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平成30年第2回江別市議会定例会会議録(第2号)平成30年6月20日

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月6日更新

1 出席議員

26名

議長 高間 専逸 君 副議長 宮川 正子 君 
議員 吉本 和子 君 議員 高橋 典子 君
議員 三角 芳明 君 議員 星 克明 君
議員 島田 泰美 君 議員 干場 芳子 君
議員 内山 祥弘 君 議員 堀 直人 君
議員 本間 憲一 君 議員 石田 武史 君
議員 清水 直幸 君 議員 宮本 忠明 君
議員 角田 一 君 議員 山本 由美子 君
議員 野村 尚志 君 議員 岡村 繁美 君
議員 鈴木 真由美 君 議員 赤坂 伸一 君
議員 諏訪部 容子 君 議員 尾田 善靖 君
議員 齊藤 佐知子 君 議員 徳田 哲 君
議員 相馬 芳佳 君 議員 裏 君子 君

2 欠席議員

0名

3 説明のため出席した者の職氏名

市長 三好 昇 君 副市長 佐々木 雄二 君
水道事業管理者 佐藤 哲司 君 総務部長 後藤 好人 君
企画政策部長 北川 裕治 君 生活環境部長 高橋 孝也 君
経済部長兼
総合特区推進監
渡部 丈司 君 健康福祉部長 佐藤 貴史 君
建設部長 中田 正士 君 病院事務長 吉岡 和彦 君
消防長 西原 信一 君 水道部長 菊谷 英俊 君
会計管理者 永嶋 満 君 総務部次長 福島 和幸 君
財務室長 野口 貴行 君 教育委員会教育長 月田 健二 君
教育部長 萬  直樹 君 監査委員 中村 秀春 君
監査委員事務局長 近藤 政彦 君 農業委員会
会長職務代理者
金安 正明 君
農業委員会事務局長 川上 誠一 君 選挙管理委員会
委員長
中井 悦子 君
選挙管理委員会
事務局長
金内 隆浩 君    

4 事務に従事した事務局員

事務局長 土屋 健 君 次長 錦戸 康成 君
庶務係長 土谷 晶子 君 議事係長 阿部 昌史 君
主査 水口 武 君 主任 伊藤 みゆき 君
書記 海谷 祐二朗 君 書記 渡辺 輝 君
事務補助員 中島 奈津子 君    

5 議事日程

日程第 1 会議録署名議員の指名
日程第 2 一般質問

発言者及び発言趣旨

星 克明 君 (一問一答方式)

  1. 起業化促進支援について
    (1)起業化促進支援相談体制の充実について
    (2)起業希望者への作業環境支援について
  2. 就労支援について
    (1)就労支援研修における受講対象者の拡大について
    (2)就労支援研修項目の拡大について
  3. 起業及び就労支援に関する総合施設について
    (1)起業相談窓口と就労支援研修拠点を集積した総合施設づくりについて
  4. 小学校でのプログラミング教育について
    (1)2020年度から導入されるプログラミング教育に対する考え方について

齊藤 佐知子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 絵本のセカンドブック事業について
    (1)ブックスタート事業の現状について
    (2)絵本のセカンドブック事業の導入について
  2. ひきこもり対策について
    (1)ひきこもりの実態について
    (2)長期ひきこもりへの対策について
    (3)不登校児童生徒に対する適応指導教室の必要性について
    (4)不登校児童生徒への継続した支援について
  3. ピロリ菌対策について
    (1)早い段階からのピロリ菌対策の必要性について
    (2)市内医療機関との協力体制について
    (3)中学生を対象としたピロリ菌検査の導入について
  4. リバースモーゲージについて
    (1)リバースモーゲージの市民周知について
  5. 学校の危機管理体制の整備について
    (1)学校での心肺蘇生教育の普及推進及び突然死ゼロを目指した危機管理体制の整備について

石田 武史 君 (一問一答方式)

  1. 江別市における農業労働力の認識について
    (1)江別市における農業分野での労働力の現状認識について
    (2)農業分野における労働力不足の解消に向けた対応について
  2. 市内小・中学生のコミュニケーション能力について
    (1)演劇の手法を取り入れることによる効果について
    (2)市内小・中学生のコミュニケーション能力の現状認識について
    (3)市内小・中学校の授業等で演劇に取り組むことについて
  3. 大麻・文京台地区の今後のまちづくりについて
    (1)大麻・文京台地区の今後の発展について
    (2)JR大麻駅、鉄道林、大麻中央公園及びえぽあホール周辺の今後の展望について

諏訪部 容子 君 (総括質問総括答弁方式) 

  1. 障がい者福祉について
    (1)手話への市民理解について
    (2)耳マークの設置について
    (3)耳マークの設置に係る研修について
  2. 男女共同参画について
    (1)女性管理職の比率について
    (2)職員の育成について
    (3)セクシュアル・ハラスメントに関する研修について

 6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(高間専逸君)

これより平成30年第2回江別市議会定例会第9日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は26名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(高間専逸君)

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(高間専逸君)

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
赤坂 議員
山本 議員
を指名いたします。

◎ 一般質問

議長(高間専逸君)

日程第2 一般質問を順次行います。
星克明議員の起業化促進支援についてほか3件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

星 克明君

議長から発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。
本日は、起業化促進支援、就労支援、小学校プログラミング教育についての質問をさせていただきます。
まず、件名1の起業化促進支援についてです。
江別市に起業相談を求めてこられた件数は、江別市起業化促進支援相談員の相談実績と企業立地課相談窓口の利用実績から見ますと、平成28年度に15件、平成29年度に16件であり、この2年間の相談者のうち、8名の方々が新規に開業されたとのことであります。開業された方にも、準備中の方にとっても、江別市起業化促進支援相談員と関係部局の皆さんの支援は心強いものであったと思料いたします。今回は、江別市の起業化促進支援の体制をより充実したものにできないかとの観点から質問をさせていただきます。
項目1の起業化促進支援相談体制の充実についてです。
現在の標準的な相談体制について、経済部のホームページを参考に確認をさせていただきますと、相談者は相談窓口である経済部の担当課に連絡を行います。受け付け時間は、祝祭日と年末年始を除く月曜日から金曜日の午前8時45分から午後5時15分まで、来庁、電話、Eメールでの受け付けとなります。その後、担当職員が相談内容などを伺い、江別市起業化促進支援相談員との応談を設定するという流れになっています。
現在の相談体制について、相談者の立場になって課題となる事項について考えてみました。
初めに、相談窓口の場所ですが、市役所の中にあるということが、どのぐらいの認知度があるでしょうか。起業したい人の相談を受け付けていますというような広報の体制は充実しているでしょうか。市役所という環境は敷居が高くはないでしょうか。受け付け時間についても平日の受け付けだけでは、就労中の方が相談したい場合などには不便があるのではないでしょうか。また、気軽に資料や情報収集が可能な場所はあるのでしょうか。相談者の立場に立った相談窓口とは、どのようなものなのでしょうか。
まず、場所についてですが、もう少し気軽に立ち入ることができる雰囲気のある場所、そこへ行くと起業に関する情報を得ることができる場所が必要ではないでしょうか。仕事の帰り、休日にも情報収集ができる環境も必要ではないでしょうか。そして、起業に関する相談窓口について広く広報することが必要ではないでしょうか。
相談者の年齢は平成28年度、平成29年度の相談実績では、30歳代から40歳代の方が多数を占めています。江別市には四つの大学があります。北海道情報大学では、毎年IT系の高い知識と技術を習得した人材が育成されており、ほかの3大学でも多様な人材が育成されております。若い方の起業相談に需要はないのでしょうか。
また、仕事をリタイアされた方の中にも、起業される知識や技術をお持ちの方が多数いらっしゃると思います。近年はインターネット上での商売や、デジタル工作機械を使ったものづくりでの起業なども増加してきているとお聞きします。
起業という大きな決断をされようとしている方々にとって初めの一歩となる相談窓口が、よりコンフォータブルな窓口であることが必要であり、かつ広く広報することが必要であると考えます。
江別市は、平成28年に国から産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定を受けており、この計画に基づいて、起業からフォローアップまで一貫した支援を行うと計画されております。その事業計画の概要を見ますと、ワンストップ相談窓口の設置と記載されております。よく市役所などで言われるワンストップ窓口とは、一つの場所でさまざまなサービスが受けられる環境、場所のことであると理解をしておりますが、この計画のワンストップ相談窓口はどのような機能を想定されているのでしょうか、その機能は達成されているのでしょうか。相談窓口の場所や相談対応時間、提供できる情報の充実、そして、それらについての広報をしっかりと行い、相談者の立場に立った相談窓口にすることが相談件数の増加につながり、起業者の増加が市の活性化につながるものではないでしょうか。第一歩目の相談窓口を含めた体制は現在のままの運用でよろしいのか、御見解を伺います。
項目2の起業希望者への作業環境支援についてです。
平成28年度、平成29年度に起業相談をされた方々の相談業種を見ますと、飲食店、大工、コンビニエンスストア経営、パン屋、家具製作など多岐にわたっているようです。また、近年ではインターネットの環境を活用したビジネス、デジタル工作機械を使ったものづくり、デジタル映像機器を使ったビジネスなどが多くなってきていると聞きます。起業するに当たり、それぞれの業種に見合った道具が必要となります。
現在の状況では、基本的に起業に関する情報提供とインキュベーション施設として元町アンビシャスプラザが運営されています。起業される方々はそれぞれがみずから必要とする環境を整備していくことが原則であると思いますが、資金融資が受けづらい若者や試行的な段階にある方にとっては難しいでしょうし、リスクを伴うでしょうから、起業にも消極的になってしまうのではないでしょうか。
例えば、インターネット環境を整備したレンタルオフィスですとか、木工用工作機械や急速に普及が進んできたデジタル工作機械の3Dプリンター、レーザーカッター、ガーメントプリンターなどの貸し出しを行うなど、起業希望者に対して個人ではなかなか整備しづらい機械や実験的に使ってみたい機械を地元で使えるという作業環境を支援することが起業時点でのリスク回避にもつながり、起業しやすい環境になるのではないでしょうか。また、デジタル工作機械の活用方法を習得することは、先端IT技術者の人材育成となり、新たなものづくり分野の起業を創出することにもつながります。御見解をお伺いいたします。
件名2の就労支援についてです。
少子高齢化、人口減少社会は私たちの周りで現実味を帯びてきております。大学卒業予定者の就職活動も売り手市場との報道がなされております。私たちの周りでも人手不足であるとの声をよく聞くようになりました。しかしながら、仕事を求めていても就職できない方々がたくさんいることも事実です。求人と求職のミスマッチであります。求人側は即戦力を求めるでしょうし、求職側には、やりたい仕事、報酬や福利厚生、家庭との両立など、双方にはさまざまな思惑が存在しているからこそ簡単に就労環境が向上するわけではありません。
先日、NHKの番組でシルバー人材センターへの求人が増加しているとのニュースを見ました。人手不足の中、低賃金、単純労働など、敬遠されがちな業務が多いそうです。また、帯広市では、高齢者の仕事づくりと企業の人手不足解消を目指す取り組みを始められたそうです。今後は、高齢者も労働力の一翼を担っていただく時代にあるでしょうが、体力的な問題などによる仕事内容のミスマッチが生じることは必須であると思います。このような問題を解決するためにも、就労支援による研修でのスキルの習得は、就労につながることはもとより、キャリアアップを目指すことが可能なことから、就労支援事業の拡大について伺います。
項目1の就労支援研修における受講対象者の拡大についてですが、現在も幅広い対象の市民に対して、さまざまな研修を企画されて、就労支援を行っておられます。
働きたい女性のための就職支援事業は、働きたい女性のための復職をメインに座学研修や企業での職場実習などの総合的な研修により、就職に結びつく成果を上げております。また、高校生には高校生地域就職支援事業として、社会人としての基礎研修や就職へ向けてのカウンセリングなどさまざまな就労支援を行い、大学生には有給インターンシップ等地域就職支援事業として、学生へのアルバイト情報の提供のみではなく、企業側の参画を得て、学生と企業との就職のマッチングを行うなどすばらしい、そして、成果のある事業が実施されております。
しかしながら、現在実施されている就労支援事業の対象になられていない市民もおられます。復職を希望される男性もいらっしゃいます。現在就労中の方にも、高齢者にも何らかの就労支援研修の機会を提供していただけないでしょうか。職探しをされている方はもちろんのこと、就労中の方でも、新たなスキルを身につけることができればキャリアアップも可能になります。高齢者の方々も同様でありますし、期待される世代であると思います。就労支援研修受講対象者の拡大についてのお考えを伺います。
項目2の就労支援研修項目の拡大についてですが、項目1で研修受講対象者の拡大について述べさせていただきましたけれども、対象者が拡大すれば、おのずと研修項目も対象者に見合った項目が設定されるものと考えます。
私が、ぜひとも加えていただきたい研修は、コンピューターのプログラミング研修であります。
現在の私たちの生活はIT技術に大きく依存しています。今後はさらに、その依存度が高まることが予想されます。私たちがIT技術の恩恵を受けるには、コンピューターへの命令を書き込んだプログラムが必要であります。このプログラムをつくる行為がプログラミングであります。
本年4月25日の北海道新聞に、専門学校にAI学科続々との記事が掲載されていました。これは、AI、人工知能を使って新しい製品やサービスを生み出す人材、すなわちプログラミング技術者が圧倒的に不足しており人材育成が急務であること、企業側での採用意欲が高まっているとの現状から、札幌圏の三つの専門学校で新たにIT関連の学科が新設されるとの内容でありました。少子化により民間の専門学校も厳しい経営を強いられる中で、プログラミング教育を新たな学科に選択したことがこの教育の重要性、将来性を示唆しているのではないでしょうか。就労支援で取り組む研修の項目としてぜひとも加えていただきたいと考えます。
プログラミングと聞きますと、難しいとの印象を受けるかもしれませんが、教育内容のレベル設定により十分に実施可能であります。
先進事例を御紹介いたします。本年4月に沖縄県沖縄市のスタートアップカフェコザという起業相談、起業家育成を支援する施設を視察させていただきました。その施設の事業の中にIT人材育成のため2カ月の研修期間でプログラミングスクールを開催しています。受講者はホームページをつくるために必要な技術や、ウエブアプリケーションをつくる技術を中心に身につけることができるとのことです。習得したスキルで仕事を受注することも可能となります。IT時代に見合った就労支援にかなう研修項目であると考えます。
プログラミング研修を含めて、研修項目の拡大についてのお考えを伺います。
件名3の起業及び就労支援に関する総合施設について、項目1の起業相談窓口と就労支援研修拠点を集積した総合施設づくりについて伺います。
件名3については、件名1及び件名2で質問させていただいた項目の目指すべき将来像であります。起業相談窓口では、希望者の相談に応じる専門の人員が常駐し、必要な事業計画の策定等を支援する。ミーティングスペースやコワーキングスペース等を配置することにより、日常的なコミュニケーションや勉強会、イベント開催における交流を通じてこの施設を核としたコミュニティーの形成が図られます。敷居の低い相談窓口は起業者の増加につながるのではないでしょうか。
また、この施設に就労支援研修の拠点を併設することは研修で育成された人材に対して、起業支援や就労支援、キャリアアップ相談等のきめ細かな対応を行うことが可能となります。加えて、プログラミング技術を習得する講座を実施し、IT人材を育成し、育成された人材をクラウドソーシングの受託につなげることでも起業や雇用の創出を促進できるのではないでしょうか。起業相談窓口、ミーティングスペース、コワーキングスペース、先端IT人材育成が、相互に連携することで人材育成から起業、就労支援の集積といった一連のプロセスをワンストップ化することが可能になるのではないでしょうか。
例として、このような施設を江別駅周辺の商店街の空き店舗などをリノベーションし開設することができれば、これまで余り商店街を訪れていなかった年齢層の若い施設利用者や講座受講生等の交流人口の増加により商店街活性化に波及効果をもたらすほか、施設利用者が起業等により商店街内の空き店舗等を活用するなど江別駅周辺地域の活性化にも寄与することが十分予想されます。
起業相談から就労支援までの総合施設づくりについての見解を伺います。
件名4の小学校でのプログラミング教育について、項目1の2020年度から導入されるプログラミング教育に対する考え方についてお伺いいたします。
プログラミングが活用されているのはパソコンやスマートフォンの中だけではありません。これまでの10年余りの間に、2004年にフェイスブック、2005年にユーチューブ、2006年にツイッター、2007年にアイフォンが発売され、2011年にLINEなど、その技術は黎明から普及し、私たちの生活を変えたことは誰しもが感じるところであります。
現在、黎明期の技術が10年から20年後の社会を変えることは、誰もが感じているのではないでしょうか。このような人工知能、音声認識、先端ロボット技術、自動運転自動車、デジタル工作機械等の技術の進歩により、例えば、運転の仕事やコールセンターのオペレーターなどさまざまな仕事が失われていくことも見込まれています。2015年に株式会社野村総合研究所が601種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算した研究によりますと、日本の労働人口の49%が、技術的には人工知能等で代替できるようになる可能性が高いと推計されています。これは35人の学級で17人の仕事が失われる可能性があるということです。しかし、逆に新たに発生すると予想される仕事の多くには共通のスキルとしてプログラミングの重要性が高まるとも予想されています。
このような背景の中で、2020年度の小学校プログラミング教育の導入は、コンピューターをより適切・効果的に活用していくために、その仕組みを知り、コンピューターに自分が求める動作をさせるというプログラミングの一端を理解し、コンピューターが魔法の箱ではなく、より主体的に活用することにつなげ、さらに今後さまざまな活動においてコンピューター等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業につくとしても、極めて重要なこととの観点からの導入であるという理解をしております。
小学校プログラミング教育の導入について、その重要性については、私が申し上げるまでもなく、十二分に御理解をいただいていることと存じます。石川県加賀市では、2016年に小学校プログラミング教育の実証事業を先進的に行うとともに、2020年のプログラミング教育の必修化までのスケジュールを作成され、北陸エリアのプログラミング教育先進自治体にと市長、教育長以下、市を挙げて取り組まれているとのことであります。2020年4月まで準備期間が18カ月ありますが、導入に向けて江別市の小学校プログラミング教育に対する取り組みについての考え方をお伺いします。
以上で、1回目の質問を終わらせていただきます。

議長(高間専逸君)

星議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

星議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、起業化促進支援に関しまして、初めに、起業化促進支援相談体制の充実についてでありますが、市では、起業者の発掘と育成を通して地域経済の活性化を図るため、平成14年度から起業化促進支援事業を行っております。また、平成28年1月には、創業支援事業計画を作成し、産業競争力強化法に基づく認定を国から受け、起業化支援を進めており、これを受けて、江別商工会議所や市が担っていた起業に関する窓口を一本化して、経済部にワンストップ相談窓口を設置したところであります。
相談窓口を経済部に一本化したことにより、利用者からは、融資や補助金などの情報提供を1カ所で受けられたこと、江別商工会議所などの関係機関との連携が容易になったこと、セミナーなど起業希望者向けの情報を知ることができたことなど、肯定的な意見をいただいております。
こうしたことから、この相談窓口が起業化支援に一定の成果を上げていると認識しており、このような実績を積み重ねていくことが、市の起業化促進支援事業の認知度の向上と利用件数の増加につながるものと期待しております。
市といたしましては、引き続き、ワンストップ相談窓口が起業を希望される方にとって相談しやすい窓口となるよう努めてまいります。
次に、起業希望者への作業環境支援についてでありますが、道内企業の産業支援機関である北海道立総合研究機構工業試験場では、ものづくりの設備機器を開放し中小企業等の製品開発などを支援しております。また、道内の事例としては、民間企業が設置・運営するいわゆるシェア工房で作業場と工具を有料で提供し、個人や小さな組織が行うものづくりを支援していると承知しております。
当市においては、大都市に隣接している立地を生かした都市型農業の推進や、大学等の研究機関の集積等の特性を生かした食の付加価値向上など、食と農の分野の産業振興を進めております。
市内の取り組みとしては、北海道立食品加工研究センターで食品の加工機械を中小企業や個人に開放しているほか、都市と農村の交流センターえみくるでは、多機能オーブンや急速冷凍庫、フードプロセッサーなど専門的な調理器具をそろえたテストキッチンを広く提供しています。
御質問にありました起業希望者への作業環境支援についてでありますが、当市の産業の中心である食と農の分野に特化した支援をこれからも継続するほか、起業化支援施設である元町アンビシャスプラザや商店街の空き店舗の活用による作業場所の確保など、今後どのような支援ができるのか、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、起業及び就労支援に関する総合施設について御答弁申し上げます。
起業相談窓口と就労支援研修拠点を集積した総合施設づくりについてでありますが、市では、起業に関する窓口を経済部に一本化し、ワンストップ相談窓口としているほか、就労支援研修は、江別市勤労者研修センターや江別市民会館等で開催してきたところであります。
御質問の中で、起業相談窓口と就労支援研修拠点を集積した総合施設として、沖縄県沖縄市の事例を紹介いただいておりますが、沖縄県では、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画により情報通信関連産業の集積や、アジアにおける国際情報通信拠点を目指しIT人材の育成・確保が行われてきた背景があり、沖縄市のスタートアップカフェコザには、国の交付金等を活用し、数億円が投入されてきたとのことであります。
なお、この施設にはスタッフが常駐し、希望者に対し起業に向けたアドバイスや専門家の紹介を行っているほか、シェア工房も設置され、先端ものづくりを行うための3Dプリンターやレーザーカッター等の最先端の機器が常備されています。また、複数のエンジニアが常駐し、プログラミングスクールが定期的に開催されるなど、高度なプログラミング技術の習得も可能な施設と伺っております。
市といたしましては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、まずは、当市の中心産業である食と農の分野に重点を置いた支援を続けていくとともに、起業家支援施設である元町アンビシャスプラザや商店街の空き店舗などの活用について、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、経済部長ほかをもってお答え申し上げます。

経済部長(渡部丈司君)

私からは、就労支援について御答弁申し上げます。
初めに、就労支援研修における受講対象者の拡大についてでありますが、雇用対策法におきましては、国は、若年層から高齢者層までさまざまな求職者や在職者を対象に、求職者には仕事のあっせんや就職に直結する職業訓練等を、在職者にはスキルアップに関する職業訓練等を実施し、地方自治体は、国の施策を踏まえて、地域の実情に応じた事業を実施することとされております。
現在、市では、有給インターンシップ等地域就職支援事業、高校生就職支援事業、働きたい女性のための就職支援事業により、大学生や高校生、女性を対象に座学研修や企業実習などの就労支援研修を行い、高齢者については、公益社団法人江別市シルバー人材センターが就労支援を実施しているところであります。
市といたしましては、これまでも性別や年齢を問わず幅広く対応してきており、引き続き、国などで実施されている職業訓練等を周知するほか、研修内容の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、就労支援研修項目の拡大についてでありますが、昨今、企業の人材不足の状況が続いている中、特にAIなどをプログラミングできる高度IT技術を持った労働者の不足が、深刻化しているものと聞いております。
国や北海道では、北海道職業能力開発促進センターや北海道立札幌高等技術専門学院において、パソコンの基礎からプログラミングなどの高度IT技術に関する研修まで、スキルに応じて職業訓練を実施し、希望する企業等に就労できるよう支援しているところであります。
また、市では、有給インターンシップ等地域就職支援事業や働きたい女性のための就職支援事業の中で、パソコンの基礎研修を実施しているほか、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構から委託を受けたNPO法人江別IT技術者協会では、江別市勤労者研修センターで、ホームページ作成講座などを実施しているところであります。
市といたしましては、今後ますますIT関連の人材に対する需要の増大が想定されることから、若年層から高齢者層を網羅するITスキル向上に関する研修項目の充実について、国や北海道の関連機関や大学等に相談してまいりたいと考えております。
以上でございます。

教育長(月田健二君)

私からは、小学校でのプログラミング教育について御答弁申し上げます。
小学校におけるプログラミング教育は、昨年3月に告示された学習指導要領において、新たに位置づけられ、平成32年度から導入されることになりました。
具体的には、情報活用能力を言語能力などと同様に学習の基盤となる資質・能力と位置づけ、小学校においては、児童がプログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために、必要な論理的思考力を身につけるための学習活動を、各教科等の特質に応じて計画的に実施するものです。
各学校では、平成30年3月に国から示された小学校プログラミング教育の手引を参考にプログラミング教育の実施に向けた準備を進めているところであります。
教育委員会では、教員一人一人がプログラミング教育に関する理解を深めることができるよう、昨年度の教職員セミナーにおいて研修を行っているほか、石狩教育研修センター等が実施する研修についても積極的な参加を促しております。
市が研究費を補助する大学連携調査研究事業において、小学校のプログラミング教育必修化に向けた教材の調査と試作の事業が今年度選定されたところであり、教育委員会としてもプログラミング教育の円滑な実施に向け、大学の研究に協力してまいります。
また、平成25年度から市内小学校において、大学の教授や学生の指導のもと、総合学習の中で、児童みずからパソコンでプログラムを作成し、ロボット操作を行う授業を実施していることから、このような事例も参考にしてまいりたいと考えております。
プログラミング教育を通じて、コンピューターを理解し上手に活用していく力を身につけることは、あらゆる活動においてコンピューター等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、極めて重要なことであると認識しております。
教育委員会といたしましては、学習指導要領に基づき、小学校におけるプログラミング教育が円滑に進められるよう取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

星 克明君

それでは、件名順に再質問及び要望を述べさせていただきます。
件名1の起業化促進支援について、項目1の起業化促進支援相談体制の充実については、要望を述べさせていただきます。
平成28年に江別商工会議所や市の窓口を一本化され、相談者の満足度は向上しており、現在の体制が起業化支援に一定の成果を上げているとのことでありました。
現在の相談件数の実績を見ますと、専従の相談員を配置することは時期尚早であるでしょう。ぜひとも相談窓口の認知度向上、そして、利用者のさらなる増加に向けて、広報活動についても積極的に実施されることと、相談者にとってよりコンフォータブルな窓口を目指されることを要望いたします。
次に、項目2の起業希望者への作業環境支援についても要望とさせていただきます。
ものづくりの設備機器について、北海道立総合研究機構工業試験場の支援施設については承知をしております。しかし、都市と農村の交流センターえみくるのテストキッチンを利用することと比較しますと、いささか敷居が高くなるのではないでしょうか。ものづくり設備機器、特にデジタル工作機械については、ものづくりの新たな技術として注目されていることから、この分野についても需要の調査などを継続的に行っていただくことを要望いたします。
次に、件名2の就労支援について、項目2の就労支援研修項目の拡大について再質問をさせていただきます。
件名1及び件名3の答弁の中で、市長から当市の産業の中心である食と農の分野に特化した支援をこれからも継続するとの御発言があったことに、農業の一端に携わる一人として心強く感じるところであります。
さて、再質問でありますが、市長におかれまして、ITスキル向上に関する研修項目の充実については、御答弁にありますように、その重要性について御理解をいただけていることは理解いたしました。現在、実施されている研修もございますし、今後は国や北海道の関連機関や大学等に相談していくとのことでありました。
どのような分野においても、人材育成というものは一朝一夕にはいかず、すぐに結果が出るようなものではありません。今回、私はプログラミング研修を就労支援研修項目に加えていただきたいとの質問をさせていただきましたが、一流のプログラマーになるには数年の年月が必要となります。単純にプログラマーを養成することを目的とするのではなく、世界の流れや社会の変化を的確に捉え、それについていけるマインドを持つ人を育成することが重要であります。そのことは地域が発展していくために絶対不可欠なことであります。
インドでは、40年近いSTEM教育の結果、今ようやくその地位を世界中が認めてきたところであります。人を育てることは、地道な作業です。その地道で結果がすぐに出ないことに取り組めるかが大きなポイントになってくるのではないでしょうか。
件名1の項目2で都市と農村の交流センターえみくるにおける作業環境支援の充実について御答弁をいだきました。本当にすばらしい施設です。例えば、テストキッチンで開発された新商品をどのように売れる商品にするか。その答えはPRすることで、多くの方々に商品を知ってもらうことが重要となります。ウエブ上でのPR、インターネットショップによる販売など、ITスキルが重要となります。農業界にもITスキルを駆使することで、作業効率を向上させる、販売網を拡大することで売り上げを拡大するなど、ITスキルの活用と繊細な食味や高品質を求める日本人のきめ細かさを生かしたこだわりのある農業とのハイブリット型の日本式スマートアグリの時代が始まっています。
また、スマートアグリの一つとして、富士通株式会社、シャープ株式会社、トヨタ自動車株式会社などの多くの企業が新たな収入源としてIT技術を活用した植物工場の開発も盛んになってきております。
江別市の産業の中心が食と農であるならば、食と農に関連するITスキルの向上を中心とした研修を実施することも、今後の江別市の中心産業の発展はもとより、江別市の強みにもなるのではないでしょうか。今後の方向性について、お考えをお伺いいたします。

経済部長(渡部丈司君)

就労支援研修項目の中に、食と農に関連するITスキルの向上に関する研修を加えてはどうかとの再質問に御答弁申し上げます。
市といたしましては、今後ますますIT関連の人材に対する需要の増大が想定されることから、若年層から高齢者層を網羅するITスキル向上に関する研修項目の充実について、国や北海道の関連機関や大学等に相談していく考えであり、御提案の趣旨を踏まえて、どのような対応が可能なのか、同様に相談してまいりたいと考えております。

星 克明君

IT関連の人材の需要拡大と人材育成の重要性については十分に御理解をいただいておりますので、御答弁のように関係機関や大学等との連携により、よりよいベクトルを模索していただきますよう要望いたします。
次に、件名3の起業及び就労支援に関する総合施設について、項目1の起業相談窓口と就労支援研修拠点を集積した総合施設づくりについて要望を述べさせていただきます。
現在の状況においては、起業相談についても就労支援研修についても現在の取り組み方が費用対効果に見合っていることは事実であります。成果も確認されているところであります。えみくるの施設についても農業の6次産業化の支援として機能しております。質問で御紹介させていただいた、スタートアップカフェコザのような形態の起業支援施設についても、福岡県福岡市、東京都武蔵野市など徐々にふえているようでございます。これは、時代のニーズでもあるのではないでしょうか。今後も起業化支援や就労支援を進めていく上で、本件につきましても継続的に情報収集など研究を継続されることを要望いたします。私も可能な情報提供などをさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、件名4の小学校でのプログラミング教育について、項目1の2020年度から導入されるプログラミング教育に対する考え方についても要望を述べさせていただきます。
2020年度からの導入に向けて、現在、教育委員会が粛々と準備をされていることについて、理解をさせていただきました。特に、平成25年度から、小学校の総合学習の中でプログラミング教育が実施されてきたとのことであり、その先進的な取り組みに感銘を受けました。
ぜひ、この先進的な取り組みの成果を全ての小学校と共有を図ることも視野に入れていただき、プログラミング教育が子供たちの成長につながるものとなるように準備を続けていただきたいと思います。
以上で、私の一般質問を終了させていただきます。

議長(高間専逸君)

以上をもって、星議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
齊藤佐知子議員の絵本のセカンドブック事業についてほか4件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

齊藤佐知子君

ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。
最初に、絵本のセカンドブック事業についてお伺いいたします。
1点目に、ブックスタート事業の現状についてお伺いいたします。
一人一人がかけがえのない存在である赤ちゃん。全ての赤ちゃんが生まれたときから大きな愛情に包まれて、幸せを感じながら生きることができたら、こんなにすばらしいことはありません。親を初め、多くの人が赤ちゃんと一緒の時間を過ごし、愛情に満ちた言葉を語りかけることで、赤ちゃんは、自分がとても大切にされ、愛されていることを知り喜びを感じます。赤ちゃんの幸せは、そんな時間の中で芽生え、広がり、生まれていくものです。それは大人にとっても、心安らぐ子育ての時間になります。
絵本は、このようなときをごく自然につくり出すことができます。絵本を開くことで、誰もが楽しく、赤ちゃんとゆっくり心触れ合うひとときを持てるように、ブックスタートはだっこの温かさの中で、赤ちゃんに語りかける愛情言葉によって、赤ちゃんとその成長にかかわる人がお互いに心を通い合わせ、幸せが感じられるきっかけをつくっていきたいと願っています。
ゼロ歳児検診などの機会に絵本を開く楽しい体験と絵本をセットでプレゼントする事業で、絵本を開くときの楽しさをその場で体験してもらいます。実際の体験が、家庭でも絵本を開いてみようという何よりのきっかけになり、絵本をプレゼントすることで、家庭ですぐ絵本を楽しむ機会を持つことができます。保護者のだっこのぬくもりの中で、絵本を読んでもらう心地よさやうれしさを全ての赤ちゃんに届けるのがブックスタート事業です。
当市では、生後4カ月までのお子様のいらっしゃる御家庭を全て訪問する事業として、こんにちは赤ちゃん事業を実施しています。地域の主任児童委員と民生委員が訪問させていただき、その際にファーストブックとして新生児一人につき2冊の絵本を配付するとともにさまざまな子育て情報と、この事業に協賛いただいている市内企業からの品物も一緒にプレゼントしております。
そこで質問です。
1点目に、当市のブックスタート事業の現状をお聞かせください。
2点目に、絵本のセカンドブック事業の導入についてお伺いいたします。
幼いころから絵本になれ親しんでいくための環境として絵本のプレゼントは重要と考えます。絵本は子供の想像力を豊かにし、心を育み、そして絵本の読み聞かせは親子や家族、友達との大切な触れ合いの場です。当市は、先ほどもお話しいたしましたが、4カ月未満のお子さんの家庭訪問時に絵本のプレゼントをする親と子の絵本事業を行っています。
特に3歳ごろは、人生の中で最も絵本を楽しむことができる読み聞かせ黄金期と言われており、より一層、親子のきずなを深める機会になることはもちろん、子供の想像力を豊かにし、文字や数に親しみ、心を育む絵本の読み聞かせは、将来的に読書習慣につながるものであり、3歳児検診などの際に、再度、絵本のプレゼントを行うセカンドブック事業が有効であります。絵本に親しめる環境としては、図書館においても読み聞かせなどを行っていることは承知しているところですが、セカンドブック事業はさらに大きな意義があると考えております。それは、全ての親子が図書館などに出向いて行って利用できるわけではないこと、絵本を図書館で読んだり、借りてきて読むのとは違って、大切な1冊を手元に置くことで親しみを持って大切にしたり、繰り返し読むことができること、そして、何よりも親や家庭の事情で購入できず、絵本に触れる機会が少ない子供も含めて、一人も漏れなく全ての子供が絵本に親しめる環境を保証するものです。
また、親の子育て支援という視点から見ても大きな意義があります。3歳児というのは、自己主張が強くなったり、集団行動がスタートする時期でもあり、親の中には、このころに子育てがうまくいかず自信をなくしたり、不安を持つ方がふえる時期でもあります。こうした時期に、親子で1冊の絵本を選び、家庭で読み聞かせをして子供との楽しい時間を共有したり、子育ての楽しさを感じるきっかけにもなる絵本のセカンドブック事業の役割は大きいと考えます。
以上のことから、質問の2点目、絵本のセカンドブック事業の導入についてどのようにお考えかお伺いいたします。
次に、ひきこもり対策についてお伺いいたします。
平成22年に厚生労働省より公表された、ひきこもりの評価・支援に関するガイドラインでは、原則的には6カ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている場合として定義されています。ひきこもりによって社会参加の回避が長期化すると社会生活への復帰のハードルも高くなってしまいます。本人自身や家族が大きな不安を抱えている場合も少なくありません。現在、日本には推計でほとんど家から出ないひきこもり状態にある人が約23万6,000人、自分の用事のときだけ外出する準ひきこもりの人が約46万人、合わせて約69万6,000人もの人が広義のひきこもり状態にあると言われています。
就学年齢にある子供の場合、ひきこもりになるきっかけとして、学校に行けない不登校との関連があると考えられます。不登校は子供にとっての社会的活動である学校生活や交友関係と関連する学校という環境からの回避行動と考えることができるとのことです。不登校で、自宅以外の場所での活動がないまま6カ月以上家から出ない状況が続くと、ひきこもりへ移行してしまう場合があり、一度ひきこもりの状態になると不登校も長期化する場合が少なくありません。子供のころにひきこもり状態になると、その間に学校で教育を受ける機会を失ってしまったり、居場所を失ってしまったり、進学や就職するハードルが高くなってしまうことにつながります。
平成28年9月に内閣府が発表した、若者の生活に関する調査報告書によると、ひきこもりになったのは20歳から24歳のころと答えた人が34.7%と最も多く、ひきこもりが子供だけでなく大人の問題であることは明白となっています。大人のひきこもりの場合、学校でのつまずきをきっかけに子供のころからひきこもりが続いている人もいれば、就職や仕事で社会になじめず、成人後にひきこもり状態になった人もいるとのことです。
現在、ひきこもりの高齢化、長期化が問題視されています。ひきこもりが長期化した結果、35歳以上のひきこもりが増加していると言われております。先ほどの若者の生活に関する調査報告書は、15歳から39歳を対象にした数字ですが、5年以上ひきこもり状態が継続している人が46.9%と非常に高い割合を示しております。
長期化している場合、それだけ社会復帰も難しくなってきます。子供が35歳以上になると、その親は60歳から70歳を超えていることが予想され、経済面、精神面でひきこもりを支える家庭の高齢化も問題視され、親が亡くなった後のひきこもりの子供に関して不安を感じている親御さんは少なくありません。
ひきこもりのきっかけや要因はさまざまです。平成26年版子ども・若者白書によりますと、子供は成長するに従い、自立とスキルを求められるようになります。他者と折り合いをつけ、円滑にコミュニケーションをとること、勉強や将来に向けての進学・就職に成功すること、さまざまなプレッシャーの中で、社会での居場所を失い外に出られなくなった場合、家の中にひきこもらざるを得なくなってしまうとのことです。つまり、どの子供でも、ひきこもりになる可能性があるということです。
きっかけとして多いのは、いじめや人間関係がうまくいかないこと、成績の低下、受験・就職活動の失敗などのさまざまな挫折経験が挙げられるようですが、きっかけがよくわからない場合も少なくないとのことです。一つの要因だけでなく、複数の要因が複雑に関係しているケースも考えられます。不登校が長期化してひきこもりになることもあります。最近は、背景に発達障がいが関係していることもあるという報告があるとのことです。ひきこもりの解決には、ひきこもりになった要因よりもひきこもり状態からどうして抜け出せないのかを考え、支援する必要があると言われております。
以上述べまして、質問をさせていただきます。
1点目に、平成27年から開始した生活困窮者自立支援制度を活用して、ひきこもりの実態調査の手法などについて社会福祉協議会や民生委員、自治会などの協力をいただきながら支援方法を検討してきたと思われますが、当市のひきこもりの実態についてお伺いいたします。
2点目に、長期ひきこもりに対してどのような対策を講じてきたのかお伺いいたします。
3点目に、平成26年第4回定例会の一般質問で、適応指導教室について、現在のスポットケア事業の目的や内容としては適応指導教室に該当するとのことで、国における不登校への対応に関する情勢が変化してきていることも踏まえ、現在実施しているスポットケア事業について、新たに適応指導教室として再構築を図るため、開催日数や会場の確保などの課題を整理しながら準備を進めてまいりたいとの御答弁を伺っておりましたが、当市の小・中学校の不登校の現状から見て、不登校児童生徒に対する適応指導教室の必要性についてどのようにお考えかお伺いいたします。
4点目に、不登校児童生徒への継続した支援について、当市としてどのような対策を講じてきたのかお伺いいたします。
次に、ピロリ菌対策についてお伺いいたします。
日本で最も多い死亡原因はがんです。世界保健機関WHOが2012年に発表したデータによると、胃がんが世界中で年間約95万人が発症。そのうち日本と韓国、中国の3カ国で患者の約6割を占めており、死亡者は年間約72万人に及びます。胃がんの主な原因は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染で、日本の胃がん患者の98%が陽性反応を示しているとのことです。ピロリ菌は、1990年代に胃がんへの影響が証明され、国際がん研究機関IARCが発がん物質であると認定しています。衛生環境の悪い発展途上国では、ピロリ菌に感染する子供が多く、胃がんの発症率も高いです。ピロリ菌に感染すると、数週間から数カ月で慢性胃炎になります。その後、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんといった症状に進行します。慢性症状は自覚症状がないため発見が難しいですが、ピロリ菌は一度除菌すれば再感染しにくいので、予防しやすいがんとも言えるとのことです。
除菌治療について、以前は胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの段階まで症状が進んでいないと保険が適用されませんでしたが、2013年からは慢性胃炎の段階から保険適用されることになりました。約40年前から胃がんで亡くなる方は、ほぼ横ばいの年間5万人で推移してきましたが、保険適用後は徐々に減少し、2016年には死亡者数が10%減少しており、この4年間で1万2,000人の命を救うことができたと言えます。除菌治療により40歳代では9割、50歳代でも7割以上の人が胃がんを予防できると考えられています。10歳代、20歳代の若い世代から取り組めば、胃がんを含む胃疾患の大半を予防することが可能です。
岡山県真庭市では、平成25年8月より中学生を対象に、胃がんを引き起こすとされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の無料感染検査を実施しています。現在は、早期発見で、将来における胃がんなどの発症リスクを軽減する目的で市内中学校の2年生を対象に、検診と除菌助成事業を実施しています。できるだけ早い時期に胃がんの主な原因菌であるピロリ菌を明らかにし、感染があれば除菌を行うことで、将来の胃がん等の予防につながるとされることから、生涯を通じた健康づくりの一環として実施しているとのことです。
検査と治療の流れは、最初に、中学校で行う尿検査で胃がんの主な原因であるピロリ菌感染の有無を判定します。判定の結果は、対象の全生徒に市役所健康推進課から郵送でお知らせいたします。ピロリ菌陽性者へは、ピロリ菌感染の確認検査・除菌治療について、市内指定医療機関で受診するようお知らせいたします。医師会との協力連携で、市内32医療機関のうち17医療機関との協力体制のもと、確認検査・除菌治療を実施しています。岡山県真庭市では、平成25年度から実施してこの5年間で約70名の生徒が除菌治療を受け、ほぼ100%除菌できているとのことです。最初の尿検査は学校に提出される検尿を利用して無料で検査しますので、尿を提出するだけです。対象の方には、御案内を直接郵送しているとのことです。
以上述べて、1点目に、胃がんリスクを軽減するために、早い段階からのピロリ菌対策が必要と考えますが、どのようにお考えかお伺いいたします。
2点目に、市内医療機関との協力体制についてお伺いいたします。
3点目に、中学生を対象としたピロリ菌検査の導入について見解をお伺いいたします。
次に、リバースモ-ゲージについてお伺いいたします。
今、日本人の4人に1人は高齢者という状況です。高齢者が保有する金融資産や不動産は他の年代と比べて多いのですが、総務省統計局の家計調査報告にある高齢夫婦無職世帯の家計収支状況を見ると、実収入(公的年金給付等)では、生活費等の実支出を賄い切れず、統計上毎月6万1,000円の赤字が生じているとのことです。貯蓄があればいいのですが、そうではない場合には、自宅を売ったり資産を取り崩さずに資金の捻出が可能かどうか、考えどころではないでしょうか。そこで、この不動産に注目し、その価値を活用することで高齢者に不足しがちなキャッシュフローを提供するというのがリバースモーゲージです。
リバースモーゲージは、持ち家を担保に融資を受けられるのですが、自宅に住み続けることができるシニア向けの融資制度です。不動産担保ローンや住宅ローンなどと何が違うのかというと、従来のローンというのはモーゲージローンと呼ばれていて、最初にまとまったお金を借り入れしてから、借り入れた分を毎月分割で返済していくものです。しかし、モーゲージローンにリバースがついているということで、借り入れは最初にするけれども、返済は最後にするのが特徴です。毎月融資を受けて、死亡時にまとめて返済するということになります。持ち家があり、将来にわたって住み続けることを希望する高齢者世帯が、その持ち家を担保として、毎月生活資金を借りることのできる制度です。
しかし、当市においては、利用実績が少ないのが現状であり、この制度を知らない市民が多いと考えられます。リバースモーゲージの市民周知についてどのようにお考えかお伺いいたします。
次に、学校での心肺蘇生教育の普及及び突然死ゼロを目指した危機管理体制の整備についてお伺いいたします。
突然の心肺停止から命を救うためには、心肺蘇生、AEDの知識と技能を体系的に普及する必要があり、学校での心肺蘇生教育はその柱となるものです。我が国では、平成16年に市民によるAEDの使用が認められて以降、急速にその設置が進み、AEDの使用によって救命される事例も多く報告されています。
しかしながら、いまだなお、毎年7万人に及ぶ方が心臓突然死で亡くなっているとともに、学校でも毎年100人近くの児童生徒の心停止が発生しています。その中には、平成23年9月に起きた埼玉県さいたま市の小学校6年生の女子児童の事故のように、AEDが活用されず救命できなかった事例も複数報告されているとのことです。
そのような状況の中、既に学校における心肺蘇生教育の重要性についての認識は広がりつつあり、平成29年3月に公示された中学校新学習指導要領保健体育科の保健分野では、応急手当てを適切に行うことによって、傷害の悪化を防止することができること。また、心肺蘇生法などを行うことと表記されているとともに、同解説では、胸骨圧迫、AEDの使用などの心肺蘇生法、包帯法や止血法としての直接圧迫法などを取り上げ、実習を通して応急手当てができるようにすると明記されております。
しかし、全国における教育現場での現状を見ると、全児童生徒を対象にAEDの使用を含む心肺蘇生教育を行っている学校は、平成27年度実績として小学校で4.1%、中学校で28.0%、高校で27.1%と非常に低い状況にあります。
当市は、市内小学校で救命講習を実施していることは承知していますが、さらに心肺蘇生とAEDに関する教育を普及推進するとともに、突然死ゼロを目指した学校での危機管理体制を整備し、児童生徒の命を守るための安全な学校環境を構築することは喫緊の課題と考えます。当市における児童生徒への心肺蘇生教育の現状と今後の方向性、また、市内小・中学校におけるAEDの設置状況、教職員へのAED講習の実施状況など具体的な取り組みについてお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終了いたします。

議長(高間専逸君)

齊藤議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

齊藤議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、絵本のセカンドブック事業に関しまして、ブックスタート事業の現状についてでありますが、市では、絵本を介した親と子の触れ合いや子育て情報の提供を目的として、平成20年度から、お子さんが生まれた世帯及び1歳未満のお子さんがいる転入世帯に、絵本2冊をプレゼントする親と子の絵本事業と、主任児童委員・民生委員が訪問するこんにちは赤ちゃん事業を一体的に実施し、今年度で11年目を迎えております。
訪問対象となるお子さんの推移でありますが、平成27年度で694人、平成28年度で728人、平成29年度で729人となっており、近年の子育て世代の転入増加に伴い増加傾向となっております。
訪問時にお願いしている事業アンケートでは、絵本を活用している方が、毎年95%を超えており、寄せられた御意見・感想としては、絵本を通じて触れ合いや思い出が生まれる、これからもこの事業が続くよう願っているなど大変御好評いただいているところであり、乳幼児期から本に親しむきっかけとなっているほか、絵本を介して親子のきずなが深まっているものと考えております。
次に、絵本のセカンドブック事業の導入についてでありますが、親子が絵本を通して時間を共有し、子育ての楽しさを感じることは、子供たちの健やかな成長に大きな影響を与えるものであると認識しております。
先ほど申し上げました、親と子の絵本事業では、市内外の企業からいただいた協賛金等の一部を絵本の購入に充てるなどして、絵本2冊をお届けしているところであります。
また、保健センターでは、4カ月児及び1歳6カ月児健診において絵本ボランティアによる読み聞かせやお勧め絵本の紹介を行っているほか、情報図書館、子育て支援センター及びあそびのひろばにおいても、読み聞かせなどを実施しております。
いずれにいたしましても、近年の人口の社会増、中でも子育て世代が増加していることは、これまでの子育て等の施策によるものと考えておりますことから、引き続き、子育てや教育施策全体の中で、必要な事業について検討してまいります。
次に、ピロリ菌対策に関しまして、早い段階からのピロリ菌対策の必要性についてでありますが、ピロリ菌とは、胃の粘膜に生息する細菌であります。このピロリ菌に感染すると慢性胃炎や萎縮性胃炎を引き起こし、数十年かけて胃がんが発症する可能性があると指摘されております。
胃がん発症の原因といたしましては、ピロリ菌のほかにも、喫煙や食塩摂取量の多い食事などの生活習慣が、胃がんの発生リスクを高めるとされております。
現在、市では、がんの早期発見、早期治療を目的として、国が示すがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針に基づき、胃がんがふえる40歳以上の方を対象に胃のエックス線検査を実施しているところであります。ピロリ菌検査につきましては、国立研究開発法人国立がん研究センターの有効性評価に基づく胃がん検診ガイドラインの中で、胃がん死亡率を減少させる効果の実証が不十分であり、過剰診断等のリスクの可能性もあるため住民検診としては勧められないとされていることから、現状といたしましては、個人の判断により行うことが望ましいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長ほかをもってお答え申し上げます。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、ひきこもり対策の御質問のうち、ひきこもりの実態についてほか1件について御答弁申し上げます。
初めに、ひきこもりの実態についてでありますが、ひきこもりとは、さまざまな要因の結果として、社会的参加を回避し、原則的には6カ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態であるとされております。
ひきこもりは、その性質から、統計的に件数を把握することが困難であり、国において示されている数値も推計値にとどまっているところであります。
市では、平成27年度から開始した生活困窮者自立支援制度により、くらしサポートセンターえべつ及びしごとサポートセンターコクリを委託により設置し、働いたことがない方やコミュニケーションが苦手な方など、生活や就労への不安を抱えている方に対する相談・支援に広く取り組んでおります。この中で、ひきこもり状態にあると考えられる方についても把握し、支援に当たっているところであり、平成29年度は、ひきこもりに関しては15件の相談があったところであります。
また、ひきこもり状態にある世帯を把握するに当たっては、家族の意向や本人のプライバシーへの配慮が必要になってくるケースが多いことから、地域の実情に詳しい民生委員に協力を求めているほか、平成28年度から設置した、教育、福祉等の関係機関により構成する江別市生活困窮者自立支援ネットワーク会議との連携のもと、個々の実情の把握や支援のあり方について協議を行っているところであります。
次に、長期ひきこもりへの対策についてでありますが、市では、生活困窮者自立支援制度において、くらしサポートセンターえべつに支援員を3名配置し、生活の不安を感じている方に対し、生活の支援や就労支援、家計管理の支援などを行っているほか、しごとサポートセンターコクリに支援員を2名配置し、就労に向けての準備活動を支援しております。
そのうち、ひきこもりの状態にある方への支援に当たっては、人間関係に対する不安などの解消や、家族や関係機関等による協力も図りながら、社会参加の実現に向け、コミュニケーションのトレーニングなどの支援を行っているほか、外出することが困難なケースについても、支援員が直接家庭に出向くなど、継続した支援に結びつくよう取り組んでいるところであります。
ひきこもりに関する相談件数についても、平成28年度は9件、平成29年度は15件と増加しており、一人でも多くの方が相談に至るということが、解決に向けた次のステップに踏み出すことにつながるものであります。
こうした支援により、ひきこもり状態から脱却し、社会参加や就労を実現できたケースがあることから、今後におきましても、引き続き、生活困窮者自立支援制度において、ひきこもりに対する支援に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。

教育長(月田健二君)

私から、不登校児童生徒に対する適応指導教室の必要性について御答弁申し上げます。
平成29年3月に、文部科学省は義務教育における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本方針を策定し、適応指導教室の設置の促進や機能強化を推進することとしております。
適応指導教室は、不登校児童生徒の学校復帰や社会的自立を目指し、各自治体が設置しているもので、本市においては平成16年度から適応指導教室に当たるすぽっとケア事業を実施しております。
本市の適応指導教室に通う児童生徒数は、平成30年5月末で小学生2人、中学生23人の合計25人であり、市内の不登校児童生徒73人のうち約34%が通っているところであります。
本市におきましては、学校復帰や社会的自立への支援に取り組むため、平成28年度から適応指導教室の実施回数を週2回から週3回に拡大し、体験活動や集団活動のほか、在籍校と連携した学習活動など、児童生徒の実情に応じた指導を行っております。
また、夏休み学習会や高校見学などを実施しており、平成29年度に適応指導教室に通っていた中学3年生7人全員が、高校へ進学しているところであります。
教育委員会といたしましては、不登校児童生徒への支援において、適応指導教室の果たす役割は大きいものと認識しておりますことから、今後とも、学校や家庭、関係機関と連携し、支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、不登校児童生徒への継続した支援について御答弁申し上げます。
近年、子供を取り巻く環境は複雑化・多様化しており、不登校児童生徒への支援は、不登校の要因を的確に把握し、予兆への対応を含め、初期段階から組織的・計画的な支援を実施することが重要であります。
このことから、本市におきましては、支援の必要な児童生徒により早い段階から対応できるよう、教職員夏期セミナーで不登校支援に関する研修を行い、教職員の資質の向上を図るほか、今年度からスクールソーシャルワーカーを1名増員して3名体制とし、学校ときめ細かく情報共有を行い、相談支援や家庭への適切な働きかけなどの取り組みを進めているところであります。
また、先ほども御答弁いたしましたが、不登校児童生徒が学校復帰や社会的自立に向かうよう、平成28年度から適応指導教室の実施回数を週2回から週3回に拡大して、支援の充実を図っております。
教育委員会といたしましては、今後におきましても、学校や家庭、関係機関と連携し、継続的な支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、ピロリ菌対策の御質問のうち2件と、リバースモーゲージについて御答弁申し上げます。
初めに、ピロリ菌対策に関しまして、市内医療機関との協力体制についてでありますが、先ほど、市長から申し上げましたとおり、ピロリ菌検査につきましては、有効性評価に基づく胃がん検診ガイドラインの中で住民検診としては勧められていないことから、個人の判断により任意で行うことが望ましいと考えております。
そのため、ピロリ菌検査につきましては、市が行う集団検診の際に、胃がん検診のオプション検査として行っているほか、市民から相談があった場合には、ピロリ菌検査を実施している市内の医療機関を紹介するなど対応しているところであります。
次に、中学生を対象としたピロリ菌検査の導入についてでありますが、市として公費負担によりピロリ菌検査を実施していくためには、胃がん死亡率を減少させる効果が実証され、国が示す指針において、胃がんの検診方法として位置づけられることが不可欠であると考えております。
また、がん予防につきましては、検診受診のほか、がんに関する正しい知識の普及や食生活、正しい生活習慣についても重要と考えておりますことから、今年度からは、保健師が中学校を訪問して生活習慣病予防や野菜摂取、喫煙の害などについての健康教育を実施するところであり、若いうちからのがん予防も含めた健康に関する正しい知識の普及に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、リバースモーゲージについての御質問につきまして、リバースモーゲージの市民周知についてでありますが、リバースモーゲージとは、金融機関や公的機関が高齢者世帯などに対し、居住用不動産を担保に生活資金の貸し付けを行う制度であります。公的機関が実施しているものといたしましては、国の生活福祉資金貸付制度要綱に基づき、北海道社会福祉協議会が実施主体となり、その窓口として、江別市社会福祉協議会が受託して、相談申請の受け付けなどを行っているところであります。
この制度には、低所得の高齢者世帯向けと要保護高齢者世帯向けの2種類の貸し付け制度がありますが、これまでの利用実績として、平成19年3月創設の要保護高齢者世帯向けは、平成20年度に1件、平成21年度に3件、平成26年度に1件の計5件の実績がある一方、平成14年12月創設の低所得の高齢者世帯向けについては、これまで実績がないとのことであります。
市といたしましては、この制度により、収入や貯蓄の少ない高齢者が住みなれた自宅に住み続けながら、生活資金を得ることができる有意義な制度であると考えておりますが、利用実績が少ないことの要因として、年齢、世帯構成、対象不動産等の要件があることに加えて、御本人と親族の意向が合わない場合があるなどの課題があるものと認識しているところであります。
そこで、御質問の市民周知についてでありますが、現在、江別市社会福祉協議会において、パンフレットやホームページによる周知のほか、相談の際に制度の紹介を行っているところであります。また、市におきましても、個別の相談をお受けする中で、この制度を御案内しております。
いずれにいたしましても、今後、周知の手法について、江別市社会福祉協議会と相談してまいりたいと考えております。
以上でございます。

教育部長(萬 直樹君)

私からは、学校の危機管理体制の整備について御答弁申し上げます。
学校での心肺蘇生教育の普及推進及び突然死ゼロを目指した危機管理体制の整備についてでありますが、児童生徒への心肺蘇生教育については、消防署や日本赤十字社北海道支部が実施する救命講習を活用し、市内小・中学校において毎年実施しているところであり、全ての児童生徒が在学中に救命講習を受けられるよう、今後も継続していく考えであります。
具体的には、小学校では、高学年を対象にした45分間の救命入門コースを実施し、AEDの使用方法について学ぶほか、胸骨圧迫トレーニングツールを使用した実技を交えながらの心肺蘇生法の講習を実施しております。中学校では、2年生や3年生を対象にした3時間の普通救命講習1を実施し、AEDを使用した心肺蘇生法の実技を初め、応急措置に係る講習を行っております。
また、AEDの設置状況については、平成20年度に市内全小・中学校に導入し、主に職員室や体育館入り口等に設置しているところであります。
教職員へのAED講習については、AEDを使用した心肺蘇生法の実技を含む、4時間の普通救命講習2を実施しており、市内全校を3年に一度、一巡する形で継続的に実施していく考えであります。
教育委員会といたしましては、各学校で、学校安全計画のもと危機管理体制が整備されておりますが、危機が発生した場合に適切な応急措置ができることが重要と考えておりますことから、引き続き、心肺蘇生とAEDに関する教育を実施し、学校での危機管理体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

齊藤佐知子君

2回目の質問と何点か要望をさせていただきたいと思います。
最初に、絵本のセカンドブック事業について、2項目めの絵本のセカンドブック事業の導入について再質問いたします。
先ほどの御答弁で、ブックスタートの現状をお聞きすると、この3年間の推移を見ても訪問対象となるお子さんがふえており、近年は転入増加による訪問家庭がふえているとのことです。江別市の将来を支えてくれる子供の増加は、今後のまちづくりに大きく影響するものと考えます。また、私自身もお聞きしているところですが、訪問時のアンケートにおいても親御さんから大変うれしいという声があり、事業の継続に期待する声を伺うことができました。
保健センターで、4歳児検診、1歳6カ月検診時にボランティアによる読み聞かせや、情報図書館などでの読み聞かせを実施していることは承知しているところです。先ほどもお話しいたしましたが、全ての親子が図書館などに出向いて利用できるわけではないことや絵本に触れる機会の少ない子供も含めて、一人も漏れなく全ての子供が絵本に触れる環境を保証するものです。
電子媒体の普及で心の触れ合いが難しくなっている家庭・社会にあって、絵本を介して親子、家族のきずなを深め、子供の想像力を豊かにし、心を育むことのできる環境として、生まれて初めての絵本の出会いから、人生の中で最も絵本を楽しむことができる時期にもう一度、対象のお子さん全員に絵本をプレゼントすることは重要なことと考えます。絵本のセカンドブック事業の導入について、再度御見解をお伺いいたします。
次に、ひきこもり対策について、質問と要望をさせていただきます。
1項目めのひきこもりの実態については、昨年度で15件の相談があったとのことですが、困っていても相談に来ることができない人のサポートを、どのようにつなぎ対応していくのか。教育や福祉等の関係機関により構成する江別市生活困窮者自立支援ネットワーク会議との連携のもと協議しているとのことですが、不登校のまま卒業される生徒の把握について、個々の実情や支援のあり方を教育委員会との連携でさらに取り組んでいただきたいことを強く要望いたします。
4項目めの不登校児童生徒への継続した支援についてですが、卒業後にさまざまな支援がある中で、相談に来ない人のサポートをどのようにつなぐのかについてです。
次につながるために、保護者、生徒に対して卒業前に福祉情報を関係機関につないでもよいかとの確認をしておくことが必要と考えますが、いかがかお伺いいたします。
以上で、2回目の質問と要望を終わります。

市長(三好 昇君)

私から、絵本のセカンドブック事業の導入についての再質問に御答弁申し上げます。
乳幼児期に絵本を介して親子が触れ合い、文字に親しむことは、子供の感情や想像力などを豊かにするとされておりますことから、まずは、現在実施している親と子の絵本事業を着実に継続してまいりたいと考えております。
そこで、御質問の絵本のセカンドブック事業の導入につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、子育て・教育施策全体で必要な事業を進めていくこととしており、その中で検討してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

教育長(月田健二君)

私から、不登校児童生徒への継続した支援についての再質問に御答弁申し上げます。
これまでも、不登校生徒本人や保護者の意向を踏まえて、さまざまな支援の中で、関係機関との情報共有に努めてきたところであり、卒業後、支援の経過等の情報を関係機関につなぐことについては、今後とも家庭との相談の中で、個別に対応してまいりたいと考えております。
以上であります。

議長(高間専逸君)

以上をもって、齊藤議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
石田武史議員の江別市における農業労働力の認識についてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

石田武史君

ただいま議長よりお許しをいただきましたので、順次質問してまいります。
まず、江別市における農業労働力の認識についてでございます。
項目1として、江別市における農業分野での労働力の現状認識についてお伺いいたします。
全国的に人口減少の影響により生産人口の減少が続いているところですが、同様に農業分野における労働力不足の問題も深刻化しております。江別市における最大の産業である農業においても、労働力不足は深刻な問題であると認識されて久しいところです。しかも、当市の農業者の高齢化も深刻な問題となっています。労働力の不足は、現状の農作業に重大な影響を与えるほかに、意欲のある農業者の規模拡大や新規作物等に対する取り組みにも阻害要因となるおそれがあります。
ところで、登録されている農家戸数は、少し古い数値ですが、平成12年から平成26年にかけて年々減少を続け、730戸から433戸と40.7%減少している上、農家世帯主平均年齢が60歳を超え、65歳以上の割合も43%近くに及んでいます。しかし、JA道央の人材雇用確保事業運営協議会に登録されている農業パート数は約300人から約200人へと減少傾向にあり、単純に計算しても、登録農家1戸に対する農業パートが2人確保できない状況にあると考えられます。
一方で、江別市は大都市札幌市の近郊農業としての側面も有し、そこに魅力を見つけ、新たな考え方を持った新規就農者がふえているところですし、所得の向上を図るために、ブロッコリーなどの高収益作物の導入が進んでおり、手作業で管理等を行わなければならない作業もふえていると言われています。もちろん、労働力確保のために外国人研修生の力をかりたり、ロボット技術やICTの力をかりたスマート農業などが研究され実用化されている側面はありますが、まだ十分ではなく、ますます身近な労働力が必要となっていると思われるところです。このような現状について、市としてはどのように認識しているのでしょうか、お伺いいたします。
次に、項目2として、農業分野における労働力不足の解消に向けた対応についてお伺いいたします。
労働力不足について、江別市としてどのような対応が可能と考えているかですが、さきの資料にも出ているJA道央の人材雇用確保事業運営協議会では、さまざまな要因から、なかなか人材が集まらず、農家の需要に応えることができない状況にあるとお聞きしております。
一方で、全国的には展開が進んでいた中で、江別市でも民間組織主体で取り組みが進められていた農業分野での障がい者雇用、農福連携が少しずつ市内の農業者にも理解され、件数が増加しているところであり、さらに、ようやくではありますが江別市においても主体的にこの農福連携に取り組みを始めたところであります。今後はひきこもりや生活困窮者、高齢者も含めて総合的に農業労働力の不足解消に力をいただけるものと思っています。そこで、前段でお聞きしたような現状認識の上で、江別市としてはどのような対応ができるとお考えでしょうか、お伺いいたします。
新聞報道によれば、旭川市では、道内の自治体として初めて障がい者と農業者のマッチングを始めたようですが、このような状況をどのようにお考えでしょうか、重ねてお伺いいたします。
次に、件名2の市内小・中学生のコミュニケーション能力についてお伺いいたします。
まず、項目1の演劇の手法を取り入れることによる効果についてお伺いいたします。
近年、コンピューターや携帯端末、家庭用ゲーム機の影響によって、子供たちが直接、他者と対面して話し合う機会などが失われ、他者とのコミュニケーション能力が低下していると言われているところです。そのようなこともあって、江別市では教育委員会、江別市PTA連合会などにおいても、啓蒙等のために講師を招聘し、シンポジウムを開催するなどさまざまな事業を行ってきていると認識しているところです。
月田教育長も以前の会合で、これからの教育について述べられた中で、主体的・協働的な学びのためにアクティブ・ラーニングの必要性を指摘されております。御存じのように、アクティブ・ラーニングにとって有効であるとされる手法に、グループディスカッション、ディベート、グループワークなどがあります。そして、これらを行う際に必要不可欠なものは、他者との会話であり、まさに他者とのコミュニケーションであります。
文部科学省も、少し前になりますが、コミュニケーション教育推進会議を設置して、議論を進めてきたところです。その中では、芸術家等の表現活動の専門家によるワークショップ型の授業は、子供たちの他者認識、自己認識の力、伝える力の向上、自己肯定感と自信の醸成につながるとし、教員にとっても通常の授業手法や評価方法を見直し、改善する機会となり、学級の雰囲気の改善により学級経営や学年経営の円滑化につながるとも指摘されているところです。しかしながら、先生方にもそのような認識がない、実施する方法がわからない、専門家の確保が地方では難しいなど、その実践例はいまだに十分とは言えないと認識されています。
諸外国においては、クリエーティブな活動をする実践家や芸術家が学校でワークショップ型の授業を行い、子供たちの創造性やコミュニケーション能力等を育む機会を設けている事例が多く見られ、成果を上げていることが知られています。
そのような中で、まず、演劇という作業によってコミュニケーション能力の向上に有益であるという認識について、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
項目2として、市内小・中学生のコミュニケーション能力の現状認識についてお伺いいたします。
さきにも述べましたが、全国的に子供たちが携帯端末などの利用過多によってどんどんコミュニケーション能力が低下しているとのことですが、江別市の小・中学生の現状について、どのように把握されているかお伺いいたします。
項目3として、市内小・中学校の授業等で演劇に取り組むことについてお伺いいたします。
そのような中にあって、市内小・中学生のコミュニケーション能力をつける一助として、授業等に演劇の手法を取り入れることについて、どのようにお考えかお伺いいたします。
件名3の大麻・文京台地区の今後のまちづくりについてお伺いいたします。
項目1の大麻・文京台地区の今後の発展についてお伺いいたします。
大麻・文京台地区において宅地造成が進み、住みかえも進んでいますが、江別版生涯活躍のまち構想に基づく整備も始まろうとしている現状にあって、特に、大麻地区においては、大型の宅地開発が少なくとも2件進行しており、今後、急速な人口増加が見込まれる状況にありますけれども、このような環境にある大麻・文京台地区のまちづくりについて、市長としてどのように考えているのか、また、江別の顔づくり事業の完了が近づいている中で、時期を隔てることなく大麻・文京台地区の将来にも取り組みを開始すべきと思うところですが、どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
項目2のJR大麻駅、鉄道林、大麻中央公園及びえぽあホール周辺の今後の展望についてお伺いいたします。
今回、特にこの地域を選んだのも、駅を中心としたコンパクトシティーを進める市長の考えに合致すると思われることと、やはり、大麻地区の中心として考えるのは、JR大麻駅や駅を中心として左右に伸びる鉄道林、団地側に続く大麻中央公園、文化的な施設であるえぽあホールではないかと思われるところです。
以前、芸術家の方がおっしゃっていましたが、団地内にある林と池を上手にマッチングさせれば、団地としてもより一層魅力的な地域になるのではないかとのことです。例えば、大麻中央公園でボートに乗ることが可能になる手法や、水場の周囲を安全に散策可能な場所にすることなどはすぐにでも思いつきますし、現状のように誰も立ち入れないような公園や、鉄道林の存在もそろそろ考慮すべきではないかと思います。
一方で、芸術家たちにもすぐれた施設であると認識されている多目的文化施設であるえぽあホールの周辺には飲食店がほとんどなく、観客が食事をしながら鑑賞後の感想を述べ合う場所もありません。多くの人がその地域に集う大きな広場のようなものの設置を考えることは、江別市にとっても市民にとっても非常に有益なことと思うものです。実際に、一昨年、子供たちとその保護者と一緒になってえぽあホールや大麻中央公園の周辺を散策し、子供たちのいろいろな姿を思いのままに写真を撮り歩くという事業があり、補助者として参加させていただきましたが、参加者の意見はおおむね良好であり、保護者からは新たな発見に驚いたという意見や、子供たちも親と一緒に付近を散策し、自分たちの住むまちとして、すばらしい環境があることを実感していたようです。この環境がこれからを担う子供たちの誇りになることが期待されます。
江別の顔づくり事業に見られるJR野幌駅周辺は高架化されており、鉄道林の持つ意味合いも、JR大麻駅周辺と一概に同一視はできませんが、JR野幌駅周辺の高架化が完成した後のような環境が少しでもJR大麻駅周辺にもあればいいと思う市民は多いのではないでしょうか。
また、大麻団地と文京台地区をつなぐ跨線人道橋の中でも、特に歩行者や自転車の通行量の多いJR大麻駅に近接する跨線人道橋については、市としても予算措置をした上、改修検討に向けて調整に入るようですが、今後、どのような形態でなされるのか気になるところです。そこで、市長はこの地域の今後の展望についてどのようにお考えかお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。

議長(高間専逸君)

石田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

石田議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、大麻・文京台地区の今後のまちづくりについてお答え申し上げます。
まず、大麻・文京台地区の今後の発展についてでありますが、大麻・文京台地区は、江別市都市計画マスタープランにおいて、高齢者の方々が安全・安心に住み続けられるまちづくりを行うとともに、成熟した自然環境と調和した町並みを地域資源として活用することで住環境の改善を図り、自然豊かな野幌森林公園に隣接し、大学や研究機関等が集積する文教地区の特性を生かしながら、地域の魅力を高めていくことを地域づくりの目標としているところであります。
このため、当該地域は計画的に造成されたゆとりある住宅地や北海道立図書館、大学等の高等教育機能が集積するなど、居住・教育・研究機能が調和する地域として発展してきたところであります。
一方で、当該地域は少子高齢化により人口減少が続いていたため、平成21年10月に自治会や大麻・文京台のまちづくり協議会などにより策定した大麻団地まちづくり指針に基づき、市では住みかえの促進や地域の活性化などに取り組んできたところであります。こうしたことから、近年は住みかえが進むことによって人口も増加に転じており、さらには民間事業者による宅地造成も活発化しております。
市といたしましては、今後とも江別市都市計画マスタープランに位置づけられた地域の目標に基づくまちづくりを進めるとともに、大麻地区において事業化を進めている江別版生涯活躍のまち構想の基本である、高齢者や障がい者、若者など多様な主体が安心して住み続けられる共生のまちづくりの取り組みを、地元自治会や関係機関などと連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。
次に、JR大麻駅、鉄道林、大麻中央公園及びえぽあホール周辺の今後の展望についてでありますが、JR大麻駅周辺について江別市都市計画マスタープランでは、地域住民の日常生活を支えるとともに、江別市の中心市街地であるJR野幌駅周辺との連携を担う地区核と位置づけ、地域の都市活動の拠点として商業業務機能、公共公益施設、文化交流機能などの既存の都市機能を生かしながら、歴史性、交通環境、自然環境など、地域の特性に応じた地区核としてふさわしい都市空間の形成を図ることとしております。
近年、JR大麻駅周辺地域では、JR北海道による大麻駅の駅舎の改修のほか、市では北側駅前広場の整備や屋根つきバス待合所の設置を行っており、駅舎に隣接する跨線人道橋の改修については、JR北海道と改築に向けた協議を開始し、今後、構造形式などを含めた具体的な検討を進めていくこととしております。
一方、JR大麻駅周辺に位置する鉄道林につきましては、江別市緑の基本計画において、緑の東西軸を形成する緑地帯の一部として位置づけられていることなどから、現状のまま保全することを基本と考えております。また、大麻中央公園やえぽあホール周辺における市民が集える憩いの場については、周辺の商店街で大学生の地域交流拠点が開設され、子育て世代をターゲットとした飲食店が出店するなど、新たな流れがある中で、大麻駅周辺へも波及することを期待しているところです。
いずれにいたしましても、大麻地区は団地造成からおよそ50年が経過し、世代交代が進み住環境も変わってきていると認識しておりますことから、今後とも地域の方々から御意見や御要望を伺うとともに、共通認識のもと、魅力あるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、経済部長ほかをもってお答え申し上げます。

経済部長(渡部丈司君)

私からは、江別市における農業労働力の認識について御答弁申し上げます。
初めに、江別市における農業分野での労働力の現状認識についてでありますが、日本全体の総人口が減少している中、農業就業人口も減少しており、当市におきましても同様の傾向が見られます。
こうした背景から、市では、第3次江別市農業振興計画において、将来に向けた農業経営の安定化を図るため、農業労働力の確保に努めることとしております。
国で調査・集計している農林業センサスでは、平成27年2月時点の数字が最新のものとなりますが、当市の農家戸数は398戸となっており、平成22年時点の農家戸数463戸と比べて、この5年間で65戸減少している状況であります。こうした農家戸数の減少等に伴い、農業経営者の高齢化も進展する中で、1戸当たりの平均経営面積は、この5年間で16ヘクタールから18ヘクタールへと2(・)ヘクタール(・・・・・)程度増加しており、今後もこの増加傾向は続くことが想定されます。
水田の転作が進む当市では、水稲などの作付面積が減る一方、野菜の作付面積が10年前と比較し、約1.7倍にふえ、ブロッコリーやレタスなど、収穫期に多くの労働力を必要とする作物がふえたことから、パートタイム労働者の確保が難しくなってきたという現状があります。
市といたしましては、農業分野における労働力の確保は重要課題であると認識しており、近年、石狩管内におきましても、次世代の若手後継者の育成、新規就農者の参入、ICT化によるスマート農業の導入に向けた研究などが活発化する中で、こうした動きが労働力不足を解消する一方策になるものと期待しているところであります。
次に、農業分野における労働力不足の解消に向けた対応についてでありますが、農業分野における労働力不足は全国的な課題であり、国では、これまで担い手の確保のための支援策として、新規に就農した農業者に対する農業次世代人材投資資金により地域定着の支援を行っているところですが、今年度から、地域における労働力を確保・調整する仕組みの構築支援策として、生産体制・技術確立支援事業が創設されたところであります。
この事業は、求人イベントの開催等により労働力の確保を支援するもので、今後は、北海道などでも体制づくりが検討され、労働力の確保に効果が見られるのではないかと期待されております。
また、江別市を含む近隣4市とJA道央が出資する公益財団法人道央農業振興公社において、地域における農業後継者対策として、新規就農者等を対象に基本技術の研修を行うなど、若手農業者の育成・確保を図る取り組みを行っており、江別市においては、平成25年度以降9名の新規就農が実現したところです。
先ほども御答弁申し上げておりますが、パートタイム労働者を含む農業労働者は毎年減少傾向にあり、人材確保が難しい状況にあることから、市では農福連携による労働力確保について、農業経営者や福祉事業者と協議を進めてまいりました。今年度におきましては、市内の農業経営者と福祉事業者との間で、障がいのある方が農作業に従事する契約が成立し、農福連携が実現したところであります。
また、市が出資している株式会社フラワーテクニカえべつにおいても、福祉事業者との間で障がい者雇用に向けた調整が進んでいるところであります。
市といたしましては、農福連携の動きを支援しながら、JA道央を初めとした関係機関とも連携をして、労働力確保に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

教育部長(萬 直樹君)

私からは、市内小・中学生のコミュニケーション能力について御答弁申し上げます。
初めに、演劇の手法を取り入れることによる効果についてでありますが、国は、子供たちのコミュニケーション能力の育成を図るための具体的な方策や普及のあり方について調査検討を行うため、コミュニケーション教育推進会議を設置し、その審議経過が平成23年8月に報告されているところであります。
それによりますと、コミュニケーション能力とは、いろいろな価値観や背景を持つ人々による集団において、相互関係を深め、共感しながら人間関係やチームワークを形成し、正解のない課題や経験したことのない問題について対話をして情報を共有し、みずから深く考え、相互に考えを伝え、深め合いつつ、合意形成・課題解決する能力と捉えております。また、このコミュニケーション能力を育むための効果的な手法として、ワークショップ型の手法や演劇的活動などの表現方法を豊富に取り入れることが挙げられております。
市内小・中学校では、授業の中で、ワークショップ形式でグループ学習を行うなど、演劇的活動の要素も手法として取り入れ、コミュニケーション能力を高める学習を行っているところであります。
教育委員会といたしましては、演劇的活動はコミュニケーション能力向上のための効果的な教育手段の一つであると認識しております。
次に、市内小・中学生のコミュニケーション能力の現状認識についてでありますが、先ほど御説明しましたコミュニケーション教育推進会議の報告において、子供たちは気の合う限られた集団の中でのみコミュニケーションをとる傾向が見られることや、体験活動等の機会の減少から、他者との関係づくりに負の影響を及ぼしているなどの指摘があります。
近年、スマートフォンやタブレット端末が急速に普及し、情報通信機器によるゲーム、電子メール、無料通信アプリの使用が長時間化することに伴うさまざまな問題が指摘されております。
市内小・中学生における情報通信機器の利用状況については、平成29年度全国学力・学習状況調査において、スマートフォン等で通話やメール、インターネットを1日1時間以上使用すると回答した割合は小学校6年生が25.6%、中学校3年生が53.9%であり、平成26年度と比べ、小学校で10.3ポイント、中学校で6.4ポイント増加している状況にあります。
また、スマートフォン等でのゲームの使用時間についても同様に増加傾向となっております。これらの調査結果から、情報通信機器の使用時間の増加に伴い、対面でのコミュニケーション機会が減少していることが考えられ、コミュニケーション能力への影響について懸念しているところであります。
次に、市内小・中学校の授業等で演劇に取り組むことについてでありますが、市内小・中学校では、文化芸術活動の一環として演劇や音楽などに親しむ機会を設けているところであり、前年度に演劇鑑賞を行った場合は、次年度には音楽鑑賞を行うなど、ローテーションによって異なる分野の鑑賞ができるよう配慮しております。
昨年度の演劇鑑賞の実績は小学校3校、中学校1校であり、今年度は小学校6校、中学校1校で実施予定となっています。また、体験する機会としては、学校行事である学芸会・学習発表会において、市内全小学校で演劇が取り組まれているところであります。
さらに、学校以外でも体験型の取り組みとして市民芸術祭開催支援事業の中で、児童生徒を中心に出演者を公募し、市民ミュージカルを実施しているところであります。また、専門家によるワークショップ型の取り組みとして、平成29年度に中学校1校で、文化庁の文化芸術による子供の育成事業を活用し、生徒が鑑賞指導や実技指導を受け、公演に参加するという体験も行っているところであります。
いずれにいたしましても、教育委員会といたしましては、今後とも学校での教育活動の中で、演劇の鑑賞や体験の機会を充実させるほか、演劇的活動の要素も手法として取り入れ、コミュニケーション能力を高める学習活動の充実に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

石田武史君

今回は三つの視点から質問をさせていただきましたけれども、全般にわたって即答が難しいものなどがあったかと思います。長期的な思いだとか概念的なものもあったかと思いますが、一部においては期待に沿うような効果が得られている事業もお伺いできました。今回は質問とはいたしませんので、今後の推移を注意深く見守らせていただきますが、3点ばかり要望を述べさせていただいて終わりとさせていただきたいと思います。
農業労働力に関してですが、市の農福連携に対する取り組みが、ようやく具体的な成果としてあらわれてきたのではないかと評価するところでありまして、ますます推進されることを期待いたします。なお、恵庭市では、市が農福連携に関するシンポジウムを開催する予定と聞いております。今後は、江別市においても、関連団体と連携の上で、同様の事業を開催され、農業者、事業者の方の理解がより促進されることを期待するところです。
次に、演劇の手法を授業の中に取り入れ、ワークショップ形式でグループ学習を行うとのことでありますが、一般的にはクラス担任が通常の授業内で行うことが多く、江別市においても同様と認識しているところであります。札幌市のあいの里西小学校、美しが丘小学校のほか、特に江別市にある立命館慶祥中学校では、毎年演劇を活用したコミュニケーション教育が演劇の専門家により実施されております。
今後は、多忙な教員の負担軽減のためにも、専門的にそのような授業を実施している演劇等の外部講師を招いて、コミュニケーション能力の向上を図っていただきたいと思うところです。
最後に、大麻・文京台地区の今後のまちづくりについてですが、市長におかれましても関心を持たれていると伺っているところですが、住宅地の環境変化が急速に進むことが予想されます。この点に十分留意して、さまざまな問題に対応されることを要望するとともに、今後とも注視してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。これで私の一般質問を終わります。

議長(高間専逸君)

以上をもって、石田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午後 0時14分 休憩
午後 1時15分 再開
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副議長(宮川正子君)

休憩前に引き続き会議を開きます。
経済部長から、先ほどの石田議員の一般質問に係る答弁について、訂正したい旨の申し出がありましたので、これを許可いたします。

経済部長(渡部丈司君)

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副議長(宮川正子君)

一般質問を続行いたします。
諏訪部容子議員の障がい者福祉についてほか1件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

諏訪部容子君

それでは通告に従い順次質問いたします。
初めに、障がい者福祉、特に聴覚障がい者福祉についてお聞きします。
さきの生活福祉常任委員会で平成31年の制定を目指している手話言語条例についての報告がありました。平成25年6月、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、いわゆる障害者差別解消法が制定され、平成28年4月1日から施行されたわけですが、平成25年10月8日には鳥取県で、全国で初めて鳥取県手話言語条例が成立しています。その後、全国各地の道府県や市町で手話言語条例や情報・コミュニケーション条例が制定され、一般財団法人全日本ろうあ連盟の調査によると、平成30年5月10日現在、22道府県1区137市19町、計179の自治体で制定されているとのことです。
江別市でも、特に聴覚に障がいのある方から条例制定を求める声が上がり、議会でも一般質問されたり、昨年は聴覚障がい者の皆さんが、まず条例とは何かということについて勉強会を実施するなど、条例制定は聴覚障がい者の悲願であるといっても過言ではないと思います。その条例制定に向けて、江別市の重かった腰がやっと上がったことは、大変喜ばしいことであると思います。しかしながら、条例制定は、初めの一歩にすぎないと思います。と言いますのも、聴覚障がい者の方と無理なくコミュニケーションが図れるように手話を習得するのはそう簡単ではないでしょう。
平成27年3月に策定された第4期障がい福祉計画においても、平成30年3月に策定された第5期障がい福祉計画においても、手話奉仕員養成研修事業の目標値は毎年30名ですが、目標に到達しない年度も散見されます。第5期障がい福祉計画の基本理念として、障がいのある方の自立を地域で支える共生社会の形成と掲げています。特に、聴覚に障がいがある方のコミュニケーション手段の一つである手話に対する理解と普及なくしては、障がいのある方の自立を地域で支えることは難しいと思います。かくいう私も、本当にお恥ずかしい限りですが、時々教えていただく手話をなかなか覚えられず、全く偉そうなことは言えません。江別市の手話奉仕員の養成講座は、入門、基礎、養成の3コースを終了する必要があるとのことで、敷居が高く、実際に取り組むのにかなりの勇気と覚悟がいると感じてしまいます。
先日読んだ朝日新聞出版のろう者の祈りという本の中に、一般企業に就職した聴覚障がい者の方々のお話しが書かれていました。企業の中でただ一人の聴覚障がい者である場合が多く、周囲とのコミュニケーションに多大な苦労をされているそうです。音が全く聞こえないため、かかってくる電話がとれなかった、客先へ電話で確認することもできず、仕事にも支障を来すことがあった、また、筆談に応じてくれない同僚もいたなど、さまざまに御苦労されている事例が紹介されていました。聞こえないということは、本人の努力のみでは乗り越えられないことですが、実際には、周囲の理解はなかなか得られないものなのだと思いました。その本の中で一番印象に残ったのは、せめておはよう、こんにちは、お疲れさま、ありがとう、これだけでいい。手話でしてくれないだろうか。それだけでも、ろう者はうれしいのだという言葉がとても印象に残りました。そのように語るときのその心情をおもんぱかると、胸を締めつけられる思いがいたします。
江別市が長い間、手話奉仕員の育成を続けてきたことは、大変すばらしいと評価いたします。繰り返しになりますが、手話奉仕員の養成講座は、入門、基礎、養成の3コースを終了する必要があり、かなり難しいものです。誰でも気軽に取り組めるというレベルではありません。
しかしながら、さきに示した事例のように、多くの市民が手話に関心を持ち、おはよう、こんにちは、お疲れさま、ありがとうなど、一つでも二つでも手話ができるようになることは障がいのある方の自立を地域で支える共生社会の形成の重要な要素であると考えます。
そこで一つ目の質問です。
先進事例では、条例が制定されて手話に関心が高くなり、学校や企業などで手話について学びたいと希望が寄せられることが多くなったとも聞いています。障がい者支援・えべつ21プランを見ても、障がい福祉に係る関係団体からの要望として、手話に関する理解を広めるためのさまざまな啓発というのがあります。今こそ市民の誰もが、一つでも二つでも手話ができる、手話のまちえべつを目指していただきたいところです。条例制定後になるかとは思いますが、広報えべつやホームページなどをさらに活用して、広く周知を図るだけでなく、広く市民の手話への理解を深め、多くの市民が一つでも二つでも手話ができるようになるような施策をすべきと考えますが、いかがか伺います。
聴覚障がい者とのコミュニケーションというと、すぐに手話が思い浮かぶと思いますが、中途失聴、すなわち何らかの理由で聴覚に障がいを持った方には、手話の獲得が難しいと言われています。中途失聴者は高齢者が多いとのことですが、一般に年齢とともに物覚えが悪くなるとも言われており、手話を覚えられない、または手話を覚えることに取り組まないという話もお聞きします。そのような、主に中途失聴者のコミュニケーションの一助として、要約筆記があります。江別市でも毎年、要約筆記者の養成講座を開催しており、講座を修了した有志の方々がサークルをつくり、日々、スキルアップに努め、要約筆記者として活動されています。
私は、平成21年第4回定例会の一般質問で要約筆記の認知度を高め、障がいのある方が利用しやすくしてほしいという趣旨の質問をしました。そのときの答弁では、依然として認知度が低いと思われますことから、今後、広報えべつやホームページなどをさらに活用して、広く周知を図ってまいりたいと考えております。また、職員に対しましても、先ほど御説明いたしました福祉関係の制度をまとめた保健・医療・福祉事業の概要や庁内の主務課長等会議などを活用し、周知を図ってまいりたいと考えておりますとのことでした。繰り返しの指摘は心苦しいのですが、残念ながら要約筆記の認知度に関しては、前回の質問から9年ほど経過していますけれども、依然として低いままであると思われます。同じ趣旨になるためここでは質問にはしませんが、要約筆記の認知度を高め、障がいのある方が利用しやすくしてほしいということを要望しておきます。
ところで、皆さまは、一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が普及を進めている耳マークを御存じでしょうか。団体のホームページには、聞こえないことが相手にわかれば相手はそれなりに気遣ってくださいます。目の不自由な人の白い杖や車椅子マークなどと同様に、耳が不自由ですという自己表示が必要ということで考案されたものが耳マークですと書かれています。この耳マークは、聴覚に障がいがあることを知ってもらうためのマークでしたが、同時に、自治体や銀行、病院などが聴覚障がい者に援助しますと呼びかけるマークとしても利用されているとのことです。
そこで、二つ目の質問です。
現状でも聴覚に障がいがある方が窓口に来られた場合には、筆談に応じていることは理解していますが、聴覚障がい者に援助しますという姿勢をはっきりと示すため、江別市でも市民が多く訪れる窓口や市の公共施設などに耳マークを設置していただきたいと思いますが、いかがか伺います。
二つ目の質問に付随する三つ目の質問です。
先ほど紹介した本の中に、生まれつき聴覚に障がいがあり、コミュニケーションの手段が主に手話である場合、日本語の助詞、つまり、てにをはといった名詞などの単語に付加して語句同士の関係をあらわしたり、対象をあらわしたりするものですが、手話ではその助詞を身ぶり手ぶりなどで表現するので、助詞の使い方を習得していなかったり、自動詞や他動詞の使い分けも困難とのことです。つまりは、筆談する場合には、聴覚障がい者のそのような状況を理解しておく必要があります。
各窓口に耳マークを設置するだけでは、仏つくって魂入れずとなってしまうおそれがあります。特に、市の公共施設については指定管理者が管理をしている施設も数多くあります。耳マークを設置した場合には、実際に窓口で対応する職員、これは広く市の職員及び指定管理者等の職員のことですが、窓口で対応する職員に対して、援助を求めている聴覚に障がいがある方への適切な対応ができるような指導が必要と考えます。
したがって、各施設へ書面などで通知するだけではなく、職員全員に理解してもらうよう耳マークの意味と聴覚障がい者への丁寧な接遇方法などの研修を行うべきと考えますが、いかがか伺います。
次に、男女共同参画についての質問に入ります。
6月23日から29日は男女共同参画週間です。そして、先日の生活福祉常任委員会では、平成26年3月に策定した江別市男女共同参画基本計画の計画期間の中間年であることし、男女共同参画計画の見直しをされるとの報告を受けています。そこで、男女共同参画に関しての市長のお考えをお聞きしたいと思います。
世界及び日本の男女共同参画の状況に関しては、さまざまな機関がさまざまな調査を行い、多くのデータが公表されています。その幾つかを御紹介いたします。
まず、世界の国会議員が参加する列国議会同盟の2017年6月に報告された調査によると、日本の国会議員の女性割合は9.3%で世界193カ国中164位です。この割合は、世界で71位の中国や世界で116位の韓国よりも低いとのことです。また、2016年に全国フェミニスト議員連盟から政府に対して提出された、政治分野の男女平等に向けて選挙制度改革を求める要望書によりますと、地方議会の女性比率は11.6%(県議会8.8%、市区議会13.6%、町村議会8.7%)であり、男性議員のみの、いわゆる女性ゼロ議会は2割にも上るそうです。幸いと言いますか、江別市の市議会議員の女性比率は約38.5%であり、近隣市の状況と比較しても、議員の女性比率だけは男女共同参画が進んでいる街かと思っています。
ところで、江別市の平成28年度の男女共同参画に関する施策実施状況の報告には、江別市まちづくり市民アンケートの結果が掲載されています。それによりますと、学校教育の場では男性の63.5%、女性の60.4%が男女平等であると回答していますが、家庭では男女平等であると回答した比率が男性は58.4%、女性は41.3%と低下します。そして、職場で男女平等であると回答した比率は、男性が34.4%、女性が27.7%と大きく落ち込みます。特に、職場で男性のほうが優遇されている、どちらかといえば男性のほうが優遇されていると答えた女性は47.2%とほぼ半数であり、職場での女性の不平等感が高くなっています。
内閣府男女共同参画局が毎年発行している男女共同参画白書平成29年版を少しひもといてみます。1986年は男女雇用機会均等法が制定された翌年なのですが、当時、日本の女性の就業率曲線はM字カーブと言われていました。高校・大学などを卒業して一度就職しても結婚、出産などで離職する女性が多く、20歳代前半でおよそ70%である就業率が、20歳代後半から30歳代前半の年代にかけて50%程度に落ち込み、40歳代前半に再び70%に近づくというもので、当時から先進国では見られない、日本独特の特徴と言われていました。それが、20年後の2006年には30歳代前半の女性の就業率が59.7%、さらに10年後の2016年には70.3%と、女性の就業率に関しては、もう一息で先進国の仲間入りをするところまできています。子育て世帯に対する経済的支援や出産・子育てと就労が両立できるような支援政策で合計特殊出生率がV字回復したスウェーデンやフランスのように、男女共同参画社会には、仕事と子育ての両立支援が重要と言えます。
念のため申し上げますが、あくまでも結婚して子供を持ち、働き続けたいと希望する人に対する支援であって、多様な生き方を否定するものではありませんし、多様な生き方に対する多様な支援を否定するものではありません。
そして、2016年のOECDの調査では、日本の女性の就業率は72.7%でOECD加盟34カ国中23位と中間より少し下ですが、2012年のILO(国際労働機関)の調査では企業などの女性管理職比率は11.1%で世界では96位と、その件に関して日本は大変おくれており、先進国とはとても言えない状況です。
そこで、江別市の管理職の男女比を見ると、医療職を除くと、部長職、部次長職はゼロであり、課長職、主幹職の割合は7%とかなり低くなっています。ただし、江別市の職員の男女構成を見ると、管理職になるであろう世代の女性の数が、残念ながら圧倒的に少なく、女性管理職の割合が著しく低いのはいたし方ないものであるとも言えます。しかしながら、最近では、職員の女性比率がおよそ3割とのことであり、今後に期待するところです。
男女共同参画に関する江別市長の見解に関しては、あえて質問とはしませんが、江別市の男女共同参画基本計画にあるとおり、男性と女性が対等なパートナーとして認め合い、あらゆる分野に参画し、喜びも責任も分かち合う男女共同参画の実現を目指しておりますと御答弁いただけるだろうと信じ、質問に入らせていただきます。
先ほど申し上げたとおり、江別市の管理職の実情は、残念ながら女性の部長職、部次長職はゼロであり、課長職、主幹職の割合は7%です。一つ目の質問として、今後、女性管理職の比率を職員の女性比率に近づけるようにしていくつもりであると確認させていただいてよろしいでしょうか、伺います。
当然のことながら、男性、女性にかかわらず、職員の育成は大変重要ですし、職責に応じて求められる職務遂行能力は多岐にわたります。管理職の男女比を職員の男女比に近づけるためには、現在、課長職、主幹職のみならず、係長職、係員の女性をしっかりと育成していく必要があると考えます。念のため申し上げますが、女性を特別扱いしろということではありません。
人間を植物に例えるのは適切ではないかもしれませんが、植物にきれいな花を咲かせるためには、土を耕し、日当たりや通風などの環境を整備し、適切な肥料、水などを適切な時期に与える必要がある、つまりは花を咲かせるためには、多大かつ不断の努力が必要ではないかと考えます。
そこで質問です。
今後の職員育成、特に女性管理職を育成する方針・方策を伺います。
最後に、セクシュアル・ハラスメント対策について伺います。
昨今のニュースを見ていると、官僚の中の官僚と言われる財務省のトップが、セクシュアル・ハラスメントに対してあのような認識でいるということに愕然とし、その後のセクハラ罪なんていうのはないという財務大臣の発言、まるで法に触れなければ問題ないと言っているかのようなあの発言に、開いた口が塞がらなくなってしまいました。もし、そのような意識を持つ人が、まだ大勢存在しているのであれば、世の中からセクシュアル・ハラスメントがなくならないわけです。男女共同参画社会を実現するためには、あらゆる場面でセクシュアル・ハラスメントを排除すべきと思います。
しかしながら、セクシュアル・ハラスメントは、他のハラスメントと同様に、受けた側が感じることであるため、例えば、あることをAさんに言われたときにはハラスメントと感じなかったとしても、同じようなことをBさんに言われたときにハラスメントと感じることがあるというように、線引きが非常に難しいと言われています。したがって、セクシュアル・ハラスメントと受け取られないよう、日々、言動を注意深くする必要があるでしょう。
くだんの財務省事務次官のセクハラ事件の後、財務省幹部に対してセクハラ研修が行われたそうですが、その講師を務めた女性弁護士からは、財務省の感覚と世の中の常識が非常にずれている、大きく乖離があるなどと厳しく指摘されたそうです。
江別市でも昇任者研修などでセクシュアル・ハラスメントに関する研修を行っていることは理解しております。日々接している江別市職員の方が大きく常識と外れた意識を持っているとは思いませんが、やはり、昨今、各地で頻発している不祥事などで公務員に対する世間の目はますます厳しくなっておりますし、何より内閣府男女共同参画局が発行している平成28年版男女共同参画白書においても、平成29年版男女共同参画白書においてもセクシュアル・ハラスメント防止対策の推進を掲げていることは、政府もセクハラ防止が重要であるとの認識であると考えられます。
そこで最後の質問です。
江別市でも、今後、全職員に向けてセクシュアル・ハラスメントに関する研修を行うべきと考えますが、いかがか伺います。
以上で、1回目の質問といたします。

副議長(宮川正子君)

諏訪部議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

諏訪部議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、障がい者福祉に関しまして、手話への市民理解についてでございますが、北海道におきましては、本年4月1日より、北海道言語としての手話の認識の普及等に関する条例が施行されたほか、5月には、関係団体から市へ手話言語条例制定に関する要望書が出されたことなどを踏まえ、現在、平成31年4月の施行を目指し、(仮称)江別市手話言語条例の制定に向けた準備を進めているところであります。
この条例は、手話が言語であることに対する市民の理解促進に関して基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにして、手話を使いやすい社会の実現と手話が言語であるとの理解を広く市民に普及することを目的とするものであります。
市では、これまで、専任手話通訳者の配置のほか、手話通訳者の派遣や手話奉仕員等を養成する講座を開催する事業などを実施してまいりましたが、今後ともこうした取り組みを継続するとともに、御質問の趣旨も認識しておりますことから、条例制定を契機として、他の自治体の事例なども研究し、関係団体等とも相談しながら手話に対する市民理解の促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、男女共同参画に関連しまして、初めに、職員の育成についてでありますが、活力ある組織運営を行うためには、性別にかかわらず高い能力を有する管理職員を確保する必要があると認識しております。
平成27年8月に、働く場面で活躍したいという希望を持つ全ての女性が、その個性と能力を十分に発揮できる社会を実現するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律が成立しております。この法律は、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定等を事業主に義務づけており、本市も特定事業主として、江別市職員の仕事・子育て・女性活躍推進に関する行動計画を策定しているところです。
市といたしましては、この計画に基づき女性枠を設けて、キャリアアップのため市町村アカデミーなどの外部研修へ積極的に派遣しているほか、出産・子育て期に配慮した人事管理を行うなど、女性職員の活躍を推進するための取り組みを進めているところであります。
いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、職員の育成は、長期的な視点に立って進めていくことが重要でありますことから、今後も、職員が能力を発揮できる環境整備を推進していくとともに、職員の育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、セクシュアル・ハラスメントに関する研修についてでありますが、セクシュアル・ハラスメントは、職場において職員の人格・人権を不当に侵害し、勤労意欲を喪失させるとともに職務遂行を阻害し、職場のモラルを低下させ公務能率に多大な影響を及ぼすものと認識しております。
市も事業主として、男女雇用機会均等法が定めるセクシュアル・ハラスメントの防止義務に加え、職員が働きやすい環境を整える義務がありますことから、平成15年に策定した、職場におけるセクシュアル・ハラスメントに関する基本方針をもとに、相談窓口の設置や研修等を通じてセクシュアル・ハラスメントの防止及び排除に向けた取り組みを進めているところであります。
議員御質問の全職員に向けてのセクシュアル・ハラスメントに関する研修の実施につきましては、現在、セクシュアル・ハラスメントに限らずハラスメント全般の予防の徹底等の観点から、現行の職場におけるセクシュアル・ハラスメントに関する基本方針の改定を予定しており、基本方針の見直しに合わせ、研修等を通じて、全職員に対してハラスメント防止の徹底を図ってまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長ほかをもってお答え申し上げます。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

私から、障がい者福祉についての御質問のうち、耳マークの設置についてほか1件について御答弁申し上げます。
初めに、耳マークの設置についてでありますが、耳マークは、一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会が普及を進めている耳の不自由な方であることをあらわすマークであり、外見からではわかりにくい、耳が聞こえない、あるいは、聞こえにくいということの不安を持った方々のコミュニケーションをサポートすることを目的とするものであります。
近年、市内の金融機関などにおいても、耳マークを設置している事例を承知しており、その有用性も認識しておりますことから、今後、市の窓口などにおきましても、耳マークの設置に向け、検討してまいりたいと考えております。
次に、耳マークの設置に係る研修についてでありますが、耳が不自由な方への対応に当たっては、職員はゆっくりと話したり、手話や筆談をするなど、コミュニケーションの方法について配慮が必要となります。
これまでも、市では、障がい者に対する窓口対応の研修を実施しておりますが、今後においては、耳マークの目的や耳が不自由な方への接し方などを含め、職員などへの周知を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

総務部長(後藤好人君)

私からは、男女共同参画についての御質問のうち、女性管理職の比率について御答弁申し上げます。
管理職への登用に当たっては、性別にかかわらず能力の適正な評価によることが基本と考えております。
議員御指摘のとおり、医療職を除く本市職員の年齢構成上、昇任の適齢年齢の女性職員が少ないため、管理職に占める女性職員の割合につきましては、決して高いものとは言えない現状となっております。しかしながら、その一方で、係長職に占める女性職員の割合は平成30年4月1日現在で21.7%と年々ふえており、これから女性職員の管理職への登用はふえていくものと考えております。
女性職員が能力の実証に基づき管理職へ昇任することは、政策決定の場面に女性の視点や発想などを生かした質の高い行政サービスにつながるものと考えられることから、引き続き、女性職員が意欲と能力を最大限に発揮できる人事制度の確立に努めてまいります。
以上であります。

諏訪部容子君

それでは、要望と2回目の質問をさせていただきます。
まず、手話への市民理解についてですけれども、関係団体の皆様の御努力で市民の皆様が手話に触れるような場面が多々あるかと認識しているのですが、先ほど申し上げましたように、教えていただいてもすぐに忘れてしまうようなこともありますので、手話に触れる頻度がたくさんあることによって、広く市民の皆様に手話を一つでも二つでも覚えていただけるかと思っております。手話に触れる頻度をふやしていただけるような政策をしていただければと思い、これは要望といたします。
次に、耳マークの設置について、2回目の質問とさせていただきます。
答弁の中では、今後、市の窓口などにおきましても耳マークの設置に向け、検討してまいりたいと考えておりますとのことだったのですが、市の窓口に設置していただくのは大変ありがたいのですけれども、指定管理者に管理を委託している施設がたくさんございますし、そういう施設の中には、さまざまな方が訪れるような施設もたくさんあるかと思っております。そのような、市が指定管理を委託している施設につきましても、もちろん全ての施設ということではないですが、さまざまな不特定多数の方が訪れるような施設には耳マークを設置していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
耳マークの設置に係る研修につきまして、先ほどの1回目の質問のときにも申し上げましたけれども、指定管理者に管理を委託している施設につきましては、窓口にいらっしゃるのが市の職員ではないということで、さまざまな職員の方がいらっしゃるかと想像いたします。そういたしますと、例えば、耳マークを設置してほしいということで、市のほうから耳マークを持参して、設置のお願いをするとか、耳マークを郵送して、設置してくださいということと、それに耳マークの説明の文書をつけるだけではなかなか全ての職員の方に耳マークの理解や接し方が浸透しないと考えられますので、そのときの説明や研修、ガイダンスなどを丁寧にやっていただけるのかということを二つ目の質問といたします。

健康福祉部長(佐藤貴史君)

障がい者福祉についての再質問に御答弁申し上げます。
初めに、耳マークの設置に関しまして、耳マークを市の指定管理施設にも設置することについてでありますが、指定管理施設への設置につきましては、今後、各施設の形態や利用状況なども踏まえ、指定管理者と相談してまいりたいと考えております。
次に、市の指定管理施設に設置する場合の職員研修についてでありますが、施設ごとに利用者の状況や運営体制などが異なりますことから、今後、研修内容や周知方法などにつきましては、指定管理者と相談してまいりたいと考えております。
以上でございます。

副議長(宮川正子君)

以上をもって、諏訪部議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

副議長(宮川正子君)

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 1時51分 散会