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平成28年第2回江別市議会定例会会議録(第4号)平成28年6月24日

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年9月6日更新

1 出席議員

27名

議長 三角 芳明 君 副議長 干場 芳子 君 
議員 吉本 和子 君 議員 齋藤 一 君
議員 高橋 典子 君 議員 高間 専逸 君
議員 星 克明 君 議員 島田 泰美 君
議員 諏訪部 容子 君 議員 堀 直人 君
議員 本間 憲一 君 議員 石田 武史 君
議員 清水 直幸 君 議員 角田 一 君
議員 山本 由美子 君 議員 宮本 忠明 君
議員 野村 尚志 君 議員 岡村 繁美 君
議員 鈴木 真由美 君 議員 赤坂 伸一 君
議員 内山 祥弘 君 議員 尾田 善靖 君
議員 齊藤 佐知子 君 議員 徳田 哲 君
議員 宮川 正子 君 議員 相馬 芳佳 君
議員 裏 君子 君    

2 欠席議員

0名

3 説明のため出席した者の職氏名

市長 三好 昇 君 副市長 佐々木 雄二 君
水道事業管理者 佐藤 哲司 君 総務部長 齊藤 俊彦 君
企画政策部長  北川 裕治 君 生活環境部長 高橋 孝也 君
経済部長兼
総合特区推進監
後藤 好人 君 健康福祉部長 真屋 淳子 君
建設部長 安藤 明彦 君 病院事務長 吉岡 和彦 君
消防長 堀江 祐一 君 水道部長 松田 俊樹 君
会計管理者 宮腰 明生 君 総務部次長 土屋 健 君
財政課長 野口 貴行 君 教育委員会委員長 支部 英孝 君
教育長 月田 健二 君 教育部長 渡部 丈司 君
監査委員 中村 秀春 君 監査委員事務局長 出頭 一彦 君
農業委員会
会長職務代理者
金安 正明 君 農業委員会事務局長 川上 誠一 君
選挙管理委員会
委員長
中井 悦子 君 選挙管理委員会
事務局長
金内 隆浩 君

4 事務に従事した事務局員

事務局長 佐藤 貴史 君 次長 錦戸 康成 君
庶務係長 中村 正也 君 議事係長 阿部 昌史 君
主査 壽福 愛佳 君 主任 丹羽 芳徳 君
書記 海谷 祐二朗 君 事務補助員 高橋 杏奈 君
事務補助員 美濃 文 君

5 議事日程

日程第 1 会議録署名議員の指名
日程第 2 一般質問

発言者及び発言趣旨

吉本 和子 君 (一問一答方式)

  1. 市長の基本姿勢について
    (1)TPP協定案が2013年国会決議に反するという認識について
    (2)政府のTPP試算額への認識及び当市の農業への影響について
    (3)協定批准ではなく反対を求めることについて
     
  2. 子供の貧困対策について
    (1)当市の子供の貧困に対する認識について
    (2)子供の貧困対策への基本的な考え方について
    (3)貧困対策としての就学援助の見直し、改善について
    (4)全国的に広がっている子供食堂の役割と当市での必要性について
     
  3. 障がい者の就労支援について
    (1)障害者差別解消法施行のもとでの市の取り組みについて
    (2)障がい者の就労の実態と課題について
    (3)改正障害者雇用促進法のもとでの就労促進の対策について

 6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(三角芳明君)

これより平成28年第2回江別市議会定例会第11日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は27名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(三角芳明君)

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(三角芳明君)

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
岡村議員
星議員
を指名いたします。

◎ 一般質問

議長(三角芳明君)

日程第2 一般質問を行います。
吉本和子議員の市長の基本姿勢についてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

吉本和子君

通告に従い順次質問をさせていただきます。
質問1件目、市長の基本姿勢について、TPPの農業への影響に関連してお伺いいたします。
ことし2月、アメリカ、日本など12カ国が署名した環太平洋連携協定TPPは、参加各国が関税を撤廃するもので、農産物輸入が完全に自由化され、農林漁業と国民の食料に大打撃となると言われています。さらに、非関税障壁撤廃の名のもとに、食の安全、医療、金融、保険、官公需、公共事業の発注、労働など国民生活のあらゆる分野で規制を取り払っていくものと言われています。
政府は、その交渉内容や国民生活への影響などを明らかにしないまま、早期発効に向けた批准を強行しようとしましたが、さきの国会では断念せざるを得ませんでした。しかし、今なおTPP承認案と関連法案については継続審議とし、次期国会で成立を図りたいという考えを示しています。
初めに、項目1、TPP協定案が2013年国会決議に反するという認識について、市長はどのようにお考えかお伺いをいたします。
2013年3月15日、安倍首相が正式にTPP協定交渉への参加表明をし、これに対して4月18日、19日、衆参両院の農林水産委員会は、全会一致で8項目にわたる国会決議を上げています。
決議の1項目は、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外または再協議の対象とすること。10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないとしています。
しかし、協定案では、決議が除外または再協議の対象とすることとした重要5品目も、約3割で関税を撤廃、野菜や果物は全て関税撤廃となっています。しかも、TPP発効後7年たつと、関税が残った品目の扱いも、アメリカなど5カ国の要求に基づいて協議することとなっており、TPPの原則である関税ゼロへのレールが明らかに敷かれていることがはっきりとしています。
国会決議を後ろ盾に交渉した、関税撤廃が原則の中、2割はセーフガードや関税割り当てなど例外を確保できたという政府の言いわけは認められません。この点から見ても、TPP協定案は国会決議に反していると考えますが、市長はどのように認識されておられるかお伺いをいたします。
次に、項目2、政府のTPP影響試算額への認識、そして当市の農業への影響については、どのようにお考えかお伺いをいたします。
政府が示したTPPの経済効果分析は、国内総生産が約14兆円拡大し、雇用が約80万人増加する一方で、農林水産物の生産減少額は1,300億円から2,100億円以内にとどまり、食料自給率は、現在の39%が維持されるというものです。
しかし、この対象となった品目は、関税率が約10%以上かつ国内総生産が10億円以上の農産物19品目、そして林水産物14品目だけとなっています。その上、関税削減などの影響で価格低下による生産額の減少が生じるものの、国内対策により生産や農業所得は確保され、国内生産量は維持されるといった予測に立ち、農産物の生産減少額は878億円から1,516億円にとどまるものともしています。
この経済効果分析で政府が影響なしとした米についても、青森、福井、熊本3県が試算した影響額は、生産減少によっておよそ52億円もの減少になるとしています。
北海道は、平成28年2月にTPP協定に伴う北海道への影響中間とりまとめ(第2回)で農林水産物の生産額への影響を公表しました。試算対象品目は国の19品目のうち、北海道の生産額が1億円以上の農産物、米、小麦、砂糖(てん菜)、でん粉原料用作物、小豆、インゲン、加工用トマト、リンゴ、牛乳・乳製品、牛肉、豚肉、鳥肉、鶏卵、この13品目に、本道の主要農産物であるタマネギを追加して計算しています。国の試算方法に則した算定で、農畜産物は337億円から478億円の生産減少額となっています。しかし、2013年に北海道が発表した全生産減少額5,241億円の約1割程度にすぎず、実態に合わないという声がたくさんが聞かれています。
6月10日付の北海道新聞は、NPO法人が行ったTPPの米価格影響について、道内主要産地の上川・空知管内の稲作農家の約8割がTPPによって米価は下落すると答え、その理由は、生産量の減少はないが価格下落の圧力として働くとの懸念を抱いているとし、対策を打つことで生産額への影響はないとした国や北海道の試算に対する農家の不信が浮き彫りになったと報道しています。
当市の農作物作付面積から多い順に見れば、小麦、水稲、ブロッコリー、てん菜、バレイショ、レタス、白菜、ニンジン、タマネギ、大豆など、TPPの影響を大きく受けるものと考えます。
政府の影響試算に対する認識とあわせ、当市における影響についてどのようにお考えかお伺いをいたします。
次に、項目3、TPP協定批准ではなく反対を求めるという認識についてお考えをお伺いいたします。
国会決議は、十分な情報提供、幅広い国民的議論を求めました。しかし、TPP交渉は秘密交渉に終始し、その経緯は隠されたままです。また、協定書の全文が日本語訳で公開されたわけではなく、英文8,400ページのうち6,000ページ分の和訳は、国会に提出されていないとのことです。
さらに驚くべきことは、環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会に提出された資料は、日付以外は全て黒塗りだったということも明らかになりました。
本議会初日の行政報告の中で、北海道市長会としてTPPに関する決議を上げられたとのことでした。その中で、TPPは北海道に重大かつ深刻な影響を与えるもの、大筋合意への経過や理由などについて明らかにされていないなどと指摘されています。
その一方で、TPP発効後を想定した申し入れも多く見受けられました。しかし、TPPの影響額試算を見ても、深刻な打撃はないとしたもので、正確な情報とは決して言えません。
今、政府に求めることは、農産物の価格保障と所得補償を組み合わせ、安心して再生産できる農業をつくることであり、国民への食糧の安定供給、食料自給率を引き上げることではないでしょうか。
真の国益に反するTPPは、徹底審議の上、批准ではなく反対し撤退すべきと考えますが、いかがお考えかお伺いします。
次に、質問の2件目、子供の貧困対策についてお伺いをいたします。
厚生労働省の調査によれば、1985年に10.9%だった17歳以下の子供の貧困率は、2012年には16.3%にまで増加しています。この数値は、OECDの国民の所得中央値の2分の1を貧困線とする作成基準に基づくものです。
2012年の日本の所得中央値は244万円、その2分の1の122万円が貧困線となり、貧困率は、この貧困線未満の人の割合を示しています。親1人子1人の世帯では、ルート2を掛けて173万円、4人世帯ではルート4を掛けて244万円が貧困線となると計算されます。
国民の所得中央値は、1997年の297万円をピークに徐々に下がり、2012年には244万円、それに伴って貧困線も149万円から122万円にまで低下しています。貧困ラインが下がると一般的に貧困率が低下する可能性が高いのに、むしろ貧困率が増加するということは、収入の少ない家族のもとで暮らす子供の数がふえ、貧困の度合いが深刻化していることのあらわれだとのこと、繰り返される国の労働法制の改悪で、働いても働いても貧困状態という我が国特有のワーキングプアの問題が背景にあると指摘されています。
政府が公表している貧困率は、厚生労働省が3年ごとに実施する国民生活基礎調査によるもので、都道府県ごとの集計がありませんが、山形大学の戸室准教授が独自に都道府県ごとの子供の貧困率を計算し、公表しています。
それによると、全国的には1992年の5.4%から2012年は13.8%に増加し、北海道は8.0%から19.7%に増加、全国で5番目の高さになっています。
さらに、戸室准教授はあわせて、2012年のワーキングプア率、非正規労働者率も計算しています。
貧困率の高い順に沖縄県、大阪府、鹿児島県、福岡県、北海道と続きますが、非正規労働者率も高い順に沖縄県、北海道、大阪府、京都府、福岡県、鹿児島県と続き、おおむね共通していることがわかります。
子供の貧困率は、非正規労働者の増加と低い賃金のもとで増加していったことが見てとれます。
2013年に制定された子どもの貧困対策の推進に関する法律第4条で、地方自治体の責務として、子供の貧困対策に関し、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有するとしています。
初めに、項目1、当市における子供の貧困の実態についてどのような認識をお持ちかお伺いをいたします。
次に、項目2、子供の貧困対策への基本的なお考えについてお伺いをいたします。
子どもの貧困対策の推進に関する法律により、2014年8月に閣議決定した子供の貧困対策に関する大綱には、子供の貧困対策の意義について、貧困は、子供たちの生活や成長にさまざまな影響を及ぼすが、その責任は子供たちにはない。子供の将来が生まれ育った環境で左右されることがないように必要な環境整備と教育の機会均等を図る子供の貧困対策は極めて重要と言っています。
また、子供の貧困対策に関する基本的な方針では、子供の養育について家族・家庭の役割と責任を過度に重く見る考え方などの影響により、子供の貧困の実態が見えにくく、捉えづらいとした上で、子供の貧困対策に取り組むに当たっては、子供の貧困の実態を適切に把握した上で、そうした実態を踏まえた施策を推進していく必要があると言っています。
この間、子供の貧困対策についてどのようにされてきたのか、基本的なお考えをお伺いいたします。
次に、項目3、貧困対策としての就学援助の見直し、改善についてお伺いをいたします。
就学援助は、義務教育は無償として、憲法第26条を具体化し、経済的に苦しい家庭の小・中学生の学用品や入学準備金、給食費や医療費などを援助する制度で、小・中学生の貧困対策の一つとして不可欠なものです。
子供の貧困対策に関する大綱は、義務教育段階での就学支援の充実として市町村が行う就学援助の取り扱いの参考となるよう、国として就学援助等の実施状況を定期的に調査し、公表するとともに、就学援助ポータルサイトを整備するなど、就学援助の適切な運用、きめ細かな広報等の取り組みを促進し、各市町村における活用、促進を図るとしています。
一つ目に、当市では、PTA会費や生徒会費、クラブ活動費の支給がされないままとなっていますが、近隣自治体では、何らかの形で支給するようになってきています。
大綱でも就学援助の適切な運用を求めていますが、この際、PTA会費等3費目について改めて検討すべきと考えますが、お考えをお伺いいたします。
二つ目、就学援助の入学準備金の就学前支給の検討についてお伺いをいたします。
子供たちの成長を実感できるのは、何といっても入学式です。その入学式には、せめて人並みに新しい服で、新しい靴でと願うのは決してぜいたくなことではありません。しかし、入学準備にかかる費用は決して少なくはありません。
特に、中学生の場合には、学校指定のジャージや制服一式、運動靴やかばんなど絶対にそろえなければなりません。それらの費用は、安くても5万円から6万円、高いものであれば7万円から8万円もかかるということです。市内の制服取扱店の話では、分割での支払いを希望する保護者は、毎年数人程度おられるということです。
全国的にも入学準備金の入学前支給が検討、実施されるようになってきました。
福岡県福岡市では、平成27年4月に小・中学校に入学する児童生徒から、就学援助の入学準備金を入学前に前倒しして支給することになりました。それまでは7月以降だった支給を3月の支給とし、受け付け期間も1月中にしています。
また、新潟県新潟市も入学準備金の支給が8月だったところを3月支給にし、東京都板橋区も小学校6年生で就学援助を利用している世帯に、中学校入学前の3月に先行支給するなど、大変喜ばれているということです。
このように、貧困対策としても重要な就学援助をより利用しやすいものにすることが必要だと考えます。
税の確定時期との関係で支給時期が決められていると説明されてきましたが、このような先進事例から、切実な願いに応えるべきと考えますが、いかがかお伺いいたします。
次に、項目4、全国的に広がっている子供食堂の役割と当市での必要性についてどのようにお考えかお伺いをいたします。
子供の貧困対策について、立教大学の浅井教授は貧困をなくす四つの処方箋として、一つ、食の保障、二つ、学習権・進学権の保障、三つ、経済的保障、四つ、労働生活への連携を挙げておられます。
その中でも、特に1番目の食の保障について、今、まともな食事は給食だけという子供たちがふえてきている中で、子供が育つために必要な栄養バランスのよい、おいしい食事を提供することは貧困対策の1番目に位置することであり、各地で広がる子供食堂の取り組みはその一端を担っていると言われています。
また、全国的なこども食堂ネットワークの事務局の方は、子供食堂は地域の人たちと協力し合って成り立つもので、地域コミュニティーの中心になる。長い目で見れば、地域のつながりをもう一度つくり直すことで、地域ぐるみで子供たちを守るという考えを根づかせ、結果的に貧困対策の大きな力になるのではと話されています。
北海道の子供食堂の情報には、当市でも子供食堂が運営されていることが載っています。
全国的にも、そして全道的にも広がってきている子供食堂の役割や当市における子供食堂の意義など、どのようにお考えかお伺いをいたします。
次に、質問の3件目、障がい者の就労支援についてお伺いをいたします。
初めに、項目1、障害者差別解消法4月施行のもとでの市の取り組みについてお伺いをいたします。
この法律は、国、自治体、民間事業者が、障がいのある人に対して正当な理由もなく、障がいを理由として差別すること、不当な差別的取り扱いをすることを禁止しているものです。
例えば、席があいているのに、混雑する時間帯だからという理由で車椅子利用者の入店を断ることはできないなどということです。
また、この法律は、合理的配慮の提供を国、自治体、民間事業者に求めています。合理的配慮の提供とは、例えば、視覚障がい者が試験を受けるときは、点字で行うこと、聴覚障がい者が参加する会議には、手話通訳者を配置することなど、障がい者が、障がいのない人と同じことができるように、それぞれの障がいに応じて行うことが求められるというものです。
ただし、提供側の過重負担にならない範囲で障がい者の要望に応じることを求め、国と自治体には法的義務としたのに、民間事業者には努力義務にとどめました。社会的障壁を取り除き、障がい者の能力を発揮できるようにするには、民間事業者にも法的義務が必要と考えます。しかし、何が社会的障壁に当たるかについては、障がい者に意思表明を求めるとしていますが、意思表明が困難な障がい者も決して少なくはありません。
さらに、障がい者が差別を受けたときの相談窓口や救済の仕組みなどについては、法律では明確にされていません。障害者差別解消法を障がい者の社会参加を促す実効性のあるものにし、同時に障がい者の暮らしを支える福祉施策と合わせ、両者が車の両輪になることが不可欠です。
この中で、障害者差別解消法第6条第1項に基づき、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針が示され、第3、行政機関等が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項として、職員による取り組みを確実なものとするために対応要領を定めることとしています。
全国的には、まだ21%程度の策定とのことですが、ことし3月策定の広島県広島市職員対応要領では、本市職員が障がいを理由として不当な差別的取り扱いを行わないため、また、障がい者への合理的配慮を提供するため策定したとあります。
さらに、障害者差別解消法第17条では、障害者差別解消支援地域協議会についても明記されていますが、これら、障害者差別解消法に基づく当市の取り組みについてはどのようにお考えかお伺いをいたします。
次に、項目2、障がい者の就労の実態と課題についてお伺いいたします。
障がい者の貧困について、2月16日付の東京新聞で、障がい者の貧困率は健常者の2倍、4人に1人以上と慶応義塾大学の山田教授の調査結果を掲載しています。
また、障がい者団体きょうされんが2011年に行った、障がいのある人の地域生活実態調査では、福祉的就労をしている1万人を対象にしたもので、年収100万円以下が56%、2人に1人が貧困状態、6割が親と同居し、社会との接点が少ないということも明らかになったとしています。
昨年3月に策定した障がい者支援・えべつ21プランの第4期障がい者福祉計画では、雇用・就労施策の充実と就労能力の向上支援を掲げていますが、施設関係者や当事者からは、障がい特性によっては短時間勤務であったり、単純な作業であったりするために、単価が安く抑えられ、経済的には非常に厳しい状況だとお聞きしました。
障がい者の就労の実態と課題となることについてどのようにお考えかお伺いをいたします。
次に、項目3、改正障害者雇用促進法のもとでの就労促進の対策についてどのようにお考えかお伺いをいたします。
障害者差別解消法の制定、施行に合わせて、改正障害者雇用促進法では、障がい者に対する差別禁止や合理的配慮の提供が事業規模にかかわらず義務づけられ、施行はこの4月からとなっています。
法定雇用率は原則5年ごとに検討され、2013年4月から2018年3月までは、従業員50人以上の民間企業は2%、国や地方公共団体は2.3%であり、さらに、2018年4月からは精神障がい者についても雇用義務の対象となります。障害者自立支援法施行以来、福祉的就労から一般就労への流れが強化され、当市においても就労移行支援事業が展開され、障がい者の雇用環境が整えられてきているようにも思われます。
しかし、障がい者が働き続ける、しかも、自立していくことを目的に働き続けることは、今でも容易なことではないとお聞きします。自分が働き続けられる職種を見つけ出すことがなかなかできない、職場体験をしても自信が持てず、やめざるを得ないとか、働いて得た賃金では到底食べていかれない、体調が悪く、結局働き続けられなかったなど、現状でも障がい者が就労することの難しさをお聞きします。
今回、改正された障害者雇用促進法は、事業者にはその規模にかかわらず、合理的配慮は法定義務となること、一方、合理的配慮に係る措置が過重な負担を及ぼす場合は合理的配慮を提供する必要がないともされています。しかし、過重な負担か否かは個別の措置ごとに事業者が判断することとされ、その責任もまた重大です。
今回改正された障害者雇用促進法の趣旨が事業者にも障がい者にも十分生かされ、就労の促進が図られるように、どのような対策が必要とお考えかお伺いをいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。

議長(三角芳明君)

吉本議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

吉本議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、私の基本姿勢に関連しまして、TPP協定案が2013年国会決議に反するという認識についてでありますが、TPP環太平洋パートナーシップ協定は、関係12カ国による5年半に及ぶ交渉の末、昨年10月、大筋合意に達し、本年2月に、各国の代表によって署名がなされたところであります。
TPP協定は、世界のGDPの約4割に相当する規模の経済圏、また人口8億人の巨大市場へ、国内においての地方の特色を生かした地場産業、農産品等が海外展開する道が開かれ、また、こうした市場に進出することで、新たな産業の創出や国全体の生産性向上につながることが期待されております。
一方で、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖原料のいわゆる重要5品目を初めとする関税率の引き下げや輸入枠拡大により、農林水産業への影響が懸念され、多くの関係者が不安を抱えている状況であります。
御質問の2013年の国会決議につきましては、重要5品目について、引き続き再生産可能となるよう除外または再協議の対象とすることや、10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないことが決議されたものでありますが、多くの農業関係者の不安を払拭するためには、国会決議も踏まえ、どのような経過や理由により大筋合意に至ったかなど、明らかにすべきであると考えております。
私としましては、今後、さらに国会において十分な審議がなされることで、農業関係者を初めとする国民の理解が得られるのか、注視してまいりたいと考えております。
中でも、農業への影響に関しましては、市町村別の農業産出額の統計資料などが公表されておらず、市町村が判断できる状況に至っていないことから、市といたしましても、強く要望していかなければならないと考えております。
本年5月には、北海道市長会において、関係者に対し誠意を持って説明することや、影響額などを把握し明らかにすることなどについて要請する決議を行ったところでありますので、引き続き、北海道市長会を通じ、強く要請してまいりたいと考えております。
次に、政府のTPP試算額への認識及び当市の農業への影響についてでありますが、国は、昨年12月、関税率10%以上、かつ国内生産額10億円以上である農産物19品目のほか、林産物及び水産物14品目を試算対象品目として影響額を公表いたしました。
具体的に申し上げますと、米は影響がなく、小麦は約62億円、牛肉は約311億円から約625億円、牛乳・乳製品は約198億円から約291億円など、農産物の合計では、約878億円から約1,516億円の生産額が減少すると算出しております。
国は、この試算に当たり、個別品目ごとに輸入品と競合する部分としない部分に分け、それぞれに対しての価格低下を算出し、さらには、品目ごとに異なる関税削減率や期間を加味した上で、生産額を積み上げるなど、複雑・多様な条件を踏まえまして、算出しているものと認識しております。
なお、当市の農業への影響につきましては、平成19年以降、国から市町村別農業産出額の統計資料が公表されていないことから、現状では、市の全体的な影響額を正確に算出できませんが、仮に、国等により万全の対策が講じられなければ、多大な影響を受けるものと考えております。
いずれにいたしましても、TPPの影響は相当な長期に及び、農業者が抱く不安等も懸念されますことから、北海道市長会を通じ、国に対し早急に基礎資料を調査・公表するよう強く要請してまいりたいと考えております。
次に、協定批准ではなく反対を求めることについてでありますが、先ほども申し上げましたように、TPP協定は、新たな産業の創出や国全体の生産性向上につながることが期待される一方で、農林水産業への影響が懸念され、多くの関係者が不安を抱えているところであります。
今後におきましても、北海道市長会を通じ、市町村別の農業産出額の統計資料や影響額の算出に必要な基礎資料を調査・公表することなどを強く求めながら、今後の国会の審議を注視してまいりたいと考えております。
次に、子供の貧困対策に関連しまして、当市の子供の貧困に対する認識についてでありますが、国が公表している貧困率は、子供の数や所得状況、生活意識など、世帯の状況を総合的に把握するために実施している国民生活基礎調査をもとに算出され、全国的な傾向として上昇していることから、子育て世帯の貧困は拡大しているものと認識しております。
そこで、当市における子供の貧困の状態についてでありますが、国が算出した子供の貧困率では自治体ごとでの数値が公表されておらず、また、市が保有するデータなどからも貧困率を推計することは難しい状況にあります。
しかしながら、子供の高校や大学などへの就学に必要な資金の貸し付けなど、ひとり親世帯等からの経済的な相談は横ばいであることなどから、今後におきましても、経済的に困窮する子育て世帯への対応が課題であると認識しております。
次に、子供の貧困対策に対する基本的な考え方についてでありますが、国の子供の貧困対策に対する大綱では、子供の将来がその生まれ育った環境に左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図ることとしております。
市といたしましては、これまでも独自に低所得者層に対する保育料の軽減や働きたい女性のための就職支援事業などに取り組んできたほか、平成27年度からは、生活困窮者自立支援法に基づき事業を開始し、専任の支援員が困り事の相談に当たっているところであります。
さらなる取り組みといたしましては、国の基準改定に合わせた生活支援としまして、ひとり親世帯等に対する児童扶養手当の多子加算の増額や、多子世帯のうち一定の所得水準以下の世帯に対する幼稚園就園奨励費減免額の増額を実施するほか、就労支援としまして、ひとり親世帯の親に対し就労に有利になるよう資格取得の支援を目的とした自立支援教育訓練給付金、高等技能訓練促進費の拡大を行うこととしております。
今後におきましては、国は現在、子どもの貧困対策会議などで具体的な施策について検討を進めておりますので、市といたしましては、これらの動向を注視してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長ほかをもってお答え申し上げます。

健康福祉部長(真屋淳子君)

私からは、子供の貧困対策についての御質問のうち、全国的に広がっている子供食堂の役割と当市での必要性について及び障がい者の就労支援について御答弁申し上げます。
まず、子供の貧困対策についての御質問のうち、全国的に広がっている子供食堂の役割と当市での必要性についてでありますが、子供食堂は、子供の貧困対策や居場所づくりの取り組みの一つとして、首都圏を中心に広がりを見せており、食事の提供や世代交流などの場としての役割を担っているものと認識しております。
当市におきましては、本年4月に市内大学の学生が、市内商店街に子供食堂を開店し、食事の提供とともに世代交流や遊びの場などを提供する活動を開始したところであります。
子供食堂は、子供の貧困対策でもありますが、開設者の多くは、子供がひとりで食事をとる、いわゆる孤食を減らすこと、大勢で食事をとることにより家族以外とのかかわりの中で社会性を身につけることなど、子供の居場所づくりが役割であるとしております。
当市におきましては、これまでも学校やPTA、自治会や母子会など各種団体が地域で連携して子供を育む活動を展開しております。
子供食堂にはさまざまな運営形態があり、地域交流や子供を育む活動としても意義があると認識しておりますことから、先進事例や市内大学の取り組みの動向を注視してまいりたいと考えております。
次に、障がい者の就労支援に関しまして、障害者差別解消法施行のもとでの市の取り組みについてでありますが、市では、本年4月からの法の施行に際し、職員向けに法の趣旨及び各職場における障がいのある方への合理的配慮の事例等についての研修会を開催したほか、法の趣旨及び相談先等について、広報えべつにおいて広く市民に周知したところであります。
また、現在、市では、法で努力義務とされている、職員が障がいのある方に対して適切に対応するための職員対応要領の策定作業を進めているところであります。
なお、法で任意設置とされている差別に関する相談などを協議する障害者差別解消支援地域協議会についても、近隣自治体の設置状況等について調査し、今後の相談状況などを見きわめながら、どのような形がいいのか検討してまいりたいと考えております。
今後におきましても、引き続き、職員に対する意識啓発に努めるとともに、相談支援体制の充実や市民周知に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、障がい者の就労の実態と課題についてでありますが、一般の事業所に雇用されることが困難な方が利用する福祉的就労により収入を得る場合においては、通常の収入よりも低い場合があると認識しております。
一方で、福祉的就労を行う方の中には、収入だけではなく、通所を通して日常生活を規則正しく送ること及び日中活動の場として活用することを主な目的として利用される方も多くおります。
また、障がいのある方が考えていた仕事の内容と実際に就労してからの内容が異なり、短期に離職してしまうような、能力と業務のミスマッチがあることや、就労先において障がい者雇用への理解が進んでいないことなどが課題であると認識しております。
これらに対応するため、市といたしましては、障がいのある方の具体的な希望や状態に応じた就労や活動が実現されるような支援が必要であると考え、昨年の8月に就労実現に向けた支援及び実現後の職場定着支援等を行うため、えべつ障がい者しごと相談室すてらを設立いたしました。
この設立によって、より多くの就労相談支援が可能となったことから、今後も就労を望む方の具体的な希望などを把握した上で、可能な限り希望が実現されるよう、適切な支援に努めてまいりたいと考えております。
次に、改正障害者雇用促進法のもとでの就労促進の対策についてでありますが、改正障害者雇用促進法の主な改正内容は、障がい者に対する差別の禁止等に関する規定が設けられ、また、法定雇用率の算定基礎に精神障がい者が加えられたものであります。
国及び北海道においては、事業主に対して法の趣旨の理解を促すための通知や説明会の開催、差別的取り扱いが発生した際の事業所への助言・指導等、さらに、障がい者法定雇用率が未達成の事業所に対して訪問・指導を行うなど、障がい者雇用のための環境整備を促しているところであります。
市といたしましても、法の趣旨にのっとり、先ほど御答弁で申し上げましたえべつ障がい者しごと相談室すてらを活用するなどして、事業所が障がい者雇用を進める上で、障がいのある方への配慮・理解が進むよう、商工会議所を通じて事業所に周知を図るなど、関係機関とも連携して対応してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

教育部長(渡部丈司君)

私からは、子供の貧困対策についての御質問のうち、貧困対策としての就学援助の見直し、改善について御答弁申し上げます。
就学援助制度は、学校教育法第19条の規定に基づき、経済的理由によって、就学困難と認められる児童生徒の保護者に対し必要な援助を行うものであります。
現在、市では、就学援助の認定者に入学準備金を初め、学用品費、体育実技用具費、校外活動費、修学旅行費、給食費、医療費などの支給を行っております。
財源につきましては、平成17年度に国の補助制度から地方交付税措置に変わりましたが、十分な財源措置がなされていないところであり、また、認定基準、支給品目、支給額については、自治体に委ねられているため、自治体によって支給内容が異なっている状況であります。
御質問のありましたPTA会費、生徒会費、クラブ活動費における道内各市の平成27年度の支給状況は、3費目全てを支給している市は9市、PTA会費のみ支給している市が5市であります。
現在、北海道都市教育長会では、北海道教育委員会を通じて国に、自治体が行う就学援助については、その充実を図るため、基準を明確にした制度改正及び財源措置の拡充を求めているところであります。
3費目の支給については、市のこれまでの検討の中で、PTA会費や生徒会費は学校により金額が異なること、クラブ活動費においても部活動により必要な経費が異なるなど、課題もありますことから、現在支給していない状況であります。
今後、国における貧困対策の動向を見きわめるほか、市内の保護者や学校関係者から意見を伺うなど、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、就学援助の入学準備金の支給時期についてでありますが、市では、毎年、新中学校1年生は3月中旬、新小学校1年生は4月中旬までに申し込みを受け付け、要件等を確認後、6月下旬に支給しているところであります。
なお、新中学校3年生の修学旅行費については、2月下旬までに申し込みを受け付け、旅行の時期によっては、4月に支給している場合もございます。
就学援助をより利用しやすいものにしてはどうかとの御質問でありますが、中学校に入学する生徒は入学前に制服等をそろえなければならない事情もあることから、入学に際しての保護者の経済負担の軽減が図られるよう、支給の時期を早めることについて、他市の状況も参考にしながら早期に対応できるよう検討してまいりたいと考えております。
以上であります。

吉本和子君

御答弁ありがとうございました。
2回目は、2件の要望といいますか御意見を言わせていただくことと、1件の質問をさせていただきたいと思います。
まず1件目は、TPPに関して、市長の御答弁の中でいろいろお話がありましたが、多大な影響があるということと、それが相当長期に及ぶだろうというような、そういう認識をお示しになりましたけれども、私も本当にそうだと思っております。
そういう意味でも、TPPについては慎重な審議はもちろんですけれども、根本的には、まずはやめるべきだというふうに思いますが、その辺の正式な表明がなかったのはちょっと残念でしたけれども、農業に関しての思いは随分と共通するところがあるのかなというふうにお聞きいたしました。
偶然だったのかもしれませんが、昨日の諏訪部議員の農業に関してのシティプロモートについては、かなり江別の農業の役割をいろいろとお話しされまして、そうだからこそやはりTPPの影響というのは農業に深刻な影響を与えますし、江別のこれからのまちづくりの将来にもすごく大きな影響を与えるものだなというふうに思いました。
ぜひ市長におかれましては、北海道市長会を通じてというお話もございましたけれども、市長独自としてもTPPに対しては強い態度で、江別の農業を守るという立場で御意見を申し上げていただきたいというふうに思います。
2件目は、子供の貧困対策について、最後に御答弁をいただきました就学援助の入学前支給の件ですけれども、なるべく早くに対応してくださるというふうに理解をいたしました。
御答弁にもありましたけれども、3月、4月はいろんな意味で物入りで、本当に大変というふうに保護者の方たちがおっしゃっております。
ぜひ就学援助の入学前支給については早急に検討されて、1日も早く関係する方々にお知らせいただきたいというふうに思います。
最後の3項目めについて、障がい者の就労支援にかかわってのところですけれども、今、江別市役所の中で検討が行われている職員の対応要領のことについて、1件だけお聞きしておきたいと思います。
いろんな事例を見ますと、同じような形でつくられているのかなというふうに思いますが、本質的には相手の障がい者、当事者の方たちのためにどう対応するかということなのですけれども、その障がい者、当事者の方たちの御意見や思いというものはどんなふうにこれに反映していかれるのかということです。
今、当事者の方たちの意見をどのように反映させて要領をつくろうとしていらっしゃるのか、その点について1点お聞きしておきたいと思います。

健康福祉部長(真屋淳子君)

再質問に御答弁申し上げます。
具体的に策定作業を進めております職員対応要領への当事者意見の反映についてでありますが、職員対応要領につきましては、現在、案を作成中であり、今後、実際に行政サービスを利用される当事者団体から直接、御意見をお伺いするなどして職員対応要領に反映させる予定でおります。
今後におきましても、必要に応じて当事者の方の御意見を伺いながら、障がいのある方々への支援の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
以上であります。

吉本和子君

おおむね理解をいたしました。
最後に要望をさせていただきたいのですが、障がい者の方たちの法律が、この間随分といろいろ変わりましたけれども、そういう中で障がい当事者の方たちは、自分たちのことは自分たちを抜きにして決めないでくれというようなことを本当に合い言葉にして、長い間運動されていらっしゃいます。
ぜひ、そういう障がい者の本当の思いを酌み取った対応要領にしていただきますようお願いして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

議長(三角芳明君)

以上をもって、吉本議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

議長(三角芳明君)

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午前10時58分 散会