野幌まちづくり協議会提言報告書
はじめに
私ども野幌まちづくり協議会に与えられた課題は、「江別の顔づくり事業」の内、野幌地区に関連する主に2つの事業「野幌駅南口に建設が予定されている地域交流施設」と「野幌駅北側の8丁目通りを中心とした活性化事業」について検討を行うことにあたり、2つの個別事業だけを対象とするのではなく上位計画をも視野に入れること、また、野幌地区だけではなく、江別市全体の中での事業であることを自覚することを方針とし、反映することを確認しながら協議を進めて参りましたことから、本提言書はいくつかの特徴を持つに至りました。
第1に、「江別の顔づくり事業」の上位計画である江別市新総合計画・後期基本計画で提唱されているまちづくりの理念・コンセプトを受け継ぎ、より具体的なコンセプトに煮詰めた作業の結果が提示されています。
第2に、野幌への利益誘導という考えは許されないという姿勢を最後まで貫きました。オール江別の事業であることを意識した結果、地区の「住民」という捉え方よりも、人々を「市民」として捉えようという志向が強くなっています。
第3に、協議会のメンバーの主観的な思い込みや認識だけでは、江別市全体の現状は分らないため、そこで、調査は協議会メンバーの有志を中心に、協議会とは別に「江別コミュニティ調査委員会」を設け、市民調査を計画・設計・実施し、調査結果を協議会の議論の素材として活用いたしました。このことは、自分達のまちを自分達が作り上げていきたいという市民意識の醸成の表れと考えています。
第4に、行政と市民との関係を改めて問い直す観点を生み出しています。これまでは、行政に対して生活要求を突きつけ、行政サービスを受け取るというやり方でありました。これは、行政と市民との対話がなされている限りはポジティブに評価されることもありますが、その実質は「棚からぼた餅」式の民主主義です。
私どもは、様々な意味で行政と対等な資格を持った市民や市民団体が、自分達の住むまちの問題を行政と議論し、計画・遂行・評価していくことが望ましいと考えるに至りました。
第5に、本提言報告書の特徴は、私ども「野幌まちづくり協議会」終了後のビジョンまでも提言していることです。それは、上記に示した考え方に基づき、言葉の本来的な意味での行政への市民参加を実現するために考えた一つの選択肢であります。
以上の特徴を持った提言報告書を上梓することができたことを、関係するみなさまに感謝するとともに、より多くの市民の方に本提言報告書が読まれることを期待しております。
平成18年3月
野幌まちづくり協議会長 大國 充彦
表紙・目次 [PDFファイル/113KB]
第1章 上位関連計画 [PDFファイル/292KB]
1-1 江別市新総合計画・後期基本計画
1-2 第5次江別市総合計画
1-3 江別市都市計画マスタープラン
1-4 江別市中心市街地活性化基本計画
第2章 提言検討の前提となる環境や諸条件 [PDFファイル/234KB]
2-1 中心市街地活性化の課題
2-2 商店街苦戦・衰退の背景
2-3 従来からの活性化手法の効果
2-4 江別市の状況
2-5 時代の潮流
2-6 これからの地域や商店街に求められる姿勢や機能
第3章 野幌まちづくりにおける活性化のための考え方 [PDFファイル/176KB]
3-1 まちづくりを進める上でのその他の課題
3-2 まちの特性・ポテンシャル、まちの資産
3-3 活性化を考える方向
3-4 活性化に向けた取組みの姿勢
第4章 コミュニティ等活性化と会館づくりに向けた考え方 [PDFファイル/745KB]
4-1 会館づくりに求められる基本的な考え方
4-2 (仮)市民の暮らし会館の機能構成の考え方
4-3 (仮)市民の暮らし会館の運営等に求められる考え方
第5章 商業・商店街活性化に向けた考え方 [PDFファイル/381KB]
5-1 必要性のある機能・施設
5-2 街並統一の必要性
5-3 街並統一にこだわらないまちづくり協定等の必要性
5-4 ハードウェアに左右されない活性化方策の考え方
5-5 活性化事業の進め方
5-6 必要な支援方策
第6章 協議会以降の進め方 [PDFファイル/137KB]
6-1 「地域再生計画」の推進と多様な事業体制づくり
6-2 市民の暮らし会館づくりに向けて
6-3 8丁目道路整備の真の整備方向を検討・共有していくための取組み
6-4 街路整備等における全体利益と個別利害を調整するための検討
6-5 「江別の顔づくり事業」との連携