ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 江別市議会会議録 > 委 員 会 会 議 録 の 閲 覧 > 令和5年分の目次 > 総合計画特別委員会 令和5年11月13日(月)

総合計画特別委員会 令和5年11月13日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年3月19日更新

(開会前)

※ 日程確認

(開 会)

委員長(芳賀君):ただいまより、総合計画特別委員会を開会いたします。(13:28)
本日の日程は、開会前に確認いたしましたとおり、次第に記載のとおり進めてよろしいでしょうか。(了)そのように確認いたします。
1付託案件の審査、(1)議案第75号 えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)の基本的な構想部分についてを議題と致します。
本件につきましては、前回の当委員会で、開会中に自由討議を行うことが確認されておりましたので、議案第75号について、総合計画策定に係る長期的見通しと課題について、自由討議を実施したいと思います。
それでは、岡委員から発言願います。

岡君:自由討議ということで、まず、私からお話をさせていただければと思います。
何点か、課題と感じるような部分をお話しさせていただければと思います。
最初に、今回の第7次江別市総合計画策定に当たりまして、少人数で構成するカテゴリー別に分けた、30という様々な当事者の方も含めた市民グループから意見聴取が行われたことは、評価できる点だと考えております。
一方、出来上がってきた総合計画を見ますと、例えば、江別市の強みといったような部分などは、なかなか面白い視点からの記述になっていたように思いますけれども、まちづくりの主な課題や目指すまちの姿といった部分は、全国どこの自治体の計画にしてもいいような型どおりといいますか、通り一遍の記述も多くて、もう少し市民から頂いた様々な意見を反映して、江別市の独自性を出した記述が欲しかったという思いを持っております。
次に、人口減少にどう対応していくかということで、総合計画の中でも人口減少対策が最も大事だと、理事者質疑でも市長はそういったお話をされていたかと思いますし、これが今後10年の大きな課題であるというのはそのとおりだと思います。
ただ、どういう状況になるのかということで、例えば、高齢化の部分については、人数と高齢化率というのは、この10年も徐々に上がってきましたけれども、今後の10年もピークに向けて徐々に増えていくことは分かっていることかと思います。
一方、少子化については、出生率の上下は変わるとしても、絶対的な子供の数というのは、基本的には減少傾向が続いていくことになるのですが、ただ、江別市の場合は、子供の人数という意味では、ここ10年、特に5年ぐらいを見ると、様々な政策を打つことによって、子供の数を増やすことに一定程度介入できる余地がありますので、そういった部分をもっと打ち出していく必要もあったのではないかなと。
また、人口減少について懸念しなければいけないのは、人手不足がこれまでの10年と今後の10年で圧倒的に違ってくる部分だと思います。
様々な業種での働き手の減少、そして、行政以外も含めた様々な公的なサービスの担い手が減少していく中で、今までどおり全てやることは難しいと思いますので、我々市民、社会の側も、サービスが受けられなくなっていくという認識を持った上で、それではどう考えていくのかといったようなことが、次の10年を見据えたときに、総合計画の中でその解決策を記述するのは難しいにせよ、そういった問題意識はもう少し入っていてもよかったかなという思いを持っております。
次に、審査の中でも何回かお話をさせていただきましたけれども、総合計画全体における評価の体系、皆さんもえべつ未来戦略の部分で、具体的施策とKPIの部分がおかしいと感じられたのではないかと思います。
これは一番上に政策があって、その下に取組の基本方針があって、さらにその下に具体的施策という体系があるのですけれども、1つ上の政策目的に対してどういう手段を考えていくかということと体系が違った形になっていて、現状のままでは、よりよい取組の手段の組合せを考えていくという部分が難しくて、弱いかなと思っております。
関連して、我々は、何事も事務事業ベースという非常に細かい予算の単位で考えてしまうところがあって、本来はより上位の目的に対してどういった手段、取組が必要なのかという考えが必要なのですけれども、その点が今の政策体系全体では弱いかなと思っております。
総合計画にもPDCAサイクルということが書かれているのですけれども、事務事業評価のみでは、事業の見直しを行うツールとしては弱くなっていて、結果として、皆さんも感じておられるかと思いますが、事業の見直しがなかなかうまくいっていない部分があるかと思いますので、より上位の目的に対する手段の組合せを、適切に評価できるような行政評価体系を考えなければいけないと思っております。
最後は、理事者質疑にもなりました歳入確保の視点についてです。
総合計画に書いてあるまちづくり政策というのは、基本的には予算の歳出に対応している一覧ということもあって、これまで歳入確保の視点が弱かったことは否めない事実かと思っております。
ふるさと納税制度がどうなのかという議論は私も思うところですけれども、今、これだけ自治体間競争になっている中で、江別市は、江別市民がほかの自治体にふるさと納税してる額のほうが多いわけで、現状は市民税が好調ですが、これは転入者や女性や高齢者の働き手が増加していることによる効果です。そういった状況を考えますと、どのように歳入を確保していくかを全体像として示して、実行していく、そういった視点も必要なのではないかと思っているところでございます。
以上、総合計画の審査全体を通じまして、課題だと思う点をお話しさせていただきました。

委員長(芳賀君):ほかの委員から御発言ございませんか。

藤城君:私も、自由討議という形で、長期的見通しと課題についてお話をさせていただきます。
第7次江別市総合計画というのは、今後10年を見据えたまちづくりの方向性を示す重要なものでございます。
しかしながら、長期的とはいえ、この計画は、時代や社会経済の変化に柔軟に対応して施策に反映していかなければ、市民が主体の協働のまちづくりは実現できないと考えます。
先ほど岡委員もおっしゃっていたとおり、計画の中には、抽象的な部分や表現が市民に分かりにくいことについて質疑があり、一部変更されたところは評価いたしますが、表現や図表に関しては、まだまだ意図するところが理解しにくい箇所もあり、課題であると思っております。
一方、理事者質疑においては、市長から、持続可能な行政運営に対して、あらゆる手段を講じて歳入確保に取り組むとの答弁もございました。
市民全員の幸せが未来へ続くまちという目的を達成するためには、戦略の内容を注視しながら、この計画が多くの市民の賛同の下、市と市民、そして、議会が共通認識の下で進められることを期待いたしまして、自由討議を終わらせていただきます。

委員長(芳賀君):ほかの委員から御発言ございませんか。

長田君:私からも、自由討議という形でお話をさせていただきたいと思います。
まず、今回の総合計画の審査を通して、全体的に現行の第6次江別市総合計画を踏まえた上で、市民に分かりやすく、興味を持って手に取っていただくことをコンセプトにつくられていることを感じる部分が随所にありました。
多くの市民の方から意見を伺う機会をつくって、より多くの人を巻き込んで策定の準備を進めてきたことに関しては、前回の総合計画と比べても、しっかり取り組まれているのではないかと率直に感じたところであります。
各分野の基本的な事業の方向性に関しても、各部局から説明がありましたが、当会派としては、ケアラーに関しては、今後さらに理解を広める必要があるため、明確な記述が必要ではないか、また、バリアフリーについても、具体的な対応は計画から削除されているけれども、考え方の醸成は今後も必要だと考えており、市民の皆さんにとって重要なことだと認識しておりますので、その点については、しっかりと審査をさせていただきました。
ただ、具体的な取組は、個別計画において示していくということ、また、明記されていない点でも、考え方や対象とすべきものについては、ある程度考えて盛り込んでいるという答弁でした。
大事なのは、今回の審査を踏まえて、総合計画で定められたことは個別計画に反映されているかを、議会としてもしっかりとただしていくことが重要であるというふうに考えております。
また、えべつ未来戦略の部分については、5つの戦略を達成するためということでありましたけれども、この戦略の中でどのような事業が進んでいって、その効果を示す指標、KPIは適切なのか、そもそもこの戦略の指標はこれで十分なのか、ほとんどのKPIは1つか2つですが、これが3つあってもいいのではないかなと感じたところであります。
なので、現状でこれが本当に正しいのか、本当に判断するべき指標となり得るのかというところも、明確にこれが正しいかどうかというところは、なかなか判断できないところも感じておりました。
また、戦略を進める過程がもっと見えてもいいのかなと感じたこと、さらに、最終的にえべつ未来戦略がどう達成されたのかを評価する指標についても、さらに検討したり、課題として突き詰めていく必要があるのではないかと感じたところであります。
総合計画は、大きな道筋をつけるものであることは理解しておりますけれども、今後、全体を通して、総合計画は何のためにあるのかという存在意義も確認をしておく必要があるのかなというふうに思いました。
総合計画でどこまで示していけばいいのかという着地点、総合計画ではここまでを示すのだというものが、もっと分かりやすいほうがいいのではないかというふうに思います。総合計画の在り方という部分については、議員間でも認識が違っていたようにも思いますので、そこは率直に感じた部分であります。
最後に、総合計画は、首長である市長の思いもある程度反映されるものではないかと考えていますけれども、今回は、市長が交代のタイミングでの策定ということで、前市長の時代から策定準備はされていたと思いますが、市長任期と総合計画の10年のずれに関しては、今後、在り方を模索していくことも必要ではないかと感じたところであります。

委員長(芳賀君):ほかの委員から御発言ございませんか。

稲守君:私どもとしましても、皆さんから聞いている話と同じように、総合計画をつくっていくに当たっては、多様なグループからいろいろな話を聞きながらつくってきて、今後10年間、江別市の在り方をどうしていくかを話し合ってつくられてきたことはとても評価するべき部分であるし、頑張ってやってきたということは分かるのです。
ただ、中身に入って、皆さんのお話や会派での話を聞きながら思うのですけれども、全体を通して印象に残らないというか、長田委員の話にもありましたが、着地点が見えづらいということは全体を通して感じていました。
私も総合計画の策定というものに関わるのは初めてですし、前期の計画を通してやってきたとはいいましても、前回は途中から入っていますので、どういった形で進んできたのか分かりづらかったというのもあります。
10年後を考えていくとなると、相当細かい部分も出るのかなと考えていたのですけれども、実際に出てくると、細かい部分は後段の事務事業評価表のほうに持っていくということで、これは全体的な方向性を出すものだということが、委員会の中でだんだん私自身も分かってきたところだったのです。
ただ、私どもとしましては、まちづくり政策とか細かい点について、言葉の変更などはいろいろとあったのですけれども、まちづくり政策のふるさと愛など、そういった言葉に関してはなかなか一致できないところもありました。
委員会でも、リベラル性に欠けるというお話をさせていただきました。押しつけではないまちづくりをしていくことが、今後、いろいろな方が江別市に入って住んでいく中で、どんどん愛着を持って、この江別市を一緒につくり上げていただける、そういったまちづくりをしていくべきではないかということから、そういった言葉を入れるのはどうかということで、ふるさと愛に関しては基本的な構想の部分に入っておりましたので、どうしてもその辺は気になる部分ではありました。
また、えべつ未来戦略については、皆さんも言われているのですが、私どもも、ここのページだけは違和感というか、全体的な構想なので細かいところは今後考えていくというのは分かるのですけれども、であるならば、なぜ民間事業者の名前が入っているのかという疑問に関しては、部局のほうからも答えが得られている感じはありませんでした。
そういったものを今後10年間どう見ていくのかを考えたときに、構想というものの在り方、今後、議会としてもずっと取り上げていくわけですけれども、もう少し議論を深めていけるようなやり方をするべきではなかったのかという感じがしております。

委員長(芳賀君):ほかの委員から御発言ございませんか。

吉本君:皆さんのお話を伺いまして、多岐にわたっているというか、もう少しテーマが絞られるのかなと思っていたのですけれども、そうではないようなので、どうしようかと思っています。
ただ、一つはっきりしているのは、えべつ未来戦略や事務事業評価表のお話なども出ましたけれども、前回の委員会が終了する時点で委員長がおっしゃったことは、ここで私たちが議決をするために審査しているのは、あくまでもえべつまちづくり未来構想の部分なのだということを再確認しておられたはずなのです。
ですから、私は、そこの部分に関する自由討議になると思っていたのですけれども、えべつ未来戦略に入ったり、事務事業評価表に入ったりしていてどうなのかなと。自由討議ですからフリーでいいといえばいいのかもしれませんけれども、自由討議の目的があったはずですので、その辺は徹底したほうがよかったのではないかと率直に思っております。
今回の総合計画をつくるに当たって、先ほど岡委員もおっしゃっていましたけれども、いろいろなシステムを使って30のグループから、よりたくさんの市民の方たちの率直な意見を集められ、また、未来に向けてどう考えるのか、高校生や大学生などもそうでしたが、そういう人たちの意見を集めた結果がこれなのだというふうに私は理解をしております。
ですから、私たちが会派で話をしたのは、普通に会話をしているときのような表現、例えば、えべつまちづくり未来構想の計画を策定する目的のところでは、みんなで力を合わせ、時につつましく、時に力強く変えていくのだと、意識や行動を変えていくときの修飾語が、時につつましく、時に力強くという、そういうものは今までの計画にはあまりなかったかなと思いました。
先ほどそちらのほうでもおっしゃっていましたけれども、市民の人たちが見て分かりやすい、ふだん使っている言葉で書かれているのが一番分かりやすいと思うのです。
そういう意味では、すごくそういう努力をされて、特に職員の方たちは、ふだん使っている行政用語ではありませんので、大変だったのではないかと思いますし、市民の皆さんの思いを今まで以上に反映させるというところでは努力をされたのだなと思います。私も、一市民として見たときには、なるほどと理解できるところがありました。
私としては、この計画に対しては、先ほどから出ていますけれども、これから具体の計画が出てきて、この目的が達成されて、えべつまちづくり未来構想の目指すまちに近づいていけるのかなと思っておりますが、それは今後1年間の事務事業評価表から始まって、政策のところまで評価をして決まっていくことだろうと、それは議会の役割でもありますし、そういうことでやっていけばいいのではないかと思っております。
皆さんがたくさんおっしゃっていただいたことも理解できるところではあるのですけれども、総合計画というところで見たときには、私としては、これに対して特段大きな問題があるというふうには思っておりません。

委員長(芳賀君):ほかの委員から御発言ございませんか。

干場君:今、当会派の稲守委員からも発言がありましたけれども、私からも少しだけお話をしたいと思います。
このたびの委員会と理事者質疑を含めたやり取りを聞かせていただいて、今回は自由討議ということで、行政と質疑をしていること以外に総合的にお話を伺えたので、私としては、改めて勉強になったというふうに思っています。
とかく総合計画というのは総花的と言われる中で、第6次を基盤にして、分かりやすく、市民に手に取ってもらえるような総合計画ということで、言葉の使い方、表現の仕方も、これまでにない形だったかなと思っております。
しかしながら、私たち市民の今後10年の計画ですから、たとえ総花的であっても、大変重要な計画だと思って私も臨んでまいりました。
そういった視点に立ったときに、皆さんからそれぞれ御指摘があったようなこと、例えば、財政面であるとか、個別事業につながるであろう大枠の指標の取り方であるとか、それが財政とどう突き合わせていけるのかとか、月並みかもしれませんけれども、高齢化に向けての対策や少子化対策について、江別市として、そういったことにどう立ち向かっていくのかといったところが全体的には弱かったような気がしております。
新たな首長は職員でいらしたわけですから、まだ成りたてということがあったかもしれませんけれども、新たな市長の方針というものを、もう少し打ち出してほしかったというのが会派でも話題になりました。そういった意味では物足りなさを感じている部分もありますが、コロナ禍にあって、市民の聞き取りも大変苦労したのではないかと思っています。
そうした中で、よくここまでたどり着けたという気持ちも持っておりますが、個別の計画に連動しているとはいえ、全体的な江別市の状況を表すには、あまりにも個別具体的な表現も散見されたので、質疑もさせていただきましたけれども、そういった気になる点はあるものの、今、皆さんの御意見を伺いながら、今後、進捗状況を把握していく上でも、皆さんの意見も参考にしながら臨んでいかなければならないと、改めて確認をさせていただいたところです。

委員長(芳賀君):ほかの委員から御発言ございませんか。(なし)
以上で、自由討議を終了いたします。
ただいま、自由討議を行いましたが、前回の当委員会で、自由討議を行い、その結果等を踏まえて、会派として賛否を判断したいという御意見がありましたので、会派会議や討論作成の準備もございますでしょうから、再開は1時間後とし、一旦休憩を取り、再開後、議案第75号の結審を行いたいと思いますが、そのように進めてよろしいか、休憩をして確認したいと思います。
暫時休憩いたします。(13:57)

※ 休憩中に、今後の進め方について協議

委員長(芳賀君):委員会を再開いたします。(14:02)
これより、議案第75号の結審を行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。(異議なし)
御異議なしと認め、直ちに、討論、採決を行います。
これより、議案第75号に対する討論に入ります。
討論ございませんか。

三吉君:議案第75号 えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)の基本的な構想部分について、賛成の立場で討論いたします。
本計画は、平成21年に施行された江別市自治基本条例に基づき、総合的、計画的なまちづくりを行うため、2024年度から10年間を計画期間として、江別市における未来のまちの方向性を示す総合計画です。
本計画は、えべつまちづくり未来構想とえべつ未来戦略の2本柱で構成され、えべつまちづくり未来構想では、まちづくりの基本理念と10年後の将来都市像から成る目指すまちの姿を示し、えべつ未来戦略においては、江別市の魅力を高めながら、市が抱える課題の解決に向けて、重点的、集中的に取り組む施策を示しています。
第6次江別市総合計画では、時代の潮流を中心に表現した部分から、本計画は、まちづくりの主な課題として、人口減少対策をはじめとする7項目を掲げ、背景と課題を示しながら、目指すまちの姿を明確にしています。
具体的な施策や事業については、様々な分野で定める個別計画などに位置づけ、総合計画との整合性を図りながら取り組んでいくことで、新型コロナウイルスをはじめとする未曽有の感染症や大規模災害、また、揺れ動く国際情勢など、先行きの不透明さを増している現在において、柔軟に対応できるよう、計画、実行、評価、改善を進めていくPDCAサイクルによって、毎年度見直しを行うとのことであります。
本計画の素案策定に当たっては、総合計画の存在を市民の皆様、そして、市職員にも周知させるべく、市民5,000人を対象にアンケート調査、高校生ウェブアンケートやえべつの未来づくりプロジェクトなどを通して、コロナ禍において制約がある中でも、幅広い世代の方から江別市の魅力や未来についての意見を伺う取組を行い、市民参加による意見を参考に、市の若手職員の意見も取り入れたこと、さらに、見やすさ、分かりやすさを意識してデザインされた部分などについては、大いに評価するところであります。
以下、委員会における質疑から、何点か指摘させていただきます。
国勢調査の結果を見ても、日本の人口は年々減少し、令和4年においては、1899年の統計開始以降、過去最少の出生率となり、少子化は推計よりも加速しています。
江別市は、札幌市に隣接していることもあり、現在は他自治体に比べると比較的減少が抑えられているところではありますが、今後の推移を見ていくと、確実に人口は減少し、高齢化はさらに進んでいくと見込まれます。
こうした状況の中で、本計画では、都市づくりの方向性においては、行政サービスの低下や人とのつながりが希薄にならないよう、JR駅周辺を拠点とした集約型都市づくりを方針として、人口減少が進んでも、住みよいまちづくり、持続可能なまちづくりの実現に向けて取り組むと説明がありました。
コンパクトなまちづくりは、人口減少が進む上では有効な政策と評価いたしますが、住民の理解が得られるよう、今後とも、各地域において、住民の皆様の意見に耳を傾けながら取り組んでいただけるよう要望いたします。
地域福祉の充実については、相談支援体制の充実があり、ライフスタイルの多様化に伴い、様々な課題に対する当事者への包括的な相談支援体制の充実を目指しているところではありますが、福祉の充実としては、介護する側、ケアラーを支える視点も忘れずに、今後とも取り組んでいただくことを望みます。
日本を取り巻く環境が大きく揺れ動く中、近い将来も見通すことが難しく、その中で10年間の方向性を定めることは、とても厳しい現状と言えます。
しかし、目指すまちの姿にある基本的理念を柱として、本計画のテーマとも言える、幸せが未来へ続くまちえべつを目指し、市民の皆様が江別で暮らせてよかったと思っていただけるまちづくりとなることを期待し、賛成の立場での討論と致します。

委員長(芳賀君):ほかに討論ございませんか。

岡君:議案第75号 えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)の基本的な構想部分について、賛成の立場で討論します。
本議案は、今後10年の江別市の最上位計画となる第7次の総合計画となりますが、基本的な構成は、第6次の計画を踏襲したものとなっております。
今回の総合計画策定に当たり、コロナ禍で多人数での集会開催が困難な中、少人数で構成するカテゴリー別に分けた30の様々な市民グループから意見聴取を行い、また、その場に市の若手職員も加わって議論したことは評価できる点と考えます。
特に、障がいのある方や性的マイノリティーの方、子育て中の方など、当事者の意見を伺ってきたことは大変評価できます。
ただ、出来上がった総合計画の文面は、全国どこの自治体の計画としても通用するような型どおりの部分も多く、市民から頂いた様々な意見が必ずしも十分に反映されていないように見受けられますので、今後の施策や事業の実施に当たっては、今回頂いた市民意見を十分に認識していただくことを改めてお願いいたします。
以下、審査を行ってきた中で、今後、特に考慮していかなければいけない点について、3点指摘いたします。
まずは、人口減少についての認識です。
札幌圏においても、いよいよ本格的な人口減少が始まりつつあり、次の10年は、高齢化や少子化以上に、全ての分野で人手不足が起きることが人口減少に関連した最も大きな課題になってくると考えられます。
今回の総合計画においては、人口減少対策は最も大きな課題とみなして、できるだけ人口減少のスピードを抑えられるような対策を行っていくという姿勢を打ち出しており、そのこと自体は全く間違っていません。
しかしながら、人手不足によって経済や公共サービスの担い手が減っていく中で、どのような地域社会を築いていくのかという視点は不十分であり、過去10年とは異なる考え方を次の10年に向けてもっと真剣に考えていく必要があります。
次に、総合計画における行政評価の体系についてです。
第7次江別市総合計画の構成は、これまでどおり、政策、取組の基本方針、具体的施策という構成となっています。
具体的施策をある程度具体化された政策上の目的とすると、どのような手段の組合せによって目的を達成できるのかを考えて評価を行っていく必要があります。残念ながら、現状の行政評価体系のままでは、手段の組合せを考え、見直していく部分が弱いと考えます。
理事者質疑において、財源確保のために事業の見直しが必要であると市長自らが答弁されておりますが、本来、事業の見直しの行程は、総合計画においても記載されているPDCAサイクルに含まれているべきものです。
現状、事業の見直しが必ずしもうまくいっていないように見えるのは、PDCAサイクルを含む既存の行政評価体系がうまく機能していないことが一つの要因であるように考えます。
したがいまして、政策目的と手段の組合せをより適切に評価できるような行政評価体系の構築が必要と考えます。
最後に、歳入の確保の視点についてです。
総合計画において、各分野で取り組む内容をまとめているまちづくり政策は、そのまま予算の歳出に対応していることもあり、歳入確保の視点が弱くなってしまっています。
ふるさと納税の自治体間競争が激化していることや、転入者や女性、高齢者の働き手の増加によって市民税が増えていることを考えると、どのように歳入を確保していくかを総合計画の中に位置づけていくことが重要と考えます。
理事者質疑においては、歳入確保の重要性は認識しているが、それ自体を目的として捉えているのではなく、それぞれの具体的施策を達成するための手段と考えているとのことでした。
目的と手段は相対的に考えることができるので、今後、歳入確保という手段を達成するためには、どのような取組が必要であるかの全体像を示し、実行していくことが重要と考えます。
以上を申し上げて、議案第75号 えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)の基本的な構想部分について、賛成の討論と致します。

委員長(芳賀君):ほかに討論ございませんか。

干場君:議案第75号 えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)の基本的な構想部分について賛成の立場で討論いたします。
2024年度よりスタートする第7次江別市総合計画の策定に向け、2021年9月より土台づくりに取り組み、このたび議案として提出されたものです。
本計画の策定方針、つまり基本的な考え方として、1みんなにとって分かりやすい計画であること、2市民とともに希望を持ってつくり上げていく計画であること、3江別市の特性を生かし、持続可能なまちづくりを実現する計画であること、4まちづくりと地方創生を一体的に進める計画であること、5SDGs持続可能な開発目標の視点を持った計画とすることを掲げ、策定作業を進めてきました。
計画の策定に向け、江別市自治基本条例に基づく市民参加を積極的に進めながら作業に取り組んできました。
策定に係るこの間、アンケート調査をはじめ、31回にわたる多様なグループによるえべつの未来づくりミーティングを開催し、若手職員の参加とともに、多くの市民意見を反映させるため、コロナ禍という難しさもある中で実施、達成されたことは、大変評価できるものと認識いたします。
議案の審査に当たっては、10年を期間とする基本的構想部分のひもづけともなっているまちづくり政策の取組方針、えべつ未来戦略とも関連することから、これら質疑の全体から何点か述べたいと思います。
まず、まちづくり政策では、政策7生涯学習・文化・スポーツ、(2)ふるさと愛の醸成と地域文化の継承についてです。
第6次江別市総合計画では、ふるさと意識の醸成と表現していたものを、ふるさと愛に変更しましたが、リベラル性に欠けていると指摘せざるを得ません。
江別市は、国際交流をはじめ、全国各地にふるさとを持つ方々が在住し、今後の転入も期待される中、多文化共生のまちを目指してきました。
質疑では、押しつけではなく、さらなる醸成を図るとのことでしたが、説明に何ら説得力もなく、従来のふるさと意識という記載を維持することが肝要と考えます。
次に、えべつ未来戦略では、戦略2幸せに歳を重ねられる暮らしを届けるについてです。
5つの戦略は、重点的、集中的に取り組む課題解決のため重要であり、戦略2は、今後5年間の江別の高齢者・障がい者福祉政策等の大切な設定の一つと認識いたします。
市として生涯活躍のまち構想に取り組んだことは理解しますが、直接的な施設名を挙げ、共生のまちづくりを掲げることは違和感があり、適切とは言えません。
福祉全般の一部の取組であり、毎年の取組状況を捉えていくことで、全体のバランスを考えながら進めていくことが求められます。
さらに、冒頭の背景と戦略の概要では、高齢化率の増加や高齢化への不安に関する説明はあるものの、個別計画で対応していくとの説明でしたが、江別市の現実的な団塊の世代等が直面する状況に照らせば、戦略2においては、市内福祉全体を捉えておらず、釈然としない内容です。
複雑化した深刻な認知症の増加傾向、さらに、人生の最期の迎え方に関する全国調査では、人生の最期を住み慣れた自宅で安心して自分らしく過ごしたいと願う割合が6割近くを占めているのが現状です。
質疑による指摘により、文言修正やKPI指標を変更しましたが、政策3福祉・保健・医療に属する戦略2において、政策8の多様性を認め合う社会意識の醸成を指標にすることで、むしろ理解しにくい指標となったことを指摘いたします。
理事者質疑では、基本的な未来構想部分の(7)持続可能な行財政運営における財源の確保についての質疑が行われました。
今後、庁舎建築、高齢化に伴う社会保障費の増加、江別市公共施設等総合管理計画に伴う対応等や市立病院の経営改善など、厳しい財政運営となることが予見されます。
将来にわたって安心・安全に暮らしていける江別市にするためには、時代の流れに即して業務のスリム化を図り、持続可能な行政運営を行っていけるようにしなければなりません。
組織及び運営の簡素化、効率化に努め、最少の経費で最大の効果を上げられるように、限られた資源を最大限活用し、市民サービスの向上を図るとともに、コストの見直しを推進していくことが不可欠です。
また、社会情勢の変化や多様化する市民ニーズに対応するために、行政には、より市民に寄り添った市民サービスを行っていくことが求められています。
それに伴い新規事業の増加が見込まれており、人員、予算がさらに必要になってきます。しかし、事業は増加する一方で、自然に減少することはなく、人員、予算にも限りがあります。
限りある資源を最大限活用し、将来にわたって市民に利益をもたらすためには、行政だけではなく、市民、議会、行政が一体となって、痛みを伴う行財政改革を推進していく必要があります。本来であれば、総合計画に連動した財政改革プランが必要であることを意見いたします。
最後に、まちづくり政策の全てに人権意識の醸成と平和意識の創造が大切です。
江別市は、2014年8月15日に江別市平和都市宣言をしました。まさしく、今、戦争状態となっているロシア・ウクライナ問題、イスラエル・パレスチナ問題を目の当たりにしながら、総合計画に平和という文言や平和都市宣言について触れられていないことについては、誠に残念であることを申し添えたいと思います。
以上、第7次江別市総合計画の基本的な構想部分について述べましたが、適時に見直し、調整を図ることを求め、おおむね妥当と判断し、賛成の立場での討論と致します。

委員長(芳賀君):ほかに討論ございませんか。

野村和宏君:議案第75号 えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)の基本的な構想部分について、賛成すべきとの立場で討論に参加いたします。
これまでの第6次江別市総合計画においては、当初の計画を大きく揺るがす出来事が多く発生した期間でした。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行や大規模災害の発生、そして、いまだ収束の見えない戦争や紛争など、不安定な国際情勢の渦中の期間でした。
そのような中でも、計画期間内に実施すべき事業を明確にして取り組んできましたが、今回議案となった令和6年度を始期とするえべつ未来づくりビジョンは、長期的な視点に立ち、目指すべき姿や政策の基本的な考え方を、えべつまちづくり未来構想に、まちづくり政策のうち重点的、集中的かつ効果的に取り組むものを、えべつ未来戦略として体系づけております。
具体的な施策や事業については、様々な分野で定める個別計画などに基づき、総合計画との整合性を図りながら取り組んでいくことで、人口減少、少子高齢化社会への対応を念頭に、常に社会情勢の変化等を踏まえて柔軟に対応できるようにし、また、PDCAサイクルの採用による計画の実効性向上への考え方、えべつ未来戦略の策定により、全庁的な体制での重点的、集中的な取組の方針についての評価方法が示されております。
その目指すべき姿や施策方法については、まちづくり市民アンケート、えべつの未来づくりミーティング、パブリックコメント等の実施や、江別市行政審議会における審議など、多様な市民意見を反映して策定されたものであるとうかがい知ることができます。
次に、本委員会の審査においては、文章表現が簡略化し過ぎていて、意味を十分に読み取ることが難しいもの、令和6年度からの10年間の計画としては文言が不足していると感じられる部分等について指摘がありました。
これらに関しては、市民に対し、取組内容に誤解を生じさせないような説明をすべきと考えます。
また、えべつまちづくり未来構想の持続可能な行財政運営について、今後の人口減少による税収の減少や高齢化による社会保障費の増加等の課題に対して、財源確保への対応は、人口減少対策、企業誘致との表現のみでは、市民へ伝わりにくいのではないかという思いがあり、質疑をさせていただきました。
理事者からの答弁では、ふるさと納税など、ほかにも様々な取組を行っていくことにより財源確保を行うこと、一方、事業の更新、終了などによる支出の削減にも取り組まれていく旨の御答弁を頂きました。
総合計画の期間について、えべつ未来戦略は5年後に見直すほか、社会や経済の状況に対応しながら戦略の効果を高めるため、必要に応じて見直すと明記されていることを十分に理解し、議員も一体となって進めていかなければならないことと捉えます。
本計画の策定に至る議論を含め、策定過程については、分かりやすく整理し、どのような過程でそれぞれの政策がつくられてきたのか、どのような議論がなされたのか、ウェブ上での公開を進め、協働の基本である情報共有を進めていくことが望まれます。
今後、個別事業やPDCAサイクルによる施策の見直しについては、私たちもその推移や展開を注視していくとともに、本ビジョンが協働を基本とすることからも、市民、議会、行政が、個別の計画や事業を含め、計画内容の公表、進捗、改廃等の情報公開と共有を一層進めることを求めるものであります。
以上を申し上げ、議案第75号 えべつ未来づくりビジョン(第7次江別市総合計画)の基本的な構想部分について、賛成すべきとの立場での討論と致します。

委員長(芳賀君):ほかに討論ございませんか。(なし)
これをもって討論を終結いたします。
引き続き、議案第75号を挙手により採決いたします。
議案第75号は、原案のとおり可決することに賛成の委員の挙手を求めます。
挙手全員であります。
よって、議案第75号は、原案のとおり可決すべきものと決しました。
ただいま結審を行いました議案の審査結果報告につきましては、委員会での審査経過や結審内容を踏まえて、正副委員長で協議の上、作成いたしたいと思いますが、御一任いただけますでしょうか。(了)そのように確認いたします。
次に、2その他について、各委員からございませんか。(なし)
事務局からございませんか。(なし)
以上で、本日の委員会を散会いたします。(14:26)

※ 散会後に、正副委員長より謝辞