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平成27年第1回江別市議会定例会会議録(第2号)平成27年3月6日

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年6月9日更新

1 出席議員

26名

議長清水 直幸 君副議長齊藤 佐知子 君 
議員本間 憲一 君議員森好 勇 君
議員吉本 和子 君議員高橋 典子 君
議員角田 一 君議員島田 泰美 君
議員高間 専逸 君議員立石 静夫 君
議員石田 武史 君議員山本 由美子 君  
議員岡 英彦 君議員星 秀雄 君
議員三角 芳明 君議員野村 尚志 君
議員内山 祥弘 君議員鈴木 真由美 君
議員相馬 芳佳 君議員宮川 正子 君
議員裏 君子 君議員坂下 博幸 君
議員尾田 善靖 君議員干場 芳子 君
議員赤坂 伸一君議員岡村 繁美 君

2 欠席議員

0名

3 説明のため出席した者の職氏名

市長三好 昇 君副市長佐々木 雄二 君
水道事業管理者藤田 政典 君総務部長佐藤 哲司 君
総務部調整監渡辺 喜昌 君企画政策部長 山田 宗親 君
生活環境部長後藤 好人 君経済部長北川 裕治 君
経済部総合特区推進監安藤 明彦 君健康福祉部長真屋 淳子 君
建設部長西村 晃一 君病院長梶井 直文 君
病院事務長吉岡 和彦 君消防長田中 修一 君
水道部長松田 俊樹 君会計管理者篠原 昇 君
総務部次長佐藤 貴史 君財務室長越田 益夫 君
教育委員会委員長長谷川 清明 君教育長月田 健二 君
教育部長斉藤 俊彦 君監査委員松本 紀和 君
監査委員事務局長小川 和夫 君農業委員会
会長職務代理者
金安 正明 君
農業委員会事務局長出頭 一彦 君選挙管理委員会
委員長
古石 允雄 君
選挙管理委員会
事務局長
長尾 整身 君

4 事務に従事した事務局員

事務局長中川 雅志 君次長松井 謙祐 君
庶務係長中村 正也 君議事係長嶋中 健一 君
主査川合 正洋 君主任壽福 愛佳 君
主任伊藤 みゆき 君書記丹羽 芳徳 君
事務補助員金塚 貴子 君

5 議事日程

日程第1  会議録署名議員の指名
日程第2  諸般の報告
日程第3  議案第20号 平成26年度江別市一般会計補正予算(第5号)
日程第4  議案第22号 平成26年度江別市介護保険特別会計補正予算(第2号)
日程第5  議案第23号 平成26年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)
日程第6  議案第24号 平成26年度江別市水道事業会計補正予算(第1号)
日程第7  議案第25号 平成26年度江別市下水道事業会計補正予算(第2号)
日程第8  一般質問

発言者及び発言趣旨

森好  勇 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 市長の基本姿勢について
    (1)政府の新年度予算への見解について
    (2)アベノミクス経済対策の効果について
    (3)政党助成金について
  2. 住民が主人公のまちづくりについて
    (1)江別市中小企業振興条例の見直しについて
    (2)公契約条例の制定について
  3. 地方創生について
    (1)江別市の第6次総合計画と総合戦略の関係について
  4. 江別の顔づくり事業から福祉のまちづくりについて
    (1)江別の顔づくり事業を考える会への対応について
    (2)事業評価委員会の設置について
    (3)顔づくり事業の江別市負担分の財源手当てについて
    (4)福祉を最優先するまちづくりについて 

裏  君子 君 (総括質問総括答弁方式)  

  1. 公共施設等総合管理計画の推進について
    (1)公共施設等総合管理計画策定の考え及び取り組みについて
  2. あけぼの団地の管理及び整備等について
    (1)江別市営住宅長寿命化計画の周知について
    (2)管理手法について
    (3)浴室設置について
    (4)同居する親族の要件の緩和拡大について
    (5)住みかえ要件について
    (6)DIY住宅の考え方を取り入れることについて
    (7)あけぼの団地の建てかえの方針について
  3. あけぼの町周辺地域のまちづくりについて
    (1)あけぼの町周辺地域の路線バスのあり方について
    (2)コレクティブハウジングの考え方による公共住宅整備について

赤坂 伸一 君 (総括質問総括答弁方式)  

  1. 改選期の骨格予算のあり方について
    (1)骨格予算と本格予算の違いをどのように位置づけているか
    (2)留保財源をどのように位置づけているか
  2. 市立病院の経営について
    (1)経営健全化計画と市長、病院長の思いについて
    (2)一般会計負担の限度について
    (3)専門医確保について
  3. 宿泊施設誘致について
    (1)江別市への滞在型来訪者の把握と宿泊施設誘致について
    (2)顔づくり事業地区への展開の可否について
  4. 定数管理と人事行政について
    (1)断水の経験を生かす取り組みは
    (2)公金横領事件の問題点と人事のあり方について
    (3)育児休業者、病欠者を考慮した定数枠の改善について 

石田 武史 君 (一問一答方式)

  1. 電子式水道メーターへの更新事業について
    (1)電子式水道メーターへの更新の必要性について
    (2)更新による市民負担について
  2. ノハナショウブの群生地の保存と活用について
    (1)保存と活用についてどのように考えているか
    (2)観光行政における位置づけについて
  3. 江別市における美術館の設置について
    (1)美術館を江別市に設けることについて
    (2)アートによるまちづくりの推進について

6 議事次第

◎ 開議宣告

 議長(清水直幸君) 

これより平成27年第1回江別市議会定例会第9日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は26名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(清水直幸君) 

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(清水直幸君) 

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
高橋議員
高間議員
を指名いたします。

◎ 諸般の報告

議長(清水直幸君) 

日程第2 諸般の報告を事務局長に報告させます。

事務局長(中川雅志君) 

御報告申し上げます。
監査委員から報告のありました例月出納検査結果報告1月分につきましては、お手元に配付のとおりでございます。
以上でございます。

◎ 議案第20号

議長(清水直幸君) 

日程第3 議案第20号 平成26年度江別市一般会計補正予算(第5号)を議題といたします。
お諮りいたします。
本件に関する生活福祉常任委員長報告は、会議規則第37条第3項の規定により省略することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
(「なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
初めに、総務文教常任委員長の報告を求めます。

総務文教常任委員長(岡 英彦君) 

ただいま上程されました議案第20号 平成26年度江別市一般会計補正予算(第5号)について、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
今回、審査を行いました当委員会所管分の補正予算は、国の緊急経済対策に伴い、江別小学校・江別第三小学校統合校建設における江別第三小学校の円形校舎棟の解体工事及び公共交通利用促進対策事業におけるバス路線の再構築に向けた実証運行など、本年度に前倒しする4事業のほか、まち・ひと・しごと創生法に基づく地方版総合戦略及び地方人口ビジョンの策定など、新規の3事業に要する経費であります。
主な質疑の状況について申し上げますと、地方版総合戦略及び地方人口ビジョンの策定における人口推計・調査等委託の内容に関する質疑に対して、答弁では、実施しようとしている人口推計は、基本的に2060年までの相当長期にわたるものであり、一般的な人口動態分析のほか、就労や出産、子育て等に関する意識調査なども想定していると述べられております。
また、えべつシティプロモーション事業における市内大学受験者向け移住促進リーフレットの狙いに関する質疑では、市内の4大学には、本州など遠方から受験する方もいると思うが、その際に、江別の魅力についてお伝えすることで、入学の機会に江別に住んでもらうことを意図していると答弁されております。
そのほか、江別第三小学校の円形校舎棟の解体工事に係る財源、公共交通利用促進対策事業におけるバスの実証運行における課題、次世代災害対応力支援事業による防災備品の整備などについて質疑が交わされております。
以上の質疑を経て結審を行いましたところ、討論はなく、採決を行いました結果、議案第20号については、全員一致により、原案のとおり可決すべきものと決しております。
当委員会に付託されました議案第20号の審査の経過と結果については、以上のとおりであります。
よろしく御決定賜りますようお願い申し上げます。

議長(清水直幸君) 

これより、総務文教常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上をもって、総務文教常任委員長報告を終結いたします。 
次に、経済建設常任委員長の報告を求めます。

経済建設常任委員長(鈴木真由美君) 

ただいま上程されました議案第20号 平成26年度江別市一般会計補正予算(第5号)について、審査の経過と結果を御報告申し上げます。
委員会の開催日は、お手元に配付の付議事件審査結果報告に記載のとおりであります。
今回、審査を行いました当委員会所管分の補正予算は、国の緊急経済対策に伴い、新たに実施する介護人材育成事業と江別市プレミアム付商品券発行事業、及び従前より実施している、働きたい女性のための就職支援事業や有給インターンシップ等地域就職支援事業、江別産農畜産物ブランディング事業など6事業の拡充のほか、本年度に前倒しで実施する2事業などに要する経費であります。
主な質疑の状況について申し上げますと、江別市プレミアム付商品券発行事業の対象範囲と見込まれる効果についての質疑では、広く地元の消費を拡大することにより地域経済が活性化されることを考えており、対象業種は特に限定せず、市内で小売業、サービス業等を営んでいる店舗を対象としたい。見込まれる効果については、例えば、市が2,500円を拠出することにより、消費者からは1万円が拠出されることとなり、全体としては1万2,500円の消費につながるなど、小さい力で大きな効果をもたらすレバレッジ効果が生まれ、大きな消費喚起効果が見込まれると答弁されております。
また、有給インターンシップ等地域就職支援事業における受け入れ企業の負担についての質疑に対し、答弁では、現在は、受け入れ企業が人材派遣会社から学生の派遣を受ける際に、通常支払う賃金のほかに手数料を負担する仕組みであるため、受け入れ企業がなかなか出てこなかったことから、手数料分を市が助成することによって企業の負担を軽減していきたいと述べられております。
そのほか、介護人材育成事業の目的、働きたい女性のための就職支援事業における就職相談窓口の開設場所、地域農業安定推進事業の補助を受けるための基準、歴史的れんが建造物保存活用事業における集客イベント委託料の考え方などについて質疑が交わされております。
以上の質疑を経て結審を行いましたところ、討論はなく、採決を行いました結果、議案第20号については、全員一致により、原案のとおり可決すべきものと決しております。
当委員会に付託されました議案第20号の審査の経過と結果については、以上のとおりであります。
よろしく御決定賜りますようお願い申し上げます。

議長(清水直幸君) 

これより、経済建設常任委員長報告に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上をもって、経済建設常任委員長報告を終結いたします。
これより、議案第20号 平成26年度江別市一般会計補正予算(第5号)に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第20号を採決いたします。
議案第20号は、委員長報告のとおり、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。

◎ 議案第22号ないし議案第25号

議長(清水直幸君) 

日程第4ないし第7 議案第22号 平成26年度江別市介護保険特別会計補正予算(第2号)、議案第23号 平成26年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)、議案第24号 平成26年度江別市水道事業会計補正予算(第1号)及び議案第25号 平成26年度江別市下水道事業会計補正予算(第2号)、以上4件を一括議題といたします。
これより議案第22号 平成26年度江別市介護保険特別会計補正予算(第2号)に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第22号を採決いたします。
議案第22号は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第23号 平成26年度江別市基本財産基金運用特別会計補正予算(第1号)に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第23号を採決いたします。
議案第23号は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
次に、議案第24号 平成26年度江別市水道事業会計補正予算(第1号)及び議案第25号 平成26年度江別市下水道事業会計補正予算(第2号)、以上2件に対する一括討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、議案第24号及び議案第25号を一括採決いたします。
議案第24号及び議案第25号は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
御異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。

◎ 一般質問

議長(清水直幸君) 

日程第8 一般質問を順次行います。
森好勇議員の市長の基本姿勢についてほか3件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

森好 勇君 

発言通告に従い順次質問します。
地方自治体にも直接影響する新年度国家予算について市長の見解をお聞きします。
安倍自公政権の予算案は、大企業には法人税減税、軍事費は3年連続増加で過去最高へ膨張させました。これと反対に、介護、医療、年金、生活保護費等の社会保障などは負担増と給付削減という痛みを次々と国民に押しつける内容であります。介護報酬は2.27%削減で実質2回連続マイナス改定、介護労働者の処遇加算などを除くと給付費ベースで2,072億円の削減になります。年金では、物価上昇以下に年金を抑えるマクロ経済スライドを初めて発動し、過去の物価下落分を理由にした年金削減を実施するなど、年金生活者にとってはますます厳しい暮らしになります。医療では、今年度から順次70歳になる人の窓口負担を1割から2割へ、さらに来年度以降は、後期高齢者の保険料の特例軽減の廃止で大幅な値上げなどがあります。
安倍首相は大企業をもうけさせれば国民も潤うという破綻したトリクルダウン路線にしがみついています。減税にしても大企業の巨額の内部留保をさらにふやすだけであり、賃上げなどにつながる保証はありません。
1点目に、このような新年度予算案について、市長はどのように思われるかお伺いします。
2点目に、安倍政権の経済政策であるアベノミクスですが、今年の安倍首相の年頭会見で、私たちがまいたアベノミクスという種はこの2年で大きな木へと成長し、実りの季節を迎えようとしていると胸を張りました。大企業がもうかれば国民も潤うという破綻した経済理論です。
経済協力開発機構(OECD)は、昨年12月の報告書で格差拡大に警鐘を鳴らし、OECDはトリクルダウンという考え方を捨て去ったと報じられています。大企業が史上最高の経常利益を上げて内部留保をふやしているのに経済は再生しなかったのです。株価のつり上げや法人税減税で企業収益をふやしても設備投資はふえず、金融緩和を進めても実体経済にお金は流れませんでした。内閣府のミニ経済白書では、消費税増税による実質的な所得低下が個人消費を冷え込ませていると報告しています。実体経済を見てもアベノミクスは好循環どころか行き詰まっていることが明らかであると思います。
そこで、安倍首相の経済政策であるアベノミクスについて市長の見解をお尋ねします。
3点目に、政党助成金についてです。
1995年に導入されていますが、その当時は、リクルート事件に端を発し、佐川・暴力団疑惑、金丸信自民党副総裁の巨額脱税事件、ゼネコン汚職など、相次ぐ金権・腐敗事件への国民の批判の高まりの中で、その温床となっている企業・団体献金を禁止し、民主政治は国民全ての参加によって成り立つものであり、それにかかる必要最小限の費用は、民主主義維持のコストとして、広く国民が負担すべきであるという論理でした。
ところが、5年後になくすといっていた企業・団体献金はいまだに禁止されていません。この20年間で、日本共産党を除く政党が山分けした政党助成金の総額は6,311億円余に上ります。この間、政党助成金を受け取った政党は43党。そのうち33党が政党助成金を手にすると解散・消滅しています。日本共産党は、政治を金の力でゆがめる企業・団体献金の禁止とともに、政党と政治を劣化、堕落させる根源となっている憲法違反の政党助成金を廃止することを強く求め国会に法案を提出しました。
政党助成金に依存している政党は盛んに身を切る改革として国会議員定数削減を主張していますが、本当に身を切るというなら、真っ先に政党助成金制度を廃止すべきと考えるのですが、市長の見解をお聞きします。
次に、住民が主人公のまちづくりについてです。 
憲法第92条は、地方自治の本旨に基づき地方自治体が運営されることを求めています。
地方自治の本旨には、国に対する団体自治、自治体運営の中での住民自治の二つの意味があるとされています。戦前、地方自治体は国の統制のもとに住民を支配し侵略戦争の一翼を担った反省から、地方自治において自治体は国と対等の立場にあることを明らかにしたのが団体自治です。住民自治は住民自身がみずからの住むところを治めることです。時代の発展によって、住民が政治決定に直接関与することが難しくなったため生まれたのが間接民主主義、代議制です。ですから、代議制を機能させるためにも、住民が知り、発言し、行動するなど、可能な限り直接民主主義の精神を生かすことが求められています。だからこそ、情報の共有、参加と協働を市政の基本に位置づけていく必要があります。住民が主人公の政治こそ、住民自治を体現した言葉で、日本国憲法が示す地方政治のあるべき姿です。
昨年5月、日本創成会議・人口減少問題検討分科会は、成長を続ける21世紀にするために、ストップ少子化・地方元気戦略を発表しました。2040年までに若年女性人口が5割以上減少する自治体は消滅可能性自治体であるとして、その対象リストとして896自治体を公表しています。
消滅自治体と言われる自治体が参加している、全国小さくても輝く自治体フォーラムの会は、特殊出生率は全国平均よりもかなり高く、地域資源を生かした特産品づくりでも成果を上げ、地域内循環型経済社会は着実に進展しつつあります。この状況に呼応して都市圏からの移住者も多く見られ、人口減少率は全国平均よりもかなり低くなっています。したがって、単純なシミュレーションによる人口推計で自治体が消滅するという指摘には科学的根拠がないとし、小さくても輝く自治体の多くは消滅どころか未来にますます輝きを放っていることをアピールし、安倍地方創性論や増田レポートが狙っている平成の市町村大合併の第2弾や政府・財界が推進する道州制に反論しています。この会に参加している菊池一春訓子府町長は、訓子府町近隣の平成の大合併で合併した自治体の人口減少率の高さと、大が小を飲み込んで衰退させる現状を指摘し、全ての町民に優しいまちづくりの実践として、農業を中心とした産業振興、住宅リフォームと商工振興、空き店舗・空き家対策、安心して子育てができる環境づくりを報告しています。
民主団体との懇談で、菊池町長は、地域を元気にするには地域で雇用を生み出し資金が循環する仕組みをつくることが必要であり、具体的な施策として住宅リフォーム助成に加え、商店街リフォーム助成も実施し、空き家登録制度など住環境整備は系統的に行っている。新築への助成も検討している。また、国保については赤字の運営だが、憲法第25条から見てもこれ以上の値上げはできないと表明し、さらに8月までに中学生までの医療費無料化を実施する予定であると述べています。
また、安倍首相の進める政策については、町民の未来と憲法の二つの視点から見てどうか。今のやり方は必ずしも正しいとは言えないと疑問を投げかけています。
また、行政として憲法を生かし、全ての町民に優しいまちづくりを目指していくとビジョンを語っています。
このように自治体独自の施策展開で、国土再編の構造改革路線に対して、住民自治をもとにした福祉の向上を図り、人口を維持しふやす地域づくりを実践している自治体もあります。それらの特徴点として、すぐれた定住、子育て、高齢者福祉等の支援策と住民の主体的取り組みが効果を上げています。
住民主人公のためのまちづくりを進める点での産業政策では、地域経済を担う中小企業や農家、協同組合の系統的育成や、大企業や金融機関の地域貢献を図る中で、地域内経済循環を広げ地域内再投資力を高める中小企業振興基本条例を制定することが重要であります。
江別市にも中小企業振興条例がありますが、第1条の目的に、市内中小企業の高度化及び近代化等を促進すると示されているように中小企業に対する補助金や融資を行うための根拠条例であります。この条例では不十分であり市内の3,000を超える事業者が元気に経営する内容ではないと思います。
これに対して近年の中小企業振興条例は、地方自治体の理念を明示し、それに対応した施策の基本方向と、地方自治体、中小企業、住民、さらには大企業や大学等の役割を明記した理念条例へと変わりつつあります。
私は相当以前に東京墨田区の墨田区中小企業振興基本条例に関して質問したことがありますが、その後、道内都市でも、札幌市、帯広市、釧路市、函館市などに広がりつつあります。
江別市第6次総合計画にも産業振興ビジョンが盛り込まれていますが、この計画を具体的に進めるためにも現行の江別市中小企業振興条例の大幅な改正が求められていると考えますが、いかがなものかお尋ねします。
さらに、地方を元気にする方策として、労働者や地元企業の生活や経営を安定させ、さらに地域経済の振興にもつなげていくことを目指した公契約条例も大きな役割を果たしています。
公契約条例の制定について、市長はどのように考えているのかお尋ねします。
何よりも憲法や地方自治法の理念に基づき、住民の福祉向上を第一にした産業政策やエネルギー政策を含む地域経済政策を自律的に展開することが求められていると思います。
次に、地方創生についてです。
アベノミクスが人為的につくり出した円安・株高のメリットは、東京を中心とした大都市業務空間に本社や本拠を置く多国籍企業や資産家にしかあらわれていません。逆に、地方に行けば行くほど輸入に頼る食料品価格や資材の高騰、米価下落と個人所得の目減りによって、家計も企業も農家経営も厳しくなるという対極的な状態が広がっています。だからこそ、消費税の引き上げを決断できず、地方創生を言わざるを得なくなっているのです。
安倍首相は、石破地方創生担当大臣に対して、道州制や地方分権改革の検討、国家戦略特別区制度の推進を指示しています。このことは第1次安倍内閣時代でやろうとしてできなかった憲法第9条の明文改憲と道州制の導入を進め、経団連の進めるグローバル国家の形をつくるための長期戦略の一環として、地方創生を位置づけているものです。
その前段として、日本創成会議の座長である増田寛也元総務大臣が発表したストップ少子化・地方元気戦略の消滅可能性都市シミュレーションであります。1万人未満の市町村を消滅自治体として公表し、消滅が避けがたい自治体では周辺にある地域拠点都市との連携を進め、その拠点都市に行政投資や経済機能の選択と集中を進めるべきとの内容であります。
増田レポートの人口シミュレーションは、地方制度改革及び国土計画の見直しにおいて、安倍政権の政策統合の理由づけとして活用されています。短期的な狙いだけでなく、今回の地方創生は安倍政権が目指す日本の形や将来にとって重要な戦略課題として位置づけ、安倍流富国強兵国家づくりの一環としての地方制度及び国土計画の再編であります。
安倍首相は、地方創生推進のために、内閣のもとに地方創生本部を設置し、基本方針として1点目に、若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、2点目に東京一極集中の歯どめ、3点目に地域の特性に即した地域課題の解決を盛り込みました。
理念法としてのまち・ひと・しごと創生法は、基本理念と創生本部設置の組織規程、国及び地方自治体での総合戦略策定の責務規程を盛り込んだだけのものであり、地方創生の具体的な推進策については今後定められる総合戦略に委ねられることになっています。
地方自治体は、総合戦略をつくる努力義務が発生し、国の策定する総合戦略に即して、数値目標を入れた総合戦略を策定しなければなりません。地方分権どころか国からのトップダウン的押しつけで、交付金や補助金による財政誘導が強まることも懸念されます。地方創生の大前提として、増田レポートの最大の問題は、なぜここまで急速に人口減少や少子化が進み、日本の地域経済が衰退したかという原因分析がなされていないことです。
第1に、少子化の最大の原因は、青年層が結婚して子供を産み育てられるような労働条件が破壊されてきたからで、小泉内閣や第1次安倍内閣期に推進された構造改革の一環としての労働規制改革によって、派遣労働を初めとする不安定就業が大都市部でも地方でも広がったことです。多国籍企業の収益性を最大化させるために低賃金労働を強制し、特に青年労働者の不安定就業化、低所得化、長時間労働化が進行しました。この結果、青年の未婚者が急増し、少子化が進行したのです。内閣府の平成22年度結婚・家族形成に関する調査報告書によると、年収300万円未満あるいは非正規雇用男性の既婚率は30歳代でも1割にも到達していない実態であります。ここにメスを入れず、労働規制緩和政策を強めることは一層の人口減少につながることは明瞭です。
第2に、小泉構造改革以来、政府は財界の言うグローバル国家を目指し、平成の大合併と三位一体の改革の強行によって地域産業の後退と人口減少が加速しました。この構造改革こそが地域経済が疲弊した政策的要因であります。
2015年度には江別市の総合戦略に数値目標を入れて作成しなければなりませんが、江別市の第6次総合計画との関係と整合性のあるものになるか懸念されます。今後の作成計画の基本方向についてお聞きします。
次に、江別の顔づくり事業から福祉のまちづくりについてです。
江別市は過去に、山田市長時代には65歳以上の医療費無料化、乳幼児保育、障がい児保育など道内でも先進的な福祉のまちと言われた時期もありました。
しかし、首長が交代するたびに福祉の後退が続き、国や道の言いなりの市政運営になっています。
日本共産党議員団は一貫して地方自治法の本旨である住民の安全、生命、福祉向上を基本に税金の使い方を求めてきました。不要不急の大型開発より暮らし・福祉・教育優先の市政や生活密着型の公共事業を主張してきました。現在進められている開発型予算である江別の顔づくり事業について、私たちは計画段階から過大投資であることを繰り返し指摘し、この事業の見直しや縮小を求め、予算や決算の特別委員会、一般質問でもたびたび質問してきましたが、市長からは粛々と進めていくとの答弁が続いています。
367億円の事業費のうち、江別市の負担112億円を事業計画の15年間で割り返すと年平均して約7億5,000万円の支出が必要になります。市の負担額は住民の財産である基金を取り崩してまで投資的経費に回すことに疑問を持っているものです。既に財政調整基金は約8億円活用されています。今後とも、この顔づくり事業には基金の取り崩しが行われると思います。
前市長は50年、100年先のことを考えて江別の顔づくり事業を進めていくとのことでしたが、人口減少や高齢化に向けた時代の流れの中で江別市だけが右肩上がりにならないのは当然であり、それに見合う町並みを再検討すべきぎりぎりの時期ではないかと思います。
まちづくりは、自治基本条例や今検討中の市民参加条例を真に生かしていくことが求められております。住民自治というのは一朝一夕にできるものではありません。行政と住民がともに実践を通して意識変革と相互作用が常に求められ、その積み重ねで互いに高い段階に引き上げることができて、初めて住民自治への接近が可能になり、継続的な努力が求められます。
しかし、当面する課題には市長みずから意識的に取り組まなければ前進しません。自治基本条例の精神を一歩一歩実践してこそ実りある住民参加のまちづくりになると考えます。この間の市長の対応はこれに逆行しているのではないでしょうか。
例えば、江別の顔づくり事業を考える会は、誰もが住みよい江別のまちづくりを目的に立ち上げ9年たちました。会員数は200名を超える団体で、これまでに195回の役員会を定例的に行い、昨年10月18日には第9回総会を58人参加のもとで盛会のうちにとり行われたところです。
また、市民に活動を知らせるため、インターネットのホームページでも発信しています。昨年は、工事期間も中間点になっており、役員会でも今後の運動方針について議論を深め、原点に返り市民の意向を知るため2,500通のアンケート調査を実施しました。
このように真剣に住みよいまちづくりを考える会に対して、昨年7月以降、再三にわたり市長にアンケートの内容を説明したく面談を申し入れても、時間がないなどの理由からいまだに実現されていません。これでは行政の最高責任者である市長が自治基本条例の精神に反する無責任な対応と言わざるを得ません。
市長は市民と力を合わせて協働するまちづくりと言いますが、具体的行動をしなければ自治基本条例は本物になりません。
沖縄県知事が基地問題で安倍首相に面談を申し入れてもかたくなに拒否していますが、意見の異なる住民の意見や少数意見に対して聞く耳を持たないことは言語道断で、民主主義的にも問題であると思います。それとは次元が違うかもしれませんが、市長の対応はこれと類似している感があります。
1点目に、今後の江別の顔づくり事業を考える会への対応についてお聞きします。
2点目に、公共事業は一旦走り出すととまらないと言われますが、ダム建設等では社会情勢の変化などにより変更することもあります。これらの見直しや中止は専門家による事業評価からでした。政治状況の変化もありましたが、人口の減少や財政的な困難性で継続しても効果が薄いなどの理由からです。
江別の顔づくり事業も当初計画では人口15万人を想定して江別市の中心的顔として進められてきましたが、今後の人口は事業終結時には11万人台で高齢化率は35%を超えるとの推計であります。計画時人口より2割も減少することになるわけです。人口推計を見通したまちづくりを行うために、中間点であるこの時期に専門家を入れた事業評価委員会を設置してはどうかと思いますが、いかがかお聞きします。
3点目に、顔づくり事業の江別市負担分の財源手当てについてです。
一般会計は学校耐震化などで大きく膨らんでおり、財政運営上、不足する財源手当てとして市民の財産である財政調整基金を活用することについては理解するものです。
しかし、市民の暮らし、福祉向上を願う市民の目線からすると、開発予算に多額の基金を取り崩してまで江別の顔づくり事業を望んでいないと思います。今後の基金活用予定額と起債発行についてお聞きします。
4点目に、福祉を最優先するまちづくりについてです。
地方政治というのは何でもできるわけでなく、国や都道府県の施策方向や財政問題など多くの制約があります。その一方で住民要求は無数にあり、その全てを行うことはできません。市民が行政に要求することは権利ですが、地方政治における制約を念頭に、住民要求の優先順位や市民と行政の合意形成、異なる考え方の市民の間の調整など、一致点を見出し協働のまちづくりで応分の役割を果たすことは、主人公としての住民の役割であるとともに行政の対応が重要であると思います。もちろん、住民の生命・財産を守るとか、次世代の育成、社会的弱者の擁護など、行政固有の責務が当然あります。予算執行権を持つ市長は、市民目線で多数の住民の願いや生活状態を把握して政策展開に努めてもらいたいということです。国や道の福祉施策に従順に従って運営するだけでなく、住民サービスを向上させるための上乗せや独自施策を求めるものです。市民生活においては、年金の支給額の減少、非正規労働者の劣悪な労働条件、教育費の高騰、国の政策による医療費負担増や介護保険料の引き上げなど、日々暮らしが厳しくなっています。憲法に示されている生存権さえ危うくなっている昨今、国保税引き下げや、子供の医療費無料化などの拡大に向け福祉予算を厚くするための財源は開発型予算を縮小し充てるべきと考えます。
江別の顔を顔づくり事業から福祉の顔に転換することを、住民は望んでいると思います。また、人口減少対策に貢献することになると考えます。そのことからも、福祉を重点としたまちづくりについてお聞きします。
以上で質問を終わりますが、私は今期で議員活動を終えることになります。この間の議会活動に議員の皆さん、市職員、住民の皆さんに大きな御指導、御鞭撻をいただき、私を成長させてくれた皆さんにこの場をお借りしまして厚くお礼申し上げます。残りわずかの議員活動を謹聴して住民の声を議会へ届けるように最後まで取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。

議長(清水直幸君) 

森好議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

森好議員の一般質問にお答え申し上げます。
私の基本姿勢に関しまして、まず、政府新年度予算に対する見解についてでありますが、現在、通常国会において審議中の平成27年度予算政府案につきましては、経済再生と財政健全化の好循環を確かなものとし、景気回復の実感が地方にも及ぶとともに、地方創生など、中長期の発展につなげるという基本的な考え方のもとに編成されたものと受けとめております。
そうした中、地方財政に関しては、喫緊の課題である人口減少対策などの地方創生関連事業費が新たに盛り込まれるなど、地方財政計画での一般財源総額は前年度を上回る規模が確保されておりますが、一方で、地方税収の増加見込みに伴って、実質的な地方交付税は減少していることから、江別市の税収動向などを踏まえると、どのような影響が出るのか注視する必要があると考えております。今後、地方創生への財政措置が今回限りの措置となることなく、地方の一般財源の確保を含め、引き続き必要な措置が講じられるよう要望していかなければならないものと考えております。
次に、アベノミクスの経済対策の効果についてでありますが、安倍政権は、デフレ経済からの克服のため、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という3本の矢からなる経済政策を推し進めているものと理解しております。
その結果、全国的には有効求人倍率が上昇し、倒産件数や完全失業率が減少するなど、経済の好循環が見られる一方で、平成26年10月から12月期の実質GDP成長率はプラスに転じたものの、個人消費等の弱さも指摘されるなど、まだ全国的な広がりには至っていないものと認識しております。
具体的に申し上げますと、日本商工会議所が発表した北海道における全産業の業況DIは、昨年12月時点でマイナス31.9ポイント、今年の1月時点でマイナス24.5ポイントと、依然として厳しい状況が続いており、江別市におきましても同様の傾向を示しております。
政府は、こうした現状を踏まえて、昨年の12月27日に、地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策を閣議決定し、地域住民生活等緊急支援のための交付金を創設するなど、地方の経済対策に取り組んでおりますことから、これらの効果が江別市にも広がることを期待しているところでございます。
今後、市といたしましても、商工会議所を初めとする関係団体と連携しながら、交付金を有効に活用し、市内経済の活性化に努めていきたいと考えております。
次に、政党助成金についてでありますが、政党助成制度は民主政治の健全な発展に寄与することを目的として、一定の要件を満たした政党に対し交付金による助成を行うもので、リクルート事件などを契機に企業・団体等から政治家や政党・政治団体への資金提供が問題となったことを受け、政治献金の制限とあわせて、平成6年2月、政党助成法の施行により導入されたものです。法律では、議会制民主政治における政党の機能の重要性に鑑み、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的としまして、国が政党に対し政党交付金による助成を行うこととされております。政党助成制度は国会での議論を経て決定されたものでありまして、その目的を達成するためには、政党がみずからの責任において、税金など貴重な財源で賄われるものであることを意識し、国民の信頼に応え、適切に活用されなければならないものと考えております。
次に、住民が主人公のまちづくりに関連しまして、江別市中小企業振興条例の見直しについてでありますが、現行の江別市中小企業振興条例は、昭和54年に制定され、中小企業に対する助成に当たっての指針、助成の種類、手続等を定めております。この間、平成11年には、国の中小企業政策の基本方針を示す中小企業基本法が改正され、また、平成21年には、江別市の自治の基本を定める最高規範であります江別市自治基本条例が制定されるなど、中小企業を取り巻く経済的・社会的変化が見られる中で、江別市においては、産業間、地域間、大学等研究機関との連携が一層必要となってきております。こうした中で、現在、中小企業家同友会が中心となって江別市の産業振興について考える場の検討が進んでおり、市としてもオブザーバーとして参画を予定しておりますことから、今後、事業者、商工会議所、大学など関係機関との意見交換を行うほか、他市の先進事例を参考にしながら、条例の見直しに向け、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。
次に、地方創生に関連しまして、第6次江別市総合計画と総合戦略の関係についてでありますが、昨年11月28日に公布されたまち・ひと・しごと創生法は、少子高齢化への対応、人口減少への歯どめなどを目的としており、地方創生法第10条により、市町村は地域の実情に応じ、まち・ひと・しごと創生に関する目標や施策の基本的方向を記した市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略を定めるよう努めなければならないと規定されております。
当市におきましては、平成26年度から第6次江別市総合計画えべつ未来づくりビジョンがスタートし、その内容は人口減少、少子高齢化を踏まえて今後10年間で進めるまちづくりの方向性を示したもので、えべつ未来市民会議や行政審議会などにおいて、幅広く市民の御意見をいただき、策定したところでございます。
また、新たな取り組みとしまして、江別市が持つ特性や優位性を生かして、重点的に取り組むえべつ未来戦略を掲げ、少子高齢化、人口減少対策、地域経済発展のための政策を推進しており、国が進める地方創生の施策に先行して取り組んでいるところでございます。このため、地方創生の総合戦略の策定に当たりましては、第6次江別市総合計画の内容を基本とし、策定過程における新たな要素への対応につきましても、総合計画における施策を考慮しながら検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもってお答え申し上げます。

総務部長(佐藤哲司君) 

私から、住民が主人公のまちづくりについての御質問のうち、公契約条例の制定について御答弁申し上げます。
公契約条例の目的は、公共工事やその他の請負等の公契約における業務に従事する労働者の適正な労働環境の確保、地域経済や地域社会の活性化等に寄与することであります。道外の一部の自治体では施行されておりますが、全国的には制定が進んでいるとは言えない現状にあります。
国においては、公共工事設計労務単価の見直しや最低賃金の改定を行っているところであり、昨年6月には、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律や建設業法などが改正され、ダンピング対策や公共工事に従事する労働者の労働条件・労働環境改善の強化などがなされたところであります。
当市におきましては、契約書や指定管理に関する仕様書において、労働関係法令を遵守する旨の条項を明記しているほか、低価格での受注によるしわ寄せが労賃などに影響しないよう、低入札価格調査制度や最低制限価格制度を導入してきたところであります。
さらに、国において社会保険等未加入業者を契約の相手方から排除する措置が講じられたことに呼応し、市としても、今年度に受け付けを実施した平成27年度、平成28年度分の競争入札参加資格申請において、社会保険等未加入業者を排除したところであります。労働者の適正な労働環境の確保などにつきましては、まずは、業界みずからが適切に取り組むことが重要であると考えており、これまでも業界団体に対して適切な対応を要請してきたところであります。今後におきましても、公契約条例も含め実効性のある制度や仕組みなどについて、引き続き研究してまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

企画政策部長(山田宗親君) 

私から、江別の顔づくり事業から福祉のまちづくりについての御質問のうち、福祉を最優先するまちづくりについて御答弁申し上げます。
えべつ未来づくりビジョン、第6次江別市総合計画につきましては、少子高齢・人口減少、人口動態の変化や、高齢化に伴う社会保障費の負担増など、江別市を取り巻く社会情勢の変化に柔軟に対応できるよう、目指すまちの姿とそれを実現するための基本方向を示すとともに、協働を基本理念の根幹に置き、さまざまな分野ごとの政策や事業を総合計画の方針に合わせて推進することとしております。
この計画では、少子高齢化のさらなる進行を見込み、持続可能な都市への転換を目指すこととしており、拡大型のまちづくりから駅を中心とした集約型のまちづくりに向け駅周辺に生活機能を集約するなど、利便性の高い市街地形成のため、江別の顔づくり事業の着実な推進を図っているところであります。
また、計画では、子供から高齢者まであらゆる人が健康的に安心して暮らせるように、保健、福祉、医療サービスを充実させ、生活する上でのさまざまな不安を解消し、安全・安心を確保することを目指すとしております。このため、江別市高齢者総合計画に基づき、地域包括ケアシステムの構築を図るとともに、住まいのバリアフリー化や、生活支援などのサービスつきの住宅といった高齢者のニーズに対応した住環境の確保や、在宅医療と介護の連携など、さまざまな取り組みを進めることとしております。
また、えべつ市民健康づくりプラン21に基づき、国民健康保険事業における特定健診や女性特有のがん検診の受診率向上、リズムエクササイズの普及など市民の健康意識の向上と健康づくりの支援により健康寿命を延ばすための取り組みを進めているところであります。
さらには、障がい者支援・えべつ21プランに基づき、各種福祉サービスを安心して利用できる仕組みづくりとともに、就労相談支援など障がいのある方の自立を支える環境の整備を進めていくこととしております。
今後とも、福祉に関する各種施策を着実に進め、市外に住んでいる方にも江別市の魅力を感じていただき、定住人口の増加につなげるよう、誰もが安全で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

建設部長(西村晃一君) 

私から、江別の顔づくり事業から福祉のまちづくりに関連して、江別の顔づくり事業を考える会への対応についてほか2件について御答弁申し上げます。
これまでも事業化の早い段階で考える会と市長との面談を行い、広く事業全般について意見交換を行ってきたところであります。
所管の建設部におきましては、毎年、考える会からの御意見・御要望に対し、丁寧に文書回答を行うとともに、必要に応じて意見交換の場を設けてきたところであります。また、今年の2月に、考える会からの申し入れを受け、考える会が実施したアンケート調査に基づいて、駅周辺の交通安全対策や南口駅前広場、野幌駅南通りの必要性などについて、考える会と関係部局とで意見交換を行ったところであります。
今後におきましても、事業説明会やシンポジウムなどを通じて、広く市民の御意見を伺う機会を設けてまいりたいと考えております。
次に、事業評価委員会についてでありますが、江別の顔づくり事業の事業評価につきましては、国においては、連続立体交差事業の採択時において、まちづくりの計画内容や費用対効果による事前評価を行っており、事業完了後の平成25年度には、街路の交通量調査や整備効果のアンケート調査などによる事後評価を行っております。
次に、北海道においては、公共事業の大規模評価委員会で、8丁目通りの街路事業について、まちづくりや交通などの総合的な事前評価を行っており、平成24年度には当評価委員会に対して進捗状況の中間報告を行っております。
また、江別市においては、隔年のまちづくり市民アンケート調査の中で、野幌駅周辺の利便性や快適性に係る市民満足度の調査を実施しております。
いずれにいたしましても、江別の顔づくり事業は、国、道、市が連携して進めている総合的な事業であり、今後、事業に大きな変更の必要性が生じる場合には、大規模評価委員会を設置している北海道とも相談してまいりたいと考えております。
次に、江別の顔づくり事業の財源手当てについてでありますが、現在のところ、全体事業費のうち、市負担額については約112億円と試算しており、平成26年度までに約53億円の執行を見込んでおります。このうち財政調整基金につきましては、平成26年度までの累計で約7億8,000万円となっております。
また、平成27年度以降の市負担額につきましては、約59億円と見込まれておりますが、市民交流施設の民設民営化により、現時点では具体的な数値を申し上げられませんが、市負担額の大幅な縮減が見込まれているところであります。今後の事業執行においては、各年度の財政状況に応じて起債発行及び基金の活用について判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。

森好 勇君 

それでは、再質問をさせていただきます。
今回の私の質問は、この間の議員活動の思いを込め、大枠的、理念的に質疑をしたところです。憲法の精神を生かして、住民主人公のまちづくりを目指す施策をどうつくっていくか、こういうことが主な柱だと思います。
1点目に、顔づくり事業についてです。
この事業が本格化する2006年、北海道都市計画審議会には過去に余り例のない200件を超える意見書が江別市民から提出されました。
また、2012年の審議会でも意見書を伴っての陳述が6名からされています。それらの意見の反映からか、審議会委員の発言には、事業を進めるのに市民との対話が不足している。協働のまちづくりの観点から後世に悔いを残すとあり、他の委員も、市民に対し江別市は誠実さを欠いている。市と市民に信頼関係がなければまちづくりはうまくいかないと発言されています。
この審議会の附帯意見の内容は、市民との話し合いを十分行うように言われているにもかかわらず、審議会の意見を軽視、無視し続けていることに市政運営の最高責任者の対応として疑念を抱かざるを得ません。少数意見や異なる意見について、聞く耳を持たないという姿勢では市民協働のまちづくりにはほど遠い行政運営であると思います。
答弁では、これまでにも意見交換を行ってきたとのことですが、6年前のことであります。事務方の建設部はたびたび考える会からの申し入れに対して好意的に対応していただき、その時々の問題点を話し合う機会をつくってくれました。その対応は評価するものですが、それは工事進捗に伴う安全対策や改善を要することが中心的議題であります。
しかし、担当部局と市長とは権限が異なり、担当部局は市長の指示のもとに業務を円滑に進めることを任務としているわけであります。根本的な政策的権限を持っているわけではありません。この4月には、市長・市議選がありますが、議員には居住要件があります。市長には地元住民ではなくても立候補できますが、この理由は、地方自治体の総括者として広く人材を求める必要からです。総括者であり代表者である市長の権限は、大統領制とも言われた首長主義のもとにおいて、住民から直接選ばれた市長を頂点として、その仕事の責任は多大であります。地方自治法では、条例、予算その他の議会の議決に基づく事務並びに法令、規則その他の規程に基づく云々としていますが、みずからの判断と責任において誠実に管理し及び執行する義務を負うとしています。みずからの判断と責任において誠実にという規定は、執行機関の代表者である市長の責任において自治体全体の方向と住民の生活を定めることを意味します。そのことからも市長と市職員では大きな違いがあります。
考える会として、まちづくりの政策の一つである顔づくり事業を住民にとってよりよくするために、江別市政のトップである首長との懇談を申し入れているわけであります。考える会は過激な団体ではなく、代表者は民間企業に勤め、大学の先生もした識見のある人であります。民主主義、基本的人権を大切にするヨーロッパに長らく暮らしていたことから、民主的に地方政治を進めることを実践している江別市民であります。その代表が市長との意見交換を申し込んでも、かたくなに拒み続ける真の理由について再度お聞きします。
2点目に、外部評価委員会の設置についてです。
答弁では、事業評価をしているとのことですが、それは国、道が主催して行ったものであります。国の事業評価は10年前であり、鉄道高架にかかわっての費用対効果についてであり、北海道は街路事業についてでありました。
私は、住民主人公、協働によるまちづくりを目指す立場から、江別市が住民に責任を持つことからしても、市として土地区画整理事業などを中心とする評価委員会の設置を提案しているのです。
江別市においても、過去には広域的な事業である石狩東部広域水道企業団の拡張事業が見直されました。夕張シューパロダム建設事業です。人口が著しく増加すると想定し、漁川ダムだけでは人口増加に対応できないとして、シューパロダムに新たな水源を求めて1996年にスタートしましたが、事業評価により大幅に下方修正されました。この当初の計画での人口想定は、2029年には江別市の人口は20万6,000人、2015年には13万2,000人と推計した計画でした。下方修正された結果、総事業費約488億円から383億円と100億円以上縮減されました。
私は、2003年の予算特別委員会でこのシューパロダムへの参画に反対すべきと質疑したことをきのうのように思い起こします。結果は、江別市の受水計画は約1万4,700立方メートルからわずか100立方メートルほどと147分の1になり、江別市の負担分も大幅に縮小することにつながりました。この見直しの最大の教訓は、人口の動向に沿って社会基盤、インフラを考えるべきということであり、最初の計画時の人口推計と相当の差異が生ずれば、当然見直さなければなりません。見直し時点での夕張シューパロダムの工事進捗率は約40%でした。それでも修正したわけであります。
江別市の顔づくり事業もかなり進んでいますが、今後とも人口減少は避けがたい状況であります。江別市として、都市計画などまちづくりの専門家でつくる事業評価委員会を早急に設置することが必要と考えますが、再度お尋ねします。
3点目に、顔づくり事業の財源ですが、江別市が事業主体の区画整理事業は市負担額が多く活用される事業です。全体事業費の市負担分約112億円のうち、今までに約53億円を持ち出して今後約59億円を市財源でみなければならないということです。
答弁では、今後の財政状況を見て判断したいとのことで、明確な答弁は避けています。2006年の市民説明会では、起債を60億円と報告されています。この間の緊急経済対策と少しばかりの負担軽減につながるメリットや市民交流施設の建設を民間で行うなど、不明な点がありますが、今までの起債発行はおよそ28億円になります。市負担59億円の財源は今後も借金である起債と基金に頼らざるを得ないと考えます。今後の財政上の推計がなされていますが、それをもとにしておおよその起債発行額や基金の取り崩しも想定できるのではないでしょうか。その財源手当てについても再度お聞きします。
2点ばかり要望をしておきます。
まず、中小企業振興条例についてです。
グローバル時代の中で、地域経済や地域社会をいかに維持するかをその地域で活動する経済主体と金融機関、そして住民と自治体が協働して地域の個性に合わせて戦略化し、それを具体化することが必要であります。
地域というのは、それぞれの自然条件、歴史的条件のもとで暮らす人間の生活の場です。75歳以上の高齢者の一日の行動範囲は平均的に見ると半径500メートルと言われており、その地域で住み続けられるかどうかは、小学校区で歩いて暮らせる範囲での生活条件がどれだけ整っているかにかかっています。
地域の活性化は、道路や建物ができ、工場、大型店、企業などの誘致、観光客が来たというだけではないように思います。立派な建物や道路ができ、雇用効果の小さい工場が来たとしても、その地域に住む一人一人の住民生活が向上し、定住条件が改善されないならば、それは地域の持続的発展につながりません。活性化とは、住民がそこに住み続けられるかどうか、住民が元気に暮らせることが何より大切であります。
地方自治体は憲法と地方自治法に裏づけられた法的権限と財源を有し、これらを活用して地域住民や企業から税金を徴収し、それを財源にして行政サービスとして執行しています。
産業面で、江別市の中小企業対策は特定の目的のために特定の事業者に対して補助金や融資を行ったり、地方税を免除したりすることが主な施策でありました。
私は、自治体、中小企業、金融機関、住民、さらに大企業や大学などの役割を明記した理念条例が必要であると先ほども言いました。帯広市でも旧条例を廃止し、新条例として帯広市中小企業振興基本条例を生かした取り組みで全国的にも注目されています。この取り組みを参考にして新条例を検討すべきと思います。
また、もう一点、中小企業が元気である必要性は、災害時に地元企業が大きな役割を果たすことにあります。
発生から4年を迎える東日本大震災は、東京だけが生きていけばよいというこれまでの東京一極集中型の国土政策や経済成長政策のあり方の根本的な見直しを教えてくれました。震災経験から、人間の命を守ること、普通に暮らせること、そして、人々のきずなを日常的につくっておくこと、生活の基礎となる地域産業とその担い手である中小企業、業者を初めとする経済主体の振興を図ることが大切であります。震災で安否確認や支援物資の配達をしたのは自治体職員と中小企業、地域住民の人々でした。このことからも地域産業の担い手をふだんから育成していくことが地域防災、復旧・復興の基本であります。
江別市においても、昨年水道の断水があり、住民へ長時間にわたり給水停止状態となりました。建設事業者や江別市管工事業協同組合などの支援、協力がありました。このことからも、中小企業の育成には振興条例が重要であります。地産地消は農産物だけでなく、日常生活用品は地元商店で、新築、改築、修繕も地元建築業者の活用で、地元の仕事の確保に向けた施策が必要です。元気のある商工業にするためにも、市民の地元での消費が欠かせません。地元での消費行動を促す具体的施策についてもあわせて検討していただきたい。これは要望といたします。
次に、公契約についての要望ですが、公契約条例は公契約領域で働く人たちの賃金保証の実現を直接の狙いとしていますが、同時に受注価格のたたき合い、仕事の奪い合いで疲弊した事業者にとっても一定の利益の確保や賃金、労働条件の整備を図り、労働力の確保や技能の継承をも実現するものであると思います。労働者の消費購買力や事業者の確保を通じて、地域経済にとっても自治体財政にとっても、それらはプラスの効果をもたらすものであり、ぜひとも経済同友会とも研究し、早期実現を希望して2回目の質問といたします。

市長(三好 昇君) 

森好議員の再質問にお答え申し上げます。
私からは、江別の顔づくり事業に関連しまして、江別の顔づくり事業を考える会への対応について、お答えしたいと思います。
先ほど建設部長からお答えをしておりますが、私が市長に就任いたしました平成19年と平成21年に面談をいたしまして、考える会の皆さんと幅広く懇談をさせていただきました。
その後、顔づくり事業につきましては、当初計画から大きな変更がないということもありまして、担当する部局において、事業の説明を行ってまいりました。
今後におきましても、事業に大きな変更が生じる場合などにつきましては、その都度、関係者と相談の上、面談等の対応に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

建設部長(西村晃一君) 

私から、事業評価委員会ほか1件の再質問に御答弁申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたとおり、江別の顔づくり事業は、国、道、市が連携して進めている総合的な事業であり、現在のところ、事業全体の約70%が進捗してきており、都市計画決定された事業内容に変更がないことから、現時点においては評価委員会を設置する状況にはないものと考えております。
次に、財源手当てについてでありますが、平成27年度以降の市負担額につきましては、市民交流施設の民設民営化により約59億円から大幅な縮減が見込まれております。起債発行額につきましては、市負担額のうちおおむね2分の1程度と見込んでおります。
また、財政調整基金の活用につきましては、各年度の財政状況を見据えながら、判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。

森好 勇君 

3回目の質問をいたします。
平成27年度予算大綱での市長の説明では、第6次江別市総合計画は協働を基本理念の根幹に置く、自治基本条例のもと、市政への市民参加を進めると述べられています。市長はこの立場の先頭に立つべきであります。答弁では、顔づくり事業は当初計画から大きな変更はないから、考える会と市長の意見交換は必要ないと受け取りました。
しかし、東日本大震災、政権交代等、この6年間で情勢、状況が大きく変化しております。それらのことを通じ、国民の価値観も変わりつつあると感じています。先ほど質問したように、市長の権限は大きく、予算執行する代表者、責任者であります。一般職とは責任度合いが違います。
顔づくり事業の予算は昨年だけで約14億円、平成27年度予算でも約14億円を計画されています。このように多額の税金を投入するわけでありますから、市民の声を聞く姿勢が必要なことは自治基本条例から見ても当然であります。
考える会として、昨年、大きなエネルギーを使って市民に2,500通のアンケート調査をしたのは、考える会としての方向性を押しつけるのではなく、顔づくり事業について市民はどう考えているのかとの思いから実施したものであります。回答していただいた方は約500人、20%にも及び、市民の関心の高さがうかがえる結果でありました。会としては、その後アンケート結果をまとめ、市民に6,000部配布いたしました。その実施結果を市政トップの市長に説明したいと面談を申し出たのです。500通のアンケートに寄せられた声は重みがあるものであり、市長は事業をこのまま進めたいとの方針ですが、市民の中にはいろいろな意見もあることを認識することが市民参加・市民協働のまちづくりになるのではないでしょうか。
くどいようですけれども、再度市長にお伺いします。
顔づくり事業の財源ですが、常日ごろ、住民からの要望に対して、江別市の財政が厳しいので皆さんの要求は理解するが予算上無理である。このような回答がよくあります。私が議員になってから江別市の財政は潤沢、豊かであると聞いたことはありません。しかし、財政指標を見ても江別市の財政運営は健全に執行されています。今後の江別市負担残額約59億円が市民交流施設の民設民営化により縮減されるとのことですが、それを仮定しても50億円ほどの負担が予想されます。起債発行額はおおむね2分の1とのことですので25億円ほどの借金。基金からの活用については市の財政状況から検討するとのことですが、残りの約25億円は基金を活用しなければ他の施策に大きな影響が出ることになると思います。政治はお金の使い方です。市民の共有財産である財政調整基金は特定目的なしで、自由に活用可能な財源であります。この基金こそ、国保会計や医療費、介護、高齢者、障がい者などの福祉向上を最優先する施策に活用を求めるものですが、今現在、大枠で結構ですので財政調整基金の予定を再度お聞きして、私の質問を終わります。

議長(清水直幸君) 

答弁調整のため暫時休憩いたします。
───────────────────
午前 11時23分 休憩
午前 11時25分 再開
───────────────────

議長(清水直幸君) 

再開いたします。
議事を続行いたします。
森好議員の質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

森好議員の再々質問にお答え申し上げます。
まず、1点目の私の顔づくり事業に関連します考える会への対応についてでございますが、これは1回目の質問でお答えいたしておりますけれども、関係部局において、考える会への対応については随時行っております。さらに、先ほど申し上げましたとおり、大きな事業変更があった場合には、私も出席をいたしまして説明する考え方であります。そのほか、今後予定しております事業説明、さらに今月行いますシンポジウムなどには私も出席いたしまして、多くの皆さんと意見交換をしてまいりたいと考えております。
次に、顔づくり事業に関連しまして、財政状況のうち基金の活用ということでございますが、財政調整基金はその都度一般財源の状況により税収やさらには交付税といったさまざまな要素に基づいて判断されるものでございます。今後の将来を見据えてどう負担するかといったことは、今の時点ではなかなかお答えできないという状況でございますので、その点につきましては御理解を賜りたいと思っております。
以上でございます。

議長(清水直幸君) 

以上をもって、森好議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
裏君子議員の公共施設等総合管理計画の推進についてほか2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

裏 君子君 

ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問いたします。
初めに、公共施設等総合管理計画の推進について伺います。
2013年6月に閣議決定いたしました日本再興戦略に基づき、インフラ老朽化対策の推進に関する関係省庁連絡会議において、同年11月にインフラ長寿命化基本計画がとりまとめられました。
一方、地方自治体では、過去に建設された公共施設等がこれから大量に更新時期を迎える中、地方財政は依然として厳しい状況にあり、さらに人口減少による今後の公共施設等の利用需要の変化が予測されるため、自治体施設全体の最適化を図る必要があります。
昨年4月、総務省では、公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進についてと題し、各都道府県知事などに対して計画の策定要請を行いました。また、本計画についての記載事項・留意事項をまとめた公共施設等総合管理計画の策定に当たっての指針を地方公共団体に対して通知しました。
2013年10月に総務省が行いました昨年5月発表の公共施設マネジメント取組状況調査結果によりますと、基本方針を策定または平成26年度までに策定予定の団体の割合は、全体で25%程度であり、特に政令指定都市以外の市区町村での割合が低いとされています。
また、管理計画を策定することにより、施設の老朽化の度合いや維持管理費用が予測できます。それにより、施設の修繕、改修、処分、統廃合の計画が立案でき、予防保全による施設の長寿命化を図ることで、将来的な財政負担の軽減にもつながります。
そこで、地方自治体においては公共施設等の全体を把握し、長期的な視点をもって、更新、統廃合、長寿命化などを計画的に行うことにより、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設等の最適な配置を実現するため、公共施設等総合管理計画の策定を推進する必要があります。
本市の公共施設等総合管理計画の策定についてはどうお考えか、また、どのような取り組みを行うのかお伺いいたします。
次に、あけぼの団地の管理及び整備等について伺います。
市営住宅あけぼの団地においては、高齢化により清掃活動や除雪を初めとする維持管理が困難となっています。さらに建物の老朽化が進み、浴室がないなどの理由で、586戸中空き家が150戸と入居率は74.4%で、ほかの市営団地に比べ、空き家が大変多くなっています。中には1棟4戸のうち1戸しか入居していないところもあり、防犯上の問題、除雪作業や一棟ごとの屋根の修繕も大変効率が悪いものになっています。
当市の市営住宅長寿命化計画の中で、活用手法の判定の結果、平成35年度までにあけぼの団地の26戸は用途廃止となり、その戸数分は新栄団地への移転建てかえとなっておりますが、この用途廃止、移転建てかえ、政策空き家ということがなかなかわかりにくく、住民の方にすれば大変不安になっています。
また、単身若年者の入居希望者がいても、所得や年齢の基準により入居ができないことがあります。子供の成長に伴い、団地内での移転希望があっても、家族数が増加するなどの特別な事由がなければ移転できません。内装の改修は自己負担でもいいから入居したいとの切実な声もあります。平成23年5月2日公布の第1次一括法では、地方自治体の自主性を強化し、自由度の拡大を図るため、義務づけ・枠づけの見直しと条例制定権の拡大がなされました。それによって、法令により全国一律に定められていた公営住宅の入居基準について、公営住宅法を改正し、条例により地域の実情に応じた設定が可能となっています。従来の同居親族要件は、単身者は原則対象外でしたが、対象に含めるか否かを条例で設定できるとしています。そして、公営住宅法施行令の改正では、公募によらない他の公営住宅への住みかえの要件が拡大しています。その中に国土交通省の通知による具体例では、住みかえの要件として、子供が大きくなり現在の間取りでは不適当である場合や入居当初から世帯人数に不相応な規模の住宅に居住している場合、知的障がい者が作業場に近い公営住宅に移転することが適当である場合など、公営住宅の事業主体が判断した場合に実施でき、公募せずに住みかえを行うことが可能となっています。
熊本県熊本市では、平成24年6月から、単身入居が可能な市営住宅について、高齢者や障がい者に限られていた入居要件を、若年者も申し込めるよう緩和しています。入居要件の緩和は公営住宅の入居対象者を各自治体の条例で規定するとした公営住宅法の改正に伴うもので、これにより、従来の単身入居可能住宅のうち、過去4回の定期募集で平均応募倍率が低い部屋を入居促進住宅と位置づけ、若い単身者も申し込みができるようになりました。
また、UR都市機構ではDIY住宅の考え方を取り入れています。DIYとは、Do it yourselfとのことで、一般的に家具など既製品を買うのではなく、自分の手でつくったり修理したりすることと言われています。これまでの賃貸住宅では、壁紙を自分の好きな色に変えたい、つくりつけの家具を設置したいと思っても、退去時の原状回復義務などの制約がありましたが、UR都市機構が行っているDIY住宅は制約を見直し、入居者が行う模様がえの原状回復義務が原則として免除されます。さらにDIYのためのプランニングと施工期間として、月額家賃3カ月相当額が無料で住宅を使用できるというものです。
そこで質問ですが、1点目に、市営住宅長寿命化計画の中のあけぼの団地の用途廃止、移転建てかえ、政策空き家について、戸数の移動とあわせて入居者も移動するといった間違った情報が流布しています。入居者に届くメッセージとして、誤解のないようわかりやすく改めて実施すべきと考えますがいかがでしょうか。
2点目に、あけぼの団地の管理について、1棟4戸のうち1戸しか入居していないところについては、管理効率の面からも他の住戸への住みかえができないかお伺いいたします。
3点目に、浴室がないなどの理由で入居が進まないことについては、希望があればお風呂を設置する工事を行い、家賃を上乗せする手法も考えられないでしょうか、お伺いいたします。
4点目に、既存ストックの有効活用等の観点から改めて同居親族要件を緩和し、20代、30代の単身世帯でも住宅困窮者であれば入居できるようにし、少しでも若い人が江別市で暮らせる環境を整備するべきと考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。
5点目に、公募によらないあけぼの団地内での住みかえの要件について、前段で述べましたような緩和、拡大ができないかお伺いいたします。
6点目に、住生活の安定確保、市営住宅の空き家対策、子育て支援の観点から、UR都市機構のDIY住宅の考え方を取り入れてはいかがでしょうか。募集の住戸が未整備のものを選んでのDIYの考え方はないのかお伺いいたします。
7点目に、前段申し上げましたが、住宅の環境整備も限界を迎える時期も近いと考え、できるだけ早い時期での建てかえを急ぐべきと考えますがいかがでしょうか、見解をお伺いいたします。
次に、あけぼの町周辺地域のまちづくりについて伺います。
駅を中心としたまちづくりを考える際に、あけぼの町周辺地域においてどうしても課題になるのは、路線バス交通の不便さが他の地域より際立っているということです。市長はコンパクトなまちづくりを進めようとされています。コンパクトなまちづくりの意味合いとしては、その地域が持続可能な発展を遂げるということがなくてはなりません。
そこで1点目の質問ですが、同周辺地域における路線バスの便数が減っていることと、路線変更による苦情もあるところですが、今後の路線バスのあり方について市の見解を伺います。
2点目に、同地域のまちづくりを考えるとき、将来、人口減少が進む地域と思われますが、何らかの対策をすべきと考えます。釧路町では、コレクティブハウジングの形態でハードとソフトの連携の図られた良好な住環境の提供をしています。コレクティブハウジングとは、幅広い世代、家族や単身者などさまざまな世帯が共生する集合住宅の形態の一つです。それぞれの世帯が独立したスペースを持つ一方で、共有スペースもあり、食事や子育てなどの生活の一部を共同化するもので、北欧で生まれ、日本では1995年の阪神・淡路大震災後、復興住宅で採用されたのをきっかけに少しずつ広がりを見せています。釧路町型コレクティブハウジングは、ハード的に、シルバー住戸は共用廊下を南側に配置し、昔長屋の縁側を復活し、お隣さんといつでも気軽に世間話ができる環境となっており、また、公営住宅棟3棟は屋内廊下でコレクティブセンターと直結しています。コレクティブセンターは入居者集会所や地域交流センターとして、活動交流拠点施設としての役割を持つほか在宅高齢者サービス事業が行われています。
あけぼの団地の建てかえ時には、高齢者と若い世代が交流できるイメージや、長く住み続けることができる福祉施設と住宅が併設されている釧路町型コレクティブハウジングのような公共住宅整備についての方針を持つべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。

議長(清水直幸君) 

裏議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

裏議員の一般質問にお答え申し上げます。
まず、公共施設等総合管理計画策定の考え方及びその取り組みについてでありますが、昨年4月に国から各自治体に対し、公共施設等の老朽化の状況や将来における財政負担・人口の見込みなどの情報を市民や議会へ提供した上で、公共施設等を総合的かつ計画的に管理するための基本的な方針を策定するよう要請があったところでございます。この計画を策定することにより、公共施設等の除却について、これまで認められなかった地方債の発行が可能となり、当市におきましては平成27年度中の計画策定を予定しているところでございます。
また、計画の対象施設につきましては、建築物のほか、道路、橋梁等の土木構造物、上下水道、病院といった公営企業の施設、プラント系施設等も含めた全ての公共施設等となっておりますことから、各部の主務課長並びに公共施設等の関係課長などで構成する組織横断的な庁内検討チームを昨年7月に設置したところであります。今後、検討チームにおいて、公共施設等に関する各種データ等を検証した上で、計画の素案を作成し、議会報告やパブリックコメントなどを経て成案としてまいりたいと考えております。
当市におきましては、老朽化が進んでいる公共施設等が多いことから、この計画において総合的かつ計画的な管理のための基本的な方針を定め、その方針に基づき各施設の適切な管理等に努めてまいりたいと考えております。
次に、あけぼの町周辺地域のまちづくりに関連しまして、コレクティブハウジングの考え方についてでありますが、御質問の釧路町では公営住宅と福祉施策の拠点となる地域交流センターを新設し、渡り廊下でつなぐことにより、多世代交流ができる環境づくりを目指しております。
当市におきましても、新栄団地建替事業において、釧路町の地域交流センターの考え方を参考にしながら、集会所には地域の方々が利用する子育てスペースを整備する予定としております。あけぼの団地につきましては、今後、長寿命化計画の見直しを行う中で、検討をしてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、企画政策部長ほかをもってお答え申し上げます。

企画政策部長(山田宗親君) 

私からは、あけぼの町周辺地域のまちづくりに関する御質問のうち、あけぼの町周辺地域の路線バスのあり方について御答弁申し上げます。
江別市内のバス交通の現状としては、利用者の減少やバス路線の赤字などの課題があり、路線の廃止や減便が行われるなど、バス交通の維持、確保が年々難しくなっております。そのため、路線の維持に向けて、国や北海道とともに運行経費への補助などの行政支援を行うとともに、情報提供や利用促進に向けた取り組みを行ってきたところです。
また、事業者においては、利用者の増加が図られるよう、低床バスやICカードの導入など、サービス水準の向上に努めているところであります。地域公共交通会議においては、バス交通に関する具体的な取り組みとして、江別市内の駅を中心としたバス路線の再構築に向けた検討を行っており、まずは、駅前広場が整備された野幌駅北側地域におけるバス路線の検討を進めているところでありますが、あけぼの町を含む江別駅周辺地域につきましても、駅を中心とした効率的なバス交通体系の検討を予定しており、地域の利便性を確保するとともに、公共交通の利用促進を図ることで持続可能なまちづくりにつなげてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

建設部長(西村晃一君) 

私から、あけぼの団地の管理及び整備等に関連して、江別市営住宅長寿命化計画の周知についてほか6件について御答弁申し上げます。
長寿命化計画の中で、あけぼの団地は維持管理を図るべき住戸と用途廃止をする住戸に分かれております。このうち、用途廃止する26戸につきましては、現在、空き家となっている住戸であり、入居者の新栄団地への移転を伴うものではございません。今後につきましては、あけぼの団地の自治会との懇談会の際に、あけぼの団地入居者へ周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、管理手法についてでありますが、1世帯のみの住棟につきましては、除雪など、入居者の負担が重く、住棟の効率的な修繕の面からも支障があると認識しております。今後とも、住みかえにつきましては、入居者の意向を確認しながら、同一団地内で対応してまいりたいと考えております。
次に、浴室の設置についてでありますが、あけぼの団地の浴室がない狭小住宅は構造的な問題から抜本的な改修が必要となり、工事費も高額となることから現状では難しいものと考えております。
次に、同居親族要件の緩和拡大についてでありますが、市営住宅に入居するためには、原則同居する親族がいることを要件としておりますが、例外として、居住の安定を図る必要がある60歳以上の方や障がいのある方、生活保護を受給している方につきましては、単身者向け住戸への入居を認めているところであります。単身者向け住戸につきましては、応募倍率が高く、現在、あけぼの団地では入居率が100%となっております。このようなことから、年齢要件を緩和することは難しいものと考えております。
次に、住みかえ要件についてでありますが、市営住宅入居替え等取扱要綱に基づき、世帯人員の増減、加齢や病気等による日常生活の身体上の制限など、特別の事由がある場合には住みかえの申請を受け付けております。現時点におきましては、住みかえ要件の緩和、拡大は難しいものと考えておりますが、今後におきましても、入居者の生活状況などに配慮し、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、DIY住宅の考え方を取り入れることについてでありますが、UR都市機構による賃貸住宅は中堅所得者向けの良質な住宅の供給を目的としており、DIY住宅は未修繕のまま賃貸するもので、入居者がみずからの費用で模様がえを行うものであります。
一方、市営住宅は住宅困窮者のセーフティーネットとして、低廉な家賃で住宅を供給することを目的としており、住戸の募集に際しては事前に修繕を行い、入居中に模様がえを希望される場合には入居者からの申請により許可をするものであります。いずれにいたしましても、DIY住宅を取り入れることにつきまして、今後、調査研究してまいりたいと考えております。
次に、あけぼの団地の建てかえの方針についてでありますが、現在、市営住宅長寿命化計画の中では、市営住宅の活用手法を四つに分類しており、あけぼの団地は維持管理と位置づけられております。今後、江別市住宅マスタープランの見直し時期に合わせて、長寿命化計画の見直しを予定しており、この中で将来のあけぼの団地の方針について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

裏 君子君 

あけぼの団地の管理及び整備等について再質問いたします。
項目1の江別市営住宅長寿命化計画の周知についてです。
自治会との懇談会の際に周知を図っていくとのことです。昨年、私も懇談会に出席いたしましたけれども、出席できない方のほうが多いのではないかと思います。その出席できない方たちへの周知方法はどのようにするのかお伺いいたします。
項目4の単身者向けの住戸については、入居率が100%ということですが、全体として空き家が150戸あるわけですから、単身者向け住戸に限定せず、地域の活性化にもなる若年単身者の入居を認めてもよいと思いますが、いかがでしょうか。
項目5の住みかえ要件についてですが、現時点での緩和、拡大は難しいとのことですが、なぜ難しいのか具体例をお示しください。
項目6のDIY住宅の考え方についてですが、そもそもDIYとは自分の手でつくったり修理したりすることで、かかる費用は多額か少額か程度によるものと思います。現在、入居中に模様がえを希望する場合には、入居者からの申請により許可をするものとありますが、過去3年の実績を伺います。
次に、あけぼの町周辺地域のまちづくりについて要望いたします。
項目1のあけぼの町周辺地域の路線バスのあり方についてですが、野幌駅前広場が整備されたことで野幌駅北側地域のバス路線の検討を進めているとのことですが、市としては困っている市民が多いところこそ、優先に考えるべきと思うところです。今後、平成29年には南大通り大橋架橋も完成予定となっています。あけぼの町周辺地域の利便性を確保するためにも、南大通り大橋架橋を利用してのバス路線も検討していただきますよう要望いたします。
次に、項目2のコレクティブハウジングの考え方による公共住宅整備についてですが、新栄団地建替事業において釧路町の地域交流センターの考え方を参考にしているとのことですが、地域交流センターだけでは、コレクティブハウジングの内容とは違うものと認識しております。釧路町型コレクティブハウジングは、福祉施策との連携により、誰もが安全・安心して暮らせる環境づくりを目指しています。シルバー住戸のある公営住宅に併設されたセンターで、シルバー住戸入居者の安心確保、緊急通報事業やNPOによるデイサービスやショートステイ事業、介護予防等の事業などの在宅高齢者サービス事業が行われています。加えてセンター利用のない空き時間は、町民公益活動団体となる町内会組織、NPO、ボランティア団体等の貸し館利用が可能となっています。また、団地内の触れ合い交流空間を地域住民にも開放することでいろいろな世代との交流や触れ合いが生まれ、アットホームなコレクティブハウジングの展開を目指すものでございます。
以上、今後のあけぼの町周辺地域の公共住宅整備については、コレクティブハウジングの考え方をしっかり研究して検討していただきたいことを要望し、2回目の質問を終わります。

建設部長(西村晃一君) 

私から、裏議員の再質問に御答弁申し上げます。
まず、周知方法についてでありますが、議員御指摘のとおり、懇談会の出席者が少なく、より丁寧な周知を行うために、今後、その内容につきまして、全ての入居者へお知らせ文書を配布することを検討してまいりたいと考えております。
次に、若年単身者への入居要件の緩和につきましては、あけぼの団地における現在の空き家住戸は、全て世帯向け住戸であります。若年者への緩和につきましては、居住の安定を図るべき高齢者や障がいのある方などの入居機会が減少することとなりますことから、現状で年齢要件を緩和することは難しいものと考えております。
次に、住みかえ要件の緩和についてでありますが、高齢化により、加齢や病気等身体上の制限がある入居者などがふえる中で、それらの方々への住みかえの機会を確保するため、現状といたしましては要件を緩和することは難しいものと考えております。
次に、過去3年間の模様がえの件数につきましては、平成23年度が15件、平成24年度が23件、平成25年度が17件となっております。
以上でございます。

議長(清水直幸君) 

以上をもって、裏議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午前11時59分 休憩
午後 1時00分 再開
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副議長(齊藤佐知子君) 

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
赤坂伸一議員の改選期の骨格予算のあり方についてほか3件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

赤坂伸一君 

通告に従い順次質問してまいります。
1件目は、改選期の骨格予算のあり方についてであります。本年度は改選期に当たりますが、予算が上程されていることもありますので、一般論としてお伺いをいたします。
骨格予算の用語解説では、選挙時期等の関係から政策的な判断ができにくい等の事由により、人件費等必要最小限度の経費を計上する予算で、例年より予算規模は小さくなる。あくまで一会計年度を通じた予算計上を行うものであり、事由解消後に補正予算を肉づけしていく点で暫定予算とは異なるものであるとあります。
平成23年度の例でいうならば、当初予算は平成22年度と比較し、6.1%減の約386億円とされており、6月補正で政策予算として約3億8,400万円の事業を計上しましたが、主として検診推進事業やみどり保育園整備など国、道の補助を得ての事業のほか、単独事業が盛られてきました。財源は当然ながら国、道の補助金のほか繰入金、繰越金、諸収入等が充てられております。
このことを踏まえて判断すると、当初予算でほぼ政策的経費も計上されたと思われますが、この判断を例として骨格予算と本格予算の違いをどのように位置づけているか、お伺いをいたします。
次に、一般に留保財源として税収入をキープするのがベストですが、平成23年度の例では1億7,900万円ほどが9月以降の補正で計上されています。6月段階で市税の見込みは把握可能ですが、6月に計上せず繰越金が充てられています。
そこで、留保財源として、どのような費目を位置づけているかお伺いしますとともに、平成26年度の市税及び繰越金の決算見込み額についてお伺いをいたします。
次に、2件目の市立病院の経営についてお伺いをいたします。
平成18年度の医師大量退職の中で、市立病院の診療収益が大幅に低下し、平成19年度末には約8億4,000万円の不良債務を抱えることになり、病院長を初めとする医療関係者の努力や関係機関の協力により内科医師確保の中で診療科の拡大や二次救急医療体制が構築されてきたところです。極めて一面的な見方になりますが、かいつまんで経過を見ますと、前段の経過から、平成20年には第1次経営健全化計画策定の中で、内科医の充実、産婦人科の再開とともに、約8億4,000万円の特例債発行が認められ資金収支不足額を大きく減少させることになりました。
しかし、未処理欠損金は約64億円と大きく膨らみ、平成21年度には新たな不良債務が約4億8,000万円に上り、その解消に私も支援を求めてきましたが、結果、一般会計から2億5,000万円の補助金が繰り入れされたところです。この間、産婦人科の増員や外科医の増員が図られ、市民が望んでいた江別市での出産が可能となり看護体制の整備が進められてきたところです。
しかし、平成22年度にも一般会計からの支援をしてもなお約5億6,000万円の不良債務が残り、未処理累積欠損金は約69億円と膨れ上がってきました。
今思えば、一般会計からの支援は東日本大震災前だから可能だったと考えますが、公立病院改革プランとともに、平成23年度からは開始から4年目となる第2次経営健全化計画が示されました。
計画では、消化器病センターの立ち上げを目指し、1名の増員により複数体制を確保し、さらに循環器科の体制整備と検査機能を強化したところです。この計画期間3年間の実績では、眼科の増員による複数体制化や総合内科医の増員、地域医療支援として周辺町村への医師派遣、高度医療機器の充実と活用、病院機能評価の更新認定取得、認定看護師の配置、電子カルテシステムを中心とする医療情報システム整備とともに地域連携が進められました。
他方、平成25年度は給与削減などに助けられ、税抜きで約8,600万円の純益を計上し、不良債務が約1億5,000万円減少し、約3億1,000万円とされてきました。
平成26年度は、経営健全化計画7年目の第3次経営健全化計画が示され、今年度は後半持ち直したものの、前半の診療収益が大幅に下回り、結果として、純損益は3億2,000万円ほどのマイナスの見込みで、累積欠損金も72億円台に増嵩するとのことであります。
経営健全化計画では、平成27年度に不良債務解消を目指しておりますが、平成26年度で気がかりなことは一般会計からの補助金として在宅診療、地域医療連携、医師養成の経費が約1億円増加したことです。一般会計繰り出しの内訳は、基金繰入金7,000万円で措置され、病院への繰出金総額は14億7,000万円に達しています。うち一般会計に入る見込みの交付税総額は約6億7,000万円程度で平成25年度と変わらないですが、約8億円の一般財源が充てられております。
もちろん、医療関係者が現場で懸命に奮闘されている実態は十分に承知しているつもりですが、これまで、2年ごとに薬価基準や材料価格が下がり、医療費引き上げなど診療報酬改定率も低く、他方、経費面では増員による人件費のほか、材料費、消費税の引き上げや電気料の値上げなどさまざまな要因が加味され、結果として収益で吸収できない状態とされております。
そこで、1点目は、特例債返済は今年度で終了いたしますが、経営健全化計画達成の見通しと市長の思い、さらには今日まで医師・看護師等確保に至る環境が大変厳しく、国が医療費抑制の方向性を示している中で、計画を達成するにはなお厳しい側面があると認識しますが、医療現場の先頭に立ってきた病院長の思いについてお伺いいたします。
2点目は、病院への繰出金について、これまでさまざまな形で支援してきた事業が私の脳裏に浮かびます。中期財政見通しで示された平成29年度からのことを考えると、一般会計からの支援も限度に達していると考えますが、この点についてお伺いします。
3点目は、医療の方向性が救急及び在宅の地域医療連携にシフトされる方向にあると思われますが、他方、市民が期待する医療の面では、午後診療や専門医の確保などが不可欠と思われます。過去に消化器病センターの立ち上げを目指しましたが、センター立ち上げに至らなくとも専門医の複数体制確保について進めるべきと考えますが、この見通しについてお伺いをいたします。
次に、3件目の宿泊施設の誘致についてであります。
観光入り込み数が約76万人と言われていますが、多くは野幌森林公園や北海道の施設と思われます。近年は、イベントを通じた観光のほか、農産物直売場への入り込み、食を通じての来訪者や観光施設への日帰りツアーなどさまざまな取り組みがされ、江別の魅力が徐々に浸透してきていると思われます。グリーンツーリズムなど研修・体験を通じた施設は点として存在し、また、今年度いよいよ大きな事業に着手することも承知しております。
2020年には夏季オリンピックが東京で開催され、札幌市が2026年冬季オリンピック招致に向け名乗りを上げています。合宿練習会場としての北海道立野幌総合運動公園の整備と活用も期待されますが、懐の深い観光や来訪者への対応には滞在型の宿泊施設は不可欠であることは言うまでもありません。江別に来られる来訪者の宿泊は、市内の施設のほか、多くは札幌市厚別区あるいは周辺の温泉地と言われておりますが、これら観光客や来訪者に対し、ゆとりと多様で深みのある周遊を期待するには宿泊施設は欠かせません。
また、江別市の企業や大学への研修・研究者とともに外国からの研究者も多くなっています。
そこで1点目は、こうした企業等への研修などに来られる滞在型来訪者の把握について、調査はもとより、宿泊施設誘致を展開すべきと考えますが、その姿勢と課題についてお伺いをいたします。
2点目は、野幌駅高架が完成し駅周辺が整備されつつあり、顔づくり事業がいよいよ先の見える段階になりつつあります。野幌鉄南地区の市有地には暮らしの会館も描かれ、また旧市営駐車場用地も事業用地として確保されてきましたが、これらの地区について今日までどのような働きかけをされてきたのか、特に宿泊施設展開についての可否とともにどのような課題があるのかお伺いをいたします。
次に、4件目の定数管理と人事行政について、その1点目の断水事故の経験を生かす取り組みについてであります。断水事故についての報告書が11月にまとめられ、2月にこれまでの対応策と今後の予定が所管委員会に報告されたところです。今後、これらの対応策を進めることによって全体の検証がされるものと考えることから、ここではハード面及び技術的な点は論じるつもりはありません。
課題は、いざ鎌倉というときに、職員が自信を持って対応に当たれる環境をどのようにつくれるかということと考えます。
私は、昭和50年水害、56年水害を職員として経験しましたが、当時は携帯電話さえない時代で、とにかく現地に行き被害や被災者の状況を上司に報告することを任務とし、被害報告を取りまとめ、当時の石狩支庁に提出、報告する業務を与えられました。当時の上司はその一つ一つを検証し、部門会議に報告するパターンができていたように思います。
今日、情報が発達し、現場の状況が瞬時に伝達でき、さらに拡散する社会になり、市民や議員も同様に情報を享受できるとともに、さまざまな情報や意見が飛び交う時代になってきております。このこともあり、職員が市民への応対に忙殺され判断がおくれたり、業務の遅延やみずからの任務にさえつけなくなる状態は手にとるように見え、また、今回の断水事故でも病院や本庁の現場、さらには給水所での対応例一つとっても明らかです。
特に、すばらしいマニュアルを策定しても、日常業務を少ない職員で対応しなければならないことから結果は明らかです。さらに、団塊の世代の退職により、豊かな経験や味のあるスキルが若い世代の職員につながりにくくなる一方、現場では日常的に高度な技術と能力が求められ、かてて加えて、委託化、細分化されるゆえに、広い視野で見えにくくなっていると思われます。行政改革推進計画の取り組み方針に災害対応力の高い職員の育成と組織づくりが明記されていますが、さきの事前シナリオを用意した防火訓練では、実施してよかったよかったとの報告だったのかもしれませんが、あのような訓練を何回やっても結果は同じと私には映ります。
そこで、断水の経験を生かすため、職員にさまざまな現場を知ってもらう取り組みは極めて重要と考えますが、この点についてお伺いをいたします。
次に、公金横領事件の問題点と人事のあり方についてであります。
既に所管委員会に報告されていますが、横領した職員の処分は当然としても、公務員はもとより社会的倫理は誰しも保持しなければならず、今回の件で信用の失墜とその回復の難しさははかり知れないものがあると考えます。どうしてこのようなことが起こるのか不思議でなりません。
しかしながら、問題は極めて簡単と映ります。第1に、職員が仕事に忙殺されチェック機能が働いていなかったこと。第2に、人事と職員数のあり方にも問題があったと認識します。職員を定期的に異動させ経験を積んでもらうことは重要なことですが、異動対象者の経験や年齢などをさまざまに考慮し配置するには、職員の数が引く手あまたの状態になっていないことが言えます。
限られた人数、対象者の中からでは弾力性に乏しいと考えますが、この点についてどのように考えているかお伺いをいたします。
3点目は、定数枠の改善についてであります。
江別市は、行政改革大綱と定数管理計画に基づき、806名体制で進めるとされています。この806名の数が科学的数値なのか疑問に思います。なぜかと言えば、職場の業務量をチェックし、業務に見合った体制を積み上げる作業をしているのかという疑問があるからであります。私が所属する委員会の所管部署でも管理職がいくつもの新しい業務を受け持ち、本当に健康も仕事も果たして大丈夫かとの疑問さえ持つものであります。今年度は国の給付金事業があり、福祉職場では急激に変わる国の制度への対応、断水事故で明らかにされた例、さらには横領事件などに端を発します。
さらに、806名の内数には、育児休業職員、病欠者、派遣職員の出入り、再任用職員なども含まれていると思いますが、今年度のこの数はそれぞれどのくらいの数になったのかお伺いをいたします。
また、今年度、各課から聴取した配置希望職員数の合計数についてもお伺いしますとともに、何よりも806名の枠を抜け出すよう改善するべきであり、この点をお伺いし1回目の質問といたします。

議長(清水直幸君) 

赤坂議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

赤坂議員の一般質問にお答え申し上げます。
改選期の骨格予算のあり方に関連しまして、まず、骨格予算と本格予算の違いをどのように位置づけているかについてでありますが、骨格予算とは法律で規定されているものではなく、明確な基準があるものではありません。一般的に、市長選挙があるときの当初予算案については政策的な判断が必要な経費の計上については極力避けながら、経常的な経費のほか、継続事業や緊急を要する事業を中心に通年分の収入、支出を計上して編成する予算であると考えております。
平成27年度はこうした考え方を基本とした当初予算を編成しておりますので、その後、骨格予算を基礎に、改選後の市長が政策的な判断を踏まえた補正予算の計上によって本格予算となるものと考えているものであります。
次に、留保財源をどのように位置づけるかについてでありますが、現状の予算編成においては、計画に基づき、学校の耐震化を初め、江別の顔づくり事業や白樺・若草乳児統合園の整備などの建設事業が集中しているとともに、施設等の老朽化への対応経費も必要なことから、財政運営上、基金を活用しなければならない状況にあります。このため、歳入予算のうち、市税や地方交付税などの各種交付金については見込み得る通年分の財源を計上したものであります。そこで、骨格予算を踏まえた留保財源の考え方につきましては、過去の本格予算における補正予算の一般財源で申し上げますと、平成19年度は約3億4,000万円のうち2億4,000万円を繰越金で、また平成23年度は約8,000万円全額を繰越金で措置しており、今回においても同様に繰越金を予定しているものでございます。
また、平成26年度の市税及び繰越金の決算見込みにつきましては、市税が122億4,000万円程度、繰越金は過去の実績を踏まえ、おおむね5億円から7億円程度の範囲で見込んでいるものであります。
次に、市立病院の経営に関連しまして、経営健全化計画達成の見通しと私の思いについてでありますが、予算大綱説明でも申し上げましたとおり、市立病院では医師確保や産婦人科、循環器科の再開など診療体制の充実とともに、総合内科医の教育機能を充実することにより、札幌医科大学の臨床研修事業の教育拠点としての研修の場となるなど、内科診療体制の確保に努めてきたところでございます。このような診療体制の充実により、地域への医師派遣が可能となり、地域に開かれた病院としての取り組みが成果を上げてきております。
しかしながら、市立病院の経営は診療報酬改定の影響や外来患者数の伸び悩みのほか、病床利用率の低下、さらには消費税増税などの影響もあり、平成26年度の医業収益は当初より計画を下回る状況が続いており、経営健全化計画において目標としていた平成27年度末における不良債務の解消につきましては、大変厳しい状況にあると認識しているところでございます。
今後におきましては、改めて病院職員一人一人が経営者の視点のもと、一丸となって市民から求められる医療を推進してまいりたいと考えております。
次に、一般会計負担の限度についてでありますが、病院事業会計に対する一般会計の繰出金につきましては、地方公営企業法及び国が定めた繰り出し基準を基本としながら、現状の市立病院の経営状況を踏まえた措置として、公立病院特例債の償還経費のほか、在宅医療や研修医養成などの政策医療にかかわる経費を含め、繰り出しの対象経費としているところでございます。繰出金は一般会計が当然に負担しなければならない経費もあることから、限度を決めて繰り出すものではございませんが、今後に向けた繰り出しのあり方については、地域医療における市立病院の役割や、一般会計及び病院事業会計の財政状況を踏まえて、病院のあり方も含め、総合的に判断していかなければならないものと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、副市長ほかをもってお答え申し上げます。

副市長(佐々木雄二君) 

私から、定数管理と人事行政について御答弁申し上げます。
初めに、断水の経験を生かす取り組みについてでありますが、昨年9月に発生した断水災害は昭和56年に発生した水害以来の大規模災害となり、災害対応を経験していない若手・中堅職員にとって初めての経験になりました。このことは市民生活の安全・安心を守るという市職員としての使命を改めて自覚する貴重な機会になったものと考えております。
市といたしましては、速やかにホームページなどでの市民アンケートや民生委員、協力団体、関係職員への調査などにより課題の洗い出しを行い、報告書に取りまとめ、対応策や改善策に可能なところから順次取り組んでいるところであります。今後はこの災害体験を職員間で共有するとともに、世代を超えて未経験の職員にも継承していくことが重要であると考えております。そのため、今回のことを総括して災害時の課題や対応について認識し、経験の継承に生かせる研修についても実施するなど、さまざまな事案に対応できるよう職員の人材育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、公金横領事件の問題点と人事のあり方についてでありますが、まずはこうした不祥事が二度と発生しないよう、チェック機能を強化するため、これまで隔年実施であった会計実務検査を毎年度の実施に変更し、あわせて適正な公金の管理のために規則改正等を行ったところであります。また、改めて全職員に対し公務員倫理の確立と服務規律の確保について周知徹底を図っております。なお、御指摘の人事のあり方については、従前から、職員の能力や実績、さらには経歴等を総合的に考慮し、適正な職員配置に努めているところであります。さらに、自己申告制度により、希望する職場、職場の課題や執務環境への思い、職員個々が抱える育児や介護等の家庭の事情についても把握し、可能な限り職員配置等に反映することも必要であると認識しているところでございます。いずれにいたしましても、公務員倫理の確立と服務規律の確保を図り、市民に信頼される職員の育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、育児休業者、病欠者を考慮した定数枠の改善についてでありますが、現在、医療職等を除く職員の総定員については、昨年2月に策定した定員管理方針に基づき、806人としているところであります。この806人には平成27年2月1日現在で、育児休業取得中の職員13人、病気休職中の職員2人、納税業務における北海道との相互交流派遣や管内消防救急デジタル無線の共同維持管理業務のための札幌市消防局への派遣等6人、再任用フルタイム職員19人が含まれております。なお、社会福祉法人への指導監査業務や北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区に関する業務などのため、北海道から派遣されている4人については定員外職員となっております。職員の定員管理に当たっては、毎年度、各部から提出された配置運用計画に基づき、全ての部署のヒアリングを実施しているところであり、この結果、平成27年度の各部からの配置希望職員数は合計で813人となっております。各部の毎年度の業務量の変化に応じ適正な職員配置に努めているところでありますが、育児休業や病気休職により職員が一定期間不在となる職場に対しては、臨時職員や非常勤職員を配置し、業務に支障がないよう努めているところであります。いずれにいたしましても、今後も各職場の実態を十分把握しながら、業務内容に応じた適正な職員配置に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

経済部長(北川裕治君) 

私からは、宿泊施設誘致についてのうち、江別市への滞在型来訪者の把握と宿泊施設誘致について御答弁申し上げます。
市内の観光入り込み客数は平成25年度で約75万7,000人であり、その多くは議員御指摘のとおり、野幌森林公園や野幌総合運動公園など道立の施設の利用者となっております。
また、企業や大学に研修や研究で来られる滞在型の来訪者につきましては、市内大学において各種学会等が開催されておりますことから、多くの来訪があるものと認識しております。
しかしながら、滞在型の来訪者数につきましては、実態を把握することが課題であると考えておりますことから、今後、各大学や工業団地協同組合等から聞き取りを行うなど、その把握に努めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、宿泊施設の誘致は滞在型の来訪者を増加させ、交流人口をふやすこととなり、総合計画の未来戦略における観光振興や都市計画マスタープランにおける中心市街地づくりを行う上で非常に重要なものと認識いたしておりますことから、今後、商工会議所や観光協会、市内大学等と連携を図りながら進めてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

建設部長(西村晃一君) 

私から、顔づくり事業地区への民間事業の展開について御答弁申し上げます。
駅周辺の拠点街区については、商業・業務、住居や宿泊施設などの立地誘導を図り、都心の玄関口にふさわしい都市機能の集積を目指しております。かねてより土地所有者に対しては拠点街区にふさわしい土地利用の協力を依頼していたことから、土地所有者からの相談を受け協議してきたところであり、こうした結果、本年1月には、野幌駅北側の拠点街区において民間事業者によるオフィスビルの建設が進められているところであります。
宿泊施設につきましては、これまでもホテル事業者等との情報交換などを行ってきたところでありますが、今後におきましては、野幌駅南側の市有地の土地利用が平成29年度以降に可能となりますことから、庁内関係部局を初め、商工会議所や観光協会、市内大学等と進め方などについて協議を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

病院長(梶井直文君) 

私からは、経営健全化計画と病院長の思いについてほか1件につきまして御答弁申し上げます。
経営健全化計画に関しての私の思いについてでありますが、私が院長職務代理者に就任しました平成18年は、内科医師の大量退職や内科病棟の閉鎖など、市立病院はまさに存亡の危機であったものであります。そのような状況の中、従来の臓器別専門医による診療体制からさまざまな疾患を総合的に診断する総合内科医中心による診療体制を構築し、職員一丸となって病院再建に取り組んできたところであります。
総合内科医は、特に多様な疾患がある高齢者の病状を把握し、軽度から中程度まで各専門内科的な診断と治療に携わることができ、国においても高齢化社会の本格的な到来を迎え、このような総合内科医による診療の必要性が重視され、さまざまな施策により総合内科医の養成・充実が図られております。総合内科医を中心とした当院の試みは超高齢化社会に向けての先駆的な取り組みであると認識しております。
一方、地域の公的医療機関としては、まず、妊婦健診や分娩出産、乳児健診を充実したものとするため、産科医・助産師と小児科医による継続した周産期医療の保障や、小児の緊急入院受け入れ体制を確保するほか、精神科単科病院では行えない、精神医療の必要な患者さんで内科、外科、整形外科疾患等の他の科の疾患の入院加療が必要な患者さんの医療の実施、総合内科による救急受け入れ、さらには在宅診療など、たとえ不採算部門であっても市民にとって不可欠な医療の充実を図ってまいりました。このような市民が求める医療を継続するために、一般会計から御協力をいただいてきたところであります。
一方、経営面では経営健全化計画で目標としていた平成27年度末における不良債務解消が厳しい状況となっており、計画どおり経営が進捗していないことについては申しわけなく思っております。
市長からも発言がありましたが、私も職員一人一人が経営者の視点を持ち、一丸となって経営健全化計画の目標に少しでも近づける努力を継続してまいる考えであります。
平成26年6月公布の医療介護総合確保推進法により、病院完結型医療から地域完結型医療への転換が進められます。これにより、一層市内の医療機関等との連携が求められる中、総合内科中心の市立病院の特徴を生かし、今後、国から示される地域医療ビジョンや新たな公立病院改革ガイドラインに基づき、市民が求める医療を提供できるよう、一層効率的な市立病院の経営を進めてまいります。
次に、専門医の確保についてでありますが、消化器内科など新たな専門医の招聘につきましては、平成16年から新たに医師臨床研修制度が導入されたことにより、大学医局では入局者が減少し、医局から派遣可能な医師が減少したことから、新たな専門医を医局から招聘することが困難となっているものであります。このような中、機会あるごとに、市長や私、病院長が大学医局を訪問し医師の派遣を要請しているところでありますが、残念ながら医師の招聘にはつながっていない現状となっているものであります。今後におきましては、大学医局への訪問に加え、医師会や連携病院からの情報を活用するなど、さまざまなルートを通じて新たな専門医の招聘に向けた努力を継続してまいります。
次に、御質問にありました午後診療の拡大についてでありますが、現在も複数の診療科において、予約患者に限定した午後診療を実施しているほか、午前の診療が午後の時間帯に及んでいる状況にあります。例えば、総合内科医は午前中に外来診療、午後からは予約患者の外来診療はもとより病棟における入院患者への対応や内科系救急の受け入れ、さらには、在宅診療のための家庭訪問を行うなど、それぞれの診療に当たっております。
また、午後外来の拡大に当たっては、医師のみならず、看護師や臨床検査技師、放射線技師など診療技術職員の体制の整備が必要となることから、これらの状況を踏まえ予約患者受診枠の拡大を中心に検討を進めているところであります。
以上です。

赤坂伸一君 

ありがとうございます。それでは2回目の質問をさせていただきたいと思います。3件について、再質問したいと思います。
2件目の市立病院の経営と一般会計の負担等について再度お伺いをいたしたいと思います。
私は、これまで市立病院の再生を願って、他の議員の皆さんもそういう思いだと思いますが、提出された予算・決算に賛成し、そして、また市長が提案した一般会計からの支援にも賛意を示してきたところです。
最近のブログにもその総合内科救急を初めとする総合内科医の厳しい勤務実態について記載がありましたが、今日まで、大変困難な医療環境の中で皆さん頑張っていると。そして、医療現場の先頭に立ち職員を牽引してきた病院長のリーダーシップに敬意を表し、またこれからもぜひ頑張ってほしいと期待する一人でもあります。
一方、市長が就任して8年になるわけでありますけれども、8年間の一般会計からの支援の実績を見ますと、平成19年度は9億900万円余り。これは当時の骨格予算分も入っております。平成20年度は約9億8,000円。平成21年度は私も支援を求めたことがございますけれども、不良債務解消のための2億5,000万円の支援を含め13億4,800万円余り、平成22年度から24年度までは毎年度大体13億円前後、平成25年度は13億8,000万円余り、そして平成26年度から在宅診療経費、地域医療連携経費、総合内科医要請に要する経費として約1億円増額され、総額14億7,600万円余りと、こういう経過をたどってきました。
これら8年間の総額を計算しますと、100億1,300万円余り。金額だけを考えますと、庁舎が軽く建つと。このうち、国から一般財源として配分される交付税総額は52億円程度で、残りの不足額約50億円は税等で支出されています。大変な額であります。例えば、庁舎建設について全国いろんな自治体を見て回りますと、30億円の財調なり預金があれば起債を行って、大体70億円くらいのものが建つと一般に言われています。これは事例であります。この50億円の税金と極めて貴重な資金は、不採算部門をカバーするために、繰り出し基準に基づき支出されてきましたが、ルールにも幅のある話と承知しております。これが増加することは一般会計から見ると、財政の弾力性が乏しくなる。こういうことにつながってまいります。
しかしながら、これらはさきに質問してまいりましたとおり、開かれた近代医療を市民に提供することで健全化を達成することが最大の目的であると認識しております。そしてまた、医療環境や社会的環境にも変化があったと私も承知をしていることであります。特に、毎年度の決算資料で、病院から各科別の診療状況、あるいは各市との比較も示されてきております。ここでは比較は余り論ずるつもりはありませんけれども、承知をしております。
もう一つの見方をしますと、国保えべつの冊子が配布されておりますが、別な角度から眺めてみますと、保険者である江別市にとって医療費が高くなるということは頭の痛いことでありますが、この中身を見ますと過去の診療費総額や1件当たりの診療費も入院・外来ともにふえている。もちろん、これは国保の会計とて同じです。国の制度の中で皆さんが保険証を利用し病院にかかる。いわば、国保から分析するに、江別市総体として患者もふえている。医療費もふえている。そして、極端な話を言いますと病院で吸収されていない。従前どおり、受け入れられる状態になっていない患者がいる。こういうことではないかと思います。他に流れているのかもしれませんが、そういうことも言えるのかと思います。
そこで、質問の1点目は、特例債償還後、不良債務を解消して自力再生できるめどはいつなのか。そして、自力再生の足がかりを何に求めるのか。この点についてお伺いをいたしたいと思います。
2点目は、研修医が研修期間を終了して、それぞれの道に歩むと思いますが、これは極めて社会性があります。特別交付税やさらに北海道などに支援の要請をすべきと考えます。もう既にされていると思いますが、お伺いいたします。
3点目は、研修が終了して、再び江別市に赴任してきた実数あるいは確率は、失礼な聞き方になるかもしれませんが、どの程度なのかお伺いをいたします。
4点目は、先ほども申し上げましたが、平成26年度から、総合内科医養成に要する経費として費用の2 分の1を補助されているが、これは何を根拠に支出しているのか、あるいは算定しているのかお伺いをいたします。
5点目に、専門医招聘について、これからも努力するという話がございました。ぜひやっていただきたい。相当な力を入れてやってほしいというのは私の希望であります。専門医招聘は診療科の充実により総合病院としての機能を高め、高単価の診療が期待され、病院全体が回ると。これが当初の方針でした。これが厳しいとなると高単価の診療をほかに求めるしか道はないのかと。もちろん、私は総合内科医を否定しているわけではないのです。これをどのように進めるかお伺いをいたします。それが不良債務を解消することにつながっていくだろうし、早い時期に終了する、健全化の道筋ができてくることになると思いますけれども、この点についてお伺いをいたします。
6点目に、一般会計負担の繰出金は中期財政見通しと符合していると思われますが、相当な重荷となっていると私は思います。どう考えるかお伺いをいたします。
次に、3件目の宿泊施設誘致についてであります。
顔づくり事業地区、野幌駅横の旧市営駐車場用地の仮換地は事業用地とされておりますが、宿泊施設誘致とすると課題は何か。誘致を要請しているとすればどのような用途なのかお伺いをいたしたいと思います。
次に、4件目の定数管理と人事行政についてです。
定数枠の改善項目の答弁の中で、臨時職員や非常勤職員を配置し、業務に支障のないよう努めているということでありますが、臨時職員や非常勤職員は上司の監督のもとで定型的な業務を担うものと思われます。補助的な業務と言われておりますけれども、一般職と同じような業務を遂行するには、私はいささか無理があると思います。その意味から職員配置に弾力性を持つべきだと考えますが、これについてお伺いし、2回目の質問といたします。

市長(三好 昇君) 

赤坂議員の再質問にお答え申し上げます。
私から、市立病院の経営に関連しまして、一般会計からの負担の限度に関連してお答えしたいと思います。
病院事業会計に対します一般会計の繰出金につきましては、不良債務の解消など、病院の経営状況を勘案しながら、繰り出してきたところでございます。
平成27年度につきましては、約14億円弱の繰り出しを予定しております。繰り出しに対する議員御指摘の懸念につきましては十分認識しているところでございます。先ほどもお答え申し上げましたが、経営環境の変化に対応した今後の病院のあり方につきまして検討を進めるとともに、厳しい一般会計の財政状況を踏まえ、病院みずからの経営努力のもとに、今後、総合的な判断に立って、繰り出しの考え方をまとめてまいりたいと考えております。
以上でございます。

副市長(佐々木雄二君) 

私から、定数管理と人事行政についての再質問に御答弁申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたが、職員が育児休業などにより一定期間不在となる場合は、臨時職員や非常勤職員を配置しているところであります。
また、業務の状況に応じては、部内の他の課や係から正職員を一定期間配置しているほか、経験のある再任用職員等の活用によりできるだけ業務に支障がないような配慮をし、対応しているところであります。今後におきましても、職場の状況を十分に把握し、状況に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

建設部長(西村晃一君) 

私から、宿泊施設誘致についての再質問に御答弁申し上げます。
市営駐車場跡地への宿泊施設誘致の課題についてでありますが、当該地は用途地域が近隣商業地域と第1種住居地域とが混在しており、一般的に宿泊施設が接する道路としては幅員が11メートルと狭く、また、周辺が住宅地であることなどの課題があります。
次に、今後の誘致につきましては、先ほども御答弁申し上げたとおり、庁内関係部局を初め、市内関係団体等と進め方などについて協議してまいりたいと考えております。
以上でございます。 

病院長(梶井直文君) 

私からは、市立病院の経営についての再質問に御答弁申し上げます。
初めに、特例債償還後の自力再生のめどと自力再生の足がかり、及び高単価の診療に関する御質問であります。
公立病院特例債は平成27年度までが償還期限となっているものであり、償還計画に基づき、平成27年度において償還が終了となる予定であります。
しかしながら、平成27年度末での不良債務の解消は大変厳しい状況となっているものであり、このような現状では自力再生のめどを現時点で判断するのは難しいところでありますが、先ほども申し上げましたが、職員一人一人が経営者の視点を持ち診療収益の増収のため、さらに病床利用率の向上を図るなど、自力再生に向けて経営努力を積み重ねてまいりたいと考えております。
また、診療単価の増加に向けて、専門医の招聘が重要となることから、先ほども申し上げましたとおり、さまざまなルートを通じて新たな専門医の招聘に向けて努力を継続してまいりたいと思います。
次に、当院の研修が終了し、再び江別市に赴任してきた医師の実数でありますが、当院においては、これまでいわゆる単独型初期研修医2年間を当院でやる研修医数は15名在籍しております。これは主に平成19年以後、総合内科、教育センターができてからの単独型初期研修がほとんどを占めていますが、このうちの2名を含む21名が後期研修医として在籍していたことから、合計で34名が当院に在籍していたものであります。つまり単独型初期研修を終えた2名がさらに総合内科を中心とした後期研修に残った実績があると。さらに、初期研修は経ていないけれども、後期研修を目指して21名から継続の2名を除いた19名が来たということであります。この34名のうち、医師として当院に勤務実績のある者はこれまで5名であります。
当院での研修システムは、当院で研修を終了後、他の医療機関で経験を積み、さらにまた当院へ再び戻って勤務するなど、当院と他の医療機関を行き来する中で、総合内科医としての医師経験を積んでいくことを目指しているものであります。
以上です。

病院事務長(吉岡和彦君) 

私から、病院の経営に関する再質問のうち、研修医に対する費用支援についてほか1件につきまして御答弁申し上げます。
まず、研修医に対する費用支援についてでありますけれども、北海道における医師確保対策は地域医療推進局が所管し、当院では初期研修医を対象とする臨床研修費等補助金と後期研修医を対象とする総合内科医養成研修センター運営補助金が交付されているところであります。医療介護総合確保推進法の創設に伴い、医師の養成・確保等の支援に関しましても新たな財政支援制度へ移行しておりますことから、総合内科医養成という社会的使命を担う当院の教育プログラムに対する支援制度を創設することにつきまして、北海道に対し要請を行ったほか、市長会を通じ同様の要請を行ったところであります。
続きまして、繰り出し基準に関する御質問でありますが、医師の人件費は本来、診療収益を上げるための経費でありますが、研修医については研修活動のため診療収益を上げることができないことから、当院で行っている教育センターにおける総合内科医養成に要している各経費のうち、国費、道費で補助されている臨床研修医の人件費に関し、その補助金を控除した後の金額に国費の補助基準に準じて2分の1相当額を繰り入れいただいているものであります。
以上であります。

副議長(齊藤佐知子君) 

以上をもって、赤坂議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
石田武史議員の電子式水道メーターへの更新事業についてほか2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間30分。

石田武史君 

ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、順次質問をしたいと思います。
件名1、電子式水道メーターへの更新事業についてお伺いいたします。
本年2月の広報えべつによりますと、本年4月から水道メーターの地上化が始まるとのことです。地下にあるメーター本体を確認しなくても、地上にある壁づけされている遠隔式カウンターを見るだけで、メーター指針や水の使用状況が確認できるようになり、この水道メーターの見える化を行うことで、利用者サービスの向上と検針業務の効率化を進めるとのことであります。確かに、冬期間の検針作業などはメーターボックスが雪の下にあり、その検針には除雪作業が伴うなど検針作業の困難さが容易に想定されます。
また、利用者にとっても、見やすい位置にメーターがあることで漏水事故の早期発見や節水に向けた取り組みも地下式のメーターより容易に可能となると思われます。さらには、検針回数が現状の4カ月に1回から2カ月に1回になるとのことで、より正確な検針業務が行われるとのことです。対象となる家庭や会社へは取りかえ方法の説明やカウンターの取りつけ位置についての打ち合わせをした後に作業を行い、その費用は基本的には無料であるもののメーターボックスの破損等必要な場合には利用者が費用負担をしなければならないようです。
北海道内では、約85%の市がこの電子式水道メーターを採用しているとのことであり、当市においても新築、改築の際にはこの電子式水道メーターの設置を推奨してきたことにより約25%の市内普及率があるとのことであります。
ところで、この交換するメーターの値段ですが、従来の地下式のものでは1個の値段が新品のものでも約七、八千円なのに対し、電子式では約1万2,000円とのことであります。そして法律の規定によって、どのメーターも8年ごとに交換しなければならないのは変わらないとのことであります。地下式のものと比べると、メーター1個当たりの差額も四、五千円と大きく、工事費用も更新時には多少安くなるとのことですが、市内の住宅戸数、終わりのないメーター交換などを考えると、費用の支出も長期にわたり、かなりの額になることが容易に予想されます。
そこで質問ですが、第1に、現在の中期経営計画の中では、平成30年までは料金改定をしないようですが、市民サービスの向上のために検針の間隔を短くするということであれば、検針員を増員することで対応可能ではないかと思いますがいかがでしょうか。
第2に、今後、電子式水道メーターの費用負担を市民にお願いすることになるのでしょうか、お伺いいたします。
件名2、ノハナショウブの群生地の保存と活用についてお伺いいたします。
江別市東野幌にあるノハナショウブの群生地は、江別市にある魅力的な景観として第17回都市景観賞を受賞したほか、大規模な干拓事業により失われた東野幌地区の湿原にわずかに残されていたノハナショウブの保護・増殖の取り組みを通じて、同湿原の保全と一般市民に対する自然保護思想の普及に尽力したとのことから、保存会のメンバーが第32回前田一歩園賞を受賞しています。
最近では、江別市における観光地としても認識が広まり、最盛期には市外から写真を撮影に来る人もふえているそうです。この群生地は十数年前から個人で独自に保存活動を続けていたところ、その活動に賛同した有志とともに保存会が結成され、地域の協力を得ながら保存・育成が続けられた結果、このようになったものですが、この土地自体は昨年秋に所有者から江別市に寄贈されており、今後は市が保存会に管理を委ねていく方針とのことであります。現地は野幌森林公園から南幌町へと続く農村地帯にあり、近くには野幌農村公園、パークゴルフ場など、市民が自然と触れ合える貴重な地域となっています。また、道道46号江別恵庭線からも近く、南幌温泉と農産物の直売所との中間付近にも位置しており、日帰りの温泉客や新鮮な江別の農産物購入を希望する消費者が付近を通過している場所でもあります。
ところで、農村振興と地域活性化という観点からは、江別市においてもグリーンツーリズムという施策がとられ、一方で、観光という観点からは、観光協会が観光モデルコースとして市内の数カ所を紹介し、さらに地域の保全会やNPOにおいては、篠津兵村フットパスという名称で篠津川周辺を紹介しております。グリーンツーリズム、観光モデルコース、フットパスのそれぞれの本来の意味は違うのでしょうが、共通しているものは自然と人との触れ合いだと思います。
このノハナショウブの群生地を見るとき、自然と人との触れ合いが望める江別市において、またとない貴重な場所の一つであり、近隣に点在する名所や公園などと組み合わせることにより、さまざまな波及効果が生まれることは容易に想像できるものです。
北海道内においても、富良野市のラベンダーを初め、大空町東藻琴の芝桜、北竜町のヒマワリ、遠軽町のコスモスなど、各地で花をテーマとして観光や周辺の産業が育っていることからも明らかではないでしょうか。
そこで質問ですが、第1に、今後、江別市としては保存会に管理を委ねていくとのことですが、観光資源としても有望であるこのノハナショウブの群生地について、どのように保存・活用していくのか市長のお考えをお伺いいたします。
第2に、このような景勝地は市内にまだまだあるように思うのですが、江別市として考える観光行政全体において、ノハナショウブ群生地をどう位置づけ、観光資源とどう連携していくのかお伺いいたします。
件名3、江別市における美術館の設置についてです。
美術館は、ウィキペディアによると、博物館の一種であり、美術作品を中心とした文化遺産や現代の文化的所産を収集、保存、展示し、またそれらの文化に関する教育、普及、研究を行う施設であるとあります。
以前、会派で視察した青森県十和田市には、十和田市現代美術館があり、十和田市現代美術館条例第2条で、芸術文化の持つ創造性及び多様性を広く市民に紹介するとともに、市民の芸術文化活動への支援及び参画の場を提供することにより、新たな文化の創造、さまざまな交流を通じたまちのにぎわいの創出及び魅力あふれるまちづくりに寄与するため、現代美術館を設置するとあります。
長崎県美術館条例第1条では、地域の活性化及び芸術文化活動の拠点として、すぐれた美術作品の鑑賞及び学習の機会を提供するとともに、創作活動及び作品発表などの支援を通じて、生涯学習に対応した文化的環境の整備を図り、もって新たな長崎県の文化の創出に寄与するため、長崎県美術館を設置するとあります。
北海道内の他の地域にも、各地にそれぞれの特色のある美術館や博物館があり、展覧会のほかにその地域の歴史や文化、ゆかりのある著名人や芸術家の作品が展示されています。
江別市では、江別市民文化ホール条例があり、その第1条では、設置目的として、市民の芸術文化活動の発展を図り、心豊かなまちづくりに寄与するため、江別市民文化ホールを設置するとあります。美術という記載もないことからもわかりますが、多目的であり、特に美術作品を中心とした施設ではないように思われます。また、市内の公共施設では絵画展などは開かれていますが、開催期間や施設設備などが適当ではないために、有名な作品などの展覧会などは開催できないようであります。もちろん、これらの施設でも市民による作品展は通年行われていることは周知のとおりであります。
そのためか、従前から当市においても美術館を設置すべきではないかという要望もありましたが、市側では検討は続けるものの財政的な面からなかなか難しいという回答でありました。現在、全国的には民間ギャラリーや民家を改造した小さな美術館、学校の空き教室や遊休施設のアトリエとしての利活用などによって、多くの市民に親しまれたり、観光客を呼んでいる地域もあります。
そこで質問いたします。
第1に、子供たちに対する教育効果や市民の創造性にあふれた生活を考えるとき、小さくてもいいから江別市民が誇りに思う、そのような美術館が当市にあればと思うところですが、市としてのお考えをお聞かせください。
第2に、議員として各地を視察させていただきましたが、芸術が地域の活性化の起爆剤となっている姿を見ることができました。岡山県倉敷市は著名ですが、十和田市も現代美術館を中心として市内中心部を芸術の手を借りて活性化させようとしています。
四国の香川県直島町では、民間企業とのコラボレーションにより、有名な建築家の設計による美術館や古い民家を壊すことなく修繕して美術館として活用しています。書籍、文化経済学第8巻第1号では、西孝氏が観光集客型ミュージアムとローカル・コミュニティ、直島の事例からみたその可能性と課題と題して次のように述べております。直島におけるミュージアムを核とする以上の事例は、住民の参加と来訪者との交流を通じて地域を元気づける力を発揮することを示すものであり、文化資本が集客力を持ち、地域を活性化し地域経済を支える可能性を持つことが明らかになったのではないかと述べております。
このようなアートによるまちづくりの推進について、江別市でも取り組むべきだと思いますがお考えをお聞かせください。
以上で1回目の質問を終わります。

副議長(齊藤佐知子君) 

石田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

石田議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、ノハナショウブ群生地の保存と活用についてお答えしたいと思います。
まず、保存と活用についてでありますが、昨年10月に寄附されましたノハナショウブ群生地につきましては、かつての石狩湿原の名残を残した地域の歴史を伝える景観地となっており、江別市におきましても希少な地域資源であると認識しております。保存に当たりましては、花に負荷がかからぬようノハナショウブ群生地を外周から観覧するための沿道を設け、より自然に近い形での保存に努めてまいりたいと考えております。
また、今後の活用につきましては、江別市の観光のさらなる誘客資源として、道立野幌森林公園と現在利活用が計画されております千歳川流域の江別太遊水地の中間点に位置することから、JR函館本線の南側の観光につながるものとして、サイクリングやフットパス等の利用形態を検討するなど、江別観光協会と連携し、市内の観光振興につなげてまいりたいと考えております。
次に、観光行政における位置づけについてでありますが、ノハナショウブ群生地のような地域資源の観光への有効活用につきましては、昨年スタートしました第6次江別市総合計画のえべつ未来戦略の中で、豊かな自然や既存の施設の利活用、食と農の観光化や、市民や企業等による観光資源の発掘・創出・魅力向上を支援することにより、地域資源を生かした観光を推進することとしております。議員御指摘のとおり、江別市には道立野幌森林公園、千古園、しのつ河畔林などの地域資源を活用して市外からの来訪者をふやしていく余地は、まだ大いにあると考えておりますことから、例えば、JR野幌駅で実施しておりますサイクルシェアリングを拡大し、観光に訪れた方の足として活用していただき、市内各所の自然、景勝地を周遊してもらうことなど、地域資源の連携を進め、観光振興を図ってまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、水道部長ほかをもってお答え申し上げます。

水道部長(松田俊樹君) 

私から、電子式水道メーターの更新事業について御答弁申し上げます。
まず、電子式水道メーターへの更新の必要性についてでありますが、電子式水道メーターへの更新を促進することにより、地下式メーターと比較して水の使用状況の把握が容易になり、漏水の早期発見ができるなど、見える化による市民サービスの向上が図られます。また、検針効率が向上し、冬期間においても検針が可能となることから、現在、当市が行っている4カ月検針を一般的な2カ月検針に変更するものであります。
そこで、御質問の検針員の増員により検針間隔を短くすることについてでありますが、地下式メーターのままではさきに申し上げましたような市民サービスの向上が望めず、冬期間の検針状況も改善されないことから、電子式水道メーターへの更新による地上化を基本として取り組んでまいりたいと考えております。
次に、更新による市民負担についてでありますが、電子式水道メーターの更新事業は中期経営計画において上下水道事業の会計間の負担も調整しながら進めることとしており、基本的に電子式水道メーターへの更新による市民への新たな負担をお願いするものではありません。いずれにいたしましても、水道事業としては今後とも市民サービスの向上と事業運営の効率化を図り、長期的な安定経営に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上です。

教育部長(斉藤俊彦君) 

私から、江別市における美術館の設置について御答弁申し上げます。
まず、美術館を江別市に設けることについてでありますが、美術館の役割としては大きく分けて二つあり、一つは、芸術性の高い作品を収集し、専門の学芸員が研究を行い、市民に鑑賞してもらうこと。もう一つは、いわゆるギャラリーとして市民レベルでの芸術文化活動の発表の場を提供することであります。
前者の役割については、特に高い芸術性を有する高額な作品の収集などは主に都道府県立美術館が担っており、市町村立美術館では独自のコンセプトで地域特性や風土に根差した作品の展示を担っていることが特徴であります。本市におきましては、セラミックアートセンター内に、陶芸家小森忍氏の記念室を設けているのがその一例であります。
次に、発表の場とする後者の役割では、本市の場合、市民の創作意欲の向上と文化活動の拠点として、野幌公民館及び大麻公民館のギャラリーを広く利用いただいているほか、市民要望を受け、よりグレードの高いギャラリーとしてセラミックアートセンターの企画展示室を提供しているところであります。
市内では、芸術作品愛好家も含め、芸術文化活動が活発に行われていることは承知しておりますが、御質問の新たな美術館建設につきましては、地域に根差し、市民全体が共有できるコンセプトが必要となりますことから、将来に向けた研究課題と考えております。
次に、アートによるまちづくりの推進についてでありますが、本市におきましても、芸術作品を屋内外に展示しており、例えば、江別駅前の本町通りの街路灯には陶芸作品を展示しており、四季のみちや公共施設にも彫刻などのさまざまな芸術作品が展示されております。各公民館のギャラリーは市民レベルの美術展等が気軽に開催できる場として広く利用いただいており、芸術を介した交流の場となっております。
また、セラミックアートセンターの企画展示室は、陶芸に限らず、絵画、書道、写真など、より高いレベルの芸術作品の展示会が開催できる施設として提供しております。
教育委員会といたしましては、市内に点在する芸術作品や文化施設を核として、さまざまな芸術文化活動が活発に行われるとともに、こうした芸術作品を広く紹介していくことはまちづくりを進める上でも望ましいことから、今後ともPRに努め、全市的な取り組みとしてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

石田武史君 

ありがとうございます。水道メーターのことに関して要望をさせていただきます。
市民への費用負担についてでありますが、やはり、コストについては、私が調べただけでも従来タイプの交換型と新品を買うのではかなりの差があるとわかりました。しかも、それが向こう8年間にわたって続くとなると単純に計算しただけでも毎年相当かかるだろうと。確かに市民サービスと費用負担とのつり合いという部分からすると、一概にお金がかかりすぎるからだめだということではないと思うのですが、その辺に疑問があるということで、この事業が市民にとって効果的に運営されていくことをとりあえずは望んでおきます。
次に、アートによるまちづくりの推進について、2回目の質問をさせていただきます。
私が例に挙げた直島も十和田市も、多くの市民がそこに集まって芸術だとか美術だとかをやることはさることながら、市外から来てもらう。直島は特にそうです。人口が数千人のところに多いときで年間70万人が来るわけですから、島の中の人口というよりは外からの入れ込み客数を完全に当てにしているということなのです。つまり、芸術が広く地域の活性化につながっているすばらしい例だと思うのです。
このような観点からすると、江別市においても、例えば道内他市ではやっていないようなアール・ブリュットというような芸術関係の常設展ができる場所を設けることにより、市外からの利用者の作品や、現在誘致活動をしている特別支援学校高等部の生徒の作品、市内に多くある福祉事業所の利用者の作品、これはすばらしいものがあります。こういうものを展示することによって、彼ら、彼女らの励みにもなるはずです。
このようにいろいろな分野に波及効果のあるアートによるまちづくりについて、再度お考えをお伺いいたします。

教育部長(斉藤俊彦君) 

私から、石田議員の再質問に御答弁申し上げます。
いろいろな分野に波及効果のあるアートによるまちづくりについてのお尋ねでありますが、芸術が広く地域の活性化につながっている例が全国に多数あることは承知しており、本市におきましても、えべつ未来戦略において、まちの魅力を市内外へ情報発信するシティプロモートに取り組んでいるところであります。
教育委員会といたしましては、芸術を通じて市外からの観覧者をふやしてはどうかとの御提言の趣旨を踏まえ、市庁舎や水道庁舎前にある著名な作家によるブロンズ像を初め、市内に点在する芸術作品の情報を掲載したマップを制作するなど、今後ともPRに努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

副議長(齊藤佐知子君) 

以上をもって、石田議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

副議長(齊藤佐知子君) 

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 2時31分 散会