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平成30年第1回江別市議会定例会会議録(第3号)平成30年3月7日

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年6月12日更新

1 出席議員

25名

議長 高間 専逸 君 副議長 宮川 正子 君 
議員 吉本 和子 君 議員 高橋 典子 君
議員 三角 芳明 君 議員 星 克明 君
議員 島田 泰美 君 議員 干場 芳子 君
議員 内山 祥弘 君 議員 堀 直人 君
議員 本間 憲一 君 議員 石田 武史 君
議員 清水 直幸 君 議員 宮本 忠明 君
議員 角田 一 君 議員 山本 由美子 君
議員 岡村 繁美 君 議員 鈴木 真由美 君
議員 赤坂 伸一 君 議員 諏訪部 容子 君
議員 尾田 善靖 君 議員 齊藤 佐知子 君
議員 徳田 哲 君 議員 相馬 芳佳 君
議員 裏 君子 君    

2 欠席議員

2名

議員 齋藤 一 君    議員 野村 尚志 君 

3 説明のため出席した者の職氏名

市長 三好 昇 君 副市長 佐々木 雄二 君
水道事業管理者 佐藤 哲司 君 総務部長 齊藤 俊彦 君
企画政策部長  北川 裕治 君 生活環境部長 高橋 孝也 君
経済部長兼
総合特区推進監
後藤 好人 君 健康福祉部長 真屋 淳子 君
建設部長 安藤 明彦 君 病院長 梶井 直文 君
病院事務長 吉岡 和彦 君 消防長 永嶋 司 君
水道部長 安井 國雄 君 会計管理者 宮腰 明生 君
総務部次長 土屋 健 君 財政課長 野口 貴行 君
教育委員会教育長 月田 健二 君 教育部長 渡部 丈司 君
監査委員 中村 秀春 君 監査委員事務局長 近藤 政彦 君
農業委員会会長 萩原 俊裕 君 農業委員会事務局長 川上 誠一 君
選挙管理委員会
委員長
中井 悦子 君 選挙管理委員会
事務局長
金内 隆浩 君

4 事務に従事した事務局員

事務局長 佐藤 貴史 君 次長 錦戸 康成 君
庶務係長 土谷 晶子 君 議事係長 阿部 昌史 君
主査 水口 武 君 主任 丹羽 芳徳 君
主任 伊藤 みゆき 君 書記 海谷 祐二朗 君
事務補助員 唐木 由美 君    

5 議事日程

日程第 1 会議録署名議員の指名
日程第 2 一般質問

発言者及び発言趣旨

島田 泰美 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 住宅取得支援事業について
     (1)住宅取得支援事業の効果について
     (2)住宅取得支援事業の利用者へのアンケートについて
  2. 道徳教育について
     (1)道徳教育の現状について
     (2)教科書検定制度導入後の授業内容について
  3. 幼児教育無償化について
     (1)市の幼児教育及び保育の環境整備について
     (2)幼児教育無償化を受け入れる態勢について
  4. 現状から考える市立病院のあり方について
     (1)市立病院のこれまでの経緯や状況について
     (2)平成30年4月の診療報酬改定の影響について

山本 由美子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 市内における交通体系の整備について
     (1)自動車運転免許証返納の年代別人数について
     (2)都市と農村の交流センターの地域別利用状況と利用者の要望から見た交通手段の整備について
     (3)高齢者が利用する交通環境について
     (4)交通事業者と市と市民の連携による交通手段の整備について
  2. 防犯カメラの設置について
     (1)市庁舎駐車場における車の接触トラブルの現状について
     (2)市庁舎駐車場に防犯カメラを設置することについて
     (3)交通安全及び防犯に係る対応について認識について

堀 直人 君 (一問一答方式)

  1. 第6次江別市総合計画について
     (1)第6次江別市総合計画の中心に据えたキーワードである協働と戦略性について
     (2)めざすまちの姿に至るためのシナリオについて
     (3)江別のポジショニングと多様性について
     (4)みんなでつくる未来のまちえべつの計画をみんなでつくることについて
  2. 職員人事について
     (1)多様性と専門性のある職員をいかに確保するかについて
     (2)研修について
     (3)女性職員の昇進を促進させるための環境整備について
     (4)民間派遣について
     (5)20%プロジェクトという考え方について
     (6)目標による管理について
     (7)異動について
     (8)任期付幹部職員制度の導入について
     (9)採用における年齢制限の撤廃について
     (10)職員の仕事に対して市民の理解を深めることの重要性について

裏 君子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 健康なまちづくり・職場づくりについて
     (1)健康づくりを進めるための全庁的な取り組みについて
     (2)野菜の摂取量をふやすための具体的な取り組みについて
     (3)働く世代への健康づくりについて
     (4)禁煙及び分煙に係る市民への啓発について
  2. 若い世代の婚活支援について
     (1)男女の出会いの場づくり支援事業のこれまでの取り組みと成果について
     (2)成婚に至った方への支援について
     (3)企業や団体などによるサポーターとしての応援について
  3. 学校施設の防災・減災対策の強化について
     (1)国の補助制度を活用して学校施設の避難所機能を強化することについて

 6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(高間専逸君)

これより平成30年第1回江別市議会定例会第10日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(高間専逸君)

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(高間専逸君)

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
鈴木 議員
高橋 議員
を指名いたします。

◎ 一般質問

議長(高間専逸君)

日程第2 一般質問を順次行います。
島田泰美議員の住宅取得支援事業についてほか3件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間25分。

島田泰美君

ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。
初めに、住宅取得支援事業について質問いたします。
この件は、昨年の第4回定例会の一般質問でも当会派の野村議員が取り上げましたが、今回は新聞にも掲載された経緯があり、また、市長の挨拶の中にもたびたび人口の社会増についてのお話が出てきて、事業としての大きな効果があらわれたようですので、さらに深める意味で一般質問として取り上げたところです。
この事業の概要として、平成28年度より創設されたこの住宅取得支援事業は、多世代で支え合う家族や子育て世代を支援し、市内への移住者や定住につながる住宅の新築・購入リフォーム費用に対する補助制度であります。この制度の補助メニューは三つに分かれ、一つ目が同居・近居住宅取得補助、二つ目は同居リフォーム補助、三つ目が多子世帯住宅取得補助となっていて、一つ目は最大で50万円、二つ目が40万円、三つ目も40万円となっている補助制度です。平成28年度の応募の162世帯に対し平成29年度は232世帯と多かったため、補正予算で対応するという形になりました。事業費は、平成29年度予算5,048万4,000円に対し、補正予算も含め結果的に6,340万円となったところです。
また、昨年の5月25日には独立行政法人住宅金融支援機構と市の協定締結により、この事業を利用する子育て世帯が一定の条件を満たす場合、住宅ローンのメニュー名であるフラット35の金利が当初5年間、0.25%引き下げられることになります。したがって、利用者の特に子育て世帯には有利となり市外等からの転入が進むことで結果的に社会増が平成28年度は244人、平成29年度が363人となりました。このことは住宅取得に係る費用の補助、または教育環境の充実策などの事業が奏功し、子育て世帯の転入が進んだものと考えられます。
江別市の人口は、平成17年の12万5,601人をピークにその後減少し、昨年12月末現在の住民基本台帳に基づく人口は11万8,999人となり、減り続けてきました。
これは亡くなる人の数が生まれてくる子供の数を上回る自然減の状況が、平成15年から続いているためであり、今後は社会増を維持することが、最も重要となってくることは周知のとおりであり、この支援事業がそういった意味において大きな役割を果たしていることになります。
また、この事業は第6次江別市総合計画におけるえべつ未来戦略の戦略プロジェクト3Bの個別事業であり、計画期間が平成30年度までとなっていることから、さらに進めていくと思われますが、平成30年度予算編成の中で260世帯の利用を見込むことで、平成29年度より増額となり約7,000万円の予算が計上され、予算特別委員会で審査されることになります。
そこで、一つ目の質問として、平成29年度の時点で市としてこの事業の効果をどう捉えているのか、評価も含めお聞きしたいと思います。
二つ目として、今後、この事業を進めていくとしたならば、人口動向を知る上で、利用してくださった方々の御意見や御要望、また、個人情報に差しさわりがない程度のデータは必要かと思います。本年3月の広報えべつでは、特集として、この事業の概要や昨年と同様に利用者の声が掲載されましたが、平成29年度のアンケート結果についてどういった回答があったのか、また、回答結果から、今後について参考となることがあればお聞きしたいと思います。
次に、道徳教育についてお伺いします。
この件名の一般質問は、私の所属する委員会にかかわりますことから大綱にとどめておきたいと思います。従前から学校の道徳教育は学習指導要領に規定されており、学校教育の全体を通じて行うという方針で進められてきましたが、特に昭和33年改訂の学習指導要領において、小学校及び中学校における道徳の時間は各学年週1時間、年間35単位時間と定められ、この道徳の時間が各教科における道徳教育を補充、深化、統合するものと位置づけられてきました。さらに、平成20年に改訂された小・中学校の学習指導要領では、学校における道徳教育は道徳の時間をかなめとして、学校の教育活動全体を通じて行うものと明記されました。
また、第2次安倍内閣における最重要課題の一つとして位置づけられる教育改革において教育再生実行会議を設置して、平成25年2月には、特にいじめ問題が深刻な状況にあることから道徳教育の重要性を改めて認識して、その抜本的な充実を図るとともに、新たな枠組みによって教科化することが提言されたところです。
この提言を踏まえ、さらに平成25年3月に道徳教育の充実について検討するため、文部科学省に本懇談会が設置されたところであり、この道徳教育の充実はいじめ問題の解決だけではなく、国の教育全体にとっての重要な課題であるとの認識のもと、これまでの成果や課題を検証しつつ、心のノートの全面改訂や教員の指導力向上方策、新たな枠組みによる教科化の具体的なあり方などについて幅広く検討が行われ、その報告から道徳教育の現状は課題も存在しており、目指す理念が関係者に共有されていないことや、教育の指導力が十分でなく、道徳の時間に何を学んだかが印象として残るものになっていないこと、他の教科に比べて軽んじられ、道徳の時間が他の教科に振りかえられていること、また、いじめ等の現実の問題に対応できていないことなど、さまざまな事柄が指摘されたところです。
今、特に大きな社会問題となっているいじめ防止の観点からも社会性や規範意識・善悪を判断する力・思いやり・弱者へのいたわりなど、豊かな心を育むことが求められていて、今後において人間として踏まえるべき倫理観や道徳観が一層重要になると考えられることから、これからの社会において道徳教育に期待される役割は極めて大きく、道徳教育については学校と子供の人格を形成する家庭とが連携して取り組むことが不可欠であり、相互の連携をより緊密なものとすることなど、さまざま本懇談会から報告がなされたところです。
このことを踏まえ、江別市教育委員会としても従前から市内小・中学校の道徳教育の時間において、心のノートを資料として採用していましたが、平成26年度より心のノートを全面改訂した文部科学省監修の私たちの道徳を資料として活用しているところです。
また、道徳教育の教科化につきましては、これまでの教科外活動としての道徳の時間を特別の教科道徳とし、教科化へ格上げされ、小学校では平成30年度より、中学校においては平成31年度より完全実施され、検定教科書が教材として導入されることとなりました。
そこで質問に入ります。
1点目として、これまでの市の道徳教育の現状について考え方も含めお伺いします。
2点目として、教科書検定制度導入後、教科化へ格上げされたことでこれまでの位置づけと指導の方向性が大きく変わることがあり得るのか、また 数値による評価も含め他の教科と取り扱いが違う点についてお伺いします。
次に、幼児教育無償化についてお伺いします。
政府は、昨年の12月8日の臨時閣議において、幼児教育・保育や高等教育の無償化などを盛り込んだ、人づくり革命と、生産性革命の2本柱の政策パッケージを閣議決定したところです。財源は2019年10月の消費税増税分のうち、1兆7,000億円程度を充てるほか、企業の拠出金として3,000億円程度をふやして賄う方針であり、総額2兆円規模の政策パッケージとなる予定であります。
特に、待機児童の解消に向けては、2020年度末までに32万人分の保育の受け皿整備として、3,000億円を充てることとしています。企業の拠出金については、経済界には応分の負担を求めることが適当とし、平均報酬月額と賞与額の0.25%を上限とする現在の拠出金率について、0.45%に引き上げることで3,000億円を捻出する改定法案を今年度の通常国会で提出する方針となっています。また、この消費税増税分の使途を変更したことで、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化達成は困難となり、達成時期の具体的な計画は今年度の骨太方針で明記するとされています。
政策パッケージの内容として幼児教育・保育について、ゼロ歳児から2歳児は住民税非課税世帯(年収250万円未満)を対象に無償化する。また、3歳児から5歳児は保護者の所得に関係なく、認可保育所や幼稚園・認定こども園の利用者は無償化となります。
認可外保育施設については、有識者会議を設置して、無償化対策などを検討することで今年度の夏ごろまでに結論を先送りすることになっています。実施時期については、2019年4月から幼児教育・保育の無償化を一部先行して行い、2020年4月より高等教育を含め全面実施するとされています。
しかし、この制度にもさまざま検討不十分な要素を含んでいるといった声もあるようで、そもそも認可保育施設の保育料は既に所得に応じて軽減されていて、一律に無償化することにより高額所得者ほど恩恵が大きくなってしまうため、所得制限を設けるべきだという声も根強くあり、また、保育の質が担保されていない施設もあるようで無償化することにより、救済補助金として機能してしまい、本来必要とされる改革が頓挫しかねないとの考え方もあります。
いわゆる、淘汰されるはずの質のよくない施設やニーズに合わない施設まで生き延びる可能性も現実的に想定されます。
また、利用者はこれまで払っていた保育料の負担が減ると、より長時間の保育を希望することも考えられ、その結果、待機児童問題や保育士不足、保育の質の低下など、懸念されることも多くなるため、まずは質の高い幼児教育・保育を提供できるように改革をして、無償化はその総合仕上げとして最後の段階でやるべきといった考え方もあるようです。
私自身、この制度は大枠では肯定しますが、実施時期が2019年4月から一部先行して行うこととなっていますので、若干の猶予があり実施時期も含め見直す点があれば、検討されたほうがよいと思います。
それでは質問に入ります。
1点目として、この制度を受け入れる現在、市の幼児教育・保育の環境整備はどうなっているのか、特に平成30年度予算は、待機児童解消対策事業や保育園等に対する給付金として20億円以上が計上されていて、予算特別委員会で審査されますが、待機児童問題も含め現状をお伺いします。
2点目として、各自治体により幼児教育・保育の環境は違いますが、無償化が実施されると当市の場合、懸念されることがあるのかどうか、影響も含めお伺いします。
次に、現状から考える市立病院のあり方についてお伺いします。
市立病院に関する質問は、直近で昨年の第1回定例会で予定していましたが、陳情書が提出され審査の段階でしたので取りやめた経緯があります。今回は1年前とは市立病院にかかわる状況が変わりましたので、違う観点で質問したいと考えています。
まず、平成29年6月13日に決議された市立病院・地域医療検討特別委員会の設置に関する決議文を確認の意味で私なりに解釈して述べ、さらに、きょうまでの経緯や状況も踏まえ、質問したいと思います。
市立病院は、長年にわたり地域の中核病院として地域医療を担ってきましたが、平成18年の医師の大量退職により、さらに厳しい経営状況に陥りました。しかし、市長を初め、関係者の努力により医師の確保、江別市立病院公立病院改革プランや江別市立病院経営健全化計画をもとに、診療体制の強化と経営改善に取り組んできたところです。しかしながら、病院事業会計は、毎年度、一般会計から約14億円を繰り入れているほか、平成27年度には7億5,000万円を借り入れるなど、非常に厳しい経営状況が続いており、市の財政への影響も懸念されるところです。
これまで市立病院の所管について、生活福祉常任委員会で扱ってきましたが、集中的な検討や研究を進めるため、国や北海道などの動向を踏まえつつ、江別市立病院新公立病院改革プランの進捗状況を検証するなど、多角的な視点から調査及び審査をしていく必要があることから、新たにこの特別委員会が設置されました。以上がこの特別委員会設置の提案理由であり、同様にきょうまでの市立病院の経緯と状況であります。
現在、この特別委員会ではさまざまな資料の検証も一定程度終了し、江別市立病院新公立病院改革プランの検証に入るところです。
一方で、平成29年2月15日には市民団体より、市立病院の経営健全化についての陳情書が議会に提出され、さらに、平成30年1月26日に同じ市民団体より市長宛てに、第三者による諮問機関を設置して市内の医療体制や市立病院のあり方を審議するように、市立病院のあり方についての提言書が提出されました。
前後しますが、本年1月4日の市長定例記者会見で、市長は市立病院に関して、収入に見合った経営を考えるときであり、将来的な診療体制の見直しも視野に経営方針の転換を検討することを示唆したところです。
また、病院事業会計に関して、現在、平成30年度予算の審査段階ですが、平成29年度決算見込みで純損失が6億4,000万円以上、不良債務残高が9億6,000万円以上見込まれ、前年度と比較すると不良債務残高は約2倍となっていることが示されたところです。
まさに、これが現在の市立病院の経営実態であり、これらの状況から診療体制や経営形態の見直しを現実的なこととして捉える時期に既に入っているのではないでしょうか。
この現状から考える市立病院のあり方について、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
次に、状況として今後の診療体制に大きくかかわってくるのが本年4月に改定される診療報酬です。2年に一度の改定ですが、介護報酬の改定と重なって6年に一度の重要な同時改定となります。看護体制の改定一つ取り上げてみた場合、当病院での急性期一般病棟の入院基本料は7対1の看護体制となっていますが、厚生労働省は10対1の看護体制に再編・統合することで実績に応じた中間評価体系を導入する動きもあり、そうなると現在のこの入院基本料は減る可能性が出てきます。
以上のことから、診療報酬改定の市立病院に与える影響について、同じく市長にお伺いしたいと思います。
以上で1回目の質問を終わります。

議長(高間専逸君)

島田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

島田議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、幼児教育無償化に関連しまして、市の幼児教育及び保育の環境整備についてでございますが、国は、昨年12月8日の臨時閣議におきまして、人づくり革命と、生産性革命の2本を柱としました新しい政策パッケージを決定し、その主な内容の一つとしまして、平成31年度からの段階的な幼児教育・保育の無償化や、平成32年度末までの待機児童の解消に向けた保育の受け皿整備等が盛り込まれたところでございます。
そこで、当市の現状についてでございますが、保育需要の高まりに対応しまして、就業と子育ての両立を支援するため、平成25年度からの5年間で279名の保育の提供体制を拡大してまいりましたが、昨年10月1日現在においては、前年と比較しまして33名減少したものの、潜在的待機を含め、低年齢児を中心に、157名の待機児童が発生しております。
このような中、今年度、江別市子ども・子育て支援事業計画の中間見直しを行ったところでありまして、市といたしましては、さらなる教育・保育の提供体制の充実を図らなければならないものと認識しているところでございます。
また、保育料につきましては、平成27年度から国が定める基準に加えまして独自軽減を実施しているほか、本年度から多子世帯を対象としました北海道の補助を活用するなど、さらなる負担軽減を図ってまいりたいと考えているところでございます。
次に、幼児教育無償化を受け入れる態勢についてでございますが、先ほどお答え申し上げましたとおり、新しい政策パッケージにおけます幼児教育・保育の無償化は、平成31年4月から先行実施し、平成32年4月から全面実施することとされております。
御質問の保育料無償化の実施に係る当市への影響でございますが、無償化が実施された場合には、保育所や認定こども園等への入所希望者が増加することで、提供体制や保育士の確保等への影響が想定されるほか、平成32年度からの次期江別市子ども・子育て支援事業計画の策定においては、その影響に留意しなければならないものと考えております。
また、国が定める公定価格に基づきまして、国、道との一定の負担割合により算出する、保育所や認定こども園等への施設型給付費の負担額につきましても影響があるものと考えております。
いずれにいたしましても、無償化を実施する際の財源負担等の詳細が国から示されていないことから、今後とも国の動向を注視しまして、情報収集してまいりたいと考えております。
次に、現状から考える市立病院のあり方に関しまして、市立病院のこれまでの経緯と状況に係る認識についてでございますが、市立病院では、平成18年に医師の大量退職によりまして、診療機能が大幅に低下し、極めて厳しい経営状況に陥ったため、医師の確保を最優先課題としまして、経営の立て直しに努めてまいりました。
平成28年度には、DPCや地域包括ケア病棟を導入したことによりまして、診療単価が向上し、平均在院日数が短縮するなどの効果を上げたものの、平成29年度は、本年1月までの現状で、患者数が目標に達しておらず、収益は前年度実績を大きく下回り、収支も悪化する見通しとなっているところでございます。
このようなことから、平成29年3月に策定しました江別市立病院新公立病院改革プランにおけるさまざまな経営改善策は、計画どおりに進んでいないものと認識しております。
これまで市立病院では、収益増加策を柱としまして経営改善に取り組んできたところでありますが、今後は公営企業法の原点に立ち返り、収入に見合った経費で病院を経営することを基本に、これまで実施してきた収益改善策の効果や収支悪化の状況を十分踏まえるとともに、さらに分析しまして、国の平成30年度の診療報酬改定の影響を見きわめつつ、診療体制の見直しも含め、抜本的な経営改善を進めていかなければならないものと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、建設部長ほかをもってお答え申し上げます。

建設部長(安藤明彦君)

私から、住宅取得支援事業について御答弁申し上げます。
初めに、住宅取得支援事業の効果についてでありますが、市ではこれまで、人口減少対策を喫緊の課題と捉え、大麻地区では住みかえ支援による定住対策を進めているほか、野幌地区では江別の顔づくり事業によるコンパクトなまちづくりを進めているところでございます。
さらに、平成28年度からは人口の定住化を促進するため、住宅取得支援事業をスタートさせたところであります。
そこで、住宅取得支援事業を利用して転入した方は、平成28年度が314人で、平成29年度は396人が見込まれ、また、市内の賃貸住宅から新たに持ち家に住まわれた方は、平成28年度が164人で、平成29年度は296人が見込まれることから、転入促進や転出抑制につながり、人口動態においては、平成28年は9年ぶりに、平成29年もその傾向が続き、2年連続の社会増となったところであります。
また、世帯で本事業を利用した同居・近居が、全体の約7割を占めている状況でありますことから、当市が目指す、世代間が助け合う共生社会の実現につながっているものと考えております。
次に、住宅取得支援事業の利用者へのアンケートについてでありますが、今年度の調査結果では、江別市に住宅を取得した理由として、本事業による補助金があったこと、家族が住んでいたこと、通勤・通学等の交通の利便性、良好な子育て環境を挙げる方が多かったところでございます。
また、利用者からの御意見としては、同居・近居支援により、親子が安心して暮らせるようになり、子育ての負担軽減につながったことのほか、加算が受けられるこの制度に対しても、高い評価をいただいております。これらのことは来年度の予算案の議論の中で参考としたところでございます。
私からは以上でございます。

教育長(月田健二君)

私からは、道徳教育について御答弁申し上げます。
初めに、道徳教育の現状についてでありますが、現行の学習指導要領においては、学校の道徳教育は、道徳の時間をかなめとして、学校の教育活動全体を通じて行うものであり、道徳の時間はもとより、各教科、外国語活動、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、児童の発達の段階を考慮して、適切な指導を行わなければならないと示されております。
本市においては、従前から、小・中学校の道徳の時間は、学習指導要領で定められている年間35時間の授業を行っており、各学校で使用する道徳教育用の教材は、平成26年度から文部科学省が配布をしている、私たちの道徳を基本としているほか、北海道教育委員会が作成した、はあと・ふるなどの教材もあわせて活用し、授業を行っているところであります。
次に、教科書検定制度導入後の授業内容についてでありますが、平成27年3月に、学校教育法施行規則及び小・中学校の学習指導要領の一部改正が行われたことにより、これまでの道徳の時間が、新たに特別の教科、道徳として位置づけられ、小学校では平成30年度から、中学校では平成31年度から文部科学省検定済み教科書が使用されることになります。
この改正では、平成26年10月の中央教育審議会の答申を受け、道徳教育の改善・充実を図るため、いじめ問題への対応の充実や発達の段階を、より一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工夫を図ることなどが示されています。
今回の学習指導要領の改訂により、道徳が教科になったことで、これまでの基本的な考え方や指導の方向性が変わるものではありませんが、発達の段階に応じ、答えが一つではない課題を、一人一人の児童生徒が、道徳的な問題と捉え、向き合う、考える道徳、議論する道徳へと道徳教育を充実させる内容になっています。
また、道徳については、これまで学習の評価は行っておりませんでしたが、教科に位置づけられたことを受けて新たに評価が導入されます。
なお、この評価とは、数値や他の児童生徒との比較ではなく、児童生徒がいかに成長したかを積極的に受けとめて、認め、励ます、個人内評価として記述式で行うものとされているところであります。
教育委員会といたしましては、学校における道徳教育は、自己の生き方を考え、主体的な判断のもとに行動し、生きるための基礎となる道徳性を養うことを目標とする教育活動であり、社会の変化に対応して生きていくことができる人間を育成する上で、重要な役割を持っておりますことから、道徳教育の一層の充実が図られるよう、対応してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

病院事務長(吉岡和彦君)

私からは、島田議員の御質問のうち、平成30年4月の診療報酬改定の影響について御答弁申し上げます。
診療報酬は、保険診療の際に医療行為等の対価として国が全国一律に定めるもので、病院事業収益の根幹をなすものであります。
この診療報酬は、保険者や医師などからなる中央社会保険医療協議会の答申を受けて、国が通常2年に一度改定するものであります。
平成30年度は、改定年度に当たりまして、本年2月7日に中央社会保険医療協議会の答申が公表されたところであり、今後、国は3月上旬に改定の内容を告示し、下旬には具体的な運用について、都道府県等に通知する予定となっております。
現時点で公表されている答申の内容におきましては、入院基本料に関するもの、中でも、江別市立病院が担う急性期医療の分野が大きく改正され、これまでの一般病棟入院基本料の看護職員配置基準である7対1や10対1などの区分が整理・統合されて、新たに入院料1から7の7段階に再編されることとなっております。
このことは、病院事業の収益や医療職の配置人数、特に看護師の配置に大きく影響するものであり、新たな診療報酬体系に適応し、これに応じたどのような診療体制をとるか、さまざまな側面から検討していかなければならないものと考えております。
この新たな診療報酬体系への制度移行につきましては、半年間の猶予期間が設けられていることから、今後、明らかにされる制度の詳細に合わせて、具体的なシミュレーションを行い、診療収益の確保に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

島田泰美君

御答弁ありがとうございました。
まず、幼児教育無償化についてですが、昨年10月1日現在で潜在的待機児童を含め、低年齢児童を中心に157名の待機児童が存在しているとの答弁がありました。これは支給認定の特に3号認定に当たると理解したところですが、江別市子ども・子育て支援事業計画の中間見直し案を見る限り、平成27年度から平成29年度までは、確かに量の見込み実積値が、提供体制実績値を上回り、待機児童が発生していることになります。
この計画の見直しにより平成31年度は、ゼロ歳児から2歳児の提供体制値が25名ほど上回っているため、待機児童が発生する計画とはなっていませんが、ぜひとも平成31年4月からの幼児教育無償化を受け入れる前も、そして、その後も待機児童が発生しないよう、民間事業者への施設整備支援等による特定教育・保育施設や、小規模保育施設の提供体制拡大を図るとともに、企業等における保育の受け皿を拡充するために、保育施設の開設等、保育事業を推進していただきますよう、さらに、保育の質を低下させないよう、要望といたします。
次に、現状から考える市立病院のあり方についてですが、この後の予算特別委員会でも関連の質疑が出てくることが予想されますので詳細なことは差し控え、2点ほど簡潔にお聞きしたいと思います。
今後は公営企業法の原点に立ち返り、収入に見合った経費で病院を経営することを基本とするといった御答弁がありましたが、診療収益の状況の年度当初計画を作成する場合、確認の意味でこれらのことを考慮して作成をなさるのか、お聞きいたします。
また、ことし4月の診療報酬改定後、特に看護師の配置にかかわる診療体制の検討も進めていくとの御答弁がありましたが、制度の詳細が明らかになった後に検討され、結果によっては、これも確認の意味で時期的なことも含め、看護体制の見直しもあり得るとの理解でよろしいのかお聞きいたします。
以上で、要望と2回目の質問を終わります。

病院事務長(吉岡和彦君)

私から、市立病院に関する島田議員の再質問にお答え申し上げます。
まず、1点目の市立病院のこれまでの経緯や状況についての再質問のうち、診療収益の年度計画の作成についての御質問でありますけれども、江別市立病院では、毎年度予算をもとに過去の実績を加味して、年度当初に月別の収益計画を作成しているものでございます。
この計画は、収入に見合った経費による病院経営を念頭に作成するものでありまして、これを目標に年間の収益の確保を目指しているものであります。
平成30年度は、診療報酬改定が予定されていることから、この影響を十分見きわめつつ収益計画を作成してまいりたいと考えております。
続きまして、診療報酬改定の影響のうち、看護体制についての御質問でありますけれども、先ほども御答弁申し上げましたとおり、平成30年度の診療報酬改定では、一般病棟入院基本料に関する大きな改定が行われることとされており、このことは、市立病院の経営や看護職員の配置に多大な影響があるものと考えております。
現時点では、診療報酬改定の詳細な内容や具体的な運用については、国からいまだ示されていないことから、平成30年9月までの移行期間の中で、看護職員の配置を含め、新たな診療報酬体系に適応した体制の見直しについて、十分検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

議長(高間専逸君)

以上をもって、島田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
山本由美子議員の市内における交通体系の整備についてほか1件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間20分。

山本由美子君

議長から発言の許可をいただきましたので、順次質問に入らせていただきます。
最初に、市内における交通体系の整備についてお伺いいたします。
最近、テレビや新聞報道によると、高齢者がちょっとしたことからアクセルとブレーキの踏み間違いをして、信じられない事故が起きております。江別市内でも郵便局やコンビニエンスストアに車が乗り入れている例が数件ありました。
しかし、高齢者から、車を手離すと交通の便が悪いために、ボランティアや社会参加、趣味のサークルに通えなくなるとも言われ、それが現実のようです。
歩いて通う距離も限られていて、夫婦二人でそれぞれの場所に通うとき、バスが走っていない場所へは、タクシーになることが多く、生活費にも影響が出てきていると口々に言われます。
このようなことが広がっていきますと、江別市が昨年4月に宣言して市を上げて取り組んでいる江別市健康都市宣言の強力な推進の上でも、影響を及ぼすのではないかと、私は心配しております。
また、病院通いも仕事の一つとなり、冬道は滑って転んで骨折し、節約するとよいことがないと言われ、出かけることも少なくなっていると、多くの方が言われます。
私と同じサークルに通っている人たちも、回数を減らして通っていて、以前には私が顔を出すといつもいた人たちと出会うのですが、めったに会えなくなってちょっと残念に思います。
そこでお伺いをいたします。ここ2年間にみずから自動車運転免許証を返納された方は年代ごとで何人だったのでしょうか。
また、昨年4月、美原にオープンした都市と農村の交流センターえみくるがありますが、市内の人たちは市街部から交通の便が悪くて行きにくく、すばらしい施設になっているようですけれども、さまざまな交流行事、生涯学習関係行事に気軽に参加することも、利用することも難しい状況にあります。
なぜなら、冬場には車に乗らない人たちが多く、夏場でも他人を乗せて出向くことがなかなか難しいと言われておりました。そこで、私は都市部の人たちの交通手段は何だろうと考えました。
都市と農村の交流センターえみくるは市内のみならず、市外からも多くの利用者が来ていると思いますし、この交流センターは研修室のほか、体育室や調理実習室などもあることから、いろいろな利用がされていると思います。
また、この交流センターには、意見箱が設置されておりますので、利用者からの要望なども伺っているのではないかと思います。
そこで、2点目の質問といたしまして、都市と農村の交流センターの地域別利用状況と利用者の要望も踏まえて、今後、都市と農村の交流センターへの交通手段をどのようにしていこうと考えておられるのかお伺いいたします。
そして、高齢者の自動車運転免許証返納等、高齢化による交通環境については大変厳しいものがあります。社会参加や買い物で健康を維持することにもなり、大事なことと思います。
ゆえに、そのための交通体系はどのようになっているのでしょうか。私は疑問に思います。市ではどのようにお考えなのでしょうか、お伺いいたします。
また、江別市内のタクシーの初乗り運賃は630円からですが、他市では初乗り運賃500円のところもあり、タクシー料金にも差があります。市民にとってはタクシーを使うことはぜいたくに感じて、なかなか使えるものではないと言われました。それどころか、交通費の出費が莫大な金額になり、大変なことになると言われております。確かにそうだと私も感じました。
公共交通バスは、以前走っていましたが、今は通らなくなり、高齢化とともに徐々に不便を感じ、やむなく80歳、90歳、90歳を過ぎてもハンドルを握るようになっているようです。
私は、危険・危ない場面を見て見ぬふりをしているように思いました。
これはよくないと思うことから、今後においてバスで用が足りないときのため、市内のタクシー会社と江別市と市民とがそれぞれ負担し、市民の足になる交通手段を考えてはいかがかと思います。そのために、江別市として汗を流すことを要望いたします。
例えば、タクシーチケットや回数券の使用を考えてはいかがかと思いますが、どのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いをいたします。
次に、防犯カメラの設置についてお伺いいたします。
江別市交通安全都市、江別市防犯都市宣言を庁舎に掲げております。周りの公共施設には目が届いているようですが、市庁舎駐車場にはまるで自分の足元が見えていないように防犯カメラが設置されておりません。
市庁舎駐車場は市民会館と共用になっており、平日はもとより、土曜日、日曜日、祝日を問わず、毎日のようにたくさんの車が駐車しています。特に、冬になると雪山に相当の場所がとられ、スペースも狭くなります。えべつやきもの市、えべつ農業まつりや、まるごと江別、えべつスノーフェスティバルなど季節の行事の日などは、車の通り道にも駐車し、身動きができないほどになります。このため、駐車場ではいろいろなことが起きています。
例えば、追突、当て逃げなどさまざまです。その中でも大変悲惨なのが当て逃げです。相手がわからず、車の持ち主は泣いています。
ここ二、三年間に耳にした例を申し上げますと、市役所の駐車場でドアが引っ込んでいた、こすられた、また、ライトが割れていたなど何度も耳にいたしました。警察へ行っても相手にしてもらえなかったという声もありました。自分で車を修理しなければならず嘆いていた方もおりました。
そこでお伺いをいたします。最近、このようなことで市民から寄せられた苦情や問題はどのくらいあったのでしょうか。
私自身も2回ありました。1回目は、朝駐車場にとめて用事を済ませて車に戻りましたら、車の後ろの左側がこすられて下地が出ていました。相手がわからずさびが出ないうちにと思い、三、四カ月してから、泣く泣く修理いたしました。2回目は、車の前左側角が引っ込んで、こすられて色が落ちていました。またかと思い落ち込んでいると、たまたま見ていた方がいらして、車種、色、ナンバーを教えてくださいましたので、早速警察に行き、事故届けを出しました。
ナンバーは少し違っていましたが、ほかは全て合っていたので相手を探し出してもらうことができました。今回は出費がなくて助かりました。
決してぜいたくではなく、目立つ派手な色でもなく、大きな車でもないこんな控えめな車にぶつかるなんてとひとりつぶやきました。
そのとき、市の駐車場に防犯カメラがついていないことがおかしい、だから被害に遭った人は大変困惑するのだろうと私は思いました。
これらのことから、市庁舎の駐車場に防犯カメラを設置してはいかがかと思います。ぜひ設置の要望をいたしますが、どのようなお考えにあるのでしょうか、お伺いをいたします。
市は交通安全都市宣言、防犯都市宣言をしていることから、安全な車の運転、車の保管・管理などについて市民への啓発と市が設置し管理している公共的広場や公共施設の駐車場に防犯カメラを設置することなどに今まで以上に取り組むことが重要と考えますが、どのようなお考えにあるのでしょうか、お伺いをいたします。
車の運転免許証を持っていない方、60歳、70歳はまだまだ高齢者ではありません。その方の元気を保つため、家から出かける回数をふやすため、生きがいづくりのため、健康寿命延伸のため、社会参加向上のためには、交通環境の改善をしなくては行動範囲が限られることをぜひ理解してください。
これで、1回目の質問を終わります。

議長(高間専逸君)

山本議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

山本議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、市内におけます交通体系の整備に関しまして、高齢者が利用する交通環境についてでございますが、公共交通において大きな役割を担っておりますバス交通網は、近年、利用者の減少などによりまして、路線、便数ともに縮小傾向にあり、高齢化の進行等により、移動手段のない方の交通手段を確保することは、全国的な課題であると認識しております。
市では、現在、公共交通の利用が不便な市郊外部におけます高齢者等の移動手段確保のため、江北地区、豊幌地区におきまして、それぞれの実情に合う、新たな交通手段の導入可能性について、地元協議会と協議しているところでございます。
また、持続可能な公共交通の形成を推進するため、江別市地域公共交通活性化協議会におきまして、地域公共交通網形成計画の策定に向けた協議を進めておりまして、高齢者の移動や外出の支援につきましても、当該計画の中に、施策の一つとして盛り込む予定でありますことから、引き続き、同協議会におきまして協議・検討してまいりたいと考えております。
次に、交通事業者と市と市民との連携による交通手段についてでありますが、近年、バス交通網の縮小や高齢化の進行に伴いまして、既存の公共交通の補完を目的とした新たな交通手段の導入事例が全国的にふえており、これらの中には、便数や経路を設定した乗り合いタクシーなど、タクシー事業者が参画するものも多いと認識しております。
他方、この制度の導入につきましては、事業の収支や持続可能性も含めた、その地域の実情に合わせた制度設計、あるいは既存の公共交通との役割分担など、課題が多いものと考えております。
いずれにいたしましても、先ほどお答え申し上げました江別市地域公共交通活性化協議会におきましては、委員として、タクシー事業者に参加いただいておりますので、タクシーを活用した交通手段につきましても、協議してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、生活環境部長ほかをもってお答え申し上げます。

生活環境部長(高橋孝也君)

私からは、市内における交通体系の整備についてのうち、自動車運転免許証返納の年代別人数について御答弁申し上げます。
江別警察署によりますと、警察署窓口に自動車運転免許証を自主返納された方の人数は、平成28年度は合計で189人。年代別に見ますと、60歳未満が3人、60歳代が36人、70歳代が70人、80歳代が77人、90歳以上が3人であります。
また、平成29年度は、2月末日現在の11カ月間で合計189人。年代別に見ますと、60歳未満が3人、60歳代が20人、70歳代が97人、80歳代が62人、90歳以上が7人であります。
以上でございます。

経済部長(後藤好人君)

私からは、都市と農村の交流センターの地域別利用状況と利用者の要望から見た交通手段の整備について御答弁申し上げます。
昨年4月、都市と農村の交流センターえみくるがオープンし、本年1月末までの10カ月間の利用実績は、延べ2万8,055人に上っております。
市内の方は1万7,956人で全体の約64%を占め、そのうち、江北地区は4,968人となっており、地域にかかわらず、利用者の多くはマイカーを利用しているところであります。
また、主な利用状況は、農家のかあさん土曜市などの物販イベント、企業の研修会や展示会のほか、スポーツ少年団や高齢者のパークゴルフ、テストキッチンでは、6次産業化に取り組む農業者が加工品の試作製造などで利用し、先月18日には、指定管理者である江北まちづくり会が主催した江北ふれあいまつりも開催されたところであります。
都市と農村の交流センターの管理運営を行う指定管理者からは、マイカー利用者が多いことから、交通アクセスに関する要望はないとの報告を受けているところでありますが、都市と農村の交流を促進する上では、交通アクセスの利便性は重要であると考えております。
今後は、指定管理者と連携する中で、機会を捉えて、交通手段に対する要望の把握に努めるとともに、都市と農村の交流センターに行くための手段をきめ細やかに周知してまいります。
以上であります。

総務部長(齊藤俊彦君)

私から、防犯カメラの設置についての御質問のうち、初めに、市庁舎駐車場における車の接触トラブルの現状について御答弁申し上げます。
市では、市庁舎や市民会館を利用される方の利便性向上のため、市庁舎周辺に駐車場を設けており、その利用に当たっては、利用者のマナーやモラルに委ねているところであります。
したがいまして、接触トラブルについては、当事者間で解決していただくことが基本と考えております。
議員お尋ねの市庁舎駐車場における車の接触トラブルに伴う苦情等についてでありますが、これまで特に寄せられていないものの、当事者等から年に数件程度、情報提供されております。
次に、市庁舎駐車場に防犯カメラを設置することについてでありますが、駐車場に設置される防犯カメラは、一般的に車上荒らしや当て逃げの加害者を特定するために利用されております。
先ほど御答弁申し上げましたとおり、市庁舎駐車場での接触トラブルについては、当事者間で解決していただくことが基本と考えております。
市といたしましては、まずは、駐車場利用者のマナーやモラルの向上に向けた啓発が必要であると考えますことから、その手法について、他市の事例などを参考に研究してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

生活環境部長(高橋孝也君)

私から、防犯カメラの設置についてのうち、交通安全及び防犯に係る対応について御答弁申し上げます。
初めに、車の安全運転につきましては、これまでも江別警察署と連携しながら、交通安全講座や研修会、街頭啓発やイベントなどを通じて市民啓発を行っているところですが、御質問の駐車場内での事故防止につきましては、これらの機会を捉えて、啓発してまいりたいと考えております。
次に、防犯カメラの設置についてでありますが、市におきましては、施設の安全管理や地域からの不審者対策などの要望を踏まえた防犯対策として、現在、福祉施設や子育て施設、地下歩道などに、防犯カメラを設置しております。
昨年の第3回定例会で干場議員の一般質問に御答弁申し上げておりますが、市有施設への防犯カメラの設置に当たりましては、施設の安全管理や防犯上の観点から、設置の必要性を総合的に検討し、さまざまな議論を踏まえながら、防犯カメラの設置が最善と判断した場合に設置しております。
市といたしましては、市民の安全・安心の確保のためには、防犯カメラの設置は有効な手法の一つでありますので、今後も個別の施設の状況に応じて、設置の必要性を総合的に検討し、安全で安心なまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
以上であります。

山本由美子君

御答弁ありがとうございました。2回目の質問と要望をいたします。
自動車運転免許証の返納については、御答弁から、平成28年度では189人、平成29年度では11カ月間で189人の返納者がおられ、思った以上の人が返していたということがわかりました。さらに平成28年度では、60歳未満が3人、60歳代が36人、70歳代が70人、また、平成29年度では、60歳未満が3人、60歳代が20人、70歳代が97人と、マイカーでは行動できなくなった人たちが増加していたことが理解できるものです。
この人たちを含め、多くの方々は、これからの社会参加のため、交通手段に大変苦悩されていたことを理解いたしました。そこで、項目2につきまして、都市と農村の交流センターの地域別利用状況と、利用者の要望から見た交通手段の整備について再質問をいたします。
都市と農村の交流センターえみくるの所在地域は、江別の農業と、その農業を基盤とする6次産業化への取り組みが意欲的に行われている地域であります。こうしたすばらしい地域での取り組みが、都市と農村の交流センターえみくるを中心に、児童生徒から高齢者、さらに障がいのある方も、そうでない方も、より多くの市民の方々に、生涯学習の体験の場として、広く活用されていく役割が高まっていくものと考えられます。
都市と農村の交流センターえみくるは、まだ1年くらいしか経過していない新しい建物であり、新しい事業が行われる、市民が足を運びたい場所でもあります。今はマイカー利用者だけが通えるところだと思われていますが、市内外から多くの人が集まるとき、例えば、江北ふれあい祭りなどで、自由な意見として、交通アクセスや駐車場の位置などを盛り込んだアンケートを配り、今後のために役立てることをしていただきたいと考えます。
先ほども申し上げましたが、江別市健康都市宣言において、健康寿命を延ばしていくために掲げている四つの目標を達成していくために取り組む具体的な項目として、1、健康状態のチェック、2、バランスのとれた食生活、3、運動スポーツ活動の習慣化、4、健康づくり活動、5、生きがいづくり活動、6、自治会やボランティアなどの活動等の実践の場として最もふさわしい場と考えます。
そこで改めて質問いたします。マイカーを利用できない方も、気軽に参加できる交通手段を早急に実現すべきと考えますが、重ねてお伺いをいたします。
項目3の高齢者が利用する交通環境について、江別市地域公共交通網形成計画の中に、高齢者の移動や外出の支援について、盛り込んで協議をしてまいりたいと考えておりますとのことですが、高齢者の皆さんの交通環境は、自動車の運転免許証の返納者を含み、社会参加、病院、買い物など大変厳しい状況にあります。
今後の江別市地域公共交通活性化協議会で、よい成果につながるよう、積極的に協議をしていただくことを強く要望いたします。
次に、項目4の交通事業者と江別市と市民の連携による交通手段の整備については、タクシーを活用した交通手段につきましても協議してまいりたいと考えておりますと御答弁をいただきましたが、市民の足となる交通手段ですから、早急によりよい形の対応になるよう期待をいたします。
次に、件目2の項目1、市庁舎駐車場における車の接触トラブルの現状については、警察署や保険会社に届け出ると思いますので、市に直接申し出ることは少ないのだと思いますが、当事者から数件提供されているということは、氷山の一角のように下に多くの件数が隠れているということだと私は理解をいたしました。当事者の声があることから、今後の予防措置が必要と私は理解をいたしました。
項目2の市庁舎駐車場に防犯カメラを設置することについて、当事者間で解決していくことが基本という御答弁をいただきましたが、そのことについては私も十分理解をしております。私はこうしたことが起きないように、未然に防止する上でも、研究するまでもなく、まずわかりやすい未然防止を呼びかける啓発看板を掲げることから着手していただきたいと思います。なぜなら、市庁舎や公共施設などを利用される市民、そして近隣市町村からの利用者に安心して利用いただけるように、防犯カメラが設置されるまでの間、配慮すべきと考えますことから、できるだけ早急に、市庁舎周辺だけでも取り組まれることを強く要望いたします。
続きまして、項目3の交通安全及び防犯に係る対応については、江別市交通安全都市宣言、江別市防犯都市宣言をしていることから、車の安全運転や管理につきましても、より積極的に啓発活動に取り組むことを期待いたします。
また、防犯カメラの設置については、優先順位があることは理解をしております。しかし、公共の駐車場は、建物と一体的に管理するものではないのですか。私はそう思っております。利用頻度の高いこの場所が、安心して利用できるような配慮も必要と思いますので、早急な対応を要望いたします。
以上で、2回目の質問と要望を終わります。

経済部長(後藤好人君)

都市と農村の交流センターの地域別利用状況と、利用者の要望から見た交通手段の整備についての再質問に御答弁申し上げます。
都市と農村の交流センターえみくるは、江別市の農業の特性を生かした農産加工やグリーン・ツーリズムなどの取り組みを推進する目的で、農村地区に設置されたものであり、自家用車による利用を想定していたところであります。
今後は、イベントの際に、主催者側において送迎バス等の運行を検討していただくよう、指定管理者と協力しながらお願いしてまいります。
以上であります。

山本由美子君

3回目の要望をいたします。都市と農村の交流センターということなので、より多くの一般市民の利用者が気軽に足を運べるよう、積極的に具体的な取り組みをされることを重ねて要望いたします。
以上で終わります。ありがとうございました。

議長(高間専逸君)

以上をもって、山本議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
堀直人議員の第6次江別市総合計画についてほか1件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

堀 直人君

ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い質問に入ります。
経営の役割は、一つに、展望を示すこと。二つに、労働環境の改善をもって奉仕の向上を図ること。突き詰めれば、この2点に尽きるのではないでしょうか。市の経営に関する考え方をお聞きしたいことから、行政の展望である総合計画と、働く環境をつくる職員人事の2点について質問したいと思います。
件名1、第6次江別市総合計画についてです。
よい政策を展開するためには、よいチームをつくる必要があります。よって、総合計画については、総合計画の内容だけではなく、行政と市民とのチームづくりという視点も含め、4項目についてお尋ねします。
項目1、第6次江別市総合計画の中心に据えたキーワードである協働と戦略性についてです。第6次江別市総合計画の市長の挨拶には、今後10年先を見越し、協働と戦略性のキーワードを中心に策定を進めてきたとあります。どんな10年先を見越し、協働と戦略性が必要になっているのでしょうか。また、これらのキーワードは、具体的にどういう定義で使われているのでしょうか。協働については、前回の一般質問で詳しくお聞かせいただいたので、どんな10年先を見越した上で、協働と戦略性がなぜ必要なのか、戦略性の定義を含め、市のお考えをお聞かせください。
項目2、めざすまちの姿に至るためのシナリオについてです。
第6次江別市総合計画で、重点的・集中的に実施するものとした、えべつ未来戦略の中身を見ますと、戦略の方向性、目指す姿、戦略の実現に向けた展開、戦略プロジェクト名、達成度をはかる指標が示されております。しかし、これでは戦略と言えず、方針と目標が書かれているにすぎません。
御存じのとおり、戦略という言葉は、もともと軍事用語です。つまり、どうやって勝つのか。そのための総合的な準備・計画・運用の一貫を指します。よって、戦略とは、目標を経た目的に至るためのシナリオであり、それに至るまでの段取りが明らかになっている必要があります。
戦略は、重点的・集中的に実行するものだけではなく、これは弱者戦略と呼ばれるものです。一方で、強者戦略であれば、スケールメリットを生かして、広範的に総合的に実施するのが正しいと言われております。我々が置かれた環境についての分析のもと、どういう戦いを進めるのか、その脚本が、戦略であるわけです。
そこでお聞きします。江別市は、江別市を取り巻く環境の中で、重点的・集中的に戦略を採用すべき、弱者であると分析したということで、間違いないでしょうか。えべつ未来戦略では、方針と目標の間の段取りについては触れられていませんが、当時の戦況分析を含めて、どんな弱者戦略をとるつもりだったのか、その段取りも含めてお答えください。
項目3、江別のポジショニングと多様性についてです。
競争戦略を考えると、大都市のポジションは、スケールメリットを生かしたコスト・リーダーシップ戦略が最適です。過疎地は、特定の分野に特化した集中戦略が最適です。では、江別市のような中規模都市はというと、明確な違いという付加価値をつける差別化戦略が適当であります。しかし、江別市と言えば、ですという、皆が納得できるストーリーは描きにくいです。それゆえ、あれもあります、これもありますという無戦略になってしまいがちです。これを逆手に取って、江別市の魅力は、多様性ですというストーリーを描いてはいかがでしょうか。
市民の中には、それぞれが大事にする小さな物語が無数にあります。さまざまな動機で江別市に引っ越し、もともと江別に住む人たちを含めて、さまざまなライフスタイルがある江別は、ほかのまちよりも小さくて多様なすてきが集まったまちとも言えるのです。多様性という軸を据えると、総合計画で中心に据えた、協働と戦略性というものも、しっかりとした幹のもと育まれるのではないでしょうか。市民一人一人の物語を大事にし、多様な声をまちづくりのビジョンに生かしていく重要性について、どのように考えるかお答えいただきたいと思います。
項目4、みんなでつくる未来のまちえべつの計画をみんなでつくることについてです。
第6次江別市総合計画の策定、さらには、今回の中間見直しにおいては、さまざまな市民参加がなされています。これを、より拡大する必要があると考えております。
スタンフォード大学のロバート・バーゲルマン教授は、成功する企業の特徴は、社内でのボトムアップ型の実験と選択のプロセスとトップ主導の戦略的意図、これらを同時に持ち続けることだと述べております。つまり、総合計画というまちづくりのビジョンが完成し、さあ、みんなで未来のまちえべつをつくりましょうと言っても、一方通行の意思表示では、そのビジョンが成就することはまれなのです。総合計画というまちづくりのビジョンについては、市民議論と市民活動という実験と選択の過程を経て、情報の集積地にいる執行者が戦略的な意図を持って最終判断をする。その相互作用が必要です。単に役所が勝手に言っている総合計画になってしまっては、みんなでつくる未来のまちえべつは、ほど遠いものになるでしょう。
こうした取り組みの一例として、高知県佐川町のみんなでつくる総合計画があります。高知県佐川町では、チームさかわを標榜し、第5次総合計画を2年間かけて策定しました。役場職員を対象としたミライ合宿、17回の町民ワークショップから生まれた全457個のアクションを25の未来像に収斂。役場職員が日常的に使いやすいようにまとめた総合計画本冊と、移住者などに配布する町民向けの総合計画別冊の2冊にまとめました。
住民も行政も一緒になって、みんなでつくるをスローガンに策定した総合計画です。
みんなでつくる未来のまちえべつの総合計画は、みんなでつくるべきです。江別市が総合計画で目指した将来都市像に到達するために、第6次江別市総合計画の見直しにおいては、みんなでつくるということをかなめにしてはいかがかと思いますが、そのお考えをお聞かせください。
以上、件名1、第6次江別市総合計画についてでした。
続いて、件名2、職員人事についてです。
よい政策を展開するためには、よいチームをつくる必要があります。よって、職員人事についてでは、市役所というチームについて考えていきます。市民の生活を守り、この時代の困難に立ち向かっていくためには、職員の使命感に応えられる人事制度を構築し、多様な発想、主体的な行動、優秀な成果がみなぎったチームをつくるという趣旨から、10項目についてお尋ねします。
項目1、多様性と専門性のある職員をいかに確保するかについてです。
よい職場と人事制度をつくり、職員の能力が最大限に発揮されることをもって、住民サービスの質が向上し、市民福祉が増進される。市民の生活を守り、子孫に豊かなふるさとを引き継いでいくためには、市役所の人員体制が基礎的な要素である。そうした思いが、日に日に強くなっていたところです。
そうしたさなか、江別市人材育成基本方針を見れば、まさにそのことが書かれていたわけです。方針ですから、これは目指そうとする地点なのでしょう。理想と現実のギャップを埋める策を講じることで、江別市人材育成基本方針が目指したものの実現を願い、質問します。
この項目では、基本的なところをお聞きしようと思うのですが、江別市人材育成基本方針では、市民のニーズが複雑化、多様化していると分析しており、前例主義や現状維持に陥ることなく、職務に関する幅広い知識・技術の習得や情報収集を行い、最善の解決策を見出すことができる職員を求めております。市役所という組織の中に、多様性と専門性を必要としていることが読み取れます。目指すべき職員像として、既成概念にとらわれない柔軟性を持ちというところがあるのですが、その実現を望んだ人事制度もまた、既存概念にとらわれない柔軟性を持つ必要があると思うのです。
市の職員には今後、ゼネラリストだけではなく、スペシャリストも求められるのではないでしょうか。画一的な採用、育成ではなく、柔軟に職員の特性に応じてポテンシャルを引き出せる、多様性を支持する人事制度を構築していくべき時代にあると私は考えますし、市もまた、そうした方針がある印象を持つものですが、この認識について、改めて確認させていただきたいと思います。
項目2、研修についてです。
江別市人材育成基本方針では、職員アンケートの結果が記載されております。平成15年の調査と平成26年の調査の比較があるのですが、大幅に数値が改善しております。やりがいを持って仕事に取り組んでいますかという設問についても、職位別に数値があり、低いところでやや思う以上が50%、高いところで100%を示しております。個人の印象にはなりますが、良好な職場環境が形成されつつあるように感じました。
そんな中、私が気になったのは、管理職への昇進を希望しますかという設問です。希望するという回答は22.2%。もちろんアンケートの数値だけではかれるものではないということは理解するものですが、やりがいを持って仕事に取り組んでいますかという設問と比較すると、目立って低い数値を示しております。その理由として、男女を問わず、能力・適性がないという回答が多いと記されているのですが、この回答からは2通りの様相が見えてきます。一つ目は、回答のとおり、能力と適性が不足している状態です。これは研修を通してギャップを埋めていくことになり、そうした取り組みは、江別市職員研修計画を見る限りにおいては、対応されていると思いました。二つ目は、自己評価が低いという状態です。このケースへの対応は、なかなか簡単ではないと思うのです。
一方で、事務職員の年齢構成の変化では、管理職への昇任が若年化していることが示されています。管理職への昇任の不安を拭い去っていくことは、極めて重要な箇所ではないでしょうか。環境に作用できるという感覚を積み重ね、環境に作用できるという実感が自分への評価をもたらします。自己肯定感と自己効力感を養っていく研修をどのように実施するかについて、お答えいただきたいと思います。
項目3、女性職員の昇進を促進させるための環境整備についてです。
前項目では、全体の管理職昇任についてお聞きしましたが、女性職員に限ると6.7%。理由については、仕事と生活のバランスがとれないという回答も多いと記されております。これは前者の理由とは異なり、環境整備で解決し得るものです。
女性にとって働きやすい職場環境は、男性にとっても働きやすい環境になり得ます。ワーク・ライフ・バランスの推進の中で、既に取り組まれていることは多いと思いますが、仕事と生活のバランスがとれていないという現状に対して、どのような取り組みを実施しているのかお聞かせいただきたいと思います。
項目4、民間派遣についてです。
江別市人材育成基本方針で示されている趣旨に鑑みると、職員の民間派遣も有効であると考えます。とりわけ、双方向の人材交流であれば、派遣された職員の方は派遣先でノウハウを得ることができるばかりか、派遣されてきた民間の方のノウハウを部署のメンバー間で共有できます。研修としての民間派遣を江別市でも継続して実施してはいかがかと思うものですが、お考えをお聞かせください。
項目5、20%プロジェクトという考え方についてです。
江別市の職員提案制度の提案件数は、平成26年度2件、平成27年度ゼロ件、平成28年度3件と低調であるわけですが、執務時間の中に提案業務が組み込まれておらず、残業・帰宅後・休日に提案を求められたとしたら、提案件数が伸びないのも当然であり、そうした要求は、過剰労働であり、やりがい搾取であり、ひどい労働だと思うわけです。
グーグルは、株式初公開時に、20%ルールという週間労働時間のうち1日分を使い、社員がみずから取り組んでいくプロジェクトを考え出すことができるという制度を発表しました。もちろん民間企業と公的機関は違いますので、20%という数値がそのまま使えるものではありません。参考にしたいのはこの考え方です。提案することが、業務の中に位置づけられ、また、人事の中で位置づけられなければ、その制度はファンタジーなのです。
例えば、1%プロジェクトと称して、1カ月に2時間、職員がみずから提案を考えることができるという制度でもいいと思います。はたまた、週に1時間、課で集まり業務改善についてミーティングするのでもいいですし、庁内連携が必要とされる職員同士でミーティングするのでもいいと思います。
提案や業務改善を重要なものと認識し、人材育成の一環として、提案や業務改善専用の時間を研修時間のように位置づけ、通常業務の一環として仕組み化していただきたいと思うものですが、そのお考えについてお聞かせください。
項目6、目標による管理についてです。
目標による管理とは、ピーター・ドラッカーが提唱されたと言われるMBO、マネジメント・バイ・オブジェクティブズの訳語で、担当者がみずから業務目標を設定することで、担当者や組織に対して主体性の発揮を期待するマネジメント手法です。
もちろん目標管理は、単なるノルマ主義ではないですし、かといって個人的なものではない、公共性・社会性を伴った目標が必要です。組織の成果向上と個人の能力開発の双方で、相乗効果を織りなす状態が目指すところです。つまり、方針管理と目標管理がかみ合う必要があります。
方針管理をする上で、江別市であれば、第6次江別市総合計画があるわけですが、ここでは、目指す10年後の将来都市像、いわば組織全体の方針として、みんなでつくる未来のまちえべつを掲げており、そのビジョンに向かって、部の方針、課の方針、係の方針というように、組織全体にくまなく協力要請をすることが方針管理です。
このトップダウンによる方針と、ボトムアップによる個人の目標がぴったりと重なり合い、担当者が設定した業務目標に予算が配分され、人・物事・金、つまり人材育成と総合計画と予算編成がしっかりリンクしていなければなりません。組織の展望と担当者の使命感、これらの一致があってこそ成果をもたらすのです。
江別市では、期首面談で当期の目標を設定し、業務遂行の後、次期に向けた改善につなげていると、江別市人材育成基本方針に示されています。こうしたサイクルの中で、組織のビジョンと個人のミッションをどのように一致させているのかお答えいただきたいと思います。
項目7、異動についてです。
異動希望は、個人のわがままを聞くという捉え方ではなく、職員の使命感を達成させるためにあるのだと思います。江別市が目指すべきとしている職員像に鑑みても、職員の異動希望は、まるで採用のように、能力・動機重視で異動の志望を反映することが有効と考えます。
どうやって市民とこのまちに貢献していくのかを聞き、可能な限り希望を実現していくことは、これからの人事行政に必要です。ある市では、7割程度の希望を実現していると聞いたところでありますが、江別市は何割程度の実現を目指しているのか、お答えいただきたいと思います。
項目8、任期付幹部職員制度の導入についてです。
市の業務範囲は拡大し、公務労働のあり方も変化しております。行政がこんなことまでやらないといけないのかと思うような仕事をやっている市町村もあります。これからますます進展する人口減少時代、少子化及び高齢社会から要請されるものは、課題解決型行政です。これは、さらに行政が関与する領域の拡張を示しており、今まで行政内部になかった発想や技術を、組織の中に取り入れる手法が求められます。その一つとして、任期付幹部職員の採用を提案します。
札幌市では、地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律に基づき、平成20年1月に、札幌市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例を施行、同年4月1日に、民間ならではのノウハウを積極的に市政に取り入れていきたいとして、戦略広報担当課長、市民活動協働推進担当課長、観光振興担当課長を任期付職員として採用しました。幹部を任期付職員として採用するのは、札幌市以外でも実施されており、行政の置かれている状況、江別市の求める職員像とも一致するものと考えますが、任期付幹部職員制度の是非についてお答えいただきたいと思います。
項目9、採用における年齢制限の撤廃についてです。
近ごろ、採用においても自治体間、あるいは業種間での競争が激しくなっているため、優秀な職員を採用するためには、なるべく条件を設けないほうがよいと考えるものです。
江別市人材育成基本方針の事務職員の年齢構成の変化を見ると、20歳代から30歳代が17.5%増加の54.7%になっているばかりか、管理職が若年齢化しており、管理職の適齢期層が薄くなっていることも読み取れます。
さらに、平成19年10月、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないことを理由に、雇用対策法が平成19年10月に改正されました。これにより、民間の事業主は、労働者の募集と採用については、年齢制限の禁止が義務化されました。しかし、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならないというのは、民間事業者だけが負う義務でしょうか。平成19年5月31日の参議院厚生労働委員会において、国家公務員及び地方公務員についても、民間事業主への義務化を踏まえ、本改正の理念の具体化に向け適正な対応を図ることということが附帯決議されています。子育てが一段落した方、就職氷河期に不本意な就職をした方、さまざまな状況がある40歳以上の方々に、受験機会を提供してはいかがでしょうか。
こうした観点からも、江別市の人員体制の観点からも、優秀な人材・多様な人材を採用するという観点からも、社会人採用の門戸を広げるべきではないでしょうか。採用競争の激化で、ますます人材確保が困難になることも見据えて、採用における年齢制限の撤廃を求めますが、是非についてお答えいただきたいと思います。
項目10、職員の仕事に対して市民の理解を深めることの重要性についてです。
人口減少高齢社会が予想される中、ますます自治体経営は過酷さを増していきます。市民と一緒になって、この困難を乗り越えていかなければならない。そうした時期が必ずこれから訪れます。そのとき、市の職員だって、このまちの一員だし、仲間なんだという感覚が市民の方々の中になければ、どうやってこのまちを子孫に引き継いでいくのでしょうか。
市民の方々に、市の職員がこういう仕事をしている、こういう思いを持っている、こういうふうになりたいという理想を持っていることを知ってもらい、理解してもらい、親しまれ、仕事を進めていけるようにすることは、これから先、ますます重要になっていく視点であると、私は考えるものです。職員の仕事を知ってもらい、市民の理解を深めてもらうことの重要性について、市長のお考えをお聞かせください。
以上で、私からの1回目の質問を終わります。

議長(高間専逸君)

堀議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

堀議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、第6次江別市総合計画に関連してお答えをしたいと思います。
まず、第6次江別市総合計画の中心に据えたキーワードである協働と戦略性についてでございますが、現計画は、みんなでつくる未来のまちえべつを、10年後の将来都市像と位置づけ、少子高齢化、人口減少対策、地域経済の発展といった課題に対処するためには、協働と戦略性が必要と考え策定したものでございます。
協働の考え方につきましては、江別市自治基本条例の基本理念に基づきまして、えべつ未来市民会議を初め、各界各層との意見交換や行政審議会での市民議論を計画の中に取り入れたものでございます。
また、戦略性につきましては、江別市が持つ特性や優位性を生かし、まちの魅力を高めるといった目的を達成するための方策をえべつ未来戦略としてまとめ、5年間で重点的・集中的に取り組んでいくべきものとして、取り入れたものでございます。
次に、めざすまちの姿に至るためのシナリオについてでございますが、えべつ未来戦略は、議員御指摘のような江別市を強者または弱者と位置づけて策定した戦略ではなく、江別市の持つ特性を分析した結果、子育て教育などには優位性があり、江別市の認知度や情報発信などには課題があると把握し、策定したものでございます。
えべつ未来戦略で設定した戦略につきましては、えべつ未来市民会議におきまして、江別市が目指していく将来像について御議論いただき、選択と集中の視点で、市全体で特に力を入れて取り組んでいくべきテーマにつきまして御提言いただき、決定したものでございます。また、各戦略の進め方につきましては、その時々の社会経済情勢等を踏まえ、必要に応じて事業内容を見直しながら推進しているところでございまして、各年度の進め方につきましては、毎年度見直しを行い、えべつ未来戦略推進計画書に基づき実施しているところでございます。
次に、江別のポジショニングと多様性についてでございますが、第6次江別市総合計画の策定に当たり、初めての取り組みとしまして、市民と有識者による、えべつ未来市民会議を設置し、江別市が目指していく将来像について、議論が行われたところでございます。
会議では、テーマ別に六つの部会を設置し、江別市の優位性や課題について、各種データの検討からさまざまな意見が交わされ、特に力を入れて取り組むべきテーマを、41項目に及ぶ提言としていただいたところでございます。
えべつ未来戦略は、これらいただいた提言を、共通する分野ごとにまとめたもので、市民の皆様の多様な意見が生かされたものと考えております。
いずれにいたしましても、多くの市民意見を計画に反映させることは、大変重要なことでありますことから、今後もこの考え方を基本に進めてまいりたいと考えております。
次に、みんなでつくる未来のまちえべつの計画をみんなでつくることについてでございますが、先ほどもお答え申し上げましたとおり、第6次江別市総合計画は、江別市自治基本条例の基本理念に基づき策定した計画でございます。
策定に際しましては、5,000名を対象としたまちづくり市民アンケート、38名の市民委員によって9カ月にわたり御議論をいただき、えべつ未来市民会議のほか、17回行った各界各層との意見交換では、中学生、高校生、大学生からも貴重な意見をいただいたところでございます。
そこで、現在行われている計画の見直しにつきましては、市民参加の取り組みとしまして、えべつ未来市民会議の提言を踏まえ、昨年4月にまちづくり市民アンケートを行ったほか、7月から9月にかけては、各界各層との意見交換、11月からは市民と有識者で構成される江別市行政審議会で、御論議をいただいているところでございます。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、総務部長からお答え申し上げます。

総務部長(齊藤俊彦君)

私から、職員人事についての御質問に御答弁申し上げます。
初めに、多様性と専門性のある職員をいかに確保するかについてでありますが、地方分権の進展に伴い、市民ニーズの複雑化、多様化が進む中にあって、市民サービスの担い手である市職員の育成は大変重要なことと認識しております。
本市におきましては、人口減少や少子化など、さまざまな課題に対応し、また、第6次江別市総合計画及び江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略を着実に推進していくため、職員の能力向上を図るべく、昨年3月に江別市人材育成基本方針を改定したところであります。
改定後の江別市人材育成基本方針は、人事制度、研修及び職場づくりの三つの方策により、目指すべき職員像として、一つには、市職員としての自覚のもと、みずからも地域の一員であるという意識を持ち、責任感を持って誠実に職務を遂行する職員、二つ目には、既成概念にとらわれない柔軟性を持ち、困難な課題解決のため企画・計画力や判断力を備えた職員、そしてもう一つは、組織におけるみずからの役割を理解し、最少の経費で最大の効果を上げるため積極的に行動できる職員の三つを掲げ、その実現を目指す内容となっております。
この方針等に基づきまして、職員それぞれの階層ごとに政策形成能力やマネジメント力、コミュニケーション力などを養成するための研修を行っております。
いずれにいたしましても、職にふさわしい能力の開発と多様性や専門性を持つ職員の育成は、重要なことと認識しておりますことから、引き続き、江別市人材育成基本方針に基づき、市民サービスの向上に向けて、職員が意欲と能力を最大限に発揮できる人事制度の確立に努めてまいります。
次に、職員の研修についてでありますが、本市では、毎年、職員配置運用計画を定め、適材適所の考えのもと、積極的に若手職員の登用を図り、その結果、職員の大量退職などもあって、一般事務職における課長職の昇任年齢の平均は、平成16年度の51.4歳に比べ、平成29年度は46.2歳と若年化しております。
管理職への昇任希望については、平成25年3月に独立行政法人労働政策研究・研修機構が公表した全国的な調査結果によりますと、一般従業員で管理職への昇任を希望する職員の割合は、男性で5割程度、女性で1割程度となっております。
管理職に昇任し、より高度な業務を経験することは、職員にとって能力開発の貴重な機会となります。
管理職への昇任に当たっては、毎年度策定している江別市職員研修計画に基づき、主に係長職を対象に管理監督者としてのマネジメント力や部下職員からの相談への対応力の研修、職場内でのOJTなどにより、管理職に必要な能力の養成を図っているほか、上司や同僚に相談しやすい職場づくりを進めることで、昇任の不安の払拭に努めているところであります。
いずれにいたしましても、今後とも、江別市人材育成基本方針に基づき、職員が管理職としての具体的な働き方のイメージを持つことができるよう、江別市職員研修計画における研修プログラムを工夫しながら、職員の昇任意欲の醸成を図ってまいりたいと考えております。
次に、女性職員の昇進を促進させるための環境整備についてでありますが、女性職員に限らず全ての職員が、ワーク・ライフ・バランス、すなわち仕事と生活の調和を図りながら職場において活躍するためには、働きやすい職場環境の整備と職員の意識改革が重要であると認識しております。
市ではこれまで、平成17年6月に、次世代育成支援対策推進法に基づき、働きながら子育てをする職員を職場全体で支え合うことを目的とした江別市職員の仕事と育児の両立に関する計画を策定し、平成28年5月には、平成27年に公布された女性活躍推進法の考え方を取り入れて、江別市職員の仕事・子育て・女性活躍推進に関 する行動計画として改正いたしました。
この計画に基づき、これまでの間、育児と仕事の両立を支援するため、業務分担や所属内での協力体制の見直しなどにより、効率的な業務の遂行に努めるとともに、ノー残業デーの徹底などで時間外勤務の縮減を図っております。
こうした取り組みにより、平成28年度の女性職員の育児休業取得率は100%となっております。
また、研修については、出産、子育て期に配慮のもと、女性職員のキャリアアップの一環として、市町村アカデミーなどの外部研修機関へ積極的に派遣を行っております。
市といたしましては、管理職の登用は、性別にかかわらず能力の適正な評価によることが基本と考えております。
そのためには、全ての職員が、個性と意欲を発揮し、活躍することができるよう、職場環境の整備を進めていくことが重要であると考えておりますことから、引き続き、さまざまな施策を通じて、職員の意識改革に努めてまいります。
次に、職員の民間派遣についてでありますが、職員が民間企業等での実務経験を通して、業務の効率的な進め方や柔軟な発想力を習得することは、市のさまざまな行政課題に的確に対応するために必要な知識、能力を持った人材の育成につながるものと考えております。
市におきましては、これまで、税務や水道などの専門知識を習得するため、国や北海道、札幌市などと職員交流を行っております。
議員御質問の民間派遣につきましては、給与事務代行会社や一般財団法人の職員の受け入れ、北海道食産業総合振興機構や札幌広域圏組合、民間放送局などへの派遣を行っております。
これらの職員交流等により得られた経験は、派遣者の経験や知識の習得に役立つとともに、職場に還元され、日ごろの業務に生かされているものと考えております。
また、本市では、平成14年度から社会人向けの採用試験を実施し、さまざまな経験を有した多様な人材の確保にも努めており、これについても、職場への還元につながっているものと考えております。
市といたしましては、引き続き、関係団体や民間企業等との職員交流や社会人の採用を通じて、民間企業等の知識や経験を行政サービスの向上につなげてまいりたいと考えております。
次に、20%プロジェクトという考え方についてでありますが、20%プロジェクトとは、米国のインターネット関連大手企業であるグーグルが平成16年の株式初公開の際に公表した、全ての従業員が、週の勤務時間のうち1日分を使い、みずから取り組んでいくプロジェクトを考え出すことができるようにする仕組みであると認識しております。
当市におきましては、これまでも勤務時間の内外を問わず、政策提案や業務改善ができるよう、職場環境の整備に努めてきたところでありますが、職員提案制度につきましては、近年、提案数が少なく、対象も限られていたことから、小さな業務改善でも効果があったものを提案できるよう、今年度、見直しを行ったところであります。
また、通常業務において、若手職員が半年にわたり、実践的に政策の検討を行う政策形成研修の実施に加え、今年度新たに、ふるさと納税や行政改革などの特定課題を庁内公募によるメンバーで論議する庁内検討会を設置し、職員が自由な発想で提案できる場をふやしたところであります。
いずれにいたしましても、全ての職員が、日ごろから、行政運営の担い手であることを意識し、より効果的、効率的な業務の手法等を考えることが重要でありますことから、引き続き、通常の勤務時間の中で、政策提案や業務改善に取り組むことができるよう、職場環境の整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、目標による管理についてでありますが、職員が意欲を持って職務を遂行するためには、組織としての方向性を示す目標を職場で共有化することが重要と認識しております。
市といたしましては、地方公務員法の一部改正に伴い、平成28年4月から全職員を対象に人事評価制度を導入し、目標管理制度を取り入れております。
この中で、職員は、毎年度、半期ごとに、職場の上司と面談の上、第6次江別市総合計画及び江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づいた組織方針をもとに各部局ごとに目標を設定し、中間時点で進捗状況を確認しながら、達成状況を振り返り、反省点や改善点を次期の目標設定に生かすこととしております。
こうしたPDCAサイクルを組織ごとに定着させることで、さらなる業績の向上が可能となり、また、業務遂行において、上司と部下、さらには職場内でのコミュニケーションが活発化し、職員個々の意欲が高まり、組織としての目標を効果的に達成することが可能になるものと考えております。
いずれにいたしましても、議員お尋ねの組織のビジョンと個人のミッションの一致につきましては、今後とも、人事評価制度などを通じて、上司から部下職員に組織目標を示し、そごのないようにしてまいりたいと考えております。
次に、異動についてでありますが、異動は、職員の能力を活用する手段の一つであり、職員にとっては、配置された部署での新たな経験が自身の能力開発の機会になるものと考えております。
本市における人事異動は、複雑化・多様化する市民ニーズに対応し、的確な行政運営を行う人材を育成するとの観点から、おおむね3年から5年を目途として幅広い業務を経験することができる配置がえを基本とし、職員一人一人の能力や適性を考慮するとともに、自己申告制度なども参考にしながら、適材適所の職員配置に努めてきたところであります。
議員お尋ねの異動に関する数値目標につきましては、特に定めておりませんが、異動の際には、これまでの基本方針や職員に対する客観的判断を踏まえて、今後とも、適材適所の職員配置により組織の活性化を図ってまいりたいと考えております。
次に、任期付幹部職員制度の導入についてでありますが、任期付幹部職員制度とは、高度の専門的知識や経験等を有する者を一定期間、任期を定めて採用するものであります。
この制度は、国の平成28年度の調査では、全国の36.1%の自治体が条例を制定しており、その運用面では、即戦力となる専門職を確保することにより、自治体におけるさまざまな行政課題や緊急の課題を一定期間で解決するために有効であると考えられる一方、任期が定められていることから、採用された職員の専門性を十分に発揮できる業務や役割を明確にすることや、給与等の処遇面のあり方などについて、十分に検討する必要があると言われております。
本市は、これまで、適材適所の職員配置や職員研修の充実、関係団体や民間企業等との職員交流、及び社会人の採用等により、知識や経験のある職員の確保に努めてきたところでありますが、国が掲げる働き方改革では、働く方の立場・視点に立ち、ライフステージに合った多様な働き方を可能とする取り組みを進めることとされており、今後は、限られた人材をいかに有効活用するかについて検討する時期に来ているものと考えております。
いずれにいたしましても、多様な人材を確保するためのさまざまな手法について、引き続き、検討してまいりたいと考えております。
次に、採用における年齢制限の撤廃についてでありますが、市では、民間企業等での知識や経験を持った人材を確保することを目的として、平成14年度から社会人向けの採用試験を実施しており、これまで、年齢要件や職務経験などの受験資格を見直しながら、多様な人材の確保に努めてきたところであります。
道内35市の社会人向けの採用試験については、本市のほか14市で実施しており、そのうち年齢要件を撤廃している市は3市であります。
行政課題に柔軟に対応し、魅力あるまちづくりを進めていくために、専門的な知識や経験のある人材を、引き続き確保することは、行政運営に不可欠であると考えております。
いずれにいたしましても、職員採用に当たっては、能力主義の原則のもと、働き方改革などの動向も考慮する必要があることから、社会人向けの採用試験における受験資格などにつきましては、引き続き、適宜見直しを行いながら実施してまいりたいと考えております。
最後に、職員の仕事に対して市民の理解を深めることの重要性についてでありますが、市民ニーズが複雑化・多様化する中にあって、行政の課題を効果的、効率的に解決するためには、江別市自治基本条例に掲げる市民自治によるまちづくりを推進していく必要があります。
そうした考え方に基づき、市民との信頼関係を構築していくためには、職員が仕事を進める上で市民の目線に立って、コミュニケーションを十分深めていくことが、市民に市の業務について理解していだだくことにもつながるものと考えております。
これまで、市では、防災やごみなど身近なテーマによる出前講座の実施や職員の地域活動への参加促進、市内3地区の市民祭り等に職員を派遣する地域でのまちづくり研修の実施、特定の課題に対する市民向けの説明会や懇談会の開催など、さまざまな形で市民への市政情報の提供や相互の情報共有を図ってきております。
あわせて、職員に対しては、市民への説明力向上に向けた研修も実施しているところであります。
いずれにいたしましても、議員御指摘のとおり、市といたしましては、職員の仕事に対して市民の理解を深めることがまちづくりを進める上で重要であると認識しておりますことから、今後とも、市民と職員が一体となった協働のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。

堀 直人君

それでは、2回目の質問に入らせていただきたいと思います。
件名1、第6次江別市総合計画についてです。
項目1については、戦略とは、何も決めないか決めることである。こう残したのは、競争戦略論を提唱したマイケル・ポーターであります。つまり、どういう選択肢を採用するのかということについて、明瞭にわかることが必要であるということです。英国を代表する玩具会社のホーンビィ・レールウェイズは、次のような戦略方針を打ち出しました。第一に、完璧な縮尺模型をつくる。第二に、大人のコレクターをターゲットにする。第三に、郷愁を訴えかける。この三つの選択からは、子供向けのおもちゃをつくらないという、やらないことが明確になっております。この判断からたった5年で、同社の株価は35ポンドから250ポンドに急上昇したそうです。企業と行政では異なるので、そのまま採用できるものではないと思いますが、戦略性を必要としている江別市においては大いに参考になろうと思いますので、申し添えておきます。
項目2について再質問いたします。
ある意味、人口増加から人口減少への環境変化というのは、今までの江別市とこれからの江別市を比較すれば、強者だった過去から弱者になりゆく未来を展望し、強い危機感から選択と集中の視点を取り入れられたようにも感じられ、そうした分析は、私も同じく思うものです。
確かに、人口減少という経験したことのない不確定要素の多い時代において、10年先まで具体的に見通すのは難しく、総合計画の計画策定の趣旨のところにもあるように、社会情勢の変化を踏まえて、柔軟に対応できるように、こうした手法を採用したというのはわからなくもありません。
一方、こうした手法だと、戦略的とはほど遠い、場当たり的な取り組みになるおそれがあるように思うのです。他市町村の総合計画には、課題に対してどういう施策をとるのかということを対照させ、どういうシナリオで分析から目標に至るのかということが定められているところもあります。総合計画で、具体的なところまで定めると、社会情勢と計画の乖離が発生したときに、どうすればいいのかという感じもしますが、そのときはその都度、臨機応変に変更をかけていけばいいということでした。先が読めないから、先を見越した計画は立てないというのは、無戦略の感が否めません。えべつ未来戦略推進計画書の中では、課題に対する取り組みが書かれておりますが、この部分は、後期のえべつ未来戦略に盛り込むべきです。
総合計画の後期の5年間においては、既に取り組んできた蓄積もあり、その過去を分析すれば、ある程度の未来は見通せるものではないでしょうか。見る市民にとっても、段取りが明瞭に把握でき、市の取り組みをイメージできることが可能で、共通の認識を持つことが容易である戦略を望みます。
後期のえべつ未来戦略は、前期5年間はこうした取り組みを実施し、その検証と分析から、後期5年間はこういう課題認識をしており、前期5年間で効果のあったこの事業は伸ばし、そうではない事業は見直し、後期5年間はこうした施策を展開していく。そして、後期5年間は年度ごとにこういう段階を踏んでいくということがわかる見直しをしていただきたいと思うものですが、お考えをお聞かせください。

企画政策部長(北川裕治君)

再質問に御答弁申し上げます。
後期のえべつ未来戦略は、年度ごとに段階を踏んでいく内容がわかる見直しをするべきとの御質問でございますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、えべつ未来戦略は、重点的・集中的に取り組むべきテーマを戦略として設定し、5年間で進める取り組みの方向性を示した上で、毎年度作成いたします、えべつ未来戦略推進計画書に随時加筆修正等を行いながら、進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

堀 直人君

民間と違って、サービスの対象者が多岐にわたるため、さまざまな意見を取り入れていく必要がある行政には、何をやらないですとか、具体的な段取りを決めていくということは、難しい部分があるのかもしれないですけれども、これは、この戦略という言葉を使ったことで誤解を与えてしまったのかもしれません。
とはいえ、えべつ未来戦略推進計画書で定められている成果指標も順調に推移しているとは言いがたく、さらに社会情勢も過酷さを増していく中で、どうやって生き残っていくのか。どうやって市民の生活を守るのか。そして、どうやって、ふるさと江別を引き継いでいくのかという使命には、やはり戦略が求められます。その都度、改善の余地は出てくると思いますので、引き続き政策展開の戦略性を高めていただきたいと思います。
項目3についてです。
前回のシティプロモートに関する一般質問で、江別には複眼的な、非常に多種多様な魅力が存在するという答弁がありました。これらの魅力を個別に言うと、あれもこれもになり、不明瞭になってしまいます。江別には多様な魅力があって、だから多様なライフスタイルが実現でき、人に寛容な多様性のまちなんだというように、明瞭なメッセージ性をあらゆる機会で表現する。まさに戦略的に市の展望を打ち出すことが効果的であるため、総合計画の策定という市の政策の根幹になる機会に明確なメッセージを伝え、江別市にかかわる人たちに理解してもらえるような手法の調査と導入をしていただきたいと思います。
項目4について、再質問いたします。
えべつ未来づくりビジョンを知っている市民の方は、果たしてどのくらいいるのでしょうか。協働のまちづくりというのは、いわば、市民も行政も企業も大学もチームになって、みんなで一緒にやっていこうというわけです。それを呼びかけた行政のメッセージをどれだけの人たちが受信しているか。このことは、とても重要な部分だと思います。
もちろん、市民の方々みんなに総合計画を熟知してもらおうということではありません。例に挙げた高知県佐川町は、町民向けに総合計画を編集し、手に取りやすいようにしたブックレット、行政の中で使いやすい行政本冊というように、目的別に総合計画の印刷物を製作しております。総合計画の重要な部分を取り出して、デザインを施し、知ってもらう、こうした市民の方々へのコミュニケーションの工夫が、総合計画の趣旨や認知度を高め、市民自治の進展につながるものではないでしょうか。
市民協働は手続ではありませんし、市民参加にこれで十分というものはありません。より多くの市民の参加ができるように門戸を広げ、関与してもらうことが、認知してもらい、関心を持ってもらうのに有効だと考えるものですが、お考えをお聞かせください。

企画政策部長(北川裕治君)

再質問に御答弁申し上げます。
より多くの市民に関与してもらうことが、関心を持ってもらうために有効ではないかとの御質問でございますが、総合計画の策定及び見直しにつきましては、多くの市民の方に参加していただき、関心を高めることが重要と捉え、さまざまな市民参加により実施してきたところでございます。
今後におきましても、各種計画の策定に当たっては、市民参加の考え方を踏まえながら、進めてまいりたいと考えております。

堀 直人君

今回の質問は、第一に戦略性が十分に保有されているのか。市民に政策が十分に理解されているのか。この2点を確認させていただきました。
項目2で述べたことは、戦略性の向上のみならず、市民の理解を得るためにも必要なことです。総合計画の中に未来戦略があって、年度ごとに加筆修正されるえべつ未来戦略推進計画書は階層が深く、体系もわかりにくいです。行政の都合だけではなく、市民目線で情報共有をしてもらいたいと思っております。
毎年、市長が市政執行方針を述べられ、報道がなされると、何でこれをやるのか、もっとこっちをやってほしいというように、市民の方々からさまざまな御意見をいただきます。しかし、市長が決定した政策には、報道では見えてこない洞察や狙いがあるのだろうと思います。こうした政策の背景を市民に知ってもらい、合点してもらうため、計画を通して政策を理解してもらう今後の取り組みに期待します。
続きまして、件名2、職員人事についてに入ります。職員人事についての質問には、前向きに考えていただいたと感じております。
項目1についてですが、お答えにあるように、市民ニーズの複雑化・多様化が進んでおり、多様性や専門性を持つ職員の育成が重要です。そのためには、人事制度もまた、既成概念にとらわれない柔軟性を持つ必要があるという考えから、再質問いたします。
ドイツでは、ほとんど異動がなく、専門をもって採用され、そのまま専門性を高めていくそうです。日本とは自治体の成り立ちが違うので、そのまま取り入れられるものではないですが、参考になる運用だと考えているところです。産業振興の行政調査に伺った東京都墨田区では、当時の担当課長は7年目でした。企業のトップなどとのつながりが求められる業務で、すぐに担当者が変わってしまっては、信頼が築けないということです。また、公民連携事例として有名なオガールプラザがある岩手県紫波町の公民連携室長は、配属されてからおおよそ10年異動していないということで、東京都墨田区や岩手県紫波町の例を見ても、こうした異動サイクルが効果的なケースもあると感じているところです。
事務職に関しても専門職種を定めて採用したり、画一的ではない異動サイクルにより長期にわたって担当することで専門性を高めたり、エキスパート制度の対象職種を拡大したりするなど、多様性や専門性を持つ職員の育成のために、どのような既成概念にとらわれない柔軟な人事制度が考えられるか、お答えください。

総務部長(齊藤俊彦君)

再質問に御答弁申し上げます。
長期にわたって担当することで専門性を高める、エキスパート型の人事のような、柔軟な人事制度が必要ではないかとのお尋ねでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、市民ニーズの複雑化・多様化が進む中にあって、職にふさわしい能力の開発と多様性や専門性を持つ職員の育成は重要なことと考えております。
そこで、今後の人事制度のあり方につきましては、議員御提言の趣旨も踏まえ、江別市人材育成基本方針に基づき、職員の適性等を考慮し、福祉や税務など特定分野内で活躍・異動するエキスパート型任用制度などを含めた手法等について、先進都市の事例も参考としながら、引き続き研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。

堀 直人君

平成29年2月に総務省がまとめた地方公共団体における多様な人材の活躍と働き方改革に関する研究会報告書にも地方公共団体を取り巻く状況の変化に対応していくためには、みずから考え、企画・行動し、困難な課題を解決する能力と高い業績を上げることができる自治体職員を育成・確保していくことが必要であるとされており、この課題は全国的なものです。よって今後、さまざまな先行事例が出てくるものと思われますので随時、調査・導入していただきたいと思います。
項目2についてですが、自分の会社員時代を振り返ってみると、自分も管理職になりたいとは思っていなかったということを改めて思い出しましたが、これは、研修を含めてさまざまな手法があると思いますので、引き続き研究を進めていただきたいと思います。
項目3についてですが、江別市では、制度を利用した人の体験談などを盛り込んだ出産・育児等に係る情報提供のためのガイドブックを作成していることが、江別市職員の仕事・子育て・女性活躍推進に関する行動計画に書かれています。
先ほどの総務省の報告書にもロールモデルになり得る直属の上司とは異なる先輩に相談し、助言や指導を受けるメンター制度なども紹介されておりました。こうしたことも有効だと思いますので、引き続き検討をしていただきたいと思います。
項目4についてですが、包括連携協定を締結している企業や大学との人事交流も有効であるように考えますので、積極的に機会を創出していただけたらと思います。
項目5についてですが、これも引き続き現場に合ったやり方で、行うというふうに答えられていましたので、提案や業務改善を業務として取り組める環境の充実に努めていただきたいと思います。
項目6について、一般論ではあるのですが、評価者・被評価者ともに、負担感だけが残る作業として形骸化する。目標管理がノルマや進捗管理になってしまい、やらされている感や自分さえよければいいという風潮が蔓延する。人がやることなので、目標設定や面談評価にばらつきが生まれる。予算の裏づけがなく、目標遂行環境が不安定であるというような、機能しなかったケースも多く見られるようですので、江別市ではこうならないように、個人の主体性を高め、組織の性能を向上させる目標管理がなされることを望みます。
項目7について、再質問いたします。
組織のチーム力向上のためにも個人の能力と志望動機を反映し、可能な限り、職員の使命感に応えていく人事異動が必要ではないかと感じております。最近では、人事評価制度に基づき、一定の要件を満たした職員が希望する部署へFA宣言ができる庁内FA制度や特定のポストについて職員から希望をとり、審査を経て当該ポストに配置する庁内公募制度を導入する自治体がふえてきております。
主体的に自己の能力向上に努め、市民の期待と信頼に応える職員の育成のために、前述した制度等も検討しながら、職員の志望を反映させていく機会の拡充をしていただきたいと考えるものですが、そのお考えをお聞かせください。

総務部長(齊藤俊彦君)

再質問に御答弁申し上げます。
職員の使命感に応えていく人事を行うためにも、異動に職員の志望を反映させる機会を拡充すべきではないかとのお尋ねでございますが、これにつきましても、先ほども御答弁申し上げましたとおり、これまで、本市の人事異動の際には、職員一人一人の能力や適性を考慮するとともに、自己申告制度なども参考にしてきたところであります。
今後におきましても、引き続き、自己申告制度を有効に活用するとともに、さまざまな手法などについても研究しながら、適材適所の職員配置に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

堀 直人君

職員の使命感に応え、それを高めていく試みは、目指すべき職員像への歩みに寄与するものと考えます。とりわけ、異動志望を実現していくことは、これに極めて有効であるため、引き続き研究と推進に努めていただきたいと思います。
項目8、項目9については、多様な人材を確保するために有効な手法だと思います。答弁でもそういうふうにお話しされていたので、導入のタイミングを見計らって進めていただけたらと思います。
項目10について、再質問いたします。
市民の方々と接し、市民の方々を知る機会が多くあることは、もちろんよいことであると思いますし、信頼関係を築いていくことにもつながると思います。一方で、やはり私は、職員の方々が地域に出ていくことも必要だと思いますが、相互理解ですから、市民の方々を引きつけて、職員の仕事を知ってもらう取り組みも必要であると思っています。
そうした意味では、江別市がこうありたいと目指す職員像が記されている江別市人材育成基本方針や、それに向けて具体的な手立てと段取りが書かれた江別市職員研修計画を市民向けの概要版でも構わないので、ウエブサイト上で公開することも一つの方法だと考えるものですが、お考えをお聞かせください。

総務部長(齊藤俊彦君)

再質問に御答弁申し上げます。
職員がどのような業務をしているのか、もっと市民に知ってもらう取り組みの一つとして、江別市人材育成基本方針などを公表してはいかがとの御提言かと思いますが、本市の江別市人材育成基本方針などの市ホームページ上での公開につきましては、これまで、職員向けに庁内電子掲示板において掲載・周知しておりましたが、江別市人材育成基本方針につきましては、当市が目指す職員像なども記載しておりますので、今後、市ホームページ上で公表してまいります。
以上でございます。

堀 直人君

御答弁ありがとうございました。
今回、労働環境の改善をもって、市民奉仕の向上を図ること。このことが経営の根幹であるだろうということで、職員人事について一般質問させていただきました。
とは言いつつ、議会対応で残業を招くこともあるだろうと思いますので、何とも言いにくいことではあるのですが、人にとって大事な仕事をする場所の環境をよくすることは、本当に大事なことだと思います。また、それをなくして、よい仕事、そして、よいサービスの提供はあり得ません。
時代の困難に立ち向かっていける人材の確保と育成、市民福祉を向上させるという職員の使命感に応えられる人事制度の整備、そして、働く人が幸せになる職場づくりのより一層の進展を願い、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

議長(高間専逸君)

以上をもって、堀議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午後 0時18分 休憩
午後 1時20分 再開
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副議長(宮川正子君)

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
裏君子議員の健康なまちづくり・職場づくりについてほか2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

裏 君子君

ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問いたします。
初めに、健康なまちづくり・職場づくりについて伺います。
平成22年から平成27年の江別市の人口構成と推移は、大学卒業後の22歳から30歳ぐらいまでの世代の社会減が大きく、就学による転入者数も減少傾向にあり、その他の世代の、特に子育て世代の社会増で全体をカバーしている状況です。
その人口構成と推移から見えてくる課題として、一つに大学生の卒業後の地元定着と、二つに子育て世代の定住、三つ目に高齢者の雇用と健康づくりがあります。
このたびの市長の市政執行方針にもございますが、これらの課題に取り組む中で、これまでさまざまな事業が行われ、平成28年からは人口動態として、転入が転出を上回る社会増となり、転入超過者数は道内で4番目となりました。また、民間調べの平成28年地域別住みたい街ランキングでも北海道地域で5位となっており、江別市が選んでもらえるまちになってきたのだろうと大変評価するものです。
さて、本年はえべつ未来づくりビジョンの5年目として、課題の一つでもあります、高齢者のみならず市民の健康づくりの施策は、国民健康保険の制度が変わることもあり、ますます成果が求められていると考えます。
江別市健康都市宣言に基づき、市民の健康意識を高めるために、さらに具体的な事業について、愛知県東海市の取り組みを紹介して、提案をさせていただきたいと思います。
愛知県東海市は、県の中で平均寿命が低いこと、今後の人口の推移と高齢者ほど医療費が高額であること、生活習慣病患者が多く、市民の健康意識が低いという課題が健康データで明らかになり、市民の健康づくりと生きがいづくりを市の新たな方向性として、全庁的な取り組みを行いました。
市の今ある社会資源を活用して、それまでばらばらだった取り組みを、健康分野だけでなく、都市基盤や生涯学習・生涯スポーツなどさまざまな分野との連携を図り検討したとのことです。
方策として、全庁的に職員42名を選出し、企画政策課内に、いきいき元気推進委員会を設置しています。
取り組みのポイントとしては、全員でできるだけ多くの職員が主体的にみずからの意思に基づいて参加し、ベストミックスで、課の垣根を越えた連携を生み出し相乗効果のあるプランを創造しようとのことでした。
具体的な事業及び実績と成果としては、健康応援情報として、運動・食生活応援メニューの提供を実施し、平成23年10月から平成29年3月までに延べ4,754人にメニューを提供しています。
また、健康応援ステーションを設置し、運動ステーションとして、市内5施設に市民が主体的に健康づくりに取り組みやすい環境を整備しています。
トレーニング利用者の1人当たりの医療費は、平成24年度49万3,352円が、平成26年度には37万2,612円と減少し成果を出しています。
また、食生活ステーションとして、市内35店舗の飲食店を認定し、いきいき元気メニューとして提供しているそうです。
メディカルステーションとして、医師会・歯科医師会・薬剤師会の3師会と事業協定を締結し、支援体制を整えています。
ほかに、働く世代への取り組みを自治体が後押しする健康経営として、市内の事業所を対象とした健康づくり事業を展開することで、事業所全体の健康意識と合わせ、従業員の健康意識の向上を図っています。
中でも、愛知県東海市内にあるカゴメ株式会社との連携では、トマトde健康プロジェクト事業を展開しています。
これらの事業は何度かマスコミ関係に取り上げられ、その反響は大きかったとのことでした。
当市におきましても、国民健康保険の医療情報の分析では、高血圧、糖尿病など生活習慣に起因する疾患が多いとのことですから、より一層の思い切った取り組みが必要と考えます。
そこで、1点目の質問ですが、健康づくりを進める上で、組織的な方策として、当市の今ある社会資源を活用して、さまざまな分野との連携を図り検討するために、愛知県東海市のような、全庁的な取り組みをしてはいかがか、市長の見解をお伺いいたします。
次に、市長が進める健康づくり事業の具体的な取り組みについてですが、市長は、新年交礼会や各種会合の場で、江別市の健康づくりや江別市健康都市宣言に関連して、江別産の野菜を食べて健康になりましょうとのお話をされています。
野菜摂取の必要性については、三好市長からも、過去に長野県が数十年かけて、平均寿命を全国一にすることができた事例をお聞きしたことがありましたが、その中でも食生活の改善、つまり野菜の摂取量を多くすることを提唱されたと伺っております。
また、厚生労働省は、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基本的な方針で、平成25年度から10年間の計画の中で野菜の平均摂取量を現状の282グラムから350グラムへ大幅な増加目標を掲げているところです。これらの観点からも、市長が提言されている市民の野菜摂取量をふやし、さらには、地元の安全・安心な野菜を食べていただくことは、市民の皆さんのみならず、江別の農業者の方にも大変喜ばれ、一石二鳥の効果があるものと考えるところです。
当市は、北海道内でブロッコリーの生産量が一番ですが、当市を視察に来られる方々にそのことを紹介すると、皆さん驚きの声で反応されると聞いています。
例えば、ブロッコリーナとか、ブロッコリンとかの名前でえべチュンに続くそれぞれの野菜のゆるキャラなどをつくるような、子供たちや市民を巻き込んでの取り組みや、野菜ジュースで乾杯条例など、江別市ならではの野菜のPRをさまざまな手段で行ってはいかがでしょうか。
2点目として、市民の野菜の摂取量をふやすために、さまざまな形での野菜のPRや飲食店と連携することなど、具体的な取り組みについて、市長の見解をお聞かせください。
次に、働く世代への健康づくりについて伺います。
前段申し上げました自治体が後押しする健康経営として、市内の事業所を対象とした健康づくりについてですが、江別市内には、多くの企業で従業員の皆さんが就労されており、市内経済の活性化の一翼を担われています。市内企業を大切にし、経済の活性化を推進するためにも、市内企業の皆さんの健康意識の向上とそれに向けた健康づくりも重要な課題と考えます。
3点目として、働く世代への健康づくりとして、市内の事業所を対象にした健康づくりについて、市長の御見解をお伺いいたします。
最後に、先ほど、厚生労働省の国民の健康増進の総合的な推進を図るための基本的な方針について触れましたが、平成25年度から10年間の計画の中で、喫煙についても具体の目標数値を掲げ、その実現に向けて努力をするとのことでした。その中でも、受動喫煙については、世界のみならず日本国内でも社会問題化されており、北海道、そして、ここ江別市においても他人事ではないような気がいたします。
先日の北海道新聞に道内企業通院補助や分煙徹底の記事が掲載されておりましたが、江別市内の企業も禁煙外来の通院費を負担するとのことでした。企業も社員への禁煙を促し、社員の健康を守り、業績やイメージの向上に取り組んでいます。
4点目として、市としても、さらに健康づくりの観点から、市民への禁煙及び分煙の啓発が必要と考えます。市の対応について、市長の御見解をお伺いいたします。
次に、若い世代の婚活支援について伺います。
市では、子育て世代の定住のために、社会全体で子供を産み育てる環境づくりを進めています。それとともに、男女の出会いの場づくり支援事業による若い世代の婚活支援も行っているところです。
平成25年第4回定例会において、婚活支援で少子化対策をすることを提案させていただき、平成28年1月から行われている事業ですが、改めて、これまでの成果や今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。
今は多くの自治体で婚活支援がいろいろな形で展開されており、参加者の方からは、自治体の事業ということで、安価で安心して利用できるとの声が聞かれます。その取り組みの事例を少し紹介させていただきます。
愛知県東海市では、東海市結婚応援センターを設立しています。
経緯については、愛知県東海市は鉄鋼業が盛んで、市外から若い男性が集まっていますが、平成21年には、30歳代男性の未婚率が39.9%と、全国平均の39.0%より高いため、次世代育成支援行動計画に30%の目標設定をしました。
その後、未婚者支援のあり方を、調査・研究した結果、子育てと結婚を応援するまち東海市を都市宣言の一つとして制定し、平成23年4月に利便性を考え、市民交流プラザ内に東海市結婚応援センターが開設されました。
事業内容は、サポーター関係、お祝い金など、また、ホームページ・メルマガ配信講座等の企画運営・相談など行っています。
結婚祝い金支給事業については、一定の要件で、新婚家庭に対して結婚祝い金として、一夫婦当たり10万円の支給をし、経済的な支援を図っています。平成23年度から平成28年度までの支給実績は合計15組となっています。
サポーター事業については、イベント開催などの協賛や周知・助言などのサポーターとして登録してもらい、未婚者の結婚活動をさまざまな方法で応援いただくものです。内訳は、企業が26件、団体が21件、個人が20件、実績は、平成27年度のイベントは13件で参加者が183名、平成28年度のイベントは7件で177名の参加者となっています。
成果としては、平成27年度は30歳代男性の未婚率は、全国38.8%のところ36.6%となり、30歳代女性の未婚率は、全国28.1%のところ19.5%となり、合計特殊出生率は国が1.44%に比べ、愛知県は1.5%、愛知県東海市は1.82%となっています。
この事業に取り組む環境としては、鉄鋼業に従事する若い未婚の男性がいることがきっかけではありましたが、さまざまな団体や企業が連携し、事業を行っているため、横のつながりが強くなったとの効果も出ています。
そこで、1点目の質問ですが、当市における男女の出会いの場づくり支援事業のこれまでの取り組みと、成果についてお伺いします。
2点目に、江別市に住んでいただくために、男女の出会いの場づくり支援事業において、成婚に至った方への支援を考えてはいかがかお伺いいたします。
3点目に、企業や団体などにおいて、イベント開催などの協賛や、周知・助言などのサポーターとして、さまざまな方法で若い世代の婚活支援をいただくことについてお伺いいたします。
次に、学校施設の防災・減災対策の強化について伺います。
多くの学校施設は、災害時に地域住民の命を守る避難所となっています。
今国会で成立した2017年度補正予算では、学校施設の避難所機能の強化を柱にしており、学校施設の防災・減災対策を強化するための予算を手厚くしています。
避難所機能の強化に関する費用の一部を国が補助する制度が盛り込まれており、制度の趣旨に沿っていれば、トイレの洋式化はもとより太陽光発電設備や備蓄倉庫の整備など、災害時に役立つさまざまな施策に利用できるとしています。
文部科学省の調査によりますと、避難所に指定されている全国の公立学校は、全体の92%を占めています。
当市においても全公立学校が避難所として指定されておりますが、万一の事態に備え、避難拠点としての役割を果たせるよう万全を期していく必要があると考えます。
実際、地震や台風などの自然災害に見舞われるたびに、避難所としての学校に必要な防災機能について、さまざまな課題が浮き彫りになっています。
熊本地震では、避難所で最も不便を感じたのはトイレだったことが被災者への調査でわかっています。学校のトイレに和式が多いことが理由で、長期避難者の大半を占めた高齢者は、なおさら大変な思いをしたに違いありません。
学校トイレの洋式化を進めることや、段差を解消し、車椅子でも利用できるバリアフリートイレの設置も、この制度で検討できるかと考えます。
暑さや寒さをしのぐための手立ても重要で、特に北海道は、冬季の暖房機器の確保も考える必要があると思います。
ほかにも、学校施設に無料公衆無線LAN(Wi-Fi)を設置することで、災害時に通信環境が悪化したとき、家族などと連絡がとりやすくなります。情報収集や連絡手段として欠かせないスマートフォンが使えるよう、Wi-Fi環境の整備をすることは重要と考えます。
そこで質問ですが、学校施設の避難所機能の強化ができる国の補助制度を、使い勝手のよさを生かして、江別市の現状に応じた取り組みに活用するなど防災機能の充実に努めるべきと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。

副議長(宮川正子君)

裏議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

裏議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、健康なまちづくり・職場づくりについてお答えをいたします。
まず、健康づくりを進めるための全庁的な取り組みについてでございますが、市では、平成29年4月に、健康づくりに関し、庁内横断的な連携・調整を進めるための組織として、健康福祉部に健康推進室を設置いたしました。
また、昨年、江別市健康都市宣言の趣旨を広く市民に普及啓発するため、全ての部が参加する全庁連携のもと、えべつ健康フェスタ2017を開催したところでございます。
このイベントでは、健康推進室が束ねる庁内組織のみならず、大学や薬剤師会、北海道食産業総合振興機構など、関係機関・団体とも連携しまして開催をしたところでございます。
今後におきましても、健康推進室を中心としまして、連携する各部局の組織や情報を集約し、全庁的な健康づくりの取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、野菜の摂取量をふやすための具体的な取り組みについてでございますが、市の国民健康保険の分析では、高血圧や糖尿病など、生活習慣病に起因する疾患が多いことから、生活習慣病予防に効果がある野菜摂取の推進を図ってまいりたいと考えております。
具体的には、さまざまな機会を通じた野菜に触れる環境づくりとしまして、野菜の簡単レシピなどの募集や紹介、食生活改善推進員による野菜を多く用いた料理教室、スーパーマーケット等の野菜売り場でのPRや、飲食店による野菜メニューの推奨といった事業者と連携した啓発などにつきまして、現在検討しているところでございます。
また、子供のうちからの生活習慣が重要なことから、江別市食育推進計画に基づきます食育事業や、栄養教諭による食の指導のほか、新たに実施を予定しております保健師による生活習慣病予防教室により、野菜の大切さを啓発してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、庁内各部、関係機関・団体と連携しながら、野菜を食べる環境づくりを進め、食からの健康づくりを目指してまいりたいと考えております。
次に、働く世代への健康づくりについてでございますが、国が示す健康経営とは、従業員の健康維持増進をすることによりまして、従業員の活力の向上や生産性の向上などをもたらし、企業の業績向上や組織としての付加価値向上にもつながるとしまして、国は経済界などと一体となり中小企業の取り組みを進めているところでございます。そのことによりまして、企業においては、企業イメージの向上や求人への応募者数の増加などにもつながるものとしているところでございます。
国では中小企業による健康経営の取り組みを促進するため、セミナーの開催や、各地域におけます優良事例を紹介する冊子を作成しているほか、一昨年度から優良な健康経営を実践している企業を認定する顕彰制度を創設しており、江別市内の企業もその認定を受けるなど全国的にも健康経営に取り組む企業が増加傾向にございます。
市では、全ての市民が生涯を通じて健康に過ごせる健康意識の向上と健康づくりを推進するため、健康都市を宣言しているところでございますので、その内容を実現するためには、市内の企業で働く人々に対する取り組みも大切であると認識しております。
このため、江別商工会議所を初め、北海道経済産業局や全国健康保険協会によります支援体制のもとに、普及啓発に向けたセミナーの開催などの検討を既に進めているほか、本年2月には、企業におけます従業員の健康づくりについての取り組み状況などを把握するため、江別商工会議所と共同で、会員企業を対象に意識調査を実施しております。
今後におきましては、意識調査の結果を踏まえながら、市内企業におけます健康経営に対する意識の醸成や具体的な活動が実践されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、禁煙及び分煙に係る市民への啓発についてでありますが、喫煙は生活習慣病と密接な関係があり、重大な健康被害を及ぼすおそれがありますことから、市では、えべつ市民健康づくりプラン21に基づきまして、妊娠届け出の際や、小・中学生への喫煙予防教育、出前健康教育や個別の保健指導の際に、喫煙によるがんや生活習慣病のリスク、副流煙によります健康被害などについて説明するとともに、各種リーフレットを配布するなど、さまざまな機会を捉えた啓発を行っているところでございます。
現在、国におきましては、受動喫煙の防止に向けた健康増進法の改正も検討されておりますことから、国の動向等も注視しながら、引き続き、喫煙によります健康への悪影響について、周知してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、企画政策部長ほかをもってお答え申し上げます。

企画政策部長(北川裕治君)

私からは、若い世代の婚活支援について御答弁申し上げます。
初めに、男女の出会いの場づくり支援事業のこれまでの取り組みと成果についてでありますが、男女の出会いの場づくり支援事業は、江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略の一環として、晩婚化・晩産化の解消に向け、若い世代の婚活を支援するとともに、まちの魅力を効果的にPRし、交流人口・定住人口の増加を図るため、実施している事業であります。
江別市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定時に行った市民アンケートによりますと、若い世代において結婚願望はあるものの、自分の周囲で異性と出会う場が少ないといった回答が多かったことから、婚活支援として、男女の出会いの場を提供するイベントを平成27年度から開催しております。
イベントにつきましては、EBRIや陶芸工房のほか、ボウリング場やパークゴルフ場といった市内の商業施設や体験施設を会場とし、本年度までの3年間で計5回開催しており、合計で200名以上の方が参加しております。
また、このイベントを通して知り合い、連絡先を交換するなどカップルとして成立した組数は34組で、そのうち4組の方から、結婚に至ったという報告をいただいていることから、一定の成果が出ているものと認識しているところでございます。
次に、成婚に至った方への支援についてでありますが、男女の出会いの場を提供するイベントを通して知り合い、後に結婚へ至った場合につきましては、市へお知らせいただけるよう、イベント内でお願いをしているところであり、先ほど御答弁したとおり、今まで4組の方から報告をいただいております。
市では、このイベントによって結婚に至った方を対象に、祝い金を支給するなどの支援は考えておりませんが、結婚された方を祝福する意味と、より正確に事業の成果を把握する観点から、今後、結婚の報告をしていただいた方へ記念品を贈呈することなどについて、検討してまいりたいと考えております。
次に、企業や団体などによるサポーターとしての応援についてでありますが、市では、男女の出会いの場を提供するイベントを実施するに当たり、これまでにも江別青年会議所によるスタッフ参加や、会場となった施設運営者からの助言などのほか、企画段階から地域おこし協力隊が参画しアイデアを出すなど、イベントごとにさまざまな協力を得て、開催してきたところです。
市といたしましては、イベントを開催するに当たり、企業や団体にサポートをいただくことは、有益なものと認識しておりますことから、今後におきましても、必要に応じてさまざまな方面に協力を求めながら、事業を進めていきたいと考えております。
以上でございます。

教育部長(渡部丈司君)

私からは、学校施設の防災・減災対策の強化に関しまして、国の補助制度を活用して、学校施設の避難所機能を強化することについて御答弁申し上げます。
国では、学校施設環境改善交付金要綱により、構造上危険な状態にある建物の改築、大規模改修のほか、防災機能強化等の補助事業を行っております。
本市においては、この補助事業により、トイレの改修や暖房設備改修等の大規模改造を行うほか、防災機能の対策としては、体育館のつり物や照明等の非構造部材の耐震化工事を実施するなど、施設・設備の改修を行ってきたところであります。
なお、市内小・中学校のトイレの洋式化につきましては、これまでも補助制度を活用する中で、計画的に改修を進めてきたところであります。
御質問にありました公衆無線LAN、いわゆるWi-Fiにつきましては、過去の災害時の状況を踏まえますと、固定電話や携帯電話が利用できない場合に、情報収集や連絡手段として活用できるものと認識しているところであります。
防災・減災対策を初めとした学校施設等の整備に関する国の補正予算の活用につきましては、本市におきましても、このたびの国の補正予算において、小・中学校3校の暖房設備改修について、補助内定の連絡を受けたところであり、実施に向け必要な準備を進めております。
教育委員会といたしましては、今後におきましても、学校施設の整備に合わせ、国の補助制度を活用していくとともに、避難所機能の充実についても、配慮してまいりたいと考えております。

裏 君子君

私からは、再質問はありませんが、1件目の健康づくりを進めるための全庁的な取り組みについて要望させていただきます。
答弁において、今後においても関連する各部局の取り組み等を集約し、全庁的に健康づくりを進めていくとのお答えをいただきました。
そこで、今後に向けて、全庁的に取り組みを進めていくという点についてですが、1回目の質問でも触れさせていただきましたが、愛知県東海市では、全庁的な取り組みとするために、部や課の垣根を越えて協議し、健康・生きがい連携推進プランの中に、全庁の取り組みを反映させたと聞いております。
江別市におきましても、だれもが健康的に安心して暮らせるえべつを基本として、市民の健康づくりを推進するために、えべつ市民健康づくりプラン21を策定しております。
このえべつ市民健康づくりプラン21は、市の健康づくりを包括する計画であると考えられますことから、今後のプランの評価、見直しや、次期計画の策定に当たりましては、ぜひとも、課の枠組みを越えて、全庁各部・各課の意見を吸い上げるだけでなく、相乗効果のあるプランをつくれるような取り組みとして、さらに工夫していただくことを要望して、私からの質問を終わります。

副議長(宮川正子君)

以上をもって、裏議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

副議長(宮川正子君)

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 1時54分 散会