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平成17年第2回江別市議会会議録(第2号)平成17年6月16日 3ページ

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年1月30日更新

 6 議事次第の続き

一般質問の続き

森好勇君

 次に、福祉行政について、生活保護関連で4点にわたり質問いたします。
 三位一体改革の争点の一つになっている生活保護の国庫負担削減の問題で、全国市長会が憲法第25条を掲げて削減に強く反対しています。
 昨年11月の政府と自民、公明の合意で、今年秋までに結論を出すことになっています。過去には国の負担が80%、現行75%を、厚労省案では国庫負担割合を3分の2又は2分の1を提案しました。江別市の平成17年度予算では、生活保護費27億5,700万円、うち国庫等特別財源21億1,800万円となっています。この削減が実施されると、江別市にとっても多大なマイナスの財政影響が出てきます。
 4月20日から国と地方の協議が始まっており、谷本石川県知事は、国の負担率引下げは地方への責任転嫁でしかない。生活保護制度そのものへの否定につながりかねないと発言しています。
 1点目に、生活保護制度は、憲法第25条、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を具体化した制度です。今日、失業者は300万人を超え、また不安定労働者が増大。それに加え、福祉、医療の自己負担増と、暮らしがますます厳しくなっています。今年1月の全国統計で生活保護世帯数は101万3,000世帯で、10年前、1995年の60万世帯の1.7倍と増え続けています。江別市の現在の保護世帯数は1,030世帯、10年前は535世帯、2倍近くになっています。市民の生活状況が全国以上に厳しくなっていることを物語っています。
 国民年金の一人暮らしの方、また仕事をしている方でも、低賃金、低収入で保護基準以下の生活水準を強いられている住民が多数います。ごみ袋1枚買うにも考えている経済的困窮世帯、まじめに働いても病院に行けない方々等の相談を受けますと、生活保護制度が社会保障としての制度であること、憲法で権利としてうたわれていることなど、よく理解されていない方もいます。
 特に、自分の収入と生保受給基準との比較については、ほとんどの方が分かりません。江別市の場合、1級地の2に位置し、夫婦、子供2人で家族4人構成で、年齢によって金額が違いますが、生活扶助1類、2類でおよそ20万円弱、住宅扶助、教育扶助加算などで合計月23万円から24万円の受給額になります。一人暮らしの70歳以上の方は、生活扶助で7万2,000円を超えます。国民年金のみの収入で一人暮らしの方は、ほとんどが対象になります。このような方々に健康で文化的な最低生活を保障する生活保護制度を知らせるためにも、制度そのものを理解するパンフ、ポスターなどを作成する必要はないか、お尋ねします。
 2点目に、住宅扶助についてです。
 厚労省が決めている基準では、1・2級地が1万3,000円となっています。しかし、この金額は、実際の家賃の実情に合っていません。それで、各自治体ごとに特別基準が決められています。江別市の場合は、単身者は2万9,000円、2人以上は3万7,000円、札幌市では単身者3万6,000円、2人以上は4万6,000円です。
 江別市の保護世帯の9割以上は民間アパート、公営住宅で、持家の方はわずかであると思います。民間より低家賃の公営住宅への入居は応募が多く、入居が難しい状況であります。当市の住宅扶助の平均は、平成15年度決算では2万2,200円となっていますが、平成6年度は平均2万900円、10年間で1,300円ほどしか平均住宅扶助は上がっていません。
 申請時に特に指摘されるのが、民間アパートに入居されている方々です。ケースワーカーに住宅扶助内への引っ越しを言われても、なかなか見付からないのが現状です。札幌市に隣接の江別市も特別基準を大幅に引き上げる必要があると思いますが、いかがなものかお尋ねします。
 3点目に、生活保護制度の在り方に関する専門委員会が、厚労省社会保障審議会福祉部会の下に設置され、昨年12月15日に報告書が提出されています。その報告書の中に、自立支援プログラムの名の下に、働きたくても働く場のない人たちを生活保護から締め出すことをねらっていると思われる自立計画書を作成させ、従わない場合は指導・指示による保護の停止・廃止をしようとしています。
 被保護者は、だれもが能力を生かし自立したいと願っています。しかし、病弱、高齢等で、働きたくても働くことができない方が多数です。健常者でも、この不況の下で働く場のないのが実情です。
 厚労省が自立支援プログラムを発表してから、全国各地で就労の強要が強まっています。江別市の受給者、申請開始時にはどのように対応されているか。また、自立支援プログラム策定の進ちょく状況についてもお伺いします。
 4点目に、窓口の対応についてです。
 公務員労働者は、憲法第15条の全体の奉仕者として、また第99条の憲法尊重擁護の義務に基づいて、誠実かつ公正に職務を遂行しなければなりません。住民の中には、生活保護制度を恩恵的な制度として考え、国民の権利意識に欠けた方もいます。そのような住民にとって、窓口に来ることさえもちゅうちょし、相当の勇気を持って相談に来ると思います。高齢、病気、失業、離婚等々、生活困窮には様々な理由があると思いますが、申請に行く方は、ケースワーカーを信頼し、プライバシーを含めお話をすることになります。しかし、申請時にはいろいろな要件があり、不動産所有、車、生命保険、預貯金等々、開始に至るにはいろいろなハードルがあります。それらのハードルを教条的にケースワーカーが対応したのでは、温かみのある対応とは言えません。それぞれの事情をよく聴き、申請者の目線に立った対応が求められています。
 生活困窮者にとって、最後のセーフティ・ネットとしての生活保護制度ですので、窓口に来られた方が、職員は親切で、いろいろな制度や、生活が少しでも改善するアドバイスされ、前向きに生きられるようになったと言われる窓口対応のためにも、生活保護の歴史、憲法学習、他の暮らしに役立つ制度など研修が必要ですが、職員研修の内容、参加人数についてお伺いいたします。
 最後に、国民健康保険について質問いたします。
 1点目に、三位一体改革の一環として国民健康保険への国庫補助負担金が削減され、同じ額が都道府県に財源移譲されました。窓口での患者負担を除いた半分を国庫で責任を持っていた財源構成を、来年度からは定率国庫負担を34%に、財政調整交付金を9%、合計43%まで減らし、減らした7%分を各都道府県が出す財政調整交付金に振り替えます。
 江別市の平成17年度予算では、定率国庫負担として約21億2,000万円、国の財政調整交付金として6億7,000万円、道からの財政調整交付金として3億5,000万円となっていますが、定率国庫負担は原則どの市町村にも同じ割合で入りますが、財政調整交付金は自治体の財政力によって配分額が異なります。江別市への財政調整交付金は今後どうなるか、お伺いします。
 2点目に、保険基盤安定制度にかかわる財政措置です。
 これは、国の制度分として低所得者の保険税軽減分を公費で補てんする制度ですが、直接国保会計に入るのではなく、いったん補助金で一般会計に入り、一般会計からの繰出金として国保会計に入ります。
 平成17年度予算では、一般会計から9億7,800万円繰り入れし、国の制度分として5億1,200万円ですが、うち保険者支援分として8,754万5,000円の半分、4,377万5,000円が国庫支出分として入っています。平成18年度以降の保険基盤安定制度のうち、保険者支援分の国庫負担について今後どうなるか、お伺いします。
 3点目に、保険税についてです。
 2003年から2004年に掛けて次々と税制を改悪し、負担増を押し付けてきました。国保は、他の保険に比較して、加入者の所得に対する保険税の負担が一番重くなっています。つまり、国保の加入者は圧倒的に低所得者が多く、江別市の場合も所得100万円以下が約50%という構成比になっています。
 市の被保険者の47%が65歳以上の加入者で、税制改悪で65歳以上をターゲットにし、公的年金等控除の縮小、年金者控除の廃止、配偶者特別控除一部廃止などの影響で、従来、所得税、住民税が賦課されなかった高齢者などに課税される人がたくさん出てきます。そのことにより、国保税、介護保険料が相当な負担増になります。当市の来年度国保税の歳入増と、その対象世帯数についてお伺いします。
 4点目に、国保税未納者への対応についてです。
 厚労省は、今年2月15日、保険局国民健康保険課長名で、各都道府県の民生主管部国民健康保険主管課あてに、国保税の収納率向上を求めた収納対策緊急プラン策定等についての通知を出しています。2003年度の国保税の収納率が90.21%に落ち込み、依然下げ止まり感がない中で、90%台の死守をねらいに打ち出したとされています。
 江別市のこの数年の滞納者数は、2002年度(平成14年度)は4,986世帯、昨年度は3,543世帯となっています。資格書交付世帯は平成14年度は29世帯、短期証は301世帯、2003年度(平成15年度)は資格書は68世帯、短期証は433世帯、昨年度(平成16年度)は資格書73世帯、短期証は550世帯と、滞納者に対する厳しい対応がなされています。
 収納率の向上を図ること自体、保険者として当然のことですが、一方で、生活苦など様々な事情で未納になっている人たちの診療機会を奪うことになってはなりません。
 通知には、例示として、収納嘱託職員の採用又は増員、口座振替を進める、コンビニ納付の活用、ボーナス時期の収納強化、夜間電話促進、訪問、滞納処分の収納率15%未満の保険者は税のエキスパート派遣など、滞納者の収納率向上を目的にしています。
 一方、通知は、生活保護申請が必要な状況でも申請を行わない被保険者の発見に努め、生活保護の申請を勧めるように求めています。これらの世帯は、生保受給者の5倍から10倍いると言われています。生活保護基準以下の世帯を救済する非常手段として滞納処分の執行停止、いわゆる地方税法第15条の7及び国税徴収法第153条の適用をすべきと考えますが、いかがなものかお尋ねして1回目の質問を終わります。
 以上です。

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