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市立病院・地域医療検討特別委員会 平成30年6月29日(金)

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年1月25日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(清水君):ただいまより、市立病院・地域医療検討特別委員会を開会いたします。(10:02)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり進めてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
なお、本日の委員会に本間委員が欠席する旨の通告がございましたので、報告いたします。
市立病院入室のため、暫時休憩いたします。(10:03)

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(10:03)
1市立病院所管事項、(1)報告事項、アの新公立病院改革プランのパブリックコメントについてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。

管理課長:私から、新公立病院改革プランのパブリックコメントについて御報告申し上げます。
別冊資料の表紙をごらん願います。
江別市立病院新公立病院改革プラン、いわゆる新改革プランのパブリックコメントについてでありますが、平成29年1月16日から同年2月15日までの間に実施したもので、その結果、19名の方から111件の御意見をいただいたところであります。
いただいた御意見を踏まえまして、平成29年2月27日に開催された江別市立病院経営健全化評価委員会にお諮りし、所管委員会からの御意見も反映して、新改革プランの策定を完了したものでございます。
各意見の内容及び市の考え方につきましては、別冊資料の1ページ以降に記載のとおりでありますが、意見に対する考え方の区分別の件数については、Aが11件、Bが3件、Cが16件、Dが38件、Eが43件でございまして、意見を受けて案に反映した区分Aの主な内容としては、表現のわかりにくさに関する御意見や各指標の目標値に関する御意見などがありました。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの報告に対し、質疑ございませんか。

島田君:まず、全体的に目を通すと、我々の考え方に当てはまる意見があるのですけれども、これらの意見に対する回答が全体的に通り一遍です。例えば、新改革プランのつくり方について、いろいろな御意見が寄せられているのですけれども、国の新公立病院改革ガイドラインに沿って策定していますという回答で終わっています。全体的にもう少し踏み込んだ回答があってもよかったのではないかと感じているのですが、いかがですか。

管理課長:委員が御指摘の部分でございますけれども、江別市立病院公立病院改革プランをもとにして新改革プランを策定するということで、同様の項目にしなければならないという、ある程度制約されている部分がございました。参考になる御意見がかなりありましたけれども、残念でございますが、最終的にはそのように回答したところでございます。

島田君:今まで江別市立病院経営健全化計画でいろいろとやってきたので、新改革プランではさらに踏み込んで市立病院の立て直しや経営形態の見直しを行うのが目的だと思います。しかし、新公立病院改革ガイドラインに沿って新改革プランをつくるということが目的になって、そのことに終始したように思うのですが、その点についてはいかがですか。

事務局次長:新改革プランの中に記載しているとおり、国の新公立病院改革ガイドラインと都道府県がつくる地域医療構想に沿って策定するという枠組みといいますか、当初からそのように決まっています。ですから、策定の年数は新公立病院改革ガイドラインに沿って一定の期限が設定されていますし、経営の改善や医師の確保といった課題も新公立病院改革ガイドラインに沿って解決していくことになります。その中には、当然、経営形態の見直しも含まれておりますが、新公立病院改革ガイドラインに沿ってつくるというのは、策定当初からの意図でありますので、そういった考えに基づいて策定したことについて、御理解いただきたいと思います。

島田君:国の新公立病院改革ガイドラインに沿うのは当然ですが、江別市を含め、それぞれのまちの公立病院は事情が違いますから、その違う部分をどう捉えて新改革プランに盛り込むかが一番大事なところではないかと思います。市民は、そこをしっかりと聞きたかったのではないかと思います。ただ国の新公立病院改革ガイドラインに沿っているだけだったら、何の評価もできません。市立病院が抱えている問題に対する御意見ですから、それに対しては丁寧に答えなければだめだと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

事務局次長:新改革プランですが、国の新公立病院改革ガイドラインはもとより、都道府県がつくった地域医療構想に基づいて策定するというフレームが当初から決められているものです。ただ、都道府県がつくった地域医療構想は、島田委員がおっしゃられたとおり、当然、地域ごとに異なります。北海道と本州では構造が大きく異なっておりますし、北海道も札幌医療圏と別の医療圏は事情が大きく異なりますので、都道府県あるいは地域ごとの事情を踏まえて、さらに、市立病院が今置かれた状況を踏まえた上で新改革プランを策定したものであります。
その策定において、通常のパブリックコメントに比べますと、かなりたくさんの御意見をいただいております。件数を比べるものではありませんが、担当部署としては、いただいた御意見に対して、回答の表現には工夫の余地があったかと思いますけれども、一定の枠組みがある中で1件1件真摯にお答えさせていただいたつもりです。

島田君:策定に至るプロセスはおいておいて、新改革プランの見直しという点では、一番わかりやすいのは収支計画です。この数字は誰が見ても違うと思うのですが、いかがでしょうか。

管理課長:従前から当委員会に御報告しておりますとおり、現在、診療報酬改定による影響と、前回の委員会で申し上げた1病棟休止を含めて、改めて病院のあり方を検討している真っ最中でございます。それがおおむね固まった段階で、収支計画の見直しについても手をつけなければいけないと考えておりますことから、今後、検討していくということでございます。

島田君:新改革プランの収支計画はもちろんですけれども、ほかのところの見直しもかなり考えられるのでしょうか。

管理課長:全体的にどのようにしたらいいのかということをこれから検討してまいります。

島田君:それは、大体いつごろでき上がる予定ですか。

管理課長:今は、まず喫緊の課題である収支改善をしない限り市立病院の存続はあり得ませんので、それがある程度落ちついてから新改革プランを見直すことになると思います。今後は、単年度ではなく、数年先の市立病院をどうしたらいいのかという部分を含めて考えなければいけないと思います。新改革プランは、平成32年度までの計画期間となっておりますので、そこも見据えた上で、秋口ぐらいまでは喫緊の課題の解決に取り組んでみて、それから次にどうするかを考えたいと思っております。ですから、申しわけありませんが、いつごろまでにでき上がるというのはまだ申し上げられない段階です。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

山本君:島田委員が質疑された中身と重なりますが、別冊資料9ページの38番に記載のある市の考え方を読むと、今までみんなで努力してやってきた医療連携について、これからも、なお一層、連携強化を図るために検討しますというような記載になっています。このことは、今までも新改革プランの中に書き入れて取り組んできましたから、そのために最善の努力をしたことにより、いい評価になると思っていました。しかし、ここでこのように書かれているということは、島田委員がおっしゃったように、私も、十分な成果を上げられていないと読み取りました。つまり、市立病院全体で本当に力を入れた取り組みをされているのか疑問に思ったものですから、そのことを含めて、どのように受け取ればいいのでしょうか。

事務局次長:パブリックコメントの38番には、地域医療連携について回答しております。医療の世界では、入院病床を持つ病院と、診療所、クリニックの役割を分担して地域医療連携を行い、それぞれの持つ医療資源を最大限に活用して患者のために医療を提供していくという動きがあります。市立病院でも、それにのっとって市内のクリニックあるいは市外の医療機関との間で、患者の入院や外来における紹介・逆紹介を進めております。そのために地域医療連携室という専掌組織を病院内に設置しております。そして、市立病院の患者に一定程度の治療を行い、その後、クリニックを紹介するという取り組みを常日ごろから行っております。地域医療連携をどんどん強化することにより、お互いの患者がふえ、また、双方の連携によって患者の治療が進めば一番いいことですので、そのように進めているところです。ただ、この紹介率は4割程度にとどまっておりまして、右肩上がりではありません。今年度になって病院長がかわったこともあって、市内の医療機関に医療連携についてのお願いなどに伺っております。これはずっと続けてきた取り組みですので、継続的に進めていかなければならないと考えております。
このパブリックコメントに対する市の考え方を書いた時点ではそのような考えでおりまして、現在もその考え方にのっとって進めているところでございます。

山本君:実際に、市内の病院からの紹介率は50%ぐらいを目標にして取り組んでいかなければならないと思いますが、市立病院に行けば何とかなるという思いを市民に持っていただけないと紹介率は高くなっていかないと思います。以前は、市立病院にお世話になったとか、よくしてもらったという話を随分聞きましたが、最近は余り市立病院に行かないということで、市民は遠ざかっているように感じています。
私は、パブリックコメントの38番を読んだ時点で、市民はどのように理解するのかと思ったので、伺いました。ない診療科目は仕方がないにしても、どんと構えた市立病院の体制になっているかどうかを見られていると思います。地域医療連携の取り組みは、継続されていますが、形を変えてでも、もっと皆さんが力を入れてやらなければならないと思いますので、そこをもう少し聞かせてください。

事務局次長:市立病院と連携する医療機関との信頼関係といいますか、パイプを強化していくことが地域医療連携を進める道であると思っています。相手先との信頼関係の構築は、市立病院からの一方的な働きかけだけで進むものではありませんので、地域医療連携室を中心とした連携強化の取り組みを継続的に続けていくことが重要だと考えております。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

宮本君:パブリックコメントについてお聞きします。
これは、先ほどから説明があるとおり、国の新公立病院改革ガイドラインに沿って、また、北海道の地域医療構想との整合性を図り、江別市独自の新改革プランを策定するためのパブリックコメントという位置づけだと思います。ただ、私が当委員会で聞いたときに、新改革プランの項目を一つずつ見ていこうという話の冒頭で、市立病院としては、新改革プランに沿った形で取り組みを検討する状況ではないため、喫緊の課題に取り組みたいという説明をいただきました。
そういうことを前提としながら、新改革プランのパブリックコメントについて言いますと、先ほどの説明では、111件の提出件数のうち、区分Dの案に反映しないものと区分Eのその他の意見については38件と43件で、計81件が該当いたします。区分Cについては、案に反映していないが、今後の参考とするものということで16件ありまして、これはいろいろな検討の参考にしていると思います。区分Dと区分Eは新改革プランに特に反映していないということですから除外されていると思いますが、経営的に今のような状況になってきますと、区分Dと区分Eのいろいろな御意見についても、今後、市立病院の経営の抜本的あるいは緊急的な計画を立てるために、もう一度、参考にするという考えはあるのでしょうか。
新改革プランについては、制度上つくったのでしょうから、これらの意見が除外されているのは納得します。ただ、ここにはいろいろと参考になる市民意見がかなり入っていると思います。でも、全てに対して回答があるわけではなくて、区分Dと区分Eという記号を振っているだけで、何ページから何ページまでは同様の回答ということで片づけています。しかし、区分Dと区分Eの市民意見は、いわゆる第三者的な意見も入っているわけですから、今後に生かしていくのかどうか、どのような位置づけとして考えられているのか、お伺いします。

事務局次長:市立病院の経営状況は、残念ながら思わしくないのが正直なところです。この経営状況を改善するためには、あらゆることを検討して、できることを最大限取り組んでいかなければならないと考えております。その検討の中では、新改革プランのパブリックコメントでいただいた御意見を参考にする場面もあると思いますし、別の角度から参考にした結果、ここでお寄せいただいた意見と合致していることもあるかと思います。
これをもとに今の経営改善に取り組むということにはならないかもしれませんが、パブリックコメントでいただいた御意見をもう一度見直し、参考にしながら経営改善のためにあらゆる方策を検討していきたいと考えております。

宮本君:基本的にはそういう答弁になるのでしょうけれども、かなり危機的な状況ですので、一々言いませんが、区分Dと区分Eの意見はたくさんあり、かなり参考になると思います。病院経営に対する姿勢など、いろいろな角度からかなり直接的な意見が出ていますし、なるほどと思う部分もあります。ぜひ参考にしていただいて、今取り組んでいるということがあれば、少なくともこの意見はすごく参考になるという回答をいただきたいと思います。
特に、経営形態についての意見がかなりありますが、区分しているだけで回答していません。最初だけ答えて、以下同様というような回答になっています。
新改革プランの21ページには、経営形態の見直しに取り組むことについて、かなり詳しく記載されていました。しかし、この間は、それすらもうできない状況だとおっしゃったのですから、それでは、今はどういう形で検討しているのか、何か参考になるものはあるのか。江別市立病院経営健全化評価委員会の意見もあるでしょうし、第三者機関を設置するべきという市民意見もありましたが、どういう姿勢で病院運営に臨んでいるのか。病院内部の話し合いだけで改革に取り組んでいるのか、専門家と打ち合わせをするような第三者機関的なものは何かないのでしょうか。

事務局次長:市立病院で検討している取り組みとしては、一般の入院病棟の効率的な運用ということで、一般病棟は地域包括ケア病棟を含めて6病棟ありますが、この運用でいいのか、そこに配置する人員は今の規模でいいのかということを検討しております。これは、病棟の運営と人の配置に関する部分ですので、どういう形がいいかということをまず病院内で検討しております。また、この中に外部の方の意見を直接入れるという段階ではございませんので、毎日、病院内部で検討しているところでございます。

宮本君:ただ、1年間の収支の見通しを見ますと、本当にそういう姿勢でよろしいのかどうか。病院経営について、危機的な状況にあるという認識をされているのでしょうけれども、病院内部だけでなく、外部の意見も入れて、いろいろな角度からもっと積極的に検討する、そういう姿勢が必要な時期ではないかと思います。先ほど、10月ぐらいに具体的な改革の内容を示すということでしたから、それ以降に具体的な報告があると思いますが、それではすごく遅いと思います。それについて、何かお考えがあればお伺いします。

事務局次長:当然、病院事務局としても、市立病院の職員としても、今の経営状況が非常に深刻だと認識しておりますので、一刻も早く取り組むということで内部で検討しております。
遅いという御指摘ですが、病院事務局としては、そういう御指摘をいただくのはごもっともであり、もっと急がなければならないと思っておりますので、鋭意、検討を行って早く結果を出したいと考えております。

宮本君:病院事務局としては最大限頑張っているという答弁だと思います。病院事務局としてという言葉が出るということは、ほかにもっとこういうことがあればスピード感を持って行うことができたり、抜本的改革に取り組めるということはありますか。

病院事務長:当たり前の話ですが、病院事務局が市立病院を運営しているわけではありません。一方で、先ほどから議論になっていますが、市立病院の抜本的なあり方の話になると、これは江別市全体の物すごく大きな課題になります。
今の話題は、パブリックコメントをどう活用するのかということに尽きると思うのですが、議論の中身としては、我々のやり方に対して御批判をいただいているのだと思います。しかし、国が枠組みをつくって策定した新改革プランそのものが、市立病院が抱えている大きな課題を解決する最優先のツールかというと、私は、それは少し違うような気がいたします。そこが少しかみ合っていないために、市民からいただいた御意見を新改革プランに全て盛り込むべきであるという考えがかいま見えます。これは、再三、御指摘いただいている部分ですが、我々の情報開示が不十分だったこともあるでしょうし、また、医療を取り巻く環境が、いろいろなことにいかに大きく影響しているかということを全て詳細まで御理解いただくのは、現実問題としてかなり困難であることも十分認識しております。そういう中で、我々は、いかに適切に大枠を御理解いただくかということに努力しなければならないと思っております。
医師の供給であれば大学も絡みますし、また、北海道全体の医療政策、もっと大きく言えば国の医療政策に大きく絡むこともあります。さらに、次の報告事項にも出てきますが、市内の医療環境、あるいは、今後の高齢化に対して市全体として医療行政をどう考えていくかという視点も不可欠であります。それに対して、病院事務局のみで全て立案し、主導するというのは、申しわけありませんが現実的に不可能です。
実際に、取り組みが遅いという非常に強い御批判をいただきましたし、実は、市の内部からももう少し早く結論を出すようにという指示がありますので、我々は、一日も早く具体的な結果を出せるようにでき得る限りの力を全て傾注しているつもりですけれども、残念ながら、今お示しできていないのは、我々の努力の足りなさを含めて反省するところであります。ただ、医療改革というのは、この委員会、あるいは生活福祉常任委員会で何度も答弁しているとおり、確かに経営のこと、資金のことは最重要でありますが、もう一方で、超高齢化を迎える中で医療資源をどう守っていくかという視点がなければ、逆の意味で将来的に非常に大きな禍根を残すことになるため、慎重に検討しなければならないという面があります。
とはいえ、再三、御指摘いただいているように、本当に経営状態が逼迫しておりますから、まず、当面は実効的な病棟運営のあり方を最優先に考えるべきだと思い、今はそれに全員で注力する段階にあることから、先ほど管理課長から答弁しましたように、その方向性が見えた段階で次のステップへ進むことになります。
また、第三者意見を集約する場を考えているのかという質疑があったかと思いますが、これに対してどんな方策があるかというのは、市立病院だけで考えられる話ではないので、市とも十分協議しながら検討していきたいと考えております。

宮本君:パブリックコメントについての考え方、位置づけはわかりました。
パブリックコメントからはみ出た格好で質疑していますが、当面の方向性が見えるまではそれに傾注したい、その後は、ある程度の段階で、第三者的な意見を取り入れて、また新しいことを市と一緒にやっていきたいという答弁です。
ただ、それで間に合うのか、途中でとんでもないことにならないか、そこを心配しております。この間、一時借入金の使い方についてグラフを用いて説明いただきましたが、そういう方向に進めるのか、わからないので非常に危惧しています。
それから、病院経営について、病院事務局だけでは限界があるようなお話でしたが、もちろん市も一体で取り組むでしょうから、病院サイドから、市あるいは理事者に対して、ぜひ力をかしていただきたい、一緒に取り組んでいただきたいなど、そういうことを今の段階で同時並行的に行ってもいいのではないかと思います。現在やれるものから取り組んでいくというのは、それはそれでいいですけれども、次のステップと言う以前に、同時並行的にやらなければ、大変なことになりませんか。
民間企業であれば、これはもう大変なことです。約90億円の累積欠損金がありまして、さらに平成29年度で約10億円の不良債務、そして、今後の見通しが見えない状況です。言わなくても十分わかっているでしょうけれども、民間企業ならばはっきり言って倒産しています。別に、病院事務局がどうのこうのということではなく、江別市と一体になってあらゆる方法、方策を探し当てていかないと、大変なことになるのではありませんか。ましてや、1病棟を休止して看護師の配置も考えているようですし、さらには、勤務体制も少し変えるようです。やはり、限界があるなら、ざっくばらんに本音を出して市当局と話し合う状況にあるのではないのでしょうか。

病院事務長:誤解を招いたかもしれませんが、我々は当座の病棟見直しに傾注しているから市との協議や協力体制について相談していないということは全くありません。具体的に言いますと、今の最大の問題である資金の問題については総務部財務室財政課、職員体制の問題は総務部職員課、地域医療全体については健康福祉部と、ほぼ全て同時並行で協議を進めております。ただ、病院の問題は市立病院が一番詳しいからというように話を持っていかれることが多くあります。それでも我々は市にきちんと説明しておりまして、具体的には申し上げられませんが、協力体制がかなり進んだ案件があります。
何か言いたいことがあれば言ってほしいということですけれども、答弁としてそれを申し上げるのは私の立場では現実問題としてなかなか難しいです。ただ、一つだけ、繰り返しになりますが、関係部局とは各課長職、次長職を含めて頻回に打ち合わせておりますし、実際にさまざまなデータのやりとりも始まっておりますので、それも並行して鋭意取り組んでいると御理解いただければと思います。

宮本君:話が飛びますが、何日か前、市立札幌病院も経営が大変だということで、経営的な助言をする非常勤の参与が就任して、外部の意見を取り入れて経営改善に取り組むという新聞記事を見ました。私は、やはり、そういうことも必要になってくるのではないかと思ったものですから、素人なりに聞いております。
今の病院事務長のお話ですと、担当部局とも、随時、会議を行っているということですから、当面はやっていけるのだろうと受けとめて、質疑を終わります。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

齊藤君:パブリックコメントについては、A、B、C、D、Eに区分して市立病院としての考え方が示されています。一応、そういった整理をされて、パブリックコメントを活用する形で新改革プランを策定されていると思っており、いただいた市民の声を最大限に活用していくことは重要なことだと認識しております。
そういう中で、パブリックコメントの区分Dと区分Eに関しては、案に反映しないもの、その他の意見という形で整理されているけれども、先ほど、もう一度、パブリックコメントを参考にして経営に生かしていく、あらゆる方策に生かしていきたいという御答弁がありました。これは、新改革プランの案には反映しないけれども、再度、パブリックコメントを活用した形で今後の病院経営に反映していくと理解してよろしいですか。これはあくまでも新改革プランの策定に関して市民意見をいただいたものですが、そこはどのように捉えたらいいのか、お伺いします。

事務局次長:本日提出したパブリックコメントの結果につきましては、新改革プランを策定するためのものですので、このパブリックコメントについては新改革プランを策定した時点で完結したという位置づけになると思います。
このパブリックコメントで寄せられたいろいろな御意見については、今の病院の経営状況を改善する方策の中で参考になるものが多々あると思いますので、今後の経営改善策の中で、この意見の趣旨を反映させていきたいと思います。

齊藤君:今後の参考等にするということであれば、区分Cに入れてもいいのではないかと感じたものですから、確認させていただいております。
病院の経営状況が非常に厳しいことを感じた市民の皆さんの貴重な意見と捉えた上で、今後の病院の経営等にも影響してくるものと考えているのであれば、区分Cであり、先ほどの答弁と異なるという理解でいいですか。
先ほど、もう一度パブリックコメントを参考にして経営に生かしていく、あらゆる方策に生かしていくと答弁されたので、そういう捉え方でよろしいでしょうか。

事務局次長:平成29年3月に行ったパブリックコメントにつきましては、新改革プランを策定するに当たって寄せていただいた御意見で、回答もホームページ等で公表しております。A、B、C、D、Eの区分については、策定の段階で、一応この形で確定し、市立病院から正式に回答させていただき、終了しています。
先ほどの答弁は、あくまでもパブリックコメントでお寄せいただいた御意見を今後の経営改善に生かしていきたいという趣旨でお答えしました。

齊藤君:案に反映していないが、今後の参考等とするものというのは、新改革プランに対して今後の参考にするという理解でいいですか。つまり、これは市立病院のあらゆる経営に関するものではなく、あくまでも新改革プランに対して今後の参考等とするものということでしょうか。

事務局次長:別冊資料の表紙に書いてあるCの区分について、案に反映していないが、今後の参考等とするものというのは、あくまでも参考等ですから、新改革プランに限らず、いろいろなものの参考にさせていただくということで表現しているものです。

齊藤君:そうであれば、このパブリックコメントについては、もう少し重要視した形での区分の整理の仕方があってもよかったと感じたものですから、先ほどの答弁に対して確認させていただきました。この文言の部分を確認して理解しましたので、答弁は結構です。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。

赤坂君:パブリックコメントから波及して、全体的なこと、新改革プランのこと、緊急的なことを混ぜた質疑が出ました。私は、新改革プランについて大きな期待をしているわけでなく、国におつき合いしてつくったものと考えております。だったら、もっと慎重につくって、外部委員会などに諮って意見をいただくべきだったのではないかと思いますが、それだけ急がざるを得なかったから、いい、悪いは別にして、評価としてはこの程度としか思っておりません。
しかし、くしくも喫緊の課題に直面しているから、それに向かわなければならないというのは事実です。喫緊の課題について、外部の専門家、江別市立病院経営健全化評価委員会の委員に相談しているのかもしれませんが、そういう形で市長部局の一部と相談しながら緊急的につくるのであれば、取り組むことができると思います。市長は、端的に、収入に見合った支出にすると言っているけれども、それは当たり前だと誰でも思います。
ただ、病院当局にすると、それは難儀な課題だと思います。一体どんなところに落ちつかせればいいのか、そういう目標がなければこんな難儀な課題は解決しないと思います。加えて、この前、約1億2,000万円の人件費が減るとか、診療報酬改定で年間を通して約9,000万円増益するという話がありましたが、これでは根本的に改善しません。年度で言えば、診療収益が60億円として、支出が仮に2億円減ったとしても67億円です。病棟が一つ休止になって病床利用率が70%から90%になったとしても、大きく変わりません。
しからば、収支の差をどうやって縮めるのかということになります。病院事務局の皆さん方は、そんなことは承知だし、状況は理事者に説明していると思うのですが、その収支差額を一般会計が埋めてくれるかということを相談しているのかどうか。そこが落としどころです。つまり、緊急避難をするために、このぐらいの収支バランスにしないと資金収支が危なくなった場合に、一般会計からどんな支援があるのか。それを模索していると思いますので、その辺について、概要で結構ですから教えてください。そうでないと、正直言って、方向性がさっぱりわかりません。
一般会計から病院事業会計に資金を出すと言っても、相当違った角度から決断すれば別ですが、一般会計も余力があるわけではありません。病院事務局に与えられている裁量は本当に限られていて、経費を圧縮することぐらいしかありません。そんな中で大変だと思いますが、ある程度のアウトラインを示してほしいと思います。
そして、緊急避難的な取り組みはいいとしても、今後議論するであろう病診連携や病院のあり方論につなげていく必要があるだろうし、共通の認識を持つ必要があります。ですから、パブリックコメントのほか、宮本委員から質疑のあった緊急的な取り組みの具体性等々について、お伺いします。

委員長(清水君):暫時休憩いたします。(10:53)

※ 休憩中に、答弁調整を行う。

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(10:56)

病院事務長:具体的な病棟の運営のあり方に関して言いますと、現在、1病棟休止という方向で検討中であります。1病棟休止の場所及び診療科の再編については、内部で調整中でありまして、きょうの時点で最終結論は出ておりません。この中で、いわゆる看護師の再配置については、人件費の削減のために一般会計の部局への人事異動という検討を行っておりまして、並行して江別市職員労働組合との協議も行っておりますが、いまだ完了を見ておりません。したがって、関係者との調整が同時並行で動いている段階ですので、具体的にいつまでに調整を終え、いつから始めるというのは、きょうの段階では言えない状況です。
再三、お話ししているとおり、新診療報酬体系への正式移行が10月1日でございますので、我々といたしましては、新たな体制を含めて、病棟休止あるいは運用の見直しはこの10月1日を一つの目途にしたいと考えております。
一方で、資金収支の問題でございますが、病院事業会計における人件費の負担分を何らかの形で圧縮する方向については、総務部職員課、総務部財務室財政課と協議しております。しかし、この最終的なスキームも、病棟再編の骨格が固まらないと具体的に検討できないことから、並行してやっているものの、こちらもまだ結論が出ておりません。
また、御質疑の中に収支バランスの問題が若干入っていたと思いますが、人件費等の経費削減分で今の足りない現金が全て埋まる見通しかと言われると、やはり現状では相当厳しい状態です。したがって、何らかの財政措置を市長部局と協議していかなければならないということで、先ほど総務部と鋭意調整していると御答弁申し上げました。それも含めて、10月1日にはある程度の目算をつけたいと考えております。
第3回定例会のタイミングで財政措置のための補正予算等を御提案するのは間に合わない状況かと思いますが、そのようなスケジュールで鋭意取り組んでいるところでございます。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
次に、イの市内病院・診療所における診療科目の状況についてを議題といたします。
本件に対する報告を求めます。

管理課長:それでは、市内病院・診療所における診療科目の状況について御報告申し上げます。
資料の1ページをお開き願います。
まず、資料の上段、病院の状況についてでありますが、江別市内には全部で6病院ございます。当院の診療科目は、内科を初めとする17診療科となっております。
また、他の5病院と比べて当院にはない診療科目は、脳神経外科、肛門科、心療内科などとなっております。
次に、資料の下段、診療所の状況についてでありますが、まず、上段の無床診療所は市内に67カ所あり、診療科目数は延べ141診療科となっております。
次に、有床診療所は、市内に5カ所あり、診療科目数は延べ14診療科となっております。
なお、この資料については、北海道保健福祉部地域医療推進局医務薬務課のホームページに掲載されている平成30年4月1日現在の道内医療機関の名簿をもとに作成したものとなっております。
以上です。

委員長(清水君):ただいまの報告に対し、質疑ございませんか。

岡村君:前段で病院事務長から聞いた話が耳に残っていますので、気持ちが乗りませんけれども、そうした考え方、予定が出てきたときに、当委員会としても、そのことにきちんと対峙しながら、地域医療における市立病院としての役割を果たせるのかどうかということを含めて、しっかり議論していきたいと思います。
そのための基礎資料という意味合いがあって資料を求めましたが、そのときにお話ししたように、平成18年に内科医が総退職して、有識者による江別市立病院あり方検討委員会の皆さんが議論するための資料として出されたものがありますので、今回、それと見比べる形で検証したほうがわかりやすいと思いました。そのときから10年以上たっていますが、平成18年12月1日現在の資料と今回の資料は同じようなつくりになっており、江別市立病院の診療科目は17診療科ということで、診療科目の名称を含めて当時と現在は全く変わっていないと思っていまして、そういう意味で、比較するにはいい資料だと感じています。
そこでまず、この資料を見比べて、とりわけ診療所はこの約12年間で大きく変化していると感じますが、地域医療における市内の医療体制がこの約12年間でどう変わったのか、そのことについてお聞きします。

病院事務長:この資料は、各医療機関の箇所数とその標榜科でございます。
第3回定例会に提案する予定ですが、例えば、当院は呼吸器科、消化器科、循環器科などを標榜しておりますけれども、今は暫定で認められているだけで、実際にはもう認められておりません。新たな標榜方式としては、呼吸器内科、消化器内科、消化器外科という形になります。ただ、現状では、当院と同じようにまだ暫定基準で許可を受けている医療機関が多く、重複表現になっているため、数がふえているように見えるのが一つの理由だと御認識いただきたいと思います。
その上で、病院においては、平成18年当時の資料と比較いたしますと1カ所ふえています。これは、精神科単科の専門病院である江別すずらん病院がふえておりまして、その他の病院は大きく変わっておりませんが、藤花会江別谷藤病院が新築されまして、外的な要因としてはこれが一番大きいと思います。藤花会江別谷藤病院は、以前、形成外科があったようですが、それがなくなって、かわりにリハビリテーション科を標榜されていまして、標榜の中身は余り大きく変わっておりません。渓和会江別病院も、ほぼ同じような標榜科で運営しており、乳腺外科が新しい標榜科だと思います。
問題は診療所でして、有床診療所、いわゆる19床以下の病床を持っている診療所でございますが、平成18年は9カ所ございましたけれども、本年4月1日現在では5カ所に減っておりまして、これらはほぼ無床診療所に転換されています。個別の医療機関名を出して恐縮ですが、代表的なのは片山内科胃腸科医院で、以前は有床診療所でしたが、医師の関係で無床診療所に変わっております。当時、有床診療所だった栄光産婦人科は廃業されておりますから、全部ではありませんけれども、多くの診療所は有床診療所から無床診療所に形態変更しております。これは江別市に限らず、全国的に有床診療所自体が減っておりますので、そうした流れに沿っているものと思います。
それから、平成18年当時の無床診療所は、江別市夜間急病診療所を含めて46カ所と報告していると思いますが、この46カ所の中に行政機関などの標榜機関数が入っていたかどうか確認がとれていません。行政機関の標榜科とは何かというと保健センター、江別保健所です。さらに、北海道情報大学も無床診療所の許可を受けていて、診療所を開設していないけれども、法令上は無床診療所の扱いになっているところがあります。平成18年当時はこれらをカウントしていなかったのではないかと思います。さらに、平成18年にはなかったもので一番大きいのは介護系施設の診療室です。主に収容型の施設系サービスを行っているところの診療室が実際に診療行為をするのに医療法上の標榜許可を受けているところがあります。67カ所のうちこれらが8カ所となっています。
67カ所から8カ所を差し引くと59カ所、さらに3カ所の有床診療所が無床診療所に転換していると思うので、実質56カ所になります。平成18年との比較で言うと、診療所がおおむね10カ所開設されており、実態的な医療提供者の流れとしてはそのような押さえが妥当と考えております。

岡村君:比較してみますと、病院の関係では江別すずらん病院が新しく開業されたり、先ほどの答弁にあった増加が一、二カ所ありますが、いわゆるかかりつけ医と言われている診療所は、私の計算では20カ所程度ふえていると思います。そのことは、病院事務長から丁寧に説明いただきましたから、その差異については理解したいと思います。
問題は、そのことと病院経営、患者数に関してですが、患者数については、この間の委員会での質疑で、経済的負担によって受診を控えているとの答弁がありましたが、要求資料の中で明らかになっているように、地域の診療所がふえたことも多少は影響していると思います。ただ、答弁では、かかりつけ医がふえるのは全然構わないということでした。この後、集中的に質疑したいと思っている病診連携をしっかり機能させて、市立病院に患者を紹介していただく流れになれば、かかりつけ医がふえても市立病院の患者数や経営にきちんと反映されるという説明があったと思います。
それは、原則的には正しいと思っていますが、この約10年を見ると、実態として正しいかどうかを検証するのはなかなか難しくて、病院数の増加と患者数を比べれば、多少の差はあっても、やはり、地域の開業医がふえることによって、市立病院の患者数が減っていると思います。それがそうした影響によるものかどうかは解明できないけれども、数字的にはそのように見ることもできると思っています。
そういう意味で、原則的な考え方と実態についてどのように捉えているか、お聞きします。

病院事務長:委員の御質疑の中でも大分御案内をいただいたので、それに即して御答弁を申し上げたいと思います。
開業医の数ですが、天井知らずに開業することは事実上ありませんけれども、当市は、ある程度高齢化していても、目に見えて人口が激減している地域ではないこと、また、札幌市に近いということで、この10年間、江別市への開業意欲というのは相当高いものがあったと認識しております。そういう中で、開業医がふえたので市立病院に行く患者が減ったのではないかとよく言われます。これは、病院のあり方そのものにかかわりますので、なかなか難しい話です。
ただ、市立病院がどうかという以前に、国のそもそもの考え方は、いわゆる総合的な病院は感染症を中心とした新規の急性患者を受け入れるべきではないということです。ですから、今回の診療報酬改定でも、大病院に関しては紹介状なしの患者にかかる選定療養費を500床から400床に引き下げたという流れがあります。本来は、まず一般的なかかりつけ医にかかり、そこで一定のスクリーニングをしていただいてから、一定規模の病院に紹介いただくのがこれからの日本の医療のあり方だと国は言っているし、事実、診療報酬の体系もそうなっております。ところが、市立病院を選択いただく患者が全てそういう方向性になっているかと言われると、現実はそうなっておりません。市民感情でよく言われることですが、何かあったらまず市立病院に行けることが安心だという話に代表されるように、開業医が本来診るべき軽微な疾患の患者が全て市立病院の外来に押し寄せていたというのが、市立病院の新築以降、五、六年の状態でしたけれども、患者の動向としては今も余り大きく変わっておりません。
そういう中で、パブリックコメントにありましたが、若い医師ばかりとか、診療のたびに担当の医師がかわってしまうようなことが影響しているのかどうかわかりませんが、御案内のとおり、結果的に新規患者を含めて外来患者数は伸びていないどころか、漸減している傾向にあります。
最初に申し上げました医療連携を活発にするのが本来の形だということになれば、当院が標榜している診療科目で診療できる内容であれば、約60カ所の市内のさまざまな開業医の皆様から紹介いただき、その紹介患者で経営あるいは医療の質を成り立たせるのが理想です。しかし、残念ながら、先ほど事務局次長が答弁したとおり、紹介率は40%程度で激増しているわけではありません。
そして、紹介患者が当院を選択していただくのは、高齢者の疾患がかなりの割合を占めています。なぜ高齢者の疾患が当院に来るかというと、結局、長年にわたり総合内科を中心にやってきたことが関係しています。高齢者は複数の疾患を抱えて受診されますから、全身を診ることができる総合内科でなければならないということで、はっきり言うと、ほかの病院では紹介を受けてくれない現状にあります。例えば、札幌市の急性期病院の専門医師などがそろっている病院では、高齢者の体の一部分が悪くなっている疾患では受けてくれないので市立病院にお願いしますと言われます。ここが一番問題です。そうではない患者も当院に紹介していただかないと、経営はうまくいかないというのが現実です。我々もそこが一番問題だと思っておりまして、結局、医師の招聘活動についてもこの辺のラインナップを強化すべくさまざま取り組んできたわけですけれども、現実問題として、専門内科医はおろか、残念ながら、昨年度からは総合内科医の体制も弱体化しているのが現状です。
ですから、本来あるべき方向が見えているにもかかわらず、一部しか機能していない現状があって、経営に大きく影響していると認識しているところであります。

岡村君:基本的な病院のあり方論については、従前から聞いていましたから理解しているつもりですが、最後の部分はなかなか難しくて、やはり、そこがこれからの経営健全化の大きな課題なのかと思います。
診療科目については、答弁にありましたように、確かに法の解釈で診療科のくくり方とか名称の取り扱いが変わって、平成18年の診療科目数と比べると大きく違うことがわかりました。平成18年と比べると、病院数は先ほどの答弁のような数ですが、診療科目は100科目ぐらいふえています。その解釈の問題はおいておいても、やはり、開業医がどんどん専門化して、この病院は何科を専門にするというようになってきていると思います。このことは、地域医療の体制としては決して悪いことばかりではなくて、先ほど説明があったように、紹介された患者を市立病院で診て、今後の経過についてはかかりつけ医がきちんとチェックしてくださいということです。そういう意味では、逆紹介として市立病院から市内の開業医に紹介するときには、例えば、肝臓の機能に関してはここの診療所がいいと紹介されているはずですから、このように今の医療資源を上手に循環できればいいと思います。やはり医師が大きな役割を果たしていることが改めてわかりました。
もう一つは、今回の提出資料ではなく、昨年11月に当委員会から要求して提出していただいた資料で、病院と診療所が持っている病床の関係の資料があります。きょうの資料でも無床診療所と有床診療所の関係は数字的にわかりましたが、市立病院の役割としては、やはりこの部分が大きいと思いますので、そのことが経営健全化の大きな課題であるという意味でお聞きします。
平成18年と現在の資料の比較で言うと、先ほど説明があったように、市立病院を初めとする病院の病床数は、市立病院の一般病棟278床を含めて、平成18年とほぼ変わっておりません。ただ、診療所は、先ほどの資料説明の中にありましたが、昨年11月に提出いただいた資料と平成18年の資料を比較してもかなりの数が減っています。
そこで、単純な疑問ですが、地域の開業医の病床数が減っているのに、市立病院の入院患者がふえないのはどうしてなのか。どこかへ行っているのだろうか。健康になって必要としていないのならいいですけれども、患者総体は平成18年と余り変わっていないという前提で言うと、なぜ診療所の病床が減っているのに市立病院の入院患者はふえていないのか。渓和会江別病院を初めとした他の病院も、市立病院と同じように平成18年とほぼ同じですから、このような疑問を持っています。そのことについて、どのように捉えているのでしょうか。

病院事務長:今の御質疑は、有床診療所の患者の減少分が市立病院の患者の増加につながっていないのは、ほかの医療機関に行っているからではないかという質疑かと思います。
これは、まず、産婦人科の影響が相当大きいです。江別市は少子化が大分とまっていますが、生活環境部戸籍住民課への届け出ベースで年間300件を切っている中で、市内で応需している、いわゆる助産所は当院とプリモウイメンズクリニックしかございませんけれども、ここで大体300件受け入れています。里帰り出産もあって、その自治体に届けられる出生数と助産所の受け入れ数は必ずしも合致しないので何とも言えませんが、里帰り出産で市外に出る方と同じくらい里帰り出産するために江別市に来る方がいますから、出生届と受け入れる出産数はおおむね合っていると思います。助産所に関してはそういうことで、結局、有床診療所がなくなった分は総体の出生数が伸びていないことから受け入れられていると思います。
それ以外は主に内科系だと思いますが、ほかの医療機関に患者をとられているという話をすると簡単ですけれども、私は、事はそう簡単ではないと思っています。これは内々の話ですので個別の病院名は出せませんが、実を言うと、市内のある急性期病院の病院長、理事長とお話しさせていただいたときに、その病院も外来患者が相当減っているということでした。
全体的に医療費の自己負担分が増加傾向にある医療制度、あるいは、さまざまな福祉医療、政策医療の制度において、所得階層の考え方が取り入れられて以降、医療機関の窓口での自己負担がふえています。それに加え、特に後期高齢者医療制度等の高額療養費の基準が変わったり、初診時の一部負担金がふえたことなどで、特に年金を主収入としている高齢者を中心に、病気になって病院にかかるときの収入に占める医療費の自己負担の相対的割合が、ここ数年、間違いなく劇的に伸びているという認識を持っています。そういう中で、受診機会というのが言葉として正しいかどうかわかりませんが、現場としては、軽症の場合における医療機関への受診動向は明らかに変わっているという感覚を持っています。データをとっているわけではありませんが、病院のいろいろな会議に行っても、やはり、どの病院の担当者も外来患者の減少は数字として出ているとおっしゃっています。特に、いろいろな診療科を持っている、いわゆる総合的な病院です。実は総合病院という言葉は法的にもうありませんが、旧医療法における総合病院の定義に近い病院の関係者の話では、なかなか患者を確保できていません。
一方で、以前にも同じ答弁をしたと思いますが、特殊な診療を専門的に行うある一部の病院は物すごく患者が集まっています。前回はたしか循環器のカテーテル治療のお話をしたと思いますが、いわゆる特定の診療科目を掲げて、ほかの病院では余りできないことを含めて、専門的に診るということを標榜しているある一部の診療科には患者が相当集まっています。よく専門店化していると言っていますが、今までは我々のようなデパート型の病院に患者が来ていたのですが、今は、どうも個別の専門店と言われるような病院に患者が流れている傾向があるという気がしています。
御質疑の趣旨に即してお答えしますと、有床診療所の減少分が直接的に市立病院の患者数の増加につながっていないことが、市立病院の患者が減っている大きな要因かというと、それは違うという認識を持っております。

岡村君:私自身も、時々、自分の地域のかかりつけ医に行ってみますと、10年前にはなかった医療機器が随分ふえたと感じます。それは、私のかかりつけ医だけではなくて、市内の開業医全体に共通することだと思います。例えば、10年前にはCTやMRIなどは基幹病院ぐらいにしかありませんでしたが、今はかかりつけ医でもそういったものを持って患者に対応されています。これは、患者にとってはいいことだと思いますし、この流れをとめることはできないでしょうけれども、それぞれの役割を果たしながら全体で循環させていくという地域医療の体制を考えると、このことが経営や患者数に及ぼす影響があると素人的に感じています。
その辺について、どのように捉えているのか、あるいは、市立病院の経営状況が大変厳しくなっている要因とは全く関係ない話なのか、お伺いします。

病院事務長:一昔前で言うところの高度医療機器が診療所に相当数入っているのは事実だと思っております。逆に言いますと、そういう医療機器がないと専門的な治療の売りがなくなることも現実です。例えば、近年、開業している大麻地区にある某内視鏡クリニックは、内視鏡クリニックと言っているだけあって、あれだけの内視鏡を設備している消化器科の開業医は一昔前にはいなかったので、隔世の感があります。
その理由の一つは、医療機器の値段が劇的に下がっていることと、特にCTに関して言えばいろいろなレベルがいっぱい出ています。当院は64列マルチスライスCTというタイプですけれども、臨床の現場で標準化しているのは256列マルチスライスCTで、すごく鮮明な画像になっています。昔の64列マルチスライスCTの値段で今は256列マルチスライスCTを買えるイメージですが、それでは開業医が256列マルチスライスCTを購入するかというと、多分、それはなくて、下のレベルのCTを購入すると思います。
臨床の現場を見ていますと、CTはほぼ聴診器のレベルになっている感じがします。診断学と言いますが、いわゆるプロトコルという疾病を診断する方法論の中にCT診断は不可欠なものとして組み込まれています。なお、自院でCTを持っておらず、CT診断が必要だと考えた場合、二つのやり方があります。CTのある病院に紹介するか、あるいは、当院でも行っていますが、高度医療機器の共同利用制度を使って、当院にお金を払い、患者にはCTだけ撮りに来ていただくか、そのどちらかの方法で診断することになります。そうしますと、どこが分岐点かというと、CTを使う患者をいっぱい確保できる医療機関はCTを購入しても問題ありません。CTを購入しますと、診療報酬に反映でき、売り上げを伸ばせますので、医療機器のレベルを上げ、診療レベルを上げて、より患者の信頼をかち得て自分のところの経営基盤を強固にするという方法論だと思います。
今の御質疑につながる話としては、開業医が標準化された医療機器をそろえたから市立病院に患者が来なくなったのではないかということだと思うのですが、それは少し違うと思います。特に画像系の医療機器に関しては、昨今、新聞報道で非常ににぎわせておりますが、撮ることもさることながら、画像をどう見るかという読影がほぼ全てです。自分で見るか、読影委託するか、いろいろ方法はありますが、診療現場での読影の水準が、まさしく診療レベルの差につながります。
そういう中では、多分、初期診断には役立つと思います。開業医がCTを撮った結果、前回のCTやレントゲンでは見えなかった病気が見つかる。しかし、そこで最終診断までするかというと、多分、開業医はそれ以上しないので、精密検査をしたほうがいいということで紹介状を書き、大規模病院に紹介し、そこでもう一回CTを撮ります。その上で、お互いの情報を見比べて正確に判断するというのが実際の診療のやり方です。
ですから、標準化して安くなっている医療機器が民間の開業医にあまねく広がったために大病院が窮地に陥っているかというと、先ほどの病診連携の観点からは少し違うのではないかと考えています。

委員長(清水君):ほかに質疑ございませんか。(なし)
以上で、本件に対する質疑を終結いたします。
これをもって、市立病院所管事項を終結いたします。
市立病院退室のため、暫時休憩いたします。(11:35)

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(11:36)
次に、2その他について、私から皆様にお諮りいたします。
当委員会が要求した三つの資料のうち、本日、病院事務局から二つの資料提出があり、報告を受けたところであります。
前回の協議の中で、9月を目標に当委員会の取りまとめを行うべきとの御意見があったことから、今後、病院事務局から残り一つの経営形態の見直しに係る試算の報告を受けた後の当委員会の進め方として、引き続き、資料を要求して調査を進めていく、あるいは、資料を要求せずに、今までの調査に基づき、調査結果を取りまとめるなど、改めて各委員から御意見をいただきたいと思います。
それでは、今後の調査方法や取りまとめの時期等、今後の進め方について、各委員から御意見ございませんか。
暫時休憩いたします。(11:37)

※ 休憩中に、今後の委員会の進め方について協議

委員長(清水君):委員会を再開いたします。(12:00)
それでは、今後の当委員会の進め方については、休憩中にお諮りいたしましたとおり、市立病院が担う役割について、病診連携のあり方について、医師の確保について、経営形態の見直しについて、さらに調査を進めることとしてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
そのほか、各委員からございませんか。(なし)
事務局からございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(12:03)