令和6年第4回江別市議会定例会会議録(第2号)令和6年12月5日
1 出席議員
25名
議長 | 島田 泰美 君 | 副議長 | 内山 祥弘 君 |
議員 | 岩田 優太 君 | 議員 | 高橋 典子 君 |
議員 | 吉本 和子 君 | 議員 | 佐々木 聖子 君 |
議員 | 稲守 耕司 君 | 議員 | 吉田 美幸 君 |
議員 | 干場 芳子 君 | 議員 | 長田 旭輝 君 |
議員 | 三吉 芳枝 君 | 議員 | 奥野 妙子 君 |
議員 | 石川 麻美 君 | 議員 | 徳田 哲 君 |
議員 | 芳賀 理己 君 | 議員 | 野村 和宏 君 |
議員 | 藤城 正興 君 | 議員 | 本間 憲一 君 |
議員 | 鈴木 誠 君 | 議員 | 髙柳 理紗 君 |
議員 | 猪股 美香 君 | 議員 | 岡 英彦 君 |
議員 | 高間 専逸 君 | 議員 | 野村 尚志 君 |
議員 | 石田 武史 君 |
2 欠席議員
0名
3 説明のため出席した者の職氏名
市長 | 後藤 好人 君 | 副市長 | 川上 誠一 君 |
水道事業管理者 | 渡部 丈司 君 | 総務部長 | 白崎 敬浩 君 |
総務部調整監 | 野口 貴行 君 | 企画政策部長 | 三上 真一郎 君 |
生活環境部長 | 近藤 澄人 君 | 経済部長 | 石田 賢治 君 |
子ども家庭部長 | 金子 武史 君 | 建設部長 | 佐藤 民雄 君 |
総務部次長 | 東 嘉一 君 | 財務室長 | 柴田 佳典 君 |
教育委員会教育長 | 黒川 淳司 君 | 教育部長 | 佐藤 学 君 |
4 事務に従事した事務局員
事務局長 | 福島 和幸 君 | 次長兼 総務課長事務取扱 |
錦戸 康成 君 |
庶務係長 | 深見 亜優 君 | 議事係長 | 小川 和幸 君 |
主査 | 木村 明生 君 | 主任 | 櫛田 智幸 君 |
主任 | 赤田 竜哉 君 | 書記 | 阿部 八輝 君 |
事務補助員 | 佐藤 孝子 君 |
5 議事日程
日程第 1 | 会議録署名議員の指名 |
日程第 2 | 諸般の報告 |
日程第 3 | 一般質問 |
発言者及び発言趣旨
高 橋 典 子 君 (総括質問総括答弁方式)
1 市長の政治姿勢について
(1)物価高騰の状況における市民の生活水準に関する考えについて
(2)年収の壁の問題に対する見解について
(3)選択的夫婦別姓制度に関する見解について
2 災害への備えについて
(1)防災に関する知識の普及啓発について
(2)原子力災害への備えについて
3 道路の管理について
(1)道路の老朽化対策について
(2)生活道路の側溝整備について
岡 英 彦 君 (一問一答方式)
1 労働力の確保について
(1)江別市における労働力人口の特徴について
(2)労働力に関する目標設定について
2 保育園の整備について
(1)待機児童の実態把握について
(2)さらなる保育園整備の考え方について
稲 守 耕 司 君 (総括質問総括答弁方式)
1 カスタマーハラスメント対策について
(1)カスタマーハラスメントに対する認識について
(2)現在の取組について
(3)今後の取組について
芳 賀 理 己 君 (一問一答方式)
1 江別の歴史と文化を知り後世へ継承することについて
(1)縄文文化による観光振興について
(2)市内遺跡や出土品の管理と郷土資料館の有効活用について
(3)子供たちの自己肯定感を育むことについて
6 議事次第
◎ 開議宣告
議長(島田泰美君)
これより令和6年第4回江別市議会定例会第10日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。
◎ 議事日程
議長(島田泰美君)
本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。
◎ 会議録署名議員の指名
議長(島田泰美君)
日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
石川議員
野村尚志議員
を指名いたします。
◎ 諸般の報告
議長(島田泰美君)
日程第2 諸般の報告を事務局長に報告させます。
事務局長(福島和幸君)
御報告申し上げます。
監査委員から報告のありました例月出納検査結果報告10月分につきましては、配付のとおりでございます。
以上でございます。
◎ 一般質問
議長(島田泰美君)
日程第3 一般質問を順次行います。
高橋典子議員の市長の政治姿勢についてほか2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。
高橋典子君
それでは、通告に従い順次質問してまいります。
まず、1件目として、市長の政治姿勢について質問いたします。
1点目に、物価高騰の状況における市民の生活水準に関する考え方についてです。
この間、少しずつではあるものの市民税収入が伸びてきていると、決算審査の場などで何度も説明を受けてきました。また、就学援助制度の認定率が年々低下してきている状況について、対象となる収入基準を上回る世帯の割合が高くなったことなどを説明する答弁がされているところです。
こうした説明を聞く限りでは、市民の生活水準は向上しているものと受け止められかねませんが、むしろ市民の生活実感としては、それほど豊かになっていないのではないだろうかと感じることが多々あります。この間、様々な場面で実質賃金が伸びていないことが指摘されていますが、当市においても同様に、物価高騰の下で賃金が多少上がったとしても、暮らしは楽にはなっていないのではないかと感じるところです。
決算審査の際にも指摘をさせていただきましたが、物価高騰の影響を受けていることのほか、市内に転入された子育て世帯の方たちの多くは家を新築され、そのローン返済も重なり、収入の状況は一定の水準を超えていたとしても、暮らし向きは決して楽ではないと思われます。市として把握できる数値と市民の生活水準の実態に違いがあるのではないでしょうか。
国においては、総合経済対策の中で給付金を検討していると報道されており、住民税非課税世帯のほか、子育て世帯への給付も検討されているようです。
それにしても、この間、度々実施されてきた臨時的な給付は、否定こそしませんが、果たして、それで本当に安心して暮らせるようになるのか疑問もあります。また、こうした給付金が検討されるたびに世代間で対立するような意見も見受けられ、現役世代の生活の苦しさがそうしたことに表れているのではないかと感じるところでもあります。
今後、新年度の予算編成が行われることになりますけれども、その前提として、市民の暮らしを支える視点が必要ではないかと考えますが、市長は、市民の生活状況についてどのように把握されているか、基本的な考えについてお伺いします。
次に、2点目として、この間大きな話題となっている、いわゆる年収の壁の問題に対する見解について質問いたします。
さきの総選挙の後、大きな論点として上がってきたのが所得税の103万円の壁の問題です。103万円というのは、所得税の場合の基礎控除48万円と給与所得控除の最低額55万円を合わせた金額のことを指しているのだと思いますが、その基準を見直し、大幅に引き上げることが話題になっています。
課税最低限の額が103万円とされたのが1995年とのことで、基礎控除と給与所得控除の増減はありましたが103万円の額は変わらず、一方で、その当時と比べると物価は大きく上がっています。生計費非課税の原則ということを考えても、見直しが必要なことは十分に理解されるものと思います。
ただし、年収が103万円を超えたとしても、課税されるのはその基準を超えた部分に課税されるので、手取り額自体が減るわけではありません。影響が出るのは、親の扶養となっている学生がアルバイトなどをして、年収が103万円を超えると、親の扶養から外れ、親側の税額が増えてしまう場合となっています。
このほかに、年収の壁として働き控えにつながるとされているのが、年金や健康保険の保険料負担が生じるかどうかの年収の壁であり、手取り額に大きく影響してきます。この場合は、保険料の壁と言ったほうが分かりやすいかもしれません。
いずれにしても、どのくらいの生活水準を保障するのか、また、どのような働き方を想定するのかなど、国民生活に大きく関わる問題として、しっかりとした検討が必要です。
一方で、この間、いわゆる年収の壁をめぐって、地方財源の減少につながることを懸念し、各地の首長から、影響額の試算まで行い懸念の声が上がっています。11月21日に全国市長会においても、住民に必要な行政サービスを提供する基盤である地方税財源に影響を及ぼすことのないよう慎重な議論を行うよう強く求めるとする「103万円の壁」の見直しについてが公表されています。
年収の壁の見直し額が大きくなれば、当然地方税財源にも大きく影響してきます。その足りない分をどのようにして賄うのか、万が一にも国民にとって不利益となるようなことがあってはなりません。地方の財源を確保するのはもちろんのことですが、その確保のために、かえって国民の生活に影響が出てしまうことは避けなければなりません。
いずれにしても、国民の暮らしを支え、さらに安定させる方向で十分な検討がされなければならないものと考えますが、市長はいかがお考えでしょうか。国会で議論されることでありますが、市長としてこの問題をどのように捉えておられるのか、見解をお聞かせください。
3点目に、選択的夫婦別姓制度に関する見解について質問いたします。
このたび、国連女子差別撤廃委員会は、日本政府に対し、選択的夫婦別姓制度の導入を求める勧告を行いました。これは今回で4度目の勧告となります。各社の世論調査でも、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成と答えた方は7割を超えるとされ、さらには経済団体からも導入を求める声が上げられています。
残念なことに、自民党総裁選の際に、石破首相は、それを否定する理由はないとおっしゃっていたのにもかかわらず、首相となられてからは、さらなる検討をと述べ、手のひら返しと批判が沸き起こったところでもあります。
仕事を持って活躍する女性も増え、結婚の際に姓を変更することが損失につながる方も増えてきており、市民の中にも、御夫婦でどちらかに統一することができず、事実婚をされている方もいらっしゃいます。
国の法制審議会では、1996年に選択的夫婦別姓制度の導入を含む民法改正を答申しているということもあり、その実現に期待しながら、もう何年も待ってきたと嘆いておられました。その御家庭では、御夫婦で協力しながら子育てをされ、円満な家庭を築いてこられていますが、法的には事実婚の状態です。これまで、周囲の理解も得ながら対応してこられていますが、年齢を重ねるに従い、いつまで待てば制度化されるのだろうとの思いが募ってきているとのことでした。
男女平等や男女共同参画社会を推進すると言われてからも随分と月日がたちました。多くの場合、女性の側が姓を変えており、キャリア形成にも不都合が生じていると指摘されています。
選択的夫婦別姓制度を早期に実現させるためにも、地方から声を上げていく必要があるのではないでしょうか。市長のお考えをお伺いします。
次に、2件目として、災害への備えについて質問いたします。
まず、防災に関する知識の普及啓発についてお伺いします。
防災に関して、これまで何度か一般質問で取り上げてきたところですが、地域の方たちとお話をする中で、意外と基本的なところから御存じない方が多いのではないかと気になるようになってきました。
もちろん、市として、毎年防災の日の前後の時期には広報えべつで特集を組まれたり、防災訓練をされたりするなど、地道な努力をされていることは存じていますし、議会としても、昨年の市民と議会の集いでは防災をテーマに開催し、参加された市民の皆さんと有意義な意見交換をしたと考えています。
その一方で、地域の方たちとお話をする中で、防災に関する情報を御存じない方も多いことに気がつきました。毎年、広報えべつとともに防災あんしんマップが配られていて、これが市民への普及啓発の基本的な役割を担っているものと思いますし、その内容も少しずつ工夫されてきていると思います。
ただ、理解のされ方にはいろいろあり、何のために家庭で備蓄するよう呼びかけられているのか十分に理解されず、市民に自助努力を求め過ぎているのではないかと感じておられる方や、避難所に行くときに、何を持参するのかといったことまで想定していただけていない方もいらっしゃるようです。
防災あんしんマップで全てを承知することは難しいと思います。広報えべつでも度々記事が組まれてはいますが、さらに様々な機会を捉えて、災害時の市の役割と市民に対応していただきたいことや、どのような状況を想定して家庭内で備蓄をすればよいのか、また、御自身でなければ用意できないような個別のものについて理解し、準備していただくなど、災害時を想像しながら備えていただけるような情報提供が必要ではないでしょうか。
避難行動要支援者への対応など課題は多くあると思いますけれども、さらに多くの方に防災対策の基本的なことを広げ、理解していただくために、常に工夫しながら取り組んでいっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
次に、2点目として、原子力災害への備えについてお伺いします。
2011年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所の事故は、一定の年齢以上の方なら誰もが記憶している大災害であり、また、教訓としなければならないことは多くあると考えます。
私は、泊村の隣、共和町の出身であり、この町には母や弟家族が住んでいることもあるため、このときの災害の状況は決して人ごととは思えず、特に、福島第一原子力発電所の事故とその後の状況は、故郷と重ね合わせて見続けていました。泊発電所ができたときから、万が一にも重大な事故が起きたらどうなるかと度々家族で話していましたが、それが福島県で現実に起きてしまったことに衝撃を受けました。
今年の第1回定例会では、稲守議員が、江別市地域防災計画に関して、放射性物質の広域飛散への対応について質問されましたが、そのときの答弁の内容で、果たして、十分な対応ができるのだろうかと疑問を感じましたので、私からも質問させていただきます。
このときの答弁では、泊発電所から約80キロメートル離れており、原子力防災に関する計画を作成すべき市町村の対象ではないこと、当市のほか札幌市など23市町村は、原子力災害対策重点区域13町村の住民の避難先等に位置づけられていること、既存の枠組みの中で迅速な災害対応を図ることができるよう努めたいなどとする答弁であり、残念に感じたところです。
質問の中で指摘されていたように、風向きによっては当市への放射性物質の飛来も警戒しなければならないのではないでしょうか。東日本大震災の際には、関東地方まで影響を受け、それを避けるために自主避難された方もいらっしゃいました。また、各地で放射線量の測定も行われ、高い数値が検出されたことも記憶にあるところです。
泊発電所で何らかの事故が起き放射性物質が飛散したとしても、すぐに江別市からほかの場所へ避難するなどといった計画をつくることにはならないと思いますが、万が一に備えて、市で独自に放射線量を計測できるようにしておくことも必要ではないでしょうか。また、一定の規格のマスクや防護服を備蓄しておくことは必要なことだと思いますが、いかがでしょうか。
原子力発電所で異常が起こるような事態は二度と起きてはならないことだと思いますが、現在、泊発電所の再稼働に向けた動きが進められていることから、なおのこと心配な気持ちは膨らみます。福島県での事故を教訓に、私たちはできる限りの備えをしておくべきと考えますが、いかがでしょうか。改めて市長のお考えをお伺いします。
3件目として、道路の管理について質問いたします。
まず1点目に、道路の老朽化対策について、主に住民の暮らしに最も身近な生活道路に視点を当てて質問させていただきます。
市道の管理については、毎年、一定の予算を確保して対応されていることは理解しているところです。ただ、高度経済成長期以降に整備された道路施設の老朽化が進んできており、市民からもそれぞれに情報が寄せられている状況かと思います。
先日も地域の方から情報を寄せていただきましたが、道路の整備からかなりの年数が経過した生活道路で、住宅の建て替えなどに伴う配管工事の跡などがくぼみ、車で通るとバウンドするとのことでした。その問題を解決するとなると、かなり大がかりな工事になることが予想されましたので、まずは自治会等、地域の方たちで話し合った上で要望をまとめることがよいのではないかとお話ししたところです。そのほかにも、アスファルトが剝がれたところがあり、それは市に連絡するとすぐに対応してもらえたと喜んでおられました。
生活道路においては、市内それぞれの地域で、地盤の条件や自動車交通量などによって傷み具合も異なるとは思いますが、市民にとっては、日々の生活の中でより快適に、また、予想外のトラブルが起きないようにと、切実な問題として感じておられることと思います。
当市では、社会教育施設などの老朽化への対応も課題となってきていますが、道路施設の老朽化の問題についても、市民からの情報を把握し、全体の計画とも合わせて適切に対応していくことが求められると思います。どのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。
次に、2点目として、生活道路の側溝整備について質問いたします。
以前、吉本議員から質問していたことと重なりますが、いまだに各地域の生活道路にU字側溝が残されている道路があり、度々地域の方からお問合せを頂いております。計画的に整備されていることは理解しておりますが、日常生活を送る上で不便であり、特に公園の周囲などでは、子供たちが元気に走り回る中で、側溝に足を取られてけがをしないかと心配する声も寄せられております。
この間、徐々に整備されてきている様子も拝見してるところではありますし、U字側溝の暗渠化は予算的にも大変なことは理解いたします。それでも、足を取られる心配があり、特に雪に埋まる時期には気をつけなければならず、来客があるときには特に心配だとおっしゃる方もいらっしゃいます。
当面の対応として、コンクリートやグレーチングの蓋をして対応されているようですが、整備された道路と見比べると見劣りもするし、不安でもあり、早く整備してほしいと、恐らく市内各所で要望が上がっていることと思います。
そこで、生活道路の側溝整備について、U字側溝は市内全体でどのくらい残されているのか、また、計画的に整備が進められているのか、この間の整備状況についてお伺いいたします。
以上で、1回目の質問と致します。
議長(島田泰美君)
高橋議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(後藤好人君)
高橋議員の一般質問にお答え申し上げます。
私の政治姿勢に関しまして、まず、物価高騰の状況における市民の生活水準に関する考えについてでありますが、昨今の日本経済を取り巻く状況としては、新型コロナウイルス感染症やロシアのウクライナ侵攻を契機とした原油価格・物価高騰の状況が続いており、国では、物価高騰の影響が著しい低所得者等への支援策をはじめとする総合経済対策を打ち出すと同時に、最低賃金の引上げや経済界への賃上げ要請などを通じて、所得の増加を図ってきたものと承知しております。
こうした物価高騰は、当市におきましても、市民生活に大きな影響を及ぼしているものと認識しており、市では、これまでも、国の交付金を活用するなどして、低所得者世帯に対する給付金の支給や子育て世帯に対するギフトカード配付などの対策を実施してまいりました。
市民の生活状況の把握については、現在、第5期江別市地域福祉計画の策定に係る市民アンケートにおいて世帯の家計状況について調査しており、その中では、現在の収入で生活することは困難と回答した市民の割合は、令和元年度と比べて減少しているところではありますが、年金生活者など賃上げの対象とならない市民も一定数存在し、また、物価上昇の傾向は今後も継続するものと考えております。
こうしたことから、市と致しましては、引き続き国の経済対策の動向に注視しながら、物価上昇が及ぼす市民の生活状況の把握に努めてまいります。
次に、年収の壁の問題に対する見解についてでありますが、議員が御指摘の103万円の壁をはじめとする年収の壁は、税や社会保険に関わるもので、年収の壁を見直すことにより、労働者においては手取り額が増える、あるいは、働き控えの解消につながることが期待されている一方で、地方公共団体におきましては、基幹税である個人住民税の減収が懸念されています。
こうした懸念に対し、議員の御質問にありますとおり、全国市長会では、103万円の壁の見直しの検討に当たっては、住民に必要な行政サービスを提供する基盤である地方税財源に影響を及ぼすことのないよう慎重な議論を行うよう求めたところであります。
国は、11月22日に閣議決定した国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策において、103万円の壁については、令和7年度の税制改正の中で議論し引き上げると明記しており、市と致しましては、物価高騰が市民生活に大きな影響を及ぼしていると認識しておりますことから、そうしたことに配慮した慎重かつ丁寧な議論を行っていただく必要があるものと考えております。
次に、選択的夫婦別姓制度に関する見解についてでありますが、選択的夫婦別姓制度は、一般的に夫婦が望む場合、それぞれが結婚前の姓を名のることを認める制度であると承知しております。
現行の民法では、夫婦は同じ姓を名のることを定めており、姓を変えることが多い女性に生活上の不便やアイデンティティー喪失などの不利益があるとの指摘を受け、国では、平成3年から、法制審議会の議論などを基に婚姻制度見直しの検討を進めており、令和3年度に実施した調査では、現行の夫婦同姓を維持もしくは夫婦同姓を維持した上で旧姓を通称使用する法整備が望ましいとする回答が7割となった一方で、選択的夫婦別姓制度の導入を望む回答は3割弱という結果となりました。
こうした調査結果を受けて、国は、国民各層の意見や国会における議論の動向を踏まえ、具体的な制度の在り方についてさらなる検討を進めるとしております。
また、全国知事会では、国の検討状況を踏まえ、令和5年から、国に対し選択的夫婦別姓制度の導入に係る議論の活性化を求める要望書を出しているところであります。
市と致しましては、選択的夫婦別姓制度の導入は、婚姻制度や家族の在り方に関わる重要な課題であり、国において幅広く国民の理解が得られるように検討が進められるべきものと認識しております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、総務部調整監ほかをもってお答え申し上げます。
総務部調整監(野口貴行君)
私から、災害の備えについて御答弁を申し上げます。
まず、防災に関する知識の普及啓発についてでありますが、災害対応においては、自らの命は自らが守る自助、地域において互いに助け合う共助、市や北海道、国などの防災関係機関が対策を実施する公助、それぞれがそれぞれの役割を理解し、協働により実施することが重要とされております。
市では、市民の防災に関する意識の向上と知識の普及啓発を図るため、毎年、防災あんしんマップを作成し、広報えべつに同梱する形で各世帯に配布しております。
防災あんしんマップは、洪水時の浸水想定区域や土砂災害警戒区域、地震時の揺れやすさマップのほか、避難所開設の考え方や災害情報の入手方法、非常持ち出し品など災害が起こったときに役立つ知識や事前の対策などを分かりやすく伝えることができるよう、毎年必要な見直しを行ってきております。
このほか防災知識の普及啓発活動と致しましては、自治会や学校、各種団体などを対象にした出前講座、自治会や自主防災組織を対象にした地域連携避難所運営訓練や自主防災研修会、関係機関が連携しながら救出訓練を行う総合防災訓練などを実施し、自助・共助・公助について、それぞれの役割を理解してもらえるよう取組を進めているところであります。
市と致しましては、市民の防災意識を高め、災害対応の基本である自助を理解し、日頃からの備えにつなげてもらえるよう、引き続き様々な機会や手段を使い周知・啓発に努めるとともに、防災あんしんマップの内容についてもさらに工夫してまいりたいと考えております。
次に、原子力災害への備えについてでありますが、北海道地域防災計画では、原子力災害対策を重点的に実施すべき区域として、泊発電所を中心としておおむね半径5キロメートル圏の予防的防護措置を準備する区域とおおむね半径30キロメートル圏の緊急防護措置を準備する区域とし、区域内にある13町村は、地域防災計画の中で原子力防災に関する計画を作成することとされております。
対象となる地域は、住民等の適切な行動の確保と混乱の防止を図るための避難収容活動体制の整備や、避難等の誘導及び立入り制限等の応急対策活動に従事する職員等の安全を確保するための防災資機材の整備等を図るものとされております。
当市は、泊発電所から約80キロメートル離れており、原子力防災に関する計画を作成すべき市町村とはなっていないことから、原子力災害に関連した機器や備蓄品の整備は行っておらず、通常の災害対応としての備蓄を進めているところであります。
また、放射線量に関しましては、北海道において札幌市や岩見沢市などに観測局を設け、環境放射線モニタリングデータをリアルタイムで公開しており、このデータを参照することも可能となっております。
市と致しましては、正確な情報に基づき迅速な対応を図ることができるよう、引き続き北海道が主催する訓練や会議に参加し、関係機関等と連携する中で対応してまいりたいと考えております。
以上であります。
建設部長(佐藤民雄君)
私から、道路の管理について御答弁を申し上げます。
まず、道路の老朽化対策についてでありますが、現在、市道の延長は令和6年10月1日時点で約838キロメートルあり、そのうち約330キロメートルが日常生活に利用される、いわゆる生活道路であります。
生活道路の老朽化への対応ですが、道路の破損につきましては、月に一度行う道路パトロールのほか、市民からの情報提供等により把握しております。特に、市民からの情報提供につきましては重要な情報源であると認識しており、電話やメールのほか、近年ではLINEを導入し市民が提供しやすい環境づくりに取り組んでいるところであります。
部分的な維持・補修につきましては、このように把握した内容を基に、緊急性・安全性を踏まえて適宜対応しております。また、路線単位の道路改修につきましては、経年劣化による道路の破損状況などに応じて、計画的に改修工事を進めております。
今後におきましても、道路パトロールを行うとともに市民からの情報の把握に努め、計画的な道路改修とも合わせて、適切な道路管理に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、生活道路の側溝整備についてでありますが、市では平成10年度以降、老朽化などにより計画的に生活道路の改修を行っており、道路整備に合わせてU字側溝の暗渠化を進めております。
整備状況につきましては、これまで総延長約95キロメートル、過去10年間では約20キロメートルのU字側溝路線の改修を実施しております。
現在、U字側溝がある生活道路は約50キロメートル残っておりますが、引き続き計画的な改修工事に併せたU字側溝の暗渠化を進め、安全で快適な道路環境の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
高橋典子君
それでは、再質問させていただきます。
1件目のうちの1点目、物価高騰の下での市民生活の水準に関する考え方については、一定程度市民の実情を把握しながら対応していかれるということで、期待させていただきたいと思います。数字として把握するのが難しい部分もあると思いますけれども、市民の声をしっかりと把握していっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
2点目の年収の壁の問題に関してですけれども、国会で議論が行われており、併せて、社会保険制度に関しても今いろいろと話が出てきているところです。
いずれにしても、国民の暮らしを安定できるのかどうか、本来であればさらに豊かになっていってもらいたいものだと思いますので、国の議論をしっかりと見守っていかなければならないと思うところでもありますが、特に社会保険制度に関して言えば、中小企業の負担がどうなるのかということも併せて心配されるところです。市内にも中小企業はたくさんありますけれども、この点に関しては、さらにしっかりとした丁寧な検討がされればというふうに思わざるを得ません。
地方からも様々な声を上げる機会があると思いますが、ぜひそうした機会も捉えながら、引き続き市民生活を守る立場で御努力いただきますよう、よろしくお願いいたします。
再質問させていただきたいのは、3点目の選択的夫婦別姓制度に関する見解についてです。
私が質問の中で申し上げた各社の世論調査の結果では、選択的夫婦別姓制度の導入に賛成と答えた方は7割を超えるというふうな報道を紹介したのですけれども、御答弁では、まるっきりそれとは逆の内容の答弁がされていたかと思います。私の認識では、国が令和3年度に行った調査というのは、内閣府が行った調査のことを指しているのだと思います。
その結果について少し引用させていただきますが、内閣府の調査結果では、現在の制度である夫婦同姓制度を維持すること、選択的夫婦別姓制度を導入すること及び旧姓の通称使用についての法制度を設けることについてどのように思うか聞いたところ、現在の制度である夫婦同姓制度を維持したほうがよいと答えた者の割合が27.0%、現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けたほうがよいと答えた者の割合が42.2%、選択的夫婦別姓制度を導入したほうがよいと答えた者の割合が28.9%となっていると報告されています。
恐らく、現在の制度を維持した方がよいと答えた27%と通称使用についての法制度を設けたほうがよいと答えた42.2%、この数字を足したものが御答弁の7割ということだったのではないかというふうに思います。この調査結果についてですけれども、私自身は、この調査の設問自体に疑問を感じないわけにはいきません。
特に通称使用についてですけれども、国際的には通称使用は通用しないということで、様々なトラブルが報告されています。国際的な場でも活躍される女性にとっては、通称使用が法整備されても意味のないことではないかという批判の声も上がっているところです。むしろ、選択的夫婦別姓制度の実施を遅らせることになるのではないかと、そうした心配の声も寄せられているところです。
この調査結果を見ると、制度をどうするのがよいと思うのかという答えが、性別、世代別によって傾向が違っていることを見ても、今、女性がどのように困っているのかが十分に理解されていないのではないかということを感じないわけにはいきません。この調査の設問において、夫婦同姓を維持した上で旧姓を通称使用する法整備が望ましいとする選択肢が用意されたこと自体、夫婦同姓により困難な事情を抱えた方たちへの理解を妨げてしまうことにもなるのではないかと思います。
通称使用が充実するならそれでいいのではないかといった考え方は、問題のない方にとっては当然のことのように聞こえるかもしれませんけれども、問題を抱えておられる当事者にとっては、こんなにひどい理屈はないと感じさせるものではないでしょうか。
同姓が強要されることで不利益を被っている少数派の方たちの現状では、そうしたことから事実婚を選択したり、あるいは、私が知っている方の同僚の方は、その時々の事情に応じて離婚、結婚を繰り返しているという方までいらっしゃいます。そうした困難な状況を抱えている方たちにとっては、我慢をさらに強いられることになり、場合によっては、偏見を生み出したり助長したりすることにもつながりかねない問題だというふうに市長はお感じにはならないでしょうか。
このこと自体は国のレベルにおいて検討されることではありますけれども、住民と直接向き合う地方自治体だからこそ、目の前にいる市民の現実の問題として理解する必要があると思います。しかも、国連から何度にもわたって勧告を受けている問題です。市長の見解を改めて伺わせていただきます。
次に、2件目の災害への備えに関してです。
1点目の防災に関する知識の普及啓発については、御答弁の内容をおおむね理解いたしました。
出前講座は、回数も多く開催されている様子も拝見しているところです。むしろ、対応される職員の皆さんが大変なのではないかとさえ思っているところです。ただ、参加された方にとっては、本当によい学びができる機会ではありますけれども、参加された方から、さらにその周りの方たちに広がっていくようになればいいなというふうに思っております。
なお、防災あんしんマップを毎年配布されていますが、そうしたタイミングや、広報えべつに防災に関連した記事が掲載されたタイミング、あるいは秋の総合防災訓練などのタイミングを意識し、SNSも合わせて利用してさらに広く伝え、市民に関心を持っていただけるよう工夫していただければと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。
次に、2点目の原子力災害への備えについては、再質問とさせていただきます。
ある程度具体的な御答弁を頂きました。その範囲について、一定の理解をするところではあります。放射線量については、北海道が札幌市や岩見沢市などに観測所を設け、環境放射線モニタリングデータをリアルタイムで公開していることから、そのデータを参照するとのことでした。
心配なのは、災害時、特に原子力発電所に影響が及ぶような事態になったときというのは、大変な混乱の下にあると思います。いざというときに、確実に確認していただきたいと思います。そのようなことが起こらないことが一番ですけれども、これまで繰り返されてきた災害の際、想定外ということをもう言ってはいけないのだ、そういう発想があってはならないのだということが、この間の教訓だというふうに私は感じているところです。
市長は、防災に関して、あるいは災害対応に関しては、恐らく相当に多くの知識を持っておられますし、経験もされていることだと思いますので、後藤市長が市長をされている間は適切な対応をしていただけるとは思っておりますけれども、それでも原子力防災に関しての御答弁にあったように、江別市が泊発電所から約80キロメートル離れていて、原子力防災に関する計画を作成すべき市町村とはなっていないことから、原子力災害に関連した機器や備蓄品の整備は行っていないとしている、この答弁が引っかかります。
江別市地域防災計画は、もちろん国や北海道の計画と整合性を図りながらつくられるものですから、そのこと自体は理解いたしますし、計画に書き込むことは難しいということも理解いたします。
それにしても、どのような姿勢でおられるのかということが大事だと思います。80キロメートル離れていても、風向きによっては影響を受けるかもしれないと考えるかどうかで、その際の行動が違ってくるのではないかと思います。
場合によっては、市民に必要な情報を提供しなければならない場面もあり得るかと思いますけれども、そうした際に、的確な判断と行動に結びつくか、こうしたところの分かれ目にもなってくると思いますが、その点についていかがでしょうか、再質問させていただきます。
3件目の道路の管理については、現状の対応の方法など御答弁いただきました。特に、個別の場所での破損等については、速やかに対応していただいている様子であり、市民の方からもそうした声を頂き、市民の方も喜んでおられます。
ただ、電話で問合せをしたときに、現地を確認した上で対応しますという、もちろん市役所としてはそういうふうに答弁するのは私は理解できるところですけれども、市民にとっては、そこで少し不安になるようです。私に問合せを下さった市民の方には、大丈夫ですよ、ちゃんと対応してくれますよというふうにお伝えしているところですけれども、今後ともさらに市民に理解していただきながら、市民からの情報提供が市役所としても大切な情報源だと思っているということを、ぜひアピールしていっていただければいいなというふうに思っておりますことをお伝えして、2回目の質問を終わります。
市長(後藤好人君)
私の政治姿勢に関しまして、選択的夫婦別姓に関する見解についての再質問に御答弁を申し上げます。
先ほども御答弁を申し上げましたとおり、国は、選択的夫婦別姓制度の導入に関して、現行の民法における夫婦が同じ姓を名のる規定が、姓を変えることが多い女性に生活上の不便やアイデンティティー喪失などの不利益があるとの指摘を受けまして、見直しの検討を進めてきたところでございます。
今後につきましては、世論調査の結果や国民各層の意見、国会議論の動向を注視した上で検討を進めることとしておりますことから、市と致しましては、全国知事会からの要望も踏まえ、国において検討が進められるべきものと考えております。
以上であります。
総務部調整監(野口貴行君)
災害への備えについての御質問のうち、原子力災害への備えについての再質問に御答弁を申し上げます。
先ほども御答弁を申し上げましたとおり、当市は、泊発電所から約80キロメートル離れており、原子力防災に関する計画の作成及びそれに基づく機器や備蓄品を整備すべき団体とはなっていないところであります。
市では、正確な情報に基づき迅速な対応を図ることができるよう、毎年、北海道原子力防災総合訓練の緊急時通信連絡訓練に参加し、事故や対応状況などの伝達、通信連絡手段の確認をしているほか、北海道が主催する原子力防災に関する連絡会議に参加し、国や北海道、関係機関等との連携体制の構築や情報共有を図っているところであり、引き続きこれらの取組の中で対応してまいりたいと考えております。
以上であります。
高橋典子君
それでは最後になりますが、選択的夫婦別姓制度については、今ほどの答弁自体は理解するところです。この間、全国知事会からも要望が出されておりますので、地方としては、基本的な姿勢がそういうところにあるのだということは確認したいと思います。
ただ、世論調査で各社が行った調査と内閣府が行った調査の結果が違うように見えてしまうという問題もありますので、そうしたことも、どうしてそういうことになっているのかというところにも思いをはせていただければというふうに思っております。
いずれにしても、国において検討が進められることではありますけれども、江別市内にもそういう問題を抱えておられる方がいらっしゃることは、市長としてもしっかりと把握していただきたいと思います。
なお、今回の質問では、困難な状況を抱えている方たちの声を具体的にお伝えするために、主に社会的に活躍されている方を前提に質問させていただきましたけれども、名前を変えるということは、御答弁にもありましたようにアイデンティティーにも関わる問題です。全ての方に関わる問題だということを申し上げておきたいと思います。
親が生まれてきた子供の名前を考えるときに、名字に合わせて名前も考える、場合によっては画数も調べて、少しでも子供が幸せな人生を送れるようにと、いろいろな思いを込めながら名前をつけると思います。結婚によって姓を変えなければならないとなったときに、女性であればどなたも、変える際にちょっとしたちゅうちょを感じることはあるようです。
それでも、現在の法律の下でということで、納得して姓を統一させているというようなこともありますので、そうしたことにも配慮していただきたいと思いますし、この問題は、男性にとっても影響してくる問題です。
私の知人で、家族経営の会社を経営している人がいたのですけれども、子供が女性しかいなくて、後継ぎをどうしようかという問題に直面したことがありました。その方たちは結婚されて、男性の側の姓に合わせたのですけれども、会社を継いだため、その男性は婿養子に入ったのかと言われて傷ついたというふうにおっしゃっておられました。婚姻と養子縁組は制度として違うものなのですけれども、いまだに家制度の名残があるのかと思います。
男性も女性も、一人一人が大切にされて、それぞれの選択が尊重されるような社会がつくられることが大事だと思いますので、このことも併せて申し上げておきたいと思います。
次に、防災に関してですけれども、原子力災害への備えについて、基本的に答弁は同じような内容かなというふうには感じたところです。
ただ、同じことを繰り返して質問するつもりはありませんが、国や北海道、関係機関との連携体制の構築や情報共有を図っていることがすごく大事だと思います。まず、災害時に適切に情報を得ることができるのか。場合によっては、こちらから情報を取りに行かなければならない場面もあるということも想定して、日頃から心構えを持っていただきたいと思います。
心配なのは、もしもそういうことが起きたときに、市民にどうやって伝えるのかということも想定する必要があるのではないかと。文書にして表すことは難しいと思いますけれども、市の担当の方たちは、心構えとして持っていていただきたいと思います。
私の実家では、家の固定電話のすぐ前に原子力災害の際の対応について知らせる広報が貼ってあり、家族がいつでも見られるような状態になっております。なので、私自身も、放射性物質の漏れた状況によって、どのような対応をしなければならないかというのは一定程度知っておりますけれども、そういう地域でなければ、原子力発電所で事故が起きたというだけで本当に怖い思いをさせてしまうし、場合によっては、それこそパニックが生じる可能性もあると思います。
東日本大震災の際には、本当に残念なことではありますけれども、国を頼っていても本当のことは分からないというふうに思われてしまったというのも、あのときの教訓の一つでもありました。何よりも住民に正しい情報を伝え、冷静に判断していただけるように対応していくことが必要だと思います。
御答弁で納得するわけではありませんけれども、江別市地域防災計画に書き込むことにはならないということは理解いたします。それにしても、いざというときのことを想定して、どう対応できるのかということを、日々の業務の中で、ぜひ市の職員の皆さんには共有していただきたいと考えていることをお伝えして、私の一般質問を終わります。
議長(島田泰美君)
以上をもって、高橋議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
岡英彦議員の労働力の確保についてほか1件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。
岡 英彦君
質問の前に一言ございまして、現在、職員の皆様は、年間を通した働きやすい服装、ノーネクタイ等の取組を今年度試行的に実施されているということで、市長をはじめ理事者席の皆様もノーネクタイで出席されておりますので、私も、本日はノーネクタイで質問をさせていただきたいと思います。
3年前の一般質問で、働く女性が増えるということが地域の経済にとっても重要な役割を果たすことについて質問をさせていただきまして、その際、市長とも、行政部局とも、その認識を共有させていただいたというふうに思っております。
今回もその延長線上にある質問になりますけれども、3年が経過いたしました現在においては、今後の日本社会において減少する労働力をどう補っていくのかということが、改めて大きな課題となっていると考えるところでございます。
残念ながら、日本全体で言いますと、働く人を増やしていくことには限界があると考えておりまして、今後の労働力不足によって、日常生活を維持するためのサービスも失われていくレベルになっていくのではないかと、こういったことが近年指摘をされているところでございます。
例えば、荷物が届かないことやバスがなくなる、生活道路を除雪できない、穴ぼこの空いた道路を直せない、病院での手術が先延ばしになってしまうというような事態が考えられておりまして、特に地方都市においては、このような日常生活を送る上での都市機能を維持することが急速に難しくなっていく、できなくなっていくということが予想されているところでございます。
北海道内を走っていると、くしの歯が抜けたような空き地のある町並みを見るということは、北海道民であれば比較的見慣れた光景なのですけれども、こういった光景は、ある程度大きな都市部においても増えていき、一部のまちは、森に返っていくような状況となるということも言われているところでございます。
そうはいいましても、北海道におきましては急激に人口減少していくのですが、その中でも、札幌圏への集中の度合いは増してくるというふうに考えておりまして、江別市としては、今後生き残っていくためにも、持続可能な都市をつくっていくためにも、頑張っていかなければいけない。また、札幌圏にある江別市であれば、まだやれる余地はあるのではないかと私は考えているところでございます。
その上で、質問に入っていきますけれども、まず、労働力人口の確保ということで、江別市における労働力人口の特徴についてお伺いをしていきます。
労働力が減っていく中で、どこに働き手を増やす余地があるのかということを見てみたいと思います。
令和2年の国勢調査の就業状態等基本集計というものによりますと、働いている人と完全失業者の人数、つまり働いている人と働きたい人を合わせた人数を人口で割った労働力率という数字がございますけれども、それは次のような状況になっていると見ることができます。
まず、男性については、25歳以上60歳未満での労働力率は90%台となっておりまして、全国平均とそれほど変わりはございません。60歳から64歳では88.8%で全国を上回っているのですけれども、65歳以上になりますと32.8%と一気に減っておりまして、全国平均を5ポイントほど下回る状態となっております。
ただ、全国平均を下回ってはいるものの、65歳以上の働き手自体は、その前の2015年調査との対比で言うと大きく増加をしておりまして、今後も上昇の余地があると見込まれると考えることができるかと思います。
一方、女性につきましては、年齢別の労働力率が結婚や出産を機に一旦低下し、その後再び上昇するという、いわゆるM字カーブの解消は進んできてはおりますけれども、それでも全国との差は依然として開いている状況です。M字カーブの底となる30歳代女性の労働力率は74.1%となっており、全国平均からはおよそ4ポイント、全国トップレベルの県とは10ポイント以上離れてしまっており、こちらも上昇の余地はまだまだ大きいものと考えることができます。
江別市においては、以上のような特徴があると言えると思いますけれども、市としては、労働力に関する特徴についてどのように考えているのか、お伺いをします。
次に、労働力に関する目標の設定についてです。
高齢者と女性のいずれにおいても、労働力率で全国と差が開いている状況であるというふうに認識ができます。女性の労働力率については、以前からお話をしてきたところですが、江別市において、65歳以上の高齢者の労働力率が低いというのは、私にとっても、今回改めてデータを振り返ってみて得た知見でございまして、重要な観点と考えるものです。
私は、退職された職員の方々とこれまで話すときなどは、そこまで無理に働かないでゆっくりされたらどうかなどとお話をしてきたことがあったのですけれども、先ほど来述べてきたとおり、社会を維持するための労働力が必要ということと、実際、江別市の高齢者の労働力率が低いということになりますと、無理のない範囲で構わないので、まだまだ働いてもらう必要があると認識を新たにしているところでございます。
今回、高齢者向けの就労相談や職業紹介を行っている団体の方からお話を聴いてみたところ、高齢者の就労を促すためには、相談窓口での対応といったことのほか、学び直しを行い仕事に求められる能力を磨く、いわゆるリカレント教育の普及などが重要ではないか、こういったお話を伺ったところでございます。
実際に何をやるかについては、まだまだ検討の余地があると思われますので、市としては、まずは高齢者や女性の働く人の数に関する指標を目標値として持って、定期的に把握していく必要があるのではないかと考えますが、お考えをお伺いします。
次に、保育園の整備についてです。
1番目の質問に関連したものなのですけれども、働く女性を増やしていくための大前提として、保育園の整備というのが必要になります。こちらについては、高齢者の就労とは違って、市の事業として直接的に実施できるものであり、市が事業を行えば、それに対して結果が出てくるものというふうに考えております。
まず、待機児童の実態把握についてでございますけれども、平成27年に現在の子ども・子育て支援新制度がスタートして以降、江別市においても、急ピッチで保育園や放課後児童クラブの整備を行ってきておりまして、定員数も増加をしてきております。
これまで、子供を預ける環境の整備を行うことによって働く女性の数が増加し、働き手の数が増えることによって所得が増加し、市税の収入が増える。それと同時に、世帯収入が増えることによって、経済的に厳しい環境に置かれている子供の数が減少する、こういう状況が見込まれるというお話を私は過去からしてきておりますけれども、実際にここ数年の数字として、このようなことが結果として現れてきているところでございます。
直近においては、保育園の整備はかなり進んできて、議会の議論などでも、放課後児童クラブの整備に重点が置かれているところですが、もちろん放課後児童クラブの整備も物すごく重要な点なのですけれども、今日の質問においては、まだまだ保育園の整備も必要であるという考え方で質問をさせていただきます。
そして、令和5年4月1日時点では、保育園の待機児童はいなくなったということが説明されておりますけれども、市内でお話を伺っておりますと、例えばゼロ歳児の枠では、年度途中の満1歳の段階で保育園に入れないという声はまだまだお伺いすることがございます。
また、近年、ゼロ歳児から2歳児を受け入れる地域型保育施設を増やしてきたこと自体はいいことだと思うのですけれども、3歳児となる時点の需要も増えておりまして、その際の連携施設の定員もいっぱいになっているため、3歳児での入所が簡単ではない、こういったケースもお伺いをしているところでございます。
さらに、保育行政の視点では、一見すると困っているように見えないかもしれませんが、希望の保育園に入れなくて育児休業を延長して待機しているというケースもございます。これについては、先ほど来申し上げているとおり、働きたいのに働けない状況でございますので、働き手の確保という観点からも、問題であるというふうに考えるところでございます。
そこで、最初の質問としまして、市として、現状の保育園の待機児童の実態をどのように把握し、認識されているかについてお伺いを致します。
次に、さらなる保育園の整備の考え方についてです。
将来人口の推計などで子供の数の減少傾向が見えてきているところでございますので、需要の予測がこれまで以上に難しくなっていることは私も理解をしているところです。
しかしながら、先ほど来申し上げているとおり、直近で待機児童が発生している状況には対応していかなければいけませんし、女性の労働力率についても、M字カーブの底である30歳代で全国平均に届いておらず、全国トップレベルからは10ポイント以上離れてしまっているという状況がございます。
今後も、女性の労働力率の上昇が見込まれますし、働き手の確保の観点からも、全ての人、より多くの人に働いてもらう社会にしていくことは不可欠でございます。そのためにも、子供を預けられる保育園の整備というものは欠かせないものとなっていると考えます。
また、違う視点になりますけれども、現行の江別市男女共同参画基本計画においても、女性は男性に比べ雇用が不安定な非正規雇用が多く、令和2年国勢調査では、江別市で働く女性の63.1%が非正規雇用者となっており、全国より11ポイントほど高くなっていますとの記述がございますが、正規雇用で仕事を続けてもらうためにも、育児休業後、速やかに保育園に入れる体制の整備が必要であるというふうに考えております。
全国的にも全道的にも、子供の減少というのは避けられないところなのですけれども、今後も人口集中が見込まれる札幌都市圏に位置する江別市においては、子供が主役ということで、むしろ戦略的に保育園の整備を積極的に行うことや、保育園の整備に限らず、子育てに関する政策を積極的に行うことで、札幌圏の中で子育て世代を江別市に引きつけるぐらいの考え方を持っていくことが必要だと、私は一貫してこのようなお話をさせていただいているかと思います。
そこで、質問と致しまして、今後のさらなる保育園の整備についての市の考え方を伺います。また、保育園の整備について、ゼロ歳児から2歳児の定員だけが不足しているわけではございませんので、ゼロ歳児から5歳児が受入れ対象の一般保育園、いわゆる普通の保育園の整備も必要ではないかというふうに考えておりますけれども、それについての考え方も伺います。
以上で、1回目の質問を終わります。
議長(島田泰美君)
岡議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(後藤好人君)
岡議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、労働力の確保について御答弁を申し上げます。
初めに、江別市における労働力人口の特徴についてでありますが、国は、15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口を労働力人口とし、また、15歳以上の人口に占める労働力人口の割合を労働力率と定義しています。
御質問の当市の労働力人口の特徴についてでありますが、令和2年国勢調査の就業状況等基本集計結果のうち、年齢5歳階級別の男女別労働力率を見ますと、男女共に大学生の年代で全国平均を大きく下回っているほか、男性では、65歳以上の労働力率が全国平均に比べて5ポイントほど下回っております。また、女性は、30歳から34歳で5ポイントほど全国平均を下回っており、その後年齢が上がると差は縮小するものの、50歳以上で再び差が広がっていく傾向にあります。
これらの傾向は、北海道平均と比べても同様であり、男性高齢者や女性の労働力率が相対的に低いことは、当市における労働力人口の特徴の一つであると考えております。
次に、労働力に関する目標設定についてでありますけれども、市が江別商工会議所と共同で実施した令和5年度江別市における給与・雇用実態調査では、回答のあった市内事業所のうち67.3%が労働力が不足していると答えているほか、商工会議所が公表しております令和6年9月の中小企業景況調査報告書によりますと、市内事業所の47.5%が労働力が不足またはやや不足していると回答しております。
市と致しましては、こうした課題に対応するため、商業施設の中に設置しております江別まちなか仕事プラザにおいて、女性や高齢者をはじめとする求職者や将来的な就職希望者を就労相談等で支援し、年間100人以上の就労につなげているところであります。
御質問の高齢者や女性の働く人の数に関する指標につきましては、人口動態や景気の動向のほか、市外の就労環境など外部要因の影響も受けるため、目標値を設定することはなじまないと考えておりますが、労働力人口の動向は、市内企業の雇用にも影響を及ぼすものと認識しておりますことから、各種調査等から得られる指標を注視するとともに、引き続き労働力の確保に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、子ども家庭部長からお答えを申し上げます。
子ども家庭部長(金子武史君)
私から、保育園の整備について御答弁を申し上げます。
まず、待機児童の実態把握についてでありますが、市ではこれまで、3歳未満の保育ニーズの増加などに対応するため、第2期江別市子ども・子育て支援事業計画に基づく施設整備等によって保育定員の拡大を図ってきており、令和2年度から令和6年度の5年間で定員を計510名増としたところであります。
その結果、令和4年度、令和5年度の各年度当初において、国定義の待機児童は解消されましたが、令和6年度においては、育児休業が明けるゼロ歳児と1歳児、女性の就労が増加している2歳児、地域型保育施設からの転園が発生する3歳児の保育ニーズの高まりによって、定員の不足が生じているところであり、令和6年4月1日時点で、国定義の待機児童が3歳児で9名発生したほか、特定園を希望するなどによる潜在的待機児童は113名、前年度比で27名増と増加の傾向を示しているところであります。
市と致しましては、共働きの増加により、当面は保育ニーズの高まりが続くものと認識しており、特に不足が生じている1歳児、2歳児、3歳児のさらなる定員増が必要であると考えております。
次に、さらなる保育園整備の考え方についてでありますが、現在策定中の第3期江別市子ども・子育て支援事業計画では、教育・保育施設の利用量の見込みを算出するに当たりましては、直近の人口動態や大規模な宅地造成等を踏まえた対象年齢児童の人口推計を基本に、近年の子育て世代の就業率の増も加味して、今後も増加が見込まれるものとして推計しているところであります。
その結果、現時点では、令和7年度から令和11年度の5年間で230名の定員増を計画しており、特に、1歳児は54名、2歳児は46名、3歳児は30名の定員増を見込んでおります。
今後、定員拡大に取り組むに当たりましては、将来的な人口減少についても十分考慮する必要があると認識しておりますことから、過剰な施設整備とならないよう、認定こども園の定員枠の見直しや幼稚園から認定こども園への移行など、既存の施設や人的資源を積極的に活用しながら、保育定員の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
岡 英彦君
それでは、再質問に入っていきたいと思います。
まず、件名1、労働力の確保についての江別市における労働力人口の特徴についてですが、市長からの御答弁でも、男性高齢者及び女性の労働力率が相対的に低いとありまして、特に高齢者の労働力率が低いというのは、先ほども申し上げましたけれども、これまであまり話題にならなかった視点かなというふうに思っているところでございます。
これはなぜなのかをいろいろな方に聞いてみたのですが、現時点でしっかりとしたデータというものはないのですけれども、肌感覚として、江別市の場合、公的な仕事に就いている公務員の方や学校の先生の割合が若干高いのではないかと。結果として65歳で定年退職されても、そこまで困っていないので働かず、割合としては低くなるのではないかと。これはデータがない中で、いろいろな話を聞いた中で言っていることなので、今後、そういうところも確認していかなければいけないかと思うのですけれども、そのようなことが特徴として挙げられるのではないかというふうに思っております。
それを踏まえた上で、項目2の労働力に関する目標設定についてですけれども、目標値を設定することはなじまないと考えているとのことですが、指標については注視していく必要があると御答弁を頂きました。
総合計画や総合戦略では、必ずしも市の事業だけで成果が出るような指標だけとはしておりませんので、その辺についてはあえて質問とはしませんが、もう少し柔軟に考えて検討をしていただければと思います。
また、今後について、労働力の確保に向けた取組を進めてまいりたいとの御答弁がございましたが、今回は新たな視点ということで、今後は、高齢者に向けた取組というものを頭に入れて検討する必要があるのではないかと考えるところですけれども、その点についてのお考えを伺います。
経済部長(石田賢治君)
再質問に御答弁を申し上げます。
高齢者に向けた取組についてでありますが、市では、高齢者の就労に関して、江別市シルバー人材センターの活動を支援しているほか、先ほど御答弁を申し上げましたとおり、江別まちなか仕事プラザにおいて、女性や高齢者をはじめとする求職者等に就労支援を実施しており、これまでも高齢者の地元雇用につなげてきたところであります。
市と致しましては、今後も高齢化が進展する中、高齢者の就労は、市内企業の人材不足の対応策の一つとして欠かせないものと認識しておりますことから、引き続き高齢者を含めた労働力の確保に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
岡 英彦君
現在策定している第3期江別市総合戦略でも、高齢者に関する記述が若干入っているところでございますし、また、国の経済対策や来年度予算等では、地方創生交付金のようなものの拡充というのも考えられると思いますので、私もアイデアを出したいと思います。この点についても、実際の取組ということで、今後、御検討をお願いできればと思います。
次に、保育園の整備、待機児童の実態把握についてでございますけれども、本年4月1日時点で、国定義の待機児童が9名、潜在的待機児童が113名発生しており、増加傾向という答弁がございました。
ゼロ歳児の方でも、年度替わりの4月1日であれば入園しやすいことはあるのですけれども、子供は4月1日に一斉に満1歳になるわけではございませんので、先ほど申し上げたとおり、年度途中で満1歳になって申込みしても、ゼロ歳児の枠には空きがなく入れないというケースも出てきているところでございます。
市長にお伺いしたいのですけれども、これまで保育園の定員拡大を図ってきたのは十分理解しています。非常に頑張ってきたと思います。ただ、希望する保育園はゼロ歳児に空きがなくて入れませんが、市の外れのほうの保育園は枠が空いていますと言われても、現実問題としては入れないわけなのです。
江別市のような都市部だと、待機児童の話というのは10年とか二十数年、ずっとやってきている話でございまして、定員が増えたといっても、目の前の困っているお一人にとっては、入れないことには変わりないのです。市長は、その方に何と声をかけるのですかというのをお伺いしたいのです。幾ら頑張って拡大していますといっても、目の前のお一人にとっては、入れない現実は変わらないわけなのです。市長はどう考えるのか、お伺いをします。
市長(後藤好人君)
再質問に御答弁を申し上げます。
待機児童となっている方の保護者に対する私の思いということでございますが、先日、私自身も、企業の総務を担当している方とお話をしました。
そのときに、従業員の方が子供を産んで、育休が終わって復帰したいのだけれども預けるところがない、これは企業としても大変損失になっているというお話を頂きました。この方は女性の方だったのですけれども、自分も子供を預けるときに預けられないという思いをされたという話を聴きました。
やはり基本的には、いろいろな理由や必要性があって、皆さん子供を預けるということがあると思います。そこのところについては、私ども行政としては、きちんと受け止めなければならないと思っておりますし、待機をしなければならない現状があるということは、やはり大変申し訳ないなという気持ちも持っています。今そういったことがあって、岡議員がおっしゃるように、保育園の定員を増やしてきたことも事実でございます。
ただ、必要な分は増やさなければならないのですけれども、今、施設をあまりにも拡大し過ぎると、過剰になってくる状況が出てくる可能性もあると思っております。現在、少子化がどんどん進んでいくことが想定されておりますので、その辺は需要と供給のバランスをきちんと見ながら考えていかなければならない、行政を預かる者としては、そういったバランスを取っていかなければならないと考えております。
岡 英彦君
お話としては伺いました。後段の行政としての話を幾らされても、それは目の前の方には届かないことがございますので、ぜひ実際の市民の方の声を聴いていただきたいと思います。
そして、質問にはしませんけれども、市として、待機児童の個々の状況をどこまで把握しているのか、懸念しているところがございます。といいますのも、一昔前と比べますと、先ほど来申し上げているとおり、市全体の保育園や認定こども園の数、そこに通われる子供の数、そして、新しい制度になって市から園への給付事業など、行政側の仕事量はものすごく増えているのです。
一方、担当の部署にそこまで人員が配置されているかというと、なかなか難しいところもあるということで、利用者や潜在的利用者の声をどこまで聴けているのかというのは、懸念しているところでございます。先ほど市長からは、申し訳ないというお言葉を頂きましたので、そういう声を聴く体制を行政全体でつくっていただければというふうに思うところでございます。
その上で、さらなる保育園の整備の考え方についてですけれども、来年度からの第3期江別市子ども・子育て支援事業計画で整備が控えられることを危惧していたのですが、私がこれまで一般質問で提言してきた人口に対する割合みたいなところを考慮いただいた上で、今後の需要を見込み、引き続き整備を行う方針を示していただいたものと理解いたしました。
問題は、今後の子供の数の推移と、先ほど来申し上げているような女性の就業率の上昇による需要の増加でございます。
子供の数については、今後の宅地造成による子育て世代の転入増、人口動態が非常に読みにくいことは私も理解しております。ただ、子供の数を維持する、減らさないようにするというのは、江別市にとって最も重要なポイントだと以前から考えておりますので、様々な政策を総動員して、子供の数を減らさないという努力が必要であると思います。
新たな第3期江別市子ども・子育て支援事業計画の令和11年の段階では、1歳児、2歳児の人口に対する保育園の利用率は65%と見込まれているようですけれども、これは女性の就業率が全国比率で非常に高いと言われる福井県の水準だと、令和元年の水準に届かないぐらいのレベルですので、まだまだ需要が増える可能性があることは常に頭に入れておかなければいけないと考えます。
子ども・子育て支援事業計画は5年計画で、中間年で見直されるものですけれども、今後の需要の動向によって、機動的かつ積極的に供給を上振れする方向で見直しする必要もあると思いますが、どのように考えるか、お伺いを致します。
子ども家庭部長(金子武史君)
再質問に御答弁を申し上げます。
計画の見直しについての御質問でありますが、子ども・子育て支援事業計画で予定している認定こども園の定員枠の見直しや幼稚園の認定こども園への移行などの定員確保方策につきましては、今後の人口動態や保育ニーズの動向を適切に把握した上で、各施設とも協議しながら、必要な定員を確保できるよう適時見直しを検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
岡 英彦君
来年度から新計画がスタートということになりますので、その進捗については委員会等でチェックしていきたいと思います。御答弁いただいたように、適時の見直しということも御考慮いただいた上で、柔軟に対応を頂ければというふうに思います。
以上で、私の質問を終わります。
議長(島田泰美君)
以上をもって、岡議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
稲守耕司議員のカスタマーハラスメント対策についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。
稲守耕司君
議長より発言の許可を頂きましたので、早速質問に入らせていただきます。
今回、カスタマーハラスメントについて質問させていただきますけれども、まず、カスタマーハラスメントについて調べましたが、2010年頃から広く取り上げられるようになりまして、2020年、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の改正によって、民間企業においては、職場におけるパワーハラスメント対策が義務化されるということになりました。
そして、パワーハラスメント対策の一環ではありますが、顧客等からの著しい迷惑行為に対して相談に応じ、適切に対応するために必要な体制整備などが挙げられています。そして、2022年には、厚生労働省においてカスタマーハラスメント対策企業マニュアルが作成され、カスタマーハラスメント対策は急務であり、マニュアルの活用と対策を進めることが求められています。
こうした動きの中で、先日の報道にもありましたが、北海道議会では、北海道カスタマーハラスメント防止条例が可決され、民間におけるカスタマーハラスメント対策は進んでいると感じているところです。しかし、その実効においては、罰則規定のない理念条例のため実効性の確保が今後の課題であるなど、簡単には進まない現状もあると感じております。
ここまで話したように、民間では、カスタマーハラスメント対策として、ハラスメント全体を含んだ中で対応を行っていることが分かると思います。今回の質問では、民間の対策を参考にしながら、自治体としてどのようなカスタマーハラスメント対策を行っているのか、もしくは行っていこうとしているのか、お聞きしていきたいと思います。
項目1のカスタマーハラスメントに対する認識についてですけれども、ここまでカスタマーハラスメント対策について話してきましたが、カスタマーハラスメントについて、市としてどのように認識しているのか伺います。
次に、項目2の現在の取組についてですけれども、自治体における対策として、北海道議会の報道が出る前に、札幌市のカスタマーハラスメント対策についての報道がありました。
札幌市では、札幌市職員カスタマーハラスメント対策基本方針を策定し、職員を守るとともに、行政サービスの低下を招かないよう、適正に提供するため、毅然とした態度で組織一丸となって対応するとして、カスタマーハラスメントを、行政サービスの利用者等からのクレーム・言動のうち、要求内容の妥当性に照らして、要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、職員の勤務環境が害されるものとして定義し、カスタマーハラスメントに該当する行為として、要求の内容が妥当性を欠く場合、要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な言動を挙げています。
そして、カスタマーハラスメントへの対応については、要望や意見には丁寧に説明するなど適切な対応に努め、カスタマーハラスメントが起こった際の職員を守る対応として、複数の職員で対応、当該職員の相談に応じるなど組織的な対応を行い、状況によっては警告やその対応を注視するなどのほか、悪質と判断される場合には警察へ通報する、弁護士に相談するなど、法的に対応しますとあります。民間で行われている対策を基につくられているとは思いますけれども、江別市として、現在、このカスタマーハラスメントの対策として、どのような取組が行われているのかをお聞かせいただきたいです。
次に、項目3の今後の取組についてですけれども、現在は、カスタマーハラスメント対策が、民間はもちろんのこと自治体でも取組が進んでいます。各部署によって対応する案件は様々ではあると思いますけれども、統一されたカスタマーハラスメント対策があることで、市民サービスを適正に提供することが可能であり、江別市としてカスタマーハラスメントへの対策を考える必要があると考えますが、今後の取組についてお考えをお聞かせいただきたいです。
これで、1回目の質問を終わります。
議長(島田泰美君)
稲守議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(後藤好人君)
稲守議員の一般質問にお答え申し上げます。
カスタマーハラスメント対策について御答弁を申し上げます。
まず、カスタマーハラスメントに対する認識についてでありますが、厚生労働省が作成したカスタマーハラスメント対策企業マニュアルにおいて、カスタマーハラスメントとは、顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるものと定義されています。
全日本自治団体労働組合が令和2年10月に全国の組合員に行った調査によりますと、過去3年間にカスタマーハラスメントを受けた組合員の割合はおよそ半数の46%となり、受けた行為では、暴言や説教が最も多く、次いで、長時間に及ぶクレームや居座り、複数回に及ぶクレームとなっています。
また、カスタマーハラスメントを受けたことによる組合員への影響では、およそ4人に3人の割合で心身に影響があったと回答し、出勤が憂鬱になった、仕事に集中できなくなった、眠れなくなった、休職しようと思ったなどとなっております。
こうしたことから、市と致しましては、カスタマーハラスメントにつきまして、職員の仕事に対するモチベーションや業務能力を低下させ、ストレスによる深刻な健康障がいを引き起こしかねないものと認識しております。
次に、現在の取組についてでありますが、市では、不当要求行為や暴力的行為に対する組織的な対応を行うため、江別市不当クレーマー対応指針に基づき、不当クレーマーに対するリスク管理の方法を全庁で共通化して対応してきました。
また、この指針の実効性を高めるため、窓口対応職員等を対象としたクレーム対応研修において、不当な要求や過度な要求等に対する実践的な対応方法を習得する研修を実施してきたほか、職員に被害が及ぶおそれがあったときには、警察への協力を依頼するなど、連携して対応してきたところであります。
さらに、今年度の取組として、カスタマーハラスメントに該当する行為を例示した啓発ポスターを本庁舎に掲示することで、カスタマーハラスメントの発生抑止に取り組んできたところであります。
次に、今後の取組についてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、カスタマーハラスメントは、職員の仕事に対するモチベーションや業務能率を低下させ、ストレスによる深刻な健康障害を引き起こしかねないものと認識しておりますことから、組織的な対応が重要であるものと考えております。
市では、今年度の取組として、管理職員等を対象としたハラスメント研修のカリキュラムに、カスタマーハラスメントへの対応を含めて実施するほか、職員のプライバシー保護を目的に、職員のネームプレートについて、フルネーム表記から名字のみの表記へと変更を予定しております。
議員が御質問の統一されたカスタマーハラスメント対策につきましては、カスタマーハラスメントの判断基準を明確化し、対応を統一化することで、職員の心理的安全性を高め、働きやすい職場環境につながるものと認識しております。
市と致しましては、カスタマーハラスメント対策の統一的な取扱いの策定に向け、先進自治体の取組を情報収集するなど、検討を進めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上であります。
稲守耕司君
カスタマーハラスメントに対する認識につきましては、全日本自治団体労働組合が行った調査といったものを出していただきまして、今回の質問に当たり、私も確認しておりましたけれども、市としても、カスタマーハラスメントへの認識については進んでいることが確認できました。
次に、今後の取組について再質問させていただきます。
現在の取組について、答弁の中で、江別市不当クレーマー対応指針に基づき、不当クレーマーに対するリスク管理の方法を全庁で共通化して対応してきましたとありました。これまでもこの指針に基づいて対応が行われたということですけれども、今後、カスタマーハラスメント対策の実効性を高めるに際して、職員の心理的な安全性には、カスタマーハラスメントが起こった際に対応を一人任せにしないなども重要だと考えますが、今後のカスタマーハラスメント対策に取り組むに当たっては、そのように職員を孤立させない対応もあるという認識でよろしいのか、お考えをお聞きします。
総務部長(白崎敬浩君)
私から、カスタマーハラスメント対策についての再質問に御答弁を申し上げます。
今後の取組についてでありますが、江別市不当クレーマー対応指針におきまして、不当クレーマーへの対応については、1人ではなく、必ず2人以上で対応することや、対応状況を上司に報告し、上司の指示等に基づき対応することなど、具体的な対応方法が定められておりまして、組織として取り組んできたところであります。
市と致しましては、先ほど市長から御答弁を申し上げましたとおり、引き続き職員が孤立することのないよう取り組んでまいりたいと考えております。
稲守耕司君
最後に要望とさせていただきますが、カスタマーハラスメント対策の今後の取組について答弁がありました。嫌がらせについて、どこからが嫌がらせなのかの判断には、どこの先進自治体も苦慮しておりますけれども、先進自治体の取組状況などの情報を参考にしながら、行政サービスの低下を招かないよう対策を行うことを要望して、質問を終わります。
議長(島田泰美君)
以上をもって、稲守議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午前11時49分 休憩
午後 1時00分 再開
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副議長(内山祥弘君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
芳賀理己議員の江別の歴史と文化を知り後世へ継承することについての質問を許します。一問一答方式、通告時間30分。
芳賀理己君
ただいま議長に発言の許可を頂きましたので、通告に従いまして、順次、質問させていただきます。
件名1、江別の歴史と文化を知り後世へ継承することについて、項目1は、縄文文化による観光振興についてです。
江別文化は、現在の北海道電力株式会社総合研究所が建つ場所にあった坊主山遺跡を標識とする文化であり、2世紀から3世紀に石狩低地帯で成立し、5世紀頃には、全道一円から東北地方まで影響を与えたと考えられています。
遺跡発掘の歴史として、江別神社のある萩ヶ岡遺跡では約25万点の縄文土器、高砂遺跡では住居や墓跡、上江別では狩猟遺跡である落とし穴、江別太遺跡ではサケなどの漁の様子が分かるものなどが、多数発掘されております。
そのほかにも、町村農場、元江別、対雁、元野幌、東西野幌、大麻、文京台でも多くの遺跡があり、子供の足形がついた土器も発見されております。ほかにも、日本最北端の古墳群として国の史跡に指定されている江別古墳群、別名後藤遺跡があります。
昨今は、縄文文化に触れることを求めて、北海道から南下して旅をしていく方がおり、ツアーというよりは、自由に散策しながら遺跡や古代文化の見学などをしているそうです。インターネットで北海道縄文文化の旅と検索してみると、2021年に世界文化遺産に登録された千歳市から函館市までの幾つかのモデルコースが表示されていましたが、残念ながら江別市は出てきませんでした。
さきに述べたように、縄文文化としては由緒あると言っても過言ではないようなすばらしい文化が息づいているにもかかわらず、縄文文化に好意を持っている方々の目に触れないのは、とても残念なことではないでしょうか。せっかくの縄文文化というキーワードに、江別市がヒットするようなアピールができたとしたら、観光として訪れる方が増え、レンタサイクルEBE-CLEで市内を周遊することにもつながり、経済効果も高まると思われます。
以上のことを踏まえて、縄文文化による観光振興についてどのような御見解をお持ちか、お伺いいたします。
2項目めは、市内遺跡や出土品の管理と郷土資料館の有効活用についてです。
市内各地の遺跡で発掘された土器や装飾品など出土品の多くは、現在は旧角山小学校の文化財整理室に保管され、収蔵品として管理されていると伺っております。また、市内で発掘調査を実施したところの多くは住宅街や道路になっていますが、地形の特徴や名残を観察することができると言われています。
1項目めにも述べました古墳群については、令和4年第2回定例会で公明党の裏議員が江別古墳群の整備と活用について質問されておりました。御答弁では、古墳の形状がより見やすくなるよう、草刈りの手法を見直すことや説明板の更新など、景観の改善に努めてまいりたいと考えておりますとのことでした。その後の管理状況についてはいかがでしょうか。
そして、我がまちの歴史を学び、体験することのできる郷土資料館は、様々な展示品が並べられ、古代からの文化や歴史に触れることのできる貴重な施設です。建物はれんが造りで、江別市が象徴される外観です。
展示品としては、第二次世界大戦中に王子航空機株式会社江別製作所、現在の王子エフテックス株式会社江別工場で造られた木製戦闘機キ-106の貴重な部品の展示から屯田兵の開拓史、外輪船上川丸、ヤツメウナギ漁、土地改良と農業の歴史、2004年に北海道遺産として登録され、本年、炭鉄港の構成文化財として加わった江別のれんがをはじめとする焼き物、また、土器などが多数展示されております。
郷土資料館は市内の小学生などが社会科見学や体験学習で訪れている場所でもあります。自身も見学させていただき、市民からの声も合わせて、気づいた点を羅列させていただきます。
剥製が隅のほうにあり展示されていないこと、時代の流れが分かりにくく現在を表現する展示がないこと、幼児や低学年には表示や内容が難しいこと、パンフレットなどがそのままラミネートされていることで文字が小さく読みにくいこと、空間展示がされていないこと、土器がたくさんあってもなかなか区別がつきにくいこと、おしゃれな間接照明ではありますが薄暗さを感じること、ロビーが閑散としていることなどです。
公共施設として多くの人に利用していただくことを考えますと、時代に即したあと一歩の工夫や、展示方法やシステムの改善など、考えられることはないでしょうか。
他の市町村では、展示物の横にある二次元バーコードを読み込むことで、リアルな映像を見ることができる、また、バーチャル映像で、あたかもその時代の主人公になれるような体験ができる施設も一般的になっているように思われます。
さらには、他の公共施設につながるような表示をすることにより、郷土資料館で時代の流れに沿った歴史と文化を知りながら、多くの収蔵物をゆっくりと見学したい方は旧角山小学校の文化財整理室へ、れんがの歴史を深めたい方はセラミックアートセンターまたは市内のれんが工場へ、漫画や映画の主人公や上川丸に興味を持つ方は江別河川防災ステーションへ、日本最北の古墳群を見学したい方は後藤遺跡へと、観光の輪が広がります。
このようにつながりを持つことで、江別市をもっと好きになっていただくことができるのではないかと思われます。どの年代でも、誰もが楽しんで、何回でも訪れたいと思う環境にするために、近隣の小学校の児童の皆さんや一般社団法人えべつ観光協会の方々の御協力を得ること、観光特使の方々にプロデュースを頂くことなども可能なのではないでしょうか。
以上を述べさせていただき、市内遺跡や出土品の管理と郷土資料館の有効活用についての御見解をお伺いいたします。
3項目めは、子供たちの自己肯定感を育むことについてです。
この世に生まれ育つ過程では、親、家族、先生、社会と、多くの関わりによって学んでいくものと思います。幼児教育や義務教育等のカリキュラムでは、大人になるための様々な学習を重ねていくことになります。
昨今は、学校に行けない子供が増え、多様性の承認と言われるように、時代の変化を思わずにはいられません。しかし、学校に行くことだけが大切なのではなく、心身ともに健康に生活することが何よりも大切だと感じております。
歴史を知ることで、そこに生きた人物のことが分かります。往々にして、歴史上に描かれている人物は偉大な人であり、その人生をまねすることなどできないと思うことでしょう。そうすると、どう生きればいいのかという問いに改めて直面することになり、これを考えるときに力になるのが、古典や歴史といった教養と言われています。
多くの人々の人生や歴史的な出来事を知ることで、自分の置かれている状況が客観的に分かるようになるそうです。歴史を学ぶことで、自己肯定感を育むことができて、勇気が湧いてくるとしたら、子供たちみんなが生き生きと前を向いて歩むことができるのではないでしょうか。
そこで、江別の子供たちは、どのようにこの地の歴史を学んでいく環境があるのでしょうか。江別っ子なら誰でも知っているわたしたちの江別という副読本があります。これは小学校3・4年生で使用するものとなっていますが、そのほかの年代では各学校長にお任せしているとのことです。
江別市に生まれ育つ環境の中で、就学前から江別の歴史に触れ、学校でも段階的に深めていけるとしたら、学校に行くとか行かないとかではなく、自信を持って元気に育つことができます。その教材として、2項目めでお伝えしたような、誰もがいつでも楽しく学び、年代に応じて学び方が選べるような郷土資料館があることは、とても貴重なことと思われます。
また、江別の歴史・文化を語り継いでいる多くの市民が存在していることから、そのような方たちに御協力を頂くようなイベントの開催も効果的と思われます。子供が学び、家庭で話題になることで、親御さんも学ぶ機会となり、そのようなサイクルで大切な歴史が言い伝えられていくことの役割も生まれてきます。
以上のことから、子供たちがこのまちの歴史を知り、自己肯定感を育むことについてどのようなお考えか、お伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。
副議長(内山祥弘君)
芳賀議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(後藤好人君)
芳賀議員の一般質問にお答え申し上げます。
私からは、江別の歴史と文化を知り後世へ継承することについてのうち、縄文文化による観光振興について御答弁を申し上げます。
まず、縄文文化は、縄文土器が使用されていた時代の文化であり、市内には、土器や土偶など縄文時代の歴史を伝える資料が多く存在します。
第2次江別市観光振興計画では、歴史的コンテンツのPRと活用を図っていくとしており、これまでも郷土資料館による史跡ツアーなどを行ってきたほか、今年度は、一般社団法人えべつ観光協会主催の観光セミナーにおきまして、縄文太鼓の演奏なども行ったところであります。
また、11月にリニューアルオープンした江別アンテナショップGET’Sには、まちの案内役として観光ボランティアガイドを起用しており、観光案内の際に歴史や縄文文化についても紹介するなど、様々な取組を行うこととしております。
市と致しましては、市内に存在する縄文文化の歴史を伝える資料は貴重な観光資源の一つと捉えておりますことから、今後におきましても、これらの観光資源を有効に活用し、観光誘客につなげてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの御質問につきましては、教育部長ほかをもってお答え申し上げます。
教育部長(佐藤 学君)
私から、江別の歴史と文化を知り後世へ継承することについての御質問のうち、市内遺跡や出土品の管理と郷土資料館の有効活用について御答弁を申し上げます。
郷土資料館では、市民の生涯学習の振興や学術・文化の発展を目的として、歴史、自然、産業、文化等に関する資料を収集し、江別の歴史を伝える上で特徴的な先史時代の土器や石器等の考古資料、明治期の開拓資料、大正・昭和期の民具など、テーマごとに分けて常設展示をしております。
そのほかにも、文化財整理室には2万点を超える資料を収蔵しており、そうした資料については、今月から開催する昔の衣類展など、テーマに特化した企画展で活用しているほか、市内史跡を巡るバスツアーの見学先に文化財整理室を新たに加えるなど、多くの市民に見ていただけるよう努めてきたところであり、令和5年度には年間4,000人を超える方々に御利用いただいております。
教育委員会と致しましては、郷土資料館や史跡を訪れていただく方々に、江別の歴史や文化をより分かりやすく魅力的に伝えていく必要があると認識しており、令和5年度には、常設展の説明表示を一部リニューアルしたほか、御質問の江別古墳群につきましては、説明板等の更新や草刈りの実施時期を見直すなど、環境整備に努めてきております。
今後におきましては、映像や二次元バーコード等を活用した展示内容のさらなる充実について検討するとともに、多くの方々に郷土資料館を有効に活用いただけるよう、一般社団法人えべつ観光協会など関係団体の協力を得ながら、対外的なPRについても研究してまいりたいと考えております。
以上であります。
教育長(黒川淳司君)
私から、江別の歴史と文化を知り後世へ継承することについての御質問のうち、子供たちの自己肯定感を育むことについて御答弁を申し上げます。
市内小学校では、総合的な学習の時間を利用した郷土資料館の施設見学のほか、大昔の生活、屯田兵の歴史をテーマとした出前授業等を通して、児童が江別の歴史を学ぶ機会の確保に努めております。
また、郷土資料館では、学芸員の仕事を経験しながら江別の歴史を学ぶ子ども学芸員カレッジや粘土で土器を製作する縄文土器を作ろうなど、子供たちが歴史を体験する機会を提供しているところです。
こうした取組により、年間2,000人を超える児童が郷土資料館で学んでおり、授業に参加した児童や保護者へのアンケートでは、地元江別の歴史に興味を持った子供たちの楽しそうな様子などが伝わる感想が寄せられているところです。
教育委員会と致しましては、子供たちが地元の歴史を学ぶことは、ふるさと愛の醸成につながるものと考えており、引き続き関係機関や団体の協力を頂く中で、子供たちが江別の歴史を分かりやすく学べる機会の提供に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
芳賀理己君
それでは、順次、再質問させていただきます。
項目1の縄文文化による観光振興について、それぞれ分かりやすいように分けて質問させていただきます。
1つ目として、11月にリニューアルされた江別アンテナショップGET’Sのボランティアガイドは、市内にある様々な観光資源の活用について、どのような御案内をされているのか、お尋ねいたします。
経済部長(石田賢治君)
再質問に御答弁を申し上げます。
観光ボランティアガイドによる観光案内についてでありますが、江別アンテナショップGET’Sでは、11月のリニューアルオープン以降、観光ボランティアガイドが常駐しており、特に利用者の多い土日は増員配置するなど、利用者に随時対応できるよう体制を整えております。
ボランティアガイドは、周遊観光を促すために、縄文文化を学ぶことができる施設を含めた市内観光地等を紹介するとともに、訪問先の内容や現地までの交通アクセスなどの情報を提供するほか、事前に予約いただいた上で現地にてガイドするなど、利用者の要望に応じてきめ細かく対応しているところであります。
以上であります。
芳賀理己君
いつもいてくださるということで、皆さん、観光地についてよく理解して見学できるのではないかと思いました。引き続き、御対応をよろしくお願いいたします。
次に、縄文文化に興味があり縄文文化を求めて旅をする方々に、まずは江別市に貴重な観光資源があることを知っていただくこと、さらに、知った上で選んでいただくという観光誘客方法についてどのようにお考えか、お聞かせください。
経済部長(石田賢治君)
再質問に御答弁を申し上げます。
縄文文化に興味のある方への観光誘客の方法についてでありますが、市ではこれまでも、パンフレット、ガイドマップ、ホームページ等において市に所在する縄文時代の歴史を伝える資料を掲載しているほか、一般社団法人えべつ観光協会では、江別の歴史を知るモデルコースとして、郷土資料館等の施設を組み込んだコースを紹介するなど、様々な方法で周知に努めております。
市と致しましては、第2次江別市観光振興計画において、歴史的コンテンツのPRと活用を図るとしていることから、縄文文化に興味のある方への効果的な周知の方法について、関係機関と連携しながら検討してまいります。
以上であります。
芳賀理己君
縄文文化のPRについては、時期を逃すことなく江別市を選んでいただけるような情報提供、インターネット検索をすれば、江別市のどこに縄文文化の見どころがあるのかなど、江別市に入らなくても分かるような形が一番望ましいのではないかと思いますし、そのような形にすればもっと皆さんに来ていただけるのではないかと思っていますので、積極的な対応をしていただけるよう要望いたします。
続きまして、項目2の市内遺跡や出土品の管理と郷土資料館の有効活用について再質問させていただきます。
1つ目として、江別の歴史や文化をより分かりやすく魅力的に伝えていくための郷土資料館の展示方法については、御答弁いただいたように、映像やQRコード活用を御検討いただくということで承知いたしました。
ただし、それには少し時間がかかるのかなというふうに思いますので、ほかに市民から要望のあった照明の改善など、すぐにできることはいろいろあると思いますが、その点はいかがでしょうか。
教育部長(佐藤 学君)
再質問に御答弁を申し上げます。
照明の改善など要望等に対応することについてでありますが、教育委員会と致しましては、今年度から館内で実施している利用者アンケートの御意見も参考にしながら、議員が御指摘の照明などの効果的な展示環境の改善について検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
芳賀理己君
環境整備は、来場される方の印象をすごく左右するものであると思います。雰囲気がよいとか、また来たい、もっと見たいといった印象を持っていただいてリピーターを増やす。また、こういうことは口コミを広げていくことがすごく大切かなと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
次に、市内の小学校の児童の皆さんに、展示物の説明表示方法などについて御協力を頂くということについては、実施が可能なのかどうか、改めてお伺いしたいと思います。
教育部長(佐藤 学君)
再質問に御答弁を申し上げます。
児童の協力を得て説明表示を見直すことについてでありますが、教育委員会と致しましては、施設見学に来た子供たちや子ども学芸員カレッジに参加する児童の意見を参考に、子供たちにも親しみやすい表示になるよう検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
芳賀理己君
子ども学芸員カレッジでは、学芸員と一緒に仕事を体験できるということで、すごく興味を持ったり次につながったりするのかなと思います。子供たちの発想やアイデアというのは無限であると思いますので、ぜひ子供たちの力を借りて、展示の工夫、表現の工夫などをしていただきたいと思っております。
次に、一般社団法人えべつ観光協会など関係団体の協力を得ながらPRについて研究をされるという御答弁を頂きましたけれども、先ほども述べたように、一般社団法人えべつ観光協会で設置している観光特使の役割を担っている方や団体がいます。
彼らの活動としては、市内観光のイメージアップにつながる紹介及び宣伝、観光や交流人口の拡大に寄与する情報の提供というふうになっております。この役割を活用させていただいて、環境整備に御協力いただくことについての御見解はいかがでしょうか。
教育部長(佐藤 学君)
再質問に御答弁を申し上げます。
観光特使の協力を得て環境整備を進めることについてでありますが、郷土資料館では、江別観光特使に任命されているえべつまちけんキッズ応援隊の皆さんに、SNSによる情報発信を頂いているほか、語り・ひとり芝居ぐるーぷうるうる亭の皆さんにも、演劇えべつにわかをロビーで上演いただくなど、郷土資料館のPRに協力いただいているところです。
教育委員会と致しましては、引き続き観光特使の協力を頂きながら、郷土資料館のPRに努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
芳賀理己君
観光特使はたくさんいらっしゃるわけですけれども、とても個性あふれて芸術的なセンスを兼ね備えている方々が多いと認識しております。江別市のために貢献したいと思っていることは間違いないと思いますので、思いをマッチングして、力を発揮していただけるよう調整していただくことを要望いたします。
次に、江別古墳群について、これまでの環境整備の詳細や観光ルートとしての活用の仕方から、どのような点で以前より見学しやすくなったのかというところを教えていただけますでしょうか。
教育部長(佐藤 学君)
再質問に御答弁を申し上げます。
江別古墳群の見学環境の改善点についてでありますが、江別古墳群は、毎年、市内史跡を巡るバスツアー参加者に御覧いただいているほか、北海道縄文のまち連絡会が実施するスタンプラリーに当市も参加しており、観光資源として活用されております。
教育委員会と致しましては、見学者がより近くに車を止められるよう、駐車場の場所と誘導案内板を変更したほか、説明板の更新や職員パトロールによる草刈りの適正な実施など、江別古墳群を訪れる方が見学しやすい環境の整備に努めているところであります。
以上であります。
芳賀理己君
駐車場の整備など、様々な御努力をされていることがよく分かりました。引き続き観光客が増えていくように、よろしくお願いしたいと思います。
次に、3項目めの子供たちの自己肯定感を育むことについての再質問をさせていただきます。
1回目の質問でも申し上げましたように、副読本であるわたしたちの江別は、小学3・4年生で学ぶようになっております。郷土資料館にはたくさんの子供たちが来ているというふうにおっしゃいましたけれども、郷土資料館の施設見学や出前授業、体験学習について、市内小・中学生の学年の内訳はどのようになっているか、教えていただけますでしょうか。
教育部長(佐藤 学君)
再質問に御答弁を申し上げます。
施設見学や出前授業等で郷土資料館を利用している児童の内訳についてでありますが、令和5年度の利用児童数は、小学1年生が26人、2年生が103人、3年生が1,506人、4年生が293人、5年生が33人、6年生が44人となっております。
以上であります。
芳賀理己君
やはり、副読本わたしたちの江別を学ぶ年代の小学3年生1,506人、4年生293人と、かなり多いことが分かります。
次の質問と関連するため、この数字を基にお聞きしたいのですけれども、教育委員会として、小学3・4年生以外の学年で、歴史・文化的な学びをどのようにしていくことが望ましいと考えているのか、お聞かせいただきたいです。
教育長(黒川淳司君)
再質問に御答弁を申し上げます。
小学3年生、4年生以外の学年への歴史・文化的な学びについてでありますが、小学校においては、学習指導要領に基づき、社会科等で地域の文化や歴史を学年に応じて学んでおります。
教育委員会と致しましては、学年を問わず、多くの児童に郷土資料館で学んでいただきたいと考えており、施設見学や出前授業の活用について校長会で案内をしているほか、入館無料券をつけた広報誌、子どもが輝くえべつの小中学校の全小・中学生への配付や企画展ポスターの各学校への掲示などを行っているところであります。
以上であります。
芳賀理己君
各学年で、様々な取組によって学ばれていることがよく分かりました。引き続き、継続した学習の機会を設けていただくよう要望いたします。
また、小学3・4年生の学習がきっかけで、次につながるという深まりもあろうかと思います。そのときに、郷土資料館にまた行ってみようなど、いろいろな学習の幅が広がっていくことが必要なのではないかと思っておりますけれども、先ほどの質問でも申しましたが、どの子も地元の歴史・文化を学ぶことができるという目的での郷土資料館の展示方法について、どのように評価されているのか、お聞かせ願います。
教育部長(佐藤 学君)
再質問に御答弁を申し上げます。
郷土資料館の展示方法の評価についてでありますが、常設展では、振り仮名付説明文の設置や展示物に関するクイズ、企画展では、土器のパズルや収蔵資料に触れることができるコーナーを設けるなど、子供の興味を引くための工夫を行ってきております。
教育委員会と致しましては、郷土資料館が子供たちの興味・関心を高められる施設となるよう、映像や二次元バーコード等を活用した展示内容の充実について検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
芳賀理己君
時代に即して、どの子も楽しく学べる環境を常に維持していただくよう期待申し上げます。
4つ目に、教育委員会では、子供たちが江別の歴史を学ぶことについて、ふるさと愛の醸成というふうに御答弁いただきましたけれども、それ以外に狙いや目的は設定されているのかどうか、お尋ねいたします。
教育長(黒川淳司君)
再質問に御答弁を申し上げます。
子供たちが江別の歴史を学ぶことの狙いや目的についてでありますが、教育委員会と致しましては、江別の歴史を学ぶことは、地域の特色や産業を知ることによるふるさと愛の醸成に加え、子供たちが好奇心や探究心を持ち、自ら調べる力や、それを整理し、まとめる力を育むことにもつながるものと考えております。
以上であります。
芳賀理己君
やはり、歴史・文化を知ることは、歴史上の人物に触れ、自分自身に置き換えて考える機会となるものです。偉大な功績や今につながる実績を知り、誇らしく思うのではないでしょうか。
歴史・文化を学び、わくわく楽しいと思える日々を過ごすことができるよう、この江別市では、子どもが主役のまちというふうに定めておりますので、学校、家庭、社会、みんなで支えていくようなまちづくりを期待いたしまして、質問を終了いたします。
副議長(内山祥弘君)
以上をもって、芳賀議員の一般質問を終結いたします。
◎ 散会宣告
副議長(内山祥弘君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 1時34分 散会