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平成26年度江別市政執行方針

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年2月28日更新
  1. はじめに
  2. えべつ未来づくりビジョン
    (1)基本理念
     ・安心して暮らせるまち
     ・活力のあるまち
     ・子育て応援のまち
     ・環境にやさしいまち
    (2)えべつ未来戦略
     ・ともにつくる協働のまちづくり
     ・えべつの将来を創る産業活性化
     ・次世代に向けた住みよいえべつづくり
     ・えべつの魅力発信シティプロモート
  3. 平成26年度の江別市予算案
    (1)歳出の概要
    (2)歳入の概要
  4. おわりに

 ただいま上程されました、平成26年度予算案及びこれに関する諸案件をご審議願うに当たり、私の市政に対する基本的な考えと予算の大綱についてご説明申し上げます。

 本格的な人口減少の時代を迎え、北海道の多くの市町村は、江別市を含め、予想を上回るスピードで、少子高齢化や人口減少が進んでいる状況にあります。

 私は、2期目のスタートにあたり、市政執行方針の中で「今後の江別市の将来を展望した最大の課題は、少子高齢・人口減少の下でまちづくりを進めなければならないことである」と申し上げました。

 また、経済のグローバル化や、不透明な経済・雇用情勢、東日本大震災を契機とした安全・安心のまちづくりや地球温暖化による環境問題への関心が高まるなか、地方分権による権限移譲の進展、高齢化に伴う社会保障費の負担増など、江別市を取り巻く社会情勢も大きく変化してきています。

 こうした、様々な社会情勢の変化などにも柔軟に対応できる、新しい総合計画「えべつ未来づくりビジョン(第6次江別市総合計画)」を策定することとしたところであります。

 策定にあたりましては、「江別市自治基本条例」制定後の初の総合計画として、市民自らが考え、行動し、市民自治を実現するという方針のもと、市民参加と協働による計画づくりを進めてまいりました。

 具体的には、平成23年10月、市民5千人を対象とした「まちづくり市民アンケート調査」による意識調査に始まり、38名の市民公募委員と市内4大学をはじめ6名の学識経験者により、9か月間にわたり延べ34回を重ねた「えべつ未来市民会議」からの提言、また、NPOや自治会など14の団体、さらには、江別市の未来を担う、中学生、高校生、大学生の皆さんからも多くの意見をいただきました。
 こうした、提言や意見を基に、市内各団体や大学の有識者、市民委員で構成された行政審議会、パブリックコメントを経て、市議会において議決をいただいたところです。
 まさに、自治基本条例に基づいて策定した、初めての総合計画になったものと考えております。

 「えべつ未来づくりビジョン」は、市民が暮らしやすく、いつまでも住み続けたいと思えるまちづくり、また、江別市に住んでみたいと思えるまちづくりを基本に、協働のもとで、

  • 安心して暮らせるまち
  • 活力のあるまち
  • 子育て応援のまち
  • 環境にやさしいまち

の4つの基本理念を掲げています。

 その構成は、めざす10年後の将来都市像やそれを実現していくために必要な手立てを示す「えべつまちづくり未来構想」と、江別市の持つ特性や優位性を活かして、まちの魅力を高めていく
4つの戦略

  • ともにつくる協働のまちづくり
  • えべつの将来を創る産業活性化
  • 次世代に向けた住みよいえべつづくり
  • えべつの魅力発信シティプロモート

を設定し、重点的・集中的に進めていく5年間の取組みを示す「えべつ未来戦略」から成っています。

 これらの実現にあたっては、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学、行政をはじめ多様な主体が、それぞれの役割分担のもと、得意分野や知識・経験などを活かしながら、まちづくりの取組みを実践することが必要であります。
 私は、「えべつ未来づくりビジョン」のスタートにあたり、4つの基本理念の実現と、4つの戦略の推進に向け、スタートから全力で取り組んでまいります。

 そこで、まず1点目は、安心して暮らせるまち であります。
 子どもから高齢者まで、あらゆる人が健康的に安心して暮らせるように、福祉・保健・医療サービスを充実するとともに、地域防災力の向上を図り、生活する上での様々な不安を解消して安全・安心を確保することが必要であります。

 そのため、「江別市地域防災計画」に基づき、自治会や関係機関との連携強化により、地域防災力の向上を図るとともに、公共施設の耐震化を進めるなど、災害に強い安全・安心なまちづくりを進めてまいります。

 また、「えべつ市民健康づくりプラン21」に基づき、健康意識の向上と健康づくりの支援に努め、介護や入院を必要としない健康寿命を延ばしてまいります。

 さらには、「江別市地域福祉計画」などに基づき、介護や障がいなどの各種福祉サービスを安心して利用できる仕組みづくりを進めるとともに、道立特別支援学校高等部の誘致など、障がいのある方の学習と就労、社会参加の促進を図り、だれもが住みなれた地域で、安心して暮らせる取組みを進めてまいります。

 また、「江別市都市計画マスタープラン」に基づき、土地利用や都市の秩序ある整備を図り、魅力ある都市づくりを進めてまいります。

 2点目は、活力のあるまちであります。
 人がいきいきと暮らし、市民の暮らしを支える産業を活性化するとともに、生きがいや心の豊かさを育む文化やスポーツ活動などを充実し、まちのにぎわいや活力を生み出していくことが必要であります。

 そのため、「野幌駅周辺地区活性化計画」に基づき、野幌駅を中心とした南北市街地を一体化するとともに、地域交流の拠点づくりや魅力ある商店街づくり、さらにはサイクルシェアリングの導入など、環境への配慮を図ることで、にぎわいのある都心づくりを進めてまいります。

 さらには、「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」を活用した商品開発をはじめ、産学官連携や産業間連携などによる商工業の振興を図るとともに、新たな地域資源の掘り起しによる観光振興などにより、地域経済の活発化を図ってまいります。

 また、「江別市農業振興計画」に基づき、市内や札幌圏へ安全・安心な農畜産物を供給し、都市型農業を推進するとともに、農業と第2次産業・第3次産業との連携により農畜産物の高付加価値化を図り、農業や食を中心とした産業の活性化を進めてまいります。

 さらには、「江別市社会教育総合計画」や「江別市スポーツ推進計画」に基づき、市民が生涯にわたって、学習・文化活動・スポーツを気軽に行える場を提供し、あわせて、市内の知的資源である大学、自治会と連携し、生涯学習の機会を充実させるとともに、地域を創造するための人材育成を進めてまいります。

 また、「江別小学校・江別第三小学校統合校施設整備基本計画」に基づき、学校と地域が連携した活動を促進するとともに、生涯学習、学校開放などの地域活動の拠点としての整備を進めてまいります。

 3点目は、子育て応援のまちであります。
 江別市の未来を担う子どもたちが健やかに成長できるように、子育て支援や教育内容などを充実させ、安心して子どもを産み育てる魅力あふれるまちづくりが必要であります。

 そのため、「江別市次世代育成支援行動計画」に基づき、待機児童ゼロを目指して、子育て支援の充実に努め、子育てしながら就労ができ、安心して子どもを産み育てられる環境を整備してまいります。

 また、「江別市学校教育基本計画」に基づき、グローバル化に対応した外国語教育などの取組みや、大学と連携した体力向上の取組みをさらに充実させ、次代を担う心身ともに健康な子どもたちを育てるため、教育環境を整備してまいります。

 なお、現在検討中の「江別市子ども・子育て支援事業計画」に基づき、認定こども園の普及や一時預かりの場を増やすことなど、子育てに関する課題に対処してまいります。

 4点目は、環境にやさしいまちであります。
 江別市の豊かな自然を次代に引き継ぐため、再生可能エネルギーの推進やごみの資源化を推進するとともに、野幌森林公園や石狩川などの自然環境と触れ合うことにより、人と自然が共生するまちづくりが必要であります。

 そのため、「江別市環境管理計画」に基づき、ごみの減量化をはじめとする様々な環境対策や、低炭素型社会・省エネルギー社会への対応を、自治会、市内大学などと連携して進めるとともに、公共施設への太陽光パネルの設置や太陽光発電所の誘致などに取り組んでまいります。
 さらには、環境への意識を高めるため、環境教育を充実させてまいります。

 また、「江別市緑の基本計画」に基づき、都市公園の整備や緑地の保全のほか、公共施設や民有地の緑化、さらには普及啓発活動などを行い、緑豊かで潤いのあるまちづくりを進めてまいります。

 次に、これらの基本理念を実現するため、今後5年間で、重点的・集中的に取組む、4つの「えべつ未来戦略」について申し上げます。

 はじめに、戦略1の「ともにつくる協働のまちづくり」についてであります。
 「協働のまちづくり」を推進していくためには、市民や各種団体など多様な主体や様々な世代が、それぞれの役割のもと、得意分野や特性を活かして進める、協働による取組みが必要であります。

 そのため、これまで実施してきた、自治会やNPOなどの市民団体との協働による各種事業を推進するとともに、協働のパートナーである自治会の活動を担う、新たな人材育成に支援を行ってまいります。

 また、江別市の知的資源を活かすため、市内4大学と連携し、大学の研究成果を地域の活性化に繋げるための取り組みをはじめ、学生の地域活動、さらには、大学教員による出前講座への支援を進めてまいります。

 さらに、未来のまちづくりを担う子どもたちに「協働」の理念を知ってもらうため、小学生向けリーフレットの配付などによる啓発に取り組んでまいります。

 また、自治基本条例に基づき、市民参加条例の制定に向けた準備を進めてまいります。

 次に、戦略2の「えべつの将来を創る産業活性化」についてであります。
 人口減少社会を迎える中で、持続可能なまちづくりのためには、これまで以上に産業の活性化が重要であり、これまで行ってきた地場産品の推奨のほか、さらに域内消費と域内循環の拡大を図ることが重要と考えております。

 また、江別市に住んで、働いてもらえるよう、雇用創出と就労環境の整備に努めるとともに、様々な地域資源や立地特性を活かした、江別市ならではの観光振興により、交流人口を増やす必要があると考えております。

 そのため、江別市の特性である大学・研究機関などの知的資源を活かした産学官や産業間連携により、新製品、新ビジネスの創出を支援するとともに、地域イベントの開催などを通じてPRや販路拡大を支援してまいります。

 また、既存企業の新規ビジネスの開拓や新たな企業立地への呼び水となるよう、市内企業のもつ技術やサービスなどの情報を市内外に発信してまいります。

 さらには、新たに制定した「江別市企業立地等の促進に関する条例」に基づき、市内企業への支援や地域特性を踏まえた企業誘致などを進めてまいります。

 また、これまで検討してきた、「都市と農村交流施設」の整備にあわせて、生産者と市民の交流を促進するとともに、食を中心とした江別産品の掘り起しとブランド化の支援により、農畜産物の供給拡大と高付加価値化を推進してまいります。

 さらには、江別の顔づくり事業に伴う商店街再整備や、学生や高齢者などの多様な主体の商店街参入促進を図ることで、地域に根差した商店街の魅力づくりを支援してまいります。

 また、産業の担い手の確保と人材育成のため、新たに働きたい女性の就労支援、大学生の有給インターンシップを導入するほか、高校生への就職支援に取組んでまいります。

 さらには、多くの人たちに江別市に来てもらえるよう、安全でおいしい食と、グリーンツーリズムや健康づくりなどを結びつけ、江別ならではの観光誘客に努めてまいります。

 次に戦略3は、「次世代に向けた住みよいえべつづくり」についてであります。
 子どもは、江別の宝であります。子どもへの投資は、未来への投資であります。

 そのため、子どもを産み、育てやすい環境、子どもが健やかに育ち、心豊かに学ぶことができる環境づくりを進めることが必要であります。

 そこで、これまでも取り組んできた子育て支援策に加え、グループ型小規模保育を実施し、年間を通じて待機児童解消に向けた取組みを進めてまいります。

 また、学力向上のため、全学級への電子黒板の導入や特別支援教育コーディネーターの配置などに取り組むほか、新たに、中学校の放課後における補充学習や、これまでの5・6年生に加え、小学校全学年への英語教育を進めてまいります。

 さらに、体力向上のため、市内大学の協力のもと、小学校低学年に向けた基礎的な運動などを実施してまいります。

 また、人口減少社会や超高齢社会への対応では、各駅周辺を都市活動の拠点として位置づけ、必要な生活機能を集約化した利便性の高い、魅力あるまちづくりを行うことが重要であります。

 そこで、駅を中心とした住みよいまちづくりのため、野幌駅周辺における「江別の顔づくり事業」の着実な実施のほか、江別駅周辺においても活性化に向けた検討を行ってまいります。

 また、駅を中心としたバス路線の再構築を進めるため、新たなバス路線の調査や実証運行に向けた検討を進めてまいります。

 さらには、高齢者等を含む多様な方々にとって住みやすい住環境が創出されるよう、大麻地区における取組みを踏まえ、高齢者の住みかえ支援などを進めてまいります。

 次に戦略4の「えべつの魅力発信シティプロモート」についてであります。
 江別市の素晴らしさや魅力を多くの人に知ってもらうことで、定住人口や交流人口を増加に繋げていくことが重要であります。

 そこで、新たにシティプロモートの考え方をとり入れ、市、経済団体、大学、市民団体等と連携してシティプロモーションを推進するための組織体制を構築し、江別市の創造的な取組みや魅力を発信できるよう、市内外への効果的かつ一体的なPRに取り組んでまいります。

 また、ふるさと納税をされた方に対し、感謝の意を込めて江別の特産品をお贈りし、江別産品のPRに繋がるよう取り組んでまいります。

 以上、4つの戦略について申し上げました。

 次に、平成26年度の江別市予算案でありますが、

 国においては、経済再生・デフレ脱却と財政健全化を目指す予算と位置づけ、競争力を強化し、民需主導の経済成長を促す施策に重点を置くとともに、子育て支援の充実など、未来への投資と暮らしの安全・安心を推進することとしております。
 また、平成25年度補正予算と一体的に編成し、来年度前半に見込まれる景気の後退を緩和し、成長力の底上げを図ることとしております。

 また、地方財政対策では、地方交付税の減少の一方で、地方税の伸びなどにより、地方一般財源総額は、前年度に比べ1.0%の増加を見込み、平成25年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。

 そこで、江別市の予算編成でありますが、国の財政見通しや予算のパブリックコメントなどを踏まえ、今後10年間の総合計画である「えべつ未来づくりビジョン」に基づき、編成したものであります。

 その結果、平成26年度の各会計予算規模と前年度当初予算との比較においては、

 一般会計 444億2,000万円 8.7%の増
 特別会計 241億1,600万円 2.1%の増
 企業会計 191億3,388万6千円 14.1%の増
 合計 876億6,988万6千円 7.9%の増

となるものであります。

 以下、平成26年度の予算案の概要について申し上げます。

 第1に、「自然・環境」について申し上げます。
 江別市の豊かな自然や地域環境を次代に引き継いでいくため、地球温暖化対策、地域環境の保全、水と緑の保全、ごみの減量化・資源化などへの課題に対応するとともに、市民・事業者・行政との協働により環境保全に取り組み、安全で快適な生活環境づくりを進めてまいります。

 そこで、子どもの頃から環境問題に関心が持てるよう、環境教育を積極的に実施するとともに、緑化を推進し、美しい街並みを創るため、自治会が取り組む花のある街並みづくりの花苗代の補助を継続するほか、新たに花壇の水遣りなどに支援してまいります。

 また、ごみの減量化・資源化等をさらに推進するため、古布及び小型家電の回収拠点として、市庁舎や大麻出張所などの公共施設4箇所を、新たに指定してまいります。

 次に、自治会等が管理する防犯灯については、LED照明に特化し、引き続き必要な支援を行い、LED化を加速してまいります。

 また、公共街路灯や市有施設の照明について、LED化を進めていくほか、新たに着工する新栄団地B棟や小中学校の改築には、災害や環境に配慮した施設整備を進めることとして太陽光パネルを設置するとともに、太陽光発電所の誘致に努めてまいります。

 第2に、「産業」について申し上げます。
 地域における活発な産業活動は、雇用を創出して活気のあるまちをつくります。大都市に隣接している立地を活かした都市型農業の推進、地域の特性を活かし、産学官連携や産業間連携等による商工業の振興と新たな地域資源の掘り起しによる観光振興などによって地域経済の活発化を図るとともに、新しい産業振興策の展開に取り組んでまいります。

 そこで、「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」への参画のもとで、北海道情報大学が行う「食の臨床試験(江別モデル)」に対し引き続き補助を行うとともに、新たに市内の食関連企業による商品開発モデル事業及び海外市場開拓に支援してまいります。
 また、市内企業の新商品をPRするとともに、新たに制定した「江別市企業立地等の促進に関する条例」に基づき、市内企業への支援や企業誘致を進めてまいります。

 次に、都市と農村交流促進につきましては、「江別市「まち」と「むら」の交流促進協議会」における直売所、農産物加工品などの取り組みに引き続き補助するとともに、新たに作成するブランドシールに補助するほか、これまで検討してきた、都市と農村交流施設の基本設計を行ってまいります。

 また、「江別市食育推進計画」に基づき、小学生の稲刈り体験を引き続き実施するほか、新たに中学生及び高齢者向けの体験事業を実施するとともに、「(仮称)小麦フェスタ」の開催やブロッコリー等のブランド化を支援するなど、引き続き江別産農産物のPRに努めてまいります。

 次に、江別の様々な魅力に触れてもらうため、札幌圏からの集客を目的としたバスツアーを、子育て世代を対象とした親子バスツアーとして実施するほか、「えべつルートマップ」をリニューアルするとともに、JR駅を起点とした「健康ウォーキングマップ」の充実を図ってまいります。

 次に、商店街の振興や地域経済活性化のための新商品の開発や地域イベント開催等への補助のほか、新たに商店街参入促進に向けたセミナーの開催や相談事業に取り組んでまいります。

 また、江別の顔づくり事業に関連した、8丁目商店街のレンガ等を活用した店舗改装に対し補助するほか、商店街の再編整備に向け、コーディネーターを常設するとともに、商店街の要請により新たに出店したテナント経費等に補助してまいります。

 次に、厳しい雇用情勢を踏まえ、高校生の就職活動への支援を引き続き行うほか、大学生の就業体験や潜在労働力の掘り起こしを図るため、新たに市内企業による有給のインターンシップにより、学生と企業とのマッチングを進めてまいります。

 さらに、働きたい女性と企業をつなぐため、新たに研修会やマッチングイベントなどを実施し、女性の就労支援を行ってまいります。

 第3に、「福祉・保健・医療」について申し上げます。
 全ての市民が生涯を通じて健康に過ごせるよう健康意識の向上と健康づくりに努め、病気や怪我をした際には、必要な治療が迅速かつ適切に受けられるよう医療体制の安定的な運営を図ります。
 さらに、障がいのある方や高齢者が、地域でいきいきと自立した生活が送られるよう、サービスの充実を図るとともに、市民の地域福祉に対する理解を深め、人材を確保することで、地域全体で支え合う体制づくりを推進してまいります。

 そこで、健康づくりにおいては、「第2次えべつ健康づくりプラン21」に基づき、市民の健康増進に向けた各種施策を展開するほか、女性特有のがん検診及び大腸がん検診にあわせて、未受診者に対する検診を勧奨し、受診率向上に努めてまいります。

 次に、国民健康保険事業については、引き続き特定健診の受診率向上に取組み、新たに各種検診の受診に積極的に取り組んだ自治会を表彰し、早期発見・早期治療による医療費の適正化を図ってまいります。

 また、市立病院においては、高齢者などが自宅でも安心して療養できるよう、総合内科医による在宅診療の充実に努めるとともに、南空知地域の公的医療機関との連携強化、札幌医科大学との連携による医学生の研修受入など、地域医療の確保に努めてまいります。

 次に、高齢者や障がい者の福祉においては、介護保険や後期高齢者医療制度、障害者総合支援制度などの安定的な運営を図り、各種介護予防事業や地域支援事業を実施してまいります。
 また、平成26年度で期間が満了する、「地域福祉計画」のほか、「障がい者福祉計画」、「障がい福祉計画」、「高齢者総合計画」の改定を進めてまいります。

 第4に、「安全・安心」について申し上げます。
 交通安全や防犯活動の推進、生活環境の充実などを通じて安全で快適な社会環境を築いていくとともに、防災訓練や自主防災組織の拡充など、地域の防災力向上に向けた各施策を計画的に進めるほか、消防・救急体制の充実を図り、災害に強く、だれもが安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。

 そこで、危機管理体制の強化を図るため、先の東日本大震災を踏まえ、関係機関との連携により総合防災訓練を実施するとともに、新たに災害時要援護者システムを導入するほか、避難所となる小中学校の改築にあわせ備蓄庫を整備するなど、防災対策を計画的に進めてまいります。

 次に、消防・救急の充実では、高度化する救急業務に対応するため、引き続き救急救命士の養成を図るほか、水槽付消防ポンプ自動車や災害情報支援車などについて整備を行い、消防活動体制の充実に努めてまいります。

 次に、市民ニーズに対応して、市営墓地やすらぎ苑内に新たに合同墓を造成し、墓所の需要に応えてまいります。

 第5に、「都市基盤」について申し上げます。
 駅を中心としたにぎわいを創出し、子どもから高齢者、障がいのある方まで、だれもが安心して過ごすことのできる計画的な市街地整備の推進や、安全で快適な道路環境の確保と公共交通の活性化などによる交通環境の充実によって、暮らしやすさを実感できるまちに向けた都市基盤の形成を進めてまいります。

 そこで、中心市街地の活性化を図り、コンパクトなまちづくりを目指す「江別の顔づくり事業」を計画的に進め、平成26年度は野幌駅北口駅前広場や地中熱ヒートポンプによるロードヒーティングなどの供用開始に向けた準備を進めるほか、市内大学と地域の方との連携により実施されるサイクルシェアリングに引き続き支援してまいります。

 また、江別駅跨線人道橋については、平成26年10月の供用開始に向けて準備を進めてまいります。

 次に、市民の足である公共交通を守るため、引き続き路線バスの運行費補助を行うほか、野幌駅周辺の市街地整備に伴いバス路線の平成27年度実証運行に向け、専門家会議で検討を進めてまいります。

 また、高齢者世帯が多い大麻地区の住環境対策として、住みかえ支援を推進するため、PRに努めるとともに、相談窓口を通年に拡大してまいります。

 次に、低廉で良質な市営住宅供給のため、引き続き住環境の改善を図る改修を進めるほか、高齢者や子育て世代などにも配慮した新栄団地のB棟に着手するとともに、多世代が交流できる集会所の実施設計を行ってまいります。

 また、安全で快適な道路環境を確保するため、生活道路の整備・改修を進めるとともに、市民との協働のもと「除排雪事業」や「自治会排雪支援事業」の雪対策を継続して実施してまいります。

 次に、上下水道の整備においては、水の安定供給と災害に強いライフラインの構築のため、基幹管路の耐震化を計画的に進めるとともに、浄化センター機械設備の更新や雨水幹線の整備などを行い、安全で快適な生活環境の整備を進めてまいります。

 第6に、「子育て・教育」について申し上げます。
 安心して子どもを産み育てられ、就労と子育ての両立ができるまちをつくってまいります。

 そこで、保育園での待機児童解消対策として、新たに0歳から2歳児を対象として開設するグループ型小規模保育所を支援するほか、白樺・若草乳児統合園の基本設計及び実施設計を行い、0歳から5歳児までの一貫保育を行ってまいります。

 さらに、子どもの遊び場として、また、子育て世代の交流や就労の情報交換の場として昨年12月にオープンした、子育てひろば「ぽこ あ ぽこ」の充実を図るとともに、新たに文京台地区に出前型のひろばを開設してまいります。

 次に、教育では、それぞれの子どもが持つ個性を尊重しつつ確かな学力の定着に努め、子どもたちが多様で変化の激しい社会を生き抜いていく力を養成し、次代を担う心身ともに健康な子どもたちを育ててまいります。

 そこで、学力の向上では、電子黒板を全クラスに拡大するほか、小中学校学習サポート事業を引き続き実施し、新たに中学校の放課後での補充学習を行ってまいります。

 さらに、小学校における外国語学習について、現行の5・6年生から、全学年に対象を拡大するほか、特別な支援を必要とする児童生徒に対応して特別支援教育コーディネーターの配置をはじめ、補助員を増員するとともに、必要な設備や備品等を整備してまいります。

 また、北翔大学の協力により児童生徒の体力向上プログラムのためのDVDを小学校に配付するなど、引き続き体力の向上を図ってまいります。

 次に、安心して学ぶことができる学習環境を整備するため、学校施設の耐震化を進め、避難所としての役割や地域に開かれた学校の整備を進めてまいります。

 そこで、江別第二小学校の改築工事を継続するほか、江別太小学校、江別第一中学校の改築に着手するとともに、江別小学校と江別第三小学校の統合校の実施設計や仮設校舎を設置してまいります。 

 第7に、「生涯学習・文化」について申し上げます。
 市民が生涯にわたって、心身ともに健やかで充実した生活が営めるよう、学習・文化活動・スポーツを気軽に行える場を提供してまいります。
 また、長い歴史を持つれんが産業や文化・歴史遺産を通じて、市民のふるさと意識の醸成を図ってまいります。

 そこで、多くの講座の受講を希望する方に応えるため、市内大学の自主公開講座とふるさと江別塾とをあわせてPRし、学習機会の拡大に努めてまいります。

 また、セラミックアートセンターでは、江別をはじめ道内外の優れた陶芸作品を鑑賞する企画展を市制施行60周年記念事業として開催してまいります。

 さらに、市民の主体的な芸術文化活動を引き続き支援するとともに、市民等によるまちかどコンサートでは、市制施行60周年記念事業として、新たにピアノ・ソリスト招へいによる公演を開催してまいります。

 また、市民体育館の耐震化を進めるとともに、大麻体育館の耐震診断を実施してまいります。

 第8に、「協働」について申し上げます。
 「江別市自治基本条例」の理念に基づき、市政への市民参加を進めるとともに、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学などの各種団体と連携して魅力ある協働のまちづくりを推進してまいります。

 そこで、まちづくりへの市民参加を推進するため、新たに市民参加条例制定に向けたワークショップの開催と制定委員会を設置してまいります。

 また、未来のまちづくりを担う子どもたちに協働の理念を知ってもらうため、小学生向け啓発用リーフレットを作成するほか、出前講座を実施してまいります。

 さらに、地域での交流や環境美化などの自治活動に取り組んでいる自治会や、協働の街づくりを実践している市民活動団体等へ引き続き支援するとともに、新たに自治会の担い手確保や自治会推薦の市民講師を登録するなど、協働を担う人材育成に努めてまいります。

 次に、江別の知的資源である4大学との連携のもとで、大学教員による地域活性化への研究成果や学生の地域活動への取り組みに引き続き補助するほか、学生の活動に対し、新たに発表の場を設け表彰してまいります。

 また、大学の教員による出前講座のPRを支援するとともに、市内大学の学生を対象に市役所におけるインターンシップを引き続き実施してまいります。

 第9に、これまでの8つの政策を支える「計画推進」について申し上げます。
 効率的な行政サービスの執行と健全な財政の確保により、市の基礎自治体としての機能を充実させ、自主・自立の市政運営を推進してまいります。
 また、市民との情報共有や市内外への情報発信の充実強化のため、よりきめ細かで見やすい広報誌やホームページに努めるとともに、江別のまちの魅力を積極的にPRしてまいります。

 そこで、江別の魅力をより多くの人に知ってもらうため、新たに市、経済団体、大学、市民団体などの関係機関による推進協議会を立ち上げ、連携してえべつの魅力を発信するシティプロモーション事業を進めてまいります。

 さらに、ふるさと納税をされた方に対し、感謝の意を込めて江別の特産品をお贈りし、江別産品のPRに繋がるよう、新たな取り組みを進めてまいります。

 また、市民サービス向上のため準備を進めてきた、住民票等のコンビ二交付や市税等のコンビニ収納を平成26年4月から実施してまいります。

 次に、来年度は江別市にとって市制施行60周年を迎えます。
 この節目の年に当たり、平和都市宣言を行い、核兵器廃絶と不戦の誓いを市民の皆様とお約束してまいります。

 また、記念式典をはじめ、「(仮称)平和祈念の碑」の建立のほか、市制施行60周年の記念事業を行うなど、市民と一緒になってお祝いし、新たな出発にしてまいりたいと考えております。

 以上が歳出予算の概要でありますが、

 次に、歳入の見通しの主なものにつきまして、ご説明申し上げます。

 まず、市税につきましては、企業の景気動向などから法人市民税の増加が見込まれるほか、固定資産税は、家屋等の新増設や企業の設備投資による償却資産の伸びが見込めることなどから、市税全体では前年度当初に比べ2.1%増の121億9,100万円を見込んでおります。

 次に、地方消費税交付金は、地方財政見通しにより増加を見込んだ一方で、地方譲与税などの交付金は減少を見込んだほか、地方交付税では107億1,000万円と前年度当初に比べ1.3%の増を見込んでおります。
 また、臨時財政対策債は、前年度当初に比べ10.6%減の16億8,000万円を見込んでおります。
 その結果、一般財源総額では、263億1,640万1千円となり、前年度より1.0%の増となったところであります。

  また、赤字地方債の性格を持つ臨時財政対策債の借入れは続いており、後年次に地方交付税で措置されるとはいえ、将来の財源確保には不透明な面もありますことから、今後とも市税等の自主財源の確保が喫緊の課題であると考えております。

 次に、市債につきましては、臨時財政対策債のほか小中学校の耐震改築事業や道路整備等の財源に充てるため、総額では50億9,710万円の発行となりました。

 市債の残高は、学校の耐震化を始めとした大型の投資事業により増加に転じることから、今後とも市債残高や償還額の推移について、将来世代と現役世代との負担バランスに十分配慮しつつ、投資的事業の重点化・平準化などにより、計画的な発行を図っていかなければならないものと考えております。

 なお、使用料手数料に関して、消費税率の引き上げ及び関係する政令改正に伴い、道路、河川の占用料等のほか、消防手数料や水道、下水道及び市立病院の使用料手数料について、所要の改定を行うこととしたところであります。

 以上、総合計画の施策体系に基づき、平成26年度予算の大綱について申し上げました。

 終わりに、平成26年度は、私にとりまして2期目の任期を迎える年となります。
 私は、市長に就任以来、「第5次総合計画」と私の基本理念である「市民が真ん中の街“えべつ”を目指して」を実現するため、全力で取り組んでまいりました。
 この間、長引く景気の低迷、一段と進む少子高齢化、人口減少など、本市を取り巻く環境は大きく変化し、厳しさを増しております。

 平成26年度は、これらの環境変化に的確に対応し、先人たちが築き上げてきた“ふるさと えべつ”の輝きを増すため、新しい総合計画の将来都市像「みんなでつくる未来のまち えべつ」に向けてのスタートとなります。

 そのためには、今後5年間で重点的・集中的に取り組む「未来戦略」を大胆かつ着実に、スピードを持って進めることが必要であると考えております。

 それには、市民、自治会、市民活動団体、企業、大学、行政をはじめ多様な主体が、それぞれの役割分担のもと、得意分野や知識・経験などを活かして、ともに手を携えて、「みんなでつくる未来のまち えべつ」づくりを進めていく必要があるものと考えております。

 市民の皆様並びに議員各位の特段のご理解とご協力をお願い申し上げ、平成26年度の市政執行方針並びに各会計予算案の説明とさせていただきます。