の中で、今回の条例改正に対する意見等があったのか伺います。

事務局次長:先ほど、管理課長から申し上げたとおり、看護師の夜勤体制については、平成27年度、平成28年度にさまざまな検討を重ねてきた経過がございます。その中で、3交代制の勤務の組み合わせを変える方法を検討し、準夜勤務の早い時間帯の夜勤から遅い時間帯の勤務に移行する取り組みを江別市職員労働組合と重ねた経過がございます。しかし、3交代制しかない中ではなかなかうまくいかず、これ以上は検討を重ねても実施が難しいという結論に至りました。
平成27年度、平成28年度に検討したときには、2交代制の導入についても江別市職員労働組合との協議の俎上にのせましたが、平成21年度に江別市職員労働組合と市立病院が約束を交わした勤務体制は3交代制を原則としましたので、江別市職員労働組合からそれを覆す2交代制は受け入れがたいというお話があり、平成28年度もうまくいかなかったという経過がございます。
今年度、診療報酬改定があり、また、病院長が交代したことを踏まえて、今の医療界のスタンダードに合わせる一環として、2交代制の導入について議会にお諮りしようとするものでございます。
2交代制の導入に当たりましては、江別市職員労働組合に書面で申し入れ、協議を行った経過がございます。直近の協議を本年8月8日に行っておりますが、この協議の場で、2交代制については、平成21年度に交わした約束があるため、受け入れることができないというお話になっておりまして、今のところ、合意を得ておりません。
病院当局といたしましては、2交代制を含む看護職員の勤務体制の見直しは、市立病院の経営や今の医療界の流れに合わせて進めていきたいというものですので、まず、制度自体を導入して2交代制を実施する下地を整えたいと考えております。このことは、江別市職員労働組合にも、このような考えのもと2交代制を導入したいと申し入れております。
改正条例を可決いただき、2交代制の導入が可能になれば、実施に向けて、再度、江別市職員労働組合と協議を行って、具体的に2交代制の導入につなげていきたいと考えているところでございます。

内山君:江別市職員労働組合の合意を得ていない中での条例改正であり、看護職員が完全に納得しているわけではないということでした。一方で、平成27年度のアンケート調査において2交代勤務を希望されている看護職員が、回答者の28%ということです。江別市職員労働組合との交渉はおいておいて、2交代制の導入を希望する人、希望しない人がいる中で、実際の運用はどのように進めていくつもりなのでしょうか。

事務局次長:具体的な運用は、看護部と調整しながら進めたいと思っておりますが、今の考えはあくまでも2交代制を導入するということでございます。先ほど、管理課長が申し上げたとおり、実際に夜勤を行う看護職員の中に2交代勤務を希望する看護職員がいる一方で、今の3交代勤務を希望する看護職員もいます。また、市立病院は2交代制を行ったことがございませんので、決めかねている看護職員がおりまして、過去に実施したアンケート調査の結果では、回答が分かれております。例えば、2交代制を希望する病棟として、産婦人科がある西3病棟では、夜勤の途中で看護職員が交代してしまうと現場での出産の対応がなかなか難しくなり、準夜勤務と深夜勤務を通した2交代制で勤務をしたほうが実際に仕事をしやすいという声がございます。そこで、今申し上げたような病棟や2交代制を希望する看護職員が一定程度いる病棟から2交代制を導入するなど、病棟によって2交代制と3交代制が混在するような運用が考えられます。実際に看護職員の勤務シフトを組むのは難しいところですが、そのような病棟の事情や看護職員の希望に応じて段階的に実施していこうと考えております。
あくまでも、2交代勤務の制度自体を導入することが趣旨ですから、改正条例の可決をいただいて10月1日から全ての病棟を2交代制に切りかえようとは考えておりません。制度を導入して、2交代制がいいのか、3交代制がいいのか、どういう運用がいいのかを見きわめながら段階的に導入していきたいと考えております。

内山君:今の答弁を聞いた上での確認ですけれども、2交代制の導入に当たり、あくまでも2交代制を希望する看護職員が2交代勤務をするのであって、希望しない看護職員に勤務シフトの都合で、無理やりに2交代勤務をさせるという言い方は悪いかもしれませんが、そのような運用はないということでよろしいでしょうか。

事務局次長:希望する部署または看護職員から2交代制を導入するということで、希望していない看護職員に2交代勤務を強要することは考えておりません。

内山君:今後、また江別市職員労働組合との交渉の中で話があるかもしれませんが、2交代勤務を強要しないことを担保する何らかの取り決めや覚書の作成を考えているのでしょうか。

事務局次長:2交代制の実施に向けて、例えば、この病棟から始める、あるいは、希望を募って希望者から2交代制を導入するという具体的なプランをまとめた上で、再度、江別市職員労働組合に協議を申し入れていこうと思っております。
御質疑のあった文書での約束の取り交わしについては、病院当局側としてはぜひ行いたいと思っておりますけれども、今、残念ながら江別市職員労働組合から2交代制の導入について合意を得ておりませんので、江別市職員労働組合から合意を得た段階で、文書での正式な取り交わしができればと考えております。

内山君:平成21年度に3交代制を夜勤の原則とすると取り交わした覚書があり、それを変更することになると思いますが、今回の変更に当たっては、やはりそれにかわる何らかのものが必要だと思います。
また、江別市職員労働組合との協議の中で、3交代制とは別に、夜勤体制を3人体制から2人体制に見直すという話が出されていたようですが、それは、今回の条例改正とは完全に別のものと考えてよろしいでしょうか。

事務局次長:平成30年度の診療報酬改定により、入院基本料の体系が変わり、また、病院長がかわりました。市立病院にとって大きな転換期になりますので、さまざま変革を病院事務局あるいは経営サイドで考え、江別市職員労働組合に提案しております。
その中には、委員から御質疑のあった2人夜勤体制のこともございます。これは診療報酬改定と大きく連動するもので、このことについても、江別市職員労働組合との協議を継続しているところでございます。
2人夜勤体制の実施は、この条例改正と直接結びつくかというと、この条例改正がなければ見直せないというものではございませんので、直接的な関連はありません。ただ、2人夜勤体制の導入と、2交代制の導入は、看護職員の勤務シフトあるいは勤務条件と密接にかかわり合うものです。現在、江別市職員労働組合と3交代制の3人夜勤体制という約束を取り交わしております。これは平成21年度に病院当局から提案をして、現在の夜勤体制を運用していましたが、全ての病棟を3交代制、3人夜勤体制にすることが診療報酬の要件に必ずしも合っていないものですから、一部の病棟について、診療報酬の要件に合わせて2人夜勤体制とすることを認めてほしいということを江別市職員労働組合に申し入れております。
2人夜勤体制という看護職員の業務の見直しを提案するに当たりまして、今回は2交代勤務を可能とする制度を導入して選択肢をふやしたいというものであるため、直接関連はしません。しかし、夜勤という業務を見直す中では、当然、関連する部分があると考え、江別市職員労働組合に申し入れを行い、協議しているという経過がございます。

内山君:2人夜勤体制の実施については、診療報酬との整合性を図るという病院当局の考えだと思いますが、一方では、看護職員1人に対する労働超過につながると思いますので、私としては、今回の2交代制と2人夜勤体制は別のものだと思います。
改めて確認しますが、今回の条例改正と2人夜勤体制は別のもので、看護職員や江別市職員労働組合の意見を聞いて慎重に進めていくということでよろしいでしょうか。

事務局次長:2人夜勤体制と2交代制は、同じ看護職員の業務の関係であり、文言も非常に似ていますので、混同されやすいと思いますが、少なくとも、2人夜勤体制は条例改正がなければ見直せないというものではございません。2人夜勤体制の問題については、労使間の協議で合意を得て実施していくことだと思っております。
2交代制につきましては、条例で定めていますから、今回のように条例を改正しなければ導入が難しいということになります。
2人夜勤体制と2交代制は、いずれも看護職員の勤務条件に直結するものですので、当然、江別市職員労働組合とは真摯に協議を重ねた上で実施しなければならないと考えております。残念ながら、現時点では2交代制について江別市職員労働組合から合意を得ておりません。江別市職員労働組合には、例えば、この病棟から実施する、または希望する看護職員が何人いるのでいつから実施したいといった具体的な実施プランを提示した上で、さらに協議を重ねて、何とか労使合意の上で実施につなげたいと考えているところでございます。

内山君:何回も同じ質疑で申しわけありませんが、今回の条例改正と2人夜勤体制の実施は、別のものと考えていいのでしょうか。これが関連するものであれば考え方が変わるものですから、もう1回確認させてください。

事務局次長:現在、全病棟3人夜勤体制ですが、これを一部の病棟について2人夜勤体制にしたいというのが病院当局の考えです。これは条例改正と関係がございません。条例を改正しなくても実施できるものですので、速やかに実施したいと考えております。
2交代制については、条例改正を伴う事案ですので、改正条例を可決いただかなければ導入できないものと考えております。
双方の案件とも、当然、江別市職員労働組合とさらに協議を重ねた上で実施したいと考えております。

内山君:2人夜勤体制の実施は、今回の条例改正には関係ないということですけれども、江別市職員労働組合との2交代制の交渉には影響を与えないということでよろしいでしょうか。

事務局次長:過去の江別市職員労働組合との約束は、文面に3人夜勤の1日8時間勤務を意味する3-8と書いてあります。江別市職員労働組合の捉え方としては、3人夜勤と2交代制はセットという理解でいるかもしれません。そういう意味では、この2交代制の導入は平成21年度の約束を変えるものだという理解でいるのかと思っております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

岡村君:同じ答弁になるかと思いますが、関連で再確認します。
江別市職員労働組合との話し合いでは、まだ合意を得られる状況にはないけれども、今回、10月1日施行で制度を導入させていただきたいという答弁の中で、段階的に実施するという答弁や希望者に対して実施するという答弁がまざっていたので、再確認いたします。
今回の提案で制度化したいけれども、運用については、看護職員の皆さんの合意を得てから実施するということでよろしいでしょうか。

事務局次長:2交代制を実施したいというのはそのとおりでございます。
実施に向けては、江別市職員労働組合が職員の代表となりますので、江別市職員労働組合と協議を行い、合意のもとで実施したいと考えております。

岡村君:現在はまだ合意を得ていないけれども、こうやって議会に提案されています。それでは、何のために10月1日という施行期日を定めて提案されているのか、そこを解明していかなければならないと思います。
柔軟な勤務体制を可能とするという改正理由からすると、看護職員の希望が多いということだと思います。先ほど、アンケート調査を実施したら希望する看護職員が回答の28%という状況でしたが、それ以外に何か理由があるのでしょうか。例えば、今、市立病院の経営は大変厳しい状況にあるという点、患者から見たときにさらなるサービスの向上につながるという点など、その辺の目的と効果について、御答弁いただきたいと思います。

病院事務長:実際に率先して2交代勤務をしたいという看護職員がいます。これは、比較的若い年齢層だということがわかっています。
他医療機関の状況を申し上げますと、いろいろなパターンがありますが、おおむね石狩・空知管内の市立病院であれば、3交代制と2交代制の両方を導入している医療機関が非常に多い状況です。当院と同じように2交代制を導入して、まずは希望者から行い、その後、2交代制に移行した医療機関が大半です。これは、もちろん強制的に行ったわけではなく、看護職員の希望をとりながら実施したら、いつの間にか2交代勤務の希望者のほうが多くなったということであります。要は、いろいろなパターンがあるということです。
次に、委員御案内の患者サービスあるいは経営という視点でございますけれども、特に産婦人科の病棟に関しては、準夜勤務、深夜勤務にまたがる出産が結構あります。陣痛が始まってから出産までの時間が長い患者がいますので、準夜勤務の看護職員から深夜勤務の看護職員に申し送るのは現実的に非常に難しくなります。産婦人科の病棟に関しては、出産される方が大半を占めており、病気で入院しているわけではありません。病気による急変は余りありませんので、出産の対応を考えていくと、夜勤の時間帯を二つに分けるのは、患者サービス、医療の安全面から考えると合理的ではないという意見があります。
もう一つは、年齢の若い看護職員を中心に2交代勤務のほうがいいと積極的に言っています。これはなぜいいかと言うと、2交代制における夜勤は連続して16時間30分の拘束になるため、拘束時間は長くなりますが、その後、事実上2日連続して休日になりますので、休日がまとまります。休日がまとまるということは、私的な用事やレジャーを含めて総体的に自由時間がふえます。絶対的な休みの時間はふえませんが、休日がまとまるため、当院だけではなく、他の医療機関を含めて、2交代制のほうがいいという声は、特に20歳代、30歳代前半の若い看護職員を中心に多くなっている現実があります。
次に、経営の視点でございますけれども、2交代制を導入したからといって、人件費への直接的な削減効果は出ません。なぜかというと、配置する人工数は同じだからです。基準に合わせて24時間を看護職員で配置しなければなりませんので、絶対的な人工数が減るという効果はありません。
ただ、なれていくと、夜勤のシフトは間違いなく組みやすくなります。なぜかというと、3交代制には1日に3人の看護職員が要りますが、2交代制は2人でいいわけです。夜勤ができない方の話は以前の当委員会で申し上げたと思いますが、出産して間もない看護職員、あるいは、子育て期間で夜勤を免除されている看護職員、その他いろいろな理由で夜勤を免除されていて、夜勤のシフトに入れない看護職員が病棟にいます。そのような看護職員を除いて夜勤のシフトを組んでいくという作業は、実際の現場では非常に大変です。これを3交代制から2交代制にすることによって、多少ですけれども、勤務シフトを組みやすくなる効果があります。これは実証されておりますので、2交代制の導入は時代の流れになっています。
さらに申しますと、新卒の看護職員をこれから採用する際に、3交代制のみだと、その時点で敬遠されることがあります。ですから、若い看護職員を採用する際において、2交代制がありますと言ったほうがプラスの効果があるのは間違いないと考えております。
あえて申し上げますと、江別市職員労働組合から最終的な合意を得ておりませんが、この辺を粘り強く申し上げていきたいと思います。繰り返しになりますが、看護職員全員を一斉に2交代勤務にするということは毛頭考えておりませんし、現実的にできません。各病棟ではいろいろな病態の患者を抱えていますので、全ての病棟にいきなり2交代制を導入してうまくいくとは全く考えておりません。今回、なぜ条例改正を提案したかというと、平成27年度にアンケート調査を行った結果に基づき、2交代制を試行しようとしましたが、そもそも2交代制が条例に規定されていないため、試行する前提となるものがありませんでした。条例に規定されていないものを試行することについて、総務部等と協議した結果、試行するのは難しいという助言をいただきました。今回、仮に2交代制を導入するとしても、最初はかなり試行的なものになるだろうと考えております。試行の結果、やはり難しいということがあるかもしれません。そのときは、また3交代制に戻すことも十分あり得るということで、まずは制度をつくらせていただいて、2交代制を現実的に導入させていただき、実証効果あるいは看護職員の疲労度、その他のマイナス要因やプラス要因を見きわめた上で進めていきたいということでございます。

岡村君:今答弁がありましたように、病院側から見るとシフトの問題がありますが、限られたスタッフの中で、2交代制導入の希望があります。看護職員の中で2交代勤務を希望する人、しない人の組み合わせのサイクルがうまく回っていけば確かに勤務シフトが組みやすくなると思います。実は、私も、市議会議員になる前は、別の職種で2交代制、3交代制の勤務を経験しましたけれども、なかなか難しいというのが現実です。今、病院事務長は、実施してみて、いろいろな弊害があれば3交代制に戻せばいいとおっしゃいましたので、そういうことになるのだろうと思います。
ただ、今言いたいことは、実施できるか、実施できないかというのは今後のさまざまな課題に影響してくるだけに、まずは主体となる看護職員のおおむねの理解を得ることが必要だと考えております。言うまでもなく、医療スタッフの皆さんはチームプレーが必要な環境で仕事をされていますから、今言ったようなことを基本に据えられて、その上でさまざまなことを新しくしていくことが必要ではないかと思います。
もう一つ、経験者としてお話しさせていただきたいのは、答弁にあったように、確かに若い看護職員は社会的に2交代勤務を希望するという志向が大変強くなっています。結果として休日がまとまり、自分で使える時間がまとまっていれば活動の選択肢がふえますから、そのような若い看護職員の志向は理解しています。
ただ、少し年齢を重ねた看護職員、さらには、それぞれの御家庭の事情を含めると、私自身が若かったころは、よく先輩から言われてもそう感じていなかったのですが、ある程度の年齢になってくると、先輩が言っていた話は本当だと思いました。その理由の一つは、同じ時間数を働いても、例えば市役所の本庁職員のような勤務で、日中7時間45分働くのと、看護職員などのように夜間に働く7時間45分では、精神的・肉体的な負担に大変大きな差があることを実感しています。確かに、若いときには何とか長時間労働を克服して自分の時間を有意義に使いたいという志向が強いのですが、命を預かる医療現場で働く看護職員は、自分の志向と同時に、職責をきちんと果たすことが求められているだけに、総合的な判断と看護職員との合意形成が最優先されるべきだと考えます。
そこで、具体的に教えてほしいのですが、2交代制になると夜勤は延べ16時間ぐらいの勤務時間になると思います。当然、途中で休憩をとらなければならないはずですが、どんな勤務状況になっていくのか、勤務と休憩の関係をどのように考えているのか、教えてください。

管理課長:勤務時間については、資料の2ページの下に記載しておりますが、午後4時30分から翌日午前9時まで、勤務時間が8時間を超えますので、現状としては、その場合だと休憩1時間、夜勤帯は配置する看護職員が複数いますので、交代で仮眠をとるような形を考えております。
ただ、それは患者の容体や手当ての状況によりますので、例えば、午前1時から午前2時の間に必ず休憩をとるというものではなく、それぞれ看護職員が交代して、少なくとも1時間の休憩をとることを考えております。

岡村君:今言われたように、決められたルールを初めとして、看護職員の状況に合わせた勤務をつくっていただきたいと思います。先ほど、私が経験者として言わせていただいたように、同じ休憩でも自宅で休んでいるのとは違いますから、やはりそういう過重は身体的・精神的に負担になってきます。その結果として、あってはならない事故を未然に防ぐことが病院事務局幹部の皆さんの責務ですから、そういう意味でトータル的に考えると、答弁にあった理由をもってしても2交代制の導入を急ぐべきではないと考えています。その辺についての御見解をお伺いします。

事務局次長:2交代制の導入に係る条例改正を提案させていただいたのは、平成30年度の診療報酬改定による入院基本料の経過措置の期限が9月末日であり、本年10月1日からの入院基本料は看護職員の配置に大きくかかわる部分ですから、これに合わせて2交代制を導入し、1病棟休止とあわせて病棟再編を実施しようとするものでございます。
診療報酬改定に合わせて、3交代制の見直しを考えなければならない時期に来ていると考えます。他の医療機関の状況を見ますとさまざまな医療機関で2交代制が取り入れられていますので、2交代制に対応できるような体制として、病棟再編を行う本年10月1日に合わせて行いたいというのが病院当局の考えでございます。
2交代制の導入は、江別市職員労働組合等との協議を重ねて実施したいと考えております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

内山君:先ほど確認させていただいたのですが、今の答弁の中に診療報酬の説明がありました。2交代制の導入は入院基本料に影響を与えるのでしょうか。

事務局次長:入院基本料を決める施設基準という要件がございまして、今まで10対1や7対1と言われていた基準がございます。それは患者数に応じて看護職員を一定数配置しなければならないという定めになっております。
一方、夜勤については、急性期医療を提供する医療機関であれば、最低限、1病棟当たり2人の看護職員を配置しなければならないという要件がございます。入院基本料に応じて看護職員を3人体制にすると、そこを評価されて診療報酬が高くなるという仕組みの病棟がございますし、そういった仕組みがない病棟もございます。なお、精神科の病棟については、3人体制の夜勤を評価する仕組みがないという制度体系になっておりますが、制度に応じた看護職員を配置しなければ入院基本料をとれない仕組みになっております。

内山君:この条例改正についての説明を聞いている中で、今も2人夜勤体制の話が出ており、今回の2交代制の導入に関連して、江別市職員労働組合はその辺の責任を危惧されているのではないかと思います。
改めて確認しますけれども、基本的には、今の3交代制のままでも入院基本料に影響はないということでよろしいでしょうか。

事務局次長:平成30年度の診療報酬改定にあわせて本年10月1日からさまざまな新しい制度が始まりますので、2交代制の導入もこれにあわせて実施したいと考えております。
それで、2交代制の導入が診療報酬に影響するかというと、特に影響しません。それは先ほどの私の答弁で誤解を与えるような発言があったと思います。申しわけございませんでした。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

相馬君:今回の条例改正のお話をお伺いすると、夜勤の出勤に係る負担の軽減や夜勤者の確保に苦慮しているということで、病院側の背景があると理解したのですが、そうではなくて、2交代制を試行をしながら効率的、効果的に運営するための制度導入ということなのでしょうか。それとも、さまざまな外的環境を見て2交代制を導入するための地盤をつくっておきたいとお考えになったのか、そもそもの考え方について、改めて確認をさせていただきます。

事務局次長:2交代制について、他の公立病院等の事情をお聞きすると、若い看護職員が希望しているという意向を踏まえて取り入れる医療機関が多いようです。そういう意味では、将来的には看護職員の確保につながっていくと思っております。
当院の状況を申し上げますと、過去に行ったアンケート調査で、2交代勤務を希望する看護職員がおりますし、産婦人科の病棟など勤務上2交代制が望ましいと言われている部署がございます。そういう状況を踏まえて、働きやすさの改善を狙って2交代制を導入したいという二つの理由があります。

相馬君:二つの理由について、再確認させていただきました。
その上で、1点だけ確認させていただきたいのは、16時間30分勤務をする看護職員が夜間保育等で16時間30分預ける場所がない場合、病院内保育所で16時間30分の保育は可能なのでしょうか。

管理課長:当院の場合は、建物は別の場所にありますが、病院内保育所ということで、運営は24時間、夜勤の医師、看護職員が勤務している間に預けることができます。現状は、看護職員の場合だと勤務時間が8時間30分ですので、夜勤終了後にお子さんと一緒に帰っていただくことになります。運営自体は、その時々の医師、看護職員の状況に応じて、きちんと保育所を開所しておりますので、仮に16時間30分勤務が導入された場合についても、対応できる形になっております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

島田君:看護職員が夜間に交代する場合、多分、次の看護職員との引き継ぎの時間があると思いますが、その時間はどのぐらいなのでしょうか。そして、2交代制と3交代制で引き継ぎの時間を含めた打ち合わせの時間に違いがあるのでしょうか。当然、3交代制の場合は引き継ぎの時間が多いと思いますけれども、2交代制の導入が実際の業務にどのような影響を及ぼすのかお聞きします。

管理課長:現状の3交代制は、我々事務職員と同じ勤務時間帯で考えると、日勤帯が午前8時30分から午後5時までです。準夜勤務は、午後4時30分から始業ということで、必ず勤務の引き継ぎ、一般的に看護職員の場合ですと申し送りと言われるのですが、当院の場合は必ず30分間、先に勤務していた看護職員と次に勤務する看護職員がかぶる時間帯があります。日勤から準夜勤務については、午後4時30分から午後5時までの30分間で日勤の看護職員が対応していた患者の情報を次の準夜勤務の看護職員に必ず引き継ぎます。
その次に、準夜勤務の職員は、終業が午前1時ですけれども、次に交代する深夜勤務の始業は午前0時30分ですので、午前0時30分から午前1時までの間、準夜勤務3人と深夜勤務3人が同じ病棟内にいることになります。その中でまた患者の引き継ぎを行います。
仮に、委員が御指摘の16時間30分の夜勤、今回で言うと準・深夜勤務になりますけれども、そちらが仮に導入された場合は、今申し上げた午前0時30分から午前1時までの30分間の引き継ぎ時間がなくなります。その分は患者の看護に集中できるというメリットがあると考えております。

島田君:もう1点、この準・深夜勤務の手当は1回6,800円ですが、この根拠は何ですか。

管理課長:国の人事院規則に準拠して単価を設定しております。準夜勤務、深夜勤務の手当については、それぞれ1回2,900円、3,300円であり、準・深夜勤務の手当については1回6,800円という規定がございます。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

赤坂君:資料の2ページの準夜勤務、深夜勤務、それから、新たな準・深夜勤務について、市立病院では休憩時間を指定しているのでしょうか。

管理課長:業務の状況によりますが、今は1病棟に必ず看護職員が3人おり、交代で休憩に入ります。例えば、準夜勤務の看護職員に必ず午後11時や午前0時から休憩に入ることといった指定はしておりません。業務の中で、順番に、勤務時間が8時間を超えなければ基本的に45分間、勤務時間が8時間を超える場合は1時間という形で休憩をとることとしております。

赤坂君:新しい準・深夜勤務の2交代制による休憩の時間帯はどうなりますか。労働時間が6時間を超える場合、休憩を与える義務があります。準夜勤務、深夜勤務もそうですが、具体的に休憩時間は何時間になりますか。

管理課長:休憩時間については規程がありまして、我々事務職もそうですけれども、勤務時間が8時間以下であれば45分間、8時間を超えれば1時間です。今回、想定している準・深夜勤務は勤務時間が8時間を超えますので、休憩時間は1時間としていますが、時間帯そのものは指定しておりません。現在、準夜勤務、深夜勤務についてもそのように運用しております。

赤坂君:先ほどの説明では、2交代制の導入のため、条例を改正したいということですが、看護職員が3人夜勤体制から2人夜勤体制になるのは条例に関係なく、むしろ、予算措置によって人件費や看護職員数が決まります。3人夜勤体制から2人夜勤体制になることによって、夜間は休憩をとりづらくなりますか。

管理課長:委員が御指摘のとおり、そういう面があると考えております。

赤坂君:江別市職員労働組合とはその辺で全く考えが一致していない、むしろ、労働が過重になって厳しいという意見があったのでしょうか。

管理課長:委員が御指摘のとおり、江別市職員労働組合から、交渉の中でそのような現場の声があると聞いております。

赤坂君:2交代制の導入は、予算上は何も影響しない、経費面での節約は少ない、産婦人科の問題などで若干いい面があるかもしれないというお話でした。予算上または経営上急ぐことはないような気がするのですけれども、それ以上に、夜勤体制を3人から2人にすることは、いつになるのかわかりませんが、労働過重になるわけで、これは非常に重たい問題だと思います。
それで、お伺いしますけれども、アンケート調査を行ったのは平成27年と言いましたが、2交代制の導入に賛成だと回答した28%はどういう年齢構成だったのでしょうか。今回この条例で2交代制を導入するための特殊勤務手当追加に当たり、アンケート調査を行ったのか、行わなかったのか、平成27年に行ったときにはどのような意見があったのか、経過についてもう少しお聞きします。

管理課長:2交代勤務を希望する回答者の年齢別の分析は行っておりません。このアンケート調査は、平成27年8月に病院職員に実施しております。対象者の看護職員は当時の記録ですと、母数としては321人、うち回答数が316人で回答率は98.4%ですから、9割以上の看護職員に回答をいただいております。
対象者の年齢構成を見ると、一番多いのが40歳代で45%、その次に30歳代で27%ということで、ベテランの看護職員がこのアンケート調査の対象者の半分以上を占めていることまでは分析しています。なお、実際に2交代勤務を希望する28%の看護職員それぞれの年齢は押さえておりません。バランスとしてはそのような形で、アンケート調査に回答した看護職員の28%となっております。
なお、10月以降の2交代制の実施に向けたアンケート調査は行っておりません。

赤坂君:この改正条例の成立の可否にかかわらず、今後アンケート調査等を実施するか、あるいは、看護部に対して具体的に説明する予定があるかどうか、お伺いします。

事務局次長:2交代制の実施に向けて、具体的に看護職員の意向あるいは職場の事情を確認した上で、看護部と調整してプランをつくりたいと考えております。そういった中で、具体的な聞き取りになると思いますが、現場の意向を確認し、実施に向けて進めていきたいと思っております。なお、平成27年と同様のアンケート調査を行うことは現時点で考えておりません。

赤坂君:医師の働きぐあいによると思いますが、病棟再編によって、病床利用率が60%台から80%台に高まり、90%台に近づきます。これに伴い、患者がふえて病棟が狭くなるということで、働く現場の密度が今まで以上に高くなり、また、将来的には看護職員が3人から2人の夜勤体制になっていきます。そして2交代制は、看護職員の仮眠時間などさまざまなところに影響を及ぼしかねないので、いろいろな意味の問題をはらんでいると思います。
一方では、経営的にそんなにメリットはないと思わざるを得ないのですが、その意味からすると、今回の条例改正の時期が少し早過ぎるのではないかと思うのですけれども、これについて考え方をお伺いします。

病院事務長:委員が御指摘のことについては、十分認識させていただきながら進めていると考えております。特に、現場の看護職員に対して、事実上、労働負荷がかかる現実があるということを認識しております。
ただ一方で、先ほどから事務局次長が何度も申し上げているとおり、これからの診療報酬や医療の現状に合わせて中・長期的に市立病院を運営していかなければならないときに、さまざまな年代の看護職員が働く現状、また、当院は旧総合病院でございますので、さまざまな病態の患者を扱っていかなければならないという現状を考えると、正直に申し上げまして、非常に固定的な制度の運用では回っていかないと考えております。
固定的な制度というのは、何が何でも3交代制、3人夜勤を維持するということです。確かに、労働負荷あるいは安全面から考えて看護職員を多数張りつければ、そのようなネガティブな部分は消えると思います。しかし、看護職員を多数張りつけるということは、当然、人件費がかさみますので、ここのバランスをいかにとっていくかということが大変重要になってくるわけでございます。そこで、診療報酬の評価が出てくるわけですが、現状で診療報酬の評価等を総合的に判断した場合、なぜ、ほかの医療機関が2交代制を導入し、また、夜勤の看護職員の配置人数を自由に変えているかを考えた結果、その時々の各病棟の状況に合わせて柔軟な配置をさせていただきたいというのが一番大きな理由です。
現場の意向を完全に無視したり、現場の問題点を解決せずに強制的に2人夜勤を導入することは毛頭考えておりません。これは、江別市職員労働組合から合意を得ておりませんが、真摯に説明をさせていただいて、御理解いただきたいと考えております。
先ほどから聞いていると、各委員から2交代制の導入の手続が早いという御質疑をいただいておりますけれども、我々としては、今後も市立病院を継続していく上で選択肢をふやしていかないと、とれる手がもう限られてきているという危機感を持っています。その中で、今の仕組みとある程度違った仕組みを入れさせていただきたい、病院職員の皆様に苦労をかけますが、一緒に頑張っていただきたいと考えております。今、この制度を導入させていただくということは、選択肢がふえることになりますので、ぜひやらせていただきたいと考えております。
2交代制の導入の手続が早いか、早くないかというのは、多分、労使合意のこともあって御指摘をいただいていると思いますが、確かに我々の御説明が足りなくて江別市職員労働組合の合意をいただいていないという厳然とした事実がございますので、そこは十分に反省をしています。ただ、今の本当に厳しい経営状態の市立病院を何とか継続していかなければならない、そのためにやれることは全部やろうと考えたときに、やはり、看護体制についても考えたいと思っております。ほかの医療機関が全然行っていない制度を導入するのであれば話は別ですが、大半の市立病院が2交代制、3交代制の併用運用、あるいは、2人夜勤を行っております。例えば、市立札幌病院では、HCUやICUといったさらに多くの基準を持っていますので、事情は別ですが、4人夜勤の病棟があります。言いたいのは、他の医療機関ではそれぞれの状況に応じて非常に柔軟な看護体制、職員体制をとっている現状がありますので、ぜひ御理解をいただいた上で進めたいと考えております。
先ほどから申し上げているとおり、試行的に行って、だめなところ、いいところを検証したいのですが、今、条例に規定がない中で、現実に2交代勤務を行うわけにはいかないという見解を本庁からいただいております。ですから、ぜひ、条例の規定を設けさせていただき、少しでも前に進みたいと思っているところでございますので、よろしくお願いしたいと思います。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

内山君:繰り返しになるので、答弁は要りませんが、いろいろと説明をお聞きして、今、確かに市立病院は大変厳しい状況であり、何とかできることをやっていきたいということで、私自身も、2交代制の導入に反対するものではありません。ただ、こういう厳しい状況だからこそ、市立病院の医師、看護職員、病院事務局の皆さんが一体となって進めていかなければならないときに江別市職員労働組合が反対するということは、それなりの言い分があるでしょうから、その辺をしっかりと解きほぐしてから導入することにより、本当に中・長期的にこの制度が安定していくと思います。
また、実際に勤めている病院職員にほかの医療機関のことを話しても、説得力があるのかどうか、少し疑わしいところがあります。やはり、今いる病院職員を大事にしながら、やりたいからやらせてほしいということではなく、この厳しい経営状況の中で市立病院の職員が一体となって何とかしていくために、しっかりとした合意の上で制度改正をしていけばいいのではないかと思います。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

岡村君:病院事務長から、核心の部分で総括的な答弁がありました。それが提案された側の目的ですから、その面だけを見ると、確かにそれなりの説得力があると思います。それは、今の市立病院の経営状況や、医師はもとより、看護職員を含めた病院職員の確保、そして、社会的に見た市立病院が置かれている状況によるものだと思います。
ただ、私が先ほど来言うように、今でさえ、市立病院設置者である市長を初め、病院職員の皆さんには、こういう経営状況で歯を食いしばって頑張ろうという意味で、相当なプレッシャーというか、病院職員一人一人の過重感がどんどん高まっています。そのような環境下において、特に若い看護職員は2交代制の志向が大変強くなっているとおっしゃいますが、一方、アンケート調査を行った結果、2交代制を希望する回答は30%に届かない28%です。
そして、病院事務長は、選択肢をふやして、手おくれになってきている経営の根幹にある課題を打破したいと言うけれども、それで本当に効果が上がるのでしょうか。病院事務長は、ほかの医療機関でやっていて、当院がやっていないから、これ以上のおくれをとると状況がどんどん悪くなるばかりなので、やれることは何でもやりたいというのが理由の一つだとおっしゃいました。ただ、やってみたけれども、若い看護職員が期待どおりに集まらないということがあると思います。私は、ほかの医療機関がこれだけやっていれば、そんなに簡単に看護職員は集まらないと思います。ほかの医療機関がやっていないことだったら、江別市立病院は若い人の心をしっかりと捉えて新しいことに取り組んでいるということで一気に集まってくるかもしれません。私の知り合いは、ほかの医療機関で看護師をやっていて、2交代勤務をしていますが、はっきり言うと、働いている看護職員にとって、経営上のメリットは別として、必ずしも病院事務長がお話しされたようなことになっていません。逆にデメリットである過重労働感がどんどん高まっています。
先ほどは私の経験だけでお話をさせていただきましたが、若いころは自分のしたいことが優先されますから、その一つとして休みが多いというのは大変魅力です。本来は休息の時間に充てるために休日があるのですが、若いころは、私も夜勤が終了したらほとんど寝ないで夜まで遊んでいました。それでも、仕事はきちんとしていたつもりです。
ですから、今、何を重要視しなければならないかというと、確かに、病院事務長が言ったような目の前の課題は大変緊急性のある大きな課題であります。それは間違いありません。ただ、やはり根本にある大切なところを失ってはいけないし、間違って事故を起こしてはいけません。先ほど、バランスのことを言っていましたけれども、どちらを重視するかになりますが、3年か4年やってみて、若い看護職員を募集しても今の状況と大きく変わらなかったときはどうしますか。

病院事務長:一部、答弁が繰り返しになることを御容赦ください。
まず、3交代制をなくすわけではなく、2交代制にふさわしい病棟について希望者で試行するということです。委員が御指摘のとおり、2交代制のデメリットはもちろんあります。もう少しお話ししますと、公益社団法人日本看護協会から16時間勤務はいかがなものかという一部の研究結果が出ております。一方で、やはり安全あるいは働く意欲、身体疲労度を総合的に判断した結果、2交代制のほうが看護職員のやる気が出る、ふさわしい働き方であるという現場の声があるのも事実です。
全ての病棟を2交代制に切りかえるということであれば、委員がおっしゃるとおり、それは急ぎ過ぎではないかということになると思います。あくまでも、試行を含めて2交代制を一部導入することの条例上の根拠を得たいということです。だから、だめだったら戻せばいいと言っているのは、まさにそういうことです。
一方では、別の問題ですけれども、診療報酬体系で、医療従事者の働き方改革の問題があります。看護職員の勤務シフトの考え方について、もしかすると、ここ数年のうちに全然違う見解が出るかもしれません。そうなれば、3交代制に戻さなければならないかもしれませんし、物すごい勢いで変わっている医療制度の中で、何が起きるかというのは全然わかりません。逆に言うと、2交代制にしたから若い看護職員の応募が殺到するなどということは毛頭考えておりません。
もう少し言うと、ほかの医療機関で持っている選択肢を持っていないというのはまずいのではないかと思っています。それは、とり得る対策に限界があるということです。試行してみて、2交代制が全然合わないということであれば、現状の3交代制を全部の病棟で行うことになる可能性を排除しているわけではありません。繰り返しになりますが、我々は、2交代制という勤務シフトを組むことができる条例上の裏づけをいただきたいと思っております。

岡村君:何度もやりとりをさせていただきましたので、これ以上は平行線だと思っています。
何度も言っているように、一面的には選択肢をほかの医療機関並みにするだけに見えます。これは誰にも証明できませんが、結果としてどうなるのか、みずから夜勤をずっとやってきたという経験則を含めて懸念しています。
選択肢の一つとして2交代制を導入し、実施は希望者のみということです。ですから、若い看護職員の志向としてそれを選択する方はいると思っています。ただ、2交代制を選んだ本人は、自分が長時間働いている負荷を感じながらも、もうやめようというのは、なかなかできません。自由に遊ぶ時間が欲しいということを優先するために我慢して頑張ります。問題は、その結果、病院経営上、患者に対するサービスで、信頼を得るために努力して積み上げてきたものをだめにすることだけにはなってほしくないという懸念を申し上げています。だからこそ、看護職員との十分な合意形成を前提にしなければだめではないかとお話ししています。
答弁は繰り返しになると思いますが、病院事務長は、とりわけ経営に関して大変危機感を持ってこの間の努力をしてきた方ですから、それを優先するのは十分わかります。病院運営の根底にある大きな財産を失ったり、欠けたり、先ほど答弁にあったように看護職員をふやせるわけではありませんから、限られた病院職員の中でこういったことを行うことでデメリットが生じる可能性があるということを経営される皆さんの重要な基礎にしていただきたいと思ってお話ししています。もし総括的に答弁があればお聞きします。

病院事務長:委員が御指摘のことは、そのとおりだと思います。私も、実際に若いころから市立病院に勤務していましたが、昔は事務職にも夜勤がありまして、一番長いシフトでは土曜日の午後0時から日曜日の午前8時30分までという勤務シフトがございました。
委員がおっしゃるとおり、やはり若いころは無理がききます。遊びたいからというより、社会教育、生涯学習、習い事のほか、資格取得を目指す方がいます。看護職員は、今、資格社会になっていますので、資格取得の勉強をするためにも2交代制がいいという若い看護職員の声を実際に聞いております。
もっと言うと、今、2交代制導入の希望が最も多い産婦人科病棟ですが、主体的に希望しているのは助産師です。助産師は同業者でネットワークを持っていまして、助産師業界は2交代制が圧倒的に多くなっているので、そのような動きを見ていて、市立病院も2交代制にならないのかと思っているだろうと感じています。
ただ、一方で、無理をさせ過ぎる、あるいは、いつの間にか看護職員に負荷がかかっているなどということを看過するようでは、我々に2交代制を導入する資格はありません。その辺をきちんと見ていく仕組みをつくっていかなければならないと思います。一旦導入したから、よかった、うまく回っているということだけは絶対にしませんし、モニタリングをきちんと行っていかなければならないと思います。
また、一旦、2交代制を導入したからといって、2交代制をどんどん進めるかというと、それは正直に言ってわかりません。例えば、急性期患者がたくさん入院する病棟にいきなり2交代制を導入できるかというと、これは個人的な意見ですけれども、難しいと思っています。今回いろいろ調べましたけれども、やはり超急性期患者を扱っている公立病院は、比較的、3交代勤務が中心の勤務シフトであり、高齢患者が多く、病状が安定している患者層の多い医療機関ほど2交代制の実施率が高くなっております。これは検証したわけではなく、全体を見てそのような印象を持ちました。
当院は、病棟によって、患者の年齢層、病気の内容が極端に違う医療機関です。要するに、何を言いたいかというと、病棟ごとに状況が全然違うということです。これは当然その辺の状況を見ながら、個別にきちんと判断していかなければ、委員が懸念される状態になると思っております。決してそのような状態にならないことを前提に、まずは試行的に2交代制を導入してみて、行ってみた結果どうだったのか、拡大できるのか、できないのか、その辺を見きわめていきたいと思います。まず、見きわめるためにも、今回御提案させていただいた条例について御理解いただきたいということでございます。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

赤坂君:以前の江別市立病院経営健全化評価委員会で、看護師である委員から執拗にモチベーションを上げるという話がありました。モチベーションを下げないように、上げる努力をしてほしいということでした。いたわりPlusという広報誌がありまして、市民との信頼関係、職員間の信頼関係、患者との信頼関係とありますが、やはり信頼関係が重要です。市立病院は経営的に本当に厳しい状況です。こういう厳しいときこそ、やはり情報共有を密にしながら、お願いするものはお願いする、譲るものは譲るという信頼関係があって初めていい職場ができると私は思っております。
なぜ急にこんなものが導入されたのかと現場は思います。今が平常時であって、信頼関係があれば、2交代制の導入もあり得ると思いますし、試行しようということになると思います。しかし、今、信頼関係は相当崩れていると思います。ましてや、将来的に3人夜勤を2人夜勤にするという案があります。そして、現に職場環境が劣悪になる、夜勤体制が過重になると言っているわけですから、こぞって、そんなことは認められないと言われかねません。だから、もう一度振り出しに戻して、一つ一つ整理していく必要があると思います。非常に不安感がありますが、やはり、まず信頼関係の構築が重要です。
今年度は病院長が新しくなって、やる気を持って本当に一生懸命頑張っていることは認めます。しかし、残念ながらその思いが現場に伝わっていません。これが先ほどの看護職員のモチベーションにつながっていると思います。ここに原因があるのではないかと思います。
経営的には緊急事態だと思います。しかし、いつからいつまではこのようにするというめどを示すことさえせずに、夜勤体制の選択肢がふえるので、やらせてもらいたいと言うだけです。一方では、将来的には労働過重の夜勤体制になると言っています。こんなことでは、なかなか信頼関係を築けません。ですから、頑張って市立病院を支えようという気持ちになるような取り組みが必要ではないかと思います。そのためには、やはり信頼関係の構築が前提ですので、病院職員のモチベーションの向上と信頼関係をどのように築いていくのか、お伺いします。

病院事務長:ありていに言って、今、委員が言われたことは私も聞いています。どれくらいの割合の看護職員が、もうやっていられない、今回の条例改正が一方的だと思っているのか、正直わかりません。現場のモチベーションを維持し、今の市立病院の運営体制、経営の窮状に対して理解をいただき、一丸となってこの危機を乗り越えていくための努力が足りないという御指摘を受けているのだと思います。それは甘んじてそのとおりの部分があると思います。
正直、病院長になったばかりということが言いわけになるわけではありませんが、やはり病院長は医師でございますので、病院職員に対する物の言い方や情報の伝え方に個性がございまして、聞くところによりますと、前病院長と比較して御批判の声があります。
ただ、委員が言われたとおり、今の病院長の現場での動き方は、副院長時代はどうだったのだと言われてしまいそうですが、本当に副院長時代と同じ医師かと思うぐらい、とにかく変わりました。病院長本人は自分を変えるのにいろいろな葛藤がある中、頑張っているのを、私はすぐ横にいてすごく感じております。
その中で、やはり看護現場あるいはほかの現場に対する伝え方は、拙いというのとは違うと思いますが、なかなか厳しい言い方に聞こえます。御理解をいただく仲介役を誰がやるのかというと、まさに我々だと思っていますので、そこがうまくいっていないのであれば、むしろ私の責任だと痛感しております。
それでは、今後どうするのかということですけれども、北海道胆振東部地震があったので、まだ日にちを確定しておりませんが、1病棟休止など大きなイベントが病院の中でたくさんありますので、2交代制をすぐに実施するかどうかを含めて、9月中の全体集会で病院長から説明をしていただきます。当然我々も説明しますが、現在の経営状況を踏まえて、病院長から市立病院の職員が一丸となって頑張っていきましょうという説明会の開催を計画しているところです。
それを行っても、どこまで御理解をいただけるかということがありますが、これは委員が言われたとおり、日々の信頼関係を築いていかなければ、なかなか理解を得られないと痛感しております。今までの説明、交渉、協議の場面を振り返りながら、今後行いたいこと、あるいは、何とかモチベーションを上げて、この危機を一緒に乗り越えていかなければならないという雰囲気づくりについては、なお一層、いろいろな工夫をしていかなければならないと感じているところであります。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

※ 吉本議員から発言の申し出あり

委員長(清水君):ただいま、吉本議員から委員外議員の発言の申し出がありました。
発言内容を確認するため、暫時休憩いたします。(11:37)

※ 休憩中に、発言趣旨の確認と発言の可否について協議

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(11:39)
吉本議員の委員外議員の発言を許可することに御異議ございませんか。(異議なし)
御異議なしと認めます。
吉本議員の発言を許可いたします。

吉本議員:2点お伺いします。
初めに、準・深夜勤務は拘束時間を含めると16時間30分の勤務時間であることを資料で拝見いたしました。準夜勤務、深夜勤務を通したいわゆる長時間夜勤となりますが、これを試行しようと検討されて提案に至った経緯について確認をさせていただきたいと思います。
ワーク・ライフ・バランスのお話がありましたが、ワーク・ライフ・バランスは、やはり健康な生活を維持しながらきちんと働くということだと思います。その意味からすると、長時間夜勤はワーク・ライフ・バランスに逆行するという見方ができると思います。その点を含めて、どのような検討をされて提案されたのか、お伺いいたします。

管理課長:少し長くなりますが、段階を追ってお話ししたいと思います。
2交代制の導入契機は平成27年度ですが、助産師がおります西3病棟で2交代制を導入したいという話が看護部から病院事務局にございまして、それに基づいて江別市職員労働組合と交渉をした経過がございます。
ただ、問題として、まさに委員の皆さんがおっしゃったとおり、1回の労働時間が過重になるという懸念があったことと、もう一つは、制度の実施に当たって、そもそも条例改正をしなければ試行が認められないという2点がございまして、当時、断念した経過がありました。
その次に、当院では、夜勤に入るまでの時間帯の勤務シフトとして、3交代制の現状では、夜勤の週は深夜勤務、深夜勤務、準夜勤務、準夜勤務の順に4日連続で夜勤に入って、その後、夜勤明けと休日になります。これに対して、一般的に夜勤に入る順番という言い方が多分適切なのでしょうけれども、公益社団法人日本看護協会が推奨しているのは、正循環というものです。体のリズムとして、まずは日常の生活と同様の日勤を行い、その次に、いきなり深夜勤務ではなく、当院で言うと午後4時30分からの準夜勤務で少し体をならしてから、次に、交代で午前0時30分からの深夜勤務に入るというように、正循環の働き方への勤務シフトを推奨しています。
そこで、看護職員の考え方を聞くために、ワーク・ライフ・バランスに関するアンケート調査をしつつ、平成28年、平成29年にかけて、江別市職員労働組合との話し合いの中で、3交代制で正循環の仕組みを導入できないかということを実際に申し入れました。そして、江別市職員労働組合の合意を得た中で、2交代勤務を希望する看護職員が主になって、今の深夜勤務、深夜勤務、準夜勤務、準夜勤務の順番ではなく、新しい正循環の流れとして、まず準夜勤務から入ることとしました。準夜勤務、準夜勤務と2日行い、1回お休みをした後、深夜勤務、深夜勤務の順に少しずつ体に負荷がかかるような試行を一定程度の期間で実際にやらせていただきました。
ただ、問題は制度上の休憩時間の取り扱いや休日についてです。一般事務職は、週休2日制ですから、平日5日間働いた後、土曜日と日曜日に2日間休みますと、1カ月30日であれば大体10日間は休日がある計算になります。しかし、正循環の仕組みを取り入れた場合、本人またはほかの看護職員が有給休暇を取得すると、かわりにほかの看護職員がフォローしなければなりませんから、なかなか制度上の休日の日数に満たない場合があり、実施運用面でなかなか難しいということになりました。結果として、正循環の導入を試行でとめて、今はもとに戻しているという経過がございます。
ですから、夜勤帯の働き方については、このように夜勤に入るときの順番や勤務時間を少しずつ検討しております。今、公益社団法人日本看護協会で推奨しているのは、12時間夜勤です。13時間勤務を与え、休憩時間を差し引いて実働12時間と言われております。一つ難点なのは、正職員の1日の労働時間は、江別市で言うと7時間45分で、これを勤務シフトにすると大体4時間の勤務を二つ当てはめることになります。計算上の話だけですが、これが12時間夜勤となると、要は約1.5日分の勤務時間を設けるものですから、働かない時間も約1.5日間になります。もう一つの問題は、夜勤は1カ月に72時間までという上限がありますので、今の3交代制の8時間30分勤務であれば9回できますが、2交代制の1回当たりの準・深夜勤務は16時間30分になりますから、およそ4日と半分になります。夜勤の回数として考える場合は、2交代勤務であれば今までの半分になりますので、夜勤が終われば自分の時間をまとめてとることができるということで若い看護職員が希望しているのだと思います。
ただ、実際に他の医療機関で実施していますが、12時間夜勤は、全看護職員が12時間勤務ではなく、8時間30分勤務のシフトで働いている看護職員がいる中で、12時間勤務のシフトを入れるわけです。そのような中、労働時間は1カ月でならさなければならないものですから、長日勤と言うそうですが、どうしても8時間30分勤務の看護職員にも12時間の日勤時間を入れなければならなくなります。その辺の調整が非常に難しく、半端な時間を調整する人員がいないと実施できないことになります。
そういうことで、夜勤1回当たりの勤務時間は、8時間30分がいいのか、12時間がいいのか、16時間30分がいいのか、まだ議論が分かれているところでございます。事実上は、8時間30分勤務の3交代制で、16時間30分勤務と8時間30分勤務を併用して24時間を回すのが一般的です。ですから、いきなり全病棟を2交代制にはできません。アンケート調査で希望をとって正循環を行ってみたのですが、休日がとれないというデメリットが出てきたため、実施に至っていません。
それらを踏まえつつ、経過としては、看護部というよりも、アンケート調査に回答した一定の年齢層の看護職員が、江別市職員労働組合に加入しているかどうか確認しておりませんし、全職員にアンケート調査を行ったわけではありませんが、まだ2交代勤務を希望している看護職員がいるという現実がございます。このように、過去に看護部から2交代制にしたいという希望があって、江別市職員労働組合と交渉し、条例が改正されなかったため結果としてできませんでした。そのような中で、今回、市立病院の体制が新しくなり、2交代制の導入について意見を聞いたときに、看護部からはぜひやりたいという声があったわけであります。
一方では、例えば、内科や外科など、夜間に救急を受ける診療科ですと、常に新しい患者が病床に入ってきます。それにより精神的負担が倍以上の労働過重になりますから、あくまでも希望者のみに2交代制を導入することを確認して、今回御提案させていただいたという経過でございます。
平成27年に行ったようなアンケート調査を行って条例改正に至ったわけではありませんが、現場の看護部とある程度の話し合いをさせていただいております。当然、現場の看護部が2交代制を望んでいないのであれば導入しません。看護部からは、3年前からずっと要望しているのになかなか実現されないという意見があったので、今回、条例改正の俎上にのせました。

吉本議員:経過については、詳しくお話をいただきましたので、よく理解いたしました。
2交代制のメリットについては、私も、若い看護職員からいろいろな意見を聞きますので、それはよくわかります。ただ、このように制度全体を変えようというときに、メリットがありつつも、やはり本来働くということはどういうことなのか、夜間帯に長時間働くということは一体どういうことなのか考える必要があります。個人の健康面の問題にかかわって起きてくるいろいろな医療事故の問題、特に時間外勤務がすごく多かったのが要因だと思いますが、いろいろな健康障がいが頻繁に起きましたし、それは医師に限らず看護職員もそうでした。当然そのあたりも視野に入れて検討をされたと理解しておりますが、先ほど来の御説明は柔軟な勤務体制というところから始まったものですから、その辺の根本的なところは当然議論されていると信じておりますけれども、その辺の経緯を含めてお聞かせください。

管理課長:準・深夜勤務1回当たりの勤務時間は今までの倍になりますから、病院内部で体の負担への配慮や医療現場としてきちんとした看護ができるのかといった面からいろいろな議論をさせていただきました。
問題なのは、当院に勤務している看護職員のうち、他の医療機関から転職してきて16時間勤務を体験している看護職員が2交代勤務を希望していることです。私も、実際にその看護職員と話したときには、以前に他の医療機関で2交代勤務をしていたから2交代勤務をしたいけれども、当院は3交代制だけなのでできないという声があります。例えば、当院が新卒で採用し、ずっと勤務いただいている看護職員にとってみると、いろいろお話を聞くけれども、体への負担は経験したことがないので、やってみないとわからないという声があります。それをアンケート調査の結果で言えば、回答率が約30%であった、どちらでもいいという回答になっていると思います。正循環は、先ほど申し上げたとおり公益社団法人日本看護協会が推奨していますが、現場としてはやはりいろいろな問題があるから実施できないという結論に至っているので、実施していません。ですから、2交代制については、まずは16時間30分の勤務時間であればどれくらい体に負担がかかるか、体験していただくことになります。
そして、もう1点は、勤務シフトを実際に組めるのかという問題があります。例えば、1人の勤務時間が3交代制の8時間30分で、ほかの2人が2交代制の勤務時間というのは、多分、現場の引き継ぎを考えると事実上無理だと思います。3人夜勤であれば、2交代勤務の看護職員が3人そろわないと実施が難しいことになります。よって、希望者だけの実運用は相当難しいのではないかと想像します。
一方、現場として2交代勤務をやりたいという声が一定程度あります。その方々を含め、2交代勤務をやったことがない看護職員にもやっていただいて、仮に、本年10月から2交代制を導入して実施が11月だとすると、11月に1回か2回試しにやってみたけれども、体がきついからやめるということであれば、12月からは3交代勤務に戻る方がいると思います。また、ほかの看護職員は、勤務シフトが合わなくてできなかったけれども、12月から1回やってみて、体の負担、御家庭の問題など、生活全般を考えたときに自分にとってどの勤務体制が一番合うのか、または、診療科にとってどの勤務体制が一番いいのか、それぞれの看護職員に体験していただかない限り、実施は難しいと思います。
総括すると、労働時間が長くなることについては、その辺の負荷を検討材料に入れなければならないと思います。ただ、当院で16時間30分の勤務を実際に行ったことがなく、他の医療機関で2交代勤務の経験がある看護職員しか知らないものですから、その辺を含めて、まず、試行してみようというのが、ここに至った経過であります。

吉本議員:公益社団法人日本看護協会の資料をいろいろ見ると、一つの看護単位の病棟において全看護職員が同じ勤務シフトで夜勤をするのではなく、それぞれが働きやすい形の夜勤を行う方向にシフトしていく必要があり、また、外国ではそのような医療機関がたくさんあると書かれていました。そのようなことを含めて検討しなければならないと思います。
ただ、今、問題になっている16時間30分の長時間勤務に関して、もう1点確認したいと思います。
仮眠の問題です。勤務時間が8時間を超えなければ休憩時間は45分ですが、8時間を超えると休憩時間は1時間です。ただ、これも公益社団法人日本看護協会のガイドラインに書かれていますし、ほかにも掲載されていますが、やはり午後10時以降に8時間を超える勤務をするのは通常の勤務時間ではありませんので、生態的に認知能力が落ちると言われています。よって、仮眠をきちんととらせる、とれる環境について、これから試行のプロセスに入っていくときにセットで検討する旨をきちんと明示したほうが、検討する側にとっていいのではないかという気がします。
先ほどの管理課長の答弁は、休憩時間だけのお話でしたけれども、その辺はいかがでしょうか。

管理課長:現在、当院として考えているのは、何度か御説明したとおり、2交代制を導入する診療科は産婦人科で、お産を想定している患者を診る病棟において、試行を含めて導入させていただこうと考えております。それは、1人の患者に1人の看護師、実際には助産師がついてお産の介助をさせていただくのですが、お産の途中で看護職員がかわるのはなかなか難しいでしょうし、具体的に言うと、実際に横で陣痛が始まっている患者がいるのに申し送りをするのは、現場として難しいという話があります。そういう勤務帯が多い病棟として西3病棟がありますので、今はそのような形で進めようと考えております。仮に突発的に4人、5人のお産があるという想定はなかなかしづらいですし、事実上、あっても1人か2人ですので、看護職員3人のうち2人がそれぞれ患者につきます。もう1人の看護職員は、病棟の管理をしなければなりませんが、出産は薬を使って陣痛の時間管理をする以外は、自然分娩であり、いつ出産につながるかわからない中で、一旦、陣痛が始まると当然終わるまで離れられませんから、まずは産婦人科に導入したいということでございます。
そこで問題なのは、議員が御指摘のとおり、特に深夜帯となる午後10時から翌日の午前5時までは生物学的に認知機能やほかの判断能力がかなり落ちると言われていますので、そのフォローをどうするかという点だと思います。原則、今、西3病棟の急性期病棟は3人の看護職員が夜勤帯に入っていまして、仮に16時間30分の夜勤とした場合、規則上、休憩時間を1時間としていますが、交代して休憩をとれるのであれば、随時休憩をとりつつ運用することが望ましいと考えております。ただ、仮に2時間の仮眠時間と言われていても、その2時間はほかの看護職員がフォローをしなければならないわけであり、人数的に3人の看護職員で大丈夫かどうかという不安は現場として当然あると思います。患者の安全が大前提ですが、看護職員の勤務上の安全性も加味しつつ、どのように進めたらバランスをとれるか、試行する中で検討していきたいと思います。
また、何時ごろから休憩をとるのがいいかというと、望ましいのは午後10時から午前5時までの間に3人の看護職員がそれぞれ休憩をとって仮眠することだと考えております。ただ、患者によってはその時間に出産が始まっていて休憩をとれないことが想定されますので、現場において、安全性に配慮しつつ、試行させていただいた上で実施について検討したいと考えております。要は、規則上、休憩時間は1時間だから1時間しか休ませないということではありません。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
次に、(2)議案第62号 江別市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
本件に対する説明を求めます。

管理課長:それでは、江別市病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例の制定について御説明申し上げます。
資料の5ページをごらん願います。
こちらは、昨日の定例会本会議にて御説明申し上げました提案理由説明書の写しとなっておりますので、内容については、後ほど御参照いただきたいと思います。
続いて、資料の6ページをごらん願います。
まず、1改正理由でございますが、医師法の趣旨に鑑みまして、診療科目について、患者や地域住民が自己の病状等に合った選択をすることができるよう、また、専門的な診療科目を専門医の配置等に合わせて速やかに設置できるようにするため、所要の改正を行おうとするものでございます。
次に、2改正内容でありますが、まず、上から、(1)について、診療科目を規定する第2条第2項のうち、第3号の神経内科から第6号の循環器科までを削り、第7号の小児科から第17号の麻酔科までをそれぞれ4号ずつ繰り上げることとしております。
そのほか、同項第14号に、前各号に掲げるもののほか、規則で定める診療科目という規定を加える改正内容となっております。
なお、今回の診療科目に係る改正については、医療法改正の内容に基づいて検討を重ねてきたものでございます。本年4月に就任した新病院長の意向を受けまして、今回の条例改正に至ったものでございます。
次に、(2)については、介護保険法に基づく事業を規定する第2条第4項を資料に記載のとおり改正するとともに、既に実施していない居宅支援事業所の設置を改めまして、訪問看護ステーションの設置に係る規定を整備するため、第2条第5項を資料に記載のとおり改正することとしております。
次に、3施行期日ですが、平成30年10月1日とするものであります。
なお、資料の7ページ及び8ページに新旧対照表を添付しておりますので、あわせて御参照願います。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの説明に対し、質疑ございませんか。

岡村君:改正理由にあるように、平成18年に医療法が改正されたことから、同法の趣旨に合わせるという理由が一つと、もう一つは、規則委任の規定を設けることだと理解しています。
最初に、医療法改正の関係ですけれども、平成18年に医療法が改正されたとすると、もう10年以上たっていますが、今回、改正する意図と目的は何なのか、教えていただきたいと思います。病院長が判断されたという話が出ていましたが、それが理由なのでしょうか。

管理課長:最終的には、病院長が判断したということですが、医療法が改正されたのは平成18年で、施行期日は平成20年4月1日です。法改正の趣旨については、改正後、新しく標榜する診療科目や名乗れる診療科目がそれぞれ定められたということでございます。
端的に例を申し上げると、内科と外科については、単純に内科と外科という診療科目名が認められます。ただ、法改正によりまして、当院で予定しておりますが、例えば、従来は呼吸器科と標榜していたものを、その診療の中身に応じて呼吸器科と内科を合わせて呼吸器内科と名乗れるようになりました。消化器科が一般的ですが、内科の医師が主に標榜する診療科目としては消化器内科がございますし、当院のように外科の医師が消化器疾患の診療に携わる場合は消化器外科となります。
ベースとして内科と外科がありますが、それに体の臓器のほか、小児や高齢といった年齢構成をつけ加えることが可能となり、従来より名乗れる診療科目の幅が相当広がったというのが法改正の内容となっております。
ただ、一部では医療法の改正前から名乗っている診療科目について、当院は条例で定めておりますけれども、何らかの規定を改正して届け出ない限り、従来の診療科目を名乗っていてもいいという特例があります。当院の場合ですと、直近で言うと、平成20年当時、神経内科の医師が市立病院を去られてから後任のめどがなかなか立たないということがありました。本来であれば、法改正後、すぐに診療科を変更するための検討をしますが、御承知のとおり、当時は、病棟の休止等で医師の体制がなかなか整わない中、病院の体制自体もかなり不安定な状態になったことがありまして、標榜する診療科目のことよりも医師と看護師の確保、そして、病院の体制整備を最優先に考えつつ、傾いた経営を少しでも上向かせようということで取り組んできたところでございます。
一方で、法改正後に名乗ってはいけない診療科目が幾つかございます。それが循環器科で、これは、医療法の改正後は名乗れない診療科目でございましたので、実は、毎年、江別保健所の監査のようなものがあり、そこで指摘を受けておりました。
そのようなことがあり、市立病院として、どこかの段階で全ての診療科目を再検討しなければならないという課題がありました。なお、総合内科という診療科目名はまだ認められておりません。当院の内科復活の契機として、総合内科の医師を集め、総合内科医養成研修センターの指定を受け、内科を少しずつ盛り立ててきましたが、総合内科そのものの標榜が認められていない状況は今も変わっておりません。それらを勘案する中でなかなか改正には至らなかったものの、いつかは条例を改正しなければならないと考えておりました。
また、新しい市立病院の体制を構築する中で、市立病院の売りは何かを議論しました。今いる医師で、特殊診療で言うと、例えば乳腺外科、また、今回は麻酔科と標榜する予定ですが、ペインクリニック麻酔科、そのほか人工透析内科がございます。このように、他の医療機関ではなかなか取り組めませんが、当院ではきちんと診療を受けられることをアピールできる診療科目を標榜する体制が整いましたので、最終的な判断を病院長にしていただき、今回の条例改正に至っております。

岡村君:今、答弁があったように、自分の病院は何を売りにするかという戦略を含めて、私は、診療科目名は法の趣旨の範囲内ですが、患者に見せる看板だと思っています。
ただ、特に第2条第2項第3号から第6号まで削られた部分で、同項第3号の神経内科は医師の配置がありませんから、実態としては存在しないのでいいですけれども、同項第4号、第5号及び第6号をそれぞれ削ることになっています。実情から言うと、呼吸器科は出張医が診療していますし、消化器科、循環器科は1人ずつ医師が対応しています。私には、条例の規定と規則で扱うものが資料を見ただけではまだわからないので、その辺をもう少し教えていただけますか。

管理課長:今回の条例改正は法制部門といろいろと協議をさせていただき、また、他の医療機関の例を参考にさせていただきました。最終的に今回の条例改正の主眼として、当院のメーンの診療科目は条例で削ることができないという判断に至った経緯がございます。その判断の中で、先ほど内科と外科の例をお話ししたのですけれども、単体で名乗ることができる診療科目が医療法で定められておりまして、改正後の条例に残している診療科目の全てがそうなのですが、新たな第2条第2項第1号から第13号までで規定している診療科目は、単独の診療科目として名乗ることができるものです。基本的には単体で標榜できる診療科目を残したということです。
逆に言うと、今回、規則での規定を検討している消化器科は、内科でもできますし、外科でもできますので、二つの診療科目として標榜する予定であります。規則での規定を検討している診療科目は、今申し上げたベースとなる単体の診療科目に臓器名や年齢構成などをつけ加えることが考えられますので、それらを全て規則に規定するということです。
結論から言うと、一つの診療科目として名乗るのに医療法で認められているものを条例で残して、臓器名や年齢構成等を合体して標榜するものは基本的に規則に規定させていただくという切り分けでございます。

岡村君:次に、第2条第2項第14号の規則委任の規定についてお聞きします。
改正内容は、多分、同号に規定されていることを指していると思います。同号の規定は、前各号に掲げるもののほか、規則で定める診療科目とされており、素人的にこのまま読んでしまうと、規則で定めている診療科目も、この第2条第2項第14号で条例化されているということになると、全部が条例化されていると読み取れるのですが、そのような解釈は間違っているのでしょうか。この考え方は多分間違っていると思うのですが、この規定はそのように読み取れます。なぜ、第2条第2項第14号の規定を加えたのでしょうか。
規則で定める診療科目を同号に掲げると、ほとんどが条例で規定したものと同じように読み取れます。

病院事務長:医療法上で標榜する診療科目は、全部江別保健所に届け出なければなりませんので、医療機関としての対外的な効果としては委員がおっしゃるとおりです。ただ、今、管理課長から御答弁したとおり、医療法の規定に基づき、単独で標榜できる診療科イコール基礎診療科ですから、それなりの専門医がいないと標榜できません。まさしく、地方公営企業法でいうところの企業の根幹にかかわる部分ということで、条例に残しました。
一方で、年齢構成や臓器名、内科でいうところの専門的サブスペシャリティーですけれども、例えば、循環器科、呼吸器科のほか、今回考えているのは乳腺外科です。臓器名と基礎診療科を合体して標榜できると医療法で規定されているものについて、なぜ規則委任をするかというと、新しい医師を招聘して、その医師がこのような専門的な診療ができる、また、新たな診療科を標榜したいと言ったときに、条例改正をしなければなりません。そうすると、例えば、条例改正を議会でお認めいただいて可決されるということになると、新たな医師が赴任してから3カ月程度のタイムラグが生じます。逆に、医師がいなくなったときも同じことです。専門医を招聘したら、その医師がこのような専門的な診療をできるということが結構あります。標榜というのは患者に対外的に見せるということですから、当院にこの専門外来ができるということをきちんと見せていく、専門医が配置されたときに規則を改正して基礎診療科につけ加えることをお認めいただくと、規則改正によって標榜できるようになるので、迅速に変更できるようになります。

岡村君:私もそうだと思っていました。だから、最初に聞いたのは、条例化する意義で、条例に規定する理由は何なのでしょうか。例えば、今の答弁を一部参考にすれば、既に医師がいて患者の対応している診療科目については、条例にきちんと規定する。さらに、今答弁があったような専門医の配置はまだされていないけれども、その可能性があるものについては、医療法の趣旨の範囲内で標榜できるようにするということだとすると、標榜する可能性のあるものは条例の規定だけでいいのでしょうか。条例と規則を分けずに、第2条第2項第14号のような規定をするなら、全部、条例化しても医療法の趣旨に反しないのではないかと思ったのですが、なぜ分けているのでしょうか。

病院事務長:専門分野に関しては、マイナスの効果に捉えられるとまずいのですが、専門的な領域の表現は従属的な関係です。あくまでも、メーンは内科があって、内科の専門分野として循環器科、消化器科があります。外科も同じです。メーンの外科があって、専門分野として消化器科、呼吸器科のほか、例えば、胸部、小児、高齢などの区分があります。いわゆる年齢カテゴリーと専門カテゴリーの診療科目です。
もう少し詳しく言うと、専門的な領域について、市立病院が何をやっていかなければならないのかということにかかわることだと思っております。地域の医療機関として何を担っていくのか、この委員会の御議論の目的にかかわることですので、そのベースとなる診療科目は条例に規定させていただきます。
専門分野に特化した診療を基本的な診療科目につけ加える部分については、医師の特性に応じて柔軟かつ迅速に対応したいということで、規則で規定させていただきたいということであります。

岡村君:そのことは答弁を聞いて十分理解できました。ただ、病院事務長と私が心配している、やっと新たな医師が見つかった、すぐに患者に対応できるようにしたいといったときに、条例に規定されていると、議会での議決が必要ですから時間がかかるというように読み取れます。しかし、この第2条第2項第14号のように規定してしまうと結局同じことになりませんか。

事務局次長:この条例改正につきましては、法制部門と十分に協議をいたしまして、このような規定にしております。
第2条第2項第14号の規定にいたしますと、同項第1号から第13号までの診療科目以外の診療を行うことができる新しい医師が来て、何か新しい診療科目を設けることになった場合は、別に規則で定めることができます。規則に新しい診療科目を加える、あるいは、削る等を行うことにより、条例改正を行わなくても規則を改正すれば新しい診療科目を標榜することができる、実質的にはそういうこともできるという助言を法制部門からいただいておりますので、間違いなくできると思っています。

岡村君:今の答弁は理解していますが、条例に規則委任について規定することによって、何らかの影響を受けないのでしょうか。

病院事務長:専門医がいなければ標榜できないなど、昔に比べると今は要件が非常に厳しくなりましたが、医療法に反していない限り、民間の医療機関では病院長の裁量で診療科目が決まります。
昔は、麻酔科以外はほぼ自由に標榜できましたので、外科の専門医資格しか持っていなくても内科を標榜できました。それに比べると、医療法の改正において、要件的には患者に誤認をさせない標榜ということで、大分厳しくなっています。当院は公立病院、ましてや自治体病院でございますし、地方公営企業法の根幹的な規定に縛られていまして、標榜する診療科目を条例で規定しなければならないとされています。よって、何の基礎的診療科目を標榜するのかということを条例での規定事項にしています。
今、委員がおっしゃった、効果を発現させるためには第2条第2項第14号を削ってもいいのではないかという点ですが、条例の規定に医療法で定める複合的医療に関してはこの限りではないという規定にしてしまうと、何の縛りもなく、民間の医療機関と同じように自由に何でも標榜できることになってしまいます。それは地方公営企業法に基づき運営している市立病院としては、さすがにいかがなものかということで、やはり条例に規則委任について規定した上で、きちんと規則で新たな診療科目を定めることが最低条件だと考えております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

赤坂君:今ある消化器科、循環器科は規則で定めるのでしょうか。
議会に消化器科や循環器科などの経営状況を報告すると思います。背景には条例で規定された診療科目が根拠になっているからですが、今後の報告との関連や規則との関係、また、新しい診療科目ができたときのことを説明してください。

病院事務長:今、まさに調整中ですが、基本的に年度途中での変更はしないと思っております。今、条例で定めている診療科目において、各種統計を整理しているところでありますが、年間統計の傾向を見る上で、前年度と比較することを考えますと、年度の途中で診療科目を変更してしまうといろいろな影響があります。
コンピューターが発達しており、いろいろなことができるようになっていますが、統計項目等の変更の関係上、年度の切りのいいところで変更しようと考えております。根拠をきちんと整理した上で変更したいと考えております。

赤坂君:規則委任についてはわかったのですけれども、この条例が改正された後、規則に規定して設置する診療科目、新規で設置する診療科目は順次進めていけばいいのですが、既存の診療科目で規則に規定する予定の診療科目は何ですか。

管理課長:診療科目名が少し変わるので、同じ名称ではありませんが、呼吸器科、消化器科、循環器科については、今、規則での規定を予定しております。その名称は、呼吸器内科、消化器科は消化器内科と消化器外科の両方を標榜する予定です。循環器科は循環器内科、そのほか、循環器科関連で言うと小児循環器内科です。従来は小児科でやっていた内容を小児の循環器内科として標榜する予定です。内科関連で言うと、従来は内科として標榜していましたが、人工透析内科を標榜する予定です。これがいわゆる内科関連で規則での規定を考えている診療科目です。
外科関連で言うと、先ほど申し上げた消化器外科のほか、乳腺外科があり、これは全国でも数少ない乳腺外科の専門医が1人おりますので、そこをアピールしたいと考えております。あとは、内視鏡外科で、実際の手技として、外科医が腹腔鏡を使うと内視鏡外科に該当すると聞いております。これが外科でいうサブスペシャリティーになります。
従来、当院でペインクリニックと標榜していたのですけれども、実際は麻酔科だけだったので、これをわかりやすくペインクリニック麻酔科といたします。
法改正で名乗れなくなった診療科目が幾つかあります。名乗れなくなった診療科目で、今の条例で規定されているものは、呼吸器科、消化器科、循環器科です。ペインクリニック科も名乗れないので、今回、ペインクリニック麻酔科ということで規則に規定する予定です。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
次に、(3)議案第66号 平成30年度江別市病院事業会計補正予算(第1号)を議題といたします。
本件に対する説明を求めます。

管理課長:それでは、平成30年度江別市病院事業会計補正予算(第1号)につきまして御説明申し上げます。
資料の9ページをお開き願います。
1編成方針でありますが、江別市健康都市宣言に基づく市民の健康推進に係る業務や医療的ケア児の受け入れを見据えた学校における特別支援教育への支援業務など、市長事務部局等において、看護師のスキルや専門性が求められる行政需要に対応するため、市立病院の看護職員10名を市長事務部局等に人事異動させることに伴う給与費の減額措置を行うものとなっております。
次に、2補正予算明細でございますが、収益的支出において、1款病院事業費用、1項医業費用、1目給与費では、看護職員の人事異動に伴う給与費を合計で4,924万6,000円減額する内容となっております。
このうち、節区分ごとの補正内容を表の上から御説明申し上げますと、まず、1節給料は、平成30年度予算の看護職員の平均値をもとにして異動予定者を10名として積算し、補正金額1,791万3,000円を減額するものであります。
次に、2節手当等は、1節給料と同様に看護職員のそれぞれの平均値をもとにいたしまして、1特殊勤務手当の減として338万5,000円、2時間外手当の減として254万6,000円、3夜間勤務手当の減として188万3,000円、4期末・勤勉手当の減として704万円、5その他の減として190万5,000円で、合計1,675万9,000円の手当等を減額するものであります。
続いて、5節法定福利費は、上段二つの項目の給料及び手当等の額に応じまして法定福利費を減額するものであり、内訳としては、1共済組合掛金等として591万5,000円、2退職手当組合負担金として286万6,000円、3退職手当組合事前等納付金として17万9,000円、合計で896万円を減額するものであります。
次に、7節賞与等引当金繰り入れ額は、今回、期末・勤勉手当及び法定福利費をそれぞれ減額することから、それに伴う各引当金についても、それぞれ減額するもので、内訳としては、1期末・勤勉手当引当金として469万3,000円、2法定福利費引当金として92万1,000円で、合計561万4,000円を減額するものであります。
次に、3議会の議決を経なければ流用することのできない経費の変更についてでありますが、当初予算第8条におきまして、職員給与費及び交際費については、議会の議決を経なければ流用することができないと定められており、今次補正において、給与費を減額しようとすることから、議会にお諮りするものでございます。
変更内容としては、こちらの資料に記載のとおり、予算第8条に定めた経費の金額中(1)職員給与費36億6,458万2,000円を36億1,838万1,000円に改めるものであります。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの説明に対し、質疑ございませんか。

内山君:看護職員の人事異動に伴う給与費の減額ということですが、人事異動の看護職員10名は既に決めたのか、また、どのように決めたのか伺います。

管理課長:人事異動の看護職員の決定方法についてですが、事前に異動先でどのような内容の業務をするか伝えなければならないため、看護職員に部署と業務内容を説明した上で、異動をしたいかどうかの確認をとり、希望者の中から10名を選ばせていただくという流れでございます。

内山君:確認ですけれども、異動する10名は決まっているということですか。

病院事務長:内々に候補者を絞り込んで、かつ、どこに配置するのかということを本庁で調整していると聞いています。
ただ、最終的な人事行為として正式確定はしておりません。

内山君:異動者を決めるに当たって希望をとったということですが、現在の市立病院は厳しい経営状況ですし、若い看護職員ばかり異動してしまうと、病院内の看護体制に影響を及ぼしかねないと思います。そのあたりについて、病院内の看護体制をしっかり考えた上で決定していますか。

病院事務長:かなりデリケートな内容ですから、どこまで御説明できるかというのはありますが、概略的に言うと、異動の希望が多かったのは40歳代後半から50歳代前半の方で、若い方は30歳代で1名のみだと記憶しております。なお、20歳代はいませんでした。
やはり、いろいろな事情で夜勤が難しい看護職員からの応募が中心だったと認識しております。これは江別市職員労働組合との交渉の中でも、再三、話が出ていたと報告を受けておりますが、市立病院で気概を持って従事している中、本庁からのお話があったということで、希望した本人にはいろいろな葛藤があったと思います。少なくとも、夜勤が可能になったら夜勤をやっていただかなければなりませんので、御本人のライフプランや体調、御家庭の事情を総合的に勘案して決断し、異動したいという意思表明をされたものと認識しているところであります。

内山君:今回の人事異動は病棟再編に伴うものということで、再三、御説明をいただいていますけれども、一応、1年をめどとして市長事務部局等に配置するということですが、その後の対応であったり、市立病院に戻る条件については説明をしているのでしょうか。

事務局次長:今回の病棟再編は、市立病院の入院患者が減少していますので、やむなく1病棟を休止するという判断に至りました。その時期に合わせて市長事務部局等から配置先が提示されましたので、意向調査を行った上で、10名を人選したという経過であります。
基本的には、あくまでも一時的な措置としての病棟休止であると考えておりますが、正直に申し上げて、いつ病棟を再開できるかというめどはまだ立っておりません。病棟を再開できる時期が来たら、市長事務部局等に異動する看護職員に、また市立病院に戻っていただいて病棟を再開したいということを主に総務部と調整した上で話しております。
異動する10名の看護職員につきましては、病棟を休止する中、看護職員を求めている職場があるため、異動希望を募った上で、人選しておりますが、その中で1年後に病棟を再開したら市立病院に戻ること約束しているということはございません。新しい職場で勤務してほしいという意向のもと、10名を募っておりますので、その10名には市立病院に戻ってもらうことを約束して異動していただくというよりは、新しい職場での活躍を期待するということで人選を行っている経過でございます。

内山君:確認ですが、異動する看護職員は、いずれは市立病院に戻るという意識で異動するのか、それとも市長事務部局等に配置されたままということもあり得るのでしょうか。

病院事務長:最終的にそこは異動する看護職員の内心の問題ですから、どう思っているかということはわかりません。市長事務部局の提案理由説明にありましたし、私の提案理由説明でも同じことを言っていますが、基本的に市長事務部局が求めているのは、市長事務部局が計画している新たな健康づくり事業あるいは医療的ケア児の受け入れを見据えた学校における特別支援教育への支援事業で、そこに医療現場をよく知っている看護職員を配置することによって事業の質を上げたいというコンセプトがあると聞いています。そちらでそれなりの需要、求めた理由がありますので、当然それに従って専門職である看護師としての能力を発揮していただいて、期待に応えていただきたいという思いがございます。
一方、こちらも異動していただくに当たっては十分な配慮をもって人選したと認識しております。以前も看護職員が配置されていた部署があると聞いておりますが、ほとんどが今まで看護職員が配置されていない部署であり、新たな業務を始めると聞いておりますので、どのような業務内容になって、どのような行政効果があるのかというのは未知数でございます。
何を言いたいかというと、病棟の再開は未知数だし、新たな事業の方向性はこれから取り組むということで、いろいろな選択肢を排除していないということです。例えば、幸いにして病棟の再開が早期にかなった場合は、市立病院の施設基準の維持を最初に考えなければなりません。当然、市長事務部局と相談をした上で、一時的に新規事業に欠員ができたとしても、新たな看護職員をそう簡単に採れないので、市立病院の経営を安定化させるために戻っていただけないかという協議をしますし、市長事務部局等に異動する看護職員にも当然聞きます。
一方で、病棟の再開がすごく先になる、かつ、新天地での仕事に新たなやりがいを見つけて行政効果が上がっているということであれば、それはそれで新天地で頑張っていただくことが行政としてメリットがあるし、本人のやりがいにもつながります。それは、一つの可能性として十分あり得ます。
本庁の新規事業のことはおいておいて、市立病院のことだけを考えると、病棟を再開することになれば施設基準を満たすだけの看護職員の人数がすぐに必要になります。これは病棟を再開する時期が見えた段階で、総務部などと密接な協議をした上で、看護職員の配置をどうするかについて、総合的な判断をしなければならないと考えております。

内山君:病棟の再開は未知数ということですけれども、その場合に、先ほどの答弁にありましたが、今回異動される看護職員10名が市立病院に戻ってくるということが前提なので、新規採用はしないのでしょうか。看護部の中でも、循環というか、人材の新陳代謝が必要になると思いますが、市長事務部局等に配置されている間の市立病院における看護職員の採用はどのようにお考えでしょうか。

事務局次長:次年度以降の看護職員の採用については、診療報酬で求められている要件に基づき、看護職員の人数を一定程度確保しなければなりませんので、最低限の採用をすることになると思っています。ですので、採用を完全に凍結することは難しいといいますか、例えば、今年度、退職者がかなり出て、来年度に診療報酬の施設基準を維持できなくなるという事態にならないように、採用を抑制しつつ、診療報酬の施設基準を見ながら、ある程度の看護職員を採用しなければならないと考えております。

内山君:ちなみに、今回の病棟再編に伴う人事異動について、江別市立病院経営健全化評価委員会でどのような御意見等をいただいたのでしょうか。

管理課長:先月、江別市立病院経営健全化評価委員会を開催いたしまして、病棟再編と看護職員の人事異動について御説明申し上げましたが、3人の委員からは、御意見や御要望等はいただいておりません。

内山君:先ほどから、病棟の休止に伴う人事異動については、市立病院への復帰は未知数ということでしたが、そうは言っても、このままずっと異動させたままというわけにはいかないと思います。病棟の再開はなかなか難しく、根本的には医師の確保の問題があると思いますが、異動した看護職員の中には、いずれは市立病院に戻りたいという方がいると思いますので、病棟の再開に向けた経営改善の計画や見通しを持っておく必要があると考えます。そのようなものはなく、ただ、病棟が再開できる状況を待つということなのではないかと思いますが、病棟の再開に向けてどのようにお考えでしょうか。

事務局次長:今回の病棟の再編ですが、これは前回の当委員会でも申し上げたと思いますが、今、患者が減っています。今の患者数に対する一般病棟5病棟による運用は、人員的、設備的に過大ですので、病棟を効率的に運用するため、患者数に合わせて、やむなく1病棟を休止するということでございます。
特別な狙いがあって1病棟を休止しようというものではございません。病棟を一つ休止した分、診療収益を得る機会を喪失するということですから、患者数が回復次第、一日でも早く病棟を再開したいという思いでおります。しかし、今のところ具体的な方策のめどが立っていないのが正直なところで、一刻も早く病棟を再開したいというのが精いっぱいのお答えになります。特に入院患者を診る内科医の人数が大きく減少していますので、特に医師の招聘に向けてさまざまな努力をして、今まで行っていなかった民間の紹介事業者の活用に手を広げて、最大限、医師の招聘と患者の回復につなげていきたいと考えております。ただ、今のところ、これ以上の考えといいますか、方策は残念ながら持っておりません。

内山君:今回行う病棟の休止と人事異動は、現在の経営状況、収支状況を見ると、やむを得ない状況下で行われることを理解しますけれども、本年1月に市長が、収入に見合った経営をすると発言されたことがそもそもの発端だと思います。御説明では、人事異動は市長事務部局の必要に応じて行うということがあって、今回の人事異動となったわけです。
江別市立病院経営健全化評価委員会で御意見はなかったということですが、病棟の再開に向けて、市立病院だけの責任ではなく、市長事務部局もしっかり責任を持って努力する必要があると思うのですけれども、そのあたりはどのように考えますか。

事務局次長:入院患者数が回復すれば病棟を再開できますし、病棟が再開すれば、その分、市立病院の診療収益もふえることになります。やはり市立病院の職員が最大限の努力をして医師をふやし、患者数を回復する努力をしなければならない、私個人としてはそのように思っております。
患者数を回復するという部分で、市長事務部局に協力をしていただけるのであればしていただきたいという思いがありますが、求められるほうとしても非常に厳しいと思います。なかなか有効な方策を持ち得ていないところで、こういうお話をするのは非常に心苦しいのですが、市立病院の職員が最大限頑張らなければならないと思います。医師の招聘、患者数の回復に向けて、精いっぱい力を尽くしたいと思っております。

内山君:最後に、市長事務部局では確かに対応が難しい面がありますけれども、今回の人事異動は、市立病院の危機的な状況に伴う病棟の休止がきっかけです。これが悪い方向に行ってしまうと、最終的には、市民の税金の負担等につながることなので、市長部局は市立病院任せではなく、より連絡を密にして、協力し合って進めていただきたいと要望いたします。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

本間君:今のやりとりの中で、一つ懸念がありますので、質疑をさせていただきます。
まず、病棟再開の可能性があるわけですが、その場合、看護職員は何名必要になりますか。

事務局次長:10月1日から病棟の休止を予定している東3病棟の現在の看護職員の配置数は24名です。もちろん、この24名は、患者数によって変わる人数でありますが、病棟を再開する場合には24名の看護職員を配置する必要があると考えております。

本間君:今回、市長事務部局等に10名の看護職員が異動するわけですけれども、先ほど、病棟を再開をしたときにはその10名の看護職員には戻ってきていただきたいという話でした。現在、東3病棟に配置されている看護職員24名と今回異動する看護職員10名との差の14名の方々は、ほかの病棟などに異動されると思いますけれども、病棟を再開した場合は、市長事務部局等に異動した看護職員10名に戻ってきていただき、なおかつ、ほかの病棟に振り分けた14名の方に戻ってきてもらえば、市立病院の体制として問題ないと考えられるのでしょうか。

病院事務長:看護職員の配置は物すごく流動的です。つまり、もともと人材の新陳代謝が非常に激しい職場で、新規入職者や定年退職によらない普通退職者が普通の年でも年間で2けた生じる職場です。
それから、患者数によって看護職員の配置と夜勤体制の必要人数が決まります。
そして、病棟以外には看護職員の標準配置数はありません。何を言いたいかというと、例えば、患者支援室をつくりましたが、患者支援室の業務に対しては診療報酬はありません。今回、病棟の休止によって、患者を間接的に支援する部門を少し手厚くする予定です。余剰人員と言うと語弊がありますが、人工的に少しふやせるので、患者を間接的に支援する部門については少し手厚くして、外来の職員配置を少し変えます。
病棟を再開したときに看護職員を新規採用し、市長事務部局等に異動した10名の看護職員を市立病院に戻すかという点については、そのときの状況にならないとわからないのが正直なところです。最悪、施設基準がある病棟に看護職員を配置することが最優先なので、他の業務に支障のない範囲で、施設基準がない部署の看護職員を施設基準がある病棟に優先して配置した結果、なお何名足りないかという対応の流れになると思います。もちろん、今回、再配置して増員する部門の効率性や妥当性をこれから検証していかなければなりませんが、一方で、看護職員の新規採用を全くしないわけにはいかないのは、普通退職が非常に多いためです。配偶者の転勤が突然決まった、親の介護で実家に戻らなければならない、あとは、これは人事施策に問題があるのですが、上位資格を取得するために休職したいなどの理由があります。看護職員は、正職員だけで200名以上おり、さまざまな理由で毎年、最低でも十数名が退職されるため、そのような動きを勘案しながら病棟の施設基準を維持しつつ、外来のほか、患者を間接的に支援する部門に職員を確保するということで、人員の配置をしております。
病棟を再開するということは患者数がふえることを意味しますから、一定程度の看護職員数が必要ですが、病院内部での異動、あるいは、新規採用、中途採用、市長事務部局等に異動した看護職員を市立病院に戻せるかどうかについても勘案しながら、最終的な人員配置をしなければならないと考えます。

本間君:看護職員10名が市長事務部局等に異動して、その10名には病棟を再開する際に市立病院に戻ってきてほしいというお話でした。これは患者数や病棟再開時の状況によるので、何とも言えないと思いますが、必ずしもこの10名全員が市立病院に戻ってこなければ病棟を再開できないわけではないという理解でよろしいですか。

病院事務長:心の中では古巣である市立病院に戻ってきてほしいという気持ちがありますが、今回、市長事務部局等が求めているのは、新たな健康づくり施策に対する専門職のスキルです。ですから、せっかく行ったからにはこの仕事をしてみたい、あるいは、市長事務部局等の現場においても、この人にいてもらわなければ困るという現実の問題がたくさん出てくると思います。その辺のバランスを見ながら考えていくと、現実問題として市長事務部局等に異動した看護職員10名全員を市立病院に戻すことはなかなか難しいと思っております。この10名を市立病院に戻さなくても施設基準を維持できるような対策を今から考えておかなければならないと思っております。

本間君:何を言いたいかというと、医療的ケア児の受け入れを見据えた学校における特別支援教育への支援業務に配置する看護職員についてです。今、市内にいる該当するお子さんは市外の学校に行っていますが、今回、看護職員が配置されるということで、市内の学校に転校するわけです。また、ほかの市町村から、江別市内の学校に看護職員がいるのだったらということで転入されてくる方がふえるだろうと考えると、一度、学校に看護職員を配置したら途中で引き揚げるという話にはほぼならないと思っています。その辺は、市長は、よく理解した上でこのようなことをしたと思います。
先ほど、市長事務部局等に異動した看護職員10名全員に市立病院に戻ってきてほしいという話がありましたけれども、全員が戻ってくることはできないという認識で、病棟の再開に向けての取り組みを考えていただきたいと思います。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

岡村君:全体を通して具体的な質疑がありましたが、私の感想ですけれども、やはり何か欠けていると思います。
答弁を聞いていると、希望をとって、異動する看護職員を人選し、市長事務部局等で新しい仕事をされる。そして、その扱いについては、あくまでも本人の希望を尊重したいので、仮に病棟を再開するという状況になっても市立病院に戻ることを異動の条件にしないということです。裏返せば、本人の希望を尊重してあげたい、仕事に生かしていただきたいということです。その視点では大変思いやりのある答弁です。
しかし、問題は、今回どうしてこうなったのかという基本的な原因を見て、その対策をどうしていくのかということです。先ほど、赤坂副委員長が質疑の中で信頼関係が大切であるとおっしゃいましたが、私もそれはすごく大事だし、今、いち早くそれをつくることでしか健全な病院再建はあり得ないと思っています。つまり、地域医療の中核病院として、今回のことで大変御迷惑をおかけしているという認識をどうやって言葉と行動にあらわしていくか、このことが問われていると思います。そういう意味で、今回のことは、今の状況では健全な医療行為と医療機関の役割を果たせないので、緊急の対応としてこうした方策が出ているのだと思っています。ですから、迷惑をかけているこの課題を解決するために一日も早く病棟の再開を急ぐべきだと思いますが、ずっと話を聞いていると、それに対する思いがほとんど感じられません。
そこで、ことし1月に市長が定例記者会見でお話しされた内容をもとに当委員会で理事者質疑をさせていただきましたが、改めてお聞きします。
市長と病院事務局との関係ですが、病院事務局の皆さんは、言うまでもなく企業会計事業者のスタッフの一員として頑張っておられます。一方、市長は、また別な立場で、病院開設者としてその任務と責任を負っていると思っています。多分、認識は同じだと思っていますが、問題はそれぞれの責務を果たしているのかどうか。病棟の再開に向けて、答弁にあったように、一日も早く患者に市立病院に来ていただく必要があります。そして、この緊急事態を解消するために、病院事務局の皆さんから、また、病院設置者である市長から提案されています。ただ、病棟の再開に向けた具体的な取り組みはほとんど目くらましにされており、先ほど申し上げた市長の発言内容だけが過大なものになりかねないため、信頼関係が重要だと感じています。
改めて、市長の立場と病院事務局の皆さんの立場を正確に教えてほしいと思います。病院設置者の市長が言ってはいけないこと、やらなければならないことを教えてください。

委員長(清水君):暫時休憩いたします。(13:12)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(13:20)

病院事務長:私どもと市長との関係性ですけれども、病院勤務を拝命した以上は、市立病院を維持することと収支の改善が最大の使命だと思っております。
再三、この委員会で、私は、個人的な立場を含めて御答弁申し上げておりますけれども、医療政策といいますか、市立病院を地域医療にどう位置づけるのかということを以前の当委員会で話したと記憶していますが、そこまで市立病院に求められているとは思っていません。むしろ、それは当院の役割の範疇を超えることですし、我々は、市民が安心して診療できるように市立病院をいかに維持するか、これに尽きると思っています。
結局、あの手この手でいろいろ取り組んできて、一時は盛り返しましたが、医師の体制が最終的にネックになって、非常に御心配をおかけするような経営状況になっております。市長が決して現場の実態を全く顧みずに次から次へと指示をしているという実態はありません。
ただ、結果は当然求められているわけですから、この委員会でのいつもの御議論と同じように、しからばどうするのだというところが、先ほどの事務局次長の苦しい答弁にあったとおり、特効薬がないということになります。
今後の決算特別委員会でいろいろな質疑があると思いますが、正直申しまして、頻回に医育大学を回ったから医師を招聘できる、医師の紹介業者にのべつ幕なく照会をかけたから医師を招聘できるというものではありません。特に、大学医局の教授は、医師を招聘してほしいという約束では絶対に会ってくれません。そもそも、医師を招聘したいから会いたいですと言った瞬間に面会を断られます。けれども、平成18年、平成19年に、北海道大学所属の医師に引き揚げられたという苦い経験から、どこかの医育大学ときちんとつながって安定的な供給をしていただかなければならないということは、総合内科を維持する一方で裏ではずっと取り組んできました。これは市長からの指示があり、また、市長に報告しながら取り組んできました。そんな中で、結局、総合内科医がまた離脱し始め、まだ大学医局との関係が修復されていないことから、今のところ内科医の招聘で妙案がないというのが現状です。
もう一つ、つけ加えて言うと、再三、なりふり構わず医師の招聘に取り組むと言っていますけれども、余りなりふり構わずやり過ぎて、今度は大学医局との関係が完全に断たれたという事例が実際にあります。これは、答弁のニュアンスとしてはそうやって申し上げていますけれども、現実に医師の招聘は物すごくデリケートな環境で行います。要は、医師の招聘を全て民間医局に頼ることになったのかと言われかねませんので、非常に慎重に進めております。
そんな状況の中で、市長から経営の改善を急ぐようにという指示があります。このままでは市立病院はもたないし、当市の一般会計を含めて財政的な影響が相当あります。そもそも市立病院の存続が危ういということで、再三、指示、指摘をいただいております。確かに市立病院に患者が来ていないということで1病棟を休止しなければならない状況から、今回の看護職員の人事異動等に派生していることは間違いないと思います。
ただ、一方で、災い転じて福となすではありませんが、やはり医療的ケア児の受け入れや、保健師だけで行うよりも医療現場を知っている看護職員の力をかりて健康づくりの施策を拡大することについて、消極的な視点だけで行っているかというと、私はそう思っていません。特に医療的ケア児の受け入れについては、具体的な方針が出たことによって、実際に一定の反応があることを直接聞いております。そういった観点からすれば、確かに当院の病棟の休止が一つの大きな契機になった人事異動であったとしても、それが行政サービスにおいて必要としている方に対して新たな効果を生むのであれば、市立病院が少しお役に立ったと思っています。
市長との関係という御質疑ですけれども、市長は、今のところ、例えば、市立病院を廃止するとか、さらに規模を縮小するというようなことは毛頭考えていないものと思っております。むしろ、市立病院の維持、さらには、休止した病棟をいずれは再開する考えだと思います。この間の新聞報道にありましたし、この委員会でも御説明しましたように、1年を超えて休止した病棟については、間違いなく札幌圏域地域医療構想調整会議で、その扱いについて協議することになります。強制的に開設権限を剥奪できることが法的に担保されています。北海道における協議内容を聞きますと、少なくとも公立病院の病棟休止が1年たったから機械的に許可を取り消すことまでは考えていないという情報があります。逆に、そのように思っていただいているうちに、医師の体制を含めて患者数の回復に取り組むことが使命だと思っていますし、それは市長も同じ気持ちだと思います。

岡村君:本年1月に定例記者会見で市長がお話ししたことに対して、私どもは理事者質疑をしました。
市長への質疑やさまざまな市長の言動から、地域完結とまで言う必要はありませんが、地域における市立病院の役割として、今の機能が必要だと本当に思っているのかどうか、私にはいまだにわかりません。もしかすると、これだけかかりつけ医が充実しているし、いざとなったらすぐ近くに対応できる医療機関がたくさんあるという意味では、今の機能を維持しなくていい、だから、企業会計は収支改善し、収支を合わせなければならないと言っているように聞こえてなりません。
だから、そこをきちんと明確にして我々や市民と議論をしていかなければ、いつまでもかみ合いません。わからない状態のまま、ずっと大変だと言って、結果として1病棟を休止しなければならなくなりました。それでは、いつ歯どめをかけるための対策が行われるのか、それとも歯どめをかけようとしていないのか、前段の私の話が市長の腹のうちにあるのだとしたら全然話が変わってきます。
そこで、具体的に聞きますけれども、今回、補正予算を提案した前提として、50床ある病棟を休止するに至った過程で、市長からどのような指示がありましたか。

事務局次長:病棟の休止に関する市長からの指示ということで申しますと、経営状況につきましては、患者数の減少傾向が続いており、患者の動向あるいは市立病院の収支状況は、適宜、市長に報告しております。患者数の状況のほか、診療報酬改定の動向がございましたので、具体的な病棟休止についての検討状況を市長に伝えたのは、私の記憶ではことしに入ってからです。場合によっては、病棟を休止せざるを得ないということを報告いたしまして、病棟を休止した場合の人件費を含めた経費削減のシミュレーションを報告した経過がございます。
実は、具体的に病棟を休止するようにという指示を市長から受けた記憶はございません。収支の均衡を図る方策の一つとして、今の患者動向からすると1病棟を休止して病床運営の効率化を図らざるを得ないという報告をした経過がございます。具体的に診療報酬改定の内容が見えて、また、患者の減少傾向が残念ながら改善しない状況でしたので、具体的には昨年度末から今年度に入りまして、病院内で病棟休止の検討を始めました。その経過を市長に報告する中で、病棟休止はやむを得ないという判断をされたという経過でございます。

岡村君:具体的なことは聞かないつもりでいましたが、前段の質疑の経過を含めると、先ほど言ったように緊急でやむなくこういう措置をしたというようにきちんと認識すべきだし、明らかにすべきだと思います。そうしなければ、一日も早く東3病棟を再開しようという意欲や努力は、どうしても甘くなります。聞こえてくるのは、病棟を休止しても病棟再編をしたのだから患者には迷惑をかけていない、だから問題ないということです。そのような認識であれば、また同じような状態になり、どうしてもやらざるを得ないという理由で、そう遠くない将来に同じような対応策が出てくるという危機感を持っております。
ですから、私は、今回人事異動に人選された10名の看護職員には新しい職場で頑張ってもらいたいけれども、私たちはみんなが市立病院に早く戻ってくるために必死になって頑張るということをきちんと明らかにするべきだと思います。聞いていると、人事異動に人選された看護職員の持っているスキルを生かしていただくことにより、市立病院とし市長事務部局に貢献できるという話が出まして、確かにそういう見方もあるでしょう。今、市立病院が大変な経営状況にあるわけですから、市長事務部局は募集をして看護職員を集めればいいという考えもあり、一日も早く市立病院の役割を果たすための病棟再開は、病院事務局の皆さんのきれいな言い回しの答弁を聞いていても信頼には至りません。
病院事務長がおっしゃるように、医師の確保は大変デリケートな問題だというのは、私たちも平成18年に経験させていただきました。そういう方々の信頼を得るところから始まります。一つ一つ積み上げて、完成するかどうかわからないところに努力を傾注していく、もうそれしかないのだろうと思います。それは、やはり病院設置者である市長が先頭に立って行うべきだと思います。
市長に期待すること、この取り組みが必要であるということは、現場で苦労する人が言えることです。外から見ている私が言ってもどうにもならない話です。そのように思うのですが、改めて、大変な状況で御努力されている立場から、病院事務長はどう考えますか。

病院事務長:我々が市長に期待するというのは大変おこがましい話でありまして、そういうベクトルで物を考えたことはありません。
正式な場で御答弁できない内容について、それなりに市長に動いていただいている部分がありまして、特に医師の確保の関係については、市長からかなりの情報を直接いただいております。逆に言えば、むしろ市長の立場でできることを江別市のトップとしておやりいただいていると認識しております。
今、現場からしか言える者はいないだろうという話だったのですが、我々はどうしても現場主体で考えてしまいますので、正直に言うと、現場がこういう窮状なのにという愚痴がないわけではありません。
ただ、端的に言って、市長と私どもでは負っている責任の度合いが違います。もちろん、市立病院を守っていかなければならないという立場は同じだと認識しています。もう少し具体的に言うと、どんどん市立病院の規模を縮小していくことを考えているというわけではありませんが、それは具体的にどういうことを指すのかが非常に多岐にわたるので、何とも申し上げられません。しかし、過去から何回も議論されている精神科の今後のあり方や札幌圏域地域医療構想調整会議での具体的な協議結果、仮に江別市立病院の役割を他者から具体的に示されるようなことがあるとすれば、我々はそこにフィットさせるようなことを考えなければならないでしょうし、市長も同じだと思います。
何とかして、一般病棟278床の診療規模を復活させ、これを維持したいと思います。少なくとも、今、当院の現場ではそう考えています。なぜかというと、今回、当院の看護職員10名が市長事務部局等に異動しますが、非常に事務的な観点から言って、ほかにも職員がたくさんいます。もっと言えば、実際に患者が減っているとはいっても、当院を頼りにしていただいている患者がたくさんいます。さらに、医療外のことでは、経済的な波及効果の問題として、市立病院が直に雇用している職員以外の外部事業者、例えば、委託事業者で言えば100名近くの方が働いています。外部事業者の従業員だけで200名を超える規模で当院にかかわっていただいています。そういった雇用の問題のほか、その従業員の給料を原資とした経済循環の問題があります。やはり、市立病院だからこそ、単純に一般の医療法人のように経営のことだけを考えるわけにはいきませんし、また、その裏には地域医療をきちんと守るという確固としたビジョンがなければだめだと思っています。
強いて言えば、今後の展望に関して、現場の役割と医療圏における市立病院の役割について示唆をいただけると、なおいいと思ったことがあります。むしろそれくらいで、逆に、今の市立病院を何とか維持していく、困難な状況でも何とかアイデアを出して市立病院を維持していくべきだという私の考えと市長の考えに差はないものと思っております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
市立病院退室のため、暫時休憩いたします。(13:46)

※ 休憩中に、議案第57号、議案第62号及び議案第66号の今後の審査方法等につい
て協議

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(14:52)
休憩中に確認いたしましたとおり、議案第66号については、次回理事者質疑を行うこととしてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
また、理事者質疑項目については、看護職員の給与費の減額に伴う今後の病院経営について、発議者は、岡村委員といたしますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次に、議案第57号及び議案第62号については、本日で審査を終えることとし、結審は、議案第66号の結審日と同日に行うこととしてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、結審単位については、1件ずつ行うこととしてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次回の委員会は、9月13日木曜日の午前10時より開催いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
最後に、2その他について、各委員からございませんか。(なし)
事務局からございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(14:54)