令和4年第4回江別市議会定例会会議録(第4号)令和4年12月8日
1 出席議員
25名
議長 | 宮本 忠明 君 | 副議長 | 島田 泰美 君 |
議員 | 高橋 典子 君 | 議員 | 佐藤 美佐子 君 |
議員 | 吉本 和子 君 | 議員 | 角田 一 君 |
議員 | 芳賀 理己 君 | 議員 | 本間 憲一 君 |
議員 | 鈴木 誠 君 | 議員 | 猪股 美香 君 |
議員 | 岡 英彦 君 | 議員 | 石田 武史 君 |
議員 | 高間 専逸 君 | 議員 | 三角 芳明 君 |
議員 | 清水 直幸 君 | 議員 | 干場 芳子 君 |
議員 | 諏訪部 容子 君 | 議員 | 佐々木 聖子 君 |
議員 | 稲守 耕司 君 | 議員 | 内山 祥弘 君 |
議員 | 齊藤 佐知子 君 | 議員 | 徳田 哲 君 |
議員 | 奥野 妙子 君 | 議員 | 相馬 芳佳 君 |
議員 | 裏 君子 君 |
2 欠席議員
0名
3 説明のため出席した者の職氏名
市長 | 三好 昇 君 | 副市長 | 後藤 好人 君 |
水道事業管理者 | 渡部 丈司 君 | 総務部長 | 萬 直樹 君 |
企画政策部長 | 川 上 誠一 君 | 生活環境部長 | 金子 武史 君 |
経済部長 | 福島 和幸 君 | 健康福祉部長 | 白崎 敬浩 君 |
総務部次長 | 近藤 澄人 君 | 教育委員会教育長 | 黒川 淳司 君 |
教育部長 | 伊藤 忠信 君 |
4 事務に従事した事務局員
事務局長 | 三上 真一郎 君 | 次長兼 総務課長事務取扱 |
錦戸 康成 君 |
庶務係長 | 竹下 靖子 君 | 議事係長 | 坪松 隆 君 |
主査 | 小川 和幸 君 | 主任 | 川上 静 君 |
主任 | 赤田 竜哉 君 | 事務補助員 | 猪部 みゆき 君 |
事務補助員 | 寺岡 明日香 君 |
5 議事日程
日程第 1 | 会議録署名議員の指名 |
日程第 2 | 一般質問 |
発言者及び発言趣旨
猪股 美香 君 (一問一答方式)
- 子育て政策について
(1)市長の子育て政策への評価について
(2)今後の課題と期待する取組について - 保育行政について
(1)江別市における保育の在り方について
(2)令和5年度入所の保育施設入所選考基準について
(3)今後の保育施設入所の考え方について - 移住者支援について
(1)移住者支援の取組について
(2)地方創生推進交付金(移住・起業・就業タイプ)対象事業の取組について - 経済産業行政について
(1)商工業活性化事業について
(2)企業誘致について
(3)創業支援について
諏訪部 容子 君 (総括質問総括答弁方式)
- 陶芸の里構想について
(1)陶芸の里構想の今後の在り方について
(2)江別市陶芸の里条例の見直しについて
(3)セラミックアートセンターの活用について
内山 祥弘 君 (総括質問総括答弁方式)
- 江別市自治基本条例の機能を発揮したまちづくりについて
(1)市長のこれまでの認識及び取組について
(2)市職員の認識について
(3)市民協働の推進について
(4)市民との情報共有を推進するための手法について
干場 芳子 君 (一問一答方式)
- 次期総合計画について
(1)サイレントマジョリティーと子供の参画について
(2)将来像に対する市民の理解について
(3)江別市自治基本条例の理解について - 子どもの権利条例について
(1)条例に対する市の考え方について
(2)国の動向等に対する認識について
(3)地方自治体との連動について - 生徒指導提要について
(1)改訂のポイントについて
(2)周知等について
(3)実効性のある取組について - HPVワクチンの積極的勧奨の再開について
(1)再開後の接種状況等について
(2)副反応について
(3)情報の提供について
6 議事次第
◎ 開議宣告
議長(宮本忠明君)
これより令和4年第4回江別市議会定例会第14日目の会議を開きます。
ただいまの出席議員は25名で定足数に達しております。
◎ 議事日程
議長(宮本忠明君)
本日の議事日程は、お手元に配付いたしましたとおりであります。
◎ 会議録署名議員の指名
議長(宮本忠明君)
日程第1 会議録署名議員の指名を行います。
会議規則第111条の規定により、
奥野議員
高橋議員
を指名いたします。
◎ 一般質問
議長(宮本忠明君)
日程第2 一般質問を順次行います。
猪股美香議員の子育て政策についてほか3件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。
猪股美香君
議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従いまして順次質問させていただきます。
2019年に初当選をさせていただいてから、3年8か月がたちました。任期満了を4か月後に控え、私自身もこれまでの期間に何ができて、何ができなかったのか総括する日々を送っています。任期のほとんどがコロナ禍での議員活動となり、イレギュラーな議員活動、議会活動でしたが、議会について必死に学び、市民の皆様の声を必死に聴いているうちに、あっという間に月日が過ぎていたように思います。市長におかれましては、市長に初当選してから4期16年という長い年月の中で、思うようにいったもの、いかなかったもの、様々あったのではないかと思います。江別市では現在、第7次総合計画の策定作業中ですが、市民の皆様や職員の皆様に御協力いただいたアンケートの結果や、江別市の将来人口推計、江別市まちづくり市民アンケートの結果等が出そろい、江別市の現状が明らかとなってきたところです。
江別市は、2021年1月に総務省が発表した住民基本台帳人口移動報告2020年結果において、年齢3区分別転入超過数の多い市町村の年齢ゼロ歳から14歳までの区分において、全国12位となり、話題となりました。しかしながら、令和4年5月に江別市が江別市行政審議会へ提出した将来人口推計資料では、ゼロ歳から14歳までの年少人口は減少を続け、その人口構成は令和17年までに10%未満となる見込みとのことです。様々に行った市民アンケートやえべつの未来づくりミーティング、職員アンケートの結果からも、江別市の現状が浮かび上がってきています。
えべつの未来づくりミーティングでは、市内中・高生などの若年層をはじめ、様々な当事者団体、自治会等、広い対象市民の方と意見交換を行っていますが、江別市の強みとして最も多く挙げられたのは、札幌市が近い、札幌市への交通アクセスがよいでした。そのほか、自然が多い、自然が身近にある、子育て環境(教育)がよい、子育て世代に支持されている、子育て世代の転入が多いなどが挙げられていました。
一方、弱みで最も多く挙げられたのは、雪が多い、雪対策や除雪でした。そのほか、特徴がない、観光地(宿泊施設)が少ないや、札幌市に頼りがち、札幌市に目を向けがち、札幌市と比較されがちなどが挙げられていました。
さらに、職員アンケートの結果では、10年後のまちづくりの方針として、どのような分野に力を入れるべきかという質問に対して、最も多かったのが医療、福祉、子育て、教育に関する内容が多く、19.3%で約2割を占めており、 次に産業と行財政、デジタル化、情報発信に関する内容が13.9%の同率で続く結果となりました。最も多かった医療、福祉、子育て、教育の中でも、110件中56件が子育てに関するものでありました。また、次に多かったうちの産業の内容としては、79件のうち34件が雇用創出、企業誘致に関するものでした。特に意見として、市内に4大学があるにもかかわらず、それらの学生の市内企業への就職率が著しく低いといった意見や、女性が働きやすいまちが子育て応援のまちにもつながるのではといった意見が出ており、私もこれまでの議員活動の中で、同様に感じることが多くあり、これまで一般質問も重ねてきたような御意見だったため、深くうなずきながらアンケート結果を読ませていただきました。
第7次総合計画策定に係る様々なアンケート結果を引用してきましたが、私としても、これまでの議員活動の中で同じように思うことが多くあり、通告のとおり、質問させていただこうと思います。
1件目、子育て政策についてお伺いします。
さきに申し上げたとおり、江別市では2021年1月にはゼロ歳から14歳までの転入超過数が全国12位となり、また、えべつの未来づくりミーティングでの意見でも、子育て環境(教育)がよい、子育て世代に支持されている、子育て世代の転入が多い等が挙げられていました。
一方、江別市は住宅取得のための札幌市からの転入者が多く、札幌市に頼りがち、札幌市に目を向けがち、札幌市と比較されがちといった弱みも挙げられていました。アンケートの内容を細かく見ていくと、子育て環境については、緑の多さや札幌に隣接しているといった住環境としての環境、子育てひろばぽこあぽこ、学力が高い教育、の3点を評価していました。しかしながら、現実としては、札幌市と隣接しているため子育て政策に関しては札幌市と比較されることが多く、子供の医療費助成や学童保育の利用料等ではまだまだ江別市での充実を求める声が大きいのも実態だと感じています。
1点目、市長の子育て政策への評価についてお伺いします。
市長の4期16年という長い任期の中で、子育て政策において、成し遂げられたと感じたもの、道半ばと感じているもの、様々あると思います。市長の評価をお聞かせください。
2点目、今後の課題と期待する取組についてお伺いします。
市長の評価の中で成し遂げられなかったと感じているものがあれば、それはどういったもので、要因としてはどういったものが考えられるのか、どのようにしたら成し遂げられたとお考えなのか、今後の課題と期待する取組についてお聞かせください。
2件目、保育行政についてお伺いします。
保育行政については、さきに行われた決算審査でも触れさせていただきましたが、今後の考え方等について、もう少し詳しくお考えをお聞きしたく、質問いたします。
先日の生活福祉常任委員会でも報告がありましたが、江別市では現在、えべつ・安心子育てプラン(第2期江別市子ども・子育て支援事業計画)の中間見直しを実施しているところです。江別市においては、保育所の待機児童の数には落ち着きが見られてきており、令和5年度入所以降については、現状では国基準の待機児童は発生しないものと考えられていると思います。保育の定義は、乳幼児を適切な環境の下で、健康、安全で安定感を持って活動できるように養護するとともに、その心身を健全に発達させるように教育することを意味しており、広義には集団保育と、家庭保育の両方を含んでいます。先日の報道で、小学校入学前のゼロ歳児から5歳児が死亡するなどした過去15年間の虐待事案231件のうち、自治体の検証で保育所や、幼稚園に通っていなかったと見られる子供は6割を超え、親子の孤立が背景の一つと指摘されたケースが約2割の43件に上ることが明らかとなりました。これまでは、働く女性の増加等により、集団保育のニーズが高まっている社会情勢への対応に重点が置かれているのが保育行政だったと思いますが、これからは、また新たな社会のニーズに応えていく姿勢が求められてきます。
1点目、江別市における保育の在り方についてお伺いします。
江別市は、札幌市のベッドタウンとして発展し、住宅取得のための札幌市からの転入者が多い土地柄です。就労状況としては、多くが札幌市に働きに出ており、女性の就労者数も増加している傾向です。令和5年度入所以降については、現状では国基準の待機児童は発生しないものと考えられていると思われ、えべつ・安心子育てプラン(第2期江別市子ども・子育て支援事業計画)の中間見直しでは将来の子供人口の推計がなされ、今後の教育・保育の量の見込みと提供体制の見直しがなされたところです。江別市の現状や特性を踏まえ、江別市に適切な保育の在り方とはどのようなものであると考えているか、お聞かせください。
2点目、令和5年度入所の保育施設入所選考基準についてお伺いします。
予算決算常任委員会では、令和5年度入所の保育施設入所選考基準について、見直しを行ったとの答弁を頂いておりました。具体的な見直し内容と、その根拠についてお聞かせください。
3点目、今後の保育施設入所の考え方についてお伺いします。
さきに述べましたとおり、江別市の昨今の状況や子育て環境のニーズに対応するためには、どのような方針で保育施設入所の基準を考えていくのか、お聞かせください。
3件目、移住者支援についてお伺いします。
江別市は、その立地環境などから転入者が増えている傾向が見られております。市では移住相談事業やシティプロモーション事業など、様々な移住者支援事業を行っていると思います。
1点目、移住者支援の取組についてお伺いします。
移住者支援の取組の現状と、相談者の状況についてお聞かせください。また、転入者が増えている江別市においては、転入後のフォローも必要であると考えます。お考えをお聞かせください。
2点目、地方創生推進交付金(移住・起業・就業タイプ)の対象事業の取組についてお伺いします。
国では、地方創生推進交付金を活用し、地方での起業や東京圏からUIJターンにより起業・就業をする方へ支援金を支給する地方公共団体の取組を支援しており、2019年度から事業を実施しています。北海道が実施主体となり、江別市も移住支援金の対象となる市として名前を上げております。今年度は予算の上限に達することが見込まれているため現在は申請を停止しているとのことで、首都圏からの北海道への移住ニーズの高さを実感しているところです。江別市には、首都圏からの移住ニーズがどれだけあるのかを知る一端になればとの考えから、対象事業の取組について、江別市と近隣市町村の状況についてお伺いいたします。
4件目、経済産業行政についてお伺いします。
さきに述べましたように、第7次総合計画策定に係る職員アンケートの結果では、10年後のまちづくりの方針として、どのような分野に力を入れるべきかという質問に対して、産業に関する内容が13.9%で2番目に多く、雇用創出、企業誘致に関して力を入れていく必要があるとの意見があり、私も意見を同じくしているところです。
1点目、商工業活性化事業についてお伺いします。
現在、市では事業者の活力向上と商店街の魅力向上を図る目的で、商工業活性化に係る補助事業を行っています。特にハード事業については、利用実績が令和元年度でゼロ件、令和2年度で1件、令和3年度でゼロ件という実績であり、これまでの委員会等でも、いろいろな委員の方から指摘があったとおり、その使いにくさに課題があると感じています。商店街という大きな枠組みでの取組を支援することで、そこに入る個人商店も応援しようという考え方での事業なのかと思いますが、そもそも商店街組合に加盟する店舗が増えていくような流れ、また新しい店舗が事業を継続していけるような流れを支援する視点に変えていかないと、商店街自体の継続が厳しいのが現状です。
新しい店舗がチャレンジしやすい事業に、また、新しい店舗が事業を継続していくことを支援できるような事業に見直しをする必要があると思いますが、お考えをお聞かせください。
2点目、企業誘致についてお伺いします。
第7次総合計画策定に係る職員アンケートでは、市内に4大学があるにもかかわらず、それらの学生が市内企業への就職率が著しく低いといった意見や、女性が働きやすいまちが子育て応援のまちにもつながるのではといった意見が出ておりました。雇用の創出の観点からも、企業誘致の効果に期待するところです。市では江別市企業立地等の促進に関する条例に基づき、様々な助成制度を設けており、さらに利用がしやすい制度となるよう、令和2年4月以降は、これまで交付要件の中で固定資産税評価額が5,000万円以上であったものを2,000万円以上とするなど、見直しを行ってきたところかと思います。
これまではかなり規模の大きい企業を対象にしていたイメージがあり、実際のニーズに即していないのではないかと感じておりましたが、この見直しにより、制度の利用にどのような変化があったのか、助成制度の利用状況についてお伺いします。また、その利用状況の変化の有無を踏まえ、江別市の企業誘致のニーズをどのように捉えているのかお伺いします。
3点目、創業支援についてお伺いします。
市では現在、創業スタートアップ支援事業として、創業に関する相談や創業に係る費用補助等を行っているところですが、学生の市内企業への就職率が低いといった課題や、女性の就労支援といった視点から企業誘致という方法に加え、市内での就業の場を自らつくることを支援する方法もあると思います。学生、女性の就労は、市の課題として上がっているようなテーマでもあり、特化した支援策を設けることも有効と考えますが、お考えをお聞かせください。
以上で、1回目の質問を終了いたします。
議長(宮本忠明君)
猪股議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
猪股議員の一般質問にお答え申し上げます。
子育て政策に関しまして、私の子育て政策への評価についてでありますが、昨日の裏議員の御質問にもお答えしておりますけれども、平成19年5月の市長就任以来、最大の課題が少子高齢・人口減少への対応であることの認識の下で、保育園や認定こども園の整備など、待機児童対策に重点的に取り組んでまいりました。また、民間医療機関の協力の下、質の高い病児・病後児保育施設を2か所開設するなど、多様化する保育ニーズに対応してきたほか、江別市立病院の産科再開など、医療体制を整備しまして、安心して子供を産み育て、働くことができる環境づくりを進めてきたところでございます。教育分野におきましても、電子黒板を導入しまして、学力向上の取組を進めるなど、重層的かつ集中的な子育て支援施策を行った結果、年少人口の転入超過数は、4年連続で全国20位以内に入るなど、少子高齢・人口減少問題に効果が現れてきているのではないかと考えております。
今後も引き続き、ニーズに即した子育て施策の充実を図ることで、初めて子供を産む方はもとより、2人目、3人目の子供も江別で産み、育てたいと思ってもらえるような環境づくりを進め、子育て世帯から選ばれるまちとして、江別の魅力を発信していくことが大切であると考えております。
次に、今後の課題と期待する取組についてでありますが、私と致しましては、子育て世帯の経済的負担の軽減が今後の課題であると考えております。市が、平成30年に子育て世帯の生活状況や困り事などの実態を把握するために実施した、子どもの生活実態調査の結果によりますと、保護者からは、経済面から子供を進学させる自信がない、また、子供からは、親の生活を見ていて進学したいと言えないといった経済的理由により、将来の子育てに不安を持つ世帯が多いことが課題として見えてまいりました。特に独り親世帯では、経済的不安を持つ方の割合が高く、これからの不安解消のためには、実効性のある、具体的な施策を打ち出すことが急務であると考えております。具体的には、離婚時の養育費の支払い制度や、高校・大学進学への給付型の奨学金の拡大など、貧困の連鎖に陥ることがないような仕組みを示す必要があるものと考えているところでございます。
先ほどもお答え申し上げましたとおり、2人目、3人目の子供を産み、育てたいと思えるような子育て環境を整備するためには、国が目指す子供政策の理念の一つであります、誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援という趣旨からも、住んでいる自治体の財政力に左右されることなく、日本全国、どこに住んでいても子育て支援や教育といった基本的サービスが一律同等に受けられるように、国が統一した支援策を制度化し、実施することに期待をしているところでございます。
次に、保育行政に関しまして、江別市における保育の在り方についてでありますが、市では、子供が健やかに育ち、親が安心して子供を産み、育て、就業と子育ての両立ができる社会を実現するため、平成27年に江別市子ども・子育て支援事業計画を策定しております。本市の状況としては、札幌市内で就労している保護者が多く、通勤に時間がかかることから、この計画に基づきまして、市内全ての保育施設で延長保育を実施しているほか、保護者の多様な就労形態に対応するため、病児・病後児保育や休日保育の拡充を図るなど、保護者のニーズに対応した保育サービスの充実に努めてきたところでございます。
さらに、令和2年に策定した第2期子ども・子育て支援事業計画に基づきまして、これまでの課題でありました待機児童解消のため、保育施設の拡充を進めてきたことにより、令和4年度当初の市全体の保育施設の定員は、5年前と比較しますと約1.5倍となる2,100人となり、待機児童解消に一定のめどが立ったところでございます。
市と致しましては、引き続き、保育を必要とする全ての子供たちが、希望どおりの保育施設へ入所し、かつ質の高い保育サービスを受けることができる環境を整備することが、重要であると考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長ほかをもってお答え申し上げます。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
私から、保育行政についての御質問のうち、2件について御答弁申し上げます。
まず、令和5年度入所の保育施設入所選考基準についてでありますが、保育施設の利用につきましては、子ども・子育て支援法に基づき、市が保育の必要性を認定した上で利用が可能となります。利用希望者数が保育施設の定員を上回った場合には、選考基準に基づき、就労時間数などによる保育の必要性の度合いによって定められた基準点数と、独り親家庭など一定の要件に該当する場合の調整点数を合計し、点数の高い順から入所を決定しております。調整点数の運用につきましては、市が国の通知や近隣市の状況を参考にしながら、世帯状況などを総合的に勘案した上で決定しており、今回、令和5年度に向け、調整点数の見直しを行ったところであります。
その主な内容と致しましては、江別市子ども・子育て会議の御意見を伺い、送迎等の保護者の負担の軽減のため、兄弟姉妹の同一施設への入所に関する調整点数を見直したほか、福祉的配慮の観点から、新たに、同一世帯に障がい者がいる場合に配慮する項目を追加したものであります。市では現在、この見直し後の選考基準によって、令和5年度の保育施設への入所の利用調整を行っているところであります。
次に、今後の保育施設入所の考え方についてでありますが、先ほども御答弁申し上げましたとおり、これまで、保育定員の拡大を進めてきたことで、待機児童解消に一定のめどが立ったところであります。この状況を受け、自宅や職場に近い施設への入所や兄弟姉妹の同一施設への入所など、保護者の様々なニーズに応えることが、今後可能となることも考えております。
いずれに致しましても、市と致しましては、保護者の希望に応えられるよう、江別市子ども・子育て会議の御意見を伺いながら、必要に応じて保育施設入所選考基準の見直しを図ってまいりたいと考えております。
以上であります。
企画政策部長(川上誠一君)
私から、移住者支援について御答弁申し上げます。
まず、移住者支援の取組についてでありますが、市ではこれまで、江別市へ移住を検討されている方への支援として、相談窓口の開設、eメール、オンラインによる相談体制の整備、住宅展示場でのPRのほか、首都圏での移住相談会への参加などを行ってまいりました。また、希望する方には、市内の主要箇所を案内し、まちの様子を直接感じてもらう取組や、ホームページをリニューアルし、より分かりやすい情報発信に努めてきたところであります。転入者の中には、下宿や寮に仮住まいをされる方や、単身赴任から戻ってきた方などが含まれているため、移住者の人数を把握することは難しく、また、移住の相談をされる方は、移住者のうちごく一部となりますが、市として把握しております相談件数としましては、令和元年度の22件に対して、令和2年度、令和3年度は共に39件と増加傾向にあるところです。地域別では、東京都が最多で、次いで、札幌市、神奈川県となっており、この3地域で全体の約4割を占めております。年齢別に関しては、10歳代から60歳代までと幅広く、中でも30歳代が最も多い状況となっております。
次に、転入後のフォローについてでありますが、市役所本庁舎のほか、市内3か所に移住定住相談の窓口を開設し、転入後にお困りのことがある場合は、地域おこし協力隊の協力を得ながら、個別の相談に応じているところであります。
いずれに致しましても、江別市の人口減少を抑制し、活力あるまちづくりを進めていくためには、移住者支援は重要と認識しておりますことから、今後も、移住を検討されている方へ積極的なPRを図るとともに、移住された方が安心して暮らせる住環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
次に、地方創生推進交付金(移住・起業・就業タイプ)対象事業の取組についてでありますが、この交付金は、東京圏への過度な一極集中の是正及び地方の担い手不足対策を図るため、国が制度設計したUIJターンによる起業、就業者の創出などの事業について、都道府県が実施をする場合に交付されるものであります。また、議員御質問の移住タイプにつきましては、都道府県と連携して、市町村の参画も可能であり、江別市も、北海道が実施するUIJターン新規就業支援事業に令和元年度の採択当初から参画してきたところであります。
この事業は、東京圏で一定の在住期間を満たした方が、東京圏から北海道内に移住し、要件を満たした企業に就業した場合などにおいて、移住支援金が支給されるものです。江別市と致しましても、当該事業のリーフレットを作成するなどPRをしてきたところでありますが、東京23区に居住または通勤していた方しか対象とならないことや、転職先の企業が限定されているなど、要件が厳しいため、全国的に申請が低調で、江別市においても、相談はあるものの、実績はないという状況になっております。
しかしながら、令和2年度以降、東京圏での仕事を移住先でテレワークにより行う場合も対象となったほか、東京圏で居住期間条件などが順次緩和されてきたことから、現在、申請が増加傾向にあり、江別市においても、より周知に力を入れる必要があると考えております。
次に、近隣市町村の状況についてでありますが、市町村ごとの実績は非公表とのことであり、北海道全体の実績としては、令和3年度で59件とのことでありました。
いずれに致しましても、移住の促進には、国や北海道との連携は重要と認識しておりますことから、今後も国や北海道の動向を注視しながら、移住者増加に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
経済部長(福島和幸君)
私からは、経済産業行政について御答弁申し上げます。
まず、商工業活性化事業についてでありますが、御質問の商工業活性化補助金は、市内経済の活性化を図ることを目的とした、市内中小企業者等に対する補助金であります。
主な補助内容と致しましては、地域に、にぎわいを創出することを目的とした、イベントへの補助や、会社経営や従業員の能力向上を目的とした研修・研究活動への補助などのソフト事業に加え、地域経済の活性化を目的とした、商店街の景観向上や空き店舗の活用に対する補助を行う、ハード事業であります。また、利用実績と致しましては、企業と大学生によるイベントの開催や、見本市への出店など、ソフト事業への補助が中心となっており、これまでも補助対象の拡充や、周知方法の検討、補助申請の相談窓口を設置するなど、補助制度をより利用しやすくなるよう見直してきたところです。ここ数年の利用実績の減少につきましては、コロナ禍の影響によるイベントの中止や、先行きが見通せない中で、設備投資が難しい状況であることも要因の一つと推察しております。
今後は、ウイズコロナ、アフターコロナの下、活性化する経済を見据え、新たな事業展開などにも対応できる制度となるよう、市内各経済団体等の意見を伺いながら、国や北海道、その他の支援制度の活用も含め、見直しを検討してまいりたいと考えております。
次に、企業誘致についてでありますが、市では、企業の立地を促進し、市内経済の発展を図るため、江別市企業立地等の促進に関する条例に基づき、企業の新たな進出や、事業拡大による投資、雇用などを支援するための補助制度を設けています。令和2年度には、北海道の補助交付要件の水準に合わせ、立地補助金等の固定資産税評価額要件を5,000万円から2,000万円へ引き下げたほか、災害リスクの低減を考慮した本社機能の分散化や地方移転への機運が高まってきたことを受け、市外から江別市内に本社機能を移転する企業を対象とした本社機能移転補助金を新設するなど、支援対象を広げてきたところです。
御質問にある助成制度の利用状況につきましては、制度を見直ししてからまだ2年ということもあり、今のところ大きな変化は見られませんが、令和2年度以降、市内に立地した企業6社に支援を行い、そのうち1社は新設した本社機能移転補助金を活用していることから、今後、こうした効果が徐々に見えてくるものと期待しております。また、企業側のニーズとしては、コロナ禍に対応した働き方の変化や、労働力を確保する観点からのオフィスの分散、地方進出の動きがあると認識していることから、今年度、市内にサテライトオフィスを設置する事業者を対象とした江別市サテライトオフィス設置推進補助金を新たに創設したところであり、現在、東京都に本社を置く事業者が利用を見込んでいるところであります。
今後においても、変化する社会情勢や経済情勢、企業ニーズなどを踏まえ、どのような取組が効果的であるのか見極めながら、企業誘致を推進してまいりたいと考えております。
次に、創業支援についてでありますが、市では、創業者の発掘と育成を通して地域経済の活性化を図るため、江別商工会議所などと連携し、創業支援に取り組んでいます。支援施策につきましては、中小企業診断士の資格を持つ創業支援相談員による無料の相談対応や、新規開業者向けの低金利での融資制度の提供、元町アンビシャスプラザへの入居あっせん、創業支援セミナーや実践創業塾の開催、IT人材育成などを通じ創業機運を醸成する民間創業支援事業者の支援など、幅広く行っているところです。
創業支援の現状としましては、コロナ禍におきましても、創業相談数は少しずつ増加しており、セミナー、創業塾の受講者の中には学生や女性の方も一定程度見受けられること、また、昨年度の新規創業者10名のうち、5名が女性であることなど、学生、女性を含めた創業機運は徐々に上がってきているものと認識しております。
いずれに致しましても、創業支援につきましては、地域の活力維持に資する取組であると考えており、学生、女性を含む様々な立場で創業を希望する方の課題ごとの状況に応じて解決していくことが重要となるため、江別商工会議所が持つ相談機能や支援制度なども活用しながら、創業支援の取組を進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
猪股美香君
御答弁ありがとうございました。それでは順次再質問をさせていただきたいと思います。
1件目の子育て政策についての2点目、今後の課題と期待する取組について、市長の評価として経済的理由で将来の子育てに不安を持つ世帯が多い、こちらに対応することが今後の課題ということで御答弁いただいたと思います。
私もまさにそのとおりと思っておりますので、もう少しお伺いしたいのですけれども、2人目、3人目の子供を産み、育てたいと思えるような子育て環境を整備するためには、子育てにかかる費用負担の軽減をさせることが効果的であります。人口減少社会において、2人目、3人目の子供を産み育てられる環境をつくることが急務だと私も感じています。特に出生率の向上のための子育て政策では、現金給付では1人当たりの子育てにかかる限界費用を引き上げるだけで、出生率の向上への影響はあまり大きくなく、現物給付の方が、出生率の向上に寄与し得るという見解があります。そして子育て政策における現物給付の多くが、保育所整備や医療費助成、学校給食など、基礎自治体で行う事務であるのが現状です。市長のおっしゃるとおり、住んでいる自治体の財政力に左右されることなく、日本全国、どこに住んでいても一律同等に受けられるよう国が統一した支援策を制度化するべきというお考えも理解いたしますが、地方が、国が、と議論している間にもあっという間に私たち人は年を取り、生産年齢人口がどんどん減少していってしまいます。江別市単位で考えたら、市長の任期中においては、子育て政策の中でも、保育整備も例として挙げておりましたが、住宅取得支援事業や移住相談事業など、転入促進にかける支援策にはしっかり頑張って取り組んでいらしたという感じがあるのですけれども、子供政策、子供に直接支援が行き渡るこの現物給付の政策に関しては、独自の支援策がなかなか展開できなかったように感じています。
市独自の支援策を打つには、独自の財源が必要です。この財源を生み出すことができなかったのは、市立病院への毎年の一般会計からの繰出金の影響がかなり大きかったと、私自身の任期の中での実感がございます。
市長の御見解をお伺いします。
市長(三好 昇君)
猪股議員の再質問にお答え申し上げます。
出生率向上のため、市独自で現物給付を行うということについてでございますが、2人目、3人目の子供を産み、育てたいと思える子育て環境を整備するためには、やはり私は今後将来に向かっての大きな契機といいましょうか、大学の学費などの経済的不安を解消しまして、家計の将来的な見通しを持つことができるような、持続性のある政策が必要であると考えております。
御質問の、独自の財源によります支援策についてでございますけれども、市単独での施策は、毎年度の財政状況によって左右されますことから、安定的な支援の継続は極めて難しいものと考えておりまして、こうしたことから、私としましては、根本的な少子化対策については、国が進めるべきものと認識しておりまして、今回、国はこども家庭庁を設置いたしまして様々な動きがございます。それに併せて、既に全国市長会では安定的な財政、財源支援のための要望を国に出しておりますので、そこに私も期待をしているところでございます。
猪股美香君
市長の評価としては、お聞きしました。
私も、国が進めてくれるならそれにこしたことはないのですけれども、待っている間に子供を産みたいと思っている、私たちの時間がどんどん過ぎていき、産めないというようなところになってきてしまうのが現状でございます。
江別市の場合、先ほども申し上げたとおり、札幌市からの転入の子育て世代が多いと考えると、お子さんのかかりつけ医がまだ札幌市であるようなケースがたくさんあると思うのです。そうした場合に、札幌市の医療機関の窓口で医療費助成を受けられるので受給者証を見せてくださいと言われることが多くて、そうすると、うちは江別市から来たので受給者証を持っていないですと目の当たりにこの差を感じている方がたくさんいると思うのです。
やはりそう考えると、子育て世代を応援、そして転入促進をしているまちとして、札幌市からの転入が多い江別市としては、やっぱりできることなら最低でも医療費助成については、札幌市と同等でないとそういうことを感じている保護者がたくさんいるというのが現状であります。その財源を生み出すことができなかったという部分については、私の任期の中ではやはり市立病院への毎年の15億円近い繰出金を圧縮できなかった、このことが大きな要因であったのではないかと、私は評価しております。引き続きの努力を市に期待いたします。1件目は以上です。
2件目、保育行政について再質問いたします。
1点目の質問、江別市における保育の在り方については、保育を必要とする全ての子供たちが、希望どおりの保育施設へ入所し、かつ質の高い保育サービスを受けることができる環境を整備することが重要であると考えておりますとの答弁を頂きました。これはつまり、保育を必要とするの定義と質の高い保育サービスの定義を明確化する必要があるということだと思います。
一方、この3点目の質問、今後の保育施設入所の考え方については、保護者の希望に応ずられるよう、江別市子ども・子育て会議の御意見を伺いながら、必要に応じて保育施設入所選考基準の見直しを図ってまいりたいと答弁を頂いています。
保育施設の入所の考え方は、江別市における保育の在り方と連動していくものであると私は思っておりました。保育を必要とする全ての子供たちが、希望どおりの保育施設へ入所し、質の高い保育サービス環境の整備という江別市の考える保育の在り方と、今後の保育施設入所の考え方として、保護者の希望に応じるこのニーズが同じニーズとして調整点数に反映されるという考え方なのでしょうか。市の捉えている保育の在り方と保護者の希望が必ずしも一致しないこともあるのではないのかと思ったのですが、再度お考えをお伺いします。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
猪股議員の再質問に御答弁申し上げます。
市では、これまで、待機児童解消を最も重要な課題として、保育定員の拡大を進めてまいりました。このことにより、待機児童の解消に一定のめどが立ちましたことから、令和5年度に向けて、送迎等の保護者負担軽減のため、保育施設入所選考基準における兄弟姉妹の同一施設への入所に関する調整点数等を見直したところであります。
選考基準は、市の保育の在り方を実現する上での要素の一つではありますが、調整点数の見直しに当たりましては、市の保育の在り方や保護者の希望など様々な考えがありますことから、引き続き、江別市子ども・子育て会議の意見を伺いながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
以上であります。
猪股美香君
答弁ありがとうございます。
これまで取り組まれてきた保育定員の拡大で、保育の受皿を十分に用意できた、ここで改めて基礎点数や、調整点数を見直すという重要性が今のところ小さくて、現状としては市の捉えている保育の在り方も、保護者の希望も現状の入所選考基準の中で一定程度クリアできているというふうなお考えと理解いたしました。
今後は、例えば、これまでは就労時間が短くてなかなか保育園入所できなかった者が入所しやすくなる、就労はしていなくても求職活動をしていれば入所しやすくなり、受皿の中で受け入れられる範囲が現状の選考基準の中で広くなっていくというふうな施設入所の考え方であると理解いたしました。
引き続き、保育ニーズの数については注視されながら、取り組まれますようお願いしたいと思います。
また、さきに例に挙げたような虐待事案の6割が未就園児であった、原因と考えられる親子の孤立を防いでいく、ここが大事という部分については、保育施設入所以外の江別市の保育の在り方として、子育て支援センターの活用や子育てひろばぽこあぽこの活用が重要であるということと整理ができましたので、これらの取組についても今後注視していきたいと思います。
次、3件目、移住者支援について、1点目の移住者支援の取組について再度お伺いいたします。
昨日の12月7日にもオンライン相談会を実施しており、様々な方法で移住希望者への訴求の取組をされている様子を拝見し、その効果には大変期待しているところです。
答弁では、転入者の中には、下宿や寮に仮住まいをする方や、単身赴任から戻ってきた方などが含まれているため、移住者の人数を把握することは難しいとのことと、把握できる移住者が移住の相談を経た方であること、また、移住相談の件数は年間で22件から39件とのことでしたので、純粋な江別市への転入者数と比較すると、移住相談を経ていない転入者がかなりいるだろうと想像します。また、移住相談の年齢層は30歳代が最も多いということで、地域によっては高齢者層が第二の人生を地方で、というニーズも多いというエリアもあると思うのですけれども、江別市においては、やはり家族移住や子育て環境を求めての相談が多いと想像しました。新しい地で暮らしをつくっていくためには、地域での情報収集がとても大切です。特に子育て世代は、教育環境や保育環境の情報を保護者同士で交換しながら、住むエリアや働く場所、子供の習い事などを検討します。コロナ禍の昨今は学校行事も大幅に縮小し、保護者同士が顔を合わせる機会も少なく、親同士の情報交換の機会がないとの移住者の声を聴くこともあります。現在の市の移住者支援事業では、さきに述べたとおり、移住相談経由の転入者しか把握しておらず、市全体の転入者としては把握していない現状です。
転入先として江別市を選んでいただけている今こそ、住み続けていただくための政策として、情報を必要としている転入者を把握し、情報提供や情報交換の機会を設け、市全体として転入者を積極的に受け入れている姿勢を見せる必要があると考えますが、いかがでしょうか、お伺いします。
企画政策部長(川上誠一君)
再質問に御答弁申し上げます。
移住者支援の取組についてでありますが、市内への転入者数の中には、一時的に仮住まいをされる方などが含まれており、また、個人情報の関係もあることから、純粋な移住者数を把握するには難しい面もあり、今後、その手法については、研究してまいりたいと考えております。
また、転入後のフォローとしまして、先ほども御答弁申し上げたとおり、移住定住相談窓口の開設などを行っているところであり、今後につきましては、毎年行っております、江別市まちづくり市民アンケートや江別市転入アンケート調査も活用するなどして、皆さんの御意見をお伺いしながら、転入者を積極的に受け入れる取組を進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
猪股美香君
検討をよろしくお願いしたいと思います。
2点目、地方創生推進交付金(移住・起業・就業タイプ)対象事業の取組についても再度お伺いしたいと思います。
市の独自で行っている移住者支援の事業のほうの相談では、移住相談の地域が、東京都が最多、次いで、札幌市、神奈川県となっており、この3地域で全体の約4割との答弁を頂いておりまして、この地方創生推進交付金(移住・起業・就業タイプ)も対象が東京23区に居住か就労という条件と一致しているので、事業活用も一定程度あると思っておりました。
しかしながら、要件が厳しいため、全国的に申請が低調で、江別市においても、相談はあるものの、実績はないという状況との答弁でした。具体的には、東京23区に居住または通勤している方しか対象とならないことや、転職先の企業が限定されていることなどが、厳しい要件として挙げられていましたが、相談自体は、江別市においては東京都からの移住相談は一定程度あるということが確認できていましたので、そこが課題というわけではないと捉えました。特に転職先の企業として江別市内の企業が登録されていないことが問題なのでしょうか。お伺いします。
企画政策部長(川上誠一君)
再質問に御答弁申し上げます。
この地方創生推進交付金(移住・起業・就業タイプ)の支給に当たっては、居住地と勤務地が異なっていても支給対象となるところでありますが、江別市に実績がないことにつきましては、先ほども御答弁申し上げたとおり、東京23区に5年以上の居住が必要であることや、就業先が限定されていることなど、様々な要因があるものと考えております。また、議員御指摘のとおり、市内事業者の登録数が少ないことも要因の一つであると認識しておりますことから、江別市への移住につながるよう、市内事業者を含む北海道内事業者の登録増加に向けて、事業主体である北海道と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
以上であります。
猪股美香君
承知しました。
ニーズはあるというのが分かりましたので、制度の立てつけに課題があるという答弁で私も同じように感じたところです。
今後、この事業は事業内容の見直しを行いながらの継続があるのではないかと伺っていますので、引き続き情報収集しながら、効果的な活用方法を御検討いただければと思います。
4件目の経済産業行政については、再質問はございません。
適宜見直しを図っていただいて、引き続きの御尽力をお願いできればと思います。特に3点目の創業支援については、職員アンケートでも大学生、女性の雇用環境に対しての課題を感じているような声があり、また、大学生からは幾度となく江別市に就職したい、江別市に住みたいのに就職先がないという声を伺っておりました。ないなら、つくる。前向きに御検討いただければと思います。
以上で私の一般質問を終わります。
議長(宮本忠明君)
以上をもって、猪股議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、換気のため暫時休憩いたします。
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午前10時56分 休憩
午前11時00分 再開
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議長(宮本忠明君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
諏訪部容子議員の陶芸の里構想についての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。
諏訪部容子君
それでは通告に従い質問いたします。
江別市陶芸の里条例は平成6年に施行され、その第1条には江別市において歴史と伝統を有するれんが産業及び陶芸文化の一層の振興並びにそれらにおける新たな分野への創造を図り、もって経済の活性化及び生活文化の向上に寄与するため、江別市陶芸の里を設置するとあり、第2条に陶芸の里内に設置する施設としてセラミックアートセンターが定義されています。以下、第3条にはセラミックアートセンターの事業、第4条に開館時間と休館日、第5条から第16条までセラミックアートセンターの使用に関して詳細に規定されています。 江別市陶芸の里条例にある、江別市陶芸の里とはどのようなものだったのでしょうか。江別市のホームページで江別市陶芸の里について調べてみましたが、詳細は分かりませんでした。さらに調べてみますと、市内の団体のホームページにえべつ昭和史を引用した記事を見つけました。少し長くなりますが、陶芸の里構想について全く御存じない方も多いかと思いますので、引用させていただきます。江別にて陶芸の里構想という言葉が最初に持ち上がったのは、昭和57年3月の商業近代化地域計画報告書でした。江別陶芸の里構想は、野幌の地に陶芸家を中心とした芸術家の村的なものを造成し、野幌地区のイメージアップを図るというものでした。これを発展させた形で、新総計・基本計画(芸術・文化の振興)に装いを新たに同構想が登場したのです。
装いを新たにというのは、芸術家の村的なものにとどまらず、地場産業の振興という視点が導入されたことを意味します。具体的な姿として明らかにされたのは、野幌窯業100年の平成2年のことです。場所は、RTNゾーン内の道道江別恵庭線沿いの千古園の向かい側、15.84ヘクタールです。用地中央を筋違川が走り、背後には野幌総合運動公園、さらには野幌森林公園がある環境抜群な所です。ここに、展示、創作、研修、宿泊、公園などの機能を有する施設を配置し、江別の伝統的な産業と文化を結びつけるニューカルチャー創造の震源地にしようというものでした。その後、議会における論議を深めながら同構想に対する期待が高まり、平成3年5月、基本構想が固まったのです。陶芸の里を、江別のイメージをつくり、豊かさを実現し、そして新たな可能性を開く戦略的なプロジェクトと位置づけ、その開発のポイントとして、次の3つを挙げました。
(1)産業支援空間としての陶芸の里、(2)生活文化創造空間としての陶芸の里、(3)新たな余暇空間としての陶芸の里、なお、付言をすると、(1)については、RTNの推進を念頭に、セラミックス産業の可能性開発の場であり、(2)は、窯業の歴史を踏まえた新しい北の生活文化創造の場であり、(3)は、豊かな自然環境を生かした札幌圏における広域的な余暇空間の場を提供しようというものでした。最後に注釈として、江別市総務部えべつ昭和史651ページとあります。
以上長々と引用させていただきましたが、要約すると、陶芸の里を、江別のイメージをつくり、豊かさを実現し、そして新たな可能性を開く戦略的なプロジェクトと位置づけ、野幌の地に陶芸家を中心とした芸術家の村的なものを造成し、野幌地区のイメージアップを図るという構想であったと理解できます。
その後、平成17年第2回定例会において、赤坂元議員が江別市陶芸の里条例については、イコール、セラミックアートセンターであり、セラミックアートセンター設置条例とすべきではないか。また、江別市陶芸の里条例制定後10年を経過しており、陶芸の里の整備は厳しいのではないかという趣旨の一般質問をされました。その質問に対して当時の助役は、陶芸の里の整備を完全に中止したということではなく、現時点においては、陶芸の里に新たな部分を付加することは凍結しているという状況と答弁されております。また条例に関しても、あえて江別市陶芸の里条例をセラミックアートセンター設置条例のように条例を改正するという考えは特に取っておりませんとのことでした。
その江別市陶芸の里条例が制定されてから、かれこれ30年が経過しようとしています。しかしながら、陶芸の里に新たな部分を付加することについては、私が知る限りでは、ここ十数年、議会でも俎上にのせられたことが全くありませんでした。えべつやきもの市は、陶芸のまち江別を象徴するイベントと言っても過言ではないと思いますし、市内で開催されるイベントの中でも特に市内外から多くの来場者が訪れるイベントです。しかしながら、えべつやきもの市は、セラミックアートセンターを中心に行われていません。そしてそのため、えべつやきもの市の期間中でもセラミックアートセンターを訪れる人はさほど多くないとのことです。様々な事情があることは理解しますが、少し残念な気もします。
さて、そのセラミックアートセンターですが、事務事業評価表によりますとその維持管理に毎年5,000万円弱の総事業費がかかっています。さらに別途企画展開催事業、これは企画の内容によって費用の大小がありますが、人件費も含めた総事業費は令和元年度で2,000万円弱、新型コロナウイルス感染症の影響を受け事業を縮小したと推測される令和2年度、令和3年度でも1,000万円余り、事業費のみでも数百万円かかっています。つまりは、その維持管理にかなりの費用がかかっているという印象です。
一方、その企画展などで得られるセラミックアートセンターの使用料、つまり、セラミックアートセンターの収入はどのようになっているのでしょうか。江別市のホームページには、平成29年度から令和3年度までの決算説明書が掲載されておりますので、それを調べてみますと、セラミックアートセンターの使用料収入は毎年200万円前後です。たしか平成18年6月10日から平成18年7月30日までに開催された華麗なるマイセン磁器―シノワズリー、ロココからアール・ヌーヴォーまでが最も入場者数が多い催しであった記憶しているのですが、そのときの使用料収入でも1,000万円には届かない、つまりは、企画展開催事業の費用すら賄えないということです。またホームページには、平成6年の江別市セラミックアートセンター展示案内から今まで開催された展示会の図録が掲載、販売されています。直近の令和3年7月3日から令和3年8月29日までに開催された市立函館博物館所蔵花光コレクション展まで45冊の図録が販売されています。図録を見ますと、どの展示会もなかなか魅力的な展示会に映るのですが、残念ながら多くの方に御来場いただけなかったようで、一冊を除いて全ての図録が売れ残っています。
魅力的な展示会を開催しないと、お客さんに来てもらうことは難しいでしょうし、大々的に広報しなくては、市内外の方に広く知っていただくのは難しいでしょう。魅力的な展示会を開催するためや、大々的に広報するためには一定程度の費用がかかるであろうことは想像に難くないところです。リタイア後の趣味として、陶芸は人気が高いという調査結果を見たことがあるのですが、熱烈な陶芸ファンは意外に少ないのかもしれません。セラミックアートセンターという名前や何より江別市陶芸の里条例に縛られ、陶芸に関係する展示会にこだわっていることも一因のように感じます。もちろん、文化芸術をコストのみで評価しようとは思っていません。規模も性質も全く違うので単純に比較するのは難しいと思いますが、札幌芸術の森もホームページからその決算状況を確認いたしますと、自主事業収入よりもはるかに多い市からの指定管理料で成り立っているようです。そのように施設の性質上、入場料などの事業収入で施設を維持するのはかなり難しいと言えるでしょう。
セラミックアートセンターでも財政が厳しい中で様々に工夫して企画展開催事業を行っていることは理解いたしますが、より多くの方に利用していただく、また少しでも多くの事業収入を得るためには、現状のれんが産業及び陶芸文化の一層の振興のための施設という位置づけは、言わば足かせのようになっていると思えてなりません。もちろん、平成23年度に改修した後に様々な展示が行えるように工夫していることは理解しておりますし、先ほど紹介した図録の中には、幾つか陶芸とは違った分野の図録もありますが、やはり陶芸が主となっています。もちろん陶芸が主であることに異議を唱えるものではありませんが、もう少し幅広く展示会を開催できないものかと思います。例えば、ホームページなどで江別市出身や、ゆかりがある有名人などを少し調べただけでも、たくさんの方の名前がヒットします。その中には画家、写真家、版画家をはじめとして多くの芸術家の方がいらっしゃいます。それらの方々のお名前を拝見していますと、多様な展示会が開催できるのではと思えてなりません。
定例会初日に報告いたしましたが、10月に訪れた三重県桑名市では公共施設の指定管理者制度の抜本的な見直しをしているそうです。その際、条例について質問させていただきましたが、民間からの事業提案を採用するに当たって、提案と設置条例に著しいそごが生じる場合には、設置条例を改正するとのことでした。今年3月に江別市公共施設等総合管理計画が改定されましたが、それを見ても老朽化している施設の更新や大規模改修が必要となり、令和15年度までの期間に要する費用は直近5年間を上回る経費が必要とされています。すなわち財政が厳しい江別市としては、少しでも収入を得る努力を今以上にすべきと考えます。
以上述べて質問させていただきます。
項目1、陶芸の里構想の今後について。
平成17年第2回定例会の一般質問に対して陶芸の里の整備を完全に中止したということではなく、現時点においては、陶芸の里に新たな部分を付加することは凍結しているという状況と答弁されていますが、現在の状況及び今後についてはどのようにお考えかお聞きします。
項目2、江別市陶芸の里条例について。
江別市陶芸の里条例の第1条に江別市において歴史と伝統を有するれんが産業及び陶芸文化の一層の振興並びにそれらにおける新たな分野への創造を図り、もって経済の活性化及び生活文化の向上に寄与するためと規定されているため、例えば市にゆかりのある陶芸以外の芸術家の作品の収集や展示の幅を広げることが難しくなっているように思えます。
現在でも市民の積極的な利用を促すため、市民が主体となった場合には陶芸とは異なった展示を実施しているのは理解しますが、条例が重くのしかかっているように感じます。名称もセラミック&アートセンターでもよいと思うのですが、より幅広い作品を収集したり展示したりできるよう、例えば赤坂元議員が指摘したように、セラミックアートセンター設置条例など、条例名やその設置目的を改正してはいかがかと思いますが見解を伺います。
項目3、セラミックアートセンターの活用について。
以前より、多様な展示会や市民ギャラリーとして使われるよう努力してきたことは理解しますが、枕言葉のように財政が厳しいと語られる江別市の状況に鑑み、経済の活性化及び生活文化の向上に寄与するを限りなく拡大解釈し、もっと様々な展示会やイベントを開催できないのか、もっと多様な活用方法を検討すべきではないか、お聞きします。
以上、1回目の質問と致します。
議長(宮本忠明君)
諏訪部議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
諏訪部議員の一般質問にお答え申し上げます。
陶芸の里構想に関しまして、陶芸の里構想の今後の在り方についてでありますが、陶芸の里構想は、江別市において歴史と伝統を有するれんが産業及び陶芸文化の一層の振興並びにそれらにおける新たな分野への創造を図り、もって経済の活性化及び生活文化の向上に寄与するため、平成4年から平成13年までの10年間を計画期間とし策定したものでございます。しかしながら、その後の社会情勢の変化や厳しい財政状況、また、核施設としての道立工業試験場の誘致が困難になったことから、平成15年11月の第5次総合計画特別委員会の中で、構想については断念し、土地の戦略的活用は行政主体ではなく、民間による整備開発を念頭に置いていくとしております。また、江別のアイデンティティーであります、れんがと陶芸という文化政策としての視点を持ち、自主的市民文化、芸術活動の育成支援、れんがの保存活用といった施策の中で、事業を進めるとの考えも示しております。現在、同構想により設置をされましたセラミックアートセンターは、窯業・陶芸に限ることなく、企画展示室やロビーでの多目的な活用を図りながら、幅広く芸術・文化活動の場として、市内外の皆様に利用いただいているところであります。
セラミックアートセンターにつきましては、その周辺の恵まれた環境を生かしながら、引き続きより多くの方々に利用いただけるようにするとともに、陶芸の里構想につきましては、総合計画における議論経過も踏まえまして、検討してまいりたいと考えております。
次に、江別市陶芸の里条例の見直しについてでありますが、平成5年に制定されました同条例の中に、セラミックアートセンターの設置が規定されております。これまで、セラミックアートセンターは、江別市陶芸の里条例に規定された、市民の文化活動としての陶芸の普及振興に関する事業や、セラミックス、陶芸作品等の資料の収集、展示及び調査に関する事業、そのほかセラミックスに関わる普及振興に関する事業などを実施してまいりました。
現在は、焼き物文化の振興と創造を中心に据えながら、市民の芸術文化活動、生涯学習の場として幅広く活用いただいているところでございます。議員御指摘の、条例の取扱いにつきましては、施設の利用実態を考慮しながら、検討してまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、教育部長からお答え申し上げます。
教育部長(伊藤忠信君)
私から、陶芸の里構想についての御質問のうち、セラミックアートセンターの活用について御答弁申し上げます。
セラミックアートセンターは、平成6年の開館以来、江別市陶芸の里条例に基づき、焼き物文化の振興と創造を図り、生活文化の向上に寄与するため、北海道内外の芸術作品を紹介する展示会や、陶芸体験会、陶芸教室を開催し、市民の芸術文化活動の支援に努めてきております。
平成23年度には、市内の文化団体等から、幅広い芸術作品が展示できる、市民ギャラリー機能の充実が求められ、企画展示室の改修を実施し、市内絵画サークルの展覧会や市内の大学、団体等との協働による児童生徒の作品発表会、表彰式のほか、当市にゆかりのある芸術家の個展を開催するなど、市民の生涯学習活動の場としての役割も果たしてきております。こうした利活用の幅をさらに広げるため、ロビーにおいては、市内外の音楽家による各種コンサートが開催されているほか、ラグビーワールドカップオーストラリア代表チームのウエルカムセレモニー会場としても利用されております。また、駐車場や中庭においても、まちかどコンサートや、星空観察会などが開催されるなど、施設の恵まれた環境を生かし、多様な場面での活用が図られてきております。さらに、来年度、隣接する北海道立野幌総合運動公園で開催される全国高等学校総合体育大会では、全国から多くの選手や関係者、観客の来場が予想されることから、競技のパブリックビューイング会場など、セラミックアートセンターの活用について、実行委員会、競技団体等の関係機関と検討を進めているところであります。
いずれに致しましても、教育委員会と致しましては、市内外からより多くの方々にセラミックアートセンターを訪れていただけるよう、引き続き、陶芸のみならず、様々な分野のイベントや事業を行い、魅力ある施設運営に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
議長(宮本忠明君)
以上をもって、諏訪部議員の一般質問を終結いたします。
一般質問を続行いたします。
内山祥弘議員の江別市自治基本条例の機能を発揮したまちづくりについての質問を許します。総括質問総括答弁方式、通告時間30分。
内山祥弘君
それでは議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従い順次質問させていただきます。
それでは、件名、江別市自治基本条例の機能を発揮したまちづくりについてです。
まず初めに、先日、三好市長におかれましては、今任期をもって江別市長としての区切りをつけられるということを定例記者会見で発表されました。まだ任期は来年4月まで残されておりますが、これまで4期16年弱の長きにわたり、江別市政運営にたゆみなく御尽力し、自らを献身されてきたことに、心より感謝と敬意を申し上げます。
さて、今回の件名、江別市自治基本条例の機能を発揮したまちづくりについてですが、もちろん、そもそも江別市自治基本条例において、第11条(市長の役割と責務)では、市長は、市民から信託を受けた本市の代表者として、この条例を遵守し、市民自治のまちづくりを推進しなければならないとあるのは大前提として、実際に、三好市長におかれましては、本条例の制定以後、もちろんそれ以前の4期の市政運営全体の中も含めまして、この江別市自治基本条例の理念や原則、機能を発揮させようとするまちづくりに努められてきたものと思います。なお、江別市自治基本条例の市民自治の基本理念は、第3条において市民一人ひとりが自治の主役として、市政に関する情報を共有し、自らの責任において主体的に考え、積極的にまちづくりに参加及び協働しながら、より良いまちづくりを推進することを市民自治の基本理念とするとされ、また市民自治の基本原則は、第4条において市民及び市は、次に掲げる基本原則に基づき、市民自治を実現するものとする。第1号情報共有の原則、市民及び市は、まちづくりに関する情報を共有すること。第2号市民参加・協働の原則、市民は、まちづくりの主体として、まちづくりへの参加及び協働を進め、市は、それを尊重すること。第3号信託と責任の原則、市は、市民の信託に基づき、公正かつ誠実に市政を運営する責任を負うこととされております。具体的には、まずは本自治基本条例の制定をはじめとして、江別市市民参加条例の制定、また、まちづくりの基本となる、えべつ未来づくりビジョン第6次江別市総合計画の中でも、基本理念の根幹として協働のまちづくりを据え、また、まちづくり政策の重点的・集中的に取り組んでいくものを示す、えべつ未来戦略の中でも、ともにつくる協働のまちづくりを戦略推進の基盤とするなど、常に、三好市長におかれましては、江別市自治基本条例の機能の発揮を念頭に置き、江別市政の運営、組織運営に心を砕かれてきたものと推察いたします。
そこで、今回の質問は、そのような、これまでの三好市政全体を振り返っていただいて、改めて、江別市自治基本条例の機能の発揮について、どのように行われてきたのか、また一方で、これらの江別市自治基本条例の機能の発揮、推進に当たって、ここがなかなか思うように行かなかったということや、ここがまだ道半ばであるなど、市政のリーダーとして実際に具体に取り組んでこられた方として、課題や反省も含めて、また、次期市政へのバトンタッチ、提言の意味も含めまして、総括的なお話を伺えればと思っております。
初めに、江別市自治基本条例、あるいは市民参加・協働の背景、意義については、改めて述べるまでもないかもしれませんが、地方分権の進展により、地域の身近な問題や課題を、地域自らが市民と共に自律的に解決していく必要性と、人口減少や少子高齢化社会の中にあって、多様な行政ニーズが求められる一方、税収がますます減って行くと予想される中、行政だけが公共サービスを担っていくことには限界があるということが言われております。また、江別市政の今後に向けても、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ、ゼロカーボンに向けた地球温暖化対策推進の取組においても市民の協力や協働が必要不可欠ですし、また、都市計画的なまちづくりにおいても、これまでの開発的なまちづくりから、修復型のまちづくりに変わってきており、今後のJR江別駅前周辺の再開発、活性化などにおいても、住民の参加や協力なくしてはまちづくりが進まない、すなわち、江別市自治基本条例の機能の発揮がますます求められる状況を迎えることになります。
そこでまずは1点目の質問、項目1、市長のこれまでの認識及び取組についてですが、なかなかこの短時間では言い尽くせない部分ももちろんあるかと思いますけれども、三好市長はこれまでを振り返り、江別市自治基本条例の機能を発揮させるまちづくりについて、どのような認識や意識の下で市政を行われてこられたのか、また、その取組についての評価と今後に向けた課題等についてお伺いいたします。
次に、項目2、市職員の認識についてです。
三好市長の江別市自治基本条例の機能の発揮についての御認識は、この後、御答弁いただくことになりますが、一方において、江別市職員の江別市自治基本条例の機能の発揮に向けて取り組む意識については、職員全体として果たしてどうなのだろうか、その理念や原則、機能等の内容が、十分に正しく理解され、各事業の実施において生かされているのかという疑問を、市民から声として聴くことも多くありますので、質問させていただきます。
令和元年第4回定例会の干場議員の一般質問への答弁の中でも、市では、毎年、市民参加や市民協働を含めた江別市自治基本条例の内容に関するアンケート調査を実施しており、江別市自治基本条例の内容を知っている、あるいは、おおむね知っていると回答した市職員の割合は、今年度は73.7%で、まだ十分とは言えず、市職員の認知度を高めることは課題と捉えておりますと答弁されております。また、松下啓一氏著の事例から学ぶ・市民協働の成功法則の中では、協働を進める上での行政側の課題として、協働は協働担当の仕事と思われている。協働と名がつけば、すぐに協働担当に回される。自治体を挙げて、協働、協働と言うけれど、多くの職場では、実は自分たちは関係ないと思っているなどと述べられております。しかし、この本でも述べられておりますが、協働概念の核を行政とともに、地域コミュニティーや特定非営利活動法人等も含む広い意味での市民も公共の担い手であり、それぞれの得意分野で存分に力を発揮することと理解すると、協働には2つの協働があり、役所と市民が一緒に汗をかく一緒にやる協働と、それぞれ個別に活動する、一緒にやらない協働があり、後者の、一緒にやらない協働においても、行政側のソフトで間接的な支援として、励ましや温かいまなざし等も最大の協働施策であると述べられております。すなわち、協働における行政の役割を、市民の力や活動を励まし、その力を存分に発揮させることと理解すると、自治体の仕事で協働のない職場はないと考えられます。
平成14年策定の市の市民協働のまちづくり推進方針の中でも、市民協働のまちづくりの範囲には、行政が主導性や専権性を持つ領域から、市民の主導性や自律性が大きい領域まで幅広いものが含まれており、行政の意思決定に関する部分を除き、広い意味での協働はどの分野でも可能であり、協働に聖域はないと言われますと述べられておりました。また、市民参加の点からも、先日大麻公民館で行われた江別市本庁舎建設基本構想(案)に対する市民説明会には、新型コロナウイルス感染症などいろいろな理由があると思いますが、市民の参加者は4名程度であったとのことです。市民参加については、これはあくまで一例として述べただけですが、市民参加を促し、市民の力を存分に発揮させようという市職員の意識や認識が十分であるのか、市民参加の方法を行うこと自体が、手段ではなく、目的となっていないかなど、疑問を感じるところもあります。
そこで、項目2、市職員の認識についての質問ですが、まずは、直近の江別市自治基本条例の内容に関するアンケート調査において、江別市自治基本条例の内容を知っている、あるいは、おおむね知っていると回答した市職員の割合はどれくらいとなっているのか。また、市職員の江別市自治基本条例や、市民参加・協働についての認識についてはどのように考えているのか、また、それに対する取組についてお伺いいたします。
次に、項目3、市民協働の推進についてです。
先ほど紹介した事例から学ぶ・市民協働の成功法則の中では、協働の原点となるのが日本国憲法第13条、全て国民は、個人として尊重されるであり、市民がまちの価値・資源であり、そうした市民一人一人が持っている多様な価値を認め合い、それを強みと考えて発展させエネルギーに変えて、よりよい社会をつくっていくというのが、自治経営の本質であると述べられています。また、えべつ未来づくりビジョン第6次江別市総合計画の協働の語句説明の中でも、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学、行政などの多様な主体や様々な世代が、それぞれの得意分野や経験・知識等を生かしながら、まちづくりにおいて事業の企画段階から関わり、様々な取組を実践することにより、より大きな効果が期待できるものと考えていますと書かれております。
令和3年9月には、江別市自治基本条例検討委員会から提言書が提出され、市民協働については、協働は、この江別市自治基本条例による自治を支える重要な概念ですが、江別市自治基本条例アンケートの結果からも、協働という言葉が市民に十分理解されているとは言えません。実際には、地域のごみ拾いや花壇の手入れ、夏祭りの手伝いなど、知らず知らずのうちに行っていることがあります。それが市民協働であることを市民に理解してもらうために、協働の事例を挙げて広めていくなどの工夫が必要であると考えます。今後、デジタル化に向かって長期的に大きく変わっていくことから、オンラインを活用した市民協働を進め、活動の活性化に取り組んでいくことを望みます。市内の大学には、専門知識や技術を持った人材がたくさんいるので、大学の協力の下、デジタル化を進めることができると考えますなどと提言されております。
そこで、項目3、市民協働の推進についての質問ですが、この提言を受けて、市ではどのような取組を進めようとされておられるのかお伺いいたします。また、市民協働の推進、協働の市民理解の促進に向けての手法の一つとして、協働活動を行っている個人や団体、また、それらを支援している個人や団体等を、表彰・顕彰するような取組を行っている自治体、例えば、岡山県岡山市のおかやま協働のまちづくり賞や、大分県大分市の協働のまちづくり大賞、滋賀県東近江市の共に考え、共に創るわがまち協働大賞など全国に多数あるようですが、そのような取組や制度を実施するお考えはないかお伺いいたします。
最後に、項目4、市民との情報共有を推進するための手法についてです。
江別市自治基本条例の基本原則、情報共有の原則、市民参加・協働の原則及び信託と責任の原則の中でも、情報共有の原則は、最も基本的で重要なものであると考えます。なぜなら、そもそも、十分かつ丁寧な情報共有が市と市民の間でなされていなければ、市民参加・協働の原則も、信託と責任の原則も、なし得ず、言わば絵に描いた餅となってしまうからです。また、市民自治の基本理念は、自立した市民が主体となることが前提であり、様々な行政と市民との関わりや情報提供、共有を通じて、市民の社会的な自律を促進して行くことも、情報共有の重要な役割と考えます。また、新たな市民協働を発想する市民力の向上にもつながるものと考えます。
そこで、項目4、市民との情報共有を推進するための手法についての質問ですが、行政と市民の間の情報共有ももちろん大事ですが、市民同士の情報の共有も重要であり有益と考えます。そこで、市民の声の公開の在り方について質問いたします。江別市自治基本条例第21条第2項では、市は、市民からの意見、要望、提案等に対し、速やかに、かつ、誠実に対応するとともに、市民と情報を共有するため、必要に応じてその対応状況を公表するよう努めなければならないとされております。また、令和4年度江別市まちづくり市民アンケート調査結果では、市民の声の市政への反映度についての問いに対して、満足である、どちらかといえば満足と答えた割合は、約8%となっております。
そこで、過去の一般質問でも取り上げられたことがありましたが、改めて、市民の声などとして寄せられている意見や提案について、現在は件数、分類、主な内容等がホームページで公開されており、寄せられた意見等を市の回答も含め職員間では共有も行われているようですが、プライバシーの問題等もありますので全てとは言いませんが、他市、札幌市でも、みんなの声を市政に生かしますとして、皆様からの声や実施することになった声の一覧、また函館市では、市民の声回答一覧などとして同様な取組が行われておりますが、市民からの意見・提案とそれに対する回答や実現されたことなどを、ホームページや広報えべつ等で公開すべきと考えますが、いかがかお伺いいたします。
以上で、1回目の質問を終わります。
議長(宮本忠明君)
内山議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
内山議員の一般質問にお答え申し上げます。
江別市自治基本条例の機能を発揮したまちづくりに関しまして、まず、私のこれまでの認識及び取組についてでございますが、江別市自治基本条例は、平成17年6月に設置されました江別市自治基本条例市民懇話会において、検討を重ねられ、さらに、平成19年11月に設置されました江別市自治基本条例制定審査委員会におきまして条文の検討を行うなど、多くの市民や活動団体、有識者などによる検討を経て、平成21年7月に制定されたところでございます。
この江別市自治基本条例は、市民が自ら考え行動する、市民主体の自治を実現することを目的としまして、市民自治の基本理念や基本原則、市民、議会及び行政の役割、市政運営の基本的事項など、江別市の自治の基本を定める最高規範でございます。これまで、市政を進めるに当たりましては、江別市自治基本条例の理念にのっとり、えべつ未来づくりビジョン第6次江別市総合計画において、初めて、総合計画の根幹として協働の概念を位置づけ、市民一人一人が自治の主役として主体的に考え、積極的にまちづくりに参加・協働することを、全ての施策において常に意識しながら実施してまいりました。さらに、江別市自治基本条例の理念を市民に浸透させるよう、協働のまちづくりの実現に向けた意識啓発や、平成27年度に制定されました江別市市民参加条例に基づく市民参加の機会の拡大に取り組んできたところでございます。令和3年9月に江別市自治基本条例検討委員会から頂いた提言では、条例の認知度については、まだまだ課題はあるが、附属機関等の市民公募枠の確保や結果の公表など、市民参加の取組が充実してきたことは評価すると、御意見を頂いたところでございます。
今後におきましても、協働や市民参加の理念が市民に広く浸透していくよう、さらに工夫を続けていくとともに、市政全般にわたり、協働や市民参加を基盤としながら、次期総合計画に向けて取り組んでいく必要があるものと考えております。
次に、市職員の認識についてでありますが、毎年行っております、江別市自治基本条例についての職員アンケートにおきまして、江別市自治基本条例への認識に関する設問に対し、約9割の職員が、江別市自治基本条例を意識して業務に取り組んでいると回答しております。市ではこれまで、若手・中堅職員の理解を促進するため、新人研修や昇任者向け研修などにおきまして、江別市自治基本条例について認識を深めてきたほか、夏祭りなどの地域イベントに若手職員を派遣し、市民との交流を深めるなど、協働に対する意識の醸成を図ってまいりました。さらに、全職員の認識を高めるため、定期的な情報提供などによりまして、市政運営における市民参加・協働の重要性や、積極的に協働の取組を進める必要性などの啓発に取り組んでまいりました。なお、令和3年9月に江別市自治基本条例検討委員会から提出された提言書におきまして、市職員は条例の存在を知っているだけではなく理解して実際に業務に生かしていくことが重要であるとの御意見を頂いたところでございます。
市と致しましては、この提言を踏まえまして、江別市自治基本条例の理念であります市民参加・協働に関する十分な理解の下、まちづくりが進むよう職員の意識啓発に取り組んでまいります。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、生活環境部長ほかをもってお答え申し上げます。
生活環境部長(金子武史君)
私から、江別市自治基本条例の機能を発揮したまちづくりについての御質問のうち、市民協働の推進について御答弁申し上げます。
令和3年9月に江別市自治基本条例検討委員会から提出された提言書において、市民協働に関する検討課題として、協働という言葉が市民に十分理解されるための工夫や、オンラインを活用した市民協働などについて提言を頂いたところであります。この提言を受けまして、市では、広報えべつで市民協働に関する特集記事を掲載するほか、令和3年度から毎月身近な協働の事例を紹介するなど、市民に協働への理解が広がるよう取り組んでおります。また、オンラインに関しましては、市民活動団体が、インターネット上で情報を発信できる場として、平成24年度に開設したホームページ、コラボのたねを継続して運用しているほか、市民活動の中間支援組織である、特定非営利活動法人えべつ協働ねっとわーくの協力の下、活動に役立つリモート交流やオンライン会議のためのZOOMの活用を学ぶ講座を開催いたしました。
今後におきましても、提言を踏まえ、協働の市民への浸透にさらに取り組むとともに、オンライン環境の整備状況に応じて、積極的に市民参加の機会などに活用できるよう、工夫を重ねてまいります。なお、御質問の、個人や団体などに対する表彰に関しましては、市の表彰制度における特別褒賞を活用するほか、協働の活動に特化した、表彰制度の導入につきましては、他市の同様な事例などについて情報収集をしながら、特定非営利活動法人えべつ協働ねっとわーくが実施している、市民活動見本市の活用なども含めて、相談してまいりたいと考えております。
以上であります。
企画政策部長(川上誠一君)
私から、市民との情報共有を推進するための手法について御答弁申し上げます。
市では、広報誌やホームページ、SNSを活用した市政情報の発信のほか、本年11月からはLINE登録された方へ、欲しい情報をプッシュ通知するセグメント配信を開始するなど、様々な手法で市民との情報共有を図ってきたところであります。市民の声の公表につきましては、一定の配慮が必要な個人や特定の場所に関連する事項などが含まれていることから、個々の内容については、公表していないところでありますが、情報共有の観点から、ホームページにおいて、雪対策や子育てなどのカテゴリーや受付方法、所管する部局の内訳について、年度ごとに公開しております。さらに、令和3年度分からは、カテゴリーごとに代表的な意見について、趣旨が分かるよう、表示を追加してきたところであります。また、公共性が高いものについては、広報誌において、その概要を掲載するなど、市民周知を図ってきた経緯もございます。
いずれに致しましても、情報共有の推進は重要と考えておりますことから、今後も、LINEなど様々な媒体を活用した情報の発信に一層努めるとともに、さらなる市民の声の公開の在り方について、他市の事例も参考にしながら、検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
内山祥弘君
御答弁ありがとうございます。
それでは、再質問と要望をさせていただきます。
項目1、市長のこれまでの認識及び取組について、再質問いたします。
市長は御答弁において、これまで、市政を進めるに当たりましては、江別市自治基本条例の理念にのっとり、えべつ未来づくりビジョン第6次江別市総合計画において、初めて、総合計画の根幹として協働の概念を位置づけ、市民一人一人が自治の主役として主体的に考え、積極的にまちづくりに参加・協働することを、全ての施策において常に意識しながら実施してまいりましたと御答弁されました。しかし、1回目の私の質問でも述べましたが、市民が自治の主役として主体的に考え、積極的にまちづくりに参加・協働するためには、その前提であり、条件として、情報共有の原則が実現されていなければなりません。もちろん、市においても、1回目の御答弁にありましたように、これまでも様々な情報発信、情報共有の取組をなされてきたことは理解いたします。しかし、本当に情報共有ができているかどうかを判断するのは、市側ではなく、受け取る市民の方ではないでしょうか。実際に、多くの市民から、市民参加に当たっての情報提供や広報等の記載内容について、情報の絶対量が不足している、説明の丁寧さに欠けており、何が何だかよく分からない、市の都合のいいことしか書いてないのではないかなどの声を聴いております。また、令和4年度実施の江別市まちづくり市民アンケート調査結果においても、市政に関する情報・広報の提供についての問いに対して、満足である、どちらかといえば満足を合わせて、約20%に過ぎないという結果になっています。
江別市自治基本条例においては、第4条第1号情報共有の原則、繰り返しになりますが、市民及び市は、まちづくりに関する情報を共有すること。第6条第1項では、市民は、市政に関する情報について知る権利を有するなどとされています。この江別市自治基本条例の機能が、本当に十分に発揮されている、実現されていると言えるのでしょうか。私は、大いに課題がある、市民の立場に立って今後も努力しなければならないものと考えております。繰り返しとなりますが、絶対的な情報量を有する市側からの十分かつ丁寧な情報提供なくして、本当の意味での情報共有はあり得ないし、ましてや、市民一人一人が主役の自治の実現はなし得ないのではないでしょうか。さらに加えて、今後、人口減少や少子高齢化社会の中で、市民に新たな負担などを求める場合にも、適時、適切な情報共有に基づいた、ふだんからの市と市民との信頼関係の構築が絶対条件となるのではないでしょうか。
そこで、項目1の再質問ですが、江別市自治基本条例の情報共有の原則の機能の実現について、市長は現状をどのように認識されているのか改めてお伺いいたします。
項目2、市職員の認識については、要望と致します。
御答弁において、毎年行っている江別市自治基本条例についての職員アンケートにおいて、江別市自治基本条例への認識に関する設問に対して、約9割の職員が、江別市自治基本条例を意識して業務に取り組んでいると回答しているとのこと。前回、令和元年の干場議員の一般質問時での、約7割に比べ、浸透が進んでいるものと理解し、一定の評価を致します。ただ、残りの約1割が、いまだにそのことを意識して業務に取り組んでいないと回答していることには、どうなのだろうと思うところもあります。1回目の私の質問でも述べましたが、市の仕事で、市民自治や市民協働がないセクションは一つもありません。直接市民と関わることはなくても、市民の活動を後押しするという視点を持って、全ての業務に取り組む必要があると考えます。また、市民とのちょっとしたやり取りや態度も、市民協働の取組だと言われています。
市職員の皆様におかれましては、日々の業務に追われて、そんな余裕はないという部分もあろうかと思いますが、江別市自治基本条例の下において、市民自治のまちづくりにおいて求められる職員像とはどういうものかということを、これからも追い求めていただくようお願い申し上げます。
項目3、市民協働の推進についても、要望と致します。
質問で申し上げました、表彰の制度、取組についてですが、人が動くには、経済的誘因、社会的誘因、心理的誘因及び道徳的誘因の4つの誘因があるとのことです。そして、活動を認められる、褒められるという社会的誘因は、その中でも最も基本的なものだと言われております。また、表彰を通じて、自分自身や他の市民が、協働の取組だと思っていなかったことも、市民が公共を担っている協働の取組だと気づくきっかけになるとも考えます。また、協働は、楽しくやるということも重要だと言われております。また、実際に協働の表彰の取組を行っている自治体では、審査に当たって市民の投票も取り入れているところもあるようです。それにより、より多くの市民が、市民協働に関心を持ち、自分も取り組んでみようと思うきっかけになるとも考えられますので、そのようなことも含めて、特定非営利活動法人えべつ協働ねっとわーく等と相談していただければと思います。
最後に、項目4、市民との情報共有を推進するための手法については、再質問と致します。
さらなる市民の声の公開の在り方について、他市の事例も参考にしながら、検討してまいりたいと考えておりますと御答弁され、過去の一般質問に比べても、前向きな御答弁を頂いたものと認識しております。まずはできるところから、ホームページなどからでもぜひ取り組んでいただきたいと思います。しかし、当然御承知かと思いますが、市民にはインターネットを利用しない方、ホームページを見ない方も多数おられます。一方で、令和4年度実施の江別市まちづくり市民アンケート調査結果では、あなたは広報えべつを読んでいますかとの問いに対して、必ず読んでいる、または時々読んでいると答えた割合は、約8割となっています。それゆえ、市民の声の公開の媒体についても、広報えべつでの公開が最も情報共有の原則にかない、かつ市民参加や協働の推進に向けても効果的であると考えます。確かに、広報えべつのスペースの問題、それに伴う費用の問題等があると思いますが、私としては、それは費用対効果に見合うものであるし、市民の求めるものであると考えます。
したがって、項目4についての再質問ですが、さらなる市民の声の公開の在り方について、広報えべつへの掲載も必要であると考えますが、いかがお考えかお伺いいたします。
以上で、2回目の質問と要望を終わります。
市長(三好 昇君)
内山議員の再質問にお答え申し上げます。
まず、1点目の情報共有の現状の認識についての再質問にお答え申し上げたいと思います。江別市自治基本条例では、市は、まちづくりに関する情報を市民と共有するため、速やかに、かつ、分かりやすく情報提供するとともに、制度及び体制の充実に努めると定められており、情報共有は、協働や市民参加に基づくまちづくりのための重要な基本原則であると考えております。市ではこれまで、広報誌面にまちづくりに関する情報を積極的に掲載するなど内容の充実に努めてきたほか、広報誌のコンビニエンスストアへの配置、ホームページへの情報掲載やSNSを活用した情報発信などに取り組んできたところでございます。令和3年9月に江別市自治基本条例検討委員会から頂いた提言では、これまでの取組により、若い世代も情報を受け取れるようになってきた一方で、緊急時の情報発信の仕組みや、行政情報の利活用としてのオープンデータ化などに取り組む必要があるとの御意見を頂いたところでございます。この提言を受けまして、現在、緊急時の配信などにも対応した公式LINEの導入や、本年3月から公開しております江別市オープンデータライブラリの情報の拡充に取り組んでいるところでございます。
今後におきましても、常に最新の市民ニーズを把握しながら、さらなる情報共有の充実に取り組んでまいる必要があるものと認識しております。
私からは以上でございます。
企画政策部長(川上誠一君)
私から、市民の声の公開の在り方についての再質問に御答弁申し上げます。
市では、市民参加や市民協働の観点から、これまでも、広報誌やホームページ、LINEを含めたSNSを活用して、市民との情報共有に努めてきたところであります。また、御質問にありますとおり、広報誌については、市民アンケートの結果を見ても、多くの方に読まれておりますことから、市民に情報を発信する上で、有効な媒体の一つであると認識しております。
こうしたことから、市民の声の公開に当たっては、今後、定期的に広報誌に掲載することも含め、さらなる公開の在り方について、検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
内山祥弘君
御答弁ありがとうございます。
それでは、最後となりますが項目1についてのみ、3回目の質問をさせていただきます。
情報共有は、協働や市民参加に基づくまちづくりのための重要な基本原則であると考えておりますと御答弁され、情報提供・共有の手法の充実に取り組まれてきたことは、理解いたしますし、一定の評価も致しているところでございます。しかし、私が先ほどお聞きしているのは、それを受け取る市民側が、それを市民自治の主役の市民として十分に理解し納得し、また活用できるほどになっているのかということであります。ですから、情報共有の手法ではなくて、内容や伝える姿勢の問題ではないかと思います。さらに言えば、仮に内容が十分に分からなくても、市側が私たちに一生懸命伝えようとしているという姿勢が市民に伝われば、情報共有の市民の満足度は上がるのではないかとも考えられます。
そこで質問ですが、第7次江別市総合計画の策定に向けた江別市まちづくり市民アンケート調査結果でも、情報公開が十分に行われているという問いに対して、あまり思わない、思わない、合わせて約58%、また、市民に対する情報提供が十分に行われているという問いに対して、あまり思わない、思わない、合わせて約60%という結果について、どのように受け止めているのか、改めて市民の立場に立っての情報共有の現状の認識、評価についてお伺いいたします。
市長(三好 昇君)
再質問にお答え申し上げます。
市民の立場に立っての情報共有の現状認識に関する質問ということでございますが、第7次江別市総合計画策定に向けた江別市まちづくり市民アンケートでは、情報公開や情報提供について多くの市民が、十分ではないと回答していることから、江別市自治基本条例の基本原則であります情報共有については、さらなる充実を図る必要があるものと考えております。
先ほどもお答え申し上げましたとおり、江別市自治基本条例検討委員会からの提言において、緊急時の情報発信や、行政情報の利活用などにさらに取り組む必要があるとの御意見を頂いておりまして、現在、LINEの配信や、江別市オープンデータライブラリの拡充などに取り組んでいるところでございます。今後におきましても、市政に関する情報が速やかに、かつ、分かりやすく市民に伝わるよう内容の充実を図りながら、常に最新の市民ニーズの把握の下で、さらなる情報共有の充実に向けまして取り組んでいく必要があるものと認識しております。その認識の下に今後とも進めまいりたいと考えています。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
議長(宮本忠明君)
以上をもって、内山議員の一般質問を終結いたします。
一般質問の途中でありますが、昼食のため暫時休憩いたします。
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午後 0時00分 休憩
午後 1時05分 再開
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副議長(島田泰美君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
一般質問を続行いたします。
干場芳子議員の次期総合計画についてほか3件についての質問を許します。一問一答方式、通告時間45分。
干場芳子君
通告に基づき質問を致します。
まず1件目は、次期総合計画についてです。
これまでの8年間、日本国中が人口減、地方活性化という名の下、政府の地方創生に地方自治体も呼応し、熱心に取り組んできました。しかしながら、地方創生はうまくいっているのか否かとは、なかなか判断がつきにくく、むしろ総じて自治体同士の奪い合うような施策に力を入れてきたことが気がかりです。地方創生を遂行するに当たり、各自治体は総合戦略という計画を策定し、それに基づいて各種施策を当市も実施してきました。つまり、人口減への歯止めをかけるための施策です。むしろ人口減少にあらがうのではなく、人口減少を前提にした上で、地域の企業や働く人たちの生産性を上げる施策に力を入れることも重要です。地域経済の活力を維持するためには、話題のデジタル化の推進であったり、地場企業の技術力向上であったり、下請からの脱却であったりもします。いずれにしても、国から提示されたことをうのみにするのではなく、自分たちの地域の現在及び将来にとって何が重要かということを真剣に考え、実践することが求められるものと考えます。
世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大は、医療現場や経済活動への影響だけではなく、新たな生活様式や価値観の広がり、自然環境に対する意識の高まりなど、多方面に影響し、様々な変化がもたらされました。命と暮らしを守ることの大切さを再認識すること、子供の権利の保障と次世代に負の影響を受けることが生まれることがないこと、江別のまちの自然や文化の価値の再発見・発信、必要な人材の育成とともに生産などを大切にしたまちづくりを目指し、ウイズコロナ・ポストコロナ時代を見据え、政策や施策の方向性をしなやかに変化させることが大切です。
第7次総合計画策定に向け、2021年度から企画政策部政策推進課が中心となり計画策定の体系・スケジュールに沿いながら策定方針に基づき現在進められています。総花的と称されがちな自治体の総合計画ですが、市民にとってポストコロナ時代を見据えた、ある意味これまでにない重要な計画と考えます。現総合計画においては、一時的に社会増に転じたものの、本格的な人口減少社会に突入し始めたことは否めません。昨年10月には、市民5,000人を対象とした無作為抽出によるアンケート調査を実施し、本年1月から8月にかけて31回にわたる様々な市内の団体や中・高生、大学生などの皆さんに江別市の現状を説明し、主に江別市が持つ強みと弱みについて、また、人口減少が進む中で確実に人口減少を意識した江別市が力を入れるべき分野などをテーマに意見交換を行ってきました。コロナ禍にあってスケジュールどおり進めることができない期間もありながら、市民意見を聴く機会を確保するためのまちづくりミーティングの実施に尽力されました。
1点目に、サイレントマジョリティーと子供の参画についてです。
えべつの未来づくりミーティングでは、制限のある中で工夫し7つのカテゴリー、30のグループを設定し、若手職員も参加し実施できたことは有意義であったと認識します。一方で、グループに属しませんが、まちづくりの一員である小学生を含む子供たちや社会の中であえて声を出さない、出しにくい環境下にある市民、どこにも属さない市民の声など、こうした意見は重要です。社会経済状況の変化による生きづらさや経済的困難な生活が固定化した市民層の課題こそ今後連鎖することのないよう、これまで以上に行政としての役割を果たすため次期総合計画を策定するに当たっては、どのように把握し反映していくおつもりか伺います。
2点目は、将来像に対する市民の理解についてです。
まちづくりにおける様々な市民ニーズを限られた財源、制約のある中で全てを実現することは困難です。第7次総合計画の進行中には、水道事業やごみ処理施設の更新など市民生活に密接な課題について検討しなければならず市民議論が不可欠です。
ともすれば次世代にツケを先送りすることになりかねず、市の施策事業を進めていく上で、将来を見据えて、世代や立場の違いを超えた市民同士の対話こそが必要です。こうした意味で、これまで以上に重要な総合計画であると認識いたしますが、どのようにお考えかお伺いを致します。
3点目は、江別市自治基本条例の理解についてです。
自治体の憲法と言われるその理念は大切です。これまで3回の見直しを行っている江別市自治基本条例において、市民をはじめ行政や事業者、大学関係者など、なかなか理解が進んでいないことが課題であると認識いたします。江別市自治基本条例に基づく新たな総合計画において市政運営を進めていくためには、これまで以上に条例の目的定義を理解することが求められます。もっと身近に感じられる条例としていくことが今後の江別のまちづくりに求められると考えますが、見解を伺います。
2件目は、子どもの権利条例についてです。
これまで子供の権利及び子どもの権利条例制定に向けて、議会、また、市民活動団体とともに様々な活動等を行ってきました。子供に優しいまちづくりは誰もが生きやすい、暮らしやすいまちと位置づけ、連続講座では子供に係る学識者や活動団体などによる学習会等を開催してきました。条例の必要性は、政策の持続性と子供たちがより一層安心して学び、暮らし、育つことを保障するために必要であることから、2018年には子どもの権利条例の制定を求めることについての陳情が議会に提出されました。委員会では、採択不採択同数となり江別市議会委員会条例第15条の規定により、委員長において不採択とすべきものと決した経緯があります。子供たちを取り巻く環境は、経済的に苦しい状態、虐待、いじめ、不登校や自殺者の増加等、極めて憂慮すべき状況です。また、新型コロナウイルス感染症により子供たちの生きづらさは一層増しており、様々な影響等が大変危惧されます。
政府は、2021年12月22日、こども家庭庁の2023年度創設に向けたこども政策の新たな推進体制に関する基本方針を閣議決定し、基本方針ではこどもまんなか社会を目指すとあります。その内容は、子どもの権利条約を具現化したものと認識いたします。こども家庭庁はこどもまんなか社会を掲げ、少子化や児童虐待、貧困などの課題にも総合的に対応できるように内閣府の外局として設置され、厚生労働省と内閣府が所管する子供・子育ての主な部署を移して行政の縦割り解消を狙うものです。2022年6月15日、こども家庭庁設置法及びこども基本法が成立しました。日本が子どもの権利条約を批准してから28年が経過して初めて、子供の権利を包括的に定めた国内法が誕生し、その基本理念には子供の最善の利益の優先や子供の意見の尊重など、子どもの権利条約において一般原則と呼ばれる重要な子供の権利が盛り込まれました。
1点目に、条例に対する市の考え方についてです。
子供施策は、多岐にわたるものですが、子どもの権利条約における子供の権利の視点に基づく施策の検証をどのようにされてきたのか、また、どのような議論経過があったのかについて伺います。
2点目は、国の動向等に対する市の認識についてです。
こども家庭庁、こども基本法が2023年4月よりスタートいたします。18歳という年齢で区切らず、心身の発達の過程にある人をこどもと定義し、全てのこどもは個人として尊重され、基本的人権が保障される、教育を受ける機会が等しく与えられる、自分に関わることに意見を表明する機会が確保されるなどの基本理念に基づき、こども政策を進めなければならないと明記しました。市として、こうした国の動向等についてどのように受け止めているのか伺います。
3点目に、地方自治体との連動についてです。
これまで市として子どもの権利条例の啓発、啓蒙等を行ってきたことについては理解を致します。江別市の子供政策全体のさらなる充実に向け、国と地方自治体との連動の必要性が生じるものと考えられ、機運が醸成されてきており、条例の制定について検討する時期に来ていると考えますが見解を伺います。
続いて3件目は、生徒指導提要についてです。
小・中・高等学校の教員が生徒指導の実践に際し、教育間や学校間での教職員の共通理解を図り、組織的・体系的な生徒指導の取組を進めることができるよう、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書として編まれた生徒指導提要の改定案が12年ぶりに見直され、9月発表されました。文部科学省の正式文書では初めて、子どもの権利条約を重要な参照規範として位置づけ、従来のかくあるべし的なトーンから、子供の主体性を軸に置く基調に大きく変わったことが特徴と言えます。子供の視点に立ち、その権利をより重視した内容であり、改訂案の考えを現場が理解し、着実に実践することが求められます。改訂案では、子どもの権利条約の原則に基づき、差別の禁止、子供の最善の利益、生命・生存・発達の権利、意見表明権を記載、この条約の理解を、生徒指導上、必須だと言えるとしています。
従来、学習指導要領を筆頭に、学校の諸活動においての公式文書に、子どもの権利条約は明示されていませんでした。それは政府の日本の法律は子どもの権利条約の求めている内容を満たしているから、必要ないとの姿勢によるものでした。こうした、子どもの権利条約の求める社会のありように積極的に取りかかろうとしない国の姿勢が、国連・子どもの権利委員会から、4度にわたる勧告等で改善を迫られていました。子どもの権利条約に関して、他省庁にも増して消極的な対応だった日本の教育行政文書に、明確に位置づけられる意義は大変大きいと認識いたします。
多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導における性的マイノリティーに関する項目が追加され、配慮や相談体制、配慮が必要な子供としてヤングケアラー、社会的養護の対象である児童生徒、外国人児童生徒なども挙げられています。いわゆる学校の規則、校則の見直しのプロセスには、子供同士で議論することの必要性や校則の公開についても盛り込まれています。
1点目に、改訂のポイントについてです。
学校の規律、いじめ対策など幅広い生徒指導に関わる国の文書に、子どもの権利条約が明記されたことは重要です。改訂となる内容のポイントについてどのように認識されているのかについて伺います。
2点目は、改訂の周知等についてです。
改訂の内容は、教員にとってだけではなく、児童生徒、保護者及び学校内外の人にとっても重要であることから、改訂についてどのように周知、説明等を行っていくおつもりか見解を伺います。
3点目は、実効性のある取組についてです。
こども基本法案に対する附帯決議では、教育及び子供の福祉に係る施策のより一層の連携の確保が要請されており、特に人権、子供の権利教育を含む子供の権利擁護との関連で、これまでの消極的姿勢を転換することが必要です。学校現場での実効性ある取組について、今後、どのようにお考えかお伺いを致します。
最後に、HPVワクチンの積極的勧奨の再開についてです。
HPVワクチンの接種につきましては、本年第1回定例会においても積極的勧奨の再開について質問を致しました。今回は、再開後の現状等についてお伺いを致します。
2021年11月26日、厚生労働省健康局長通知により、ヒトパピローマウイルス感染症に係る定期の予防接種が2022年度から接種対象者に加え、キャッチアップ接種対象者への個別通知による接種勧奨が再開し、進められています。積極的勧奨中止の理由となったHPVワクチンの副反応は、頭痛、全身の疼痛、知覚過敏、脱力、不随運動、歩行障害、激しい倦怠感、睡眠障害、重い月経、記憶障害、学習障害など、多様な症状が一人の患者に重層的に現れる特徴を持った重篤なものです。その深刻さは、予防接種健康被害救済制度における認定頻度が、四種混合や麻しん・風疹のワクチンなどと比較して20倍以上であることも示されています。一方で、国は、被害者が求めてきた被接種者の追跡調査を実施していないため、この副反応の正確な発生頻度やどのような人に発生しやすいのかなどは明らかになっておらず、十分な情報提供ができる状況にはなっていません。副反応に対する治療法は確立されておらず、協力医療機関は十分機能しているとはいえず、予防接種健康被害救済制度の適用においても不支給が多く、救済は極めて不十分な状況となっています。HPVワクチンを接種した被害者の多くは成人になりましたが、いまだに深刻な副反応症状に苦しんでいます。被害者は全国各地に多数に及んでおり、訴訟の原告だけでも120人に達しています。2013年4月に定期接種となった、その直後、重い副反応が疑われる報告があり積極的勧奨を中止していました。しかし、2013年当時から何ら状況は変わっていません。原因も解明されていません。再開すれば、同じ苦しみを味わう被害者が生まれることを強く危惧しています。
そこで1点目の質問です。
江別市における接種再開後の接種人数など、具体的な接種状況等についてお伺いを致します。
2点目に、厚生労働省がホームページで公開している厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会のHPVワクチン積極的勧奨再開後の喫緊の副反応の状況、実態についてどのように認識されているのか見解をお伺いを致します。
3点目は、情報の提供についてです。
重篤な副反応の原因解明も進まない中、接種再開となっていますが、副反応として報告されているその頻度は、他のワクチンと比べて重い副反応が約8倍となっています。慎重に判断するためには、これまで以上に分かりやすいさらなる情報の提供が必要と考えますがいかがか伺います。
これで1回目の質問を終わります。
副議長(島田泰美君)
干場議員の一般質問に対する答弁を求めます。
市長(三好 昇君)
干場議員の一般質問にお答え申し上げます。
次期総合計画に関しまして、まず、サイレントマジョリティーと子供の参画についてでございますが、現在、市では、令和6年4月の開始を目指しまして、次期の第7次総合計画の策定作業を行っており、これまで、市民参加の取組を通じまして、市政に対し積極的には発言をしない多数の市民意見、いわゆるサイレントマジョリティーのほか、幅広い年代の方や、様々な立場の方の御意見をお聞きしてまいりました。これまでの主な取組でございますが、市民5,000人のアンケート調査をはじめ、様々な年代の方や、地域で活躍される方、障がいをお持ちの方などで設定しました30グループに御協力いただき、江別市の未来について意見交換を行うえべつの未来づくりミーティングを、全31回実施したところでございます。そのほか、誰でも自由に、江別市の未来について意見を述べることができるよう、インターネットを活用したウェブアンケートに加えまして、市役所本庁舎1階に設置した専用スペースにおきまして、頂いた意見を紹介するえべつの未来づくりプロジェクトなど、様々な市民参加の取組を通じまして、多様な意見を把握してまいりました。
市の最上位計画である総合計画の策定に当たりまして、多様な市民意見を把握して、計画に反映することは重要であると認識しておりますことから、今後も、市民参加の取組を行うとともに、得られた意見につきましては、全庁的に共有しながら、計画策定に生かしてまいりたいと考えております。
次に、将来像に対する市民の理解についてでありますが、次期の第7次総合計画の策定に当たり、市民が直接参加する取組として行った、えべつの未来づくりミーティングでは、同じ年代や立場、団体等に所属する方々を、それぞれ同一のグループとして意見をお聴きしたところであります。このグループ構成によりまして、発言しやすい環境をつくることができ、テーマとして掲げた、江別市の強みや弱みのほか、人口減少が進む中でも、力を入れるべき分野などに対しまして、これまで以上に積極的な御意見を頂くことができたところでございます。また、現在は、市民参加の取組結果を踏まえまして作成しました第7次総合計画の案を審議いただくため、20人の委員から成る江別市行政審議会を設置し、学識経験者をはじめ、各種団体の関係者や、年代別に公募した市民など、様々な立場や年代の委員から、多様な御意見を頂き、審議を進めていただいているところでございます。
このように、異なる年代や立場の方が集まる場で発言された意見を集約しまして、まちづくりに生かすことは重要であると認識しておりますことから、今後も、策定過程の情報発信に努めるとともに、多くの市民意見を踏まえながら、計画策定を進めてまいりたいと考えております。
次に、江別市自治基本条例の理解についてでありますが、総合計画は、江別市の最高規範である江別市自治基本条例の規定に基づき策定する、将来のまちづくりの基本方針を定める重要な計画であり、計画の推進においては、江別市自治基本条例の理念である市民参加と協働について、広く市民に理解をしていただくことが重要と考えております。令和3年9月に江別市自治基本条例検討委員会から提出された提言書では、条例の認知度についてはまだまだ課題があり、より多くの市民に条例を知ってもらうよう工夫すべきとの御指摘を頂いているところでございます。この提言を踏まえまして、市では、これまで、江別市自治基本条例の内容を知ってもらうために、小・中学生を対象とした早朝ミニ講座を継続してきたほか、江別市自治基本条例の基本理念である協働を理解してもらうために広報えべつでのまちづくりの事例紹介や、江別市自治基本条例を分かりやすく説明したリーフレットを公共施設や大学で配布するなど、さらなる認知度の向上に向けて取り組んでまいりました。
江別市自治基本条例が、市民にとって身近に感じられる条例となることは、市民主体のまちづくりを進めるために重要でありますことから、今後におきましても、これまでの取組を継続しながら、さらに理解しやすいパンフレットを作成するなど、より一層の認知度向上に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、HPVワクチンの接種勧奨の再開に関しまして、まず副反応についてでありますが、HPVワクチンの接種後、国が定める基準に該当する症状があった場合、医療機関等から国に対し、副反応疑い報告をすることとなっており、定期的に国の審議会において分析されていると承知をしております。国では、積極的勧奨の再開に当たり、HPVワクチンの安全性評価のため、通常よりも審議会の開催回数を増やして、副反応報告の状況を把握し、きめ細かく評価が行われているところでございます。審議会においては、積極的勧奨再開後も、一定数の副反応疑い報告はあるが、その頻度は再開前と比べ、特段高いということではなく、ワクチンの安全性において重大な懸念はないとされております。しかしながら、引き続き細やかな実態把握と評価を行うこと、また、接種に当たっては医療機関による丁寧な事前問診、接種時の対応について留意する必要があるとの意見が出されているところであります。
このようなことから、市と致しましては、今後も国の審議の状況を注視しながら、市内医療機関と連携し、対象者が安心して接種を受けられるよう、丁寧な接種体制の維持に努めてまいりたいと考えております。
次に、情報の提供についてでありますが、市では定期接種及びキャッチアップ接種対象者に対しまして、子宮頸がんの現状や罹患する仕組み、ワクチンの効果やリスクについてお知らせしたほか、市の広報やホームページ等で周知をしております。国は、積極的勧奨の再開に向けまして、公費による接種機会の周知や、接種の検討・判断をするための情報提供を目的に、審議会での議論を基に、読みやすさ、分かりやすさを重視したリーフレットを新たに作成しており、市におきましてもこのリーフレットを活用しながら、分かりやすい情報提供に努めているところでございます。また、内容が更新された場合には、対象者が速やかに新しい情報を入手できるよう、接種説明文にQRコードを記載するなどの工夫をしております。
今後におきましても、市内医療機関と連携しながら、接種対象者が分かりやすい情報提供に努めてまいりたいと考えております。
私からの答弁は以上でございますが、このほかの質問につきましては、健康福祉部長ほかをもってお答え申し上げます。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
私から、子どもの権利条例についての御質問に御答弁申し上げます。
まず、条例に対する市の考え方についてでありますが、児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約は、子供の基本的人権を国際的に保障するために定められた条約であり、日本は平成6年に批准しております。また、子どもの権利条約は、子供の権利として、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利の4つの権利を定めております。御質問の子どもの権利条例につきましては、これまでの江別市子ども・子育て会議における議論の中で、条例の必要性を否定するものではないが、まずは具体的な施策の実施により、子供の権利が保障されるべきとの御意見を複数いただいております。このことを受け、市では、児童虐待やいじめなど、子供の権利の保障に対応するため、専門的資格を有する相談員を配置するなど、条約の趣旨を踏まえ、子供の権利を守るための施策の充実に努めております。また、これらの施策の実施状況については、江別市子ども・子育て会議で、都度、御意見を頂きながら、その効果について検証してきているところでございます。
市と致しましては、引き続き、必要な施策の充実に努めるとともに、条例制定の必要性については、江別市子ども・子育て会議の御意見を踏まえて判断してまいりたいと考えております。
次に、国の動向等に対する認識についてでありますが、国や地方自治体においては、児童福祉法など各種の法律や条例に基づき、子供に関する様々な取組が進められてまいりました。これまで、子供の権利を保障する総合的な法律が存在しなかったことから、これらの取組を講ずるための共通の基盤となるものとして、子供施策の基本理念や基本となる事項を明らかにすることにより、子供施策を社会全体で総合的かつ強力に実施していくための包括的な基本法として、本年6月に、こども基本法が公布されました。この法律の施行により、その目的と理念において、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子供の基本的人権の保障や子供の意見の尊重といった、子どもの権利条約を包括した形で、子供施策を総合的に推進されることとなります。また、具体的な施策の実施に当たっては、令和5年4月に新たに設置されるこども家庭庁が、子供政策の司令塔として、子供政策全体の企画立案や児童虐待、子供の貧困など、幅広い事務を担うことになります。
市と致しましては、こども基本法の施行やこども家庭庁の設置により、国の子供政策に、年齢や発達段階に応じた子供の意見が、積極的かつ適切に反映されるものと考えており、これまで、自治体により取組に差があった子供の権利の保障に係る政策が、法律に基づき、さらに手厚く、総合的に行われるものと期待しております。
次に、地方自治体との連動についてでありますが、こども基本法では、国及び地方公共団体の責務として、互いに連携し、子供の状況に応じた施策を実施することを定めています。御質問の条例制定の検討についてでありますが、市と致しましては、必要となる子供の権利を保障するための施策の充実に努めるとともに、まずは、今後の子供施策に関する基本的な方針や重要事項を規定した子供大綱の策定など、国の動向を注視しながら、条例制定の必要性につきましては、江別市子ども・子育て会議から、御意見を踏まえて判断してまいりたいと考えております。
以上であります。
教育長(黒川淳司君)
私から、生徒指導提要について御答弁申し上げます。
まず、改訂のポイントについてでありますが、生徒指導提要は、生徒指導の実践に際し、教職員や学校間で共通理解を図り、組織的・体系的な生徒指導の取組を進めることができるよう、平成22年3月に文部科学省が作成した、生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書であります。生徒指導提要が作成された以降、いじめの重大事態の発生や、不登校児童生徒数及び自殺者数の増加など、課題の深刻化を受け、いじめ防止対策推進法や、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が成立するなど、児童生徒を取り巻く環境が大きく変化してきたところであります。このような状況の中、文部科学省は12年ぶりに生徒指導提要を改訂することとし、本年8月に、児童生徒の権利の理解や、性的マイノリティー、発達障がいに関する理解などの記述も新たに追加された改訂案が示されたところであります。
御質問の改訂のポイントについてでありますが、改訂案では、課題予防・早期対応といった課題対応の側面のみならず、児童生徒の発達を支えるような生徒指導の側面に着目し、その指導の在り方や考え方について説明が加えられている点や、多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導など、新しい教育課題について取り扱われている点などが挙げられます。
教育委員会と致しましては、今般、文部科学省が示した生徒指導提要の改訂案は、生徒指導の基本的な考え方や取組の方向性が改めて整理され、SNSなどのインターネットをめぐる問題や、ヤングケアラーへの支援など、今日的な課題を踏まえた改訂がなされていると認識しているところであります。
次に、周知等についてでありますが、文部科学省は、今回の改訂に当たって、生徒指導提要の理念に基づく児童生徒への指導が効果を発揮するためには、保護者や地域住民との連携・協働が必要であると示しております。教育委員会では、学校において、教員のほか、心の教室相談員や特別支援教育支援員など、児童生徒に接する関係者全員が、生徒指導提要の内容を理解し、共有することに加え、児童生徒や保護者、地域住民に対して、学校便りやホームページ、学校運営委員会など、様々な機会を捉えて、積極的に情報を発信することが重要であると認識しております。
いずれに致しましても、今後、周知等についても国から方向性が示されるものと考えておりますが、より効果的な周知・説明方法について、校長会と相談してまいりたいと考えております。
次に、実効性のある取組についてでありますが、文部科学省が設置している生徒指導提要の改訂に関する協力者会議では、現行の生徒指導提要について、教職員の認知度や活用度がやや低いことが課題であると指摘されているところであります。教育委員会と致しましては、児童生徒の基本的人権に配慮し、個々の意見を受け止め、一人一人の可能性を最大限に伸ばしていくためには、全ての教職員が、生徒指導提要を理解し、教育活動に生かすことが重要であると認識しております。
御質問の実効性のある取組についてでありますが、教育委員会と致しましては、専門家を招き、全小・中学校の管理職や生徒指導担当教員等を対象とした研修の実施に向け準備を進めるとともに、学校においても、校内研修を通じて、職員間で共有を図るなど、生徒指導提要の理解を深める取組を進めてまいりたいと考えております。
以上であります。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
私から、HPVワクチンの積極的勧奨の再開についての御質問のうち、再開後の接種状況等について御答弁申し上げます。
一昨日の奥野議員の一般質問で市長から御答弁申し上げましたとおり、市では本年5月に、定期接種対象者である中学1年生から高校1年生相当の方に個別通知を送付したほか、6月には勧奨差し控えにより接種機会を逃したキャッチアップ接種対象の方に、個別通知を送付したところであります。令和4年度上半期の接種状況は、定期接種対象者は106人、キャッチアップ接種対象者は169人となっております。
以上であります。
干場芳子君
それでは2回目の質問、要望等含めて行ってまいります。
まず1件目の次期総合計画についてですが、サイレントマジョリティーと子供の参画についてのところですけれども、今回えべつの未来づくりミーティングでは、非常にタイトなスケジュールの中で30グループよく行ったというふうに拝見しております。ただ、中・高・大学生ということで小学生がこのグループには入っておりませんので、そのところについてはちょっと十分ではなかったと思っております。そこの点においては少し指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
今回、えべつの未来づくりミーティングを幾つか傍聴もさせていただきましたけれども、私自身、大変勉強になったというふうに思っております。大勢の市民の意見を今回どのように取りまとめていかれるのかと、当初、少々懸念を致しました。特定の団体を対象としたグループではありましたけれども、市民にとってはこうした場への参加があったからこそ、意見を述べることができたとも言えるというふうに思っております。行政にとってもよい財産になったのではないかと思っております。えべつの未来づくりミーティングでは、職員に行ったアンケート結果のいわゆる数だけでは読み取れない貴重な意見もあったというふうに私自身、傍聴させていただいて感じております。若手職員が総合計画策定に参加したこともこれまでにない取組であったと思っておりますので、この点については、今後の進行状況等について期待をしていきたいというふうに思っております。
次世代にツケを残さないためにもまちの将来を考えていく上で、やはり立場の違う者同士が議論していく場も必要と考えますので、今後第7次総合計画策定後においても、何らかの手法を用いて検討していただくことをまずは要望したいと思います。
続いて、2件目の子どもの権利条例について再質問をさせていただきます。
項目3、地方自治体との連動についてです。
野田前こども政策担当大臣が、こども家庭庁創設、こども基本法が成立した際、大人の視点、制度や事業を運営する者の視点で行われてきた子供政策を、まず子供の視点、大人の視点に立った政策に転換すると答弁しています。これまで以上に行政が、子供政策、まちづくり政策を子供の視点に立って推進されるべきことというふうに理解をしております。こども基本法の第1条の目的に照らせば、全てのこどもたちが健やかに成長し、将来にわたって夢や希望を持てるまちの実現に向けて、社会全体でこどもの権利を尊重することを基本とし、それらに基づいた子供の健やかな育ちに関して基本理念を定めた条例の必要性は明らかだというふうに考えています。今後新総合計画が策定される中で、子供がまちづくりの一員として、また、人権の観点からも全ての政策に関わる極めて重要で必要な条例と認識しています。
そこで質問なのですけれども、1点目においても条例の必要性について、江別市子ども・子育て会議の意見を踏まえて判断するという御答弁だったと思いますが、では、実際にどのように進めていくおつもりなのかという点でお伺いを致します。2016年の江別市子ども・子育て会議では議論というよりは、単に聞き取りというような状況であり、条例についての委員の共通の知識・認識が不十分であったように見受けられ、おのおのの立場からの意見であったと思っています。今後会議において委員に意見を聴く、もしくは議論をする上で、ただ単に必要性を伺うのではなく、既に制定している先行自治体の状況、知見等についてなど基本的なことを江別市子ども・子育て会議の委員が共有した上で意見を述べ議論することが大切だと考えますが見解をお伺いいたします。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
干場議員の再質問に御答弁申し上げます。
子どもの権利条例について、江別市子ども・子育て会議の委員が基本的な情報を共有した上で議論することについてでありますが、議員御指摘のとおり、会議への情報提供は、大切であると考えております。国においては、令和5年4月に、子どもの権利条約を包括した形のこども基本法が施行されるなど、子供の権利保障に係る政策に大きな動きがありますことから、市と致しましては、江別市子ども・子育て会議において、委員が議論しやすいよう、こうした国の取組やこども基本法の内容について、必要な情報を提供し、今後の議論の進め方について相談してまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
ぜひ、江別市子ども・子育て会議が開催される際にはそのように進めていただくことをお願いしたいと思います。
要望になりますけれども、過去に条例制定の陳情が提出された際には生活福祉常任委員会に付託されたというふうに記憶しております。所管は健康福祉部としていましたけれども、条例の趣旨に鑑みますと教育、福祉、市民生活全体に関わることから、今回御答弁いただいた所管だけにとどめることなく、改めて行政としてどのように議論していくのか検討していくことを要望いたします。
続きまして、生徒指導提要についてお伺いを致します。
項目2、周知等についてお伺いを致します。
教員含めた学校関係者は、研修等を行っていきながら理解を深めていくことになろうかというふうに理解をしております。国のこうした方針を先取りして、子供たちが保護者や地域住民と議論を重ね、実際に校則を改めたという事例もあるというふうにお聞きはしております。
今回の改訂で答弁では、児童生徒や保護者、地域住民に対して学校便りやホームページ、学校運営委員会など様々な機会を捉えて情報を発信していくとのことですけれども、学校との連携関係にある放課後児童クラブへの周知、理解も不可欠であることからどのようにお考えなのかお伺いをします。また、とりわけ児童生徒には授業の中で、また、保護者に対しては直接説明や意見交換等ができる場をつくることも重要と考えますが見解をお伺いいたします。
教育長(黒川淳司君)
再質問に御答弁申し上げます。
放課後児童クラブへの周知及び児童生徒や保護者との意見交換等ができる場をつくることについてでありますが、教育委員会では、学校に加え、保護者や地域住民、関係機関が生徒指導提要の理念を理解した上で児童生徒に関わることは、一人一人の可能性を最大限に伸ばしていく上で、大変有意義であると考えております。
御質問の放課後児童クラブへの周知につきましては、放課後児童クラブの職員についても、学校と共通理解を持ち、児童と接することが望ましいことから、健康福祉部と連携して進めてまいりたいと考えております。また、児童生徒や保護者の意見などを聴く機会を設けることにつきましては、先ほども御答弁申し上げました、効果的な周知や説明方法と合わせて、校長会と相談をしてまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
理解を致しました。どうぞよろしくお願いいたします。
続いて、項目3、実効性のある取組についてです。
答弁いただきましたことについては大枠で理解を致しました。実効性のある取組の具体例として、校則があると思います。子どもの権利条約の第28条第2項の締約国は、学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法及びこの条約に従って運用されることを確保するための全ての適当な措置を取るとしていることは、不可欠な基準だというふうに考えています。
校則の項目では、理不尽な校則は学校が見直す努力が必要などと有識者会議の委員の指摘から校則を誰でも確認できるように学校のホームページなどで公開し、制定の背景や見直しの手続も公開することが適切だとしたほか、児童や生徒が校則の見直しに参加することには意義があるというふうに考えますが、校則の公開の意義、見直しの手続の透明化ということについての見解をお伺いいたします。
教育長(黒川淳司君)
再質問に御答弁申し上げます。
校則を公開することの意義と、校則を見直す際の手続の透明化に対する見解についてでありますが、教育委員会と致しましては、校則の見直しにおいて、児童生徒等にその過程を示し、意見を反映させるなど透明化を図ることは、生徒指導提要の理念を実践する上で、実効性のある取組の一つとなるものと考えております。市内においても、校則見直しの際に、生徒アンケートを実施する学校や、校則のホームページでの公開に向けた検討を行なう学校など、新たな取組が増えてきております。
いずれに致しましても、今回の生徒指導提要の改訂を踏まえ、このような取組が、全ての学校に広がるよう、学校間の情報共有や連携を進めるため、校長会と相談をしてまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
校長会と相談していくとの答弁ですので、理解は致しました。
子供の参加する権利、つまり意見表明する権利、機会についてですけれども、各学校の主体性の重要性は認識しつつも、学校学級運営において教職員、学校間でも認識にかなり差が生じているように散見される場合もあるというふうに思っております。
とりわけ、コロナ禍において入学式、卒業式、学校行事が全て新型コロナウイルス感染症の影響で制約がかなりあって、残念な状況等が続いているというふうに思っています。
教育現場の働き方改革というような課題は認識しつつも、子供たちの最善の利益のために心残りが最小限となるような工夫、御尽力をしていただくことを要望いたしますので、よろしくお願いいたします。
引き続き、最後のHPVワクチンの積極的勧奨の再開について2回目の質問をしたいと思います。
項目2、副反応についてです。
4月からの再開で江別市内の副反応報告者がいるのか、もしもいればその人数をお伺いしたいと思います。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
再質問に御答弁申し上げます。
4月からの再開で、江別市内の副反応報告者がいるのかについてでありますが、本年4月以降の接種において、厚生労働省からの通知が出ていないことから、発生件数はないものと認識しております。
以上であります。
干場芳子君
この件については理解いたしました。
HPVワクチンがほかのワクチンに比べて重篤副反応疑い報告の頻度が高いことについての市としての認識をお伺いいたします。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
再質問に御答弁申し上げます。
HPVワクチンがほかのワクチンに比べ重篤副反応疑い報告の頻度が高いことについての認識でありますが、国の審議会で分析される副反応疑い報告のうち重篤とされているものは、ワクチンの接種後に、国が定める症状の基準に該当し、報告する医師が、その症状の程度を重いと判断した症例を示したものであります。
議員御指摘のとおり、HPVワクチンは他の定期予防接種ワクチンと比較いたしますと、その頻度が高いことが確認できますが、先ほども市長から御答弁申し上げましたとおり、国の審議会においては、積極的勧奨再開後も、重篤な例も含め一定数の副反応疑い報告はあるが、その頻度は、再開前と比べ特段高いということではなく、ワクチンの安全性について重大な懸念はないとされており、市と致しましても、同様の認識であります。今後におきましても、国の審議の状況を注視しながら、市内医療機関と連携し、対象者が安心して接種を受けることができるよう、丁寧な接種体制の維持に努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
丁寧な接種体制の維持に努めていくということですので、十分にそういった体制でよろしくお願いを致します。
来年4月から定期接種となる9価ワクチンシルガードについては、副反応頻度が高くて、2022年1月の集計では、少なくとも1万人当たりに約12人いるということについて、市としてどのようにお考えかお伺いを致します。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
再質問に御答弁申し上げます。
9価ワクチンの副反応頻度についてでありますが、一昨日の奥野議員の一般質問に御答弁申し上げましたとおり、国の審議会において、その安全性が認められ、定期接種化について了承されましたことから、市と致しましては、今後の国の通知を踏まえ、対応してまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
それでは項目3、情報の提供について再質問いたします。
御答弁については、おおむね理解いたしますけれども、ほかの定期接種ワクチン12種類と比べて、厚生労働省の過去の副反応検討部会資料からもHPVワクチンは重篤副反応疑い報告が高いという具体的な情報を提供することが接種をする当事者にとっては必要と考えますが、その件についての見解をお伺いいたします。
健康福祉部長(白崎敬浩君)
再質問に御答弁申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたとおり、国は、審議会での議論を基に、読みやすさ、分かりやすさを重視したリーフレットを新たに作成しており、市においてもこのリーフレットを活用しながら、分かりやすい情報提供に努めているところであります。また、新たな内容が示された場合には、対象者が速やかに情報を入手できるよう、接種説明文にQRコードを記載するなど工夫しているところであります。
今後におきましても、引き続き、市内医療機関と連携しながら、接種対象者が分かりやすい情報を速やかに提供できるよう、努めてまいりたいと考えております。
以上であります。
干場芳子君
分かりやすい情報提供に十分努めていただきたいと思います。
このHPVワクチンの接種再開で大変危惧することは、積極的勧奨中止の理由とされていたHPVワクチンの副反応は、多様な症状が一人の患者に重層的に現れる特徴を持った非常に重篤なものです。しかしながら、こうした被害実態が明らかになっていません。重い症状に苦しみ続ける女性たちへの治療法もいまだに見つかっていません。都道府県が選定した接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関の新規受診者数も徐々に増え始めているとのことです。HPVワクチンの接種被害者は深刻な被害実態にあり、全国で被害者が訴訟を起こし裁判中です。アメリカ合衆国においても30件以上の訴訟が提起されていて、今後も多数の提訴が予定されているとのことです。
前段でも申し上げましたけれども、副反応の深刻さは予防接種健康被害救済制度における重篤な被害の認定頻度が、四種混合や麻しん・風疹のワクチンなどと比べて20倍以上出ることにも示されています。名古屋スタディ、つまり愛知県名古屋市子宮頸がん予防接種調査の論文の結論は正確ではないという報告もある一方で、新潟大学の研究グループがワクチンの有効性を統計的に示すことができなかったということを今年9月に報告をしています。こうした見解の相違がある中で接種が進められることについても不安が否めません。ワクチンを接種する当事者は、いわゆる消費者とも言えますが、接種するかしないかの選択には、副反応の現状や実態など十分な分かりやすい正確な情報提供が必要です。
来年4月から9価ワクチンの定期接種がスタートしますが、今後もしっかりと状況等を注視していくとともに、副反応がない予防効果が科学的に実証されている検診の受診率の向上に、さらに御尽力いただくことを求め、私の一般質問を終わりにします。
副議長(島田泰美君)
以上をもって、干場議員の一般質問を終結いたします。
◎ 散会宣告
副議長(島田泰美君)
本日の議事日程は全部終了いたしました。
これをもって散会いたします。
午後 2時08分 散会