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生活福祉常任委員会 平成30年12月5日(水)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年1月25日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(齊藤君):ただいまより、生活福祉常任委員会を開会いたします。(13:29)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり進めてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、傍聴希望者がおり、入室を許可いたしましたので報告いたします。              傍聴者入室のため、暫時休憩いたします。(13:29)

委員長(齊藤君):委員会を再開いたします。(13:30)
1付託案件の審査、(1)陳情第8号 江別子どもの権利条例の制定を求めることについてを議題といたします。
これより、陳情第8号の結審を行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。(異議なし)
御異議なしと認め、直ちに、討論、採決を行います。
これより、陳情第8号に対する討論に入ります。
討論ありませんか。

裏君:陳情第8号 江別子どもの権利条例の制定を求めることについて、不採択とすべき立場で討論いたします。
児童の権利に関する条約は、1989年に第44回国連総会において採択され、日本は1994年に批准しました。
この条約は、世界の多くの児童が、今日なお、飢え、貧困等の困難な状況に置かれている状況に鑑み、世界的な観点から児童の人権の尊重、保護の促進を目指したものです。
本条約の発効を契機として、より一層、児童生徒の基本的人権に十分配慮し、一人一人を大切にした教育が求められています。
陳情の内容は、日本においても子供たちへの暴力やいじめ、児童虐待の問題があり、緊急かつ適切な対応が迫られているとして、江別において子供の権利条例の制定を要望されているものと理解いたしました。
公明党は、子供の人権を守るため、これまで一貫して児童虐待防止対策に取り組んでまいりました。2000年には児童虐待防止法が施行され、虐待を発見した場合の通告義務が明確になり、2007年の同法の改正により、児童相談所の権限を強化し、立入調査がしやすくなりました。このほか、子供や親の相談などに当たる児童福祉司を増員するための配置基準の見直しや子供の迅速な保護を目的とした親権の一時停止を推進するなど、対策の充実に努めてきました。
また、2015年7月には児童虐待の通報や相談ができる全国共通ダイヤル189がスタートしました。さらに、児童虐待の未然防止のため、育児不安などの相談に応じるこんにちは赤ちゃん事業も全国展開されました。虐待の背景には、親の孤立や産後鬱など、さまざまな要因が考えられることから、保健師などの専門家が妊娠から育児までワンストップで切れ目なくサポートする日本版ネウボラである子育て世代包括支援センターの設置を推進しており、2016年4月時点では296市区町村、720カ所まで広がりました。
対策をさらに進めるため、2016年には改正児童福祉法と改正児童虐待防止法が成立し、児童相談所に児童福祉司や医師、弁護士など専門家の配置の義務づけのほか、児童相談所職員の研修受講の義務化、市区町村に日本版ネウボラを設置する努力義務も規定されました。
また、児童虐待が疑われる家庭に対し、児童相談所が裁判所の許可を得て強制的に立入調査をする臨検の手続を簡素化し、より素早く子供の保護を図ることができるようになりました。
陳情書には、緊急かつ適切な対応との記載がありますが、そのことを重く受けとめますと、子供の人権を守るためには、現実的で実効性のある具体的な対策が重要と考えるところです。
一方、江別市においても子供の権利については、えべつ・安心子育てプランの中で明記されており、子供だけではなく、保護者や学校教育現場、社会全体に一層浸透するよう普及啓発を進めるとともに、さまざまな機会を活用して、子供の権利に対する市民意識の向上に努めることとしています。
当委員会における担当部局への質疑の中で、当市でも子供の権利に関して多くの取り組みがなされているとの説明がありました。
また、平成28年10月に開催された江別市子ども・子育て会議における子育て中の委員の意見は、果たして今必要なのは理念的な条例なのだろうかと思う。子育て中の方が求めているのは、理念的なものより具体的な施策である。児童の権利に関する条約を否定するつもりはないが、子供の権利が守られているという前提において、育児中の保護者としては具体的な施策の充実を期待したいと思っている。
また、ほかの委員からは、日本国憲法や児童憲章、児童福祉法などで子供の権利がうたわれているので、現時点で行われている市の取り組みを充足させることが大切だと思っているという意見がありました。
そのほか、神奈川県川崎市で川崎市子どもの権利に関する条例が制定されて、子供の権利を守ることと教職員の指導が対立するという問題があったなどの意見もありました。
以上述べましたが、子供の権利条例を制定することによって、いろいろな分野に与える影響を考えますと、子供の権利条例の制定については、慎重に進めていくことが重要と考えますことから、子供の権利条例の制定には至らないものとして、陳情第8号 江別子どもの権利条例の制定を求めることについて、不採択とすべき立場での討論といたします。
以上です。

委員長(齊藤君):ほかに討論ありませんか。

諏訪部君:陳情第8号 江別子どもの権利条例の制定を求める陳情について、採択すべき立場で討論いたします。
日本では、歴史的に子供を親の所有物のようにみなしていた過去があり、子供のためという言葉とは裏腹に、子供の意思や人格を無視し、親の価値観というおりの中で子育てをする親が一定数見られました。
子育て支援が充実してきた現在においても、親が思いどおりにならないと子供を虐待してしまったり、過度な干渉、親の思いどおりの人生を歩むことを強制したり、親の喜ぶことが子供の行動の選択基準となり、アイデンティティークライシス、つまり自己同一性の喪失に苦しむ子供が少なくないと言われています。親子という関係性の中で、子供の気持ち、意思、人格などを尊重するという基本的な事柄がないがしろにされてしまいます。
したがって、子供の権利というかた苦しい言葉にとらわれるのではなく、大人たちがこの条例の趣旨を尊重する、すなわち子供の気持ち、意思、人格などを尊重するという根本に立ち返り、多くの子供たちが救われることを期待するものです。もちろん、子供の権利条例の制定には即効性があるものではありませんが、繰り返し啓発することで不幸な子供を1人でも減らすべきと考えます。
資料として提出された道内市町の子供の権利条例を見ると、前文はさまざまですが、そこに共通する思いは、子供は大人のパートナーであり、お互いの権利を尊重し、子供の最善の利益を守り、大人とともに夢と希望が持てるまちづくりに対する決意が述べられています。
江別市においても子供の最善の利益を守り、大人と子供が協働し、第6次江別市総合計画の将来都市像である、みんなでつくる未来のまちえべつを実現するためにも、この条例が必要であると考えることから、採択すべき立場での討論といたします。
以上です。

委員長(齊藤君):ほかに討論ありませんか。

堀君:陳情第8号 江別子どもの権利条例の制定を求めることについて、採択すべき立場から討論に参加します。
子供たちは社会の宝である。子供たちの最善の利益を守ることについて、誰しも異論はないと思います。子供たちの最善の利益をどのように守るのか。その手法について十分な検討が必要なのでしょう。
そして、熟考した結果、子供の権利条例の制定は手法として意味のあるものと考えるに至りました。
とりわけ有意義と思われる3点について述べたいと思います。
1点目は、救済制度です。札幌市の子供の権利救済機関、通称子どもアシストセンターを見てみますと、既存の機能や機構とは異なるものであることがわかります。
主な活動内容としては、相談業務と権利侵害からの救済の申し立て等に基づき問題解決に向けた調査や関係者間の調整を公的第三者の立場で実施することです。
スタッフは、議会の同意を得て市長から委嘱された救済委員が2名、関係機関への調査や関係者間の調整活動を担当する調査員が3名、電話や電子メールで相談を受ける相談員が7名です。
一向になくならないいじめや虐待。この状況を重く受けとめ、体制の強化を図らなければならない時期に来ていると考えます。
2点目は、旗印の共有です。市では子供の権利に関する取り組みについて、部署をまたいでさまざまな施策を展開しております。子供の権利条例の制定によって、理念や目指すところを明確にすることで、施策の位置づけを整頓していくことが可能です。
市民全体に子供の権利についての理解を浸透させ、考察を深めていく契機にしていくのです。加えて、児童の権利に関する条約の普及を教育現場任せにせず、全市的に実施していくという姿勢を明らかにし、推進していく必要性を感じております。
3点目は、自己肯定感です。民主主義は、再帰的な社会運営システムであるため、運に委ねられにくく、本来は納得を獲得しやすい制度です。しかし、投票権のない子供たちの将来は大人という運に委ねられてしまいます。
そうした意味でも、児童の権利に関する条約の四つの権利のうち、生きる権利、育つ権利、守られる権利は当然として、参加する権利がこれからの時代に要請されているのだと思います。
閉塞感とは、決して悪条件から生まれるものではありません。たとえ状況が悪くても、それを改善できると思うことができ、その働きかけに応答が得られ、自分の力が環境に作用できると感じられれば、希望は失われません。
自分たちの未来を自分たちでつくっている。こうした自治の感覚を持つためには、自己肯定感を基礎とした自己効力感、自己有用感が必要です。そのために、子供の権利条例を制定する中で、子供の参加する権利を高らかにうたうことは、大変価値のあることではないかと思います。
一方、2020年の大学入学試験から、非認知的能力を問うという教育改革が始まります。非認知的能力を高めるための基礎となるのも自己肯定感であり、この対応が教育現場でも求められています。子供を主体的な個人と考え、教職員には人生の先輩として、見識によって子供を教え導いていただきたいと願うものです。
以上、有意義と思われる3点について述べましたが、課題もあります。
子供の権利のありようについて、子供も大人も十分に把握しないままに子供の権利条例を制定すると、条例の理念と現実の振る舞いに乖離が生じてしまうということです。
その意味では、まずは、児童の権利に関する条約について、しっかりとした普及が必要なのだろうと考えます。市民議論を尽くして、子供の権利条例が制定されることを期待します。
権利とわがままは異なるものです。権利とは、望むものというよりも、そこで必要になっているものに近いもの。このことについて、全ての江別市民が考えていく未来を願い、陳情第8号 江別子どもの権利条例の制定を求めることについて、採択すべき立場での討論といたします。
以上です。

委員長(齊藤君):ほかに討論ありませんか。(なし)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、陳情第8号を挙手により採決いたします。
陳情第8号は、採択することに賛成の委員の挙手を求めます。(鈴木委員、諏訪部委員、堀委員、吉本委員挙手)
挙手4名であります。
念のためお諮りいたします。
陳情第8号は、不採択とすることに賛成の委員の挙手を求めます。(裏委員、清水委員、星委員、三角委員挙手)
挙手4名であります。
採択・不採択は同数であります。
採択・不採択同数のため、江別市議会委員会条例第15条の規定により、委員長において本件を決します。
陳情第8号について、委員長は、不採択とすべきものと決します。
本日結審を行いました陳情に係る付議事件審査結果報告につきましては、委員会での審査経過や結審内容を踏まえて、正副委員長で協議の上、作成いたしたいと思いますが、御一任いただけますでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次に、2閉会中の所管事務調査(案)についてでありますが、記載の3項目について、議長に申し出いたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
最後に、3その他について、各委員からございませんか。(なし)
事務局からございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(13:45)