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平成17年第1回江別市議会会議録(第1号)平成17年3月2日 3ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

 6 議事次第の続き

平成16年陳情第19号

議長(宮澤 義明 君) 

 日程第7 平成16年陳情第19号 現在政府・与党が検討している、教育基本法の「改正」ではなく、現行教育基本法に基づく施策の推進を求める意見書を、政府等に求めることについてを議題といたします。
 総務文教常任委員長の報告を求めます。

総務文教常任委員長(星 秀雄 君) 

 ただいま議題となりました平成16年陳情第19号 現在政府・与党が検討している、教育基本法の「改正」ではなく、現行教育基本法に基づく施策の推進を求める意見書を、政府等に求めることについて、審査の経過及び結果をご報告申し上げます。
 本陳情は、平成16年第4回定例会最終日に当委員会に付託され、閉会中の継続審査となったものであり、委員会の開催日はお手元に配付の付議事件審査結果報告のとおりであります。
 本陳情は、現在進められている教育基本法の見直し、改正を拙速に行わないこと、また、現行法の理念や精神を生かした教育施策を進めることについて、国への意見書提出を求めるものでありますが、委員会におきましては、平成15年3月の中央教育審議会の答申にある新しい時代にふさわしい教育基本法、また平成16年6月の与党教育基本法改正に関する協議会の教育基本法に盛り込むべき項目と内容、さらには各政党の見解、国会における委員会論議の内容などについての資料を参考に審査を進め、結審に至っております。
 委員会における討論の概要を申し上げますと、最初に不採択すべきとする立場の委員からは、教育基本法の制定以来、その基本精神に基づく教育活動が行われ、大きな成果と役割を果たしてきたと認識している。しかし、近年の多くの社会的変化や個人の意識変化が教育そのものに影響を与えているのも事実であり、世界を見据えた日本人としての在り方や日本の伝統文化の尊重、時代を見詰めた具体的な法の在り方など、その方向性を明確に示す必要に迫られている。
 改正、見直しに当たっては、国民的に広く議論されなければならないことは当然のことであるが、議論と検証の結果として改正が必要であれば、慎重な中にも速やかに決定する必要がある。
 また、不採択すべきとする別の委員からは、現在の教育基本法は、教育の基本理念及び基本原則を定めるものとして制定されて57年を経過している。戦後教育の立て直しを図ろうとする中で、公共心の希薄化、学力の低下、少年犯罪の増加、人間性豊かな教育の視点などからその課題は山積しており、社会・教育・福祉環境の変化の中で、新しい時代にふさわしい教育基本法の在り方について議論されるのは当然である。
 教育の在り方そのものが問われており、国民的意識を指向する今日的な教育課題において、夢や志を持てるような新しい時代の教育基本法を示す改正、見直しへの国民的世論が高まっている。
 次に、採択すべきとする立場の委員からは、現教育基本法は、我が国の教育の基本理念について規定したもので、準憲法的と言われる位置付けがなされている。中央教育審議会の答申でも、この基本理念、教育の目的及び方針は、憲法の精神にのっとる普遍的なもので、引き続き規定することが適当であるとしている。
 現在、教育現場で起きている諸問題は、国民の大きな関心を呼んでいるが、これらは法を変えれば解決するものではなく、むしろこの間の法の理念から離れた教育施策が影響しているとの指摘もある。
 これらのことから、現行の教育基本法の下で十分対応できるものであり、国民が求めるものは、現行法に基づく教育諸条件の整備など、改正とは異なるところにあると判断できることから、採択すべきである。
 また、採択すべきとする別の委員からは、教育基本法は個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を目指すことを基本理念に掲げ、教育の基本原則として大きな役割を果たしてきた。中央教育審議会の答申後も、議論は極めて不十分で、各界から見直しの根拠をはじめとし、多くの問題点が今なお指摘されている現状である。
 教育基本法は、その見直しに当たっては、より慎重な対応と一層の国民的議論を経て結論を出すべきであり、また、今日の教育課題の解決には基本法の理念を生かす施策を地方分権の視点で推進することが求められており、改正を拙速に行うべきではないとする陳情は採択すべきである。
 以上の討論を経て、採決を行った結果、平成16年陳情第19号は、賛成多数により採択すべきものと決したものであります。
 以上、平成16年陳情第19号における審査の経過と結果をご報告申し上げましたが、よろしくご決定くださいますようお願い申し上げます。
 以上です。

議長(宮澤 義明 君)

 これより総務文教常任委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 質疑なしと認めます。
 以上で、総務文教常任委員長報告を終結いたします。
 これより平成16年陳情第19号 現在政府・与党が検討している、教育基本法の「改正」ではなく、現行教育基本法に基づく施策の推進を求める意見書を、政府等に求めることについてに対する討論に入ります。
 討論ありませんか。

山本 由美子 君 

 平成16年陳情第19号 現在政府・与党が検討している、教育基本法の「改正」ではなく、現行教育基本法に基づく施策の推進を求める意見書を、政府等に求めることについて、委員長報告に反対の討論に参加いたします。
 陳情書は、昭和22年の教育基本法がつくられたときのままをそのままにと主張されておりますが、今、冷静に考えてみますと、当時は壮大な理想を掲げて施行されたはずのこの法律は、発足して以来半世紀以上過ぎた今日は、周囲を見渡せば青少年、特に若年層の不祥事を含めた乱れた世相、学力の低下などを招き、日本の将来がどうなるのかをきぐされる今日このごろでございます。
 人権、自由、平等を都合の良いように身に付けた若者たちに対して、誇りを持ち、人生の目標を持たせる教育が今求められているのではないでしょうか。今の教育を見るとき、例えば大阪の小学校では運動会などで順位を付けさせないで全員を1番というような、間違った平等が教育の現場で行われていることを知り驚きました。平等の名の下に差別化を主張しているような教育になっているように思えてなりません。
 私は、むしろいろいろな才能を持った人たちが個性豊かであることに目を背けてはならないと思います。芸術家として自由奔放な棟方志功や、知的障がいハンデを持ちながら万人に感動を与えた山下清や、日常生活で破天荒な勝負師であった坂田三吉のような、そのことだけしかできない者であっても、その人の持つ個性を引き出すような教育になっていないように思えてなりません。特に、時の話題になっている子供たちの学力低下は、国を滅ぼすと言われておりますが、この現実が今後の日本に大きな影響を与えることになるときぐしております。
 父親から聞かされていたお話ですが、日本は何も資源がないけれども素晴らしい知的資源があり、国が今日まで栄えたのは日本人の頭の良さだからと言いました。その日本の資源になる子供たちに、現実にふさわしい教育がなされているのでしょうか。昔から教育は国家百年の大計であると言われ続けてきましたが、私は、むしろ私たち自身が自信を持って次世代に渡していける確かな理念と考えられる事柄は、日本独特の良き文化、道徳、伝統の中にあるのではないでしょうか。そのためにも私は、その良き伝統と新しい民主主義を組み合わせ、今の時代に最もふさわしい人づくりを基本にした法の改正がされるべきものと考えております。
 よって、陳情書に対して、反対の討論といたします。

議長(宮澤 義明 君) 

 ほかに討論ありませんか。

森好 勇 君 

 平成16年陳情第19号について、委員長報告に賛成する立場で討論いたします。
 陳情団体の方は、現行教育基本法を真に生かしてこそ、子供の成長、発展を励ますものとの認識であり、私も賛同するものです。
 私が申すまでもなく、現行教育基本法は、戦前の教育が戦争を進めるための教育であったことを教訓として作られたものです。基本法前文は、われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の基本を確立するため、この法律を制定するとし、平和、人権、民主主義という憲法の理想の実現を教育の力でと、お国のために死ね教育から人格の完成を目指し、人間として生きるための教育へと根本的に教育の目的を変えたのです。
 教育基本法を変えようとする人たちは、お国のために命を投げ出してもかまわない日本人を生み出すとか、限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養ってもらえばいい、又は、就学時に遺伝子検査をして、できない子にはそれなりの教育をすればいいと述べ、憲法第9条改悪と一体に戦争する人づくりを進めることにあることがはっきり分かります。
 昨年6月、政府・与党の教育基本法改正に関する協議会が発表した中間報告は、憲法、教育基本法の理想を真っ向から否定し、子供や国民の権利に基づく教育から国家による教育に転換させるものであります。その内容を見ますと、特にきぐする点は何点かありますが、一つに、憲法の精神に則りや平和的な国家及び社会の形成者などの文面を削除する一方、国を愛する心を盛り込み、憲法第9条の改正と連動する。二つに、教育は、不当な支配に服することなくを削除し、国家が教育の主体になり、行政による教育支配。三つに、ひとしく教育を受ける権利を否定し、能力主義と競争による教育に。4点目には、教育振興基本計画を規定し、政府が教育内容に直接介入し、学校に押し付けるなどがあります。1953年、池田・ロバートソン会談以降、アメリカにとって都合の良い愛国心、今は企業にとって都合の良い教育制度が追求され続けてきました。今、自衛隊の海外派兵、国民保護法、経済のグローバル化による企業の海外進出、一部エリート育成教育等々を推し進めており、表現を変えて戦争、戦前の教育へ逆行する気配がします。国民の多くは、憲法や教育基本法を守り、学校と教育に生かすことを願っていると思います。
 以上で、陳情第19号の賛成討論といたします。

議長(宮澤 義明 君) 

 ほかに討論ありませんか。

清水 直幸 君 

 本件に対しまして、採択すべきではないという立場で討論に参加いたします。
 我が国の教育は、昭和22年に制定された教育基本法の下に、個人の尊厳及び真理と平和の希求を基本理念として、人格の完成を目指し、国民の教育水準向上など、我が国の発展に大きく貢献してまいりました。
 しかしながら、法制定後半世紀以上が経過し、我が国社会も国際社会も大きく変化し、国民全体のモラルや青少年の規範意識の低下、社会への帰属意識の希薄化、学校教育における問題行動の深刻化、家庭や地域の教育力の低下や行き過ぎた平等主義教育など、様々な分野で看過できないゆがみが生じておりますことは周知の事実であります。
 こうした中、中央教育審議会は文部科学大臣に対し、新しい時代を切り開く、心豊かでたくましい日本人を育成する観点から、新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について答申したところであります。
 教育の再建へ向け、歴史や伝統・文化を尊重し、郷土や国を愛する心、家族愛、先祖を敬う心、国家・社会の形成者として公徳心や公共心、そして国際感覚を併せ持った人材を育成するなど、新しい時代の教育の方向性を一刻も早く国民に示すべきであります。
 国においては、教育が我が国の将来を担う人づくりの根幹をなすことにかんがみ、国民的な議論を深めることに意を尽くしつつ、教育基本法を早期に改正されるよう強く要望されるべき時期に来ているのであります。将来の我が国が当たり前の国家として存続するためにも、早急に改善されなければならない必要最低限の条件整備であります。
 以上の理由から、本陳情は、現在の教育制度の在り方についての見解に誤びゅうがあるのではないかと思われるのであります。
 よって、委員長報告に対し、重ねて反対を表明し、討論とさせていただきます。

議長(宮澤 義明 君) 

 ほかに討論ありませんか。

五十嵐 忠男 君 

 私は、平成16年陳情第19号につきまして、委員長の審査結果報告のとおり採択の立場で討論をいたします。
 教育基本法は、若者を戦場に送り出した戦前・戦中の教育に対する深い反省から生まれたものでありまして、憲法が目指す世界の平和と人類の福祉に貢献する決意を教育の力によって実現することを宣言し、教育の憲法とも言うべき位置付けをもって制定されました。
 戦後の教育は、様々な問題点を抱えながらも、教育基本法の理念の実現を願う国民の努力によって、義務教育の保障、45人学級から40人学級への前進、障がい児教育の改善など、平和と民主教育の確立のために果たしてきた役割は大きなものがあります。
 今、教育の場に表れている学力低下、いじめ、不登校、非行の多発、学校崩壊などの困難な現象は、決して教育基本法にその原因があるわけではなく、過度の競争教育など教育基本法の理念と掛け離れた教育行政から引き起こされていると言えるものです。今求められていることは、教育基本法が生かされていない現実を受け止め、地方分権の視点で、理念や精神を生かし、それぞれの課題に対する具体策を推進していくことです。
 私たちは、昨年、第4回市議会定例会で、教育基本法見直しに当たっては、教育の諸課題を点検し、文部科学省主導の教育行政を見直し、教育行政充実のための改革を進める中で、時間を掛けて国民的議論を経て、慎重に結論を出すべきとの意見書を国に提出をいたしました。
 しかし、今なお、各界から見直しの根拠をはじめ、愛国心、管理と競争、国の支配等についての問題点が指摘されている現況の中、改正作業がややもすると与党の検討会の協議に終始しており、このような中でより一層慎重な対応と広く国民に開かれた議論を求める声が高まっております。
 よって、教育基本法は、すべての子供と社会の将来を左右する、世界に開かれるべき教育の在り方を定める準憲法的な性格を持つ法律であり、その見直しに当たっては、さらに国民的議論を経て結論を出すべきであるということを申し上げ、委員長の審査結果報告のとおり、採択すべきであるという立場を表明いたしまして、討論といたします。
 以上です。

議長(宮澤 義明 君) 

 ほかに討論ありませんか。
 (「なし」の声あり)
 これをもって討論を終結いたします。
 これより平成16年陳情第19号を起立により採決いたします。
 平成16年陳情第19号は、委員長報告のとおり採択することに賛成の諸君の起立を求めます。
 (賛成者起立)
 起立少数であります。
 念のためお諮りいたします。
 平成16年陳情第19号は、不採択とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
 (賛成者起立)
 起立多数であります。
 よって、不採択とすることに決しました。

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