平成23年第3回江別市議会会議録(第5号)平成23年9月27日 5ページ
6 議事次第の続き
陳情第8号及び陳情第13号
高橋典子君
陳情第13号 ポリオ不活化ワクチンの早急な導入について意見書提出を求めることについて、採択すべき立場で討論いたします。
我が国においてポリオは、昭和35年に約5,600人が発症し、翌36年にソ連とカナダから生ワクチンが緊急輸入され、一斉投与したことにより発症は急激に低下したという経過がありました。
現在、我が国では、定期予防接種に経口生ポリオワクチンが使用されており、そのことからワクチン関連まひやワクチン由来のポリオウイルスでんぱの危険性について指摘されてきたところです。予防接種法に基づく予防接種健康被害救済制度における認定者は、二次感染も含めほぼ毎年のように発生し、平成22年度の統計においても報告されているところであり、子供に予防接種を受けさせようとする保護者にとって大きな不安となっているところです。
この間、全国的に改良ワクチンを待つ動きが広がり、生ワクチンの接種率が低下するという問題が発生しているという新聞報道もあります。当市においても問い合わせがあるということですが、ワクチン接種率の若干の低下については、この間の新型インフルエンザやヒブ・小児用肺炎球菌ワクチン等との接種の都合によるものと説明されております。
現在、国において、従来の三種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを加えた四種混合ワクチンが開発中であり、早ければ平成24年度中に導入できるようできる限り迅速に薬事審査を実施する方針とのことです。しかし、こうした情報が伝わることにより、ワクチンの導入待ちとなることで予防接種が先延ばしになり、乳幼児にとって重要な百日せきなどの予防ができなくなることも危惧されます。
陳情者が述べているように、多くの先進国では早い時期から不活化ワクチンへの切替えが進み、例えば、アメリカでは平成12年より生ワクチンから切り替え、平成11年以降、ワクチン由来のポリオの発生はないということです。不活化ワクチンの特徴として腸管粘膜免疫が得られにくいとされていますが、高い血中抗体が得られる、ワクチン関連まひが生じないなどの利点から諸外国でも導入されているところです。
我が国でも、平成12年に公衆衛生審議会感染症部会ポリオ予防接種検討小委員会から不活化ワクチンの導入が提言されていますが、その後においても現在まで実施に至らず、患者団体等からも早期の実施を求める声が出されているところです。
横浜市衛生研究所をはじめ各種の報告によると、アジアの国々においてはポリオの発生があることから、国際化が進んでいる中で、ポリオワクチンの接種控えが起きることは避けなければならず、速やかな不活化ワクチンの導入が必要なことは陳情者の求めるとおりです。
全国各地では輸入未承認不活化ワクチンを自費により接種する例もありますが、ポリオワクチンは、本来、国の政策として定期接種により公的に行われるべきものであり、保護者が費用負担なく接種できるものでなくてはなりません。
このような状況を解決するためには、何よりも国の責任において、不活化ポリオワクチン接種の実施に向けたあらゆる環境整備や条件整備について、早急に進めることが求められるものと考えます。
以上のことから、陳情第13号について、採択すべき立場での討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
石田武史君
陳情第13号 ポリオ不活化ワクチンの早急な導入について意見書提出を求めることについて、趣旨採択とすべきとの立場で討論いたします。
現在、我が国では、ポリオウイルスの毒性を弱めて作られた生ワクチンによって予防接種を行っております。しかしながら、毒性を弱めてもウイルスそのものはワクチン内に存在しているため、ごく僅かではありますがまひ症状などの副反応が出ることがあり、また、被接種者からの二次的な感染で、数百万人に1人の割合で、家族などにポリオまひが発生することも分かっております。
これに対して、不活化ワクチンはウイルスから毒性を取り除いて作るため、安全性が高いことから、厚生労働省は国内ワクチン開発メーカー4社に対して、不活化ポリオワクチンの開発促進を要請したとのことであります。
委員会審査の中で、今年度、国において不活化ポリオワクチン導入の方針が承認され、円滑な導入に関して様々な検討がなされていることが明らかになりました。また、今年末には不活化ポリオワクチンが含まれた四種混合ワクチンが薬事承認申請される予定であり、平成24年度中にワクチンを導入できるようできる限り迅速に対応する方針も示されております。
陳情書にありますとおり、不活化ワクチンへの切替えは必要であり、導入が急がれていることは誰もが認識しており、その趣旨は十分に理解できるものですが、国において来年度からのワクチン導入に向けた非常に具体的な取り組みが進められている現段階においては、陳情項目にあります来年度を待つことなくワクチン導入を求める意見書を国に提出することについては、その必要性がないと考えます。
以上の理由により、陳情第13号は趣旨採択とすべきとの討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
相馬芳佳君
陳情第13号 ポリオ不活化ワクチンの早急な導入について意見書提出を求めることについて、趣旨採択とすべき立場で討論に参加いたします。
ポリオとは、急性灰白髄炎の通称で、ポリオウイルスによって発症する感染症です。特に、5歳以下のり患率が高いことから、一般には小児まひと呼ばれることが多く、脊髄の灰白質を侵し、1%以下の確率でウイルスが神経組織に侵入して左右非対称性のしかん性まひを発症します。感染経路は感染者のふん便又は咽頭分泌液からの経口感染です。
日本では現在、これを防ぐため、ポリオ生ワクチンの投与が行われています。ポリオの発生はなくなりつつありますが、今月には中国での感染例が確認され、ワクチンを中止にしてよいほど安心できる状態ではありません。
ポリオ生ワクチンは、病原性がほとんどないポリオウイルスをワクチンとして飲むことによって免疫ができ、自然のポリオウイルスの侵入が防げるものです。しかし、生ワクチンの欠点として、極めてまれにワクチンを飲んだ人に自然のポリオと同じような症状が現れてしまうことがあります。これがポリオワクチンによるまひ例で、日本では約440万回の接種に1件、数年間に1件生じています。予防接種を受けた人に接触した人の中にも、約580万回の接種に1回程度という頻度ですが、ポリオと同じようなまひなどの症状が現れることがあります。これは、ポリオの生ワクチンに含まれるウイルスが腸の中で増殖するうちに毒性を回復し、このウイルスが便の中に出て周囲の人に感染したことによるものです。
また、ワクチンを飲んだ人の便から現れる弱毒のウイルスが、遺伝子の構造上毒性が自然のポリオウイルスに近い形の変異株となっていることもあります。現在、日本では、これらの極めてまれなポリオの副反応を更に少なくするため、感染力のない不活化ワクチンの開発が進行中です。
国では、予防接種の在り方についても検討し、不活化ワクチンを含む四種混合ワクチンの製造を国内4社の製薬会社に依頼しており、順次、薬事承認申請がされる予定とのことです。早ければ、平成24年度中に、四種混合ワクチンを導入できるよう迅速に薬事審査を実施する方針とのことですが、委員会では、製薬会社が申請したとの情報は確認されていない旨の報告がありました。
既に、10年前から、日本医師会では明確に不活化ワクチンの導入を要望していますし、公明党といたしましても早期の導入を訴えてきたところです。
また、不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会では、導入時における公衆衛生上の課題などが検討されているとのことですが、既に三種混合ワクチンや生ワクチンを接種している場合なども想定されることから、不活化ワクチンを円滑に導入するためには単抗原不活化ワクチンの導入も併せて進めていく必要があります。
さらに、不活化ポリオワクチン導入を待ち、関係者の中には生ワクチンの接種を控えようとする動きがあり、このことで、接種率が下がることのないよう接種スケジュールの検討やその広報など混乱が生じないようにしなければなりません。そのようなことから、本陳情で言う来年度を待つことなく早急にではなく、安心安全な導入を第一にすべきと考えます。
以上のことから、陳情第13号 ポリオ不活化ワクチンの早急な導入について意見書提出を求めることについて、趣旨採択の立場での討論といたします。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
高間専逸君
陳情第13号 ポリオ不活化ワクチンの早急な導入について意見書提出を求めることについて、趣旨採択とすべきとの立場で討論に参加いたします。
野生株によるポリオ発症例は、日本において昭和55年以降報告がなく、現在使用されている生ワクチンに起因するものが年に数件報告されております。
国においても、これらの状況を踏まえ、来年度をめどとして生ワクチンから不活化ワクチンへの切替えを進める方針を示し、平成23年8月31日には、不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会が開催され、検討事項として、迅速かつ円滑な移行に向けた対応、導入時における公衆衛生上の課題が示され、薬剤の安全性を考慮した慎重な作業とともに、導入時における混乱を生じさせないよう検討作業や準備を進めているところであります。
現在、DPTに不活化ポリオワクチンを加えた四種混合ワクチンでの接種計画に基づき、日本においては薬事メーカー4社が薬事承認申請に向けて作業を進めており、平成23年末頃から順次申請がなされる見込みであります。さらには、生ワクチンからの移行期間においては、ポリオワクチンを単独で接種することも想定されることから、単抗原不活化ポリオワクチンの開発を国が要請し、メーカー1社が申請に向けて作業を進めているところであります。申請及び認可についても、その早急な導入の必要性を国も理解していることから、早期認可を可能とするため、申請準備段階よりメーカーに対して指導を進めているとのことであります。
二次感染を防ぐ意味においては、早期の導入を進めることについて異議はありませんが、臨床実験による副反応の影響など薬剤の安全性の確保も同時に最大限進めなければならないとの視点から、陳情項目にある来年度を待つことなくという形で期間を区切ることに疑問を感じるものであります。
よって、本陳情については、趣旨採択とすべきものと判断するものであります。
議長(尾田善靖君)
他に討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
これをもって討論を終結いたします。
これより陳情第13号を起立により採決いたします。
陳情第13号は、委員長報告のとおり、趣旨採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者起立)
起立多数であります。
よって、趣旨採択とすることに決しました。
意見書案第12号
議長(尾田善靖君)
日程第16 意見書案第12号 安心して接種できる不活化ポリオワクチンの早期導入を求める意見書を議題といたします。
提案理由の説明を求めます。
内山祥弘君
ただいま上程になりました意見書案第12号 安心して接種できる不活化ポリオワクチンの早期導入を求める意見書につきましては、地方自治法第99条に基づき江別市議会会議規則第13条第1項の規定により提出したものでございます。
提出者は、裏議員、岡議員、岡村議員、角田議員、野村議員、宮川議員、吉本議員、そして私、内山でございます。
以下、案文の朗読をもって提案理由の説明とさせていただきます。
安心して接種できる不活化ポリオワクチンの早期導入を求める意見書
我が国では、ポリオ予防接種のワクチンとして、弱毒化したポリオウイルスを使う生ワクチンが使用されており、30年近くにわたり野生株によるポリオ発症例の報告はありませんが、生ワクチンの接種に起因するポリオ患者が発生しています。
生ワクチンの投与により100万人に数人の割合でポリオ患者が発生することについてはWHOも警告しており、何より危険なのは、二次感染によるワクチン関連ポリオまひが発生することであります。国内でも、免疫獲得率が低いとされる年齢層が親の世代になり、子からの感染が懸念されるところです。
一方、先進国の多くでは、既に不活化ポリオワクチンに切り替えており、その安全性と効果が実証されています。
厚生労働省では、不活化ワクチンの円滑な移行に向け、具体的な方法について検討が進められており、スケジュールも明らかにされているところですが、生ワクチンに由来するポリオ発症の被害を完全に防ぐためにも、不活化ワクチンへの切替えは、安全・安心を第一に、より一層早急かつ着実に行うべきと考えます。
よって、国におかれましては、予防接種制度における不活化ポリオワクチンを一日も早く導入するよう強く要望いたします。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
平成23年9月27日、北海道江別市議会。
提出先は、内閣総理大臣、厚生労働大臣宛てであります。
よろしくご決定くださいますようお願い申し上げます。
議長(尾田善靖君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
お諮りいたします。
本件については、委員会付託を省略いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
これより意見書案第12号 安心して接種できる不活化ポリオワクチンの早期導入を求める意見書に対する討論に入ります。
討論ありませんか。
(「なし」の声あり)
討論なしと認めます。
引き続き、意見書案第12号を採決いたします。
意見書案第12号は、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
意見書案第7号ないし意見書案第11号
議長(尾田善靖君)
日程第17ないし第21 意見書案第7号 義務教育費国庫負担制度の堅持と教育予算の確保・充実を求める意見書、意見書案第8号 地方財政の充実・強化を求める意見書、意見書案第9号 原子力発電所における国の防災指針の見直しを求める意見書、意見書案第10号 省エネ・節電対策の充実・促進を求める意見書及び意見書案第11号 JR三島・貨物会社に係る税制特例の恒久化等を求める意見書、以上5件を一括議題といたします。
提出者は、鈴木議員、齊藤議員、立石議員、角田議員、吉本議員であります。
お諮りいたします。
上程中の意見書案第7号ないし意見書案第11号については、あらかじめ議会運営委員会と諮り、提案理由説明、質疑、委員会付託、討論を省略することにいたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
引き続き、意見書案第7号ないし意見書案第11号を一括採決いたします。
意見書案第7号ないし意見書案第11号は、原案のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、原案のとおり決しました。
陳情第14号ないし陳情第17号
議長(尾田善靖君)
日程第22ないし第25 陳情第14号 被災者救済、自主避難者への支援のさらなる強化を求めることについて、陳情第15号 福島県ほぼ全域に及ぶ放射能汚染地域からの避難者支援のさらなる強化と計画的避難区域の拡大を求めることについて、陳情第16号 放射能がれきの北海道への持ち込み拒否等に関することについて及び陳情第17号 北海道電力泊原子力発電所への緊急対策について、以上4件を一括議題といたします。
上程中の陳情第14号外3件は、総務文教常任委員会に付託いたします。
なお、閉会中継続審査といたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
報告第29号
議長(尾田善靖君)
日程第26 報告第29号 健全化判断比率の報告についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。
総務部長(斎藤嘉孝君)
ただいま上程になりました報告第29号 健全化判断比率の報告につきまして、ご報告申し上げます。
本件は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律第3条第1項の規定に基づき、監査委員の審査に付し、ご報告申し上げるものであります。
健全化判断比率は、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の四つの指標からなり、そのうち一つでも基準以上になりますと早期健全化団体となるものであり、財政の健全化に向けて早期に是正を図ることで、地方財政の破綻を未然に防ぐことを目的としております。
平成22年度決算に基づく江別市の数値でありますが、実質赤字比率及び連結実質赤字比率は、前年度に引き続き、共に黒字決算となりましたことから、指標としては、ないという扱いとなるものであります。
次に、実質公債費比率は11.9%となり、昨年度に比べて1.0ポイント数値が改善いたしましたが、これは近年の起債償還額の減少などが主な要因であります。
次に、将来負担比率は49.5%となり、昨年度に比べて8.3ポイント数値が改善いたしましたが、これは一般会計や企業会計の起債残高減少が主な要因であり、このように、いずれの指標も資料括弧書の早期健全化基準を下回っているものであります。
以上、ご報告申し上げましたので、よろしくお願い申し上げます。
議長(尾田善靖君)
これより本件に対する質疑に入ります。
質疑ありませんか。
(「なし」の声あり)
質疑なしと認めます。
以上をもって、報告第29号を終結いたします。
各委員会所管事務調査について
議長(尾田善靖君)
日程第27 各委員会所管事務調査についてを議題といたします。
お諮りいたします。
閉会中における各委員会の所管事務調査について、議会運営委員長より次期議会の会期等運営についてを、総務文教常任委員長より行財政運営について、教育行政について、以上2件を、生活福祉常任委員長より生活環境行政について、保健・福祉行政について、消防行政について、病院事業について、以上4件を、経済建設常任委員長より農業行政について、商工観光行政について、建設行政について、上・下水道事業について、以上4件を、それぞれ閉会中調査したいので承認されたい旨の申し出がありました。これを承認することにご異議ありませんか。
(「異議なし」の声あり)
ご異議なしと認めます。
よって、そのように決しました。
閉会宣告
議長(尾田善靖君)
今期定例会に付議されました事件は全て議了いたしました。
平成23年第3回江別市議会定例会はこれをもって閉会いたします。
午後3時34分 閉会