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平成29年第4回江別市議会定例会会議録(第4号)平成29年12月11日

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年2月26日更新

1 出席議員

27名

議長 高間 専逸 君 副議長 宮川 正子 君 
議員 吉本 和子 君 議員 齋藤 一 君
議員 高橋 典子 君 議員 三角 芳明 君
議員 星 克明 君 議員 島田 泰美 君
議員 干場 芳子 君 議員 内山 祥弘 君
議員 堀 直人 君 議員 本間 憲一 君
議員 石田 武史 君 議員 清水 直幸 君
議員 宮本 忠明 君 議員 角田 一 君
議員 山本 由美子 君 議員 野村 尚志 君
議員 岡村 繁美 君 議員 鈴木 真由美 君
議員 赤坂 伸一 君 議員 諏訪部 容子 君
議員 尾田 善靖 君 議員 齊藤 佐知子 君
議員 徳田 哲 君 議員 相馬 芳佳 君
議員 裏 君子 君    

2 欠席議員

0名

3 説明のため出席した者の職氏名

市長 三好 昇 君 副市長 佐々木 雄二 君
水道事業管理者 佐藤 哲司 君 総務部長 齊藤 俊彦 君
企画政策部長  北川 裕治 君 生活環境部長 高橋 孝也 君
経済部長兼
総合特区推進監
後藤 好人 君 健康福祉部長 真屋 淳子 君
建設部長 安藤 明彦 君 病院事務長 吉岡 和彦 君
消防長 永嶋 司 君 水道部長 安井 國雄 君
会計管理者 宮腰 明生 君 総務部次長 土屋 健 君
財政課長 野口 貴行 君 教育委員会教育長 月田 健二 君
教育部長 渡部 丈司 君 監査委員 中村 秀春 君
監査委員事務局長 近藤 政彦 君 農業委員会会長 萩原 俊裕 君
農業委員会事務局長 川上 誠一 君 選挙管理委員会
委員長
中井 悦子 君
選挙管理委員会
事務局長
金内 隆浩 君    

4 事務に従事した事務局員

事務局長 佐藤 貴史 君 次長 錦戸 康成 君
庶務係長 土谷 晶子 君 議事係長 阿部 昌史 君
主査 水口 武 君 主任 丹羽 芳徳 君
主任 伊藤 みゆき 君 書記 海谷 祐二朗 君
事務補助員 唐木 由美 君    

5 議事日程

日程第 1 会議録署名議員の指名
日程第 2 一般質問

発言者及び発言趣旨

角田 一 君 (一問一答方式)

  1. 市有地売却媒介制度の導入について
    (1)公民連携強化・民間力活用を目的とした市有地売却媒介制度を導入することに対する見解について
    (2)市関連施設におけるテナント募集の媒介制度等の創設に対する見解について
  2. 職員提案制度の見直し状況について
    (1)提案主体である職員の意見集約について
    (2)インセンティブの考え方について
    (3)提案しやすい環境づくりの考え方について
  3. エンディングプラン・サポート事業の導入について
    (1)身寄りがない等の理由による公費での直葬などの実情と高齢者等からの葬儀等の相談の有無について
    (2)エンディングプラン・サポート事業の導入に対する見解について
  4. 江別版生涯活躍のまち構想について
    (1)構想の開始時期の延期による影響について
    (2)道立高等養護学校誘致を実現するために構想を早期に一部実施することについて
    (3)構想開始までの期間における基盤整備のためのアクションプランの策定について

吉本 和子 君 (一問一答方式)

  1. 奨学資金貸付金について
    (1)江別市の奨学資金の貸し付け状況と課題について
    (2)現行の貸し付けから給付への変更に向けた検討について
  2. 市営住宅の敷金減免制度について
    (1)敷金減免と家賃減免との関連について
    (2)敷金減免制度の利用状況について
    (3)敷金減免制度の周知について
  3. 認知症に関する施策について
    (1)徘回症状のある認知症高齢者の行方不明等の現状について
    (2)徘回高齢者SOSネットワークシステムの利用状況と課題について
    (3)徘回高齢者個人賠償責任保険事業の実施に向けた検討について

徳田 哲 君 (一問一答方式)

  1. 民法の大幅な改正による影響と、それに対する市としての取り組みについて
    (1)民法改正が行政に与える影響について
    (2)民法改正の市民周知について
    (3)民法改正による市民の不安を払拭するための相談体制について
  2. 投票率向上のための取り組みについて
    (1)期日前投票所の拡大について
    (2)計画的かつ組織横断的な取り組みによる主権者教育の推進について
  3. 災害に強いまちづくりについて
    (1)災害対応型紙カップ式自動販売機の設置に向けた災害協定の締結について

齊藤 佐知子 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 空き家を活用したまちづくりについて
    (1)空き家の現状と課題について
    (2)空き家バンクの開設について
    (3)空き家を活用した市民協働によるまちづくりについて
  2. 公共交通空白地域における移動の支援について
    (1)公共交通空白地域の現状と課題について
    (2)地域交通を支えるタクシー事業の活用について
  3. AEDの設置のあり方について
    (1)AEDの設置状況について
    (2)AEDの今後の設置計画について
  4. 訪問理容・美容サービスについて
    (1)在宅高齢者や障がい者への訪問理容・美容サービスについて

 6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(高間専逸君)

これより平成29年第4回江別市議会定例会第14日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は27名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(高間専逸君)

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(高間専逸君)

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
岡村 議員
堀 議員
を指名いたします。

◎ 一般質問

議長(高間専逸君)

日程第2 一般質問を順次行います。
角田一議員の市有地売却媒介制度の導入についてほか3件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

角田 一君

議長の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問をさせていただきます。
人口構造の急激な変化、さらに人口減少社会においてだけではなく、コミュニティーに対する市民意識の変化や、市民や社会の要請の多様化、これまで地域を支えてきた地方基幹産業の構造的変化など、さまざまな面において、地方の行政運営のあり方が問われ、変革が求められている時代であります。
その一方、税収を含めた国と地方の財源配分のあり方についての議論では、将来的な地方財政そのものへの不安要素が増すばかりでもあります。
さらに、数次にわたる地方分権、権限委譲により、市役所の業務量が増大し、加えて、市民や社会の要請による業務も多様化し、職員が行わなければならない業務量が増大する一方、国の指導によって実施されてきた行政改革により、職員定数管理による増員抑制が継続されています。その中で、日々職務に励行されている職員には敬意と同情の念を感じざるを得ないものですし、職員の能力をさらに生かし、さまざまな視点から改革が必要と感じるところであり、早急に旧習を改める必要があると考えるところであります。
現在、地方創生という名のもとに、自分の地域の生き残りをみずからの企画立案、実行によって行わなければならないという状況は、結果として、これまで行ってきた行政のあり方、統治機構のあり方について、江別の立地や職員の能力、市民の力といった優位性を生かした形を創造し、現実的に機能する形に変革し、より実践的な政策を推進するためのシステム・体制づくりを要請していると、私自身は考えております。
今回の一般質問は、市民協働という一つの変革への方向性をより具体的に進めること、つまりは民間企業や地域団体との業務のシェアを進めることで、職員の業務量の軽減と、その結果生じる時間を有効に活用させることでの効果、一方、民間企業の情報活用、業務協力を通じ、市役所と民間企業が協働し、相互に利活用する地域社会構築のためのシステムづくりを意識して質問を行いますので、単年度予算的な視点や前例主義的な御答弁は御容赦いただきますようお願いいたしまして、少々前置きが長くなりましたが、質問に移らせていただきます。
件名1、市有地売却媒介制度の導入についてです。
これまで市有地などの公有地売却は、一般競争や公募による売却が主で、買い手側との直接売買を主とした市有地売却が実施されてきておりました。しかしながら、遊休公有地等の整理や期限を有する区画整理事業等の事業、工業団地への企業誘致等において、事業の進展が見込めないなどの問題が生じ、民間不動産業者との連携を図る事例も各地で見られるようになっております。
民間不動産の売買は、土地の売り手と買い手それぞれが売買成約後に不動産業者に仲介手数料を支払う形で成り立っており、ゆえに不動産市場の流動性が確保されることとなっています。しかしながら、これまでの公有地売買では、不動産業者が買い手を紹介しても、紹介料としての仲介手数料が発生する規定はなく、売買については行政と顧客が直接契約のため、不動産業者の市有地仲介への意欲は、自社購入開発による転売以外は意欲を欠く制度であったため、不動産業者の仲介意欲を増進し、公有地売却を促す策として、各地で市有地売却媒介制度が創設されてきています。近隣では札幌市、千歳市でも創設され、必要と考えられる事業で制度活用が進んでおります。
制度の流れを簡単に説明しますと、対象となる物件は、富山県南砺市の例では、1、市有地のうち使われずに、将来においても使う予定のないもの、2、一般競争や公募を実施し、買い手がない入札不調物件のうち、媒介による売却が適当としたものとし、道内先行事例都市である札幌市や千歳市は、芸術・文化系産業団地の札幌アートヴィレッジ2区画、情報関連の研究開発型団地の札幌テクノパーク1区画、千歳市では文京ニュータウン及び福住住宅地の市有地などの住宅開発用地や工業団地等を対象としています。
これら市の指定した対象用地を、協定を結んだ不動産関係団体に情報提供し、媒介を依頼、協定を締結した団体会員が宣伝・広報を実施し、購入希望者を開拓、市に媒介することで、市から媒介手数料の支払いを受けるという流れとなっています。
これによるメリットは、先ほど申し上げたとおり、行政側のメリットとして、民間不動産業者の媒介・紹介の意欲の向上による、市有地売却事業の民間連携による早期完了を促すとともに、当該担当職員の職務の軽減を図ることが可能となること。さらには、広報や営業的な誘致活動の経費を軽減することも可能であります。不動産業界側のメリットとして、これまでなかった媒介手数料の創設とともに、営業範囲の拡大も図り得ます。また、全体としても、売却後に、開発行為に一定程度事業内容に条件づけができることにより、計画性を持ったまちづくりプランを創設できる可能性も有していると考えます。
さらに、現在のほかの市町村の事例では、公有地売却を主としておりますが、これを賃貸募集に活用することも可能であると考えるところでありますし、そういった事例もあるとの話であります。これは、内容により定期借地権設定による公有地活用や現在空きテナントとして存在する市の関連施設にも、民間不動産業の営業情報力を生かすことも可能であろうと考えます。その意味では、江別においては、えべつみらいビル等でも活用可能と考えられますし、江別の顔づくり事業等の動きや今後進むであろう空き家対策においても、活用可能な要素もあると考えるものであります。
この制度導入には、札幌市や千歳市と同じものということではなく、江別市の現状と将来展望の上で、不動産関係団体と協議し、双方にとって使いやすい制度を組むことが大切であろうと考えますし、たとえ現時点において、当局側で対象となる物件が想定されていないとしても、この制度創設により、必要な時期に既定のものとして制度活用を適切な時期に実施する前提を構築すること、さらには、定期的な不動産関係団体との情報交換・共有による当該制度物件以外での公民連携強化にもつながることで、行政的なメリットはより増すものであると理解するものであります。
その意味でも、この市有地売却媒介制度導入の必要性があると考えますので、質問に移らせていただきます。
項目1として、先ほどより述べておりますメリットを考えると、当市の現状に合わせた形での、公民連携強化・民間力活用を目的とした市有地売却媒介制度を導入することについての見解をお聞かせ願います。
項目2として、さらに市有地売却媒介制度をより幅広く活用して、えべつみらいビルのテナントとの賃貸契約に市有地売却媒介制度あるいは同様の制度を創設することについて、どのような御見解をお持ちかお聞かせ願います。
次に、件名2、職員提案制度の見直し状況についての質問に移ります。
さきの平成29年第1回定例会での裏議員の一般質問や、江別市行政改革推進委員会でも課題とされました職員提案制度については、現在見直しを進め、近々見直し案が示されるとのことであります。そこで、さきの平成29年第1回定例会での市長の答弁も参考にどのような視点での議論がなされ、見直し案の策定に至ったかお聞かせ願います。
項目1として、他市の職員提案制度見直し事例でもあるように、まず提案主体の市職員が、これまでの制度をどのように捉え、どのような問題点があると考えていたのでしょうか。さらに、その意見や課題抽出などをどのような手法で集約したのでしょうか。
項目2として、他市でも議論となるインセンティブの考え方についてです。
江別市では、褒賞として図書券という形をとられているようですが、インセンティブの考え方については議論がなされたのでしょうか。業務改善等は職務を理解すること、政策提案などはこれまでの研修や実務を通じてのさらなる市の業務理解の上になるものであり、人事考査面での評価にもつながると考えるものですが、いかがかお聞かせ願います。
項目3として、提案しやすい環境づくりの考え方についてですが、その環境については、提案しやすい環境づくりとして制度的な面、つまり庁内電子メールでの提出や書面審査、簡単な応募方法の導入は、さきの市長の答弁にもあったところです。恐らく、このことは、今回の見直しでは実施されていると考えますが、この制度が最終的に全庁的なものとなるための、あるいは、出された提案がプロジェクトして運用できるように、職員の提案意欲向上を目的とした意見を考慮した議論がなされた環境づくりがあったのでしょうか。
さらに、提案しやすい環境面という視点では、提案しやすい職場環境、部局を越えた人的交流による提案を生み出しやすい環境づくりといった面、そのような人的交流を促すようなスペースをどう構築するかなどがそれに当たります。そのような環境面での議論がなされたのかお聞かせ願います。
件名3、エンディングプラン・サポート事業の導入についての質問に移ります。
この事業を簡単に説明すると、身寄りがなく生活にゆとりのない高齢者の終活の支援を官民協働で行うという事業です。
この事業は神奈川県横須賀市で始まり、神奈川県大和市でも進められております。事業の内容は、身寄りのない単身者や高齢者の夫婦のみ世帯のうち、葬儀を行う人がおらず、預貯金や収入などの条件で生活にゆとりのない方を対象者とし、市は、葬儀や納骨、死亡届け出等の終活をする方の抱える課題を解決するのに必要な情報提供や協力葬祭業者を紹介するものです。協力葬祭業者は、生活保護基準をもとに葬儀の生前契約、死後事務委任契約を行うこととされています。
これまで身寄りのない方や身元不明な方は、市の費用で直葬され、遺骨は無縁納骨堂に安置されており、その諸費用は市が負担しています。さらには、後に引き取り手や身元が明らかになった場合においても、職員の確認業務等が発生しています。この事業は、事前に葬儀を含めた人生の終焉期に対し不安のある方を把握し、事前に登録を行うことで、希望者には生前からの見守り、孤立死防止、亡くなった際の登録情報により無縁とされる亡きがらを少しでも少なくするとともに、死後、人間としての尊厳を守るという多面的な意味も持ちます。
事業費は、神奈川県横須賀市で、初年度パンフレットコピー代として2万4,000円、次年度はパンフレットの増刷やカードのラミネート代等で10万円、神奈川県大和市では、事業説明に関しては部署内の庶務費から支出し、広報は同経費として処理することで予算計上をしていません。この事業のメリットを取りまとめた記事が、株式会社日経BPのウエブサイトにありましたので述べさせていただきます。
登録者の主なメリットは、ひとり暮しで身寄りがなく、経済的なゆとりがなくても、自分自身の葬儀の意思を実現できる可能性が広がる。自分の死後のことについて安心が得られる。最後まで、自分の尊厳を守ることができる。地域住民の主なメリットは、近隣の高齢者が亡くなった後の心配がなくなる。自治体の主なメリットは、孤立死、孤独死を減らすことができる。地域からの苦情が減る。本人の意思を反映しながら、自治体の葬祭費の支出が減る。仕組みがシンプルで、経費を抑えて事業を続けることができる。葬儀社の主なメリットは、市役所と登録者の情報を共有することで、病院からの連絡が入りやすくなり、生前契約どおりに葬祭を実施できる。社会貢献事業と位置づけられるので、企業のイメージアップにもつながる。自治体と提携していることで、企業の信頼度が上がる可能性もある。
今後、高齢化のさらなる進展により、この制度を必要とされる方がふえていくことは想像するまでもありません。現状としては、市の業務として位置づけられていないことも理解しておりますが、高齢者の不安解消や無縁納骨に至るまでの業務コストを考慮すると、事業化も必要と考えるところです。
以上申し上げ、質問に移ります。
項目1として、実際に身寄りのない、あるいは身元不明により公費で直葬、納骨された事例は、江別市においてどれぐらいあるのかお聞かせください。また、私自身も生活にゆとりのない高齢者の方も含めて、葬儀に関する相談を受けることがたびたびあります。同様の相談は市役所にもあると聞くところですが、いかがでしょうか。
項目2として、事業費も少なく、また、総合的に公民連携としての福祉的視点からも、全体におけるメリットからも、このエンディングプラン・サポート事業を導入すべきと考えますが、御見解をお聞かせ願います。
次に、件名4、江別版生涯活躍のまち構想について、平成28年第4回定例会に引き続き、質問させていただきます。
前回は、構想案の策定経緯についてと、その事業の進め方について質問をさせていただきました。
この江別版生涯活躍のまち構想で示されている事業内容は、タウン型としての構想であり、大麻地区を対象とするものの、将来的にはこの内容を江別市全域に適用させていくという大切な構想であることは言うまでもありません。国の主導により立案された経緯もあり、同様の計画は他市町村で既に実施、あるいは実施されつつあるものであります。山口県宇部市では、CCRC構想エリアの空き物件のリノベーション実施などの先行事例も散見され、将来的なまちづくりの施策として進展を見せています。
しかしながら、当市では、道立高等養護学校誘致が構想事業開始とされており、直近の公立特別支援学校配置計画でも設置対象から漏れ、誘致実現はさらに延びております。このことは、この構想実現がさらにおくれ、目的としたアクティブシニアの流出を防ぐ、あるいは第2段階として想定された周辺の資源活用の新しい仕組みの創設のおくれも懸念されるなど、将来的な江別の姿にも大きく影響を生じさせるものとなります。現在の公立特別支援学校配置計画では、次期計画に盛り込まれたとしても、今後数年を必要とします。
今後、数年における対象地区の全ての環境、条件がこれまでどおりであれば、この計画のスタートがおくれても問題は生じないと考えますが、総合計画を含め、市の各種計画にも関連性を持ち、さらには、現在この構想の基礎となっている社会情勢、経済情勢、周辺環境などが変化、変質していることも想定され、当初の構想立案時の計画が時勢に合わないことも考えられます。
昨年、三好市長は答弁において、江別版生涯活躍のまち構想では、拠点地域における整備の段階と、拠点地域周辺における既存資源の活用による展開との大きく二つの段階が同時に進んでいくことが理想でありますが、空き家や商店街の活用、大学・自治会と連携した生涯学習機会の確保などのソフト面につきましては、拠点地域の整備の進捗にかかわらず取り組んでいく必要があるものと考えておりますと述べられています。
以上を述べまして、質問に移らせていただきます。
項目1として、道立高等養護学校の誘致時期が先送りになったことにより、本構想もスタート時期が延期となったことで、当初の計画や事業にも環境の変化などによる影響が生じるのではないかと危惧いたしますが、市としてどのように捉えているのかお聞かせ願います。
項目2として、さきの平成28年第4回定例会で、空き家や商店街の活用、大学・自治会と連携した生涯学習機会の確保などのソフト面につきましては、拠点地域の整備の進捗にかかわらず取り組んでいく必要があるものと考えておりますとの市長の答弁があったように、構想における一部事業を先行実施することで、道立高等養護学校の誘致に、単なる計画ではなく、具体的な実践をもって誘致活動に力を与えることにもつながると考えますが、誘致実現のためにも、本構想を早期に一部でも実施することについての御見解をお聞かせ願います。
項目3として、道立高等養護学校誘致実現までの期間を、構想を開始させるための準備期間と位置づけ、構想開始までの期間に行う施策を体系的に示したアクションプランを立案すべきと考えております。これは、アクティブシニアの流出を防ぐ、あるいは現在ある優位性を維持する、あるいは新たに生み出しておくことで、江別版生涯活躍のまち構想の事業を、よりスムーズに、かつ高度な体制でスタートさせることを意図しており、さらにはそれぞれ行われる施策を体系的に、根拠を持たせる意味もあります。構想開始までの期間においてアクションプランを策定することについての御見解をお聞かせ願います。
これで1回目の質問を終了させていただきます。

議長(高間専逸君)

角田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

角田議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、市有地売却媒介制度の導入に関し、公民連携強化・民間力活用を目的とした市有地売却媒介制度の導入についてでありますが、媒介制度とは、公有地を売却するに当たり、自治体から依頼を受けた不動産関係業者が媒介して買い主を探し、自治体と買い主との間で売買契約が締結された際には、自治体から業者に対し、売買価格に一定率を乗じた成功報酬を支払う制度であります。
近年、全国的に見ても、公有地を売却する手法の一つとして、公営の土地区画整理事業における分譲宅地や工業団地用地などを売却する際に、媒介制度を活用する事例があることは、市としても承知しております。市は、これまで、財源確保の一環として、具体的な利活用の見込みがない土地などを計画的に売却しており、概ね順調に推移しております。
このことから、市有地を売却するに当たり、成功報酬の支払いを伴う媒介制度を活用するような事例は、現在のところ想定されないものの、議員お示しのとおり、民間との連携により市有地の早期売却を促すとともに、市の労力や経費の縮減につながるといったメリットがありますことから、市有地を売却するための手法の一つとして、媒介制度の先進事例を調査・研究してまいりたいと考えております。
次に、市関連施設におけるテナント募集の媒介制度等の創設に対する見解についてでございますが、テナントを募集している市関連施設の一つでありますえべつみらいビルにつきましては、市が借り受けている3階、4階のうち空室部分について、江別駅前地区の活性化のため、一日も早く入居企業を決めたいと考えております。そのため、現在、市が企業に直接アピールする企業誘致活動のほか、広く情報を得るために、不動産会社等の民間事業者にも協力を求めているところでございます。
民間事業者との情報交換におきまして、一般的に進出先を探している企業の情報を、民間事業者を介して入手するためには、仲介手数料や成功報酬といった対価が必要であり、自治体の中には媒介制度等を設けている事例があるとの指摘を受けているところであります。
このため市では、独自の媒介制度を持つ自治体のほか、情報提供に対する報酬や企業誘致推進員の活動支援金制度を設けている自治体の取り組みについての情報収集や、制度のあり方についての研究を始めているところでございます。
いずれにいたしましても、企業誘致の推進に当たり、媒介制度等による民間事業者を介した情報入手は有効であると認識しておりますことから、江別の実情に合った制度、導入方法などについて検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、江別版生涯活躍のまち構想に関し、構想の開始時期の延期による影響についてでありますが、江別版生涯活躍のまち構想は、江別市の人口動態や市民アンケート、医療介護の状況や大学の集積などの分析を踏まえ、江別市民が生涯にわたり、多様な主体と交流しながら、安心して市内で生活できるよう、生涯活躍のまちの形成を目指すものであります。
構想の策定に当たりましては、数年程度の将来を見通した上で策定したものではありますが、最短のスケジュールでは、今年度、道立高等養護学校の配置方針が示された場合、土地の所有者である北海道との協議に入ることができると見込んでいたところ、現段階では実現に至っていない状況にあります。
市といたしましては、道立高等養護学校の誘致のおくれが、今後の構想の推進に影響が生じることを懸念しているところでありますので、引き続き北海道への働きかけを行い、早期実現に努めてまいりたいと考えております。
次に、道立高等養護学校誘致を実現するために構想を早期に一部実施することについてでありますが、江別版生涯活躍のまち構想では、道立高等養護学校の誘致を核とする拠点地域の整備が最優先事項となっておりますが、空き家や商店街の活用、大学・自治会と連携した生涯学習機会の確保などのソフト面につきましては、拠点地域の進捗にかかわらず取り組んでいく必要があると考えております。今年度は、まず地域住民を対象とした研修会を実施することにより、構想への理解の醸成を図っているところでありますので、今後におきましても、自治会等と相談しながら、ソフト面の環境づくりに向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、構想開始までの期間における基盤整備のためのアクションプランの策定についてでありますが、江別版生涯活躍のまち構想につきましては、土地の所有者である北海道との協議・検討が前提となっております。
現在、道立高等養護学校の誘致活動に関しましては、北海道教育委員会と協議や情報交換を継続しているところでありますが、引き続き、自治会等の関係者との意見交換などを通じ、地元と認識を共有しながら、北海道への要請を行うなど、構想の推進に向けて努力してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもってお答え申し上げます。

総務部長(齊藤俊彦君)

私から、職員提案制度の見直し状況について御答弁申し上げます。
まず、提案主体である職員の意見集約についてでありますが、平成29年第1回定例会において、裏議員からの一般質問を受け、職員が提案しやすくなるよう職員提案制度を見直していく旨、御答弁申し上げたところであります。
議員お尋ねの職員提案制度に対する職員意見の集約につきましては、制度の見直しに当たって、本年7月に行った庁内電子掲示板による職員アンケートでは、全職員の約75%から回答が寄せられ、記入された意見の主なものとしては、制度の手法、提案方法等についてのハードルが高い、小さな業務改善などについては非常に提案しにくい、ほとんどの職員は無関心であると感じるといった意見があり、提案の敷居が高いこと、職員提案の仕組みが職員に知られていないことが明らかとなったことから、見直しに当たっては、これらの点を改善していくことが課題であると認識したところであります。
次に、インセンティブの考え方についてでありますが、現行の職員提案制度では、採択された提案につきましては、市長が提案者を表彰するとともに、褒賞として図書券を授与しており、この結果の全庁周知も行っております。過去にも褒賞額の改定を行うなど、インセンティブにつながる制度の見直しに努めてきておりますが、今回の見直しでは、表彰対象についても検討を行い、従前の政策提案型のものに加え、新たに設ける業務改善型の提案についても、すぐれた者を表彰することとしたところであります。
いずれにいたしましても、優秀な提案を行った職員を表彰し、提案内容とともに結果について全職員に周知することが職員の提案意欲の向上につながっていくものと考えております。なお、現在、人事評価につながる仕組みとはなっておりませんが、これについては、今後、どのような形がとれるのか研究してまいります。
次に、提案しやすい環境づくりの考え方についてでありますが、今回の見直しに当たっては、職員アンケートによって意見を集約し、その内容を取り入れたほか、先進市の事例調査を行うなど、検討を重ねてまいりました。今回の見直しでは、その結果を反映させ、業務改善に関する提案を表彰の対象とし、電子メールによる直接の応募や書類審査を可能とするなど、職員が提案しやすい環境を整備することを主な内容としております。また、見直した後、職員提案マニュアルと事例集を作成し、全職員に周知する予定としております。
次に、政策実現に向けたプロジェクトと、職員同士が意見交換する場についてでありますが、当市におきましては、これまでも若手職員を対象とした、グループで意見を出し合いながら、実践的に政策提案を行う政策形成基礎研修やふるさと納税に関して論議する庁内検討会などを組織横断的なプロジェクトとして実施した実績がございます。議員御質問の職員提案の実現に向けた検討につきましては、今回の職員アンケートにおいて、職員提案の実現を求める意見が複数あったことを踏まえ、論議を重ねながら職員提案制度の見直し案を取りまとめております。
また、職員が意見交換する場につきましては、職員が日ごろから政策を論議する上で、有効な手段であると認識しておりますが、交流スペースにつきましては、今回の職員アンケートにも要望がなく、現在の庁舎内に設けることも難しいことから、今後、本庁舎建てかえに向けた庁内ワーキンググループにおいて論議をしてまいりたいと考えております。
今後におきましては、見直した制度を広く職員に周知し、さらなる職員提案の活性化に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

生活環境部長(高橋孝也君)

私から、エンディングプラン・サポート事業の導入についてのうち、身寄りがない等の理由による公費での直葬などの実情と高齢者等からの葬儀等の相談の有無について御答弁申し上げます。
墓地、埋葬等に関する法律において、死体の火葬を行う者がないとき、または火葬を行う者が判明しないときは、死亡地の市町村長が行うことと定められております。火葬に係る費用等につきましては、死亡者の所持金から支払うことになりますが、不足する場合は、市が一時的に負担することとなっております。この市の負担分につきましては、北海道に請求し、後日、負担金として全額交付される取り扱いとなっております。
次に、市が直接火葬を行った事例についてでありますが、今年度はこれまでのところありません。過去3年では、平成26年度は1件、平成27年度は3件、平成28年度には4件発生しております。また、高齢者などからの亡くなった場合の葬儀に関する相談でありますが、市の市民相談所や江別市社会福祉協議会のくらしサポートセンターえべつには、年に数件程度、相談がある状況でございます。
以上であります。

健康福祉部長(真屋淳子君)

続いて、私から、エンディングプラン・サポート事業の導入に対する見解について御答弁申し上げます。
この事業は、ひとり暮らしで身寄りがなく、経済的にゆとりのない高齢の市民が、自身の葬儀や納骨、リビングウィル(延命治療意思)の有無などの心配事について市に相談や登録を行い、登録した方が費用を負担して葬儀社と生前契約を締結するものであると認識しております。
高齢化率の上昇や独居高齢者の増加は、当市におきましても課題であると認識しておりますが、既に同様の終活支援を行っている民間事業者があることや、自治体において実施しているのは全国で2市と聞いており、相続等の法的な課題も想定されますので、今後、これらの実施状況等を注視してまいりたいと考えております。
以上であります。

角田 一君

それでは、順番に要望、再質問を行っていきたいと思います。
件名1、市有地売却媒介制度の導入についての項目1につきましては、要望とさせていただきます。
この制度のメリットは御理解いただいているようですので、必要なときに即導入できるよう調査・研究を行っていただきたいと思います。現状として江別市の不動産売買の動向は改善していると思われますが、今後の景気動向はいかんせん不鮮明なところもあります。
現状のRTNパークにしろ、今後供給されるであろう(仮称)江別東IC特定流通業務施設用地にしろ、各市町村が特色を出しながら地方創生を進めている現状では、スピード感という言葉だけではなく、利用できる手法を一つでも多く準備しておく必要があると考えますので、御検討をよろしくお願いいたします。
次の項目2につきましても要望になります。
この項目のテナント募集についても、さきの項目1の考え方と同様です。えべつみらいビルについては、より民間力を活用できる方策の早急な導入をお願いいたします。これは、新規予算も必要となりますが、早急にテナントを埋めることが喫緊の課題であることを担当部局も、財政部局もよく御理解いただきたいということで要望させていただきます。
職員提案制度の見直し状況につきましては、3項目一括して要望をさせていただきます。
現在、見直しのプランがある程度固まってきている中で、いかにこれが活用されるようにしていくかです。恐らく、制度見直しの当初は一定量の提案が出てきて、ある一定までいくとまた減ってくる。そう考えると、職員の力を生かすためにはどのようにしていくか、常に検討していただきたいと思います。これは、ふざけた話ではなく、実際になかなか部局を越えて話す場所がないですし、そういう雑談の中からもアイデアが生まれてくるので、そういうことをいかに提案につなげていくかという環境が必要だと考えています。ほかの市町村での庁舎改築、さらにはフロアの考え方の際に、職員提案をどのように生かしていくかというよりも職員のアイデアをどのように生かすかというフロアづくりを研究されて、庁舎を改築されている事例も実際にあります。そういうことも、今進めているワーキンググループ内で検討していただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、エンディングプラン・サポート事業の項目2につきまして、再質問をさせていただきます。
1項目めの答弁では、一定程度の直葬があり、その身元引受人の確認や実際の直葬に関する業務を職員が行っている。さらには、高齢者からの葬儀に係る相談も市の市民相談所や江別市社会福祉協議会のくらしサポートセンターえべつにあるとのことでした。
これらの業務負担を軽減し、また市民、特に低所得者の不安を少しでも解消させ、死に当たっての問題を少しでも軽減させるための事業として提案をさせていただいております。
答弁では、同様の終活支援を行っている民間事業者があるとのことですが、確かに民間葬祭事業者の多くが、終活プラン支援を既に実施しています。しかしながら、会員を中心に行っている事業であり、低所得者はその会費、積立金の支払いの問題もあるため、対象とされないこともありますし、市や関係する公的機関が相談を受けた場合に特定の業者を紹介できない以上、解決に向かうことができないことも想定されます。また、相続等の法的な課題も想定されるとのことですが、終活のプランを立てる際に事前に民間葬祭業者と確認する事項でもあり、神奈川県横須賀市や神奈川県大和市の当該事業でも、問題となっているとは聞いておりません。
そこで再質問ですが、答弁にあった相続等の法的な課題をどのような状況で想定しているのか、そしてこの事業にどのような課題があるとして消極的な答弁になったのかお聞かせ願います。

健康福祉部長(真屋淳子君)

再質問に御答弁申し上げます。
エンディングプラン・サポート事業の導入に対する見解についてでありますが、相続等の法的な課題が生じる可能性といたしましては、例えば、身寄りがないとして登録した方が、亡くなった後に親族があらわれて、相続等の申し立てがあった場合などを想定しているところであります。また、この事業では、登録者本人の希望に応じ、安否確認を実施するなど、市の相談体制の確保などの課題も想定されるところであります。
いずれにいたしましても、この事業を実施している自治体は全国で2市と少なく、事業の執行件数も少ないことから、今後、先進市の取り組み状況について情報収集に努めてまいりたいと考えております。
以上です。

角田 一君

恐らく、とても真剣に考えて、導入した場合にどうなるのだろうと想定していただいたから、こうした認識のずれが出ているのかと思っています。
相続の申し立てについては、これまでの身元引受人が当初判明せず、直葬した後に判明した場合も含めて、これまでも生じてきた話ですし、実際にはそういったことを事前に防ぐことで、負担の軽減を図ることができると考えます。
また、安否確認、見守りについては、既存の愛のふれあい交流事業などに、葬祭事業者がエンディングプラン策定の際に登録を勧めることでも解消されます。市がやることではなく、自治会がやるということになります。相談体制についても、あくまでも当初のマッチング作業の担当を決定することでシステム的な運用が可能だと考えています。言いかえると、この経費についても、あるいは内容についても、あくまでもマッチング事業であって、市のほうで新しい業務がふえることはほとんどないです。民間の葬祭事業者をうまく活用しながら、そういった低所得の高齢者の不安感をなくしていこうという事業であり、そうしたことから利点が多い事業だと考えますので、きちんとした情報収集からの検討を要望いたします。
次に、件名4の江別版生涯活躍のまち構想について、項目1に対しての要望となります。
数年程度を見通した上で策定された道立高等養護学校の誘致のおくれが、今後の構想の推進に影響が生じることを懸念している。引き続き、北海道への働きかけを行い、早期実現に努めてまいりたいと考えておりますとの御答弁でありました。
懸念の一つには早期実現されるか、さらには、財政状況の悪い北海道がその跡地や周辺の道有地に対して、このままの状況で維持するのか、あるいは現在住まわれており、この構想の実現を期待している方が、いつまでその構想実現を期待すればよいのかという心理的な側面もあろうかと考えます。住まわれている方にとっては、少しでも早く生涯活躍できるまちづくりが行われることが大切なことであり、誘致時期にかかわらず望むことと考えるところです。
その意味も含めまして、項目2について再質問をさせていただきます。
ソフト面の環境づくりに取り組むとして、これから行われる事業等では、どの計画に基づいて行われるのかお聞かせ願います。
実際、総合計画を初め、構想に組み込まれているソフト事業を行う上で、関連しそうなほかの計画を当てはめることができないこともないと判断できるのですが、それぞれの事業の到達目標が江別版生涯活躍のまち構想の実現のためであるのなら、構想に基づいたものであるべきと考えます。その意味で、答弁にあった環境づくりは、構想を一部先行実施すると理解してよいのか、それとも構想実現に資するが別の計画に基づくものであるのかお聞かせ願います。

市長(三好 昇君)

再質問にお答え申し上げます。
ソフト面の環境づくりは構想に基づいて取り組まれているのかとの御質問でありますが、江別版生涯活躍のまち構想の実現に向けては、拠点整備の進捗にかかわらず、地域の理解を醸成するための研修会など、早期に取り組めるものから着手しているところであります。また、今後の道立高等養護学校誘致の進捗に従い、商店街、自治会、大学等との連携に向けた協議などに取り組んでいく必要があるものと考えております。
このことから、これらの取り組みは、構想に基づき、可能なものから段階的に進めていくべきものであると考えております。
以上でございます。

角田 一君

それぞれのソフト面を含めて、構想に基づいて進めており、可能なものから段階的に進めていくものとの答弁をいただきました。
できるだけ多くの取り組みをしていただきたいと思います。例えば、大学との連携も既に大麻銀座商店街を含めて、さまざまな取り組みがなされており、これを江別版生涯活躍のまち構想にうまく組み込んでいく予定だと思います。そういったものが実際に動き始めているという現状の中では、この構想が進められているということが見えることが大切です。実は多くの方がこの構想に基づいて事業が進められているのか、道立高等養護学校が来なかったらこの事業は全くないのかといった誤解をしている面もあるかと思っています。今回の答弁にありましたように、一部先行実施が構想に基づいて行われていると市長がはっきりと答弁していただいたことに、その地域のこれからの開発、活動がより活発になるという意味で、感謝と敬意を表させていただきます。本当にこの構想が早期実現し、そして大麻エリアの再生につながるよう期待いたしまして、今回の一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

議長(高間専逸君)

以上をもって、角田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
吉本和子議員の奨学資金貸付金についてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

吉本和子君

通告に従い、順次質問をさせていただきます。
初めに、件名1、江別市の奨学資金貸付金についてお伺いいたします。
項目1、江別市の奨学資金の貸し付け状況と課題についてお考えをお伺いいたします。
子供の貧困にかかわる問題については、この間、何度かお伺いしていますが、当市の実態はなかなか明らかになっていないところです。しかし、全国的には、2015年の子供の貧困率は13.9%と、いまだに7人に1人の子供が貧困状態にあると厚生労働省が公表しています。
北海道が実施した北海道子どもの生活実態調査結果報告書の子供の教育の項目の中で、就学援助の受給状況について、就学援助を受けているのは全体では18.9%、年収階層別では年収100万円以上200万円未満世帯で70.1%、年収200万円以上300万円未満世帯で60.5%となっています。その一方、就学援助を受けていない理由で、申請の仕方がわからなかった、就学援助を知らなかったを合わせると年収100万円以上200万円未満世帯で16.3%、年収200万円以上300万円未満世帯では17.7%となっているとのことです。
また、同じくこの調査では、高校2年生を対象としたアルバイトについての質問に対し、全体で18.4%がしていると答えていますが、年収500万円未満までの世帯では平均25%、また、アルバイトの理由については、友人とのつき合い、趣味などが70%程度の一方、生活費のためが24.2%、授業料のためが13.5%、教材費のためが15.3%となっており、特に、年収400万円未満世帯では授業料、教材費、家族を支えるためと回答する割合が高く、年収が低い世帯ほど、学業や家族のためにアルバイトをする子供が多くなっているとしています。
また、大学進学等についての調査では、希望する進学先を高校までと答えた高校2年生のその理由については、進学に必要なお金のことが心配だからが全体で45%、特に年収400万円未満世帯では5割を超え、進学に必要なお金や家族の生活なども進路の選択の要素になっていると指摘しています。さらに、教育を受けさせるためのお金の準備状況について小学5年生と中学2年生の保護者に聞いていますが、全体では既に準備ができているが3.7%、貯金や学資保険などの準備を始めているが48%、めどがついていないが28.8%、特に年収400万円未満世帯では、めどがついていないが平均4割以上と高くなっています。また、奨学金を利用するは全体で15.9%、年収400万円未満世帯では20%以上とやはり高くなっています。
この北海道の調査結果から当市の現状を考えてみると、例えば、小学生、中学生を合わせた就学援助の受給状況について、江別市の教育に示されている過去5年間の推移の資料から受給率を計算すると、平成24年度の24.6%から年々減少し、平成28年度は21.1%と、この5年間で3.5%の減少となり、子育て世帯の稼働収入の増加の影響とも言われていますが、それでも全道平均から比べると高い受給率となっています。その一方、北海道の調査で指摘されていたように、この制度がいまだに対象となる世帯に十分に知らされていないのではないかということの検証もあわせて当市でも必要と考えます。
その中で、中学生の就学援助受給率の推移も全体と同様で、平成28年度は21.3%、679人、平成27年度は23%、747人となっていますが、高校進学に際して当市の奨学資金の貸し付けを利用している件数は平成28年度で選定者9人のうち、高校1年生は3人のみとなっています。
この制度は、高等学校の就学能力があるにもかかわらず、経済的理由により就学困難な高等学校生徒に対し、その就学に必要な資金の一部を貸与し、ひとしくその能力に応じた教育を受ける機会を与えることを目的に、昭和41年度から実施され、平成16年度より公立高校で月8,000円、私立高校で月1万8,000円の奨学金を貸し付けています。
しかし、その利用状況について、江別市の教育にあるこの10年間の推移では、高校1年生では平成20年度の11人をピークに平成26年度、平成27年度は2人、平成28年度は3人と減少傾向が続いています。この間、高校等への就学支援については、平成26年度以降、所得制限の導入などさまざまな課題が指摘されているものの、公立、私立ともに高等学校等就学支援金制度や高校生等奨学給付金制度などが整備され、一定の効果はあると言われていますが、保護者からはそれでも不十分という声をお聞きします。
このような中で、江別市の中学生が安心して高校へ進学できることを保障する制度として、奨学金の利用は重要なものと考えますが、現状の利用実態はそうはなっていません。現状の貸し付け状況についてどのようなお考えをお持ちか、あわせて、このような貸し付け状況となることの課題についてはどのようにお考えになっておられるのかお伺いいたします。
項目2、現行の貸し付けから給付への変更に向けた検討についてお考えをお伺いいたします。
貸与型の奨学金については、特に大学生の場合、奨学金という借金が若者の未来を押し潰すと言われ、大きな社会問題になっています。ある報道では、平均的なケースで300万円、大学院進学などでは1,000万円もの借金を背負って社会人としてスタートを切り、しかし、非正規雇用の増大などで卒業後の雇用・収入は不安定と指摘し、また、この間の総務省の調査では、30歳代から50歳代の3分の1以上が年収300万円以下の賃金で働き、その結果、既卒者の8人に1人が滞納や返済猶予になっているとしています。さらに、文部科学省が設置した学生への経済的支援の在り方に関する検討会でも、貸与型奨学金の返還の不安を解消していくことが重要などの報告書を提出しているということです。そのような中、今国会でも対象はかなり限定的で、しかも財源を消費税増税に求めるなど問題はありますが、国民の声に押され、給付型奨学金の拡大等が検討されています。
しかし、現状について大学生からは、多額の借金をおそれ、借りたくても借りないで我慢する、高校生のときに借りているから、ふえるのは恐ろしいので借りないで、深夜までアルバイトをするなどの生活に追われているという声もお聞きします。
当市で実施している高校生への奨学資金貸し付けは無利子であり、返還期間も原則10年間、大学等へ進学する場合は返還開始年の延長もできるということですが、それでも、高校教育を受けるための借金となることに変わりはありません。現行の制度は、貸付金の原資は償還金で賄っているとのことですが、近隣市の中では、給付制にして、当市と比べ多くの高校生が利用しているともお聞きしております。
本来、教育を受ける権利を保障するための奨学金が若者の借金となる貸し付けではなく、給付へと変更することを検討するべきと考えますが、いかがかお考えをお伺いいたします。
次に、件名2、市営住宅の敷金減免制度についてお伺いいたします。
項目1、敷金減免と家賃減免との関連についてお伺いいたします。
公営住宅法第1条では、この法律は、国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、または転貸することにより、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とすると明記しています。
その上で、第16条第4項では、事業主体は病気にかかっていること、その他特別の事情がある場合において必要があると認めるときは、家賃を減免することができる。第18条第1項では、事業主体は公営住宅の入居者から3カ月分の家賃に相当する金額の範囲内において、敷金を徴収することができる。さらに、第2項では事業主体は病気にかかっていること、その他特別の事情がある場合において必要があると認めるときは敷金を減免できると低所得者への減免等について示しています。
事業主体である江別市も江別市営住宅条例第15条で家賃の減免または徴収猶予を、第17条第1項では敷金の額を、第2項では敷金の減免または徴収猶予を規定し、さらに、江別市営住宅条例施行規則では減免の基準や敷金の上限額などを示しています。住宅に困窮する低所得者にとっては、収入に応じた家賃や敷金設定であることは何よりも安心なことであり、そのことが広く周知されることが求められます。
家賃等の減免の基準について、江別市営住宅条例施行規則第27条では、江別市営住宅条例第15条に示されている病気・失職・その他の事由によって著しく生活困窮の状態にあるとき、市長が認定した入居者の収入(認定収入月額)の生活保護基準の最低生活費に対する割合が13割以内である場合、100分の10から100分の100の範囲で減免することとなっています。このことは、入居申し込み時に既に所得等は把握されており、この減免基準に合わせて減免後の家賃が入居後の負担すべき家賃となるものと考えます。
その結果、敷金については、入居時の減免後家賃をもとに計算されるものと考えますが、いかがでしょうか。入居決定後の敷金について、市民の方々から減免されないという御相談も多く聞かれます。敷金減免と家賃減免との関連についてお考えをお伺いいたします。
項目2、市営住宅の敷金減免制度の利用状況についてお伺いいたします。
一般的に敷金とは、賃貸物件の契約をする際、家賃の数カ月分を借り主が貸し主に事前に預けておく保険金のようなものと言われ、家賃を滞納した場合の保険金としての役割のほか、退去時に部屋を入居前の状態に戻す原状回復のための修繕費として使われ、残った敷金が借り主に返還されるという仕組みということです。市営住宅の敷金についても、同様の目的で徴収されるものと考えますが、民間の賃貸物件との違いは対象者が住宅に困窮する低所得者層であることで、生活困窮の程度に応じた負担としなければなりません。家賃減免申請については、きめ細かく対応されているとお聞きするところですが、敷金減免については、どのような利用状況でしょうか、お伺いいたします。
項目3、敷金減免制度の周知についてお伺いいたします。
敷金減免要件について調べてみますと、沼田町の沼田町公営住宅条例施行規則では、その一つに家賃の減免の要件に該当するとき(生活保護は除く)とし、家賃の減免の要件の区分に応じて、減免する額を家賃から減じた後の2倍に相当する額まで減額となっています。同じように、福島県相馬市の相馬市営住宅家賃若しくは敷金の減免又は徴収猶予実施要綱では、減免後の敷金は減免後の家賃の3カ月分とするとなっており、どちらもわかりやすく、入居者の方々も納得できるものと考えます。
当市の市営住宅入居者募集案内パンフレットでは、入居資格の収入基準や家賃を決めるための月額所得金額の算出などは詳しく示されていますが、敷金については、入居決定後の手続の中で、敷金の納付は家賃の3カ月分(上限6万円)に当たる敷金を納入していただきますと記載されているのみとなっています。入居決定後に詳細な説明がなされると思いますが、入居申し込みの時点で上限6万円の敷金を払わなければならないと思ってしまう方も少なくありません。
敷金の減免制度について、沼田町や福島県相馬市のように、当市の施行規則も具体的な表現にすればさらに理解しやすくなりますし、何よりも、敷金も家賃と同じように減免できることの周知が広がることは、公営住宅法の住宅に困窮する低所得者に対し、低廉な家賃で賃貸することそのものを保障することにもなります。敷金減免制度について、さらに周知が必要ではないでしょうか、お考えをお伺いいたします。
次に、件名3、認知症に関する施策についてお伺いいたします。
項目1、徘回症状のある認知症高齢者の行方不明等の現状についてお伺いいたします。
高齢化の進展に伴い認知症高齢者は2025年には全国で700万人を超え、65歳以上高齢者の5人に1人が認知症になると推計されています。現在策定中の江別市高齢者総合計画では、当市の65歳以上高齢者のうち、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準の判定ランク2以上の方は、平成25年3月末で3,087人、平成27年3月末で3,436人、平成29年3月末で3,541人と年々増加し、平成33年度には3,860人に増加すると推計しています。
江別市版認知症ケアパスでは、主にアルツハイマー病を例に、認知症が発症した時点から進行していく生活機能障がいに沿って、いつ、どこで、どのような医療や介護サービスを受ければいいのか、サービスの流れを体系的に整理していますが、その中で、認知症の進行と主な症状の例として、認知症の中期から後期には、日常生活全般に手助けや介護が必要となり、主な症状の一つに外出して一人で家に帰れなくなる、徘回とあります。
平成29年6月の警察庁発表の平成28年における行方不明者の状況によれば、全国で認知症またはその疑いによる行方不明者は1万5,432人、さかのぼって見れば、平成27年は1万2,208人、平成26年は1万783人、平成25年は1万322人と増加の一途をたどり、特に平成28年は前年比26.4%増とのことです。
このような中で、当市の認知症高齢者の行方不明等の現状については、どのような認識をお持ちかお伺いいたします。
項目2、徘回高齢者SOSネットワークシステムの利用状況と課題についてお伺いいたします。
徘回とは、認知症そのものによる見当識障がいや記憶障がいなどの中核症状による影響、さらにストレスや不安などが重なって絶えず歩き回ることとされ、客観的には目的不明に見えても御本人にとってははっきりとした目的があることが多いと言われています。しかし、外に出ての徘回は事故や行方不明という危険な事態になりかねません。特に、認知症が進行した状態では、自分の名前や住所なども的確に伝えられないことも多く、さらに徘回の範囲が広がり危険な事態に進んでいくことも危惧されます。
江別市、石狩市、当別町、新篠津村の江別保健所管内の4市町村による徘回高齢者SOSネットワークシステムができてから既に18年がたち、この間、協力団体などをふやし、早期発見・保護に努力されているとお聞きしておりますが、全国的な調査結果を見れば、当市においても認知症で徘回症状のある高齢者が行方不明になることがふえていくことは容易に推察されます。
現行の徘回高齢者SOSネットワークシステムの利用状況と、今後ふえていくと言われる認知症高齢者への対応に対する課題について、どのようにお考えかお伺いいたします。
項目3、徘回高齢者個人賠償責任保険事業の実施に向けた検討についてお伺いいたします。
2007年に愛知県大府市で起きた、認知症で徘回中に91歳の男性が列車にはねられ死亡した事故をめぐり、JR東海がその遺族に720万円の損害賠償を求めた裁判は、一審、二審は賠償額の違いはあっても家族に監督義務があるとして支払いを求めました。しかし、2016年、最高裁は家族に監督義務はないとして逆転判決となりました。
当時、認知症の夫を介護していた友人は、ずっと見張っていることもできないし、縛って家から出られないようにするわけにもいかないと、この裁判で監督責任を問われた妻は、いつかの自分かもしれないと言っていました。また、公益社団法人認知症の人と家族の会は、徘回は家族にも鉄道会社にも防ぎ切れない。当事者の責任にするのではなく公的な賠償制度が必要と厚生労働省に社会的に救済する制度をつくるよう求めたという報道もありました。
認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)では、認知症を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進として安全確保が掲げられていますが、今回の事故のような、監督困難な徘回する認知症高齢者がかかわる場合、また、近年急増している認知症の高齢ドライバーによる死亡交通事故など他者加害につながる事件など、安全確保の対策が功を奏しているとは言えない状況です。その責任をどうするかなど、認知症高齢者の事故等への対応については個々の法的紛争という捉え方ではなく、社会全体の問題として考える必要があります。
このような中、神奈川県大和市で、はいかい高齢者個人賠償責任保険事業を開始するという新聞報道がありました。大和市のホームページによれば、認知症による徘回のおそれがある高齢者を被保険者とし、踏切事故など第三者に負わせた損害を補償する賠償責任保険に大和市が保険契約者となって加入。また、本人のけがなどを補償する傷害保険にもあわせて加入するということです。事業の趣旨については、認知症の人の徘回には、偶然の事故などによる本人のけがの危険性だけではなく、踏切事故や他者の財産の破損などで認知症の人が与えた法律上の損害賠償責任が、その家族や監督義務者に及ぶ可能性があるためとし、損害賠償が発生した場合に最大3億円を補償し、被保険者の自己負担はなしという内容です。
大和市は、認知症の人やその家族が安心して暮らせるまちを目指して事業を実施するとしていますが、この先進事例を参考に、当市としても徘回高齢者個人賠償責任保険事業の実施に向けた検討をすべきと考えますがいかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。

議長(高間専逸君)

吉本議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

吉本議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、認知症に関する施策に関連してお答えしたいと思います。
まず、徘回症状のある認知症高齢者の行方不明等の現状についてでありますが、行方不明者の届け出を受け付けしている江別警察署によりますと、いまだ行方不明となっている石狩管内の高齢者は、平成27年に1名、平成28年に1名の計2名と聞いております。
また、警察が保護した高齢者は、平成27年は延べ59名、平成28年は延べ97名、平成29年は10月末時点で延べ79名となっています。捜索・保護に至った経緯は、家族からの依頼のほか、挙動が不自然に感じられた高齢者を見かけた地域住民からの通報によるものも多く、このうち認知症による徘回とされる正確な人数は把握していないとのことですが、市といたしましても、認知症高齢者の増加により、捜索を依頼される高齢者が増加傾向にあると認識しております。
次に、徘回高齢者SOSネットワークシステムの利用状況と課題についてでありますが、江別保健所では、認知症による徘回高齢者や家出人等の捜索を協力機関に依頼するSOSネットワークシステムを運営しており、江別警察署管内で家族から行方不明者の捜索を依頼された件数は、平成27年度は8件、平成28年度は16件、平成29年度は10月末時点で7件となっております。当システムにおける捜索協力機関には、江別警察署を初め、バス事業者やタクシー事業者などの交通機関や郵便局など19団体が加盟しており、それぞれの業務活動の中で、職員等による捜索に関する協力が行われているとのことでございます。
しかしながら、認知症の人を介護する家族によっては、大げさにしたくないという考えや、家族が認知症であることを知られたくないという意識から、民間事業者等が捜索に参加する当システムへの依頼を敬遠するケースがあるなどの課題もあると聞いております。
市といたしましては、当システムの活用について、介護予防教室や認知症サポーター養成講座などを通じて呼びかけていくとともに、広報誌やパンフレット等を用いて、広く市民に対して認知度向上に向けて努力してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育部長ほかをもってお答え申し上げます。

教育部長(渡部丈司君)

私からは、奨学資金貸付金について御答弁申し上げます。
初めに、江別市の奨学資金の貸し付け状況と課題についてでありますが、本市では、昭和41年度から高校の就学能力がありながら、経済的な理由により就学困難な高校生に対し、その就学に必要な資金の一部を貸与する事業を行っております。貸与額は、公立高校の生徒には月額8,000円、私立高校の生徒には月額1万8,000円となっており、中学3年生の保護者を対象に奨学資金の案内を配付し、もれなく全員に周知を図ってきたところであります。
本市の奨学資金は、過去には年間20名前後の利用者がいた時期もありましたが、平成26年度以降は10名前後の利用となっております。本市以外の奨学金制度では、平成26年度から国が授業料を支援するため、高等学校等就学支援金制度を導入し、年収約910万円未満の世帯には、公立高校授業料相当額の年額11万8,800円が支給されており、私立高校に通う場合には、さらに、家庭の収入状況に応じて支援金が加算され、年額29万7,000円までの支給を行い、負担の軽減が図られております。
また、北海道でも同じく平成26年度から、授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金事業を導入し、世帯状況に応じて3万2,300円から13万8,000円が支給されているところであります。
このほか、北海道高等学校奨学会や各種団体の奨学金、私立学校独自の給付金制度もあり、高校生に対する支援制度が充実してきたことが、本市の奨学資金制度の利用者の減少に影響しているものと考えられます。
教育委員会といたしましては、国や北海道、各種団体等からの給付金制度が充実してきた中で、本市の奨学資金制度の利用者がなぜ減少傾向にあるのか、まずは、その実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
次に、現行の貸し付けから給付へ変更することの検討についてでありますが、今ほども御答弁申し上げましたとおり、近年の奨学金制度は、国や北海道を初め、各種団体等の給付金制度が整備されており、道内においては給付型の奨学金制度を導入している市もあります。
また、現在、国では、私立高校授業料の無償化の検討も進められていると伺っているところであります。
教育委員会といたしましては、他市の状況も参考にしながら、本市の奨学金制度のあり方について、まずは、実態把握に努め、その結果を踏まえた上で、今後の対応を検討してまいりたいと考えております。
以上です。

建設部長(安藤明彦君)

私からは、市営住宅の敷金減免制度について御答弁申し上げます。
初めに、敷金減免と家賃減免との関連についてでありますが、入居予定者の敷金と家賃につきましては、前年所得に基づき決定し、入居決定通知にてお知らせしているところであります。敷金の減免につきましては、入居予定者から入居前に申請していただくのに対し、家賃の減免につきましては、入居後に申請していただくという違いがございます。
また、敷金は、入居者が退去する際、未納家賃や原状回復の費用に充当する場合が多いことから、御質問の減免後の家賃に基づく敷金の減免は、現時点では難しいものと考えておりますが、他市の減免制度の実施状況などについて、今後、調査・研究してまいりたいと考えております。
次に、敷金減免制度の利用状況についてでありますが、入居決定通知の送付後に敷金の減免についての相談や問い合わせはございましたが、失職、病気、その他の事由により著しく生活困窮の状態にあるときや、災害により著しい損害を受けたときの減免要件に該当する入居者がいなかったことから、過去3年間において利用実績はございません。
次に、敷金減免制度の周知についてでありますが、市営住宅の入居に際しては、入居手続に必要となる書類の提出や敷金の納入方法等について記載した入居決定通知を送付しているところであります。その通知に敷金の減免や分割納付などについても記載し、入居予定者に対し周知を行っているところでありますが、今後におきましては、募集案内にも減免制度について記載するなど、周知に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

健康福祉部長(真屋淳子君)

私からは、認知症に関する施策についての御質問のうち、徘回高齢者個人賠償責任保険事業の実施に向けた検討について御答弁申し上げます。
同事業の実施に向けた検討についてでありますが、近年は、認知症高齢者の増加を受けて、認知症発症後の医療費や生活費等に備える保険や、賠償責任等を保障する個人向けの保険が開発され、複数の保険会社が販売しているところであり、今後は認知症に関する保険が多様化し、普及が進んでいくものと見込まれています。
国は、新オレンジプランにおいて、認知症に関する普及啓発や、認知症の人を見守るサポーターの養成など、徘回等を伴う認知症高齢者に対するさまざまな取り組みを示しているところであり、徘回高齢者個人賠償責任保険については、今後の国の動向や保険の多様化・普及の状況等を注視してまいりたいと考えております。
以上です。

吉本和子君

それでは、2回目の質問、要望をさせていただきたいと思います。
初めに、件名1の奨学資金貸付金について、これは要望とさせていただきます。
項目1の江別市の奨学資金の貸し付け状況と課題については、利用者の減少に影響しているのは高校生に対する支援金制度が充実しているからではないかという御答弁があったかとお聞きしました。先ほど、例として申し上げました、北海道子どもの生活実態調査で、高校生の子供たちのアルバイトの目的が授業料や教材費などにあるという答えが少なからずあることからも、特に所得の低い家庭では、この制度があってもなかなか困難であるということが明らかになっていると思います。
江別市の状況については、実態把握に努めるという御答弁がありましたので、その結果を注視させていただきたいと思います。
次に、項目2についてですけれども、これも同じく実態把握をした上で、今後の対応を検討されるというお考えをお聞きいたしましたので、ぜひ早急に実態把握をしていただいて、給付型への変更をどうするかということも検討の対象にしていただきたいと思います。要望として終わらせていただきます。
次に、再質問をさせていただきたいと思います。
まず、件名2の市営住宅の敷金減免制度について、項目1の敷金減免と家賃減免との関連について、再度お伺いいたします。
御答弁では、家賃減免は入居後に、敷金減免は入居前に申請するということで、二つの減免申請時期にずれがあることを確認いたしました。確かに、江別市営住宅条例をよく見てみますと、家賃の減免または徴収猶予に関する第15条では、主語が入居者になって説明されておりますし、敷金に関する第17条では、入居決定者からという説明になっていました。しかし、減免後家賃での敷金減免については、この申請時期の問題のみではなく、減免後の敷金では、敷金本来の目的である滞納家賃や原状回復の費用が賄えないので難しいという御答弁の中にあったこのことが大きなファクターになっているのかとも思ってしまいました。しかし、本来、敷金は家賃の3カ月分という規定でありますから、その家賃がきちんと収入を反映させたものであることが大前提だと思います。
この家賃について、減免対象となることが明らかな場合は、敷金の徴収猶予などを活用して、入居後の減免家賃で敷金計算をすることについて検討すべきと考えますがいかがでしょうか。再度、お考えをお伺いいたします。

建設部長(安藤明彦君)

再質問に御答弁申し上げます。
減免後の家賃で敷金を計算することの検討についてでありますが、先ほども御答弁いたしましたけれども、敷金減免は家賃減免前に申請をいただくこととなっておりますことから、減免家賃に基づき敷金を減免することは、現制度上、難しいものと考えております。まずは他市の実態把握などを行い、市の対応について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

吉本和子君

最初の質問のときにも申し上げましたけれども、他市の実態把握という点についてはぜひ行っていただきたいということはもちろんなのですけれども、既にそのようにやっているところもあるということを申し上げさせていただきましたので、ぜひ検討していただきたいと思います。
他市の実態把握を行って市の対応を検討したいということについて、早急に取り計らっていただくように期待を込めて、強く要望したいと思います。
続いて、項目2の敷金減免制度の利用状況について、再度お伺いいたします。
この3年間、減免要件に該当する入居者はいなかったという御答弁でした。減免要件について江別市営住宅条例第15条では、御答弁の中にあった第1号、第2号に加えて、第4号、その他第1号、第2号に準ずる特別の事情があるときが減免要件にも入っています。御相談や問い合わせの中には、そのような状況が推察されるようなケースもなかったということなのか、改めて再度お伺いいたします。

建設部長(安藤明彦君)

再質問に御答弁申し上げます。
特別な事情の有無についてでありますが、敷金の減免についての相談や問い合わせの中で、入居予定者の生活状況などをお聞きした上で、前年所得に応じた敷金をいただいておりますことから、過去3年間においては、御質問のようなケースはなかったところでございます。
以上でございます。

吉本和子君

減免の要件については特別な事情ということにもなっていますけれども、いろいろな制度の中にも、特に市長が認める場合、特別な事情という項目が出てきますが、なかなか言葉として具体的になっていません。だから特別な事情と言うのだろうと思うのですけれども、今回、敷金減免について他市の状況を調査していただくということでありますので、特別な事情という減免要件についても、具体的な状況がどうなっているのか、他市の状況もあわせて検証していただければと思います。この点についても要望とさせていただきます。
続きまして、件名3の認知症にかかわることですけれども、2回目の質問をさせていただきます。
初めに、項目1の徘回症状のある認知症の行方不明等の現状について、もう一度お伺いしたいと思います。
警察が保護した高齢者の数が増加傾向にあることを改めて実感いたしましたけれども、保護に至る経緯の中で、地域住民からの通報によるものも多いということでした。それだけ、地域の中でそういう方たちの存在が認知されてきているということなのかと少し安心した部分でもありますけれども、それでも、いまだに行方不明の方がおられるということは、早い段階での保護がいかに重要かということだと思います。行方不明になってからどの程度の時間で保護されているのか、保護されるまでの時間というのは非常に重要だと考えますけれども、そのあたりについて、現状がどのようになっているのかお伺いしたいと思います。

健康福祉部長(真屋淳子君)

再質問に御答弁申し上げます。
行方不明から保護されるまでの時間についてでありますが、江別警察署においても、保護するまでの時間を集計していないとのことであり、また、捜索依頼のあった時刻や保護に至る過程もさまざまであることから、時間的な目安をお答えすることは難しいものと考えております。
以上です。

吉本和子君

保護されるまでの時間は、御答弁にありましたように、時間的な目安を答えるのは難しいということでしたけれども、認知症に限らず、高齢者が行方不明になってしまうということは、これが何時間で保護できたかということが非常に重要なことだと思います。例えば、24時間以内か24時間以上かということは、健康状態だけでなく、ひいては命にもかかわる重要な問題だと思いますので、徘回高齢者SOSネットワークシステムの今後の検証の中で、定期的に検証されていると思いますけれども、この点についても重要な情報になると考えますので、関係機関への協力を改めて求めていただくよう要望しておきたいと思います。
続いて、認知症関連についてですけれども、再質問をさせていただきます。
項目2の徘回高齢者SOSネットワークシステムの利用状況と課題について、もう一度お伺いしたいと思います。
警察が保護した高齢者の数が増加傾向にある中で、徘回高齢者SOSネットワークシステムの利用は、平成27年度は8件で、平成29年10月末で7件ということでした。項目1で明らかになったように、保護された高齢者の数との比較をすれば、単純計算で平均1割程度が徘回高齢者SOSネットワークシステムを利用していることになるかと思います。
一刻も早い段階の保護が、大きな事故に遭うことや行方不明とならないことにつながりますから、このシステムがさらにきめ細かいネットワークでつながることが求められるのではないかと思います。
御存じかも知れませんが、市内には、医療・福祉・介護の専門職や有志の市民で立ち上げた独自のネットワークがあるとお聞きしております。そのホームページからは、この活動は高齢者や障がい者等が徘回した場合に備え、捜索を行うためのネットワークづくり、徘回捜索を行うための模擬訓練等の開催等となっていました。さらに、認知症高齢者等事前登録システムを使って高齢者等の情報を登録しておくことで早期発見に役立てられると説明しています。
今ある徘回高齢者SOSネットワークシステムに、このような民間で実施しているシステムを活用することで、よりきめ細かなネットワークをつくることができるのではないかと考えますし、ひいてはそれが徘回高齢者SOSネットワークシステムの利用拡大にもつながると思いますが、いかがか再度お考えをお伺いいたします。

市長(三好 昇君)

再質問にお答え申し上げます。
徘回高齢者SOSネットワークシステムと民間で実施しているシステムとの連携についてでありますが、行方不明者の捜索に当たっては、捜索協力者が個人情報等を共有することから、情報管理のあり方というのが非常に大事であります。特に、家族の方が安心して依頼できる体制が整備されている必要があると考えております。
市といたしましては、徘回高齢者SOSネットワークシステムの認知度向上に向けて、現在も努力しているところでありますが、民間のシステムとの連携につきましては、まずは、所管する江別保健所と相談してまいりたいと考えております。
以上でございます。

吉本和子君

3回目は要望とさせていただきます。
この件に関して、1回目の御答弁では、家族が大げさにしたくないですとか、認知症であることを知られたくないということでこのシステムへの依頼を敬遠するケースがあるということを聞いているという御答弁でした。今、2回目の御答弁では、家族が安心して依頼できる体制が整備されている必要があると御答弁されました。では、このような問題を一体どうすればいいのかということになると思いますけれども、徘回高齢者SOSネットワークシステム自体ができてから随分久しくなりますし、このような検討が必要かと思います。
石狩振興局のホームページでは、石狩地域認知症見守りSOSネットワーク会議を開催するというお知らせもありましたので、定期的な検討がされているのかと思います。ただいま市長は、江別保健所と御相談をされるとおっしゃいましたけれども、市としても認知症高齢者が安心して暮らせるために、民間との協力についても積極的に働きかけをしていただくように要望したいと思います。
続いて、項目3について再質問をさせていただきます。
徘回高齢者個人賠償責任保険事業の実施に向けた検討について、再度お伺いいたします。
国や民間保険の動向を見たいというような御答弁だったかと思うのですけれども、国も民間の個人賠償責任保険の利用・普及を図るという方針だとお聞きしております。
最近、このような保険はどうなのかということを新聞やインターネットで調べてみましたら、例えば、個人賠償特約というものがありまして、電車等運行不能賠償追加型特約となっていました。特約部分の保険料は、この保険では年間2,000円程度とのことでした。しかし、そもそもは本体が火災保険でした。火災保険に入ってこの特約を利用しなければならないというようなものでありました。ですから、当然新たに多額の保険料負担が生じるということになります。認知症を抱えている多くの高齢者の方たちは、年金で暮らしている方がほとんどだと思われますので、とてもこの年齢で新たな保険に入ることなどはできないと私の友人も言っていました。今の民間だけに頼っている現状ではどうなのかと思いました。新聞報道では、兵庫県神戸市が、認知症高齢者が徘回したり、火事を起こしたり、他人にけがを負わせた場合などを想定した公的な救済制度を検討中とありました。国の政策では、地域で暮らさざるを得ない認知症高齢者がどんどんふえ続けています。施設から在宅へ地域包括ケアシステムもありますけれども、そうであればなおのこと安心安全に暮らせる地域づくりの一つとして、市としての公的な救済制度を検討する必要があると思うのですけれども、改めてお考えをお伺いいたします。

健康福祉部長(真屋淳子君)

再質問に御答弁申し上げます。
徘回高齢者個人賠償責任保険に対する公的な制度の検討についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、近年は、認知症高齢者の増加を受けて、賠償責任等を補償する個人向けの保険が民間保険会社から販売されているところであり、今後は、認知症に関する保険が多様化し、普及が進んでいくものと見込まれています。
個人賠償責任保険に対する公的な制度については、今後の国の動向や保険の多様化・普及の状況等を注視してまいりたいと考えております。
以上です。

吉本和子君

御答弁は先ほどとほぼ同じかとお聞きしましたので、3回目は要望とさせていただきます。
先ほど御紹介させていただいた兵庫県神戸市の例ですけれども、きのうインターネットで調べていましたら、検討中であった、神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例というものをつくって、きょうからパブリックコメントを始めるというニュースが載っていました。このホームページには、認知症の人とその家族のよりよい生活を実現するために必要な支援を受けられるように、まち全体で支えることが必要ですと明確に市の考えを示していました。同条例の基本理念は、誰もが認知症になり得ることを踏まえとあります。認知症の人の意志が尊重され、地域の力を豊かにすることによって、住みなれた地域で自分らしく暮らし続けることができるまちづくりを目指すとしておりまして、その主な取り組みの一つとして、先ほど御紹介いたしました事故に関する救済として、検討中であった認知症高齢者が起こした事故に関する事故救済制度もこの中で明らかにされていました。
この神戸市のホームページで見た、誰もが認知症になり得るということは、江別市にとっても全く同じ状況だと思います。誰もが認知症になり得るのだという認識をみんなが持って、認知症高齢者の介護を、今の家族責任を最優先にするのではなく、まち全体で支えることが求められていると思います。その点では、今質問させていただきました徘回高齢者個人賠償責任保険事業というような公的な支援制度について、この事業も含めて検討していただくように要望して、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

議長(高間専逸君)

以上をもって、吉本議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
徳田哲議員の民法の大幅な改正による影響と、それに対する市としての取り組みについてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

徳田 哲君

ただいま議長に発言の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
初めに、民法の大幅な改正による影響と、それに対する市としての取り組みについてお伺いいたします。
本年5月26日、民法の一部を改正する法律が参議院で可決・成立し、6月2日に公布されました。施行日については、原則として公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日とされておりますが、具体的な施行日は決まっておりません。しかし、法務省のホームページを見ますと、2020年の施行を目指して準備を進めるとの記載があります。
民法は、制定された明治29年から実質的な見直しが行われないまま120年以上が経過しておりました。この間、我が国の社会・経済は大きく変化しており、取引に関する最も基本的なルールを定めている民法の規定を、社会・経済の変化に即したものとする必要がありました。また、民法が定める基本的なルールの中には、裁判の判例や取引実務で通用していても、条文からは読み取りにくいものも少なくなかったため、法律の専門家ではない国民一般にとってわかりやすいものとすることが求められてきました。
そこで、今回の改正では、民法のうち債権関係の規定について、取引社会を支える最も基本的な法的基礎である契約に関する規定を中心に、社会・経済の変化への対応を図るための見直しを行うとともに、民法を国民一般にわかりやすいものとする観点から、実務で通用している基本的なルールが適切に明文化されました。
改正の項目は、小さいものも含めると全部で200程度となり、大変多岐にわたっております。その分、行政や市民生活に与える影響も少なくないと考えられることから、今回、以下の何点かについて質問をさせていただきます。
現行の民法では、債権は原則として、権利を行使することができるときから10年間行使しないときに消滅するとされていました。しかし、改正後の民法では、現行の民法の定めに加えて、債権者が権利を行使することができることを知ったときから5年間行使しないときにも、債権が消滅することとされました。一般的な契約関係において、債権者はその権利を行使することができることを契約上知っているのが通常であるため、今回の改正は、特別な場合を除き、実質的に消滅時効の期間を5年間に短縮したものであると言えます。
そもそも地方自治法では、自治体を一方の当事者とする金銭会計の時効を5年と定めておりますので、時効の期間に関しては影響のないものとなるのか、また、時効の中断についても、納入の通知と督促がこれまでどおり時効中断の効力を有することとなるのかどうかです。
さらに、現行の民法では法定利率は年5%とされており、この利率は実勢金利と関係なく、常に5%の固定利率となっています。しかし、改正後の民法では、この法定利率を引き下げて当初年3%とし、実勢金利を基準として3年ごとに利率を見直す変動制が導入されました。こうした見直しは、行政にとっても大きく関係してくるものと考えるところですが、1点目として、今回の民法改正が、行政に与える影響について、主にどのようなものが考えられるかお伺いいたします。
そのほかにも、安易に保証人となることによる被害の発生防止や、定型約款の規定の創設など、社会・経済の変化への対応の観点からの改正。さらに、意思能力を有しないで行った法律行為の無効や、賃貸借契約終了時の敷金返還や原状回復に関する基本的なルールの明記など、国民一般にわかりやすい民法とする改正など、多岐にわたる改正が行われるわけです。
2点目として、法律が施行されるまでの間、国としてもさまざまな取り組みを行うものと思われますが、今回の改正は、特に市民にとっての影響も大きいものがあるわけでありますので、市としても積極的にその周知にかかわっていく必要があると考えます。
今後、例えば広報を利用するなどといった周知を行うことも必要と考えますが、市民への周知についてどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いいたします。
3点目として、市として民法改正によるさまざまな不安の解消や、実際の影響について、市民からの相談を受ける体制づくりが必要であると考えます。日常的に相談を受け付けている市民相談所や、江別市消費生活センターとの連携強化による対応。場合によっては、法律相談の拡充などといった体制づくりも視野に入れた検討が必要と考えますが、民法改正による市民の不安を払拭するための相談体制について、市としての御見解をお伺いします。
次に、投票率向上のための取り組みについてお伺いいたします。
昨年の参議院議員通常選挙より選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、江別市においては有権者が2,700人ほどふえた中、心配された投票率は58.86%と、全国的に注目を集めた昨年4月の衆議院議員補欠選挙よりもわずかに低下したものの、ほぼ遜色ない結果となりました。そして、本年10月に行われた衆議院議員総選挙においては、投票率が63.69%となり、北海道全体の60.30%を超える結果となりました。この結果については、江別市選挙管理委員会を中心とした関係者の皆様の地道な取り組みの結果であると大いに評価するところです。
しかしながら、全国の投票率を見ると、台風の影響があったものの53.68%に終わり、戦後2番目の低水準であります。全般的に投票率は下降傾向であることから考えますと、我々政治に携わる者からのアプローチも含めて、さらなる投票率向上へ、不断の取り組みが必要であると思うところであります。
昨年の参議院議員通常選挙では札幌学院大学において期日前投票所が開設されました。江別市において大学内、さらに言えば市民会館以外に期日前投票所が設けられたのは初めてであり、学生はもとより多くの地域の方もこの期日前投票所を利用されました。さらに、本年10月の衆議院議員総選挙においては、準備期間が短かったにもかかわらず、大学関係者の御尽力もあり、札幌学院大学とともに北海道情報大学にも期日前投票所が設置されました。こうした流れを確かなものとし、より投票しやすい環境づくりを進めることで、投票率の向上という大きな一歩につなげていかなければならないと考えます。
これらのことを踏まえまして、1点目として、今までも議会においてさまざまな議論がなされてきた経過もございますが、投票率が低い傾向にある若者に対するアプローチを継続して行うとともに、今後さらなるライフスタイルの多様化や高齢化の進展を見据えたとき、幅広い層が投票しやすい環境づくり、特に共通投票所の側面を持つ期日前投票所の拡大が必要であると考えます。
本年7月、江別市と人口規模がほぼ同じである北見市の選挙管理委員会が、選挙・投票アンケート調査を実施いたしました。これを見ますと、過去の選挙で投票しなかったことがある人は全体の約42%であり、その理由について、仕事などの重要な用事があったと回答した人が約31%と最も多く、ほかに、投票所へ行くのが面倒だからと回答した人が約14%いることがわかりました。さらに、この投票所へ行くのが面倒だからと回答した方の内訳を見ますと、約82%が女性となっております。
一方、北見自治区。これは市町村合併前の北見市の範囲でありますが、北見自治区に期日前投票所を増設する場合、どのような場所に設置したら、誰もが投票しやすくなると考えられますかとの問いに対しては、買い物ついでに投票できる商業施設が最も多く約35%、次いで、広くとめやすい駐車場があればどこでもよいが約24%、自宅や職場近くの公共施設等が約18%となりました。増設は特に不要やその他、また無回答を合わせると約22%であり、場所についてはさまざまな意見があるものの、期日前投票所の増設については、全体の約77%が前向きな回答となりました。もちろんこれらのアンケート結果をそのまま江別市にということにはなりませんけれども、大いに参考とすべき点があると考えるところであります。
前回、そして今回の大学における期日前投票所の運営を経て、課題の整理等、一定程度の道筋が見え始めてきているのではないでしょうか。それらも踏まえまして、今後における期日前投票所の拡大について、現状において市としてどのような御見解をお持ちかお伺いいたします。
2点目として、主権者教育の推進についてお伺いいたします。
総務省は、選挙権年齢引き下げ後、初の国政選挙となった昨年の参議院議員通常選挙の後、全国1,963団体の選挙管理委員会を対象とした主権者教育等に関する調査及び、全国の満18歳から20歳の男女3,000人を対象とした18歳選挙権に関する意識調査を実施いたしました。
主権者教育等に関する調査によりますと、選挙出前授業について、平成25年度における実施団体数と比べ、平成27年度及び平成28年度の実施団体数は、いずれも3倍以上に増加。また、実施団体の増加に応じて、高校における出前授業の実施高校数及び受講者数についても増加し、平成25年度と比べて平成27年度の実施学校数が約30倍、受講者数は約50倍となるなど、大きく増加したことがわかりました。これは選挙権年齢の引き下げをきっかけとして、全国の選挙管理委員会が新たに有権者となる高校生に対し、主権者教育に積極的に取り組んだ成果であると考えられます。
次に、学校での選挙出前授業または模擬選挙についての主な意見として、出前授業を実施している団体からは、人員の調整に苦労した、学校の指導カリキュラムとの調整や選挙時などの繁忙期の対応が難しかったとの意見があり、出前授業を実施していない団体からは、対応する人員が不足している、学校からの応募や要請がないといった意見が挙げられました。どちらの意見についても、選挙管理委員会の人員不足とともに、学校側との調整についての意見が共通しており、教育現場との連携に課題があることが見てとれる結果となっております。
続いて、18歳選挙権に関する意識調査の結果を見ますと、投票に行ったと回答した人のうち、今後も投票に行こうと思うと回答した人の割合が93.7%となっております。これについては、今後20歳代における投票率の向上に期待が持てる結果となったことが言えると思います。
また、高校で政治や選挙に関する授業を受けていない人と比べて、そうした授業を受けた人の投票が7ポイント高くなっていることもわかりました。これは、主権者教育の推進が一定の成果を出しているものと考えることができます。さらに、子供のころに親と投票に行ったことのある人は、行ったことのない人と比べて、投票した割合が20ポイント以上高いこともわかりました。親の投票行動が子供の将来の投票行動に大きな影響を与える、つまり、このことを念頭に入れた対策を行うことで、投票率が大きく向上する可能性があるということが明らかとなったわけであります。
これらの結果等を受けて、総務省は、主権者教育の推進に関する有識者会議を開催し、その結果を本年3月に公表しております。それによりますと、今後の主権者教育は子供の段階から、みずから考え、判断する学習が重要となるものであり、そのためには、各年代に応じて身近な問題から社会問題までを題材に、学校、選挙管理委員会、家庭や地域等のさまざまな主体で取り組むことが不可欠であるとされました。
高校入学以前の子供段階における取り組みは、他の年代に比べ、親からの影響を受ける度合いが大きく、家庭が担う役割は非常に大きいが、近年は親世代の投票率も低いことから、親世代の意識向上も重要であり、親子向けイベントや、小学校の授業参観に合わせた出前授業の実施などが効果的な取り組みであるとされました。
高校生の段階では、現実の政治的事象を題材としたディベートや実際の選挙を題材とした模擬選挙を行うことが効果的とされ、その実施に当たっては新聞記事やニュースの活用、議員や政党関係者など実際に政治に携わる関係者と交流することなど、実践的な学習が有効であるとされています。このような主権者教育の推進は、投票率の向上はもとより、政治や地域課題に目を向ける人材の育成というところまで含めて、江別市にとっても意義が大きい取り組みになると考えます。
発達段階に応じて継続的な主権者教育に取り組もうとするならば、今までと大きく、考え方も体制も変えていかなければなりません。選挙管理委員会や教育委員会などの関係機関が部局横断的に連携を行い、長期的展望に立った計画を策定し、地域の方々にも御協力いただきながら一体となって推進する。正直ハードルは高いですが、決してできないことではないと思いますし、これが実現すれば、第6次江別市総合計画に掲げる、みんなでつくる未来のまちえべつの実現に大きく近づくものになると私は考えます。
以上、さまざま述べさせていただきましたが、今後における計画的・組織横断的な取り組みによる主権者教育の推進について、市のお考えをお伺いいたします。
最後に、災害に強いまちづくりについてお伺いいたします。
平成7年の阪神・淡路大震災や、平成23年の東日本大震災、さらには一昨年の関東・東北豪雨など我が国では、これまでにも地震、津波、さらには台風等による風水害など多くの災害が発生しております。このような経験から、国を初め各自治体では防災・減災に対する意識が高まり、各地でその対策や防災訓練などが講じられてきております。
そのような中にあって、被災時において、その初期段階及び避難所において、飲料を確保することが大変重要であるわけですが、近年、飲料自動販売機の中には、災害時に被災者に対し無料で飲料を提供する災害支援型自動販売機があり、各地方自治体においては、災害時に、被災者に飲料を提供することを目的として、飲料メーカーとの災害支援協定を進めている自治体があります。江別市においても1社と協定が結ばれており、災害時には通常販売されている飲料が、無料で提供される自動販売機が一部に設置されております。
こうした飲料メーカーとの災害支援協定による災害支援型自動販売機の中でも、東日本大震災の経験から生まれた災害対応型紙カップ式自動販売機は、災害発生後、電気と水道が確保されていることが条件となりますが、災害時に、お湯・お水、特にお湯が無料で提供できるため、赤ちゃんの粉ミルクの調乳やアルファ米の調理等において大きなメリットがあると言われています。
これまでの主な実績としては、茨城県常総市での鬼怒川決壊による避難所では、平成27年9月10日の提供開始から10月10日の避難所閉鎖まで延べ8,000杯が提供されたとのことであります。また、昨年4月の熊本地震では、災害協定締結先の医療機関において、一日最大500杯の提供がなされ、各地から派遣された災害派遣医療チーム(DMAT)の方からも、お湯の提供は大変助かったとの声が出ているとのことであります。
そこで、本市におきましても、このように災害時に避難所や病院等において、お湯などの飲料を提供できる災害対応型紙カップ式自動販売機の設置及び災害協定の締結を検討するべきであると思いますがいかがでしょうか、御見解をお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わらせていただきます。

議長(高間専逸君)

一般質問の途中でありますが、昼食のため、暫時休憩いたします。
───────────────────
午後 0時08分 休憩
午後 1時09分 再開
───────────────────

副議長(宮川正子君)

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
徳田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

徳田議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、民法の大幅な改正による影響についてお答えしたいと思います。
まず、民法改正が行政に与える影響についてでありますが、今回の改正は、民法の制定以来の社会・経済の変化への対応を図ること及び、国民一般に民法をわかりやすくすることの観点から、債権関係の規定が大幅に見直されたものであります。
この改正法は、平成29年6月2日の公布の日から起算して、3年を超えない範囲において政令で施行日を定めるものとされておりますが、国から国民や自治体などへの具体的な周知方法は、いまだ準備段階のため示されていない状況であります。
議員御質問の市に影響のある主な改正内容でありますが、消滅時効の期間の統一化により、地方自治法に規定する消滅時効の期間及び納入の通知または督促の効果は、従来と変更はありませんが、民法の職業別短期消滅時効の適用を受ける水道料金、市立病院の診療経費などの期間は、他の債権と同様に5年に統一されることから、これらにかかわる事務の再確認を行わなければならないものと考えております。また、法定利率の引き下げにより、金銭債務の不履行における損害賠償額や逸失利益の算定などにおいて、影響があるものと考えております。
次に、民法改正の市民周知についてでありますが、このたびの改正は、大きく国民生活に影響があるものでありますことから、国は、改正法の施行までにさまざまな媒体による国民への周知、担当者による説明会の開催、関係省庁と連携した業界団体への周知などを行うこととしております。
しかしながら、いまだ準備段階で具体的な周知方法は示されていないため、市といたしましては、現段階では周知できませんが、今後、国の動きに合わせて、市がかかわる改正部分について、広報やホームページなどを通じて、市民周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、民法改正による市民の不安を払拭するための相談体制についてでありますが、今ほど申し上げたとおり、今後、国においてさまざまな方法で周知されるものと考えておりますことから、市といたしましては、国から示される情報の共有化を図り、市民相談所、福祉部門、公営企業部門、江別市消費生活センターなどの関係機関において、市民からの相談等に適切に対応できるよう対処してまいりたいと考えております。
私からは以上でございますが、このほかの質問につきましては、選挙管理委員会委員長ほかをもってお答えいたします。

選挙管理委員会委員長(中井悦子君)

私からは、投票率向上のための取り組みについての御質問に御答弁申し上げます。
まず、期日前投票所の拡大についてでありますが、期日前投票所の設置は、有権者への投票しやすい環境づくりにつながるものと考えております。
当市においては、選挙権年齢の満18歳への引き下げにより、若者への選挙啓発と、有権者の利便性と投票率向上のため、昨年7月の参議院議員通常選挙では、従来から設置している市民会館小ホールに加え、1日のみではありましたが、札幌学院大学に設置したところであります。
本年10月22日執行の衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査におきましては、昨年の経緯を踏まえながら、札幌学院大学に加え、北海道情報大学にも御協力をいただき、それぞれ1日ずつ、期日前投票所と不在者投票所をあわせて設置したところであります。投票事務においては、職員のみではなく学生の協力も得られ、両大学合わせて197人の投票者数で、うち18歳から22歳の投票者数は60人でありました。昨年7月の参議院議員通常選挙と比較いたしますと、投票者数は90人、18歳から22歳の投票者数は26人の増加となっております。
今回の選挙における期日前投票所全体では、投票者数1万8,514人、投票率18.20%と、昨年7月に比べ1,945人、1.95ポイントの増となりました。期日前投票の増加につきましては、選挙権年齢が満18歳となって初めての衆議院議員総選挙による有権者数の増と期日前投票が定着してきていることによるものと考えております。
また、さらなる期日前投票所の設置につきましては、全市的な均衡、地域事情等を勘案しながら、判断すべきものと考えており、投票の秘密や選挙の公正、秩序の保持等に必要となる場所の確保などの課題もございますので、当面は若年者層と近隣の有権者の投票率向上の相乗効果を目指して、現在の取り組みを継続できるよう努力してまいりたいと存じます。
なお、今後とも、近隣市町村の取り組みを参考に、さまざまな課題への対応を考慮しながら、投票しやすい環境づくりについて、引き続き研究してまいりたいと考えております。
次に、計画的かつ組織横断的な取り組みによる主権者教育の推進についてでありますが、主権者教育とは、子供たちに社会の形成者としての意識を醸成するとともに、自分なりに課題を多面的に考える力などを育むことを目的としているところであり、将来の有権者としての自覚を促す手だてとして重要であると認識しております。市内の小・中学校におきましては、授業や児童会・生徒会の役員選挙等において、選挙に関する学習が実施されていると伺っております。
実際の選挙の制度等を疑似体験できる手法といたしましては、当選挙管理委員会が保有する機材である、投票箱や記載台などの貸し出し、出前講座の活用がございます。出前講座は、選挙制度の解説に加え、模擬投票が体験できますので、市内小・中学校の児童生徒に、選挙の重要性の理解が深まる絶好の機会になるものと考えており、引き続き、市教育委員会と連携し、市内小・中学校の校長会議において、出前講座の内容を説明するなど、周知に努めてまいります。また、市内の高校に向けては、北海道選挙管理委員会と連携しながら、共同または単独で出前講座を実施しているところであります。
市選挙管理委員会といたしましては、まずは、事務局職員による出前講座の実施を中心として、今後とも、北海道選挙管理委員会、市教育委員会と連携しながら、主権者教育の充実、強化に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

総務部長(齊藤俊彦君)

私から、災害に強いまちづくりに関しまして、災害対応型紙カップ式自動販売機の設置に向けた災害協定の締結について御答弁申し上げます。
当市における災害対応型自動販売機につきましては、平常時の災害用備蓄や電光掲示板による気象情報などの広報手段として、また、災害時に飲料を無料で提供していただく目的で、平成21年2月に飲料メーカーと協定を締結し、現在、本庁舎や体育館、公民館などに合計18台設置されているところであります。
自動販売機につきましては、市民の利便性の向上やニーズに応じて、指定管理者など施設管理者が設置に関する契約条件等を個別に判断し設置しているところであり、また、新たな設置につきましては、設置費用などの面から既存の自動販売機との入れかえによって行うものになると考えております。
御質問の災害対応型紙カップ式自動販売機につきましては、その設置には、水道の確保に係る費用負担や採算性などの面からの検討が必要であるほか、災害時においても電気や水道の確保が可能なことが設置の条件となっております。
いずれにいたしましても、災害時のお湯の確保に有効な手段の一つであると考えておりますので、今後、その設置や協定の締結について、他市の事例を参考に調査・研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。

徳田 哲君

それでは、順次質問、要望をさせていただきたいと思います。
まず、件名1の項目1、民法改正が行政に与える影響についてですが、こちらは要望とさせていただきます。
今回の改正は民法制定以来、初めての大改正ということもありまして、私自身心配していた部分もありましたが、今ほどのお話をお伺いしますと、行政に与える影響については限定的であるようですので、少し安心をいたしました。とはいえ、特に公営企業における債権については、消滅時効が5年に延びることとなります。それらにかかわる事務的な負担もかかってくることになろうかと思いますが、そのあたりもぜひ丁寧に進めていただければと思います。
件名1の項目2、民法改正の市民周知について、こちらは再質問をさせていただきます。
今ほどいただいた御答弁では、今後、国の動きに合わせて、市がかかわる改正部分について周知を図るとのことでありました。恐らく、施行されるであろう2020年までの間、さまざまな形で国による周知への取り組みがなされるものと思いますし、市としてはそれらを受けての取り組みになることは理解するところです。しかしながら、国民生活に大きくかかわる改正となることを考えれば、市が直接的にかかわらない部分であっても、市民生活に大きな影響を及ぼすことが懸念されるような事項については、市としてもその周知に一定の配慮が必要ではないでしょうか。
実際には、国の動きや実際の周知状況を見ながらの対応になると思いますが、それらが不十分と判断された場合における市がかかわらない改正部分の周知について、市としてどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。

市長(三好 昇君)

民法改正に伴う市民周知についての再質問にお答え申し上げます。
先ほどもお答え申し上げましたけれども、このたびの民法改正は、国民生活に大きく影響するものであると考えておりますことから、国は、改正法の施行までにさまざまな媒体による国民への周知、担当者による説明会の開催、関係省庁と連携した業界団体への周知などを行うこととしております。
そのため、市といたしましては、先ほど申し上げましたけれども、国によって十分な周知がなされるものと考えておりますが、今ほどお話がありました、万一、問題があるような状況と判断した場合には、国にこの点が不十分であるということを強く申し入れいたします。
そのほか、先ほど申し上げたとおり、国から示される民法改正の情報、さらには、その周知状況などを見きわめまして、国と連携しながら必要な市民周知を行ってまいりたいと考えております。

徳田 哲君

ありがとうございました。しっかりとした市民周知、また、次の項目にもかかりますけれども、相談体制も合わせて、丁寧な御対応をお願いしたいと思います。
続きまして、件名2の項目1、期日前投票所の拡大について、こちらも要望となります。
さまざまな課題を挙げていただいた上で、今後について、今回の衆議院議員総選挙において2大学に設置された期日前投票所を継続するべく努力し、さらに投票しやすい環境づくりを研究していくということでありましたので、前向きな答弁をいただけたのではないかと思います。課題克服は簡単ではありませんが、引き続き、取り組みを継続していただきますようお願いいたします。
件名2の項目2、計画的かつ組織横断的な取り組みによる主権者教育の推進についてでありますが、江別市選挙管理委員会の皆さんは、少ない人員の中で本当によく頑張っていらっしゃると思っています。それをさらに発展させていくためには、組織横断的な取り組みが必要であると考えるところですが、今回は主権者教育にかかわる他の部局における考え方をお聞きする旨の通告をしておりませんので、この件については別の機会に、角度を変えてお伺いさせていただきたいと思います。
最後に、件名3の項目1、災害対応型紙カップ式自動販売機の設置に向けた災害協定の締結について、こちらも要望とさせていただきます。
御指摘のとおり、この自動販売機の設置については、まず水道の確保が必要であり、そのための工事にかかる費用負担をしなければならないところが通常の自動販売機と大きく異なるところであります。しかしながら、水道と電気さえ確保できればお湯の提供が可能となるというのは、災害時において大きな利点でありますので、この点をぜひ考慮していただきたいと思います。
また、答弁の中で、江別市においても災害時に飲料を無料提供していただく目的で、飲料メーカーと協定を締結していることについて御紹介いただきました。こうした取り組みは今後ともぜひ進めていただきたいと思いますが、一方で、同じように災害時に飲料を提供する協定を結んでいた自治体において、その自動販売機に入っている飲料の本数が避難してきた住民の数よりかなり少ないので、混乱を避けるために結局提供しなかったという事例もあったそうです。
こうしたところの検証も含めて、この災害対応型紙カップ式自動販売機の設置に向けた災害協定の締結について、ぜひとも前向きに御検討いただきたいと思います。
以上で、私からの一般質問を終わらせていただきます。

副議長(宮川正子君)

以上をもって、徳田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
齊藤佐知子議員の空き家を活用したまちづくりについてほか3件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

齊藤佐知子君

議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして順次質問いたします。
最初に、空き家を活用したまちづくりについてお伺いいたします。
近年、地域における人口減少や既存の住宅・建物の老朽化、社会的ニーズの変化や産業構造の変化に伴い、居住その他の使用がなされていない結果として安全性の低下、公衆衛生の悪化、景観の阻害など多岐にわたる問題を生じさせ、ひいては地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしているものがあります。そこで、国は、空き家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的として、平成26年11月27日に、空家等対策の推進に関する特別措置法を公布いたしました。また、総務省及び国土交通省は、平成27年2月26日付で、同法第5条に基づく、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針を定めました。
適切な管理が行われていない空き家等がもたらす問題を解消するためには、第一義的には空き家の所有者等がみずからの責任により的確に対応することが前提となります。しかしながら、この所有者等が管理を十分に行うことができず、その管理責任を全うしない場合なども考えられます。こうしたことから、同法第4条においては、市町村の責務として、市町村は第6条第1項に規定する空き家等対策計画の策定及びこれに基づく空き家等に関する対策の実施その他の空き家等に関する必要な措置を適切に講ずるよう努めるものとすると規定されました。
愛知県瀬戸市で取り組んでいる空き家等対策事業についてですが、平成28年3月に瀬戸市空家等対策計画せとで住もまいプロジェクトを策定し、空き家等対策事業を実施しています。これまでの取り組みとして、空き家等利活用の促進で、一つに、空き家等の貸し手と借り手を結ぶ空き家情報バンクを公益社団法人愛知県宅地建物取引業協会東尾張支部と連携して開設しています。市で受けられるサービスを一元化して紹介するガイドブックも作成し、ターゲットとなるツクリテや子育て世代に向けて発信しています。平成28年3月から本年9月まで27件の登録があり、そのうち14件が成約となり、賃貸7件、売買7件で成約率が思っていたよりも高いとのことです。住宅に限らず、店舗や工場、事務所などの物件も登録ができます。
さらに、中心市街地空き家等対策補助事業として3事業を実施しており、まず、リフォーム補助事業は、対象を新たに定住または起業するツクリテで、建物の売買契約または12カ月以上の賃貸契約を締結したものとしております。ツクリテとは、工芸等にかかわるクリエーターやカフェ、飲食店などクリエイティブな活動を通して地域コミュニティーに元気を与えてくれる方を指します。店舗・アトリエ等の改修工事費は、経費の3分の1以内、上限100万円以内の補助で、これまで2件の申請があり、2件の交付となっております。住宅の改修工事費には、経費の2分の1以内で上限50万円以内の補助となっております。二つ目に、老朽空き家解体補助事業は、老朽空き家と判断された建物もしくは接道していない敷地の建物の解体工事費の上限90万円以内の補助で、これまで30件の補助申請があり、27件の交付となっております。三つ目に、ツクリテ開店応援補助事業は、新たに起業するツクリテ、カフェや飲食店、物販店舗やギャラリーなど地域のにぎわいの創出に寄与する事業を行う者、市のPR事業に協力する者に改修工事費として上限30万円の補助などがあり、空き家等の利活用の促進につながっております。
また、今年度の新たな取り組みとして、空き家等利用促進補助事業では、にぎわいの創出に寄与する事業に上乗せで30万円を支給。ムーブイン応援補助事業では、地域コミュニティーの新たな担い手となる子育て世帯が空き家を活用して市外から市内に定住する場合の応援金として1世帯10万円を支給。三世代同居・近居応援補助事業では、1世帯10万円を支給するなど、3事業を空き家等対策補助事業として追加いたしました。
支援をすることで、利活用の促進につながり地域の活性化やニーズに応えることができ、まちづくりにつながると思いました。当市においても、江別市空家等対策協議会において、アンケートの集約もなされ、さまざまな協議がされていることは承知しています。
以上、愛知県瀬戸市の取り組みを述べさせていただきましたが、ここで質問させていただきます。
1点目に、当市の空き家の現状と課題についてお伺いいたします。
2点目に、空き家バンクの開設についてどのようにお考えかお聞かせください。
3点目に、空き家を活用した市民と協働のまちづくりについてどのようにお考えかお聞かせください。
次に、公共交通空白地域における移動の支援についてお伺いいたします。
今、公共交通の利用が減少し、事業者の運営も厳しいため路線の減少が余儀なくされている現状ですが、高齢化に向けた地域の公共交通のあり方の検討が急務と考えます。
8月に当会派で、茨城県水戸市の調査に行ってまいりました。水戸市では、水戸市第6次総合計画における都市空間整備の基本的方向である、魅力・活力集積型スマート・エコシティに向けた取り組みを推進し、市民が将来にわたって安心して暮らすことのできる基礎づくりに向け、総合的かつ戦略的な施策の展開を図るため、水戸市公共交通基本計画を策定しました。計画期間は2016年から2023年で、全ての人が安心して移動できる交通体系の実現との理念を踏まえ、目指す将来像である公共交通ビジョンをエリアのニーズに応じた公共交通サービスで快適に移動できるまちとしており、目指す将来像を達成するための基本方針を三つ設定しています。
一つ目に、使いやすい公共交通として、水戸市の目指す将来像を実現するために必要な路線を検討し、公共交通体系の構築に当たっては、乗り継ぎ円滑化や定時性向上を図り、既存の鉄道や路線バス、タクシーの活用に加え、デマンド型交通などの新たな交通手段の導入も含めて検討。二つ目に、わかりやすい公共交通として、観光客など初めて訪れる方でもわかりやすい公共交通サービスを提供することで、市民を初めとする日常生活の利用者ニーズに応える。三つ目に、まちづくりを支える公共交通として、都市機能の集積に合わせた公共交通サービスを提供することで、歩いて楽しめるまちづくりを活動面からサポートするとともに、人と環境にやさしいまちづくりを支えるとあります。
このような基本方針の中から、使いやすい公共交通の新たな交通手段の導入の一環で、公共交通が利用しにくい地域での移動手段の確保に向けて、国土交通省と連携し、タクシーを活用した実証実験として、国田地区で1,000円タクシー国田号を運行しました。国田地区にお住まいの方ならどなたでも利用できます。1回につき片道1,000円で利用できます。タクシーが自宅や指定目的地まで迎えに行きます。利用時間は、午前10時から午後4時まで毎日運行します。
今回の目的は、地域を支える公共交通としてのタクシー事業の持続性確保と国土交通省のタクシー革新プラン2016で、タクシー新時代に向けた取り組みの方向性として運賃の閑散時間帯割引の導入が示されており、水戸市では、公共交通空白地区等における住民の移動手段として導入の可能性を検討するため、国と連携して実証実験を行ったとのことです。タクシー事業者と自治体の連携により、交通不便地域等における住民の移動手段の確保の実証実験です。
タクシーは高齢者にとって利便性の高い交通機関であるものの、買い物、通院などの近距離移動については、他の交通機関と比べ割高感があるため利用を控えている場合があると考えられます。そこで、交通不便地域等において、閑散時間帯のタクシーを活用して、地域のニーズに合った公共交通機関の導入に向けた検討を行うため、自治体と連携した新たな割引運賃の導入について実験を行ったとのことです。
以上申し上げ、質問の1点目に、当市の公共交通空白地域の現状と課題についてお聞かせください。
また、現在、江別市地域公共交通活性化協議会においてさまざまな協議がされているところですが、質問の2点目として、地域交通を支えるタクシー事業の活用について御見解をお聞かせください。
次に、AEDの設置のあり方についてお伺いいたします。
AEDは、突然倒れて反応と呼吸のない傷病者に対して使用が可能です。電源を入れると音声で操作方法が指示され、救助者が音声に従って除細動を行う装置のことを言います。日本でも、平成16年7月より一般市民の方も使用できるようになりました。
突然死のほとんどが心疾患であり、その大部分は心室細動という病気で、心臓からの血液の拍出がなく、事実上心臓がとまっている状態です。この心室細動を正常な状態に戻す唯一の方法が除細動です。除細動とは、突然の心停止の原因となる重症不整脈に対し、電気ショックを与えて、心臓が本来持っているリズムに回復させるために行うものです。除細動までの時間が1分おくれると社会復帰率が7%から10%低下します。市民の皆さんが、1分1秒でも早くAEDを使用することは、社会復帰率の向上につながります。
現在は、消防本部の救命講習でAEDの講習を実施しているところでありますが、いざというときにAEDがどこに設置されているか、設置場所の周知方法が重要です。設置場所について、平成21年第3回定例会での一般質問の御答弁では、道立施設、江別市の公共施設、一般財団法人江別市在宅福祉サービス公社、私立幼稚園、市内小・中学校、高等学校、大学、民間医療機関・福祉関係事業所のほか、商業施設などとなっている。市民の救命への関心と協力への意欲を高めるとともに、民間施設等への設置を促進する観点から、今後も設置が望まれる市の施設について、その設置方法などの検討結果を踏まえ、計画的に設置を進めてまいりたいと考えている。また、この検討結果に基づき、民間事業者に対しても設置の協力をお願いしてまいりたいと考えている旨の御答弁をいただいていました。
この間、さまざまな検討がなされてきたことと思いますが、質問の1点目、現在のAEDの設置状況についてお伺いいたします。
質問の2点目、AEDの今後の設置計画についてお伺いいたします。
最後に、訪問理容・美容サービスについてお伺いいたします。
厚生労働省が掲げる2025年地域包括ケアシステムの構築で、住みなれた地域で、我が家で在宅サービスを受けて生活される方、また、要介護状態で施設に入所される方がふえていく中、御自分で理容室・美容室に行くことが困難になってきます。でも、髪は当たり前のように伸びてくるので、何もしないわけにはいきません。かといって、家族はなかなかうまくカットすることができません。社会生活を営む上で、ヘアスタイルを初めとした身だしなみなどを整えることはとても大切なことです。たとえ要介護状態になっても、きれいにセットされた髪型は、本人にとって生きる喜びにもつながります。
訪問理容・美容サービスとは、寝たきりなど、在宅で介護が必要な状態となった高齢者や障がい者、病院や施設等に入所している方など、理容室・美容室を利用することが困難な方を対象に理容師・美容師が訪問してカットなどの施術を行うサービスのことです。多くの人がいつまでも美しく生きていきたいという願いを持っていると思いますが、このようなニーズを実現するために行われているものです。利用できる条件としては、介護が必要な方、障がいのある方、入院中の方などです。
通常の料金とは別に出張訪問の料金がかかる場合も多いため、長野県では、全市が負担軽減措置を実施しています。1回1,000円から3,000円程度の利用料金で、年間4回から6回ほど利用できるようになっているとのことです。平成27年度から対象を拡大し、家族と同居する高齢者と重度の障がいがある人も対象としています。
神奈川県川崎市では、在宅で生活している要介護高齢者の自宅を理容師・美容師が訪問して理容・美容サービスを実施することにより、清潔で快適な在宅生活を送れるよう支援し、福祉の向上を図ることを目的として、実施要綱を策定しています。利用対象者は、市に居住する在宅高齢者で、65歳以上の方、介護保険法に基づく要介護度が3から5の方、理容室または美容室において理容・美容サービスを受けることが困難であることの条件を全て満たす者となっています。川崎市での利用回数は、一人6回まであり、1枚で1回のサービスを利用することができます。
髪を整えることは、誰もが享受すべき人としての生活習慣であります。当市においても、在宅高齢者や障がい者の方が、清潔に気持ちよく生活ができるようにするため、在宅理容・美容サービスについて御見解をお聞きいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。

副議長(宮川正子君)

齊藤佐知子議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

齊藤佐知子議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、空き家を活用したまちづくりに関しまして、空き家の現状と課題についてでありますが、現在、市では、空き家対策を総合的かつ計画的に実施することを目的とした江別市空家等対策計画を策定するため、本年3月に有識者等による江別市空家等対策協議会を設置し、計画策定に向けた協議を進めているところでございます。
また、市が空き家の実態把握や課題整理、施策検討の基礎資料とすることを目的として、空き家と思われる建物の所有者等へのアンケート調査や実態調査を実施いたしました。その結果、市内の各地域に空き家が存在している状況にあり、市内の空き家は300棟、そのうち危険な空き家となる可能性のある建物は約50棟で、全道、全国と比べて比較的少ない状況にあります。
次に、課題についてでありますが、適切な維持管理がなされていない空き家が増加する傾向となっており、今後、地域住民の生活環境に大きな影響を及ぼす可能性があるため、その対策として、適正管理の周知・啓発、管理不全な空き家等への対応、利活用への支援などを課題としているところでございます。
次に、空き家を活用した市民協働によるまちづくりについてでありますが、空き家を地域の資源として、協働のまちづくりの視点で、地域の活性化や利便性に寄与する施設として利用を進めていくことは、空き家の発生抑制などの空き家対策にもつながるものと認識しております。
そのため、まずは、所有者の意向や利用者の希望を把握した上で、マッチングを図ることが重要となりますことから、市の相談窓口や不動産団体との連携による相談のあり方について検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、空き家を市民協働のためにまちづくりに活用することにつきましては、江別市空家等対策協議会における協議内容を踏まえ、江別市空家等対策庁内連絡会議での情報交換を行いながら、効果的な空き家の利活用策を検討してまいりたいと考えております。
次に、公共交通空白地域の現状と課題についてでありますが、当市では、路線バスが公共交通における大きな役割を担っております。
しかしながら、利用者の減少により路線バス事業者の採算性が悪化してきたことに加え、平成14年の道路運送法改正により、不採算路線などについては、バス事業者の裁量で廃止することが可能になったこともあり、市内のバス交通網は縮小傾向にあります。
こうしたことから、市の郊外部では、公共交通の利用が著しく不便な地域が拡大したほか、市街地におきましても、近くにバス路線がない地域が生じているものと認識しております。他方で、今後、高齢化の進行等により、自家用車を利用することができない市民が増加していくことが予想され、交通手段をいかに確保し持続させていくかが、課題であると考えております。
現在、当市では、地域の実情に即した持続可能な公共交通の形成を推進するため、江別市地域公共交通活性化協議会により、江別市地域公共交通網形成計画の策定に向けた協議などを進めており、この中で、バス路線がない市郊外部に対応するための新たな交通手段の導入可能性や、市街地内で近くにバス路線がない地域における交通不便解消のための路線設定の可能性などについて検討しているところであります。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、建設部長ほかをもってお答え申し上げます。

建設部長(安藤明彦君)

私から、空き家を活用したまちづくりの御質問のうち、空き家バンクの開設について御答弁申し上げます。
空き家の発生抑制を図るために、所有者と利用者とのマッチング等が可能となる空き家バンクは、重要な手段であると考えているところです。
そのためには、まず、空き家情報などについて、不動産団体との連携が必要となりますことから、そのための協議を進めてまいります。
また、御質問の空き家バンクの開設につきましては、全国的な情報発信が重要となりますことから、今後、既に開設している北海道空き家情報バンクや、本年10月より試行的に開設している全国版空き家・空き地バンクと連携を図り、空き家の情報発信に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

企画政策部長(北川裕治君)

私から、公共交通空白地域における移動の支援についてのうち、地域交通を支えるタクシー事業の活用について御答弁申し上げます。
近年、予約がある場合のみ運行するデマンド型交通など、公共交通の利用が不便な地域における新たな交通手段の導入事例が全国的にふえており、これらの中には、タクシーを活用している事例も多いと認識しております。
一方、当市におきましては、江北地区と豊幌地区において、それぞれの実情に合う、新たな交通手段の導入の可能性について、地元協議会と協議を進めており、本年10月には、共同で両地区住民に対するアンケート調査を実施したところです。
今後、どのような交通手段であれば持続可能なものになるのか、調査結果を参考としながら、引き続き協議してまいります。
また、先ほど、市長より御答弁申し上げました江別市地域公共交通活性化協議会におきましては、委員としてタクシー事業者にも参画いただいておりますので、タクシー事業の活用についても協議してまいりたいと考えております。
以上です。

健康福祉部長(真屋淳子君)

私から、AEDの設置のあり方についてほか1件について御答弁申し上げます。
初めに、AEDの設置状況についてでありますが、市では、平成16年7月から医師などの医療従事者だけでなく、広く一般市民による使用が認められたことを踏まえ、不特定多数の市民が利用する公共施設の優先度等を考慮し、計画的に整備を進めてきたところであります。
その結果、市役所本庁舎を初め、平成20年には全小・中学校、平成22年には全児童センター、平成23年には全保育園などにこれまで合計96台を設置し、設置を予定していた全ての公共施設に整備をしたものであります。また、民間施設を含め、現在把握をしております市内のAEDの設置台数は計260台となっております。
次に、AEDの今後の設置計画についてでありますが、市では、先ほど御答弁申し上げましたとおり、これまでも、不特定多数の市民が利用する施設の優先度等を勘案し、AEDの設置を進めてきたところであります。また、平成25年9月には、一般財団法人日本救急医療財団が取りまとめた、AEDの適正配置に関するガイドラインが示されたことから、今後もこのガイドラインを参考に効果的かつ効率的な配置を進めてまいりたいと考えております。
なお、民間施設におきましては、社会におけるAEDの認知が進む中、設置促進が図られ、職場にAEDを設置する企業がふえてまいりましたが、市といたしましては、今後も救急の日のイベントや救命講習などの機会を通じて、AEDの普及・啓発と必要性のPRに努めてまいりたいと考えております。
次に、在宅高齢者や障がい者への訪問理容・美容サービスについてでありますが、外出が困難な在宅高齢者や障がい者の方が身だしなみを整えることは、気持ちよく生活を送るために大切なことであると認識しております。
市内では、多くの事業者が、訪問理容・美容サービスに対応していますが、このサービスについては、ケアマネジャーや相談支援専門員等から、必要に応じて在宅高齢者、障がい者御本人や御家族に情報提供が行われているところであります。
市といたしましては、在宅の介護や支援が必要な方への生活支援のニーズは広く、さまざまな支援が求められておりますが、在宅高齢者や障がい者の方が今後も安心して在宅生活を送っていただくために、配食や除雪といった在宅生活に必要不可欠な支援を優先すべきものと考えているところであります。
以上でございます。

齊藤佐知子君

2回目の質問と要望をさせていただきます。
最初に、空き家を活用したまちづくりについてです。
当市の状況は、アンケートや実態調査の結果、現状では300棟のうち、危険な空き家となる可能性のある建物は約50棟で、全国と比べて比較的少ないけれども、今後、適切な維持管理がされていない空き家が増加する傾向にあり、適正管理の周知・啓発、管理不全な空き家等への対応、利活用への支援など、今後の課題として対策を講じるとの御答弁をいただきましたので、この点については要望といたします。
項目2の空き家バンクの開設について再質問させていただきます。
空き家バンクの開設については北海道空き家バンクや全国版空き家バンク・空き地バンクと連携を図り、空き家の情報発信に努めていくとのことですが、御答弁にもあるように、所有者と利用者とのマッチング等を可能にするためには空き家バンクは重要です。先ほど御紹介いたしました愛知県瀬戸市のように、身近で相談ができ、情報を得ることができる環境としての相談窓口が必要かと思いますが、再度この点についてお伺いいたします。
次に、AEDの設置のあり方について再度質問させていただきます。
項目2、AEDの今後の設置計画について再質問いたします。
総務省消防庁の統計をもとに分析・推計したところ、9年間で835人がAEDを使用したからこそ助かり、社会復帰したと判明しております。救命率は、AEDが使われなかった場合と比べ約2倍にも上ったとのことです。一方で、心臓病が原因で突然死する約7万人に対し、AEDが効果的に使われていない実態もあり、現在は、単なるAEDの普及から救命率の向上につながる救命体制の構築を進める政策段階に移っているとのことです。いかに素早くAEDを使えるようにするかであります。先ほどもお話しいたしましたが、心停止は1分処置がおくれることで救命率が約10%低下するため、ファーストタッチは救急隊よりも市民の方がずっと救命効果が高いとのことです。例えば、市内にも多くのコンビニがありますが、コンビニに行けばAEDがあるというように、誰にでもわかる場所への配置が必要と考えます。
また、先ほどの御答弁に、江別市のAEDの設置状況としては、これまで設置を予定していた全ての公共施設に整備されているとのことであり、評価をするところですが、小・中学校の場合、休日、夜間など土日も含め毎日午後9時まで、一般市民の体育館利用が多い状況にあります。市内全ての小・中学校に設置されている状況ではありますが、現状では、体育館に設置している学校が少ないため、休日、夜間など土日も含めAEDの使用ができないおそれがあると考えます。
御答弁では、今後もガイドラインを参考に、効果的かつ効率的な設置を進めてまいりたいとのことですが、総務省の統計にも示されているように、現在は、救命率の向上につながる救命体制の構築を進める政策段階に移っているとのことを踏まえ、今後の設置計画についてどのようにお考えか、再度お聞かせください。
以上で、2回目の質問と要望といたします。

建設部長(安藤明彦君)

私から、空き家バンクの開設についての再質問に御答弁申し上げます。
北海道や国の空き家バンクとの連携に当たりましては、市民の方が利用しやすい環境を整えることが重要であると認識しているところでございます。
このため、空き家バンクへの空き家情報の登録方法や情報取得に関して、市民の方などが相談しやすいよう、建設部が窓口となって対応してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

健康福祉部長(真屋淳子君)

私から、AEDの今後の設置計画に係る再質問に御答弁申し上げます。
市といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、AEDの適正配置に関するガイドラインにおいて、施設内での配置に当たって考慮すべきこととして、わかりやすい場所、誰もがアクセスできることなどが示されておりますことから、今後、各公共施設の利用状況等を勘案しながら、設置場所等について工夫してまいりたいと考えております。
以上であります。

副議長(宮川正子君)

以上をもって、齊藤佐知子議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

副議長(宮川正子君)

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 2時04分 散会