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平成18年第4回江別市議会会議録(第4号)平成18年12月19日 6ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

 6 議事次第の続き

議案第74号

議長(岡村繁美君)

 日程第12 議案第74号 江別市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。
 提案理由の説明を求めます。

高間専造君

 ただいま上程されました議案第74号 江別市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定について、提案理由をご説明申し上げます。
 本件は、地方自治法第112条に基づき、江別市議会会議規則第13条の規定により提出するもので、提出者は立石議員、堀内議員、丸岡議員、宮澤議員、そして私、高間でございます。
 江別市議会の議員定数につきましては、平成11年7月、地方分権一括法が成立し、地方自治法の一部が改正されたことに伴い、法定上限数の34人を超えない範囲で新たに議員定数条例を制定する必要がありましたことから、平成13年第4回定例会において、これまでの32人から29人とする条例案を可決し、今日に至っております。
 その後、平成17年3月29日に総務省より示されました地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針、いわゆる新地方行革指針におきまして、行政改革推進上の主要事項として、事務事業の再編・整理、民間委託等の推進、定員管理の適正化などが示されているところでありますが、この中で、地方議会についても、地方分権の進展に伴い果たすべき役割がますます増大していると認識しつつも、議員の定数や報酬に対する各方面からの批判があることにも留意する必要があることが指摘されているところであります。
 一方、江別市においては、内科医師の大量退職に端を発する市立病院の経営状況の悪化、中期財政見通しによると、平成20年度以降、毎年10億円を超える収支不足が見込まれること、さらには平成17年度に策定されました行政改革推進計画Epoch2005では、平成22年4月1日までに医療職を除く職員数を4.6%削減する計画が示されている中におきまして、江別市議会といたしましても、議員報酬の減額、費用弁償の見直しを検討するなど、これまでも自助努力に努めてきたところでありますが、今後想定される厳しい財政運営や、直近の道内他市議会における議員定数の改正状況、苫小牧市議会が2人減の30人、小樽市議会が4人減の28人、岩見沢市議会が2人減の26人に削減されたことなども考慮しながら、議会の機能・役割に支障を来さない範囲で、より市民に分かりやすく、目に見える形でコストの縮減を図る必要があると考えますことから、江別市議会の議員定数を2人減ずるもので、率にいたしまして6.9%の削減、現行の29人から27人に改正しようとするものであります。
 そのほか、附則におきまして、施行期日を平成19年1月1日以後、初めてその期日を告示される一般選挙から施行しようとするものであります。
 以上、提案理由を申し上げましたが、議員の皆様におかれましても、この提案理由の意をおくみ取りいただき、よろしくご審議、ご決定賜りますようお願いする次第であります。
 以上でございます。

議長(岡村繁美君)

 これより本件に対する質疑に入ります。
 質疑ありませんか。

森好 勇君

 六点ばかりお聞きしたいと思います。
 1点目に、最少の経費で最大の効果を上げることは自治体として当然と考えるとしても、議会の役割・権限と行政改革的発想とは次元の違うことではないかと思いますが、どのような見解をお持ちか、お示しを願いたい。
 2点目に、江別市の人口規模で27人の定数は、千歳市9万2,267人、室蘭市9万8,826人より少ない定数ですが、道内の状況と比較してどの位置にあるのか、お聞きします。
 3点目に、議会予算の一般会計に占める率、市民1人当たり議会費など道内での比較も、また併せてお願いします。
 4点目に、議員定数は議員だけの問題ではなく、有権者、市民全体の問題であると思います。住民参加の市政が求められている昨今、それに欠かすことのできない要件として、情報公開、情報開示が必要で、幹事長会議や会長会議で一定の議論をされていますが、その会議は非公開の秘密会議であり、住民には一切知らされていません。市民のいろいろな声を聞く必要があったと考えますが、いかがお考えなのかもお尋ねします。
 5点目に、市民の声を議会に届ける議員数は多いにこしたことはないと思いますが、江別市の場合は人口規模で設定された上限数は34人です。住民の中には議員が多いと言う人もいます。29人では多く、27人がなぜ適正な議員数となったか、お聞きします。
 6点目に、議員定数については、人口規模以外に地域特性としての階層や年齢構成、産業構造などを考慮することとされていますが、大都市札幌に隣接する住民の多様な価値観、様々な市政への要望が渦巻いています。そのような江別市の環境をどう認識されているのか、お聞きしたいと思います。
 よろしくご答弁お願いします。

高間専造君

 今、森好議員から六点の質問がありましたので、順次お答えをしてまいりたいと思います。
 まず、1点目でございますが、最少の経費で最大の効果につきましては、自治体は当然だけども、議会の役割は次元が違うのではないかというご質問でございます。地方議会の基本と言えるのが議員定数であり、最少の経費で議会審議の効率化、調査活動、議会運営の円滑化が求められている。それが、本来の議会の姿でなければ、市民から評価されないと思います。
 そんなことを踏まえまして、現在及び今後の市の財政運営等を考慮いたしますと、議会だからと言っても、最少の経費で最大の効果を上げるという地方自治の原則を無視し、治外法権的な発想に立つことはできないと、私はそのように考えております。
 2番目の近隣の類似都市との比較の問題でございますが、先ほども提案理由の説明で申し上げたとおり、直近の事例を一部申し上げました。人口約17万3,000人の苫小牧市議会では、本年6月に32人から30人に、人口約14万1,000人の小樽市議会では、同じく6月に32人から28人に、人口約9万3,000人の岩見沢市議会では、これはご存じのとおり、岩見沢市は近隣との市町村合併を行っております。合併特例による一時的な議員定数の増加はありましたが、条例で議員定数を28人から26人に改正しております。
 市議会議員の定数は、他市議会の議員定数の状況、市の財政状況や議会運営の効率性を見極めながら、各市議会が自主性を持って、総合的に判断して決めるものと考えておりますので、単純に当市よりも人口や議員定数が多い、少ないからと言って、これを批判する立場に私はありません。
 また、今回ご提案申し上げました議員定数が他市と比べてどうなのかという議論は、基本的になじまないものと考えております。
 3番目に、議会予算の市民1人当たりの議会費でございますが、札幌市議会では平成18年度の一般会計予算7,840億円に対し、議会費は15億4,910万2,000円でありますので約0.2%で、先ほど事例を申し上げました苫小牧市議会では、一般会計予算719億5,600万円に対し、議会費は2億9,518万6,000円でございます。パーセントに置き換えますと約0.41%。そこで、江別市議会を申し上げますと、ご存じのとおり、一般会計は予算381億1,000万円に対し、議会費が2億1,624万5,000円ですので、パーセントに置き換えますと約0.57%となり、これらと比較いたしますと高い数字となっているということがすぐお分かりになり、ご理解をいただけると思います。
 なお、市民1人当たりの議会費についてでございますが、札幌市議会が1人当たり約823円、苫小牧市議会が約1,704円、当江別市議会の場合は約1,757円となっており、一般会計に占める割合と同様に高い数字を示しているわけであります。
 いずれにいたしましても、先ほども申し上げましたとおり、他市議会との比較が必ずしも議員定数の妥当性を計る判断基準とはなり得ないものと考えますので、この点もご理解をいただきたいと、このように考えております。
 4番目に、議員定数の関係で、市民のいろいろな生の声をお聞きする必要があるのではないかという問いでございますけれども、今回の条例改正案は、森好議員ご指摘のとおり、幹事長会議、会長会議というような場で激しい議論をしてまいりました。一本化に向けた結論を出すに至らず、市民の皆様にこれまでの議論の経過について報告する時間がなかったのは事実でございますが、ただ、決してご指摘のように会長会議、幹事長会議は秘密会議で開催しているものではありません。この点をご理解をいただきまして、今後における情報提供の機会を求めていかなければならないかと思います。
 しかし、本日、議案提出者に名前を連ねました各会派の会長のご賛同をいただきまして、提案することができました。この条例が可決されたならば、市民の皆様方から様々なご意見が寄せられることと思いますが、これらのご意見をしんしにお聴きし、受け止める中で、12万市民の代弁者としての議員の役割、責務の在り方など、今後、総合的な観点から議論していく必要があると考えております。
 5番目に、なぜ29人ではなく27人なのかという問いでございますが、現在、地方自治法に規定されている議員定数の上限は、当市におきましては34人であり、先ほども提案理由でも説明しましたが、平成13年に厳しい財政状況の中にあって、議会としても配慮する必要があるということから29人に改正させていただいた経過がございます。
 国・地方とも厳しい財政状況が進む中、近隣市においても、苫小牧市や小樽市、岩見沢市が2人から4人の削減を行っていることにかんがみ、今回の2名削減が着地点とは考えてはおりませんが、議会改革の一つとして、会長会におきましても、会長の中からは実のある数字として判断したもので、取り組むべきであるというお声もちょうだいして、このような形で提案させていただいているわけでございます。
 最後に、6番目でございますが、非常に難しいご質問で、森好議員もご指摘のとおり、江別は大都市札幌に隣接しており、ベッドタウンとして発展してきております。また、4年制大学が4校あり、文教都市としても発展しているところであり、若い学生が多く居住し、活動している一方で高齢化が進んでいる地域もあり、様々な要望が市政に求められていることは、議員各位も承知しているところだと思います。しかしながら、地方公共団体の行政改革が進む中で江別市も例外ではなく、議会としても議会改革に努力しなければならない状況であり、また、市民の様々な声をしんしに受け止めることが大事なことだと考えます。今後も、十分な協議をいただかなければならないと考えております。
 なお、この27人ということにつきましても、幹事長会議での論議やお力をちょうだいし、会長会議でも鋭意協議をしてまいりました。結論ではございませんけれども、いろいろ意見交換の中から出てくることは、やはり議会運営の中で、常任委員会構成の在り方等についても貴重な意見が述べられております。こういう意見を、議員各位から出された江別市の議会運営を将来考える生の声として、今後いろいろな議論を重ねていただければ幸いかと思います。
 以上でございます。

議長(岡村繁美君)

 議事の途中でありますが、あらかじめ時間の延長をいたします。

森好 勇君

 余り再質問するつもりはなかったんですけれども、二点ばかりちょっと聞きたいと思います。
 一つは、提案理由説明のときにも、そして今の話の中でもコスト削減のことを言われていますけれども、2人の定数削減でどの程度のコスト削減が検討されたのか、お聞きいたします。
 もう一点は、時間がなかったので住民に対して何らかの、どんな形か分からないんだけれども、説明をしたいというような話ですので、どのような形で、こういう経過説明なりをするのか、手法をちょっと。今後、住民に対する説明をどのようにしていくのか。二点ばかりお聞きします。

高間専造君

 まず、コスト削減に関してですけれども、これはいろいろな議論があります。やはり、現状からコストを抑えていって、これはもう数字だけの問題でなくして、先ほども言った議会運営の中核を成す常任委員会を含め、委員会の充実を図っていく。例えば、くしくも、現在、ある常任委員会では6人というところもある。これを、少なくともそういうことをなくして、要するに8人、9人という姿で充実させていく。その形の中で、2人の減になった。それ以上削減して何人になったという、要するに単なる数字的な削減でなくして、やはりもっともっと議会運営の充実を図っていくことによって、そういうものは解消されるのではないかなと、そのように思っております。
 それから、住民への情報公開と言いますか、これにつきましては、はっきり言って、もう会長会にしても幹事長会にしても、申合せの背景があるので、条例・規則により設置されている会長会議、幹事長会議ではないわけでございますが、住民の方々から、やはりそういう会議があるのならば、傍聴を含めて、情報公開というご指摘があれば、今後、それについては十分対応していかなければならない。あくまでも秘密会議でやってどうこうということで、先ほども触れましたけれども、そういうことではない。やはり今、この時代ですから、情報公開というのはあらゆる機会を通じて、議会から市民に対してアンテナを張って送らなければならないと、このように考えております。

議長(岡村繁美君)

 ほかに質疑ありませんか。

高橋典子君

 ただいまの森好議員の質疑及びそれに対する答弁も伺う中で、関連するものではありますけれども、またちょっと角度を変えて、私なりに疑問を感じたものですから、伺わせていただきたいと思います。
 先ほどの提案理由説明の中で、議員の定数や報酬に対する各方面からの批判があることにも留意する必要があることを指摘されていると説明されていました。私自身感じるのは、むしろ今重要なのは、議会において民意が正しく反映されているかどうか、あるいは行政を監視し、市民に対し責任を持った議会決定がされているかどうか、そのことが市民から問われているのではないかと考えるところです。
 議員定数が少なくなるほど、大きな支持組織を持たない、いわゆる市民派の議員が選出されにくくなるのではないかと、一般的に指摘されているところでもありますし、幅広い知見を持つ人材の確保が難しくなるのではないかとの、そういった懸念もあります。それにより、議会の審議機能が低下しはしないかと懸念するところです。
 先ほどの答弁の中でおっしゃられていたのは、今回の27人という提案を着地点とは考えていないと、このようにおっしゃられていました。議員定数は、民主主義の根幹にもかかわる重要事項であり、市民の代表を決める重要な議員選挙に大きな影響を与えるものでありますから、議会で決定する際には最善のものを提案し、議決すべきだと考えております。
 そうした考えに立ってお伺いしたいと思いますが、先ほども説明の中で述べられていたように、地方分権のさらなる進展が予想される中、議会の機能を十分発揮するのに最低限必要な定数をどのようにお考えなのか。今回の提案された人数が最善とは判断されていないのかどうか。先ほどの答弁の内容も含めて、真意を伺いたいと思います。
 もう一点、コスト削減の関係ですけれども、それであれば、そのほかのコスト削減の方法として、報酬の見直しについては今回の検討の対象にはされなかったのか、あるいはその他の経費の節減など様々な手法を駆使することがまず必要であるのではないか。その上で、議員定数というのは民主主義にかかわる問題として、慎重に考えるべきではないかとも思いますが、そうした他の手法はお考えにならなかったのかどうか、伺いたいと思います。

高間専造君

 お答えしますが、足りなければまた問いただしていただきたいと思います。
 現在の定数で市民の声が反映されているかと言うと、私は十分反映されていると思います。より良く市民の声を反映させる江別市議会であるためには、このような2人削減の判断をさせていただいたということです。
 この2人というのは着地点なのかどうなのか。これはもう行政のこれからの地方分権、行財政改革と同じく、議会もやはり改革をしていかなければならない。現時点では最良だと思うけれども、いろいろな議論が出てきて、その時点で、これからさきにベストな議論がされて、そうだという皆さん方のご意見が出されて合意するならば、また新しい取り組みもあるかもしれない。それについては、私は現在では否定はできません。
 それから、コスト削減の関係で、報酬等の見直しと。これにつきましては、もうはっきり言って、今回のこの議員定数の問題ではなくして、皆さん方もご存じのとおり、要するに議運がありますね。議会運営委員会で本当にご足労されていると思うんですよ。ほかの市町村はどうだということで、調査をするために視察に行っている。その中で、全国各地、北海道ばかりでなく、あらゆる面の調査をしていって、やはり議員報酬は幾らだと、政務調査費はどうだとかあれだとか、また、都市型のまちに行くと、自転車で議会まで通う議員もいらっしゃると、そういうのはどうするかと。いろいろなケースを検討しているんですから、そのまとめが今日までにはできなかったけれども、必ずやこれは継続的な形をもって議会改革や円滑・円満な議会運営のために、必ず議員各位の中での議論の場が出てくると、私はこのように考えております。
 以上です。

議長(岡村繁美君)

 ほかに質疑ありませんか。
             (「なし」の声あり)
 これをもって質疑を終結いたします。
 お諮りいたします。
 本件については、委員会付託を省略いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
             (「異議なし」の声あり)
 ご異議なしと認めます。
 よって、そのように決しました。
 これより議案第74号 江別市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定についてに対する討論に入ります。
 討論ありませんか。

森好 勇君

 議案第74号 江別市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定に反対の立場で討論を行います。
 地方自治に関する定義として、地方自治は民主主義の学校であると言われております。国民が日常起こる身近な問題を通して、政治が本当に自分たちのものになっているかどうかを判断する際の最も適当な舞台が地方自治であり、主権者としての国民が自らの暮らしと政治を結び付けて、政治的自覚を成長させることができることを指していると思います。
 このことは、地方自治体こそ、住民が国や地方の政治・行政に対して自分たちの意思や希望を反映させていくための一番身近なルートであり、議員選挙を通じていることはもちろん、ふだん近間にいる議員を介して、請願などの紹介議員となるなど、住民と直接かかわる仕事も議員の大きな任務であります。住民自治とは、地方の政治や行政が中央の官僚によってではなく、その地域の住民とその代表者によって行われること、つまり民主主義が徹底されることです。
 議会・議員の仕事は、議決権、選挙権、監視権、意見表明権、自律権など、多岐にわたり権限を有します。条例の制定・改廃、予算の議決、決算の認定、契約の締結、財産の取得・処分、主要な人事に対する同意、執行機関に対してチェックし、監視・監督する重要な権限もあります。議会がその機能・権限を生かして、住民の利益を守る役割を果たすように活動するのが、住民代表としての議員の任務です。
 前置きはさておいて、反対する1点目に、住民代表としての議員の任務からして、定数に関しては十分に議論する時間が必要なことです。2001年(平成13年)12月議会で32人から29人への減数時には、2年余りの議会運営委員会での調査・研究をしたのと比較しても、唐突であり、また、4か月後に迫った市議選挙を目前としたこの時期の減数提案は、住民にとっては納得できるものではありません。
 2点目に、地方分権の推進と言われる時代すう勢の中、地方自治体の自己決定・自己責任が問われることになり、行政、議会ともそれに対応することが求められています。自治基本条例、男女共同参画、自治体合併、顔づくり事業、指定管理者、公設民営化、高齢化や少子化に対応する施策、また、市立病院問題や長期的財政運営、議会として果たす役割・責任は、今後とも一層大きくなることは明らかです。
 3点目に、一部住民の中には、今回の市立病院問題で、市長の責任もあるが、市議会議員は何をしていたのか、住民のために役立つ議会ではないとの批判もあります。議会は市立病院の人事権まで権限が及ばないことなど、曲解、誤解もありますが、事情を説明すれば納得します。しかし、議員の日常活動、政策活動、広報活動など、市民に理解される資質向上が求められているとともに、議会活性化のために現在の議会運営委員会で決定されていますが、さらなる検討を要すると考えます。
 4点目に、定数削減の理由の一つに財政効率、財政運営の面から必要と言う人もいます。定数問題と財政効率は次元が違います。私は100%否定しませんが、江別市は、道内各市の議員歳費、定数なども参考にしてきたところであります。江別の市議会予算が、他市から比べても特段高い水準ではありません。議会費縮減のためにこの間、議員報酬の引下げ、議員定数減、海外視察の凍結、個人行政視察の廃止など実施してきています。
 北海道市議会議長会の平成17年9月の資料によると、江別市の議会関係予算は石狩管内と人口で江別市に近い北見市、石狩管内ではないが隣接する岩見沢市との比較でも、議員報酬では北見市、千歳市、岩見沢市より低く、市民1人当たり議会費では1,000円以上少なく、北広島市3,750円に対し江別市は2,359円と、1,400円近くの開きがあります。このように、議会予算に対しては、従来から縮減の努力をされていることがデータ上からも明らかです。
 道外の12万都市や類似団体との比較では、神奈川県座間市が定数26人で議員報酬40万4,000円、大阪府箕面市が定数28人で議員報酬57万9,500円、大阪府富田林市が定数22人で議員報酬61万円、埼玉県朝霞市が定数28人で議員報酬37万9,000円、奈良県橿原市が定数26人で議員報酬56万2,000円。このように、議員報酬には相当の開きがあり、また、行政区域面積は江別の3分の1ないし10分の1、こういう人口密度の大きな違い、そういうことを考えるならば、比較対象にはふさわしくない感があります。
 5点目に、全国市議会旬報10月25日の誌面に地方議会と市民参加パネルディスカッションの概要が掲載されています。その中で、議会の制度・運営の改革の項で、NPO研修・情報センター代表理事の中西氏は、議員の数についてはマスコミは批判することが多い。しかし、少数であれば民意が偏る可能性があるため、私は逆に増やしてもよいと思う。地方分権に対応する議会活動は重要で、増員をも指摘しています。平成11年に地方自治法の一部改正により議員数の算出根拠が変わり、人口10万人以上20万人未満の上限数は36人から34人になっています。上限数より7人、8年前から見ても5人減少することになります。
 日本共産党は、議会制民主主義を守り、議会の役割、権限、機能を果たすため、現状の29人を維持することが必要であると考えています。
 最後に、日本共産党議員団は、議会制民主主義を守り、市民に信頼され、役立つ議会の一員として資質向上に努め、今後とも住民の意思を十分議会に反映し、住民の負託にこたえる議員活動に努力する決意を述べ、江別市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定についての反対討論といたします。
 以上です。

議長(岡村繁美君)

 ほかに討論ありませんか。

坂下博幸君

 議案第74号 江別市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定について、賛成の立場で討論します。
 議員定数については、議会運営委員会、会長会議、幹事長会議等で議論を尽くし、最終的には会長会にて合意に至ったものです。定数条例改正の合意に至ったことに対し、関係各位のご努力に感謝申し上げます。
 定数削減の考え方として、以下の件を申し上げます。
 一つには、全国的な景気動向と江別市内の景気実態とは連動性がなく、いまだ回復傾向にはありません。江別市内の経済状況にも配慮すべきで、議会としても、より市民に分かりやすく、目に見える形でのコスト縮減を示すべきであること。
 二つには、江別市の中期財政見通しでは、顔づくり事業など主要な投資的事業を見込んでも、平成19年度6億2,000万円、平成20年度12億8,000万円、平成21年度13億6,000万円の収支不足が見込まれるなど、財政的な厳しさが増すことが考えられること。
 三つには、江別市立病院の経営状況は、内科医師の大量退職により、10月1か月だけでも約2億5,000万円の赤字を計上し、今後の推移にもよりますが、約18億円以上の累積債務が生ずる危険性があり、一般会計にも相当の影響があるものと考えられること。
 以上のことからも、今後、大胆に行政改革を進めていかなければならないことが想定され、ますます市民の理解と協力を得なければならず、いち早く議会として改革の姿勢を市民に発信しなければ、理解を得ることはできません。さらには、市立病院問題では、市民や患者の皆様に多大な迷惑をお掛けしたこと、議員として、病院経営の経営難に対して責任を感じるものであり、時期を逃さずに今回、定数削減を行うべきと考えます。
 以上のことを申し上げ、議案第74号 江別市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定について、賛成の立場で討論といたします。

議長(岡村繁美君)

 ほかに討論ありませんか。

赤坂伸一君

 議案第74号 江別市議会議員定数条例の一部を改正する条例の制定について、賛成の立場で討論いたします。
 議員定数については、会長会議を経て、議長より幹事長会議での協議を求められ、限られた期間ではありますが、4回の協議を重ね、各会派から、現行条例定数の29人から24人までの幅で提示があり、12月14日、最終的に一致点を見いだすに至らなかった経過があります。
 しかしながら、今日的には自治体財政、地方財政は非常に厳しい状況にあり、とりわけ交付税の削減などひっ迫した状況にございます。行政のスリム化とともに、議員定数も全国的に減数のすう勢にあり、議員定数と財政の関係が問われているものと考えます。
 幹事長会議に提示されました資料では、江別市の類似団体は、全国で合併市を除いて33団体ありますが、類似団体3-5類型に属しまして、人口の最高は13万1,000人の市から8万人の市まであり、この33市の条例平均定数は24.9人であります。
 平成16年度の財政力指数では、一番高くて1.32で、1を超えますと交付税が不交付になる。1.32の埼玉県の戸田市から0.5の沖縄市まであるわけであり、江別市は0.49と最も低く、一般財源で経常経費を賄え切れるかという経常収支比率では89.9%で、これは低い方がいいわけでありますが、江別市はこの33市の中で20位と低い方に位置しているわけであります。20%になると起債発行制限を受ける制限比率では、13.7%で、20.6%の芦屋市を上位に、上から3番目であると、こういう状況であります。
 平成16年度の市民1人当たりの起債残高は、平均33万円のところ江別市は37万6,000円で、芦屋市を最高に室蘭市、千歳市などに続き7番目であり、人口1,000人当たりの職員数では5.77人で、類似団体でも6番目に低いと。合併市を除いた全道31市でも最低であり、少ない職員数で頑張っていることがうかがえます。
 12万都市の平均でも、条例定数は25.8人、札幌市を除く道内30市平均では22.4人となっております。最近の改正ではありませんが、12月あるいは2月の直近の改正があるわけでありますけれども、三笠市、滝川市の例がございます。先ほどもありましたように、本年6月に苫小牧市、小樽市、そしてもっと最近では夕張市、歌志内市の報道されている減員がございます。
 江別市の中期財政見通しでは、顔づくり事業など主要な投資的事業を見込んでも、平成19年度6.2億円、平成20年度12.8億円、平成21年度13.6億円の収支不足が見込まれ、貯金である基金は財調、減債、土地開発、基本財産基金など、現金を活用しても最大63億円プラス1.8億円程度活用できます。基金の残高は、類似規模の都市と比較してもトップクラスであります。これを大事に使わなければならない。
 しかし、一方では、病院経営は、今年度末に累積赤字が50億円に上り、不良債務も2億2,000万円発生し、平成19年度はこのまま推移すると、さらに20億円前後の赤字と不良債務が上乗せされることになり、固定医の確保の可否と経営問題が至上命題であると考えられ、市民医療をどう再生するか、将来に向かった論議が不可避となります。
 現時点での私の分析では、これら赤字や不良債務の解消は、病院事業会計自体では極めて厳しく、また、金融機関の動向も厳しいものがあると想定され、一般会計からの貸付けや他の手法を用いても厳しいものがあると思われます。
 ちなみに、定数2人減の財源効果は、4年で手当も含めて5,720万円余りの削減となり、財源を行政施策全般に活用することができるわけであります。一方、現行議員報酬37万8,000円でありますが、これは類似団体と比較して、下から2番目、全道規模でも少ない部類に入るわけであります。財政を見比べながら、将来的にはこのことも議論されるものと考えるところであります。
 以上を踏まえまして、一つに、財政状況と全国的な議会のすう勢、さらには市民の生活実態を踏まえる必要があること。二つに、市民や患者さんに多大な不便を強い、病院経営が危機に直面していると認識し、議員としての職責を感じざるを得ないこと。三つに、今回の定数改正を逃すと、4年後となること。四つに、改選後速やかに本格的な議員定数の在り方について協議することを強く求め、2人削減し、現行の29人から27人に改正する提案に賛成するものです。
 以上です。

議長(岡村繁美君)

 ほかに討論ありませんか。
             (「なし」の声あり)
 これをもって討論を終結いたします。
 これより議案第74号を起立により採決いたします。
 議案第74号は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
             (賛成者起立)
 起立多数であります。
 よって、原案のとおり決しました。

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