ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 江別市議会会議録 > 本 会 議 会 議 録 の 閲 覧 > 平成19年分の目次 > 平成19年第4回江別市議会会議録(第4号)平成19年12月14日 3ページ

平成19年第4回江別市議会会議録(第4号)平成19年12月14日 3ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

 6 議事次第の続き

一般質問の続き

 岡 英彦君

 前向きな答弁ありがとうございました。
 それでは、最後に要望となりますけれども、若干お話をさせていただきたいと思います。
 まず、公約のところの話なのですけれども、私は何も市長の公約の言葉じりをとらえて公約違反を追求しようとか、そういうことをしたいわけではございません。また、期限や数値目標について何度も言っているのですけれども、これもそれだけをとらえて、それがうまくいったとかいかないの議論をしたいわけではございません。
 そもそも行政が行う仕事というものは、社会全体で努力すべき目標というものも含まれておりますので、行政組織だけで数値目標が達成されるということは、なかなか難しいと。そういう仕事を行政はやっているというふうに私は認識しております。その上で、より良い政策というものをつくっていくためには、その目的を明確にして、どういった手段を取れば目的が達成されるのか。さらに、より良い手段というのは何なのかというのを常に検討していくと。こういう姿勢が必要だと思っております。そういった思いで今回質問をさせていただきました。
 今後、余り既存の行政の枠にとらわれないで、市長の意図するところをもっとフランクに、一般質問の場でもお話しいただければ、より良い議論になってくるかと思います。
 次に、予算編成プロセスの公開についてなのですけれども、先ほどの1回目の質問の答弁で、情報提供の点で大切な要素であると、非常に前向きなご回答をいただき、他市の例を参考にというようなお話もありました。これを是非やっていただきたいと思うのですけれども、市長の基本姿勢にもあるように、改革への挑戦ということが求められている時代背景があるかと思います。
 他市の例を参考にして勉強していただくのは結構なのですけれども、やはり行動しなければ意味がありません。もしこういった予算編成プロセスの公開ということを一歩進めれば、随分と先進的な取り組みをしている自治体というふうにマスコミ等に取り上げられるはずですので、是非そういった意味でも一歩進めていただければと思います。
 日ごろ、私は職員の皆様とお話をさせていただいている中で、まだまだどうしても国や道の方を見られている。若しくは他の自治体と横並びというような意識が強いということを強く感じております。改革への挑戦ということで、半歩でも一歩でも他の自治体に先駆けて江別市が何かやるんだと。こういった思いで、是非、対応いただければと思います。
 それと、広報戦略についてです。今回は行政に対しての提案ということなのですけれども。

議長(星 秀雄君)

 岡議員に申し上げます。質問時間が過ぎておりますので、簡略にお願いします。

岡 英彦君

 失礼しました。一言だけ。行政をチェックする議員として、私も積極的に情報発信していかなければならないと考えております。以上でございます。

議長(星 秀雄君)

 以上をもって、岡議員の一般質問を終結いたします。
 一般質問を続行いたします。
 相馬芳佳議員の市役所の接遇についてほか3件についての質問を許します。通告時間30分。

相馬芳佳君

 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い順次質問いたします。
 1点目、江別市の職員の接遇、市民に対するサービス提供について、市長はどのようなお考えをお持ちでしょうか。
 私は、4月に議員に当選させていただくまで、市役所はもちろん、市立病院や消防署などの公的機関に足を踏み入れたことがほとんどありません。せいぜい証明書類の交付を受けるときに、さっと来てさっと帰るというだけです。したがって、職員の対応に気を止めることもありませんでした。
 ところが、毎日、市民の方からご相談をお受けするたびに、どこへ行けば調べることができるのかと、市役所の中で迷子になっておりました。どこの課が何をするのか、どこへ行けば答えてくれるのかも分かりません。ようやく目当ての課が見付かり問題が解決して、冷や汗をぬぐう毎日でした。そのうち慣れると言われましたが、受け答えをしてくださる職員の方によって対応が随分違い、何度行っても慣れることが難しいところもあります。しかし、担当ではないけれどと前置きしながら、丁寧に説明してくださり、この課のこの人に聞くといいと言ってつないでくださる職員の方や、アドバイスをいただいたおかげで、少しずつ相談者にお答えできるようになりました。
 そのときの市民の方の感謝の言葉は、必ず、だれに聞けばいいか分からなかった、こんなことを聞いてくれるのか心配だった、そして最後に、相談が解決するまで時間が掛かりそうだとしても、聞いてもらえただけで安心したと言われるのです。
 7月には、市立病院の接遇に関することでご相談をいただいた件で、事務長室を訪問することになりました。約束をして伺いましたが場所が分かりません。案内板やそれらしいところをぐるぐる探しましたが、困り切って立ちすくんでいました。そのときに初めて声を掛けてくださったのが、ボランティア・コスモスのメンバーです。しかし、新病院建築のときからボランティアをしているというその方も事務長室をご存じではありませんでした。二人で二階を見上げ、かすかに見えるプレートがその場所らしいと目星を付けました。そして、約束の時間まで事務室の前で不安を抱えて座りました。私の前を何人もの職員の方が通りましたが、気に止める様子もなく通り過ぎていきました。元気な私でも不安を抱えて座っている。もし病気や悩みを抱えて座っていたならば、どんなに心細く感じただろう。笑顔を向けてくださったなら、ずっと心安らぐのにと思いました。
 先ほどの市民の方からのだれに聞けばいいのかという言葉、そして、市立病院で感じたちょっとした接遇について、江別市の近隣市町村の接遇はどのような状態なのか、じかに岩見沢市、石狩市、千歳市、恵庭市、北広島市、当別町、新篠津村の7市町村の接遇や各課の案内表示を見てまいりました。
 いずれの市町村も約束なしで伺いました。案内の方がいるところでは、用件をお話しし、接遇の担当の部署を教えていただきました。広くて迷子になりそうなところは、一度歩いてみてから二階なり三階へ伺いました。
 石狩市役所は、新しい庁舎で各課の窓口の一番前に総合案内所があり、おおよその質問で目当ての課が分かると、その場所で銀行の番号札のようなチケットを出してもらい、名前が呼ばれるまで広いロビーで待ちます。係の方が正対していて、市民の方が立っただけですぐに用件を聞けます。込み入った相談にはついたてで遮断され、税金のことなど詳しい説明が必要な課には、ベテランの非常勤職員が配置されていました。本当に広い庁舎ですから、案内板の前でどうしようかと悩んでいましたら、通り掛かりの職員の方がどちらへ行かれますかと声を掛けてくださいました。
 岩見沢市は、分かりやすい案内板で、初めて行っても見当が付きます。やはり、課の中の一人の職員は市民の方に正対するように机を配置し、すぐに気付くようにと工夫されていました。合併で庁舎が狭くなりご迷惑を掛けていますと説明した職員は、市民の目線で対応されており安心を覚えました。
 さらに、今回伺った役所の中で、是非見習っていただきたいと思う取り組みがありました。7か所全部が初めて行くところでしたが、7番目に伺ったところは、建物の入り口が分からずしゅんじゅんしていると、立ち止まって心配そうに見ていてくださる職員がいました。庁舎へ入り表示板を見ながら歩いていると、すっと立ち上がり、声を掛けるかどうか見守ってくださいました。総合案内所に行くと、立ち上がりながら、こんにちはと笑顔で丁寧に場所を教えてくれました。さらに次に訪れた総務課で、接遇について教えてほしいと案内を請うと、その部署の3人の職員が立ち上がったのには、こちらが恐縮したほどです。
 総務課の方が私のつたない説明にすぐに対応してくださり、接遇の担当という4人の方が相手をしてくださいました。30分余りの説明の中で、一番印象に残ったことは、首長自らあいさつをはじめとして、接遇向上に率先して取り組んでおり、改善のための取り組みに例外はないということを言われたことです。説明を受けるまでもなく、短時間の中で、職員の方たちが見せてくださった心配りは見事でした。そこでは、接遇について全職員で取り組まれ、経験を積んだ部長職も入ったばかりの職員も、例えば電話は鳴ってから2回以内に取り自分の名前を名のるというマニュアルは当然として、それ以上に市民サービスとは何かということを研修しているとのことでした。わずかの時間に見えてしまう接遇の怖さ。声の掛け方一つでけんかにもなり、逆に大恩人にもなるからこそ大切にしたいと思うのです。
 何度も市役所へ通い、自分の目的の場所が明確になっている方には、おっくうな場所ではないかもしれません。しかし、初めて行く場所で、不安や心配を抱えての相談だとすると足がすくんでしまうのではないでしょうか。7か所の訪問、しかもわずかな時間で、理解をすることは危険かもしれませんが、ある日突然市役所へ行って相談をすることが起こり得るというのが、ある意味での日常ではないでしょうか。そのわずかな時間の対応が、市役所のイメージを決めてしまうと思われるのです。
 江別市の議員になって半年が過ぎ、決して多くはありませんが、これは私に相談を寄せてくださった市民の方の声です。家の前の歩道が凸凹で、車いすやベビーカーでは危ないのでどうしたらいいだろうとの相談があり、土木事務所に初めてまいりました。その日のうちに現場を見に来てくれたとまず電話がありました。次の日、その箇所が直ったと感激した声で市民の方からまた連絡をいただきました。こんなに速く処理してくれたとの驚きは、市に対する応援に変わりました。
 教育委員会にも福祉の窓口にも、ご相談をいただいたら必ず自分の足で伺うようにしています。そうすると、どの担当の方も時間を割いて説明や調査に協力してくださいます。電話での相談にもきちんと部署と氏名を名のってくださるので安心して話ができます。そして、いつでもご相談くださいと言ってくださるだけで、安心ができるのです。
(不規則発言する者あり)

議長(星 秀雄君)

 静粛に願います。

相馬芳佳君

 しかし、残念なことに市民の方からは、窓口に立つがすぐに話を聞こうとせず、だれが最初に立つか様子をうかがっている職員がいる。困って相談に行ったのにもかかわらず、最初から相手にしてもらえない。予算がないからできないが先にあり、そのまま解決の手掛かりもないまま帰される。自分の担当部署ではないからと電話を切られたままになるという相談が寄せられました。そのときの事情は分かりませんが、もう一歩踏み込んで話を聞いていただけなかったのかと思います。
 質問の1点目、江別市の顔となる市役所での接遇について市長のご見解をお聞かせください。
 質問の2点目、江別市役所の正面玄関前へ総合案内窓口の移動は検討できませんか。玄関を入ると、すぐに目に飛び込んでくる場所での案内はできないのでしょうか。市役所の総合案内窓口は多いときで1日100人程度で、この時期ですと二、三十人の利用と伺いました。10年以上も案内業務に携わっている派遣業者の方たちですから、的確な応対で、どの市民の方もスムーズに目的の課に向かっている様子を安心して拝見しておりました。だからこそ、案内板を見詰め困っている、立ち止まっている、周りを見渡している、記載台などで悩んでいる、1人でエレベーターに乗れないなどの市民の方に早く声掛けができるよう、総合案内窓口のそばで立つという体制を考えていただけませんか。
 市民の方は、分からないことや悩みを抱えて来庁されます。市役所に向かう段階で、かなりナーバスな状態になっています。職員にとっては、日常的で簡単な手続だと思っても、ほとんどの市民の方は、ふだん余り接することではないので、必要以上に難しく感じている場合があることを理解して、応対してほしいと思うのです。
 その一番先に訪れる窓口が、奥まったところにあるだけでは心細いと感じます。東口玄関からの出入りのときには、もっと不安です。
 地方自治体は、住民の幸福を基本使命とする公共サービスの提供主体であり、職員はその提供者であることにもう一度立ち返り、より信頼される市役所、より親切な市役所として、市民と協働するための市長のお考えをお答えくださるようお願いいたします。
 次に、市立病院の案内表示についていかがお考えですか。
 各科で診察を受けるときに、レントゲン撮影や血液検査の指示を受けて、それぞれの検査場所へ行くのですが、慣れない病院の中は、分かりづらいとの声が寄せられています。ボランティア・コスモスのメンバーの方たちは本当に親切で、迎えに来てくださるそうですが、廊下にテープを張って、各自が足元に見える線をたどって目的の検査場所に行けるような手立ては取れないでしょうか。
 次に、市の教職員住宅の利用についてお伺いいたします。
 9月に第三中学校の教職員住宅の空き状況を知りたいとの相談がありました。どうも空いているように見えるが、もしそうなら借りることはできないだろうかとのことです。
 同じ時期に2件、アパートの立ち退きを迫られている方と、灯油代の高騰で転居を考えている方から市営住宅への入居の相談を受けました。いずれも空きがなく、次回の抽選を待っていらっしゃいます。 
 第三中学校の教職員住宅は、昭和44年の建設から40年がたち、住むことができないとの返答をいただき、その後にいずれ取壊しが必要になるということを知りました。このような教職員住宅が多く存在し、平成16年度には3棟、平成18年度には1棟、合わせて2,270平方メートル、約5,000万円で処分が行われています。
 一方、利用が少ない教職員住宅があることも分かりました。今回の質問は、是非条件が合えば、このような住宅を再利用して、教職員限定の入居という条件を緩め、市民へのニーズにこたえ、提供はできないだろうかということです。
 江別駅踏切に面した萩ヶ岡の教職員住宅は、1号棟が昭和62年に、続いて2号棟が昭和63年に建築され、築20年がたちました。当初マンションかと見間違う建物で、管理費を合わせて3万円を切りはしましたが、当時は全道の教職員住宅で一番高い家賃でした。3LDKで、駐車場も整備されております。1号棟と2号棟を合わせて32戸の入居が可能ですが、それが今年10月現在で56.3%しか利用されていないのです。特に2号棟は、16戸中7戸の入居ですから、半分以上が空き部屋となっています。同様に、駅まで歩いて2分という場所にある駐車場も空いていることになります。
 教職員住宅は、公立学校共済組合が建設した住宅の譲渡を受けたもので、その譲渡代金の返済も平成15年度には残金の一括償還が済んでいます。江別市の純粋な財産である以上、利用を改めて考えていくつもりはありませんか。
 先日の北海道新聞の記事にも、道庁商法あの手この手という中に、施設を守るという発想が経営するという感覚に変わってきたとありました。
 先ほど相談を受けたとのお話をさせていただきましたが、老朽化したアパートから市営住宅に入りたいとの希望がかなえられない高齢の市民の方がいらっしゃいます。離婚後、パートを掛け持ちしながらの収入で子供を育て、民間アパート代と駐車場代を支払うと残りの金額では食事も満足にできないという方など、苦しい実情を挙げると切りがありません。おふろがなくてもアパート代が安い方を選んだという方もいらっしゃいます。
 確かに教職員の入居が大前提ですが、平成15年度からの資料によると、入居率が市全体として87%、92%、87%、84%、80%と下がり、校長・教頭住宅がほぼ100%の入居率であることを差し引くと、萩ヶ岡の教職員住宅の空き部屋が著しく入居率を下げています。鉄筋コンクリート仕様とはいえ、湿気がひどく、除湿器を24時間作動させていなければ、ありとあらゆるものにカビが生え、北向きの部屋の窓際にはひどい結露も生じます。1年間未使用であれば、次の入居時には補修が必要になります。
 新たな取り組みには、法や規則の縛りが出てくるだろうが、地方自治体にはこうした問題を乗り越えていく努力が求められると北海道新聞の記事の締めくくりにもありました。管理には諸問題を解決した上で、市営住宅に入居できず困っている市民の方へ、市の財産の有効活用と併せて、入居をお考えいただけないでしょうか。
 4番目の質問は、学校図書館の環境整備についてお尋ねいたします。
 国は、総合的な学習の時間が始まるのと時期を同じくして、図書館は本を読んだり借りたりする場所であることに加え、学習情報センターとしての機能も持ち合わせた場所とするという方向性を示しました。ということは、読書をするための図書館から学習情報センターとしての機能も持ち合わせた図書館づくりが求められるようになってきたのです。
 学校図書館のイメージは、子供が読みたい本を借りるところであり、個人が必要に応じて行くところで、先生が国語や社会などの授業の中で図書館を活用するのは、ごくごく限られたときだと思っていました。しかし、学習情報センターと言うからには、授業と図書館を結び付ける人が必要になり、司書教諭の配置が求められたのです。
 司書の仕事の中には、図書館を運営する、レポートの書き方をガイドする、本の使い方をガイドする、図書館の使い方をガイドするということが含まれているのです。図書館をつくるということは、そこに必要な分類体系を考え、必要な資料を収集し、資料を整備し、必要なデータを出せるように管理することを言うのです。
 さらに、必要資料の収集を続け、整備をし、データを収集・管理し、掃除をし、レファレンス、貸出し、返却をした上に、授業での論文の書き方を解説するという仕事を、担任を持ちながら進めていかなければなりません。
 また、学校図書館は図書館として機能していなければなりません。必要とする図書や資料がそろい、小学校段階でも図書館学に基づいた分類や配列で整理されていることが必要です。図書を検索する方法を準備し、だれにでも本を探せる仕組みになっていること。資料の案内目録があること。これらが学校司書の仕事です。さらに、子供たちと図書や資料をつなぐ学校司書のレファレンスがあって初めて使える図書館となり、学習に活用できるのです。
 これが人気のない図書館では、大切な読書の導入期に本嫌いや本離れにより、図書館嫌いをますます増やすことになりかねません。さらに、子供たちが人生の最初に出会う図書館が思い付きでつくられている、一貫性も系統性もない、使いにくい学校図書館だとしたら、図書館というものに対して当てにならないイメージが子供たちに刷り込まれるかもしれません。
 しかし、図書館をだれがどうつくるのかという点があいまいにされたままです。在籍教諭のうち1人を司書教諭とすることが命課されましたが、その任務を果たす時間も保障されない学校がほとんどで、司書教諭に期待感と責務だけを背負わせて、現場での矛盾を深めています。
 さらに、司書教諭が図書館を活用した授業を支援するには、それを支える学校司書の存在が絶対に不可欠ですし、その上で司書教諭と学校司書の協働が教育に生かせる図書館をつくる重要なポイントなのです。
 子供一人ひとりが本を手に取り、楽しんで読めるよう、真剣に働き掛けていく。担任の先生、司書教諭や学校司書はもちろんのこと、学校中みんなで意識して取り組んだとき、子供たちはいつの間にか本を友として楽しんでいると思うのです。
 人類が培った知の集積である本を、自分のものとして楽しめるようになるには、生活を整え、意識を変え、努力や訓練の積み上げなどたくさんの要素があってこそ可能なのです。眺めていれば済む映像とは大きな違いがあります。本を読むことでどんな意味があった。本を一冊読んだことで、読む前の自分と読んだ後では違った自分になっている。そう思うほど、心を動かされた本が一杯あった。そう思える環境に、少しでも近づけるためには行政の手助けが必要です。
 6月の一般質問の答弁にありました司書教諭の配置で、各学校の問題点は把握されていますか。学校現場で司書教諭に任命されていても、担任学級のことで手が一杯、校務分掌を掛け持ちし、特別支援の取り組みも始まったばかりで研修が必要となると、図書館のことに目を向けたいと思っても、物理的に無理でしょう。しかも、任命されるのは1人ですから、算数部会や学年部会のような少人数でも集まって研修する機会にも恵まれません。養護教諭だったり特別支援学級の担任だったりすると、本の貸出し時間に顔を出すことすらできません。
 市では、情報図書館と司書教諭の情報交換のため、懇談会を8月に設定しましたが、29校の規模も学校図書館の取り組みもばらばらの状態では、思うような意見も出せないようです。これでは、一歩も進めないと感じた先生方から自主的な研修会が生まれました。分類をどうする、古い書籍の廃棄基準、どんな本を購入するといいのだろう、雑誌を是非入れたいが予算配分されない。勤務外に集まり3時間も4時間も熱心に取り組み、それをすぐ自校に戻り実践されている姿に、もっと支援ができないものかと強く思います。
 今年の7月より、派遣司書が2名に増員されました。派遣の機会が倍に増え、環境整備に加速が付いたような錯覚がありましたが、現実には改善すべき問題も見えてきました。派遣になった日から図書館の大規模な整理が必要で、数千冊の蔵書を1人で動かすことがどれほど大変かは、携わった者にしか分かりません。友人にボランティアを頼み、家族を巻き込み、黙々と勤務時間外でも整理に取り組んでいます。何十年も書棚に入ったままほこりをかぶった百科事典や文学全集を1冊ずつ奥付を確かめながら廃棄するか残すかをゆっくり相談する時間も相手もいない中で、黙々と作業し続けます。一日も早く子供たちへの本の貸出しやレファレンスに向かいたいと思いますが、現場では1人でした。2人になってもお互いの時間でやりくりしながら助け合うしかありません。
 任命された司書教諭がほとんど図書館に来なかった学校も存在します。今年度は、派遣司書に、来てほしいと手を挙げた学校へ順次配置されましたが、その募集文書が担当の先生の目に触れることなく締め切られ、取り組みも知らず相談されなかった学校もありました。管理職が年度替わりで派遣事業を詳しく理解できないままに派遣司書が配置され、派遣された学校司書が孤立するおそれもあります。見えている何倍もの時間をただひたすら子供たちのためにと、職務を全うする学校司書のバック・アップをしなければ、江別市の図書館環境の向上はあり得ないと思うのですが、いかがお考えでしょうか。
 1点目に司書教諭の連絡協議会や研修の在り方についての今後の方向性について、2点目に司書教諭の配置されていない学校図書館の在り方について、3点目に派遣司書の待遇改善について、4点目に派遣司書事業の周知徹底について、以上の四点について、教育長のご見解をお聞かせください。
 これをもちまして、第1回目の質問を終わります。

議長(星 秀雄君)

 相馬議員の一般質問に対する答弁を求めます。

市長(三好 昇君)

 相馬議員の一般質問にお答え申し上げます。
 市役所の窓口の接遇についてでございますが、私の思いとしましては、市役所は江別市における最大のサービス産業であると考え、また、江別市民は最大のお客様であるとの認識の下に、市職員は日々市民サービスのために努めているところでございます。
 このような中で、市民の皆様への対応につきましては、私の市長就任以来、常に市民の目線に立った対応を心掛け、行動することを職員に指示してきたところでございます。これらの意識醸成や能力のアップを図るため、職員研修の場におきましても、一般職員には窓口や電話応対等での好感度をアップすることを目的とした研修を、管理監督者には窓口サービスの在り方や市民満足度向上のためのリーダーシップといった、職場マネジャーとしての研修を行ってまいりました。
 今後におきましても、これらの取り組みを継続するとともに、ご指摘のありました点も含めまして、市民サービスの原点に立ち返り、利用される方々の目線に立った取り組みを一層強めてまいりたいと考えております。
 私からの答弁は以上でありますが、このほかの質問につきましては、総務部長ほかをもって答弁いたします。

総務部長(林 仁博君)

 私から総合案内窓口の場所の移動についてのご質問にお答えをいたします。 
 総合案内窓口の移設についてでございますが、玄関を入りますとすぐ目に飛び込んでくる場所に案内窓口があれば、案内板を見て迷うこともなく、スムーズな市民対応が可能となることはご指摘のとおりだと思っております。
 ただ、玄関正面での窓口設置につきましては、玄関の自動ドアからの距離が短く、ブーススペースの確保が困難であります。そのほか、庁舎案内表示や掲示板の移設スペースがないなど、全体的なレイアウトを考慮しましても手狭な建物構造による根本的な問題がございまして、移設は難しい状況にございます。
 また、市民に声を掛け、案内対応を図ることは、案内場所が現在の位置にございましても十分可能であると思いますので、今後ともより親切な応対や接遇が行われますよう、窓口関係部局との連携を図りながら、さらなる職員のサービス向上に努めてまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

教育長(高橋 侃君)

 相馬議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 まず、教職員住宅の有効活用についてでございますが、教職員住宅は、教職員の厚生施設として建築され、現在、入居可能戸数153戸に対して、平成19年10月1日現在、入居は123戸で、入居率は80.4%であり、確かに減少傾向にございます。
 その要因としましては、住宅そのものの老朽化、教職員のライフスタイルの変化による持家の普及や教職員住宅の手狭感、民間住宅指向、さらには児童生徒数の減少による教職員数の減少などの影響が挙げられると思います。
 議員ご指摘の空き住宅の一般市民への活用でございますが、仮に今30戸空いているとしても、来年度の教員異動で何名が江別市に転入するか予測できないことから、一般市民の入居については難しいものと判断いたしますので、ご理解いただきたいと存じます。
 なお今後、老朽化した住宅の用途廃止によってねん出される経費を現存する住宅の維持補修経費に充てることや、入居率を上げるために、単身者も入居対象として条件を緩和するなど、まずは教職員の入居対策を進めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 次に、学校図書館の環境整備についてであります。まず1点目の司書教諭の連絡協議会や研修の在り方、今後の方向性についてでありますが、市教委では平成17年度から年に2回、夏・冬休みに市内小中学校の学校図書館担当者と情報図書館との懇談会を実施し、既に本年で3年目を迎えております。
 今年度から、校長会や市PTA連合会等の代表者にも加わっていただき、江別の子供に対する読書活動の良好な在り方を巡って議論を深めてきております。
 また、情報図書館による学校支援の一環として、本の修理等の講習会に職員を派遣するほか、図書館運営の相談等を随時受けております。このような背景もあって、小中学校と情報図書館の連携について、質・量とも良好な傾向にあると考えております。今後もこうした取り組みを実施することを考えておりますし、江別の学校図書館の運営に寄与できるよう努めてまいりたいと存じます。
 次に、司書教諭の配置されていない学校図書館の在り方についてでございますが、司書教諭が置かれていない11学級以下の学校の図書館については、学校図書館法に準じて、各学校でそれぞれ校務分掌の中に学校図書について中心的な役割を担う担当教諭を位置付けておりまして、その担当者を中心に、学校図書館の運営や読書活動などについて、他の教職員や児童生徒と協力しながら、学校ぐるみで取り組んでいるところでございます。
 3点目に、派遣司書の待遇改善についてでございますが、情報図書館司書派遣モデル事業の派遣司書の待遇改善については、派遣司書の勤務内容から見て、現行では確かに時間が不足しておりますことから、今後、時間延長を含めて、処遇の在り方について検討してまいりたいと考えております。
 最後に、4点目の情報図書館司書派遣モデル事業の周知についてでございますが、現在、当市としては、基本的には先ほど議員がご指摘のとおり、本事業のねらいを十分学校側が知った上で、積極的に希望する学校を優先して、司書を派遣する形を取っております。派遣された学校では、派遣期間中、司書が行うラベル張りや新旧図書の移動・分類等のいわゆる蔵書管理や子供が本に親しむための接し方等により、周りの教師に与える影響が大きいと言われております。教師間では、行列ができる図書館と言われるぐらい評価が高く、その司書は3か月間限定ではありますけれども、司書が学校を去った後も、そのノウハウが、言わば、無形財産としてその後の学校の図書館運営に引き継がれていくものと考えられるのだということを伺っております。したがって、今後、市内のあちこちの学校で、そのような図書館を巡る環境づくりが広がっていくように、校長会等を通して、広く江別の先生方それぞれに意識をしていただいて、周知をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。
 本事業は、これまで小学校6校に派遣され、今、具体例で申し上げましたように、大きな成果を上げているわけでございます。そういう認識に立っております。ただ、問題がないわけではございません。議員ご指摘のように、受け入れる学校では、学校図書館の重要度、司書が来るまでの組織体制などに、学校間で温度差があることも確かでございます。
 今後とも派遣校との連絡調整を密にして、事業効果が上がるように、派遣期間中、あるいは派遣終了後も含めて、各学校図書館の在り方についても、情報図書館と学校間の双方のコンセンサスの構築に努めてまいりたいと思いますので、ご理解をいただきたいと存じます。
 以上でございます。

病院事務長(藤田政典君)

 私から市立病院の案内表示につきましてお答え申し上げます。
 市立病院は、平成10年12月に新築オープンしたもので、設計時の方針といたしまして、患者さんに対する優しい環境づくりを重視し、案内表示などにつきましても、効果的な色彩を用い、統一的なデザインを施しているものであります。
 現在、当院におきましては、院内60か所に案内板等を設置しているほか、検査場所への案内図の配布、ボランティア・コスモスによる患者さんの誘導等を行っております。
 そこで、ご質問の廊下にテープを張ってはとのご提言につきましては、患者さんの誘導のために一定の効果があるとも言われておりますが、近時におきましては、安全面、院内感染予防、メンテナンス上の観点から張らない病院もあり、当院としても実施していないところであります。
 今後、すべての人に優しい病院づくりのために職員はもとより、ボランティア・コスモスの協力を得ながら、より一層きめ細かな患者さんの誘導に心掛けるとともに、効果的な案内表示の在り方について検討してまいりたいと、そのように考えております。

相馬芳佳君

 ご答弁ありがとうございます。
 2回目の質問を一つと四つの要望をさせていただきます。
 質問は、職員の接遇についてです。職員研修、職場マネジャー研修での好感度アップや市民満足度向上への取り組みをされてきたとのご答弁がありましたが、この研修後にアンケートや感想を取りまとめていらっしゃいますか。それがあるのであれば感想を、また具体的な改善の方策や庁内全部署にかかわる意識向上に向けての職員の方からの提言は、どのように把握されているかお伺いいたします。
 次に、1点目の要望についてです。
 ある公共機関で、アンケートボックスに入れた意見が本当に届いたのか、どう取り上げてくれたかを見るチャンスがあれば良かったとの声が届いています。もちろん、対応に感謝している、安心して相談できたなどの声も伺っております。
 先ほど市民サービスの原点に立ち返るというご答弁がありましたが、広報公聴課に寄せられた市民の声や窓口でのクレーム、あるいは匿名の苦情など、いろいろなことをその担当部署だけでの処理や対処にとどめず、より良い接遇をするための指摘とお考えいただき、取り組んだ結果について公表してはいかがでしょうか。この点について要望いたします。
 2点目は、先ほどご答弁をいただきましたが、窓口の定位置での案内にとどまらず、常に丁寧な応対をしてくださる総合案内窓口の方がときには庁舎内に出て、さらに声掛けをしてくださることを要望いたします。
 3点目は、学校への情報図書館司書派遣モデル事業の報告会の開催についてです。この12月からの派遣で、8校が受け入れたことになります。派遣校では終了時に報告会を開催しているようですが、派遣事業の周知がまだ不足していると思われる学校や司書教諭が未配置の学校では、情報量が足りないと思われます。子供たちが生き生きと集い、使いやすく環境が整えられた、先ほどの行列のできる学校図書館の様子を是非公開してくださるよう要望いたします。
 最後は、市内全部の小中学校と情報図書館が一堂に会するこの年2回の懇談会へ、先進地から講師を招いての講演会や小中学校に分かれての分科会での懇談、これからの派遣事業についての説明会、あるいは懇談会参加者から他県などへの研修派遣等の充実を要望いたします。
 以上で2回目の質問を終わります。

総務部長(林 仁博君)

 私から研修受講後のアンケートなどの把握についての再質問にお答えをいたします。
 現在、職員研修実施の際には、内容によりましてアンケート調査やレポートの提出を義務付けているところでございます。例えば、接遇研修後の職員の声としましては、自分の使っていた敬語の間違いに気付いたとか、接遇の心構え、お客様への接し方を再認識したとか、早速窓口で実践したいなど前向きな姿勢がうかがえるものもございます。一方で、言葉で誠意を伝えることの難しさを感じたというような、接遇の難しさを伝えるものもございます。
 研修自体は、本人の意識を目覚めさせる場、気付きを促す場ということもありますので、このような受講者の声を生かすとともに、市民の皆様からの苦情・要望などを受け止めまして、今後もより良い接遇ができますよう工夫してまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

次ページ

前ページ