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平成21年第2回江別市議会会議録(第3号)平成21年6月18日 5ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

 6 議事次第の続き

一般質問の続き

伊藤豪君

 議長のお許しをいただきましたので、質問に入らせていただきますが、その前に少し申し上げたいことがございます。
 ここ数年、地方分権時代の議会改革、議員の役割、議会運営など地方議会をテーマにした勉強会が花盛りであります。
 私も、勉強会や講習会にこの2年間で二、三回参加させていただきました。その中で堀内議員と遭遇したこともございます。どの会場も地方議員の熱気でむんむんとした状況でした。
 江別市に帰りまして、その状況との温度差を感じておりますが、我が議会も改革に向けてより前進していかなければならないと念願し、市民のための改革がどうすればできるかと考え、提案や発言を繰り返したところ、先輩議員諸氏から、どうやらひんしゅくを買っているようでございます。
 このたびの地方分権改革は、明治維新や昭和の敗戦に次ぐ第3回目の政治制度改革と言われており、改革の方向は、民主主義の深化及び市民の権利の拡大であります。
 先日可決されました自治基本条例もそのための手段であります。私は、この条例は、市民の権利の規定が不徹底であるとして反対しましたが、今後、市民の権利を深めるために、市民参加条例が議会の発議等によって一日も早く制定されることを期待しております。
 青年伊藤豪も馬齢を重ねて、当市議会では最高齢となってしまいました。しかも、先が短いわけですから、繰り返し発言せざるを得ません。お許しいただきたいと思います。年を取りますと、頑固になり気も短くなります。そして、先ももちろん短くなります。
 皆さんのご努力やご協力によって、私ども議員の市内費用弁償が廃止になり、市民からは、当然のことと歓迎されたと思います。
 先日は、政務調査費の使途基準が明確に規定されました。私どもの議会は、政務調査費の用途について、以前から市民に公開しても恥ずかしくない使い方をしておりますから、当たり前のことを規定し直したと思いますが、私も大賛成でございます。
 しかし、私はもう一つのことを期待していました。それは、議員から学識経験者の枠で農業委員会に委員を送り込むことの中止であります。
 なぜ期待をしたかと言いますと、前期の議会運営委員会で先進都市議会運営調査をされた折、視察先の先進市では、議員から農業委員を推薦することをやめているところも多く、その旨、議会運営委員会の報告書にしっかりと記載されていたからであります。その結果を踏まえて、江別市議会でも議員から農業委員会委員を推薦することは中止になるものと思い込んでおりました。
 さらに、前述の議会運営委員会の報告書に、ある先進都市では、議会から選出される監査委員の報酬を廃止したという興味深い記述がありました。これも、その市議会としての一つの改革の表現であると思います。江別市農業委員会自体も運営の改革に取り組んでおられ、委員数を削減するなど努力をされております。
 今回はどなたが農業委員会委員に議会から推薦されたのか残念ながら存じませんが、農業委員会が開催されましたら、議会が推薦した農業委員は議員報酬も受け取っているので、農業委員の報酬は支給しないという特別職の給与に関する条例の改正を提案されるのではないかと、強く期待していることを表明します。このことについては、農業者の農業委員の方々も、大賛成されるものと思います。
 私は、ことわざや格言が好きでよく引用いたしますが、昨日は、角田議員から良い言葉を教えていただきました。正確ではないかもしれませんが、変化できる者が生き延びるそうであります。市民から市議会不要論などが出ないように祈っています。
 それでは質問に入ります。
 第一のテーマは、江別市学校適正配置基本計画に関し、江別小学校と江別第三小学校の統合問題についてであります。
 江別市学校適正配置基本計画が策定され、今後の望ましい小中学校の配置をどのようにするかの検討が始まりました。特に、当面急いで取り組む必要がある学校を対象校に指定し、地域住民を含めて説明や協議が開始されつつあり、江北中学校を江別第三中学校に統合する案と角山小中学校を近接の小中学校に統合する案については、それぞれ地域協議会が発足して、議論が始められたようであります。
 しかし、市教委が進めたいとしている江別小学校と江別第三小学校の統合については、地域住民に対して一通りの説明会が終了した段階であり、地域協議会の設置には至っておりません。
 私は、江別小学校の校下に住んでおりますが、江別第三小学校の卒業生であります。しかし、子供や孫たちは、当然ながら江別小学校の卒業生であり、学校には大変お世話になりました。
 今回の両校の統合については、父兄や住民の方々、そして伝統のある江別小学校OBの方々が納得のいく形で、話合いが進行するように期待をしながら見守っているところであります。
 しかし、多くの方々のご意見を伺うと、少し漠然とはしていますがそのご意見の底流に市教委への不信感や疑問のようなものがあることに気付かされました。その疑問を率直にお尋ねして第1問とします。
 上江別小学校は、江別小学校から分離・新設されており、両校は、当然ながら隣接校であります。その後、上江別小学校は順調に発展し、ついには大規模校となり、30学級まで膨れ上がったときは特別教室をつぶしてまでしてしのいだと聞いています。
 他方、母校である江別小学校は、校下である江別駅前地区や条丁目地区の衰退などで、6学級をやっと維持する小規模校となり、何とか6学級を維持するために先生方は必死になられました。我が家にも、お孫さんのご両親は転勤や転居などをされないですかと確かめに来ました。地域の人々の疑問は、通学区域の変更などによって、上江別小学校と江別小学校のバランスは取れたはずなのに、教育委員会の不作為によって、江別小学校は小規模校にさせられたのではないかというものです。
 この事情について、つまり、上江別小学校の分離からの経緯と事情について、説明をお聞きしたいと思います。
 市教委が設置している江別市立小学校及び中学校通学区域審議会の記録にそれらの経緯が残されていると考えますので、ありのままにご説明いただき、コメントがあれば付け加えてご答弁いただければと考えます。
 なぜ、子供たちのために校区の変更はなされなかったのでしょうか。
 上江別小学校は、少子化時代を迎えていずれ児童数が減るのだから、それまで放置しようと模様眺めをしていたのでしょうか。
 第2問です。
 大規模校の上江別小学校と小規模校の江別小学校の両校の教職員からは、このことについて、市教委に意見は上がってこなかったのでしょうか。
 また、市教委は、現場の教職員から意見や状況を聞き取らなかったのかどうか。当然、悲鳴に近いものがあったのではないかと想像いたしますが、いかがだったのか伺います。
 第3問です。
 一つの中学校区に、二、三校の小学校があることが児童、教員及び地域の人々にとって理想的であるという考え方を伺ったことがありますが、現在は少子化の時代でもあり、理想どおりには物事は運ばないかもしれません。
 仮に、江別小学校と江別第三小学校の統合が実現した場合、その児童たちは、江別第一中学校と江別第三中学校のどちらの中学校に進学するのが望ましいと考えておられるのか伺います。好きな学校を自由勝手にお選びくださいということでしょうか。
 第4問です。
 最近の教育現場では、小中一貫教育が望ましいという声が上がり、そのような試みも道内を含め各地で行われるようになりました。
 江別市の教育について、教育長を指揮される立場にある教育委員会委員長に伺います。教育委員会委員長は小中一貫教育について、どのように考えておられますか。
 そして、今後、このような試みを江別市内で展開されるお考えをお持ちでしょうか。この機会にご意見を伺います。
 江別市学校適正配置基本計画が進行中であります。今後とも、特に地域の若い方々の未来を見据えた取り組みを期待し、見守りたいと考えています。そして、何よりも子供たちが伸び伸びと育ちますように祈っております。
 第二のテーマは、れんが校舎の取壊しについてであります。
 江別市学校適正配置基本計画に校舎耐震化問題が絡み、江別小学校と江別第三小学校のれんが校舎は近々取り壊されると受け取めている方々がいます。
 確かに、児童生徒がほぼ毎日の大半を過ごす校舎の耐震化は、早急に進めなければならない事業であります。
 れんが建築物は、皆さんもご承知のとおり江別市の景観を特色あるものとしており、そのことを自慢にしている市民も数多くおります。多くの出版物にも、江別市の景観として写真や記事が掲載されております。そのれんが建築物の大部分を占めているのが、小中学校の校舎でもあります。そこで、れんが校舎の耐震性を中心に伺ってまいります。
 第1問です。
 れんが校舎の耐震性については、文部科学省をはじめ関係方面から耐震基準等が示されず、その強化の方策について、市としては困惑しているように伺っています。
 しかし、ただ困っているだけでは困ります。誤った情報も流れるでしょうし、市内のれんが校舎は、やがてすべて取り壊されるかのような誤解が一人歩きをしかねません。
 れんが校舎は、終戦後の木材やセメントなどの建築資材が市場に払底した時代に、市内の産業を生かし、経済活性化の一助にとの期待も担って造られたものであり、当時なりに耐震構造を考え、設計されたものであるはずです。
 例えば、当時は5の強度を持ち地震にも耐えられると考えられたものが、現在6の強度を必要とするならば、その差の1又は2を補強することによって安全になり、更に続けて使うことができるのではないかと素人の私は考えるのでありますがいかがでしょうか。
 江別市が誇りにしている数多くのれんが校舎の耐震性や耐震化について、市長は一歩踏み込んで努力をするべきと考えますが、どのように取り組もうとされているのかその方策とご見解を伺います。
 第2問です。
 児童生徒のために、校舎の耐震性の強化や対策について早急に取り組み、方策を確立しなければなりませんが、学校以外の市内のれんが建築物についても、れんが校舎に準じた対策が必要と考えます。
 江別市のアイデンティティとも言うべき特色ある景観を形作るれんがに彩られた町並みは、維持できるのかどうか。いや、維持するのかどうかと問うべきでしょう。市長のお考えを伺います。
 第3問です。
 江別市内のれんが工場は、道内のれんがの90%以上を生産し、これまた江別市民の自慢の種であります。しかし、れんが建築物の耐震性が問題になると、その消費に影響し、売上げの減少や経営に対する影響も懸念されます。
 そこで、れんが産業への影響等についてどう考えておられるのか、併せて市長のお考えを伺います。
 第三のテーマは、江別産アルコール飲料についてであります。
 第1問です。
 まず、瑞穂のしずくについて伺います。
 一昨年まで食用米のきらら397を原料米にしていたため、余りおいしくないお酒であった瑞穂のしずくが、昨年より酒造好適米の彗星を使うようになり、劇的においしくなりました。百薬の長を愛する方々から、大変好評を得ています。しかし、食用米のきらら397を原料米としていた時代の評価が残っているようで、評判がまだまだ市民に広く浸透しているとは言えません。
 おいしくなった要因である原料米の彗星は、生産を買って出た4軒の農家の方々によって作付けされています。しかし、平成19年度と平成20年度に1.2ヘクタール作付けされたものが、平成21年度は0.8ヘクタールと減反になっています。
 その原因は様々あるようですが、稲作農家のご努力が報いられるように、そして、瑞穂のしずくが江別市の名産品として更に消費が伸びるように、江別市においても努力を重ねていただきたいと考えます。
 アルコールを余りたしなまない三好市長に瑞穂のしずくを強要するつもりはありませんし、夜の市長をご期待申し上げているわけでもありません。
 市内の飲料店に卸す分については仕入れをしやすい価格を考えるとか、おいしい瑞穂のしずくがありますなどと書かれたポスターを張っていただくなど、工夫の余地があるように思いますがいかがでしょうか。市長のご見解を伺います。
 江別市内で瑞穂のしずくの評判が高まり、隣にある大消費地の札幌市へもその評判が広がり、原料米が不足するような将来を夢見ながら瑞穂のしずくを味わいたいと考えています。
 次に、第2問の地ビールの状況についてであります。
 札幌市から江別市へビール工場を移転した会社があると伺っていましたが、1週間前の新聞に、その会社が江別産の原料を使用して、ビールの仕込みを始めたとの記事がありました。
 百薬の長の薬がまた増えれば、私は日本共産党議員団よりも左側に議席がありますけれども、左党の私はますます忙しくなると思っておりますので、その生産や販売はどのような状況にあるのか分かる範囲でお聞かせいただきたいと思います。
 第四のテーマは、市庁舎の建設による内需拡大の努力についてであります。
 第1問です。
 今定例会に提出された補正予算は、極めて小規模であり、市独自の新規事業はなく、麻生政権の景気浮揚対策としての大型補正予算関連のものばかりであります。
 市長は、景気浮揚対策についてどのように考えておられるのかお考えをお聞きしたいと思います。
 小なりといえども、江別市として、基礎自治体として、景気浮揚の一助となるような施策を考えるべきではないかと思いますがいかがでしょうか。
 景気対策に係る予算を計上しなかった理由は、財源がないほかに市長独自の景気についての判断や考え方があるのかとも思われますし、行政執行の在り方についての考慮かとも思われますがご高見を伺いたいと考えます。
 第2問です。
 次に、市内の諸企業の状況について、どのように受け止めておられるのか伺いたいと思います。 
 江別商工会議所の景況判断等を見ても、景気の悪化を懸念する声があふれています。
 市内諸業種からも、景気刺激策が強く要望されているのではないかと思いますが、どのような状況と受け止め対策を考えておられるか、市長のお考えをお聞かせください。
 第3問です。
 昨年の第1回定例会で、市役所庁舎の改築についてお尋ねしたところ、老朽化、狭あい化、分散化などの現実を踏まえて、第5次江別市総合計画後期基本計画の期間中に検討していきたいとのご答弁をいただきました。
 その後、現下の百年に一度の景気後退に見舞われたわけであります。麻生総理大臣は、景気回復まで3か年と見立てましたが、果たしてどうでしょうか。内需拡大が求められています。
 そこで、市庁舎の建設計画を前倒しして、一年でも早く建設する方向で検討を開始されてはどうかと考えます。前にも申し上げましたように、豪華なお城のような庁舎は不必要ですので、プレハブ軽量鉄骨二階建てを基本とします。江別市に本社を置く建設関連業者にお願いして、一丸となり特注で建設に当たってもらうことにすれば、透明な単価で建設できるのではないでしょうか。江別市役所にとって、最大の景気浮揚対策になるでしょう。
 私の使わせていただいている議員控室は、雨漏り対策として、天井から2本のビニールパイプが垂れ下がっています。市職員は驚きませんが、尋ねて来られた方々はけげんな顔をされます。
 さきの議会で、本庁舎の屋上防水改修工事に係る予算が計上・可決されましたので、間もなくビニールパイプは撤去されるでしょう。しかしながら、ここ10年間の市庁舎修繕の額は、約10億円に上ります。ただし、この金額は、狭あいのため増築された西棟の予算を含みます。
 財源がないのは理解していますが、PFI方式を活用すれば、市はほとんど財源なしで庁舎を建設できるでしょう。庁舎建設のための基金がたまるのは、百年河清を待つことに等しいと思います。むしろ、建築してからローンを払うのが正しい方法ではないでしょうか。
 市民から、賛否両論が巻き起こるのは目に見えています。その意見をしっかりと説得できるかどうかが市庁舎の建設を実現できるかどうかの別れ道だと思います。
 分散型・老朽化・狭あいタイプ・毎年修繕費付きの庁舎では、市民のためにろくな仕事はできないと申しても過言ではありません。どうせ何年か後には、必ずやらなければならない仕事です。思い切って一歩踏み出すのが三好市政の役割であり、責任であると思います。市長のお考えを伺います。
 第五のテーマは、マイマイガの大量発生についてであります。
 山形県や北海道の十勝方面で、マイマイガの大量発生に関する報道がありました。
 マイマイガは、ドクガ科マイマイガ属ですが、約10年周期で大量発生するそうで、昭和62年から昭和63年と平成13年ころにも大量発生したそうです。マイマイガの大量発生は、森林への食害が懸念されています。
 人体への影響としては、幼虫つまり毛虫のときに触れると、幼児などの皮膚の弱い部分が赤くはれ、痛みやかゆみを伴うそうです。成虫は、雄がうす茶色で3センチメートルから5センチメートルくらい、雌が白色で4センチメートルから8センチメートルくらいで毒性はないとのことです。
 昨年も江別市内で何箇所か発生し、苦情を聞きました。それは、公園の草むらから飛び立ち、白色の水銀灯に大量に集まり、近くの住宅の壁やガラス窓に塊となって産卵するとのことでした。不思議にオレンジ色のナトリウム灯には集まらないそうで、その市民の方は、白色の水銀灯をナトリウム灯に換えてほしいと要望されていました。
 私は、マイマイガについての知識もなく、たまたまの出来事だろうと軽く考えていましたが、今年に入って山形県や十勝地方の報道に接して驚きました。
 気温の上昇なども要因かと思いますが、今年も市内でマイマイガが大量発生する可能性があります。
 市民が受けた被害の原因が、公園や街路灯に誘引されたマイマイガにあるとすれば、対処しなければならないのではないかと思い急きょ質問に加えた次第です。
 マイマイガが大量発生した場合の対策について伺います。
 ご静聴を感謝いたします。

副議長(尾田善靖君)

 伊藤議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好昇君)

 伊藤議員の一般質問にお答え申し上げます。
 まず、れんが建築物と江別市の町並みの景観維持についてでございますが、江別市のれんがにつきましては、れんが造りの建築物の保存や市民と産学官が一体となったれんがをテーマにしたまちづくりが、平成16年度に北海道遺産として認定されるなど、ぬくもりのある江別市の景観を醸成する貴重な財産の一つであると認識しております。
 このようなことから、市におきましては、これまで、江別市ガラス工芸館として再整備をいたしました旧石田邸や江別グレシャムアンテナショップの旧ヒダれんが工場などの歴史性やシンボル性があるれんが建築物の積極的な保存・利活用に努めてきたところであります。
 ご質問のれんが建築物と江別市の町並みの景観維持についてでありますが、れんが建築物は歴史、親しみ、シンボル性を兼ね備え、さらには、江別市の貴重な景観資源であると認識しているところです。
 しかし、現在、広く認知されている建築物の耐震診断方法は、鉄筋コンクリート造り、鉄骨造り又は木造住宅についての基準が定められたものでございまして、れんが造りなどの組積造建築物については、公的な判定基準が示されていないことから、れんが建築物が多く存在する江別市にとっては、歴史ある建築物を現状のまま残せないことは非常に残念なことでございます。
 こうしたことから、市といたしましては、今後、道内の研究機関などに相談するなどして、れんが建築物の安全性について調査・研究してまいりたいと考えております。
 次に、れんが建築物の耐震性に関連いたしまして、れんが産業への影響についてでございますが、昭和56年の建築基準法改正以降の新築建築物につきましては、構造としては鉄筋コンクリート造りなどでありまして、耐震基準に適合しており、純粋なれんがや石などを積み上げる組積造という建物はほとんどございません。
 現在の建設業の不況下においては、少なからずれんが産業も影響を受けておりますが、業界ではこれまでに鉄筋用の穴を施したれんが、外壁用のれんがタイル、舗装用のれんがブロックなどの製品開発を含め様々な創意工夫を行うなど、市内各企業ともに経営努力をされているところであり、いわゆる耐震性の問題による影響は少ないものと考えております。
 次に、市庁舎の建設による内需拡大などについてであります。
 まず、補正予算額の規模と市内企業への景気刺激策についてでありますが、全国的に厳しい経済情勢による企業業績の悪化が見られ、今後とも雇用や賃金への影響が懸念されるところでございます。
 一方、市内企業の状況でありますが、江別商工会議所の中小企業景況調査によると、本年4月期の景気動向指数はマイナス57.5ポイントであり、これは前期と比較しやや改善されているとはいえ、引き続き大幅なマイナスを示しておりまして、依然として厳しい状況にあるものと認識しております。
 こうした中で、国においては、本年4月に経済危機対策がまとめられたところでありまして、国の第1次補正予算として、総額15兆円程度の国費規模により各種の事業が実施されることとなっております。
 市といたしましても、国と歩調を合わせ、地域活性化として位置付けられた経済危機対策臨時交付金や公共投資臨時交付金を活用し、市内経済の活性化を意識しながら、現在、事業の選定を進めているところであります。今後、早い時期に議会にお示ししまして、ご議論いただけるように準備を進めてまいりたいと考えております。
 具体的には、将来のまちづくりや市の活性化に資する事業を中心に、公共施設の維持補修などを含め、市内経済への波及効果が大きい事業を検討しており、国の交付金ばかりではなく、必要に応じ市債や一般財源を活用するなどしまして、効果的な事業を幅広く実施してまいりたいと考えております。
 次に、市庁舎建設の前倒しを検討してはとのご質問であります。
 先ほど議員もお話をされていましたように、昨年の第1回定例会でご答弁させていただきましたが、現在の本庁舎は、昭和41年の建設で老朽化が進んでいるほか、別館や第二別館など庁舎機能が分散している状況にあります。
 窓口事務等の総合化による市民サービスの向上や効率的な行政執行などの要請にこたえていくためには、新庁舎の建設が有効な手段であると考えることから、現庁舎の維持管理経費のほか、耐震化についても今後十分見極めまして、第5次江別市総合計画後期基本計画の期間内に、検討していかなければならないものと認識しているところでございます。
 次に、PFI方式での市庁舎建設についてでありますが、現段階では、新庁舎の建設手法について具体的な検討作業を行うまでには至っておりません。市の施工による建設という従来方式のほか、ご提案いただきました民間資金を活用するPFI方式も検討すべき有効な手法であると考えております。
 いずれにしましても、どの方法が合理的で現実的であるのか総体事業費も含めまして、今後、市の財政状況などを踏まえ検討していく必要があるものと考えております。
 私は、市庁舎の建設は、行政の効率性さらには市民サービスから見ても、早急に検討しなければならない事項だと考えております。
 私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、生活環境部長ほかをもって答弁いたします。

生活環境部長(伊藤武君)

 私から街路灯などに集まるマイマイガ対策についてご答弁申し上げます。
 北海道環境生活部がまとめた資料によりますと、マイマイガの成虫は7月下旬から8月に掛けて発生し、寿命は1週間から10日間程度で、見た目などは不快に感じますが人体に害を及ぼすことはないとのことであります。
 そこで、街路灯にマイマイガを寄せ付けない対策としては、明かりを抑えるなどの方法が考えられますが、消灯することは、交通安全や防犯上できないと考えておりますので、虫の集まりづらいナトリウム灯などに取り替えることも検討してまいります。
 なお、駆除につきましては、薬剤も余り効果がなく、また、マイマイガの発生が非常に広範囲にわたるため、根本的な駆除は困難な状況と言われております。
 以上でございます。

経済部長(岩井康夫君)

 私から江別産アルコール飲料についてご答弁申し上げます。
 まず、江別市の地酒であります瑞穂のしずくにつきましては、平成20年より、原料米を食用米のきらら397から酒造好適米の彗星に変え、さらに、仕込み時期の調整や高級酒のような少量仕込みなど、こだわりを持った製造法とすることで、その本格的な味が市民から評価され売行きが伸びているところであります。
 普及につきましては、各種イベントにおける試飲会の開催などで市民へのPRに努めてきたところであります。
 また、毎年、その年にできたお酒の発表会を行っており、今年も5月に新酒を楽しむ会を開催し、多数の市民の参加をいただいたところであります。
 売行きが好調とはいえ、販売元の酒造業者の販売計画が伴うことからすぐには増産とはなりませんが、今後とも、引き続き農業者や市内の酒販売業者などでつくる江別の米で酒を造ろう会とも連携を図り、販売実績や今後の売行きを見ながら、原料米の作付面積の確保や市民に親しまれるお酒としてさらなる普及に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、地ビールについてでありますが、このたび、元町市場内に地ビール醸造工場の移転を決めた有限会社カナディアンブルワリーは、江別市の食と農における取り組みや環境の優位性を生かし、中でも小麦を使用したバイツェンタイプの地ビール商品の新たな可能性を見いだすことに着目し、江別産小麦ハルユタカを使用した地ビール醸造の研究、開発に取り組んできております。
 昨年5月に東京で行われた全国地ビールフェアに同社が試作品として出品したハルユタカビールは、小麦を使ったビール特有のフルーティーな味わいを好む女性や外国人に大変好評であったと伺っております。
 現在、同社は、7月に開催されるえべつやきもの市での販売開始を目指し、醸造作業を進められているところであります。
 今後、市といたしましては、既に協定を結んだ北海道立食品加工研究センターに加え、地元農業者などとビール会社が共同し、江別産の原材料比率を高める研究が進むように支援するほか、販売につきましては、市内商店での店頭販売や飲食店での取扱い、各種イベント等でのPRなどを通じて、同社の製品が江別の地に根付くように働き掛けていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

教育委員会委員長(長谷川清明君)

 私から小中一貫教育についてご答弁申し上げます。
 小中一貫教育は、小中学校の9年間を通じて目標が共通認識され、系統的な学習指導や生活指導が可能になるなどの利点が挙げられる反面、人間関係が固定化しやすくなることや建物が別の小中学校で行う場合には、教育課程の編成も含めて日常的な連携が難しいことなど、課題も多いと言われております。
 このため、現在、江別市教育研究所において、小中一貫教育の特性や課題、さらにはカリキュラムの在り方も含めて研究しているところであります。

教育長(月田健二君)

 私からは江別小学校と江別第三小学校の統合問題に関連して、まず三点ご答弁申し上げます。
 1点目の上江別小学校分離後の経緯と事情についてでありますが、上江別小学校は、上江別地区での宅地開発による児童数の増加に伴い、平成11年に江別小学校から分離・新設されました。
 その際の通学区域の設定については、平成9年の通学区域審議会の答申により、地域的な要素や歴史的な経過、地元自治会との関係などを総合的に判断した上で現在のような校区を決定しております。
 その後、江別小学校の通学区域については、東光町地区の保護者からの要望を受け、平成17年に東光町の一部と大川通を江別太小学校の校区に変更しておりますが、これにつきましても、平成16年の通学区域審議会の答申を経て決定したものであります。
 お尋ねの通学区域の変更がなされなかったことについては、上江別地区の保護者から要望がなかったことによるものであります。
 2点目の上江別小学校と江別小学校の教員からの意見についてでありますが、上江別小学校は、開校当時の24学級から平成16年度には30学級に達し、狭あいな校舎の状況を解消してほしい旨の要望があり、特別教室の一部を普通教室に転用するなどして、教育環境の確保に努めてまいりました。
 なお、教職員や保護者からは、通学区域の変更を希望する旨の要望はなかったものであります。
 3点目の江別小学校と江別第三小学校が統合した場合の中学校区についてでありますが、統合後の中学校区については、地域の事情に配慮しながら、保護者や地域の皆さんのご意見をお聴きし、通学区域審議会に諮問した上で通学区域を設定していくこととなります。
 次に、れんが校舎の耐震性や耐震化についてでありますが、建築物の耐震基準は、関東大震災を契機に耐震に関する規定が設けられ、さらに、その後に発生した地震により、部分的な建築基準法の改正が行われてきました。
 地震被害に対処するため耐震基準の見直しが行われ、昭(・)和(・)56(・)年(・)に示された新しい基準が現在適用されている耐震基準となっています。
 れんが校舎につきましては、ご答弁申し上げておりますように、れんがを積み上げる組積造としての耐震性を評価する手法やその補強工法が定まっていない実情にありますことから、耐震化につきましては、北海道と協議を重ねる中で、改築による更新が現行の建築基準法に沿った教育環境整備となるとの指導をいただいているところであります。
 示された方針に沿って対応することを基本としながら、北海道はもとより関係機関とも耐震性や耐震化について、れんが造りの校舎に関する情報交換をするなど、連携を図る中で取り進めてまいりたいと考えております。
 以上であります。

伊藤豪君

 いろいろとご答弁いただきありがとうございました。
 まず、れんが校舎及びれんが建築物について、教育委員会の立場としては、児童生徒の安全という観点から、危険性があれば当然のことながら取り壊して新しく建て直そうということになると思うのですが、こういう状況の中で、市として江別市の景観をどうしていくかということが課題になります。
 市長が残念とおっしゃったのは、取り壊さざるを得ないからなのかと答弁を聞きながら考えていたのですが、恐らくそうではなくて、そういう状況になれば残念であるため何とか残していきたいというお考えの下でおっしゃったのだろうと私の方でいいように解釈をいたします。
 れんが校舎を造ったときには、北海道大学工学部の建築学科から建設にかかわりいろいろと教えてもらったという情報もあります。また、道には、今は残っているのかどうか分かりませんが道の部長などが会長となっていたセラミックブロックやれんがブロック等も含めた組積造協会というものが確かあったと思いますが、何とかしてこのれんが校舎やれんが建築物を残す方向で頑張っているという市長の答弁と理解し、了といたします。
 市庁舎の建設につきましては、市庁舎は昭和41年に建てられたということで、耐用年数を50年とすれば昭和で言うと昭和91年まで使えるということになりますけれども、当時の材料が余り良くなかったのか、老朽化が甚だしい状況です。行政を効率的に推進する上で、新庁舎の建設は有効な手段であり、検討されているということでございますので、更に進めていただくように要望を申し上げたいと思います。
 次に、マイマイガについては、白色の水銀灯をナトリウム灯に積極的に取り替えていきたいということですので、被害が出た場合にはよろしくお願い申し上げます。
 次に、江別小学校と江別第三小学校の統合問題については、どうも先ほどの教育長の答弁を聞いておりますと、教育委員会の主体性が感じられず、住民から意見があれば取り組むけれども、意見がなかったから取り組まなかったというふうに受け止めました。そうすると、通学区域審議会にはそういうことに関心がある住民の方は余り入っていないのかという感じもしますが、今回の江別小学校と江別第三小学校の統合問題をはじめ、江北中学校や角山小中学校の問題は地域住民から要望が出て取り組んだのでしょうか。むしろそうではなくて教育委員会が進めていると思うので、住民から要望が出ていないけれども教育委員会の判断として通学区域審議会に諮問して答申を得たということであればどうなのかなという疑問を持ちます。
 この件に関し、もしお答えがあればお願いします。
 また、今後、江別小学校下の住民、PTA及び父母等から、上江別小学校の通学区域の変更を検討してほしいと要望された場合は、要望を取り上げることになるのでしょうか。そうすると、江別小学校はクラス数が増え、今後も江別小学校として存続できるということになる気がするのですけれども、その辺はいかがでしょうか。 
 あるいは、江北中学校や角山小中学校などから、経費は掛かるかもしれないけれど小規模校でもいいので今のまま残してほしいという意見があればどうなるのかという気もするわけです。そういう地域住民からの意見というものを取り上げるお考えがあるかどうかを伺いたいと思います。
 教育委員会委員長には、小中一貫教育についてお答えいただきましてありがとうございました。
 小中一貫教育には、いろいろと複雑なことがあろうかと思いますが、今後とも公平・公正な教育行政に取り組んでいただきたいとご要望申し上げる次第であります。
 それでは、ご答弁よろしくお願いいたします。

教育長(月田健二君) 

 伊藤議員の再質問にご答弁申し上げます。
 まず、地域要望に対する教育委員会の考え方についてでありますが、教育委員会としては、子供たちにとって良好な教育環境を確保するため、地域や保護者の皆様の意見や要望をお聴きしながら、地域的要素や歴史的経過を含めて総合的に判断してまいりました。
 江別小学校と上江別小学校の分離に際しても、そのように対処してきたところであります。
 次に、江別小学校と江別第三小学校の統合案についてでありますが、学校適正配置につきましては、所管委員会にもご報告しているところであり、平成14年度から検討に着手し、平成15年度末には基本的な考え方をまとめております。
 その後、平成17年度に学校適正配置検討懇談会を設置し、その提言も踏まえ、江別市学校適正配置基本計画を平成20年度に策定いたしました。
 この基本計画の中で、小規模校で校区が狭い、又は学校間の距離が近接しており校舎が老朽化している学校については、統合して改築することとしております。江別小学校と江別第三小学校の統合案については、この方針に基づき、具体的な対象校として提起しているものであります。
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 以上です。

伊藤豪君

 今のご答弁では、平成14年度に江別市学校適正配置基本計画の検討を開始したということですが、私が伺ったのは地域住民からそういうことについての要望があり開始されたのかということです。教育委員会のご判断で始めたのであれば、もっと早くから上江別小学校と江別小学校の通学区域に関する問題に教育委員会が取り組んでくだされば、江別小学校はこのような小規模校にならなかったのではないかという疑問があります。
 ただ、これは幾ら質問を繰り返してもどうしようもない問題である気もしますので、今後の江別市学校適正配置基本計画に関する江別小学校及び江別第三小学校の各校区内における住民活動にゆだねていきたいと思います。
 これは要望といたします。

副議長(尾田善靖君)

 以上をもって、伊藤議員の一般質問を終結いたします。

散会宣告

副議長(尾田善靖君)

 本日の議事日程は全部終了いたしました。
 これをもって散会いたします。
 午後2時16分 散会

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