令和6年第1回江別市議会定例会会議録(第4号)令和6年3月6日
1 出席議員
25名
議長 | 島田 泰美 君 | 副議長 | 内山 祥弘 君 |
議員 | 岩田 優太 君 | 議員 | 高橋 典子 君 |
議員 | 吉本 和子 君 | 議員 | 佐々木 聖子 君 |
議員 | 稲守 耕司 君 | 議員 | 吉田 美幸 君 |
議員 | 干場 芳子 君 | 議員 | 長田 旭輝 君 |
議員 | 三吉 芳枝 君 | 議員 | 奥野 妙子 君 |
議員 | 石川 麻美 君 | 議員 | 徳田 哲 君 |
議員 | 芳賀 理己 君 | 議員 | 野村 和宏 君 |
議員 | 藤城 正興 君 | 議員 | 本間 憲一 君 |
議員 | 鈴木 誠 君 | 議員 | 髙柳 理紗 君 |
議員 | 猪股 美香 君 | 議員 | 岡 英彦 君 |
議員 | 高間 専逸 君 | 議員 | 野村 尚志 君 |
議員 | 石田 武史 君 |
2 欠席議員
0名
3 説明のため出席した者の職氏名
市長 | 後藤 好人 君 | 副市長 | 川上 誠一 君 |
水道事業管理者 | 渡部 丈司 君 | 病院事業管理者 | 長谷部 直幸 君 |
総務部長 | 萬 直樹 君 | 企画政策部長 | 白崎 敬浩 君 |
生活環境部長 | 近藤 澄人 君 | 経済部長 | 福島 和幸 君 |
健康福祉部長 | 岩渕 淑仁 君 | 健康福祉部 子育て施策推進監 |
金子 武史 君 |
病院事務長 | 白石 陽一郎 君 | 総務部次長 | 東 嘉一 君 |
財務室長 | 石田 賢治 君 | 教育委員会教育長 | 黒川 淳司 君 |
教育部長 | 伊藤 忠信 君 |
4 事務に従事した事務局員
事務局長 | 三上 真一郎 君 | 次長兼 総務課長事務取扱 |
錦戸 康成 君 |
庶務係長 | 深見 亜優 君 | 議事係長 | 小川 和幸 君 |
主査 | 木村 明生 君 | 主任 | 櫛田 智幸 君 |
主任 | 川上 静 君 | 主任 | 赤田 竜哉 君 |
書記 | 岡本 一真 君 | 事務補助員 | 佐藤 孝子 君 |
5 議事日程
日程第 1 | 会議録署名議員の指名 |
日程第 2 | 一般質問 |
発言者及び発言趣旨
佐々木 聖 子 君 (総括質問総括答弁方式)
1 江別市立病院経営強化プラン(案)について
(1)評価・点検について
(2)市民への周知について
2 産後ケア事業について
(1)産後ケア事業の内容の充実について
(2)実施施設間の連携について
3 江別市手話言語条例について
(1)手話の理解と普及に向けた取組について
(2)施策の検証について
(3)今後の課題と取組について
長 田 旭 輝 君 (総括質問総括答弁方式)
1 障がいのある児童生徒の教育機会について
(1)障がいのある児童生徒の教育における現状と課題について
(2)障がいのある児童生徒の現状を理解する機会の必要性について
(3)特別支援学級の児童生徒に対する修学旅行費の助成について
2 ゼロカーボンシティ実現に向けた取組について
(1)市民の環境意識のさらなる醸成について
(2)脱炭素化に向けた教育の推進について
(3)再生可能エネルギーの身近な活用について
干 場 芳 子 君 (一問一答方式)
1 子どもの権利について
(1)市政執行方針における子どもの権利に対する市長の認識について
(2)教育行政執行方針における子どもの権利に対する教育長の認識について
2 学校教育における中立性について
(1)神社からの絵馬の寄贈について
(2)日本国憲法及び教育基本法の規定について
(3)今後の対応について
3 使用料・手数料について
(1)ごみの有料化による市民負担の考え方について
(2)財政への影響について
(3)見直しについて
4 共生のまちづくりについて
(1)市内に在住する外国人について
(2)課題の認識について
(3)学校でのサポート体制について
三 吉 芳 枝 君 (総括質問総括答弁方式)
1 軟骨伝導イヤホンについて
(1)窓口への導入について
2 食品ロス削減の取組について
(1)在庫食品や未利用食品の寄附の普及拡大について
(2)事業者との連携による食品ロス削減について
(3)出荷や加工前に廃棄されている地域の食材活用について
6 議事次第
◎ 開議宣告
議長(島田泰美君)
これより令和6年第1回江別市議会定例会第14日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。
◎ 議事日程
議長(島田泰美君)
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
◎ 会議録署名議員の指名
議長(島田泰美君)
日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
髙柳議員
野村和宏議員
を指名いたします。
◎ 一般質問
議長(島田泰美君)
日程第2 一般質問を順次行います。
佐々木聖子議員の江別市立病院経営強化プラン(案)についてほか2件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。
佐々木聖子君
佐々木でございます。
ただいま、議長より許可を頂きましたので、質問をさせていただきます。
1件目、江別市立病院経営強化プラン(案)について、1項目めの評価・点検について。
現在、令和4年3月に、総務省から示された持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドラインに基づき、令和6年度(2024年度)から令和10年度(2028年度)までの5年間を計画期間とする江別市立病院経営強化プランを策定中です。
平成28年度(2016年度)以降、再び毎年度の大幅な収益赤字を計上し続け、累積欠損金が100億円を超えるなど、危機的な経営状況に直面した江別市立病院は、令和元年(2019年)に設置された江別市立病院の役割とあり方を検討する委員会の答申を受けて、令和2年度(2020年度)から令和4年度(2022年度)までの3年間を経営再建に向けた集中改革期間と設定するとともに、令和3年(2021年)3月には、江別市立病院経営再建計画ロードマップ2023を策定して具体的な取組を進め、令和5年度(2023年度)には、収支の均衡を実現することとしてきました。
その結果、令和3年度(2021年度)及び令和4年度(2022年度)には、純利益を計上するに至りましたが、その内容は、江別市立病院経営評価委員会の令和4年度(2022年度)点検評価に関する意見書でも明らかなように、新型コロナウイルス感染症対策に伴う国や北海道からの補助金等による収益増加が最大要因となっており、市立病院の経営状況が真に改善されたものとは言い難い状況です。
この間、職員の皆様には、医師確保に向けた支援という名目で、財源確保のための給与削減が行われました。そのおかげで、北海道大学・札幌医科大学の両大学において研究講座が開設され、下地がつくられ、一歩前進されました。
こうした中で策定される江別市立病院経営強化プランは、前計画である江別市立病院経営再建計画ロードマップ2023の達成状況をしっかりと総括した上で策定されることが不可欠です。
国の通知が、地方自治法に基づく技術的助言であることを踏まえるとするならば、国の示すガイドラインに沿った数値や希望的な目標の羅列ではなく、江別市立病院の実態に即した真に実現可能な数値目標を示すべきと考えます。
また、策定された計画が確実に実行されるためには、医師の確保をはじめとする医療スタッフの充実や病院経営の専門的知識を備えた人材の育成など、病院機能の体制強化が必要であり、そのための具体的な取組を示すことが必要です。
また、計画の達成状況については、毎年度において検証を行い、その検証結果に基づきながら、江別市病院経営強化プランの柔軟な見直しを図る必要があります。
江別市立病院経営強化プラン(案)の中にも示されているとおり、3年間に及ぶ新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、地域医療における公立病院の果たすべき役割の重要性を再認識させるとともに、他の医療機関との連携強化や役割分担の必要性を明らかにしました。
高齢化の進展や医師の働き方改革などの諸課題に対応し、江別市民の命と健康を守るための持続可能な地域医療提供体制の確立のため、江別市立病院の果たす役割はますます重要になっています。
そのためには、病院経営の責任者である病院事業管理者をはじめとする病院関係者は言うまでもなく、市立病院の抱える多くの課題を、江別市全体の課題として全市職員が共通認識を持ち、とりわけ市長自身が先頭に立って課題解決に取り組むことが何よりも必要です。強い指導力とリーダーシップの発揮が期待されます。
江別市立病院経営強化プラン(案)の第4章、点検・評価・公表の(4)その他、各年度の点検・評価を踏まえ、計画期間の中間年度、令和8年度(2026年度)に必要な見直しを行うほか、必要に応じて計画内容を見直しますとありますが、表現が抽象的です。
見直しに当たっては、初年度、令和6年度(2024年度)を含む各年度の収支を評価・検証し、計画予算とマイナス乖離があり、次年度以降の到達目標に展望が見えないと判断した場合は、病院事業管理者とともに、江別市立病院開設者として最終責任者の任にある市長の決断とリーダーシップの下、江別市立病院経営強化プランの見直しを含めた抜本的な対策を講じることが必要と考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。
2項目め、市民への周知について。
令和3年第3回定例会の一般質問において、市立病院の市民説明会については、市立病院が地域医療の中核を担う医療機関として、地域医療を守りつつ、経営再建をどのように進めていくのかということについて、市民と共有する場として設け、市立病院の経営再建については、開催の意義や目的を十分に伝える点に配慮した上で、対話型による市民説明を充実させることが重要と考えるとの御答弁でした。
今回、令和6年度(2024年度)4月から令和10年度(2028年度)3月までの5年間の江別市立病院経営強化プランロードマップ2028を策定中です。
江別市立病院経営評価委員会の議論においても、市民に説明する際には、医療や会計上の専門用語ではなく、分かりやすい言葉での説明と、実際には市立病院がどんな医療を提供し、市民や地域医療を守るために、どんな役割を果たそうとしているのかの理念について説明することが重要であると話されていました。これらのことに鑑み、今後の市民周知についてのお考えをお伺いいたします。
次に、2件目、産後ケア事業について、1項目めの産後ケア事業の内容の充実について。
令和3年第4回定例会での一般質問以降、メニューの訪問型の追加や、今当初予算においても、利用料金の改定が予定されているなど、より多くの方に利用していただけるように充実が図られてきています。
江別市の産後ケア事業は、一般社団法人江別医師会、一般社団法人北海道助産師会の御協力により運営されています。利用できる施設は8施設ありますが、市内に限ると、日帰り型と宿泊型のどちらも利用可能な施設は1か所、日帰り型のみが1か所、訪問型のみが1か所となっています。現在、ニーズが多く、予約が取りづらく、2か月待ちの状況にあると伺っています。
そこで、利用施設の拡充についての考え方と、ケア内容について、江別市立病院では訪問型を委託され提供を行っていますが、市内唯一の出産可能な施設として、出産後のサービス向上のため、日帰り型、宿泊型の提供の検討について及び利用日数について、江別市では、宿泊型4泊、かつ日帰り型または訪問型4回の計8回とされていますが、石狩管内他市では、同じ上限回数でも、メニューの選択は自由に組合せが可能なところもございます。
利用状況はそれぞれの環境によっても違い、多種多様なため、利用の組合せも選択可能にすることについて、それぞれの考え方をお伺いいたします。
次に、2項目めの実施施設間の連携について。
江別市で産後ケア事業を利用できる施設は8施設ありますが、市内3か所と札幌市北区、札幌市東区、札幌市清田区、札幌市西区、札幌市白石区に各1か所となっています。
実施施設のほうから、提供しているケアの質・レベルについて、ばらつきのない良質なケアをタッグを組んで提供したいとの思いから、定期的な情報交換の場の設置について御要望がありました。この件についてのお考えをお伺いいたします。
次に、3件目、江別市手話言語条例についてです。1項目めの手話の理解と普及に向けた取組について。
平成31年(2019年)4月より施行し、6年目を迎えます。この間、コロナ禍の難しい中、徹底的な感染防止対策を講じながらの取組に敬意を表します。
この間、市では、手話が言語であることに対する市民の理解の促進と手話を使いやすい環境づくりに向けて施策を推進されてきました。手話の基本を身につけてもらうため、江別聴力障害者協会など関係団体の協力の下、福祉サービス事業者などを対象とした手話講座や市職員向けの研修などを開催され、また、市民に対する手話への理解促進と普及に向けては、広報えべつに簡単な手話を紹介するコラムを毎月掲載するとともに、本庁舎や市民会館に設置しているモニターを活用し、広告企業などの協力により手話動画の配信を実施しているほか、聴覚障がい者への意思疎通支援のため、手話通訳者の各種イベントへの派遣などに取り組まれています。
市民と議会の集いでも、手話通訳者の配置により聴覚障がい者の方の参加を頂き、貴重な御意見を頂いています。また、子供の頃からの手話への理解促進と普及に向けて、江別聴力障害者協会や手話の会など関係団体が実施している手話講座の活動をさらに進めるため、教育委員会を通じて市内小・中学校に周知を図るとともに、運営団体に対して開催経費の支援等が行われてきています。
こうした取組が継続されている中、新たな取組についてや、2020年時点で、小学校、酪農学園大学附属とわの森三愛高等学校、北翔大学、北海道消防学校など8校から9校で、中学校はゼロと固定化されてきていた小・中学校の手話講座の開催状況について、及び、コロナ禍が落ち着いてきた中で、節目のイベント開催等についてのお考えをお伺いいたします。
2項目めは、施策の検証についてです。
前回、令和2年第4回定例会の一般質問の回答で、計画の策定については、2021年に策定した障がい者支援・えべつ21プランにおいて、手話に関する理解と啓発や手話でのコミュニケーションの支援を新たな項目として位置づけ、施策の実施や検証については、江別聴力障害者協会や手話の会など関係団体と相談していくとのことでしたが、その後の検証状況や評価等についてお伺いいたします。
次に、3項目めの今後の課題と取組については、全国的にも課題となっているのが、手話通訳者の高齢化と若い担い手の後継不足です。
市内の聴覚障がい者の方は400人ほどいらっしゃいますが、その障がいは、聞こえ方の程度や手話を使わない人、スマートフォンの文字アプリを使える人・使えない人など、いろいろなタイプの方がいらっしゃいます。
市は、イベントや出前講座をはじめ、通院の同行等への通訳者の派遣事業を行っていますが、日常的以外に大きな災害が起こっている現代においては、いつ身近なところで災害が起こるとも限りません。必要な支援体制を構築しておく必要があります。
市では、ボランティア人材養成事業の中で、入門から通訳者養成までの3コースを設定し、週1回おおむね8か月間の実施となっています。
3コースについて、それぞれの定員、受講者数、修了者数の推移及び手話通訳者の登録が増えない環境として、市の講習会修了後、さらに北海道の養成講座の受講後に、合格率2割の全国統一試験の合格が必須であり、低い合格率の背景には、養成講座と実際に通訳者に求められるレベルの乖離があるのではと言われている手話通訳者の江別市の登録状況と併せて、江別市手話言語条例の推進に向けた課題の認識と今後の取組についてのお考えをお伺いいたします。
これで、1回目の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
議長(島田泰美君)
佐々木議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(後藤好人君)
佐々木議員の一般質問に御答弁申し上げます。
私からは、江別市立病院経営強化プラン(案)につきまして、評価・点検についてお答えを申し上げます。
市立病院では、持続可能な地域医療提供体制を確保しつつ、経営強化を着実に進めるため、江別市立病院経営強化プランの策定を進めてきたところでありまして、本年2月26日に開催されました市議会生活福祉常任委員会に、同プランの最終案をお示ししたところでございます。
江別市立病院経営強化プランにつきましては、江別市立病院経営評価委員会において専門的な見地からの御意見を頂きながら、毎年度、医療機能や経営指標に係る数値目標の達成状況について点検・評価を実施することとしており、市立病院では、これらの点検・評価の結果を各年度の予算に反映させることとしているほか、計画期間の中間年度であります令和8年度には、江別市立病院経営強化プラン全体の見直しを行うこととしております。
その中間見直しの際には、江別市立病院経営評価委員会からの御意見も頂きながら、医療機能や経営指標に係る数値目標などについて、毎年度の点検・評価の結果に加え、診療報酬改定をはじめとする外部環境の変化を踏まえて、必要な見直しを行いたいと考えております。
いずれに致しましても、市立病院の長期的な経営の安定化を実現し地域医療を確保することが、私の使命と考えておりますので、病院事業管理者とともに職員一丸となって、江別市立病院経営強化プランに基づく取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの御質問につきましては、病院事務長ほかをもってお答え申し上げます。
病院事務長(白石陽一郎君)
私からは、江別市立病院経営強化プラン(案)についてのうち、市民への周知について御答弁申し上げます。
市立病院では、経営再建を着実に進めるためには、市民の理解と協力が不可欠であるという考えの下、広報えべつによる経営情報の発信やホームページのリニューアルなど、広報活動の充実に向けた取組を進めてまいりました。
しかしながら、江別市立病院経営強化プランの策定に当たって、市民2,000人を対象に実施した医療と経営に関するアンケート調査の結果では、市立病院が提供する医療内容への認知度、経営再建の取組への認知度ともに低くなっていたことから、これらを高めるため、多様な媒体を活用しながら、戦略的に広報活動を展開していく必要があるものと考えております。
江別市立病院経営強化プランの市民周知につきましては、江別市立病院経営評価委員会でも御指摘がありましたとおり、医療や会計に関する専門用語も多いことから、その内容を分かりやすくお伝えするためには、広報えべつやホームページにより広く市民に情報発信を進めることに加え、様々な団体等を直接訪問する出前講座といった対話型による広報活動に取り組むことが、より効果的であると考えております。
市立病院と致しましては、江別市立病院経営強化プランの達成に向けては、市立病院の理念や公立病院として果たすべき役割を市民の皆様と共有することが重要であると考えておりますことから、多様な媒体を活用しながら、様々な機会を捉えてその周知に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
健康福祉部長(岩渕淑仁君)
私から、産後ケア事業についてほか1件について御答弁申し上げます。
まず、産後ケア事業に関しまして、産後ケア事業の内容の充実についてでありますが、産後ケア事業は、母子保健法第17条の2に基づき、退院直後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行う事業であり、その実施は市町村の努力義務とされております。
江別市では、産後も安心して子育てができる体制を整えることを目指して、一般社団法人北海道助産師会と一般社団法人江別医師会の協力の下、令和元年8月に産後ケア事業を開始いたしました。
開始に当たりましては、国のガイドラインに基づき、病院・助産院での宿泊により、主に休養の機会を提供する宿泊型と来所によりケアを行う日帰り型から実施し、令和4年度から、利用者の自宅に赴きケアを行う訪問型を追加し、3種類の全ての型を実施できるように拡充したところです。
利用回数につきましては、先に事業を実施していた近隣市町村の利用状況に鑑みて、宿泊型4泊、かつ日帰り型または訪問型を合わせて4回の計8回としております。
産後ケア事業の令和4年度実績は、宿泊型70泊、日帰り型100日、訪問型74回で、年々増加しておりますが、利用実人数117人の利用回数の平均は2回から3回となっており、利用者のニーズはおおむね満たされているものと考えております。
市と致しましては、産後ケア事業利用者の背景は様々であり、家族等の援助が十分に受けられない方や産後鬱傾向が強いなど、利用頻度を多く必要とする方がいること、また、宿泊型においては、希望日に空きがないことで利用できないケースがあることも把握しており、これらが現状の課題であると認識しております。
議員が御質問の利用施設の拡充及び利用の組合せを選択可能にすることについてでありますが、これらの対応には実施施設の十分な確保と協力が不可欠でありますことから、利用者のニーズを把握するとともに、委託先である一般社団法人北海道助産師会や一般社団法人江別医師会などと、課題の解決に向けて協議してまいりたいと考えております。
次に、実施施設間の連携についてでありますが、市の産後ケア事業は、一般社団法人北海道助産師会と一般社団法人江別医師会に委託して実施しております。
一般社団法人北海道助産師会は、母子保健推進のため、全国の助産師と連携を図り、助産師業務の水準を維持し、その改善、向上に努める団体とされ、産後ケア事業の研修等も企画しております。市と契約の際に、一般社団法人北海道助産師会では、適切な事業運営ができると認められる助産院に意向確認の上、実施施設を選定しており、令和5年度は6施設となっております。
また、一般社団法人江別医師会との契約における実施施設は、江別市立病院のほか、市内クリニックの計2件となっており、江別市の実施施設は合計で8施設となっております。
議員が御質問の定期的な情報交換の場の設置についてでありますが、これまでも事業の中で変更事項があった際や評価のための利用者アンケートの実施報告など、必要に応じて不定期に実施施設と情報交換をしてまいりました。
市と致しましては、実施施設間の情報の共有は重要と認識しておりますことから、委託先である一般社団法人北海道助産師会等を通じて、情報連携の手法について協議してまいりたいと考えております。
続きまして、江別市手話言語条例について御答弁を申し上げます。
まず、手話の理解と普及に向けた取組についてでありますが、江別市手話言語条例は、手話を使いやすい社会の実現に向けて、手話が言語であるとの認識を広く市民に普及し、誰もが安心して暮らすことができる共生社会の実現に寄与することを目的として、平成31年4月に施行したものであります。
市では、条例の基本理念に基づき、手話への理解の促進及び手話の普及、手話による情報取得及び手話を使いやすい環境づくり、手話による意思疎通支援の3つの施策を推進することとしております。
今年度の取組と致しましては、子供の頃からの手話への理解促進と普及に向け、市内小・中学校の手話出前授業を小学校9校21学級で実施したところでありますが、中学校では実績がない状況にあります。今後におきましても、より多くの学校で実施されるよう、市内小・中学校の校長会に働きかけてまいります。
また、節目のイベントにつきましては、条例施行から5年が経過したことから、江別聴力障害者協会と開催について協議しているところであります。
市と致しましては、引き続き、条例で掲げる基本理念に基づき、様々な機会を捉えて手話への理解の促進及び手話の普及など、3つの施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、施策の検証についてでありますが、市では、江別市手話言語条例の基本理念に基づき、障がい者支援・えべつ21プランにおいて、市民への障がいの正しい理解の啓発、コミュニケーション手段の確保等を基本施策とし、手話講習会の開催、手話通訳者の派遣、市内小・中学校の手話出前授業などの事業を実施してきております。
条例制定前の平成30年度末と今年度2月末の各事業の実績を比較しますと、手話講習会の受講人数は37人から51人、手話通訳者の派遣回数は48回から72回、小・中学校の出前授業の学級数は17学級から21学級となっており、コロナ禍により一時期減少しておりましたが、新型コロナウイルスによる制限が解除された今年度は増加しております。
これら取組の評価と致しましては、江別聴力障害者協会等、関係団体との意見交換において、条例が制定されたものの、市民が手話に接する機会が少なく、手話が十分に浸透していないなどの意見を頂いているところであります。
次に、今後の課題と取組についてでありますが、市が任用している手話通訳者の状況と致しましては、専任手話通訳者が1名、手話通訳登録者が16名の計17名となっており、手話通訳者の派遣要請に対応できているものと考えております。
議員が御質問の江別市手話言語条例の推進に向けての課題の認識と今後の取組についてでありますが、条例の基本理念に基づく各事業の実績は増加しているものの、市民が手話に接する機会を拡充し、手話が言語であると浸透させていくことが課題であると認識しております。
今後の取組と致しましては、市内小・中学校における出前授業の拡充や各種行事への手話通訳者の積極的な派遣など、様々な機会を通じて市民が手話を身近に感じてもらえるよう、継続的に周知・啓発していく必要があると考えております。
いずれに致しましても、市と致しましては、引き続き、江別市手話言語条例の基本理念に基づき、江別聴力障害者協会等、関係団体と連携しながら、手話の普及啓発に努めてまいります。
以上であります。
佐々木聖子君
御答弁、ありがとうございました。
再質問をさせていただきます。
1件目の江別市立病院経営強化プラン(案)についての評価・点検については、数値目標の達成状況について、毎年度の点検・評価の結果を各年度の予算に反映し、計画中間年の令和8年度(2026年度)に診療報酬改定等をはじめとする外部環境の変化を踏まえつつ、江別市立病院経営強化プラン全体を見直し、必要な見直しを行いたいとの御答弁でした。
計画どおりの御答弁でございますが、策定中の江別市立病院経営強化プラン(案)の数値目標が既に現状との乖離を感じ、目標達成を懸念しております。
現状は、令和5年度(2023年度)で約1億9,000万円の補正予算が組まれ、令和6年度(2024年度)で約2億7,000万円のマイナス予算の中、江別市立病院経営強化プラン最終年度の令和10年度(2028年度)には約5億円の黒字決算となっています。
一般的に、中間見直しでは、環境や社会情勢の変化に対して、再度、どのような方向性で、どのようなことを目指しているかを明示することができるものでございますが、新型コロナウイルス感染症拡大や地震等の災害など、短期間で激しく変化する場合に見直す必要があります。
外部環境の変化が激しい現代では、今の常識が非常識になってしまうこともあります。外部環境に大きな変化があった場合、前提と現実の違いで計画の検証に大きく乖離がある場合は、すぐに対応して策定し直すことが重要です。
設定した目標が早めに達成できた場合、逆に、到底達成できずに残ってしまっている不可能と思われる計画を上げ続けることは、目標達成に向かって日々仕事に取り組む職員にとっても、市民にとっても意味を持たないものになってしまいます。
見直しのスパンの問題です。基本的には、コンセンサスを維持するためには、頻繁に変更しないほうが望ましいのかもしれませんが、毎年度見直したときに、計画の再策定を検討することも重要と考えます。
病院事業管理者も、日頃より、院内検証は、毎週の経営会議、毎月の運営会議、年4回の江別市立病院経営評価委員会で点検、検証をしつつ、日々見直しを行い、数字の大きな見直しは、短期的にと意識して取り組まれているとお伺いしています。
江別市立病院経営強化プラン全体の見直しは、令和8年度(2026年度)にこだわることなく、そのタイミングを逸することなく、スピード感を持って実行することが重要と考えます。再度、市長のお考えをお伺いいたします。
2件目の産後ケア事業についての1項目め、産後ケア事業の内容の充実については、要望と再質問とさせていただきます。
利用回数についてはおおむね満たされているとのお考えでしたが、利用者からは、利用回数の限度から、使うタイミングを考慮しているとの声も聞かれています。せっかくの機会ですので、ゆとりを持って上限のある中でも自分のタイミングで選択できることで、より利用しやすくなると思います。
また、宿泊型の課題についての認識も示されました。いずれも、実施施設の十分な確保と協力が不可欠であり、今後、利用者のニーズを把握するとともに、問題解決に向けて協議を行っていくとの御回答でしたので、よろしくお願い申し上げます。
再質問は、実施施設の確保についてです。
宿泊型については、当面、市立病院での実施に向けて、一般社団法人江別医師会への働きかけを要望するとともに、今後、実施施設の拡充に向けて、委託先を拡大するお考えについてお伺いいたします。
3件目の江別市手話言語条例については、再質問です。
2項目めの施策の検証について、石狩管内の石狩市は、平成25年(2013年)12月に、全国の市町村で初めて手話言語条例を制定し、他の自治体のモデルとなっています。石狩市は、条例制定時、附則において、施行後3年をめどとして施行の状況について検討するとされ、石狩市手話に関する基本条例見直し検討会により、見直しに係る提言が出されています。
その内容の一部を御紹介いたします。
条例の改正の見直しについてはまだ早く、施策の推進方針の見直しを検討していく必要があるとの提言から、施策の推進方針の見直しを実施。
推進状況のチェックのため、第三者からの意見を聴く場として、聾関係団体、手話関係団体、手話サークル団体、北海道手話通訳問題研究会道央支部石狩班の各代表者と石狩市専任手話通訳者、市が行う公募に応じた者、その他市長が特に必要と認める者で構成する石狩市手話基本条例推進懇話会を、平成29年(2017年)4月に設置されています。
そして、石狩市手話基本条例推進懇話会の提言を受けて、令和4年(2022年)4月に推進方針を見直し、4つの視点として、災害時の対応、町内会・自治会等での手話の理解促進、聞こえない子供や保護者への支援、コロナ禍において必要な視点が追加されております。
また、活動については、手話出前授業が小学校では全10校、中学校では全7校で実施、消防署における手話研修も何度か手話出前講座として実施後、現在は自主研修に発展、北海道立石狩翔陽高等学校に手話言語の授業があり、市は手話通訳者を派遣する形で携わっています。
手話イベントも、コロナ禍の令和2年(2020年)、令和3年(2021年)は中止となりましたが、毎年1回、石狩手話フェスタを開催し、市民が手話に触れる機会となっています。
当市の授業では、条例制定前の平成30年度(2018年度)末と令和5年度(2023年度)末の各事業の実績の比較で、コロナ禍により一時減少していたものの、新型コロナウイルスによる制限が解除されてから増加し、回復しているとのことでしたが、取組の評価としては、江別聴力障害者協会など関係団体との意見交換において、条例が制定されたものの、市民が手話に接する機会が少なく、手話が十分に浸透していないなどの意見を頂いているとのことでした。
石狩市手話に関する基本条例見直し検討会は、検討会委員が検討の中で、手話は言語であることの理解を深めるとともに、具体的な取組内容を知ることにより、手話や聾者の理解が市民に確実に広がっている状況も知ることができ、また、議論を通じて今後取り組むべき課題も見えたとの報告をされています。効果的な取組と評価されます。先進地の取組を参考として、継続して取り組んでいく組織の設置等についてのお考えをお伺いいたします。
次に、3項目めの今後の課題と取組については、市が任用している手話通訳者の状況について、現在は、専任手話通訳者が1名、手話通訳登録者が16名の計17名で、手話通訳者の派遣要請に対応できているものと考えているとの御答弁でした。
令和元年(2019年)から令和5年(2023年)の間での手話通訳登録者の推移と、今後、出前授業の拡充や各種行事への手話通訳者の積極的な派遣とありましたが、各種事業への派遣等を増やしていく中で需要が増加することを考えると、将来を見据えた人材の育成について準備することが必要と考えます。人材の育成についてのお考えをお伺いいたします。
以上、再質問と致します。
市長(後藤好人君)
江別市立病院経営強化プラン(案)についての再質問に御答弁申し上げます。
江別市立病院経営強化プランの全体の見直しを行う時期についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、江別市立病院経営強化プランにつきましては、毎年度の点検評価の結果等を各年度の予算に反映させることとしているほか、計画期間の中間年度である令和8年度には、江別市立病院経営評価委員会の御意見も頂きながら、外部環境の変化を踏まえて必要な見直しを実施することとしております。
いずれに致しましても、私と致しましては、市立病院の長期的な経営安定化を実現し、地域医療を確保するため、江別市立病院経営強化プランに掲げた市立病院の理念や公立病院として果たすべき役割を市民の皆様と共有しながら、病院事業管理者とともに、スピード感を持って、経営強化の取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
健康福祉部長(岩渕淑仁君)
私から、産後ケア事業ほかについての再質問に御答弁申し上げます。
まず、産後ケア事業に関しまして、産後ケア事業の内容の充実につきまして、今後、実施施設の拡充に向けて委託先を拡大する考えについてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、市では、宿泊型の希望日に空きがないなど、提供体制の課題は認識しており、実施施設を拡充することは重要であると考えております。
提供体制を確保するためには、委託先の協力が不可欠であることから、今後も、一般社団法人北海道助産師会や一般社団法人江別医師会などと課題解決に向けて協議してまいりたいと考えております。
続きまして、江別市手話言語条例に関しまして、施策の検証についての再質問に御答弁申し上げます。
先進地の取組を参考として、継続して取り組んでいく組織の設置等についての御質問でありますが、市では、江別聴力障害者協会をはじめとする関係団体と継続的に意見交換を行い、意見・要望をお聴きしているところです。
今後におきましても、関係団体等と継続的に意見交換を行い、手話の普及啓発に関して課題の共有を図ってまいりたいと考えております。
次に、今後の課題と取組につきまして、手話通訳登録者の推移と手話通訳者の人材育成についての御質問でありますが、令和元年度から令和5年度の手話通訳登録者の推移と致しましては、令和元年度は18人、令和2年度は15人、令和3年度及び令和4年度は17人、令和5年度は16人となっております。
また、手話通訳者の人材育成についてですが、将来に向けて、一定数手話通訳者を確保する必要があると考えております。
このことから、市と致しましては、ボランティア人材養成事業の中で、手話奉仕員を養成する講習会を実施しており、今後もこの講習会を継続するとともに、江別聴力障害者協会や講習会運営の委託先であります江別市手話講習会運営委員会と連携しながら、手話通訳者等の人材育成に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
佐々木聖子君
御答弁、ありがとうございました。
最後は、要望と致します。
1件目の江別市立病院経営強化プラン(案)について、評価・点検については、これからスタートする計画ですが、市民の皆様に御迷惑をおかけせざるを得ない一番の要因である医師確保が本当に達成できるのか、危惧しております。
もちろん、計画を達成することを心から願ってもいます。少なくとも、足踏み、停滞することなく、少しずつでも前進していることが分かるように、丁寧な説明と行動を起こすことが必要です。
現在、病院内でのガバナンスは着実に強化されてきています。職員の意識が変化し、いろいろなアイデアを出し合い、ボトムアップ式に提言が行われ、自ら収益増への策を講じるなど、いろいろなアクションが各セクションから起こり、各所管の委員会での報告とともに、江別市立病院経営評価委員会でも評価を受けられています。
引き続き、全職員が一丸となり努力を続けていただき、市民の皆様へは常に真摯に向き合い、必要な情報を分かりやすく説明し、御理解を頂きながら、一緒にまちづくりができるように、市長、病院事業管理者におかれましては、評価の判断、時期を見誤ることなく、対応が後手に回ることなく、スピード感を持った対応ができるよう取り組まれることを要望いたします。
2件目の産後ケア事業につきましては、1項目めの産後ケア事業の内容の充実について、改めて提供体制の充実については、確実な実施に向けての働きかけと、課題解決に向けての協議について、多方面からの検討を要望いたします。
3件目、江別市手話言語条例についての2項目め、施策の検証については、条例制定後6年目を迎え、江別聴力障害者協会など関係団体との意見交換において、条例が制定されたものの、市民が手話に接する機会が少なく、手話が十分に浸透していないとの意見を頂いていることは、残念ながら、理解が進んでいるという実感や体験する機会が持てなかった状況だと思います。
検証に当たっては、当事者のみならず、市民アンケートの実施を行うなど、広く第三者の声も聴き、理解が深まり、手話が言語であるということが浸透するには何が効果的で必要か、多くのアイデアも頂きながら、課題解決に向けた十分な議論ができる場となるように要望いたします。
3項目めの今後の課題と取組につきましては、手話通訳登録者数は若干の増減はありつつも、同程度で推移し、確保されていると理解いたしました。
市民が手話に接する機会を拡充し、手話が言語であると浸透させていく課題解決のため、将来を見据えた人材育成に取り組まれるよう要望いたします。
以上をもって、一般質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
議長(島田泰美君)
以上をもって、佐々木議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
長田旭輝議員の障がいのある児童生徒の教育機会についてほか1件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。
長田旭輝君
議長に発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
近年、多様性に伴う共生社会の実現の必要性は、着実に高まっていることを肌で感じております。
江別市としても、今まで、国際的な理解を深める取組、江別市パートナーシップ宣誓制度の導入、市内小・中学校への特別支援学級の設置など、国籍、性別、障がいの有無など、多様性のある共生社会実現に関わる取組を着実に進めてきたと承知しております。
令和6年度から始まる第7次江別市総合計画の中でも、共生社会への対応、様々な分野において、多様な市民がありのままで、誰もが生き生きと暮らせる共生の社会を目指して取り組んでいく必要性についても明記されました。誰もが安心して暮らせる江別を実現するためにも、今後、さらに共生社会に向けた取組を着実に進める必要があります。
さきに述べた市内小・中学校への特別支援学級の設置により、障がいのある子供が日頃から生活している地域で教育を受けられるという選択肢が生まれ、それを望む声が増えているということも、実際に市民や教育現場の方から伺っております。
健常者の子供と障がいなどにより支援を必要としている子供が、同じ学びやで学ぶことができる環境を、これからも持続発展させていくことが今後も必要であると考えており、教育分野で共生社会を進める上でも重要なことであると言えます。
一方で、障がいや医療的なケアが必要な理由で、教育の場で格差を感じている児童や保護者がおられることも事実であります。
先月、市内中学校の特別支援学級に通う重度の障がいのある児童の保護者の方から御相談を頂きました。児童本人の意思も踏まえつつ、地元の学校で学ばせてあげたいとの思いで、現在、地域の中学校に通っている。今後、中学校で修学旅行があるが、児童本人に重度の身体障がいがあり、果たして行けるかが不安だった。
小学校の修学旅行のときには、親が車で同伴をして、短い日程だったので、何とか対応したが、中学校では3日間の行程で、バスや飛行機移動もある。
そこで、学校側とも話をしたところ、学校側も児童を修学旅行に連れていってあげたい。ほかの生徒とできるだけ一緒に行動をさせてあげたいと、旅行会社にも相談をして、修学旅行に行ける方法を一緒に考えてくれたとのことです。方法としては、生徒が移動するバスを、車椅子ごと乗降できるリフト付バスの利用ができるとのこと。本人が移動時に負担がかからないようにするためという配慮もありました。
ただ、体調不良時の対応や夜間の対応、医療的な措置、精神的な負担の軽減などから、保護者の付添いが必要とのことでした。このとき保護者の方は、それでも大切な修学旅行に行かせてあげたいという思いで、付き添う予定とのことでした。それでも、学校側がリフト付のバスの利用を提案してくれたこと、そのこと自体に障がいへの理解の一端を感じられておりました。
しかし、その修学旅行の金額に不公平感を覚えたそうです。一般的に、健常者の生徒の旅行費用は1人約7万円、しかし、今回相談のあった児童は、重度の障がいがあり、保護者が付添いをする場合、通常のバスからリフト付バスに変更したときの差額分、保護者付添い分の旅費などを含めると、約30万円を保護者が負担することになってしまうとのことであります。
保護者の方は、障がいがあるという理由で、同じ健常者の子供たちとこれだけの差があること、経済的な負担が非常に大きいことに落胆されておりました。せめて、この金額を補助してもらえる仕組みがあればと、切実に話されておりました。
江別市で利用できる特別支援学級の特別支援教育就学奨励費も修学旅行が対象となっていますが、上限額は2万8,860円であり、足りない以前に所得制限で対象外とのことであります。
今回は、現状で、学校側としても、本人をほかの生徒と一緒に修学旅行に参加できるようにしてあげたい、保護者も、そのためにできるだけのことはしてあげたいとの思いから話を進めていました。しかし、現状、これほどの経済的負担が出ることに、学校側としても、保護者側としても、苦慮されておりました。
修学旅行は、学校生活の思い出をつくるだけではなく、義務教育の大切な授業の一環であり、ふだんと違うその地域の文化、歴史を学び、見識を広げ、また、他の生徒との交流や人との関わり方を学ぶ大切な教育の機会であります。
今回の件は、修学旅行を通して、保護者として、障がいがあっても他の生徒と同じように教育を受けさせてあげたい。学校側としても、それをどう実現できるか、方法を保護者と一緒に考えた結果であります。児童も保護者も、学校教育の現場の皆さんも奮闘されております。
しかし、それを実現するためには、行政側からの支援が必要であり、今回の修学旅行の問題は、それを象徴する課題の一つであると考えます。
そこで、1点目として、現在、江別市で行われている障がいのある子供の教育に対する取組の現状と課題についてお伺いいたします。
2点目として、共生社会を目指す上では、障がいのある児童も、そうでない児童も、障がいがあることで、どのような課題や現状があるのかを理解する機会が必要であると考えます。どのように取り組まれているのか、お聞かせください。
3点目として、今回の特別支援学級の生徒のように、修学旅行に必要と判断できる経費を助成することについて、御見解をお伺いいたします。
次に、件名2、ゼロカーボンシティ実現に向けた江別市の取組についてお伺いいたします。
全国でも脱炭素化の流れは加速しており、環境省のホームページを見ますと、2050年までの実質CO2排出ゼロを目指すゼロカーボンシティ宣言をした自治体は、令和2年の166自治体から、令和5年までの3年間で1,013自治体に増加しており、各自治体とも、脱炭素化に向けて今後さらに取組が進むと推察いたします。
江別市においても、令和5年6月2日、令和5年第2回江別市議会定例会において、後藤市長が市政執行方針の中で、2050年までにCO2排出量の実質ゼロを目指すゼロカーボンシティを目指すことを宣言されました。
脱炭素社会実現は地球規模の課題ではありますが、その実現のためには、各自治体、各地域、各個人が問題意識を持ち、取り組んでいく必要がある課題であります。そのため、江別市としても、行政が積極的に市民への情報発信、働きかけ、取組の推進をしていくことが重要であると考えます。
江別市としても、環境に配慮したバイオマス発電、太陽光発電を推進し、その電力を公共施設で使用する取組や事業を行っているほか、市民向けに、環境意識の醸成を目指し、環境省のゼロカーボンアクション30の実践の呼びかけ、毎年開催されるえべつ環境・SDGs広場の開催を通して、様々な環境課題や取組方法について情報発信してきていると承知しております。
しかし、2050年までの脱炭素化という点では、より多くの市民に対して身近な課題であることを認識していただき、環境意識の醸成のための取組を進めるべきと考えます。
昨年、会派視察で行政調査を行った長野県飯田市では、EV自動車を導入している地元のタクシー会社の協力を受けて、EV自動車のバッテリーを地域のイベントで使用する外部電源として活用されております。
特に、長野県飯田市は焼き肉のまちであることから、EV電源を活用して調理した焼肉を振る舞う、いいだEV焼肉という取組も長野県飯田市内で行われており、参加された方が脱炭素化について意識を持つ機会になっており、自治体の特色を生かした取組の一つと言えます。
そこで、1点目として、ゼロカーボンシティ実現に向けて、市民の環境意識の醸成に向け、現時点での今後取り組むべき課題や必要であると考えている取組などについて、市としてのお考えをお伺いいたします。
脱炭素化の取組は、全ての世代に関わる今後の持続可能なまちを実現する上で重要であります。そのためには、環境について学習する機会の確保が重要であります。特に、これから社会の第一線で主役となる若い世代に対して、環境について考え、学び、実際に取り組んでいくことができるように、教育の分野でも積極的な取組が必要と考えます。
令和5年5月に行われた江別市まちづくり市民アンケート調査では、環境に配慮した生活をしている市民割合、これは全体としては75.7%であり、年代別で見ると、40歳代以上は70%以上であるのに対し、18歳から20歳代までの割合は48.5%と、非常に低い割合となっております。
2点目として、若い世代の力、環境に対して取り組んでいけるように、子供の頃から環境問題や脱炭素化の取組に触れる機会がより必要であると考えますが、市としてのお考えを伺います。
脱炭素化実現のためには、再生可能エネルギーの活用は有効な方法であり、江別市内でも、太陽光発電所、メガソーラーの整備などがされていると承知しております。
一方で、より身近に再生可能エネルギーを活用することで、地域社会の活性化、環境意識を高めることにつながると考えます。
さきにも取組事例を御紹介いたしました長野県飯田市では、公営の公民館などに自治会が太陽光発電を設置し、長野県飯田市が活動をバックアップ、電力会社の協力の下、発電した電力を売電し、そのお金を自治会の活動に充てることができるほか、自家発電が可能なため、防災機能の向上などにもつながっているとのことでした。
この取組は、もともと長野県飯田市が明治時代から市民主体での発電事業が行われていた背景や環境の取組に積極的な地域だったという背景もありますが、身近な生活の中で再生可能エネルギーが活用される例であります。
また、長野県飯田市独自に家庭用太陽光発電の設置補助やEV電気自動車の購入補助も行っており、身近に再生可能エネルギーを感じることができる取組を行っておりました。
3点目として、身近に再生可能エネルギーを活用する取組は、脱炭素化を進めると同時に、より近い距離で脱炭素化を意識できると考えます。江別市でも、より身近に再生可能エネルギーを活用する取組を進めるべきと考えますが、お考えをお聞かせください。
以上で、1回目の質問を終わります。
議長(島田泰美君)
長田議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(後藤好人君)
長田議員の一般質問に御答弁申し上げます。
私からは、ゼロカーボンシティ実現に向けた取組に関しまして、市民の環境意識のさらなる醸成についてお答え申し上げます。
市では、昨年6月に、2050年の脱炭素社会の実現を目指すゼロカーボンシティを宣言いたしました。また、現在、令和6年度を初年度とする地球温暖化対策実行計画の区域施策編を策定しているところであります。
御質問の市民の環境意識のさらなる醸成につきましては、地球規模の環境問題に対して、日常の身近な取組から関心を持っていただき、人ごとではなく、自分ごととして捉え行動に移すことができるかが課題であると考えております。
市では、これまで、環境団体と共催で毎年開催しているえべつ環境・SDGs広場などのイベントを通して、地球温暖化対策の必要性や脱炭素化などの環境問題について、市民の皆様に周知しているところであります。
今後は、これまでの取組に加え、次期計画に基づき、市民や事業者の役割を市ホームページや広報えべつなどにおいて紹介するほか、幅広い年代を対象とした各種環境セミナーの開催や環境教育の実施などによりまして、環境意識のさらなる醸成を図ってまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの御質問につきましては、教育長ほかをもってお答え申し上げます。
教育長(黒川淳司君)
私から、障がいのある児童生徒の教育機会について、2点御答弁申し上げます。
まず、障がいのある児童生徒の教育における現状と課題についてでありますが、教育委員会では、特認校である野幌小学校を除く全ての小・中学校に特別支援学級を設置しているほか、児童生徒の在籍状況や教員の配置状況に応じて、生活介助や学習補助を行う特別支援教育支援員を配置しております。
また、車椅子で学校生活を送る児童生徒のための階段昇降機やスロープの設置、福祉用具の購入など、障がいのある児童生徒が安全に学校生活を送れるよう、環境整備も進めているところであります。
さらに、学習や生活面で困り感を抱える児童生徒を早期に相談につなげ、一人一人にきめ細やかな支援を行うことができるよう、障がいのある児童生徒の状況や要望に応じた学びの場について、保護者とともに考える就学相談の実施のほか、広報誌やホームページでの特別支援教育の周知などに努めているところであります。
一方、特別支援学級の増加に伴い、教室や専門性を持った教員の確保に加え、教職員や児童生徒の特別支援教育に対する、より一層の理解の促進などが課題であると認識しております。
こうしたことを踏まえ、教育委員会では、障がいのある児童生徒の安全・安心を最優先に支援体制の構築に努めてきており、今後におきましても、個々の状況に応じた教育機会の確保に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、障がいのある児童生徒の現状を理解する機会の必要性についてでありますが、障がいのある児童生徒と障がいのない児童生徒が、相互の触れ合いを通じて経験を深め、社会性を養い、豊かな人間性を育めるよう、小・中学校では、特別支援学級に在籍する児童生徒が通常学級の児童生徒と交流し、共に学習する時間を設けております。
また、特別支援学校に通う児童生徒が、居住する地域の小・中学校を訪れ、一緒に学習や行事に参加することを通して、同じ地域で生活する仲間として、助け合い、支え合う意識の醸成に努めているところであります。
教育委員会と致しましては、児童生徒が、障がいの有無にかかわらず、相手を理解し、尊重し合いながら生活していく態度を育むことは重要であると認識しておりますことから、引き続き児童生徒の障がいに対する理解の醸成に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
教育部長(伊藤忠信君)
私から、障がいのある児童生徒の教育機会についての御質問のうち、特別支援学級の児童生徒に対する修学旅行費の助成について御答弁申し上げます。
教育委員会では、特別支援学級に在籍する児童生徒及び通級指導教室を利用する児童生徒の保護者の経済的負担を軽減し、特別支援教育の普及奨励を図ることを目的に、保護者の負担能力の程度に応じ、就学のために必要な経費の一部を特別支援教育就学奨励費として支給しております。
この制度は、国の特別支援教育就学奨励費負担金等及び要保護児童生徒援助費補助金交付要綱に基づき、教育委員会が保護者に給食費や修学旅行費、学用品購入費、交通費の一部を支給するものでありますが、一定の所得以上の世帯については、交通費を除くその他の費目については、支給の対象外となっているところであります。
教育委員会と致しましては、引き続き、特別支援教育就学奨励費制度について、幅広く周知してまいりたいと考えております。
以上であります。
生活環境部長(近藤澄人君)
私から、ゼロカーボンシティ実現に向けた取組についての御質問のうち、2点について御答弁申し上げます。
まず、脱炭素化に向けた教育の推進についてでありますが、国では、学校における環境教育の充実を図り、社会科、理科、技術・家庭科をはじめ様々な教科等を通じて、科目横断的な取組を進めているところであります。
また、市内小学校では、環境ハンドブックを活用して、身近な電気や省エネルギーについて紹介するなど、脱炭素社会に興味を持ってもらう取組を実施しているほか、市では、小学生を対象としたリサイクルやソーラー発電を体験できる出前授業を実施するなど、日常生活の体験に基づいた脱炭素化につながる環境教育を推進してまいりました。
市と致しましては、小学生に加え、若い世代に対しても、環境問題に関する認識や環境の保護活動に参加する意識を高めてもらい、問題解決に向けて適切な行動を起こしてもらうよう、脱炭素化の取組に接する機会を積極的に設けることが重要であると考えております。
次に、再生可能エネルギーの身近な活用についてでありますが、太陽光やバイオマス、風力などによってつくり出される再生可能エネルギーは、熱エネルギーや電気エネルギーとして身近に活用することができます。
市では、これまで、JR野幌駅前広場において、ヒートポンプ方式のロードヒーティングによる地中熱エネルギーの活用や、小学校や市営住宅の屋根に太陽光パネルを設置し、太陽光発電による電力を活用するほか、北海道の太陽光パネル等の共同購入事業に共催するなど、再生可能エネルギーの普及促進に努めてきたところであります。
市と致しましては、先ほど御答弁を申し上げましたとおり、環境問題を自分ごととして捉え、行動に移すことが重要であると認識しておりますことから、再生可能エネルギー設備導入の補助など、市民が環境問題を身近に感じることができるような取組を進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
長田旭輝君
御答弁、ありがとうございます。
ここから、再質問及び要望とさせていただきたいと思います。
件名1、項目1、項目2について、江別市における現在の取組や課題、お考えについては一定程度理解を致しました。
しかし、共生社会を目指す上では、障がいの有無にかかわらず、子供が住み慣れた地域で学ぶことができる教育環境は、今後、ニーズがさらに高まると考えます。その点では、現状が必ずしも十分とは言えません。
御答弁にもあるように、学校生活を送る上で、学校での環境整備は重要でありますので、ユニバーサルデザインを意識しつつ、さらなる学校生活を安心して送ることができる環境整備を進めていただきたいと思います。
また、共生社会実現のためには、教職員や児童生徒の障がいに対する理解を深めつつ、保護者に対しても、今後、障がいに対しての理解を深めていただくことも必要であると考えます。
教員、児童生徒、保護者が、共生社会に向けて同じ方向を向いていくことがまだ十分ではないと考えますので、そのような理解を深める機会をつくるなど、取り組んでいただければと思います。御答弁でもありました課題に、以上のことも含めて、今後、確実に取り組んでいただくことを要望させていただきます。
項目3、特別支援学級の児童生徒に対する修学旅行費の助成について再質問させていただきます。
御答弁では、特別支援教育就学奨励費制度の周知に努めるとありますが、1回目の質問でも述べましたが、相談された方は、そもそも所得制限でこの制度が使えないわけであります。そして、義務教育で重要な学ぶ機会である修学旅行に大きな経済負担と不公平感を覚えなければならないということであります。
今回の相談者のお話は、個人の問題にとどまらず、今後、同様のケースが出てくる可能性は十分にあると考えます。せっかく保護者や学校側の理解もあるのに、修学旅行に経済的負担が大きい、行きたくても行けないということは、共生社会を目指す上で無視できない課題であると考えます。このことについて、市としてどうお考えか、伺います。
件名2、項目1、市民の環境意識のさらなる醸成について再質問させていただきます。
市としては、今後も、えべつ環境・SDGs広場などのイベント、各種セミナー、ホームページや広報誌などの情報媒体を通して、環境意識の醸成を図るお考えであることは理解いたしました。この取組も大切ではありますので、今後も進めるべきと考えます。
しかし、環境についてのイベントやセミナーとなると、興味のある方、関心のある方は、会場まで出向いて参加していただけるかもしれませんが、より多くの市民に環境問題について知っていただく、触れていただくには、さらに取組を進める必要があると考えます。そのためには、市民が環境について触れる機会を今後さらにつくるべきです。
1回目の質問でも申し上げた長野県飯田市のEV車両の電源活用なども参考に、地元のイベントや行事で、クリーンエネルギーを使った食の物販や各種企画などを行えば、行事やイベントに来られる多くの来場者が、環境の取組を肌で身近に感じることができ、江別市がゼロカーボンシティ宣言をしている、環境に取り組むまちであることを広く知っていただくことにもなるかと思います。
江別市は、えべつやきもの市をはじめ多彩なイベントが開催されており、食や文化など江別市の特徴も出しながら取り組めば、もっと身近に有効に活用できる周知の機会になると考えます。多くの市民に、まずは環境問題について知っていただく、触れていただく機会としてこのような取組を行ってはどうかと考えますが、市としてのお考えを伺いたいと思います。
項目2、脱炭素化に向けた教育の推進について要望させていただきます。
市として、小学校での脱炭素化について学ぶ機会をつくる取組について理解いたしました。
今後、若い世代の方にも環境意識を高めていきたいとのことでありますが、御答弁にもあるように、どのようにその機会を設けるかであります。項目1にも関連しますが、1か所の会場で行うイベントだけではなく、いかに多くの若い人が集まる場所に出向いて行うかが大切であります。
まず、少しでも触れる機会をつくっていただき、環境について考えるきっかけをつくらなければ、その後の意識の醸成にはつながらないと考えます。若い世代に対して機会の確保に努めていただきますよう要望いたします。
項目3、再生可能エネルギーの身近な活用について要望させていただきます。
再生可能エネルギーの活用について、市としての取組は理解いたしました。今後も推進していただきたいと思います。
一方で、今後は、より身近に生活の中で再生可能エネルギーを活用する、身近に再生可能エネルギーが活用されているということを、市民が実感できる取組が必要であります。長野県飯田市の取組では、市民とも協力しながら再生可能エネルギーを売電した資金で、市街の環境整備や観光拠点の整備なども行われておりました。再生可能エネルギーを活用した取組が身近にあることで、自然と環境意識を高めるきっかけにもなります。
江別市としても、環境課題に取り組んでいることを発信しつつ、市民生活に再生可能エネルギーを存在させることが重要であり、今後、ゼロカーボンシティを実現するためにも必要であると考えますので、さらなる取組を進めていただくことを要望いたします。
以上でございます。
教育部長(伊藤忠信君)
特別支援学級の児童生徒に対する修学旅行費の助成についての再質問に御答弁申し上げます。
障がいのある児童生徒の修学旅行に係る経済的負担についてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、特別支援教育就学奨励費は、特別支援学級等に在籍する児童生徒の保護者に対し、国の要綱に基づき、保護者の負担能力に応じて、就学のために必要な経費の一部を支給するものであります。
教育委員会と致しましては、御指摘の事例があることは承知しておりますが、国の制度の対象とならない世帯への支給については、現状では難しいものと考えております。
以上であります。
市長(後藤好人君)
ゼロカーボンシティ実現に向けた取組に関しまして、市民の環境意識のさらなる醸成についての再質問に御答弁申し上げます。
先ほど御答弁を申し上げましたとおり、地球温暖化という世界規模の環境問題に対して、少しでも意識を向けていただき、自分ごととして捉え、身近に環境問題を感じて行動してもらうことが重要であると認識しております。
今後におきましては、次期計画に基づき、市民や事業者、環境団体と協働して環境イベントを開催するなど、脱炭素化の取組を引き続き行うとともに、多くの市民が参加する地域のイベント等においても、環境問題に対する身近な取組について知っていただく機会を設けるように努め、市民の環境意識のさらなる醸成を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
長田旭輝君
再質問の御答弁、ありがとうございました。
件名1、項目3についてでありますが、御答弁から、市としてのお立場は一定程度理解いたしました。
ですが、市として、このように障がいの有無で不公平を感じている児童生徒が存在している御認識であるならば、今後、手を打つべき課題であると考えます。
大切な、かけがえのない義務教育の機会である修学旅行です。所得制限にかかわらず、経済的な負担で諦めなければならない生徒が今後出てくることも予想されます。少なくとも、経済的な理由で、保護者が子供に、どうしても修学旅行に行きたいかと聞かなければならない状況はなくしていけるように、市としてできることは本当にないのか、議論を深めて対策を講じていただくことを強く要望いたします。
件名2、項目1について、要望とさせていただきます。
多くの市民が参加する地域のイベント等においても、環境問題に対する身近な取組について知っていただく機会を設けるように努めると御答弁を頂きました。この取組は、江別の魅力を生かしながら実施できる取組であると考えます。
ゼロカーボンシティ実現の目標である2050年まであと26年、着実に取組を進めていかなければなりません。できるだけ早く、より多くの市民の方に環境について考える、触れる機会をつくり、意識の醸成に努めていただくよう要望させていただきます。
以上で、私の一般質問を終わります。
議長(島田泰美君)
以上をもって、長田議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
干場芳子議員の子どもの権利についてほか3件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。
干場芳子君
早速、質問に入らせていただきます。
まず最初に、子どもの権利についてです。
令和6年度市政執行方針について、市長、教育長にお伺いを致します。
後藤市長が市長に就任し、初めての市政執行方針並びに各会計予算説明を、さらに、黒川教育長におかれましては、教育行政執行方針を議会初日に述べられました。
新年度より、えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)がスタートする最初の市政執行方針及び教育行政執行方針ともなることから、単年度方針とはなりますが、総合計画のおおむね全般を占めることとなる市長、教育長のお考えが表れているとも言える注目すべき方針であると認識いたします。
政府においては、常に子供の最善の利益を第一に考え、子供に関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据え、こどもまんなか社会を、子供の視点で、子供を取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、子供の権利を保障し、子供を誰一人残さず、健やかな成長を社会全体で後押しするとしました。
そのための新たな司令塔として、こども家庭庁を創設し、青少年の健全な育成及び子供の貧困対策、少子化対策及び子供・子育て支援、犯罪から子供を守る取組、児童虐待防止対策、児童の性的搾取対策など、各府省庁に分かれている子供政策に関する総合調整権限を一本化するとしています。
今まで司令塔不在だった就学前の子供の育ちや放課後の子供の居場所についても主導し、子供や子育て当事者、そして、現場、つまり地方自治体や支援を行う民間団体等の意見を政策立案に反映する仕組みを導入するとしました。
子供が権利を持つ主体として位置づけ、子供の権利を包括的に保障する法律は、日本の子供法制において存在しませんでした。加えて、これまで、日本では、子供が直面している問題を解決するために、当事者である子供の声が聴かれてこなかったことなども、子供を取り巻く状況が改善しなかった理由の一つとして考えられます。
1994年の子どもの権利条約批准以来、日本国内で条約に対応した包括的な基本法及び子供の権利に対する横断的な行政機関はありませんでした。
今回のこども基本法制定とこども家庭庁の発足は、その点で画期的であり、日本に住む全ての子供の権利を保障する第一歩になることが期待されます。こども基本法及びこども家庭庁の議論を通じて、子供が権利の主体であり、子供の意見を聴くことが重要であるという認識が広がったことは、評価に値するものと言えます。
政府の動向も踏まえ、市長、教育長にお尋ねいたします。
1点目に、市政執行方針における子供の権利に対する市長の認識についてです。
基本理念では、子どもの笑顔があふれるまちと大きな柱に位置づけし、戦略1では、子どもが主役のまちをつくるとされています。
市政執行方針の後段では、新しい総合計画に合わせ、子供たち一人一人が尊重され、健やかな成長が保障されるまちをつくるため、子どもが主役のまち・江別市の宣言に向けた準備を進めると表明されました。市政運営における全庁的な方針として、子供の権利を具体的にどのような認識の下で進めていくおつもりか、お伺いを致します。
2点目は、教育行政執行方針における子供の権利に対する教育長の認識についてです。
不登校、いじめ、虐待、経済的困難、教育、自殺や性被害、複雑な家庭環境といった、学校現場における子供たちが抱える問題は年々増加の一途をたどり、多様化・複雑化しています。
2022年12月、12年ぶりに文部科学省の生徒指導提要が改訂され、子どもの権利条約の理解は、教職員、児童生徒、保護者、地域の人々にとって必須とされたことは、子供の権利が保障される学校文化に関わる大きな一歩と評価できます。
市政執行方針と連動した教育施策を進めていかれるものと認識しますが、教育長の子供の権利の認識について、具体的にどのように学校現場で取り組んでいくお考えなのか、お伺いを致します。
次に、学校教育における中立性についてです。
寄附・寄贈に当たっては、学校教育法第5条で、学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定めのある場合を除いては、その学校の経費を負担するとしています。PTA活動においても、寄附・寄贈の対象物にも配慮を必要としています。とりわけ学校における宗教の取扱いは、極めて慎重でなければなりません。
昨年12月14日、大麻神社の神殿や鳥居を新築した住民らで結成された大麻神社奉賛会が、高校受験を控えた生徒たちを応援しようと、大麻中学校、大麻東中学校の3年生の生徒全員分及び教諭の分を含め、絵馬を送ったとの新聞報道がありました。学校便りにも掲載され、自治会回覧でも情報提供されました。
受験を控えた生徒たちを応援しようとする気持ちとして理解するものですが、絵馬の扱いは、生徒の自主性に任せるとした学校、校長の判断は、慎重さに欠けていたと言わざるを得ません。学校が受け取ったこと自体、こうした行為は、宗教に関わる社会的な影響や問題となり得る事案に相当し、日本国憲法や教育基本法の政治的・宗教的中立に照らせば、ゆゆしき事態です。市として、公立学校としての中立性、児童生徒の学問と信教の自由を保障することが不可欠です。
まず、1点目の質問ですが、神社からの絵馬の寄贈についてです。
新聞報道等によれば、大麻神社奉賛会からは、市内錦山天満宮でおはらいを受けた絵馬を用意し、両校に260枚を、ぜひ神社に足を運んでほしいと話されて贈ったとのことです。受け取る際には、少なくとも学校だけの独自判断ではなく、教育委員会に相談すべき事案に相当するものと認識いたします。教育委員会としての見解を伺います。
2点目は、日本国憲法及び教育基本法の規定についてです。
日本国憲法第20条第3項では、国自身が宗教教育をすることと、国自身が宗教活動を行うことを禁止しています。政治・国家と宗教は別であること、国家の宗教的中立性を明らかにしています。つまり、政教分離の原則です。教育基本法第15条第2項では、国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならないとしています。
このたびの行為は、こうした双方の規定に基づけば、抵触し、社会的論争、問題になるものと考えます。教育長の見解はいかがか、お伺いを致します。
3点目は、こうした事態を受けて、今後の対応についてです。
今回のような事案は、公立学校における中立性の危うさが市民や保護者に対して懸念を持たれかねず、また、全ての宗教団体が同様な内容等について申入れをする可能性を危惧します。今後、教育委員会として、どのように考え取り組んでいくお考えか、伺います。
3件目は、使用料・手数料についてです。
2011年8月に策定された使用料・手数料の見直し方針に基づき、行政サービスの対価として徴収するものとし、受益者負担の原則と公平性の確保、算定方法の明確化、新料金の適用時期の3点について基本としています。
手数料については、処理に係るコスト、人件費や物件費で算出し、受益者負担割合を基本100%とし、見直しサイクルを4年ごとに実施しています。
江別市は、1994年から有料化に係る経過を経て、2004年にごみの有料化導入を実施しました。その目的は、ごみの減量とリサイクルの推進、費用負担の公平化、適正処理費用の確保とする3項目を挙げました。適正処理費用とは、事業者、市民、行政の三者が役割分担とコスト負担を明確にしたものです。
家庭ごみの有料化の実施については、法的根拠を含め議論が分かれておりましたが、2021年時点での有料化実施率は、全国平均で66.3%となっており、北海道が一番高く89.4%となっています。
負担割合を処理原価の3分の1の負担とすることとし、江別市廃棄物減量等推進審議会では、3円、3.2円、3.4円の見直し案が示され、現行の1リットル当たり2円から下限の3円に、今年10月から見直すことが提案されています。
そもそも、有料化導入時から1リットル2円としていましたが、3分の1の負担とする手数料は、本来は2.4円でした。2007年には、財政負担の平準化を掲げ、環境クリーンセンター等長期包括的運営管理委託事業を開始することにより、さらに処理原価は上がり、3分の1相当の手数料は3.1円に増加していました。
この間、約19年もの間、使用料・手数料の見直し方針に基づき、4年ごとの見直しサイクルがありながら、見直しが図られなかったことは、様々な状況があったにせよ、的確とは言えません。
さらに、2021年、建設費の減価償却はなくなりましたが、延命化により新たな費用が発生し、処理原価が2.8円から3.3円に増加し、資料でも明らかなように、2030年には3.6円に推移することが示されています。
適切な見直しによる負担が行われなかったことは、ごみを出していない市民も含め、市の一般財源が投入されていたということであり、公平性に欠けているとも言えます。
ごみを排出する市民が負担すべきその額は、19年間3分の1としてこなかった一般財源の総額について、審議会の委員から指摘がありました。江別市の財政への影響、ひいては市民にとって必要な施策の充実の確実性に関わる問題であり、市民生活への影響を懸念いたします。
1点目に、ごみの有料化による市民負担の考え方についてです。
家庭ごみ有料化導入の経緯、目的、また、使用料・手数料の見直し方針にのっとれば、適切な時期に対応することが重要ですが、これまでの経過とこのたびの使用料・手数料の見直しについてどのような見解をお持ちか、お伺いを致します。
2点目は、財政への影響についてです。
江別市の最優先課題は、庁舎建築と病院経営問題です。多額の税負担を、私たちは次世代を含めて担っていくことになります。市として、自主財源を確保することは、大変重要であることは言うまでもありません。
適切な原価3分の1相当を負担しなければならない、負担すべきものが負担しない設定となっている見直し案の一番安価な3円と設定した場合の有料化に係る一般財源が投入される額をどのぐらい試算、想定しているのか、また、その影響をどのように認識されているのかについて、お伺いを致します。
3点目は、見直しについてです。
延命化により、今後15年は現施設を使用していくことになりますが、この間、手数料の見直しを行わなければ、これまでの19年間と同様の事態となることを危惧いたします。見直しをするに当たっての考え方について、市財政に与える影響も大きいと考えます。市として、こうした認識の下、どのような見解を持っておられるのか、お答えください。
最後に、共生のまちづくりについてです。
北海道の在留外国人数は、2014年の約2万2,000人から、2022年には約4万5,000人となっており、新型コロナウイルスの影響で一時的に減少していたものの、規制の緩和や廃止により再び増加に転じています。
北海道内では、2012年と2022年を比較すると、ベトナム人の比率が1%から23%に大きく増加していることに加え、在留人数が1,000人を超える国籍も4か国から11か国へ大きく増加しており、多国籍化が進んでいます。
北海道の在留資格別の外国人の人数は、技能実習生が最も多く、全体の24%を占めています。特定技能を含めると35%を超えており、技能の習得や人材確保の観点から、多くの外国人が北海道に居住しているのが現状です。
一方、江別市も増加傾向にあり、戸籍住民課の調査資料によりますと、外国人人口の状況は、2018年には532人であったのが、今年2月1日現在では946人と、この約6年間で倍近くにも及び、国籍は42か国と多様な構成となっています。人数別では、ベトナム人、パキスタン人、中国人、インドネシア人、韓国人の順となっています。
まさしく、多文化共生のまち江別であり、新たに始まるえべつ未来づくりビジョンに掲げるSDGsに基づく取組が重要です。市として、外国籍住民にとって必要な支援策を提供していくと同時に、江別の市民として、まちづくりの一翼を共に担っていただくよう取組を進めていくべきと考えます。
まず、1点目に、市内に在住する外国人についてです。
近年、外国人が急増しており、石狩管内では、千歳市に次いで在住する外国人が多く、また、昨年1年間の江別市立病院での出産件数は12件となっています。外国籍住民も、我々日本人と同様に、労働し、各種税金や保険料を支払い、社会や経済を支えています。
増加傾向にある外国籍住民の状況について、市としてどのように捉えているのか、お伺いを致します。
2点目は、課題の認識についてです。
江別市として、外国人にとっても、私たち市民にとっても、互いに住みよいまちづくりとしていくためには、必要な支援を提供していくことが求められます。言葉の壁ということもありますが、様々な日常的な課題などについて、どのように認識されているのか、お尋ねを致します。
3点目は、学校でのサポート体制についてです。
今年2月1日現在、江別市における16歳未満の子供たちは、9か国79人が在住しています。日本語、学校生活などでのサポートも必要であり、場合によっては、いじめ等の対策として、多文化共生や差別防止の教育の充実が求められますが、現状も踏まえて見解をお伺いいたします。
まずは、1回目の質問を終わります。
議長(島田泰美君)
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午前11時50分 休憩
午後 1時05分 再開
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副議長(内山祥弘君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
干場議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(後藤好人君)
干場議員の一般質問に御答弁申し上げます。
私からは、子供の権利に関しまして、まず、市政執行方針における子供の権利に対する私の認識についてでありますが、子供の権利として、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利の4つの権利を定めた子どもの権利条約は、子供を、大人から守られる弱い存在という考え方から、一人の人間として権利を持っている権利の主体という考え方に大きく転換させた条約であります。
また、この条約では、子供を、大人と同様に権利の主体と捉えると同時に、成長の過程にあって、大人の保護や配慮が必要な、子供ならではの権利も有すると定められているのが特徴であると認識しております。
令和5年4月に施行されたこども基本法においては、子どもの権利条約の精神にのっとり、全ての子供が将来にわたって幸せな状態で生活を送ることができる社会の実現を目指しているところであります。
市と致しましては、これらの条約や法律の理念を踏まえながら、市政執行方針で申し上げました子どもが主役のまち・江別市の宣言に向けて検討を進めるほか、新たに設置を予定している子ども家庭部が中心となり、福祉、教育、労働などの関係部門と全庁的に連携しながら、第7次江別市総合計画を推進し、子供を支援の中心において、子供がいつも笑顔でいられ、健やかに成長する、子供が主役のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、共生のまちづくりに関しまして、まず、市内に在住する外国人についてでありますが、当市の住民基本台帳における外国人人口は、議員が御指摘のとおり、平成30年1月1日現在の532人に対し、本年2月1日現在では946人であり、6年間で約1.8倍に増加していることから、今後も増えていくものと認識しております。
市と致しましては、外国人への対応は、国籍にかかわらず、市民としてひとしく対応することが基本であると考えているところであり、これまでも、市内に在住する外国人への福祉や子育て支援などの様々な行政サービスの提供については、必要に応じて国際交流員などがサポートしながら、各窓口等において日本人と同様に対応してきたところであります。
また、一昨日、岡議員にも御答弁を申し上げましたとおり、本年4月にスタートする第7次江別市総合計画で掲げるまちづくり政策の一つである協働・共生において、国籍の違いにかかわらず、自分らしく、生き生きと暮らすことができるまちづくりを行うこととしておりますことから、今後も、外国人の増加を見据えた対応を行っていく必要があるものと考えております。
次に、課題の認識についてでありますが、これまでも市内に在住する外国人からの問合せや日常的な生活相談につきましては、国際交流員が個々の実情に応じた支援を行っているほか、英語以外の対応が必要な場合には、出入国在留管理庁が開設しております多言語の電話通訳サービスを活用することとしております。
さらに、医療や雇用、法律、在留資格などの専門的な知識を必要とする相談につきましては、北海道外国人相談センターを紹介しており、外国人の転入手続を受け付ける際には、同センターが専門的な相談に対応可能であることをお知らせするなどの対応を行っております。
また、外国人が生活する上での支援として、江別国際センターでは、市の補助金を活用したにほんご教室を開設し、技能実習生等の日本語習得を支援してきております。
こうした中、外国人の増加と多国籍化に伴い、言語や生活習慣の違いにより相談内容も多様化してきていることから、市内に在住する外国人の生活状況に応じた行政サービスを、引き続き適切に提供していくことが課題であると認識しております。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの御質問につきましては、教育長ほかをもってお答え申し上げます。
教育長(黒川淳司君)
私から、子どもの権利についての御質問のうち、教育行政執行方針における子どもの権利に対する私の認識について御答弁申し上げます。
国においては、いじめの重大事態や自殺者数の増加など、子供たちを取り巻く環境が大きく変化している状況を踏まえ、令和4年12月に生徒指導提要の改訂が行われたところであり、その中で、子どもの権利条約の理解は、教職員、児童生徒、保護者、地域の人々等にとって必須であるとされたところであります。
また、市においては、本年4月からスタートするえべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)において、まちづくりの基本理念を子どもの笑顔があふれるまちとし、さらにえべつ未来戦略においても子どもが主役のまちをつくるを掲げております。
教育委員会では、こうした国の動きや市の方針に基づき、教育行政執行方針において、子供たちが安心して学校生活を送り、自らを含め、全ての人を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら、持続可能な社会の創り手として成長できるよう、各種事業や取組を進めていくこととしたところであります。
学校での具体的な取組と致しましては、小学校の道徳の授業の中で子どもの権利条約を教えるほか、学校行事をはじめとする全ての教育活動において、様々な子供の権利について、意識の醸成を図っているところであります。
また、以前の教師中心の一斉型の授業から、児童生徒中心の対話的な学びへと転換が図られているほか、制服の選定や校則の見直しなどの際には、生徒会の参画や生徒へのアンケートが実施されるなど、生徒指導提要にある意見を表明する権利の保障につながる取組も進んでおります。
教育委員会と致しましては、改めて教職員に対し、子供の権利に関する生徒指導提要の趣旨等を周知するとともに、市長が市政執行方針で述べられた子どもが主役のまち・江別市の実現に向けて、学校と一体となって、児童生徒一人一人を大切にした教育を実践してまいりたいと考えております。
以上であります。
教育部長(伊藤忠信君)
私から、学校教育における中立性について御答弁申し上げます。
まず、神社からの絵馬の寄贈についてでありますが、小・中学校においては、個人、団体、企業などから多くの寄贈の申出があり、その受領に当たっては、学校長が、意図や目的のほか、寄贈を受けることによる効果などを確認の上、個別に判断しております。
議員が御質問の市内の中学校が地域の神社の管理等を行っている市民団体から絵馬の寄贈を受けた件につきましては、希望する生徒に対してのみ学校から渡すこととするなど、日本国憲法で定める政教分離の原則や市民団体による寄贈の意図、目的等を十分に考慮した上で、学校長が判断したものであります。
教育委員会と致しましては、本件につきましても、ほかの寄贈と同様に、学校長の職務権限の範囲内で対応できるものであり、教育委員会に相談すべき事案には該当しないものと考えております。
次に、日本国憲法及び教育基本法の規定についてでありますが、教育委員会では、日本国憲法第20条や教育基本法第15条で定める政教分離の原則につきましては、昭和52年7月13日最高裁判決、いわゆる津地鎮祭訴訟による最高裁判例を参考に解釈しております。
この判例では、日本国憲法第20条第3項が禁じている宗教的活動とは、国及びその機関の活動で、宗教との関わり合いを持つ全ての行為を指すものではなく、当該行為の目的が宗教的意義を持ち、かつ、その効果が宗教に対する援助、助長、促進または圧迫、干渉等になるような行為をいうものと解すべきであるとされているところであります。
教育委員会と致しましては、今回の寄贈において、学校側の目的が地域との関わりを大切にしようとしたものであり、宗教的意義はないこと、また、効果として、宗教に対する援助、助長、干渉等には当たらないことを市の顧問弁護士に確認した上で、日本国憲法及び教育基本法の規定に抵触するものではないと判断しております。
次に、今後の対応についてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、教育委員会では、今回の絵馬の寄贈につきましては、法令に抵触するものではないと判断しておりますけれども、公立学校と宗教との関わりについては、市民や保護者から誤解を招くことがないよう、団体等から寄贈の申出を受け、判断に迷う場合には、事前に教育委員会に相談するよう、先月開催された校長会において周知したところであります。
教育委員会と致しましては、今後におきましても、学校から相談を受けた際には、過去の事例等に基づき助言を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上であります。
総務部長(萬 直樹君)
私からは、使用料・手数料について御答弁申し上げます。
まず、ごみの有料化による市民負担の考え方についてでありますが、ごみ処理につきましては、江別市一般廃棄物処理基本計画に基づき、市民、事業者、行政の三者が、それぞれごみの減量化とリサイクルに責任を持ち、役割分担とコスト負担をするという考え方の下、平成16年10月に有料化しております。
また、使用料・手数料につきましては、行政サービスに対する市民相互の負担の公平性を確保し、算定方法の明確化を通じて透明性を高めることを目的として、平成23年8月に使用料・手数料の見直し方針を策定し、以降4年ごとに所要の見直しを実施しているところであります。
使用料・手数料の見直し方針の策定後、ごみ処理手数料についても、4年ごとに原価計算を実施しており、前回の令和2年度には、事業系ごみのほか、市民が環境クリーンセンターに直接搬入する家庭系ごみの手数料についても改定いたしました。
一方、市が収集・運搬する家庭系ごみについては、燃料費や人件費などの原価は上昇傾向にありましたが、環境クリーンセンターの耐用年数経過後の対応方法が定まるまで、将来的な原価の算定が困難であったことや広く市民が利用するサービスであることなどを考慮し、これまでは手数料を据え置いてきたところであります。
その後、令和4年度に環境クリーンセンターの延命化工事を開始するとともに、長期包括委託契約を更新するなど、今後の方向性が固まったことから、令和6年度の見直しに向けて、改めて原価計算を実施し、改定について検討してまいりました。
今議会にお諮りしている改定内容につきましては、家計への影響や他市の水準なども考慮し、現行の1リットル当たり2円から3円に見直す内容としたところでありますが、この改定案につきましては、江別市廃棄物減量等推進審議会や江別市行政改革推進委員会のほか、自治会長との対話集会などで頂いた様々な御意見を参考にするなど、使用料・手数料の見直し方針に基づき、慎重に検討を進めてきた結果と考えております。
次に、財政への影響についてでありますが、ごみ処理に係る一般財源負担につきましては、平成19年度の長期包括委託契約締結以降、年間7億5,000万円程度で推移しておりました。
その後、令和2年度の事業系ごみ処理手数料等の見直しにより、手数料収入は約1億円増加いたしましたが、令和4年度の環境クリーンセンターの延命化工事及び長期包括委託契約の更新により、費用が約3億円増加したため、現在の一般財源負担は9億5,000万円程度となっております。
議員が御質問の改定後の一般財源負担とその影響でありますが、1リットル当たり2円から3円に改定した場合、手数料収入は年間約1億5,000万円の増加となり、一般財源負担は8億円程度になると推計しているところであります。
市と致しましては、燃料費や人件費等の上昇により負担が増加傾向にありますが、経費の節減等に努め、引き続き適正な行政サービスの提供と安定した財政運営を図ってまいりたいと考えております。
次に、見直しについてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、江別市では、使用料・手数料の見直し方針に基づき、4年ごとに原価計算を実施することとしており、ごみ処理手数料につきましても、令和2年度に事業系ごみ等に係る手数料を改定したほか、今般、家庭系ごみに係る改定を提案させていただいているところであります。
ごみ処理手数料に関しましては、燃料費や人件費単価のほか、資材価格などの動向により、今後も原価が変動する可能性があるものと考えております。
そのため、市と致しましては、引き続き4年ごとの見直しのサイクルに合わせて原価計算を実施するとともに、ごみの減量化等に向けて、市民、事業者、行政の三者が一体となって責任を果たし、コストを負担するという当初の考え方を基本としながら、市民生活や事業者への影響等も含め、総合的に検討していく必要があるものと考えております。
以上であります。
教育長(黒川淳司君)
私から、共生のまちづくりについての御質問のうち、学校でのサポート体制について御答弁申し上げます。
外国人の子供には、日本の義務教育への就学義務はありませんが、公立の小・中学校へ就学を希望する場合には、国際人権規約等も踏まえ、日本人の児童生徒と同様に無償で受け入れ、同一の教育を受ける機会が保障されており、市内小・中学校には、令和6年1月現在、7か国34人の外国人児童生徒が就学しております。
また、近年の傾向と致しましては、全体の人数は微増であるものの、国別では、アフガニスタンやパキスタン出身の子供が増加しており、この2か国で約半数を占めております。
こうした子供たちの中には、友達との触れ合いを通じて、短期間に日本語が上達する子もいる一方で、来日した際に母国語しか話せない子も多いことから、言葉の支援に関する学校からのニーズが高まっている状況です。
そのため、特に日本語の支援を必要とする児童生徒が多く在籍する学校においては、北海道教育委員会の事業を活用し、外国人児童生徒の指導に係る教員の確保に努めているところであります。
また、教育委員会では、学校支援地域本部において日本語サポートボランティアを募集し、今年度は8つの小・中学校に20名のボランティアを派遣しているところであり、こうしたボランティアによるサポートは、学校から高く評価されております。
教育委員会と致しましては、このようなサポートを継続していくためには、ボランティアの確保が重要であると考えており、令和6年度からの待遇改善を検討しているところであります。
今後におきましても、外国人の児童生徒が日本人と同様に安心して学校生活を送ることができるよう、学校や地域と連携の上、サポート体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
御答弁、ありがとうございました。
順次、再質問等を進めていきたいと思います。
まず、1件目の子どもの権利についての1点目の市政執行方針における子どもの権利に対する市長の認識についてお伺いをしたいと思います。
当市の市政への子供参加は、市政の情報の提供やパブリックコメント、子供議会などがまだ十分に進んでいないというふうに思っております。市長が述べられる子どもが主役のまちづくりを着実に進めていく事業等が、それぞれ子供の権利の4つのどれに相当するかなども確認できていない状況だというふうに思っております。
職員の意識を深め推進していくために骨格が必要であり、条例制定については、江別市子ども・子育て会議の意見を聴くとされていますけれども、市長自身のお考え、そして、人権意識が問われる最も重要な課題と考えておりますが、改めて見解をお伺いしたいと思います。
市長(後藤好人君)
再質問に御答弁を申し上げます。
子供の権利条例制定についての私の考え方についてでありますが、第7次江別市総合計画で目標とする子供が主役のまちづくりを進めるためには、子どもの権利条約の精神にのっとり、自立した個人として、ひとしく健やかに成長することができる社会の実現を目指していくことが大切であると考えておりまして、その認識の下に、子どもが主役のまち・江別市の宣言を行いたいと考えております。
条例の制定につきましては、宣言の内容を検討する中で、子供や市民、さらには、江別市子ども・子育て会議の意見をお聴きしながら判断してまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
ありがとうございます。
今回の市政執行方針の後段の市長のお考えは、これまでにない、江別市における子供に対する思いがしっかりと述べられておりましたので、今後の推移を期待して見ていきたいというふうに思っております。
2点目の教育行政執行方針における子どもの権利に対する教育長の認識についてお伺いしたいと思います。
おおむね理解いたしました。実態としては、十分に尊重されているというには、まだ不十分な部分もあるかなというふうに思っております。
方針を拝見したときに、市長と連動しているように見えない部分もあったので、改めて認識についてお伺いしたところなのですけれども、そこで、またお伺いいたします。
過去の江別市子ども・子育て会議において、子供の権利もしくは条例がテーマとなって議論になった際に、任意枠として参加している江別市小・中学校の校長会の委員からは、これまで条例制定についてなかなか前向きな意見、コメントを頂けなかったように記憶しております。
市として、今後、江別市子ども・子育て会議において、条例についての検討をする機会があるというふうに思っておりますけれども、教育現場の代表として、以前と同様な見解になっていくのか、先ほどの答弁や国の動向等を踏まえて、校長・教頭会でどのように認識され、教育委員会としてどのような見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
教育長(黒川淳司君)
再質問にお答え申し上げます。
条例の制定に関する教育委員会としての見解についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、学校では、これまでも全ての教育活動において、子供の権利について意識の醸成を図っているところであります。
教育委員会と致しましては、子供の権利に関する議論には、学校も主体的に関わっていくことが重要であると考えており、今後におきましても、市の方針について、校長会を通じて学校と共通理解を深めてまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
ありがとうございます。
今、御答弁を頂きましたとおり、一層の意識醸成を図っていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
2件目の学校教育における中立性についてお伺いしたいと思います。
1点目の神社からの絵馬の寄贈についてお伺いします。
まず、両校への寄贈の状況、生徒全員に手渡されたのか否かについてお伺いしたいと思います。
教育部長(伊藤忠信君)
再質問にお答え申し上げます。
生徒への配付状況についてでありますが、御質問を受け、教育委員会で改めて学校に聞き取りをしたところ、1校では、希望の有無を生徒に確認した上で、担任から配付しております。また、もう1校においては、希望する生徒が自由に持ち帰る方法により配付したと確認しております。
以上であります。
干場芳子君
分かりました。
それで、御答弁で相談すべき事案に相当しないということではありましたけれども、このたびの寄贈については、新聞報道、地域新聞、学校便りでも広報されました。市民等からの問合せ等があったのか、あれば、その内容について併せてお伺いいたします。
教育部長(伊藤忠信君)
再質問にお答えを申し上げます。
市民からの問合せ状況についてでありますが、本件に関しましては、教育委員会に対し、市民から電話が5件、メールが1件、市民団体からの申入れが1件寄せられており、要旨はいずれも政教分離の原則に抵触するのではないかとの内容であります。
以上であります。
干場芳子君
ありがとうございます。
市民からの問合せがあったということですが、こういう問合せについては、私は、重いものがあると思いますし、真摯に受け止めるべきというふうにも考えておりますけれども、教育委員会としての認識はどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
教育部長(伊藤忠信君)
再質問にお答え申し上げます。
市民からの問合せに対する認識についてでありますが、本件に関しましては、教育委員会に対し、市民からの問合せが計7件あったことを事実として受け止めております。
以上であります。
干場芳子君
事実として受け止めているということで、実は、地域のコミュニティ・スクール会議でも、今の件についてはいろいろと指摘がなされていたということを申し添えたいと思います。
この件については終わりたいと思います。
2点目の日本国憲法及び教育基本法の規定についてお伺いしたいと思います。
弁護士に確認した上で抵触しないと判断したとのことですけれども、答弁で、援助、助長、勧奨等に当たらないとされていますが、寄贈した会の方は今後も毎年続ける考えとしていることや、今後、ほかの宗教でも同様の目的で学校に申し出る可能性があるなど、これらが助長に当たらないと言えるのかについて、再度確認をさせてください。
教育部長(伊藤忠信君)
再質問にお答えを申し上げます。
まず、今回の寄贈につきましては、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、最高裁判例や市の顧問弁護士への確認に基づき、宗教に対する助長には当たらないと判断しております。
また、今後、他の団体から寄贈の申出があった際には、その意図や宗教的意義の有無などを踏まえ、学校長が個別の事案に応じて適切に判断すべきものと考えております。
以上であります。
干場芳子君
お伺いを致しました。
改めてお伺いしたいのですけれども、神社に奉納する絵入りの額や板絵を絵馬というのですが、これを神事とは捉えていないのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
教育部長(伊藤忠信君)
再質問にお答え申し上げます。
絵馬を神事と捉えているかについてでありますが、神事につきましては、様々な解釈があると考えておりますけれども、今回、学校が絵馬を受領したことや生徒に配付したことは、最高裁判例や市の顧問弁護士への確認に基づき、日本国憲法等の規定に抵触するものではないと判断をしております。
以上であります。
干場芳子君
今の答弁についてはお聞きを致しました。ありがとうございます。
続いて、3点目の今後の対応についてお伺いをしたいと思います。
今回の事案で、もし相談を受けていたならば、教育委員会としてどのような対応を行っていたのかについてお伺いをしたいと思います。
教育部長(伊藤忠信君)
再質問にお答え申し上げます。
仮に、学校から相談を受けていた場合の教育委員会の対応についてでありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、今回の寄贈においては、最高裁判例や市の顧問弁護士への確認に基づき、日本国憲法等の規定に抵触するものではない旨、助言していたものと考えております。
以上であります。
干場芳子君
弁護士に相談をして抵触しないということの御答弁だと思いますけれども、このたびの寄贈は、学校が地域との関わりを大切にしようとしたものだと判断されているようです。このたびの事例に相当する事案が、今後、ほかの宗教でも、同様の目的で学校に申出がある可能性をどうしても考えてしまうのですけれども、同様の判断となるかについて見解を伺いたいと思います。
教育部長(伊藤忠信君)
再質問にお答え申し上げます。
今後、同様の目的による寄贈の申出があった場合につきましては、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、その意図や宗教的意義の有無などを踏まえ、学校長が個別の事案に応じて、適切に判断すべきものと考えております。
以上であります。
干場芳子君
それぞれについて再質問させていただきましたけれども、神道を否定するつもりも、地域の方の思いを否定するものも何もございません。
今回の絵馬は、錦山天満宮でおはらいを受けたもので、やはり特別な意味があるものだというふうに思っております。観光の店で売っているものとは違います。学校現場で受け取ったこと自体に違和感を持った方たちから、メール、問合せ等があったのだと思いますけれども、こうしたことは、子供自らが、社会の中で絵馬を購入し、どう関わるべきかを学んでいくべきだというふうに思っております。
希望者に配付したとしていますが、絵馬が配られ、希望者ということだったと思いますけれども、願いが成就しなかった子供がいたら、どういうふうに説明をしていくのかというふうにも思います。宗教との関わりにこだわる心の問題が必ずついて回ってくる危険性もあるというふうに考えております。
学校教育の場で主体性を求められている子供たちにとって、よりよい選択がなされたというふうには、なかなか考えにくいというふうに私は考えております。大人たちがよかれと思い行動する際には、より思考が必要であり、慎重に熟慮すべき事案であることを指摘させていただきたいと思います。
引き続き、3件目の使用料・手数料についてお伺いをしたいと思います。
今後、予算決算常任委員会でも議論になるかと思いますけれども、大枠のところで、考え方についてお伺いをしてまいりたいと思います。
1点目のごみ有料化による市民負担の考え方についてお伺いをしたいと思います。
答弁内容については、一定程度理解をさせていただいております。
これまでの市議会への提供資料では、2002年を基に原価計算されたものですけれども、有料化時点の原価計算は実は2.4円というふうになっていて、2007年には既に3.1円になっています。その後も3円を維持しているのが現状だというふうに思っております。
様々な状況を考慮したにせよ、有料化ということで、その目的に照らせば、この間、2円のままで19年間変更しなかったこと、また、2011年に使用料・手数料の見直し方針を策定後も見直し対象としないまま経過したということには、若干妥当性に疑問もあるところではあります。過去のことですけれども、検討すべきであったのかなというふうにも考えております。
市民感覚では、値上げというのは、今の経済状況を考えますと、なかなか厳しいということも理解を致しますけれども、市としては、有料化の導入を決定して、使用料・手数料の見直し方針も策定したということです。1リットル当たり3円でありますけれども、既に現在3.3円ということですので、2025年には3.5円を見込んでいると、これまでも慎重に検討を進めてきたということですが、これまでにおいて適時適切な行政の検証が行われてきたのかどうかについてお伺いをしたいと思います。
総務部長(萬 直樹君)
干場議員の再質問に御答弁申し上げます。
ごみ処理手数料における適時適切な行政の検証についての御質問でありますが、先ほども御答弁を申し上げましたとおり、市では、使用料・手数料の見直し方針策定以降、ごみ処理手数料についても、4年ごとに原価計算を実施し、改定の要否等について検討してきたところであります。
また、検討に当たりましては、原価計算結果や改定案について、所管委員会や江別市行政改革推進委員会に御報告し、御意見を伺うなど、慎重に検討を進めてきたものと考えております。
以上であります。
干場芳子君
御説明については理解を致しました。
2点目の財政への影響についてなのですけれども、見直しの3円では一般財源負担約8億円ですけれども、3.2円では約7億7,000万円、3.4円では約7億4,000万円を見込まれるとのことです。
江別市廃棄物減量等推進審議会での委員の発言から、有料化導入後からこの間、排出した市民が負担すべき3分の1負担をしてこなかった一般財源総額が約80億円という試算の指摘についてですけれども、考え方としてはおおむね相違ないと認識されているのかについて確認をしたいと思います。
総務部長(萬 直樹君)
干場議員の再質問に御答弁申し上げます。
ごみ処理手数料に係る一般財源負担額、いわゆる市の負担額に係る御質問でありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、手数料を1リットル当たり3円とした場合は、年間約8億円と見込んでおりますけれども、3.2円の場合は約7億7,000万円、3.4円の場合は約7億4,000万円になると試算されます。
一方、原価と現行単価との乖離による市の負担額につきましては、直近では乖離が1.3円と拡大していますが、有料化当初は0.4円であったことから、この乖離による影響を実績ベースで試算いたしますと、20年間の累計で約26億円になると認識しております。
以上であります。
干場芳子君
御説明については了解を致しました。
引き続き、3点目の見直しについてですが、江別市廃棄物減量等推進審議会、江別市行政改革推進委員会、自治会との対話集会から、使用料・手数料の見直し方針に基づいて慎重に検討を進めてきたという御答弁でしたけれども、江別市廃棄物減量等推進審議会では詳細な資料が委員に配付されました。様々な観点から様々な意見があったというふうに、傍聴させていただいて認識しております。
江別市行政改革推進委員会とか自治会との対話集会では、そこまでの詳しい資料がなかったということで、値上げというところにスポットが当たって、経済的な状況も背景にあったということで、なかなか市政全体に及ぶような議論にならなかったことは、少々残念かなというふうに思っております。
市民自治を推進する市として、丁寧で分かりやすい情報を提供して説明するプロセスがとても大切だと思っておりまして、江別市自治基本条例、江別市市民参加条例に基づく行政が果たすべき役割と認識いたしますけれども、今後の見直しに当たっては、市として取り組む姿勢と認識についてお伺いをしたいと思います。
総務部長(萬 直樹君)
干場議員の再質問に御答弁申し上げます。
使用料・手数料の見直しに係る情報提供についての御質問でありますが、4年ごとの見直しにおきましては、原則として全ての使用料等を対象に、直近の実績値を基に原価計算を行い、据置きとするものも含め、算定原価と現行単価との乖離幅や改定による影響等に係る資料を所管委員会等に御報告するとともに、市ホームページで公表しております。
また、今般の見直しにつきましては、物価高騰の影響などにより、多くの使用料・手数料が改定対象となったことから、自治会長との対話集会において情報提供の機会を頂いたところであります。
今後におきましても、使用料・手数料の見直しに当たりましては、丁寧な説明と情報提供に一層努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
今、御答弁のありましたとおり、分かりやすい丁寧な情報提供にさらに努めていただきたいというふうに思います。
最後に、4件目の共生のまちづくりについてお伺いをしたいと思います。
2点目の課題の認識についてお伺いを致します。
1点目の答弁では、外国人の増加を見据えた対応を行っていく必要があると考えているとのことでしたけれども、課題の認識については、外国人の増加と多国籍化に伴い、言語や生活習慣の違いにより相談内容も多様化してきていることから、市内に在住する外国人の生活状況に応じた行政サービスを、引き続き適切に提供していくことが課題であるとの答弁でありました。
私たち地域に住む市民にとっても、自治会にとっても、相談したいことが発生してきています。例えば、近所もしくは隣に外国人の方が家を購入して住むことになったのだけれども、相談しようにも、生活環境部市民生活課での対応は、北海道外国人相談センターを紹介されるということで、相談したい内容とマッチしない状況にもなっています。
こうした実際的な現状について、課題解決の糸口として、外国人の方々と関係のある行政をはじめ、江別国際センター、市内大学の関係者、自治会等が一堂に会する機会をつくって、様々な課題等を含めて、共有する場が今後必要ではないかと考えていますけれども、この点についての見解をお伺いいたします。
市長(後藤好人君)
干場議員の再質問に御答弁を申し上げます。
課題等を共有する場についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、市内に在住する外国人からの生活相談などにつきましては、国際交流員による支援のほか、相談内容に応じた庁内の関係部署や専門機関等の紹介などを行っているところでございます。
しかしながら、外国人の増加と多国籍化に伴いまして、言語や生活習慣の違いにより相談内容が多様化してきており、外国人の生活状況に応じた行政サービスを、引き続き適切に提供していくことが課題でありますことから、今後におきましても、他市の事例も参考に、自治会などと相談しながら、外国人の支援に取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
よろしくお願いいたします。
実は、そういう場を今後検討したいという答弁を頂きたかったところなのですけれども、今、これだけ外国人が増えてきているということで、このままの状態でいくのは相当無理があるのかなというふうに思っておりますので、関係者が集う場が必要であるということを申し上げたいというふうに思います。
現状では、多文化共生のまちとはなかなか言えないのかなと思っておりますので、えべつ未来づくりビジョンに基づいて、今後、少しずつ前に進めていただくことを要望したいというふうに思います。
あとは、3点目の学校でのサポート体制についてお伺いを致します。
日本語の支援について、北海道の事業を活用しているとのことですけれども、外国人児童生徒の指導に係る教員の確保は、十分と言える状態になっているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
教育長(黒川淳司君)
再質問にお答え申し上げます。
教員の確保についてでありますが、外国人児童生徒の指導に係る教員は、現状、十分に確保できているとは言えないものの、日本語サポートボランティアの協力により、支援が継続できているものと考えております。
こうした指導は、教員が担うことが望ましいものと考えており、教育委員会と致しましては、引き続き、全国都市教育長協議会を通じて、国や北海道教育委員会に対して要請するなど、必要な教員の確保に努めてまいります。
以上であります。
干場芳子君
分かりました。
引き続き質問をさせていただきますけれども、日本語ボランティアによるサポートは、学校から高く評価されているということは理解いたしました。
待遇改善を検討しているとのことですけれども、基本的には、現在、ボランタリーな枠組みということで理解をしております。
こうした状態が継続されることは、外国人といえども、日本に住んでいる外国人の児童生徒の学びの保障という観点からも、ボランティアでのサポート体制でずっと継続されるというのは、学びの保障という観点からも妥当性が問われているのではないかと考えますけれども、どのような見解をお持ちか、再度お伺いを致します。
教育長(黒川淳司君)
再質問にお答えを申し上げます。
ボランティアによるサポート体制についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、日本語サポートボランティアによる支援は、学校から高く評価されており、外国人児童生徒が日本人と同様に安心して学校生活を送るために必要な支援であると考えております。
教育委員会と致しましては、このような支援を継続していくためには、ボランティアの確保が重要であることから、令和6年度からの待遇改善を検討しているところであります。
以上であります。
干場芳子君
今後、より一層、とりわけ語学の学びの保障は非常に大切だというふうに思っておりますので、可能な限りその充実に向けて御尽力していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上で、私の質問を終わります。
副議長(内山祥弘君)
以上をもって、干場議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
三吉芳枝議員の軟骨伝導イヤホンについてほか1件についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。
三吉芳枝君
ただいま、議長に発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
初めに、市役所窓口において、耳の不自由な方や高齢者と円滑にコミュニケーションを図るため、軟骨伝導イヤホンの導入についてお伺いいたします。
新型コロナウイルスも5類感染症になり、マスクを外す方も多くなりました。しかしながら、感染を防ぐためにも、マスクを着けて会話をされる方は多く、特に接客業の方や多くの人と関わるお仕事の方などは、いまだにマスク着用率も高いと思います。
市役所においても、窓口業務対応されている方のマスク着用率は高く、窓口に訪れる高齢者のマスク着用率も高いと感じます。マスク越しでの会話は聞こえにくく、特に耳の不自由な方や高齢者の方にとっては、さらに聞き取りにくい状況にあると感じます。また、市役所においては、個人情報などの内容を説明する機会も多く、大声で話すとプライバシーへの配慮等が必要な場面もあるのではないでしょうか。
こうした状況を踏まえ、近年、自治体の窓口に、耳が聞こえにくい高齢者や難聴者と円滑にコミュニケーションを取れるようにするため、市役所内の市民課や福祉課などの窓口において、軟骨伝導イヤホンを導入する自治体が増えてまいりました。
軟骨伝導イヤホンは、奈良県立医科大学の細井教授が2004年に発見し、耳で直接音を聞く気導、頭蓋骨の振動が音として脳に届く骨伝導に次ぐ、第3の聴覚経路として近年注目を集めています。
耳付近の軟骨を振動させて音を伝える軟骨伝導の技術を活用し、耳の軟骨に軽く当てるだけで音が聞こえるため、骨伝導のように骨を強く圧迫する必要はありません。イヤホンと比較すると穴や凹凸がなく、清潔に保ちやすいほか、耳穴を塞がず添えるだけで音を拾えるため、痛みが少ないと言われております。また、集音器とセットになっており、音漏れが少なく、小さな声でもはっきりと聞くことができます。
そのため、大声で話すことによって個人情報を周囲に聞かれるリスクを減らすこともでき、耳の不自由な方のプライバシー保護にもつながります。軟骨伝導イヤホンは集音器であるため、医療機器である補聴器に比べると価格も安く、取り入れやすいという特徴もあります。
一般社団法人日本補聴器工業会の2022年度難聴補聴器に関する国内大規模調査レポートによりますと、日本の難聴者は、人口の10%、人数に換算すると約1,300万人を上回ると言われ、高齢化に伴い今後さらに増えると見込まれます。
こうした背景も踏まえ、軟骨伝導イヤホンを、特に耳の不自由な方や高齢者が訪れる窓口に導入することによって、より便利に利用しやすい窓口対応になるのではないかと感じます。
そこで、1件目として、軟骨伝導イヤホンを窓口に導入することに対して、市の考えをお伺いいたします。
続きまして、件名2、食品ロス削減の取組について、3点お伺いいたします。
日本の食品ロス量は、国連の持続可能な開発目標、SDGsへの意識が高まる中、減少傾向をたどってきました。それでも、消費者庁による令和5年11月の食品ロス削減関係参考資料によると、年間2,402万トンに上る日本の食品廃棄量のうち、食品ロス量は523万トンを占めます。これは国連世界食糧計画が紛争や災害、気候変動の影響を受ける人々に対して、1年間で行う食糧支援量約480万トンの1.1倍に相当し、毎日大型の10トントラックで約1,433台分に当たります。
コロナ禍の影響を除いた直近の5年間の食品ロス量の平均は614万トン。政府は、2030年度に489万トンまで減らす目標を掲げていますが、達成には100万トン以上の削減が必要であり、取組の強化が喫緊の課題となっています。
この食品ロスの削減は、気候変動対策としても大変に重要であり、廃棄における直接的に生じる環境への影響だけではなく、その生産過程で投入される天然資源やエネルギーの浪費、製造、加工、流通、卸、小売の各段階でのエネルギー消費など、環境に及ぼす影響は決して少なくありません。
先ほど触れたとおり、政府は、昨年12月、食品ロス対策を、2030年度までに2000年度比50%削減の目標達成に向けて、新たな施策パッケージを決定しました。施策パッケージの内容としては、1未利用食品などの食品寄附、2外食時の食べ残しの持ち帰り、3食品廃棄物の排出削減を促進させる内容で構成されます。
日本では、食品寄附の文化が定着しておらず、欧米などの先進国に比べて規模も小さいため、食品ロス削減に向けて、余った食品について、生活困窮者らへの寄附を促進する方針を掲げました。具体的な内容として、フードバンクや子供食堂といった食品寄附の取組促進へ、本年度中にガイドラインが策定されます。
食中毒など事故の未然防止策を示し、寄附活動に対する社会的信頼の向上を目指します。また、食品寄附関係者が寄附した食品によって、食中毒やアレルギーが発生した場合に備えた保険の創設を官民で検討するほか、寄附を受けて健康被害を訴えた人の救済策も講じられます。
このほか、フードバンクへの専門家の派遣や輸配送などの支援を行って、関係団体の体制強化、併せて食品の期限表示の在り方も議論し、排出削減につなげ、2024年度中に、賞味期限の計算方法などを定めた現行の指針を見直し、賞味期限切れを迎えても、まだ食べることのできる食品の取扱いを具体的に検討する方針です。
外食の持ち帰りでは、食中毒のリスクなどについては、消費者の自己責任を前提としつつ、飲食店などが注意すべき点をまとめた指針が策定されます。
一方、食品ロスを大きく減らすには、食品廃棄物の一層の削減が不可欠です。施策パッケージでは、食品関連事業者や消費者、行政が構成員となる情報連絡会を設置し、事業者への排出削減への取組を強化することが明記されました。
流通における商慣習についても、かねてから課題に指摘されており、賞味期限の3分の1以内で小売店舗に納品する慣例、いわゆる3分の1ルールの見直しが促進されます。
実際に食品ロスを出す割合を見ると、食品関連事業者が全体の約55%で、残りの約45%は家庭からのものであり、大切な資源の有効活用や環境負荷への配慮から、地域における食品ロスを減らす取組は大変に重要なものであり、食品ロス削減への住民運動のさらなる推進は非常に重要であると考えます。
江別市においても、江別市一般廃棄物処理基本計画に基づき、ごみの発生抑制を進める上で重要である食品ロス削減に向け、市民、事業者、関連機関との協働により効果的な施策を持続的に取り組むため、江別市食品ロス削減推進計画が昨年3月から策定されました。
本計画にあります家庭系ごみ、事業系ごみの市内における食品ロス量をはかる一つの要素となる2019年度組成調査と食品ロス量推計によると、家庭系ごみでは、燃やせるごみのうち、生ごみは約57%、未利用品は約1%で、農林水産省の推計では、生ごみのうち約36%が食品ロス量に当たるとしており、この割合を参考に、本市の2019年度の家庭系食品ロス量を推計すると、年間1人1日当たり約90グラムになると考えられます。
また、事業系ごみにおいては、燃やせるごみのうち、生ごみは約12%、未利用品は約1%で、農林水産省の推計では、事業系生ごみのうち約54%が食品ロス量に当たるとしており、本市の2019年度の事業系食品ロスを推計すると、年間700トンになると考えられます。
江別市における2030年度の発生抑制の目標値は、2019年度比で、家庭系食品ロス量を1人当たり約90グラムから約45グラムに、事業系食品ロス量を約700トンから約350トンに、それぞれ50%削減するものとしています。
江別市の食品ロス削減における取組内容として、2017年度に北海道情報大学と連携し、生ごみ減量を啓発するCM作成などの情報提供、食材を無理なく調理する方法や保存方法の普及に向けた食材使い切り・冷蔵庫収納講習会、家庭からの買い過ぎによる消費・賞味期限切れの食品廃棄を防ぐため、消費・賞味期限の近いものから購入するてまえどりの啓発、また、飲食店での食べ残し削減の取組として、食品ロス削減月間の10月に、宴会時の食べ残しを削減する全国キャンペーン3010運動の啓発などに取り組まれています。
しかし、情報提供や啓発だけでは、なかなか目標達成に向けての食品ロス削減につながりにくいと感じます。食品企業の製造過程で発生する規格外品などを引き取り子供食堂や福祉施設等へ無料で提供するフードバンクは、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品、いわゆる食品ロスを削減するためにはとても有効です。また、各家庭で使い切れない未使用食品を持ち寄り、それらをまとめてフードバンク団体や地域の福祉施設・団体などに寄贈する活動、いわゆるフードドライブの活動も注目されています。
東京都大田区では、2017年から、本庁舎と5か所の特別出張所、区の社会福祉協議会とも連携し、定期的にフードドライブを実施し、2018年度からは年3回開催し、年々提供される食品の量は増えているといいます。提供する人は、食べなかったお歳暮をという高齢者や、子供が食べ切れなかったものを届ける子育て世代まで様々です。集まった食材は、社会福祉協議会を通じて福祉施設や子供食堂に届けています。
以上を述べまして、1点目に、江別市においても、子供食堂、フードバンク等へ、地元の事業者等から在庫食品の寄附促進やフードドライブ等の利活用で、もったいないとお裾分けの好循環をつくり、食品ロス削減と共生社会の構築への取組を積極的に進めることも重要かと考えますが、見解をお伺いいたします。
本年1月に会派視察で訪問した京都府京都市では、食品ロス削減に積極的に取り組んでおり、市内で発生する食品ロス削減に向け、フードバンク団体による取組を支援するとともに、それらの取組に対する市民及び事業者の認知度を高め、食品ロス削減に向けた機運の醸成を図るため、2017年より京都市フードバンク団体による食品ロス削減に資する取組支援助成金制度を創設し、30万円を上限に活動に取り組んでいる団体を応援しています。
ほかにも、使い切り、食べ切り、水切りの生ごみ3キリ運動を推奨している飲食店、宿泊施設、食品スーパーなどを、京都市食べ残しゼロ推進店舗として認定する制度を2014年から開始、認定条件を満たした店舗について、市のホームページ等で取組内容を紹介、さらに、食品ロス削減に関するPRグッズや、希望する店舗には、料理のお持ち帰り容器を提供するほか、食品ロス削減に関する情報提供を行っています。2022年までに認定店舗が1,770店舗となっております。
2点目として、農林水産省が進めるフードバンク活動支援事業の活用や、環境省が推奨する飲食店で食べ切れなかった料理を利用者が自己責任で持ち帰る、mottECO事業などの取組を進めていく必要があるかと考えますが、御見解をお伺いします。
日本の市場で一般的に流通している農作物は、主に出荷規格のA等級とB等級です。それ以外のものは、たとえ規格内であっても、出荷の手間がかかり過ぎる、手間に対して収益が見合わない、消費者が敬遠するため採算が合わないといった理由で、出荷されていることはほとんどありません。
食べられる物を捨てるのは、単にもったいないというだけはでなく、栽培や生産に使われた水、電気、ガスなどを無駄にするエネルギー問題でもあります。可燃ごみとして処理する場合は、運搬や焼却時にCO2を排出し、気候変動の原因をつくり、焼却後の灰の埋立ての問題にもつながります。
規格外農産物や廃棄されそうな食品に対して、スマホアプリ等を利用し、小売店や飲食店等とフードバンク等の団体をマッチングして食料品を提供する、フードシェアリングサービスも普及され始めています。
生産者には、社会や環境に配慮した品物を作る責任があり、消費者には、そうした品物を無駄なく使う責任があります。そして、両者が互いに力を合わせ、全ての人が幸せに生き続けられる持続可能な社会を築いていくことが必要です。
3点目として、食に関わる事業者と野菜等の生産者の連携を促し、色や形における規格外品や、出荷や加工前に廃棄されている地域の食材を、できる限り有効に活用する食品開発や消費の拡大などへの支援を積極的に推進するべきと考えますが、見解をお伺いします。
以上で、1回目の質問を終わります。
副議長(内山祥弘君)
三吉議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(後藤好人君)
三吉議員の一般質問に御答弁を申し上げます。
私からは、食品ロスの削減に関しまして、初めに、在庫食品や未利用食品の寄附の普及拡大についてでありますが、国は、食品ロスの削減の推進に関する法律の中で、国、地方公共団体の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる方針を掲げているほか、第4次循環型社会形成推進基本計画において、食品ロスを2030年までに半減させる目標を定めております。
市では、北海道の計画等も踏まえ、令和5年3月に江別市食品ロス削減推進計画を策定いたしました。計画では、家庭や外食時等における食品ロスを削減するための取組を掲げているほか、フードバンク活動団体等との連携を進めることとしており、具体的な取組と致しましては、今年度は、大学連携調査研究事業の中で、北翔大学と連携して、未利用食品の利活用に向けたフードバンク・子ども食堂等との効果的な連携方法の研究について取り組んでいるところであります。
また、市内事業者から、家庭で余っている食品を事業者が集め、食品を必要としている子供食堂等に寄附するフードドライブの実施について相談を受け、大学連携の研究に協力しております市内のNPO団体と調整し、昨年12月に双方が合意書を交わして、フードドライブが進められております。
市と致しましては、在庫食品や未利用食品を事業者から福祉団体等に寄附することは、食品ロス削減の有効な取組の一つとして考えております。
今後におきましては、現在進められている大学連携調査研究事業等の成果を検証するほか、国が策定を予定しております食品寄附のガイドラインを踏まえ、食品ロス削減に向け、より効果的な手法について研究してまいりたいと考えております。
次に、事業者との連携による食品ロス削減についてでありますが、国では、食品ロスを半減させるため、未利用食品等の提供の促進、外食時の食べ残しの持ち帰りの促進、食品廃棄物の排出削減の促進の3つの基本方針を掲げた施策パッケージを昨年12月に取りまとめております。
議員が御質問のフードバンク活動支援事業補助金は、基本方針の未利用食品等の提供の促進において、現在、その制度設計が行われているところであり、その活用には、子供食堂等の実施団体、農業協同組合や社会福祉協議会などによる協議会の設置に加え、広域的、先進的な取組が要件となる予定とされていることから、多くの課題があるものと認識しております。
また、外食時の食べ残しの持ち帰りについては、持ち帰り時に生じる法的責任等の課題整理が必要であり、国では、この課題解決に向けて、基本方針の中で、食べ残し持ち帰りガイドラインを策定予定であると伺っております。
市と致しましては、残さず食べ切ることが重要であると考えますことから、引き続き3010運動の啓発を行うほか、議員が御質問の食べ残しの持ち帰りを含め、食品がごみとならない手法等について研究してまいりたいと考えております。
いずれに致しましても、まずは国が策定を予定しているガイドラインの内容や北海道内他市の状況について、情報収集に努めてまいります。
私からの答弁は以上でありますが、このほかの御質問につきましては、健康福祉部長ほかをもってお答え申し上げます。
健康福祉部長(岩渕淑仁君)
私から、軟骨伝導イヤホンについて御答弁申し上げます。
窓口への導入についてでありますが、当市の窓口には、高齢者や耳の不自由な方など様々な市民が来庁しており、各種手続を行っております。
そのため、耳が聞こえにくい高齢者等が来庁された場合は、表情を確認しながら、ゆっくりと分かりやすく話すほか、必要に応じて筆談で対応するなど、相手の状態に合わせてきめ細かな対応に努めているところであります。
また、多様な市民ニーズに柔軟に対応し、市民がスムーズに窓口での手続を進めることができるように、老眼鏡や聞こえを補う簡易集音器、手話通訳用のタブレット端末などの設置を進めてきております。
御質問の軟骨伝導イヤホンの導入についてでありますが、軟骨伝導イヤホンは、耳の周囲にある軟骨に振動を与えて聞こえを補う新しい種類の補聴器具であり、頭蓋骨を振動させて音を伝える骨伝導イヤホンと比べて、耳の穴を塞がずに軟骨付近に軽く添えるだけで音が聞こえるため、痛みや音漏れが少なく、小さな声でもはっきりと聞くことができるとされております。
軟骨伝導イヤホンを導入することにより、耳が聞こえにくい高齢者等とのコミュニケーションを円滑にし、大きな声で話す必要がなくなることから、プライバシーの保護にもつながるものと認識しております。
軟骨伝導イヤホンは、一部の自治体等においても導入が始まり、実用性が明らかになりつつありますことから、当市におきましても、窓口サービスのさらなる向上のため、今後、耳の聞こえにくい方が多く訪れる窓口に試験的に導入し、その効果を検証してまいりたいと考えております。
以上であります。
経済部長(福島和幸君)
私からは、食品ロス削減の取組についてのうち、出荷や加工前に廃棄されている地域の食材活用について御答弁を申し上げます。
国は、農産物の全国統一的な規格に基づく等級格付により、現物を確認することなく、大量、広域に流通させることを可能にする仕組みづくりを、法令等を定めることにより進めてきたところであります。
しかしながら、一部の農産物等を除き、法令等を廃止し、現在は、出荷団体等が定める自主的な取組として規格が設けられていると聞いております。
近年、環境・食料問題の観点から、食品ロスの削減に取り組むために、国は、令和2年3月に食品ロス削減推進法基本方針を策定し、農林漁業の関係者に対し、規格外や未利用の農林水産物の有効活用を求めたところであります。
規格外品の有効活用に関して、市内の主な農産物の集出荷団体である道央農業協同組合からは、ブロッコリーなどの規格外品は加工食品用として、バレイショはでん粉用の材料として販売するなど、有効活用に向けた取組を進めているとお聞きしております。
また、市内の農業者からは、直売所での販売や農産物の加工品の材料として利用しながら、6次産業化の取組にもつなげるなど、食べられるものについては、できる限り消費者に届けるような努力をしていると伺っております。
市では、食品ロスの削減は、食べられるものを無駄なく活用することやSDGsの推進にもつながるとの考えの下、第4次江別市食育推進計画の中で、新たに環境分野での取組として、未利用品を活用した食品ロスの削減の推進について定めたところであり、今後においても、関係機関等と連携しながら、計画に基づき取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
三吉芳枝君
御答弁、ありがとうございました。
件名2の食品ロス削減の取組について、再質問とは致しませんが、御答弁の中でも、食品ロス削減に向けて、各事業者とも個々に連携し取り組まれているようではありますけれども、それを大きな連帯にし、そこにどう市民を巻き込んで食品ロス削減を進めていくかを考えるのが行政の役割だと感じます。
ぜひ、今後とも、事業者、市民を巻き込みながら、江別市食品ロス削減推進計画を進めていただけますよう、要望と致します。
以上で、私からの一般質問を終わります。ありがとうございます。
副議長(内山祥弘君)
以上をもって、三吉議員の一般質問を終結いたします。
◎ 散会宣告
副議長(内山祥弘君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 2時27分 散会