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平成17年第2回江別市議会会議録(第3号)平成17年6月17日 3ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

 6 議事次第の続き

一般質問の続き

植松直君

団塊の世代問題は江別市においても深刻な問題を投げ掛けることになる。これまでも職員の退職が予想以上に多くなり、財政状況から見ても補充はままならない。2008年問題は国だけの問題ではない。必ず地方にもそのしわ寄せが重くのし掛かってくる。時代に沿った抜本改革と言いながら、行政サービスは後退を余儀なくされると思われる。このような状況では、これまでのように国や道の条例や指針に基づいて企画、立案、サービスを行っていれば良いという時代ではなくなっている。数字での評価を描きながら、都市間競争に負けない江別市をどうつくるかが課題で、少なくなったスタッフが短時間で企画立案していかなければならない。このような環境の中で仕事をせざるを得ないことから、職員の心身共に限界に達するのは目に見えている。そのためにも、民間で言う産業カウンセラーを常駐させることが早急に必要と思う。いつでも気楽に出入りできるカウンセラーが近くにいることで職員の士気にも影響を与えることになると思う。実感として、最近笑みの少ない職員が多くなっているように思えてならない。行政改革の下で制度の後退や廃止が続いています。市民以上に職員に元気がありません。退職者の補充がままならない現状では、心身共に限界になりつつあるのではないかときぐします。
 近ごろの風潮として、大きな組織になると同僚や上司に相談しにくい関係になってきました。企業であれば社内にお医者さんや産業カウンセラーを置いています。庁内にそのような部屋を設けるか、庁外に専門家を委嘱するかで2人ないし3人のカウンセラーを置く必要があるように思える。行政活動に精通しているOBなどを採用するのも良いし、生活全般にわたり相談を受けられる人材はいる。
 今回の不法投棄にしても、個人のモラルの問題として片付けてそれで良しとするのか大いに疑問である。市のリサイクルセンターがあることも知らない職員がいることに驚かされましたが、それ以上に、職場の中にコミュニケーションのとれる仲間がいないということの表れでもあり、上に立つ者たちがこの雰囲気を作っているのです。職員の不祥事が起きてから、再発防止に努めますと弁明する前に、心の病だけでなくよろず相談に乗れるカウンセラーの設置を早く望みます。職員に強い味方ができると雰囲気も明るくなるのは確かでしょう。
 ついでながら、今回の責任の範囲が課長までというのは納得のいかない市民が必ずいます。不法投棄の監視に市民の協力をお願いしていながらこのような行為をするというのは、パートナーシップを唱える幹部にも責任の一端はある。これが普通の市民感覚なのです。最近のNHK受信料不払をどう思いますか。不祥事や事故、自殺等が発生すれば、監督責任よりその体質が問われ、自ら作り出しているダブル・スタンダードが市民の安全や安心よりは上にあることを問われ、それが即NHKと同じように市民税や年金の徴収に影響を与えることになります。
 子供育成のアクション・プランや、最近では地域福祉実践プラン、環境家計簿、さらには生ごみのたい肥化など、市民にとっては身近なものもあります。このようないろいろなプランについては、国や道から作成しなさいということから立派なプランを作ってきました。一番新しい江別市障がい者福祉計画(障がい者支援・えべつ21プラン)の基本目標6に雇用・就労の充実という項目があります。障がい者のニーズと適性、能力に応じた就労の場を確保するため、小規模作業所等の整備の支援に努める。さらに続けて、障がい者が地域において自立して生活が送れるよう、年金や手当、優遇税制や医療給付も含めて経済的支援に努めると言っています。この目標に向かってどのような手段、方法をとるのか肝心なことが記載されていない。これからのプランは、だれがどのような方法で目標を実現するのかを明記しなければならない。江別市は具体的な社会資源やNPO、多くのマンパワーを活用してまるまる年までに雇用場所を確保する。具体的に政策を述べるものでなければだれも信用しません。これまでは、文書を作ればそれで終わりで良かったが、これからはそれをどのように現実化するかです。プランからドゥへの前進です。
 視点を変えてみると、環境家計簿はどうでしょうか。地球温暖化問題として、アクト・ローカリーから、市民の皆さん省エネに取り組みましょうと音頭を取って2年ほどたちますが、江別市で一番大きな事業体の職員はこの運動にどれだけ取り組んでいるのでしょうか。生ごみのたい肥化もそうです。職員の何人、何パーセントが行っていますか。数字があれば提示してください。生ごみも猫の額の畑や庭で消化できるのでしょうか。まずは自ら環境家計簿を付けて、たい肥化の取り組みについても、自らの体験談や問題点を市民に発表することが大事です。昼休みになると省エネと言って消灯します。それはそれで結構です。しかし、その中を見ると、暗い服を着て暗い顔をした職員が静かにいすに座っている。この光景はどう見ても愉快になれない。声を掛ける市民が気楽に中に入っていけるような雰囲気にはない。
 私は、かつて横浜の造船所を訪問したことがあります。午前中に打合せが終わり、昼食をゲストルームでごちそうになり、札幌市では喫茶店で暇つぶしをしていますが、ここでも小休止と思っていると、外に出ましょうと誘われて外に出て驚きました。季節は初夏で外は真夏日でしたが、事務職員の大半が外で体を動かしている。舗装道路でネットを低くしたソフトテニスのコートを何面も勝手に作ってダブルスをしている者、キャッチ・ボールやバドミントンやサッカーに興じていました。さらには、短パンでランニングをしている人もいて、距離はと聞くと構内の往復で3キロメートル。彼は陸上の選手だからということでした。女性は芝生で楽しそうにおしゃべりをしている。作業員はドック内で寝ている人もいましたが、グループで体操しているところもありました。昼からの仕事のエネルギーを今このように体に吸収しているのかと感心しました。江別市の最大の事業体に必要なのはこのような明るさでないでしょうか。
 自らの工夫でエコノミー症候群の解消に向けて行動を起こしていただきたい。省エネと言うと市民に見える形はノーカーデー、自転車通勤にも取り組んでいただきたい。歩いたり自転車で町なかを見ると、車とは全く異なる景色に出会うはずです。子供、お年寄り、障がい者のいわゆる弱者にとって、このまちは本当に住み良いのかも、通勤時にいろいろなコースを体験することで判断することができます。地域で自主的に取り組んでいる見回り隊にも参加し、省エネからの発想と行動で市民の目に触れることによって、職員の一生懸命さが伝わり、新たな評価を得ることができるのではないでしょうか。
 さらに、目に見えることと言えば、国・道・札幌市でも始まったクール・ビズを江別市でも採用すべきでないだろうか。昨年、議運をノーネクタイで開きました。昼の消灯でも明るい服を着ていればそれだけで雰囲気が変わります。
 もう一歩進めて、サマー・タイム制を採用してはいかがでしょうか。幾つかのデメリットが挙げられていますが、それらは制度そのものにあるのでなく、制度を理解しない人たちに起因する事柄と言えます。既得権を唱える人、前例踏襲にこだわる人、新しいことを忌避する人。市民に見える形で役所が行動を起こすことが今要求されているのです。
 職員の意識改革の最後に取り上げるのはレセプション・ブースであります。若くて美しい女性と言うとセクハラと言われますが、あえて箱入りにして閉じ込めておく必要があるのでしょうか。ある役所では、ボランティアの人たちが入り口の近くにいて、車いすが来ると介助したりお年寄りの手を引いたり、別館まで案内したりと大忙しに見えました。交通費とわずかな時間給らしきものを受け取っていて、午前、午後と週2日ほどのローテーションを組んでいるとのことでした。市民の目線でのサービスはこういうものだという自負を持って活動しているという言葉には、深くうなずくだけでした。旭山動物園の動物に例えるのは適切ではないだろうが、おりから出て習性に従って、その役目に沿って動き回るのが、それを見ている人たちの感嘆を誘い拍手を受けることになります。
 職員の意識改革、庁内改革は座っていてはできません。これからは、前例がないからといって手をこまねいていては都市間競争に負けます。今、手を着けなければならないことは多数あると思われます。今回、あえて幾つかについて取り上げましたが、日常業務に誠心誠意努めている職員は、自ら抱いている問題に果敢に挑戦してほしい。目に見える形で躍動する姿を市民に訴えていただきたい。市長がそれらにどのようにかかわるのかお知らせください。
 最後の質問に移ります。
 5月下旬に兵庫県の芦屋市に行ってきました。3月の市長の市政方針に、ニートに触れた箇所がありました。昨年ロンドンに入ったときにガイドから、日本人が立ち入ってはいけない地区についてアドバイスがありました。外国人移住政策をとってきた外国人居住区で、さらには、民営化でリストラに遭った人たちが移り住んできた地区で、今はその2代目が主流になっている。問題は、義務教育も満足に受けていない若者たちである。犯罪の巣くつになっているので、外国人は立入禁止です。その若者たちは、イギリスで問題になっているニートという人たちかと聞くと、そうです、教育も十分でなく、当然仕事にも就けないといった個人的なことでなく、社会保障制度で18歳になるといわゆる失業保険が支給される。この負担が、今、政府の大きな問題になっていて、労働党としても何らかの手を打たなければならなくなってきている。これがイギリスのニートなのです。
 厚労省が言うニートとは、現象は似ていても内容は異なっています。働く意欲のない若者というのが日本の厚労省のニートの定義になっています。社会や人と接するのが苦手で、引きこもり、閉じこもりで外に出られない若者というニュアンスが強い。仕事場でのコミュニケートがとれなくなって人前に出られなくなった。それが日本的ニートと言えます。
 玄田有史氏は、偏差値の低い入学生の4人に1人が退学する。授業中の私語は絶えない、そのような高校からたくさん生まれていると言う。予防策としては、自分の存在意義に大きな不安を感じなくて済むような体験、他人と交わって働く自分に対してささやかな自信を実感できるような体験。そんな自信を持つための方法として、義務教育を終えるまでに生きる知恵を体験して、一人ひとりがその知恵を身に付けることだとも言っています。既に公立校の87%が職場体験を実施している。そのうち半数は1日体験です。体験というよりも工場見学と言った方が良いでしょう。
 すべての中学2年生が1週間の職場体験を実施しているところが兵庫県と富山県です。兵庫県は、1997年6月の中学3年生の連続児童殺傷事件、いわゆる酒鬼薔薇聖斗で教育界に大きな衝撃を与えたことがこの取り組みの契機になったということです。県教育委員会が自らの責任と感じ、即行動を始めた。それが1998年から始まったトライやる・ウィーク活動です。中学2年生が学校の時間割から離れ、希望する仕事場、趣味の場、ボランティアの場などで地域の人と向き合う。一番反対してきたのは先生であったということですが、この話は別のところで言うことにして、目に見える効果は、子供たちが親でも先生でもない大人に出会う、大人に会う機会がつくられる。不登校児がこの1週間職場に通い、全員ではないが終了後登校するようになった。教室内で他の生徒とコミュニケーションができるようになった。
 家庭・学校・地域の三位一体で子供の健全育成をすることが大切であると言ってきましたが、地域がこのような形で参加してもらえることは、若い中学生に世の中を知る良い機会であり、生きる意義を見付ける契機になるのではないだろうか。これは、教室で言葉だけの学習とは違った体験を得ることになると思います。ニートが年ごとに増え続けている今こそ、大人と子供のはざまにあって多感な14歳が、5日間にわたって社会の良い大人たちに出会う機会を全国に広げることがニート対策になる。私は、ニートというよりも、今の中学生にとってはこの体験学習はこれから続く長い人生にとって大きな意義を持つものと思います。
 芦屋市の担当者は、市民と子供たちの声掛けが至る所で行われ、町中に元気が出てきたように思う。交流は子供たちの人生を考える良い機会になっているということでした。江別市も今年8月から10月に掛けて、四つの中学校で、兵庫県と同じ事業に取り組むということですが、このような取り組みについて教育長はどのようにお考えかお聞かせください。
 以上で1回目の質問を終えます。

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