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平成25年第4回江別市議会定例会会議録(第2号)平成25年12月6日

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年2月27日更新

1 出席議員

26名

議長清水 直幸 君副議長齊藤 佐知子 君 
議員本間 憲一 君議員森好 勇 君
議員吉本 和子 君議員高橋 典子 君
議員角田 一 君議員島田 泰美 君
議員高間 専逸 君議員立石 静夫 君
議員石田 武史 君議員山本 由美子 君  
議員岡 英彦 君議員星 秀雄 君
議員三角 芳明 君議員野村 尚志 君
議員内山 祥弘 君議員鈴木 真由美 君
議員相馬 芳佳 君議員宮川 正子 君
議員裏 君子 君議員坂下 博幸 君
議員尾田 善靖 君議員干場 芳子 君
議員赤坂 伸一君議員岡村 繁美 君

2 欠席議員

0名

3 説明のため出席した者の職氏名

市長三好 昇 君副市長佐々木 雄二 君
水道事業管理者藤田 政典 君総務部長久田 康由喜 君
総務部調整監渡辺 喜昌 君企画政策部長 鈴木 誠 君
生活環境部長柴垣 文春 君経済部長北川 裕治 君
経済部総合特区推進監安藤 明彦 君健康福祉部長山田 宗親 君
建設部長西村 晃一 君病院事務長斎木 雅信 君
消防長田中 修一 君水道部長松田 俊樹 君
会計管理者篠原 昇 君総務部次長佐藤 貴史 君
財務室長越田 益夫 君教育委員会委員長長谷川 清明 君
教育長月田 健二 君教育部長佐藤 哲司 君
監査委員松本 紀和 君監査委員事務局長安永 史朗 君
農業委員会会長高橋 茂隆 君農業委員会事務局長星野 健二 君
選挙管理委員会
委員長
古石 允雄 君選挙管理委員会
事務局長
長尾 整身 君

4 事務に従事した事務局員

事務局長中川 雅志 君次長出頭 一彦 君
庶務係長中村 正也 君主査嶋中 健一 君
主任壽福 愛佳 君主任川合 正洋 君
書記白戸 麻衣 君事務補助員佐川 絵里 君

5 議事日程

日程第1  会議録署名議員の指名
日程第2  諸般の報告
日程第3  一般質問

発言者及び発言趣旨

坂下 博幸 君 (総括質問総括答弁方式) 

  1. 普通会計における単式簿記を複式簿記にすることについて
    (1)複式簿記の導入について
    (2)各課横断的な戦略プロジェクトの全体コストの把握・事業成果等の分析に複式簿記を利用することについて
    (3)複式簿記を公共施設の管理に活用することについて
    (4)汎用性の高い新電算システムにおいて複式簿記プログラムを組み込める可能性について
  2. 子ども発達支援センターの建て替え拡充について
    (1)子ども発達支援センターの建て替え拡充について
  3. 野幌駅周辺のまちづくりに関わる街路事業における交通安全対策と江別駅北側交差点の交通安全対策について
    (1)中原通り、新栄通りと南大通りの完成及び野幌駅南通りの完成に合わせた交通安全対策について
    (2)中原通り、新栄通りと鉄東線交差点付近の交通渋滞解消への改善策について
    (3)江別駅北側交差点の現状課題認識と改善策について

野村 尚志 君 (総括質問総括答弁方式)

  1. 災害時の水の確保について
    (1)飲料水の確保について
    (2)災害時用の水の備蓄を学校等に設置することについて
    (3)避難所での水の備蓄について
    (4)配水池の水の活用について
    (5)緊急貯水槽等の水の備蓄について
  2. 小中学校の受水槽について
    (1)学校受水槽の検査の状況について
    (2)老朽化が進む施設の状況について
    (3)直圧・直結給水方式の安全性に対する認識について
    (4)直圧・直結給水方式の維持管理費について

吉本 和子 君 (一問一答方式)

  1. 市長の基本姿勢について
    (1)安倍政権が進める自助を基本とする社会保障に対する認識について
    (2)社会保障の根幹である生活保護制度における扶養義務に対する認識について
    (3)市民生活を守り支える社会保障の在り方に対する認識について
  2. 市営住宅の入居替え対策について
    (1)市営住宅入居者の入居替えの現状と課題について
    (2)入居替えに対する潜在・顕在化しているニーズ調査の必要性について
    (3)長寿命化計画で維持管理とされた市営住宅に対し、計画的な住戸改修を実施することについて
  3. 除排雪対策の検証と課題について
    (1)江別市雪対策基本計画の策定後5年経過に伴う市民・行政・除雪委託事業者一体での検証の必要性について
    (2)高齢者・障がい者等、自力除雪が困難な世帯への各種除雪支援事業の現状と課題について
    (3)各種除雪支援事業を継続し充実させるための対策について

岡   英彦 君 (一問一答方式)

  1. 地方分権について
    (1)第1次地方分権改革の意義について
    (2)自治事務と法定受託事務に対する考え方について
    (3)国からの通知文書等に対する考え方について
    (4)上乗せ条例と横出し条例について
    (5)地方分権に取り組む意識の職員への浸透について

6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(清水直幸君) 

これより平成25年第4回江別市議会定例会第10日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は26名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(清水直幸君) 

本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(清水直幸君) 

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
 高間議員
 干場議員
 を指名いたします。

◎ 諸般の報告

議長(清水直幸君) 

日程第2 諸般の報告を事務局長に報告させます。

事務局長(中川雅志君) 

ご報告申し上げます。
監査委員から報告のありました例月出納検査結果報告10月分につきましては、お手元に配付のとおりでございます。
以上でございます。

◎ 一般質問

議長(清水直幸君) 

日程第3 一般質問を順次行います。
坂下博幸議員の普通会計における単式簿記を複式簿記にすることについて外2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

坂下博幸君 

ただいま議長の許可をいただきましたので、通告に従い順次質問してまいります。
初めに、財務会計における単式簿記を複式簿記にすることについて、お伺いをいたします。
総務省の今後の新地方公会計の推進に関する研究会の中間取りまとめには、地方公会計を巡る現状と課題の中に、平成25年6月14日に行われた経済財政運営会議と改革の基本方針の閣議決定において、今後、ストックも含めた財政情報の透明化を進め、企業会計原則を前提とした地方公会計の整備を促進するとされています。また、同中間報告では、今後の実務上の課題と対応の方向性として、検証可能性を高める複式簿記の導入の考えで、フルコスト情報での分析が重要と指摘されています。
皆様もご存じのことと思いますが、単式簿記と複式簿記の違いについてご紹介いたしますと、単式簿記とはいわゆる現金の出し入れを把握する記帳方法のことであり、比較的単純な資産状況には適合しておりますが、複雑な財産・債務の状況にはそぐわない記帳方法と言われております。しかしながら、現在、国をはじめ地方自治体は、明治以来の単式簿記会計に基づいております。また、単式簿記における現金主義とは、収入と費用を現金の受渡しの時点で確認する会計処理のことであり、会計管理の簡便化は図れるが、財務会計としては不備があるため、一般的に企業会計では使用されないのが現状です。
自治体はどのくらいの資産があり、どれくらい施設のコストが掛かっているのか。将来負担すべき債務がどれくらいあるのか。単式簿記と現金主義会計では、こうした疑問に答え切れないと言われております。江別市においても、総務省の改訂モデルにより補完的に財務書類を作成しており、総務文教常任委員会にご提示いただきました貸借対照表では、事業ごとのストックやその財源の面からの把握は難しく、リアルタイムでの市民説明も難しいと考えるものです。
施設は使えば使うほど老朽化し価値が落ちていくという実態があり、これを把握するのが減価償却という考え方です。現金主義では、減価償却の考え方を取り入れないため、建物の資産価値がどれだけ落ちていて、何年後に施設を更新するのかが確認されない状況が続くという課題もあり、減価償却によって施設の対応年数を見積ることで事前準備ができれば、将来の建て替え計画を策定することも可能になります。東京都では、このような考えにより、社会資本整備積立金を4,000億円積み立てることができているとのことです。
一般企業であれば、お金が出たときに資産になるのか費用になるのか、また、お金が入ったときに負債なのか収入なのかを勘定科目により処理します。これにより、企業の財政状況や経営成績を明らかにすることになります。単式簿記と現金主義会計に頼っていれば、施設を建てるたびに、その年度の税収で足りなければ、債務で補うこととなり、そうした構造は、借金体質に陥りがちになると言われております。単式簿記を複式簿記にして、現金主義会計を発生主義会計に切り替えることで、全体像が見えづらくなりがちな会計システムから、財政の一層の透明性を図る、見える化することが必要ではないかと考えます。
東京都では、1999年から2005年に掛けて、バランスシートの作成と活用に努め、2006年から、複式簿記・発生主義会計が本格的に導入されました。特筆すべきは、これにより東京都の財政に潜んでいた隠れ借金1兆円の実態が明らかになり、代表的なケースとして、都債の返済に備えて都が積み立てるべき減債基金の積立て不足が2003年度末に5,304億円、多摩ニュータウンの事業欠損金が2,272億円、バブル経済崩壊直前に購入した都営住宅の土地がバブル崩壊で事業が白紙になった休眠地の金利として、1990年から2006年間の累積損失が2,272億円発生したことが明らかになりました。東京都は、休眠地を即座に民間に売り払うことを決定。その結果、ショッピングモールが出来上がり、地元の活性化につながることになったとのことです。
また、ミクロ的ではありますが、個別事業の見直しも進んでいます。東京都道路公社の有料道路は利用台数が伸び悩み、1日9,000台の利用見込みが実際には3,000台しかなく、国から70億円を借り入れましたが、人件費と維持管理費を回収できる損益分岐点の台数まで届かず、有料道路を続ければ続けるほど赤字になる構造が明らかになり、この事業に対する対策の結果、1日の利用台数は1万台となり、最寄りの道の駅の売上げは全国3位となって、交通渋滞の解消と近隣の経済効果が生まれました。
また、都では、119番の呼出し件数が増え、救急車の台数を増やすとの議論がありました。しかし、救急車を増やすと、救急車の購入費用だけでなく人件費も増えることになるため、救急事業のバランスシートを作り分析したところ、119番通報のうち6割が軽症とのことが分かり、コストの高い救急車を増やさず別のシステムをと、#711という通報窓口を設置。この番号に電話を掛けると、医師・看護師が症状に応じてアドバイスをするもので、軽症の方は自力で病院に行っていただくようお願いをし、反対に、緊急を要すると判断されれば直ちに救急車が手配される仕組みであります。こうした複式簿記化の取り組みは、東京都の外、町田市でも進められており、一つひとつの事業の点検見直しを的確に進めることができるシステムと考えられるものです。
少し長くなりましたが、今や日本の国債残高は700兆円に迫ろうとしています。また、地方債の残高は約140兆円で、国と地方の残高は、対GDP比で200%に迫ろうとしています。先進国と対比し、日本の債務残高は異常に高いと言わねばならないと考えます。事業仕分の議論もありますが、主観的裁量より客観的データに基づく会計制度の見直しが急務と思われます。
以上を述べて、以下の質問をいたします。
1点目として、複式簿記の導入について、お考えをお聞かせください。
2点目として、江別市では、第6次総合計画のスタートに当たり、戦略事業は各課横断の事業であり、全体コストと事業進捗が現状のままでは見えづらい仕組みになりはしないか、より分かりやすい仕組みを考えていくべきではないかと思うものであります。
町田市では、事業別財務諸表の特徴として、新公会計制度の導入・財務会計システムで集計した財務諸表の情報に、組織のミッション、事業目的、事業の成果を交えた分析を加えます。事業の成果と関連付けた行政コストや単位当たりの行政コストによる効率性の分析、事業ストックについての財務情報、事業類型別の財務分析を明らかにすることで、全体管理がスムーズになる仕組みとなっております。
当市においても、各課横断的な戦略プロジェクトに全体像を示す新公会計制度の導入は有効と考えますが、どのような手法で各課横断的な戦略プロジェクト全体のコストを把握し、組織ミッション、事業目的、事業の成果を交えた分析を進めようとお考えなのか、お伺いいたします。
3点目として、建物の減価償却により、施設の対応年数の見積りができれば将来の建て替え計画を策定することも可能となります。このような考えにより、東京都が社会資本整備積立金を4,000億円積み立てたことは、前段ご紹介のとおりでありますが、このように、現状を把握せずに長期修繕計画や建て替え時期の把握をすることはできないものです。
複式簿記の活用によって、このような社会資本の整備に的確に対応できるものと考えますが、物件ごとの長期修繕計画又はファシリティーマネジメントの導入など、今後の方向性について、お考えをお伺いいたします。
4点目として、平成25年10月から新電算システムが稼動となり、このシステムは汎用性が高く、様々な用途に使える可能性があるとの説明を受けていましたが、このシステムは発生主義に基づく日常の仕訳作業のプログラムの組み込みは可能な機種と考えてよいかについて、お伺いをいたします。
次に、子ども発達支援センターの建て替え拡充について、お伺いをいたします。
子ども発達支援センターの最近の利用状況は、平成24年に相談支援事業が組み込まれ、相談に応じたケアプランの計画策定事業が増え、職員の増員も図られています。平成24年度のケアプラン作成は79件ですが、今年度の9月までの作成数は60件とのことで、このままの推移では、作成件数は昨年より増える見込みと想定されます。
その要因として、ここ数年の発達相談の微増傾向があるものと理解しており、お話では、市民からの発達相談をこなすために、総合社会福祉センターの一室を常時借りているとのことであり、療育活動等にも支障があると考えるものです。
平成23年に世田谷区発達支援センターの視察をした際、あくまで現場の担当者レベルの話との前置きで、発達障がいの事例の多くは両親からの虐待も多く、児童の療育と保護者の支援も重要との認識を示されており、当事者の児童だけでなく、家族の支援も考える体制の必要性については、当市の子ども発達支援センターも同様のお考えと想定するものです。また、知的、身体、精神の3障がいに比べて、支援の取り組みが遅れている傾向にあると伺いましたが、発達障害者支援法が平成17年4月に施行され、発達障がいの早期発見・早期支援を国や地方自治体の責務として定められているもので、早期発見・早期対応、個別的継続支援、一貫した支援体制の整備、地域の支援基盤の整備・充実が求められております。
江別市の療育体制は、同センターと2か所の事業所の体制であり、同センター内と事業所で重複する支援対象者も複数いると伺っています。現在、通所登録児童が約220名となり、週一、二回の療育体制で、同センターでは20名、他の2施設でも20名の療育対応をされていますが、ストレスのない物理的環境が必要でもあり、それ以上の要求については受けられないのが現状であり、受入れの施設整備が求められていると考えます。
発達相談の件数や延べ回数が増える傾向は今後も続くものと想定され、同センターの役割は増しています。支援体制の充実・整備は、安心の子育て支援にもつながるものと考え、同センターの建て替え拡充について、お考えをお伺いいたします。
最後に、野幌駅周辺のまちづくりに関わる街路事業における交通安全対策と江別駅北側交差点の交通安全対策について、お伺いをいたします。
1点目として、野幌駅周辺の街路事業は、中原通り・新栄通りと南大通りの接続は平成26年完成予定、野幌駅南通りの街路は平成27年の完成予定となり、全体の街路整備も終盤を迎えたように考えますが、地域からの信号機や横断歩道の整備要求が具体的に反映されていないように思われます。
どちらの道路整備も野幌若葉小学校と東野幌小学校が関係するため、特に通学路の安全確保は最優先課題と考えますが、安全対策を求める地域要望にどのように応えていくのか。信号機・横断歩道の整備について、お伺いをいたします。
2点目として、先行して整備された中原通り・新栄通りの第一工区での課題として、朝夕の夕張鉄道バスターミナル付近の鉄東線と中原通り・新栄通り交差点付近の交通渋滞が地域課題として浮かんでいます。
野幌のまちづくりにおける事業課題の一つに渋滞解消がありましたが、事業街路整備の中で渋滞箇所が発生することは問題で、早急に課題解決に取り組むべきと考えますが、当該箇所の改善に向けた今後の取り組みについて、お考えをお聞かせください。
3点目として、江別駅北側の交差点改良について、お伺いをいたします。
北側の駅ターミナル側には5本の道路が接続され、駅ターミナルの出入口を含めると7か所の接続があり、私の個人的な感想かもしれませんが、信号も分かりづらいところで、安全対策上問題があるものと思われ、危険箇所として認識をしております。
今後の江別駅を考えますと、駅前ターミナルとの関係性も含め、交差点改良の必要性があるものと考えますが、現状課題をどのように理解されているのか、お考えをお聞かせください。
以上で1回目の質問といたします。

議長(清水直幸君) 

坂下議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

坂下議員の一般質問にお答え申し上げます。
最初に、普通会計に関連しまして、まず、複式簿記の導入についてでありますが、江別市では、平成20年度の決算から、いわゆる行政改革推進法を契機に、総務省からの要請により、貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書の四つの財務諸表について、全国の多くの自治体で採用している総務省方式改訂モデルにより作成及び公表をしてきたところであります。
この財務諸表は、現行の現金主義、単式簿記による公会計を補完するものとして、企業会計で採用されている発生主義、複式簿記の考え方に基づき、資産と負債の対比や減価償却を含む行政サービスに掛かった総コスト、さらには資金の種類や年間の変動状況、行政サービスに対する世代間の負担や資産評価の変動状況などを明らかにしているところであります。
現在、自治体の財務諸表の作成方法は、江別市の採用方式の外にも、複式簿記による総務省基準モデル方式、東京都方式、大阪府方式など多様な方式があることから、財務諸表の自治体間での比較が困難なことなど様々な課題があるところでございます。
こうした課題につきまして、平成22年度に総務省が立ち上げた今後の新地方公会計の推進に関する研究会において現在論議されておりまして、本年7月の中間とりまとめでは、全ての地方自治体に適用する標準的な基準を設定し、財務書類の比較可能性などを確保していくとの方向性が示されたところであります。その具体的な方法等については、今年度末の作業部会の論議を踏まえ、研究会として最後の取りまとめを目指すとされております。
複式簿記の導入につきましては、資産、負債の財政実態の透明性が増すなど、より精度の高い財務諸表ができるものと考えておりますが、固定資産台帳作成のための大量のデータ処理や費用面の課題もありますことから、総務省の研究会における検討結果や国の動向を見極めながら、将来的な課題として検討してまいりたいと考えております。
次に、各課横断的な戦略プロジェクトの全体コストの把握・事業成果等の分析に複式簿記を利用することについてでありますが、平成26年度からスタートするえべつ未来づくりビジョンでは、まちの魅力を高めていくため、重点的・集中的に取り組むえべつ未来戦略を政策の中枢に据えており、この推進に当たりましては、各部横断的な取り組みとなるものでございます。
この戦略を推進するための作業につきましては、これまでの予算・決算での事業別分類を基に、各戦略単位で集約し、コストの把握や事業の成果などについて評価する考えでございます。
したがいまして、町田市の事業別財務諸表は複式簿記を用いた一つの方策と考えますが、江別市で実施するためには、効果の検証や新たなシステム開発等が必要なことなど整理すべき課題がありますことから、今後研究してまいりたいと考えております。
次に、子ども発達支援センターについてでありますが、当センターは児童の発達相談や支援の場として、近隣町村の児童も受け入れながら、発達支援事業や障害児通所支援事業を実施しており、市といたしましても、発達障がい児の療養体制の充実は重要な課題であると認識しております。
発達支援センターは、総合社会福祉センター内のあゆみ、中央小学校内のこだま、大麻東小学校内のこだま分室の3施設で通所サービスを実施しておりまして、現在220名の児童が通所しており、また、児童の発達相談では、年間延べ570名が利用するほか、障害児相談支援事業におきましては、平成24年度の事業開始から約160名の方の相談やサービス調整に対応してまいりました。
開設当初、支援の対象であった肢体不自由児や言語障がい児に加え、現在では、利用者の6割が社会面や行動面などに様々な課題を有する発達障がい児となっておりますことから、障がいに応じた個別指導や集団指導を受けるために、分散した施設に通わなくてはならない状況が生じております。
また、利用人数につきましても、開設当初の2倍以上に増加したことから、必要とする支援回数を確保することが難しくなりつつあります。そのため、あゆみにおいては、平成15年度に指導室を2室拡充し、観察室や休息スペースを指導室として活用したほか、福祉センター内の一室を相談室として利用してまいりました。また、こだまにつきましても、平成22年度に床専用マットの敷設を行うなど、利用の親子がストレスなく安心してサービスが受けられるよう工夫してまいりました。
今後は、個別指導に対応するため、指導室に仕切りの設置を検討するとともに、中長期的な立場に立って今後の方向性について検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、他の質問につきましては、総務部長外をもってお答え申し上げます。

総務部長(久田康由喜君) 

私から、複式簿記に関するご質問のうち、公共施設の管理に活用すること及び新電算システムに組み込む可能性に関連してご答弁申し上げます。
まず、複式簿記を公共施設の管理に活用することについてでありますが、一般的な建物の改修や更新は定期的な点検やその評価の下で行うことが基本と考えているところであります。複式簿記では、資産の減価償却を施設の種別に応じた法定耐用年数で行うことから、建物の更新時期やそのための財源措置の見通しを立てる上で一つの判断材料になるものと考えております。現在、建物の管理につきましては、各部が個別事業ごとに評価し実施しておりますが、複式簿記の活用につきましては、今後の課題として検討してまいりたいと考えております。
次に、汎用性の高い新電算システムにおいて複式簿記プログラムを組み込める可能性についてでありますが、今年度本格稼動いたしました新電算システムでは、公会計の財務諸表作成のためのプログラムとして、総務省の改訂モデルと基準モデルの両方式に対応しております。 
このうち、本格的な複式簿記に対応している基準モデル方式を使用する場合には、建物や道路などの固定資産台帳に登録する資産の分類や評価など、事前に大量のデータ処理が必要になるほか、町田市の事業別財務諸表のように、更に別なものを付加するためには、新規のシステム開発が伴うところであります。
いずれにいたしましても、財務会計の外、事業評価につきましても、現在の総務省における研究会の議論や国の動向を見極めながら、複式簿記化の検討をしてまいりたいと考えております。
私からは以上であります。

建設部長(西村晃一君) 

私から、野幌駅周辺の街路事業における交通安全対策と江別駅北側交差点の交通安全対策についてご答弁申し上げます。
まず、野幌駅周辺の交通安全対策についてでありますが、現在、中原通り・南大通りは、北海道において平成26年度中の開通を予定しており、一方、野幌駅南通りは、市が事業主体となり白樺通りから1号線の区間を平成27年度の開通を目指して進めているところであります。
東野幌小学校や野幌若葉小学校の通学路における交通安全対策につきましては、公安委員会ではこれまでも道路整備の進捗に合わせ、交差点に信号機や横断歩道を設置してきており、今後も、通学児童数や大型車等の自動車交通量を把握し、既設信号機の再配置も含めて、公安委員会と具体の協議を進めてまいります。
次に、鉄東線の中原通り交差点付近の交通渋滞についてでありますが、当該交差点は平成24年3月の中原通り開通に伴い供用開始されたものであり、近接して江南通りの交差点があることから、鉄東線の円滑な交通を確保するため、右折レーンの設置や両交差点信号機の連動等を公安委員会と共同で実施したところであります。
現在、朝夕の混雑時や冬期間の右折レーンが確保できない状況では、交差点に滞留した車両が江南通りの交差点まで続き、交通渋滞が発生していることから、交差点除雪等により鉄東線の円滑な交通確保に努めてまいります。
今後、南大通りの全面開通及び江南通りの交通量の増加など、周辺交通の動向を見極めながら、渋滞の改善策について検討してまいりたいと考えております。
次に、江別駅北側の交差点の現状課題についてでありますが、現在、江別駅周辺では、駅南北の利便性の向上のため、江別市バリアフリー基本構想に基づき、平成26年10月の供用開始に向けて江別駅こせん人道橋の架け替え工事を進めているところであります。ご質問のありました江別駅前の交差点につきましては、五差路の変則交差点のため信号機処理が複雑となっており、また、駅前広場の出口も赤点滅の信号機処理となっております。
次期総合計画では、駅を中心とした計画的な市街地整備を定めているとともに、現在の都市計画マスタープランの中では駅を中心として利用の状況に応じた都市基盤の再整備を進めることとしておりますことから、交差点改良等につきましては、江別地区全体のまちづくりの方向性を見極めながら、必要な再整備として重要な課題になるものと認識しております。
私からは以上でございます。

議長(清水直幸君) 

以上をもって、坂下議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
野村尚志議員の災害時の水の確保について外1件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間20分。

野村尚志君 

議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。
まずは、件名一つ目の災害時の水の確保について、お伺いをいたします。
東日本大震災から1,002日が経過しました本日でありますが、今なおご自宅に戻ることのできない被災者が全国各地にたくさんおられ、早期復旧、復興をただただ願う一人であります。そういったことを見据え、私たちの住む江別でも東日本大震災のような地震が起きたらと思うと心配するものであります。
江別の災害と申しますと、石狩川の氾濫など洪水による被害が過去にはあったわけでありますが、震災以降、各自治体では、防災に関する危機対策等の見直しなど、それぞれが研究・検討されているところであります。
江別市にも総務課に危機対策・防災担当がおり、江別市の地域防災計画も見直され、災害時に係る備蓄品も向こう10年間に掛けて必要なものを順次購入・更新など計画されているようであります。また、第6次総合計画など、それぞれで研究・検討されているところであります。そこで、自然災害、地震についてお尋ねします。
東日本大震災の教訓から、各種ライフラインが寸断され、2013年11月8日時点では、震災による死者・行方不明者は1万8,534人、建築物の全壊・半壊は合わせて39万9,028戸が公式に確認されております。震災発生直後のピーク時におきましては、避難者は40万人以上、停電世帯は800万戸以上、断水世帯は180万戸以上と報告されております。復興庁によりますと、2013年10月10日時点の避難者等の数は28万2,111人となっているようであります。また、警察庁は、2013年11月8日現在、死者は1万5,883人、重軽傷者は6,150人、警察に届出があった行方不明者は2,651人であると発表しております。日本国内で起きた自然災害で、死者・行方不明者の合計が1万人を超えたのは戦後初めてであり、大津波や大震動に襲われた青森県から千葉県までの太平洋沿岸を中心に、1都1道10県で死者・行方不明者が、また、1都1道18県で負傷者が発生いたしました。
そこで、ライフラインの一つであります飲み水・災害時の水の確保について、お伺いをいたします。
東日本大震災の際に、社団法人日本水道協会の要請で、江別市も江別管工事業協同組合と水道部の皆さんが被災地の宮城県石巻市へ水道管の復旧通水作業と漏水調査のために支援に行かれ、大変なご苦労をされたことは記憶に新しいものであります。
水道施設の中の、緊急貯水槽・配水池についてお伺いをいたします。
平成7年1月の阪神・淡路大震災を教訓として、ライフラインとしての水道がいかに重要であるかを認識し、水道部では、それを機に、災害時に給水確保が行えるように、既存の配水管に緊急遮断弁を設けた緊急貯水槽を平成8年度から計画的に設置し、災害に強い水道施設の整備を行ってまいりました。
緊急貯水槽は、平成14年度までに江別太小学校敷地内、飛烏山公園内、若草公園内、とちのき公園内、大麻東公園内の市内5か所に設置されております。規模は、直径2メートル、長さ17メートル、貯水量50立方メートルで、地下1.2メートルに埋設されており、通常は配水管と接続されておりますことから、常に奇麗な水が流れており、緊急貯水槽1基で災害発生後に必要最小限の飲料水(1人1日3リットル)を3日間、約5,500人の市民へ応急給水することができる仕組みになっています。
一方、地震・災害時におきましても、大切な飲み水が確保できるように、浄水場でつくられた水道水を貯める配水池には緊急遮断弁を設置しており、地震や管路の破損など、異常を検知すると自動的に管路を遮断して、避難所などに届ける飲料水を確保する仕組みになっており、現在、大麻低区配水池と大麻高区配水池の2か所に設置され、約5,600立方メートルの水道水が確保できるようになっております。
そこで、市内4か所の公園と小学校1校に緊急貯水槽があり、また、緊急遮断弁の付いた配水池が2か所ある現状でありますが、江別市の人口12万人の生命の維持のための水道として、緊急貯水槽の整備状況など、飲料水の確保が十分であるのか。人口比から考えますと少ないのではないかと思うのですが、お考えをお伺いいたします。
さらに、今回の耐震化事業に合わせて、小中学校耐震化建て替え工事に伴い、緊急貯水槽など、災害時用の水の備蓄を各学校等に設置できないものか、市長のお考えを伺いいたします。
また、災害時避難所に指定されている全ての施設への災害時用の水の備蓄について、どのようにお考えなのか、併せてお伺いをいたします。
配水池の水については、遠隔地にあるため、災害時の輸送の状況を考慮すると十分活用できるのか疑問に思うものであり、併せてお尋ねをいたします。
市長は、市政執行方針の4点目、安全・安心なまちづくりの中で、安全・安心なまちづくりの基本は、高齢者も子供たちにも安心して暮らすことのできる生活環境づくりを進めることである。そのためには、まず、安心して学べる環境を整備するため、引き続き小中学校の耐震化を進めるとともに、さきの大震災を踏まえ、地域防災計画の見直しに基づく避難所などの整備に取り組むと述べられております。東日本大震災の教訓から、公共施設の耐震化計画、そして電力不足を補うための節電等、災害対策の観点から地方自治体が市民生活の安全・安心を最重要施策として日々研究・検討されてきていることは十二分に理解するところであります。このような避難施設が使われないことが一番ではありますが、災害時に江別市民のライフラインである水を供給してくれる緊急貯水槽等の備蓄された水があることに市民は安心を感じるのではないかと考えますがいかがでしょうか、お伺いをいたします。
次に、件名二つ目の小中学校の受水槽について、お伺いをいたします。
文部科学省では、東日本大震災を受け、大規模地震はどこにでも起こり得ることが認識され、公立学校施設の耐震化については、児童生徒の安全・安心のみならず、非常災害時の地域の拠点として重要であり、喫緊の課題であるとしています。また、さきの大震災を教訓として各地域の防災意識が高まり、学校施設の耐震化の前倒しなど、再検討の上、耐震化をより一層加速させる取り組みを進めるよう地方自治体へ要請しているところであります。耐震化を促進するため、補助率のかさ上げや地方負担となる起債対象のかさ上げ及び交付税措置など、地方自治体の負担を軽減するよう、平成27年度までに制度として整備し、耐震化は平成27年度の早い時期に完了させるよう指導しているところであります。
学校施設は応急避難場所としての役割もあることから、非構造部材の耐震化についてもより重点的な課題となっており、平成25年8月に示された学校施設における天井等落下防止対策のための手引の活用により、まず屋内体育館の非構造部材を優先して進めるよう指導されているところであります。
それに伴い、江別市では平成15年度から耐震診断をはじめ耐震化計画を進めてきており、耐震化の確認が困難とされていたれんが校舎についても診断基準が確立され、対応方法が明らかになるほか、耐震補強が必要な学校については平成24年度までに補強工事を終えたところであります。補強による改修が困難な5校につきましては、現在改築事業として耐震化を進めており、江別第二小学校については平成26年度には校舎改築工事が完了し、江別太小学校、江別第一中学校については平成26年度に着工を予定しているようであります。また、江別小学校、江別第三小学校の統合校につきましては、平成27年度の着工を目指し、平成28年4月の統合を予定しているようであります。統合時には仮設校舎を利用することになるようですが、平成28年度からは、管理棟を除いた学校施設の構造体において耐震性が確保されるようであります。また、非構造部材の耐震化も並行して進めているようであり、災害時には避難場所となる市内小中学校屋内体育館の非構造部材についても、今年度は小学校の窓の改修などが実施されていると聞いております。
そこで、市内小中学校の受水槽について、お伺いをいたします。
現在、市内小学校19校のうち9校、中学校8校のうち6校、合計15校に15基の受水槽があります。
学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす活動の場であり、非常災害時におきましては、地域住民の避難場所としての役割も果たしますことから、その安全性の確保は極めて重要であると考えるところであります。
江別市教育委員会では、平成15年から市立小中学校の耐震化に取り組み、それに加えて、毎年1回、学校環境衛生基準に基づき、揮発性有機化合物6物質(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、パラジクロロベンゼン)について、教室等の空気環境調査を実施しております。市内全小中学校の検査結果は、全ての小中学校において基準値以下であるとのことであります。次世代を担う子供たち、地域住民の避難場所としての役割を担う市内小中学校を管理している教育委員会の皆さんの日々の努力に大変感謝するものであります。
受水槽の有効容量の合計が10立方メートルを超える建物の受水槽の設置者には、水道法で1年以内ごとに1回、定期的に水槽の清掃と厚生労働大臣の登録を受けた検査機関の検査が義務付けられております。また、小規模貯水槽につきましては、江別市水道事業給水条例の定めにより、検査に必要な事項及び管理を設置者が自ら責任を持って行うとされております。そこで、今まで検査のときに水槽内に何かしらのトラブルはなかったのか、お伺いをいたします。
近年の受水槽は、6面全てが点検できなければならないものとなっておりますが、昭和の時代に造られた受水槽は建物の基礎の一部を利用した施設であり、コンクリートの経年劣化による亀裂等により地下水が浸入し、汚染する危険があると聞いております。現在、このような施設はどの程度あるのかお尋ねいたします。
やはり、人間の生命維持のための飲料水でありますから、安全性を考えても、受水槽に貯めてから飲料水として使うのではなく、水道管から直接飲むことのできる直圧・直結給水方式が安全ではないのかと考えるものでありますがいかがでしょうか。お考えをお尋ねいたします。
受水槽方式は、水槽に水を入れるときに配水管の水圧を開放し、高架水槽や各階に水を上げるために改めて水圧を掛けて給水します。一方、直結給水方式は、配水管の水圧が不足する分だけポンプで加圧して給水をします。また、現場条件によっては配水管の水圧だけで給水できるため、受水槽方式から直結給水方式への切替えによって、ポンプが消費する電気量、すなわちCO2排出量を削減することができます。運転に要する電気料、毎年発生する清掃・検査料・機器の更新費用等の維持管理費の大幅な削減につながるのではないかと考えますが、いかがかお伺いをいたします。
市内では、四階建てまで直圧の地域があり、この場合であれば維持管理費はほとんど掛からないと思います。配水管から直接蛇口まで水道水が送られてきますので新鮮な水が使用できます。そういったことを考慮すると、受水槽や高架水槽が不要で、清掃する必要がなく衛生的であり、ランニングコストの面から考えても、直結給水方式の方がはるかに安全・安心ではないかと思うのですが、お考えをお伺いいたします。
以上で質問を終わらせていただきます。

議長(清水直幸君) 

野村議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

野村議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは災害時の飲料水の確保について、お答えいたします。
これまでの江別市の災害時における飲料水の確保に向けた主な対応といたしましては、平成7年1月に発生しました阪神・淡路大震災を契機としまして、平成8年度に、1基当たり50立方メートルの緊急貯水槽を、地域ごとの配置や災害時の給水需要などに配慮しつつ飛烏山公園と若草公園、大麻東公園にそれぞれ1基、平成12年度には鉄南地区のとちのき公園に1基、さらに平成14年度には江別太小学校に1基、計5基を設置してきたところでございます。この5基の緊急貯水槽では、約2万7,500人の市民に1日3リットルの水を3日分供給することができるものでございます。
この他、大麻地区にあります2か所の配水池に貯留している飲料水を合わせますと、合計5,850立方メートルとなり、全市民が必要とする水の量に換算しますと、約16日間分が確保できるものであります。
市といたしましては、これらの対策の外、今後の不測の事態に備えて、現在改築中又は改築を予定している小中学校や、地域ごとの主要な災害拠点となる施設に備蓄庫を設置し、それぞれ1,000本程度のペットボトルの飲料水の外、食糧、毛布などの備蓄品の分散配置を計画しているところであります。さらに、石狩東部広域水道企業団の提供によるペットボトル飲料水約4,000本の備蓄や、イオン江別店など市内の大型店舗の優先提供による約2,000本の外、災害時における応急生活物資の供給等に関する支援協定締結企業等によります飲料水の確保など、いわゆる流通備蓄による飲料水の確保に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
また、市の地域防災計画におきましても、家庭内での飲料水や食料等について3日分程度の備蓄に努めることが記載されておりますので、防災訓練や出前講座などあらゆる機会を通じまして、備蓄の必要性について周知してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、行政、地域、事業者等との連携体制と市民一人ひとりの防災意識の向上を一層強化する中で、水の確保や災害への様々な備えに取り組んでまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、この他の質問につきましては、教育部長からお答え申し上げます。

教育部長(佐藤哲司君) 

私から、小中学校の受水槽についてご答弁申し上げます。
初めに、学校受水槽の検査の状況についてですが、給水方式には直圧・直結給水方式と受水槽による貯水槽水道方式とがあり、市内小中学校27校のうち、直結給水方式は12校、貯水槽方式は15校であります。
受水槽に関する検査は、設置者等が水道法や学校保健安全法に基づく学校環境衛生基準による点検として、受水槽の有効容量に応じて1年以内ごとに1回定期的に行うこととされており、資格を有する専門業者への委託により実施しています。その検査結果といたしましては、水質はいずれも異常なく良好であり、パッキンの取替えなど維持管理に努めております。
次に、老朽化が進む施設の状況についてですが、コンクリート製の受水槽は江別第三中学校の1校のみで、この他ステンレス製が1校、残る槽は全てFRP製であります。このコンクリート製の受水槽も、毎年清掃や点検を行っており、これまで亀裂による異常はなく、水質検査の結果は良好であります。
次に、直圧・直結給水方式の安全性に対する認識についてですが、直結給水方式は、新鮮な水道水の供給が可能であり、水質の安全性が安定的に確保できることから、より望ましい方式であると認識しております。
最近では、中原通りの拡幅に伴い、東野幌小学校の受水槽を撤去し、直結給水方式に変更しており、今後も、受水槽の老朽化や学校の大規模改修などの際には、直結給水方式への切替えを検討してまいりたいと考えております。しかしながら、学校までの配水管の能力によっては、周辺地域に水圧低下を生じる場合があるほか、校地の高低や学校建物の構造などの理由で直結給水方式への切替えが難しく、受水槽方式とせざるを得ない場合もあります。今後におきましても、受水槽の点検を徹底し、清掃等、適切な維持管理により、水質の安全確保に努めてまいります。
次に、直圧・直結給水方式の維持管理費についてですが、受水槽の日常点検や定期点検にはさほど多くの費用を要しておりませんが、直結給水方式は、特に直圧の場合、ポンプに掛かる費用もなく、点検費用等が不要になるため、維持管理費は少なく済むと考えております。ただし、水圧が低く加圧する必要がある場合は、ポンプに掛かる経費が必要となります。
いずれにいたしましても、衛生管理の優位性と長期的な維持管理費を考え合わせ、大規模改修等の際には、受水槽による方式から直結給水方式への切替えについて検討してまいります。

議長(清水直幸君) 

以上をもって、野村議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
吉本和子議員の市長の基本姿勢について外2件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

吉本和子君 

通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。
初めに、市長の基本姿勢について、お伺いいたします。
1点目に、安倍政権の自助を基本とする社会保障に対する認識についてお伺いいたします。
昨日5日、参議院本会議で可決成立した消費税大増税と一体で進める社会保障制度改革の日程や段取りを盛り込んだ社会保障制度改革プログラム法案。これは、医療、介護、保育、年金など、あらゆる分野で国民に負担増と給付削減を求める制度づくりの期限をあらかじめ定めるもので、日本の社会保障制度の在り方を大本から覆す内容だと強い批判を浴びているものです。
この法案の考え方の基本として、自らの生活を自ら又は家族相互の助け合いによって支える自助・自立とし、社会保障への国の責務は、自助・自立の環境整備だとうたっています。講ずべき社会保障制度改革の措置等では、個々人が自助努力を行うインセンティブを持てる仕組みの導入を掲げ、例えば医療では、個人の健康管理、疾病予防、主体的な健康の維持増進への取り組みを奨励するなどとし、介護では、介護予防等の自助努力を行うインセンティブを持てる仕組みの検討を唱えるなど、正に徹底した自己責任論、自助努力をより一層強く押し出しているものと思います。
政府が社会保障で国民に対し自己責任、自助努力を迫るのは責任放棄以外の何物でもありません。病気や老いによる衰えは、個人の努力だけでは解決できません。だからこそ、誰もが安心して医療や介護などを受けられるように国が責任を持つ公的な社会保障制度が整えられてきた歴史があります。今日の社会保障制度はその歴史の下につくられています。憲法第25条の国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならないと定めた理念に真っ向から反するものと考えますがいかがでしょうか。社会保障に対する市長のお考えをお伺いいたします。
2点目に、生活保護制度の扶養義務に対する認識について、お伺いいたします。
プログラム法案の根拠となる社会保障制度改革推進法の附則第2条には、生活保護制度の見直しが既に明記され、今年8月からの大幅な生活保護基準引下げが強行されました。
さらに、今審議中の生活保護法改正法案は、現在は口頭でも受けなければならない保護申請について、文書申請と給与明細など多くの書類の提出を義務付けることを原則にしています。また、親族に対して、収入や預貯金・債務など、勤務先まで調査を強化することなども条文に盛り込み、保護を必要とする人を締め出すものだと強い批判を浴びているものです。この審議の中で明らかになったのは、正に改悪の先取りとも言える、親族の扶養義務を生活保護受給要件にして申請から締め出す手法、扶養義務者による扶養は生活保護に優先して行われるものとされていると、親族が援助しなければ保護を受けられないかのような誤認を招く内容が保護申請者の親族に対する調査書に記載され、全国的に多くの自治体で使用されていたことが分かりました。
そもそも、生活保護の要件について、生活保護法第4条第1項は、保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われると定めています。これに対し、生活保護法第4条第2項は、民法に定める扶養義務者の扶養は、保護に優先して行われるものとすると定め、あえて要件としてという文言は使ってはいません。つまり、扶養が保護に優先するとは、保護受給者に対して実際に扶養援助、例えば仕送りなどがあった場合、その金額の分だけ保護費を減額するという意味であり、扶養義務者による扶養は保護の前提条件とはされていません。今でさえ、生活保護申請時には親・子・兄弟姉妹に対して扶養が可能かどうかについての照会文書が送付され、疎遠になっている親・兄弟姉妹に実情を知られ関係がますます悪化したり、また、援助を求めることがつらく、申請をためらわせるなど大きなハードルになっているのに、その上、扶養義務者の扶養が前提条件となれば、更に申請することが困難になり、餓死や孤独死、自殺など痛ましい事態が更に広がっていくのではないかと危惧されます。
厚生労働省は、11月8日付けの事務連絡である、生活保護法第4条第2項の扶養義務者の扶養の可否を確認するために使用する扶養照会書等についての中で、一部の地方自治体で使用されている扶養照会書等において、照会される扶養義務者に対して扶養義務が保護を受けるための要件であると誤認させるおそれのある表記が使われていることが判明したとし、扶養照会書等について確認し必要な対応をするよう求めています。その内容は、今般判明した事例では、扶養照会書等の扶養義務者に対する依頼文書において、この保護に当たっては、民法に定める扶養義務者の扶養を優先的に受けることになっていますと表記され、生活保護において扶養義務が保護を受けるための要件であると誤認させるおそれがある表現になっていた。そのため、同様の表現をしている場合は、生活保護法では民法に定められた扶養義務者による扶養は生活保護に優先して行われるものとされております等に改めること、そして、これらの対応は可及的速やかに改善を図ること、さらに、保護のしおり等も同様の表記が使用されていないか確認をすることとしています。全国の地方自治体でこの問題があることが明らかになっていますが、自治体の保護制度に対する認識の違い、生活保護法に忠実な運用がされてきたのか否かも問われていると考えます。当市の保護行政において、扶養照会等の表記の問題も含め、扶養義務については基本的にどのような認識をお持ちなのか、お伺いをいたします。
3点目に、市民生活を守り支える社会保障の在り方に対する認識についてお伺いいたします。
安倍政権のプログラム法案は、来年4月からの消費税大増税と一体で行う社会保障改悪のスケジュールをあらかじめ定める異例の法案と言えます。例えば、70歳から74歳の医療費窓口負担の2倍化。これを皮切りに、医療や介護など様々な制度で国民・市民に負担増と給付減を求める内容と言えます。消費税増税やアベノミクスによる物価の高騰、貧困と格差の広がりで、暮らしを守る政治こそ求められるときに、これらの法案は完全に逆行していると言えます。特に、生活保護制度は憲法第25条を具現化したものであり、社会保障の根幹を成すものですが、今年8月に扶助基準の引下げ等が実施されるなど、その改悪により、受給世帯に将来にわたる生活不安が今広がっています。その上、生活保護基準は、最低賃金や住民税非課税限度額の算定、就学援助など国民の生活を支える様々な制度の物差しであり、多くの市民の暮らしや将来へも影響を与えることになります。
平成25年第1回定例会で、生活保護基準引下げに関連した市制度への対応について質問をさせていただきましたが、ご答弁では、市制度の個々の影響の把握に努め、個別に対応を検討してまいりたいとのことでした。
一部新聞報道によれば、帯広市では生活保護基準引下げは51制度に連動し、4分の3の市民が何らかの影響を受けるとのことでしたが、当市においてはいかがでしょうか。市民生活を守り支えるために、その対応について具体的に検討すべきと考えますがいかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。
次に、市営住宅の入居替えを促進するための対策について、お伺いをいたします。
先日完成した新栄団地A棟は、単身世帯用は12戸で、家族用は36戸。そのうち6戸は子育て世帯用に造られ、それぞれ引っ越しが始まっています。今回の新栄団地建設に当たっては、市営住宅の入居に際して、子供の独立や家族が他界したような場合など、一人になったら単身用への住み替えを約束する、このような新基準がつくられたと大きく新聞報道されました。
江別市営住宅条例施行規則第10条では、公募によらないで他の市営住宅に入居すること(入居替え)ができる条件について、入居者又は同居者が加齢、病気等により階段の昇降が困難な状況にあるため、エレベーター付き又は低層階の他の市営住宅に入居することが適切であると認められる者、世帯構成に異動があったことにより他の市営住宅に入居することが適切であると認められる者としています。
平成22年度から24年度までの入居替えについて示した平成24年度決算資料によれば、入居替え申込み件数は累計で14件、住み替え件数は9件。その理由は、家族数の減少と階段昇降がほとんどです。
団地別ではあけぼの団地が最も多く、入居替え待機期間は数か月から1年程度とのこと。中には平成22年度以前の申込みで現在も待機となっている例もあると、このような説明でした。いずれにしても、条件に合致した住宅の空きがなければ入居替えはできないということです。
入居替えの理由の多くが家族数の減少、つまり一人暮らしになること、階段昇降困難、つまり内科等疾患や高齢などが原因であることからすれば、おのずと、階段がなく平屋で、しかもベッドなど介護用品を置く広さがあることが必要だと考えます。また、慢性の肺疾患で在宅酸素療法が必要となれば、火器から2メートル以上離して機械を置かなければならないという条件もあります。
1点目に、今後、入居者の高齢化に伴って、多様な理由で入居替えの必要性が高まってくると推察されますが、いかがお考えでしょうか。入居替えの現状と課題について、お伺いいたします。
2点目に、入居替えに対し、潜在・顕在化しているニーズの調査をする必要性について、お伺いいたします。
市営住宅長寿命化計画では、建て替えや長寿命化型改善、維持管理、用途廃止などと区分されて計画的に事業が進められることになっていますが、住宅入居者については単身高齢者の比率が高まってきていると言われています。また、70歳代と80歳代以上の高齢者は約4割にも及ぶとのこと。高齢者の日常生活の安全性の観点から、入居替えについて、潜在的・顕在的なニーズ調査を実施すべきと考えますが、いかがお考えかお伺いいたします。
3点目に、高齢化の状況、世帯構成の状況から見て、入居替えの必要性が更に高まると考えられます。現状のような、募集すべき市営住宅の一部を入居替えのための市営住宅として指定することができるということでは十分に対応することは困難だと考えます。
維持管理とされた住宅の中で、ニーズ調査を基に計画的に住戸改修を実施することなどで今後必要となる入居替えに対応できるのではと考えるものですがいかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。
次に、除排雪対策の検証と課題について、お伺いをいたします。
当市では、2007年3月に江別市雪対策基本計画、えべつ・雪・まち・道しるべが策定され、6年が経過しています。計画策定の趣旨の中で、今後の社会情勢の変化や対策の検討状況から、必要に応じ適時見直しを行うこととしています。この計画策定に当たって実施された市民アンケートの結果や提案・要望・苦情等の集計も8ページにわたって掲載され、その多くが除排雪に係る不満や苦情、要望となっています。
計画策定有識者会議の意見でも、除雪の満足度を向上するには、情報交換が必要であり、除雪ニーズの共有化を図る必要がある。さらに、計画策定後は実行・評価を行う必要があるとしています。
除排雪に関する情報の発信ということでは、ホームページの江別市の雪対策で、市民の皆さんの雪対策への関心も高く、市への要望も多いことから、今後さらにより良い行政サービス・雪対策を進めるために江別市の除雪・排雪システムや各種制度の情報を提供していきますとして、雪対策基本計画や雪対策関係情報、除雪の問い合わせ先などが示されています。広報えべつでは、毎年12月号にその年度の除排雪についての記事を掲載していますが、内容的にはほとんど変化はないように思われます。また、2010年1月には、市の除雪委託事業者である江別環境整備事業協同組合の特集も組まれていました。
このように見れば、行政からの情報発信自体は決して少ないとは言えません。しかし、市民との間で、これらの情報について情報交換が不十分なために、一方通行で情報発信していることとなり、計画策定時の市民からの不満や苦情が一向に解決されないまま今日に至っているとは言えないでしょうか。除排雪に関する問題が市民・行政・事業者間で共有化されないまま、毎年毎年この時期を迎えていることになっているのではないでしょうか。江別市の除排雪対策についての話合いは、自治会連合会等と実施しているともお聞きをしておりますが、地区ごとに担当業者、行政、住民が一体となって、それぞれの立場からどのように地域の雪対策を進めるかを検討する場が必要ではないでしょうか。
また、雪対策基本計画においても、近年の降雪状況に見合った対応、雪害を防止するための対応、雪による災害時の対応など、新たな問題も現れてきており、検証の必要性があるのではないでしょうか。
1点目に、日々の除雪対策を含む雪対策基本計画について、市民・行政・除雪事業者一体での検証をすべき時期と考えますがいかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。
2点目に、高齢者・障がい者世帯等、自力除雪が困難な世帯への各種の除雪支援事業の現状と課題について、お伺いをいたします。
高齢者や障がい者世帯にとって、屋根の雪下ろし、敷地内の除雪、道路除雪後の玄関前の置き雪等を片付けることなどが年々困難になっていく中で、玄関前から公道に出るまでの除雪について、文字どおり避難路としても、日常生活を支える上でも、通路の確保は重要な問題です。市営住宅の入居者からは、雪で玄関ドアが開かなくなると、閉じ込められて逃げ場がなくなったという気分になって、とても不安になると伺ったことがあります。玄関から公道までの除雪の重要性を再確認いたしました。
江別市内では、このような除雪支援事業は、玄関前の置き雪の除雪も含め3種類の事業があり、市、民間と主体は異なりますが、高齢者等世帯には冬を乗り切るためになくてはならないサービスとなっています。市が委託して行われている低層市営住宅入居世帯対象の避難路確保除雪については、特に高齢化が進み、隣近所での助け合いもままならない市営住宅の入居者にとっては貴重な支援の一つですが、福祉除雪等と比べ、利用世帯が全体的に少ないようにも思われます。
各種除雪支援事業の現状と課題について、特に市が実施しております避難路確保除雪事業について、どのような認識をお持ちか、お伺いいたします。
3点目に、各種除雪支援事業を継続充実させるための対策について、お伺いをいたします。
通路除雪、特に避難路確保を第一の目的とする除雪では、少しでも早い時間に道を開けておくべきですが、現状では、午前中のうちに実施することとしています。
人力での除雪作業でもあり、降雪量によっては時間を要することも十分承知しておりますが、少しでも早くとじっと待っておられる市民の要望に応えるべく、検討をすることが必要と考えますがいかがでしょうか、お考えをお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。

議長(清水直幸君) 

吉本議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

吉本議員の一般質問にお答え申し上げます。
私の基本姿勢に関連しまして、まず安倍政権が進める社会保障に対する認識についてでありますが、少子高齢化の進展、雇用環境の変化、貧困・格差の問題など、社会が大きく変化する中、国は、社会保障制度の改革と財政健全化を同時に目指す、社会保障と税の一体改革を進めております。
この中で、社会保障制度改革につきましては、社会保障制度改革推進法に基づき設置されました、社会保障制度改革国民会議の中から報告書が出され、それを具現化するための法整備としまして、持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律、いわゆる社会保障制度改革プログラム法が国会において可決されたところでございます。
法律では、受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度の確立を図ることを目的とし、少子化対策、医療・介護保険、公的年金制度などの改革について、進め方や関連法案の国会提出時期が定められております。
社会保障制度改革プログラム法では、改革のスケジュールを示す一方で、具体的な内容が記載されていないことや、地方への十分な説明がないなどの指摘があることも承知しておりますが、個々の制度の改革につきましては、今後、国において、関連する法案が審議されるものとなっておりますことから、その動向を注視してまいりたいと考えております。
社会保障制度改革につきましては、持続可能な制度の確立が求められる一方で、生活困窮者や弱者に対しては、新たな負担にならないよう、また、必要な医療や介護サービスの抑制につながらない仕組みとするとともに、国と地方の役割分担と財源の確保について、十分に検討していくことが重要だと考えているところであります。
こうしたことから、私は、本年10月に、これまでの要望に加えまして、介護保険制度の改革について、要支援認定者に対する介護サービスの市町村支援事業への移行が市町村間で格差が生まれないよう、北海道市長会を通じまして、国に要請を行ったところであります。
今後とも、国の動向を注視しつつ、市長会を通じ、社会保障の在り方について、基礎自治体として現場の意見が反映されるよう努力してまいりたいと考えております。
次に、生活保護制度におけます扶養義務に対する認識についてでありますが、扶養照会書等の表記の問題につきましては、扶養義務者から扶養を受けることが生活保護を受ける上での前提条件であると誤認される表現が当市においても見受けられ、その原因は、当市の運用している特定の生活保護システムと連動している扶養照会書等を使用していたことでございまして、直ちに表現を改めたところでございます。当市と同じシステムを使用していたのは、道内21自治体、全国364自治体となっており、当市と同様の修正が行われたものと認識しております。
次に、社会保障の在り方に対する認識についてでありますが、生活扶助基準の見直しは、個人住民税の非課税限度額の算定基準をはじめ、様々な他の制度の運用に関わってくるところでございます。
国におきましては、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分に考慮しながら、できる限り影響がないように対応することを基本的な考えとしており、当市で対応できる制度につきましては、国の方針に基づき、準要保護者への就学援助、保育料の減免及び国保の自己負担減免については改定前の基準をもって対応しているところであります。来年度につきましては、国の動向を注視しながら、これまでと同様の対応をしてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、この他の質問につきましては、健康福祉部長外をもってお答え申し上げます。

健康福祉部長(山田宗親君) 

私からは、除排雪対策の検証と課題についてのうち、各種除雪支援事業の現状と課題について外1件について、ご答弁申し上げます。
初めに、高齢者・障がい者等、自力除雪が困難な世帯への各種除雪支援事業の現状と課題について、ご答弁申し上げます。
除雪支援事業は、市又は江別市社会福祉協議会が実施しており、いずれも、高齢者や障がいのある方など除雪作業が困難である世帯のうち、一定の税制上の所得要件を満たす世帯を対象としております。このうち、一般の戸建て住宅を対象にした、玄関から公道までを除雪する除雪派遣サービスについては、社会福祉協議会が自主事業として実施しております。
一方、市の事業としては、公道除雪後の置き雪を置き換えする福祉除雪サービスと、低層の市営住宅を対象に、玄関から公道までの通路を除雪する避難路確保除雪を、それぞれ事業者に委託して実施しているところであります。
議員ご質問の避難路確保除雪についてでありますが、平成24年度実績で、利用世帯は69世帯であり、対象となる住宅が市営住宅の一部に限られていることから、福祉除雪サービスなどと比べると世帯数が少なくなっております。
なお、天候状況にもよりますが、おおむね午前中に作業を終えることとしております。しかし、昨年度においては、作業が午後に及ぶようなケースもあり、いかにして可能な限り作業を早く終えるかが課題であると考えているところであります。
次に、各種除雪支援事業を継続し充実させるための対策についてでありますが、市営住宅の避難路確保除雪の現状については、おおむね午前中に作業を終えることとしており、今年度の事業実施に当たっては、少しでも早い時間帯での作業実施について、委託事業者に対して改めて要請したところであります。
今後も、作業の工程や方法の工夫について、事業者と協議してまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

建設部長(西村晃一君) 

私から、市営住宅の入居替え対策と除排雪対策の検証と課題についてご答弁申し上げます。
まず、市営住宅の入居替えの現状と課題についてでありますが、市営住宅の入居替えにつきましては、公営住宅法施行令及び江別市営住宅入居替え等取扱要綱に基づき、世帯人員の増減、加齢や病気等による日常生活の身体上の制限など、特別の事由がある場合には申請を受け付けております。
入居替えの状況でありますが、過去3年間の実績では、14件の申込みに対し、高齢者施設への入所や転居などによる辞退者を除き、世帯状況の変化などによる9件の入居替えを行い、希望された方につきましては全て対応してきたところであります。
今年度におきましては、現在までに5件の申込みがあり、そのうち3件は入居替えを完了し、残る2件については、待機となっております。
今後におきましても、入居替えにつきましては、希望される団地の空き状況が前提となりますが、特に加齢や病状などに配慮し、適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、入居替えに対するニーズ調査についてでありますが、入居替えの特例については、入居の際にお渡ししている市営住宅入居者のしおりにより周知を図っているところであります。
また、既に入居されている方に対しては、今後、年1回の収入申告書を提出される際に、入居者の病状や日常生活の身体上の制限などの事由による入居替えの意向について確認してまいりたいと考えております。
次に、維持管理とされた市営住宅の住戸改修についてでありますが、江別市営住宅長寿命化計画において維持管理とされたあけぼの団地は、耐用年数を超過した住棟が多く、入居替えを目的とする住戸改修は難しいところであります。
今後におきましても、入居替えの申請があった場合は、エレベーター設備を有している中央団地や弥生団地への住み替えを基本とし、個々の事由に配慮しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
次に、除排雪対策の検証と課題についてでありますが、市民生活におきましても、雪対策は最も身近で切実な問題であり、これまでも市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、冬季の安全な道路環境の確保に努めてきたところであります。
近年の気象・降雪状況を見ますと、6メートルを超える降雪が3年連続しており、暴風雪による危険な交通障害が発生するなど、雪対策を取り巻く環境が大きく変化してきております。
一昨年の豪雪時には、3地区の自治会連合会と民生委員等が参加した大雪に関する懇談会を開催し、雪対策の検証を含めた幅広い意見交換を行っております。
また、除排雪事業計画の策定に当たっては、国、道、市で構成する連絡調整会議を開催し、前年度の除排雪事業の検証と今後の改善策についての協議を行い、作業スケジュールの事前の情報提供や主要交差点における右折レーンの確保、交差点の隅切り除雪を実施するなど、相互に連携強化を図りながら冬季の道路環境の改善に努めてきたところであります。また、バス会社などの事業者や警察署との事前協議を行うなど、安全な冬期交通の確保に努めてきたところであります。
今後におきましても、雪対策基本計画を指針として、市民・事業者・行政が相互に協力し、冬季の市民生活の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

吉本和子君 

通告順に、件名、項目に沿って再質問と要望をさせていただきたいと思います。
件名1の市民生活を守り支える社会保障の在り方について、2項目にわたって強く要望させていただきたいと思います。
初めに、項目2の扶養義務の認識についてですけれども、ご答弁ではシステムの問題というふうなお答えだったかと思いますけれども、いずれにしても扶養照会書等の表記について、改めていただいたことには安心いたしました。ただ、改めていただいたその表記自体もまた、なかなか一般の人たちには分かりにくいものというふうに私は思っております。
例えば、今回変更された表記には、扶養義務者による扶養は生活保護に優先してという言葉がありますけれども、ぱっと見ると、生活保護に優先というふうになってくると、やはりまた同じような捉え方もされてしまうのではないのかなという感覚がいたしました。そういう点で、表記を改めてはいただきましたけれども、是非この点は現場の方々に徹底していただきたいなと思いますが、保護の申請時だとか、あるいは受給中の場面で、この表記の変更になった部分が正しく周知されるよう、現場での徹底を求めます。生活保護法や民法の引用文というのは一般的にはなじみのない文章ですので、くれぐれもまた新たな誤認を招くことがないように、生活保護を受けるときに扶養義務者の扶養が前提になっているんだというような、そういう誤認を抱くことがないように、申請をためらうことがないように、くれぐれも現場での徹底をお願いしたいと思います。
項目の3についてです。
市民生活を守り支える社会保障の在り方についてですが、ご答弁の中にもありましたけれども、生活困窮者や生活弱者に新たな負担増にならないようにという、このことを是非江別の市政の重要課題として行っていただきたいなというふうに思います。
消費税増税が来年の4月に間近に迫っております。12月4日の総務文教常任委員会で給食費改定のお話がありました。その説明資料を見させていただきますと、小学校の中学年で1食単価が15円引き上げられるという内容でしたけれども、そのうちの約半分、7円は消費税の増税分だということでした。これだけ身近なところで、消費税増税がひたひたと直接生活に影響するようになってくるんだなということを本当に実感いたしましたけれども、それに加えて、申し上げましたように生活保護費の支給額の減額の問題があります。特に、支給額の減額は今年の8月で終わるわけではありませんので、これからますます市民の暮らしがきつくなってくるだろうなというふうに感じます。そういう意味では、繰り返しになりますけれども、生活困窮者、生活弱者に対して新たな負担にならないように、ご答弁の中では、具体的に、生活保護に連動する制度として、就学援助や保育料の減免、あるいは国保の一部負担金の問題とか徴収猶予の問題かなと思いましたけれども、また、国保の自己負担の減免については、旧来の基準を使っていますというお話でしたけれども、まだまだたくさん連動する制度があるかと思いますので、この点についてよろしくお願いしたいと思います。
続きまして、件名2の市営住宅の入居替え対策について、これについても要望させていただきたいと思います。項目の3です。計画的な住戸改修についてということで要望をいたします。
入居替えのニーズ調査については、収入申告のときに意向調査をしていただくということでした。あと、入居替えの理由についても優先度を検討するということで、少し進歩はあったかなというふうに思うのですけれども、1回目の質問でもさせていただきましたが、それにしても絶対数が足りないのではないかなというふうには思います。加齢やけがによる骨・関節・筋肉の病気だけではありませんので、今ちょっと申し上げましたけれども、呼吸器や心臓疾患等の内部障がいを抱えていらっしゃる高齢者の方も団地にはたくさん住んでいらっしゃいます。そういう方たちが安心してそこで暮らしていけるようにするためにも、入居替えの住戸自体を増やすような手法を検討していただかなければいけないんじゃないかなというふうに思います。
長寿命化計画の中でいろいろな制約があるということはお聞きをしておりますけれども、是非、財源や手法等を研究されて、再度ご検討されますように要望させていただきたいと思います。
それと、件名の3です。除排雪事業に対して、1項目は再質問させていただきます。項目1の除排雪対策の検証の必要性についてということで、2回目の質問をさせていただきます。
雪対策については、行政と自治会連合会やバス事業所、警察、国や道を交えたたくさんの会議等によって検証され、課題と今後の改善策についても定期的に協議を実施されているということについては、十分に理解をいたしました。
ただ、ここで私が言っている市民というのは、本当に個々の市民です。自治会連合会とかではなく、本当に個々の市民の人たち、まちづくりの基本となる基礎単位である市民というふうな捉えをしておりますけれども、その市民との協働という立場で言えば、個々の市民と事業者、行政が雪対策について、直接的に話合いをする、あるいは除雪についての説明を受けるといったようなことが、本当の意味で協働のための情報共有になるのではないのかなというふうに思います。
たくさんの情報を発信されておられることは十分に分かります。大変だろうなと思いながらホームページや広報を見させていただいておりますけれども、それでも雪対策の苦情、要望にあるように、あのような問題は今回私たちが行いました議会報告会の中でも延々と出されました。ですから、市民の雪に対する思いは何も変わっていないなということを実感したのですけれども、そういうことを解消する意味でも、直接的にお話をする機会、相談する機会、どうしたらいいのか本当に膝を交えて話し合う機会、そういう機会がまず必要ではないかと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか、2回目の質問とさせていただきます。

建設部長(西村晃一君) 

除排雪対策の検証についての再質問にご答弁申し上げます。
まず、雪対策に関します市民との情報共有ということでございますが、これまでも除排雪に対する市民や自治会からの要望、ご意見などを随時伺ってきておりますが、自治会排雪の受付時には、市の方からも除排雪事業の説明を行ってきているところでございます。
また、除排雪作業に関する市民の理解と協力を得るために、雪出しに関するルールでありますとかマナーについて、広報やホームページでの啓発のほか、快適な冬の暮らしに向けた元気な冬のパンフレットを広報1月号と共に全戸配布し、市民との情報共有に努めているところであります。
次に、市民と行政、除排雪事業者の懇談会の開催についてでありますが、3者による話合いの在り方については、今後検討してまいりたいと考えております。
なお、事業者が運営しております除雪センターでは、市民の方々からの問い合わせや苦情について、24時間体制で対応しているところであります。

吉本和子君 

市民の方々の理解と協力を得るためにということで、本当に様々な努力をされていらっしゃることは十分に承知しております。除雪センターの方も市民の方から苦情があったりすると、直接出向いて現場を見てご相談に乗ったりだとか、こうしましょうというふうに直接お話をされている場面も自分の地域で見ました。ですから、そういう意味でも本当に紙面やホームページやそういうところでの情報発信ではなくて、直接会ってお話をすると分かることはたくさんあると思うのです。膨大な苦情や要望や不満というのも、会ってこれはこういうことですよというふうにお話をすると、分かり合えることは随分あるんだろうと思っておりますので、是非懇談会の場というのを検討していただきたいなということで要望いたします。
最後に、もう一つ要望させていただきます。
項目3の除雪困難世帯への除雪事業の充実ということについて、一点要望させていただきます。
特に、避難路確保除雪事業については作業の工程や方法の工夫ということをこれから協議されるということでしたので、この状況を見させていただきたいと思いますけれども、基本的には社会福祉協議会が実施している除雪事業も含めて、除雪困難者への支援対策ということで、市が総合的な視点から充実改善を図っていただきたいなということを最後に要望して終わります。

議長(清水直幸君) 

以上をもって、吉本議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午前11時50分 休憩
午後 1時00分 再開
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副議長(齊藤佐知子君) 

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
岡英彦議員の地方分権についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

岡 英彦君 

それでは、質問に入らせていただきます。
今回は、地方分権について質問をいたします。これまで当たり前過ぎてあえて質問していませんでしたが、今回、基本的なことを改めまして質問に取り上げることといたしました。
私は、国と地方の関係をどのように捉えているのかについて、以前から職員の皆様の理解に若干違和感を持つ部分というのがございました。もしかすると、いまだに国や道を上に見るような意識を持っているのではないかと、そのように見えるところがあったわけです。特に、ここ最近は事業の説明などを受ける際に、いかがなものかと感じる場面が多くございました。
例えば、この事業は国のメニューに従ってやっているだけですというお話ですとか、国の基準にこのように書いてあるのでそのように対応していますというような説明であり、その言外の意味には、我々には判断する余地がありません、又は決めているのは国なので我々の責任ではありませんと、そのように言っているように感じられるものでございました。それは考え方としてちょっと違うのではないかと、私としては考えているわけです。そこで、改めまして地方分権の基本的な考え方について質問をさせていただきます。
さて、地方分権とは、明治以来続いてきた中央集権体制からの転換という、国の在り方を変えるものという視点で捉えることができます。1970年代には既に地方の時代といった言葉が見受けられますが、今日的な意味での地方分権につながる流れは1990年代から始まったものと考えられると思います。
政治改革と行政改革の一連の流れの中で、規制緩和とともにという形ではありましたが、地方分権が地方自治関係者のみではなく、国の政策課題の一つとして国民の間でも大きく取り上げられることとなり、1993年に衆参両院で地方分権の推進に関する決議が行われました。決議の中には、国民が待望するゆとりと豊かさを実感できる社会をつくり上げていくため、地方公共団体の果たすべき役割に国民の強い期待が寄せられている。中央集権的行政の在り方を問い直し、地方分権のより一層の推進を望む声は大きな流れとなっているといったことが述べられております。
このような流れの中で、1995年には地方分権推進法が施行され、地方分権推進委員会が設置されることとなりました。この推進委員会の中では、なぜ地方分権が必要とされるのかについて、画一性と効率性を重視する中央集権型行政システムは、キャッチアップの時代には有効であったが、制度疲労を起こし、新たな時代の状況と課題に適合しない。変動する国際社会へ対応するためには、地方分権を進め、中央政府はその役割を純化する必要がある。東京への一極集中を是正し、多極分散型の国土を形成するためにも地方分権が不可欠である。個性豊かな地域社会を形成するためには、地方分権を推進し地域社会の自己決定権を拡充すべきである。高齢社会・少子化社会に対応していくためには、市町村の創意工夫が重要であり、地方分権を推進し行政の総合化と公私協働を促進する必要があるといった点が挙げられておりました。
私といたしましても、物を充足させる時代から豊かさを実感する時代へのパラダイム・シフト、つまりある時代に規範とされていた物事の見方の転換が起こっているということ。豊かさを実感できるような生活重視の政策を行うためには身近な地方自治体の役割が大きくなっている。何事も国が決めることによって、地方が独自で考える力を奪ったままでは地域の発展を促すことはできない。こういった点が地方分権の必要性として挙げられると考えており、2010年代の現在においても、これらの必要性は何ら変わっていないと認識をしております。
さて、その後、2000年には地方分権推進委員会の勧告に基づき、地方分権一括法が施行されることとなりました。地方分権一括法では、中央集権体制を支える大きな柱であり地方分権の観点からは大きな批判のあった、地方を国の出先機関として扱う機関委任事務が廃止されることとなりました。
これらの一連の流れは第1次地方分権改革と呼ばれておりまして、その後、三位一体改革、そして現在まで続く第2次地方分権改革とつながる流れになってきておりますが、第1次地方分権改革は、国と地方の関係が決定的に変わったと言うことができるエポックメーキング、つまり新時代を開く意味を持った出来事だったと捉えることができると考えております。
私といたしましても、2000年代から地方自治の分野などについて、ある程度専門的に学ぶ機会を持つことになりましたけれども、地方分権の意義と改革の一連の流れというのを強く意識しておりまして、そのようなバックグラウンドを持った上で議員活動を行っております。
したがいまして、基本中の基本という言い方をさせていただきましたけれども、国と地方の考え方について、おかしな発言をされると強く違和感を持つわけであります。そのような背景の中で質問をさせていただきます。
1点目、第1次地方分権改革の意義についてでございます。
これまでお話しさせていただきましたように、第1次地方分権改革は、中央集権型から地方分権型へと国の形を変えるものであり、住民に一番身近な基礎自治体が優先されるという考え方に変わったものと捉えることができると思いますが、市長は、一連の地方分権改革の意義をどのように捉えられているのか、お答えをいただきたいと思います。
次に、2点目といたしまして、自治事務と法定受託事務に対する考え方についてでございます。
2000年の地方分権一括法により、国の包括的な指揮監督権があった機関委任事務は廃止されております。その際に、地方自治体における事務は自治事務と法定受託事務という形で整理されておりますが、いずれも自治体の事務とされておりまして、その判断の権限と責任は自治体にあるということになっております。しかしながら、職員の皆さんを見ておりますと、判断の権限と責任が自分たち自治体にある法定受託事務に対して、いまだに昔ながらの機関委任事務のようなものと考え、国の責任と権限と捉える風潮があるのではないかと、そういう危惧を持っているところでございます。これも非常に基本的なことですけれども、改めて、市として、自治事務と法定受託事務に対する考え方について、どのように整理されているのかお伺いをいたします。
3点目に、国からの通知文書等に対する考え方について、お伺いをいたします。
分権改革以前は、機関委任事務については自治体の条例制定権は及ばず、議会の関与も制限されておりまして、国の包括的な指揮監督権による通達に縛られているものでした。しかしながら、現在は、この国の通達という制度は廃止されておりまして、今ある国の通知という制度は、技術的助言であって、それに法的拘束力はございません。また、先ほど申し上げたように、あくまで判断の権限と責任は自治体にあるということが言えます。
先ほども申し上げたとおり、いまだに、事業の説明の際に、国の基準、通知などを根拠に説明されることがございますが、これは説明の理由になっておりません。結果として通知と同じことになるというのは多々あるかと思うのですけれども、通知を参考にして、江別市としてどう判断されたかをしっかりとご説明いただかなければいけないものです。これも基本中の基本のことになるのですけれども、国の通知などの文書について、市としてどのような捉え方をされているのか、改めてお伺いをいたします。
4点目は、上乗せ条例と横出し条例について、お伺いをいたします。
地方分権改革以前から、自治体の条例制定権というものは、憲法第92条の地方自治の本旨によって導き出されるものであり、さらに2000年の地方分権改革以降は、考え方として、この自治体の条例制定権というのはより拡大していると捉えることできると言えます。
このような状況の中で、国の法令の基準よりも厳しい基準や規則を定める上乗せ条例や、国が定めた規制項目以外の項目を追加する横出し条例といったものを積極的に活用していく姿勢が、現在の自治体にとって重要となっていると言えます。これら上乗せ条例と横出し条例など、自治体独自の条例制定を積極的に進めていく必要性についての認識を伺います。
最後に、5点目になりますけれども、地方分権に取り組む意識の職員への浸透についてでございます。
先ほどから何度も申し上げておりますが、今までお話しさせていただいた内容というのは、2000年以降、自治体職員にとっては基本中の基本であると私としては考えております。しかしながら、そもそも地方分権の意義や地方分権改革について、職員の皆さんはきちんとご理解されているのかどうか、心もとない部分が多いと、私としてはそのように受け止めております。改めまして、地方分権に対する考え方について職員に対してどのように浸透を図っているのか、お伺いをしたいと思います。
以上で1回目の質問を終了いたします。

副議長(齊藤佐知子君) 

岡議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君) 

岡議員の一般質問にお答え申し上げます。
地方分権に関連しまして、まず、第1次地方分権改革の意義についてでありますが、住民に身近な行政は住民に身近な基礎自治体が担うべきとの趣旨から行われた分権改革は、第1次地方分権改革と位置付けられております。
その最大の成果は、平成11年に成立いたしました地方分権一括法による改革で、機関委任事務制度の廃止とそれに伴います自治事務と法定受託事務への再編成、国・都道府県の関与の廃止、縮減、一般ルール化などでございます。第1次地方分権改革により、国の関与の縮減、緩和を中心として、地方公共団体の自己決定権の拡充と自己責任原理が導入され、それは日本国憲法の地方自治の本旨に基づく自治事務が認められたことでありまして、中央集権型から地方分権型へと国の形を変えるもので、国と地方の関係を対等・協力の関係へと転換していくための重要な第一歩となったものと認識しております。
しかしながら、一部の動きはありますものの、現政権下では地方分権改革は停滞しておりまして、残念なことでありますが、今後の地方主権に向けたさらなる取り組みに期待をしているところであります。また、地方分権改革にとりまして、地方税財源の充実・確保、義務付け・枠付けのさらなる廃止・縮小、規制緩和が重要でありまして、これらが進まないことが地方分権改革の意識を阻害する大きな要因になっているものとも考えております。
次に、上乗せ条例と横出し条例についてでありますが、地方公共団体には、地方自治の本旨に基づく自主立法としての条例制定権が認められております。
この条例のうち、上乗せ条例は、同一の対象につきまして、法令による規制を上回る厳しい規制を定め、また横出し条例は、法令の対象外の地域・事項を規制の対象とするものとされております。江別市におきましても、法令の定めは全国共通の最低基準であるものとの認識の下、公害防止条例で法令の規制の対象となる特定地域に関連しまして、法令を上回る規制を定めているところであります。
条例と国の法令との関係につきましては、それぞれの目的、趣旨、内容及び効果などを総合的に比較、検討し、個別の事例ごとに具体的に判断することが基本的な前提となりますが、全国的には、風俗営業の出店規制などの例もありまして、まちづくりや特区関連など、地域の特性に応じた規制になじむ事項に関連しましては、これからも上乗せ条例、横出し条例により対応することを検討してまいりたいと考えております。
次に、地方分権に関する職員の意識についてでありますが、平成23年に成立しました第1次・第2次一括法に関する説明会を昨年4月に開催しまして、その際には地方分権の流れについて再認識を促したところであります。また、職員研修としましては、採用後2年から4年目の職員を対象に、法令研修としまして、地方自治法を必修とし、他に民法、行政法、地方公務員法から選択する形での研修を実施しているところであります。地方自治法の研修では、過去3年間で、若手職員を中心に54名が参加しており、年々受講者数が増加しているところであります。
また、職員の提案による自主的な取り組みとしまして、公立病院特例債の償還期間の延長が認められたこと、その他、野幌駅北口のヒートポンプやれんが校舎の耐震化工事が国の補助対象となったことなど、これらは国の制度を変えるもので、こうした自主的な取り組み、提案型の取り組みは徐々に芽生えつつあるものと考えております。このことは、職員の地域主権に対する意識の浸透につながっているものと考えております。
市といたしましては、地方分権に対する認識は、職員全員が共通して持つことが必要だと考えておりますので、職員研修を中心として、発表会や掲示板による研修成果の周知など、様々な機会を捉えまして、地方分権や地方分権改革の意識の浸透を図ってまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、この他の質問につきましては、企画政策部長からお答え申し上げます。

企画政策部長(鈴木 誠君) 

私から、自治事務と法定受託事務並びに国からの通知文書についてご答弁申し上げます。
第1次地方分権改革の大きな柱とされた点は、国と地方自治体との間に対等・協力の関係を構築することを主眼にした機関委任事務の廃止であります。機関委任事務は、地方公共団体の執行機関を国の機関とし、これに国の事務を委任して執行させる仕組みで、地方公共団体は、国の指揮監督の下に置かれ、国と地方自治体とを上下・主従の関係に置いてきました。機関委任事務に対する姿勢といたしましては、国から事務を委託されたとしても、国の事務ではなく、あくまで地方の事務であると判断しておりました。
また、一方では、戸籍事務や選挙事務、国民健康保険、生活保護などの法定受託事務につきましては、法律に基づくルールの確認を行いながら、法律に基づいて対応しているところであります。
地方分権一括法による機関委任事務の廃止から13年が経過し、現在は、平常業務で国の指揮監督に置かれているという認識はなく、自らの責任で事務を執行しているものと判断しております。
次に、国からの通知文書等についてでありますが、国からの通知等には、法律に基づいて必要な措置を求める通知と、技術的な助言にとどまる通知の2種類に大きく分かれております。
法律に基づいて必要な措置を求める通知では、全国的に一律の事務執行が行われていることから、国や道と連携・協力して対応すべきものであります。
一方で、技術的な助言にとどまる通知は、客観的に適当と認められる行為を促したり、必要な事項を示したりする法的拘束力のないものであり、この通知に対しては、市独自の判断で対応すべきものと考えております。
したがいまして、技術的な助言にとどまる国の通知等については、あくまで参考にとどめ、市が自主的に判断して事業執行しているところでございます。

岡 英彦君 

ご答弁ありがとうございました。では、2回目の質問に入らせていただきます。
まず、1点目、第1次地方分権改革の意義についてでございますけれども、ご答弁の中で中央集権型から地方分権型へと国の形を変えるもの、国と地方の関係が上下・主従の関係から対等・協力の関係になったとありました。当たり前なのですけれども、改めて、意義についてはっきりとご答弁をいただきました。また、市長はこれまで余りこういうようなお話はされたことがなかったと思うのですけれども、今後も更に積極的に地方分権改革を進める取り組みを期待するということで、私も意を強くしたところでございます。
今回の質問の意図といたしまして、市長のご答弁で、この一般質問の場でこういったことをしっかりお答えいただくことによって、市全体で意識を持っていただきたいと、そういう思いで質問をさせていただいておりますので、是非お答えをお願いしたいと思うところでございますけれども、答弁では、地方分権を阻害する要因ということで、財源の充実、義務付け・枠付けのさらなる廃止・縮小、規制緩和のさらなる進展が重要と挙げられておりましたが、そういった面も当然あると私も思っているのですけれども、私としては、どちらかと言うと、今の自治体側が第1次分権改革で得た権限を十分に活用できているのだろうかということの方が課題だというふうに考えております。
そこで、ここから質問になりますけれども、地方分権を進めていくためには、単に国に求めると、そういう姿勢ではなくて、判断の権限と責任は自分たちにあると、自治体側にあるということを今一度確認しまして、その権限を活用していくという自治体側の積極的な姿勢がより重要だというふうに考えておりますけれども、市長のお考えをお伺いしたいと思います。

市長(三好 昇君) 

岡議員の再質問にお答え申し上げます。
1点目の分権に対する姿勢と言いましょうか、全体的な話ということだと思いますけれども、先ほど申し上げました、我々行政を担当している者が、これまで分権改革の中で大いに期待していましたのは、2000年の一括法以降の話でございまして、これで地方は大きく変わるというような大きな期待をしました。
しかしながら、その後、三位一体改革、税財源の移譲の問題があり、さらにその後には、市町村合併もございました。様々な対応の求めがありまして、それに地方は応えてきたところでございますが、これまでの改革を担当していた職員の意識と言いますのは、全て今までの対応、地方分権一括法の改革そのものが地方にとって大変な負担増になったところでございます。
今までの改革により大きく変わったことで、地方にとっては自主権が認められて前に進んだのかと言いますと、そうではありませんで、地方はかなりの負担を強いられた、そういう思いがありまして、これまでの地方分権一括法による三次までの改革は一体何であったのかという思いが前提としてあります。
しかしながら、これからは正しく地方の時代、地方を知らなくして地方は政策を打てないということであります。そういう意味からいきますと、これからも国に分権改革の我々の方向を更に要求しまして、地方が改革をできるような仕組みづくりを国に要請していきたい、そして、それに基づいて、地方におきましても分権改革を一層進め、地域主権の形を早くつくりたいと、そういう思いであります。

岡 英彦君 

了解いたしました。
私も道内の他の自治体の職員の方とお話しさせていただく機会というのもあるのですけれども、やはり当時の思いと、実際この十何年間やってきた結果というところには、なかなかギャップがあって、負担増になったといった今の市長のお話というのは、十分理解をするところでもあるのですけれども、今お話いただいたように、より積極的に対応していく必要があるというふうに私としても考えているところでございます。
では、2点目に進ませていただきたいと思います。
自治事務と法定受託事務に対する考え方についてでございますけれども、2000年の分権改革以前の機関委任事務は、法的には地方が国の出先機関の扱いになるという形で国の事務を行っているという解釈になると私としては理解をしているところですけれども、現場側の姿勢としては、当時から地方の自分たちの事務であると、そういう思いでやられてきたと、そういうふうに答弁を理解させていただきます。また、当たり前のことなのですけれども、現在では平常業務については、国の指揮監督ではなく、自らの責任で執行しているとしっかりお答えをいただいたところでございます。
さて、法定受託事務に関してなのですけれども、答弁にあるとおり、当然、法律に基づいて対応されていると。それは当然のことなのですけれども、地方分権時代に何が重要になってくるかと言うと、その法律をどう解釈するかの部分が、自治体の判断と責任という部分だと私としては思っております。分権時代の自治体のポイントだというふうに考えております。
そこで、質問になりますけれども、自らの判断と責任において、積極的に自治体側が地方の実情にあった法律解釈を行っていくことがより重要だと私としては考えておりますけれども、この点お考えがありましたら、ご答弁をお願いいたします。

市長(三好 昇君) 

法定受託事務の地方での考え方ということだと思いますが、基本的には、自治事務については地方の意見というのは大きく左右することができると思っていますが、法定受託事務につきましては、まず一つは大きな法律の大きな枠組みがあります。法律の枠組みの中で、地方自治体がどう判断できるかということも、これはかなり制限をされていると思います。同じ北海道内で、江別市であれば、札幌市と法定受託事務の解釈が違うということにはならないわけではありますので、そういうところから考えますと、かなり制限されている中で、では何がその法定受託事務の中で地方が判断できるか、それはこれからも工夫していかなければならないと思っています。その地域で必要な範囲の中で、どう対応できるか。非常に難しい問題だと思いますけれども、地方として独自に判断できるものについては、判断していかなければならないものと考えております。

岡 英彦君 

正に、その判断の部分が求められる時代になってきていると私としては認識をしておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
次に、3点目の国からの通知文書等に対する考え方についてに入らせていただきます。
国からの文書にもいろいろあるということですけれども、大部分は、技術的な助言にとどまる通知というものだと理解をしておりますし、また今回、私が言及している通知というのもそちらを指しております。
答弁では、通知については、技術的な助言であり法的拘束力はない。市が自主的に判断するものとしっかりとお答えをいただきました。確認なのですけれども、部長答弁になってしまったのですけれども、是非市長にお答えをいただきたいのですが、私どもにいろいろな説明をいただきますけれども、今後の説明においては、国の通知がこうだからといったお話のされ方は基本的にはないと、きっちりと江別市としてこれこれこう考えているからといった説明を受けられると、私どもとしてはそういう理解をさせていただいてよろしいですねということを確認させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

市長(三好 昇君) 

国の通知文書に関連する再質問でございますが、先ほど担当部長がお答えしたとおりでございまして、これまでもそのような独自で判断した上での対応だったというふうに考えておりますので、これからも国の通知につきましては、市として判断した上で、国の対応ではなくて、市の基準として説明するという形になろうかと思います。

岡 英彦君 

ありがとうございます。今しっかりと市長からご答弁いただきましたので、是非、今後は職員の皆様からの説明が変わってくるだろうと認識をしておりますので、ご対応をよろしくお願いしたいと思います。
4点目の上乗せ条例と横出し条例についてですけれども、正に、条例の制定につきましては憲法第94条の法律の範囲内という言葉をしゃくし定規に判断するのではなくて、憲法第92条の地方自治の本旨に基づいて考えていかなくてはいけないということかと思います。
この話をさせていただきたかったので、今回この項目を入れさせていただいたのですけれども、これは、本来は、どちらかと言うと、行政についてだけこういうことを考えなきゃいけないということではなくて、そもそも立法権というのは議会にもありますから、地方分権時代の議会という考え方でいきますと、私どもの方が積極的に活用していかなければいけないものだと、私としては認識をしているところでございます。地方分権時代にふさわしい議会になっていけるように頑張っていきたいなと、そういうふうに考えているところでございます。
最後の5点目、地方分権に取り組む意識の職員への浸透についてでございますけれども、お話については承知いたしました。基本中の基本というお話をさせていただきましたけれども、改めて申し上げますが、一般質問の場で市長からしっかりとお答えいただくことによって、市役所全体でこういった考え方がしっかりと周知されるというふうに認識をしております。
二度と私がこのような質問をしなくていいようなご対応をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

副議長(齊藤佐知子君) 

以上をもって、岡議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

副議長(齊藤佐知子君) 

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。

午後 1時36分 散会