ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 江別市議会会議録 > 本 会 議 会 議 録 の 閲 覧 > 令和6年分の目次 > 令和6年第3回江別市議会定例会会議録(第3号)令和6年9月12日

令和6年第3回江別市議会定例会会議録(第3号)令和6年9月12日

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年1月27日更新

1  出席議員

24名

議長 島田 泰美 君 副議長 内山 祥弘 君 
議員 岩田 優太 君 議員 高橋 典子 君
議員 吉本 和子 君 議員 佐々木 聖子 君
議員 稲守 耕司 君 議員 吉田 美幸 君
議員 干場 芳子 君 議員 長田 旭輝 君
議員 三吉 芳枝 君 議員 奥野 妙子 君
議員 石川 麻美 君 議員 徳田 哲 君
議員 芳賀 理己 君 議員 野村 和宏 君
議員 藤城 正興 君 議員 本間 憲一 君
議員 鈴木 誠 君 議員 髙柳 理紗 君
議員 猪股 美香 君 議員 高間 専逸 君
議員 野村 尚志 君 議員 石田 武史 君

2 欠席議員

1名 

議員 岡 英彦 君 

3 説明のため出席した者の職氏名

市長 後藤 好人 君 副市長 川上 誠一 君
水道事業管理者 渡部 丈司 君 病院事業管理者 長谷部 直幸 君
総務部長 白崎 敬浩 君 企画政策部長 三上 真一郎 君
経済部長 石田 賢治 君 健康福祉部長 岩渕 淑仁 君
病院事務長 白石 陽一郎 君 総務部次長 東 嘉一 君
財務室長 柴田 佳典 君 教育委員会教育長 黒川 淳司 君

4 事務に従事した事務局員

事務局長 福島 和幸 君 次長兼
総務課長事務取扱
錦戸 康成 君
庶務係長 深見 亜優 君 議事係長 小川 和幸 君
主査 木村 明生 君 主任 櫛田 智幸 君
主任 赤田 竜哉 君 主任 横田 脩平 君
書記 阿部 八輝 君 事務補助員 佐藤 孝子 君

5 議事日程

日程第 1 会議録署名議員の指名
日程第 2 一般質問

発言者及び発言趣旨

長 田 旭 輝 君 (総括質問総括答弁方式)

1 認知症の人に寄り添った地域社会の構築に向けた取組について
  (1)認知症サポーター養成講座のさらなる展開について
  (2)認知症ケア技法ユマニチュードの普及について
2 耳が聞こえにくい方への対応について
  (1)耳が聞こえにくい方の早期発見について
  (2)補聴器の効果的な利用に関する情報発信について

猪 股 美 香 君 (一問一答方式)

1 財政運営について
  (1)金利上昇時代の財政運営について
  (2)公債費について
  (3)財政調整基金について
2 地域医療について
  (1)市長の基本的な考え方について
  (2)市に必要な地域医療の今後の見通しについて
  (3)市の医療提供体制における今後の見通しについて
  (4)地域医療における公立病院の役割について

野 村 和 宏 君 (一問一答方式)

1 行政に民間の経営手法を取り入れることについて
  (1)民間の経営感覚を行政運営に取り入れている先進自治体への評価について
  (2)行政運営に民間の経営感覚を取り入れる必要性について
  (3)窓口の縦割り対応に対する市民からの指摘について
  (4)市民意見などの情報共有について
  (5)仕事に対するモチベーションが高まる人事評価制度の見直しについて

石 田 武 史 君 (一問一答方式)

1 炭鉄港について
  (1)炭鉄港に対する認識について
  (2)これまでの取組について
  (3)今後の取組について

6 議事次第

◎ 開議宣告

議長(島田泰美君)

これより令和6年第3回江別市議会定例会第10日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は24名で定足数に達しております。

◎ 議事日程

議長(島田泰美君)

本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。

◎ 会議録署名議員の指名

議長(島田泰美君)

日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
岩田議員
吉田議員
を指名いたします。

◎ 一般質問

議長(島田泰美君)

日程第2 一般質問を順次行います。
長田旭輝議員の認知症の人に寄り添った地域社会の構築に向けた取組について外1件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。

長田旭輝君

議長に発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
件名1、認知症の人に寄り添った地域社会の構築に向けた取組についてお伺いいたします。
高齢化が進む昨今、国内の認知症の高齢者数は、65歳以上の人口がピークを迎える2040年には、認知症高齢者数が約584万人、軽度認知障がい(MCI)の高齢者数が約612万人に上ることが推測されております。5人に1人が認知症になると言われている中、認知症は日常生活を営む上で身近な存在であり、誰もが認知症になり得る可能性があることを認識していくことが必要です。
本年1月に共生社会の実現を推進するための認知症基本法が施行され、認知症の方のみならず、それを支える家族の意向や家族に対しての支援についても明記されました。認知症の人も家族も、安全に安心して暮らせる地域の構築への取組が必要であり、当事者を抱える家族を含め、地域全体で認知症への理解をさらに浸透していけるように取組を進めていくべきと考えます。
そして、認知症当事者に対しての支援はもちろん、その当事者の方の周りにいる人々が、認知症の方を一人の尊厳のある人として、共に支え合って生きる共生社会の実現を目指していくことが重要であります。
江別市としても、認知症の方やその家族等にとって身近な行政機関として、認知症施策を進め、各種講座や普及啓発を行ってきていると承知しております。
VRを活用した体験型の認知症講座や市民、地域、学校、市内の各種団体を対象とした認知症サポーター養成講座も行われており、6月に野幌公民館で行われた講座には、私もその場にいさせていただきましたが、多くの市民の方が参加され、認知症に対しての理解を深めておられました。
しかし、今後は高齢化が進む中、認知症の方と日常生活で接する機会もさらに増えていくことが予想されます。認知症の方が尊厳を持って、最後まで自分らしく暮らせる地域社会の構築のため、市民一人一人が自分ごととして、身近な問題として捉えることが重要です。
そこで、1点目として、先ほども触れましたけれども、認知症サポーター養成講座を地域や学校、市内の各種団体に対して行ってこられておりますが、今後、より多くの方に認知症に関する知識及び認知症の方に対する理解を深めるための取組を強化すべきと考えます。そのためにも、認知症サポーター養成講座のさらなる展開を行う必要があると考えますが、見解をお聞かせください。
2点目として、認知症ケア技法ユマニチュードの普及についてお伺いいたします。
冒頭でも申し上げましたが、認知症と軽度認知障がいの方を合わせて1,000万人を超える状況がございます。認知症の方とそれを支える家族や地域の方、支援する側が、安心して穏やかに暮らせる生活環境の構築が必要であります。
実際に記憶障がいや認知障がい等の生活に影響を受ける認知症状が起こる中で、医療現場、福祉施設、在宅を問わず、介護の現場では懸命に介護支援を行っても、認知症の方から拒否されたり、暴言を受けたりすることがあります。私も、前職の介護現場ではそのような場面に何度も遭遇したことがありました。
また、市民の方からの御相談でも、認知症の症状がある身内の方の介護の際に、介護拒否のときの対応や関わり方、声のかけ方などについて、うまくいかない、やり方が分からないといった様々な御相談も今日まで寄せられております。
一方で、その影響は認知症の方にも伝わり、それが不安やストレスにつながることもあります。支援を受ける側、支援する側双方が、そのようなストレスや不安から行動・心理症状(BPSD)を発症し、それまでの関係が損なわれてしまい、その後の双方の日常生活に影響を及ぼすことも少なくありません。認知症の人の尊厳ある暮らしを守る上で、一人でも多くの方が認知症の方に対する適切な接し方を身につけていくことは特に重要であると考えます。
そのための効果的な技法として現在注目されているのが、あなたを大事に思っているという気持ちを、見る、話す、触れる、立つの4つの柱で、相手が理解できるように届けるケア技法であるユマニチュードがあります。相手と話すときの目線、距離感、話し方、スキンシップ等の方法や留意点をはじめとして、関わる側の相手を大切にする思いを相手に伝わるように行う技法であります。
福岡県福岡市では、2016年度に、家族介護者や病院、介護施設の職員を対象としたユマニチュードの実証実験を実施しました。その結果、暴言や徘回などの症状が軽減し、介護者の負担感も低下するといった効果が見られたことから、2018年度に、市は、町ぐるみの認知症対策としてこの技法を導入し、ユマニチュードの市民講座などを本格的に展開しました。対象は、家族介護者や小・中学校の児童生徒のほか、市職員や救急隊員など多岐にわたります。
講座を受けた市民からは、もっと早く知っていればよかった、今後は、介護をする人たちに私たちが伝えたいとの声が寄せられたことを受け、こうした取組を継続的に実施しようと、本年4月から、福祉局の中にユマニチュード推進部を新たに設置しています。
国内の研究結果では、このユマニチュードを実践することにより、認知症の方の行動や心理症状が15%ほど改善され、ケアする側の負担感も20%軽減したとの有効性が確認されています。また、ユマニチュードに先駆的に取り組んでいるフランスの一部施設では、離職したり欠勤したりする職員が半減したほか、鎮痛剤といった向精神薬の使用量を9割近く減らしたという報告もあります。
このユマニチュードは、一般市民や医療、福祉専門職にかかわらず、相手の尊厳を尊重し、円滑な対人コミュニケーションを実現することで、より認知症に対しての実戦的な理解、必要な支援提供に結びついており、福岡県福岡市だけではなく、全国の市町村にも広がりを見せ始めております。
そこで、認知症の方の行動・心理症状(BPSD)の発症を抑制し、認知症の人と家族等の尊厳ある暮らしを守るために、市としてもユマニチュードの普及に積極的に取り組むべきと考えますが、見解をお聞かせください。
件名2、耳が聞こえにくい方への対応についてお伺いいたします。
WHO(世界保健機関)の報告によりますと、耳が聞こえにくい状態の方は、世界で約25億人、60歳以上の4人に1人が該当することになり、日本国内でも耳が聞こえにくい方は1,400万人から1,500万人に上るとも言われております。
聴覚は、日常生活を通して、対人コミュニケーション、必要な情報の獲得、危険回避など様々な役割を担っております。また、聴力を保つことにより、耳の聞こえにくい状態で起こるトラブルやストレスの予防による疾病予防、心身の安定、聴覚からの刺激は、認知症予防にも効果があると言われております。
一般社団法人日本補聴器工業会が2022年の8月から9月にかけて、1歳から95歳までのおよそ1万4,000人を対象にインターネットで実施した調査によりますと、難聴だと思っていると答えた人の割合は、45歳から54歳まででは5.5%、55歳から64歳までは8.9%、65歳から74歳までは14.9%、75歳以上では34.4%でした。このうち医療機関を受診した人の割合は38%でした。この結果を見ますと、耳の聞こえに不便を感じている方のうち、60%以上の方が医療機関を受診していないことが分かります。
聴力も、他の身体機能と同様に、加齢とともに徐々に機能は低下してまいります。しかし、それゆえに、気づけば日常生活に大きな影響が出ていることも少なくありません。また、聞こえづらさを感じても、そこから何をするべきか分からない、早期に医療機関を受診して適切なアドバイスを受けるまでに至らない方も実際におられます。
他の疾患も同様でありますが、早期発見と早めの対応は、介護予防、生活の質の維持には不可欠であります。そのため、聴力に対しても、自身の聞こえを確かめる機会をつくることが有効であると考えます。
江別市内でも、医療機関や補聴器を扱う業者などで、耳の聞こえづらさがある場合の受診や聴力検査などの必要性を啓発している機関もございます。
また、札幌市などでは、健康をテーマにした最寄りの地域イベントで、医療機関や補聴器の事業者の協力を得て聴力検査を行っている例もございます。
そこで、1点目として、今後、江別市としても、耳が聞こえにくい方を発見するために、啓発や市民が聴力を測定できる機会を設けてはどうかと考えますが、お考えをお聞かせください。
2点目として、補聴器の効果的な利用に関する情報発信についてお伺いいたします。
耳の聞こえにくい方にとって、それを補うための補聴器の利用は、聴力の維持に有効な方法の一つであります。
一般社団法人日本補聴器工業会が発表した日本国内補聴器出荷台数の推移を見ますと、1990年の年間30万1,178台だったものが、2023年は年間65万2,141台となり、過去最高の出荷台数となっており、補聴器を利用している方は増えております。
ただ、補聴器と一言で言っても、近年は、特に価格や形状、機能も多様化しております。価格も10万円を切るものから50万円を超えるもの、形状も、従来からある耳にかけるタイプの耳かけ型、耳の穴に直接入れて使用する耳穴型、ほかにも、耳たぶに隠れるように小型化しているものや耳への装着感を軽減したもの、骨伝導型などがあります。
機能も、用途に合わせて、相手の声だけを聞こえやすくするために、他の周辺の音を抑える機能を搭載したもの、音量や機能を自身で調整できるようにリモコンやスマートフォンと連動して操作できるもの、電源も、小型ボタン電池を使用するものから、最近では充電式のものも増えてきているとのことでありました。また、補聴器とは別に、シンプルに入ってくる音を大きくする集音器などもあり、実に様々であります。
しかし、実際に補聴器を扱う事業者の方からお話を伺うと、耳が聞こえにくくなり、生活にかなり影響が出てから補聴器を購入する方が多く、個人差にもよりますが、必然的に補聴器も高額なものになってしまう場合が多い。比較的軽度のうちから自分に合ったものを利用することで、価格を抑え、本来の聴力の維持にも効果があると伺いました。補聴器の利用者が増えていることは、市内各所で活動をしていると、個人的にも感じているところであります。
経済的な面では高額であり、その点についても今後支援の必要性を感じてはおりますが、日常生活を送る上で大きな助けとして活用している方もおられます。以前は、特に難聴の方が利用するというイメージが強かった補聴器ですが、今日は、介護予防、生活の維持の観点からも有効な方法であると考えます。
住み慣れた地域で安心して生活していけるように、適切な補聴器の利用について知ることができるように、例えば、直接補聴器に触れることができる機会をつくる、ほかにも、市民に広報誌や周知物で情報発信をするべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
以上で、1回目の質問を終わります。

議長(島田泰美君)

長田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(後藤好人君)

長田議員の一般質問に御答弁を申し上げます。
私からは、認知症の人に寄り添った地域社会の構築に向けた取組についてお答えを申し上げます。
初めに、認知症サポーター養成講座のさらなる展開についてでありますが、市では、平成18年から認知症サポーター養成講座を開催しており、これまで市が公民館などで開催する年2回の講座及び自治会や企業などに講師を派遣する出前型講座を受講していただいた方は、令和6年3月末現在で、延べ1万1,619人となっております。
認知症の症状があっても、住み慣れた地域で、自分らしく暮らし続けることができる社会を推進していくためには、多くの方に認知症に関する正しい知識と理解を深めていただき、一人一人が自分ごととして捉えていただくことが重要であると考えております。
市では、より多くの方に認知症について関心を持っていただくため、認知症講演会やVR機器を活用した認知症体験研修会、市内商業施設での認知症啓発イベントなどを継続して実施しているほか、9月の認知症月間に合わせ、広報えべつ9月号で認知症の特集記事を組んだところでございます。
議員が御質問の認知症サポーター養成講座のさらなる展開につきましては、市ホームページや広報えべつにより周知を行っておりますほか、出前型講座に関しましては、通いの場や市内の教育施設、金融機関や一般企業等を訪問し、開催を呼びかけるなどして拡大に努めております。
市と致しましては、これらの様々な取組を継続することで、多くの方に認知症への関心を持っていただくことにより、認知症サポーター養成講座の参加者増加につなげていきたいと考えております。
次に、認知症ケア技法ユマニチュードの普及についてでありますが、ユマニチュードは、フランスで発祥した、認知症の人とのコミュニケーションをスムーズにする具体的な技術とそれを行う理由についての哲学から成るケア技法であり、見る、話す、触れる、立つという4つの柱を基本としたコミュニケーションケア技法の一つであります。
日本では、2012年に初めて実践され、その後、2019年7月に一般社団法人日本ユマニチュード学会が設立されており、自治体におけるユマニチュード普及の取組としては、2017年から福岡県福岡市が積極的な取組を行っていると承知しております。
市では、認知症の人に寄り添った地域社会の構築に向けて、広く市民に認知症について正しい知識と理解を普及するため、認知症サポーター養成講座や9月の認知症月間における周知・啓発イベント、認知症講演会などに取り組んでいるところであります。
認知症の人と関わる際の接し方については、認知症サポーター養成講座において、基本姿勢や具体的な対応など、認知症の人とのコミュニケーション方法を講座のメニューとして実施しております。
議員が御質問のユマニチュードの普及につきましては、現時点では福岡県福岡市以外の自治体の情報が少ないことから、今後、全国的な取組の状況を注視するなど、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長からお答え申し上げます。

健康福祉部長(岩渕淑仁君)

私から、耳が聞こえにくい方への対応について御答弁を申し上げます。
まず、耳が聞こえにくい方の早期発見についてでありますが、国では、難聴は生活の質の低下や認知機能の悪化に影響を与えるため、早期発見が重要であるとの見解を示しております。
難聴には、中耳炎や騒音、ウイルス、脳腫瘍など明確な原因があるものと、加齢以外に原因のない加齢性難聴があり、原因のあるものの一部は薬や手術で改善する可能性があるため、早期発見は重要です。
市では、早期発見の取組として、新生児に対する聴覚スクリーニング検査、乳幼児健診での聞こえの確認、就学時健診、小・中学校での聴力検査を通して、難聴児の早期発見、早期療育に努めているところです。職域では、職場での定期健康診断で聴力検査が項目として定められております。
難聴を早期に発見し、治療や補聴器の利用など適切な対応をすることは、生活の質の低下を防ぎ、社会参加の維持や介護予防につながる効果があると認識しております。
こうしたことから、市と致しましては、耳の聞こえにくい方を早期に発見するため、現在の取組に合わせ、広報誌等で難聴について周知啓発をしてまいります。
次に、補聴器の効果的な利用に関する情報発信についてでありますが、耳の聞こえにくい方の補聴器の利用は、医師の診断の下で適切に利用される場合、日常生活での聞こえづらさを補い、コミュニケーションが円滑に図られるための有効な手段であると認識しております。
一方で、耳の聞こえにくさがある場合、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、治療により改善する可能性もあることから、早期に専門医を受診すること、補聴器などの適切な対応や難聴に対する正しい知識を持つことが重要です。
市と致しましては、幅広い年代に向け、聞こえについての正しい知識の啓発に努めてまいります。
以上であります。

長田旭輝君

ここから、順次、再質問と要望をさせていただきます。
件名1、項目1、認知症サポーター養成講座のさらなる展開については、御答弁からある程度理解を致しました。今後、さらなる実施拡大に努めていただくことを要望させていただきます。
件名1、項目2、認知症ケア技法ユマニチュードの普及について要望させていただきます。
市としての認知症に対する取組とユマニチュードについての御認識は理解いたしました。
御答弁では、認知症の方のコミュニケーションについては、認知症サポーター養成講座のプログラム中に含まれているとのことでありますが、認知症サポーター養成講座は、認知症の概要や症状などをはじめ、認知症を正しく理解する部分が大きな割合を占めております。
コミュニケーションについても、事例などを用いて、認知症の方に対しての接し方のポイントなどを学ぶことはできますが、限られた時間の中で、具体的なケア手法までお伝えするのは難しいと考えます。
ユマニチュードは、認知症の方に対しての具体的なケア技法であり、専門職、一般市民にかかわらず、認知症の方と接するときに、お互いのストレスを軽減し、よりよい関係を構築して、支援する側、される側双方の負担や不安を軽減して、効果的な支援を行うことにつながります。そして、この手法は、どのような立場の方でも、学んで、日常生活に取り入れることができるものです。
御答弁では、情報収集に努めるとのことでありましたが、このユマニチュードは自治体にも広がりを見せ始めており、非常に有効なケア技法だからこそ、今回、私も御紹介をさせていただきました。
今後、情報収集に努めていただき、その有効性が確認できた際には、いち早く市としても取り入れることができるように、前向きに御検討いただくことを要望させていただきます。
件名2、項目1、耳が聞こえにくい方の早期発見について再質問させていただきます。
市としての御認識は承知を致しました。また、年齢の若いうちから耳の聞こえにくい方の早期発見の取組も伺いました。重要なことであります。
1回目の質問でも申し上げましたが、耳が聞こえにくくなる確率は加齢とともに高くなる傾向があり、それを考えれば、高齢者の方も自身の聴力について認識できる機会が必要であります。
医療機関を受診して、適切な治療、指導を受けることも大切でありますが、受診しない方も多くおられる現状があります。であれば、それ以外にも自身の聴力の状況を知る機会をつくることで、早期発見につながるのではないでしょうか。
1回目の質問でも述べたとおり、札幌市では、地域で健康イベントの際に、民間の協力を得て聴力測定のコーナーを設けたり、また、愛知県名古屋市では、商業施設で言語聴覚士などの協力を得て、セルフチェック用紙で個人の聞こえの状態を確かめて、聞こえの相談対応を行い、必要なら医療機関の受診を勧めるヒアリングフレイルチェックも行われております。
このように、御答弁にもありました周知と合わせて、地域イベントなども活用して聴力測定を行うなど、高齢者の方が自身の聴力を知る機会をつくってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
件名2、項目2、補聴器の効果的な利用に関する情報発信について再質問させていただきます。
御認識は理解を致しました。
ただ、補聴器は実に様々な種類があり、自身の身体状況や使用環境、価格などによって適切なものを選ぶことも重要です。いざ補聴器が必要になり、補聴器を購入する際に、何の予備知識もないままでは、医療機関や販売事業者から説明を受けたとしても、自身に合う補聴器はどのようなものか判断するのは難しいと考えます。
購入したものの、自身には合わないことが分かり、購入後にもっと自分に合った補聴器の存在を知ったという方や、販売する事業者とトラブルになる事例も実際に起きております。
補聴器が必要となる可能性は全ての方に言えることであり、利用するときは、御本人だけではなく、その周りの御家族や支える側の理解も必要です。
そのためにも、聞こえについての正しい知識に合わせて、補聴器を効果的に活用するために、自分に合った物を選択しやすくなるように、補聴器にはどのような種類があり、どのような特徴があるのか、購入する際や利用する際に注意すべき点などについて、市民がより知識を得ることができるような情報発信を行うこと、また、これは他の自治体でも取り組まれているところですが、地域での行事やイベントなどにおいて、補聴器の展示やお試し利用ができるコーナーを設けることで、実際に補聴器に触れることができる機会をつくるなど、江別市としても積極的な取組を行ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
以上でございます。

健康福祉部長(岩渕淑仁君)

耳が聞こえにくい方への対応についての再質問に御答弁申し上げます。
まず、耳が聞こえにくい方の早期発見についてでありますが、年を重ねるとともに耳が聞こえにくくなる、いわゆる加齢性難聴の方は、若年者に比べ、医療機関を受診しない方が多くいると認識しております。
議員が御質問のイベントなどでの聴力検査の実施につきましては、医療機関での検査に比べ、防音環境の要因などにより検査精度が劣るため、早期治療が必要な疾病や補聴器の利用が必要な方を見逃してしまう可能性があります。
こうしたことから、市と致しましては、少しでも聞こえが悪くなったと感じた場合は、できるだけ早期に医療機関を受診していただくことが重要であると考えております。
次に、補聴器の効果的な利用に関する情報発信につきまして、地域イベントなどで実際に補聴器に触れることができる機会をつくることについてでありますが、多種多様な補聴器の中から自分に合った適切なものを選び、効果的に利用するためには、難聴に関する正しい知識が必要です。
その方に合った適切な補聴器を選ぶには、専門医による診断を受けること、十分な性能を発揮するには、専門の技術者により、その方に応じた調整をしてもらうことが必要になります。
こうしたことから、市と致しましては、補聴器による生活の質の向上のためには、展示やお試しを判断材料にするのではなく、専門医の診断などに基づく補聴器選びが重要であると考えております。
以上であります。

長田旭輝君

あとは要望とさせていただきます。
件名2、項目1、耳が聞こえにくい方の早期発見について要望させていただきます。
市の御見解は理解いたしましたが、早期に医療機関を受診していただくためにも、受診につながるような取組は必要であります。
事例でも述べた地域での聴力測定は、別室を確保して行われておりましたので、あくまでも自身の聴力の状況を知る目的で行うのであれば、工夫して行う方法はあると思います。そして、自身の聴力について知ることは、受診につながるきっかけになると考えます。
市におかれましては、市民が自身の耳の聞こえについて認識できる取組を、ぜひ検討していただくことを要望いたします。
件名2、項目2、補聴器の効果的な利用に関する情報発信について要望させていただきます。
補聴器の利用には、市の御見解にもあるように、専門家からの助言、アドバイスが必要なのは当然であります。しかし、購入する補聴器を決めるのは使用する当事者であることを考えれば、多種多様な補聴器がある中、手元に何の情報も知識もなしで判断するのは難しく、不安や戸惑いにもつながるほか、トラブルにもつながることが懸念されます。
市におかれましては、正しい難聴の知識と合わせて、補聴器についても正しい知識の情報発信をしていただくことを要望いたします。
以上で、私の一般質問を終わります。

議長(島田泰美君)

以上をもって、長田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
猪股美香議員の財政運営について外1件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

猪股美香君

議長に発言の許可を頂きましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。
1件目、財政運営についてお伺いします。
1点目は、金利上昇時代の財政運営についてです。
日本銀行は、これまで長くマイナス金利政策を実施してきましたが、この春よりその方針を取りやめ、以降、利上げを段階的に行ってきております。7月31日には、日本銀行による政策金利の追加利上げが発表され、住宅ローン等への影響が既に顕在化しています。政策金利の利上げは実に17年ぶりとなり、我が国は、久しく経験してこなかった金利が上昇傾向にある時代を迎えることになります。
市の職員の皆様も、長らくマイナス金利政策の中での財政運営の経験を重ねてきており、金利が変動する財政運営の経験値が少ない現実がありますが、金利上昇の影響は、自治体財政に与える影響も大きいものと捉えています。政策金利の上昇が自治体財政に及ぼす影響をどのように捉えているのか、市長の考えをお伺いします。
2点目、公債費についてお伺いします。
江別市の市債残高、これは民間でいう借入残高になりますが、令和5年度末現在で360億円あり、毎年の元利償還金、これはいわゆる返済額になりますが、35億7,000万円ほどとなっています。
さらに、今後は、市庁舎建設事業等、大型の普通建設事業が控えており、金利上昇による影響額は小さくないものと考えます。
現在償還中の公債費のうち、金利見直しの時期に差しかかるものについては、順次上昇するものと考えていますので、既に起債しているものへの影響額についても捉えておく必要があると思っています。金利上昇が及ぼす公債費の影響額について、また、その財源の確保についてどのようにお考えか、お聞かせください。
3点目、財政調整基金についてお伺いします。
これまでも様々な局面で、この江別市議会において、財政調整基金の活用について取り上げられてきたと思いますが、金利上昇時代という社会情勢に加え、市の今後の施設整備や更新の必要性の高まり、環境の変化による自然災害の増加や感染症対策など、機動的に活用できる財源となり得る財政調整基金の在り方について、改めて検討する局面に来ていると思います。
財政調整基金の今後の活用について、特に、取崩しの計画と積立ての計画について、市のお考えをお伺いします。
2件目、地域医療についてお伺いします。
これまで、生活福祉常任委員会や予算決算常任委員会において、市立病院の経営報告や様々な計画、取組に対して質疑等を行ってまいりました。その中で、病院経営という専門性のあるテーマに対して、議会において議論を重ねる難しさを感じています。
私は、公立病院の役割は、第1に、市の地域医療を守ること、第2に、収支均衡した病院経営により地域医療の提供体制を維持することだと思っています。
ただ、議論をしていても、この地域医療への市の考え方、取組が不明瞭で、市立病院の目指す方向が果たして江別市に必要な地域医療と合致しているのか、その検討ができずにいるというのが、正直申し上げて、これまでの議会審査を通しての現時点での認識です。
いわゆる医療圏は、病院等の病床の整備を図るに当たり、都道府県が策定する医療計画の中で設定する地域的単位のことを指します。一次医療圏は、診療所などの外来を中心とした日常的な医療を提供する地域区分で、原則は市区町村が中心です。三次医療圏は、重度のやけどの治療や臓器移植など、特殊な医療や先進医療を提供する単位で、北海道を除いて各都府県が1つの区域となります。二次医療圏は、救急医療を含む一般的な入院治療が完結するように設定した区域であり、江別市は札幌医療圏に含まれています。
病床の数や診療科ごとの必要数等は、さきに申し上げたとおり都道府県の権限になりますが、だからといって、市として地域医療の在り方を検討することをおろそかにせず、一次医療を担う視点で、また、地域医療を守る視点での江別市としての地域医療の在り方は何なのか、市に必要な政策医療は何なのかを、市内医療機関と市立病院が協力して市民へ医療を提供している江別市は、公立病院を持っているからこそ、明確に示す必要があると考えます。
1点目、市長の地域医療に対する基本的な考え方についてお聞かせください。
2点目、市に必要な地域医療の今後の見通しについてお伺いします。
国では、現在、新たな地域医療構想の策定に向けて検討会を立ち上げ、議論しているところです。
地域医療構想は、中長期的な人口構造や地域の人の移動の質、ニーズの質、量の変化を見据え、医療機関の機能分化、連携を進め、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる体制の確保を目的としているものです。
現行の地域医療構想については、2025年までの取組となっていることから、新たな地域医療構想について策定に取り組むこととしており、具体的には、2040年頃を見据え、医療、介護の複合ニーズを抱える85歳以上の人口の増大や現役世代の減少に対応できるよう、病院のみならず、かかりつけ医機能や在宅医療、医療・介護連携等を含め、地域の医療提供体制全体の地域医療構想として、検討会にて検討を進めていくとしています。
第1回新たな地域医療構想等に関する検討会において、人口動態、医療ニーズの変化として、2025年に向けて高齢者、特に後期高齢者の人口が急速に増加した後、その増加は緩やかになる一方で、既に減少に転じている生産年齢人口は、2025年以降さらに減少が加速する見込みであること、また、医療需要の変化として、全国での入院患者数は2040年にピークを迎えることが見込まれており、65歳以上が占める割合は継続的に上昇し、2050年には約8割となることが見込まれるということなどが報告されました。
また、超高齢化・人口急減で、急性期の医療ニーズが大きく変化する見込みであり、その見込みは65歳以上の人口の増減の規模により異なること、在宅患者数は多くの地域で今後増加し、2040年以降に、237の二次医療圏において在宅患者数のピークを迎えることが見込まれること、医療と介護の複合ニーズが一層高まることなどが提出された資料とともに説明されました。
医療ニーズの変化はすぐ目の前にあります。市に必要な地域医療の今後の見通しをどのようにお考えか、お伺いします。
3点目、市の医療提供体制における今後の見通しについてお伺いします。
同じく第1回新たな地域医療構想等に関する検討会において、医療従事者の変化についても、資料とともに見込みが報告されています。
2025年以降、人材確保がますます課題となります。2040年には、就業者数が大きく減少する中で、医療・福祉職種の人材は、現在より多く必要となる見込みです。
また、医師の高齢化も進展しており、病院に従事する医師数は、ここ20年で6万1,000人増加していますが、60歳以上の医師が占める割合は18%に増加しており、平均年齢は45.4歳まで上昇していること。診療所に従事する医師数は、ここ20年で1万7,000人増加していますが、60歳以上の医師が占める割合は53%程度で、平均年齢は60.4歳まで上昇していることが資料とともに説明されました。
限られた医療従事者のリソースを地域医療の中で必要な場所に充てる、地域全体で共有するという考え方が今後は必須になってくると思います。こうした医療従事者の変化にどのように対応するのか、市の医療提供体制における今後の見通しについて御見解をお伺いします。
4点目、地域医療における公立病院の役割についてお伺いします。
2件目の質問の冒頭で、私の考えは述べさせていただきました。
市長にとって、地域医療における公立病院の役割とはどのようなものであるとお考えでしょうか、お聞かせください。
以上で、1回目の質問を終了します。

議長(島田泰美君)

猪股議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(後藤好人君)

猪股議員の一般質問に御答弁申し上げます。
私からは、財政運営に関しまして、金利上昇時代の財政運営についてお答えを申し上げます。
令和6年3月に日本銀行が決定した金融政策の変更は、その後の市場金利の変動のきっかけとして働いており、事業費の財源として市債を発行する自治体にとっても、市債の借入利率が上昇するなど、財政に影響を及ぼし始めております。
具体的には、市債の借入れにつきまして、令和5年度と令和4年度の借入利率を同様の条件で比較すると、0.1%から0.4%の範囲で上昇したところであります。この借入利率の上昇は、後年次の公債費の増加につながるものであり、市にとって、継続的に財政負担が増加する要因となるものと認識しております。
市と致しましては、今後の金利の動向を注視するとともに、将来において、借入利率の水準が一定程度上昇することを視野に入れ、計画的な市債の発行に努めてまいりたいと考えております。
次に、地域医療について、まず、私の基本的な考え方についてでありますが、市民が、住んでいる地域で、必要なときに、必要な医療サービスを受けられることが一番大切なことであると考えております。
そのため、市では、初期救急医療を確保するため、内科、小児科系救急患者への対応として、一般社団法人江別医師会の協力の下、市内医療機関による休日当番医制や夜間の急病に対応する江別市夜間急病センターの運営を行っているところであります。
また、外科系救急患者への対応として、休日・夜間における輪番による急病救急医療体制を整えているほか、昨年度からは、長年の懸案であった内科系2次救急についても、輪番制による対応を始めたところであります。
私と致しましては、えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)で示したとおり、市民が安心して医療サービスが受けられるよう、市内の関係機関が連携し、可能な限り市内で対応できる地域医療体制の構築を図ってまいりたいと考えております。
次に、地域医療における公立病院の役割についてでありますが、北海道医療計画では、公的医療機関については、5疾病と言われる、がん、脳卒中、心血管疾患、糖尿病、精神疾患、6事業と言われる、救急医療、周産期医療、小児医療、災害医療、感染症医療、僻地医療及び在宅医療の医療連携体制の構築に当たり、民間医療機関等との役割分担を踏まえ、地域における中心的な医療機関としての役割が求められています。
市における地域医療については、先ほど御答弁申し上げましたとおり、市民が、住んでいる地域で、必要なときに、必要な医療サービスを受けられることが一番大切なことであると考えております。
議員が御質問の当市での地域医療における公立病院の役割につきましては、この5疾病及び6事業等について、民間医療機関等との役割分担を踏まえ、地域における中心的な医療機関としての役割を果たすべきと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもってお答え申し上げます。

総務部長(白崎敬浩君)

私から、財政運営についての御質問のうち、2件について御答弁を申し上げます。
まず、公債費についてでありますが、借入利率の上昇は、後年次の公債費の増加に直結するものであり、その公債費への影響額を令和5年度の市債発行額約33億円で試算したところ、令和6年度の市債償還利子は約990万円増加する結果となりました。
また、令和5年度末の市債残高360億円と1%の金利上昇で試算いたしますと、単年度の市債償還利子が3億6,000万円増加することとなります。
金利上昇の影響で増加する市債償還利子は、後年次の市の歳入をもって財源を確保する必要がありますことから、市債の発行につきましては、将来の償還額の推移を見極めながら、慎重かつ計画的に行う必要があると考えております。
そうしたことから、新規の市債の発行に当たりましては、交付税措置の割合が大きい市債の発行を優先的に行うことや決算見込みを意識しながら市債の発行を抑制することにより、将来的な公債費負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
次に、財政調整基金についてでありますが、財政調整基金は、災害対策の財源など緊急を要する場合や必要やむを得ない財政需要の財源とするなど、健全な財政運営に資する積立金でありまして、年度間の財源の不均衡を調整するために重要な役割を果たしております。
市では、これまでも、将来の事業計画を基に、基金残高の将来見通しを踏まえた上で、事業の緊急性や重要度などを総合的に判断しながら基金を活用してきたところであります。
また一方で、前年度繰越金や土地売払い収入などの状況により、単年度の収支を踏まえた上で、可能な範囲で積み立てることで、残高の確保に努めてまいりました。
今後におきましても、必要に応じて積立てや取崩しを行いながら基金残高を確保し、安定した財政運営に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

健康福祉部長(岩渕淑仁君)

私から、地域医療についての御質問のうち、2件について御答弁申し上げます。
まず、市に必要な地域医療の今後の見通しについてでありますが、現在、国は、新たな地域医療構想に関する検討会において、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの病床機能の分化や連携だけでなく、外来や在宅医療等についても将来のあるべき姿を議論するとしており、2040年頃を見据え、将来の医療需要の推計や医療従事者の確保の見込みなどを踏まえて、地域の医療提供体制全体の方向性を示すとしております。
これらのスケジュールと致しましては、2025年度に国からガイドラインが示され、これを受け、2026年度に都道府県が新たな地域医療構想の策定を行い、2027年度に新たな取組が開始される見込みとなっております。
議員が御質問の市に必要な地域医療の今後の見通しについてでありますが、市では、将来人口を2035年頃まで65歳以上の老年人口が増加し続けると推計していることから、在宅医療や高齢者救急の需要が増すと考えており、現在、国で行われている検討会の内容や今後行われる北海道の議論を注視してまいりたいと考えております。
次に、市の医療提供体制における今後の見通しについてでありますが、医療機関における医師や看護師等の医療従事者の高齢化は、当市においても全国と同様であり、この状況が続くと、初期救急医療についての救急当番医の確保などが難しくなると認識しております。
国では、新たな地域医療構想に関する検討会において、高齢者の増加や生産年齢人口の減少が進む中、将来の医療需要の推計や医療従事者の確保の見込みなどを踏まえて、地域の医療提供体制全体の方向性を示すとしております。
市と致しましては、医療提供体制の確保のため、引き続き一般社団法人江別医師会と連携していくとともに、国や北海道における議論を注視してまいりたいと考えております。
以上であります。

猪股美香君

順次、再質問をさせていただきます。
1件目の財政運営についての2点目、公債費について再度お伺いします。
影響額については分かりました。
実質公債費比率についても伺っておきたいと思います。
中期財政見通しによりますと、最も公債費負担が大きくなるのが令和10年度から令和11年度にかけてであり、令和11年度では48億6,000万円となる見通しでございます。
比率の指標となる市の標準財政規模は、年度によって大きく変動するものではないのかなと思ったときに、おおよその実質公債費比率を見通すことはできると思いますが、最も公債費負担が大きくなる令和10年度から令和11年度の実質公債費比率はどのように見込んでいるのか、お伺いいたします。

総務部長(白崎敬浩君)

再質問に御答弁申し上げます。
公債費に関しまして、中期財政見通しで公債費負担が大きくなる令和10年度から令和11年度の実質公債費比率の見込みについてでありますけれども、現時点では、不確定な要素が多いため、正確な数値を算出することはできませんが、中期財政見通しにおける公債費の増加見込みを基に試算いたしますと、令和5年度に比べて5ポイント程度の増加が見込まれるところでございます。
以上であります。

猪股美香君

承知しました。
令和5年度までの実質公債費比率の3か年平均が4.8%でしたので、そこから約5ポイント上がるということで、実質公債費比率が最大で10%程度になる見込みと理解しました。
実質公債費比率はいつも報告を頂いていますが、18%以上になると、地方財政法第5条の4、地方債の発行や起債の方法、利率、償還方法の変更に関わる関与の特例によって、地方債発行に許可が必要となってきます。なので、余裕を持って、実質公債費比率の上限を15%以内に設けるような考え方を運用している自治体もあります。
答弁の中で示していただいた数字を参考に試算してみますと、令和5年度の公債費から令和11年度の交際費までの差額が13億円ぐらい上がっていて、この間で公債費比率が5%程度上がる見込みということでしたので、さらに15%以内を目指すとなると、さらに年間15億円までのバッファーの中で見通しておくと15%以内に収まるのかなという長期的な借入計画を立てるイメージを持ちました。
金利上昇の局面においては、借入期間をできるだけ短くして利子分を減らすことも有効ですし、最初の答弁の中で、令和6年度の試算で影響額が約990万円の増加とのことでしたので、例えば5年短くすれば約5,000万円の負担が減らせるということになるので、借入れのタイミングをずらす、借入期間を短くするなどの工夫が必要になってくると思います。余裕と工夫を持って公債費の見通しが立てられるよう、今後も努めていただければと要望いたします。
次に、3点目の財政調整基金についてお伺いいたします。
江別市では、これまで積立額のルールは設けてこなかったかと思います。こちらも、自治体によってはルールを設けています。
一般的に標準財政規模の10%程度と言われておりまして、江別市の場合、令和5年度の標準財政規模が約275億円なので、27億5,000万円を必ず確保して、そこから積立てと取崩しを計画するという方法も一つ考えられるのかなと思います。
そのほかにも、例えば発災時の初期対応に、被災者1人当たり40万円から50万円の支援費用が必要だということで、機動的にここに充てられるように、被災者1人当たりの金額と人口を掛けた金額を必ず積んでおくというルールを設けている自治体もあります。こうしたルールを設けることについての江別市の考えについてお伺いしたいと思います。
というのも、実質公債費比率を15%以内に抑えようとすると、バッファーがマックス13億円ぐらいと試算したときに、例えば急な建設などの投資事業に対応しようとすると、余力はそんなに大きくないのかなと感じました。さらに、頭金を大きく出せればできるかもしれないというときにも、一定程度の基金の積立てがないと、チャンスを逃してしまっているのではないかと感じております。
江別市では、財政調整基金を一定程度ためておくという考え方も必要ではないかと考えますが、市長の御見解をお伺いします。

市長(後藤好人君)

再質問に御答弁申し上げます。
財政調整基金の考え方についてでありますが、総務省の過去の調査によりますと、全体の約2割の市町村が標準財政規模の一定割合を基金に積み立てることとしております。
当市では、地方財政法の規定に基づきまして、一般会計の各年度において生じた剰余金については、その2分の1以上を財政調整基金または減債基金に積み立てることとしておりますし、また、予算の執行状況によりまして、単年度の収支を踏まえた上で、可能な範囲で基金に積み増しをしているという状況でございます。
市と致しましては、適切に予算を執行することにより、安定した財政運営に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

猪股美香君

先日の予算決算常任委員会で報告された中期財政見通しにおいては、本庁舎の建て替え事業と大規模建設事業を見込んだ数字の報告がありました。
庁舎整備については、今のところ総事業費は151億3,000万円を見込んでいて、そのうち一般財源が29億3,000万円、庁舎整備基金などの基金等の活用を想定しているとのことでしたが、庁舎整備基金の残額が現在11億円ほどということで、不足分は財政調整基金からの取崩しも想定されているのかなと思っています。
本来的には、起債までに一般財源29億3,000万円が庁舎整備基金から充当できるよう、あらかじめ積み立てられていればよかったのですが、残念ながらそうはならずに今日まで来たのかなという認識です。
江別市の場合、過去の一般質問で基金残高について答えている内容を見ると、基準はないが、財政調整基金足す減債基金、返済に充てるために使う目的の基金ですけれども、合計で40億円台をキープしていたことが多かったということで、その辺は基準ではないが目安にはなると当時の市長から答弁がありまして、また、令和2年度の一般会計の決算審査の中でも、過去の一般質問で40億円程度が目安であると答弁して以降、考え方は変わっていないというような部局からの答弁もありました。
後藤市長においては、この考え方と同じ考えをお持ちなのか、違う考えをお持ちなのか、最後に後藤市長の考えを伺います。

市長(後藤好人君)

再質問に御答弁申し上げます。
私と致しましては、過去の基金の残高や推移は、一つの目安となるものというふうに考えているところでございます。
財政調整基金は、その性格上、毎年増減するのが常でありまして、今後におきましても、財政調整基金の残高の推移をきちんと見極めながら、安定した財政運営をしていかなければならないものと考えております。
以上であります。

猪股美香君

答弁としては分かりました。
今回質問しながら感じたのですけれども、財政調整基金は、調整できる財源としての考え方もでき得るということ、また、市債残高は、1回目の御答弁の中にもありましたが、後年次への負担を意味するものでして、少子化の時代、今の現役世代でそれをどれだけ軽減してやれるのかと考えたときに、貴重な財源になり得るものかなというふうに感じています。
そう考えると、例えば一定割合を維持して積み立てる運用をしていないという場合、取り崩すときの説明がすごく難しいというふうに感じました。一定額を積んでいれば、これだけ確保しているからこれだけ取り崩しても大丈夫という説明がすごくしやすいと思ったのですけれども、そうではない運用でやっていく際には、取崩しをする場合、市も議会も、市民に分かるようにしっかり説明できなければならないと思っております。その際はしっかりとした議論をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
続きまして、2件目の地域医療についてお伺いしていきたいと思います。
1点目、市長の地域医療に対する基本的な考え方についてお伺いいたします。
答弁を伺うと、市長の基本的な考えは、救急対応を第一に考えられていると受け取りました。市長がおっしゃる、市民が住んでいる地域で必要なときに必要な医療サービスを受けられることとは、救急医療体制の整備を指しているのかなと思いました。
ただ、地域医療の基本的な考え方の一つが救急医療体制の整備であるのは恐らくどこの自治体も同じで、公立病院を持たない基礎自治体においては、補助金を交付し夜間・休日の救急受入れ態勢を整備したりしています。
私が今回この質問をするに至ったきっかけの一つとしては、以前、市立病院からの報告で、市民アンケートを実施したとの報告を受けて、はてと感じました。このアンケートの目的は、江別市立病院経営強化プランの策定に当たり、市民の皆さんの医療ニーズや医療制度に関する意識を把握し、当院の地域において担うべき役割を明確にするために実施とありまして、江別市立病院に求める医療機能など、一医療機関に求める医療についての調査だったかなと感じております。
このアンケートを実施するとしたら、一医療機関としてではなく、市として、市に必要な地域医療は何か、その医療需要を市内の民間・公立を含めた医療機関でどのように提供するかを、一次医療圏、二次医療圏を俯瞰した形で検討する材料にするほうが正しいのではないのかなと疑問に思ったところが一つです。
もう一つ、はてと思ったところは、市立病院の診療単価、特に入院単価の低さとDPC係数の低さ、紹介率、逆紹介率の低さ、このDPC係数においては、令和4年から令和5年で下がってもいます。これはつまり地域医療における役割、この必然性を果たせていないということなのではないかと捉えております。
江別市は、二次医療圏として札幌市を含むエリアなので、この必然性というところがかなり難しいエリアになっていると感じております。さらに、江別市は、市内に複数のクリニックと市立病院を含む6病院を持っています。そう考えると、救急のみならず、市の地域医療全体を俯瞰して把握する努力を、一医療機関である市立病院ではなくて、調整役としての市の地域医療担当なりがしっかりと行う必要があるのではないかと思っております。
市長のお考えをお聞かせください。

市長(後藤好人君)

再質問に御答弁を申し上げます。
市では、これまでも一般社団法人江別医師会と連携しまして、かかりつけ医や病院など市内の関係機関が役割分担する中で、平日の日中帯や休日・夜間における地域医療体制を維持してきたところでございます。
引き続き、市民が必要な医療サービスを受けられるよう、一般社団法人江別医師会などの関係機関と連携し、地域の医療体制確保に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

猪股美香君

大きく変わることはないのかなと、市長の考えとしてはお伺いしました。
2点目と3点目については再質問しませんが、特に3点目については、今の答弁を受けて述べさせていただきたいと思います。
3点目、市の医療提供体制における今後の見通しについてですが、特にここは、ぜひ市が率先して市内の医療提供体制を、需要とのバランスが取れるよう全体把握に努めていただきたいと思います。
公立病院も経営維持のために人的リソースが必要になりますが、それは民間の医療機関も同じことになると思います。これが取り合いになっては元も子もないし、そのアンバランスで医療需要を満たせない、そういう事態を招きかねないとも考えております。
また、市内のかかりつけ医としてのクリニックの高齢化、これも顕著であると聞いています。医療需要がピークのときの、クリニックの提供体制の見通しを可能な限り立てていく必要があると感じています。これこそ市が積極的に調整役を担っていただけるような形を構築していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
4点目、地域医療における公立病院の役割についてお伺いいたします。
御答弁では、5疾病と言われる、がん、脳卒中、心血管疾患、糖尿病、精神疾患、6事業と言われる、救急医療、周産期医療、小児医療、災害医療、感染症医療、僻地医療及び在宅医療の医療連携体制の構築に当たり、民間医療機関等との役割分担を踏まえ、地域における中心的な医療機関としての役割を果たすべきとの答弁でした。
では、この5疾病、6事業のうち、江別市立病院はどこの役割を担うべきと市長はお考えか、お答えください。

市長(後藤好人君)

再質問に御答弁申し上げます。
地域医療における市立病院が担うべき役割についてでありますが、私としては、江別市立病院経営強化プランに示されておりますとおり、5疾病では、緩和ケア充実によるがん診療、老年人口の増加を見据えた急性心筋梗塞などの心血管疾患、認知症を含む精神疾患の診療、6事業では、市民の命を守る救急医療をはじめ、小児医療、周産期医療、感染症医療などで地域における中心的な医療機関となることが、市立病院の役割であると考えております。
以上であります。

猪股美香君

市長の口から明確に、必要と考える医療についてお伺いすることができました。
緩和ケア充実によるがん診療、老年人口増加を見据えた心血管疾患、精神疾患、あとは救急、小児、周産期、感染症医療ということで、この機能を維持するために、今後、市立病院はどういった診療体制で収支均衡を図っていくのか。その必要な政策、病院事業会計への繰出金は江別市から出しておりますので、これを含めて、今後、どのように収支均衡を図っていくのかを議論していくことになっていくのかなと感じております。
今後の医療需要と提供体制の見通しにおいても、その機能を維持していくためには、民間医療機関と協力して抜本的な議論をしていく必要があると思っております。
今年度の市立病院の経営の数字を見てみると、上四半期の数字では、既に5億円程度の収支不足の見通しが示されておりまして、抜本的な経営改革を求められる中、市としての地域医療の在り方について伺うことができましたので、今後の市立病院の在り方についても、引き続きこのような視点で議論していきたいと思っております。

議長(島田泰美君)

以上をもって、猪股議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
野村和宏議員の行政に民間の経営手法を取り入れることについての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。

野村和宏君

ただいま議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
昨年の統一地方選挙において、私から市民の皆様に訴えさせていただいたものの一つに、市政に民間の感覚をというテーマがございました。その観点において、非常に高い実績を上げている自治体がありましたので、ここに御紹介させていただき、江別市としてどのように受け止め、どのようにお考えになるのかをお聞かせ願いたいと思います。
この8月6日に、江別市議会政和会の会派視察にて、兵庫県小野市を訪問させていただきました。
兵庫県小野市は、人口4万7,000人余り、県内17番目の中堅都市であります。かつては、そろばんと家庭用金物のまちとして栄え、現在は、工業団地に所在する先端産業が市の財政を支えているまちです。
兵庫県小野市では、7期27年連続当選の蓬萊務市長が、初当選以来、自治体は企業であるとの一貫した市政運営を貫き、自治体における事業から人事評価制度に至るまでのあらゆる面で、市長によるリーダーシップで改革をされてきております。
行政も経営という基本理念の下、変えよう小野、変わろう小野市を掲げ、変えようとは、自らがリーダーシップを発揮することであり、変わろうとは、市民と共に行う参画と協働の実践であるとしています。そして市役所は、市民の役に立つ所という意識改革、民間の感覚と感性による市政改革を旗印に、現状の打破と新たな創造を打ち出しています。
そこで、官と民の決定的な違いとして、成果と報酬が連動しない社会、画一的横並びの仲よしクラブ、CS指向・顧客満足度指向の欠如、前例踏襲型施策遂行、このように現状を評価した上で、それに対して掲げられたのは、行政経営戦略4つの柱、顧客満足度志向、市民を顧客と捉えたカスタマーサービス志向。成果主義、何をやっているかではなく、何を成し得たかを問う。そして、オンリーワン、ここにしかない小野らしさを追求。後手から先手管理、言われてからやるのではなく、言われる前にやる組織の在り方、組織の在り方としては、組織があって機能があるのではなく、機能があって組織がある。機能とは、すなわち果たし得る役割である。必要に応じて新しい組織をつくり、必要のない組織はどんどん潰す。組織の肥大化は機能の低下を招く。こうした行政経営の理念や方針の下、過去の行政のやり方を改革するコンセプトを明確にし、様々な政策について目標を明確にすることで、それらの実現のために、基幹ツールの一つとして方針管理制度TQCを取り入れ、政策評価よりも執行評価を実施し、成果と報酬が連動するシステムの構築を実施しています。
2つ目には、兵庫県小野市流の報・連・相、報告・連絡・相談の仕組みを構築。報告が必要かどうか迷ったら、まずは報告せよとし、担当部署から市長まで情報の共有を図り、さらには閲覧用共有フォルダで管理することで、部局横断で情報が共有されるシステムを構築されています。情報の一元化と水平展開、日常の課題抽出、課題整理と資料保存。
3つ目に、市長への手紙をはじめとする多様な広聴の仕組み、情報は市民の財産、情報の一元化とシステムの流れを構築。市長が全件に目を通し指示を出すというもの、行政出身の首長は、堅実性や安定性を売りにするので、思い切った改革を断行するのが難しい。言い方を変えれば、成功するより、失敗しないリスク回避を最優先に考えていると評価した上での取組としています。まさに民間企業の経営理念と経営管理手法そのものであると思います。
さて、今後、日本中の自治体においては、人口の減少、福祉施策やインフラの再整備に関する歳出の増大という大きな課題が日々大きくのしかかってくるという認識が共通のものであると考えます。それらの人口減少対策、少子高齢化対策など、待ったなしの課題と様々な政策の実現については、当該自治体内だけの問題ではなく、自治体間競争も顕著になるものと考えます。
民間企業の経営においては、常に現状に疑問符をつけながら、さらに向上するために日々研さんしているわけです。現状維持を考えたとき、それは衰退の始まりと捉えているわけです。
さきに兵庫県小野市の指摘がありました堅実さや安定もとても大切な要因であると思いますが、今後の自治体の置かれる環境の中では、現状の破壊から事業や組織運営の再構築が不可欠であると考えます。
いかに行政運営に当たって無理、無駄、むらを排除し、今やっている仕事は何のために、誰のためにやっているのか、そして、業務に当たる職員の皆さんの仕事に対する姿勢の向上のために、達成感や仕事のやりがいのある目標設定と意識づけが大切だと考えます。その上で、何をやっているのかではなく、何を達成したかという視点でモチベーションの上がる職務の達成に対する適切な評価と、評価と連動した処遇、つまりは成果主義の人事評価制度も必要と考えます。
行政のトップである市長の方針や政策目標に対して、各部署が横の連携、情報共有をしながら、部署ごとの目標を設定し、さらに個々の職員にも目標設定をした上で、トップから担当職員に至るまで、それぞれのやるべきことに明確な目標を持って職務に当たり、その成果についての評価を処遇に反映することが必要であり、これが職員の意識改革やモチベーションの維持に不可欠と考えます。つまりは、給与に反映させることが重要だと思います。
このような組織改革を断行した上で、歳入を増やす施策への注力、不安定な財源をどのように安定的に右肩上がりにするのか、また、歳出についても、いかに市民生活の向上のために効果的に使うのか、自治体も慣例的な運営から脱却していかなければ成り立たない時代が来るものと考え、今から対策を講じていく必要があると思います。
昨年来、後藤市政に変わってから、様々なところで改革が行われていることは承知しておりますが、私は、さらに改革の質を高め、スピードアップも必要と考えます。
そこで、市長にお伺いします。
1つ目に、兵庫県小野市の行政経営のように、民間の感覚で自治体を経営することをどのように評価しておいででしょうか、市長の考えをお聞かせください。
2つ目に、江別市において、行政運営に民間の感覚や運営方法を取り入れる必要性について、どのようにお考えでしょうか。
3つ目に、市民の皆さんから、縦割り行政の問題点の一つとして窓口の縦割り対応について御指摘を頂くことがあります。その対応の改善についてどのようにお考えか、お聞きします。
4つ目に、兵庫県小野市のように、理事者以下、各部局に市民からの様々な情報の共有が必要と考えますが、さらに改善を進められるお考えはありませんか。
5つ目に、現在、人事評価制度について改革が進められていることは承知していますが、さらに、ハロー効果など評価上のぶれを排し、職員の目標の達成度、仕事の成果について、これまで以上に処遇に反映することで、仕事に対するモチベーション向上につながると思いますが、さらなる改善についてお考えをお聞かせください。
以上をもって、1度目の質問を終わらせていただきます。

議長(島田泰美君)

野村和宏議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(後藤好人君)

野村和宏議員の一般質問に御答弁申し上げます。
私からは、行政に民間の経営手法を取り入れることに関しまして、まず、民間の経営感覚を行政運営に取り入れている先進自治体への評価についてお答え申し上げます。
今ほど議員から御紹介のありました兵庫県小野市の行政運営手法につきましては、民間における経営の考え方である顧客満足度志向や成果主義などを行政に取り込むことで、職員の意識改革等を促し、より効率的な行政運営を図ろうとするものであると承知しております。
私は、令和6年度当初の職員への訓示におきまして、部局間の連携強化や人材育成の推進のほか、市民目線で仕事をすることや常に業務改善の意識を持って効率的・効果的に事務を進めること、さらには、できない理由を考えるのではなく、どうすればできるのかという発想の転換などについて職員に指示をしてきたところです。
いずれに致しましても、行政運営に民間企業の経営の視点を取り入れることは、多様化する行政課題に的確に対応していく上で、必要なことと認識しております。
次に、行政運営に民間の経営感覚を取り入れる必要性についてでありますが、当市におきましては、これまでも地方自治法に定める最小の経費で最大の効果を上げるため、成果重視や顧客志向など民間企業における経営理念や手法などを導入し、行政評価の仕組みの中で事業成果を測定し、PDCAサイクルによる事業の見直し、検証を図りながら、事業を推進してきたところであります。
また、事業執行においては、組織目標と連動した職員の業績と職位に応じた能力を評価することで、職員の能力開発と人材育成を行い、さらに、一人一人が意欲を持って行政課題に取り組むことで、組織として業績を上げることを目的とした人事評価制度を導入しているところであります。
先ほど御答弁を申し上げましたとおり、行政運営に民間企業の経営の視点を取り入れることは、多様化する行政課題に的確に対応していく上で必要なことと認識しておりますことから、今後におきましても、様々な民間の経営手法について研究してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもってお答え申し上げます。

総務部長(白崎敬浩君)

私から、行政に民間の経営手法を取り入れることについての御質問のうち、窓口の縦割り対応に対する市民からの指摘について御答弁を申し上げます。
市では、毎年度、職員研修計画に基づき、接遇研修の専門家を講師として、好感を与える正しい言葉遣いやアクセント、日常用語の振り返り、窓口対応や電話対応を想定したロールプレーイングなどを通じて、接遇の向上につながる実践的な職員研修を行ってきたところでございます。
議員が御質問の窓口における縦割り対応に関しましては、例えば、市民からの電話対応において、担当者が不在の場合、相手の意向を確認した上で、後ほど担当者から折り返し電話をする旨を告げて終話することや、担当する部署が異なる場合には、担当部署を案内した上で、相手の意向を漏れなく担当者に伝達するなど、市民の立場や状況に合った対応に努めております。
市と致しましては、職員一人一人が市民から信頼されるためには、行政サービスの根幹である接遇の向上が重要と認識しておりますことから、今後におきましても、市民が不便さを感じることがないよう、引き続き窓口サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

企画政策部長(三上真一郎君)

私からは、市民意見などの情報共有について御答弁を申し上げます。
市では、市民の声として寄せられた御意見などにつきましては、単純な問合せなどを除き、市長まで回覧し、市の考え方などについて担当課から回答しているところでございます。
また、市民の声とその回答につきましては、個人情報等を除いた上で概要を取りまとめ、市長を含め、全職員が閲覧できるようにしております。
市と致しましては、行政運営を進める上で、市民の声を各部局で共有することは重要であると認識しておりますことから、今後におきましても、よりよい情報共有の在り方について調査研究してまいりたいと考えております。
以上でございます。

総務部長(白崎敬浩君)

引き続き、私から、仕事に対するモチベーションが高まる人事評価制度の見直しについて御答弁申し上げます。
市では、平成17年度から、課長職以上に人事考課制度を導入し、平成28年度からは、改正地方公務員法に基づき、組織全体の士気高揚や公務能率の向上などを目的として、全職員に対して人事評価制度を導入しております。
この制度は、職員が組織や個人の役割を明確化した上で、上げた業績を評価する業績評価と職務を遂行する上で発揮した能力を評価する能力評価で構成しております。
評価結果につきましては、法に基づき、任用、給与、分限、その他の人事管理の基礎として活用しており、職員の仕事に対するモチベーションの向上と能力開発を促進し、主体的な職務の遂行とより高い能力を持った人材の育成につながっているものと認識しております。
議員が御質問の人事評価制度の見直しについてでありますが、人事評価制度におけるハロー効果などのエラーを排し、透明性と納得性を確保するため、毎年、評価者である課長職昇任者を対象に、部下の行動記録に基づき評価する手法や評価結果の開示時などにおける面接手法等について、演習を通じて習得する研修を実施しているほか、昨年8月には、全ての課長職を対象に、改めて評価者研修を実施しております。
さらに、令和5年12月には、より公正で公平な制度とするため、目標設定方法の見直しを行ったところであります。
市と致しましては、職員のモチベーションを高めることは、市民サービスの向上につながるものと考えておりますことから、今後におきましても、組織全体の士気高揚を促し、公務能率の向上に資する人事評価制度となるよう努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

野村和宏君

1つ目の質問の御答弁で、市長が業務改善や発想の転換について、民間の感覚を取り入れて職務に当たるようにと職員に訓示したことは理解いたしましたが、この訓示の後、数か月が経過していますけれども、今回、私が紹介させていただいた兵庫県小野市のような民間の経営感覚を取り入れて実践している自治体と、現在の江別市でやっていることは、いまだかなりかけ離れているように思います。
そこで、再質問ですが、これまでに、組織のトップである市長の訓示がどの程度職員の皆さんに浸透し、業務の成果として、または、意識に変化が表れているかについて検証されているのでしょうか。このこともPDCAサイクルにて検証されているのであれば、どのような成果、変化があったのか、具体的にお示しください。
また、行政運営に民間企業の経営の視点を取り入れることは、多様化する行政課題に的確に対応していく上で必要と認識されておりますが、さらに一歩進めて、兵庫県小野市で実践している取組を江別市にも取り入れていこうとするのか、それとも現状で十分と評価されているのか、お伺いいたします。

市長(後藤好人君)

再質問に御答弁申し上げます。
私の訓示による成果として、職員の意識変化につきましては、PDCAサイクルによる検証は予定しておりませんが、例えば、私と部局の日々の打合せや庁内の会議などにおきまして、一見困難そうな事案であっても、どうしたら解決できるかという多角的な視点での議論が増えたと感じているところでございます。
職員の意識改革は、一朝一夕でなし得るものではないと思っておりますし、息の長い取組が必要だと認識しておりますが、今後におきましても、様々な機会を捉えて、職員の意識改革、行動の変化を促していかなければならないと考えております。
また、兵庫県小野市に限らず、他自治体の先進事例のうち、当市として必要かつ有効なものを取り入れることにつきましては、今後とも情報収集に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

野村和宏君

多角的な視点での議論が増えたと評価されていることは理解いたしました。
意識改革が一朝一夕でなし得るものではなく、息の長い取組が必要とお考えであるならば、なおさらPDCAサイクルによる改善は必要と考えますので、ぜひとも御検討いただき、取組のスピードアップを図り、改革を推進していただきたいと申し上げ、ここは要望とさせていただきます。
引き続き、2つ目に、民間の経営感覚を取り入れる必要性について御理解いただき、取り組む姿勢をお示しいただいたことには感謝と期待を申し上げますが、外から現在の江別市を見ると、まだどこの自治体でもやっていることを横並びで江別市もやっているように受け止めています。
他の自治体と同じことをやっていても、今後、さらに激化する自治体間競争を江別市が勝ち抜くことが難しいのではないかと考えます。
御答弁で、行政運営に民間企業の経営の視点を取り入れることは、多様化する行政課題に的確に対応していく上で必要なことと認識していると述べられておりましたが、そうであるならば、もう少し前向きかつ迅速に取り組んでいくべきと考えます。
そこで、様々な民間の経営手法について研究してまいりたいとのことですが、これではあまりにも抽象的で、実際に何をどうすべきかということが不明確になってしまうことが危惧されます。江別市の運営状況に鑑みて、優先して研究する課題は何と捉えておいでなのか、また、その研究のPDCAサイクルについてお示しください。

企画政策部長(三上真一郎君)

再質問に御答弁を申し上げます。
先ほども御答弁を申し上げましたとおり、これまでも当市におきましては、地方自治法に定める最小の経費で最大の効果を上げるため、総合計画や行政改革の取組の中で、民間企業における経営理念や手法などを参考に、行政評価の仕組みや人事評価制度、職員提案、指定管理者制度などを導入してきたところでございます。
また、市では、第7次江別市総合計画に掲げる将来都市像を実現するため、本年8月に、行財政運営に係る基本目標と取組方針を定めた江別市行政改革大綱を改定し、時代に即した効果的で効率的な行政運営と健全で安定した財政運営の2つの基本目標の下で、人材育成の充実、窓口サービスの向上や公民連携手法の検討など、12の取組方針を挙げております。
さらに、江別市行政改革大綱の基本目標を達成するため、今後5年間で取り組む23の具体的な取組項目を定めた江別市行政改革推進計画を同時に策定し、毎年度、江別市行政改革推進計画に掲げる項目の実施状況や検討状況を取りまとめた上で、庁内会議である行政改革推進本部会議のほか、学識経験者、有識者、市民公募の委員で構成される江別市行政改革推進委員会に報告し、検証を行うこととしております。
議員が御質問の優先して研究する課題につきましては、公民連携手法の検討など、江別市行政改革大綱及び江別市行政改革推進計画に掲げる項目が中心になるものと認識しておりますことから、行政改革の取組の中で、毎年度ごとに検証してまいりたいと考えております。
以上でございます。

野村和宏君

2つ目につきましては、江別市行政改革大綱の改正に伴い、12の取組方針、5年間で取り組む23の項目については、期間を定めての改革の取組、課題抽出、検証が行われることは理解いたしました。
しかし、これらの取組は、長年全国の自治体で行われている行政改革の取組の延長線上にあるものと思います。これからの行政改革には、大胆な発想と大胆な行動が求められているわけです。
9月7日の北海道新聞に、登別市の業務改革の取組について記事がありました。民間のコンサルタントが市の業務改革アドバイザーに就任したというものです。自らにない発想やスキルを取り入れることは、目的、目標に達するための近道であると考えます。
このようなアクションを含めて、改革の取組を形骸化することなく、実りのあるものにしていただくことをお願いすると同時に、どうか従来の取組の在り方を否定するところ、つまりゼロベースにて新たな民間の感覚を取り入れた改革を断行していただくことを強く要望いたします。
続いて、3つ目の答弁では、接遇の向上につながる実践的な職員研修を行ってきた、さらには、行政サービスの根幹である接遇の向上が重要と認識しているとし、具体的にコストをかけた研修を通じて、改善のための取組を行ってきたことにつきましては理解いたしました。
そこで、再質問ですが、研修の実施によって問題点の改善につながっているのでしょうか。また、改善の程度について検証は行われているのでしょうか。窓口対応に関する市民の皆さんからの苦情、御意見の件数の変化、推移について、検証結果としてお示しください。
また、研修の実施によって、これまでと何がどう変わったのか、どのように窓口サービスが向上したのか、代表的な例で結構ですので、お示しいただきたいと思います。

総務部長(白崎敬浩君)

再質問に御答弁を申し上げます。
接遇研修の実施によって、問題点の改善につながっているかについてでありますが、市民の声において、接遇に関する苦情が寄せられた件数、内容を把握するとともに、同じ苦情が繰り返されないための方策等について、研修講師と相談しながら接遇研修に反映しております。
こうした取組が功を奏し、職員の窓口対応に対する苦情件数は、令和3年度が27件、令和4年度が15件、令和5年度が6件と減少傾向となっております。
また、市民から寄せられた意見の中には、職員の対応がとても親切で、職員一人一人が考えて行動している、とても明るく、説明が分かりやすかった、とても親身に寄り添ってくれたなど、職員の接遇対応を評価する意見も頂いているところであります。こうしたことから、接遇研修の実施が窓口サービスの向上につながっているものと認識しております。
いずれに致しましても、今後も、接遇研修の充実を図っていくことで、窓口サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。

野村和宏君

苦情件数が減少傾向にあり、お褒めの言葉も頂いていることは承知いたしました。
サービス業では、1件の苦情の後ろには、同じ思いの顧客が最低10人以上はいるとの考え方もあります。窓口業務は、市民の皆さんとの信頼関係をつなぐとても大切な業務と考えております。今後、この歩みを止めることなく、さらなる高みを目指して教育訓練を進めていただきたいと思います。こちらも要望とさせていただきます。
続きまして、4つ目、市民意見などの情報共有については、市長をトップに、必要な情報については全職員が閲覧できるようになっているとのことで、そのような仕組みで情報の共有が行われていることについては、理解し、評価させていただきます。
その上で、お聞きします。
全職員が閲覧したことを確認できるシステムになっているのでしょうか。また、今のところそのようなシステム構築がされていないとした場合、今後も、情報共有の在り方について調査研究をしていくとの御答弁ですが、これも問題点の抽出と改善については、PDCAサイクルによって行動と検証を繰り返すことが重要と考えますけれども、情報共有のシステムに関して、どのようなサイクルで進めるかについてお示しください。

企画政策部長(三上真一郎君)

再質問に御答弁を申し上げます。
市民の声について、全職員が閲覧したことを確認できるシステムになっているかについてでありますが、先ほど御答弁を申し上げましたとおり、市民の声とその回答の概要につきましては、全職員が閲覧できるようにしているところでありますけれども、閲覧したことを確認できる仕組みには現在なっておりません。
しかしながら、江別市行政改革推進計画では、取組方針として情報共有の推進の項目を掲げ、広聴の仕組みの在り方の検討を行うこととしており、行政運営を進める上で、市民の声を職員が共有することは重要であると認識しておりますことから、まずは、市民意見などの情報共有に向け、庁内電子掲示板などを通じて、職員に閲覧を促すような周知に努めるとともに、今後におきましては、計画の中で、情報共有の在り方について検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

野村和宏君

現状において、全職員が閲覧できる仕組みとなっていることは理解いたしました。
今後は、職員の皆さんが確実に閲覧されるような仕組みの構築もお願いしたいと思います。仕組みが構築されるまでの間につきましては、アナログ的ではありますが、朝礼やミーティングなどにおいて、閲覧することを促すなどの対応をお願いしたいというふうに思います。
最後に、5つ目の仕事に対するモチベーションが高まる人事評価制度の見直しについては、御答弁いただきましたように、改善が進んでいることについては承知しており、一定の評価をさせていただいておりますが、長い間民間企業で働いてきた私にとっては、どうしても無味乾燥な内容に感じてしまうところであります。
人事評価制度を形骸化させず、実効性のあるものにするためには、もう少し別の視点から考えていく必要があるように思います。
職員のモチベーションを高めることは、市民サービスの向上につながるものと考えているとのことでしたが、そこはまさにそのとおりであると思います。そのためには、ハロー効果など評価上のぶれを最小化し、職員の目標達成度、仕事の成果について、これまで以上に処遇に反映させることが必要であると申し上げているわけです。
御答弁では、処遇反映の見直しについて何も触れられておりませんので、改めて市長の考えをお伺いいたします。

市長(後藤好人君)

再質問に御答弁を申し上げます。
人事評価結果につきましては、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、地方公務員法に基づきまして、任用、給与、分限、その他の人事管理の基礎として活用しているところです。
議員が御質問のさらなる処遇反映の見直しについては、現在、国におきまして、国家公務員における人事評価結果の勤勉手当への反映について、制度の見直しが検討されているところでありまして、市と致しましては、こうした国の動きや他市の動向を注視しながら、引き続き市民サービスの向上につながるよう、適切に人事評価制度を運用してまいりたいと考えております。
以上であります。

野村和宏君

人事評価制度も法の枠組みの中の制度であることは理解しますが、兵庫県小野市のように、法の枠組みの中でも、独自性を打ち出し、職員の皆さんのモチベーション向上につなげている先進的自治体もあります。江別市も、先進事例と言われるような制度に進化させていただくことを要望いたします。
また、ぜひとも柔軟な発想と力強いリーダーシップで、民間の経営感覚を取り入れた市役所改革を進めていただくことをお願いいたしまして、一般質問を終わります。

議長(島田泰美君)

以上をもって、野村和宏議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
───────────────────
午前11時52分 休憩
午後 1時00分 再開
───────────────────

副議長(内山祥弘君)

休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
石田武史議員の炭鉄港についての質問を許します。一問一答方式、通告時間30分。

石田武史君

ただいま議長から発言の許可を頂きましたので、順次質問をしてまいります。
炭鉄港について、項目1、炭鉄港に対する市の認識についてお伺いを致します。
昨年、江別市が炭鉄港に加入することを表明し、正式に認められて以降、新聞などでも炭鉄港の文字を目にする機会が多くなったような気がいたします。
江別市としても、これからの部分が多い事業ではありますが、この段階でお考えをお伺いしておきたいと思います。
さて、炭鉄港とは、文化庁が認定する日本遺産の一つであります。
ここで、日本遺産について簡単に説明しますと、文化庁によりますと、日本遺産とは、既存の文化財の価値づけや保全のための新たな規制を図ることを目的としたものではなく、地域に点在する遺産を面として活用し発信することで、地域の活性化を図ることを目的としているとあり、これまでは各地に点在していた文化財などを点として保存・活用を図ってきたところですが、そのような限定された考えではなく、文化財などをより総合的に把握し、それらを一定のテーマやストーリーに当てはめて考えていくことにより、それらを線としてつなぎ、その周辺も取り込みながら、大きな面として捉え、それを産業や観光の振興につなげるとともに、地域住民のアイデンティティーの再認識や地域のブランド化などにも貢献し、ひいては地方創生に大いに資するものと考えていくものですとあります。
そして、それを実践するための方策として日本遺産というものを立ち上げ、地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化・伝統を語るストーリーとして認定し、それを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の文化財を総合的に活用する取組を支援する事業であるとしております。
現在では、全国で約100件が認定されておりますが、今後も継続するためには審査があり、どのような活動がなされているか、その評価によっては、日本遺産から外されてしまうこともあるようでございます。
さて、江別市が加盟した炭鉄港とは、明治初期から昭和の高度成長期に至る100年間の北海道において、石炭、鉄鋼、港湾が果たしてきた役割とその地域、そして、それらをつなぐ鉄道を舞台に繰り広げられてきた北の産業革命と言える華々しい歴史をストーリーとしています。
また、これらのものが北海道の発展に大きく貢献してきた一方で、栄華を極めたこれらの地域が、現在は衰退し、中には消滅可能性都市とまで分析されてしまうなど、国策に翻弄されてきたという負の歴史もその中に包含しているものです。
つまり、炭鉄港とは、こうした地域の栄枯盛衰を踏まえた上で、過去から学ぶ未来や既に起きてしまった未来と言えるものから学び、それを将来にどう生かしていくのか、それを考えていくものとも言えるものです。
そこで、お伺いいたしますが、このような炭鉄港に加入した江別市として、この制度についての認識について、まずお伺いいたします。
項目2として、炭鉄港に対する市のこれまでの取組についてです。
炭鉄港が認められた江別市として、まだ加入したばかりではありますが、これまでどのように取り組んできたのか、お伺いを致します。
3項目め、今後の取組についてですが、炭鉄港に認定された構成文化財は、民間所有のものがほとんどであり、今後は、それらの方々とも協力して事業を進めていかなければならないと思うところです。
また、これまで述べてきたように、この炭鉄港の歴史というのは、まさに江別市の歴史の一部でもあることから、これらを担う子供たちに対して郷土愛の醸成のツールとしても活用していくことが望ましいのではないかと考えます。
そこで、お伺いいたしますが、今後、江別市として、この事業にどのように取り組んでいくおつもりなのか、お伺いを致します。
以上で、1回目の質問を終わります。

副議長(内山祥弘君)

石田議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(後藤好人君)

石田議員の一般質問に御答弁申し上げます。
炭鉄港につきまして、初めに、炭鉄港に対する認識についてでありますが、炭鉄港は、地域に残る有形・無形の文化財を地域の活性化に活用する日本遺産の一つであり、令和元年に、北海道内4例目として国から認定されたものであります。
日本遺産は、地域の文化・伝統を物語形式で語るストーリーとして認定されるものであり、炭鉄港は、近代北海道を築く礎となった石炭、鉄鋼、港湾と、それらを結ぶ鉄道の歴史や産業遺産をつなぎ、北の産業革命を表現したものとなっております。
炭鉄港の取組については、旧産炭地域、港湾地域及びそれらをつなぐ鉄道関連施設を有する自治体や経済団体等で構成される炭鉄港推進協議会が中心となり、各地域に所在する近代産業遺産を活用して、地域の活性化を促進するための各種事業が進められております。
市では、れんが産地としての歴史や炭鉄港ゆかりの建造物に江別のれんがが使われていること、また、かつて夕張鉄道の始発駅であった野幌駅が、空知から札幌や小樽への石炭等の輸送に寄与していたことなどの理由から、この炭鉄港との関係が深いとして、令和5年9月に炭鉄港推進協議会へ加入したところです。
市と致しましては、昨年度策定した第2次江別市観光振興計画において、広域周遊観光の促進や江別の歴史を軸とするストーリー性の構築などを示しており、炭鉄港の取組に参画することにより、れんがの魅力やれんがの産地である当市の歴史を市内外へPRする機会となり、市の交流人口の増加につながるものと認識しております。
次に、これまでの取組についてでありますが、炭鉄港推進協議会への加入後、江別のれんがを追加したストーリー及び構成文化財について、炭鉄港推進協議会事務局と調整を行い、現在操業中のれんが工場では、北海道内最古となる米澤煉瓦工場等の4つの文化財が今年6月に構成文化財として認定されております。
市では、炭鉄港への加入や構成文化財としての認定の機運を高めるため、セラミックアートセンターで炭鉄港関連資料を活用した展示会を開催したほか、認定後には、日本遺産認定証を展示しております。
また、炭鉄港推進協議会と協力し、炭鉄港カードの配付や炭鉄港飯スタンプラリーの活動に参画しているほか、JRヘルシーウォーキングの実施と合わせて日本遺産炭鉄港ガイドつきツアーを行うなど、観光誘客につなげる取組を進めてきております。
次に、今後の取組についてでありますが、今回認定された構成文化財については、炭鉄港推進協議会が運営する炭鉄港ポータルサイトへの掲載協力を行うほか、構成文化財を見学するツアーの実施を予定しております。
なお、認定された構成文化財には民間所有のものもありますことから、その活用に当たっては、所有者との調整が必要となるものですが、炭鉄港の取組を通じ、次世代に向けて江別の歴史を伝えられるよう、観光振興計画に基づき、様々な事業を官民協力して実施してまいりたいと考えております。
私からの答弁は、以上であります。

石田武史君

順次、質問をしてまいります。
まず、1項目めの認識についてでありますが、御答弁にありました第2次江別市観光振興計画は、昨年8月から本年3月いっぱいを任期として、委員会が組織されて策定されたものであります。
9月に炭鉄港推進協議会に加入したことからも、この第2次江別市観光振興計画を策定する際には、炭鉄港を一定程度認識されていたものと考えるところです。
この第2次江別市観光振興計画では、日常の延長線上にあって気軽にふらっと楽しめることを専ら目指しているようですけれども、炭鉄港の性格として、他の地域も含めた大きな地域の中で、江別市の炭鉄港関連施設などを訪れていただくことが想定されるのではないかと思うところであります。
例えば、北海道外から新千歳空港に降り立ち、安平町や夕張市、岩見沢市などの各炭鉄港加入地域を経てから、江別市を見て、小樽市へ回り宿泊をするといったことも容易に考えられるところです。そして、その場合には、事前に計画を立て、丁寧に周遊見学するところをリサーチし、限られた時間の中で江別市へと来られると思うのですが、このような客層に対して、どのようにすれば江別市を満足していただけるとお考えか、お伺いを致します。

市長(後藤好人君)

再質問に御答弁を申し上げます。
他の地域の炭鉄港関連施設も含めた周遊観光に対する市の考えについてでありますが、第2次江別市観光振興計画では、近隣にお住まいの方を対象とした周遊観光のほか、北海道外にお住まいの方を含め、広域周遊観光の促進等についても取り組んでいくとしているところでございます。
また、当市以外の地域を含めた炭鉄港をテーマとした周遊においては、来訪者のニーズを踏まえ、江別市ならではの魅力が何なのかを周知することが重要であると考えることから、構成文化財の民間所有者等、関係者とも相談しながら、満足度がさらに高まるように取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。

石田武史君

認識については了解いたしました。
初めて江別市に来られる方が大切なのは言うまでもありませんが、満足度を高めて、リピーターとして何度もお越しいただくことは非常に大事なことだと思っておりますので、どうぞよろしくお願いを致します。
次に、2項目め、これまでの取組についてですけれども、御答弁にありますように、セラミックアートセンターで開催された展示会においては、開催期間も非常に短かったと認識していますが、その中で1,300人を超える来場者があったと伺っております。
従前は、私が、いろいろと展示された物品等の価値を訴えてきたところですが、残念ながらなかなか市にはその価値を認識していただけず、非常に残念に思っていたところでありまして、今回このような結果となったことは、非常に喜ばしいのかなというふうに思っております。
そこで、日本遺産炭鉄港ガイドつきツアーが行われており、市内外から多数の参加があったという御答弁でありましたが、この点について市の認識をお伺いします。

経済部長(石田賢治君)

再質問に御答弁を申し上げます。
ガイドつきツアーについての市の認識についてでありますが、日本遺産炭鉄港ガイドつきツアーは、炭鉄港推進協議会の事業として、北翔大学や炭鉄港関連の市民団体の協力を得て7月に開催され、市内9名、市外18名の計27名が参加されました。
ガイドつきツアーは、構成文化財の見どころなどの説明が加わることで、対象への理解が深まったとして、参加者からも大変好評であったと伺っており、炭鉄港に対する関心がより高まったものと認識しております。
以上であります。

石田武史君

次世代のこれまでの取組については、私も見ておりますので、同様の認識であったかと思いますが、ただ、これまでのツアーに対する取組が市としてどうだったのかということも、もう少し御検討いただければというふうに思います。
次に、3項目め、今後の取組についてですが、御答弁では、次世代に向けて江別の歴史を伝えられるようとありますが、江別市の炭鉄港が次世代を担う江別の子供たちにもきちんと伝えられることは、非常に重要であるというふうに考えます。この点について、今後どのように取り組まれるお考えなのか、お伺いを致します。

経済部長(石田賢治君)

再質問に御答弁申し上げます。
次世代への取組についてでありますが、市は、令和5年に炭鉄港推進協議会へ入会して以降、連携して事業を進めてきており、炭鉄港推進協議会では、小学生向けのパンフレットの作成や出前講座などの取組を行っていると承知しております。
市と致しましては、炭鉄港推進協議会と連携し、次世代を担う子供たちに炭鉄港の歴史を伝えていく手法について研究してまいりたいと考えております。
以上であります。

石田武史君

次世代の取組につきまして了解しましたが、毎年、鉄道に興味がある子供たちが増えてまいります。イギリスのアニメ番組なども見ながら毎年増えていきますので、小学校においては、副読本で江別の郷土愛を醸成しているというふうに伺っております。そういったものの活用も含めて、今後、御検討いただければというふうに思うところです。
最後でございます。
御答弁の中で、様々な事業を官民協力して実施してまいりたいとございました。江別市として、この事業を担うメインは経済部観光振興課という認識をお持ちなのでしょうけれども、観光においては、様々な要素がいろいろな部局に関連していることは誰もが認めることだというふうに思います。
したがいまして、この炭鉄港を経済部だけに任せて終わりというのではなく、建設部や健康福祉部、企画政策部など、ひょっとしたら水道部なども関連するかもしれませんが、そういった多くの部署で、これは何か関係ないかなというような考えを持ち、それを部をまたいで調整することが重要ではないかと思いますが、その点についてのお考えをお伺いいたします。

経済部長(石田賢治君)

再質問に御答弁を申し上げます。
炭鉄港の取組に当たっての他部局との調整についてでありますが、炭鉄港に関することについては、現在、経済部が窓口となっておりますが、これまでもセラミックアートセンターでの展示など、関係部局と連携して取り組んでいるところであり、今後におきましても、引き続き部局横断的に対応してまいりたいと考えております。
以上であります。

石田武史君

ただいま、部局横断的に取り組まれるということを教えていただきました。その点は了解いたしましたし、先ほどの野村和宏議員の御答弁にもありましたように、ぜひお願いしたいと思うところです。
今回はあえて質問は致しませんけれども、例えば、各部から1名程度募集して、観光振興課が中心となって、2か月に1回など定期的に集まって、それぞれが収集した情報を検討するなど、そういう取組の場もあってよろしいのではないかと思うところです。
今後、ますます構成文化財の扱いやストーリーのつくり方については重要度が増してくると思われますので、その辺の御対応もよろしくお願いを致します。
以上で、私の一般質問を終了いたします。

副議長(内山祥弘君)

以上をもって、石田議員の一般質問を終結いたします。

◎ 散会宣告

副議長(内山祥弘君)

本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 1時21分 散会